JP2019191300A - 波長選択光スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストークと偏光依存性を低減し、かつ高速スイッチングが可能な小型の波長選択光スイッチを提供する。【解決手段】波長選択光スイッチ100は、入力光信号を同一の偏光面を有する2つの光成分に分離する光学部品103と、2つの光成分の各々に含まれるM個の波長(Mは2以上の整数)を分離する波長分離手段106と、波長分離手段の出力に光学的に接続され2つの光成分の各々をN個(Nは2以上の整数)の方路に切り替える光回路108を有する。光回路108は、比屈折率差の大きい光導波路で形成されており、2つの光成分の各々に結合する2M個の回折格子カプラと、回折格子カプラの出力に接続される2M個のN出力光スイッチと、N個の方路の各々についてM個の波長を合波する合波器と、N個の方路の各々について2つの光成分の一方の偏光面を90度回転させた後に2つの光成分を合波する偏光合波手段と、を有する。【選択図】図2B

Description

本発明は、入射光を波長ごとに任意の方路に切り替えて出力する波長選択光スイッチに関する。
WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式の光通信ネットワークのROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer:光アド/ドロップマルチプレクサ)ノードでは、特定の光を取り出し、または追加するために波長選択光スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。WSSは、一般に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーまたはLCOS(Liquid Crystal on Silicon)空間光変調スイッチをスイッチングエンジンとしている(たとえば、特許文献2参照)。光ファイバからの出射光はレンズアレイでコリメートされ、回折格子などの分波器で分波され、波長ごとに対応するミラーに投射される。各ミラーによって反射方向が制御され、目的とする光ファイバに出力される。この方式は、MEMSミラーまたはLCOSの動作にミリ秒以上の時間を要する、光学部品の偏向角度が小さく光学系が大きくなる、光路中に多数の光学部品が配置され、レンズの収差、取り付け位置誤差の影響が大きい、クロストークが生じやすい、などの課題がある。これらの課題に対処するために、導波路基板上に集積した波長選択光スイッチが開発されている(特許文献3、及び非特許文献1参照)。
図1に示すように、集積型の波長選択光スイッチでは、多数のアレイ導波路回折格子と光スイッチを基板上に集積するため、微細な光導波路で光回路の小型化をはかっている。特に、比屈折率差が大きく、かつ屈折率変調が可能な導波路を利用する必要があり、シリコン導波路などが利用されている。
特許第4487089号 特開2006−106304号公報 米国特許7257285号
Christopher R. Doerr, et al., "Monolithic Flexible-Grid 1x2Wavelength-Selective Switch in Silicon Photonics", Journal of Lightwave Technology, Vol. 30, No. 4, February 15, 2012
光集積技術では、比屈折率差の大きい導波路を利用するため、導波路を伝搬する光の位相誤差(光路長誤差)が大きくなる。その結果、波長分離用のアレイ導波路回折格子の性能が低くなり、クロストークが大きくなる。また、比屈折率差の大きい導波路では、導波路の形状を高精度に対称にすることが困難であり、TEモードとTMモードに対する実効屈折率が一致せずに偏光依存性が大きくなる。さらに、光回路を構成する基板面積に限りがあり、全てを集積するとスイッチングの規模を大きくすることが難しい。
以上を鑑みて、本発明は、クロストークと偏光依存性を低減し、かつ高速スイッチングが可能な小型の波長選択光スイッチを提供することを目的とする。
本発明では、波長分離には、回折格子あるいは比屈折率差の小さいアレイ導波路回折格子を利用してクロストークを低減し、スイッチングには高速動作する導波路型光スイッチを利用して動作速度を向上する。光導波路による光配線を利用して波長選択光スイッチを小型化している。
本発明の一態様では、波長選択光スイッチは、
入力光信号を同一の偏光面を有する2つの光成分に分離する光学部品と、
回折格子または第1の比屈折率差を有するアレイ導波路回折格子を用いて、前記2つの光成分の各々に含まれるM個の波長(Mは2以上の整数)を分離する波長分離手段と、
前記波長分離手段の出力に光学的に接続され、前記2つの光成分の各々をN個(Nは2以上の整数)の方路に切り替えるスイッチング手段を有する第1の光回路と、
前記N個の方路の各々について、前記M個の波長を合波する合波器と、
前記N個の方路の各々について前記2つの光成分の一方の偏光面を90度回転させた後に前記2つの光成分を合波する偏光合波手段と、
を有し、
前記第1の光回路は、前記第1の比屈折率差よりも大きい第2の比屈折率差の光導波路で形成されており、前記2つの光成分の各々に結合する2個の回折格子カプラと、前記回折格子カプラの出力に接続される2M個のN出力光スイッチと、
を有する。
上記の構成により、クロストークと偏光依存性を低減し、かつ高速スイッチングが可能な小型の波長選択光スイッチが実現される。
従来の集積型の波長選択光スイッチの概略図である。 第1実施例の波長選択光スイッチをYZ面内で見たときの模式図であり、特に波長分離用の光学系の構成例を示す図である。 図2Aの波長選択光スイッチをXZ面内で見たときの模式図である。 図2Aの波長分離用の光学系の変形例を示す図である。 第1実施形態の波長選択光スイッチで用いられるスイッチング用の光回路の模式図である。 光回路に形成された回折格子カプラの模式図である。 光回路上で、回折格子カプラの出力に接続される1入力N出力(1×N)光スイッチの構成例を示す図である。 1×N光スイッチの出力に接続されるM入力1出力(M×1)のアレイ導波路回折格子の模式図である。 第2実施形態の波長選択光スイッチをYZ面内で見たときの模式図であり、特に入力光学系の構成例を示す図である。 第2実施形態の波長選択光スイッチで用いられる光回路の模式図である。 第2実施形態の光回路で用いられるK入力N出力(K×N)光スイッチの模式図である。 第3実施形態の波長選択光スイッチをYZ面内で見たときの模式図である。 図11の波長選択光スイッチをXZ面内で見たときの模式図であり、波長分離用の光回路の構成例を示す図である。 図12の波長分離用の光回路で用いられる分波器の一例を示す図である。 第3実施形態で用いられるスイッチング用の光回路の模式図である。 第4実施形態波長選択光スイッチをYZ面内で見たときの模式図であり、特に波長分離用の光学系の構成例を示す図である。 図15の波長選択光スイッチをXZ面内で見たときの模式図である。 第4実施形態の波長選択光スイッチで用いられるスイッチング用の光回路の模式図である。 第5実施形態の波長選択光スイッチをYZ面内で見たときの模式図である。 図18の波長選択光スイッチをXZ面内で見たときの模式図であり、波長分離用の光回路の構成例を示す図である。 第5実施形態で用いられるスイッチング用の光回路の模式図である。
実施形態では、波長分離には、回折格子または比屈折率差の小さいアレイ導波路回折格子を利用してクロストークを低減し、スイッチングには高速動作する比屈折率差の大きい導波路型光スイッチを用いて動作速度を向上する。光回路において、シリコン細線等の光配線を利用して光スイッチを形成することで、光回路の小型化を実現する。さらに、偏光依存性のない状態でスイッチングを行い、スイッチング後にもとの偏光状態に戻して各出力ポートへ出力する。
以下で、図面を参照して、各実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図2Aと図2Bは、第1実施形態の波長選択光スイッチ100の模式図である。光ファイバ101から出射する光の光軸方向をZ方向としたときに、図2AはYZ面内(たとえば側面)で見た図、図2BはXZ面内(たとえば上面)で見た図である。
波長選択光スイッチ100は、波長ごとに光信号の方路を切り替える光回路108と、光ファイバ101から出射される信号光を波長ごとに分光して光回路108に入力する光学系151を有する。光ファイバ101から出射される信号光は、たとえばWDM信号であり、波長λ1〜λMまでのM個(Mは2以上の整数)の異なる波長の信号が含まれている。以下の説明では光の波長を用いるが、波長を周波数に読み替えても意味は同じである。
光学系151は、レンズ102、偏光分離素子103、1/2波長板105、回折格子106、及びレンズ107を有する。光ファイバ101から波長選択光スイッチ100に入力された光信号は、レンズ102によって平行光にコリメートされ、偏光分離素子103に入射する。偏光分離素子103として方解石結晶を利用すれば、入射光の偏光を互いに直交する2つの成分に分離することができる。方解石結晶に限らず、ルチル結晶、オルトバナジン酸イットリウム結晶など、その他の複屈折材料を用いてもよい。
図2Aの例では、偏光分離素子103の中を直進する光は、Y方向に偏光した直線偏光であり、偏光分離素子103で屈曲する光はX方向に偏光した直線偏光である。2つの偏光成分の一方は、1/2波長板105によってその偏光面が回転されて、同じ偏光面を有する光となる。
図2A及び図2Bでは、1/2波長板105はガラス基板104の所定の領域に設けられているが、1/2波長板105単体で所望の位置に保持可能であれば、ガラス基板104を省略してもよい。
1/2波長板105は、その遅軸(または早軸)をX軸に対して45度傾けて配置し、X方向に偏光した光をY方向に偏光した光に変換する。よって、回折格子106に入射する2本の光ビームは、いずれもY方向に偏光している。偏光分離素子103を直進する光が1/2波長板105を透過するように1/2波長板105を配置してもよい。その場合は、回折格子106に入射する2本の光ビームはいずれもX方向に偏光している。
図2Bに示すように、回折格子106は、2本の光ビームのそれぞれに含まれる各波長の光を異なる方向に回折させて分離する。分離された光は、レンズ107によって、光回路108上の回折格子カプラ110P及び110Sに入射する。レンズ107の前焦点が回折格子106上に位置し、後焦点が光回路108の回折格子カプラ110上に位置するようにレンズ107を配置することで、回折格子106を透過した2つの光ビームは、波長ごとに分散されて、回折格子カプラ110Pと回折格子カプラ110Sに投射される。
回折格子106は、入射光の波長、ブレーズ角、回折格子カプラ110の位置に応じてY軸を中心として回転させて配置される。図2A及び図2Bでは、透過型の回折格子106を用いているが、反射型の回折格子を用いてもよい。回折格子カプラ110Pと110Sを異なる直線偏光用のカプラにする場合は、1/2波長板105を省略することもできる。その場合は、光回路108で、スイッチング前に一方の偏光面を90°回転させて同じ偏光面とすることが望ましい。
図3は、波長選択光スイッチ100の変形例を示す。波長選択光スイッチ100Aは、プリズム107−Pを有する光学系151Aを有し、光回路108上の回折格子カプラ110Pと110Sは、図2Aの配置よりもY軸方向に互いに離れて位置する。
回折格子カプラ110は、垂直入射よりも斜めに傾いて入射する方が結合効率が高くなる。図3のように、光学系151Aにプリズム107−Pを挿入して、各波長の光が回折格子カプラ110に斜めに入射するようにしてもよい。
図4は、光回路108の構成例を示す。光回路108は、小型化のために比屈折率差の大きいシリコン導波路を光導波路109として利用する。光導波路コアとして、クラッドとの比屈折率差が大きく屈折率変調が容易であれば、シリコン以外の材料を用いてもよい。現時点では、シリコン導波路が最も適切である。
光導波路109を薄膜化されたシリコン細線導波路で形成することで、単一モード伝搬を得る。シリコン導波路コアの断面形状は、基板の垂直方向の高さが220nm、基板の面内方向の幅が450nmである。導波路コアの上部及び下部には厚さ2000nmのSiO2層が設けられている。熱光学効果による屈折率変調を行うため、屈折率変調部のコアの上部には厚さ1200nmのSiO2層と、厚さ100nmのTiN層、及び厚さ800nmの保護層(たとえばSiO2層)が設けられている。TiN層は通電によりヒータとして機能する。また、シリコン導波路上に300〜1000nmのSiO2層を挟んで窒化シリコン導波路を構成することもできる。これらの積層構造は発明と直接関係しないので図示を省略する。
光回路108は、分離される波長数Mと同じ数のセグメントを有する回折格子カプラ110Pと、回折格子カプラ110Sを有する。回折格子カプラ110Pの各セグメントにM個の1×N光スイッチ111P−1〜111P−Mが接続され、回折格子カプラ110Sの各セグメントにM個の1×N光スイッチ111S−1〜111S−Mが接続されている。
各光スイッチ111のN個の出力は、N個のアレイ導波路回折格子112の入力に接続される。アレイ導波路回折格子112P−1〜112P−N、及び112S−1〜112S−Nのそれぞれは、M入力1出力の(M×1)アレイ導波路回折格子であり、M個の光スイッチ111から出力される光が合波されて出力される。アレイ導波路回折格子を窒化シリコン導波路で構成しても良い。その場合、層構造が複雑になるが、合波損失を低減することができる。
アレイ導波路回折格子112P−1〜112P−N、及び112S−1〜112S−Nに対応して、遅延回路113P−1〜113P−N、及び113S−1〜113S−Nが設けられ、2本のビーム間の光路長を合わせている。いずれか一方のビーム系(たとえばP系)に偏光ローテータ114−1〜114−Nが設けられて、伝搬光の偏光面が他方の系列の偏光に対して90°回転される。互いに直交する偏光は偏光合波器115−1〜115−Nで合成されて、N本の光ファイバ116−1〜116−Nに出力される。
図5は、回折格子カプラ110Pの構成例である。回折格子カプラ110Pとして、公知のシリコン導波路用の回折格子カプラを用いることができる。シリコンコアに周期構造を構成して、光学系151から投射された各波長の光を対応する光導波路109に結合する。ここでは、TEモードに結合すると仮定するが、TMモードに合わせて回路を構成してもよい。
回折格子カプラ110Pは、格子部110−Gとテーパ導波路110−Tを有する。回折格子カプラ110Pは、M個のセグメントまたは部分カプラ(110P−1〜110P−M)を含む。M個の部分カプラは、波長λ1から波長λMのそれぞれで最大の結合効率が得られるように、僅かに格子周期を変えている。部分カプラ110P−rは、対応する光スイッチ111P−r(r=1, 2, ..., M)に接続される。もう一つの系列の回折格子カプラ110Sも、回折格子カプラ110Pと同じ構成を有する。
図6は、光スイッチ111P−1の模式図である。光スイッチ111P−1は、1×N光スイッチであり、図6の例では、1入力6出力の構成をとっている。
光スイッチ111は、入力側の遅延回路117Aと、複数の1入力2出力の単位スイッチ118と、出力側の複数の遅延回路117Bを有する。単位スイッチ118の段数を変えることで出力数Nを所望の値に設定することができる。
入力側の遅延回路117Aは、部分カプラ110P−rから光スイッチ111P−rまでの光路長と、部分カプラ110S−rから光スイッチ111S−rまでの光路長を等しくする。
単位スイッチ118は、たとえば、TiNヒータ加熱によるマッハツェンダ(MZ)型の1×2光スイッチであり、スイッチング時間は約100μs(マイクロ秒)である。ヒータ加熱型光スイッチに替えて、キャリア注入型の光スイッチを用いてもよい。この場合、スイッチング時間が10ナノ秒程度の高速スイッチングが可能であるが、損失が若干大きくなる。
単位スイッチ118は、一般的に広帯域なので、すべて同一の設計でもよいが、良好な特性を得るためには、入力波長λ1〜λMに対して最適化した設計の光スイッチを利用してもよい。1入力N出力の光スイッチ111P−rに入力した光は、M入力1出力(M×1)のアレイ導波路回折格子112P−1〜112P−Nのいずれかに結合される。
光スイッチ111P−rの出力側の遅延回路117Bは、光スイッチ111P−rからアレイ導波路回折格子112P−qまでの光路長と、光スイッチ111S−rからアレイ導波路回折格子112S−qまでの光路長を等しくする。ここで、rは1〜Mまでの整数(r=1,2,…,M)、qは1〜Nまでの整数(q=1,2,…,N)である。
図7は、アレイ導波路回折格子112P−1の模式図である。光回路108に形成されるアレイ導波路回折格子112P−1〜112P−N、及び112S−1〜112S−Nはすべて同じ設計であり、以下では「アレイ導波路回折格子112」と総称する。アレイ導波路回折格子112は、M本の入力導波路119、2つのスラブ導波路120、スラブ導波路120間に延びるアレイ導波路121、及び1本の出力導波路122を有する。
M本の入力導波路119により、波長λ1〜λMの光が入力され、合波されて出力導波路122から出力される。一般に、シリコン導波路によるアレイ導波路回折格子は、クロストーク特性が悪いが、本実施例では合波部に利用するので問題とならない。
図4に戻って、アレイ導波路回折格子112P−1〜112P−Nは、遅延回路113P−1〜113P−Nと、偏光ローテータ114−1〜114−Nを介して、偏光合波器
115−1〜115−Nに接続される。伝搬光の伝搬モードは、偏光ローテータ114−1〜114−NによってTEモードからTMモードに変換される。偏光ローテータ114は、たとえば、導波路の一部をエッチングして断面に非対称構造を導入することで実現される。
一方、アレイ導波路回折格子112S−1〜112S−Nは、遅延回路113S−1〜113S−Nを介して偏光合波器115−1〜115−Nに接続される。遅延回路113P−1〜113P−N、及び遅延回路113S−1〜113S−Nは、アレイ導波路回折格子112P−qから偏光合波器115−qまでの光路長と、アレイ導波路回折格子112S−qから偏光合波器115−qまでの光路長を等しくする。
光学系151の偏光分離素子103で分離された対となる光成分が偏光合波器115−1〜115−Nによって合波され、出力用の光ファイバ116−1〜116−Nに結合される。
第1実施形態の波長選択光スイッチ100は、波長λ1から波長λMまでのM個の異なる波長の信号を波長ごとに異なるN本の出力ファイバに接続することが可能であり、1入力N出力、波長数Mの波長選択光スイッチとして機能する。
波長分離手段として、入力光学系151に配置される回折格子106を用いることでクロストークを低減し、スイッチング手段として光回路108に形成されたシリコン細線導波路の光スイッチ111を用いることで、高速スイッチングと光回路の小型化が実現される。また、スイッチングで同じ偏光面の光を扱うことで、偏光依存性を低減する。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の波長選択光スイッチ100BのYZ面内で見たときの模式図である。波長選択光スイッチ100BのXZ面内で見たときの構成は第1実施形態の図2Bと同じであり、図示を省略する。第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付けて、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、複数の光ファイバ101−1、101−2から光信号が波長選択光スイッチ100Bに入力される。図示及び説明の複雑化を避けるために、図8では入力側の光ファイバ101の数を2本にしているが、出力側の光ファイバ116の本数(N)以下であれば、何本の入力ファイバを接続してもよい。
光ファイバ101−1からの出力光と、光ファイバ101−2からの出力光の各々が、第1実施形態と同様に、レンズ102でコリメートされ、偏光分離素子103で互いに直交する2つの偏光成分に分離され、その一方の偏光面が1/2波長板105で回転されて同じ偏光面を有する2本の光ビームが生成される。各光ビームに含まれる複数の波長は回折格子106で分離され、レンズ107によって、光回路108B上の対応する回折格子カプラ110−1P、110−1S、110−2P、110−2Sに投射される。
図8では、入力側の光ファイバ101の数が2本なので、2対、4個の回折格子カプラ110が光回路108Bに形成されている。入力側の光ファイバ101の数がK本(K≦N)の場合は、2K個の回折格子カプラ110−1P〜110−KP、及び110−1S〜110−KSが光回路108Bに形成されている。
図9は、光回路108Bの構成例を示す。光回路108Bは、2M個のK入力N出力(K×N)の光スイッチ123P−1〜123P−M、及び123S−1〜123S−Mを有する。K=2(2入力)の例では、光スイッチ123P−rの入力に、一対の部分カプラ110−1P−rと110−2P−rの出力が接続され、光スイッチ123S−rの入力に、一対の部分カプラ110−1S−rと110−2S−rの出力が接続される。rは1〜Mの整数である(r=1,2,…,M)。K入力N出力の光スイッチ123として、K×Nマトリックススイッチなどの非閉塞型スイッチが利用される。
図10は、K=2、N=4の場合の光スイッチ123P−1の構成例である。光スイッチ123P−1は、入力側の2つの遅延回路117A、2つの1入力2出力の単位スイッチ118、2つの2入力2出力の光スイッチ124、及び出力側の4つの遅延回路117Bを有する。光スイッチ124はTiNヒータ制御されるMZ型2×2スイッチである。2つの単位スイッチ118と、2つの光スイッチ124を組み合わせて、2×4マトリックススイッチが形成される。
光スイッチ123P−r(r=1,2,…,M)のN個の出力は、N個のアレイ導波路回折格子112P−1〜112P−Nの入力に接続される。各アレイ導波路回折格子112P−q(q=1,2,…,N)は、M個の光スイッチ123Pからの入力を合成して、1つの出力を生成し、偏光回転の後に、対応する偏光合波器115−qに入力される。
光スイッチ123S−r(r=1,2,…,M)のN個の出力は、N個のアレイ導波路回折格子112S−1〜112S−Nの入力に接続される。各アレイ導波路回折格子112S−q(q=1,2,…,N)は、M個の光スイッチ123Sからの入力を合成して、1つの出力を対応する偏光合波器115−qに供給する。
偏光合波器115−1〜115−Nで合波された光は、出力用の光ファイバ116−1〜116−Nに結合される。
第2実施形態では、K組の波長λ1〜λMまでのM個の異なる波長の信号を、波長ごとに異なる出力ファイバに接続することが可能であり、K入力N出力、波長数Mの波長選択光スイッチ100Bとして機能する。
第2実施形態でも、各入力光の波長分離を光学系151Aに挿入された回折格子106で行ってクロストークを低減する。一方、スイッチングは光回路108Bにシリコン細線導波路で形成された光スイッチ123P−1〜123P−M、及び123S−1〜123S−Mで行って、高速動作と小型化を実現する。また、スイッチングで同じ偏光面の光を扱うことで偏光依存性を低減する。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の波長選択光スイッチ200をYZ面内で見たときの模式図、図12は、波長選択光スイッチ200をXZ面内でみたときの模式図である。第3実施形態では、波長分離用の光学系151に替えて、波長分離用の第2の光回路125とシリンドリカルレンズ126、及びレンズ107を用いる。
波長選択光スイッチ200は、2本の光ファイバ101−1と102からの入力光信号の方路を切り替える構成としているが、第1実施形態のように1本の光ファイバで入力されたWDM信号の方路の切り替える場合にも適用可能である。
波長選択光スイッチ200は、第2の光回路125、シリンドリカルレンズ126、レンズ107、及びスイッチング用の光回路208を有する。スイッチング用の光回路208を「第1の光回路」と呼んでもよい。
第2の光回路125は、低クロストークの分光を行うために、比屈折率差の小さい導波路、例えば石英導波路で形成されている。比屈折率差の典型的な値は、0.7%から2.5%である。
図12を参照すると、第2の光回路125は、入力側の光ファイバ101−1と101−2の各々に光学的に接続される接続用の導波路127を有する。導波路127の比屈折率差が0.7%の場合は、コアの幅と高さは6μm程度である。
第2の光回路125は、偏光分離/合波素子128−1と128−2(適宜、「偏光分離/合波素子128」と総称する)、偏光ローテータ129−1、129−2(適宜、「偏光ローテータ129」と総称する)、及びアレイ導波路回折格子130−1P、130−1S、130−2P、及び130−2S(適宜、「アレイ導波路回折格子130」と総称する)を有する。
偏光分離/合波素子128は、入力側の導波路127から入射する光をTE成分とTM成分に分離して、別々の導波路127に出力する。偏光分離/合波素子128は、たとえば、石英導波路でMZ干渉計を形成して導波路に溝を掘り、結晶軸の直交する1/4波長板を挿入して形成できる。偏光ローテータ129は、入射した光の偏光面を90度回転して出力する。偏光ローテータ129は、たとえば石英導波路に溝を掘り、1/2波長板をその結晶軸を基板面から45度回転して挿入して形成される。
アレイ導波路回折格子130−1P、130−1S、130−2P、及び130−2Sは同一の構造を有する。図12は、入力光ファイバの数がK=2のときの例であるが、K本の入力ファイバに対応して、アレイ導波路回折格子130−1P〜130−KPと、130−1S〜130−KSが配置される。
図13は、アレイ導波路回折格子130−P1の構成例である。アレイ導波路回折格子130−1Pは、入力導波路131、スラブ導波路132、及びアレイ導波路133を有する。第2の光回路125で用いられるアレイ導波路回折格子130は、通常のアレイ導波路回折格子と異なり、出力側のスラブ導波路を持たない1入力M出力アレイ導波路回折格子である。アレイ導波路133の各導波路は、スラブ導波路132との接続部から基板端までの光路長が、順番に一定長ずつ長くなる。そのため、入射光は、回折格子と同様に波長に依存して基板端から異なる方向に出射される。
出射光は、シリンドリカルレンズ126によってY方向への広がりが少ない光線にコリメートされ(図11参照)、レンズ107によって光回路208上の回折格子カプラ110−1P、110−1S、110−2P、110−2Sに結合される(図12参照)。
図14は、光回路208の構成例である。光回路208は、第2実施形態の光回路108B(図9参照)とレイアウトは異なるが、同一の機能素子で構成され、同一の機能を有する。光回路108Bは、比屈折率差が大きく屈折率制御が可能なシリコン細線導波路で形成され、高速のスイッチングが可能である。
第3実施形態の波長選択光スイッチ200は、K組の波長λ1〜λMのM個の異なる波長の信号を波長ごとに異なる出力ファイバに接続することが可能であり、K入力N出力、波長数Mの波長選択光スイッチとして機能する。
波長分離手段として、比屈折率差の小さいアレイ導波路回折格子130を用いてクロストークを低減し、スイッチング手段として、比屈折率差の大きなシリコン細線導波路の光スイッチ123を用いて高速動作と光回路の小型化を実現する。また、スイッチングで同じ偏光面の光を扱うことで偏光依存性を低減する。
[第4実施形態]
図15は、第4実施形態の波長選択光スイッチ300をYZ面内で見た模式図、図16は波長選択光スイッチ300をXZ面内で見た模式図である。第4実施形態では、第1実施形態の光回路108上のアレイ導波路回折格子112P−1〜112P−N、及び112S−1〜112S−Nを省き、代わりに、スイッチング用の光回路の外部にN個の第2の回折格子134を配置する。
光ファイバ101から出射した光は、レンズ102でコリメートされ、偏光分離素子103で偏光分離され、ガラス基板104及び1/2波長板105により同じ偏光面のビームとなる。回折格子106によって分光された光は、レンズ107により、スイッチング用の光回路308の回折格子カプラ110Pと110Sに投影される。ここまでの構成は第1実施形態と同じである。
光回路308は、回折格子カプラ140−1〜140−Nを有し、回折格子カプラ140−1〜140−NからY方向に偏光したN本の光ビーム対が出力される。N本の光ビーム対はレンズ107によって第2の回折格子134−1〜134−Nに投射され、各波長の光が合波される。第2の回折格子134−1〜134−Nのそれぞれの出力は、2本のビームとなり、一方が対応する1/2波長板135−q(qは1〜Nの整数)によってX方向に偏光した光に変換される。互いに直交する2つの偏光は、対応する偏光コンバイナ137−qによって偏光合成され、レンズ138−qによって集光され、光ファイバ139−qに結合する。
図17は、光回路308の構成例である。M個のセグメントを有する回折格子カプラ110Pの出力は、M個の1入力N出力の光スイッチ111P−1〜111P−Mの入力に接続される。M個のセグメントを有する回折格子カプラ110Sの出力は、M個の1入力N出力の光スイッチ111S−1〜111S−Mの入力に接続される。
光スイッチ111P−r(rは1〜Mの整数)のN個の出力は、回折格子カプラ140−1P〜140−NPの入力に接続され、対応するセグメント(部分カプラ)に入力される。同様に、光スイッチ111S−rのN個の出力は、回折格子カプラ140−1S〜140−NSの入力に接続され、対応するセグメントに入力される。
回折格子カプラ140は、Y方向に偏光した光を光回路308の外部に出力する。光回路308から出射された各波長の光が合波され、ビーム対の一方の偏光面が回転されて偏光合成されることは、上述したとおりである。
第4実施形態の波長選択光スイッチ300は、波長λ1〜λMのM個の異なる波長の信号を波長ごとに異なる出力ファイバ139−1〜139−Nに接続することが可能であり、1入力N出力、波長数Mの波長選択光スイッチとして機能する。
光回路308をスイッチング機能に特化して、M個の波長成分の合波を光回路308の外部の回折格子134−1〜134−Nで行うことで、光回路308を小型化することができる。
[第5実施形態]
図18は、第5実施形態の波長選択光スイッチ400をYZ面内で見たときの模式図、図19は、波長選択光スイッチ400をXZ面内で見たときの模式図である。第5実施形態は、第3実施形態と第4実施形態を組み合わせている。第3実施形態と同様に、比屈折率差の小さい第2の光回路150を用いて、波長分離を行い、第4実施形態と同様に、スイッチング用の光回路408の外部で各波長の光を合波して、出力用の光ファイバ142−1〜142−2に結合する。
図19では、図示と説明の簡単化のために、入力用の光ファイバ101の本数を1本、出力用の光ファイバの本数を2本にしているが、第3実施形態と同様に、複数入力の実施形態とすることもできし、出力数Nの値を3以上にしてもよい。
第2の光回路150は、波長分離用のアレイ導波路回折格子130P、130Sに加えて、波長合波用のアレイ導波路回折格子141−1P、141−1S、141−2P、及び141−2Sを有する。これらの波長分離及び波長合波のアレイ導波路回折格子は、比屈折率差の導波路で形成され、クロストークを低減している。
アレイ導波路回折格子130Pと130Sは、図13のアレイ導波路回折格子130−1Pと同じ構成である。波長合波用の回折格子141−1P〜141−NP(図19ではN=2)と、回折格子141−1S〜141−NS(N=2)も同じ構成である。
図20は、スイッチング用の光回路408の構成例である。それぞれがM個のセグメント(部分カプラ)を有する回折格子カプラ110Pと110Sに入射した光は、波長成分ごとに1入力N出力の光スイッチ111P−1〜111P−M、及び光スイッチ111S−1〜111S−Mに入射する。各光スイッチ111PのN個の出力(図20ではN=2)は、回折格子カプラ140−1Pと140−2Pの対応するセグメントに結合し、各光スイッチ111SのN個の出力(N=2)は、回折格子カプラ140−1S〜140−2Sの対応するセグメントに結合する。
図19に戻って、回折格子カプラ140−1P、140−1S、140−2P、及び140−2Sから光回路408の外部に出射された光は、レンズ107とシリンドリカルレンズ126を介して、第2の光回路150上のアレイ導波路回折格子141−1P〜141−NP、及び141−1S〜141−NSに結合され、各波長成分が合波される。
アレイ導波路回折格子141−1Pと141−2Pの出射光は偏光ローテータ129によって偏光面が90度回転され、それぞれアレイ導波路回折格子141−1Sと141−2Sからの出射光と偏光分離/合波素子128によって結合される。偏光分離/合波素子128からの出射光は、出力用の光ファイバ142−1と142−2に結合される。
第5実施形態では、波長λ1〜λMまでのM個の異なる波長の信号を、波長ごとに異なる出力ファイバに接続することが可能であり、1入力N出力、波長数Mの波長選択光スイッチが実現する。
スイッチング部は、比屈折率差の大きい光回路408で実現し、波長分離と合波を比屈折率の比較的小さい第2の光回路150で実現することで、クロストークを低減し、高速スイッチングを実現する。また、同一偏光面の光でスイッチング処理することで、偏光依存性を低減する。
以上述べたように、従来技術では、MEMSミラーやLCOSをスイッチングエンジンに用いているが、どちらも偏向角が小さい。また、光ビームの位置変化は偏向角×伝搬距離で表されることから、波長選択光スイッチが不可避的に大きくなる。
本発明においては、光ビームの位置変化は、光スイッチの特性と無関係に、入出力の回折格子カプラ110、140の位置によって自由に設定することが可能であり、波長選択光スイッチを小型に構成することが可能になる。
第3及び第5実施形態のように、分光にアレイ導波路回折格子130を用いることで、基板に溝を掘って作製する通常の回折格子を利用するよりも、さらに、小型化することができる。回折格子カプラ110,140は、大きさと中心波長の異なる複数の部分カプラ(セグメント)で形成することができるので、回折格子の分光特性に合わせて等周波数間隔に分割して光信号を取り出すなど、構成の自由度が高い。
従来のMEMSミラーやLCOSのラー寸法や画素寸法は、均一な特性を得るために全て等しい。このため、信号光を等周波数間隔に分光することが難しい。また、従来のMEMSミラーやLCOSによるスイッチの動作速度は、ミリ秒以上であるのに対して、本発明では、半導体光スイッチを利用するので、熱光学効果を利用する場合で100マイクロ秒、キャリアプラズマ効果を利用する場合でナノ秒オーダの高速スイッチングが可能である。
従来構成では、分光と合波の光学系が完全に共有されているため、別々に最適な配置とすることができず、位置合わせも困難である。本発明の第1〜第3の実施形態では、分光の光学系のみ位置調整をすればよいので、組み立てが容易である。
従来構成では、複数入力の波長選択光スイッチを構成するためには、MEMSミラーやLCOSを多段に接続する必要があり、光学系がさらに大型化・複雑化して組み立てが困難になり、付随的に損失やクロストークが増大する。本発明では、光導波路によるマトリックス光スイッチを利用するので、組み立てが困難になることはない。
従来の集積型の光スイッチ構成では、モノリシックに分光用のアレイ導波路回折格子、光スイッチ、合波用アレイ導波路回折格子をすべて集積している。光導波路の有効屈折率は、導波路コア寸法に依存するので、作製の誤差や揺らぎによって、光導波路の屈折率が変動する。この変動量は導波路の比屈折率差が大きくなるほど顕著となる。この揺らぎが大きくなるとアレイ導波路回折格子の分光特性が悪くなり、クロストークが大きくなる。
上述のように、光回路を小型化し、熱光学効果による光スイッチの動作速度を速くするためには、導波路コア寸法が小さく比屈折率差の大きい光導波路を利用する必要がある。モノリシックに全ての素子を集積した波長選択光スイッチでは、分光特性を良くすることと、小型化・高速化することがトレードオフの関係にある。例えば、石英導波路を用いて作製すると、分光特性は良好でクロストークを−40dB以下にできるが、40チャネルで1入力4出力の波長選択光スイッチの寸法は10cm×10cm程度となり、スイッチング時間も10ミリ秒程度となる。
一方、シリコン導波路を用いると、40チャネルで1入力4出力の波長選択光スイッチの寸法は1cm×1cm程度であり、スイッチング時間も100マイクロ秒程度となるが、クロストークは−15dBと高い。
本発明では、分光または波長分離に通常の回折格子、あるいは石英導波路などの低比屈折率差の導波路によるアレイ導波路回折格子を用いることで、クロストークを−40dB以下にすることができる。同時に、光スイッチにはシリコン光導波路を利用することで、スイッチング時間も100マイクロ秒以下とすることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、2以上の実施形態を組み合わせることも可能である。たとえば、第2〜第5実施形態のいずれにおいても、図3のように、集光用のレンズ107とスイッチング用の光回路の間にプリズム107−Pを挿入して、回折格子カプラとの結合効率を高めてもよい。
100、100A、100B、200、300、400:波長選択光スイッチ、
101,101−1、101−2:入力用の光ファイバ、
102:レンズ、103:偏光分離素子、104:ガラス基板、105:1/2波長板、106:回折格子、107:レンズ(集光レンズ)、107−P:プリズム、
108、108B、208、308、408:光回路(第1の光回路)、
110P、110S:回折格子カプラ、
110P−1〜110P−M、110S−1〜110S−M:部分カプラ、
111、111P−1〜111P−M、111S−1〜111S−M:1入力N出力の光スイッチ、
112P−1〜112P−N、112S−1〜112S−N:M入力1出力のアレイ導波路回折格子、
113P-1〜113P-N:遅延回路、113S-1〜113S-N:遅延回路、
114−1〜114−N,129:偏光ローテータ、
115−1〜115−N:偏光合波器、
116−1〜116−N:出力用の光ファイバ、
117A、117B:遅延回路、
123P−1〜123P−M、123−1〜123S−M:K入力N出力の光スイッチ、
124:MZ型の2×2光スイッチ、
125、150:光回路(第2の光回路)、
126:シリンドリカルレンズ、128:偏光分離/合波素子、
130−1P〜130−KP、130−1S〜130−KS:アレイ導波路回折格子、
134−1〜134−N:第2の回折格子、
140−1P〜140−NP、140−1S〜140−NS:第2の回折格子カプラ、
141−1P〜141−NP、141−1S〜141−NS:第2のアレイ導波路回折格子

Claims (11)

  1. 入力光信号を同一の偏光面を有する2つの光成分に分離する光学部品と、
    回折格子または第1の比屈折率差を有するアレイ導波路回折格子を用いて、前記2つの光成分の各々に含まれるM個の波長(Mは2以上の整数)を分離する波長分離手段と、
    前記波長分離手段の出力に光学的に接続され、前記2つの光成分の各々をN個(Nは2以上の整数)の方路に切り替えるスイッチング手段を有する第1の光回路と、
    前記N個の方路の各々について、前記M個の波長を合波する合波器と、
    前記N個の方路の各々について前記2つの光成分の一方の偏光面を90度回転させた後に前記2つの光成分を合波する偏光合波手段と、
    を有し、
    前記第1の光回路は、前記第1の比屈折率差よりも大きい第2の比屈折率差の光導波路で形成されており、前記2つの光成分の各々に結合する2個の回折格子カプラと、前記回折格子カプラの出力に接続される2M個のN出力光スイッチと、
    を有することを特徴とする波長選択光スイッチ。
  2. 前記波長分離手段は、前記2つの光成分のそれぞれを前記M個の波長に分光する前記回折格子であり、
    前記回折格子で分光された前記2つの光成分は、集光レンズを介して前記第1の光回路の前記回折格子カプラに結合されることを特徴とする請求項1に記載の波長選択光スイッチ。
  3. 前記波長分離手段は、前記第1の比屈折率差の導波路を有する第2の光回路に形成された2個の1入力M出力アレイ導波路回折格子であり、
    2個の前記1入力M出力アレイ導波路回折格子から出射された前記2つの光成分は、シリンドリカルレンズと集光レンズによって、前記第1の光回路の前記回折格子カプラに結合されることを特徴とする請求項1に記載の波長選択光スイッチ。
  4. 前記光学部品は、前記回折格子の前段に配置されて、入力光ファイバから出力される前記入力光信号を互いに直交する2つの偏光に分離する偏光分離素子と、前記2つの偏光の一方の偏光面を90度回転させる偏光回転手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の波長選択光スイッチ。
  5. 前記光学部品は前記第2の光回路に形成され、前記1入力M出力アレイ導波路回折格子の前段で前記入力光信号を互いに直交する2つの偏光に分離する偏光分離素子と、前記2つの偏光の一方の偏光面を90度回転させる偏光回転手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の波長選択光スイッチ。
  6. 前記合波器は前記第1の光回路に形成され、前記N出力光スイッチのN個の出力の各々に接続される2N個のM入力1出力アレイ導波路回折格子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長選択光スイッチ。
  7. 前記合波器は前記第2の光回路に形成される2N個のM入力1出力アレイ導波路回折格子であり、
    前記第1の光回路は、前記N出力光スイッチのN個の出力の各々に接続されて前記N出力光スイッチから出力される光を前記第2の光回路の前記M入力1出力アレイ導波路回折格子に結合させる2N個の第2の回折格子カプラを有することを特徴とする請求項3に記載の波長選択光スイッチ。
  8. 前記偏光合波手段は前記第1の光回路に形成され、対を成す2つの前記M入力1出力アレイ導波路回折格子の一方の出力に接続されるN個の偏光ローテータと、前記偏光ローテータの出力、及び前記対を成す2つの前記M入力1出力アレイ導波路回折格子の他方の出力に接続されるN個の偏光合波器を有することを特徴とする請求項6に記載の波長選択光スイッチ。
  9. 前記偏光合波手段は前記第2の光回路に形成され、対を成す2つの前記M入力1出力アレイ導波路回折格子の一方の出力に接続されるN個の偏光ローテータと、前記偏光ローテータの出力、及び前記対を成す2つの前記M入力1出力アレイ導波路回折格子の他方の出力に接続されるN個の偏光合波器を有することを特徴とする請求項7に記載の波長選択光スイッチ。
  10. 前記波長分離手段と前記第1の光回路の間に挿入されて、前記回折格子カプラへの入射角を制御するプリズム、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の波長選択光スイッチ。
  11. K本の入力光ファイバから(Kは1以上、N以下の整数)、前記波長選択光スイッチにK個の前記入力光信号が入力され、
    前記第1の光回路は、2K個の前記回折格子カプラと、2M個のK入力N出力光スイッチを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の波長選択光スイッチ。
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