JP2019189808A - ピリジン誘導体担持高分子及びこれを用いた転移反応 - Google Patents

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Yoshie Danyama
儀恵 椴山
克典 山西
Katsunori Yamanishi
克典 山西
拓 渡辺
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拓 渡辺
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Abstract

【課題】比較的簡単に合成可能であり、且つ高活性な固定化有機分子触媒、及びこれを用いた転移反応を提供すること。【解決手段】テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位及び芳香族ジビニル化合物由来の構造単位を含み、且つピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体が担持されてなる高分子であって、芳香族ジビニル化合物由来の構造単位の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜30モル部であり、ピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜5モル部である、高分子。【選択図】なし

Description

本発明は、ピリジン誘導体担持高分子及びこれを用いた転移反応に関する。
高分子固定化有機分子触媒は、環境負荷低減の観点から、近年、活発に研究されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。中でも、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)等の求核触媒は、高分子固定化が検討されている有機分子触媒の一つであり、ポリマー担持型DMAP(PS−DMAP)は、代表的な高分子固定化有機分子触媒である。
Benaglia, M. et al. Chem. Rev. 2003, 103, 3401-3492. Itsuno, S. et al. Supported Organocatalysts, In Science ofSynthesis, Asymmetric Organocatalysis 2012, Georg Thieme Veriag, Stuttgard,Germany, Vol. 2, pp. 673-695. Yang, Y. C. et al. Pure Appl. Chem. 2013, 85, 493-509. Shinkai, S. et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1981, 54, 631-632. Tomoi, M. et al. Chem., Rapid Commun. 1982, 3, 537-542. Takeda, K. Polystyrene-bound dimethylaminopyridines (PS-DMAP) ine-EROS Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis
ところで、求核触媒の高分子固定化は、従来、求核触媒の3級アミンにおける窒素原子と高分子の側鎖とを共有結合により連結することで行われていた。そのため、調製には、少なくとも数工程の合成が必要であり、煩雑な合成を伴うこともある。また、3級アミンの窒素原子が直接高分子の側鎖に連結されているため、触媒活性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、比較的簡単に合成可能であり、且つ高活性な固定化有機分子触媒、及びこれを用いた転移反応を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位及び芳香族ジビニル化合物由来の構造単位を含み、且つピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体が担持されてなる高分子であって、芳香族ジビニル化合物由来の構造単位の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜30モル部であり、ピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜5モル部である高分子を提供する。
また本発明は、下記一般式(1)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の上記高分子を作用させる、下記一般式(2)で表される化合物の製造方法を提供する。
Figure 2019189808

[式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Xは酸素原子又は−NR−(但し、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)を示し、Z及びZ’はXを含む複素環を示す。]
また本発明は、下記一般式(3)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の請求項1に記載の高分子を作用させ、更に求核剤(HNu)を作用させる、下記一般式(4)で表される化合物の製造方法を提供する。
Figure 2019189808

[式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示す。]
本発明によれば、比較的簡単に合成可能であり、且つ高活性な固定化有機分子触媒、及びこれを用いた転移反応を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「n−Pr」はn−プロピル基を、「n−Bu」はn−ブチル基を、「i−Bu」はi−ブチル基を、「Ph」はフェニル基を、「r.t.」は室温を、それぞれ示す。
(ピリジン誘導体担持高分子)
本実施形態の高分子は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位及び芳香族ジビニル化合物由来の構造単位を含み、且つピリジン誘導体が担持されてなる。
テトラフルオロヨードスチレンとしては、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヨードスチレン(4−ヨウ化テトラフルオロスチレン)を用いることができる。
芳香族ジビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフェナントレン等が挙げられ、ジビニルベンゼンであると好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の高分子における芳香族ジビニル化合物由来の構造単位の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜30モル部であり、1〜25モル部であると好ましく、3〜20モル部であるとより好ましい。
本実施形態の高分子は、テトラフルオロヨードベンゼン以外の単官能性モノマー由来の構造単位を含んでいてもよい。単官能性モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン誘導体が挙げられ、スチレンであると好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、アルデヒド基等の官能基を有するスチレン誘導体も使用することができる。
本実施形態の高分子が上記単官能性モノマー由来の構造単位を含む場合のその含有量は、テトラフルオロヨードベンゼン由来の構造単位1モル部に対して0.1〜10モル部であると好ましく、0.3〜5モル部であるとより好ましく、0.5〜3モル部であると更に好ましい。
上記ピリジン誘導体は、ピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体である。ピリジン誘導体に結合している窒素原子は3級アミンであることが好ましい。その具体例としては、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、以下の化学式で表されるPPY、MDPP、9-Azajulolidine等が挙げられ、DMAPであると好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2019189808
本実施形態の高分子における上記ピリジン誘導体の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜5モル部であり、0.9〜4モル部であるとより好ましく、0.95〜3モル部であると更に好ましい。
ピリジン誘導体は、どのような形で本実施形態の高分子に担持されていてもよいが、例えば、ピリジン環のパラ位に結合した窒素原子がテトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位のヨウ素原子と配位することにより担持されていてもよく、ピリジン環中の窒素原子がテトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位のヨウ素原子と配位することにより担持されていてもよい。また、ピリジン誘導体は、高分子中に配位することなく取り込まれていてもよい。また、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位のヨウ素原子には、2以上のピリジン誘導体が配位していてもよい。
なお、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位を含まない高分子には、上記ピリジン誘導体が上手く配位しない。
また、Takeuchi, T. et. al.のTetrahedron Letters 46(2005) 9025-9027には、本発明と類似の構造を有する高分子が開示されているが、触媒として開発されたものではない。また、高分子の合成後に、メタノールで洗浄することにより、ピリジン誘導体(DMAP)を除去しているため、後述する転移反応等の触媒として用いることはできない。
本実施形態の高分子は、DMAP等の求核触媒を適用可能な反応に、触媒として用いることができる。本実施形態の高分子は、DMAP等のピリジン誘導体が高分子中に担持されているので、回収・再利用が可能である。また、本実施形態の高分子は、水中有機反応に好適に適用することができる。
(ピリジン誘導体担持高分子の製造方法)
本実施形態の高分子は、テトラフルオロヨードスチレン、芳香族ジビニル化合物及び任意のテトラフルオロヨードスチレン以外の単官能性モノマーを含むモノマー組成物を、ピリジン誘導体の存在下又は非存在下で重合し、必要に応じて更にピリジン誘導体を担持させることによって製造することができる。
上記モノマー組成物の重合は、ピリジン誘導体の存在下で行うことが好ましい。その際のピリジン誘導体の使用量は、テトラフルオロヨードスチレン1モル部に対して、0.1〜2モル部であると好ましく、0.2〜1モル部であるとより好ましく、0.3〜0.8モル部であると更に好ましい。
上記モノマー組成物の重合は、例えば、重合開始剤の存在下、加熱条件で、溶媒を用いた溶媒重合法で行うことができる。溶媒としては、例えば、クロロホルム等を用いることができ、重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)等のアゾ系重合開始剤等を用いることができる。
重合後の高分子にピリジン誘導体を担持させる方法としては、例えば、有機溶媒中でピリジン誘導体を作用させた後に、ヘキサン、ジエチルエーテル、エタノール、ジクロロメタン、アセトン等の溶媒で洗浄する方法が挙げられる。
(ピリジン誘導体担持高分子を用いた転移反応)
本実施形態は、下記一般式(1)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の上述のピリジン誘導体担持高分子を作用させる、下記一般式(2)で表される化合物の製造方法を提供する。
Figure 2019189808

[式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Xは酸素原子又は−NR−(但し、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)を示し、Z及びZ’はXを含む複素環を示す。]
本実施形態はまた、下記一般式(3)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の上述のピリジン誘導体担持高分子を作用させ、更に求核剤(HNu)を作用させる、下記一般式(4)で表される化合物(非天然アミノ酸誘導体)の製造方法を提供する。
Figure 2019189808

[式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示す。]
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。これらの基は、直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。
アリール基としては、例えば、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基等が挙げられる。アリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、ヘテロシクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、ホルミル基、フッ素原子、塩素原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
アリールアルキル基は、上述のアルキル基における水素原子の1つが上述のアリール基により置換された基である。その具体例としては、ベンジル基等が挙げられる。
Zである複素環としては、例えば、下記式(A)〜(C)で表されるものが挙げられる。下記式(A)〜(C)で表されるZを含む一般式(1)で表される化合物を原料として用いた場合には、一般式(2)で表される化合物として、それぞれアズラクトン誘導体、ベンゾフラノン誘導体又はオキシインドール誘導体、すなわち、一般式(2)におけるZ’がアズラクトン、ベンゾフラノン又はオキシインドールである化合物が得られる。
Figure 2019189808
求核剤(HNu)としては、例えば、アミンを用いることができる。アミンの具体例としては、ピロリジン、ベンジルアミン、フェニルアミン等が挙げられる。
求核剤は、一般式(3)で表される化合物の転移反応が完了した後に、系中に直接投入してもよく、溶媒に溶かして溶液の形で投入してもよい。
水溶媒としては、水を単独で用いてもよく、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、1,2−エタンジオール等の有機溶媒を含む水溶媒を用いてもよい。特に、基質が水に溶解しない固体である場合には、有機溶媒を含む水溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒を含む水溶媒における有機溶媒の含有量は、例えば、0.5〜10質量%とすることができる。
上述のピリジン誘導体担持高分子を触媒として用いる際の触媒量は特に限定されないが、ピリジン誘導体の量を基準として、0.01〜50mol%であると好ましく、0.1〜25mol%であるとより好ましく、0.5〜10mol%であると更に好ましい。
上述の反応は、例えば、10〜100℃の温度で、1〜48時間反応させることにより行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:ピリジン誘導体担持高分子(高分子1)の合成)
4−ヨウ化テトラフルオロスチレン1モル部に対し、スチレン1.33モル部、ジビニルベンゼン15モル部、DMAP0.33モル部を用いて、ADVN 0.30モル部存在下、クロロホルム溶媒中、60℃で2時間加熱した。得られた高分子をエタノール、ジクロロメタン、アセトンを用いて洗浄後、すり潰すことで、白色粉末の高分子を57%の収率で得た。この高分子について、元素分析を行った結果に基づいて、高分子に担持されているDMAPの含有量を算出したところ、0.14 mmol/gであった。
次に、得られた高分子に過剰量のDMAPを担持させて、高分子1を得た。
具体的には、室温で、塩化メチレン(117 mL)に、上記高分子(1.906 g)、DMAP(3.481 g, 28.49 mmol)を加えて、2時間撹拌した。次に、吸引ろ過を行い、混合溶媒(3 mL, hexane/Et2O = 9:1)を用いて洗浄した。減圧デシケーターで、完全に粉体になるまで乾燥させ、過剰量のDMAPが担持された高分子1を得た。この高分子1について、元素分析を行った結果に基づいて、CI部位(モノマーである4−ヨウ化テトラフルオロスチレンに由来する構造単位)の含有量及び高分子1に担持されているDMAPの含有量を算出したところ、それぞれ0.205 mmol/g、0.45 mmol/gであった。
Elemental Analysis Calcd. for C239H302.6F4IN2:C, 84.27; H, 8.95; N, 0.82; F, 2.23; I, 3.73.
Found: C, 87.93; H, 7.55; N, 1.23; F, 0.86; I, 2.60.
Figure 2019189808
(実施例2:O−アシルエノラートの転移反応)
下記化合物R1(59.06 mg, 0.200 mmol)、1,4-ジオキサン(30 μL, 0.352 mmol)の水溶液(1 mL)に高分子1(7.65 mg, 3.44×10-3 mmol, 1.72mol% based on [DMAP]: 0.45 mmol/g)を加え、30℃で24時間撹拌した。反応溶液を2Mの塩酸水溶液で処理し、ジクロロメタン(10 mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、得られた有機層の有機溶媒を減圧下で留去した。得られた粗生成物を、ヘキサン−酢酸エチル20:1の展開溶媒を用い、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、無色透明の油状生成物として下記化合物P1を得た(50.4 mg, 0.17 mmol, 85% yield)。
Figure 2019189808
(比較例1)
4−ヨウ化テトラフルオロスチレンに代えて、4−ヨウ化スチレンを用いた他は、実施例1と同様にして、高分子C1を得た。得られた高分子C1を高分子1に代えて用いた他は、実施例2と同様にして反応を行った。その結果、転移体である化合物P1は得られず、その加水分解物である化合物P2が82%の収率で得られた。
(比較例2)
4−ヨウ化テトラフルオロスチレンに代えて、ペンタフルオロスチレンを用いた他は、実施例1と同様にして、高分子C2を得た。得られた高分子C2を高分子1に代えて用いた他は、実施例2と同様にして反応を行った。その結果、転移体である化合物P1は得られず、その加水分解物である化合物P2が77%の収率で得られた。
(比較例3)
高分子1に代えて、同モルのDMAPを用いた他は、実施例2と同様にして反応を行った。その結果、転移体である化合物P1は得られず、その加水分解物である化合物P2が収率88%で得られた。
(実施例3)
化合物R1に代えて下記化合物Rを用い、添加有機溶媒として1,4-ジオキサン又はエタンジオールを用いた他は実施例2と同様にして、転移体である化合物Pを得た。化合物Rとしては、Rが以下に示す6つの基であるものをそれぞれ用いた。その結果を以下に示す。
Figure 2019189808
(実施例4)
化合物R1に代えて下記化合物R’を用い、添加有機溶媒として1,4-ジオキサン又はエタンジオールを用いた他は実施例2と同様にして、転移体である化合物P’を得た。化合物R’としては、Rが以下に示す4つの基であるもの(OMe,Me,Clはフェニル基のパラ位にこれらの基を有するもの)をそれぞれ用いた。その結果を以下に示す。
Figure 2019189808
(実施例5)
化合物R1に代えて下記化合物R”を用い、添加有機溶媒として1,4-ジオキサン又はエタンジオールを用いた他は実施例2と同様にして、転移体である化合物P”を得た。化合物R”としては、Rが以下に示す3つの基であるもの(OMe,Me,Clはフェニル基のパラ位にこれらの基を有するもの)をそれぞれ用いた。その結果を以下に示す。
Figure 2019189808
(実施例6:ワンポット非天然アミノ酸の合成)
下記化合物R1(59.06 mg, 0.200 mmol)、1,4-ジオキサン(30 μL, 0.352 mmol)の水溶液(1 mL)に高分子1(7.61 mg, 3.42 ×10-3 mmol, 1.71mol% based on [DMAP]:0.45 mmol/g)を加え、30℃で24時間撹拌した。その後、ピロリジン(49 μL, 0.60 mmol)を加え、さらに、24時間撹拌した。反応溶液を2M の塩酸水溶液で処理し、ジクロロメタン(10 mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、得られた有機層の有機溶媒を減圧下で留去した。得られた粗生成物を、ヘキサン−酢酸エチル1:2の展開溶媒を用い、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、無色透明の油状生成物として下記化合物P3を得た(54.6 mg, 0.15 mmol, 75% yield)。
Figure 2019189808
(実施例7)
ピロリジンに代えてベンジルアミンを用いた他は実施例6と同様にして、反応を行ったところ、下記化合物P4が収率78%で得られた。
(実施例8)
ピロリジンに代えてフェニルアミンを用いた他は実施例6と同様にして、反応を行ったところ、下記化合物P5が収率56%で得られた。
Figure 2019189808
(実施例9:O−アシルエノラートの転移反応)
下記化合物R2(0.200 mmol)の水溶液(1 mL)に高分子1(7.65 mg, 3.44×10-3 mmol, 1.72mol% based on [DMAP]: 0.45 mmol/g)を加え、30℃で24時間撹拌した。反応溶液を2Mの塩酸水溶液で処理し、ジクロロメタン(10 mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、得られた有機層の有機溶媒を減圧下で留去した。得られた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、無色透明の油状生成物として下記化合物P6を得た(52% yield)。
Figure 2019189808
(実施例10)
ジビニルベンゼンを10モル部用いた他は実施例1と同様にして、高分子2を得た。得られた高分子2を高分子1に代えて用いた他は、実施例9と同様にして反応を行った。その結果、化合物P6が収率81%で得られた。
(実施例11)
ジビニルベンゼンを5モル部用いた他は実施例1と同様にして、高分子3を得た。得られた高分子3を高分子1に代えて用いた他は、実施例9と同様にして反応を行った。その結果、化合物P6が収率91%で得られた。
(実施例12)
ジビニルベンゼンを1モル部用いた他は実施例1と同様にして、高分子4を得た。得られた高分子4を高分子1に代えて用いた他は、実施例9と同様にして反応を行った。その結果、化合物P6が収率74%で得られた。
(比較例4)
高分子1に代えて、同モルのDMAPを用いた他は、実施例9と同様にして反応を行った。その結果、化合物P6が収率37%で得られた。

Claims (3)

  1. テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位及び芳香族ジビニル化合物由来の構造単位を含み、且つピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体が担持されてなる高分子であって、
    芳香族ジビニル化合物由来の構造単位の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜30モル部であり、
    ピリジン環のパラ位に窒素原子が結合したピリジン誘導体の含有量は、テトラフルオロヨードスチレン由来の構造単位1モル部に対して、0.8〜5モル部である、高分子。
  2. 下記一般式(1)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の請求項1に記載の高分子を作用させる、下記一般式(2)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2019189808

    [式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Xは酸素原子又は−NR−(但し、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。)を示し、Z及びZ’はXを含む複素環を示す。]
  3. 下記一般式(3)で表される化合物に、水溶媒中、触媒量の請求項1に記載の高分子を作用させ、更に求核剤(HNu)を作用させる、下記一般式(4)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2019189808

    [式中、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又はアリル基を示し、Rはアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、アリル基又はアリールアルキル基を示す。]
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