JP2019199495A - 樹脂組成物、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物、および、硬化物の製造方法。 - Google Patents

樹脂組成物、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物、および、硬化物の製造方法。 Download PDF

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賢一郎 岡
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Abstract

【課題】 本発明は、分子量が高い樹脂化合物、中でも脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物や、ウレタンや水酸基といった高い極性を有する樹脂化合物といった、従来では二酸化炭素塗装が難しかった樹脂組成物を塗装可能とすることを課題とする。【解決手段】 本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、数平均分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂と、流体二酸化炭素とを含有することを特徴とする樹脂組成物を提供することで、前記課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、流体二酸化炭素含有組成物、および、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に関する。
インキ又は塗料を対象物に塗装する方法として、インキ又は塗料に溶剤として二酸化炭素を混合して塗装液組成物を調製し、得られた塗装液組成物を対象物に噴霧する方法が知られている。この方法では、二酸化炭素が希釈剤として機能するため、有機溶剤の使用量を低減させることから、環境対応技術として注目されている。このような二酸化炭素を用いた塗装に関する技術は、例えば、特許文献1〜6のように数々開発されている。
しかしながら、従来の技術では、分子量が高い樹脂化合物、中でも脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物や、ウレタンや水酸基といった高い極性を有する樹脂化合物を含有した塗装液組成物の十分な検討はなされていなかった。このため、塗装液組成物中で樹脂成分の析出や、塗装液粘度の問題から、塗装液組成物の噴霧ができなといった課題や、塗装液組成物を噴霧することによって形成される塗膜が不均一であるという課題があった。
特許第4538625号公報 特許第5429928号公報 特許第5429929号公報 特許第5660605号公報 特許第5568801号公報 特許第5608864号公報
すなわち本発明は、分子量が高い樹脂化合物、中でも脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物や、ウレタンや水酸基といった高い極性を有する樹脂化合物といった、従来では二酸化炭素塗装が難しかった樹脂組成物を塗装可能とすることを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、分子量が高い樹脂化合物、中でも脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物や、ウレタンや水酸基といった高い極性を有する樹脂化合物を含有した組成物であっても、二酸化炭素塗装を行うことができる樹脂組成物、および二酸化炭素塗装によって得られる硬化物が提供可能であることを見出した。
すなわち本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、数平均分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂と、流体二酸化炭素とを含有することを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートが、以下式(1)で表される化合物である樹脂組成物を提供するものである。
・・・(1)
(式(1)中、n+n+n=0〜12で、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される基で、X、X、Xはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される
また、本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有する流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に流体二酸化炭素を配合して流体二酸化炭素含有樹脂組成物を得る工程と、
前記流体二酸化炭素含有樹脂組成物を噴霧して塗膜を形成する工程と、
得られた塗膜を活性エネルギー線硬化により硬化させて硬化物を得る工程とを有することを特徴とする、硬化物の製造方法を提供するものである。
本発明の樹脂組成物により、分子量が高い樹脂化合物、脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物といった、従来では流体二酸化炭素塗装が難しかった樹脂組成物が塗装可能となる。また、有機溶剤の使用量を低減できることから、環境に優しい塗装方法を提供することができる。
二酸化炭素塗装装置の図である。
本発明は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物を提供するものである。
<グリセリントリ(メタ)アクリレート>
本発明の樹脂組成物は、グリセリントリ(メタ)アクリレートを含有する。グリセリントリ(メタ)アクリレートには特に限定はないが、下記式(1)で表される構造であると好ましい。好ましくはn+n+n=0〜10であって、さらに好ましくは0〜8であって、さらに好ましくは0〜6であって、より好ましくは0〜4ある。特に好ましくは、n+n+n=0〜1である。グリセリントリ(メタ)アクリレートを含有することで、分子量が大きい樹脂であっても流体二酸化炭素への溶解度が向上し、良好な塗装が可能となる。
・・・(1)
(式(1)中、n+n+n=0〜12で、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される基で、X、X、Xはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される)
グリセリントリ(メタ)アクリレートの配合量としては、樹脂組成物全体の不揮発分量の10wt%以上であることが好ましい。さらに好ましくは30wt%以上であって、特に好ましくは50wt%で以上である。
<重合性二重結合を有する樹脂>
本発明の樹脂組成物は、重合性二重結合を有する樹脂を含有する。本発明の重合性二重結合を有する樹脂は、数平均分子量が400〜50,000であることを特徴とする。好ましい分子量としては、30000以下であって、より好ましくは20000以下であって、特に好ましくは、5000以下である。
樹脂の数平均分子量としては、以下の方法で測定することが可能である。GC−MS等の質量分析計で分子の相対質量を直接測定する方法や、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリマー、オリゴマーの平均分子量及び分子量分布を測定する方法である。
本発明の重合性二重結合を有する樹脂における重合性二重結合は、例えばビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
本発明の重合性二重結合は、樹脂中に1つ以上あればよく、好ましくは2つ以上ある多官能樹脂である。
(環構造を有する樹脂)
本発明の重合性二重結合を有する樹脂は、脂環構造を有する樹脂であることが好ましい。環構造を有することで、樹脂を硬化した塗装物の、硬化収縮が低減され密着性が向上するためである。
環構造としては、脂環、芳香環、複素環が挙げられ、それぞれ単環であっても多環であっても構わない。また、異なる種類の環構造が組み合わされた多環であってもよい。
環構造は樹脂中に単独で存在しても複数存在してもよく、同一種のみで構成されても複数種の環構造が存在しても構わない。
また、環構造の水素は置換されていてもよく、炭化水素基、重合性二重結合、水酸基、等の置換基を有していてもよい。
脂環としては、炭素数6〜20が好ましく、単環であっても縮合環であってもかまわない。単環としては、シクロアルカンにはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカンなどがある。また、単環のシクロアルケンにはシクロプロペン、シクロブテン、シクロプロペン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどが挙げられる。縮合環としては、ビシクロウンデカンやデカヒドロナフタレン、ノルボルネンやノルボルナジエンなどがある。
また多環式化合物にはキュバン、バスケタン、ハウサン等が挙げられる。
芳香環としては、炭素数6〜20の芳香環であることが好ましく、単環であっても縮合環であってもかまわない。ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環などが挙げられる。
複素環としては、炭素以外の炭素以外を含む環構造である。炭素以外の原子としては、窒素、酸素、硫黄等が挙げられる。
複素環構造としては含窒素複素環構造が好ましく、特に好ましくはイソシアヌレート環である。
環構造のうち、好ましくは脂環または複素環構造である。
環構造を有する樹脂の一例として、以下のような構造が挙げられる。
・・・(2)
(式(2)中、R〜R12はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
・・・(3)
(式(3)中、R13〜R15はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表され、m+m+m=0〜3で表される。
・・・(4)
(式(4)中、R16〜R30はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
(ウレタン結合を有する樹脂)
本発明の重合性二重結合を有する樹脂は、ウレタン結合を有する樹脂であることが好ましい。ウレタン結合を有することで硬化時の残留応力が緩和され、樹脂を硬化した塗装物の密着性が向上するためである。ウレタン結合を有する樹脂としては、好ましくは以下のような構造が挙げられる。
・・・(5)
(式(5)中、R31〜R36はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
・・・(6)
(式(6)中、R37〜R51はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
(水酸基を有する樹脂)
本発明の重合性二重結合を有する樹脂は、水酸基を有する樹脂を含んでも良い。水酸基を有することで、基材の極性基成分と相互作用することで、樹脂を硬化した塗装物の基材への密着性が向上するためである。水酸基を有する樹脂としては、好ましくは以下のような構造が挙げられる。
・・・・(7)
(式(7)中、R52〜R56はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
・・・(8)
(式(8)中、R57〜R59はそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される。
また、式(7)および(8)とイソシアネート基を含有する化合物を水酸基モル数/イソシアネート基モル数>1.0の条件で合成したウレタン樹脂も含む。
また、水酸基と(メタ)アクリレート構造を有するアクリルポリマーも含む。
本発明の重合性二重結合を有する樹脂として、特に好ましくは以下のような樹脂が挙げられる。イソシアヌル酸2−ヒドロキシエチルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸2−ヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドにより変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドにより変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物とアルコール系化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート化合物、多価アルコールと(メタ)アクリル酸及び多官能性カルボン酸との縮合反応により合成されるポリエステル(メタ)アクリレート化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加反応により合成されるエポキシ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
<流体二酸化炭素>
本発明の樹脂組成物は、グリセリントリ(メタ)アクリレートと分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有する流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物である。流体二酸化炭素を流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物と配合することで、流体二酸化炭素塗装が可能な樹脂組成物となる。
流体二酸化炭素とは、二酸化炭素を圧縮することで流体としたものである。流体二酸化炭素としては、液体二酸化炭素と超臨界二酸化炭素とが挙げられる。本発明において、流体二酸化炭素としては液体二酸化炭素と超臨界二酸化炭素のどちらを用いてもよいが、溶解度の高さから超臨界二酸化炭素が好ましい。
<超臨界二酸化炭素>
超臨界二酸化炭素とは、気体と液体が共存できる限界の温度及び圧力(臨界点)を超えた状態にあり、通常の気体や液体とは異なる性質を示す特殊な状態の二酸化炭素である。超臨界二酸化炭素は、希釈性溶剤として作用するため、超臨界二酸化炭素塗装用樹脂組成物に配合することで、組成物の粘度を低下させ、有機溶剤の含有量を低くまたは無使用にすることができる。
流体二酸化炭素の配合量としては、樹脂組成物全体の不揮発分量に対し、重量換算で1〜100%であることが好ましい。さらに好ましくは5%以上であって、特に好ましくは10%以上である。また、さらに好ましくは60%以下であって、特に好ましくは30%以下である。
<その他の配合物>
本発明の組成物は、そのほかの配合物を含有していてもかまわない。例えば、各種樹脂、反応性化合物、触媒、重合開始剤、有機フィラー、無機フィラー、有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、カップリング剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等を配合してもかまわない。
有機溶剤としては、例えばエステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒が挙げられる。
具体的には、エステル系溶媒としては、酢酸エチル−、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ケトン系溶媒としては、アセトン、2−ブタノン、メチルエチル−ケトン、メチルイソブチルケトン等、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキソラン等、脂肪族系溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等、芳香族系溶媒としてはトルエン、キシレン等、アルコール系溶媒としてはエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を例示することができる。
本発明の有機溶剤は、樹脂組成物の不揮発分量に対して70%以下であることが好ましい。さらに好ましくは50%以下であり、特に好ましくは10wt%以下である。
各種樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、熱硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、活性エステル樹脂、アニリン樹脂、シアネートエステル樹脂、スチレン・無水マレイン酸(SMA)樹脂、などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融成形可能な樹脂を言う。その具体例としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、フィラーを配合することができる。たとえば、ハードコート性の向上を目的として、シリカを配合することができる。
シリカとしては、限定は無く、粉末状のシリカやコロイダルシリカなど公知のシリカ微粒子を使用することができる。市販の粉末状のシリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製アエロジル50、200、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、市販のコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、PGM−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。
シリカとしては、反応性シリカを用いてもよい。反応性シリカとしては、例えば反応性化合物修飾シリカが挙げられる。反応性化合物としては、例えば疎水性基を有する反応性シランカップリング剤、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、グリシジル基を有する化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販の粉末状のシリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジルRM50、R711等、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で修飾した市販のコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)製MIBK−SD、MIBK−SD―L、MIBK−AC−2140Z、MEK−AC−2140Z等が挙げられる。また、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシジル基で修飾した後に、アクリル酸を付加反応させたシリカや、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランと水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物をウレタン化反応させたもので修飾したシリカも反応性シリカとして挙げられる。
前記シリカ微粒子の形状は特に限定はなく、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、または不定形状のものを用いることができる。例えば、市販の中空状シリカ微粒子としては、日鉄鉱業(株)製シリナックス等を用いることができる。
また一次粒子径は、5〜200nmの範囲が好ましい。5nm以上であると、組成物中の無機微粒子の分散が十分となり、200nmを以下では、硬化物の十分な強度が保持できる。
シリカの配合量としては、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とシリカの合計量の固形分量を100重量部とするとき、3〜60重量部の配合量であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、シリカ以外のフィラーを有していても良い。シリカ以外のフィラーとしては、無機フィラーと有機フィラーが挙げられる。フィラー形状に限定はなく、粒子状や板状、繊維状のフィラーが挙げられる。
例えば、耐熱性に優れるものとしては、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、等;熱伝導に優れるものとしては、窒化ホウ素、窒化アルミ、酸化アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素等;導電性に優れるものとしては、金属単体又は合金(例えば、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、白金、亜鉛、マンガン、ステンレスなど)を用いた金属フィラー及び/又は金属被覆フィラー、;バリア性に優れるものとしては、マイカ、クレイ、カオリン、タルク、ゼオライト、ウォラストナイト、スメクタイト等の鉱物等やチタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム;屈折率が高いものとしては、チタン酸バリウム、酸化ジルコニア、酸化チタン等;光触媒性を示すものとしては、チタン、セリウム、亜鉛、銅、アルミニウム、錫、インジウム、リン、炭素、イオウ、テリウム、ニッケル、鉄、コバルト、銀、モリブデン、ストロンチウム、クロム、バリウム、鉛等の光触媒金属、前記金属の複合物、それらの酸化物等;耐摩耗性に優れるものとしては、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム等の金属、及びそれらの複合物及び酸化物等;導電性に優れるものとしては、銀、銅などの金属、酸化錫、酸化インジウム等;紫外線遮蔽に優れるものとしては、酸化チタン、酸化亜鉛等である。
これらの無機微粒子は、用途によって適時選択すればよく、単独で使用しても、複数種組み合わせて使用してもかまわない。また、上記無機微粒子は、例に挙げた特性以外にも様々な特性を有することから、適時用途に合わせて選択すればよい。
無機繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維のほか、炭素繊維、活性炭繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、タングステンカーバイド繊維、シリコンカーバイド繊維(炭化ケイ素繊維)、セラミックス繊維、アルミナ繊維、天然繊維、玄武岩などの鉱物繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、及び金属繊維等を挙げることができる。上記金属繊維としては、例えば、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維を挙げることができる。
有機繊維としては、ポリベンザゾール、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の樹脂材料からなる合成繊維や、セルロース、パルプ、綿、羊毛、絹といった天然繊維、タンパク質、ポリペプチド、アルギン酸等の再生繊維等を挙げる事ができる。
フィラーの配合量としては、樹脂組成物中の(メタ)アクリレートを有する化合物とフィラーの合計量の固形分量を100重量部とするとき、3〜60重量部の配合量であることが好ましい。
本発明の組成物は活性エネルギー線で硬化させるため、重合開始剤、特に光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の使用量は、前記樹脂組成物の樹脂固形分量100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系、ポリマー型紫外線吸収剤等が挙げられる。
<表面改質剤>
本発明の組成物には、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化膜の滑り性を高めて
耐擦傷性を高める目的等のため、各種表面改質剤を添加してもよい。表面改質剤としては
、表面調整剤、レベリング剤、スベリ性付与剤、防汚性付与剤等の名称で市販されている
、表面物性を改質する各種添加剤を使用することができる。それらのうち、シリコーン系
表面改質剤およびフッ素系表面改質剤が好適である。
具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖を有するシリコーン系ポ
リマーおよびオリゴマー、シリコーン鎖とポリエステル鎖を有するシリコーン系ポリマー
およびオリゴマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖を有するフッ
素系ポリマーおよびオリゴマー、パーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキ
サイド鎖を有するフッ素系ポリマーおよびオリゴマー、等が挙げられる。これらのうちの
一種以上を使用すればよい。滑り性の持続力を高めるなどの目的で、分子中に(メタ)ア
クリロイル基を含有するものを使用してもよい。具体的な表面改質剤としては、EBECRYL350(ダイセル・オルネクス株式会社)、BYK−333(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK−377(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK−378(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3505(ビックケミー・ジャパン株式会社)、BYK―UV3576(ビックケミー・ジャパン株式会社)、メガファックRS−75(DIC株式会社)、メガファックRS−76−E(DIC株式会社)、メガファックRS−72−K(DIC株式会社)、メガファックRS−76−NS(DIC株式会社)、メガファックRS−90(DIC株式会社)、メガファックRS−91(DIC株式会社)、メガファックRS−55(DIC株式会社)、オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社)、ZX−058−A(株式会社T&K TOKA)、ZX−201(株式会社T&K TOKA)、ZX−202(株式会社T&K TOKA)、ZX−212(株式会社T&K TOKA)、ZX−214−A(株式会社T&K TOKA)、X−22−164AS(信越化学工業株式会社)、X−22−164A(信越化学工業株式会社)、X−22−164B(信越化学工業株式会社)、X−22−164C(信越化学工業株式会社)、X−22−164E(信越化学工業株式会社)、X−22−174DX(信越化学工業株式会社)、等を挙げることができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に超臨界二酸化炭素を含有させた樹脂組成物を硬化することで得ることができる。
具体的には、グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有する流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に流体二酸化炭素を配合して流体二酸化炭素含有樹脂組成物を得る工程と、
前記流体二酸化炭素含有樹脂組成物を噴霧して塗膜を形成する工程と、
得られた塗膜を活性エネルギー線硬化により硬化させて硬化物を得る工程とを経ることにより、硬化物を得ることができる。
本発明では、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に、二酸化炭素を混合、溶解させるが、その条件は、温度は30〜70℃、好ましくは35〜45℃、圧力は5〜20MPa、好ましくは7〜10MPaである。
(装置及び塗装方法)
本発明で用いられる塗装の装置は、二酸化炭素が溶解した塗料を噴射できるものであれば特に制限はない。
たとえば、有機溶剤系の噴霧塗装において用いられる希釈溶剤を、二酸化炭素で一部又は全部を代替する二酸化炭素塗装において、塗料供給ラインとして、塗料を貯蔵するタンク、該タンクから供給される塗料を所定の圧力まで加圧する塗料高圧ポンプ、該塗料高圧ポンプの吐出圧を調整し、余剰分を塗料タンクへ返送させる塗料1次圧調整弁を有し、二酸化炭素供給ラインとして、液体二酸化炭素を貯蔵するタンク、該液体二酸化炭素を所定温度まで冷却する冷却器、該冷却器から供給される液体二酸化炭素を所定の圧力まで加圧する液体二酸化炭素高圧ポンプ、該液体二酸化炭素高圧ポンプの吐出圧を調整し、余剰分を同ポンプのサクションに返送させる液体二酸化炭素1次圧調整弁を有し、塗料/二酸化炭素混合物ラインとして、上記塗料供給ラインから供給される加圧された塗料、上記二酸化炭素供給ラインから供給される加圧された二酸化炭素とを混合する混合器、及び該混合器から供給される混合後の塗料/二酸化炭素加圧混合物を大気圧下の塗装対象物へ噴霧する噴霧ガンを有することからなる二酸化炭素を用いた塗装装置を用いることができる。
本発明における塗装方法は、噴霧制御を行う塗料高圧ポンプあるいはCO高圧ポンプの吐出側の1次圧調整弁を噴霧圧に設定し、噴霧圧制御を行わない塗料高圧ポンプあるいはCO高圧ポンプの吐出側の1次圧調整弁を噴霧圧より高い圧力に設定して運転することにより、噴霧圧制御を行わない流体の流量を一定とし、噴霧圧制御を行う流体の流量を、噴霧ノズルのオリフィスの流量特性に応じて可変として、余剰分をポンプサクションに戻すことからなる方法を用いることができる。
また、本発明における塗装方法は、上記の塗装装置を使用して二酸化炭素を用いた塗装を行う方法であって、塗料高圧ポンプ、及び二酸化炭素高圧ポンプの吐出側の1次圧調整弁を噴霧圧力より高く設定して、両ポンプから吐出された流体全量を噴霧させ、噴霧圧力を噴霧ガンのノズルオリフィスの流量特性に依存して調整することからなる二酸化炭素を用いた方法も用いることができる。
本発明では、加圧された塗料を所定温度まで加熱する塗料加熱器を有すること、液体二酸化炭素高圧ポンプのサクションに返送される余剰二酸化炭素を所定温度まで冷却する冷却器を有すること、加圧された液体二酸化炭素を所定温度まで加熱する二酸化炭素加熱器を有すること、混合後の塗料/二酸化炭素加圧混合物を所定温度まで加熱する混合物加熱器を有すること、混合器が、塗料と二酸化炭素とを急速混合し得るマイクロ混合器であることを好ましい実施の態様としている。
また、本発明では、噴霧圧制御を行う流体が、塗料であること、塗料高圧ポンプ、及び二酸化炭素高圧ポンプの吐出側の1次圧調整弁を噴霧圧力より高く設定して、両ポンプから吐出された流体全量を噴霧させ、噴霧圧力を、噴霧ガンのノズルオリフィスの流量特性に依存して調整すること、混合器後から噴霧ガンまでの滞留時間を、少なくとも15秒とすることにより、安定した1相混合物とすることを好ましい実施の態様としている。
一般的に、活性エネルギー線硬化型塗料はメカニカルストレスによるラジカル発生が嫌われる為、ギヤーポンプの使用は避けられるが、塗料粘度が充分に高い場合、モノーポンプや、口径の大きなダイやフラムポンプが良く使用される。
一方、二酸化炭素高圧ポンプとしては、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプに加え、プランジャーポンプの採用も可能である。ただし、二酸化炭素の加圧に際しては、液体二酸化炭素での加圧が有利であり、この場合、ポンプの前段での冷却が必要とされる。
本発明では、加熱器の型式は、特に限定されないが、装置の運転開始時や、流量を変えたときなどに、温度をなるべく早く一定に制御することや、塗装面の切り替えなどで噴霧を一時的に停止し、再度噴霧を開始するときなどに、それぞれの流体の温度が大きく変化しないことが求められる。そのため、一般的に使用される電気加熱式加熱器よりは、加熱媒体(通常は、水)の満たされたタンクに、流体の通過する高圧配管をコイル状に浸漬したタンク/コイル式の熱交換器が好適に用いられる。
本発明では、上記流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物と、二酸化炭素を効率的に混合し、塗料中に、二酸化炭素を溶解していくことが必要である。従来、この目的のためには、インラインミキサである流体多段分割原理を応用したスタティックミキサ(静的混合器)が用いられてきたが、必ずしも充分な混合、溶解が実現できていない。本発明では、マイクロ混合の原理を利用した高圧マイクロ混合器が使用される。
高圧マイクロ混合器の型式は、特に限定されないが、塗料の粘性が高いことや、閉塞性があることなどを勘案すると、拡散距離を極めて短くして、2流体を混合するインターディジタルチャネル構造、例えば、ドイツ、IMM社が提供する層流型マイクロキミサよりは、流体の乱流混合効果を利用したマイクロ混合器の方が望ましい。
これらの混合器としては、例えば、流路径が0.5mm以下のT字型混合器、旋回流を利用したスワール型マイクロ混合器、流体を微小な空間の中心で衝突させる中心衝突型マイクロ混合器及び内管の内径が0.5mm以下の二重管式マイクロ混合器などが挙げられる。
また、これらのマイクロ混合器の後段に、従来から用いられてきたスタティックミキサを連結することで、塗料への二酸化炭素の充分な溶解が実現でき、安定した一相混合物を形成することが可能となる。条件によっては、混合器以降、噴霧ガンまでの間で、塗料と二酸化炭素の二相形となることもあり、その場合、両流体の粘性が大きく異なるため、噴霧が安定せず、きれいな塗布が実現できない危険性がある。塗料への二酸化炭素の溶解度は、塗料の種類、温度・圧力により大きく変動するが、混合器の構成によっても、大きな影響を受けることになる。
本発明で用いる噴霧ガンは、エアレスタイプの高圧噴霧ガンであれば良いが、噴霧流量、噴霧圧力、及び噴霧パターンの最終的な制御は、この噴霧ガンに装着されている高圧ノズルオリフィスの開口径(相当径)とその形状に依存するため、極めて重要である。噴霧流量は、単位時間当たりの塗装量をどのくらいに設定するかで、大きく異なるが、塗料の流量として、一般的に、20〜500g/minの範囲が選択される。
<基材>
本発明の流体二酸化炭素炭素塗装用樹脂組成物は、基材に対し塗装される。基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、金属酸化物、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
(数平均分子量測定:GPC測定条件)
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィ
ルターでろ過したもの(100μl)
合成例:UA−1
四つ口フラスコに2−ヒドロキシエチルアクリレート116.1量部、ジブチル錫ジラウレート0.2質量部、およびハイドロキノン0.2質量部を加え、均一溶液とした。フラスコの内温が50℃になるまで加温し、次いで、イソホロンジイソシアネート111.1質量部を約一時間かけて分割投入した。80℃で3時間反応させ、赤外吸収スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、ウレタンアクリレート:UA−1を得た。GPCにて測定された数平均分子量は、461であった。
合成例:UA−2
四つ口フラスコに、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(東亜合成社製「アロニックスM−306」水酸基価165mgKOH/g)350.63質量部、ジブチル錫ジラウレート0.2質量部、およびハイドロキノン0.2質量部を加え、均一溶液とした。フラスコの内温が50℃になるまで加温し、次いで、イソホロンジイソシアネート111質量部を約一時間かけて分割投入した。80℃で3時間反応させ、赤外吸収スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、ウレタンアクリレート:UA−2を得た。GPCにて測定された数平均分子量は、816であった。
合成例:UA−3
四つ口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(東亜合成社製「アロニックスM−403」水酸基価165mgKOH/g)943.28質量部、ジブチル錫ジラウレート0.3質量部、およびハイドロキノン0.3質量部を加え、均一溶液とした。フラスコの内温が50℃になるまで加温し、次いで、HDI−3量化イソシアネート252質量部を約一時間かけて分割投入した。80℃で3時間反応させ、赤外吸収スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、ウレタン(メタ)アクリレート:UA−3を得た。GPCにて測定された数平均分子量は、1395であった。
合成例:ACAC−1
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及びガス導入管を備えた反応容器の反応槽に、
PGMAcを250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃で1時間攪拌した
。滴下槽にメタクリル酸メチル:MMAを125部、モノマー(a2)として4−ヒドロキシブチルアクリレート:4HBAを125部、AIBN11.5部、及びPGMAc80.9部を仕込み、滴下槽内を攪拌しながら2時間かけて反応槽に滴下し、さらに4時間反応させた。3回目の添加の1時間後に反応液を冷却して取り出し、水酸基を有するアクリル系プレポリマーのPGMAc溶液を得た。固形分は43.03%であった。プレポリマーの水酸基価は201(mgKOH/g)であった。上記のアクリル系プレポリマーのPGMAc溶液128.3部、重合禁止剤としてMEHQ0.05部、触媒としてDBTDL0.17部、及びPGMAc8.1部を反応槽に仕込み、ドライエアーを吹き込みながら60℃で1時間攪拌した。滴下槽にアクリル系プレポリマー中の水酸基1モルに対してイソシアネート基1モルに相当する量のカレンズAOIを27.9部入れ、1時間かけて反応槽に滴下した。滴下終了後、3時間後に反応液のIR測定を行ったところ、イソシアネート基に由来するピークが消失していたので、反応液を冷却して取り出した。固形分が50.0%のACAC−1を164.3部得た。GPCにて測定された数平均分子量は、20000であった。
合成例:ACAC−2
撹拌機、窒素導入管、コンデンサー、温度計、および滴下ロートを備えた反応装置に、
PGMAc69.8部を仕込み、撹拌しながら系内温度が100℃になるま
で昇温した。グリシジルメタクリレート70部、メタクリル酸メチル30部、トルエ
ン69.8部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部からなる混合
液を4時間かけて滴下ロートより滴下した後、100℃で6時間保持した。次いで、80
℃まで降温し、ジブチルヒドロキシトルエン0.4部、パラメトキシフェノール0.1部
およびアクリル酸35.5部を仕込んだ。トリフェニルホスフィン0.7部を添加後、空
気を導入しながら105℃で8時間反応させ、固形分が50質量%のACAC−2を得た。GPCにて測定された数平均分子量は、20000であった。
(実施例1)
合成したUA−1を50重量部、グリセリントリアクリレートとしてGTA−1(東亜合成社製MT−3547、式(1)のn+n+n=0)を50重量部とを配合・攪拌した。得られた配合物に対し、Irgcure754(BASF株式会社、光開始剤)を樹脂固形分に対して4重量部を配合・攪拌し、樹脂固形分量100重量部の組成物1を得た。
(積層体の製造)
得られた組成物は、以下の条件および表1に記載の方法を用いて、積層体の製造を行った。得られた積層体については、各種試験を行った。
<塗装>
・流体二酸化炭素塗装
ポリカーボネート板(帝人製L−1225LZ、厚み3mm)に対し、表1で調製した組成物1を、図1に示すような二酸化炭素塗装装置の塗料タンクにセットし、塗料高圧ポンプの流量を40g/minに設定した。市販の液体二酸化炭素ボンベを図1に示す二酸化炭素ボンベにセットし、二酸化炭素高圧ポンプの流量を、表1の二酸化炭素添加量になる様に設定した。そして、混合器内で温度45℃になるように加熱し組成物1と二酸化炭素を混合し、噴霧圧力8MPaの条件で乾燥後の塗膜厚さが約20μmとなるように、スプレー塗装を実施した。塗装後、80℃の乾燥機で2分乾燥した。
<硬化>
紫外線照射は、UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製:高圧水銀ランプ、)を使用し、照度計(TOPCON社製UVR−T1(測定波長300〜390nm))で、ピーク照度100mW/cm、積算光量1000mJ/cmとなるようランプ出力、ランプ高さ、及びコンベア速度を調整し、照射により硬化反応をさせ、積層体を得た。
<評価>
[組成物粘度]
循環高温槽を用いて25℃に調整したコーンプレート型回転粘度計(E型粘度計)を用い
る。組成物を0.5cc採取して、サンプルカップの中心部に吐出する。サンプルカップ
を本体に取り付け、3°×R24のコーンプレートにより10rpmにて3分間測定を行い、「粘度(mPa・s)」とする。
[CO2噴霧性]
実施例記載の二酸化炭素塗装方法で噴霧した際の状態を目視で評価した。
〇:噴霧した際に霧状になった。
×:噴霧した際に霧状にならなかった。
[塗装外観]
硬化した積層体表面を目視にて評価した。
◎:表面の凹凸(ゆず肌)がみられず、たまりもない。
〇:表面の凹凸(ゆず肌)はみられないが、ややたまりがある。
△:表面の凹凸(ゆず肌)がうっすらとみられる。
×:表面の凹凸(ゆず肌)が激しくみられる。
<実施例2〜15>組成物2〜15の調製
調製例1において、配合を表1または表2に記載の配合率に変更した以外は同様にして、組成物2〜15を得て積層体を作成し、評価を行った。
<比較例1〜8>
実施例1において、配合を表3に記載の配合率に変更した以外は同様にして、比較組成物1〜8及び、比較積層体1〜8を得て、積層体を作成し、評価を行った。
表中、使用した材料は以下の通り。
GTA−2:ダイセル・オルネクス社製OT480、式(1)のn1+n2+n3=1
GTA−3:新中村化学工業社製A−GLY−9E、式(1)のn+n+n=9
1,10デカンジオールジアクリレート:新中村化学工業社製A−NOD−N
ポリエチレングリコールジアクリレート:新中村化学工業社製A−200
トリメチロールプロパントリアクリレート:新中村化学工業社製A−TMPT
A9300:新中村化学工業社製(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)
A9300−3CL:新中村化学工業製(ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート)
PGMAc:プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート
本発明の樹脂組成物により、分子量が高い樹脂化合物、脂環構造のような剛直な骨格を有する樹脂化合物といった、従来では流体二酸化炭素塗装が難しかった樹脂組成物が塗装可能となる。また、有機溶剤の使用量を低減できることから、環境に優しい塗装方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. グリセリントリ(メタ)アクリレートと、数平均分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂と、流体二酸化炭素とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. グリセリントリ(メタ)アクリレートが、以下式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
    ・・・(1)
    (式(1)中、n+n+n=0〜12で、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される基で、X、X、Xはそれぞれ独立して水素またはメチル基で表される)
  3. 有機溶剤の含有量が70%以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有することを特徴とする、流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物。
  5. グリセリントリ(メタ)アクリレートが、前記式(1)で表される化合物である、請求項4に記載の流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物。
  6. 有機溶剤の含有量が70%以下である、請求項4または5に記載の流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物。
  7. グリセリントリ(メタ)アクリレートと、分子量400〜50,000であって重合性二重結合を有する樹脂とを含有する流体二酸化炭素塗装用樹脂組成物に流体二酸化炭素を配合して流体二酸化炭素含有樹脂組成物を得る工程と、
    前記流体二酸化炭素含有樹脂組成物を噴霧して塗膜を形成する工程と、
    得られた塗膜を活性エネルギー線硬化により硬化させて硬化物を得る工程とを有することを特徴とする、硬化物の製造方法。
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