JP2019182784A - ジヒドロピラゾロピラジノン誘導体 - Google Patents

ジヒドロピラゾロピラジノン誘導体 Download PDF

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洋平 井熊
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Abstract

【課題】代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3が関与する疾患の治療剤として有用な化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。(R1、R2:H、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル等。環A:C6−10芳香族炭素環、4〜10員の飽和複素環、5〜10員の芳香族複素環。R3、R4:H、ハロゲン、C1−6アルキル、5又は6員の芳香族複素環基等。環B:含窒素縮合複素環)【選択図】なし

Description

本発明は、グループII代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体に対して負の調節作用(negative allosteric modulation)を有するジヒドロピラゾロピラジノン誘導体又はその製薬学的に許容される塩、ならびにそれらを有効成分として含有する、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等の疾患の予防剤及び/又は治療剤に関する。
グルタミン酸は中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であり、イオンチャネル型受容体(N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体、カイニン酸受容体)及びGタンパク質共役型受容体である代謝型グルタミン酸受容体(mGlu受容体)に作用する。mGlu受容体はGタンパク質共役型(GPCR)のクラスCに分類され、GPCRが共通してもつ7回膜貫通部位(TMD)に加え、細胞外に大きなオルソステリックなリガンド結合部位を有する。mGlu受容体のオルソステリックなリガンド結合部位の相同性は高いため、サブタイプ選択的なオルソステリックなリガンドの開発は困難とされてきた。一方、アロステリックモジュレーターはTMDに結合することで、サブタイプ選択性を発揮する(非特許文献1から3)。
mGlu受容体は8つのサブタイプ1から8(mGluR1から8)が存在し、相同性と共役する情報伝達系及び薬理学的特徴に基づいてグループI(mGluR1、mGluR5)、グループII(mGluR2、mGluR3)及びグループIII(mGluR4、mGluR6、mGluR7、mGluR8)に分類される。グループII mGlu受容体(mGluR2、mGluR3)は主にプレシナプスに存在し、グルタミン酸の放出を抑制的に調節している。したがって、mGlu2/3受容体ネガティブアロステリックモジュレーター(NAM)は抗うつ薬(非特許文献4)、認知機能増強剤(非特許文献5)になる可能性が報告されている。
最近、mGlu2/3受容体NAMとして作用する化合物が、特許文献1から7等において報告されている。しかしながら、これらの特許文献には、後述の式(1)に示す化合物に関してはなんら開示も示唆もない。
WO2014/195311 WO2016/016380 WO2016/016381 WO2016/016382 WO2016/016383 WO2016/016395 WO2016/087487
Hemstapat et al, Pharmacology and Experimental Therapeutics,2007,322,254−264 Lungstrom et al,British Journal of Pharmacology,2011,164,521−537 Dore et al,Nature,2014,511,557−562 Chaki et al,Neuropharmacology,2013,66,40−52 Higgins et al,Neuropharmacology,2004,46,907−917
本発明が解決しようとする課題は、グループII mGlu受容体に対して負の調節作用を有する新規な化合物を見出し、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等の疾患の治療のために有用な予防剤及び/又は治療剤を提供することにある。
本発明者らは、下記式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩(以下、「本発明の化合物」と称することもある)が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[項1]
式(1)で表される化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
Figure 2019182784
[式(1)中、
及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)又はC3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、各々独立して、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になってC3−4飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
環Aは、C6−10芳香族炭素環、4〜10員の飽和複素環又は5〜10員の芳香族複素環を表し;
及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ(該アルキル、該アルコキシ、該アルキルチオは、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C2−4アルケニル(該アルケニルは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、4〜6員の飽和複素環基、5又は6員の芳香族複素環基、C3−6飽和炭素環基又はC3−6シクロアルコキシ(該飽和複素環基、該芳香族複素環基、該飽和炭素環基及び該シクロアルコキシは、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
環Bは、下記式(2a)、(2b)又は(2c):
Figure 2019182784
(式(2a)〜(2c)中、
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、(該アルキル、該アルコキシ及び該アルキルチオは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、4〜6員の飽和複素環基、C3−6シクロアルコキシ、C3−6飽和炭素環基(該飽和複素環基、該シクロアルコキシ及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−NR、−NR−C(O)−R、−NR−C(O)−OR、−NR−C(O)−NR、−NR−P(O)(OR)(OR)、−NR−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−NR−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NR−[CHO]C(O)−[C(R)(R)]NR、−NR−[CHO]C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は−NR−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)を表し;
及びRは、水素原子、C1−6アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基、C3−6飽和炭素環基、4〜6員の飽和複素環基、5又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭素環基、該飽和炭素環基、該飽和複素環基及び該芳香族複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−C(O)−R、−C(O)−OR、−C(O)−NR、−P(O)(OR)(OR)、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]NR又は−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)を表し;
Xは窒素原子又は−CR−を表し;
及びRは、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
あるいは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
は、複数ある場合は各々独立して、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
は、複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し;
及びRは、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C6−10芳香族炭素環基、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基又はC3−6飽和炭素環基(該芳香族炭素環基及び該飽和炭素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
あるいは、R及びRは、それらが結合する酸素原子と一緒になって5〜7員の環状リン酸エステル(該環状リン酸エステルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
及びRは、各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基又はC3−6飽和炭素環基(該芳香族炭素環基及び該飽和炭素環基は、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し;
あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって3〜6員の飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
nは、0又は1を表し;
mは、1〜4を表す)である]
[項2]
及びRが、各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環又はシクロブタン環を形成していてもよい、
項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項3]
環Aが、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、チオフェン、キノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、クロマン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン又は2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンである、
項1〜2のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項4]
及びRが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又はC3−6シクロアルコキシ(該飽和炭素環基及び該シクロアルコキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ及びハロゲン原子からなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項5]
が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−NR、−NR−C(O)−OR、−NR−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−NR−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は−NR−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)であり、
及びRが、水素原子、C1−6アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基、4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−C(O)−OR、−P(O)(OR)(OR)、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−C(O)−O[C(R)(R)]NR又は−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)である、
項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項6]
及びRが、各々独立して、またR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1-4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
が、複数ある場合は各々独立して、C1−4アルキル又はC3−6飽和炭素環基(該アルキル及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
が、複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6飽和炭素環基(該アルキル及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項7]
が、水素原子、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル又はフッ素原子である、
項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項8]
及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRは、それらが結合する酸素原子と一緒になって5〜7員の環状リン酸エステル(該環状リン酸エステルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって3〜6員の飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよい、
項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項9]
及びRが、各々独立して、水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり、あるいは、R及びRはそれらが結合する炭素原子と一緒になってシクロプロパン環又はシクロブタン環を形成してもよい、
項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項10]
環Aが、ベンゼン、チオフェン、ピリジン又はキノリンである、
項1〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項11]
及びRが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、
項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項12]
が、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)シアノ、
(4)C1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
(5)C1−4アルコキシ(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
(6)−NH
(7)−NH−C(O)−OR
(8)−NH−P(O)(OR)(OR)、
(9)−NH−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、
(10)−NH−C(O)−O[C(R)(R)]NR
(11)−NH−C(O)−[C(R)(R)]NR
(12)−NH−C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は
(13)−NH−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)であり、
及びRが、各々独立して、
(1)水素原子、
(2)C1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
(3)−C(O)−OR
(4)−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は
(5)−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)である、
項1〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項13]
及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ヒドロキシ及びC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒になってC3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
が、複数ある場合は各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
が、複数ある場合は各々独立して、水素原子又は同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
mが、1〜3である、
項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項14]
環Bが、下記式(3a)、(3b)又は(3c)である、
項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
Figure 2019182784
[項15]
が、メチルであり;
が、水素原子であり;
環Aが、ベンゼン又はチオフェンであり;
環Bが下記式(4a)、(4b)又は(4c)であり;
Figure 2019182784
及びRが、各々独立して、水素原子、フッ素、塩素、メチル、シアノ又はトリフルオロメチルであり;
が、水素原子、−NH、−NHCOCMeCHNH、−NHC(O)(CHNH、−NHC(O)CHCMeCHNH、−NHCONHCMeCHNH又は−NHCOCHOP(O)(OH)であり;
が、水素原子、メチル又は−CHOP(O)(OH)である、
項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項16]
以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩:
実施例1:(7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例2:((7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例4:(7S)−7−メチル−3−(1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例8:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例12:(7S)−3−(1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例17:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
実施例18:(7S)−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、及び
実施例19:(7S)−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン。
[項17]
以下の化合物から選択される、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩:
実施例6:(5−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−2H−インダゾール−2−イル)メチル ジハイドロジェン ホスフェート、
実施例7:(ホスホノオキシ)メチル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート、
実施例28:1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート 塩酸塩、
実施例29:4−アミノ−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩、
実施例30:4−アミノ−3,3−ジメチル−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩、及び
実施例31:N−(1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル)−N’−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ウレア 塩酸塩。
[項18]
項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
[項19]
項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤。
[項20]
項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤。
[項21]
代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患が、精神疾患又は神経変性疾患である、項19に記載の治療剤及び/又は予防剤。
[項22]
精神疾患又は神経変性疾患が、うつ病性障害・抑うつ障害、双極性及び関連障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛又は睡眠障害である、項21に記載の治療剤及び/又は予防剤。
[項23]
代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤を製造するための、項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
[項24]
代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
[項25]
治療が必要な患者に、治療上の有効量の項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を投与することを含む、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患を治療及び/又は予防するための方法。
[項26]
項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩と、うつ病性障害・抑うつ障害、双極性及び関連障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛又は睡眠障害の治療剤から選択される少なくとも1種類以上の薬剤とを組み合わせてなる医薬。
[項27]
抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の薬剤と併用して神経系疾患、精神疾患又は神経変性疾患を治療するための、項1〜項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
本発明の化合物、又はその製薬学的に許容される塩は、グループII代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体に対して強い負の調節作用を示す。したがって、本発明の化合物、又はその製薬学的に許容される塩は、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等の疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
本明細書における用語について以下に説明する。
「基」なる用語は、1価基を意味する。また、下記の置換基等の説明において、「基」なる用語を省略する場合もある。
「置換されていてもよい」又は「置換されている」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はない。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分又は置換基である場合にも該当する。
「C1−4アルキル」とは、炭素原子数が1〜4の直鎖型又は分岐型の脂肪族炭化水素基を意味する。他の数字の場合も同様である。「C1−4アルキル」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1、1−ジメチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル等が挙げられる。
「C1−6アルキル」とは、炭素原子数が1〜6の直鎖型又は分岐型の脂肪族炭化水素基を意味する。「C1−6アルキル」の具体例としては、例えば、前記「C1−4アルキル」の具体例として挙げたものに加え、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2-メチルペンチル、1−メチルペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
「ハロゲン」とは、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。好ましくはフッ素又は塩素である。
「C1−4アルコキシ」とは、前記「C1−4アルキル」によって置換されたオキシ基を意味する。「C1−4アルコキシ」の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ、n−ブトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシが挙げられる。好ましくは、メトキシ又はエトキシが挙げられる。
「C1−6アルコキシ」とは、前記「C1−6アルキル」によって置換されたオキシ基を意味する。「C1−6アルコキシ基」として、好ましくは「C1−4アルコキシ」が挙げられる。「C1−6アルコキシ」の具体例としては、例えば、前記「C1−4アルコキシ」の具体例として挙げたものに加え、n−ペンチロキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシロキシ、4−メチルペンチロキシ、3−メチルペンチロキシ、2−メチルペンチロキシ、1−メチルペンチロキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ等が挙げられる。
「C3−6シクロアルコキシ」とは、炭素原子数が3〜6の環状アルキルによって置換されたオキシ基を意味する。「C3−6シクロアルコキシ」の具体例としては、例えば、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチロキシ、シクロへキシロキシ等が挙げられる。好ましくは、シクロプロポキシ又はシクロブトキシが挙げられる。
「C1−4アルキルチオ」とは、前記「C1−4アルキル」によって置換されたチオール基を意味する。「C1−4アルキルチオ」の具体例としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ等が挙げられる。
「C1−6アルキルチオ」とは、前記「C1−6アルキル」によって置換されたチオール基を意味する。「C1−6アルキルチオ」として、好ましくは「C1−4アルキルチオ」が挙げられる。「C1−6アルキルチオ」の具体例としては、例えば、前記「C1−4アルキルチオ」の具体例として挙げたものに加え、1−エチルプロピルチオ、n−ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ等が挙げられる。
「C2−4アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含有し、鎖中に含まれる炭素原子数が2〜4の脂肪族炭化水素基を意味する。「C2−4アルケニル」の具体例としては、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル等が挙げられる。
「C3−6飽和炭素環」とは、炭素原子数3から6の単環式の飽和又は部分不飽和の炭化水素環を意味する。「C3−6飽和炭素環」として、好ましくは「C3−4飽和炭素環」が挙げられる。「C3−6飽和炭素環」の具体例としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。好ましくは、シクロプロパン又はシクロブタンが挙げられる。
「C3−6飽和炭素環基」とは、上記「C3−6飽和炭素環」が1価基となっている置換基を意味する。
「C3−4飽和炭素環基」とは、上記「C3−6飽和炭素環」のうち、「C3−4飽和炭素環」が1価基となっている置換基を意味する。
「4〜10員の飽和複素環」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される、同一又は異なる1又は2個のヘテロ原子を含む、4〜10個の原子で構成される単環式又は二環式の飽和複素環を意味し、一部不飽和結合を有するもの、一部架橋された構造を有するもの及び一部スピロ化されたものを含む。二環式の飽和複素環には、単環式の飽和複素環とベンゼン又は単環式の5から6員の芳香族複素環とが縮環したものも含まれる。また、当該飽和複素環を構成するのに、1又は2個のカルボニル、チオカルボニル、スルフィニル又はスルホニルを含んでいてもよく、例えば、ラクタム、チオラクタム、ラクトン、チオラクトン、環状のイミド、環状のカルバメート、環状のチオカルバメート等の環状基も当該飽和複素環に含まれる。ここにおいて、カルボニル、スルフィニル及びスルホニルの酸素原子及びチオカルボニルの硫黄原子は、4〜10員の数(環の大きさ)及び環を構成しているヘテロ原子の数には含まれない。「4〜10員の飽和複素環」として、好ましくは単環式又は二環式の「4〜8員の飽和複素環」が挙げられ、より好ましくは単環式の「4〜6員の飽和複素環」が挙げられ、さらに好ましくは単環式の「5又は6員の飽和複素環」が挙げられる。「4〜10員の飽和複素環」の具体例としては、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペリジン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられ、好ましくは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等が挙げられる。
「4〜6員の飽和複素環基」とは、上記「4〜10員の飽和複素環」のうち、「4〜6員の飽和複素環」が1価基となっている置換基を意味する。好ましくは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル等が挙げられる。
「C6−10芳香族炭素環」とは、炭素原子数6〜10の単環式又は二環式の芳香族炭化水素環を意味する。「C6−10芳香族炭素環」の具体例としては、例えば、ベンゼン、1−ナフタレン、2−ナフタレン等が挙げられ、好ましくはベンゼンが挙げられる。
「5〜10員の芳香族複素環」とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される、同一又は異なる1〜3個のヘテロ原子を含む、5〜10個の原子からなる単環式又は二環式の芳香族複素環を意味する。「5〜10員の芳香族複素環」として、好ましくは単環式又は二環式の「5〜9員の芳香族複素環」が挙げられ、より好ましくは単環式の「5〜8員の芳香族複素環」が挙げられ、さらに好ましくは単環式の「5又は6員の芳香族複素環」が挙げられる。「5〜10員の芳香族複素環」の具体例としては、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、チオフェン、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、キナゾリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、1H−インダゾール、2H−インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、インドリジン、ベンゾフラジン、チエノピリミジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリミジン、トリアゾロピリミジン、チエノチオフェン、イミダゾチアゾール、クロマン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジヒドロベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロピリジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロピリジン−1−オン、1,2−ジヒドロ−3H−ピロロピリジン−3−オン、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾピラジン等が挙げられる。
「5員の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。好ましくは、チオフェン、チアゾール又はイソチアゾールが挙げられる。
「6員の芳香族複素環」としては、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等が挙げられる。好ましくはピリジンである。
「5又は6員の芳香族複素環基」とは、上記「5員の芳香族複素環」又は「6員の芳香族複素環」が1価基となっている置換基を意味する。
式(1)で表される本発明の化合物において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、n、m、環A及び環Bの好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に示す化合物の範囲に限定されるものではない。
及びRとして好ましくは、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルはフッ素原子、ヒドロキシ及び1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル又はトリフルオロメチルが挙げられる。さらに好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。特に好ましくは、Rがメチルであり、Rが水素原子である。
及びRとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシが挙げられる。さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル又はトリフルオロメチルが挙げられる。
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)、−NR、−NR−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−NR[C(R)(R)]NR、−NR−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は−NR−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、メトキシ、−NR、−NH−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−NR[C(R)(R)]NR、−NH−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は−NH−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)が挙げられる。さらに好ましくは、水素原子、−NR、−NH−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−NR[C(R)(R)]NR、−NH−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は−NH−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)が挙げられる。特に好ましくは、水素原子、アミノ、−NHCOCMeCHNH、−NHC(O)(CHNH、−NHC(O)CHCMeCHNH、−NHCONHCMeCHNH、−NHCOCHOP(O)(OH)である。
及びRとして好ましくは、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、メチル、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)が挙げられる。さらに好ましくは、水素原子、メチル、−CHOP(O)(OH)が挙げられる。
及びRとして好ましくは、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。さらに好ましくは、共に水素原子である。
として好ましくは、C1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、メチル又はエチルが挙げられる。さらに好ましくは、メチルである。
として好ましくは、水素原子又は1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキルが挙げられる。より好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。
として好ましくは、水素原子、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−4アルキル又はハロゲン原子が挙げられる。より好ましくは、水素原子又はフッ素原子が挙げられる。さらに好ましくは、水素原子である。
及びRとして好ましくは、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、メチルが挙げられる。さらに好ましくは、水素原子である。
及びRとして好ましくは、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。より好ましくは、水素原子、メチルが挙げられる。さらに好ましくは、水素原子である。
Xとして好ましくは、窒素原子又は−CH−が挙げられる。さらに好ましくは、−CH−である。
環Aとして好ましくは、ベンゼン、ピリジン、チオフェン、1、3−ベンゾジオキソール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン又はキノリンが挙げられる。より好ましくは、ベンゼン、チオフェン、ピリジン又は1、3−ベンゾジオキソールが挙げらる。さらに好ましくは、ベンゼン又はチオフェンが挙げられる。特に好ましくは、ベンゼンである。
環Bとして好ましくは、下記式が挙げられる。
Figure 2019182784
より好ましくは、下記式が挙げられる。
Figure 2019182784
さらに好ましくは、下記式が挙げられる。
Figure 2019182784
mとして好ましくは、1〜4が挙げられる。より好ましくは、1〜3が挙げられる。
nとして好ましくは、0又は1が挙げられる。より好ましくは、0が挙げられる。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(A)が挙げられる。
(A)
及びRが、各々独立して、水素原子又はメチルであり;
及びRが、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルであり;
が、水素原子、−NR、−NH−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−NH−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NH−C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は−NH−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)であり;
及びRが、各々独立して、水素原子、メチル又は−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)であり;
及びRが、各々独立して、水素原子又はメチルであり;
が、水素原子又はフッ素原子であり;
が、水素原子又はメチルであり;
及びRが、各々独立して、水素原子又はメチルであり;
及びRが、各々独立して、水素原子又はメチルであり;
mが、1〜3であり;
環Aが、ベンゼン、チオフェン又はピリジンであり
環Bが、下記式である、
Figure 2019182784
化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(B)が挙げられる。
(B)
が、メチルであり;
が、水素原子であり;
及びRが、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ、メチル又はトリフルオロメチルであり;
が、水素原子、アミノ、−NHCOCMeCHNH、−NHC(O)(CHNH、−NHC(O)CHCMeCHNH、−NHCONHCMeCHNH又は−NHCOCHOP(O)(OH)であり;
及びRが、各々独立して、水素原子、メチル又は−CHOP(O)(OH)であり;
環Aが、ベンゼン又はチオフェンであり;
環Bが、下記式である、
Figure 2019182784
化合物又はその製薬学的に許容される塩。
これら本発明の一群の化合物の中でも、より好ましいものは、Cytochrome P450 3A4(CYP3A4)mechanism−based inhibition(MBI)を示さない、又はわずかに示すのみであり、薬物相互作用のみならず重篤な副作用(肝毒性等)のリスクが低い。
これら本発明の一群の化合物の中でも、より好ましいものは、pH7.4における水への溶解性が高く、暴露量の低下やばらつき、用量が増えるにつれて負の非線形のリスクが低い。また、Biopharmaceutics Classification System(BCS、Pharm Res.1995 Mar;12(3):413−20)において、クラス1や3に分類される場合、製剤変更の際に要求されるヒト生物学的同等性試験(BE試験)を免除される(AAPS J.2016 May; 18(3): 612−618)。そのため、治験薬製剤に対して適応できる可能性が高く、治療満足度の高い製剤化の可能性が高く、医療ニーズに沿った製剤化が可能であることが挙げられる。
「製薬学的に許容される塩」としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、又はクエン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、para−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。また、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩等の無機塩基塩、又はトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチルアミン等の有機塩基塩等が挙げられる。さらに、「製薬学的に許容される塩」としては、アルギニン、リジン、オルニチン、アスパラギン酸、又はグルタミン酸等の塩基性アミノ酸又は酸性アミノ酸とのアミノ酸塩も挙げられる。
原料化合物及び中間体の好適な塩及び医薬品原料として許容しうる塩は、慣用の無毒性塩であり、それらとしては、有機酸塩(例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ギ酸塩又はpara−トルエンスルホン酸塩等)及び無機酸塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩又はリン酸塩等)のような酸付加塩、アミノ酸(例えばアルギニン、アスパラギン酸又はグルタミン酸等)との塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩又はカリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩又はマグネシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、又は有機塩基塩(例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩又はN,N'−ジベンジルエチレンジアミン塩等)等の他、当業者が適宜選択することができる。
本発明の化合物の塩を取得したいとき、本発明の化合物が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解もしくは懸濁させ、酸又は塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
本発明には、式(1)で表される化合物、又はその製薬学的に許容される塩が含まれる。また、本発明の化合物は、水和物及び/又は各種溶媒との溶媒和物(エタノール和物等)の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物も本発明の化合物に含まれる。
本発明の化合物(1)の中には、光学活性中心に基づく光学異性体、分子内回転の束縛により生じた軸性又は面性キラリティーに基づくアトロプ異性体、その他の立体異性体、互変異性体、及び幾何異性体等が存在し得るものがあるが、これらを含め、全ての可能な異性体及びそれらの混合物は本発明の範囲に包含される。さらに、本発明には、上記の異性体に加え、あらゆる様態の結晶形のもの、さらにこれらの混合物も含まれる。
特に光学異性体やアトロプ異性体は、ラセミ体として、又は光学活性の出発原料や中間体が用いられた場合には光学活性体として、それぞれ得ることができる。必要であれば、下記製造法の適切な段階で、対応する原料、中間体又は最終品のラセミ体を、光学活性カラムを用いた方法、分別結晶化法等の公知の分離方法によって、物理的に又は化学的にそれらの光学対掌体に分割することができる。具体的には、例えばジアステレオマー法では、光学活性分割剤を用いる反応によってラセミ体から2種のジアステレオマーを形成する。この異なるジアステレオマーは一般に物理的性質が異なるため、分別結晶化等の公知の方法によって分割することができる。
本発明の化合物は、さらに、式(1)で表される化合物を構成する原子の一部又は全部を同位体に変換した化合物(例えば、水素を重水素化した化合物や、12Cを14Cに変換した化合物)も包含する。
本発明の化合物の製造方法
以下に、本発明の化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
製造法
本発明の化合物は、例えば、下記製造法1〜11に示す方法によって製造することができる。これらの製造方法は、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜改良され得る。原料として用いられる化合物は、必要に応じてその塩、又は官能基が保護されたものを用いてもよい。
下記製造法において、具体的に保護基の使用を明示した場合以外でも、反応点以外の何れかの官能基が反応条件で変化する場合、又は反応後の処理を実施するのに不適切な場合には、反応点以外を必要に応じて保護し、反応終了後又は一連の反応を行った後に脱保護することにより目的物を得ることができる。保護基としては、文献(T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis“, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York (1999))等に記載されている通常の保護基を用いることができ、保護基の導入及び除去は有機合成化学で常用される方法(例えば、上記文献に記載の方法等)又はそれに準じた方法により行うことができる。具体的にはアミノの保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジル等を、またヒドロキシの保護基としては、例えば、トリアルキルシリル、アセチル、ベンジル等をそれぞれ挙げることができる。
下記各製造法における出発原料及び中間体は、市販品として購入可能であるか、又は、市販化合物又は公知化合物から当業者が公知の方法、もしくはそれに準じた方法で合成することによっても入手できる。また、出発原料及び中間体は、必要に応じてそれらの塩、又は官能基が保護されたものを用いてもよい。
下記製造法における中間体及び目的化合物は、その官能基を適宜変換すること、また特に、アミノ、水酸基、カルボニル、ハロゲン等から種々の側鎖を伸張すること、及び、その際に必要に応じて上記の保護、脱保護を行うことによって、本発明に含まれる別の化合物へ変換することもできる。官能基の変換及び側鎖の伸長は、通常行われる一般的方法(例えば、R.C.Larock,”Comprehensive Organic Transformations“,2nd Ed.,John Wiley and Sons inc., New York (1999)に記載されている方法等)又はそれに準じた方法により行うことができる。
下記製造法における不活性溶媒とは、反応で用いる原料、試薬、塩基、酸、触媒、配位子等と反応しない溶媒を意味する。
製造法1
化合物(3)は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2019182784

(式中、Rはメチル又はエチルを表す)
化合物(2)を公知の方法(例えば、R.C.Larock,”Comprehensive Organic Transformations“,2nd Ed.,John Wiley and Sons inc., New York (1999)等)と同様の方法でエステル化することにより化合物(3)を製造することができる。ここで化合物(2)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
製造法2
化合物(6)は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2019182784
(式中、R及びRは項1と同義であり、Rは前記と同義であり、PGは保護基(tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等)を表し、LGは脱離基(ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等))を表す)
工程2:化合物(6)は、適当な不活性溶媒中で常法により化合物(3)と化合物(4)とを光延反応させることにより製造することができる。具体的には、トリフェニルホスフィン又はトリブチルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルあるいはN,N,N’,N’-テトラメチルアゾジカルボキサミド等の光延反応試薬の共存下で行うか、あるいは、シアノメチレンホスホラン試薬を用いて行うことができる。本工程の反応温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。ここで化合物(3)及び(4)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程3:化合物(6)は、適当な不活性溶媒中で常法により化合物(3)と化合物(5)とを適当な塩基存在下、反応させることによっても製造することができる。当該反応は、必要に応じて適当な相間移動触媒の存在下で行ってもよい。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。ここで化合物(3)及び(5)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
本工程で用いられる相間移動触媒の具体例としては、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
製造法3
化合物(9)は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、R、R、R及びRは項1と同義であり、Rは前記と同義であり、PGは保護基(tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等)を表し、Xは、ヨウ素、臭素又は塩素を表す)
工程4:化合物(7)は、適当な不活性溶媒中で常法により化合物(6)のアミンの保護基PGを当業者に公知である種々の方法(T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis“, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York (1999)参照)を用いて除去した後、適当な塩基あるいは酸の存在下、環化反応させることにより製造することができる。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
本工程で用いられる酸の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程5:化合物(9)は、適当な不活性溶媒中で常法により化合物(7)と化合物(8)とを、適当な遷移金属触媒及び塩基の存在下、カップリング反応させることにより製造することができる。当該反応は必要に応じて、適当な配位子の共存下で行ってもよい。本工程の反応温度は、通常室温から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。ここで化合物(8)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ヨウ化銅(I)、酸化銅(II)等が挙げられる。
本工程で用いられる配位子の具体例としては、例えば、トリ−tert−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド、リン酸三カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
製造法4
化合物(9)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、R、R、R及びRは項1と同義であり、R及びXは前記と同義である)
工程6:化合物(13)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(10)と化合物(11)とを反応させることにより製造することができる。当該反応は、必要に応じ適当な添加剤、塩基あるいは酸の存在下、さらには適当な相間移動触媒の存在下で行ってもよい。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から10日間である。ここで化合物(10)及び(11)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる添加剤の具体例としては、例えば、臭化リチウム等が挙げられる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
本工程で用いられる酸の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸などの無機酸や、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
本工程で用いられる相間移動触媒の具体例としては、例えば、18−クラウン−6、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。
工程7:化合物(13)は、適当な不活性溶媒中、又は無溶媒条件下、化合物(8)と化合物(12)とを適当な遷移金属触媒及び塩基の存在下、カップリング反応させることによっても製造することができる。
本工程の反応温度は通常、−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。ここで化合物(8)及び化合物(12)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、酸化銅(II)等が挙げられる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程8:化合物(14)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(3)と化合物(13)とを光延反応させることにより製造することができる。具体的には、トリフェニルホスフィン又はトリブチルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルあるいはアゾジカルボン酸ジイソプロピル、N,N,N’,N’-テトラメチルアゾジカルボキサミド等の光延反応試薬の共存下行うか、あるいは、シアノメチレンホスホラン試薬を用いて行うことができる。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。ここで化合物(3)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程9:化合物(9)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(14)を適当な塩基あるいは酸の存在下、環化反応させることにより製造することができる。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
本工程で用いられる酸の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
製造法5
化合物(15)は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、R、R、R及びRは項1と同義であり、Xは前記と同義である)
工程10:化合物(15)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(9)と適当なハロゲン化剤とを反応させることにより製造することができる。当該反応は必要に応じて、適当な添加剤あるいは酸存在下で行ってもよい。本工程の反応温度は、通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。本工程の反応時間は、1分間から5日間である。
本工程で用いられるハロゲン化剤の具体例としては、例えば、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、ヨウ素、一塩化ヨウ素、臭素、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン等が挙げられる。
本工程で用いられる添加剤の具体例として、例えば、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、酢酸ナトリウム、鉄等が挙げられる。
本工程で用いられる酸の具体例としては、塩酸、硫酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸等のプロトン性極性溶媒、酢酸エチル及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
製造法6
化合物(1)は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、環B、R、R、R及びRは項1と同義であり、Xは前記と同義であり、Rはボロン酸又はボロン酸エステルを表す)
工程11:化合物(1)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(15)と化合物(16)を、適当な遷移金属触媒及び塩基の存在下、カップリング反応させることにより製造することができる。本工程は、必要に応じて適当な配位子の共存化で行うこともできる。本工程の反応温度は、通常室温から用いた溶媒の沸点までであり、好ましくは50℃から150℃までである。本工程の反応時間は、通常1分間から5日間であり、好ましくは1分間から2日間である。本工程は、マイクロ波照射下で行ってもよい。ここで化合物(16)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる遷移金属触媒の具体例としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物、ジクロロビス[ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]パラジウム(II)等が挙げられる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。
本工程で用いられる配位子の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、水及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
製造法7
化合物(1)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、環B、R、R、R及びRは項1と同義であり、X及びRは前記と同義である)
工程12:化合物(7)を用い、工程10と同様の方法により化合物(17)を製造することができる。
工程13:化合物(17)と化合物(16)を用い、工程11と同様の方法により化合物(18)を製造することができる。
工程14:化合物(8)と化合物(18)を用い、工程5と同様の方法により化合物(1)を製造することができる。
製造法8
化合物(1)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、環B、R、R、R及びRは項1と同義であり、X、Rは前記と同義であり、RはC1−6アルキルを表す)
工程15:化合物(19)は、適当な不活性溶媒中で常法に従い、化合物(15)を適当な塩基存在下、化合物(21)と反応させることにより製造することができる。本工程の反応温度は、通常−78℃から用いた溶媒の沸点までであり、好ましくは−78℃から室温までである。本工程の反応時間は、通常1分間から5日間であり、好ましくは1分間から2日間である。ここで化合物(21)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
本工程で用いられる塩基の具体例としては、例えば、イソプロピルマグネシウムクロライド−塩化リチウム錯体、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。
本工程で用いられる不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、n−へプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程16:化合物(19)と化合物(20)を用い、工程11と同様の方法により化合物(1)を製造することができる。
製造法9
化合物(1)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、環B、R、R、R及びRは項1と同義であり、Rは前記と同義であり、Xはヨウ素又は臭素を表す)
工程17:化合物(17−1)と化合物(8)を用い、工程5と同様の方法により化合物(15−1)を製造することができる。
工程18:化合物(15−1)と化合物(16)を用い、工程11と同様の方法により化合物(1)を製造することができる。
製造法10
化合物(1−2)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、R、R、R及びRは項1と同義であり、LGは前記と同義であり、R10はC1−6アルキルまたはベンジルを表す)
工程19:化合物(1−1)と化合物(22)を用い、工程3と同様の方法により化合物(23)を製造することができる。ここで化合物(22)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
工程20:化合物(1−2)は、化合物(23)のR10を公知の方法(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis“, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York (1999)に記載されている方法等)にて除去することにより製造することができる。
製造法11
化合物(1−4)は、例えば、下記に示す方法によっても製造される。
Figure 2019182784
(式中、環A、R、R、R、R及びRは項1と同義であり、R11はtert−ブトキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基等で保護されたアミノ基、又はリン酸、リン酸エステルで置換されていてもよいC1−6アルキルを表す)
工程21:文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989、Chem. Pharm. Bull. 40, 102 (1992)、J. Med. Chem. 26, 507 (1983)等)に記載されている方法等と同様な方法によって、化合物(1−3)と化合物(24)を用い、化合物(1−4)を製造することができる。ここで化合物(24)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
工程22:文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989、Chem. Pharm. Bull. 40, 102 (1992)、J. Med. Chem. 26, 507 (1983)等)に記載されている方法等と同様な方法によって、化合物(1−3)と化合物(25)を用い、化合物(1−4)を製造することができる。ここで化合物(25)としては、市販化合物又は公知の方法により合成した化合物を用いることができる。
上記の各製造法の各工程において使用される溶媒は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、アセトン、メチルケトンのようなケトン類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサンのようなエーテル類、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類、アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられ、これらの溶媒は単独又は2種類以上混合して用いることができる。また反応の種類によっては、有機塩基類を溶媒として用いてもよい。
上記の各製造法の各工程において使用される塩基は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような炭酸アルカリ類、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドのような有機金属塩基類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機塩基類が挙げられる。
上記各製造法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィーもしくは分取液体クロマトグラフィー)等によって単離精製することができる。再結晶溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン系溶媒、水、又はこれらの混合溶媒等を用いることができる。その他の精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻等に記載された方法等を用いることができる。また、本発明の化合物の分子構造の決定は、それぞれの原料化合物に由来する構造を参照して、核磁気共鳴法、赤外吸収法、円二色性スペクトル分析法等の分光学的手法、及び質量分析法により容易に行える。また、中間体については、特に精製することなく次の反応に用いることも可能である。
式(1)で表される本発明の化合物には、不斉が生じる場合又は不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明の化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものも含まれ、通常の方法に従って製造することができる。製造方法としては例えば、不斉点を有する原料を用いる方法か、又は途中の段階で不斉を導入する方法が挙げられる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割等を行うことで、光学異性体を得ることができる。光学分割法としては例えば、光学異性体分離用カラムを用いたHPLCが挙げられる。また、式(1)で表される化合物又はその中間体が、塩基性官能基を有する場合には、不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン系溶媒、又は上記溶媒から選択される2種以上の混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニン、乳酸等のモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸、リンゴ酸等のジカルボン酸、カンファースルホン酸、ブロモカンファースルホン酸等のスルホン酸)を用いて塩を形成させるジアステレオマー法が挙げられる。式(1)で表される本発明の化合物又はその中間体が、カルボキシル基等の酸性官能基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば1−フェニルエチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン)を用いて、塩を形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、−50℃から溶媒の沸点までの範囲、好ましくは0℃から沸点までの範囲、より好ましくは室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸又はアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じて結晶を不活性溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;アセトニトリル等の非プロトン系溶媒;又は上記溶媒から選択される2種以上の混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸又は塩基で処理し、フリー体として得ることもできる
本発明の化合物は、mGlu2受容体及び/又はmGlu3受容体ネガティブアロステリックモジュレーター(NAM)活性を持つ化合物である。従って、グループII mGlu受容体に対して負の調節作用を有する、精神疾患又は神経変性疾患の新規な治療剤となりえる。これらの精神疾患及び神経変性疾患の具体例としては、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等が挙げられる。
これらの精神疾患及び神経変性疾患の中でも、好ましい対象疾患としては、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等が挙げられる。
本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、成人に対して、1日当たり約0.01〜1000mg、更に好ましくは約0.1〜500mgを1〜数回に分けて投与することができる。
本発明の化合物は、経口投与又は非経口投与により、直接又は適当な剤形を用いて製剤にし、投与することができる。剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、注射剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられるがこれに限らない。製剤は、製薬学的に許容される添加剤を用いて、公知の方法で製造される。添加剤は、目的に応じて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、コーティング剤、溶解剤、溶解補助剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、甘味剤、香料等を用いることができる。具体的には、例えば、乳糖、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、部分α化デンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
本発明の化合物は、本明細書に記載の1以上の精神疾患又は神経変性疾患を治療するために、うつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛又は睡眠障害の治療剤から選択される少なくとも1種類以上の薬剤と組み合わせて用いてもよい。本発明の化合物及びこれらの治療剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明の化合物とこれらの治療剤の合剤としてもよい。これらの治療剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の化合物とこれらの治療剤との配合比は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の化合物を医薬の活性成分として使用する場合、ヒトだけに使用することを意図するのではなく、ヒト以外のその他の動物(ネコ、イヌ、ウシ、ニワトリ、魚等)にも使用することが可能である。
以下に本発明を、参考例、実施例及び試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。また、記載の簡略化のために略語を使用することもある。
化合物の同定はプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、LC−MS等を用いて行った。核磁気共鳴スペクトルにはテトラメチルシランを内部標準として用いた。
参考例及び実施例におけるカラムクロマトグラフィー及びアミノクロマトグラフィーは、山善株式会社製のシリカゲルカラム及びアミノカラムを用いた。TLCを使用して精製した際のTLC(シリカゲルプレート)にはSilica gel 60F254(メルク)、TLC(NHシリカゲルプレート)にはTLCプレートNH(FujiSilysia)を使用した。
参考例及び実施例では以下の反応装置を用いた。参考例及び実施例に記載の各種データは以下の機器で取得した。
NMRスペクトル:[H−NMR]400MHz:JEOL JNM−ALシリーズAL400
LC−MSスペクトル:Waters ACQUITYTM UltraPerformance LC
参考例及び実施例中の化合物名は、ACD/Name(ACD/Labs12.0,Advanced ChemistryDevelopment Inc.)により命名した。
参考例及び実施例中のLC−MSのデータは、以下に示す条件で測定した値を用いた。観察された質量分析の値[MS(m/z)]を[M+H]で示す。
測定条件
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×30mm column
溶媒:A液:0.05% HCOOH/HO、B液:CHCN
グラジエント条件:
0.0−1.3分;A/B=90/10〜5/95(linear gradient)
1.3−1.5分;A/B=90/10
流速:0.80mL/min
UV:220nm, 254nm
カラム温度:40℃
参考例及び実施例において以下の略語を使用することがある。
CDCl:重クロロホルム
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
s:一重線
d:二重線
t:三重線
q:四重線
m:多重線
br:幅広い
dd:二重の二重線
td:三重の二重線
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
min:分
atm:気圧
HATU:O−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート
THF:テトラヒドロフラン
DME:1,2−ジメトキシエタン
TFA:トリフルオロ酢酸
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
X−phos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’6’−トリイソプロピルビフェニル
S−phos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
N.D.:Not Detected
RLU:Relative Light Unit
参考例1:1−{(2S)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン−2−イル}−1H−ピラゾロ−5−カルボン酸エチル
Figure 2019182784
N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]カルバミン酸tert−ブチル(18.3g)のTHF(130mL)溶液に室温でエチル 1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(16.1g)、トリフェニルホスフィン(30.2g)を加えた後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(60.6mL,1.9mol/L トルエン溶液)を30分かけて滴下した。さらに室温で2時間撹拌した後、水(130mL)を加えて30分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣にヘキサン:ジエチルエーテル(1:1、200mL)を加え、生じた固体をろ別し、ろ液を減圧濃縮することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(26.5g)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3) δ: 7.52 (1H, d, J = 1.8 Hz), 6.83 (1H, d, J = 1.8 Hz), 5.58-5.48 (1H, m), 4.88 (1H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.66-3.49 (2H, m), 1.47-1.33 (15H, m).
参考例2:(7S)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例1の化合物(26.5g)のトルエン(90mL)溶液に氷浴下、TFA(27.8mL)を加え室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をDMF(150mL)に溶解させ、トリエチルアミン(37.9mL)を室温にて滴下した。反応混合物を7時間加熱還流した後、水(300mL)を加え、さらに10分間撹拌した。混合物をクロロホルム:メタノール(4:1)で14回抽出した後、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣にジエチルエーテル(100mL)を加え撹拌し、生じた固体をろ取した(6.51g)。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテル(100mL)を加え撹拌し、生じた固体をろ取した(2.51g)。得られた固体を合わせることで表題の化合物(8.66g)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3) δ: 7.57 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.88 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.88-6.82 (1H, m), 4.60-4.50 (1H, m), 3.80 (1H, ddd, J = 7.6, 4.8, 3.6 Hz), 3.49 (1H, ddd, J = 10.4, 7.6, 2.8 Hz), 1.62 (3H, d, J = 6.1 Hz).
参考例3:(7S)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
1−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(60.6g)、参考例2の化合物(33.92g)、炭酸カリウム(62g)のトルエン(746mL)懸濁液に、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(11.87g)、ヨウ化銅(8.55g)を加え、6時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷後、14%アンモニア水(750mL)と酢酸エチル(750mL)を加え室温で30分撹拌した。混合物を分液後、有機層を14%アンモニア水(750mL)、飽和食塩水(400mL)の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。残渣にイソプロパノール(760mL)、活性炭(7.6g)、シリカゲル(24g)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物をセライトろ過し、酢酸エチル(200mL)で洗い込んだ後、濾液を減圧濃縮することにより表題の化合物(71.8g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.68 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.60 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.49 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.97 (1H, d, J = 1.8 Hz), 4.75-4.67 (1H, m), 4.21 (1H, dd, J = 12.5, 4.3 Hz), 3.95 (1H, dd, J = 12.5, 7.6 Hz), 1.69 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例4:(7S)−3−ヨード−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例3の化合物(104.9g)と1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(88g)の酢酸(662mL)懸濁液を100℃で1時間撹拌した。反応懸濁液を室温まで放冷後、水(330mL)を滴下し、30分間撹拌した。反応混合物にヘキサン(200mL)と水(990mL)を滴下し、30分間撹拌した。生じた固体をろ取し、ヘキサン(150mL)で3回洗浄することにより粗生成物(146g)を得た。得られた粗生成物にイソプロパノール(438mL)を加え75℃で撹拌後、55℃まで徐々に放冷し、水(657mL)を滴下した。混合物を1時間撹拌後、3時間かけ15℃まで冷却した。生じた固体をろ取し、イソプロパノール:水(1:2)で洗浄し、減圧乾燥することにより表題の化合物(133g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.68-7.66 (3H, m), 7.49 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.75-4.71 (1H, m), 4.22 (1H, dd, J = 12.5, 4.3 Hz), 3.95 (1H, dd, J = 12.5, 7.6 Hz), 1.67 (3H, d, J = 6.1 Hz).
参考例5:(7S)−3−ヨード−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例2の化合物(5.15g)の酢酸(85mL)溶液に1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(10.35g)を加えた。反応溶液を100℃で4時間撹拌した後、室温まで放冷し飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。混合物をクロロホルム:エタノール(4:1)で抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮することにより表題の化合物(11.06g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.93 (1H, s), 4.54-4.47 (1H, m), 3.66-3.61 (1H, m), 3.33-3.29 (1H, m), 1.42 (3H, d, J = 6.1 Hz).
LC−MS,m/z;278[m+H] 保持時間;0.567min
参考例6:(7S)−3−クロロ−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例2の化合物(8.03g)の酢酸(110mL)溶液にN−クロロスクシンイミド(7.45g)を加えた。反応溶液を100℃で5時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣に水を加え、室温で15分間撹拌、固体をろ取し、水とヘキサンで洗浄することにより表題の化合物(9.13g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.21 (1H, s), 4.45-4.37 (1H, m), 3.59-3.57 (1H, m), 3.28-3.24 (1H, m), 1.36 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例7:(7S)−3−クロロ−7−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例6の化合物(9.12g)、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)チオフェン(14.76g)、炭酸カリウム(13.58g)のトルエン(100mL)懸濁液に、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(3.90g)、ヨウ化銅(2.81g)を加え、6時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷後、14%アンモニア水と酢酸エチルを加え室温で30分撹拌した。混合物を分液後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(9.13g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.55 (1H, s), 7.26 (1H, d, J = 4.3 Hz), 6.66 (1H, d, J = 4.3 Hz), 4.74-4.66 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.01 (1H, dd, J = 12.8, 7.9 Hz), 1.69 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例8:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例5の化合物(2.45g)、1−メチル−1H−インダゾール−6−ボロン酸(2.02g)、酢酸パラジウム(199mg)、X−phos(843mg)、炭酸カリウム(2.44g)の1,2−ジメトキシエタン(14.7mL)/水(7.4mL)混合物を加熱還流下4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈しセライトろ過を行い、ろ液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製することで表題の化合物(1.48g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.24 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 1.2 Hz), 8.00 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.93 (1H, s), 7.70-7.69 (1H, m), 7.52-7.50 (1H, m), 4.56-4.54 (1H, m), 4.02 (3H, s), 3.71-3.69 (1H, m), 3.39-3.35 (1H, m), 1.50 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例9{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}ボロン酸
Figure 2019182784
参考例4の化合物(10.00g)、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキザボロラン(9.60mL)のTHF(100mL)溶液に−25℃でイソプロピルマグネシウムクロライド−塩化リチウム錯体(42.7mL)を滴下した。反応混合物を−25℃で30分間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(9.12g)を得た。
LC−MS,m/z;340[m+H] 保持時間;0.865min
参考例10:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例8と同様の手法により、参考例5の化合物(2.45g)と1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−
インダゾール−3−アミン(3.28g)から表題化合物(764.5mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.21 (1H, s), 7.88 (1H, s), 7.74 (1H, s), 7.61 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.26 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 5.37 (2H, s), 4.54-4.52 (1H, m), 3.72-3.66 (4H, m), 3.37-3.34 (1H, m), 1.49 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例11:ジ−tert−ブチル (5−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−2H−インダゾール−2−イル)メチル ホスフェート
Figure 2019182784
実施例13の化合物(2.19g)のDMF(10mL)溶液に氷浴下、水素化ナトリウム(348mg、60%オイル)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌後、氷浴下、ヨウ化ナトリウム(80mg)とジ−tert−ブチルクロロメチルホスフェート(2.75g)を加えた。反応混合物を氷浴下で3時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(284.9mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.20 (1H, d, J = 0.9 Hz), 8.02 (1H, d, J = 0.9 Hz), 7.75 (1H, s), 7.67-7.65 (3H, m), 7.57 (1H, dd, J = 8.9, 1.6 Hz), 7.47 (2H, d, J = 8.7 Hz), 6.09 (2H, d, J = 11.9 Hz), 4.74 (1H, d, J = 4.1 Hz), 4.25 (1H, dd, J = 12.8, 4.1 Hz), 3.97 (1H, dd, J = 12.8, 7.1 Hz), 1.71 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.38 (18H, s).
参考例12:O−(クロロメチル)S−ドデシルカルボノチオエート
Figure 2019182784
1−ドデカンチオール(15.61mL)とN−メチルモルホリン(18.74mL)のジクロロメタン(165mL)溶液に氷浴下、クロロメチルクロロホルメート(7.58mL)を滴下した。反応混合物を室温で2日間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル/THF(4:1)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮することで表題の化合物の粗生成物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.74 (2H, s), 2.89 (2H, t, J = 7.3 Hz), 1.36-1.24 (20H, m), 0.86 (3H, t, J = 7.0 Hz).
参考例13:S−ドデシル O−(ヨードメチル)カルボノチオエート
Figure 2019182784
参考例12の粗生成物とヨウ化ナトリウム(19.67g)のアセトン(170mL)混合物を50℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮することで表題の化合物の粗生成物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.96 (2H, s), 2.88 (2H, t, J = 7.6 Hz), 1.41-1.24 (20H, m), 0.86 (3H, t, J = 6.7 Hz).
参考例14:O−({[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)S−ドデシル カルボノチオエート
Figure 2019182784
参考例13の粗生成物、炭酸銀(36.2g)、ジベンジルホスフェート(36.5g)のアセトニトリル(170mL)混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、セライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(26.74g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.36-7.31 (10H, m), 5.64 (2H, d, J = 14.0 Hz), 5.05 (4H, d, J = 7.9 Hz), 2.83 (2H, t, J = 7.3 Hz), 1.63-1.56 (2H, m), 1.30-1.26 (18H, m), 0.86 (3H, t, J = 6.7 Hz).
参考例15:{[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}メチル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート
Figure 2019182784
参考例14の化合物(157.1mg)のジクロロメタン(1mL)溶液に氷浴下、スルフリルクロライド(0.025mL)を加えた。室温で5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。氷浴下、残渣とピリジン(0.047mL)のジクロロメタン(2mL)溶液に実施例17の化合物(86mg)を加えた。反応混合物を氷浴下で2時間撹拌した後、5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(51.9mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.85 (1H, brs), 7.77 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.49 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.33-7.27 (11H, m), 5.70 (2H, d, J = 13.4 Hz), 5.05 (4H, d, J = 7.3 Hz), 4.79-4.77 (1H, m), 4.28 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 3.93 (3H, s), 1.74 (3H, d, J = 6.7 Hz).
参考例16:1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロパン−2−イル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート
Figure 2019182784
実施例17の化合物(156mg)のクロロホルム(3mL)溶液に氷浴下、N,N’−カルボニルジイミダゾール(63.2mg)とN,N−ジイソプロピリエチルアミン(0.124mL)を加えた。反応混合物を氷浴下で30分間撹拌した後、tert−ブチル(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)カルバメート(134mg)を加えた。反応混合物を70℃で2時間撹拌した後、室温まで放冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(38.1mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.78-7.74 (3H, m), 7.66 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.35 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.12 (1H, brs), 4.77-4.76 (1H, m), 4.28 (1H, dd, J = 12.8, 4.0 Hz), 3.99 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 3.94 (3H, s), 3.38 (2H, d, J = 5.5 Hz), 1.73 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.50 (6H, s), 1.42 (9H, s).
参考例17:tert−ブチル {4−[(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバメート
Figure 2019182784
実施例17の化合物(223mg)、HATU(289mg)、N,N−ジイソプロピリエチルアミン(0.262mL)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−アミノブチリックアシッド(134mg)のDMF(2mL)混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製することで表題の化合物(252.3mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.71 (1H, brs), 7.90 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.78-7.74 (2H, m), 7.66 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.49 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.77-4.76 (2H, m), 4.28 (1H, dd, J = 12.5, 4.0 Hz), 4.02-3.93 (4H, m), 3.25 (2H, brs), 2.46 (2H, t, J = 7.0 Hz), 1.91 (2H, brs), 1.73 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.43 (9H, s).
参考例18:tert−ブチル (2−メチル−2−{[(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバモイル]アミノ}プロピル)カルバメート
Figure 2019182784
参考例17と同様の手法により、実施例17の化合物(296mg)とBoc−4−アミノ−3,3−ジメチル−ブチリックアシッド(218mg)から表題の化合物(443.8mg)を得た。
LC−MS,m/z;654[m+H] 保持時間;1.124min
参考例19:tert−ブチル {2,2−ジメチル−4−[(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバメート
Figure 2019182784
実施例17の化合物(305.4mg)とピリジン(0.123mL)のアセトニトリル(2mL)混合物に室温で4−ニトロフェニルクロロホルメート(154mg)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に室温でtert−ブチル(2−アミノ−2−メチルプロピル)カルバメート(287mg)を加えた。反応混合物を2時間撹拌後、5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(226.8mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.48 (1H, brs), 8.26 (1H, brs), 7.79-7.77 (2H, m), 7.69-7.67 (3H, m), 7.50 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.6 Hz), 5.42-5.39 (1H, m), 4.79-4.77 (1H, m), 4.29 (1H, dd, J = 12.8, 4.0 Hz), 4.00 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 3.88 (3H, s), 3.52 (2H, d, J = 6.6 Hz), 1.74 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.40 (15H, m).
参考例20:エチル 4−ヨード−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート
Figure 2019182784
2H-ピラゾール-3-カルボキシリックアシッド エチルエステル(8.13g)の酢酸(116mL)溶液に室温で1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(13.22g)を加えた。反応混合物を100℃で5時間撹拌した後、室温まで放冷し水を加え析出した固体をろ取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(10.18g)を得た。
LC−MS,m/z;267[m+H] 保持時間;0.693min
参考例21:tert−ブチル [(2S)−3−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート
Figure 2019182784
(S)−tert−ブチル(2,3−ジヒドロキシプロピル)カルバメート(7.40g)とイミダゾール(5.80g)のジクロロメタン(97mL)溶液に氷浴下、tert−ブチルジメチルクロロシラン(6.42g)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(9.66g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 4.94 (1H, brs), 3.73-3.69 (1H, m), 3.61 (1H, dd, J = 10.1, 4.6 Hz), 3.51 (1H, dd, J = 10.1, 6.1 Hz), 3.35-3.30 (1H, m), 3.11-3.08 (1H, m), 2.82 (1H, brs), 1.42 (9H, s), 0.87 (9H, s), 0.05 (6H, s).
参考例22:エチル 1−[(6R)−2,2,3,3,11,11−ヘキサメチル−9−オキソ−4,10−ジオキサ−8−アザ−3−シラドデカン−6−イル]−4−ヨード−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート
Figure 2019182784
参考例20の化合物(5.38g)、参考例21の化合物(9.27g)とトリフェニルホスフィン(9.55g)のTHF(50.6mL)溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(7.36g)滴下した。反応溶液を室温で3.5時間撹拌した後、ジイソプロピルエーテルを加え10分間撹拌した。生じた固体を濾別し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(9.92g)を得た。
LC−MS,m/z;554[m+H] 保持時間;1.376min
参考例23:エチル 1−[(2R)−1−アミノ−3−ヒドロキシプロパン−2−イル]−4−ヨード−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート 塩酸塩
Figure 2019182784
参考例22の化合物(9.92g)の酢酸エチル(15mL)溶液に4mol/L塩酸−酢酸エチル(22.4mL)を加えた。反応溶液を50℃で2時間撹拌した後、減圧濃縮し表題の化合物の粗生成物を得た。
LC−MS,m/z;340[m+H] 保持時間;0.357min
参考例24:(7R)−7−(ヒドロキシメチル)−3−ヨード−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例23の化合物(6.73g)のDMF(66mL)溶液に室温でトリエチルアミン(5.0mL)を加えた。反応溶液を室温で3時間撹拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣にトルエンを加え減圧濃縮することを繰り返した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製することで表題の化合物(3.36g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.15 (1H, s), 7.67 (1H, s), 5.20-5.19 (1H, m), 4.43-4.41 (1H, m), 3.72-3.62 (3H, m), 3.57-3.54 (1H, m).
LC−MS,m/z;294[m+H] 保持時間;0.455min
参考例25:(7R)−7−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例8と同様の手法により、参考例24の化合物(1.41g)と1−メチル−1H−インダゾール−6−ボロン酸(1.10g)から表題化合物(880mg)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.17 (1H, brs), 8.06 (1H, s), 8.00 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.94 (1H, s), 7.69 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 5.26-5.25 (1H, m), 4.46-4.44 (1H, m), 4.02 (3H, s), 3.78-3.72 (3H, m), 3.63-3.61 (1H, m).
LC−MS,m/z;298[m+H] 保持時間;0.567min
実施例1:(7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例7の化合物(140mg)、2−メチル−2H-インダゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(140mg)、酢酸パラジウム(9.4mg)、X−phos(39.8mg)、炭酸カリウム(115mg)の1,2−ジメトキシエタン(1.5mL)/水(0.5mL)混合物を加熱還流下3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈しセライトろ過を行い、ろ液に水を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(173.6mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.04 (1H, s), 7.92 (1H, s), 7.75 (1H, s), 7.71 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.52 (1H, dt, J = 9.2, 1.8 Hz), 7.27 (1H, d, J = 4.3 Hz), 6.65 (1H, d, J = 4.3 Hz), 4.79-4.75 (1H, m), 4.37 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.21 (3H, s), 4.07 (1H, dd, J = 12.8, 7.6 Hz), 1.73 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例2:((7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例4の化合物(220mg)、2−メチル−2H-インダゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(189mg)、酢酸パラジウム(11.7mg)、X−phos(49.8mg)、炭酸カリウム(144mg)の1,2−ジメトキシエタン(2mL)/水(1mL)混合物を加熱還流下3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈しセライトろ過を行い、ろ液に水を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(125.2mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.05 (1H, s), 7.84 (1H, s), 7.76 (1H, s), 7.67-7.65 (3H, m), 7.53 (1H, dd, J = 9.2, 1.8 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.78-4.74 (1H, m), 4.27 (1H, dd, J = 12.5, 4.0 Hz), 4.18 (3H, s), 3.99 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 1.72 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例3:(7S)−5−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例8の化合物(218mg)、5−ブロモ−2−フルオロトルエン(0.145mL)、ヨウ化銅(44.3mg)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.075mL)、炭酸カリウム(214mg)のトルエン(2mL)混合物を加熱還流下5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、28%アンモニア水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(249.6mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.92 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.81 (1H, s), 7.78 (1H, s), 7.67 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.2, 1.5 Hz), 7.18 (1H, dd, J = 6.7, 2.4 Hz), 7.11-7.09 (1H, m), 7.04 (1H, d, J = 9.2 Hz), 4.77-4.72 (1H, m), 4.21 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.05 (3H, s), 3.90 (1H, dd, J = 12.8, 7.0 Hz), 2.26 (3H, d, J = 1.8 Hz), 1.73 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例4:(7S)−7−メチル−3−(1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例9の化合物(594mg)、tert−ブチル 5−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−a]ピリジン−1−カルボキシレート(679mg)、酢酸パラジウム(19.7mg)、S−phos(71.9mg)、炭酸カリウム(484mg)のアセトニトリル(2mL)/水(3mL)混合物を加熱還流下3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈しセライトろ過を行い、ろ液に水を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、クロロホルム/メタノール)により精製することで表題の化合物(317.2mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 11.02 (1H, brs), 8.95 (1H, s), 8.62 (1H, d, J = 1.2 Hz), 8.18 (1H, s), 8.04 (1H, s), 7.69 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.50 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.81-4.75 (1H, m), 4.28 (1H, dd, J = 12.5, 4.0 Hz), 3.98 (1H, dd, J = 12.5, 7.0 Hz), 1.73 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例5:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
参考例10の化合物(350.9mg)、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(322mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(137mg)、炭酸セシウム(772mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(137mg)の1,4−ジオキサン(3mL)混合物を加熱還流下3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、酢酸エチルで希釈しセライトろ過を行い、ろ液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで表題の化合物(84.5mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.89 (1H, brs), 8.23 (1H, dd, J = 9.1, 2.4 Hz), 8.14 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.98 (1H, s), 7.83 (1H, s), 7.79 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.41 (1H, d, J = 8.5 Hz), 4.84-4.79 (1H, m), 4.70 (1H, dd, J = 13.4, 4.0 Hz), 4.32 (1H, dd, J = 13.4, 7.9 Hz), 3.84 (3H, s), 1.59 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例6:(5−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−2H−インダゾール−2−イル)メチル ジハイドロジェン ホスフェート
Figure 2019182784
参考例11の化合物(284.9mg)のクロロホルム(4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.693mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮することにより表題の化合物(272.9mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.50 (1H, s), 8.11 (1H, s), 7.93 (1H, s), 7.80 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.59 (2H, s), 6.06 (2H, d, J = 10.4 Hz), 4.83-4.79 (1H, m), 4.37 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.09 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 1.59 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例7:(ホスホノオキシ)メチル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート
Figure 2019182784
参考例15の化合物(239mg)と10%パラジウム−炭素(257mg)のメタノール(10mL)混合物を水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより表題の化合物(161.5mg)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 10.16 (1H, s), 7.98 (1H, s), 7.91 (1H, s), 7.80 (2H, d, J = 9.1 Hz), 7.69-7.67 (3H, m), 7.40 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 5.52 (2H, d, J = 12.2 Hz), 4.84-4.81 (1H, m), 4.38 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 12.8, 7.6 Hz), 3.91 (3H, s), 1.59 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例8〜11
対応する参考例の化合物より、実施例1記載の方法に準じ、下表に示す実施例8〜11の化合物を合成した。
Figure 2019182784





Figure 2019182784

以下に実施例8〜11の化合物名を記載する。
実施例8:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例9:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例10:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例11:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例12〜17
対応する参考例の化合物より、実施例2記載の方法に準じ、下表に示す実施例12〜17の化合物を合成した。
Figure 2019182784




Figure 2019182784

以下に実施例12〜17の化合物名を記載する。
実施例12:(7S)−3−(1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例13:(7S)−3−(1H−インダゾール−5−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例14:(7S)−3−(5−フルオロ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例15:(7S)−3−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例16:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例17:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例18〜20
対応する参考例の化合物より、実施例3記載の方法に準じ、下表に示す実施例18〜20の化合物を合成した。
Figure 2019182784

以下に実施例18〜20の化合物名を記載する。
実施例18:(7S)−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例19:(7S)−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例20:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例21:(7R)−7−(ヒドロキシメチル)−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
実施例3と同様の手法により、参考例25の化合物(380mg)と4−ヨードベンゾトリフルオリド(521mg)から表題化合物(395.3mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.00 (2H, s), 7.98 (1H, s), 7.81 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.69-7.67 (3H, m), 7.47 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 5.35 (1H, brs), 4.72-4.69 (1H, m), 4.52 (1H, dd, J = 12.8, 4.3 Hz), 4.23-4.19 (1H, m), 4.01 (3H, s), 3.90 (2H, brs).
実施例22〜26
対応する参考例の化合物より、実施例3記載方法に準じ、下表に示す実施例22〜26の化合物を合成した。
Figure 2019182784







Figure 2019182784

以下に実施例22〜26の化合物名を記載する。
実施例22:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン 塩酸塩
実施例23:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−(4−クロロフェニル)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン 塩酸塩
実施例24:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例25:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−5−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−7−メチル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
実施例26:4−[(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−4−オキソ−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]−2−メチルベンゾニトリル
実施例27:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−6−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2019182784
実施例5と同様の手法により、参考例9の化合物(151mg)と6−クロロ−1−メチル−1H-ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(82.1mg)から表題化合物(68.9mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.64 (1H, s), 8.84 (1H, s), 8.78 (1H, s), 8.64 (1H, s), 7.90 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.77 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.00-4.98 (1H, m), 4.47 (1H, dd, J = 13.4, 4.3 Hz), 4.22-4.18 (4H, m), 1.64 (3H, d, J = 6.7 Hz).
実施例28:1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート 塩酸塩
Figure 2019182784
参考例16の化合物(38.1mg)の酢酸エチル(1mL)溶液に4mol/L塩酸−酢酸エチル溶液(2mL)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮することにより表題の化合物(28.5mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.86 (1H, s), 8.22 (3H, brs), 7.99 (1H, s), 7.89 (1H, s), 7.81 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.76 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.40 (1H, d, J = 9.1 Hz), 4.85-4.82 (1H, m), 4.39 (1H, dd, J = 12.8, 3.7 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 12.8, 7.3 Hz), 3.90 (3H, s), 3.17-3.16 (m, 2H), 1.59 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.53 (6H, s).
実施例29〜31
対応する参考例の化合物より、実施例28記載の方法に準じ、下表に示す実施例29〜31の化合物を合成した。

Figure 2019182784

以下に実施例29〜31の化合物名を記載する。
実施例29:4−アミノ−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩
実施例30:4−アミノ−3,3−ジメチル−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩
実施例31:N−(1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル)−N’−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ウレア 塩酸塩
薬理試験
以下に、本発明の化合物についての薬理試験方法及びその結果を示すが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1:ヒトmGlu2受容体安定発現細胞を用いた検討
(1)ヒトmGlu2受容体安定発現細胞
ヒトmGlu2受容体安定発現細胞を作製し、培養に供した。具体的には、pcDNA4/TO(K1020−01, Lifetechnologies, Carlsbad,CA,USA)にヒトmGlu2受容体遺伝子を挿入し、TR発現ヒト腎臓由来HEK細胞(cat#CCL−82.2, ATCC, USA)に導入した。その後Geneticin(cat#10131−027, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)による選別を行い、ヒトmGlu2受容体安定発現細胞を得た。
培地には10% Dialysed−FBS(cat#26400−044, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA), 50μg/mL Blasticidin S(cat#ANT−BL−1, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)、2mg/mL G418(cat#16513−84, nacalai tesque, Kyoto, Japan)を含むHigh glucose−DMEM培地(cat#11995−065, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)を用い、細胞培養用フラスコ(cat#3133−150, AGC Thechno Glass, Shizuoka, Japan)にて培養を行った。培養中、3−4日毎にTrypLE Express(cat#12604−013, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)処理にて細胞を回収し、継代培養を行った。
継代から3−4日後、約80%コンフルエントな状態でTrypLE Express処理にて細胞を回収し、0.1% BSA(cat#12604−013, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA), 0.1μg/mL Tetracycline(cat#33031−64, nacalai tesque, Kyoto, Japan)含有のHanks(cat#14065−056, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)/20mmol/L HEPES(cat#15630−080, Lifetechnologies, Carlsbad, CA, USA)Buffer(pH7.4)培地下で、Gα16, apoaequorinを一過的に導入し、その後に384wellプレート(cat#781090, Greiner bio−one, Frickenhausen, Germany)に1,500cells/30μL/wellとなるように播種した。
播種翌日、Coelentetrazine h(cat#S2011, Promega, Madison, WI, USA)を終濃度1μmol/Lとなるように添加し(10μL/well)、遠心後、室温で4時間以上静置した。
(2)試験化合物の調製
試験化合物はDMSOを用いて評価濃度の1000倍濃度になるように溶解した。このDMSO溶液を、培地(Hanks、20mmol/L HEPES、0.1% BSA)にて評価濃度の6倍濃度になるように希釈した。GlutamateはHanks/20mmol/L HEPES/0.1% BSA培地にてEC80濃度の6倍濃度になるように希釈した。
(3)mGlu2受容体ネガティブアロステリックモジュレーター活性評価
ヒトmGlu2受容体安定発現細胞を作製し、培養に供した。mGlu2受容体刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス)を用いた。細胞及び発光基質を添加したプレートに、上記調製の化合物溶液を添加した(10μL/well)。添加120秒後EC80のGlutamate含有溶液を添加し(10μL/well)、添加後300秒間発光シグナル(中心波長:465nm)を測定してRLU(Integration)を算出した。化合物のmGlu2受容体のネガティブアロステリックモジュレーター活性は、(100−100×(各化合物の各濃度のRLU/DMSO群のRLU))にて算出した。
本発明の化合物を上述の生物学試験で評価したところ、mGlu2受容体ネガティブアロステリックモジュレーター活性を示す化合物を見出した。各化合物のmGlu2受容体ネガティブアロステリックモジュレーター活性(IC50値(nmol/L))を下表に示す。
Figure 2019182784


(4)時間依存的なmGlu2受容体ネガティブアロステリックモジュレーター活性評価
ヒトmGlu2受容体安定発現細胞を作製し、培養に供する。mGlu2受容体刺激による発光シグナルの検出にはFDSS7000(浜松ホトニクス)を用いる。細胞及び発光基質を添加したプレートに、上記調製の化合物溶液を添加する(10μL/well)。添加2分後、15分後、30分後、60分後及び120分後にそれぞれEC80のGlutamate含有溶液を添加し(10μL/well)、添加後300秒間発光シグナル(中心波長:465nm)を測定してRLU(Integration)を算出する。化合物各添加時間のmGlu2受容体のネガティブアロステリックモジュレーター活性は、(100−100×(各化合物の各濃度のRLU/DMSO群のRLU))にて算出する。
試験例2:CYP3A4 MBI及び酵素不活性化クリアランス評価
チトクロームP450(以下CYP)は薬物代謝に関わる最も重要な酵素群で、薬物動態学的な相互作用の多くはこれらCYP活性の阻害に基づく。CYPには複数の分子種が存在し、特にCYP3A4はCYPによる酸化反応では医薬品の代謝に関与する割合が最も大きく、また、肝臓に存在するCYPのうちの大部分を占める。
CYP阻害様式には「可逆的阻害」と「不可逆的阻害(mechanism−based inhibition:MBI)」の大きく2種類があり、特にMBIに基づくCYP阻害は薬物相互作用のみならず重篤な副作用(肝毒性等)を引き起こす可能性が知られている(Curr Opin Drug Discov Devel. 2010 January, 13(1), 66-77,Therapeutics and Clinical Risk Management, 2005,1(1), 3-13)。
本実施例化合物を用いて、CYP3A4のMBI及び酵素不活性化クリアランスを評価した。
酵素源としてヒト肝ミクロソーム、基質はミダゾラム又はテストステロンを用い、CYP3A4に対する試験化合物の阻害効果ならびに阻害様式を評価した。37℃、30分の代謝反応後の試験化合物添加群(4濃度)の基質由来代謝生成物と非添加群の基質由来代謝生成物をLC−MS/MSにて測定し、その比から阻害率を計算した。また、濃度プロットからIC50値を算出した。試験化合物にMBI作用が認められる場合、NADPH(補因子)存在下でのプレインキュベーション後に基質を添加し反応を開始することにより、IC50が低下することが知られていることから(Xenobiotica,2009,39(2),99−112)、プレインキュベーションによるIC50値の変動比をMBIの値として算出(MBIプレインキュベーション前のIC50/プレインキュベーション後のIC50)し、その比が2倍以上の場合MBI作用ありと判定した。
MBI作用が認められた場合は、kinact(最大酵素不活性化速度定数)及びK(最大酵素不活性化速度の50%の速度をもたらす阻害薬の濃度)を非線形最小二乗法により算出した。さらに、 Drug Metabolism and Disposition,2011,39(7),1247−1254に記載の方法に準じ、酵素不活性化クリアランスを算出した(CLint inact/K(ml/min/mmol)×CYP contents(pmol/mg protein))。
各実施例化合物のCYP3A4のMBI及び酵素不活性化クリアランスを下表に示す。
尚、LC−MS/MSにおいて実施例化合物のピークと基質(ミダゾラム又はテストステロン)由来代謝生成物のピークが重なりMBIを算出することができなかったものについては評価不能とした。
Figure 2019182784

Figure 2019182784

試験例3:溶解性評価(DMSO析出法)
薬物の消化管吸収性は主に溶解性と膜透過性によって規定される。溶解度が極端に低くなると薬物の溶出過程が経口吸収の律速となるため、その程度によっては曝露量の低下やバラツキの原因になる。また、投与量と吸収量が比例せず、用量が増えるにつれて負の非線形(吸収の頭打ち)が認められることもある。特に安全性評価においては、実験動物で薬効が見られる用量よりも高い投与量を設定し、薬効と副作用とのマージンを評価する必要があるが、吸収の頭打ちにより高用量でも十分に血漿中濃度が上昇せず、評価が成り立たないケースもある。
Biopharmaceutics Classification System(BCS)は溶解性と膜透過性をもとに定義された大局的な消化管吸収挙動を予測する上での指針である(Pharm Res. 1995 Mar;12(3):413−20)。BCSは薬物を溶解性と膜透過性のそれぞれの高低から4つのクラスに分類し、薬物の吸収特性を理解する指標として利用されるだけでなく、溶解性の高いクラス1や3に分類される場合、製剤変更の際に要求されるヒト生物学的同等性試験(BE試験)を免除する方法として世界的に利用されている(AAPS J. 2016 May; 18(3): 61−618)。
本実施例化合物の溶解性を、以下の手法で評価した。
Yakugaku Zasshi. 2002 Mar;122(3):237−246に記載の方法に準じ、試験化合物のDMSO溶液をpH7.4の緩衝液と混合し、室温で90分間振とう後、16から20時間静置した。静置後遠心で不溶物を分離し、上清をHPLC−UVで測定した。別途試験化合物の標準溶液を調製、測定し標準溶液との面積比より溶解度を算出した。各化合物の溶解度(μg/mL)を下表に示す。

Figure 2019182784

以上で説明したように、本発明の化合物はグループII代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体に対して強い負の調節作用を示す。したがって、本発明の化合物はうつ病性障害・抑うつ障害(大うつ病、治療抵抗性うつ病、慢性うつ病等)、双極性及び関連障害(双極性うつ病等)、不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、特定の恐怖症等)、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛、睡眠障害等の疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。

Claims (27)

  1. 式(1):
    Figure 2019182784
    [式(1)中、
    及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)又はC3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、各々独立して、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になってC3−4飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
    環Aは、C6−10芳香族炭素環、4〜10員の飽和複素環又は5〜10員の芳香族複素環を表し、
    及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ(該アルキル、該アルコキシ、該アルキルチオは、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C2−4アルケニル(該アルケニルは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、4〜6員の飽和複素環基、5又は6員の芳香族複素環基、C3−6飽和炭素環基又はC3−6シクロアルコキシ(該飽和複素環基、該芳香族複素環基、該飽和炭素環基及び該シクロアルコキシは、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    環Bは、下記式(2a)、(2b)又は(2c):
    Figure 2019182784
    (式(2a)〜(2c)中、
    は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、(該アルキル、該アルコキシ及び該アルキルチオは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、4〜6員の飽和複素環基、C3−6シクロアルコキシ、C3−6飽和炭素環基(該飽和複素環基、該シクロアルコキシ及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−NR、−NR−C(O)−R、−NR−C(O)−OR、−NR−C(O)−NR、−NR−P(O)(OR)(OR)、−NR−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−NR−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NR−[CHO]C(O)−[C(R)(R)]NR、−NR−[CHO]C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は−NR−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)を表し、
    及びRは、水素原子、C1−6アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基、C3−6飽和炭素環基、4〜6員の飽和複素環基、5又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭素環基、該飽和炭素環基、該飽和複素環基及び該芳香族複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−C(O)−R、−C(O)−OR、−C(O)−NR、−P(O)(OR)(OR)、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]NR又は−[CHO]C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)を表し、
    Xは窒素原子又は−CR−を表し、
    及びRは、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    あるいは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
    は、複数ある場合は各々独立して、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    は、複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又は4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し、
    及びRは、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C6−10芳香族炭素環基、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基又はC3−6飽和炭素環基(該芳香族炭素環基及び該飽和炭素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    あるいは、R及びRは、それらが結合する酸素原子と一緒になって5〜7員の環状リン酸エステル(該環状リン酸エステルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
    及びRは、各々独立して、水素原子、C1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C6−10芳香族炭素環基又はC3−6飽和炭素環基(該芳香族炭素環基及び該飽和炭素環基は、各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を表し、
    あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって3〜6員の飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成していてもよく、
    nは、0又は1を表し、
    mは、1〜4を表す)である]
    で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  2. 及びRが、各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロパン環又はシクロブタン環を形成していてもよい、
    請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  3. 環Aが、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、チオフェン、キノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、クロマン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン又は2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンである、
    請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  4. 及びRが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基又はC3−6シクロアルコキシ(該飽和炭素環基及び該シクロアルコキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシ及びハロゲン原子からなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  5. が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−NR、−NR−C(O)−OR、−NR−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−NR−C(O)−O[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−[C(R)(R)]NR、−NR−C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は−NR−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)であり、
    及びRが、水素原子、C1−6アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、C3−6飽和炭素環基、4〜6員の飽和複素環基(該飽和炭素環基及び該飽和複素環基は、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、−C(O)−OR、−P(O)(OR)(OR)、−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、−C(O)−O[C(R)(R)]NR又は−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  6. 及びRが、各々独立して、またR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1-4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
    が、複数ある場合は各々独立して、C1−4アルキル又はC3−6飽和炭素環基(該アルキル及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
    が、複数ある場合は各々独立して、水素原子、C1−4アルキル又はC3−6飽和炭素環基(該アルキル及び該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  7. が、水素原子、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル又はフッ素原子である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  8. 及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRは、それらが結合する酸素原子と一緒になって5〜7員の環状リン酸エステル(該環状リン酸エステルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
    及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって3〜6員の飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよい、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  9. 及びRが、各々独立して、水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり、あるいは、R及びRはそれらが結合する炭素原子と一緒になってシクロプロパン環又はシクロブタン環を形成してもよい、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  10. 環Aが、ベンゼン、チオフェン、ピリジン又はキノリンである、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  11. 及びRが、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルキル又はC1−4アルコキシ(該アルキル及び該アルコキシは、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい)である、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  12. が、
    (1)水素原子、
    (2)ハロゲン原子、
    (3)シアノ、
    (4)C1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
    (5)C1−4アルコキシ(該アルコキシは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
    (6)−NH
    (7)−NH−C(O)−OR
    (8)−NH−P(O)(OR)(OR)、
    (9)−NH−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)、
    (10)−NH−C(O)−O[C(R)(R)]NR
    (11)−NH−C(O)−[C(R)(R)]NR
    (12)−NH−C(O)−NR[C(R)(R)]NR又は
    (13)−NH−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)であり、
    及びRが、各々独立して、
    (1)水素原子、
    (2)C1−4アルキル(該アルキルは、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)、
    (3)−C(O)−OR
    (4)−C(R)(R)−OP(O)(OR)(OR)又は
    (5)−C(O)−O[C(R)(R)]OP(O)(OR)(OR)である、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  13. 及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、ヒドロキシ及びC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、あるいは、R及びRはそれらが結合する窒素原子と一緒になってC3−6飽和炭素環基(該飽和炭素環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)を形成してもよく、
    が、複数ある場合は各々独立して、同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
    が、複数ある場合は各々独立して、水素原子又は同一又は異なる1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
    及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ、1〜3個のC1−4アルキルで置換されていてもよいアミノ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
    及びRが、各々独立して、又はR及びRが複数ある場合は各々独立して、水素原子又はC1−4アルキル(該アルキルは、各々独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ及び1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルコキシからなる群から選択される、同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい)であり、
    mが、1〜3である、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  14. 環Bが、下記式(3a)、(3b)又は(3c)である、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
    Figure 2019182784
  15. が、メチルであり;
    が、水素原子であり;
    環Aが、ベンゼン又はチオフェンであり;
    環Bが下記式(4a)、(4b)又は(4c)であり;
    Figure 2019182784
    及びRが、各々独立して、水素原子、フッ素、塩素、メチル、シアノ又はトリフルオロメチルであり;
    が、水素原子、−NH、−NHCOCMeCHNH、−NHC(O)(CHNH、−NHC(O)CHCMeCHNH、−NHCONHCMeCHNH又は−NHCOCHOP(O)(OH)であり;
    が、水素原子、メチル又は−CHOP(O)(OH)である、
    請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  16. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩:
    実施例1:(7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例2:((7S)−7−メチル−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例4:(7S)−7−メチル−3−(1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−5−イル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例8:(7S)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−5−[5−(トリフルオロメチル)チオフェン−2−イル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例12:(7S)−3−(1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例17:(7S)−3−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−7−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、
    実施例18:(7S)−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン、及び
    実施例19:(7S)−5−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン。
  17. 以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩:
    実施例6:(5−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−2H−インダゾール−2−イル)メチル ジハイドロジェン ホスフェート、
    実施例7:(ホスホノオキシ)メチル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート、
    実施例28:1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル (1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)カルバメート 塩酸塩、
    実施例29:4−アミノ−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩、
    実施例30:4−アミノ−3,3−ジメチル−N−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ブタンアミド 塩酸塩、及び
    実施例31:N−(1−アミノ−2−メチルプロパン−2−イル)−N’−(1−メチル−6−{(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−3−イル}−3a,7a−ジヒドロ−1H−インダゾール−3−イル)ウレア 塩酸塩。
  18. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
  19. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤。
  20. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤。
  21. 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患が、精神疾患又は神経変性疾患である、請求項19に記載の治療剤及び/又は予防剤。
  22. 精神疾患又は神経変性疾患が、うつ病性障害・抑うつ障害、双極性及び関連障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛又は睡眠障害である、請求項21に記載の治療剤及び/又は予防剤。
  23. 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤を製造するための、請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
  24. 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
  25. 治療が必要な患者に、治療上の有効量の請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を投与することを含む、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ2(mGluR2)及び/又は代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ3(mGluR3)が関与する疾患を治療及び/又は予防するための方法。
  26. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩と、うつ病性障害・抑うつ障害、双極性及び関連障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、急性ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、アルツハイマー病、認知機能障害、認知症、薬物依存、肥満、痙攣、振戦、疼痛又は睡眠障害の治療剤から選択される少なくとも1種類以上の薬剤とを組み合わせてなる医薬。
  27. 抗精神病薬に分類される薬剤から選択される少なくとも1種以上の薬剤と併用して神経系疾患、精神疾患又は神経変性疾患を治療するための、請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
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