JP2019194368A - インクジェット捺染方法、着色布の製造方法、及び着色布 - Google Patents

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未奈子 原
Minako Hara
未奈子 原
征夫 谷
Masao Tani
征夫 谷
藤江 賀彦
Yoshihiko Fujie
賀彦 藤江
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Abstract

【課題】発色性及び画像堅牢性に優れたインクジェット捺染方法等を提供すること。【解決手段】凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有するインクジェット捺染方法、着色布の製造方法、及び着色布。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット捺染方法、着色布の製造方法、及び着色布に関する。
従来より、布帛の着色に用いられる着色剤は染料又は顔料のいずれかであり、これらの着色剤を用いて、布帛を工業的に着色する方法として、スクリーン印刷法、ローラー印刷法、転写法、インクジェット法等が行われてきた。特に、インクジェット法は、他の方法に比べて版を作製する必要がなく、手早く階調性に優れた画像を形成でき、更に、形成画像として必要な量のインクのみを使用するため、廃液が少ないなどの環境的な利点を有する優れた画像形成方法であるといえる。
たとえば特許文献1には、染料を水に溶解させてインクを調製し、インクジェット法で布帛を染色するインクジェット捺染が記載されている。
染料は分子1つ1つが繊維と相互作用することで繊維の内部まで入り込み繊維と一体化するため、染料で染色された布帛は、風合いが柔軟であり、衣料品として品質的に好まれている。一方で、染料を用いたインクジェット捺染は、にじみ防止(鮮明性向上)のために捺染糊を予め布帛に塗布しておく必要があることに加え、染色後、染料を固着するために着色した布帛をスチーム加熱し、その後、余剰の染料及び捺染糊を水洗又はソーピングなどの工程により洗浄する必要がある。このため、工程が煩雑で装置と手間がかかるし、廃水が生じる。
また、染料による着色では、繊維の種類によって、染料の種類を適切に選択して使用する必要がある。たとえば、綿、麻などのセルロース繊維には反応性染料、又は直接染料、羊毛又は絹などの動物性繊維には酸性染料、ナイロン繊維には酸性染料又は分散染料、ポリエステル繊維には分散染料、アクリル繊維にはカチオン染料などが使用されている。
上記した通常のインクジェット捺染における工程の煩雑さ、装置と手間がかかる問題、廃水の問題を改善した染色方法として、インクジェット昇華転写捺染方式が広く実用化されている(たとえば特許文献2参照)。インクジェット昇華転写捺染方式は、インクジェットプリンタを用いて捺染したい図柄を、分散染料を含有させた樹脂粒子を含むインクにより、転写紙上に印刷した後に、この転写紙とポリエステル布帛を重ね合わせ、加熱処理を行うことで、昇華性の染料を樹脂粒子からポリエステル布帛へと転移させる方式である。
しかしながら、この方式における染色の機構は、染料分子の熱拡散又は熱昇華、あるいは両者が混じり合った現象であるといわれており、その方式に起因して、使用される染料として分散染料の一種である昇華染料を使用するために、主としてポリエステル布帛の染色にしか対応していない。また使用済みの転写紙はリサイクル不能なため、産業廃棄物となる。
一方、顔料を用いたインクジェット法の着色方法も検討されている(たとえば特許文献3参照)。この方法では、顔料と分散剤としての界面活性剤を水中で混合した後、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、又はステンレス球などと共にアトライター又はミル機等で微分散したものが着色剤として用いられている。そして、この着色剤を、顔料固着用のエマルジョン樹脂を配合したレジューサーにより希釈し、顔料インクを調製し、インクジェット法により繊維に付着させ、加熱ローラーによって樹脂を融着させることで顔料を固着させる。
顔料による着色方法は、染料による着色方法と異なり、繊維種による着色剤の選定を必要とせず、また、複雑なスチーム加熱(蒸し)工程及び水洗工程が不要であり、極めて簡略的に繊維に着色し顔料を固着することができる。
しかしながら、顔料は色素の分子が集まった粒子の形態で繊維に付着する(乗っている)ものであり、着色布(着色した布帛)の洗濯堅牢性、摩擦堅牢性などの堅牢性を保持するために固着剤として大量のエマルジョン樹脂を用いなければならず、着色布の風合いが堅くなり、たとえば着色布が衣料品である場合には、衣料品としての品質は染料で染色された着色布に劣るものである。また、エマルジョン樹脂が水分の揮発により乾燥してしまい、顔料インクが増粘し、インクジェットプリンタが目詰まりを起こすなどの現象が起こりやすく、作業性に劣る。
また、特許文献4及び5には、顔料又は分散染料を用いた捺染の前に、多価金属イオン又は有機酸を含有する前処理液を布帛に付与する方法が記載されている。
なお、特許文献6には、ポリマー骨格に特定の染料が連結した特定の構造を有するポリマーを含有するインクジェットインクが記載されている。
また、特許文献7には、着色剤の構造を有するポリウレタンを含むインクジェットインクが記載されている。
特開2002−348502号公報 特開平10−58638号公報 特開2010−37700号公報 特許第5891589号公報 特許第4655585号公報 特表2004−534106号公報 特表2002−509957号公報
以上のように、染料による着色は、着色布の品質(風合い)及び堅牢性は優れているが、繊維種による染料の選定が必要であり、捺染糊の塗布及び水洗が必要であるなどの工程が煩雑である問題、設備が必要となる問題、廃水及び廃材など環境負荷の点で劣るなどの問題がある。一方、顔料による着色は、繊維種による染料の選定が不要で工程も簡便なものであるが、インクの増粘によるインクジェットプリンタの目詰まりなどの作業性等に問題を有しており、着色布の品質(風合い)に劣るものが多いという問題を抱えている。更に、顔料によって着色された着色布は発色性、耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性に劣るという問題もある。
また、特許文献4及び5に記載のインクジェット捺染方法を用いた場合においても、上記問題は依然として解決しない。
上記問題に鑑み、本発明の課題は、様々な種類の布帛を染色することができ、捺染糊の塗布及び水洗が不要であり、環境負荷が少なく、作業性に問題がなく、得られる画像の鮮明性、発色性、及び堅牢性(耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性)に優れ、かつ着色布の品質(風合い)に優れた、インクジェット捺染方法、着色布の製造方法、及び着色布を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ね、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を用いて、インクジェット法で布帛に印捺する方法により、様々な種類の布帛を染色することができ、捺染糊の塗布及び水洗が不要であり、環境負荷が少なく、作業性に問題がなく、優れた品質の着色布が得られることを見出した。
また、布帛への捺染工程の前に、凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与することで、発色性、及び堅牢性(耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性)が著しく改善することを見出した。
上記方法により上記課題が解決できるメカニズムとして、詳細は不明であるが、本発明者らは以下のように推測している。
染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体は、染料ポリマーを水溶液ではなく水分散体としているため、顔料粒子と同様ににじみが起こらず、捺染糊の塗布及び水洗が不要であり、水洗工程も不要のため廃水が発生しない。また、水性前処理液が付与された布帛に直接印捺するため、転写紙などの廃棄物が発生しない。顔料インクのように固着剤としてのエマルジョン樹脂を用いないためインクの増粘がなく作業性に優れる。さらに、繊維種に関係なく繊維の表面を被覆するように染料ポリマーが分子レベルで繊維と一体化すると考えられる。このため、様々な種類の繊維からなる布帛を染色することができ、かつ優れた品質の着色布が得られるものと考えられる。
また、上記凝集剤が、布帛上で、染料ポリマーを電荷遮蔽により凝集させたり、染料ポリマーと複合体を形成したりすることで、インクジェットインクが布帛の深さ方向に浸透することを抑制することができ、発色効率を高め、発色性を向上させることができると考えられる。また、染料ポリマーが布帛の表面で疎水化した皮膜となるため、耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性が向上すると考えられる。
なお、本発明において、インクジェットインクを、インクジェット法で水性前処理液が付与された布帛に「直接印捺する」とは、転写工程が不要であり、インクジェットインクが水性前処理液が付与された布帛に直接印捺されること、及び、捺染糊の塗布が不要でインクジェットインクが水性前処理液が付与された布帛に直接印捺されることの両方を指す。
本発明の課題は、具体的には下記の手段によって達成された。
<1>
凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、上記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有するインクジェット捺染方法。
<2>
更に、熱処理工程を含む、<1>に記載のインクジェット捺染方法。
<3>
上記前処理工程は、上記水性前処理液をコーティング法、パディング法、スプレー法、スクリーン印刷法又はインクジェット法により布帛に付与する工程である、<1>又は<2>に記載のインクジェット捺染方法。
<4>
上記凝集剤は、有機酸、多価金属塩、及びカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<5>
上記凝集剤の含有量が、上記水性前処理液全量に対して、0.1〜50質量%である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<6>
上記水性前処理液が、更に架橋剤を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<7>
上記染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクが、更に架橋剤を含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<8>
上記架橋剤が、ブロックイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びメチロール系架橋剤から選ばれる少なくとも1種である<6>又は<7>に記載のインクジェット捺染方法。
<9>
上記染料が、アゾ染料、スチルベン染料、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、ポリメチン染料、モノメチン染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、ニグロシン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、キノフタロン染料、ポルフィリン染料、シアニン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選択される少なくとも1種の染料である<1>〜<8>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<10>
上記染料ポリマーが、上記染料に由来する構造を含む繰り返し単位として、下記一般式(1)又は(10)で表される繰り返し単位を含んでなる染料ポリマーである、<1>〜<9>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
Figure 2019194368
一般式(1)中、Xは連結基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表す。
Figure 2019194368
一般式(10)中、X及びXは各々独立に連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。
<11>
上記一般式(1)中のD又は上記一般式(10)中のDが、下記一般式(M1)〜(M9)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を1個又は2個取り除いた染料残基を表す、<10>に記載のインクジェット捺染方法。
Figure 2019194368
一般式(M1)中、R101〜R110は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M2)中、R201〜R215は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X201は一価の陰イオンを表し、n201は0又は1を表す。
Figure 2019194368
一般式(M3)中、R301〜R317は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X301は一価の陰イオンを表し、n301は0又は1を表す。
Figure 2019194368
一般式(M4)中、R401〜R407は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M5)中、R501〜R511は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M6)中、R601〜R608は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M7)中、R701〜R708は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M8)中、R801〜R809は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M9)中、R901〜R913は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
<12>
上記染料ポリマーが、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、又はスチレンポリマーである、<1>〜<11>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<13>
上記染料ポリマー中のイオン性基の量が0.1〜1.8mmol/gである、<1>〜<12>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<14>
上記染料ポリマーのガラス転移点が200℃以下である、<1>〜<13>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<15>
上記染料ポリマーが、200℃以下で溶融する、<1>〜<14>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<16>
上記染料ポリマーの水分散体における上記染料ポリマーが粒子状の染料ポリマーであり、上記粒子状の染料ポリマーの平均粒子径が50〜500nmである<1>〜<15>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<17>
上記染料ポリマーの重量平均分子量が3,000〜2,000,000である<1>〜<16>のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
<18>
凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、上記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有する着色布の製造方法。
<19>
布帛の少なくとも一部の表面に、凝集剤と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーとを含む画像を有する着色布。
本発明によれば、様々な種類の布帛を染色することができ、捺染糊の塗布及び水洗が不要であり、環境負荷が少なく、作業性に問題がなく、得られる画像の鮮明性、発色性、及び堅牢性(耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性)に優れ、かつ着色布の品質(風合い)に優れた、インクジェット捺染方法、着色布の製造方法、及び着色布を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一種を表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一種を表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの少なくとも一種を表す。
〔インクジェット捺染方法〕
本発明のインクジェット捺染方法は、凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、上記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有する。
<前処理工程>
本発明は、凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程を有する。水性前処理液を布帛に付与する方法としては、特に限定されるものではないが、コーティング法、パディング法、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
(水性前処理液)
前処理工程において用いられる水性前処理液について説明する。
水性前処理液は、少なくとも凝集剤を含む。
(凝集剤)
水性前処理液に含まれる凝集剤としては、染料ポリマーを凝集させる作用を有するものであれば、特に限定されないが、有機酸、多価金属塩、及びカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
≪有機酸≫
有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、グリコール酸、チオグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、ジグリコール酸、安息香酸、フタル酸、マンデル酸、サリチル酸などが挙げられるが、その中でも、酒石酸、クエン酸及び乳酸から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。
≪多価金属塩≫
多価金属塩とは、2価以上の金属イオンとアニオンから構成される化合物である。2価以上の金属イオンとしては、例えば、カルシウム、マグネシウム、銅、ニッケル、亜鉛、バリウム、アルミニウム、チタン、ストロンチウム、クロム、コバルト、鉄等のイオンが挙げられる。これらの多価金属塩を構成する金属イオンの中でも、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの少なくとも一方であることが好ましく、カルシウムイオンであることがより好ましい。
多価金属塩を構成するアニオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。これらの多価金属塩を構成するアニオンの中でも、臭気を抑制できるという観点から無機イオンであることが好ましく、変色等を抑制できるという観点から塩素イオンであることがより好ましい。
多価金属塩としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸銅等が挙げられる。これらの多価金属塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。多価金属塩は、水溶性(具体的には、20℃で水100mLに対する溶解度が10g以上)であることが好ましい。
≪カチオン性化合物≫
カチオン性化合物としては、特に限定されず、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
(低分子化合物)
低分子のカチオン性化合物としては、例えば、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド、ベンゾイルコリンクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、トリメチルアセトヒドラジドアンモニウムクロリド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムクロリド、3−ヒドロキシ−4−(トリメチルアンモニオ)ブチラート塩酸塩、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、L−カルニチン塩酸塩等が挙げられる。
(高分子化合物)
高分子のカチオン性化合物としては、例えば、ポリアリルアミン又はその誘導体、アミン−エピハロヒドリン共重合体、又は他の第4級アンモニウム塩型カチオンポリマーなどの、水に可溶であり、かつ水中で正に荷電するカチオン性高分子が挙げられる。尚、場合によっては水分散性カチオンポリマーを用いることもできる。
(水性媒体)
本発明において用いられる水性前処理液には、上記凝集剤の他に、水性媒体を含んでいてもよい。水性媒体とは、水と任意に混ざる媒体である。水性媒体は、水および水性有機溶剤の少なくとも一方を含有し、好ましくは水を含有し、より好ましくは水性媒体の全質量(100質量%)に対して水を30質量%以上含有する。水性前処理液は、水、及び水性有機溶剤等の他に、例えば、界面活性剤、樹脂等が含まれていてもよい。
≪水≫
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、前処理液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
水性前処理液に含まれる水の含有量は、水性前処理液の全質量に対して、例えば50質量%以上とすることができ、60質量%以上としてもよい。
≪水性有機溶剤≫
水性有機溶剤としては、後述する染料ポリマーの水分散体が含み得る水性有機溶剤と同様である。
≪界面活性剤≫
界面活性剤としては、後述する染料ポリマーの水分散体が含み得る界面活性剤と同様である。
≪架橋剤≫
水性前処理液は、更に架橋剤を含んでいてもよい。
架橋剤としては、特に限定されないが、ブロックイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びメチロール系架橋剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
水性前処理液には、上記した成分以外にも、後述する本発明で用いられるインクジェットインクが含有してもよい成分を含んでもよい。
凝集剤の含有量は、水性前処理液全量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜45質量%であることがより好ましく、0.5〜40質量%であることが更に好ましい。
凝集剤の含有量が、水性前処理液全量に対して50質量%以上であると、処理液の安定性が低下する可能性がある。また、凝集剤の含有量が、水性前処理液全量に対して0.1質量%以下であると、発色性や堅牢性に十分な効果が得られない。
水性媒体の含有量は、水性前処理液全量に対して、40〜99質量%であることが好ましく、50〜97質量%であることがより好ましく、60〜95質量%であることが更に好ましい。
<捺染工程>
本発明は、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、上記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程を有する。
本発明における捺染工程は、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で直接印捺する工程であることが好ましい。
本発明に用いられる染料ポリマーについて、以下に説明する。
(染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマー)
本発明に用いられる、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマー(単に「染料ポリマー」ともいう)は、任意の染料に由来する構造を繰り返し単位として含む色素多量体である。
染料ポリマーは、線状のポリマーであっても良いし、網目状のポリマーであっても良い。染料ポリマーが線状のポリマーである場合は、染料に由来する構造はポリマーの主鎖に有していても良いし、側鎖に有していても良い。
染料に由来する構造とは、染料として用いられる有機化合物から任意の水素原子を1個以上取り除いてなる基(染料残基)であり、好ましくは染料として用いられる有機化合物から任意の水素原子を1個又は2個取り除いてなる基である。染料に由来する構造としては、カラーインデックス(略称は「C.I.」)で分類されているような染料に由来する構造、又はその構造に本発明の効果を奏する範囲内で任意の置換基を置換させた構造、若しくはその構造から本発明の効果を奏する範囲内で任意の置換基を取り除いた構造であることが好ましい。染料に由来する構造としては、例えば、アゾ染料(モノアゾ染料、ジスアゾ染料、トリスアゾ染料、ポリアゾ染料)、スチルベン染料、カロテノイド染料、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン染料、アニリン染料、インダミン染料、インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、キノフタロン染料、及びフタロシアニン染料などが挙げられる。
染料は、アゾ染料、スチルベン染料、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、ポリメチン染料、モノメチン染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、ニグロシン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、キノフタロン染料、ポルフィリン染料、シアニン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選択される少なくとも1種の染料であることが好ましい。
染料は、着色力の観点から、アゾ染料、スチルベン染料、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、二グロシン染料、アントラキノン染料、キノフタロン染料、及びフタロシアニン染料からなる群より選択される少なくとも1種の染料であることがより好ましい。
本発明における染料に由来する構造は、染料として市販されている構造そのものに限定される訳ではない。上記アゾ染料、スチルベン染料のように染料として利用可能なことが知られている構造を有していればよい。例えば、市販されている染料からこれらの構造を残して他の置換基等を変更した構造も含まれる。
染料としては、水に溶解する染料であってもよいし、水に不溶な染料であってもよいが、染料ポリマーの耐水性及び耐洗濯性の観点から、水に不溶な染料であることが好ましい。また、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、及びこれらの塩、アンモニウム基などのイオン性基を有さない染料であることが好ましい。このような染料としては、特に限定されないが、例えば分散染料など水に不溶な染料を用いてもよいし、水に可溶な染料からイオン性基を除いた染料構造を用いてもよい。
染料ポリマーとしては、主鎖又は側鎖に染料に由来する構造を含むポリマーが特に好ましく用いられる。主鎖又は側鎖に染料に由来する構造を含むポリマーにおける主鎖を構成するポリマーとしては特に限定されないが、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、又はスチレンポリマーが好ましく用いられ、特に、アクリルポリマー、ウレタンポリマーが好ましい。
本発明におけるアクリルポリマーとは、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位からなる群のうち、少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーである。また、本発明におけるウレタンポリマー(「ポリウレタン」とも呼ぶ。)とは、ウレタン結合を有するポリマーのことであり、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物(例えばジオール化合物)とイソシアネート基を2個以上有する化合物(例えばジイソシアネート化合物)の重合反応により形成される。また、本発明におけるスチレンポリマーとは、スチレンに由来する繰り返し単位を有するポリマーのことをいう。
染料ポリマーにおいて、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を導入する方法は任意であり、重合性の染料単量体を重合、又は共重合させて多量体を得てもよく、ポリマーを形成した後に、高分子反応などにより染料に由来する構造を導入してもよい。
染料ポリマーとしては、下記一般式(1)又は(10)で表される繰り返し単位を含んでなる染料ポリマーが好ましい。
Figure 2019194368
一般式(1)中、Xは連結基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表す。
Figure 2019194368
一般式(10)中、X及びXは各々独立に連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。
〔一般式(1)で表される繰り返し単位〕
まず一般式(1)で表される繰り返し単位について説明する。
一般式(1)中、Xは連結基を表す。Xは重合によって形成される連結基であることが好ましく、重合反応で形成される主鎖に相当する部分であることが好ましい。すなわち、Xはポリマー主鎖の部分構造であることが好ましい。Xとしては、置換若しくは無置換の不飽和エチレン基を重合して形成される連結基、環状エーテルを開環重合して形成される連結基、置換ジオールをウレタン重合して形成される連結基、置換ジアミンをウレア重合して形成される連結基、アミノ基とヒドロキシル基を有する置換基をウレタンウレア重合して形成される連結基等が挙げられ、好ましくは、不飽和エチレン基を重合して形成される連結基、置換ジオールをウレタン重合して形成される連結基、置換ジアミンをウレア重合して形成される連結基である。Xとしては具体的には以下に示す連結基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、下記(X−1)〜(X−15)において*で示された部位でLと連結していることを表す。
Figure 2019194368
一般式(1)で表される繰り返し単位は、下記一般式(1−1)〜(1−7)のいずれかで表される繰り返し単位であることが好ましく、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
Figure 2019194368
一般式(1−1)〜(1−7)中、RX1〜RX21はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表す。
X1〜RX21が置換基を表す場合の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせてなる基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
X1、RX6、RX13、RX16、及びRX19は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、カルボキシメチル基、ヒドロキシメチル基、又はメチルオキシメチル基を表すことが好ましく、水素原子又はメチル基を表すことがより好ましい。
X2、RX3、RX4、RX5、RX7、RX8、RX9、RX10、RX11、RX12、RX14、RX15、RX17、RX18、RX20、及びRX21は水素原子又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
一般式(1)、(1−1)〜(1−7)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが2価の連結基を表す場合の2価の連結基としては、本発明の効果を奏しうる範囲であれば何ら限定されないが、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは環状アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基など)、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基等)、置換もしくは無置換のヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−NR−(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。)、−C(=O)−、−SO−、−SO−、及びこれらを2個以上連結して形成される連結基が好ましく用いられる。特に、下記一般式(2)〜(7)のいずれかで表される連結基が好ましく用いられる。
また、Lが2価の連結基を表す場合、2価の連結基は置換基(たとえば、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基など)を有していてもよい。
Figure 2019194368
一般式(2)〜(7)中、*1及び*2は、一方が、一般式(1)におけるX又は一般式(1−1)〜(1−7)におけるポリマー主鎖の炭素原子若しくは窒素原子と結合する位置を表し、他方が、一般式(1)、(1−1)〜(1−7)におけるDと結合する位置を表すものであるが、*1は、一般式(1)におけるX又は一般式(1−1)〜(1−7)におけるポリマー主鎖の炭素原子若しくは窒素原子と結合する位置を表し、*2は、一般式(1)、(1−1)〜(1−7)におけるDと結合する位置を表すことが好ましい。
一般式(2)中、Rは置換基を表す。kは0〜4の整数を表す。kが2以上のときは、Rは同じであっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rは置換基を表す。kは0〜4の整数を表す。kが2以上のときは、Rは同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4)中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rは置換基を表す。kは0〜4の整数を表す。kが2以上のときは、Rは同じであっても異なっていてもよい。
一般式(5)中、R51及びR52はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。tは1〜10の整数を表す。t個のR51及びR52はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(6)中、R61、R62、R63及びR64はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。u及びvはそれぞれ独立に1〜10の整数を表す。u個のR61及びR62はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。v個のR63及びR64はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(7)中、R71、R72及びR73はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。wは1〜10の整数を表す。w個のR71及びR72はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
一般式(3)中のRがアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す場合のアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の例としては、後述する置換基群Aに記載されたアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が挙げられる。
一般式(2)〜(4)中のRが表す置換基としては、後述する置換基群Aから選択される置換基が挙げられる。
一般式(5)中のR51及びR52が置換基を表す場合の置換基としては、後述する置換基群Aから選択される置換基が挙げられる。R51及びR52は各々独立に水素原子又はヒドロキシル基を表すことが好ましい。tは1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(6)中のR61、R62、R63及びR64が置換基を表す場合の置換基としては、後述する置換基群Aから選択される置換基が挙げられる。R61、R62、R63及びR64は各々独立に水素原子又はヒドロキシル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。u及びvはそれぞれ独立に、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(7)中のR71、R72及びR73が置換基を表す場合の置換基としては、後述する置換基群Aから選択される置換基が挙げられる。R71、R72及びR73は各々独立に水素原子又はヒドロキシル基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。wは1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(1)、(1−1)〜(1−7)中、Dは染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表す。Dは本発明の効果を奏する範囲であれば限定されないが、下記一般式(M1)〜(M9)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表すことが更に好ましく、下記一般式(M1)〜(M4)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表すことが特に好ましい。なお、一般式(M2)及び(M3)は、それぞれの共鳴構造も含むものとする。
Figure 2019194368
一般式(M1)中、R101〜R110は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M2)中、R201〜R215は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X201は一価の陰イオンを表し、n201は0又は1を表す。
Figure 2019194368
一般式(M3)中、R301〜R317は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X301は一価の陰イオンを表し、n301は0又は1を表す。
Figure 2019194368
一般式(M4)中、R401〜R407は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M5)中、R501〜R511は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M6)中、R601〜R608は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M7)中、R701〜R708は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M8)中、R801〜R809は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Figure 2019194368
一般式(M9)中、R901〜R913は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
一般式(M1)中のR101〜R110、一般式(M2)中のR201〜R215、一般式(M3)中のR301〜R317、一般式(M4)中のR401〜R407、一般式(M5)中のR501〜R511、一般式(M6)中のR601〜R608、一般式(M7)中のR701〜R708、一般式(M8)中のR801〜R809、一般式(M9)中のR901〜R913が置換基を表す場合の置換基としては、たとえば下記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
置換基群Aに含まれる置換基を以下に示す。
一般式(M1)中のR101〜R110、一般式(M2)中のR201〜R215、一般式(M3)中のR301〜R317、一般式(M4)中のR401〜R407、一般式(M5)中のR501〜R511、一般式(M6)中のR601〜R608、一般式(M7)中のR701〜R708、一般式(M8)中のR801〜R809、一般式(M9)中のR901〜R913が置換基を表す場合の置換基としては、たとえば下記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
置換基群Aに含まれる置換基を以下に示す。
(置換基群A)
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐、又は環状のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)。
スルホ基、カルボキシル基、リン酸基などのイオン性基は、カチオン又はアニオンを含む状態(「塩の状態」ともいう)であってもよい。たとえば、カルボキシル基、リン酸基、及びスルホ基は、カチオンを含む状態であってもよく、塩の状態を形成するカチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
一般式(M1)中のR101〜R110、一般式(M2)中のR201〜R215、一般式(M3)中のR301〜R317、一般式(M4)中のR401〜R407、一般式(M5)中のR501〜R511、一般式(M6)中のR601〜R608、一般式(M7)中のR701〜R708、一般式(M8)中のR801〜R809、一般式(M9)中のR901〜R913が置換基を表す場合、その置換基は、さらに置換可能な基である場合には、置換基をさらに有していてもよく、その置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、一般式(M1)中のR101〜R110、一般式(M2)中のR201〜R215、一般式(M3)中のR301〜R317、及び一般式(M4)中のR401〜R407が置換基を表す場合、その置換基のうち少なくとも2つは、互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環が、さらに置換可能な基である場合には、置換基をさらに有していてもよく、その置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(M1)におけるR101として、好ましくは水素原子、ヒドロキシル基であり、より好ましくはヒドロキシル基である。
一般式(M1)におけるR102として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、又はカルボキシル基であり、特に好ましくは水素原子、臭素原子、カルボキシル基である。
一般式(M1)におけるR104として、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。
一般式(M1)におけるR108として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシル基、置換または無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表す。
一般式(M1)におけるR103、R105、及びR106として、好ましくは各々独立に、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M1)におけるR107、R109、及びR110として、好ましくは各々独立に、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換または無置換の炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子である。
一般式(M2)におけるR201、R205、R206、及びR210として、好ましくは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(M2)におけるR202、及びR209として、好ましくは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、スルホ基であり、より好ましくは、水素原子、スルホ基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M2)におけるR203、R204、R207、及びR208として、好ましくは各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜18のアリール基であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、特に好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数2〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である。
一般式(M2)におけるR211として、好ましくはカルボキシレート基、スルホネート基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基であり、より好ましくは、スルホネート基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基であり、特に好ましくはスルホネート基、アルコキシカルボニル基である。
一般式(M2)におけるR212、R213、R214、及びR215として、好ましくは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基、置換または無置換のアミノ基であり、より好ましくは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基、置換または無置換のアミノ基であり、特に好ましくは各々独立に水素原子、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基、置換または無置換のアミノ基である。
一般式(M2)におけるR214とR215は、互いに結合して環を形成することも好ましい。
一般式(M2)におけるX201として、好ましくは塩素イオン、アセテートイオン、トリフラートイオン、テトラフルオロボレートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、パークロレート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであり、より好ましくは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンである。
一般式(M2)におけるn201として、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
一般式(M3)におけるR301、R302、R305、R306、R307、R308、R311、R312として、好ましくは各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M3)におけるR303、R304、R309、R310として、好ましくは各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基である。
一般式(M3)におけるR313として、好ましくはカルボキシレート基(−CO )、スルホネート基(−SO )、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基であり、より好ましくは、スルホネート基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基であり、特に好ましくはスルホネート基、アルコキシカルボニル基である。
一般式(M3)におけるR314として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M3)におけるR315として、好ましくは水素原子、置換または無置換のアミノ基、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基、ヒドロキシル基であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のスルファモイル基であり、特に好ましくは置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のスルファモイル基である。
一般式(M3)におけるR316、R317として、好ましくは各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M3)におけるR316とR317は、互いに結合して環を形成することも好ましい。
一般式(M3)におけるX301として、好ましくは塩素イオン、アセテートイオン、トリフラートイオン、テトラフルオロボレートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、パークロレートイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンであり、より好ましくは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンである。
一般式(M3)におけるn301として、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
一般式(M4)におけるR401として、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換または無置換のアシル基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜18のアルキル基であり、特に好ましくは置換または無置換の炭素数1〜16のアルキル基である。
一般式(M4)におけるR402として、好ましくは水素原子、置換または無置換のアミノ基であり、より好ましくは置換または無置換のアミノ基であり、特に好ましくは置換または無置換のアシルアミノ基である。
一般式(M4)におけるR403、R406、R407として、好ましくは各々独立に、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(M4)におけるR404、R405として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、特に好ましくは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。
一般式(M5)におけるR501、R502、R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509、及び一般式(M6)におけるR601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、及び一般式(M7)におけるR701、R702、R703、R704、R705、R706、及び一般式(M8)におけるR801、R802、R803、R804、R805、R806、R807、及び一般式(M9)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R908、R909、R910、R911として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、ヘテロ環基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアミノ基、シアノ基、置換または無置換のスルファモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアシル基、スルファモイル基、アシルアミノ基である。
一般式(M5)におけるR510、R511、及び一般式(M7)におけるR707、R708、及び一般式(M8)におけるR808、R809、及び一般式(M9)におけるR912、R913として、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
上記一般式(M1)〜(M9)のぞれぞれの一般式で表される染料の具体例を以下に示す。Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、i−Prはイソプロピル基を表し、Buはn−ブチル基を表す。
Figure 2019194368
Figure 2019194368
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Figure 2019194368
Figure 2019194368
Figure 2019194368
Figure 2019194368
上記一般式(M1)〜(M9)で表される染料はカラーインデックスで分類されているものもあり、また従来公知の方法により合成することができる(例えば、特公平7−49583号公報、特許5715380号公報、国際公開第2010/110199号、特表2002−509957号公報など)。合成方法は具体的には実施例で例示する。
〔一般式(10)で表される繰り返し単位〕
次に、一般式(10)で表される繰り返し単位について説明する。
Figure 2019194368
一般式(10)中、X及びXは各々独立に連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。
一般式(10)中、X及びXは連結基を表す。X及びXは重合によって形成される連結基であることが好ましく、重合反応で形成される主鎖に相当する部分であることが好ましい。XおよびXは、アルキレン基(直鎖、分岐、又は環状のアルキレン基)、アリーレン基、ヘテロ環基、−CH=CH−、−O−、−S−、−NR−(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。)、−C(=O)−、−SO−、−SO−またはこれらを2つ以上組み合わせた基が好ましい。また、これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としては前述の置換基群Aから選択される置換基が挙げられる。
一般式(10)中、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。Dは本発明の効果を奏する範囲であれば限定されないが、前述の一般式(M1)〜(M9)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表すことが更に好ましく、前述の一般式(M1)〜(M4)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表すことが特に好ましい。
一般式(10)で表される繰り返し単位は、一般式(10−1)又は(10−2)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(10−1)で表される繰り返し単位を含んでなる染料ポリマーはポリウレタンであり、一般式(10−2)で表される繰り返し単位を含んでなる染料ポリマーはポリウレアである。
Figure 2019194368
一般式(10−1)または一般式(10−2)中、L及びL各々独立に単結合または連結基を表し、Lは連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。
一般式(10−1)または一般式(10−2)中のDは、一般式(10)中のDと同様である。
一般式(10−1)または一般式(10−2)中、L、L及びLが連結基を表す場合の連結基としては、本発明の効果を奏しうる範囲であれば何ら限定されないが、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖、分岐または環状アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基など)、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基など)、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−CH=CH−、及びこれらを2個以上連結して形成される連結基が好ましい。また、これらの連結基中には、−O−、−S−、−NR−(Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。)、−C(=O)−、−SO−、−SO−などを有していてもよい。
及びLは、単結合又は2価の連結基であることが好ましい。L及びLが2価の連結基である場合には、アルキレン基またはアルキレン基と−O−とを組み合わせてなる連結基であることが好ましい。アルキレン基としては炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましい。
は、2価の連結基であることが好ましく、アルキレン基、アリーレン基又はアルキレン基とアリーレン基とを組み合わせてなる連結基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが更に好ましい。
(染料ポリマーの分子量)
本発明では染料ポリマーを水に分散した状態で用いるため、分散性に関して、染料ポリマーには最適な分子量の範囲があり、その分子量の範囲の上限以下であれば分散体の再凝集が起きにくい。一方、最適な分子量の範囲の下限以上であれば水及び水性有機溶剤へ溶解しにくい。使用する染料ポリマーの種類により異なるが、概ねその重量平均分子量が3,000〜2,000,000のものを用いるのが好ましく、3,000〜1,000,000のものを用いるのがより好ましく、3,000〜200,000のものを用いるのが特に好ましい。
染料ポリマーの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定から算出できる。本明細書において、GPCは、特に断らない限り、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムをTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製)で測定し、数平均分子量はポリスチレン換算により算出した。キャリアは適宜選定すればよいが、溶解可能であるかぎり、NMP(N−メチルピロリドン)を用いた。
(染料ポリマーのイオン性)
本発明における染料ポリマーは、水に分散した状態で用いるため、染料ポリマー自身に電荷反発を有することが好ましい。染料ポリマー自身が電荷反発を有するとインクジェット吐出性に必要な分散安定性に優れる。染料ポリマーが電荷反発を有するとき、染料ポリマーは、陰イオン性または陽イオン性のイオン性基を有する。陰イオン性基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、及びその塩が挙げられ、陽イオン性基としては、アンモニウム基が好ましい。インクジェット適正を有する点で、染料ポリマーのイオン性基は陰イオン性基が好ましく、中でもカルボキシル基が最も好ましい。塩としては、Li塩、Na塩、K塩、アンモニウム塩が挙げられる。
一方で、染料ポリマーのイオン性基が多すぎると、染料ポリマーが水に溶解し、染料ポリマーの水分散体が得られにくくなる。また、得られる着色布の耐水性(洗濯時の色落ちなど)の観点からも染料ポリマーのイオン性基の量には最適な範囲がある。染料ポリマーのイオン性基の量(イオン性基量)としては、0.1〜1.8mmol/gが好ましく、0.2〜1.3mmol/gがより好ましい。
(染料ポリマーの溶融及びガラス転移点(Tg))
本発明のインクジェット捺染方法では、染料ポリマーの水分散体を印捺後、熱処理することが好ましい。熱処理工程では、染料ポリマーを溶融染着させるので、染料ポリマーは熱処理温度以下で溶融することが好ましい。熱処理工程は、通常100〜200℃で行うことが好ましいので、染料ポリマーは200℃以下で溶融することが好ましく、180℃以下で溶融することがより好ましい。
染料ポリマーが特定の温度で溶融するかは、融点測定機により染料ポリマーを10℃/minで特定温度まで昇温し、染料ポリマーの状態を目視することで確認できる。
染料ポリマーのTgは、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましい。
染料ポリマーのTgはDSC(示差走査熱測定)により測定できる。
(染料ポリマーの構造)
染料ポリマーは、必須の構造として、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有していればよいが、水への分散性の観点から疎水基(電気的に中性の非極性基で水と親和性が低い基)、及びイオン性基(電気的にイオン性の極性基で、水との親和性が高い基)の少なくとも1種を含む繰り返し単位を導入することがより好ましい。染料ポリマーの分子構造は、直鎖又は分岐したものいずれでもよく、ランダム、交互、周期、ブロックのいずれの構造でもよく、幹と枝の構造がデザインされたグラフトポリマーであってもよい。
染料ポリマーの形成方法としては、いわゆる共重合などの方法が、設計の自由度の観点から好ましい。共重合成分としては以下のような疎水基含有単量体、陰イオン性基含有単量体、陽イオン性基含有単量体、その他の機能性単量体が挙げられる。
染料ポリマーにおける染料に由来する構造を有する繰り返し単位の全繰り返し単位に対する含有率は、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは25〜90質量%であり、特に好ましくは50〜80質量%である。染料に由来する構造を有する繰り返し単位の含有率が10質量%以上であれば、単位質量当たりの着色力が向上し布帛への染色濃度が高くなる。また、90質量%以下であると、染料ポリマー合成時において分子量を適切な範囲に調整しやすい。
〔疎水基含有単量体〕
疎水基含有単量体としては、例えば、スチレン系単量体、フェニル基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、アルキルビニルエーテル類、(メタ)アクリロニトリル等のビニル単量体;ポリイソシアネートとポリオール又はポリアミン等から形成されるウレタン基含有ビニル単量体;エピクロルヒドリンとビスフェノール等から形成されるエポキシ基含有ビニル単量体;多価カルボン酸とポリアルコール等を単量体から形成されるエステル基含有ビニル単量体;オルガノポリシロキサン等から形成されるシリコーン基含有ビニル単量体などが挙げられる。
好ましくは、スチレン、ベンジルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチルメタクリレートである。
次に、イオン性基には、陰イオン性基と陽イオン性基があるが、これらのイオン性基を与える単量体としては、以下のものがある。
〔陰イオン性基含有単量体〕
陰イオン性基含有単量体として、ラジカル重合の場合には、以下の不飽和カルボン酸単量体、不飽和スルホン酸単量体、不飽和リン酸単量体、又はこれらの無水物や塩等を用いることができる。不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル等またはそれらの無水物及び塩などが挙げられる。塩としては、Na塩、K塩、Li塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリルアミドドデカン酸、メタクリルアミドドデカン酸またはそれらの塩である。
不飽和スルホン酸単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキルの硫酸エステル等、又はそれらの塩、メタクリロイロキシポリプロピレングリコール硫酸塩、アルケニルオキシポリアルキレングリコール硫酸塩、アリルオキシポリテトラメチレングリコール/ポリエチレングリコール硫酸塩、アリルオキシポリプロピレングリコール硫酸塩、アリルオキシポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコール硫酸塩、ペンテニルオキシポリテトラメチレングリコール/ポリエチレングリコール硫酸塩、ペンテニルオキシポリプロピレングリコール硫酸塩、ペンテニルオキシポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコール硫酸塩、ノニルプロペニルフェノキシポリエチレングリコール硫酸塩等が挙げられる。塩としては、Na塩、K塩、Li塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
好ましくはスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
不飽和リン酸単量体としては、例えば、ビニルホスホン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸エステル、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類等が挙げられる。
染料ポリマーが一般式(10−1)または一般式(10−2)で表される繰り返し単位を有するポリウレタンまたはポリウレアの場合は、陰イオン性基含有単量体として、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブチル酸などのジオール置換カルボン酸単量体、ビス(2−ヒドロキシエチル)−5−スルホイソフタレートなどのジオール置換スルホン酸単量体、又はこれらの無水物もしくは塩等を用いることができる。塩としては、Na塩、K塩、Li塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
陰イオン性基含有単量体としては、耐洗濯性の観点から、カルボン酸単量体又はこれらの無水物もしくは塩を用いることが好ましい。
〔陽イオン性基含有単量体〕
陽イオン性基含有単量体として、以下の、不飽和アミン含有単量体、不飽和アンモニウム塩含有単量体等を用いることができる。不飽和アミン含有単量体としては、例えば,ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリジン、メチルビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノスチレン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。
不飽和アンモニウム塩含有単量体としては、上記不飽和3級アミン含有単量体を4級化剤で4級化させたもの等が挙げられる。
〔その他の機能性単量体〕
上記の共重合法によるもの以外に、例えば、イオン性基を予め導入したウレタン形成基含有単量体をウレタン重合、又はイオン性基を予め導入したエポキシ形成基含有単量体をエポキシ重合するなどの方法も採用することができる。また、基幹の高分子を重合形成した後、目的のイオン性基を導入することで、本発明の染料ポリマーを得ることもできる。なお、その他の成分を含有していてもよく、例えば、イオン性を伴わない、ヒドロキシル基やアミド基を持つポリエチレンオキサイド、ポリオールやヒドロキシアルキルエステル類含有単量体、アクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート、酢酸ビニル、ビニルアルコール、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン等を単量体として共重合させることもできる。
本発明で好ましく用いられる染料ポリマーの具体例を以下に示すが、これらに限定されない。L中の*1はポリマー主鎖の炭素原子との結合位置を、*2はDとの結合位置をそれぞれ表し、D中の*3はLとの結合位置を表す。
Figure 2019194368
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(染料ポリマーの水分散体)
染料ポリマーの水分散体は、少なくとも、水、及び(A)染料ポリマーを含んでおり、好ましくは(B)水性有機溶剤を含有する。また、染料ポリマーの水分散体の製造方法によっては、(C)低分子型界面活性剤又は高分子型分散剤を併用する場合と、併用しない場合(いわゆる自己分散)のいずれの形態であってもよい。
(A)染料ポリマー
本発明では、上述の染料ポリマーを、水に溶解した状態ではなく、水に分散した状態(水分散体)として用いる。
染料ポリマーが水に分散した状態では、水に溶解した状態とは異なり、実質的に水に溶けないポリマーになっているので、耐洗濯性、耐汗性などの耐水性の面で優れる。本発明では、印捺後に、水で洗い流す工程が不要であるため、染料ポリマーは実質的に水に溶けないポリマーである。本発明の水分散体は、水に溶けないポリマーは粒子として分散しており、粒径が50〜500nmであることが好ましい。ポリマーが水に溶けている場合にはポリマーは水中で粒子として存在しない。
水としては超純水を用いることが好ましい。
(1−1)分散性
染料ポリマーは、水分散時において、染料ポリマー自体の性質として、又は併用する低分子型界面活性剤若しくは高分子型分散剤との吸着により、水となじみやすく(濡れやすく)、静電反発(斥力)や立体反発により染料ポリマーの微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
(1−2)平均粒子径
染料ポリマーは水分散体中で粒子状になっている。水分散体における上記染料ポリマーが粒子状の染料ポリマーであり、上記粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は50〜500nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましく、50〜200nmであることが特に好ましい。この範囲内であると、インクジェット法により水性前処理液が付与された布帛に直接印捺することができる。
本明細書における平均粒子径は、粒度分布測定装置(ナノトラックUPA EX150、日機装株式会社製、商品名)を用いて測定した値を用いた。
水分散体中の染料ポリマーの含有量として、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%であり、特に好ましくは3〜25質量%である。この範囲であるとインクジェットインクとしての貯蔵安定性を確保しつつ、印刷において高濃度の着色布を得ることができる。
水分散体中の水の含有量として、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは55〜90質量%であり、特に好ましくは60〜90質量%である。この範囲であると、水分散体の安定性と、インクジェットインクとしての吐出安定性を付与することができる。なお、水分散体の安定性とは沈降などが起こりにくいことを示す。
(B)水性有機溶剤
水性有機溶剤としては、25℃における水溶解度として10g/100g−HO以上であるものが好ましく、20g/100g−HO以上であるものがより好ましく、水と任意の割合で混和するものが特に好ましい。水性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ニトリル系溶剤が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオグルコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトニトリルなどが挙げられる。好ましくはトリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテルであり、より好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン、エチレングリコールモノブチルエーテルであり、特に好ましくはエチレングリコール、グリセリン、2−ピロリドンである。
水分散体中の水性有機溶剤の含有量として、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、特に好ましくは、10〜30質量%である。この範囲であると、水分散体の安定性と、インクジェットインクとしての吐出安定性を付与することができる。
(C)低分子界面活性剤又は高分子型分散剤
低分子界面活性剤又は高分子型分散剤としては、好ましくは、疎水基とイオン性基を有する低分子界面活性剤又は高分子型分散剤であり、以下の特性を有することが好ましい。
(2−1)分散性
低分子界面活性剤又は高分子型分散剤は、染料ポリマーを分散させる際に添加されることで、低分子界面活性剤又は高分子型分散剤が染料ポリマー表面に吸着し水となじませ(濡れさせる)、機械的作用により摩砕させた染料ポリマー微粒子を静電反発(斥力)や立体反発により微粒子の再凝集を防止し、沈降生成の抑制の機能を有する。
(2−2)分子量
高分子型分散剤の場合には、染料ポリマーに対して、分散効果の最適な分子量がある。高分子型分散剤としては、重量平均分子量が2,000〜50,000のものを用いるのがよい。高分子型分散剤の重量平均分子量は染料ポリマーの重量平均分子量と同様の方法で測定される。重量平均分子量が50,000以下であれば染料ポリマーと染料ポリマーの間での橋渡しを引き起こしにくく、染料ポリマーの凝集を招きにくい。一方、重量平均分子量が2,000以上であれば染料ポリマーからの脱着が起こりにくく分散剤としての効果が発揮されやすい。
(2−3)構造及び形態
低分子型界面活性剤又は高分子型分散剤は、疎水基(電気的に中性の非極性基で水と親和性が低い基)とイオン性基(電気的にイオン性の極性基で、水との親和性が高い基)を有することが好ましい。その構造は、直鎖又は分岐したものいずれでもよい。高分子型界面活性剤の場合はランダム、交互、周期、ブロックのいずれの構造でもよく、幹と枝の構造がデザインされたグラフトポリマーであってもよい。
低分子界面活性剤、及び高分子型分散剤は、水又は水性有機溶剤に配合した状態が、水溶液、ディスパージョン、エマルジョンのいずれの形態でも用いることができる。
(2−4)形成法及び入手方法
低分子界面活性剤又は高分子型分散剤は例えば以下のようなものを用いることができる。
陽イオン性界面活性剤として、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、及びイミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤として、例えば、脂肪酸石鹸(たとえばオレイン酸ナトリウムなど)、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、及びアルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤として、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、及びイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型も好適な例として挙げられる。
非イオン性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びアセチレングリコール等が挙げられる。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好適な例として挙げられる。その他、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)において界面活性剤として挙げられているものも用いることができる。
低分子界面活性剤の含有量は、水分散体の全質量に対して、0.001質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、かかる範囲で水分散体の表面張力を任意に調整することが好ましい。
高分子型分散剤は、疎水基含有単量体とイオン性基含有単量体とを共重合させることにより製造できる。なお、それぞれの単量体は一種類のみでも、又は二種類以上用いてもよい。上記の疎水基含有単量体及びイオン性基含有単量体としては、前述の染料ポリマーの共重合成分の単量体と同じである。高分子型分散剤として、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK−194N(商品名)などを用いることもできる。
高分子型分散剤の含有量は、水分散体の全質量に対して、0.001質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、かかる範囲で水分散体の表面張力を任意に調整することが好ましい。
染料ポリマーの水分散体の製造方法は、
(i)染料ポリマーの粉体又はペースト、及び必要に応じて低分子型界面活性剤又は高分子型分散剤を、水又は水性有機溶剤中で混合した後に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、又はステンレス球などとともにアトライターやミル機で微分散する方法、
(ii)水又は水性有機溶剤と、水又は水性有機溶剤に難溶な重合性染料モノマーと必要に応じて共重合モノマー、及び乳化剤(界面活性剤)を混合し、そこに水又は水性有機溶剤に溶解可能な重合開始剤(通常ラジカル発生剤)を加えて行う乳化重合を用いる方法、
(iii)有機溶媒中で染料ポリマーを合成した後、水、場合により界面活性剤を添加して乳化させ、有機溶媒を除去して染料ポリマーの水分散体を得る方法、
(iv)有機溶媒中で染料ポリマーを合成した後、水、場合により界面活性剤や溶媒を添加し、水以外の溶媒を除去して染料ポリマーの水分散体を得る方法、
(v)水中に染料ポリマーの単量体、重合開始剤、場合により界面活性剤を添加して乳化させ、重合を開始してポリマー化し、染料ポリマーの水分散体を得る方法、
(vi)水中に染料ポリマーの単量体、重合開始剤、有機溶媒、場合により界面活性剤を添加して乳化させ、重合を開始してポリマー化し、ポリマー化と同時に或いはポリマー化した後に有機溶媒を除去して染料ポリマーの水分散体を得る方法、
(vii)水中に染料ポリマーの単量体、場合により界面活性剤を添加して乳化させ、重合開始剤を添加し、重合を開始してポリマー化し、染料ポリマーの水分散体を得る方法、
(viii)水中に染料ポリマーの単量体、場合により界面活性剤や有機溶媒を添加して乳化させ、重合開始剤又は、場合により重合開始剤溶液を添加し、重合を開始してポリマー化し、ポリマー化と同時に或いはポリマー化した後に有機溶媒を除去して染料ポリマーの水分散体を得る方法、などがあり、これらを好適に用いることができる。
また、これらの分散体には、必要に応じ湿潤剤としてのグリコール溶剤、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなど、及び、尿素、ヒアルロン酸、ショ糖などを添加することができる。その他に、分散助剤として、上述の非イオン性界面活性剤や陰イオン界面活性剤を添加することができるが、これらの界面活性剤は、分散安定性としての性能を低下させないように、少量配合することが好ましい。
(インクジェットインク)
本発明で用いられるインクジェットインクは、少なくとも、染料ポリマーの水分散体を含むものである。すなわち、本発明で用いられるインクジェットインクは、水を含む液体中に染料ポリマーが分散した分散液である。なお、インクジェットインク中で染料ポリマーは粒子状になっており、粒子状の染料ポリマーの好ましい平均粒子径は前述したものと同様である。
本発明で用いられるインクジェットインクは、上記染料ポリマーの水分散体を含み、好ましくは、水又は水性有機溶剤を更に含有する。また、必要に応じて、その他の着色剤、有機溶媒、界面活性剤、架橋剤、及び各種添加剤等の成分を含有していてもよい。
本発明で用いられるインクジェットインクは、染料ポリマー以外の他の着色剤(染料又は顔料等)をさらに含んでもよい。他の着色剤を含む場合、染料ポリマーの含有量は、染料ポリマーを含めた着色剤の全質量に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、さらには100質量%、すなわち染料ポリマーのみを含有することが好ましい。
着色剤(染料ポリマー、及びこれ以外の着色剤を含む)のインクジェットインク中の含有量としては、良好な染色濃度が得られ、インクジェットインクの保存安定性を考慮すると、インクジェットインクの全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜12質量%がさらに好ましい。
インクジェットインク中の染料ポリマーの含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜12質量%であることが更に好ましい。
インクジェットインク中の水の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
<有機溶媒>
本発明で用いられるインクジェットインクが含有し得る有機溶媒の例としては、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、及び2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、及びブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2′−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及びN−エチルモルホリン等)、及びアセトニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるインクジェットインクが含有し得る有機溶媒は、前述の水性有機溶剤であることが好ましい。
インクジェットインク中の有機溶媒の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して、1質量%〜60質量%であることが好ましく、2質量%〜50質量%であることがより好ましい。
<界面活性剤>
本発明で用いられるインクジェットインクは、保存安定性、吐出安定性、及び吐出精度などを高める観点から、各種界面活性剤をさらに用いることができる。界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、及び非イオン性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
陽イオン性界面活性剤として、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、及びイミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤として、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、及びアルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、及びイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型も好適な例として挙げられる。
非イオン性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びアセチレングリコール等が挙げられる。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるサーフィノール(エアプロダクツ社製、商品名)も好適な例として挙げられる。
その他、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)において界面活性剤として挙げられているものも用いることができる。
これらの各界面活性剤を使用する場合、界面活性剤は1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられるインクジェットインク中の界面活性剤の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して、0.001質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、かかる範囲でインクジェットインクの表面張力を任意に調整することが好ましい。
<各種添加剤>
本発明で用いられるインクジェットインクは、その他に従来公知の各種添加剤を含有していてもよい。添加剤として、例えば、酸塩基や緩衝液等のpH調整剤、蛍光増白剤、表面張力調整剤、消泡剤、乾燥防止剤、潤滑剤、増粘剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、帯電防止剤、マット剤、酸化防止剤、比抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料、還元防止剤、防腐剤、防黴剤、キレート剤、及び架橋剤等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤として、特開昭58−185677号公報、特開昭61−190537号公報、特開平2−782号公報、特開平5−197075号公報、特開平9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、特公昭56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、特開平8−53427号公報、特開平8−239368号公報、特開平10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチ・ディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。インクジェットインクが、紫外線吸収剤を含有することで、画像の保存性を向上させることができる。
(退色防止剤)
退色防止剤として、各種の有機系及び金属錯体系の退色防止剤を使用することができる。有機系の退色防止剤として、例えば、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。金属錯体として、例えば、ニッケル錯体、及び亜鉛錯体等が挙げられる。より具体的にはリサーチ・ディスクロージャーNo.17643の第VIIのI項及びJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁、及び米国特許第5356443号明細書に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。インクジェットインクが、退色防止剤を含有することで、画像の保存性を向上させることができる。
(防腐剤及び防黴剤)
本発明で用いられるインクジェットインクは、インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤及び防黴剤の少なくとも一方を含有していてもよい。インクジェットインクが、防腐剤や防黴剤を含有することで、長期での保存安定性を高めることができる。防腐剤及び防黴剤として、例えば、芳香族ハロゲン化合物(例えば、プリベントールCMK;ランクセス社製、商品名)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、プロキセルGXL;アーチケミカルズ社製、商品名)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、及びその塩等が挙げられる。
防腐剤及び防黴剤は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。インクジェットインクが防腐剤及び防黴剤を含有する場合、防腐剤及び防黴剤の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して、0.02質量%〜1.00質量%が好ましい。
(乾燥防止剤)
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水性有機溶剤を好適に用いることができる。インクジェットインクに乾燥防止剤が含有されることで、インクジェット記録用途に使用する場合、インクを吐出する吐出ヘッドのノズルの噴射口において、インクが乾燥することによる目詰まりを防止することができる。
乾燥防止剤の具体的な例として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、及びトリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又は、エチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又は、エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又は、ブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及びN−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、及び3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、及びジエタノールアミン等の多官能化合物、並びに尿素誘導体が挙げられる。これらのうち、グリセリン、及びジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。
また、乾燥防止剤は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記のインクジェットインクが乾燥防止剤を含有する場合、乾燥防止剤の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して、10質量%〜50質量%が好ましい。
(pH調整剤)
pH調整剤として、例えば、有機塩基、及び無機アルカリ等の中和剤を用いることができる。インクジェットインクを記録に使用する場合、インクジェットインクにpH調整剤が含有されることで、インクジェットインクの保存安定性を向上させることができる。pH調整剤は、インクジェットインクのpHが5〜12になるように添加することが好ましく、pHが5〜9になるように添加することがより好ましい。
(表面張力調整剤及び消泡剤)
表面張力調整剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びアニオン系界面活性剤等の各種界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例は、既述の界面活性剤の欄にて例示したものと同じである。
消泡剤としては、フッ素系、及びシリコーン系化合物が好ましい。
本発明で用いられるインクジェットインクは、その表面張力を、20mN/m〜70mN/mに調整することが好ましく、25mN/m〜60mN/mに調整することがより好ましい。また、インクジェットインクの粘度は、40mPa・s以下に調整することが好ましく、30mPa・s以下に調整することがより好ましく、20mPa・s以下に調整することが特に好ましい。
表面張力及び粘度は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤、及び界面活性剤等を添加することによって、調整することができる。
(キレート剤)
キレート剤は、インクジェットインク中における沈殿物等の析出物の発生を防止する目的、また、保存安定性や目詰まり回復性を改良する目的で好適に使用される。インクジェットインクの着色剤として染料を用いると、インク中に含まれる金属(Ca、Mg、Si、及びFe等)が析出物の発生や目詰まり回復性の低下の原因となり得るため、金属イオンを一定量以下に管理する必要があることが知られている。また、銅錯体染料を用いた場合には、金属イオンの量を管理しても、遊離の銅イオンの量も管理しなければ、析出物の発生や目詰まり回復性の低下が認められることが知られている(特開2000-355665号、及び特開2005−126725号公報等参照)。
キレート剤として、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸、ヒドロオキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ウラミルジ酢酸、及びそれらの金属塩(例えば、ナトリウム塩)が挙げられる。
(架橋剤)
架橋剤としては、特に限定されないが、ブロックイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びメチロール系架橋剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
<熱処理工程>
本発明のインクジェット捺染方法は、更に、熱処理工程を含むことが好ましい。特に、捺染工程で布帛に印捺した後に、熱処理工程を行うことで、染料ポリマー粒子を溶融(もしくは軟化)させ、繊維との密着性を高めることができる(すなわち、熱処理することにより、溶融染着させることができる)。着色布は乾燥後、上記溶融染着させることを目的として熱処理を行うことが好ましく、通常100〜250℃で行うことが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは120℃〜200℃である。熱処理時間としては、30秒〜3分間の熱処理を行うことが好ましい。また、この熱処理工程において、染料ポリマーに導入した反応性基(例えばブロックイソシアネート基)、又は添加剤として併用した架橋剤(例えばブロックイソシアネート架橋剤又は多官能エポキシ架橋剤)を用いて、架橋反応させることが耐摩擦性の観点で好ましい。
熱処理工程は上記の温度で行うことが好ましいため、染料ポリマーは200℃以下で溶融することが好ましく、180℃以下で溶融することがより好ましい。
染料ポリマーが特定の温度で溶融するかは、融点測定機により染料ポリマーを10℃/minで特定温度まで昇温し、染料ポリマーの状態を目視することで確認できる。
<後処理>
本発明の染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクにより着色した布帛は、風合いの柔軟性又は堅牢性(耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性)に優れるが、必要に応じて、着色布に後処理剤を全面にパディング処理することで、風合いの柔軟性又は堅牢性(特に耐摩擦性)が、更に向上した着色布を得ることができる。柔軟化を目的とした後処理剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノシリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸アマイド、鉱物油、植物油、動物油、可塑剤などが挙げられる。
また、着色布表面のスベリ性を向上させる目的の後処理剤としては、金属石鹸、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロスタリンワックス、ジメチルシリコーンオイル、アミノシリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
パディング処理は、これらの後処理剤を水溶媒にミキサー攪拌により乳化、熱乳化、又は分散したものに、着色布を浸漬しマングル等で絞り乾燥、熱処理を加えて処理する。
また、後処理剤中に固着剤として樹脂エマルジョンを少量配合することにより、着色布の耐摩擦性を向上させることができる。後処理剤に対しての配合量は5%未満が好ましく、これにより着色布の風合いの柔らかさが損なわれにくいため好ましい。
後処理剤に固着剤として配合する樹脂エマルジョンとしては、特に限定するものではないが、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)エマルジョン、シリコーン/アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョンなどを用いることができ、着色布の風合いを柔らかくするために、これ等の樹脂エマルジョンのガラス転移点が0℃以下であることが好ましい。
〔着色布の製造方法〕
本発明の着色布の製造方法は、凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、上記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有する。
<布帛>
本発明のインクジェット捺染方法及び着色布の製造方法を適用し得る布帛としては、以下のものがある。生地布帛(繊維種)としては、ナイロン、ポリエステル、アクリロニトリル等の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、綿、絹、毛等の天然繊維、及びこれらの混合繊維、織物、編み物、不織布等が挙げられる。
衣料品としては、Tシャツ、トレーナー、ジャージ、パンツ、スウェットスーツ、ワンピース、ブラウスなどが挙げられる。また、寝具、ハンカチ、クッションカバー、カーテンなどにも好適である。
本発明のインクジェット捺染方法及び着色布の製造方法で製造した着色布は、優れた発色性が得られると共に、洗濯堅牢性、汗堅牢性、摩擦堅牢性、ドライクリーニング堅牢性、及び捺染作業性の何れの特性においても、優れた効果を奏するので、本発明のインクジェット捺染方法及び着色布の製造方法には高い価値がある。
〔着色布〕
本発明は、布帛の少なくとも一部の表面に、凝集剤と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーとを含む画像を有する着色布にも関する。
〔凝集剤を含む水性前処理液A(1)の調製〕
以下の成分を混合し、攪拌することにより、水性前処理液A(1)を調製した。
カチオマスターPD−7(含凝集剤;四日市合成製、固形分50質量%)
50g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
水 845g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(2)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(2)を調製した。
ユニセンス FPA100L(センカ製、固形分27質量%)
37g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
水 858g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(3)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(3)を調製した。
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業製) 100g
クエン酸(和光純薬製) 50g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
水 745g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(4)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(4)を調製した。
(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業製) 100g
ユニセンスFPV1000L(センカ製、固形分20質量%)
500g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
プロピレングリコール 150g
水 245g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(5)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(5)を調製した。
マロン酸(和光純薬製) 250g
エマルゲンP109(花王製) 10g
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬製) 200g
水 540g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(6)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(6)を調製した。
硝酸カルシウム・4水和物(和光純薬製) 200g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
プロピレングリコール 150g
水 245g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(7)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(7)を調製した。
カチオマスターPD−7(含凝集剤;四日市合成製、固形分50質量%) 100g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 50g
1,2−ヘキサンジオール 20g
トリメチロールプロパン(和光純薬製) 30g
水 695g
〔凝集剤を含む水性前処理液A(8)の調製〕
以下の成分を混合し、撹拌することにより、水性前処理液A(8)を調製した。
カチオマスターPD−7(含凝集剤;四日市合成製、固形分50質量%) 50g
NBP−211(明成化学工業製、固形分40質量%) 13g
BYK348(ビックケミー・ジャパン製) 5g
グリセリン 100g
水 832g
Figure 2019194368
(染料ポリマー(Y−2−1)の合成)
100mL三ツ口フラスコにN−メチルピロリドン(NMP)10mLを加え、内温を85℃に昇温した。上記NMPに、重合性モノマーであるYM−1(特許5315267号公報記載の方法で合成)9.0g、重合性モノマーであるメタクリル酸(MAA)1.0g、V−601(和光純薬製、商品名)0.126g、及び1−ドデカンチオール0.443gを13.24gのNMPに溶解させた溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で1時間反応させて反応液Aを得た。その後、反応液Aに、V−601(0.098g)を添加し、さらに85℃で2時間反応させ、反応液Bを得た。反応液Bを室温(20℃)まで放冷し、水500mLに注ぎ入れ、結晶を析出させ、ろ過により結晶をろ別した後に、ろ別した結晶を60℃の送風乾燥機で1日間乾燥させ、染料ポリマーである例示化合物(Y−2−1)の黄色粉末を得た。例示化合物(Y−2−1)のテトラヒドロフラン(THF)希薄溶液での紫外可視吸収スペクトルの吸収極大波長は441nmであった。また、例示化合物(Y−2−1)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定での重量平均分子量(Mw)は10,500(ポリスチレン換算)であった。DSC(示差走査熱測定)での例示化合物(Y−2−1)のTgは、160℃であった。また、例示化合物(Y−2−1)は200℃で溶融するポリマーであった。
Figure 2019194368
(染料ポリマー(R−1−1)、(B−3−1)の合成)
前述の染料ポリマーの例示化合物(R−1−1)、(B−3−1)は、上記染料ポリマー(Y−2−1)の合成方法に準じて合成した。DSC(示差走査熱測定)での例示化合物(R−1−1)、及び(B−3−1)の明確なTgを観測することができなかった。一方、溶融温度としては、例示化合物(R−1−1)、及び(B−3−1)はともに、170〜180℃で溶融するポリマーであった。
〔染料ポリマーの水分散体の調製〕
<染料ポリマー水分散体(1)の調製>
例示化合物(Y−2−1)0.5g、EFKA7422(BASF社製)0.325g、超純水4.125g、及び直径0.1mmのジルコニアビーズ10gを混合し、遊星型微粒子粉砕機(フリッチュ社製Pulverlsette7)を用いて、回転数400rpm(rotation per minute)で、10時間分散させて分散液を得た。得られた分散液からろ布を用いてジルコニアビーズを取り除き、染料ポリマー水分散体(1)を得た。
<染料ポリマー水分散体(2)の調製>
例示化合物(R−1−1)1.0g、デモールNL(花王製)1.38g、超純水2.62g及び直径0.1mmのジルコニアビーズ10gを混合し、染料ポリマー水分散体(1)と同様の方法にて染料ポリマー水分散体(2)を得た。
<染料ポリマー水分散体(3)の調製>
染料ポリマーを下記表2に記載の種類に変更した以外は、染料ポリマー水分散体(2)と同様にして、染料ポリマー水分散体(3)を調製した。
また使用した染料ポリマーの重量平均分子量、および得られた染料ポリマー水分散体中の粒子状の染料ポリマーの平均粒子径は、表2に記載の通りであった。
Figure 2019194368
<染料ポリマー水分散体(4)の調製>
特表2002−509957号公報の実施例1に記載の方法に従って、ブラウン色の25質量%の染料ポリマー水分散体(4)を調製した。染料ポリマー水分散体(4)に含まれる染料ポリマーの重量平均分子量は5,100、体積平均粒子径は164nmであった。染料ポリマー水分散体(4)を凍結乾燥して得られた染料ポリマーの溶融温度は120℃、DSC(示差走査熱測定)でのTgは90℃であった。
<染料ポリマー水分散体(5)の調製>
特表2002−509957号公報の実施例6に記載の方法に従って、イエロー色の25質量%の染料ポリマー水分散体(5)を調製した。染料ポリマー水分散体(5)に含まれる染料ポリマーの重量平均分子量は3,300、体積平均粒子径は84nmであった。染料ポリマー水分散体(5)を凍結乾燥して得られた染料ポリマーの溶融温度は160℃、DSC(示差走査熱測定)でのTgは120℃であった。
<染料ポリマー水分散体(6)の調製>
特表2002−509957号公報の実施例8に記載の方法に従って、マゼンタ色の25質量%の染料ポリマー水分散体(6)を調製した。染料ポリマー水分散体(6)に含まれる染料ポリマーの重量平均分子量は4,010、体積平均粒子径は134nmであった。染料ポリマー水分散体(6)を凍結乾燥して得られた染料ポリマーの溶融温度は170℃、DSC(示差走査熱測定)でのTgは100℃であった。
<染料ポリマー水分散体(7)の調製>
特表2002−509957号公報の実施例11に記載の方法に従って、ネイビー色の25質量%の染料ポリマー水分散体(7)を調製した。染料ポリマー水分散体(7)に含まれる染料ポリマーの重量平均分子量は4,600、体積平均粒子径は144nmであった。染料ポリマー水分散体(7)を凍結乾燥して得られた染料ポリマーの溶融温度は180℃、DSC(示差走査熱測定)でのTgは120℃であった。
〔捺染用インクジェットインクの調製〕
<捺染用インクジェットインクB(1)の調製>
以下の成分を、20℃で混合し、15分間撹拌したのちに、メンブランフィルター(平均孔径0.8μm)でろ過して、捺染用インクジェットインクB(1)を調製した。
染料ポリマー水分散体(1) 2.5g
トリメチロールプロパン 0.056g
超純水 1.413g
1,2−ヘキサンジオール 0.112g
グリセリン 0.560g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 0.112g
2−ピロリドン 0.168g
プロピレングリコール 0.028g
サーフィノール465(日信化学工業製、商品名) 0.056g
<捺染用インクジェットインクB(2)〜B(3)の調製>
染料ポリマー水分散体(1)をそれぞれ下記表3に記載の種類、量に変更し、その分超純水の量を調整した以外は捺染用インクジェットインクB(1)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(2)〜B(3)を調製した。
<捺染用インクジェットインクB(4)の調製>
下記表3に記載の架橋剤を添加し、その分超純水の量を調整した以外は、捺染用インクジェットインクB(1)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(4)を調製した。
Figure 2019194368
<捺染用インクジェットインクB(5)の調製>
染料ポリマー水分散体の種類及び量を、「染料ポリマー水分散体(1) 2.5g」から「染料ポリマー水分散体(4) 0.5g」に変更し、超純水の量を「1.413g」から「3.412g」に変更した以外は捺染用インクジェットインクB(1)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(5)を調製した。
<捺染用インクジェットインクB(6)の調製>
染料ポリマー水分散体(4)を、染料ポリマー水分散体(5)に変更した以外は捺染用インクジェットインクB(5)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(6)を調製した。
<捺染用インクジェットインクB(7)の調製>
染料ポリマー水分散体(4)を、染料ポリマー水分散体(6)に変更した以外は捺染用インクジェットインクB(5)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(7)を調製した。
<捺染用インクジェットインクB(8)の調製>
染料ポリマー水分散体(4)を、染料ポリマー水分散体(7)に変更した以外は捺染用インクジェットインクB(5)と同様にして、捺染用インクジェットインクB(8)を調製した。
(実施例1)
〔前処理工程〕
上記調製した水性前処理液A(1)を、パディング法により綿布帛(綿ブロードシル付、株式会社色染社製、商品コードA02−01002)に絞り率70%で絞って24時間乾燥させた。
なお、絞り率(%)は、水性処理液を含んだ布帛を絞った後の、布帛に対する水性処理液の残存量(質量比率)を表す。
〔捺染工程〕
上記のようにして得られた捺染用インクジェットインクB(1)をインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタ(PX−045A、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、前処理工程後の綿布帛に画像を記録した。
〔加熱工程〕
上記捺染工程後の着色した布帛を20℃で12時間乾燥した後、ヒートプレス機(卓上自動平プレス機 AF−54TEN型、アサヒ繊維機械株式会社製)を用いて200℃、60秒の条件で加熱し、インクを定着させると共に、架橋反応を進行させた。
(実施例2〜4、6、8、9)
水性前処理液の種類、水性前処理液の布帛への付与方法、及び捺染用インクジェットインクの種類を、それぞれ下記表5に記載の種類に変更した以外は、実施例1と同様にして、布帛をインクジェット捺染した。
(実施例5)
前処理工程を、上記調製した水性前処理液A(5)をバーコーター(松尾産業製、#16)を用いて綿布帛に塗布し、24時間乾燥させる工程に変更した以外は実施例1と同様にして着色布を得た。
(実施例7)
前処理工程を、上記調製した水性前処理液A(7)をインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタ(PX−045A、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、綿布帛に付与し、24時間乾燥させる工程に変更した以外は実施例3と同様にして着色布を得た。
(実施例10)
捺染用インクジェットインクB(1)を、捺染用インクジェットインクB(5)に変更した以外は実施例1と同様にして着色布を得た。
(実施例11)
捺染用インクジェットインクB(1)を、捺染用インクジェットインクB(6)に変更した以外は実施例1と同様にして着色布を得た。
(実施例12)
捺染用インクジェットインクB(1)を、捺染用インクジェットインクB(7)に変更した以外は実施例1と同様にして着色布を得た。
(実施例13)
捺染用インクジェットインクB(3)を、捺染用インクジェットインクB(8)に変更した以外は実施例7と同様にして着色布を得た。
(比較例1)
<顔料分散物の調製>
スチレン-アクリル酸共重合体 ジョンクリル678(BASF社製)(3質量部)、ジメチルアミノエタノール(1.3質量部)、水(80.7質量部)を70℃で攪拌し混合した。次いで、C.I.Pigment Blue15:3(15質量部)、粒径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填し、サンドグライダーミルを用いて分散し、15%のシアン顔料分散物を得た。
<捺染用インクジェットインクP(1)の調製>
上記顔料分散物(20質量部)、ポリウレタン樹脂 WBR−2101(大成ファインケミカル株式会社製, 固形分25%)(24質量部)、グリセリン(12質量部)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(2質量部)、2−ピロリドン(3質量部)、サーフィノール465(1質量部)、1,2−へキサンジオール(2質量部)、及び水(36質量部)を混合し、メンブレンフィルター(孔径:0.8μm)でろ過し、捺染用インクジェットインクP(1)を得た。
<インクジェット捺染工程>
前処理工程は行わずに、捺染用インクジェットインクP(1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でインクジェット捺染を実施した。
<加熱工程>
加熱条件を150℃、3分に替えた以外は、実施例1と同様の方法で着色布の加熱処理を実施した。
(比較例2)
C.I.Pigment Blue15:3をC.I.Pigment Red122に変更し捺染用インクジェットインクP(2)を調製し、これを使用した以外は、比較例1と同様にして捺染を行った。
(比較例3)
C.I.Pigment Blue15:3をC.I.Pigment Yellow74に変更し捺染用インクジェットインクP(3)を調製し、これを使用した以外は、比較例1と同様にして捺染を行った。
(比較例4)
実施例1と同様の方法により前処理工程を実施した後、比較例3と同様の用法にてインクジェット捺染を行った。
上記実施例1〜13、比較例1〜4の評価結果を表5〜7に示す。なお着色布の評価は以下の方法で実施した結果である。
・発色性:測色機(Gretag Macbeth Spectrolino,X−Rite社製)を用い、光学濃度(OD(Optical Density)値)を測定した。OD値は、照射された光に対する反射された光の割合を対数化した数値であり、OD値が高いほど高濃度な画像が得られていることを示す。本実施例及び比較例では下記表4に記載の通りODを4段階で評価した。
Figure 2019194368
・耐洗濯性:JIS L−0844 A−2号(2011年改定)に基づいて評価した。耐洗濯性の評価結果は数値が大きい方が堅牢性に優れることを示す。
・耐汗性: JIS L−0848(2004年改定)に基づいて評価した。耐汗性の評価結果は数値が大きい方が堅牢性に優れることを示す。
・耐摩擦性: JIS L−0849 II形(2013年改定)に基づいて評価した。耐摩擦性の評価結果は数値が大きい方が堅牢性に優れることを示す。
・耐ドライクリーニング性: JIS L−0860 A−1法(2008年改定)に基づいて評価した。耐ドライクリーニング性の評価結果は数値が大きい方が堅牢性に優れることを示す。
Figure 2019194368
Figure 2019194368
Figure 2019194368
(実施例14)
実施例1で使用した綿布帛(綿ブロードシル付、株式会社色染社製、商品コードA02−01002)をポリエステル布帛(ポリエステルトロピカル(帝人株式会社製)、株式会社色染社製、商品コードA02−01019)に変更した以外は同様にして、着色布を得た。得られた着色布は、綿布帛を用いた着色布と同様に、高い発色性を示し、かつ優れた耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性を示した。
(実施例15)
実施例1で使用した綿布帛(綿ブロードシル付、株式会社色染社製、商品コードA02−01002)をコットン65%ポリエステル35%混紡布帛(混紡ポリエステル65/綿35ブロード、株式会社色染社製、商品コードA02−01030)に変更した以外は同様にして、着色布を得た。得られた着色布は、綿布帛を用いた着色布と同様に、高い発色性を示し、かつ優れた耐洗濯性、耐汗性、耐摩擦性、及び耐ドライクリーニング性を示した。
上記結果から明らかなように、本発明の実施例によるインクジェット捺染方法により、捺染糊の塗布及び水洗が不要であり、廃水、廃材が出ないため環境負荷が少なく、作業性に問題がなく、画像の発色性及び堅牢性に優れた着色布を得ることができる。

Claims (19)

  1. 凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、前記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有するインクジェット捺染方法。
  2. 更に、熱処理工程を含む、請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
  3. 前記前処理工程は、前記水性前処理液をコーティング法、パディング法、スプレー法、スクリーン印刷法又はインクジェット法により布帛に付与する工程である、請求項1又は2に記載のインクジェット捺染方法。
  4. 前記凝集剤は、有機酸、多価金属塩、及びカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  5. 前記凝集剤の含有量が、前記水性前処理液全量に対して、0.1〜50質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  6. 前記水性前処理液が、更に架橋剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  7. 前記染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクが、更に架橋剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  8. 前記架橋剤が、ブロックイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、及びメチロール系架橋剤から選ばれる少なくとも1種である請求項6又は7に記載のインクジェット捺染方法。
  9. 前記染料が、アゾ染料、スチルベン染料、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、ポリメチン染料、モノメチン染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、ニグロシン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、キノフタロン染料、ポルフィリン染料、シアニン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選択される少なくとも1種の染料である請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  10. 前記染料ポリマーが、前記染料に由来する構造を含む繰り返し単位として、下記一般式(1)又は(10)で表される繰り返し単位を含んでなる染料ポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
    Figure 2019194368

    一般式(1)中、Xは連結基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を1個取り除いた染料残基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(10)中、X及びXは各々独立に連結基を表し、Dは染料から任意の水素原子を2個取り除いた染料残基を表す。
  11. 前記一般式(1)中のD又は前記一般式(10)中のDが、下記一般式(M1)〜(M9)のいずれかで表される染料から任意の水素原子を1個又は2個取り除いた染料残基を表す、請求項10に記載のインクジェット捺染方法。
    Figure 2019194368

    一般式(M1)中、R101〜R110は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M2)中、R201〜R215は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X201は一価の陰イオンを表し、n201は0又は1を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M3)中、R301〜R317は各々独立に水素原子又は置換基を表し、X301は一価の陰イオンを表し、n301は0又は1を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M4)中、R401〜R407は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M5)中、R501〜R511は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M6)中、R601〜R608は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M7)中、R701〜R708は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M8)中、R801〜R809は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
    Figure 2019194368

    一般式(M9)中、R901〜R913は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
  12. 前記染料ポリマーが、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、又はスチレンポリマーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  13. 前記染料ポリマー中のイオン性基の量が0.1〜1.8mmol/gである、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  14. 前記染料ポリマーのガラス転移点が200℃以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  15. 前記染料ポリマーが、200℃以下で溶融する、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  16. 前記染料ポリマーの水分散体における前記染料ポリマーが粒子状の染料ポリマーであり、前記粒子状の染料ポリマーの平均粒子径が50〜500nmである請求項1〜15のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  17. 前記染料ポリマーの重量平均分子量が3,000〜2,000,000である請求項1〜16のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  18. 凝集剤を含む水性前処理液を布帛に付与する前処理工程と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーの水分散体を含むインクジェットインクを、前記水性前処理液が付与された布帛にインクジェット法で印捺する捺染工程と、を有する着色布の製造方法。
  19. 布帛の少なくとも一部の表面に、凝集剤と、染料に由来する構造を含む繰り返し単位を有する染料ポリマーとを含む画像を有する着色布。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020110907A1 (ja) 2018-11-27 2020-06-04 三ツ星ベルト株式会社 ゴム製歯付ベルト及びゴム組成物
WO2021192452A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 サカタインクス株式会社 捺染用処理液、捺染用希釈処理液、インクセット、およびインクジェット印刷方法
WO2022186396A1 (ja) * 2021-03-04 2022-09-09 日本化薬株式会社 前処理組成物、印刷セット及び捺染方法
US11845871B2 (en) 2020-07-31 2023-12-19 Seiko Epson Corporation Treatment liquid composition for ink jet pigment printing, ink set, and recording method
JP7472598B2 (ja) 2020-03-30 2024-04-23 セイコーエプソン株式会社 処理液組成物、記録方法、組成物セット及び布帛

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