JP2019199544A - 樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及びコーティング方法 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及びコーティング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な引張強さを有する硬化物、及び上記硬化物を備える土木建築構造物を提供すること。【解決手段】イソシアナト基を有するプレポリマー、及び可塑剤を含み、上記可塑剤の25℃における粘度が60mPa・s以下であり、上記可塑剤の含有量が10質量%以下である、樹脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、硬化物、土木建築構造物、及びコーティング方法に関する。
ウレタン塗膜防水材は、種々の構造物の防水用に広く使用されており、例えば、屋根用塗膜防水材、及び外壁用塗膜防水材等が知られている。屋根用塗膜防水材、及び外壁用塗膜防水材については、高伸長形及び高強度形の種類が日本工業規格のJIS A 6021「建築用塗膜防水材」において定められている。
防水材は屋外で使用され得る基材上に設けられる。防水材は基材の夏季と冬季とにおける伸縮に対する追従性に優れる。防水材のうち高伸長形ウレタン塗膜防水材は基材の伸縮に対する追従性に優れるものの、十分な強度が得難く、ヒトや車両が往来するような床版に適用する防水材とする場合には、更に強度に優れる層を設ける必要がある。
このため、防水材の物理的強度を向上させることが検討されている。例えば、特許文献1には、水酸基価と総不飽和度とが所定の関係を満たすイソシアネート基末端プレポリマーを含有する主剤と水を含有する硬化剤とからなる2液型硬化性組成物が提案されている。
特開平10−324732号公報
上記のとおり、追従性に加えて、十分な引張強さを有する材料があれば極めて有用であると考えられる。
しかし、従来のイソシアナト基を有するプレポリマーを含む樹脂組成物は、比較的粘度が高く、塗膜を形成する際に塗膜中に欠陥が生じ易い傾向にある。これに対して、樹脂組成物に可塑剤を一定以上の量で配合し粘度を低減させることが考えられる。しかしながら、可塑剤が硬化膜中に残存することになることから、可塑剤の使用量が増えると、得られる硬化膜の引張強さの低下を招くことが懸念される。
本発明は、十分な引張強さを有する硬化物、及び上記硬化物を備える土木建築構造物を提供することを目的とする。本発明はまた、上記のような硬化物を形成することが可能な樹脂組成物、及びコーティング方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、イソシアナト基を有するプレポリマー、及び可塑剤を含み、上記可塑剤の25℃における粘度が60mPa・s以下であり、上記可塑剤の含有量が10質量%以下である、樹脂組成物を提供する。
上記樹脂組成物は、特定粘度の可塑剤を10質量%以下で含むことで、樹脂組成物の高粘度化に伴う施工性の低下、及び塗膜の欠陥発生を抑制できる。この作用によって、十分な引張強さを有する硬化物を得ることができる。
上記可塑剤が、脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物を含有してもよい。
上記脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物が、脂肪族ポリカルボン酸と、イソノニルアルコール及び2−エチルヘキサノールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、のエステル化物であってよい。
上記樹脂組成物が溶剤を更に含み、上記溶剤の含有量が1質量%以上であってもよい。上記樹脂組成物が溶剤を含むことでより粘度を低下させることができ、樹脂組成物の施工性をより向上させることができる。
上記プレポリマーがポリエーテルポリオールを含有してもよい。
上記プレポリマーが、オキシアルキレン基を有するジオールを含有する成分Aと、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールを含有する成分Bと、イソシアナト基を有する化合物を含有する成分Cと、の反応生成物であってよい。
上記ジオールが下記一般式(1)で表され、前記ポリオールが下記一般式(2)で表されてもよい。
Figure 2019199544
上記一般式(1)中、Aは、酸素原子、又は、2価アルコール、2価フェノール若しくは2価アミンから2つの活性水素を除いた2価の残基を示す。R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。p〜pは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、p+p+p+pは1以上の整数である。
Figure 2019199544
前記一般式(2)中、Bは、多価アルコール、多価フェノール、又は多価アミンからn個の活性水素を除いたn価の残基を示す。R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。nは2〜6の整数を示し、m〜mは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、m+m+m+mは1以上の整数である。
上記ジオールが、数平均分子量が2500以上のジオールと、数平均分子量が2500未満のジオールと、を含有してもよい。数平均分子量の異なる複数のジオールを組み合わせて用いることによって、分子量分布の広げることが可能であり、得られる硬化物の引張強さと破断時の伸びとをより高水準で両立させることができる。
上記プレポリマーが、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネートに由来する構造を有してもよい。
上記樹脂組成物が、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するCO吸収剤(d)を更に含み、上記CO吸収剤(d)のBET法によって求められる比表面積が、10m/g以上であってもよい。CO吸収剤(d)のBET法により求められる比表面積が上記範囲内であると、COの吸収性及び樹脂組成物への分散性をより向上させることができる。
上述の樹脂組成物は、湿気硬化型又は水硬化型であってもよい。
上述の樹脂組成物は、建築物の塗膜防水、建築物の塗り床、コンクリート床版の床版防水、タイルのはく落防止、コンクリート構造物保護、又はコンクリート構造物はく落防止に用いられてもよい。
本発明の一側面は、上述の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
上記硬化物は、上述の樹脂組成物を硬化して得られるものであることから、十分な引張強さを有する。
上記硬化物の23℃における引張強さが6N/mm以上であってもよい。
上記硬化物の23℃における抗張積が600N/mm以上であってもよい。
上記硬化物の23℃における引裂強さが30N/mm以上であってもよい。
本発明の一側面は、上述の樹脂組成物の硬化物を備える土木建築構造物を提供する。
上記土木建築構造物は、上述の樹脂組成物の硬化物を備えることから十分な引張強さを有する。
本発明の一側面は、上述の樹脂組成物を構造物に塗布する工程を有するコーティング方法を提供する。
上記コーティング方法は、上述の樹脂組成物を持ちることから、十分な引張強さを有するコーティングを形成することができる。
上記コーティング方法は、上記樹脂組成物と水とを接触させる工程を有していてもよい。
本発明によれば、十分な引張強さを有する硬化物、及び上記硬化物を備える土木建築構造物を提供することができる。本発明によればまた、上記のような硬化物を形成することが可能な樹脂組成物、及びコーティング方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
<樹脂組成物>
樹脂組成物の一実施形態は、ソシアナト基を有するプレポリマー(a)、及び可塑剤(b)を含む。上記可塑剤の25℃における粘度は60mPa・s以下であり、上記可塑剤の含有量が10質量%以下である。上記プレポリマー(a)は、イソシアナト基を有しており、水と反応することで、例えば、ウレア結合及びウレタン結合等を形成することができる。さらに、特定粘度の可塑剤を10質量%以下で含むことで、樹脂組成物の高粘度化に伴う施工性の低下、及び塗膜の欠陥発生を抑制できる。したがって、本実施形態に係る樹脂組成物を用いることで、十分な引張強さを有する硬化物を得ることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、土木建築用樹脂組成物として好適に使用できる。土木建築用樹脂組成物の「土木建築用」とは、当該樹脂組成物が、例えば、橋、高架道路、ダム、トンネル、道路及び土地造成等の土木分野、並びにビル、マンション及び住宅等の建築分野などで使用されることを意味する。本明細書において「土木建築用樹脂組成物」は、例えば、コーティング、塗料(例えば、上塗り塗料、中塗り塗料、及び下塗り塗料等)、プライマー、トップコート、ペンキ、スプレー、及びワニス等に用いることができる。以下、例えば、コーティングに使用される土木建築用樹脂組成物を、土木建築用コーティング樹脂組成物という。
本実施形態に係る樹脂組成物は、水と反応させて用いてもよい。ここで、水の供給方法は特に限定されるものではない。本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、空気中に湿気として存在する水と反応させてもよく、また液相の水を供給し反応させてもよい。本実施形態に係る土木建築用コーティング樹脂組成物は、一液型(湿気硬化型)のコーティング樹脂組成物として用いることができ、また水と混合して用いる水硬化型のコーティング樹脂組成物として用いることもできる。湿気硬化型の場合、硬化物を製造する際に硬化剤である水を混合する必要がないため硬化物の製造プロセスをより省力化できる。水硬化型の場合、コーティング樹脂組成物に高い均一性で水を供給できることから、硬化物を製造する際の硬化物内部における硬化不良等をより抑制し、硬化物の特性をより向上させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は水を硬化剤として利用することもできることから、ウレタン防水材の硬化剤として汎用の3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等を含む芳香族ジアミンを用いなくても、硬化物を得ることが可能である。MOCAは、労働安全衛生法の特定化学物質障害予防規則の第2類物質に指定されており、硬化剤としての使用の低減が求められる。
プレポリマー(a)は、イソシアナト基を有するプレポリマーであれば、市販のものを使用してもよく、また別途調製して用いてもよい。プレポリマー(a)は、ポリエーテルポリオールを含有してもよい。上記プレポリマー(a)は、オキシアルキレン基を有するジオールを含有する成分Aと、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールを含有する成分Bと、イソシアナト基を有する化合物を含有する成分Cと、の反応生成物であってよい。
プレポリマー(a)は、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネートに由来する構造を有してもよく、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネートに由来する構造を有してもよく、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネートの少なくとも1種に由来する構造を有していてもよい。プレポリマー(a)が上記構造を有すると、水硬化型として用いる際の樹脂組成物の可使時間と硬化時間とをより優れたものとすることができる。
上記プレポリマー(a)は、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートの少なくとも1種のイソシアネートに由来する構造を有していてもよい。プレポリマー(a)が上記構造を有すると、湿気硬化型として用いる際の樹脂組成物の潜在硬化剤との反応性をより向上させることができる。
[プレポリマー(a)の調製方法]
プレポリマー(a)は、例えば、以下の方法によって調製することができる。プレポリマー(a)は、オキシアルキレン基を有するジオールを含有し、総不飽和度が0.07meq/g以下である成分Aと、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールを含有し、総不飽和度が0.05meq/g以上である成分Bと、イソシアナト基を有する化合物を含む成分Cと、を反応させる工程を含む方法によって製造することができる。
成分A、成分B及び成分Cの反応は、例えば、50〜130℃で加熱攪拌することで行ってよい。上記のプレポリマー(a)の製造方法においては、必要に応じて、例えば、成分A及び成分B以外の他のポリオール及びアミン等の活性水素化合物を用いてもよく、また、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス及びアミン等のウレタン化触媒を用いてもよい。
成分A、成分B及び成分Cの反応は、成分A及び成分Bに含有されるポリオールと成分Cに含有されるポリイソシアネートとが所定の関係になるように配合量を調整することが好ましく、ポリイソシアネートが有するイソシアナト基と、ポリオールが有する水酸基との当量比(イソシアナト基の当量/水酸基の当量)は、例えば、1.5〜3.0、1.6〜2.5、又は1.8〜2.2であってよい。ポリイソシアネートが有するイソシアナト基と、ポリオールが有する水酸基との当量比(イソシアナト基の当量/水酸基の当量)が上記範囲内であると、未反応のポリイソシアネートを低減することができ、より安全性の高い製品となる。
成分Aの配合は、樹脂組成物の用途等に応じて調整することができる。成分Aの配合量を、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、70質量部以下、80質量部以下、又は90質量部以下としてよい。成分Aの配合量を、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、30質量部以上、又は40質量部以上としてよい。成分Aの配合量が上記範囲内であると、適度な架橋密度となり、抗張積に優れる硬化物を得ることができる。
成分Bの配合は、樹脂組成物の用途等に応じて調整することができる。成分Bの配合量を、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、60質量部以下、40質量部以下、又は20質量部以下としてよい。成分Bの配合量を、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、5質量部以上、又は10質量部以上としてよい。成分Bの配合量が上記範囲内であると、適度な架橋密度となり、抗張積に優れる硬化物を得ることができる。
成分Aの総不飽和度は、例えば、0.07meq/g以下、0.03meq/g以下、又は0.01meq/g以下であってよい。成分Aの総不飽和度が上記範囲内であると、得られるプレポリマー(a)を含む樹脂組成物の硬化物(例えば、硬化膜)における架橋密度を大きくすることができ、硬化物の引張強さ及び引張弾性率をより向上させることができる。
本明細書における「総不飽和度」は、JIS K 1557−3:2007の「プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第3部:不飽和度の求め方」に記載の方法に従って求めることができる。総不飽和度は、主として、オキシアルキレン基を有するジオール又はオキシアルキレン基を有するポリオールを調製する際に副生する、不飽和基を有するアルコールに由来している。ここで副生したアルコール(例えば、エチレン性不飽和結合を有する1価アルコール等)は、プレポリマー(a)を製造する際に高分子の伸長反応及び架橋形成反応を阻害し得る。
成分Aに含有されるオキシアルキレン基を有するジオールは、下記一般式(1)で表されてもよい。
Figure 2019199544
上記一般式(1)中、Aは、酸素原子、又は、2価アルコール、2価フェノール若しくは2価アミンから2つの活性水素を除いた2価の残基を示す。上記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。当該アルキレン基は、直鎖状、分岐状、又は環状であってもよい。上記一般式(1)中、p〜pは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、p+p+p+pは1以上の整数である。
上記一般式(1)で表されるジオールは、例えば、アルキレンオキシドと、水、2価アルコール、2価フェノール及び2価アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を反応させることにより調製できる。
アルキレンオキシドは、分子内にエポキシ環を1個以上有している化合物であってよい。アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜12のアルキレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びポリオキシアルキレンジオール等が挙げられる。2価フェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールAD等、並びに、カテコール、レゾルシン、及びハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類が挙げられる。2価アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、及びブチルアミン等が挙げられる。
成分Aに含有されるオキシアルキレン基を有するジオールとしては、数平均分子量の異なる複数のジオールを組み合わせて用いてもよく、数平均分子量の比較的大きなジオール(高分子量ジオール成分)と数平均分子量の比較的小さなジオール(低分子量ジオール成分)とを組み合わせてもよい。数平均分子量の異なる複数のジオールを組み合わせて用いることによって、分子量分布の広げることが可能であり、得られる硬化物の引張強さと破断時の伸び率とをより高水準で両立させることができる。
高分子量ジオール成分としては数平均分子量が、例えば、2500以上、3000以上、4000以上、又は5000以上であってよい。高分子量ジオール成分としては数平均分子量が、例えば、15000以下、12000以下、10000以下であってよい。低分子量ジオール成分としては数平均分子量が、例えば、2500未満、2000以下、1000以下、又は500以下であってよい。高分子量ジオール成分と低分子量ジオール成分との数平均分子量の差は、例えば、100以上、500以上、1000以上、又は2000以上であってよい。なお、数平均分子量は、JIS K 1557−1:2007 水酸基価の求め方より求めた水酸基価を用い、化学量論的に計算される数平均分子量であってよい。また官能基数が既知でない場合は、ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC:標準物質ポリスチレン)より求められる数平均分子量であってよい。
高分子量ジオール成分としては、例えば、ポリプロピレングリコール、及びポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物としては、例えば、旭硝子株式会社製プレミノール 5001F、プレミノール 5005、プレミノールS 4004、プレミノールS 4011、プレミノールS 4013F、及びプレミノールS 4318等を用いることができる。低分子量ジオール成分としては、例えば、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(数平均分子量が2000未満のもの)、並びにこれらのエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。低分子量ジオール成分としては、高純度品、又は低総不飽和度品を用いることができる。
成分Bの総不飽和度は、例えば、0.050meq/g以上、0.055meq/g以上、0.060meq/g以上、0.065meq/g以上、又は0.070meq/g以上であってよい。成分Bの総不飽和度は、例えば、0.100meq/g以下、0.090meq/g以下、又は0.080meq/g以下であってよい。成分Bの総不飽和度が上記範囲内であると、硬化物における架橋密度がより適切なものとなり、硬化物の破断時の伸び率、及び低温における柔軟性をより向上させることができる。成分Bの総不飽和度が上記範囲内であると、樹脂組成物の粘度が低下し得ることから、樹脂組成物の施工性をより向上させることができる。
成分Bに含有される、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールにおいて、オキシアルキレン基以外の官能基の数は、例えば、3つ、4つ、5つ、又は6つであってもよい。官能基としては、例えば、水酸基及びアミノ基等が挙げられる。オキシアルキレン基以外の官能基の数は、ゲルパーミエッションクロマトグラフィー(GPC:標準物質ポリスチレン)より求められる数平均分子量と、水酸基価とによって化学量論的に決定することができる。
オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールは、下記一般式(2)で表されてもよい。
Figure 2019199544
上記一般式(2)中、Bは、多価アルコール、多価フェノール、又は多価アミンからn個の活性水素を除いたn価の残基を示す。上記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。当該アルキレン基は、直鎖状、分岐状、又は環状であってもよい。上記一般式(2)中、nは2〜6の整数を示す。上記一般式(2)中、m〜mは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、m+m+m+mは1以上の整数である。
上記一般式(2)で表されるポリオールは、例えば、アルキレンオキシドと、多価アルコール、多価フェノール及び多価アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種(活性水素を少なくとも3つ有する化合物)と、を反応させることにより調製できる。
アルキレンオキシドは、分子内にエポキシ環を1個以上有している化合物であってよい。アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜12のアルキレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、及び低分子量ポリオール(例えば、株式会社三洋化成製のサンニックスGP−250、GP−400、GP−600、GP−1000等)等のトリオール;ペンタエリスリトール、及びジグリセリン等のテトラオール;ヘキソール、ソルビトール、及びシュガーなどが挙げられる。多価フェノールとしては、例えば、ピロガロール、フロログルシノール、フェノール樹脂、及びレゾール樹脂等が挙げられる。多価アミンとしては、例えば、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等のアミン類等が挙げられる。
成分Bに含有される、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールの数平均分子量は、例えば、3000以上、4000以上又は5000以上であってよい。オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールの数平均分子量は、例えば、15000以下、12000以下、又は10000以下であってよい。オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールの数平均分子量が上記範囲内であると、硬化物の引張強さと破断時の伸び率をより高水準に両立させることができる。
成分Cに含有されるイソシアナト基を有する化合物としては、例えば、ポリイソシアネート等を用いることができる。ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、及び水素添加キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;これらのイソシアネート含有プレポリマー;並びにこれらのイソシアネートの変性物を用いることができる。これらのポリイソシアネートは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネートは、上記の例示化合物の中でも、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネート、及び2,6−トリレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。ポリイソシアネートとして上記化合物を用いることで、得られるプレポリマー(a)を含む樹脂組成物を水硬化型として用いた場合の可使時間及び硬化時間をより適切なものにできる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プレポリマー(a)及び可塑剤(b)に加えて、例えば、溶剤(c)、CO吸収剤(d)、充填材(e)、触媒(f)、及びその他の添加剤(g)を含んでもよい。
可塑剤(b)は、樹脂組成物に柔軟性を付与し、施工性を向上させる化合物である。可塑剤は硬化物中に残存する。可塑剤(b)の25℃における粘度は、60mPa・s以下であり、好ましくは30mPa・s以下、又は20mPa・s以下であってよい。可塑剤(b)の25℃における粘度が上記範囲内であると、樹脂組成物の粘度を低下させるための可塑剤の使用量をより低減することができ、得られる硬化物の引張強さをより向上させることができる。
可塑剤(b)の含有量は、上記樹脂組成物全量に対して、10質量%以下であり、好ましくは7質量%以下、5質量%以下、又は3質量%以下であってよい。可塑剤(b)の含有量が上記の範囲内であることによって、得られる硬化物の引張強さ及び引張弾性率をより向上させることができる。上記樹脂組成物をアスファルト防水の改修用防水材として用いる場合には、可塑剤(b)の含有量が上記範囲内であることによって、アスファルト低溜分が防水層に移行することも防ぐことができる。
アスファルトの補修として従来のウレタン塗膜防水材を使用した場合、アスファルトと従来のウレタン塗膜防水材中の可塑剤との相溶性が比較的高いために、アスファルトに含まれる低溜分が従来のウレタン防水材で形成される層に移行し得る。上記低溜分が移行することで、ウレタン防水材の変色や劣化が促進され得る。従来のウレタン防水材で形成される層上にトップコートを設けた場合には、トップコートに対しても上記同様の作用を招き、トップコートの変色や劣化をも促進しうる。これに対して、本実施形態に係る樹脂組成物は可塑剤(b)の含有量を低減しうることから、従来のウレタン防水材のような劣化をより抑制しうる。
可塑剤(b)としては、例えば、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOP、25℃における粘度:57mPa・s)、フタル酸ジイソノニル(DINP、25℃における粘度:55mPa・s)、及びフタル酸ジウンデシル(DUP、25℃における粘度:47mPa・s)等のフタル酸エステル類;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOA、25℃における粘度:11mPa・s)、アジピン酸ジイソノニル(DINA、25℃における粘度:16mPa・s)、アジピン酸ジn−アルキル混合物(D610A、25℃における粘度:57mPa・s)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA、25℃における粘度:23mPa・s)、及びアジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)(D931、25℃における粘度:11mPa・s)等のアジピン酸エステル類;クエン酸トリエチル(TEC、25℃における粘度:35mPa・s)、クエン酸トリブチル(TBC、25℃における粘度:33mPa・s)、及びクエン酸アセチルトリブチル(ATBC、25℃における粘度:34mPa・s)等のクエン酸エステル類などが挙げられる。これらの可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせで用いてもよい。
可塑剤(b)は、上記の例示化合物の中でも、特に粘度が低いことから、好ましくは脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物を含む。脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物は、好ましくは、脂肪族ポリカルボン酸と、イソノニルアルコール及び2−エチルヘキサノールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、のエステル化物であり、より好ましくはアジピン酸とイソノニルアルコールとのエステル化物又はアジピン酸と2−エチルヘキサノールとのエステル化物を含む。可塑剤(b)は、プレポリマー(a)との相溶性にも優れることから、好ましくはアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)又はアジピン酸ジイソノニルを含む。
溶剤(c)は、プレポリマー(a)を溶解させることができ、後に除去することが可能な低分子化合物である。樹脂組成物が溶剤(c)を更に含むことで、得られる硬化物の引張強さをより向上させることができる。溶剤(c)としては、オクタノール/水分配係数(LogPow)が高い化合物(水により相溶し難い化合物)が好ましい。溶剤(c)のオクタノール/水分配係数(LogPow)は、0.5以上、1.0以上、又は1.5以上であってよい。溶剤(c)のオクタノール/水分配係数(LogPow)が上記範囲内であると、樹脂組成物中に硬化剤である水をより高い均一性で分散させることができる。
また、後述するCO吸収剤(d)及び充填材(e)を含む無機粒子を樹脂組成物が含む場合、溶剤(c)のオクタノール/水分配係数(LogPow)が上記範囲内であると、硬化剤である水を無機粒子の付着水として樹脂組成物中に分散させることができ、硬化物における欠陥の発生等をより抑制できることから、引張弾性率をより向上させることができる。樹脂組成物中に水が均一に分散できず、液滴(水相)として樹脂組成物中に存在すると、液滴の表面部分でプレポリマー(a)と水との硬化反応が進行し、得られる硬化物には欠陥が生じ得る。このような場合、上述のように無機粒子とオクタノール/水分配係数(LogPow)が上記範囲内である溶剤(c)との併用することが好ましい。
オクタノール/水分配係数(LogPow)は、JIS Z 7260−107:2000「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法」、及びJIS Z 7260−117:2006「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−高速液体クロマトグラフィー」の同附属書(規定)に記載された分配係数(Pow)の計算方法に従って求めることができる。
溶剤(c)の含有量は、上記樹脂組成物全量に対して、例えば、1質量%以上、3質量%以上、又は5質量%以上であってよい。溶剤(c)の含有量は、上記樹脂組成物全量に対して、例えば、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってよい。溶剤(c)の含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物中に硬化剤である水をより高い均一性で分散させることができ、樹脂組成物中に空気中の湿気をより効率良く取り込ませることができる。また溶剤(c)の含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物中に発生した気泡をより消泡させ得られる硬化物の欠陥をより十分に抑制し、より十分な引張強さを有する硬化物を得ることができる。
上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比(溶剤(c)の含有量/可塑剤(b)の含有量)は、例えば、1.5以下、1.3以下、又は1.0以下であってよい。上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比は、例えば、0.1以上、0.5以上、又は0.8以上であってよい。上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比が上記範囲内であることによって、施工性と、得られる硬化物の引張強さとをより高水準で両立することができる。また、上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比が上記範囲内であることによって、外観にも優れる硬化物を得ることができる。
上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比(溶剤(c)の含有量/可塑剤(b)の含有量)は、例えば、1.0以上、1.3以上、又は1.5以上であってよい。上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比は、例えば、20以下、10以下、又は5以下であってよい。上記可塑剤(b)の含有量に対する、溶剤(c)の含有量の比が上記範囲内であることによって、得られる硬化物の引張弾性率と破断時の伸び率とをより高水準で両立することができ、硬化物の耐摩耗性等に優れる。
溶剤(c)としては、例えば、脂肪族化合物等を用いることができる。脂肪族化合物としては、例えば、環構造を有する脂肪族化合物、分岐構造を有する脂肪族化合物、エステル構造を有する脂肪族化合物、ケトン構造を有する脂肪族化合物、及びエーテル構造を有する脂肪族化合物等を挙げることができる。これらの溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環構造を有する脂肪族化合物としては、例えば、炭素数7〜15のナフテン系炭化水素及びその混合物(例えば、丸善石油化学株式会社製のスワクリーン150、及び大商化成株式会社製のダイカエコシンナー等)等を用いることができる。分岐構造を有する脂肪族化合物としては、例えば、炭素数7〜15のイソパラフィン系炭化水素及びその混合物(例えば、出光興産株式会社製のIPソルベント、及び日油株式会社製のNAソルベント等)等を用いることができる。エステル構造を有する脂肪族化合物としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、及び3−エトキシプロピオン酸エチル等を用いることができる。
ケトン構造を有する脂肪族化合物としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びジアセトンアルコール等を用いることができる。エーテル構造を有する脂肪族化合物としては、例えば、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジグライム、エチルグライム、エチルジグライム、トリグライム、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ヘキシルジグリコール、及びジプロピレングリコールメチルエーテル等を用いることができる。
溶剤(c)は、上記例示化合物の中でも、樹脂組成物中に硬化剤である水をより高い均一性で分散させる観点、及び樹脂組成物に含まれる無機粒子の付着水として硬化剤である水をより効率的に分布させる観点等から、好ましくは炭素数7〜15のナフテン系炭化水素及びその混合物、並びに炭素数7〜15のイソパラフィン系炭化水素及びその混合物等を含む。溶剤(c)は、上記例示化合物の中でも、樹脂組成物との相溶性をより向上させ、施工性をより向上させる観点から、好ましくはエステル構造を有する脂肪族化合物又はケトン構造を有する脂肪族化合物を含む。
CO吸収剤(d)は、プレポリマー(a)の硬化反応によって発生し得るCOを吸収する化合物である。CO吸収剤(d)のBET法により求められる比表面積は、例えば、5m/g以上、10m/g以上、又は35m/g以上であってよい。CO吸収剤(d)のBET法により求められる比表面積は、例えば、200m/g以下、150m/g以下、又は100m/g以下であってよい。CO吸収剤(d)のBET法により求められる比表面積が上記範囲内であると、COの吸収性及び樹脂組成物への分散性をより向上させることができる。
CO吸収剤(d)の含有量は、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、1〜50質量部であってよく、10〜40質量部であってよい。CO吸収剤(d)の含有量が上記範囲内であると、プレポリマー(a)の硬化反応によって発生するCOを吸収して気泡の発生を抑制できることから、得られる硬化物の欠陥をより十分に抑制することができる。
CO吸収剤(d)としては、例えば、元素周期律第2、3、及び4族の金属の水酸化物、酸化物、塩基性塩類、錯塩、又は複塩等を用いることができる。CO吸収剤(d)としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、及び水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;酸化マグネシウム、及び酸化バリウム等の金属酸化物;ポルトランドセメント等のセメント類が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。CO吸収剤(d)は、好ましくは、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
水酸化マグネシウムとしては、例えば、宇部マテリアルズ株式会社製のUDシリーズ(例えば、UD−650−1、UD−653、及びUD−65等)、タテホ化学工業株式会社製のMAGSTARシリーズ(例えば、MAGSTAR#20、MAGSTAR#5、及びMAGSTAR#4等、MAGSTARは登録商標)、神島化学工業株式会社製の水酸化マグネシウム(例えば、#200、#300、及び10A等)、富田製薬株式会社製の軽質シリーズ及び重質シリーズ、協和化学工業株式会社製のキスマシリーズ等の水酸化マグネシウムを用いることができる。
酸化マグネシウムとしては、例えば、宇部マテリアルズ株式会社製のUC95シリーズ(例えば、UC95S、UC95M、及びUC95H等)、タテホ化学工業株式会社製のTATEHOMAGシリーズ(例えば、TATEHOMAG#500、TATEHOMAG#700、及びTATEHOMAG H−10等、TATEHOMAGは登録商標)神島化学工業株式会社製のスターマグシリーズ(例えば、スターマグU、スターマグU−2、スターマグCX、スターマグM、スターマグL、及びスターマグP等)、協和化学工業株式会社製のキョーワマグシリーズ(例えば、キョーワマグ30等)及びキョーワマグMFシリーズ(例えば、キョーワマグMF30等)などの酸化マグネシウムを用いることができる。
充填材(e)は、高物性又は高機能性の付与(例えば、引張特性、及び耐候性の向上等)、あるいはコストダウン等の目的のために添加される化合物である。充填剤(e)の平均粒子径は、例えば、0.1〜20μm、0.5〜10μm、又は1〜5μmであってよい。充填剤(e)の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布(JIS Z 8825:2013 粒子径解析−レーザ回折・散乱法)より求められる。
充填剤(e)の含有量は、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、1〜200質量部であってよく、10〜100質量部であってもよい。充填剤(e)の含有量が上記範囲内であると、引張特性及び耐候性を向上できる。
充填材(e)としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、シリカバルーン、シラスバルーン、パーライト、バーミキュライト、及び粉末状合成樹脂等を用いることができる。充填材(e)は、好ましくは炭酸カルシウムを含む。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭酸カルシウムとしては、例えば、宇部マテリアルズ株式会社製の炭酸カルシウム(タンカル)(例えば、100M、及び325M等)、日東粉化工業株式会社製のNITOREXシリーズ(例えば、NITOREX#80等)及びNSシリーズ(例えば、NS#400等)、白石工業株式会社製の白艶華シリーズ、Vigotシリーズ及びホワイトンシリーズ、備北粉化工業株式会社製のソフトンシリーズ、BFシリーズ及びライトンシリーズ、三共精粉株式会社製のエスカロンシリーズ、神島化学工業株式会社製のECシリーズ及び軽微性シリーズ等の炭酸カルシウムを用いることができる。
触媒(f)は、活性水素含有基とイソシアナト基の反応を促進させる化合物である。触媒(f)の含有量は、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、0.05〜5質量部であってよく、0.1〜3質量部であってもよい。触媒(f)の含有量が上記範囲内であると、プレポリマー(a)の硬化反応を促進することで、得られる硬化物の引張強さ等をより向上させることができる。
触媒(f)としては、例えば、金属化合物系触媒、及びアミン触媒等を用いることができる。金属化合物系触媒としては、例えば、ジラウリン酸スズジブチル等の有機スズ化合物等を用いることができる。アミン触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチル−モルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン(N−ココモルホリン)、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン−ジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7,1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジパート、N,N−ジエチルベンジルアミン、N−エチルヘキサメチレンアミン、N−エチルピペリジン、α−メチル−ベンジルジメチルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、及びジメチルセチルアミン等を用いることができる。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の添加剤(g)は、例えば、界面活性剤、消泡剤、潜在硬化剤、レオロジーコントロール剤、湿潤分散剤、顔料、染料、酸化防止剤、硬化性調整剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、滑剤、防蟻剤、及び防かび剤等を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン性活性剤、陰イオン性活性剤、及び陽イオン性活性剤等を用いることができる。界面活性剤の含有量は、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、1〜10質量部であってよく、1〜5質量部であってもよい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であると、硬化剤である水を樹脂組成物中により高い均一性で分散させることができることから、得られる硬化物の引張り強さ等をより向上させることができる。
非イオン性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン(アルキル)フェノール類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシアルキレングリコール類、アルキロールアミド類、脂肪酸エステル類等を用いることができる。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、並びにアルキルベンゼンスルホン酸及びその塩などのスルホン酸系界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル塩、及びスルホコハク酸塩等の硫酸エステル塩系界面活性剤;リン酸エステル及びその塩等のリン酸エステル系界面活性剤;コハク酸塩等のカルボン酸塩系界面活性剤等を用いることができる。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ベタイン類、アルキルアミン塩等の界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、フッ素変性シリコーン系消泡剤、アクリルポリマー系消泡剤、及びビニルエーテルポリマー系消泡剤等を用いることができる。消泡剤の含有量は、プレポリマー(a)100質量部に対して、例えば、0.05〜5質量部であってよく、0.1〜3質量部であってもよい。消泡剤の含有量が上記範囲内であると、プレポリマー(a)の反応によって生じ得る発泡をより十分に抑制しうることから、得られる硬化物の欠陥をより十分に抑制することができ、硬化物の外観及び引張強さ等をより向上させることができる。
潜在硬化剤は、水と反応してプレポリマー(a)のイソシアナト基と反応することが可能な活性水素を生成する化合物である。潜在硬化剤の含有量は、プレポリマー100質量部に対して、例えば、1〜20質量部であってよく、5〜10質量部であってもよい。潜在硬化剤の含有量が上記範囲内であると、空気中の湿気等と反応して十分な量の活性水素を発生し得ることから、得られる硬化物の引張り強さ等をより向上させることができる。
潜在硬化剤としては、例えば、オキサゾリジン基を有するウレタン化合物(ポリイソシアネートとN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン及び必要に応じてポリオール等を用いた反応物)、有機ケイ素化合物(水分により加水分解して、アルコール性水酸基含有化合物又はアミノ基含有化合物を再生するもの)、ポリオール珪酸エステル(一価アルコールの珪酸エステルをポリオールでアルコール置換し、生成する一価アルコールを溜去すること、あるいは、珪酸のハロゲン化合物とポリオールとを脱ハロゲン化水素することにより得られるもの)などを用いることができる。
<樹脂組成物の製造方法>
上述の樹脂組成物は、例えば、プレポリマー(a)、及び可塑剤(b)を、上記可塑剤(b)の含有量が10質量%以下となるように配合する工程を有する製造方法によって製造することができる。上述の樹脂組成物は、プレポリマー(a)を調製する場合には、例えば、上記製造方法に加えて、オキシアルキレン基を有するジオールを含有し、総不飽和度が0.07meq/g以下である成分Aと、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールを含有し、総不飽和度が0.05meq/g以上である成分Bと、イソシアナト基を有する化合物を含む成分Cと、を反応させてプレポリマー(a)を得る工程を更に有してもよい。
より具体的には、混練機に可塑剤(b)及び溶剤(c)を投入した後、CO吸収剤(d)、充填材(e)、触媒(f)、及びその他の添加剤(g)を加えて、均一性が高くなるまで分散させる。分散させた後、十分に脱水する。脱水の際には、必要に応じて、減圧してもよく、脱水剤等を加えてもよい。その後、プレポリマー(a)を加えて、均一性が高くなるまで攪拌することによって樹脂組成物を製造することができる。混練機としては、例えば、ディスパー、ボールミル、S.G.ミル、ロールミル、及びプラネタリーミキサー等を用いることができる。CO吸収剤(d)、充填材(e)、触媒(f)、及びその他の添加剤(g)は、脱水等の前処理を行ったものを用いてもよい。
<塗料(硬化剤と樹脂組成物との混合物)の製造方法>
上記樹脂組成物は、硬化剤(例えば、水)と樹脂組成物との混合物(塗料)として用いることもできる。塗料は、例えば、上記樹脂組成物を水と接触させる(例えば、混合させる)工程を有する製造方法により製造することができる。
硬化剤として水を添加して用いる場合、水の配合量は、プレポリマー100質量部に対して、例えば、1〜40質量部であってよく、10〜30質量部であってよい。水の配合量が上記範囲内であると、硬化性に優れ、タックフリー時間及び硬化時間を短縮できる。
<樹脂組成物の性状>
樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、0.5Pa・s以上、1Pa・s以上、又は3Pa・s以上であってよい。樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、100Pa・s以下、50Pa・s以下、又は20Pa・s以下であってよい。樹脂組成物の25℃における粘度が上記範囲内であると、コテ及びヘラ等による施工がより容易となり施工性を向上させることができる。樹脂組成物の粘度は、後述する実施例における粘度の評価方法にしたがって求めることができる。
硬化剤として水を添加して用いる場合、塗料の25℃における粘度(水を配合した後の樹脂組成物の25℃における粘度)が、例えば、0.5Pa・s以上、1Pa・s以上、又は3Pa・s以上であってよい。硬化剤として水を添加して用いる場合、塗料の25℃における粘度(水を配合した後の樹脂組成物の25℃における粘度)が、例えば、100Pa・s以下、50Pa・s以下、又は20Pa・s以下であってよい。塗料の25℃における粘度が上記範囲内であると、コテ及びヘラ等による施工がより容易にでき、塗膜の施工性をより向上させることができる。
樹脂組成物及び塗料の可使時間は、例えば、10分以上、30分以上、又は60分以上であってよい。樹脂組成物及び塗料の可使時間が上記範囲内であると、広範囲な面積でもコテ及びヘラ等によって容易に施工できる。可使時間は、樹脂組成物(水硬化型の場合は水混合後、湿気硬化型の場合は開封後)の粘度が、100Pa・sに達するまでの時間で表すことができる。
樹脂組成物及び塗料のタックフリー時間は、例えば、72時間以下、40時間以下、又は16時間以下であってよい。樹脂組成物及び塗料のタックフリー時間が上記範囲内であると、外観が優れる塗膜及び硬化物をより容易に形成することができる。タックフリー時間は、JIS A1439(2010)「建築用シーリング材の試験方法」の「5.19 タックフリー試験」に準拠して測定することができる。
樹脂組成物及び塗料の硬化時間は、例えば、72時間以下、40時間以下、又は16時間以下であってよい。樹脂組成物及び塗料の硬化時間が上記範囲内であると、トップコート等の上塗り塗料を施工するまでの期間を短くできることから、工期が短縮できる。
<樹脂組成物の用途>
上述の樹脂組成物は、例えば、防水材用樹脂組成物、塗床材用樹脂組成物、はく落防止用樹脂組成物、及び保護膜用樹脂組成物等として使用することができる。樹脂組成物は、例えば、建築物の塗膜防水材、建築物の塗り床、建築物の外壁塗装、コンクリート床版の床版防水材、コンクリート構造物はく落防止材、コンクリート構造物保護膜、及びタイルのはく落防止材等に用いることができる。
防水材用樹脂組成物は、例えば、上述の樹脂組成物を建築物等の塗膜防水に用いるものであってよい。上記防水材用樹脂組成物は、水(空気から吸湿した水を含む)と反応して硬化し得ることから、作業時の安全性と施工性に優れる。得られる硬化物は、抗張積に優れたものとなり得ることから、優れた引張強さと十分な伸び率を両立し得る。また得られる硬化物は、引張弾性率、及び引裂強さ等にも優れたものとなり得るから、従来のウレタン塗膜防水材に比べて、耐久性及び耐磨耗性を大幅に向上することができる。また、得られる硬化物は外観にも優れたものとなり得る。
上記防水用樹脂組成物は、種々の防水用途に使用することができる。防水材用組成物は、例えば、ベランダ用、及びビル等の屋上用等の塗膜防水材、防水シート、車両用塗膜防水材、マンション、戸建て、及び病院用等の床材、スポーツ施設等の弾性舗装材、並びに、金属等の防錆材等として使用することができる。例えば、上記防水用樹脂組成物を屋上に適用する種々の防水用途に使用した場合、屋上の耐久性を向上させることができる。
防水材用樹脂組成物を建築物の塗膜防水材として用いる場合、上述の樹脂組成物を含む層の硬化物(例えば、ウレタン硬化物)を単層又は複層で形成してもよく、又は、他の層を積層して防水材を形成してもよい。このような塗膜防水材としては、例えば、ウレタン硬化物層のみからなる単層構造、ウレタン硬化物層及びトップコート層の2層構造、ウレタン硬化物層2層及びトップコート層の3層構造、ウレタン硬化物層、補強材層、ウレタン硬化物層、及びトップコート層の4層構造、並びに、ウレタン硬化物層、通気シート、ウレタン硬化物層、トップコート層の4層構造等が挙げられる。
トップコート層、補強材層、及び通気シートは、塗膜防水材用として用いられているものを同様に用いることができる。トップコート層は、例えば、防水材を日射等から保護するために設けられる。トップコートとしては、例えば、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、及びフッ素樹脂等を用いることができる。これらのトップコートは、例えば、強溶剤形、弱溶剤形、及び水系形等であってよい。
建築物の塗膜防水材の施工方法は、例えば、水硬化型の場合、施工現場で、樹脂組成物と水とをミキサーで混合して塗料を調製し、基材(例えば、下地となるコンクリート)に対して1〜4mm程度の厚みとなるように塗工して、硬化させることで行う。ここで、基材は表面にプライマー処理等が施されたものであってよい。また、建築物の塗膜防水材の施工方法においては、塗工・硬化の後に、得られた硬化物上にさらにトップコート層を設けることが好ましい。塗工方法は、例えば、手塗り及びスプレー等であってよい。湿気硬化型として上述の樹脂組成物を用いる場合には、上記の塗料に代えて樹脂組成物そのものを基材に対して塗工することによって、施工することができる。
防水材として、高厚みが求められる箇所については、ある程度硬化が進行した硬化物上又は補強材層上に、再度1〜4m程度の厚みに塗工して硬化させることもできる。
床版防水用樹脂組成物は、例えば、上述の樹脂組成物を床版防水用樹脂組成物に用いるものであってよい。床版防水用樹脂組成物は、コンクリート床版に用いられてよく、例えば、床版防水層(NEXCO床版防水グレードI)、床版防水層(NEXCO床版防水グレードII)、端部保護材等に用いるものであってよい。本実施形態に係る床版防水用樹脂組成物は、水(空気より吸湿した水を含む)と反応して硬化し得ることから、作業時の安全性と施工性に優れる。得られる硬化物は、抗張積に優れたものとなり得ることから、優れた引張強さと十分な伸び率を両立し得る。
上記床版防水用樹脂組成物は、従来の床版防水に比べて、より高強度の樹脂硬化物を形成することができる。得られる硬化物は、引張弾性率、引裂強さ等にも優れ、外観にも優れたものとなり得ることから、床版防水層(NEXCO床版防水グレードII)として用いた場合、床版防水材をそのまま床版防水の端部保護材として用いることができる。上記床版防水用樹脂組成物を用いることによって、床版防水材と端部保護材がシームレス構造となり、防水の信頼性により優れる構造を提供できる。
上記床版防水用組成物は、構造物施工管理要領(平成29年7月、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社)の床版防水に記載される性能を有し得る
塗床材用樹脂組成物は、例えば、上述の樹脂組成物を建築物の床材に用いるものであってよい。塗床材用樹脂組成物は、水(空気より吸湿した水を含む)と反応して硬化し得るものであるから、作業時の安全性と施工性に優れる。得られる硬化物は、抗張積に優れたものとなり得ることから、優れた引張強さと十分な伸び率を両立し得る。得られる硬化物は、引張弾性率、引裂強さ等にも優れたものとなり得ることから、従来の塗床材用樹脂組成物に比べて、耐久性、耐磨耗性を向上できる。また、得られる硬化物は外観にも優れたものとなり得る。
はく落防止用樹脂組成物は、例えば、上述の樹脂組成物をコンクリート構造物はく落防止、及びタイルのはく落防止等に用いるものであってよい。はく落防止用樹脂組成物は、例えば、コンクリート構造物の表面又はタイル地の表面に塗布され、構造物の劣化によるコンクリート片又はタイルのはく落等を抑制することが可能な硬化物を形成できる。はく落防止用樹脂組成物は、水(空気より吸湿した水を含む)と反応して硬化し得るものであるから、作業時の安全性と施工性に優れる。得られる硬化物は、抗張積に優れたものとなり得ることから、優れた引張強さと十分な伸び率を両立し得る。得られる硬化物は、引張弾性率、引裂強さ等にも優れたものとなり得ることから、従来のコンクリート構造物はく落防止用樹脂組成物及び従来のタイルのはく落防止用樹脂組成物に比べて、耐久性、耐磨耗性を向上できる。また、得られる硬化物は外観にも優れたものとなり得る。
保護膜用樹脂組成物は、例えば、上述の樹脂組成物をコンクリート構造物の保護に用いるものであってよい。保護膜用樹脂組成物は、水(空気より吸湿した水を含む)と反応して硬化し得るものであるから、作業時の安全性と施工性に優れる。得られる硬化物は、抗張積に優れたものとなり得ることから、優れた引張強さと十分な伸び率を両立し得る。得られる硬化物は、引張弾性率、引裂強さ等にも優れたものとなり得ることから、従来のコンクリート構造物保護用樹脂組成物に比べ、耐久性、耐磨耗性等を大幅に向上できる。また、得られる硬化物は外観にも優れたものとなり得る。上記保護膜用樹脂組成物は、特に、硬化物の外観、コンクリートとの付着性、及び劣化因子遮断性(例えば、遮塩性、酸素透過阻止性、水蒸気透過阻止性、及び中性化阻止性等)等のコンクリート構造物保護性能に優れる。
<硬化物>
硬化物の一実施形態は、上述の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。硬化物の形態は、例えば、膜等であってもよい。硬化物は、例えば、硬化膜、及びコーティング等を含む。
硬化物の厚さは、例えば、0.3〜5mm、0.3〜3mm、又は0.5〜2mmであってよい。上記硬化物の厚さが上記の範囲内であると、防水性能をより十分なものとすることができる。
硬化物の特性(例えば、引張強さ、破断時の伸び率、破断時のつかみ間伸び率、抗張積、引張弾性率及び引裂き強さ等)は、厚さ2mmとなるように調製された硬化膜を用いて測定される値を示す。
硬化物の23℃における引張強さは、例えば、6N/mm以上、8.5N/mm以上、9.5N/mm以上、又は10N/mm以上であってよい。硬化物の−20℃における引張強さは、例えば、6N/mm以上、8.5N/mm以上、9.5N/mm以上、又は10N/mm以上であってよい。硬化物の60℃における引張強さは、例えば、2N/mm以上、4N/mm以上、5N/mm以上、又は6N/mm以上であってよい。引張強さが上記範囲内であると、硬化物の耐久性、耐磨耗性に優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
硬化物の23℃における破断時の伸び率は、例えば、500%以上、550%以上、又は600%以上であってよい。硬化物の23℃における破断時の伸び率が上記範囲内であると、硬化物の下地追従性により優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
硬化物の23℃における破断時のつかみ間の伸び率は、例えば、300%以上、350%以上、又は400%以上であってよい。硬化物の−20℃における破断時のつかみ間の伸び率は、例えば、250%以上、300%以上、又は400%以上であってよい。硬化物の60℃における破断時のつかみ間の伸び率は、例えば、200%以上、250%以上、又は350%以上であってよい。破断時の伸び率が上記範囲内であると、硬化物の下地追従性により優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
硬化物の23℃における抗張積は、例えば、600N/mm以上、800N/mm以上、900N/mm以上、又は1000N/mm以上であってよい。硬化物の23℃における抗張積が上記範囲内であると、硬化物の耐久性、耐磨耗性に優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
硬化物の23℃における引張弾性率は、例えば、10MPa以上、15MPa以上、又は20MPa以上であってよい。硬化物の23℃における引張弾性率が上記範囲内であると、硬化物の耐磨耗性に優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
硬化物の引裂強さは、例えば、30N/mm以上、35N/mm以上、又は40N/mm以上であってよい。硬化物の引裂強さが上記範囲内であると、硬化物の耐引裂性に優れることから、土木建築用コーティングとして好適に用いることができる。
<土木建築構造物>
土木建築構造物の一実施形態は、上述の樹脂組成物の硬化物を備える。本明細書においては「構造物」とは、防水材を適用していないもの及び補修前のものを示し、硬化物を備えるものを「土木建築構造物」という。本明細書において土木建築構造物とは、例えば、橋、高架道路、ダム、トンネル、道路、及び土地造成等の土木分野における構造物、並びに、ビル、マンション、及び住宅等の建築分野における構造物を意味する。本実施形態に係る土木建築構造物は、上述の樹脂組成物を、例えば、コーティング、上塗り塗料、中塗り塗料、下塗り塗料、プライマー、トップコート、ペンキ、スプレー、又はワニスとして用いて硬化物を形成することで得られる土木建築構造物である。
上記土木建築構造物は、例えば、上述の樹脂組成物を、対象となる構造物に塗布等することによって樹脂組成物層を形成し硬化させて硬化物(例えば、コーティング)を形成する工程を含む製造方法によって得られる。硬化物は、形状によって硬化膜という場合もある。本実施形態に係る土木建築構造物における上記硬化物は、上述の樹脂組成物の硬化物であることから、優れた抗張積を有する。上述の樹脂組成物の硬化物は、耐久性に優れたものとなり得ることから、構造物の長寿命化を可能とする。
<コーティング方法(塗装方法)>
コーティング方法の一実施形態は、上述の樹脂組成物を構造物に塗布する工程を有する。上記コーティング方法は、例えば、対象となる構造物上に上述の樹脂組成物からなる樹脂組成物層を設け、上記樹脂組成物層を硬化させる工程を有する方法であってよい。上記コーティング方法は、例えば、上述の樹脂組成物を対象となる構造物(例えば、補修が必要なコンクリート等)に適用させる前に、上記構造物の表面に、プライマー、不陸調整材及びパテ等を塗布することを含んでもよい。上記コーティング方法は、樹脂組成物と水とを接触させる工程を含んでもよい。
上述の樹脂組成物を、構造物へ適用する方法(例えば、樹脂組成物層を設ける方法)としては、例えば、塗装及び塗布等を挙げることができる。上述の樹脂組成物は可使時間も十分に長いものとなり得ることから、コテ、ヘラ、ハケ、及びローラー等を用いて手作業で塗装することもできる。手作業で樹脂組成物を塗装することで、屋外において所望の膜厚の塗膜を形成することができる。
上記コーティング方法において、上記樹脂組成物層の厚さは、硬化後の厚さ(硬化物の厚さ)に応じて調整することができ、例えば、0.3〜5mm、0.3〜3mm、又は0.5〜2mmであってよい。上記樹脂組成物層の厚さが上記の範囲内であると、防水性能をより十分なものとすることができる。上述の樹脂組成物を複数回に分けて塗装してもよい。
上述の樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、土木建築構造物及びコーティング方法についての説明において、互いの説明内容を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
実施例及び比較例における評価は以下の方法に従って行った。
<<樹脂組成物の特性評価>>
[樹脂組成物における原材料の含有率の測定]
樹脂組成物の試料にアセトニトリルを加えた後、試料中のイソシアナト基の量に対して大過剰の二級アミン(例えば、芳香族イソシアネートに対してはジエチルアミン、脂肪族イソシアネートに対しては1−フェニルピペラジン)を添加して、室温で誘導体化を行った。さらにアセトニトリルで希釈し、高速液体クロマトグラフィー装置(日本分光株式会社製、PU−2085 Plus 型、検出器:UV、カラム:CAPCELL PAK C18 UG120、溶離液:アセトニトリルと水との混合溶媒)にて定量分析を行った。定量分析の検量線作成には純粋な化合物から上記誘導化手順と同様の方法で合成した標準品を用いた。なお、樹脂組成物の配合において、配合される成分であり、残存量が1質量%以上であることが明らかな場合には、樹脂組成物の配合比等から算出することもできる。
[粘度の測定]
サンプル(プレポリマー(a)、樹脂組成物、又は水を含む樹脂組成物(塗料))について、東機産業株式会社製のE型粘度計TVE25Hを用いて、JIS−Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に従い粘度を測定した。コーンローターは、3°×R9.7を用い、この際のサンプル量は0.2mlとした。測定温度は23℃、回転速度は20rpm又は100rpmとした。
<<硬化膜の特性評価>>
[硬化膜の作製]
均一になるまで混合した樹脂組成物又は塗料(水と樹脂組成物との混合物)を、はく離処理された基板に厚さ2mmとなるように塗布した後、温度23℃及び相対湿度50%の標準状態で7日間養生することによって評価用サンプルである硬化膜を作製した。なお、硬化膜の特性が変化しない場合には、温度23℃及び相対湿度50%の条件下で24時間養生後、温度60℃の条件下で24時間養生することによって作製した評価用サンプルを用いた。
[塗膜の外観]
上記で得られた硬化膜を目視により観察し下記の基準で評価した。
A:塗膜に異常がなく、特に平面性に優れる場合
B:塗膜に異常がない場合
C:塗膜に、膨れ、ピンホールなどの異常がある場合
[引張性能の評価(各温度での引張強さ、破断時の伸び率、破断時のつかみ間の伸び率、抗張積及び引張弾性率)]
上記で得られた硬化膜をJIS A 6021:2011「建築用塗膜防水材」の引張性能試験に準拠して測定した。
[引裂性能の評価(引裂強さ)]
上記で得られた硬化膜をJIS A 6021:2011「建築用塗膜防水材」の引裂性能試験に準拠して測定した。
(原材料)
実施例及び比較例で使用した原材料は、次のとおりである。
[成分A]
PPG P4000(旭硝子株式会社製、商品名:プレミノールS4004):ポリプロピレングリコール(2官能、水酸基価:27.8mgKOH/g、数平均分子量:4036、総不飽和度:0.008meq/g)
DPG:ジプロピレングリコール(2官能、水酸基価:836mgKOH/g、数平均分子量:134、総不飽和度:0.005meq/g未満(検出下限以下))
[成分B]
PPT E5000(旭硝子株式会社製、商品名:エクセノール5030):ポリ(オキシプロピレン)トリオール(3官能、水酸基価:32.8mgKOH/g、数平均分子量:5131、総不飽和度:0.066meq/g)
PPT P5000(旭硝子会社製、商品名:プレミノールS3006):ポリ(オキシプロピレン)トリオール(3官能、水酸基価:33.9gKOH/g、数平均分子量:4965、総不飽和度:0.008meq/g)
[成分C]
TDI T100(東ソー株式会社製、商品名:コロネートT−100):2,4−トリレンジイソシアネート
[可塑剤(b)]
DOA:アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(25℃での粘度:11mPa・s)
DINA:アジピン酸ジイソノニル(25℃での粘度:16mPa・s)
DINP:フタル酸ジイソノニル(25℃での粘度:55mPa・s)
トリメリット酸トリノニル(25℃での粘度:88mPa・s)
[溶剤(c)]
EEP:エチル3−エトキシプロピオネート(logPow:1.35)
MEK:メチルアミルケトン(logPow:1.98)
スワクリーン150(丸善石油化学株式会社製、商品名):C9アルキルシクロヘキサン混合物(logPow:3以上)
[CO吸収剤(d)]
水酸化マグネシウム
#200(神島化学工業株式会社製、比表面積:50m/g、平均粒子径:4.2μm)
[充填材(e)]
炭酸カルシウム
NS#200(日東粉化工業株式会社製、比表面積:12m/g、平均粒子径:1.8μm)
[触媒(f)]
PMDETA:N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン
[添加剤(g)]
界面活性剤
SLS:ラウリル硫酸ナトリウム
<<プレポリマー(a)の合成>>
(合成例1)
末端がイソシアナト基であるプレポリマーを次のとおり合成した。攪拌機、温度計、窒素シール管、及び加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシアルキレンジオールとして54.8質量部のPPG P4000及び5.2質量部のDPGと、少なくとも3つの水酸基を有するポリオキシアルキレンポリオールとして16.9質量部のPPT E5000とを仕込み、攪拌しながら、ポリイソシアネートとして23.1質量部のTDI T100を更に仕込んだ。その後、80℃で攪拌しながら反応させた。反応は、JIS K 1603−1:2007「イソシアネート基含有率の求め方」の手順に従った中和滴定によって決定されるイソシアナト基の含有量が、理論値以下になった時点(約3時間)で終了し、冷却することによって合成例1のプレポリマーP1を合成した。得られたプレポリマーP1のイソシアナト基の含有量(イソシアネート価)はプレポリマーP1の全量基準で、6.3質量%であった。また得られたプレポリマーP1は、常温で透明の液体であり、23℃における粘度が12.6Pa・sであった。表1に各原材料の仕込み比(質量比)、イソシアネート価、及び粘度をまとめて示した。
(合成例2)
表1に示すとおりに原材料及び仕込み比(質量比)を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、プレポリマーP2を合成した。
Figure 2019199544
(実施例1)
<樹脂組成物の製造>
密閉可能な容器に、可塑剤(b)として30質量部のDOA、触媒(f)として0.2質量部のPMDETA、及び界面活性剤として2質量部のラウリル硫酸ナトリウムを仕込み均一になるまで攪拌した。その後、容器に、CO吸収剤(d)としてあらかじめ乾燥した水酸化マグネシウムを30質量部と、充填材(e)として炭酸カルシウムを20質量部とを更に加え、均一になるまで攪拌し、分散機を用いて分散させた。この分散液にプレポリマー(a)として、プレポリマーP1を100質量部加えて均一になるまで攪拌することで、樹脂組成物を製造した。
<樹脂組成物の評価>
得られた樹脂組成物について、粘度、可塑剤の含有率、及び溶剤の含有率について評価した。その結果を表2に示す。
<塗料(水と樹脂組成物とを含む混合物)の調製>
得られた樹脂組成物172.2質量部に対して、水を20質量部加えて均一になるまで攪拌し、塗料(水と樹脂組成物とを含む混合物)を得た。
<塗料及び硬化膜の評価>
得られた塗料について、粘度を評価した。また上述の方法によって作製した硬化膜について、引張り強さ、破断時の伸び率、抗張積、引張弾性率、引裂強さ及び外観の評価を行った。その結果を表3に示す。なお、表3中で樹脂組成物の評価及び硬化膜の評価において、「−」は未測定であることを表す。
[実施例2〜5、及び比較例1〜9]
表2に示すとおりに原材料及び仕込み比(質量比)を変更したこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。また実施例1と同様にして、塗料(水をを含む樹脂組成物)を調製し硬化膜を作製した。さらに、実施例1と同様にして、樹脂組成物、塗料、及び硬化膜の評価を行った。その結果を表3及び5に示す。なお、表3中で樹脂組成物の評価及び硬化膜の評価において、「−」は未測定であることを表す。
[実施例6]
塗膜の厚さを0.3mmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、塗膜を形成した。その後、温度23℃及び相対湿度50%の標準状態において7日間養生し空気中の湿気によって塗膜を硬化させて、評価用サンプルを作製した。実施例1と同様にして、樹脂組成物、塗料、及び硬化膜の評価を行った。その結果を表3及び5に示す。
Figure 2019199544
Figure 2019199544
表3に示す結果から、実施例1〜6のように特定の可塑剤を10質量%以下の含有量で含む樹脂組成物は、比較例1〜9の樹脂組成物に比べて、引張強さに優れる硬化膜を形成できることが確認された。
[実施例7]
実施例2で製造した樹脂組成物を用いて、実施例2と同様の方法によって硬化膜を作製した。測定温度条件を変更したこと以外は実施例2と同様にして硬化膜の引張性能及び引裂性能を評価した。硬化膜の引張性能は、−20℃での引張強さが18N/mmであり、破断時のつかみ間の伸び率が300%であり、引張弾性率が30MPaであり、23℃での引張強さが10N/mmであり、破断時の伸び率が640%であり、破断時のつかみ間の伸び率が420%であり、引張弾性率が24MPaであり、60℃での引張強さが6N/mmであり、破断時のつかみ間の伸び率が370%であり、引張弾性率が6MPaであった。

Claims (19)

  1. イソシアナト基を有するプレポリマー、及び可塑剤を含み、
    前記可塑剤の25℃における粘度が60mPa・s以下であり、
    前記可塑剤の含有量が10質量%以下である、樹脂組成物。
  2. 前記可塑剤が、脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記脂肪族ポリカルボン酸のエステル化物が、脂肪族ポリカルボン酸と、イソノニルアルコール及び2−エチルヘキサノールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、のエステル化物である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 溶剤を更に含み、
    前記溶剤の含有量が1質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記プレポリマーがポリエーテルポリオールを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記プレポリマーが、オキシアルキレン基を有するジオールを含有する成分Aと、オキシアルキレン基及びオキシアルキレン基以外の少なくとも3つの官能基を有するポリオールを含有する成分Bと、イソシアナト基を有する化合物を含有する成分Cと、の反応生成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ジオールが下記一般式(1)で表され、前記ポリオールが下記一般式(2)で表される、請求項6に記載の樹脂組成物。
    Figure 2019199544

    [前記一般式(1)中、Aは、酸素原子、又は、2価アルコール、2価フェノール若しくは2価アミンから2つの活性水素を除いた2価の残基を示し、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。p〜pは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、p+p+p+pは1以上の整数である。]
    Figure 2019199544

    [前記一般式(2)中、Bは、多価アルコール、多価フェノール、又は多価アミンからn個の活性水素を除いたn価の残基を示し、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基を示す。nは2〜6の整数を示し、m〜mは、それぞれ独立に0〜1000の整数を示し、m+m+m+mは1以上の整数である。]
  8. 前記ジオールが、数平均分子量が2500以上のジオールと、数平均分子量が2500未満のジオールと、を含有する、請求項6又は7に記載の樹脂組成物。
  9. 前記プレポリマーが、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネートに由来する構造を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するCO吸収剤(d)を更に含み、
    前記CO吸収剤(d)のBET法によって求められる比表面積が、10m/g以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  11. 湿気硬化型又は水硬化型である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  12. 建築物の塗膜防水、建築物の塗り床、コンクリート床版の床版防水、タイルのはく落防止、コンクリート構造物保護、又はコンクリート構造物はく落防止に用いられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  14. 23℃における引張強さが6N/mm以上である、請求項13に記載の硬化物。
  15. 23℃における抗張積が600N/mm以上である、請求項13又は14に記載の硬化物。
  16. 23℃における引裂強さが30N/mm以上である、請求項13〜15のいずれか一項に記載の硬化物。
  17. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物を備える土木建築構造物。
  18. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物を構造物に塗布する工程を有するコーティング方法。
  19. 前記樹脂組成物と水とを接触させる工程を有する、請求項18に記載のコーティング方法。
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