JP2019191269A - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】目視観察とカメラ観察の両方で広い視野に渡って高い軸外性能を実現する技術を提供する。【解決手段】対物レンズ1は、20倍以下の倍率の乾燥系の顕微鏡対物レンズで、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる。第1〜第2レンズ群G1〜G2は、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。対物レンズ1は、以下の条件式を満たす。1.4≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦2.3(1)0≦WCRMS(Fiy)≦0.1λd(但し、0≦Fiy≦0.7)(2)式中、Wzは物体高比に依存する関数、物体高比におけるd線に対するRMS波面収差が最小となる縦位置であるd線最適位置の関数、DOFdはd線に対する焦点深度、WCRMSは物体高比に依存する関数、d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差の関数、Fiyは前記物体高比、λdは前記d線の波長である。【選択図】図1

Description

本明細書の開示は、顕微鏡対物レンズに関し、特に、乾燥系の顕微鏡対物レンズに関する。
近年、生物顕微鏡分野において広視野と高分解能とを両立した顕微鏡装置への期待が高まっている。そのような顕微鏡装置には、高い開口数(以降、NAと記す)を有し、かつ広視野に渡って高い収差性能を実現した対物レンズが求められる。また、観察時における作業性を考慮すると、対物レンズは乾燥系対物レンズであることが望ましい。
特許文献1には、4−10倍の対物レンズであり、可視域から近赤外域までの良好な結像性能を有する顕微鏡対物レンズが記載されている。特許文献2には、カメラ観察において、広視野に渡る高い収差性能を有する顕微鏡対物レンズが記載されている。
特開2006−65023号公報 特開2010−186162号公報
広視野に渡る高い収差性能は、目視観察とカメラ観察の両方で実現されることが望ましい。しかしながら、目視観察で使用される接眼レンズは、一般に、軸外が物体側に向かって倒れる形状の像面湾曲を有している。このため、接眼レンズを使用する目視観察と、接眼レンズを使用しないカメラ観察の両方で、高い収差性能を実現することは難しい。
例えば、上述した特許文献1及び特許文献2に記載されている対物レンズでは、目視観察とカメラ観察の一方において高いフラットネスが実現される一方で、他方においては、像面湾曲が十分に補正されない。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、目視観察とカメラ観察の両方で広い視野に渡って高い軸外性能を実現する技術を提供することである。
本発明の一態様に係る顕微鏡対物レンズは、20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群からなる。前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たす。
1.4≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦2.3 (1)
0≦WCRMS(Fiy)≦0.1λd (但し、0≦Fiy≦0.7) (2)
ここで、Wzは物体高比に依存する関数であって、前記物体高比におけるd線に対するRMS波面収差が最小となる縦位置であるd線最適位置の関数である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。WCRMSは前記物体高比に依存する関数であって、前記d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差の関数である。Fiyは前記物体高比である。λdは前記d線の波長である。
本発明の別の態様に係る顕微鏡対物レンズは、20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群からなる。 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たす。
0≦FCY(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (4)
-3≦(FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd≦3 (5)
ここで、FCYは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対する像面湾曲である。FCYCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるC線に対する像面湾曲である。FCYFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対する像面湾曲である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。Fiyは前記物体高比である。
本発明の更に別の態様に係る顕微鏡対物レンズは、20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群からなる。 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。前記顕微鏡対物レンズは、以下の条件式を満たす。
-1.1≦MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (8)
-1.2≦ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd≦1.2 (但し、0≦Fiy≦0.8) (9)
ここで、MTFmpeakは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。Fiyは前記物体高比である。MTFmpeakCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるC線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。前記d線に対する前記MTF、前記C線に対する前記MTF、及び、前記F線に対する前記MTFは、エアリーディスク半径に対応する空間周波数である基準空間周波数におけるMTFである。aveは平均化関数である。
上記の態様によれば、目視観察とカメラ観察の両方で広い視野に渡って高い軸外性能を実現する技術を提供することができる。
本発明の実施例1に係る対物レンズ1の断面図である。 図1に示す対物レンズ1の収差図である。 本発明の実施例2に係る対物レンズ2の断面図である。 図3に示す対物レンズ2の収差図である。 本発明の実施例3に係る対物レンズ3の断面図である。 図5に示す対物レンズ3の収差図である。
以下、本願の一実施形態に係る対物レンズについて説明する。対物レンズは、結像レンズと組み合わせて使用される無限遠補正型の顕微鏡対物レンズである。対物レンズは、標本Sと対物レンズの間に空気を介在させた状態で標本Sを観察するときに用いられる、いわゆる乾燥系対物レンズである。より詳細には、対物レンズは、焦点距離180mmの結像レンズとの組み合わせで20倍以下の倍率を有する乾燥系対物レンズである。これにより、広い視野と高い作業性を利用者に提供する。また、対物レンズは、接眼レンズを用いた目視観察と撮像装置を用いたカメラ観察との両方で、広い視野に渡って高い軸外性能を実現することができる。以下、対物レンズの構成について詳細に説明する。
対物レンズは、2群構成を有する。対物レンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、第2レンズ群からなる。第1レンズ群と第2レンズ群は、それぞれ正の屈折力を有し、互いに凹面を向かい合わせて配置されている。第1レンズ群と第2のレンズ群の境界は、この特徴によって特定することができる。
第1レンズ群は、物体面から発生した高いテレセントリック性を有する発散光を、軸外の主光線の角度を変えながら、一旦平行光若しくは収斂光に変換し、その後、発散光に変換してから、第2レンズ群に入射させる。第2レンズ群は、第1レンズ群から入射した発散光を、平行光に変換して出射する。
以上のように構成された対物レンズでは、物点からの発散光は、第1レンズ群内で一度平行光若しくは収斂光に変換される。その後から発散光に変換されて、さらに第2レンズ群から平行光として出射される。このように、対物レンズは、光線を上げ下げすることによってペッバール和をはじめとした各種収差を補正する。
対物レンズは、条件式(1)及び条件式(2)を満たしている。
1.4≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦2.3 (1)
0≦WCRMS(Fiy)≦0.1λd (但し、0≦Fiy≦0.7) (2)
但し、Wzは物体高比に依存する関数であって、物体高比におけるd線に対するRMS波面収差が最小となる縦位置(以降、d線最適位置と記す。)の関数である。DOFdはd線に対する焦点深度である。WCRMSは物体高比に依存する関数であって、d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差の関数である。Fiyは物体高比である。λdはd線の波長である。
関数Wzは、逆光線追跡を行うことによって算出可能な対物レンズの物体側の位置の関数であり、像側から物体側に向かう方向が正として定義されている。なお、波面収差は、参考文献“M. Born and E. Wolf, “Principles of optics: electromagnetic theory or propagation, Interference and Diffraction of Light", Sixth Edition (Pergamon Press, 1993)”に示されるように、射出瞳面における参照球面と波面との光路長差Φで表される。RMS波面収差は、射出瞳面において、その光路長差Φに対して二乗平均平方根を取ることによって算出される。焦点深度DOFdは、d線の波長λdと対物レンズの物体側の開口数NAを用いて、λd/(2×NA2)で算出される。物体高比Fiyは、最大物体高に対する注目する物体高の比である。最大物体高は、顕微鏡装置の視野数FNと対物レンズの倍率βを用いて、(FN/β)/2で算出される。
条件式(1)は軸上と最軸外における波面収差が良好に補正される縦位置(光軸方向の位置)の違いを表した式であり、像面湾曲について規定している。条件式(1)では、対物レンズの開口数によらず像面湾曲の大きさを評価するため、縦位置の差を焦点深度で割った値が用いられている。
(Wz(1)-Wz(0))/DOFdが正の値をとることによって、接眼レンズで生じる収差(像面湾曲)を補正することができる。特に、条件式(1)の下限値以上であれば、接眼レンズで生じる収差(像面湾曲)を十分に補正することができる。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することができる。また、(Wz(1)-Wz(0))/DOFdが条件式(1)の上限値以下であれば、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎない。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察においても高い軸外性能を実現することができる。
条件式(2)はd線に対して波面収差が良好に補正された位置におけるC線に対する波面収差を表した式である。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0から0.7の範囲で条件式(2)を満たしている。
WCRMS(Fiy)は二乗平均平方根のため、必ず0以上の値となる。WCRMS(Fiy)が条件式(2)の上限値以下であれば、d線の像面とC線の像面が大きく乖離しない。このため、白色観察においても、フラットネスが劣化せず、良好な観察が実現できる。
以上のように、対物レンズは、上述した条件式(1)及び条件式(2)を満たすことによって、目視観察とカメラ観察の両方で広い視野に渡って高い軸外性能を実現することができる。
なお、対物レンズが目視観察において特に頻繁に使用される低倍の対物レンズである場合には、条件式(1)の代わりに条件式(1−1)を満たしてもよい。これにより、目視観察においてさらに高い軸外性能を実現することができる。低倍とは、例えば、4-10倍程度の倍率をいう。
2.0≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦2.3 (1−1)
また、対物レンズが目視観察とカメラ観察の両方で使用される中倍の対物レンズである場合には、条件式(1)の代わりに条件式(1−2)を満たしてもよい。これにより、カメラ観察において、さらに高い軸外性能を実現することができる。中倍とは、例えば、10-20倍程度の倍率をいう。
1.4≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦1.7 (1−2)
対物レンズは、さらに、以下の条件式(3)を満たしてもよい。
0≦WFRMS(Fiy)≦0.2λd (但し、0≦Fiy≦0.7) (3)
但し、WFRMSは物体高比に依存する関数であって、d線最適位置おけるF線に対するRMS波面収差の関数である。
条件式(3)はd線に対して波面収差が良好に補正された位置におけるF線に対する波面収差を表した式である。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0から0.7の範囲で条件式(3)を満たしている。
WFRMS(Fiy) は二乗平均平方根のため、必ず0以上の値となる。 WFRMS(Fiy)が条件式(3)の上限値以下であれば、d線の像面とF線の像面が大きく乖離していない。このため、白色観察においても、フラットネスが劣化せず、良好な観察が実現できる。
対物レンズは、条件式(1)及び条件式(2)に加えて、又は、条件式(1)及び条件式(2)の代わりに、以下の条件式(4)及び条件式(5)を満たしてもよい。
0≦FCY(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (4)
-3≦(FCYC(Fiy)-FCYF(Fiy))/DOFd≦3 (5)
但し、FCYは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対する像面湾曲の関数である。FCYCは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるC線に対する像面湾曲の関数である。FCYFは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるF線に対する像面湾曲の関数である。関数FCY、関数FCYC、関数FCYFは、逆光線追跡を行うことによって算出可能な対物レンズの物体側における像面湾曲の関数であり、像側から物体側に向かう方向が正として定義されている。
条件式(4)はメリディオナル面におけるd線に対する像面湾曲を表した式である。条件式(4)では、対物レンズの開口数によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲を焦点深度で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0.2から1の範囲で条件式(4)を満たしている。
FCY(Fiy)/DOFdが条件式(4)の下限値以上であれば、接眼レンズで生じる収差(像面湾曲)を補正することができる。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することができる。また、FCY(Fiy)/DOFdが条件式(4)の上限値以下であれば、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎない。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察においても高い軸外性能を実現することができる。
条件式(5)はメリディオナル面におけるC線に対する像面湾曲とメリディオナル面におけるF線に対する像面湾曲の違いを表した式である。条件式(5)では、対物レンズの開口数によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲の差を焦点深度で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0から1の範囲で条件式(5)を満たしている。
(FCYC(Fiy)-FCYF(Fiy))/DOFdが条件式(5)の下限値以上で上限値以下であれば、C線に対する像面湾曲とF線に対する像面湾曲は大きく異ならないため、色収差が良好に補正される。このため、白色観察においても、フラットネスが劣化せず、良好な観察が実現できる。
なお、対物レンズは、条件式(4)の代わりに条件式(4−1)を満たしてもよい。これにより、カメラ観察においてさらに高い軸外性能を実現することができる。
0≦FCY(Fiy)/DOFd≦4 (但し、0.2≦Fiy≦1) (4−1)
また、対物レンズは、条件式(5)の代わりに条件式(5−1)を満たしてもよい。これにより、白色観察において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
-2.0≦(FCYC(Fiy)-FCYF(Fiy))/DOFd≦2.7 (5−1)
対物レンズは、さらに、以下の条件式(6)又は条件式(7)の少なくとも一方を満たしてもよい。
0≦FCX(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (6)
1≦(FCY(Fiy)+FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (7)
但し、FCXは物体高比に依存する関数であって、サジタル面におけるd線に対する像面湾曲の関数である。関数FCXは、逆光線追跡を行うことによって算出可能な対物レンズの物体側における像面湾曲の関数であり、像側から物体側に向かう方向が正として定義されている。
条件式(6)はサジタル面におけるd線に対する像面湾曲を表した式である。条件式(6)では、対物レンズの開口数によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲を焦点深度で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0.2から1の範囲で条件式(6)を満たしている。
FCX(Fiy)/DOFdが条件式(6)の下限値以上であれば、接眼レンズで生じる収差(像面湾曲)を補正することができる。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することができる。また、FCX(Fiy)/DOFdが条件式(6)の上限値以下であれば、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎない。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察においても高い軸外性能を実現することができる。
条件式(7)はd線に対する像面湾曲の平均を表した式である。条件式(7)では、対物レンズの開口数及び物体高によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲の平均を焦点深度と物体高比の二乗との積で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0.2から1の範囲で条件式(7)を満たしている。
(FCY(Fiy)+FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2)が条件式(7)の下限値以上であれば、接眼レンズで生じる収差(像面湾曲)を補正することができる。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することができる。また、(FCY(Fiy)+FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2)が条件式(7)の上限値以下であれば、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎない。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察においても高い軸外性能を実現することができる。
なお、対物レンズは、条件式(6)の代わりに条件式(6−1)を満たしてもよい。これにより、カメラ観察においてさらに高い軸外性能を実現することができる。
0≦FCX(Fiy)/DOFd≦3 (但し、0.2≦Fiy≦1) (6−1)
また、対物レンズは、条件式(7)の代わりに条件式(7−1)を満たしてもよい。これにより、目視観察とカメラ観察の両方において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
1.5≦(FCY(Fiy)+FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2)≦4.5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (7−1)
対物レンズは、条件式(1)及び条件式(2)に加えて、又は、条件式(1)及び条件式(2)の代わりに、以下の条件式(8)及び条件式(9)を満たしてもよい。
-1.1≦MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (8)
-1.2≦ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd≦1.2 (但し、0≦Fiy≦0.8) (9)
但し、MTFmpeakは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakCは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるC線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakFは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるF線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。aveは平均化関数である。
なお、MTFmpeak、MTFmpeakC、MTFmpeakFは、逆光線追跡を行うことによって算出可能な対物レンズの物体側の位置の関数であり、物体高比0における縦位置を原点とし、像側から物体側に向かう方向が正として定義されている。d線に対するMTF、C線に対するMTF、及び、F線に対するMTFは、エアリーディスク半径に対応する空間周波数(以降、基準空間周波数Freqと記す。)におけるMTFである。基準空間周波数Freqは、エアリーディスク径(直径)Airyを用いて、0.5/Airyで算出される。エアリーディスク径Airyは、d線の波長λdと対物レンズの物体側の開口数NAとを用いて、0.61λd/NAで算出される。
条件式(8)は、メリディオナル面におけるd線に対する像面湾曲を表した式である。集光位置の代わりにMTFで像面湾曲を表した点が、条件式(4)とは異なっている。条件式(8)では、対物レンズの開口数及び物体高によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲を焦点深度と物体高比の二乗との積で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0.2から1の範囲で条件式(8)を満たしている。
MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)が条件式(8)の下限値未満であると、接眼レンズで生じる像面湾曲が支配的になってしまう。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。また、MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)が条件式(8)の上限値を上回ると、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎる。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。
条件式(9)はC線に対する像面湾曲とF線に対する像面湾曲の平均を表した式であり、像面湾曲は集光位置の代わりにMTFで表されている。条件式(9)では、対物レンズの開口数によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲を焦点深度で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0から0.8の範囲で条件式(9)を満たしている。
ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFdが条件式(9)の下限値以上で上限値以下であれば、色毎の像面が大きく乖離することないため。色収差が良好に補正される。このため、白色観察においても、フラットネスが劣化せず、良好な観察が実現できる。
なお、対物レンズは、条件式(8)の代わりに条件式(8−1)を満たしてもよい。これにより、目視観察とカメラ観察の両方において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
-1.1≦MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦2.7 (但し、0.2≦Fiy≦1) (8−1)
また、対物レンズは、条件式(9)の代わりに条件式(9−1)を満たしてもよい。これにより、白色観察において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
-1.2≦ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd≦0.8 (但し、0≦Fiy≦0.8) (9−1)
対物レンズは、さらに、以下の条件式(10)を満たしてもよい。
-1.1≦MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (10)
但し、MTFspeakは物体高比に依存する関数であって、サジタル面におけるd線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。なお、MTFspeakは、逆光線追跡を行うことによって算出可能な対物レンズの物体側の位置の関数であり、物体高比0における縦位置を原点とし、像側から物体側に向かう方向が正として定義されている。d線に対するMTFは、基準空間周波数FreqにおけるMTFである。
条件式(10)は、サジタル面におけるd線に対する像面湾曲を表した式である。集光位置の代わりにMTFで像面湾曲を表した点が、条件式(6)とは異なっている。条件式(10)では、対物レンズの開口数及び物体高によらず像面湾曲の大きさを評価するため、像面湾曲を焦点深度と物体高比の二乗との積で割った値が用いられている。なお、対物レンズは、物体高比Fiyが0.2から1の範囲で条件式(10)を満たしている。
MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)が条件式(10)の下限値未満であると、接眼レンズで生じる像面湾曲が支配的になってしまう。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。また、MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)が条件式(10)の上限値を上回ると、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎる。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。
なお、対物レンズは、条件式(10)の代わりに条件式(10−1)を満たしてもよい。これにより、目視観察とカメラ観察の両方において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
-1.1≦MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦3.1 (但し、0.2≦Fiy≦1) (10−1)
対物レンズの第2レンズ群は、最も像側に、単レンズ(以降、最終レンズと記す。)を含むことが望ましく、その場合、対物レンズは、条件式(11)を満たすことが望ましい。但し、Rは最終レンズの像側のレンズ面の曲率半径である。
-15mm≦R≦-10mm (11)
条件式(11)を満たす曲率の高い単レンズにおいて対物レンズ内の他のレンズで発生した像面湾曲とは逆方向の像面湾曲を発生させることによって、対物レンズは、逆光線追跡を行った場合に、物体側に凹形状を向けた像面湾曲を持つことになる。Rが条件式(11)の下限値を下回ると、接眼レンズで生じる像面湾曲が支配的になってしまう。このため、目視観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。Rが条件式(11)の上限値を上回ると、対物レンズで生じる収差(像面湾曲)が大きくなりすぎる。このため、接眼レンズを用いないカメラ観察において高い軸外性能を実現することが困難になる。
なお、対物レンズは、条件式(11)の代わりに条件式(11−1)を満たしてもよい。これにより、目視観察とカメラ観察の両方において、さらに高い軸外性能を実現することができる。
-14.1mm≦R≦-10.5mm (11−1)
また、対物レンズは、3つ以上の接合レンズを含んでもよい。これにより、C線とF線の軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することができる。また、対物レンズは、2つ以上の接合レンズを含み、その2つ以上の接合レンズのうちの少なくとも1つは、3枚接合レンズであってもよい。この場合も、C線とF線の軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することができる。
以下、対物レンズのさらに望ましい構成の一例について説明する。
第2レンズ群は、物体側から順に、全体として負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ成分と、接合レンズと、正の屈折力を有する単レンズからなることが望ましい。また、接合レンズは、例えば、正レンズと負レンズからなる2枚接合レンズであることが望ましい。この場合、第2レンズ群は、第1レンズ群から入射した発散光を、軸上色収差、軸外のコマ収差及び非点収差を補正しながら、平行光に変換してから出射することができる。なお、全体として負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ成分は、光線高を上げて開口数を拡大する役割を、主に担っている。また、接合レンズは、軸上色収差を補正する役割を、主に担っている。また、単レンズは、発散光を平行光に変換する役割を、主に担っている。レンズ成分とは、単レンズ、接合レンズを問わず、物点からの光線が通るレンズ面のうち物体側の面と像側の面の2つの面のみが空気(又は浸液)と接する一塊のレンズブロックのことである。
さらに、対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大であることが望ましい。そのような構成は、対物レンズ内における光線の屈折角を抑制することができるため、軸上色収差を抑えること、且つ、軸外性能が軸上性能と比べて著しく劣化すること、を防止することが可能な構成となっている。
以上の構成を有する対物レンズは、条件式(12)を満たすことが望ましい。
-0.38 ≦ FS/FC ≦ 0.38 (12)
但し、FCは、第2レンズ群に含まれる接合レンズのd線に対する焦点距離である。FSは、第2レンズ群に含まれている単レンズのd線に対する焦点距離である。なお、この単レンズは、接合レンズの像側に配置されている。
FS/FCが下限値を下回らないことによって、軸上色収差を良好に補正し、かつ軸外のコマ収差及び非点収差を良好に補正することができる。より詳細には、接合レンズが低い負の屈折力を持つことによって、他のレンズにおいて発生する軸上色収差を補正することが可能となる。また、単レンズが高い屈折力を持つことによって、対物レンズ内部において、軸外の光線の角度を、緩やかに変化させて、軸外のコマ収差及び非点収差を良好に補正することが可能となる。また、FS/FCが上限値を上回らないことによって、他のレンズにおいて過剰に補正した軸上色収差を、接合レンズが持つ低い正の屈折力によって逆方向に補正することができる。
対物レンズは、条件式(12)を満たすことによって、軸上色収差と軸外収差を良好に補正することができる。
以下、対物レンズのさらに望ましい構成の別の一例について説明する。
第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた接合レンズ(以降、第1接合レンズと記す。)と、正の屈折力を有する単レンズ(以降、第1単レンズと記す。)と、像側に凹面を向けた接合レンズ(以降、第2接合レンズと記す。)と、を含むことが望ましい。また、第2レンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた接合レンズ(以降、第3接合レンズと記す。)と、正の屈折力を有する単レンズ(以降、第2単レンズと記す。)と、を含むことが望ましい。この場合、第1接合レンズ、第2接合レンズ、第3接合レンズの各々は、正レンズと負レンズを1枚ずつ組み合わせた2枚接合レンズであることが望ましい。
以上のように構成された対物レンズでは、物点からの発散光は、第1レンズ群内で一度収斂光に変換される。その後から発散光に変換されて、さらに第2レンズ群から平行光として出射される。このように、対物レンズは、光線を上げ下げすることによってペッバール和をはじめとした各種収差を補正することができる。
第1接合レンズと第2接合レンズは、第1レンズ群中の、光線高の変化が大きく、且つ、軸上マージナル光線高が高い領域に配置されている。このような領域に接合レンズではなく単レンズを用いると、各レンズ面で光線を大きく曲げることになるため、軸上色収差をはじめとする諸収差が大きく発生することになる。このため、対物レンズ全体で収差を良好に補正することが難しくなる。これに対して、対物レンズでは、第1接合レンズと第2接合レンズを配置することによって、光線を緩やかに曲げることができる。このため、対物レンズ全体で軸上色収差、球面収差等の諸収差を良好に補正することができる。特に、第1接合レンズは軸外光線も緩やかに曲げていることから、コマ収差、倍率色収差に対して強い補正作用を有している。
第3接合レンズは、第2レンズ群中の、光線高の変化が緩やかであり、且つ、軸上マージナル光線高が高い領域に配置されている。光線高の変化が緩やかな領域に第3接合レンズが配置されていることによって、球面収差、コマ収差への影響を抑えながら、主に軸上色収差を補正することができる。また、第1レンズ群で生じた像面湾曲、歪曲収差等も補正することができる。仮に、第3接合レンズの代わりに単レンズが用いたとすると、各レンズ面で光線を大きく曲げることになる。このため、軸上色収差、球面収差、コマ収差、像面湾曲等の諸収差が大きく発生することになり、レンズ全体として良好な収差補正が困難になる。
以上のような構成を有する対物レンズは、以下の条件式(13)から条件式(15)を満たすことが望ましい。
0.31≦NA<1 (13)
2.2≦H/f≦3.3 (14)
0<a/b≦1.2 (15)
但し、NAは対物レンズの物体側の開口数である。fは対物レンズのd線に対する焦点距離である。Hは物体面から第2レンズ群の最も像側のレンズ面(即ち、対物レンズの最終面)までの距離である。aは第1レンズ群の空気間隔距離の総和である。第1レンズ群の空気間隔距離とは、第1レンズ群に含まれる、隣り合ったレンズ面の間の距離のうち、レンズ面の間が空気で満たされているものをいう。bは第2接合レンズに含まれる負レンズの厚さである。なお、a,Hは、いずれも対物レンズの光軸上における距離であり、bは、対物レンズの光軸上における厚さである。
条件式(13)は解像力と明るさの適用範囲を規定するものである。対物レンズは乾燥系対物レンズであるため、NA<1である。また、NAが0.31未満であれば、解像力の低下と像の明るさ不足が生じやすい。特に蛍光観察時には、細胞毒性を抑えるために限られた照明光量下で観察が行われることから、明るさ不足が特に顕著に生じやすい。
条件式(14)は対物レンズの倍率と同焦点距離の適用範囲を規定するものである。同焦点距離がある程度制約されることを考慮すると、H/fが2.2未満まで低下すると、倍率が小さくなり、その結果、視野が広くなりすぎる。このため、物体側に凹面を向けた第1接合レンズを配置することが困難となる。また、H/fが3.3を上回ると、倍率が高くなるため、より大きな正パワーが必要となる。なお、条件式(14)を満たす対物レンズは、倍率が10倍程度で、同焦点距離が45mm〜65mm程度である。
第1レンズ群内の空気間隔距離に対する第2接合レンズの負レンズの厚さが大きければ、第2接合レンズの接合面に軸上マージナル光線高の高い光線が通ることになる。具体的には、a/bが1.2以下であれば、十分な光線高の軸上マージナル光線が接合面を通る。このため、条件式(15)を満たすことによって、軸上色収差を良好に補正することができる。なお、a,bは共に正の値を有する為、a/bが0以下になることはない。また、第2接合レンズは光線を徐々に下げることによってコマ収差、像面湾曲等を補正しつつ、軸上色収差を補正する役割も担っている。a/bが1.2を上回ると、第2接合レンズで緩やかに光線を曲げて徐々に光線を下げることができなくなる。このため、コマ収差、色収差等を総合的に補正することが困難となる。
対物レンズは、条件式(13)から条件式(15)を満たすことによって、低倍の対物レンズでありながら、短波長域から近赤外域までの諸収差を良好に補正することができる。
以下、対物レンズのさらに望ましい構成の更に別の一例について説明する。
対物レンズは、条件式(16)を満たすことが望ましい。
0.43≦(hg2-hg1)/gt1≦1.5 (16)
但し、gt1を第2レンズ群に含まれる最も物体側のレンズ成分(以降、第2レンズ群の第1レンズ成分と記す。)の光軸上における厚さである。hg1を第2レンズ群の第1レンズ成分の最も物体側のレンズ面における軸上マージナル光線高さである。hg2を第2レンズ群の第1レンズ成分の最も像側のレンズ面における軸上マージナル光線高さである。
条件式(16)は、第2レンズ群の第1レンズ成分への入射光と第2レンズ群の第1レンズ成分からの射出光との光線高さの差と第2レンズ群の第1レンズ成分の厚さの関係を規定した条件式である。第2レンズ群の第1レンズ成分で光線高さを大きく変化させることによって、コマ収差と像面湾曲を良好に補正することができる。このため、30倍以下の倍率を有する焦点距離の長い対物レンズにおいて、視野周辺部までコントラストの高い像を得ることが可能となる。
(hg2-hg1)/gt1が条件式(16)の上限値を上回ると、第2レンズ群の第1レンズ成分の入射側と射出側のレンズ面で光線が強く屈折する。このため、高次の球面収差、コマ収差が発生してしまい、良好な像を得ることが困難となる。また、(hg2-hg1)/gt1が条件式(16)の下限値を下回ると、焦点距離の長い対物レンズでは、コマ収差と像面湾曲を十分に補正することが難しい。このため、周辺部までコントラストの高い像を得ることが困難となる。
対物レンズは、条件式(16)を満たすことによって、高NAを有し、且つ、色収差と軸外性能とを良好に補正することができる。
なお、対物レンズは、いずれかの条件式を単独で用いても、自由に組み合わせて用いてもよく、どのような組み合わせであっても十分な効果を奏する。また、上述した条件式の上限値、下限値をそれぞれ単独に変更して新たな条件式を作成してもよく、その場合であっても、同様に効果を奏する。
以下、上述した対物レンズの実施例について具体的に説明する。
[実施例1]
図1は、本実施例に係る対物レンズ1の断面図である。対物レンズ1は、乾燥系の顕微鏡対物レンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向かい合わせに配置されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズであるレンズL1と、像側に凹面を向けた接合レンズCL1と、を含んでいる。接合レンズCL1は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凸レンズと両凹レンズからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた接合レンズCL2と、物体側に凹面を向けた接合レンズCL3と、両凸レンズであるレンズL8と、を含んでいる。接合レンズCL2は、負の屈折力を有する2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凹レンズと両凸レンズからなる。接合レンズCL3は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凹レンズと両凸レンズからなる。レンズL8は、正の屈折力を有する単レンズである。
対物レンズ1の各種データは、以下のとおりである。但し、FG1は、第1レンズ群G1のd線に対する焦点距離である。FG2は、第2レンズ群G2のd線に対する焦点距離である。
NA=0.16, FN=26.5mm, f=45mm, WD=13.25mm, |β|=4, DOFd=11.46μm, FG1=21.73mm, FG2=56.51mm, FS=26.43mm, FC=-5378.51mm
対物レンズ1のレンズデータは、以下のとおりである。なお、レンズデータ中のINFは無限大(∞)を示している。
対物レンズ1
s r d nd νd
1 ∞ 0.17 1.52397 54.41
2 ∞ 13.2458
3 20.4097 3.2684 1.51633 64.14
4 -22.1977 8.0214
5 9.8755 3.0895 1.43875 94.66
6 -10.1728 1.7328 1.51633 64.14
7 7.3477 2.7456
8 -5.7177 2.5231 1.755 52.32
9 36.266 2.9771 1.43875 94.66
10 -8.5226 0.4709
11 -20.1257 1.5608 1.48749 70.23
12 20.4365 3.8973 1.43875 94.66
13 -18.1858 0.3014
14 185.9612 3.5703 1.497 81.54
15 -14.0427
ここで、sは面番号を、rは曲率半径(mm)を、dは面間隔(mm)を、ndはd線に対する屈折率を、νdはアッベ数を示す。これらの記号は、以降の実施例でも同様である。なお、面番号s1,s2が示す面は、それぞれ物体面(カバーガラスCGの物体側の面)、カバーガラスCGの像側の面である。面番号s3,s15が示す面は、それぞれ対物レンズ1の最も物体側のレンズ面、最も像側のレンズ面である。また、例えば、面間隔d1、面番号s1が示す面から面番号s2が示す面までの光軸上の距離を示している。
対物レンズ1における、物体高比Fiy、d線最適位置Wz、d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差WCRMS、d線最適位置におけるF線に対するRMS波面収差WCRMSは、以下のとおりである。
Fiy Wz(Fiy) WCRMS(Fiy) WFRMS(Fiy)
0 0.00 0.007 0.029
0.05 0.00 0.010 0.030
0.1 0.02 0.016 0.034
0.15 0.03 0.023 0.039
0.2 0.06 0.029 0.045
0.25 0.10 0.035 0.052
0.3 0.15 0.040 0.058
0.35 0.20 0.045 0.063
0.4 0.27 0.049 0.068
0.45 0.35 0.052 0.072
0.5 0.45 0.054 0.076
0.55 0.56 0.055 0.079
0.6 0.68 0.055 0.081
0.65 0.82 0.054 0.083
0.7 0.98 0.052 0.085
0.75 1.16
0.8 1.34
0.85 1.54
0.9 1.74
0.95 1.96
1 2.17
対物レンズ1は、以下で示されるように、条件式(1)から条件式(13)を満たしている。
(1)(Wz(1)-Wz(0))/DOFd=2.17
(2)Max(WCRMS(Fiy))=0.055
(3)Max(WFRMS(Fiy))=0.085
(4)Min(FCY(Fiy)/DOFd)=0.05
Max(FCY(Fiy)/DOFd)=1.56
(5)Min((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=1.04
Max((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=2.69
(6)Min(FCX(Fiy)/DOFd)=0.08
Max(FCX(Fiy)/DOFd)=2.45
(7)Min((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=1.62
Max((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=2.02
(8)Min(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=1.49
Max(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=2.07
(9)ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd=0.74
(10)Min(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=1.91
Max(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=2.36
(11)R=-14.0427mm
(12)FS/FC=-0.005
(13)NA=0.16
図2は、図1に示す対物レンズ1の収差図であり、像側から無限遠光束を入射したときの物体面における収差を示している。図2(a)は球面収差図である。図2(b)は正弦条件違反量を示す図である。図2(c)はd線に対する非点収差図である。図2(d)はC線に対する非点収差図である。図2(e)はF線に対する非点収差図である。図2(f)は物体高比0.6(物体高1.99mm)の位置におけるコマ収差図である。なお、図中の“M”はメリディオナル成分、“S”はサジタル成分を示している。また、以降の実施例でも、同様の収差図を示す。
[実施例2]
図3は、本実施例に係る対物レンズ2の断面図である。対物レンズ2は、乾燥系の顕微鏡対物レンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向かい合わせに配置されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた接合レンズCL1と、両凸レンズであるレンズL3と、両凸レンズであるレンズL4と、像側に凹面を向けた接合レンズCL2と、を含んでいる。接合レンズCL1は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凹レンズと両凸レンズからなる。接合レンズCL2は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凸レンズと両凹レンズからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた接合レンズCL3と、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであるレンズL9と、を含んでいる。接合レンズCL3は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凹レンズと両凸レンズからなる。レンズL9は、正の屈折力を有する単レンズである。
対物レンズ2の各種データは、以下のとおりである。
NA=0.4, FN=26.5mm, f=18mm, WD=3.71mm, |β|=10, DOFd=1.83μm, FG1=9.92mm, FG2=88.91mm, H=46.8341mm, a=2.0941mm, b=4.4914mm
対物レンズ2のレンズデータは、以下のとおりである。なお、面番号s3,s17が示す面は、それぞれ対物レンズ2の最も物体側のレンズ面、最も像側のレンズ面である。
対物レンズ2
s r d nd νd
1 ∞ 0.17 1.52397 54.41
2 ∞ 3.714
3 -8.3949 4.2261 1.61336 44.49
4 12.2083 3.4815 1.497 81.54
5 -10.5622 0.2018
6 126.8294 2.8128 1.43875 94.66
7 -18.6394 0.2048
8 14.7711 4.4917 1.43875 94.66
9 -18.5105 1.6875
10 12.838 4.8105 1.43875 94.66
11 -9.1271 4.4914 1.51633 64.14
12 7.2585 5.7127
13 -5.2712 2.9004 1.51633 64.14
14 71.5741 4.1702 1.43875 94.66
15 -10.1943 0.2273
16 -195.0855 3.5314 1.43875 94.66
17 -13.7625
対物レンズ2における、物体高比Fiy、d線最適位置Wz、d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差WCRMS、d線最適位置におけるF線に対するRMS波面収差WCRMSは、以下のとおりである。
Fiy Wz(Fiy) WCRMS(Fiy) WFRMS(Fiy)
0 0.00 0.034 0.067
0.05 0.01 0.034 0.067
0.1 0.03 0.033 0.067
0.15 0.07 0.033 0.067
0.2 0.12 0.032 0.067
0.25 0.19 0.032 0.067
0.3 0.27 0.031 0.067
0.35 0.36 0.030 0.067
0.4 0.46 0.030 0.065
0.45 0.57 0.031 0.064
0.5 0.69 0.034 0.061
0.55 0.81 0.038 0.058
0.6 0.94 0.045 0.053
0.65 1.06 0.055 0.047
0.7 1.19 0.067 0.042
0.75 1.31
0.8 1.45
0.85 1.59
0.9 1.76
0.95 1.93
1 2.12
対物レンズ2は、以下で示されるように、条件式(1)から条件式(11)及び条件式(13)から条件式(15)を満たしている。
(1)(Wz(1)-Wz(0))/DOFd=2.12
(2)Max(WCRMS(Fiy))=0.067
(3)Max(WFRMS(Fiy))=0.067
(4)Min(FCY(Fiy)/DOFd)=0.12
Max(FCY(Fiy)/DOFd)=3.26
(5)Min((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=-1.93
Max((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=0.99
(6)Min(FCX(Fiy)/DOFd)=0.08
Max(FCX(Fiy)/DOFd)=2.20
(7)Min((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=2.54
Max((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=2.73
(8)Min(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=1.60
Max(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=2.69
(9)ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd=0.46
(10)Min(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=2.79
Max(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=3.08
(11)R=-13.7625mm
(13)NA=0.4
(14)H/f=2.6
(15)a/b=0.47
図4は、図3に示す対物レンズ2の収差図であり、像側から無限遠光束を入射したときの物体面における収差を示している。図4(a)は球面収差図である。図4(b)は正弦条件違反量を示す図である。図4(c)はd線に対する非点収差図である。図4(d)はC線に対する非点収差図である。図4(e)はF線に対する非点収差図である。図4(f)は物体高比0.6(物体高0.79mm)の位置におけるコマ収差図である。
[実施例3]
図5は、本実施例に係る対物レンズ3の断面図である。対物レンズ3は、乾燥系の顕微鏡対物レンズであり、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2からなる。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2は、互いに凹面を向かい合わせに配置されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであるレンズL1と、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであるレンズL2と、両凸レンズであるレンズL3と、接合レンズCL1と、像側に凹面を向けた接合レンズCL2と、を含んでいる。接合レンズCL1は、3枚接合レンズであり、物体側から順に、両凸レンズ(レンズL4)と両凹レンズ(レンズL5)と両凸レンズ(レンズL6)からなる。接合レンズCL2は、2枚接合レンズであり、物体側から順に、両凸レンズ(レンズL7)と両凹レンズ(レンズL8)からなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであるレンズL9と、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであるレンズL10と、を含んでいる。
対物レンズ3の各種データは、以下のとおりである。
NA=0.8, FN=26.5mm, f=9mm, WD=1.17mm, |β|=20, DOFd=0.46μm, FG1=5.95mm, FG2=114.85mm, hg1=4.920mm, hg2=6.312mm, gt1=2.4854mm
対物レンズ3のレンズデータは、以下のとおりである。なお、面番号s3,s19が示す面は、それぞれ対物レンズ3の最も物体側のレンズ面、最も像側のレンズ面である。
対物レンズ3
s r d nd νd
1 ∞ 0.17 1.52397 54.41
2 ∞ 1.17
3 -3.1485 5.1142 1.603 65.44
4 -4.9459 0.3439
5 -21.3731 4.0708 1.43875 94.66
6 -7.7412 0.3283
7 23.7065 3.8574 1.43875 94.93
8 -28.081 4.6645
9 38.8862 4.9835 1.43875 94.93
10 -10.6104 1.5 1.63775 42.41
11 20.0426 5.1722 1.43875 94.93
12 -13.3781 0.2448
13 9.85 5.3638 1.43875 94.93
14 -22.0444 1.5 1.63775 42.41
15 7.7482 5
16 -6.1396 2.4854 1.58913 61.14
17 -11.5747 0.1886
18 -19.5016 3.2462 1.738 32.26
19 -10.7423
対物レンズ3における、物体高比Fiy、d線最適位置Wz、d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差WCRMS、d線最適位置におけるF線に対するRMS波面収差WCRMSは、以下のとおりである。
Fiy Wz(Fiy) WCRMS(Fiy) WFRMS(Fiy)
0 0.00 0.023 0.048
0.05 -0.01 0.023 0.049
0.1 -0.02 0.022 0.051
0.15 -0.04 0.021 0.054
0.2 -0.06 0.021 0.059
0.25 -0.09 0.020 0.064
0.3 -0.12 0.021 0.072
0.35 -0.14 0.023 0.080
0.4 -0.15 0.027 0.089
0.45 -0.16 0.032 0.101
0.5 -0.16 0.040 0.115
0.55 -0.14 0.049 0.130
0.6 -0.10 0.060 0.148
0.65 -0.03 0.073 0.170
0.7 0.06 0.089 0.195
0.75 0.19
0.8 0.34
0.85 0.55
0.9 0.80
0.95 1.09
1 1.44
対物レンズ3は、以下で示されるように、条件式(1)から条件式(11)、条件式(13)及び条件式(16)を満たしている。
(1)(Wz(1)-Wz(0))/DOFd=1.44
(2)Max(WCRMS(Fiy))=0.089
(3)Max(WFRMS(Fiy))=0.195
(4)Min(FCY(Fiy)/DOFd)=0.05
Max(FCY(Fiy)/DOFd)=3.61
(5)Min((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=-0.53
Max((FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd)=0.25
(6)Min(FCX(Fiy)/DOFd)=0.14
Max(FCX(Fiy)/DOFd)=4.80
(7)Min((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=2.49
Max((FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2))=4.20
(8)Min(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=-1.10
Max(MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=2.35
(9)ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd=-1.11
(10)Min(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=-1.08
Max(MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2))=3.02
(11)R= -10.7423mm
(13)NA=0.8
(16)(hg2-hg1)/gt1=0.56
図6は、図5に示す対物レンズ3の収差図であり、像側から無限遠光束を入射したときの物体面における収差を示している。図6(a)は球面収差図である。図6(b)は正弦条件違反量を示す図である。図6(c)はd線に対する非点収差図である。図6(d)はC線に対する非点収差図である。図6(e)はF線に対する非点収差図である。図6(f)は物体高比0.6(物体高0.40mm)の位置におけるコマ収差図である。
1、2、3 対物レンズ
CL1、CL2、CL3 接合レンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10 レンズ

Claims (18)

  1. 20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    正の屈折力を有する第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されていて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    1.4≦(Wz(1)-Wz(0))/DOFd≦2.3 (1)
    0≦WCRMS(Fiy)≦0.1λd (但し、0≦Fiy≦0.7) (2)
    ここで、Wzは物体高比に依存する関数であって、前記物体高比におけるd線に対するRMS波面収差が最小となる縦位置であるd線最適位置の関数である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。WCRMSは前記物体高比に依存する関数であって、前記d線最適位置におけるC線に対するRMS波面収差の関数である。Fiyは前記物体高比である。λdは前記d線の波長である。
  2. 請求項1に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0≦WFRMS(Fiy)≦0.2λd (但し、0≦Fiy≦0.7) (3)
    ここで、WFRMSは前記物体高比に依存する関数であって、前記d線最適位置おけるF線に対するRMS波面収差の関数である。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0≦FCY(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (4)
    -3≦(FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd≦3 (5)
    ここで、FCYは前記物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面における前記d線に対する像面湾曲の関数である。FCYCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面における前記C線に対する像面湾曲の関数である。FCYFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対する像面湾曲の関数である。
  4. 請求項3に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0≦FCX(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (6)
    ここで、FCXは前記物体高比に依存する関数であって、サジタル面における前記d線に対する像面湾曲の関数である。
  5. 請求項3に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    1≦(FCY(Fiy)+ FCX(Fiy))/(2×DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (7)
    ここで、FCXは前記物体高比に依存する関数であって、サジタル面における前記d線に対する像面湾曲の関数である。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -1.1≦MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (8)
    -1.2≦ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd≦1.2 (但し、0≦Fiy≦0.8) (9)
    ここで、MTFmpeakは前記物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面における前記d線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面における前記C線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。前記d線に対する前記MTF、前記C線に対する前記MTF、及び、前記F線に対する前記MTFは、エアリーディスク半径に対応する空間周波数である基準空間周波数におけるMTFである。aveは平均化関数である。
  7. 請求項6に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -1.1≦MTFspeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (10)
    ここで、MTFspeakは前記物体高比に依存する関数であって、サジタル面における前記d線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。前記d線に対する前記MTFは、前記基準空間周波数におけるMTFである。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記第2レンズ群は、最も像側に、単レンズである最終レンズを含み、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -15mm≦R≦-10mm (11)
    ここで、Rは前記最終レンズの前記像側のレンズ面の曲率半径である。
  9. 請求項8に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、さらに、
    3つ以上の接合レンズを含む
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  10. 請求項8に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、さらに、
    2つ以上の接合レンズを含み、
    前記2つ以上の接合レンズのうちの少なくとも1つは、3枚接合レンズである
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記顕微鏡対物レンズの前記第2レンズ群は、物体側から順に、
    全体として負の屈折力を有する、少なくとも1つのレンズ成分と、
    第1接合レンズと、
    正の屈折力を有する、単レンズからなり、
    前記顕微鏡対物レンズの最も像側のレンズ面において、軸上マージナル光線高さは最大である
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  12. 請求項11に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -0.38 ≦ FS/FC ≦ 0.38 (12)
    ここで、FCを前記第1接合レンズの前記d線に対する焦点距離である。FSを前記単レンズの前記d線に対する焦点距離である。
  13. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    前記第1レンズ群は、前記物体側から順に、
    前記物体側に凹面を向けた第1接合レンズと、
    正の屈折力を有する第1単レンズと、
    像側に凹面を向けた第2接合レンズと、を有し、
    前記第2レンズ群は、前記物体側から順に、
    前記物体側に凹面を向けた第3接合レンズと、
    正の屈折力を有する第2単レンズと、を有し、
    前記第1接合レンズ、前記第2接合レンズ、前記第3接合レンズの各々は、正レンズと負レンズを1枚ずつ組み合わせた2枚接合レンズである
    ことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  14. 請求項13に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0.31≦NA<1 (13)
    2.2≦H/f≦3.3 (14)
    0<a/b≦1.2 (15)
    ここで、NAは前記顕微鏡対物レンズの前記物体側の開口数である。fは前記顕微鏡対物レンズの前記d線に対する焦点距離である。Hは物体面から前記第2レンズ群の最も前記像側のレンズ面までの距離である。aは前記第1レンズ群の空気間隔距離の総和である。bは前記第2接合レンズに含まれる負レンズの厚さである。
  15. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0.31≦NA<1 (13)
    2.2≦H/f≦3.3 (14)
    ここで、NAは前記顕微鏡対物レンズの前記物体側の開口数である。fは前記顕微鏡対物レンズの前記d線に対する焦点距離である。Hは物体面から前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面までの距離である。
  16. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズにおいて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0.43≦(hg2-hg1)/gt1≦1.5 (16)
    ここで、gt1を前記第2レンズ群に含まれる最も物体側のレンズ成分の光軸上における厚さである。hg1を前記レンズ成分の最も物体側のレンズ面における軸上マージナル光線高さである。hg2を前記レンズ成分の最も像側のレンズ面における軸上マージナル光線高さである。
  17. 20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    正の屈折力を有する第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されていて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    0≦FCY(Fiy)/DOFd≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (4)
    -3≦(FCYC(Fiy)- FCYF(Fiy))/DOFd≦3 (5)
    ここで、FCYは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対する像面湾曲である。FCYCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるC線に対する像面湾曲である。FCYFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対する像面湾曲である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。Fiyは前記物体高比である。
  18. 20倍以下の倍率を有する乾燥系の顕微鏡対物レンズであって、物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    正の屈折力を有する第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群は、互いに凹面を向かい合わせて配置されていて、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
    -1.1≦MTFmpeak(Fiy)/(DOFd×Fiy2)≦5 (但し、0.2≦Fiy≦1) (8)
    -1.2≦ave(MTFmpeakC(Fiy)-MTFmpeakF(Fiy))/DOFd≦1.2 (但し、0≦Fiy≦0.8) (9)
    ここで、MTFmpeakは物体高比に依存する関数であって、メリディオナル面におけるd線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。DOFdは前記d線に対する焦点深度である。Fiyは前記物体高比である。MTFmpeakCは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるC線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。MTFmpeakFは前記物体高比に依存する関数であって、前記メリディオナル面におけるF線に対するMTFが最大となる縦位置の関数である。前記d線に対する前記MTF、前記C線に対する前記MTF、及び、前記F線に対する前記MTFは、エアリーディスク半径に対応する空間周波数である基準空間周波数におけるMTFである。aveは平均化関数である。
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