JP2019182940A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形材料、繊維強化熱可塑性樹脂成形品、および繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形材料、繊維強化熱可塑性樹脂成形品、および繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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一貴 吉弘
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祐樹 三辻
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【課題】成形材料およびその成形材料を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形品に関する。さらに詳しくは、射出成形時の分散性が良好であり、かつ力学特性に優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形品を提供する。【解決手段】炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む繊維強化熱可塑性樹脂成形品であって、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下であり、前記炭素繊維(A)の重量平均繊維長が、0.7mm以上10mm以下である繊維強化熱可塑性樹脂成形品。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂成形材料、前記成形材料を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形品、および前記成形品の製造方法に関する。
強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、軽量で優れた力学特性を有するために、スポーツ用品用途、航空宇宙用途および一般産業用途に広く用いられている。これらの成形品に使用される強化繊維は、その使用用途によって様々な形態で強化している。これらの強化繊維には、アルミニウム繊維やステンレス繊維などの金属繊維、アラミド繊維やPBO繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイド繊維などの無機繊維や炭素繊維などが使用されているが、比強度、比剛性および軽量性のバランスの観点から炭素繊維が好適であり、その中でもポリアクリロニトリル系炭素繊維が好適に用いられる。
さらに、かかる繊維強化熱可塑性樹脂成形品を得るための成形材料(具体的には、連続した強化繊維、およびマトリックスとして熱可塑性樹脂を用いる成形材料)として、熱可塑性のプリプレグ、ヤーン、ガラスマット(GMT)など多種多様な形態が公知である。このような成形材料は、熱可塑性樹脂の特性を活かして成形を容易にし、熱硬化性樹脂のような貯蔵の負荷を必要とせず、また得られる成形品の靭性が高く、リサイクル性に優れるといった特徴がある。とりわけ、ペレット状に加工した成形材料は、射出成形やスタンピング成形などの経済性、生産性に優れた成形法に適用でき、工業材料として有用である。
しかしながら、成形材料を製造する過程で、連続した強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させるには、経済性、生産性の面での課題がある。例えば、樹脂の溶融粘度が高いほど強化繊維への含浸は困難とされることはよく知られている。靱性や伸度などの力学特性に優れた熱可塑性樹脂は、とりわけ高分子量体であり、プロセス温度も高温を必要とするため、成形材料を容易に、生産性よく製造することには不向きであった。そこで、含浸の容易さから低分子量化合物を含浸させた複合強化繊維を用いて、熱可塑性樹脂との混練を行う方法が用いられてきた。
例えば、(A)(a)多官能化合物によりサイジング処理された(b)強化繊維、(B)テルペン系樹脂、および(C)プロピレン系樹脂を有してなる成形材料であって、(B)のSP値が6.5〜9であり、かつ下記成分(a)のSP値よりも低い成形材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、強化繊維(A)、エポキシ樹脂(B−1)とテルペン系樹脂(B−2)からなる化合物(B)、プロピレン系樹脂(C)からなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、強化繊維束(A)に、特定条件を満たすエポキシ樹脂(B)を含浸させてなる複合強化繊維束の製造方法および、その方法により製造される成形材料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−248483号公報 特開2013−173810号公報 特開2012−57277号公報
以上に示したように、テルペン系樹脂などのように、低分子量化合物を強化繊維に含浸させた成形材料は従来提案されてきた。一方で、繊維強化熱可塑性樹脂成形品の改質検討は近年盛んに行なわれている。材料の高性能化に伴い、その用途も拡大しているが、それに伴いこれまで問題としていなかった課題も顕在化してきた。例えば、自動車の外板などの、大型成形品では加工性向上のため、小型成形品よりも高温での成形がしばしば行われる。しかしながら、低分子量化合物は、高分子量化合物に比べて分解しやすく、高温成形では、強化繊維の分散不良や、発生ガスによる空隙率増加による力学特性低下を引き起こす。そのため、前記したような従来の成形材料を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形品では、強化繊維の分散不良や、発生ガスによる空隙率増加により十分な力学特性が得られないという問題が生じていた。この点について、例えば、特許文献1には、高温成形時の強化繊維の分散性に関することは記載されていない。また特許文献2に記載された技術は、強化繊維と相互作用するエポキシ樹脂を用いることで、ポリプロピレン系樹脂の含浸性を向上させているが、エポキシ樹脂とポリプロピレン系樹脂との相溶性はテルペン系樹脂と比較して低いため、繊維分散性は未だ向上の余地がある。また、特許文献3に記載された技術は、熱可塑性樹脂としてエポキシ樹脂と相溶性の良好な高極性樹脂であるポリカーボネート樹脂を用いているが、低極性の汎用樹脂であるポリプロピレン等をマトリックス樹脂とした成形材料については記載されていない。
かかる状況において、強化繊維への低分子化合物の含浸性、および強化繊維の繊維分散が良好な成形材料、ならびにその成形材料を用いた成形品の開発が求められていた。
本発明は、従来技術が有する問題点に鑑み、成形時の繊維分散性が良好であり、かつ力学特性が良好な繊維強化熱可塑性樹脂成形材料、その成形材料を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形品、および成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる、次の成形材料、およびその成形材料を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形品を発明するに至った。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む繊維強化熱可塑性樹脂成形品であって、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下であり、前記炭素繊維(A)の重量平均繊維長が、0.7mm以上10mm以下である繊維強化熱可塑性樹脂成形品である。
また、本発明の成形材料は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む成形材料であって、前記炭素繊維(A)が軸心方向にほぼ平行に配列されており、かつ炭素繊維(A)の長さが成形材料の長さと実質的に同じであり、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂成形材料である。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料を用いることにより、成形品中における炭素繊維の分散性が良好であり、かつ力学特性に優れた成形品を得ることができる繊維強化熱可塑性樹脂成形品が得られる。本発明の成形材料を用いて成形された成形品は、電気・電子機器、OA機器、家電機器、または自動車の部品、内部部材および筐体などの各種部品・部材に極めて有用である。特に高温での成形が必要となる、充電器カバーやバッテリーACアダプターケース、コンデンサーケース、電力メーター、ドアパーツなどの自動車外装大型成形品に好適に用いられる。
本発明で得られる複合強化繊維束の横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。 本発明の成形材料の好ましい横断面形態の一例を示す概略図である。
本発明における繊維強化熱可塑性樹脂成形材料(以下、単に成形材料ということもある)は下記要件を満たす成形材料である。なお、本発明において、成形材料とは、成形品を射出成形などで成形する際に用いる原材料を意味する。
本発明の成形材料は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む成形材料であって、前記炭素繊維(A)が軸心方向にほぼ平行に配列されており、かつ炭素繊維(A)の長さが成形材料の長さと実質的に同じであり、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下である、成形材料である。
まず、これらの各成分について説明する。
<炭素繊維(A)について>
本発明における炭素繊維(A)は、マトリックス樹脂であるプロピレン系樹脂(C)に対する繊維補強効果により、力学特性を向上し得るものである。さらに、炭素繊維が導電性や熱伝導性など、固有の特性を有する場合、マトリックス樹脂単体では為し得ない、それらの性質も付与することができる。特に炭素繊維は、導電性有するため、電気・電子機器用部材に用いると電磁波シールド性が付与されるため好ましい。
炭素繊維(A)の種類として特に制限はないが、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが例示される。PAN系炭素繊維はポリアクリロニトリル繊維を原料とする炭素繊維である。ピッチ系炭素繊維は石油タールや石油ピッチを原料とする炭素繊維である。セルロース系炭素繊維はビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とする炭素繊維である。気相成長系炭素繊維は炭化水素などを原料とする炭素繊維である。これらのうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましい。また、導電性を付与するために、ニッケル、銅またはイッテルビウムなどの金属を被覆した炭素繊維を用いることもできる。
本発明の成形材料おける炭素繊維(A)の含有量は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)およびプロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、1〜50重量部(1重量部以上50重量部以下)である。炭素繊維(A)の含有量が1重量部未満であると、成形品の曲げ強度等の力学特性が発現しにくい。炭素繊維(A)の含有量は、10重量部以上が好ましい。一方、炭素繊維(A)の含有量が50重量部を超えると、成形加工の際に成形材料の流動性が低下する場合がある。炭素繊維(A)の含有量は30重量部以下が好ましい。
さらに炭素繊維としては、X線光電子分光法により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比[O/C]が0.05〜0.5であるものが好ましく、より好ましくは0.08〜0.4であり、さらに好ましくは0.15〜0.3である。表面酸素濃度比が0.05以上であることにより、炭素繊維表面の官能基量を確保でき、熱可塑性樹脂とより強固な接着を得ることができる。また、表面酸素濃度比の上限には特に制限はないが、炭素繊維の取扱い性、生産性のバランスから一般的に0.5以下とすることが例示できる。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めるものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、表面酸素濃度比とは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出する。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用いる場合には、感度補正値を1.74とする。
表面酸素濃度比[O/C]を0.05〜0.5に制御する手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理および気相酸化処理などの手法をとることができ、中でも電解酸化処理が好ましい。
また、炭素繊維の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、1〜20μmの範囲内であることが好ましく、3〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
また、炭素繊維(A)はサイジング剤が付与されてなることが、集束性、耐屈曲性や耐擦過性を改良し、高次加工工程において、毛羽、糸切れの発生を抑制できるため好ましい。さらに、サイジング剤は、炭素繊維表面の官能基等と相互作用し、接着性およびコンポジットの力学特性を向上させることができるため、好ましい。
サイジング剤の付着量は、特に限定しないが、炭素繊維100重量部に対して、0.1〜3重量部以下が好ましく、0.2〜1.2重量部以下がより好ましく、0.5〜1重量部以下付与することがさらに好ましい。0.1重量部以上では接着性が向上し、成型品の力学特性が向上する。3重量部以下では、成型品中での炭素繊維の分散性が向上する。さらにマトリックス樹脂の物性の低下を抑制するため好ましい。
また、サイジング剤としては、エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリエステル、乳化剤あるいは界面活性剤などが挙げられる。また、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
サイジング剤成分として接着性の観点からエポキシ樹脂(a)が好ましい。エポキシ樹脂(a)を強化繊維とマトリックス樹脂間に存在させた場合、柔軟で剥離しにくくさせるため、繊維強化熱可塑性樹脂成形品の強度を向上しやすく好ましい。
エポキシ樹脂(a)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、マトリックス樹脂との接着性を発揮しやすいため、エポキシ樹脂(a)としては、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。通常、エポキシ樹脂はエポキシ基を多数有すると、架橋反応後の架橋密度が高くなるために、靭性の低い構造になりやすい傾向にあり、炭素繊維とマトリックス樹脂間に存在させても、もろいために剥離しやすく、繊維強化熱可塑性樹脂成形品の強度発現しないことがある。一方、脂肪族エポキシ樹脂は、柔軟な骨格のため、架橋密度が高くとも靭性の高い構造になりやすく、界面で柔軟で剥離しにくくさせるため、繊維強化熱可塑性樹脂成形品の強度を向上しやすく好ましい。
脂肪族エポキシ樹脂は分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂である。芳香環とは電子共役を有し、芳香族性を示す環状の化学骨格である。
脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ジグリシジルエーテル化合物では、エチレングリコールジグリシジルエーテル及び、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及び、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類等が挙げられる。また、ポリグリシジルエーテル化合物では、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、アラビトールポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパングリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂の中でも、3官能以上の多官能脂肪族エポキシ樹脂を用いるのが良く、さらには、反応性の高いグリシジル基を3個以上有する脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物を用いるのがより好ましい。この中でも、さらに好ましくは、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル類が好ましい。脂肪族のポリグリシジルエーテル化合物は、柔軟性、架橋密度、マトリックス樹脂との相溶性のバランスがよく、効果的に成型品の力学特性を向上させることから好ましい。
サイジング剤の付与手段としては特に限定されるものではないが、例えばローラーを介してサイジング液に浸漬する方法、サイジング液の付着したローラーに接する方法、サイジング液を霧状にして吹き付ける方法などがある。また、バッチ式、連続式いずれでもよいが、生産性がよくバラツキが小さくできる連続式が好ましい。この際、炭素繊維に対するサイジング剤有効成分の付着量が適正範囲内で均一に付着するように、サイジング液濃度、温度、糸条張力などをコントロールすることが好ましい。また、サイジング剤付与時に炭素繊維を超音波で加振させることはより好ましい。
サイジング剤に使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメリルアセトアミド、アセトン等が挙げられるが、取扱いが容易で防災の観点から水が好ましい。従って、水に不溶、若しくは難溶の化合物をサイジング剤として用いる場合には、乳化剤、界面活性剤を添加し、水分散して用いるのが良い。具体的には、乳化剤、界面活性剤としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、オレフィン−無水マレイン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリアクリル酸ソーダ等のアニオン系乳化剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾリン等のカチオン系乳化剤、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンエーテルエステル共重合体、ソルビタンエステルエチルオキサイド付加物等のノニオン系乳化剤等を用いることができるが、相互作用の小さい
ノニオン系乳化剤が多官能化合物の接着性効果を阻害しにくく好ましい。
<テルペン系樹脂(B)について>
テルペン系樹脂(B)は炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部(0.01重量部以上20重量部以下)である。より好ましくは、2〜15重量部であり、さらに好ましくは、4〜12重量部である。テルペン系樹脂(B)が0.01重量部未満では、成形加工の際に炭素繊維(A)の流動性が向上しにくく、分散性に劣る。また、20重量部を超える場合、成形品の力学特性が低下する。テルペン系樹脂(B)はプロピレン系樹脂(C)と相溶性がよいので、テルペン系樹脂(B)を含有することにより、成形材料を射出成形やプレス成形などにより成形する際に、成形材料の粘度を下げ、成形性向上させることができる。なお、本発明におけるテルペン系樹脂とは、後述するテルペン単量体、二量体、または多量体を含む。
また、本発明に用いられるテルペン系樹脂は、有機溶媒中でフリーデルクラフツ型触媒存在下、テルペン単量体単独、テルペン単量体と芳香族単量体等と共重合体して得られる重合体からなる樹脂、若しくは、前記樹脂を水素添加処理して得られた水添テルペン系重合体からなる樹脂などが挙げられる。
フリーデルクラフツ反応は、塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下に、ハロゲン化アルキルやハロゲン化アシルで芳香環に炭素側鎖を導入する反応であるが、フリーデルクラフツ触媒は、フリーデルクラフツ反応を促進する触媒として、一般的に使用されている。
具体的には、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、シリカ、アルミナ、ゼオライト、陽イオン交換樹脂、あるいは、三フッ化ホウ素に水などを加えた触媒等がよく使用される。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料であるモノマーに対し、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である、触媒量が0.1重量%未満では、反応収率が著しく低くなり、一方、10重量%を超えても触媒効果が上がらないので好ましくない。
フリーデルクラフツ反応では、反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類などの溶媒が使用される。反応温度は、特に限定されないが、通常0〜100℃、好ましくは、0〜50℃である。さらに好ましくは、20〜50℃ である。
テルペン単量体としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類等の単環式モノテルペンが挙げられる。また、芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
中でも、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネンがプロピレン系樹脂(C)との相溶性がよく好ましい。そのため、テルペン系樹脂(B)としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびd−リモネンから選ばれる1種以上を重合することによって合成されるものが好ましい。より具体的には、前記テルペン単量体の1種または2種以上を重合、または共重合することによって合成されるテルペン樹脂が好ましい。また、該重合体を水素添加処理して得られた水添テルペン系重合体が、プロピレン系樹脂との相溶性がよくなるため好ましい。
水添テルペン系重合体とは一般的にテルペン単量体からなる重合体、またはテルペン単量体を含む単量体からなる共重合体を触媒の存在下、水素と反応させたものである。 本発明の重合体の水素添加処理方法(水添)は、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの坦体上に担持したものを触媒として使用して行う方法が挙げられる。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料である重合体100重量部に対し0.1〜100重量部、好ましくは1〜10重量部である。触媒量が1重量部未満では、水素化反応速度が遅くなり、一方、10重量部を超えても触媒効果が上がらないので好ましくない。
テルペン系樹脂(B)の重量平均分子量は、300〜5000であることが好ましい。より好ましくは、1400〜1800である重量平均分子量が300以上では、テルペン系樹脂の熱減量が低下するため、成形品中での炭素繊維の分散性が向上するため好ましい。また、数平均分子量が5000以下では、高粘度化するため、炭素繊維への含浸性、および成形時の繊維分散性が向上するため、好ましい。
前記テルペン系樹脂(B)の分子量272以下の成分の含有量がテルペン系樹脂(B)全量に対して10重量%以下であることが好ましい。テルペン系樹脂(B)は分子量分布を有する重合体であるが、低分子量体成分が増加すると熱減量は増加する。特にテルペン系樹脂(B)中に含まれるモノマー成分であるテルペン単量体(分子量136)、および2量体成分(分子量272)が増加すると、熱減量が増加する。このため、分子量272以下の成分の含有量が10重量%以下であると、成形品中での炭素繊維の分散性が向上するため好ましい。下限は特にないが、1重量%以下になると分散性への影響は一定になることがある。 なお重量平均分子量および分子量272以下の成分の含有量測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレンを標準物質とした公知の方法で測定することができる。
重量平均分子量は得られた分子量分布曲線から以下の式に基づき算出することができる。
重量平均分子量=Σ(M×N)/Σ(M×N)
M:分子量
N:ポリマー分子の数
また、分子量272以下の成分の含有量は、分子量100から100000にベースラインを引き求めた積分分子量曲線から分子量272以下の成分が全体に占める割合から算出することができる。
また、本発明のテルペン系樹脂(B)は、窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下である。より好ましくは、7%以下である。かかる加熱減量が10%を超える場合は、成形品における炭素繊維の分散が不十分となる。また、高温における成形では、発生ガスが増加し、発生ガスによる空隙率増加により十分な力学特性が得られない。
なお、テルペン系樹脂(B)の熱減量は、テルペン系樹脂の分子量によって調整でき、例えば、テルペン系樹脂の重合条件の変更、特定成分の洗浄、蒸留、分取等の精製工程により調整することができる。重合条件としては、例えば、モノマー、反応触媒の種類、(モノマー/反応触媒)の比率、反応温度、反応時間などが挙げられる。例えば重合触媒の比率を増加させることで、反応効率が高まり、分子量を増加させることができる。
重合後のテルペン系樹脂は水などの溶媒による洗浄工程を経ることで、低分子量成分を除去することができる。また、蒸留、分取等の工程を経ることによっても低分子量成分を取り除くことができる。
また、テルペン系樹脂を水素添加処理して得られた水素化テルペン系樹脂における、水素添加の割合は、添加反応に用いる(テルペン系樹脂/触媒)の割合、反応温度によって調整できる。例えば、水素添加の際の反応温度は、通常20〜250℃、好ましくは、50〜200℃である。反応温度が20℃未満であると、水素化速度が遅くなり、一方、250℃を超えると、水添物の分解が多くなる恐れがある。さらにテルペン系樹脂(B)全体に対する水素添加の割合は、添加反応前と反応後のテルペン系樹脂を混合することによっても調整することができる。
本発明においては、上記のように条件を適宜変更することにより、熱減量を所望の範囲とすることができる。
熱減量は、測定方法は熱重量分析(TGA)により測定することにより求めることができ、窒素雰囲気下、10〜50℃/分の速度で250℃まで昇温した後、30分間、定温加熱した際の重量変化から以下の式を用いて算出することができる。
(加熱減量)[重量%]={(加熱前重量−加熱後重量)/加熱前重量}×100
また、テルペン系樹脂(B)の180℃における溶融粘度は、好ましくは、0.05〜1.0Pa・sであり、より好ましくは、0.1〜0.5Pa・sである。テルペン系樹脂(B)の溶融粘度が0.05Pa・s以上では、テルペン系樹脂(B)がプロピレン系樹脂(C)に分散した際のマトリックス樹脂の強度低下を抑制し、成形品の力学特性低下を防ぐ。また、1.0Pa・s以下では、低粘度であるため炭素繊維の分散性が向上する。
テルペン系樹脂(B)の180℃における溶融粘度は、40mmのパラレルプレートを用いて、0.5Hzにて、粘弾性測定器により測定することができる。テルペン系樹脂(B)の180℃における溶融粘度は、高分子量化により増大するため、上記分子量を調整する手段により、適宜調整することが好ましい。
また、テルペン系樹脂(B)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)を1重量部以上、10重量部未満含有することが好ましい。テルペン系樹脂(B)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)を1重量部以上含有する場合には、炭素繊維とマトリックス樹脂の接着性が向上し、成形品の力学特性が向上する。また、テルペン系樹脂(B)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)が10重量部未満になることで、SP値の観点からポリプロピレン系樹脂との相溶性に優れるテルペン系樹脂の比率が多くなり、炭素繊維の繊維分散性が向上し、成形品外観が向上する。 ここでいうエポキシ樹脂(a)とは、炭素繊維のサイジング剤として例示したエポキシ樹脂を用いることができる。2種以上を用いてもよい。成形材料中においてエポキシ樹脂が上記範囲含まれていればよく、炭素繊維のサイジング剤として用いる場合でもよい。より具体的に説明する。本発明の成形材料の構造は後述するが、本発明の成形材料は、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)が含浸した複合繊維束(D)をプロピレン系樹脂(C)で被覆した成形材料が好ましい。ここで、エポキシ樹脂(a)は、サイジング剤として、炭素繊維に付着していてもよい(この場合、エポキシ樹脂(a)は、複合繊維束(D)に含まれる)。エポキシ樹脂(a)は炭素繊維に付着していなくともよく、成形材料中において上記範囲含まれていればよい。例えば、プロピレン系樹脂(C)とエポキシ樹脂(a)との混合物で、複合繊維束(D)を被覆してもよい。言い換えると、エポキシ樹脂(a)は、成形材料の芯部に含まれていてもよく、鞘部に含まれていてもよく、芯部と鞘部の両方に含まれていてもよい。
また、本発明のテルペン系樹脂(B)とエポキシ樹脂(a)の混合物のSP値は、8.8以下であることが好ましい。SP値が近い樹脂は相溶しやすい。テルペン系樹脂およびエポキシ樹脂(a)は、成形材料の成形性を効果的に向上させるために、プロピレン系樹脂(C)と相溶する必要がある。ここで、プロピレン系樹脂(C)のSP値は種類によるが、この値は通常7〜8程度であることから、テルペン系樹脂(B)とエポキシ樹脂(a)の混合物のSP値は、8.8以下であることが好ましい。より好ましくは、8.5以下である。混合物のSP値が8.8以下では、プロピレン系樹脂(C)と相溶しやすい傾向にあり、炭素繊維(A)の分散性が向上する。下限としては、プロピレン系樹脂(C)の下限である6.5以上であることが好ましい。
また、本発明に用いるテルペン系樹脂(B)のSP値は、8.4以下であることが好ましい。テルペン系樹脂(B)のSP値を8.4以下とすることで、混合物のSP値が低下し、成型品中での炭素繊維の分散性が向上する。
テルペン系樹脂(B)のSP値は、モノマーの種類、水素添加の割合などにより調整することができ、水素添加の割合は上述の手法で調整することができる。なお、SP値の測定方法は後述するとおりである。
ここでSP値とは、溶解度パラメーターであり、2成分のSP値が近いほど溶解度が大となることが経験的に得られている。SP値の決定法は幾種類か知られているが、比較においては同一の決定法を用いればよい。具体的には、Fedorsの方法を用いることが望ましい。(参照 SP値基礎・応用と計算、2005年3月31日 第1版、発行者 谷口彰敏、発行 株式会社情報機構、66〜67頁)
また、テルペン系樹脂(B)とエポキシ樹脂(a)の混合物のSP値は以下の式に基づき、算出した。
混合物のSP値=δ×w/100+δ×w/100+δ×w/100…
δ:i番目の成分のSP値
:テルペン系樹脂(B)とエポキシ樹脂(a)の合計100重量部に対するi番目の樹脂成分の重量(重量部)
<プロピレン系樹脂(C)について>
プロピレン系樹脂(C)は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、30〜98.99重量部である。より好ましくは、50〜95重量部である。この範囲内で用いることで、力学特性に優れる成形品を得ることができる。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(C)としては、酸変性ポリプロピレン樹脂を用いることが、サイジング剤とプロピレン系樹脂(C)の接着性を向上しやすく、力学特性向上の点から好ましい。
ここで、酸変性ポリプロピレン樹脂とは、例えば、プロピレンなどの主として炭化水素から構成される高分子主鎖と、不飽和カルボン酸により形成されるカルボキシル基又は、その金属塩、アンモニウム塩を含む側鎖とを有するものが挙げられる。高分子主鎖は、プロピレンと不飽和カルボン酸とを共重合させたランダム共重合体でもよいし、プロピレンに不飽和カルボン酸をグラフトしたグラフト共重合体でもよい。また、α−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンなどや1−ブテン等の共重合可能な共重合成分と共重合してもよい。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等を挙げることができる。特にマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸が共重合反応させやすいことから好ましい。プロピレンとの共重合又はプロピレンへのグラフト共重合に使用する不飽和カルボン酸は1種のみでもよいし、2種以上の不飽和カルボン酸を使用しても良い。
また、酸変性ポリプロピレン樹脂は、官能基を2つ以上有するために、酸変性ポリプロピレン樹脂1g当たり、−C(=O)−O−で表される基換算で総量0.05〜5ミリモル当量であることが好ましい。より好ましくは0.1〜4ミリモル当量、さらに好ましくは0.3〜3ミリモル当量である。上記のようなカルボン酸塩の含有量を分析する手法としては、IR、NMRおよび元素分析等を用いてカルボン酸のカルボニル炭素の定量をおこなう方法が挙げられる。−C(=O)−O−で表される基換算で総量が0.05ミリモル当量以下では、接着性を発揮しにくい傾向にあり、5ミリモル当量以上では酸変性ポリプロピレン樹脂がもろくなり、成型品の力学特性を低下させることがある。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を混合しても良い。添加剤の例としては、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤等が挙げられる。
次に、本発明の成形材料の構造について説明する。本発明の成形材料は、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)が含浸した複合繊維束(D)をプロピレン系樹脂(C)で被覆した構造をとることが好ましい。
図2は、本発明の成形材料の好ましい縦断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、縦断面とは、軸心方向を含む面での断面を意味する。本発明の成形材料は、図2に示すように、炭素繊維(A)が成形材料の軸心方向にほぼ平行に配列され、かつ炭素繊維(A)の長さは成形材料の長さと実質的に同じ長さである。図2において、黒い線(1)の部分は炭素繊維(A)を、白い線(2)の部分はテルペン系樹脂(B)を示す。
ここで言う、「ほぼ平行に配列されて」いるとは、炭素繊維(A)の長軸の軸線と、成形材料の長軸の軸線とが、同方向を指向している状態を示し、軸線同士の角度のずれが、好ましくは20°以下であり、より好ましくは10°以下であり、さらに好ましくは5°以下である。また、「実質的に同じ長さ」とは、例えばペレット状の成形材料において、ペレット内部の途中で炭素繊維(A)が切断されていたり、ペレット全長よりも有意に短い炭素繊維(A)が実質的に含まれたりしないことである。特に、そのペレット全長よりも短い炭素繊維(A)の量について規定されているわけではないが、ペレット全長の50%以下の長さの炭素繊維(A)の含有量が30重量部以下である場合には、ペレット全長よりも有意に短い炭素繊維(A)が実質的に含まれていないと評価する。さらに、ペレット全長の50%以下の長さの炭素繊維(A)の含有量は20重量部以下であることが好ましい。なお、ペレット全長とはペレット中の炭素繊維(A)配向方向の長さである。炭素繊維(A)が成形材料と同等の長さを持つことで、成形品中の強化繊維長を長くすることが出来るため、優れた力学特性を得ることができる。
図3は、本発明の成形材料の縦断面形態の一例を模式的に表したものであり、図4は、本発明の成形材料の横断面形態の一例を模式的に表したものである。
成形材料の断面形態は、炭素繊維(A)とテルペン系樹脂(B)からなる複合繊維束に、プロピレン系樹脂(C)が接着するように配置されていれば図に示されたものに限定されないが、好ましくは図3に示されるように、複合繊維束が芯材となりプロピレン系樹脂(C)で層状に挟まれて配置されている構成が好ましい。
また図4に示されるように、炭素繊維(A)およびテルペン系樹脂(B)を有する複合繊維束を芯構造として、その周囲をプロピレン系樹脂(C)が被覆するような芯鞘構造に配置されている構成が好ましい。また、図5に示されるような複数の複合体をプロピレン系樹脂(C)が被覆するように配置する場合、複合体の数は2〜6程度が望ましい。
複合繊維束(D)とプロピレン系樹脂(C)の境界は接着され、境界付近で部分的にプロピレン系樹脂(C)が複合体の一部に入り込み、複合体を構成するテルペン系樹脂(B)と相溶しているような状態、あるいは炭素繊維に含浸しているような状態になっていてもよい。
本発明の成形材料は、例えば射出成形により混練されて最終的な成形品となる。成形材料の取扱性の点から、複合繊維束(D)とプロピレン系樹脂(C)は成形が行われるまでは接着されたまま分離せず、前述のような形状を保っていることが好ましい。複合繊維束とプロピレン系樹脂(C)では、形状(サイズ、アスペクト比)、比重、重量が全く異なるため、成形までの材料の運搬、取り扱い時、成形工程での材料移送時に分級し、成形品としたときの成形品の力学特性にバラツキを生じたり、成形加工の際の成形材料の流動性が低下して金型詰まりを起こしたり、成形工程でブロッキングする場合がある。
かかる観点から、前記したような、図4に例示されるような芯鞘構造に配置されている構成が好ましい。このような配置であれば、プロピレン系樹脂(C)が複合繊維束(D)を拘束し、より強固な複合化ができる。
次に、本発明の成形材料の製造方法について説明する。
ここで、本発明の成形材料としては、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)が含浸した複合繊維束(D)をプロピレン系樹脂(C)で被覆した成形材料を1〜50mmの長さでカットした成形材料が好ましい。この長さに調製することにより、成形加工の際の流動性、取扱性を十分に高めることができる。このように適切な長さに切断されてなる成形材料としてとりわけ好ましい態様は、射出成形用の長繊維ペレットが例示できる。
ここで、複合繊維束(D)の製造方法は、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)を供給し、テルペン系樹脂(B)を100〜300℃の溶融状態で炭素繊維(A)と接触させる工程(I)と、テルペン系樹脂(B)と接触している炭素繊維(A)を加熱してテルペン系樹脂(B)を炭素繊維(A)に含浸させる工程(II)を有する方法である。
工程(I)とは、特に限定されないが、繊維束に油剤、サイジング剤、マトリックス樹脂を付与するような公知の製造方法を用いることができ、中でも、ディッピング、もしくは、コーティングが好ましく、具体的なコーティングとしては、リバースロール、正回転ロール、キスロール、スプレイ、カーテンが好ましく用いられる。
ここで、ディッピングとは、ポンプにてテルペン系樹脂(B)を溶融バスに供給し、該溶融バス内で炭素繊維(A)を通過させる方法をいう。炭素繊維(A)をテルペン系樹脂(B)の溶融バスに浸すことで、確実にテルペン系樹脂(B)を炭素繊維(A)に付着させることができる。また、リバースロール、正回転ロール、キスロールとは、ポンプで溶融させたテルペン系樹脂(B)をロールに供給し、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)の溶融物を塗布する方法をいう。さらに、リバースロールは、2本のロールが互いに逆方向に回転し、ロール上に溶融したテルペン系樹脂(B)を塗布する方法であり、正回転ロールは、2本のロールが同じ方向に回転し、ロール上に溶融したテルペン系樹脂(B)を塗布する方法である。通常、リバースロール、正回転ロールでは、炭素繊維(A)を挟み、さらにロールを設置し、テルペン系樹脂(B)を確実に付着させる方法が用いられる。一方で、キスロールは、炭素繊維(A)とロールが接触しているだけで、テルペン系樹脂(B)を付着させる方法である。そのため、キスロールは比較的粘度の低い場合の使用が好ましいが、いずれのロールの方法を用いても、加熱溶融したテルペン系樹脂(B)の所定量を塗布させ、炭素繊維(A)を接着させながら走らせることで、繊維束の単位長さ当たりに所定量のテルペン系樹脂(B)を付着させることができる。スプレイは、霧吹きの原理を利用したもので、溶融したテルペン系樹脂(B)を霧状にして炭素繊維(A)に吹き付ける方法であり、カーテンは、溶融したテルペン系樹脂(B)を小孔から自然落下させ塗布する方法、または溶融槽からオーバーフローさせ塗布する方法である。塗布に必要な量を調節しやすいため、テルペン系樹脂(B)の損失を少なくできる。
また、テルペン系樹脂(B)を供給する際の溶融温度としては、100〜300℃が好ましい。より安定して付着させるためには、180〜230℃であることが好ましい。100℃未満では、テルペン系樹脂(B)の粘度が高くなり、供給する際に、付着むらが発生することがある。また、300℃を越えると、長時間にわたり製造した場合に、テルペン系樹脂(B)が熱分解する可能性がある。100〜300℃の溶融状態で炭素繊維(A)と接触させることで、テルペン系樹脂(B)を安定して供給することができる。
次いで、工程(II)として、工程(I)で得られた、テルペン系樹脂(B)と接触した状態の炭素繊維(A)を、加熱してテルペン系樹脂(B)を炭素繊維(A)に含浸させる。具体的には、テルペン系樹脂(B)と接触した状態の炭素繊維(A)に対して、テルペン系樹脂(B)が溶融する温度において、ロールやバーで張力をかける、拡幅、集束を繰り返す、圧力や振動を加えるなどの操作でテルペン系樹脂(B)を炭素繊維(A)の内部まで含浸するようにする工程である。より具体的な例として、加熱された複数のロールやバーの表面に繊維束を接触するように通して拡幅などを行う方法を挙げることができ、中でも、絞り口金、絞りロール、ロールプレス、ダブルベルトプレスを用いて含浸させる方法が好適に用いられる。ここで、絞り口金とは、進行方向に向かって、口金径の狭まる口金のことであり、炭素繊維束を集束させながら、余分に付着したテルペン系樹脂(B)を掻き取ると同時に、含浸を促す口金である。また、絞りロールとは、ローラーで炭素繊維束に張力をかけることで、余分に付着したテルペン系樹脂(B)を掻き取ると同時に、含浸を促すローラーのことである。また、ロールプレスは、2つのロール間の圧力で連続的に炭素繊維束内部の空気を除去するのと同時に、含浸を促す装置であり、ダブルベルトプレスとは、炭素繊維束の上下からベルトを介してプレスすることで、含浸を促す装置である。
また、工程(II)において、テルペン系樹脂(B)が炭素繊維(A)に含浸されていることが必要である。
また、工程(II)において、テルペン系樹脂(B)の最高温度が150〜300℃であることが好ましい。好ましくは180〜300℃であり、より好ましくは180℃〜250℃である。150℃未満では、テルペン系樹脂(B)を十分に溶融できず、含浸不足の炭素繊維束になる可能性があり、400℃以上では、テルペン系樹脂(B)の分解反応を起こすなどの好ましくない副反応が生じる場合がある。
工程(II)における加熱方法としては、特に限定しないが、具体的には、加熱したチャンバーを用いる方法や、ホットローラーを用いて加熱と加圧を同時に行う方法が例示できる。
また、テルペン系樹脂(B)の架橋反応や分解反応などの好ましくない副反応の発生を抑制する観点から、非酸化性雰囲気下で加熱することが好ましい。ここで、非酸化性雰囲気とは酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を含有しない雰囲気、すなわち、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの面から、窒素雰囲気が好ましい。
また、複合繊維束(D)の引取速度は、工程速度に直接影響するため、経済性、生産性の観点から高いほど好ましい。具体的には、引取速度としては、10〜100m/分が好ましい。より好ましくは、20〜100m/分であり、さらに好ましくは30〜100m/分である。引取方法としては、ニップローラーで引き出す方法や、ドラムワインダーで巻き取る方法や、直接ストランドカッターなどで、一定長に切断しながら複合繊維束(D)を引き取る方法が挙げられる。
図1は、本発明で得られる複合強化繊維束の横断面形態の一例を示す概略図である。なお、本発明において、横断面とは、軸心方向に直交する面での断面を意味する。工程(I)、(II)から得られる複合繊維束(D)は、炭素繊維(A)にテルペン系樹脂(B)を塗布、含浸せしめた複合体として形成されている。この複合繊維束(D)の形態は図1に示すようなものであり、炭素繊維(A)の各単繊維間にテルペン系樹脂(B)が満たされている。すなわち、テルペン系樹脂(B)の海に、炭素繊維(A)の各単繊維が島のように分散している状態である。図1において、黒い丸(1)が炭素繊維(A)を示し、(2)がテルペン系樹脂を示す。
上記複合体において、テルペン系樹脂(B)が炭素繊維(A)に良好に含浸した複合繊維束(D)とすることで、例えば、プロピレン系樹脂(C)と共に射出成形すると、射出成形機のシリンダー内で溶融混練された、テルペン系樹脂(B)が、プロピレン系樹脂(C)に拡散し、炭素繊維(A)がプロピレン系樹脂(C)に分散することを助け、同時にプロピレン系樹脂(C)が炭素繊維(A)に置換、含浸することを助ける、いわゆる含浸助剤・分散助剤としての役割を持つ。
さらに、本発明の成形材料は、上記のようにして得られた複合繊維束(D)にプロピレン系樹脂(C)が接着されて構成される。複合繊維束(D)にプロピレン系樹脂(C)を接着させる方法は特に限定されないが、より具体的には、押出機と電線被覆法用のコーティングダイを用いて、連続的に複合繊維束(D)の周囲にプロピレン系樹脂(C)を被覆するように配置していく方法や、ロール等で扁平化した複合体の片面あるいは両面から押出機とTダイを用いて溶融したフィルム状のプロピレン系樹脂(C)を配置し、ロール等で一体化させる方法を挙げることができる。
次に、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形品(以下、単に成形品ということもある)について説明する。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形品は、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む繊維強化熱可塑性樹脂成形品であって、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下であり、前記炭素繊維(A)の重量平均繊維長が、0.7mm以上10mm以下である。なお、成形品に用いられる(A)〜(C)は、成形材料に関する説明で例示した(A)〜(C)を用いることができる。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形品に含有する炭素繊維(A)の重量平均繊維長は、0.7mm以上10mm以下である。炭素繊維(A)の重量平均繊維長が0.7mm未満の場合、成形品の曲げ強度が向上しにくい。一方、重量平均繊維長が10mmを超える場合、炭素繊維(A)同士の単糸間での絡み合いが抑制されにくく、分散性に劣る。重量平均繊維長は5mm以下がより好ましく、3mm以下がさらに好ましい。また、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。
成形品における炭素繊維(A)の重量平均繊維長は、単純に数平均を取るのではなく、重量平均分子量の算出方法を繊維長の算出に適用し、繊維長の寄与を考慮した下記の式から算出される平均繊維長を指す。ただし、下記の式は、炭素繊維(A)の繊維径および密度が一定の場合に適用される。
平均繊維長=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:繊維長Miの炭素繊維の個数。
上記平均繊維長の測定は、次の方法により行うことができる。成形品を300℃に設定したホットステージの上にガラス板間に挟んだ状態で加熱し、フィルム状にして均一分散させる。炭素繊維が均一分散したフィルムを、光学顕微鏡(50〜200倍)にて観察する。無作為に選んだ1,000本の炭素繊維(A)の繊維長を計測して、上記式から平均繊維長(L)を算出する。
なお、成形品中における炭素繊維(A)の平均繊維長は、例えば、成形条件などにより調整することができる。成形条件としては、例えば、射出成形の場合、背圧や保圧力などの圧力条件、射出時間や保圧時間などの時間条件、シリンダー温度や金型温度などの温度条件などが挙げられる。背圧などの圧力条件を増加させることで、シリンダー内での剪断力を高めることができるため、炭素繊維(A)の平均繊維長を短くすることができる。また、射出時間を短くすることでも射出時の剪断力を高くすることができ、炭素繊維(A)の平均繊維長を短くすることができる。さらにシリンダー温度や金型温度などの温度を下げることで、流動する樹脂粘度を上げることができ剪断力を高めることができるため、炭素繊維(A)の平均繊維長を短くすることができる。本発明においては、上記のように条件を適宜変更することにより、成形品中における炭素繊維(A)の平均繊維長を所望の範囲とすることができる。
続いて、本発明の成形品の製造方法について説明する。好ましくは前述した本発明の成形材料を成形することにより、成形品を得ることができる。成形方法としては、特に限定しないが、射出成形、オートクレーブ成形、プレス成形、フィラメントワインディング成形、スタンピング成形などの生産性に優れた成形方法に適用でき、これらを組み合わせて用いることもできる。また、インサート成形、アウトサート成形などの一体化成形も容易に実施できる。さらに、成形後にも加熱による矯正処置や、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの生産性に優れた接着工法を活用することもできる。
これらの中でも、金型を用いた成形方法が好ましく、特に射出成形機を用いた成形方法により、連続的に安定した成形品を得ることができる。射出成形の条件としては、特に規定はないが、例えば射出時間:0.5秒〜10秒、より好ましくは2秒〜10秒、背圧力:0.1MPa〜10MPa、より好ましくは2MPa〜8MPa、保圧力:1MPa〜50MPa、より好ましくは1MPa〜30MPa、保圧時間:1秒〜20秒、より好ましくは5秒〜20秒、シリンダー温度:250℃〜320℃、金型温度:20℃〜100℃の条件が好ましい。ここで、シリンダー温度とは、射出成形機の成形材料を加熱溶融する部分の温度を示し、金型温度とは、所定の形状にするための樹脂を注入する金型の温度を示す。これらの条件、特に射出時間、背圧力および金型温度を適宜選択することにより、成形品中の強化繊維の繊維長を容易に調整することができる。シリンダー温度は、250℃以上がさらに好ましい。250℃以上であると自動車外装部材のような大型成形の際に成形材料の流動性が増加し、短時間で成形が可能になり、かつ端部まで成形材料が行き届くため好ましい。
上記成形方法により得られる成形品としては、インストルメントパネル、ドアビーム、アンダーカバー、ランプハウジング、ペダルハウジング、ラジエータサポート、スペアタイヤカバー、フロントエンドなどの各種モジュール、シリンダーヘッドカバー、ベアリングリテーナ、インテークマニホールド、ペダル等の自動車部品、部材および外板、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、モンキー、レンチ等の工具類、さらに電話、ファクシミリ、VTR、コピー機、テレビ、電子レンジ、音響機器、トイレタリー用品、レーザーディスク(登録商標)、冷蔵庫、エアコンなどの家庭・事務電気製品部品も挙げられる。またパーソナルコンピューター、携帯電話などに使用されるような筐体や、パーソナルコンピューターの内部でキーボードを支持する部材であるキーボード支持体に代表されるような電気・電子機器用部材も挙げられる。本発明において、炭素繊維(A)として、導電性を有する炭素繊維束を使用した場合、このような電気・電子機器用部材では、電磁波シールド性が付与されるためにより好ましい。特に、充電器カバーやバッテリーACアダプターケース、コンデンサーケース、電力メーター、ドアパーツなどの自動車外装大型成形品に好適に用いられる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
まず、本実施例で用いる各種特性の評価方法について説明する。
(1)炭素繊維(A)の表面酸素濃度測定
ここで、表面酸素濃度比(O/C)は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
(2)熱減量測定
テルペン系樹脂(B)を熱重量分析(TGA)にて測定した。白金サンプルパンを用いて、窒素雰囲気下、20℃/分の速度で250℃まで昇温した後、30分間保持した後の熱減量を測定した。
(3)SP値の算出方法
SP値は、化合物の分子式から、下記に示す式を用いて算出した。
σ(SP値)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
ここでEcohは凝集エネルギー密度のことであり、Vは分子のモル容積である。いずれも値も官能基に依存する定数として、Fedorsが提案しており、そのまま採用した。
(4)溶融粘度の測定
テルペン系樹脂(B)を粘弾性測定器にて溶融粘度測定した。40mmのパラレルプレートを用い、0.5Hzにて、180℃における測定した。
(5)テルペン系樹脂の分子量および分子量分布測定
テルペン系樹脂をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。GPCカラムにはポリスチレン架橋ゲルを充填したものを用いた。溶媒にクロロホルムを用い、常温にて測定した。分子量は標準ポリスチレン換算にて算出した。
(6)重量平均繊維長の測定
各実施例および比較例により得られたISO型ダンベル試験片を200〜300℃に設定したホットステージの上にガラス板間に挟んだ状態で加熱し、フィルム状にして均一分散させた。炭素繊維(A)が均一分散したフィルムを、光学顕微鏡(50〜200倍)にて観察した。無作為に選んだ1000本の炭素繊維(A)について、それぞれ繊維長を計測して、下記式から重量平均繊維長を算出した。
平均繊維長=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:繊維長Miの繊維の個数。
(7)成形品の曲げ強度測定
各実施例および比較例により得られたISO型ダンベル試験片について、ISO 178に準拠し、3点曲げ試験冶具(圧子半径5mm)を用いて支点距離を64mmに設定し、試験速度2mm/分の試験条件にて曲げ強度を測定した。試験機として、“インストロン(登録商標)”万能試験機5566型(インストロン社製)を用いた。
(8)発生ガスの測定
得られた成形材料を10g、空気中で280℃に熱したホットプレートにのせ、60min加熱した後の発生ガスを目視で判断した。発生ガスの判定は以下の基準品で行い、A〜Bを合格とした。
A:ほぼなし
B:目視で薄い白いもやが確認できる
C:はっきりと白煙が確認できる。
(9)成形品の繊維分散性
100mm×100mm×2mmの成形品を成形し、表裏それぞれの面に存在する未分散炭素繊維束の個数を目視でカウントした。評価は8枚の成形品についておこない、その合計個数について繊維分散性の判定を以下の基準でおこない、A〜Cを合格とした。
A:未分散CF束が4個未満
B:未分散CF束が4個以上8個未満
C:未分散CF束が8個以上12個未満
D:未分散CF束が12個以上。
次に、実施例で用いた各成分について説明する。
<炭素繊維>
以下の製造方法により炭素繊維を製造した。ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、電解酸化処理を行い、総単糸数24,000本、単繊維径7μm、単位長さ当たりの質量1.6g/m、比重1.8g/cmの連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維のストランド引張強度は4,880MPa、ストランド引張弾性率は225GPaであった。表面酸素濃度比(O/C)は電解酸化処理における電流密度により制御した。
(A−1) 炭素繊維(O/C=0.10)
(A−2) 炭素繊維(O/C=0.16)
(A−3) 炭素繊維(O/C=0.01)。
<サイジング剤>
下記に示すエポキシ樹脂を、サイジング剤として、以下の方法により炭素繊維に塗布した。エポキシ樹脂(a)を水に溶解、または界面活性剤を用いて分散させたサイジング剤母液を調製し、浸漬法により参考例1で得た炭素繊維(A)にサイジング剤を付与し、220℃で乾燥を行った。サイジング剤の付着量は母液の濃度を調整することにより制御した。
(a−1)グリセロールポリグリシジルエーテル(脂肪族エポキシ化合物:エポキシ基数3、SP値11.5)
(a−2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(芳香族エポキシ化合物:エポキシ基数2、ジャパンエポキシレジン(株)製 jER828、SP値11.2)。
<テルペン系樹脂(B)>
(B−1)および(B−2)の水添テルペン系重合体を以下の製造方法により製造した。
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエンおよび三フッ化ホウ素エチルエーテルを仕込み、この中に、α−ピネン、β−ピネンおよびd−リモネン(いずれもヤスハラケミカル(株)製)の混合物を、反応温度30〜35℃ で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、三フッ化ホウ素エチルエーテルを除去した後、昇温して200℃ 、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、テルペン系樹脂を得た。続いて、得られたテルペン系樹脂、イソプロピルアルコール、および粉末状の5%パラジウム担持アルミナ触媒2.0gを仕込み、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cmの圧力をかけながら導入した。そして攪拌しながら加熱し150℃となったところで、水素の圧力を80kg/cmとし、吸収された水素を補うことで圧力を80kg/cmに保ちながら14時間反応させ、水添テルペン系重合体を100g得た。水添テルペン系重合体の分子量および分子量分布はα−ピネン、β−ピネンおよびd−リモネン、および三フッ化ホウ素エチルエーテルの割合を変更して制御した。
(B−1) 水添テルペン系重合体(Mw=1500、分子量272以下の成分の含有量=6.7%、SP値8.4)
(B−2) 水添テルペン系重合体(Mw=1500、分子量272以下の成分の含有量=6.4%、SP値8.4)
(B−3)〜(B−5)、(B’−6)、および(B’−7)については市販品を用いた。
(B−3) テルペン系重合体(ヤスハラケミカル(株)製、YSレジンPX1250、Mw=900、分子量272以下の成分の含有量=16.9%、SP値8.8)
(B−4) 水添テルペン系重合体(ヤスハラケミカル(株)製、クリアロンP105、Mw=1200、分子量272以下の成分の含有量=16.0%、SP値8.4)
(B−5) 水添テルペン系重合体(ヤスハラケミカル(株)製、クリアロンP125、Mw=1100、分子量272以下の成分の含有量=16.7%、SP値8.4)
また、比較のため、樹脂成分として以下の樹脂を用いた。(なお、(B’−6)および(B’−7)は、テルペン系樹脂ではないため、本発明のテルペン系樹脂(B)には該当しない)
(B’−6) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、jER1007、Mw=2900、SP値11.2)
(B’−7) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、N−775、Mw=2400、SP値10.8)。
<プロピレン系樹脂(C)>
(C−1)マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J137G/三井化学(株)製“アドマー”(登録商標)QE840を重量比80/20でブレンド)
(C−2)ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J137G)。
実施例1.成形材料の製造方法
工程(X)
炭素繊維(A−1)に、上記方法により、サイジング剤としてエポキシ樹脂(a−1)を塗布し、サイジング剤塗布炭素繊維を得た。炭素繊維(A−1)100重量部に対するエポキシ樹脂(a−1)の付着量は1.0重量部とした。
工程(Y)
200℃にて加熱溶融させた(B−1)を、(A)〜(C)の合計100重量部に対し、6重量部となるように吐出量を調整し、工程Xで得たサイジング剤塗布炭素繊維に塗布した後、ホットローラーを介して含浸させた。さらに、(株)日本製鋼所製TEX−30α型2軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=32)の先端に設置された電線被覆法用のコーティングダイを設置した長繊維強化樹脂ペレット製造装置を使用し、押出機シリンダー温度を220℃に設定し、スクリュー回転数200rpmで溶融混練した(C−1)を吐出するダイス口(直径3mm)へ供給して、炭素繊維の周囲を被覆するように連続的に配置した。この時の成形材料の内部断面は、炭素繊維(A)とテルペン系樹脂(B)からなる複合繊維束(D)を芯構造として、その周囲をプロピレン系樹脂(C)が被覆した芯鞘構造であった。また、炭素繊維(A)が軸心方向に平行に配列していた。得られたストランドを冷却後、カッターでペレット長8mmに切断し、長繊維ペレットとした。この時、(A)〜(C)の合計100重量部に対し、炭素繊維(A)が20重量部となるように、引取速度を調整した。得られた長繊維ペレットの炭素繊維(A)と、ペレット長さは実質的に同じであった。
工程(Z)
工程Yで得られた長繊維ペレットを、射出成形機((株)日本製鋼所製J110AD)を用いて、射出時間:2秒、背圧5MPa、保圧力:20MPa、保圧時間:10秒、シリンダー温度:250℃、金型温度:60℃の条件で射出成形することにより、成形品としてのISO型ダンベル試験片および100mm×100mm×2mmの試験片を作製した。ここで、シリンダー温度とは、射出成形機の成形材料を加熱溶融する部分の温度を示し、金型温度とは、所定の形状にするための樹脂を注入する金型の温度を示す。得られた試験片(成形品)を、温度23℃、50%RHに調整された恒温恒湿室に24時間静置後に特性評価に供した。前述の方法により評価した評価結果をまとめて表1に示した。
(実施例2〜3、5〜10、比較例1〜10)
表1および表2に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価を行った。評価結果はまとめて表1および表2に示した。
(実施例4)
エポキシ樹脂(a)の変わりに、下記樹脂を炭素繊維に塗布した以外は、実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(b−1):ポリグリセリン(脂肪族エーテル:エポキシ基:0、R―PG3(阪本薬品工業(株)製)、SP値15.0)。
(比較例2)
テルペン系樹脂(B)の代わりに 、(B’−6)炭素繊維に含浸させた以外は、実施例1と同様にして成形材料及び成形品を作成し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例8、9)
(B’−6)またh(B’−7)を工程Yにおいて添加した以外は、実施例1と同様にして成形材料および成形品を作製し、評価を行った。評価結果を表2に示した。
なお、(B’−6)および(B’−7)はエポキシ樹脂であるため、表中の、「(A)100重量部に対する(a)の量」や、「(B)100重量部に対する(a)の量」におけるエポキシ樹脂(a)に含めて計算した。また、「エポキシ樹脂(a)とテルペン樹脂(B)の混合物SP値」においても、B’−6)および(B’−7)をエポキシ樹脂(a)に含めて計算した。
実施例1〜12のいずれの成型品も、炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含み、かつテルペン系樹脂(B)の熱減量が10%以下であるため、成形品は高い曲げ強度を示し、成型品の分散性は良好であった。一方、比較例1は炭素繊維の配合量が多く、成形加工の際に金型詰まりを起こし、成形できなかった。比較例2、比較例6、および比較例7では、テルペン系樹脂(B)を用いておらず、分散性が不十分であった。比較例3〜5、8、9は、テルペン系樹脂(B)の耐熱性が多く、分散性が不十分であった。比較例10は、テルペン系樹脂(B)の配合量が多く、分散性が不十分であった。
1 炭素繊維(A)の単繊維
2 テルペン系樹脂(B)(被含浸剤)
3 複合繊維束(D)
4 プロピレン系樹脂(C)

Claims (14)

  1. 炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む繊維強化熱可塑性樹脂成形品であって、前記テルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下であり、前記炭素繊維(A)の重量平均繊維長が、0.7mm以上10mm以下である繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  2. 前記テルペン系樹脂(B)の180℃における溶融粘度が、0.05〜1Pa・sである、請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  3. 前記テルペン系樹脂(B)の分子量272以下の成分の含有量がテルペン系樹脂(B)全量に対して10重量%以下である請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  4. 前記テルペン系樹脂(B)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)を1重量部以上、10重量部未満含有する請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  5. 前記炭素繊維(A)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)を0.1重量部以上、3重量部以下含有する請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  6. 前記テルペン系樹脂(B)およびエポキシ樹脂(a)の混合物のSP値が8.8以下である請求項4または5に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  7. 前記エポキシ樹脂(a)が脂肪族エポキシ樹脂である、請求項4〜6のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  8. 前記エポキシ樹脂(a)が、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル類から選ばれる少なくとも1種である、請求項4〜7のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品。
  9. 炭素繊維(A)、テルペン系樹脂(B)、プロピレン系樹脂(C)の合計100重量部に対して、炭素繊維(A)を1〜50重量部、テルペン系樹脂(B)を0.01〜20重量部、プロピレン系樹脂(C)を30〜98.99重量部含む成形材料であって、前記炭素繊維(A)が軸心方向にほぼ平行に配列されており、かつ炭素繊維(A)の長さが成形材料の長さと実質的に同じであり、かつテルペン系樹脂(B)を窒素中にて250℃で30分加熱した際の熱減量が10%以下である、繊維強化熱可塑性樹脂成形材料。
  10. 前記成形材料が芯鞘構造を有してなり、前記(A)および(B)を有する複合繊維束が芯構造であり、前記(C)が該複合繊維束の周囲を被覆した鞘構造である、請求項9に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料。
  11. 前記テルペン系樹脂(B)の180℃における溶融粘度が、0.05〜1Pa・sである、請求項9または10に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料。
  12. 前記テルペン系樹脂(B)の分子量272以下の成分の含有量がテルペン系樹脂(B)全量に対して10重量%以下である請求項9〜11のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料。
  13. 前記テルペン系樹脂(B)100重量部に対してエポキシ樹脂(a)を1重量部以上、10重量部未満含有する請求項9〜12のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料を、250℃以上の温度で成形する成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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