JP2019183979A - 鉄道車両用ダンパ - Google Patents

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貴之 小川
Takayuki Ogawa
小川  貴之
今井 修一
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修一 今井
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Abstract

【課題】車両への搭載性を向上できるともに製造コストを低減できる鉄道車両用ダンパの提供である。【解決手段】鉄道車両用ダンパ1は、シリンダ2と、シリンダ2内に移動自在に挿入されるとともにシリンダ2内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、タンク5と、伸側室R1をタンク5に連通する排出通路6と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する第一通路7と、圧側室R2とタンク5とを連通する第二通路8と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路12と、タンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路13と、排出通路6に設けた可変減衰弁9と、伸側アンロードポジションと圧側アンロードポジションと遮断ポジションとを有していずれかのポジションに切換え可能な電磁切換弁Vとを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両用ダンパに関する。
従来、この種の鉄道車両用ダンパにあっては、たとえば、鉄道車両に車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制すべく、車体と台車との間に介装されて使用されるものが知られている。
より詳しくは、鉄道車両用ダンパは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダ内に挿入されてピストンに連結されるロッドと、タンクと、圧側室から伸側室へ向かう作動油の流れのみを許容する通路と、タンクから圧側室へ向かう作動油の流れのみを許容する通路と、伸側室とタンクとを連通する通路と、伸側室とタンクとを連通する通路の途中に設けられた二つの比例リリーフ弁と、これら比例リリーフ弁に並列されるフェールセーフ弁とを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−88623号公報
このように従来の鉄道車両用ダンパでは、それぞれソレノイドで駆動される二つの比例リリーフ弁と一つのフェールセーフ弁の三つの電磁弁を備えているので、大型化して鉄道車両への搭載性が悪化するともに製造コストが高くなってしまう。
そこで、本発明の目的は、車両への搭載性を向上できるともに製造コストを低減できる鉄道車両用ダンパの提供である。
本発明の鉄道車両用ダンパは、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、タンクと、伸側室をタンクに連通する排出通路と、伸側室と圧側室とを連通する第一通路と、圧側室とタンクとを連通する第二通路と、圧側室から伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路と、タンクから圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路と、排出通路に設けた可変減衰弁と、第一通路を連通するとともに第二通路を遮断する伸側アンロードポジションと第一通路を遮断するとともに第二通路を連通する圧側アンロードポジションと第一通路と第二通路を遮断する遮断ポジションとを有していずれかのポジションに切換え可能な電磁切換弁とを備えている。このように構成された鉄道車両用ダンパは、電磁弁としては可変減衰弁と電磁切換弁のみを備えるだけでセミアクティブダンパとして機能できる。
また、鉄道車両用ダンパは、電磁切換弁が伸側アンロードポジションから圧側アンロードポジションへ移行する際、および圧側アンロードポジションから伸側アンロードポジションへ移行する際に、遮断ポジションを採ってもよい。このように構成された鉄道車両用ダンパによれば、鉄道車両における乗り心地をより効果的に向上できる。
また、鉄道車両用ダンパは、電磁切換弁が非通電時に第一通路と第二通路を遮断してもよく、この場合は電磁切換弁に電流供給不能な場合にはパッシブダンパとして機能して車体の振動を抑制できる。
本発明の鉄道車両用ダンパによれば、車両への搭載性を向上できるともに製造コストを低減できる。
一実施の形態における鉄道車両用ダンパを搭載した鉄道車両の断面図である。 一実施の形態の鉄道車両用ダンパの回路図である。 一実施の形態の鉄道車両用ダンパにおける可変減衰弁の概略断面図である。 一実施の形態の鉄道車両用ダンパにおける電磁切換弁の概略断面図である。 伸側アンロードポジションを採った際の電磁切換弁の概略断面図である。 遮断ポジションを採った際の電磁切換弁の概略断面図である。 圧側アンロードポジションを採った際の電磁切換弁の概略断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における鉄道車両用ダンパ1は、本例では、鉄道車両の車体Bの制振装置として使用され、図1に示すように、台車Tと車体Bとの間に設置される。そして、本例の鉄道車両用ダンパ1は、発揮する減衰力で車体Bの車両進行方向に対して水平横方向の振動を抑制するようになっている。
鉄道車両用ダンパ1は、本例では、図2に示すように、鉄道車両の車体Bに連結されるシリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるとともにシリンダ2内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、シリンダ2内に挿入されて一端がピストン3に連結されるとともに他端が台車Tに連結されるロッド4と、タンク5と、伸側室R1をタンク5に連通する排出通路6と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する第一通路7と、圧側室R2とタンク5とを連通する第二通路8と、排出通路6に設けた可変減衰弁9と、電磁切換弁Vとを備えている。
また、伸側室R1と圧側室R2には、本例では、作動液体として作動油が充填されるとともに、タンク5には、作動油のほかに気体が充填されている。なお、タンク5内は、特に、気体を圧縮して充填して加圧状態とする必要は無い。また、作動流体は、作動油以外にも他の液体を利用してもよい。
以下、鉄道車両用ダンパ1の各部について詳細に説明する。シリンダ2は筒状であって、その図2中右端は蓋10によって閉塞され、図2中左端には環状のロッドガイド11が取り付けられている。また、前記ロッドガイド11内には、シリンダ2内に移動自在に挿入されるロッド4が摺動自在に挿入されている。このロッド4は、一端をシリンダ2外へ突出させており、シリンダ2内の他端をシリンダ2内に摺動自在に挿入されるピストン3に連結している。
なお、ロッドガイド11の外周とシリンダ2との間は図示を省略したシール部材によってシールされており、これによりシリンダ2内は密閉状態に維持されている。そして、シリンダ2内にピストン3によって区画される伸側室R1と圧側室R2には、前述のように作動油が充填されている。また、鉄道車両用ダンパ1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3の伸側室R1側の受圧面積が圧側室R2側の受圧面積の二分の一となるようになっている。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1では、ピストン3には、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路12が設けられている。この整流通路12は、途中にチェック弁12aを備えている。整流通路12は、チェック弁12aによって圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路として機能する。なお、整流通路12は、ピストン3以外に設けられてもよい。
さらに、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1では、タンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路13が設けられている。この吸込通路13は、途中にチェック弁13aを備えている。吸込通路13は、チェック弁13aによってタンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路として機能する。
そして、排出通路6は、伸側室R1とタンク5とを連通している。排出通路6には、可変減衰弁9が設けられている。可変減衰弁9は、排出通路6に並列して設けた開閉弁体21およびリリーフ弁体22と、開閉弁体21の開閉およびリリーフ弁体22の開弁圧の調整を行うソレノイド23とを備えて構成されている。
そして、可変減衰弁9は、開閉弁体21を介してリリーフ弁体22にソレノイド23の推力を与えられるようになっていて、ソレノイド23の通電時に開閉弁体21を閉弁させつつリリーフ弁体22の開弁圧を調整し、非通電に開閉弁体21を開弁させる。
より詳細には、可変減衰弁9は、図3に示すように、筒状のハウジング20内に移動自在に挿入される開閉弁体21とリリーフ弁体22と、開閉弁体21に附勢力を作用させ得るソレノイド23と、リリーフ弁体22を開閉弁体21側へ向けて附勢するばね24と、パッシブ弁26とを備えて構成される。
ハウジング20は、内径が大径となっている二つの内径大径部20a,20bを備えている。また、ハウジング20は、外方から開口して内周であって内径大径部20aと内径大径部20bとの間に通じるポート20c,20dと、外方から開口して図3中左側の内径大径部20aに通じるポート20eと、外方から開口して図3中右側の内径大径部20bに通じるポート20fとを備えている。そして、ポート20dからハウジング20内を介してポート20fに到る通路とポート20eからハウジング20内を介してポート20cに到る通路が互いに並列して排出通路6の一部を形成している。
開閉弁体21は、ハウジング20の内径大径部20aより小径な小径部位に摺接可能な本体部21aと、本体部21aの先端からリリーフ弁体22側に伸びる本体部21aより小径のプッシュロッド21bを備えており、ハウジング20内を図3中左右方向となる軸方向へ移動できる。そして、開閉弁体21がハウジング20の内周であって内径大径部20aの両側の小径部位に摺接するとポート20eとポート20cとの連通を断ち、本体部21aが内径大径部20bの図3中左側であるソレノイド側の小径部位にのみ摺接するとポート20eとポート20cとを連通させる。なお、ポート20eには、リリーフ圧で開弁するパッシブ弁26が設けられている。
リリーフ弁体22は、ハウジング20の内周であってポート20cの開口よりも右側と内径大径部20bとの間の小径部位に摺接する本体部22aと、本体部22aの先端から反開閉弁体側に伸びる小径部22bと、小径部22bの先端に設けた円錐状の弁頭22cとを備えている。そして、リリーフ弁体22は、開閉弁体21と同様に、ハウジング20内を図3中左右方向となる軸方向へ移動できる。そして、リリーフ弁体22は、ハウジング20の内径大径部20b内に収容されるばね24によって開閉弁体21側へ向けて附勢されていて、弁頭22cがハウジング20の内径大径部20bの図3中で左端の段部を弁座として着座するようになっている。弁頭22cがハウジング20の前記弁座に着座する状態ではポート20dとポート20fとの連通が絶たれ、弁頭22cが前記段部から離座するとポート20dとポート20fとが連通される。
そして、ソレノイド23は、開閉弁体21を駆動できるようになっていて、通電されるとばね24を押し縮めて開閉弁体21を図3中右方向へ附勢して開閉弁体21でポート20eからポート20dへ至る通路を遮断する。ソレノイド23に通電する状態では、開閉弁体21のプッシュロッド21bがリリーフ弁体22に当接してソレノイド23の付勢力がリリーフ弁体22に伝達される。よって、ソレノイド23に通電する状態では、リリーフ弁体22にはソレノイド23の付勢力とこの附勢力に対抗するばね24の付勢力が作用する。そして、電流量の調整でソレノイド23の付勢力を調節するとリリーフ弁体22の弁頭22cを前記弁座に押さえつける力が変化するのでリリーフ弁体22が弁座から離座する開弁圧が調節される。
反対に、ソレノイド23に通電しないと、開閉弁体21がソレノイド23によって押圧されないので、開閉弁体21は、排出通路6の上流から圧力を受けるとソレノイド23側へ後退する。すると、本体部21aがハウジング20の内周であって内径大径部20aの図3中左方の小径部位のみに摺接してポート20eからポート20cへ至る通路を開放する。なお、リリーフ弁体22には、ばね24の付勢力のみが作用し弁座に着座する。
このように、ソレノイド23に通電するとポート20eからポート20cまでの通路が遮断されるともにポート20dからポート20fまでの通路に設けられたリリーフ弁体22の開弁圧を調節できる。また、ソレノイド23に通電しない非通電時では、開閉弁体21がポート20eからポート20cまでの通路を開放する。
また、パッシブ弁26は、ポート20eの途中に設けられており、通過する作動油の流れに抵抗を与えるようになっている。なお、図示したところでは、パッシブ弁26は、ポペット弁とされているが、オリフィス等の絞り弁とされてもよい。
よって、可変減衰弁9は、図3に示したように構成されると、通電時に開閉弁体21を閉弁させつつリリーフ弁体22の開弁圧を調整し、非通電に開閉弁体21を開弁させ得る。また、可変減衰弁9は、非通電時には開閉弁体21が開弁するのでパッシブ弁26を有効として排出通路6を通過する作動油の流れにパッシブ弁26で抵抗を与える。なお、可変減衰弁9は、排出通路6を通過する作動油の流れに与える抵抗を調節できればよいので、前述した構成以外の構成であってもよく、たとえば、可変リリーフ弁のみを備えるものでもよいし、開口面積の調節が可能な可変絞り弁であってもよい。
電磁切換弁Vは、第一通路7と第二通路8の途中に設けられている。電磁切換弁Vは、第一通路7を連通するとともに第二通路8を遮断する伸側アンロードポジションと、第一通路7を遮断するとともに第二通路8を連通する圧側アンロードポジションと、第一通路7と第二通路8を遮断する遮断ポジションと、非通電時に採る非通電ポジションとを備えていて、供給される電流量によって四つのいずれかのポジションに切り換わる。
電磁切換弁Vは、具体的には、図4に示すように、筒状のハウジング40と、ハウジング40内を軸方向へ移動可能に挿入されるスプール41と、スプール41を附勢するばね42と、スプール41にばね42の付勢力に対向する附勢力を与えるソレノイド44とを備えている。
ハウジング40は、筒状であって内周に三つの環状溝40a,40b,40cを備えている。図4中左側の環状溝40aは第一通路7を通じて伸側室R1に通じており、図4中中央の環状溝40bは、第一通路7と第二通路8を通じて圧側室R2に通じ、さらに、図4中右側の環状溝40cは第二通路8を通じてタンク5に通じている。そして、中央の環状溝40bは、左右の環状溝40a,40cに比較して軸方向長さが長くなっている。なお、環状溝40bと圧側室R2は、一つの通路で接続されており、この通路が第一通路7としても第二通路8としても機能している。
他方、スプール41は、円筒形状をしており、ハウジング40の内周に摺接していて、ハウジング40内で軸方向へ移動できる。また、スプール41は、ハウジング40の内周に摺接する三つの大径のランド部41a,41b,41cと、ランド部41a,41b間とランド部41b,41c間にそれぞれ設けられた二つの凹部41d,41eとを有している。そして、図4中で中央のランド部41bは、左右のランド部41a,41cに比較して軸方向長さが短く、ハウジング40の中央の環状溝40bよりも軸方向長さが短い。スプール41は、ハウジング40内に収容されると、ハウジング40内をスプール41の図4中左側の室S1と右側の室S2とに区画している。これら室S1,S2は、スプール41内を通じて互いに連通されている。さらに、室S2は、第二通路8から分岐される分岐通路14を通じてタンク5に接続されており、室S1もタンク5に接続されている。よって、スプール41の両端にはタンク圧が等しく作用するので、スプール41は、ハウジング40内の圧力によって偏った方向へ駆動されない。
そして、ハウジング40の室S2内には、ばね42が収容されている。ばね42は、スプール41を図4中左方へ向けて附勢している。また、ハウジング40の左端にはソレノイド44が装着されていて、ソレノイド44のプランジャ44aがスプール41の図4中左端に当接している。ソレノイド44は、通電されるとスプール41をばね42の付勢力に対向して附勢し、供給電流量に応じてスプール41を図4中右方へ駆動する。
図4に示した電磁切換弁Vは、ソレノイド44に対して電流を供給していない非通電の状態であり、スプール41がばね42に附勢されて左方のストロークエンドに配置されている。この状態では、図4に示したように、ランド部41b,41cがハウジング40の環状溝40bの左右のそれぞれの内周に摺接していて、環状溝40bを閉鎖しており、環状溝40aと環状溝40bとの連通を断つともに環状溝40bと環状溝40cとの連通を断っている。よって、非通電時において電磁切換弁Vが採る非通電ポジションでは、第一通路7と第二通路8の双方を遮断する。
これに対して、電磁切換弁Vのソレノイド44に電流を供給してスプール41を右方へ駆動して、図5に示すように、ランド部41bの図5中左端が環状溝40bの図5中左端を超える位置までスプール41が移動すると、環状溝40aと環状溝40bとが連通する。この状態では、ランド部41cがハウジング40の環状溝40bと環状溝40cの間の内周に摺接していて環状溝40bと環状溝40cとの連通は断たれたままである。よって、スプール41が図5に示す位置に配置されると、電磁切換弁Vは、第一通路7を連通するとともに第二通路8を遮断する伸側アンロードポジションを採る。
さらに、電磁切換弁Vのソレノイド44に供給する電流量を大きくしてスプール41を右方へ駆動する。そして、図6に示すように、ランド部41aがハウジング40の環状溝40aと環状溝40bの間の内周に摺接し、且つ、ランド部41cがハウジング40の環状溝40bと環状溝40cの間の内周に摺接する位置までスプール41が移動する。この状態では、環状溝40aと環状溝40bとの連通が断たれて、環状溝40bと環状溝40cとの連通も断たれる。よって、この場合、電磁切換弁Vは、第一通路7と第二通路8の双方を遮断する遮断ポジションを採る。
そしてさらに電磁切換弁Vのソレノイド44に供給する電流量を大きくしてスプール41を右方へ駆動して、図7に示すように、ランド部41cの図7中左端が環状溝40cの図7中左端を超える位置までスプール41が移動すると、環状溝40bと環状溝40cとが連通する。この状態では、ランド部41aがハウジング40の環状溝40aと環状溝40bの間の内周に摺接していて環状溝40aと環状溝40bとの連通は断たれたままである。よって、スプール41が図7に示す位置に配置されると、電磁切換弁Vは、第一通路7を遮断するとともに第二通路8を連通する圧側アンロードポジションを採る。
このように電磁切換弁Vは、ソレノイド44へ供給する電流量を増加させていくと、非通電時の非通電ポジションから、伸側アンロードポジション、遮断ポジション、圧側アンロードポジションの順に切換り、圧側アンロードポジションを採る状態から前記電流量を減少させると、遮断ポジション、伸側アンロードポジション、非通電ポジションの順に切換る。なお、電磁切換弁Vは、伸側アンロードポジション、圧側アンロードポジションおよび遮断ポジションを備えていればよく、前述した電磁切換弁Vの具体的な構成は一例であって、電磁切換弁Vは、前述した構成以外の構成であってもよい。
鉄道車両用ダンパ1は、以上のように構成されており、以下、作動を説明する。まず、電磁切換弁Vを非通電ポジション或いは遮断ポジションとして、第一通路7と第二通路8が遮断する状態について説明する。この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から排出通路6を通じてタンク5へ作動油が排出され、拡大する圧側室R2には吸込通路を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1から排出される作動油の流れに対して可変減衰弁9が抵抗を与えるので、鉄道車両用ダンパ1は、伸長を妨げる減衰力を発揮する。その際の減衰力は、可変減衰弁9への通電量によってリリーフ弁体22の開弁圧の調節で制御できる。また、この状況で、鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、圧側室R2から整流通路12を通じて伸側室R1
へ作動油が移動し、ロッド4がシリンダ2内に侵入する体積分の作動油が排出通路6を介してタンク5に排出される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1から排出される作動油の流れに対して可変減衰弁9が抵抗を与えるので、鉄道車両用ダンパ1は、収縮を妨げる減衰力を発揮する。その際の減衰力は、可変減衰弁9への通電量によってリリーフ弁体22の開弁圧の調節で制御できる。このように、電磁切換弁Vが非通電ポジション或いは遮断ポジションを採ると、鉄道車両用ダンパ1は、伸縮作動の両方で減衰力を発揮するモードとなる。そして、可変減衰弁9によって減衰力調整が可能であるから、鉄道車両用ダンパ1は、減衰力可変ダンパとして機能する。なお、電磁切換弁Vおよび可変減衰弁9およびに電流供給が不能となる場合、可変減衰弁9はパッシブ弁26によって排出通路6を通過する作動油に抵抗を与えるので、鉄道車両用ダンパ1は伸縮作動の両方で減衰力を発揮するパッシブダンパとして機能する。
また、前述したように、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1の場合、ロッド4の断面積をピストン3の断面積の二分の一にして、ピストン3の伸側室R1側の受圧面積が圧側室R2側の受圧面積の二分の一となっている。よって、伸長作動時と収縮作動時とで可変減衰弁9の開弁圧を等しくしておけば、鉄道車両用ダンパ1の伸側減衰力と圧側減衰力は等しくなる。つまり、鉄道車両用ダンパ1の伸側減衰力と圧側減衰力とを等しくする場合、可変減衰弁9へ与える電流量が同じとなるので減衰力調整が容易となる。
つづいて、電磁切換弁Vを伸側アンロードポジションとして、第一通路7を連通するとともに第二通路8を遮断する状態について説明する。この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から第一通路7を通じて圧側室R2へ作動油が移動し、拡大する圧側室R2には吸込通路13を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、伸側室R1と圧側室R2の圧力はともにタンク圧となるので、鉄道車両用ダンパ1は伸長作動ではアンロードされて伸長を妨げる減衰力を発揮しない。また、鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、圧側室R2から第一通路7を通じて伸側室R1へ作動油が移動し、ロッド4がシリンダ2内に侵入する体積分の作動油が排出通路6を介してタンク5に排出される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1から排出される作動油の流れに対して可変減衰弁9が抵抗を与えるので、鉄道車両用ダンパ1は、収縮を妨げる減衰力を発揮する。その際の減衰力は、可変減衰弁9への通電量によってリリーフ弁体22の開弁圧の調節で制御できる。このように、電磁切換弁Vが伸側アンロードポジションを採ると、鉄道車両用ダンパ1は、伸長作動時には減衰力を発揮せず収縮作動時にのみ減衰力を発揮する伸側アンロードモードとなり、片効きのダンパとして機能する。
さらに、電磁切換弁Vを圧側アンロードポジションとして、第一通路7を遮断するとともに第二通路8を連通する状態について説明する。この状況で、鉄道車両用ダンパ1が伸長すると、伸側室R1から排出通路6を通じてタンク5へ作動油が排出され、拡大する圧側室R2には第二通路8を通じてタンク5から作動油が供給される。よって、鉄道車両用ダンパ1における伸側室R1から排出される作動油の流れに対して可変減衰弁9が抵抗を与えるので、鉄道車両用ダンパ1は、伸長を妨げる減衰力を発揮する。その際の減衰力は、可変減衰弁9への通電量によってリリーフ弁体22の開弁圧の調節で制御できる。また、この状況で鉄道車両用ダンパ1が収縮すると、拡大される伸側室R1には整流通路12を通じて圧側室R2から作動油が供給されるとともに、ロッド4がシリンダ2内に侵入する体積分の作動油が第二通路8を通じてタンク5へ排出される。よって、伸側室R1と圧側室R2の圧力はともにタンク圧となるので、鉄道車両用ダンパ1は伸長作動ではアンロードされて収縮を妨げる減衰力を発揮しない。このように、電磁切換弁Vが圧側アンロードポジションを採ると、鉄道車両用ダンパ1は、収縮作動時には減衰力を発揮せず伸長作動時にのみ減衰力を発揮する圧側アンロードモードとなり、片効きのダンパとして機能する。
このように鉄道車両用ダンパ1では、電磁切換弁Vを伸側アンロードポジション或いは圧側アンロードポジションとすると、片効きのダンパとして機能できる。よって、減衰力を発揮する方向が鉄道車両の台車Tの振動により車体Bを加振する方向である場合、そのような方向には減衰力を出さないように鉄道車両用ダンパ1を片効きのダンパとして機能させ得る。したがって、この鉄道車両用ダンパ1は、カルノップ理論に基づくセミアクティブ制御を容易に実現できるため、セミアクティブダンパとして機能できる。
以上、本発明の鉄道車両用ダンパ1は、シリンダ2と、シリンダ2内に移動自在に挿入されるとともにシリンダ2内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、タンク5と、伸側室R1をタンク5に連通する排出通路6と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する第一通路7と、圧側室R2とタンク5とを連通する第二通路8と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路12と、タンク5から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路13と、排出通路6に設けた可変減衰弁9と、第一通路7を連通するとともに第二通路8を遮断する伸側アンロードポジションと第一通路7を遮断するとともに第二通路8を連通する圧側アンロードポジションと第一通路7と第二通路8を遮断する遮断ポジションとを有していずれかのポジションに切換え可能な電磁切換弁Vとを備えている。
このように構成された鉄道車両用ダンパ1は、伸側アンロードポジションと圧側アンロードポジションとに切換可能な電磁切換弁Vを備えているので、セミアクティブダンパとして機能できる。このように鉄道車両用ダンパ1は、電磁弁としては可変減衰弁9と電磁切換弁Vのみを備えるだけでセミアクティブダンパとして機能できるから、従来の鉄道車両用ダンパに比べて小型化でき鉄道車両への搭載性が向上するとともに製造コストが低減される。さらに、鉄道車両用ダンパ1は、電磁弁としては可変減衰弁9と電磁切換弁Vのみを備えるので、鉄道車両用ダンパ1を制御するコントローラも電磁弁を駆動するドライバも小型化できる。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1は、電磁切換弁Vが伸側アンロードポジションから圧側アンロードポジションへ移行する際、および圧側アンロードポジションから伸側アンロードポジションへ移行する際に、遮断ポジションをとるようになっている。よって、電磁切換弁Vが伸側アンロードポジションと圧側アンロードポジションとに切換る際に、必ず遮断ポジションを採る。
ここで、電磁切換弁Vがの遮断ポジションから圧側アンロードポジションへ切換る際に伸側アンロードポジションを経由する構造の場合、鉄道車両用ダンパ1が伸長する際に遮断ポジションから圧側アンロードポジションへ切換えると、伸側アンロードポジションで伸側減衰力が発揮されないアンロード状態となってから伸側減衰力を発揮する状態となる。また、電磁切換弁Vがの遮断ポジションから伸側アンロードポジションへ切換る際に圧側アンロードポジションを経由する構造の場合でも同様に圧側減衰力の発揮までに一度アンロード状態となってしまい、その際に乗客が振動を感じる可能性がある。これに対して、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1では、電磁切換弁Vが伸側アンロードポジションと圧側アンロードポジションとに切換る際に、必ず遮断ポジションを採るので、伸側アンロードポジションから圧側アンロードポジションへの切換え、或いは伸側アンロードポジションから圧側アンロードポジションへの切換えの際に減衰力を発揮すべき状況では必ず継続して減衰力を発揮できる。よって、このように構成された鉄道車両用ダンパ1によれば、鉄道車両における乗り心地をより効果的に向上できる。
また、本実施の形態の鉄道車両用ダンパ1は、電磁切換弁Vが非通電時に第一通路7と第二通路8を遮断するので、電磁切換弁Vに電流供給不能な場合にはパッシブダンパとして機能して車体Bの振動を抑制できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
1・・・鉄道車両用ダンパ、2・・・シリンダ、3・・・ピストン、5・・・タンク、6・・・排出通路、7・・・第一通路、8・・・第二通路、9・・・可変減衰弁、12・・・整流通路、13・・・吸込通路、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、V・・・電磁切換弁

Claims (3)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に移動自在に挿入されるとともに前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、
    タンクと、
    前記伸側室を前記タンクに連通する排出通路と、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する第一通路と、
    前記圧側室と前記タンクとを連通する第二通路と、
    前記圧側室から前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路と、
    前記タンクから前記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路と、
    前記排出通路に設けた可変減衰弁と、
    前記第一通路を連通するとともに前記第二通路を遮断する伸側アンロードポジションと、前記第一通路を遮断するとともに前記第二通路を連通する圧側アンロードポジションと、前記第一通路と前記第二通路を遮断する遮断ポジションとを有していずれかのポジションに切換え可能な電磁切換弁とを備えた、
    ことを特徴とする鉄道車両用ダンパ。
  2. 前記電磁切換弁は、前記伸側アンロードポジションから前記圧側アンロードポジションへ移行する際、および前記圧側アンロードポジションから前記伸側アンロードポジションへ移行する際に、前記遮断ポジションをとる
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用ダンパ。
  3. 前記電磁切換弁は、非通電時に前記第一通路と前記第二通路を遮断する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両用ダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113815668A (zh) * 2021-09-26 2021-12-21 中车唐山机车车辆有限公司 转向架轴箱橡胶阻尼弹簧及转向架

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