JP2019199531A - β型サイアロン蛍光体の製造方法 - Google Patents

β型サイアロン蛍光体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部量子効率及び内部量子効率が高いβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供する。【解決手段】第一アルミニウム化合物を含むβ型サイアロン原料混合物を熱処理して第一熱処理物を得る第一熱処理工程と、第一熱処理物に少なくとも第二アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第二熱処理物を得る第二熱処理工程とを含み、下記式(1)の条件を満たすβ型サイアロン蛍光体の製造方法である。C1>C2 (1)式中、C1は、中間熱処理物を除く原料の合計質量に対するアルミニウムの質量割合であり、C2は、最終熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である。【選択図】なし

Description

本発明は、β型サイアロン蛍光体の製造方法に関する。
一次光を発する発光素子と、一次光を吸収して二次光を発する蛍光体とを組み合わせた発光装置は、低消費電力化、小型化、高輝度且つ広範囲な色再現性が期待される次世代の発光装置として注目され、研究開発が活発に行なわれている。例えば、青色から紫色の短波長の可視光を発光する半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせ、半導体発光素子の発光と蛍光体により波長変換された光との混色によって白色光を得る白色LED(Light Emitting Diode)が開示されている(特許文献1)。
近年、白色LEDの高出力化に伴い、蛍光体の耐熱性、耐久性に対する要求が益々高まっており、温度上昇に伴う発光強度低下が小さく、耐久性に優れた蛍光体が求められている。そのため、結晶構造が安定したβ型サイアロン蛍光体に代表される窒化物や酸窒化物の蛍光体に注目が集まっている。
β型サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素と、窒化アルミニウムと、酸化ユーロピウムのような光学活性元素化合物とを所定のモル比で混合して2000℃付近の温度で焼成した後、得られた焼成物を粉砕して製造されることや、得られた焼成物をさらに酸処理して製造されることが知られている(特許文献2)。また、焼成後に焼成温度よりも低温で不活性雰囲気、還元雰囲気若しくは真空中で再焼成又はアニールを行う製法も知られている(特許文献3)。
特許第4769132号公報 特許第4210761号公報 特許第5508817号公報
液晶ディスプレイのバックライト、照明、フラットパネルディスプレイなどに用いられる白色LEDにおいては、輝度の向上が常に求められている。白色LEDの高輝度化を達成するためには、発光装置に用いられる蛍光体の発光効率(外部量子効率及び内部量子効率)を向上させる必要がある。
しかしながら、上述した従来の製造方法は、β型サイアロン蛍光体の外部量子効率及び内部量子効率が向上し難いという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、外部量子効率及び内部量子効率が高いβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、β型サイアロン蛍光体の原料の一つであるアルミニウム化合物を複数回に分けて添加して熱処理する際に、原料中のアルミニウムの質量割合をβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合よりも多くなるように制御することにより、β型サイアロン蛍光体の外部量子効率及び内部量子効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、
第一アルミニウム化合物を含むβ型サイアロン原料混合物を熱処理して第一熱処理物を得る第一熱処理工程と、
前記第一熱処理物に少なくとも第二アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第二熱処理物を得る第二熱処理工程と
を含み、下記式(1)の条件:
C1>C2 (1)
(式中、C1は、中間熱処理物を除く原料の合計質量に対するアルミニウムの質量割合であり、C2は、最終熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である)を満たす。
本発明によれば、外部量子効率及び内部量子効率が高いβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良などを行うことができる。実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、第一アルミニウム化合物を含むβ型サイアロン原料混合物を熱処理して第一熱処理物を得る第一熱処理工程と、第一熱処理物に少なくとも第二アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第二熱処理物を得る第二熱処理工程とを含む。
また、このβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、第二熱処理物に少なくとも第三アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第三熱処理物を得る第三熱処理工程を1回以上さらに含んでもよい。
さらに、このβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、第二熱処理物又は第三熱処理物をさらに熱処理して第四熱処理物を得る第四熱処理工程を1回以上さらに含んでもよい。
ここで、本明細書において「β型サイアロン原料混合物」とは、β型サイアロン蛍光体の製造に用いられる原料の混合物のことを意味する。なお、β型サイアロン原料混合物には中間熱処理物(下記で説明する)は含まれない。
また、本明細書において「第一熱処理工程」とは、アルミニウム化合物を添加して熱処理する1回目の熱処理工程のことを意味し、「第二熱処理工程」とは、アルミニウム化合物を添加して熱処理する2回目の熱処理工程のことを意味し、「第三熱処理工程」とは、アルミニウム化合物を添加して熱処理する3回目以上の熱処理工程のことを意味し、「第四熱処理工程」とは、アルミニウム化合物を添加せずに熱処理を行う熱処理工程のことを意味する。
また、本明細書において「第一アルミニウム化合物」とは第一熱処理工程で添加されるアルミニウム化合物のことを意味し、「第二アルミニウム化合物」とは第二熱処理工程で添加されるアルミニウム化合物のことを意味し、「第三アルミニウム化合物」とは第三熱処理工程で添加されるアルミニウム化合物のことを意味する。
また、本明細書において「第一熱処理物」とは第一熱処理工程で得られる生成物のことを意味し、「第二熱処理物」とは第二熱処理工程で得られる生成物のことを意味し、「第三熱処理物」とは第三熱処理工程で得られる生成物のことを意味し、「第四熱処理物」とは第四熱処理工程で得られる生成物のことを意味する。
また、本明細書において「中間熱処理物」とは、熱処理工程として第一熱処理工程及び第二熱処理工程を含む場合には「第一熱処理物」のことを意味し、熱処理工程として第一熱処理工程〜第三熱処理工程を含む場合には「第一熱処理物及び第二熱処理物」を意味し、熱処理工程として第一熱処理工程〜第四熱処理工程を含む場合には「第一熱処理物〜第三熱処理物」、熱処理工程として第一熱処理工程、第二熱処理工程及び第四熱処理工程を含む場合には、「第一熱処理物及び第二熱処理物」をそれぞれ意味する。
また、本明細書において「最終熱処理物」とは、熱処理工程として第一熱処理工程及び第二熱処理工程を含む場合には「第二熱処理物」のことを意味し、熱処理工程として第一熱処理工程〜第三熱処理工程を含む場合には「第三熱処理物」を意味し、熱処理工程として第一熱処理工程〜第四熱処理工程を含む場合には「第四熱処理物」、熱処理工程として第一熱処理工程、第二熱処理工程及び第四熱処理工程を含む場合には、「第四熱処理物」をそれぞれ意味する。
β型サイアロン原料混合物は、アルミニウム化合物を含有していれば特に限定されないが、窒化ケイ素、アルミニウム化合物及びユウロピウム化合物を含有することが好ましい。窒化ケイ素及びアルミニウム化合物はβ型サイアロンの骨格を形成するための材料であり、ユウロピウム化合物は発光中心を形成するための材料である。
また、β型サイアロン原料混合物は、β型サイアロンをさらに含有してもよい。β型サイアロンは、骨材又は核となる材料である。
β型サイアロン原料混合物に含有される上記の各成分の形態は、特に限定されないが、いずれも粉末状であることが好ましい。
アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウムを含む酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物などを挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも、窒化アルミニウムを単独で、又は窒化アルミニウムと酸化アルミニウムとを組み合わせて用いることが好ましい。
なお、第一アルミニウム化合物、第二アルミニウム化合物及び第三アルミニウム化合物は、同一種であっても異種であってもよいが、同一種であることが好ましい。
ユウロピウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、ユウロピウムを含む酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物などを挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも、酸化ユウロピウム、窒化ユウロピウム及びフッ化ユウロピウムを単独で用いることが好ましい。
アルミニウム化合物は、複数回の熱処理工程の熱処理前にそれぞれ分けて添加される。具体的には、アルミニウム化合物は、第一熱処理工程、第二熱処理工程及び第三熱処理工程の熱処理前にそれぞれ添加される。このような方法でアルミニウムを分割して添加することにより、第二熱処理工程及び第三熱処理工程において、アルミニウムの一部がβ型サイアロン蛍光体に固溶し、残りのアルミニウムが異相として残留する。このアルミニウムを含有した異相は酸処理などでほぼ全ての異相の除去が可能である。また、全ての異相を除去しなくても、余分な光を吸収する異相のみを除去し、余分な光を吸収しないその他の異相が残存した状態でも良い。余分な光を吸収しないその他の異相にアルミニウムが含有されていても良い。なお、複数回の熱処理工程の熱処理前にアルミニウム化合物を添加する場合、アルミニウム化合物以外のβ型サイアロン蛍光体原料をアルミニウム化合物と共に添加してもよい。固溶したアルミニウムは、β型サイアロン蛍光体中の電荷バランスを零に近づけ、不対電子による結晶欠陥が減少する。つまり、β型サイアロン蛍光体の結晶性を高め、光を吸収する結晶欠陥を低減することにより、β型サイアロン蛍光体の外部量子効率及び内部量子効率を向上させることができる。また、β型サイアロン蛍光体におけるアルミニウムの固溶量の増加に伴ってユウロピウムの固溶量も増加するため、光吸収率も増加させることができる。さらに、β型サイアロン蛍光体におけるユウロピウムの固溶量が増加するため、色度xが高くなり、発光色を長波長化させることもできる。
上記のように、アルミニウム化合物を複数回の熱処理工程の熱処理前にそれぞれ分けて添加して熱処理することにより、β型サイアロン蛍光体におけるアルミニウム及びユウロピウムの固溶量が増加することから、熱処理後の熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数(a軸の長さ)が、該熱処理前に原料として用いられる熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数よりも大きくなる。また、熱処理後の熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のc軸格子定数(c軸の長さ)が、該熱処理前に原料として用いられる熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のc軸格子定数よりも大きくなる。具体的には、熱処理工程として第一熱処理工程及び第二熱処理工程を含む場合には、(1)第二熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数及びc軸格子定数が、第一熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数及びc軸格子定数よりも大きくなる。また、熱処理工程として第一熱処理工程〜第三熱処理工程を含む場合には、上記(1)に加えて、(2)第三熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数及びc軸格子定数が、第二熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数及びc軸格子定数よりも大きくなる。また、熱処理工程として第一熱処理工程〜第四熱処理工程を含む場合には、上記(1)及び(2)となる。さらに、熱処理工程として第一熱処理工程、第二熱処理工程及び第四熱処理工程を含む場合には、上記(1)となる。
アルミニウム化合物の添加量は、β型サイアロン蛍光体の光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率を向上させる観点から、下記式(1)の条件を満たすように制御する。
C1>C2 (1)
式中、C1は、中間熱処理物を除く原料の合計質量に対するアルミニウムの質量割合であり、C2は、最終熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である。
C1≦C2である場合、β型サイアロン蛍光体の光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率が十分に向上しない。上記の効果を安定して得る観点からは、下記式(2)の条件を満たすことが好ましい。
C1>C2×1.03 (2)
また、アルミニウム化合物の添加量は、下記式(3)の条件を満たすことが好ましい。
C3>C4 (3)
式中、C3は、第二熱処理物中のβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合であり、C4は、第一熱処理物中のβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である。C3≦C4である場合、β型サイアロン蛍光体の光吸収率、内部量子効率、外部量子効率が十分に向上しないことがある。
第一熱処理工程において、β型サイアロン原料混合物中のアルミニウム化合物の含有量は、上記式(1)の条件を満たす範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜4.0質量%、より好ましくは0.5〜2.0質量%である。
第二熱処理工程において、第一熱処理物と第二アルミニウム化合物との混合物中の第一熱処理物の割合は、特に限定されないが、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上である。また、混合物中の第二アルミニウム化合物の割合は、特に限定されないが、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
第三熱処理工程において、第二熱処理物と第三アルミニウム化合物との混合物中の第二熱処理物の割合は、特に限定されないが、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上である。また、混合物中の第三アルミニウム化合物の割合は、特に限定されないが、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
第一熱処理工程〜第三熱処理工程において、アルミニウム化合物を含む原料の混合物は、乾式で混合する方法や、原料の各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法を用いて得ることができる。なお、混合装置としては、特に限定されないが、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミルなどを好適に利用することができる。
第一熱処理工程〜第三熱処理工程において、混合物の熱処理は、熱処理中に混合物と反応しない材質(例えば、窒化ホウ素)からなる容器に混合物を充填して窒素雰囲気中で加熱する方法を用いることができる。このような方法を用いることにより、結晶成長反応や固溶反応などを進行させ、β型サイアロン蛍光体を得ることができる。
第一熱処理工程〜第三熱処理工程における熱処理温度は、特に限定されないが、1800〜2100℃の範囲とすることが好ましい。熱処理温度が低すぎる場合、β型サイアロン蛍光体の粒成長が進行し難く、光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率が十分に向上しないことがある。一方、熱処理温度が高すぎる場合、β型サイアロン蛍光体の分解が起こり、光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率が低下してしまうことがある。
第一熱処理工程〜第三熱処理工程における昇温時間、昇温速度、加熱保持時間、圧力などの他の条件も特に限定されず、使用する原料に応じて適宜調整すればよい。典型的には、加熱保持時間は3〜30時間が好ましく、圧力は0.6〜10MPaが好ましい。
第四熱処理工程は粒子成長を促進させるための工程であり、第四熱処理工程を行うことにより、β型サイアロン蛍光体の光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率を向上させることができる。
第四熱処理工程では、熱処理前にβ型サイアロン蛍光体を構成する元素(アルミニウムを除く)を含む化合物を第二熱処理物又は第三熱処理物に添加混合してもよい。
また、第四熱処理工程後の冷却時に一定温度で保持してもよい。一定温度で保持することにより、結晶の再配列が起こるため、結晶欠陥の減少によってβ型サイアロン蛍光体の結晶性が向上し易くなる。
なお、第四熱処理工程における熱処理温度は、特に限定されず、第一熱処理工程〜第三熱処理工程と同様の条件で行うことができる。
第二熱処理物、第三熱処理物及び第四熱処理物は、粒状又は塊状の焼結体である。粒状又は塊状の焼結体は、解砕、粉砕、分級などの処理を単独又は組み合わせて用いることにより、所定のサイズのβ型サイアロン蛍光体にすることができる。具体的な処理方法としては、焼結体をボールミルや振動ミル、ジェットミルなどの一般的な粉砕機を使用して所定の粒度に粉砕する方法が挙げられる。ただし、過度の粉砕は、光を散乱し易い微粒子を生成するだけでなく、粒子表面に結晶欠陥をもたらすため、β型サイアロンの発光効率の低下を引き起こすことがあるので留意すべきである。なお、この処理は、後述する酸処理やアルカリ処理後に行ってもよい。
β型サイアロン蛍光体をLED用蛍光体として好適に使用するためには、β型サイアロン蛍光体の平均粒子径は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、β型サイアロン蛍光体を用いて作製されるLEDの色バラツキを抑えるためには、β型サイアロン蛍光体の平均粒子径は40μm以下であることが好ましい。
ここで、本明細書において「平均粒子径」とは、JIS R1629:1997に準拠したレーザー回折散乱法による体積基準の積算分率における50%径を意味する。
本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、第二熱処理物、第三熱処理物又は第四熱処理物を、各熱処理工程の熱処理温度よりも低い温度で熱処理してアニール処理物を得るアニール工程を更に含んでよい。アニール工程を行うことにより、β型サイアロン蛍光体の発光効率を向上させることができる。また、元素の再配列により、ひずみや欠陥が除去されるため、透明性も向上させることができる。なお、アニール工程では、異相が発生する場合があるが、これは後述する酸処理やアルカリ処理などによって除去することができる。
アニール工程は、希ガス、窒素ガスなどの不活性ガス、水素ガス、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス、アンモニアガスなどの還元性ガス、若しくはこれらの混合ガス、又は真空中で行うことが好ましい。このような雰囲気中でアニール工程を行うことにより、付活剤を還元させることができる。
また、アニール工程は、大気圧下又は加圧下のいずれで行ってもよい。
アニール工程における熱処理温度は、特に限定されないが、1200〜1700℃が好ましく、1300℃〜1600℃がより好ましい。
また、アニール工程の前に、第二熱処理物、第三熱処理物又は第四熱処理物にその他の原料を添加混合してもよい。その他の原料としては、特に限定されないが、酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物、塩化物などが挙げられる。特に、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ユウロピウム、フッ化ユウロピウムを、各熱処理物と添加することで、β型サイアロン蛍光体の輝度を向上させることができる。ただし、添加する原料は、固溶しない残分がアニール工程後の酸処理やアルカリ処理などによって除去できることが望ましい。
本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、第二熱処理物、第三熱処理物、第四熱処理物又はアニール処理物を、酸性若しくはアルカリ性の液体及び/又はフッ素を含むガスと接触させる工程を含むことが好ましい。このような工程を行うことにより、アニール工程などで発生した異相(発光阻害因子)を溶解除去することができるため、β型サイアロン蛍光体の光吸収率、内部量子効率及び外部量子効率を向上させることができる。
酸性の液体としては、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、塩酸、硝酸から選ばれる1種以上の酸を含む水溶液を用いることができる。アルカリ性の液体としては、水酸化カリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリを含む水溶液を用いることができる。
酸性又はアルカリ性の液体を用いた処理方法としては、特に限定されないが、第二熱処理物、第三熱処理物、第四熱処理物又はアニール処理物を、上述の酸又はアルカリを含む水溶液に分散し、数分から数時間程度(例えば10分〜6時間)、撹拌して反応させることにより行うことができる。この処理の後、β型サイアロン蛍光体以外の物質をろ過で分離し、β型サイアロン蛍光体に付着した物質を水洗することが望ましい。
フッ素を含むガスとしては、F2、BrF3、BrF5、NH4HF2、NH4F、PF3、PF5、SiF4、SF6、S210、ClF3、CF4、CHF3、KrF2、XeF2、XeF4、NF3などを用いることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして製造されるβ型サイアロン蛍光体は、発光素子における蛍光体層の材料として好適に用いることができる。発光素子は、ディスプレイのバックライト光源、照明装置などの発光装置に適用することができる。発光素子としては、特に限定されないが、LEDと、LEDの発光面側に積層された蛍光体層とを備える。LEDとしては、350〜500nmの波長の光を発する紫外LED又は青色LED、特に440〜480nmの波長の光を発する青色LEDを用いることができる。特に、本発明の実施形態に係る製造方法によって得られたβ型サイアロン蛍光体は、紫外から青色光の幅広い波長で励起され、高輝度の緑色発光を示すことから、青色又は紫外光を光源とする白色LEDの蛍光体として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
以下の第一熱処理工程、第二熱処理工程、アニール工程及び酸洗工程を順次行うことにより、β型サイアロン蛍光体を得た。
<第一熱処理工程>
α型窒化ケイ素粉末(SN−E10グレード、宇部興産株式会社製)98.06質量%、窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)1.34質量%、酸化ユウロピウム(RUグレード、信越化学工業株式会社製)0.60質量%を配合し、小型ミルミキサーを用いて混合した後、目開き150μmの篩に通して凝集物を除去することにより、β型サイアロン原料混合物を得た。次に、β型サイアロン原料混合物100gを蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第一熱処理物を得た。
<第二熱処理工程>
次に、第一熱処理物に窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)を添加し、小型ミルミキサーを用いて混合した。ここで、混合物中の窒化アルミニウム粉末の配合割合は0.20質量%とした。次に、この混合物を蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第二熱処理物を得た。第二熱処理物は、アルミナボールミルで粉砕した後、目開き45μmの篩を通して凝集物を除去した。
<アニール工程>
次に、第二熱処理物を円筒型の窒化ホウ素製容器に充填した後、カーボンヒーターの電気炉で大気圧のアルゴンフロー雰囲気下、1500℃で15時間、熱処理を行ってアニール処理物を得た。
<酸洗工程>
次に、アニール処理物を60〜70℃のフッ化水素酸と硝酸との混酸中に3時間浸した後、ろ過して溶液を除去した。次に、イオン交換水による水洗をイオン交換水が中性になるまで繰り返し行った後、ろ過して乾燥させた。その後、目開き45μmの篩をした。
(実施例1−2)
第二熱処理工程で添加する窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)の配合割合を0.40質量%に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例1−3)
第二熱処理工程とアニール工程との間に以下の第四熱処理工程を追加したこと以外は実施例1−2と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
<第四熱処理工程>
第二熱処理物を蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第四熱処理物を得た。
(実施例1−4)
第二熱処理工程とアニール工程との間に以下の第三熱処理工程を追加したこと以外は実施例1−2と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
<第三熱処理工程>
第二熱処理物に窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)を添加し、小型ミルミキサーを用いて混合した。ここで、混合物中の窒化アルミニウム粉末の配合割合は0.40質量%とした。次に、この混合物を蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第三熱処理物を得た。
(比較例1−1)
第二熱処理工程において窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)を添加しなかったこと以外は実施例1−1と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例2−1)
第一熱処理工程及び第二熱処理工程を以下のように変更したこと以外は実施例1−1と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
<第一熱処理工程>
α型窒化ケイ素粉末(SN−E10グレード、宇部興産株式会社製)98.78質量%、窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)0.62質量%、酸化ユウロピウム(RUグレード、信越化学工業株式会社製)0.60質量%を配合し、小型ミルミキサーを用いて混合した後、目開き150μmの篩に通して凝集物を除去することにより、β型サイアロン原料混合物を得た。次に、β型サイアロン原料混合物100gを蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第一熱処理物を得た。
<第二熱処理工程>
次に、第一熱処理物に窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)を添加し、小型ミルミキサーを用いて混合した。ここで、混合物中の窒化アルミニウム粉末の配合割合は0.90質量%とした。次に、この混合物を蓋付き円筒型の窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製)に充填し、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した後、0.8MPaの加圧窒素雰囲気中、2010℃で20時間、熱処理を行って第二熱処理物を得た。第二熱処理物は、アルミナボールミルで粉砕した後、目開き45μmの篩を通して凝集物を除去した。
(比較例2−1)
第二熱処理工程において窒化アルミニウム粉末(Eグレード、トクヤマ株式会社製)を添加しなかったこと以外は実施例2−1と同様の条件でβ型サイアロン蛍光体を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた各熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体について、下記の評価を行った。
<中間熱処理物、最終熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体の外部量子効率、光吸収率及び内部量子効率>
積分球の側面開口部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製スペクトラロン(登録商標))をセットした。この積分球に、発光光源(Xeランプ)から455nmの波長に分光した単色光を光ファイバーにより導入し、反射光スペクトルを分光光度計(大塚電子株式会社製MCPD−7000)により測定した。その際、450〜465nmの波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。
次に、凹型のセルに表面が平滑になるようにβ型サイアロン蛍光体を充填して積分球の開口部にセットした後、波長455nmの単色光を照射し、励起反射光スペクトルを分光光度計により測定した。得られたスペクトルデータから励起反射光フォトン数(Qref)及び蛍光フォトン数(Qem)を算出した。励起反射光フォトン数は、励起光フォトン数と同じ波長範囲で、蛍光フォトン数は、465〜800nmの範囲で算出した。得られた三種類のフォトン数から下記の式に基づいて外部量子効率、光吸収率及び内部量子効率を算出した。
外部量子効率=(Qem/Qex)×100
光吸収率=(Qref/Qex)×100
内部量子効率=外部量子効率/光吸収率
なお、上記の測定方法によってβ型サイアロン蛍光体の標準試料(NIMS Standard Green lot No.NSG1301、サイアロン社製)を測定した場合、外部量子効率55.6%、光吸収率74.4%、内部量子効率74.8%であった。量子効率及び光吸収率は、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変わると値が変動する場合があるため、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変更となる場合は、β型サイアロン蛍光体の標準試料を基準値として測定データの補正を行う。
<β型サイアロン蛍光体の600nm光吸収率>
積分球の側面開口部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製スペクトラロン(登録商標))をセットした。この積分球に、発光光源(Xeランプ)から600nmの波長に分光した単色光を光ファイバーにより導入し、反射光スペクトルを分光光度計(大塚電子株式会社製MCPD−7000)により測定した。その際、590〜610nmの波長範囲のスペクトルから入射光フォトン数(Qex(600))を算出した。
次に、凹型のセルに表面が平滑になるようにβ型サイアロン蛍光体を充填して積分球の開口部にセットした後、波長600nmの単色光を照射し、入射反射光スペクトルを分光光度計により測定した。得られたスペクトルデータから入射反射光フォトン数(Qref(600))を算出した。入射反射光フォトン数(Qref(600))は入射光フォトン数(Qex(600))と同じ波長範囲で算出した。得られた二種類のフォトン数から下記の式に基づいて600nm光吸収率を算出した。
600nm光吸収率=(Qref(600)/Qex(600))×100
なお、上記の測定方法によってβ型サイアロン蛍光体の標準試料(NIMS Standard Green lot No.NSG1301、サイアロン社製)を測定した場合、600nm光吸収率は7.6%であった。600nm吸収率は、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変わると値が変動する場合があるため、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変更となる場合は、β型サイアロン蛍光体の標準試料を基準値として測定データの補正を行う。
<中間熱処理物、最終熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体の色度x>
色度xは、CIE1931の値であり、分光光度計(大塚電子株式会社製MCPD−7000)により測定した。上記と同様にして波長455nmの単色光を照射し、465〜800nmの範囲で励起反射光スペクトルを測定し、色度xを算出した。
なお、上記の測定方法によってβ型サイアロン蛍光体の標準試料(NIMS Standard Green lot No.NSG1301、サイアロン社製)を測定した場合、色度xは0.356であった。色度xは測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変わると値が変動する場合があるため、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変更となる場合は、β型サイアロン蛍光体の標準試料を基準値として測定データの補正を行う。
<中間熱処理物、最終熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数及びc軸格子定数>
各熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体について、X線回折装置(UltimaIV、リガク社製)を用い、CuKα線を用いた粉末X線回折を行った。得られたX線回折パターンからリーベルト解析法により、a軸格子定数(格子定数a軸の長さ)及びc軸格子定数(格子定数c軸の長さ)を算出した。
<各熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のAl量>
熱処理物をフッ化水素酸と硝酸との混酸(60〜70℃)中に3時間浸した後、ろ過して溶液を除去した。次に、イオン交換水による水洗をイオン交換水が中性になるまで繰り返し行った後、ろ過して乾燥させた。次に、乾燥物を溶融させた後、ICP発光分析装置(ICPE−9000、株式会社島津製作所製)を用いて、熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のAl量を測定した。
<中間熱処理物、最終熱処理物及びβ型サイアロン蛍光体の平均粒子径D50>
JIS R1629:1997に準拠し、レーザー回折散乱法を用いて体積基準の積算分率における50%径を測定した。
上記の各評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、β型サイアロン蛍光体の原料の一つである窒化アルミニウム粉末(アルミニウム化合物)を複数回に分けて添加して熱処理する際に、中間熱処理物を除く原料中のアルミニウムの質量割合をβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合よりも多くなるように制御した実施例1−1〜1−4及び2−1では、窒化アルミニウム粉末(アルミニウム化合物)を複数回に分けて添加しなかった比較例1−1及び2−1に比べて、β型サイアロン蛍光体の内部量子効率及び外部量子効率が向上した。また、実施例1−1〜1−4及び2−1では、比較例1−1及び2−1に比べて、光吸収率が若干上昇する傾向も確認された。
また、実施例1−1と実施例1−2とを比較すると、第二熱処理工程で配合する窒化アルミニウム粉末(アルミニウム化合物)の量を増加すると、β型サイアロン蛍光体の内部量子効率、外部量子効率及び光吸収率が高くなる傾向が確認された。
以上のように、本発明によれば、外部量子効率及び内部量子効率が高いβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供することができる。

Claims (12)

  1. 第一アルミニウム化合物を含むβ型サイアロン原料混合物を熱処理して第一熱処理物を得る第一熱処理工程と、
    前記第一熱処理物に少なくとも第二アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第二熱処理物を得る第二熱処理工程と
    を含み、下記式(1)の条件:
    C1>C2 (1)
    (式中、C1は、中間熱処理物を除く原料の合計質量に対するアルミニウムの質量割合であり、C2は、最終熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である)を満たす、β型サイアロン蛍光体の製造方法。
  2. 前記第二熱処理物に少なくとも第三アルミニウム化合物を添加混合した後、熱処理して第三熱処理物を得る第三熱処理工程を1回以上さらに含む、請求項1に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  3. 前記第二熱処理物又は前記第三熱処理物をさらに熱処理して第四熱処理物を得る第四熱処理工程を1回以上さらに含む、請求項1又は2に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  4. 下記式(2)の条件:
    C1>C2×1.03 (2)
    を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  5. 下記式(3)の条件:
    C3>C4 (3)
    (式中、C3は、前記第二熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合であり、C4は、前記第一熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体中のアルミニウムの質量割合である)を満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  6. 前記第一熱処理物と前記第二アルミニウム化合物との混合物中の前記第一熱処理物の割合が80質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  7. 前記第一熱処理工程、前記第二熱処理工程、前記第三熱処理工程及び前記第四熱処理工程が、窒素雰囲気中、1800〜2100℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  8. 前記第二熱処理物、前記第三熱処理物又は前記第四熱処理物を、不活性ガス中、還元性ガス中、不活性ガスと還元性ガスの混合ガス中又は真空中で、各熱処理工程の熱処理温度よりも低い温度で熱処理してアニール処理物を得るアニール工程を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  9. 前記第二熱処理物、前記第三熱処理物、前記第四熱処理物又は前記アニール処理物を、酸性若しくはアルカリ性の液体及び/又はフッ素を含むガスと接触させる工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  10. 前記第一アルミニウム化合物、前記第二アルミニウム化合物及び前記第三アルミニウム化合物が窒化アルミニウムである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  11. 熱処理後の熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数が、前記熱処理前に原料として用いられる熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のa軸格子定数よりも大きい、請求項1〜10のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  12. 熱処理後の熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のc軸格子定数が、前記熱処理前に原料として用いられる熱処理物に含まれるβ型サイアロン蛍光体のc軸格子定数よりも大きい、請求項1〜11のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
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