JP2019179268A - 防眩性ハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
特に、優れた防眩性を有するとともに、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制することができる防眩性ハードコートフィルムに関する。
特に、近年、ディスプレイの大型化に伴い、かかる問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
かかる防眩性ハードコート層の形成手法としては、(1)ハードコート層を形成する際に、物理的手法によりハードコート層の表面を粗面化する方法、(2)ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入する方法、(3)ハードコート層形成用のハードコート剤に非相溶な2成分を混入し、それらの相分離を利用する方法、の3種類に大別することができる。
これらの方法はいずれもハードコート層の表面に微細な凹凸を形成することにより、外光の正反射を抑え、蛍光灯などの外光の写り込みを防止するものであるが、特に(2)のハードコート層にフィラーを混入する方法が主流である(例えば、特許文献1〜2参照)。
また、(B)球状有機微粒子の平均粒子径としては、6〜10μmの範囲内の値とすることが好ましいとされている。
また、(B)球状有機微粒子の平均粒子径としては、1〜10μmの範囲内の値とすることが好ましいとされている。
特に、解像度の高い高精細ディスプレイに適用した場合には、ギラツキの発生を抑制することが困難になり、画面を視認する際の快適性が低下するという問題が見られた。
その結果、所定の防眩性を安定的に得ることが困難であるばかりか、仮に所定の防眩性を得ることができた場合であっても、球状有機微粒子がハードコート層の表面から過度に脱落しやすくなって、十分な耐擦傷性が得られなくなり、ひいては防眩性も低下しやすくなるという問題が見られた。
すなわち、本発明の目的は、優れた防眩性を有するとともに、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制することができる防眩性ハードコートフィルムを提供することにある。
すなわち、本発明の防眩性ハードコートフィルムであれば、防眩性ハードコート層を形成するための防眩性ハードコート層形成用組成物に対し、比較的小さな体積平均粒子径を有する樹脂微粒子を所定の割合にて配合していることから、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制することができる。
また、所定の分散剤を所定の割合で配合していることからプラスチック基材表面に塗布された防眩性ハードコート層形成用組成物の塗膜における樹脂微粒子の沈降具合を効果的に制御して、防眩性ハードコート層表面の微細な凹凸を安定的に形成し、樹脂微粒子の体積平均粒子径を比較的小さな範囲に限定しているにもかかわらず、優れた防眩性を得ることができる。
したがって、本発明の防眩性ハードコートフィルムであれば、優れた防眩性を有するとともに、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制することができる。
このように構成することにより、防眩性ハードコート層の表面に対し、微細な凹凸をより安定的に形成することができる。
このように構成することにより、防眩性ハードコートフィルムにおける耐擦傷性を向上させることができる。
このように構成することにより、防眩性ハードコートフィルムにおける耐擦傷性をさらに向上させることができる。
このように構成することにより、実使用上必要な硬度を得るとともに、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化収縮に伴うカールの抑制と、防眩性ハードコートフィルムを曲げた際に生じる防眩性ハードコート層におけるクラックの抑制をすることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
(1)防眩性ハードコート層形成用組成物
本発明の防眩性ハードコートフィルムにおける防眩性ハードコート層は、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)成分としての樹脂微粒子と、(C)成分としての分散剤と、(D)成分としての光重合開始剤と、を含む防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなる。
以下、防眩性ハードコート層形成用組成物に含まれる各成分について説明する。
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物に含まれる(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂の種類としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものの中から選択することができ、エネルギー線硬化性のモノマー、オリゴマー、樹脂またはこれらの混合物が挙げられる。
より具体的には、多官能性(メタ)アクリル系モノマーや(メタ)アクリレート系プレポリマーを用いることが好ましい。
また、これらのモノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
また、エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。
また、ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらのプレポリマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、上述した多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用してもよい。
(i)種類
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物に含まれる(B)成分としての樹脂微粒子の種類としては、例えば、シリコーン樹脂微粒子、変性シリコーン樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、アクリル重合体樹脂微粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子等が挙げられる。)、アクリル−スチレン共重合体樹脂微粒子、ポリカーボネート樹脂微粒子、ポリエチレン樹脂微粒子、スチレン重合体樹脂微粒子、ベンゾグアナミン樹脂微粒子などが挙げられる。
中でも、アクリル重合体樹脂微粒子、アクリル−スチレン共重合体樹脂微粒子、スチレン重合体樹脂微粒子およびシリコーン樹脂微粒子からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
この理由は、これらの樹脂微粒子であれば、防眩性ハードコート層の表面に対し、微細な凹凸を安定的に形成することができるためである。
なお、光の散乱状態を均質化して、防眩性を安定化させる観点から、樹脂微粒子の形状を球状とすることが好ましい。
また、本発明においては、樹脂微粒子の体積平均粒子径を1〜2.5μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、樹脂微粒子の体積平均粒子径をかかる範囲内の値とすることにより、優れた防眩性を維持しつつ、ギラツキの発生についても効果的に抑制することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子の体積平均粒子径が1μm未満の値となると、十分な防眩性を維持することが困難になる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の体積平均粒子径が2.5μmを超えた値となると、特に高精細ディスプレイに適用した場合に、ギラツキの発生を効果的に抑制することが困難になる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子の体積平均粒子径を1.2〜2.3μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1.3〜2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂微粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
すなわち、図2には、横軸に樹脂微粒子の体積平均粒子径(μm)を採り、左縦軸に防眩性ハードコートフィルムにおけるギラツキ(ppi)を採った特性曲線A、および右縦軸に防眩性ハードコートフィルムにおける60°鏡面光沢度(%)を採った特性曲線Bを示す。
また、防眩性ハードコートフィルムにおけるギラツキ(ppi)、および60°鏡面光沢度(%)の具体的な測定方法については、実施例において記載する。
なお、ギラツキの値(ppi)が大きいほどギラツキの発生を効果的に抑制できていることを意味する。
ここで、280ppi以上の実際の高精細ディスプレイに適用した場合に、ギラツキの発生を安定的に抑制するためには、特性曲線Aにおけるギラツキの値を80ppiを超えた値にすればよいことが確認されている。
したがって、ギラツキの値を80ppiを超えた値とし、ギラツキを効果的に抑制するためには、樹脂微粒子の体積平均粒子径を2.5μm以下の値とすべきことが理解される。
ここで、実際のディスプレイに適用した場合に、所定の防眩性を安定的に得るためには、60°鏡面光沢度を120%以下の値にする必要がある。
したがって、60°鏡面光沢度を120%以下の値とし、所定の防眩性を安定的に得るためには、樹脂微粒子の体積平均粒子径を1μm以上の値とすべきことが理解される。
以上、説明したように、特性曲線AおよびBからは、ギラツキの発生を効果的に抑制し、かつ、所定の防眩性を得るためには、樹脂微粒子の体積平均粒子径を1〜2.5μmの範囲内の値とすべきことが理解される。
この理由は、かかるCv値が50%を超えた値となると、体積平均粒子径よりも大きいまたは小さい粒径の粒子の存在量が増加し、大きい粒径の存在量が増加した場合にはギラツキの発生を抑制することが困難になり、小さい粒径の存在量が増加した場合には所望の防眩性を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子のCv値を40%以下の値とすることがより好ましく、30%以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、Cv値とは、下記式(1)で表される粒子径分布の変動係数を意味する。
Cv値(%)=(標準偏差粒子径/体積平均粒子径)×100 (1)
また、かかるCv値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、樹脂微粒子の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、防眩性ハードコート層の表面に微細な凹凸を形成させて、優れた防眩性を得るためである。
すなわち、樹脂微粒子の配合量が0.1重量部未満の値となると、防眩性ハードコート層の表面に微細な凹凸を十分に形成することができず、所望の防眩性を得ることが困難となる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の配合量が20重量部を超えた値となると、ヘイズ値が過度に大きくなって、ディスプレイの表示画像の視認性が低下する場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、1〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、3〜12重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物は、(C)成分としての分散剤を含むことを特徴とする。
この理由は、分散剤を含むことにより、防眩性ハードコート層形成用組成物をプラスチック基材の表面に塗布した際に、塗膜における(B)成分としての樹脂微粒子の沈降具合を効果的に制御して、防眩性ハードコート層表面の微細な凹凸を安定的に形成し、樹脂微粒子の体積平均粒子径を比較的小さな範囲に限定しているにも関わらず、優れた防眩性を得ることができるためである。
すなわち、防眩性ハードコート層の表面側に樹脂微粒子を好適な範囲で偏在させ、防眩性ハードコート層表面の微細な凹凸を安定的に形成することができ、ひいては優れた防眩性を得ることができる。
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物に含まれる(C)成分としての分散剤は、分子内に少なくとも1つの極性基を有するとともに、極性基として、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、第4級アンモニウム塩基、ピリジウム塩基、スルホニウム塩基およびホスホニウム塩基を有する化合物であることを特徴とする。
この理由は、これらの極性基を有する分散剤であれば、プラスチック基材表面に塗布された防眩性ハードコート層形成用組成物の塗膜における樹脂微粒子の沈降具合を効果的に制御することができるためである。
かかる分散剤のメカニズムは、明確には解明されていないが、分散剤中の極性基が、樹脂微粒子の表面に配位し、その結果、樹脂微粒子の表面の極性が変化し、樹脂微粒子が塗膜の表面近傍に存在する確率が高くなるものと推定される。
この理由は、これらの極性基であれば、樹脂微粒子の表面に対して、分散剤をより効果的に配位させることができるためである。
また、上述した極性基は、分子内に1つ導入されていてもよく、複数導入されていてもよい。
また、分子内に複数の極性基を有する場合、それぞれの極性基を有する有機化合物同士を結合する基本骨格が必要となるが、そのような基本骨格としては、エステル連鎖、ビニル連鎖、アクリル連鎖、エーテル連鎖およびウレタン連鎖等で構成されるものが好ましい。
また、これらの分子中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。
また、これらの中でもアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびアルキド樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
この理由は、極性基が末端部分に配置されることにより、樹脂微粒子への吸着性能が高くなるためである。
また、分散剤の分子量は特に限定されないが、100〜90万までの幅広いものの中から選択することができる。
なお、分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、分散剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0〜2重量部(但し、0重量部を除く。)の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、樹脂微粒子を防眩性ハードコート層の表面において好適な範囲で偏在させることができるためである。
すなわち、分散剤の配合量が0重量部となると、樹脂微粒子を防眩性ハードコート層の表面において好適な範囲で偏在させることができず、所望の防眩性を得ることが困難となる場合があるためである。一方、分散剤の配合量が2重量部を超えた値となると、耐擦傷性が低下する場合があるためである。
したがって、分散剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.03〜0.5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物は、(E)成分としてのシリカ微粒子を含むことが好ましい。
この理由は、防眩性ハードコート層形成用組成物をプラスチック基材の表面に塗布した際に、塗膜における(B)成分としての樹脂微粒子の沈降具合をより効果的に制御して、防眩性ハードコート層の表面に対し、微細な凹凸をより安定的に形成することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子との比重差を利用して、防眩性ハードコート層の表面側に樹脂微粒子をより好適な範囲で偏在させ、防眩性ハードコート層表面の微細な凹凸をより安定的に形成することができ、ひいては優れた防眩性を得ることができる。
また、シリカ微粒子の種類としては、コロイド状シリカ微粒子や、表面官能基を有するシリカ微粒子を用いることが好ましい。
また、表面官能基を有するシリカ微粒子としては、例えば、表面官能基として(メタ)アクリロイル基を含む基を有するシリカ微粒子(以下、反応性シリカ微粒子と称する場合がある。)を挙げることができる。
かかる反応性シリカ微粒子は、例えば、シリカ微粒子の表面のシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機物を反応させることにより得ることができる。
また、重合性不飽和基としては、例えば、ラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
また、シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸クロリド、アクリル酸2−イソシアナートエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2,3−イミノプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等、およびこれらのアクリル酸誘導体に対応するメタクリル酸誘導体を好ましく用いることができる。
なお、これらのアクリル酸誘導体やメタクリル酸誘導体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、シリカ微粒子の体積平均粒子径を2〜500nmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、シリカ微粒子の体積平均粒子径が2nm未満の値となると、シリカ微粒子の分散安定性が低下する場合があるためである。一方、シリカ微粒子の体積平均粒子径が500nmを超えた値となると、シリカ微粒子に起因してヘイズ値が過度に増加する場合があるためである。
したがって、シリカ微粒子の体積平均粒子径を4〜300nmの範囲内の値とすることがより好ましく、6〜50nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、シリカ微粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、シリカ微粒子の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、シリカ微粒子の配合量が10重量部未満の値となると、樹脂微粒子を防眩性ハードコート層の表面において好適は範囲で偏在させることが困難になる場合があるためである。一方、シリカ微粒子の配合量が200重量部を超えた値となると、活性エネルギー線硬化性樹脂の配合割合が減ることで、耐擦傷性が低下する場合があるためである。
したがって、シリカ微粒子の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、12〜175重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜150重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(i)種類
本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物に含まれる(D)成分としての光重合開始剤の種類としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光重合開始剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、光重合開始剤の配合量が0.2重量部未満の値となると、十分な硬化性を得ることが困難となる場合があるためである。一方、光重合開始剤の配合量が10重量部を超えた値となると、耐擦傷性が低下する場合があるためである。
したがって、光重合開始剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.5〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明における防眩性ハードコート層形成用組成物は、(F)成分としてのスリップ剤を含むことが好ましい。
この理由は、スリップ剤を含むことにより、防眩性ハードコートフィルムにおける耐擦傷性を向上させることができるためである。
すなわち、本発明においては、(B)成分としての樹脂微粒子の体積平均粒子径を比較的小さな範囲に限定していることから、防眩性ハードコート層の表面に偏在した樹脂微粒子が摩擦等により脱落しやすくなる場合がある。
この点、スリップ剤により防眩性ハードコート層表面のスリップ性を向上させることにより、樹脂微粒子の体積平均粒子径が比較的小さな範囲に限定されているにもかかわらず、所定の耐擦傷性を得ることができる。
また、スリップ剤の種類としては、シリコーンオイルおよび変性シリコーンオイル、あるいはいずれか一方であることが好ましい。
この理由は、これらのスリップ剤であれば、防眩性ハードコート層形成用組成物における他の成分との相溶性にも優れており、防眩性ハードコートフィルムにおける耐擦傷性をさらに向上させることができるためである。
より具体的には、シリコーン変性ウレタンアクリレートおよびウレタンアクリレートの混合物、ポリジメチルシロキサン、変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
また、スリップ剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.05〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、スリップ剤の配合量が0.05重量部未満の値となると、十分なスリップ性が得られず、ひいては十分な耐擦傷性を得ることが困難となる場合があるためである。一方、スリップ剤の配合量が20重量部を超えた値となると、活性エネルギー線硬化性樹脂の配合割合が減ることにより耐擦傷性が低下する場合があるためである。
したがって、スリップ剤の配合量を、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明で用いる防眩性ハードコート層形成用組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に、上述した必須成分としての(A)〜(D)成分、および任意成分としての(E)〜(F)成分を加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
このとき、(A)〜(F)成分の他にも、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シラン系カップリング剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤等を加えることもできる。
また、使用する溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。
なお、このようにして調製された防眩性ハードコート層形成用組成物の濃度および粘度としては、プラスチック基材の表面にコーティング可能な数値範囲であればよく、状況に応じて適宜選定することができる。
また、防眩性ハードコート層の膜厚を0.5〜6μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、防眩性ハードコート層の膜厚が0.5μm未満の値となると、鉛筆硬度において実使用上必要な硬度を得ることが困難となる場合があるためである。一方、防眩性ハードコート層の膜厚が6μmを超えた値となると、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化収縮に伴うカールの抑制と、防眩性ハードコートフィルムを曲げた際に生じる防眩性ハードコート層におけるクラックの抑制をすることが困難になる場合があるためである。
したがって、防眩性ハードコート層の膜厚を1〜6μmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明におけるプラスチック基材の種類としては、従来光学用ハードコートフィルムの基材として公知のプラスチック基材の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。
なお、プラスチック基材の膜厚を15〜300μmの範囲内の値とすることが好ましく、30〜200μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
すなわち、プラスチック基材としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムのような光学異方性のないフィルム12aを用い、その一方の面に防眩性ハードコート層13を形成し、防眩性ハードコートフィルム14とする。
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子11の片面に防眩性ハードコート層13が形成されたTACフィルム12aを、接着剤層15aを介して積層し、ポリビニルアルコール系偏光子の反対面に防眩性ハードコート層13が形成されていないTACフィルム12bを、接着剤層15bを介して積層する。
これにより、優れた防眩性を有するとともに、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制できる偏光板20が得られる。
なお、偏光板20には、液晶セル等の光学部品に貼合するための粘着剤層16や剥離シート17を設けることもできる。
(1)60°鏡面光沢度
また、JIS Z 8741に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムの60°鏡面光沢度を130%以下の値とすることが好ましい。
この理由は、60°鏡面光沢度が130%を超えた値となると、優れた防眩性を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、JIS Z 8741に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムの60°鏡面光沢度を120%以下の値とすることがより好ましく、115%以下の値とすることがさらに好ましい。
また、図3(a)〜(e)に示すような所定のppi(ピクセル/インチ)となるように光透過部を設けた格子状パターンを用いて、実施例において後述するようにして実施されるギラツキの評価結果を、80ppiを超えた範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるギラツキの評価結果が80ppi以下の値となると、280ppi以上の実際の高精細ディスプレイに適用した場合に、ギラツキが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、実施例において後述するようにして実施されるギラツキの評価結果を90ppi以上の値とすることがより好ましく、100ppi以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、防眩性ハードコートフィルムに起因したギラツキは、格子状パターンにおけるppiが大きくなるほど、言い換えればディスプレイが高精細になるほど発生しやすくなる。
したがって、上述したppiの数値は、大きければ大きいほどギラツキの発生を効果的に抑制できることを意味する。
また、JIS K 7136に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムのヘイズ値を3〜40%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ヘイズ値が3%未満の値となると、優れた防眩性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、ヘイズ値が40%を超えた値となると、ディスプレイの表示画像の視認性が低下する場合があるためである。
したがって、JIS K 7136に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムのヘイズ値を3.5〜35%の範囲内の値とすることがより好ましく、4〜30%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、JIS K 7361に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムの全光線透過率を85%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、全光線透過率が85%未満の値となると、ディスプレイの表示画像の視認性が低下する場合があるためである。
したがって、JIS K 7361に準拠して測定される防眩性ハードコートフィルムの全光線透過率を88%以上の値とすることがより好ましく、90%以上の値とすることがさらに好ましい。
また、防眩性ハードコートフィルムは、スチールウールを用いた耐擦傷性の評価において外観変化なきものであることが好ましい。
この理由は、かかる耐擦傷性の評価において外観変化が認められる場合、ハードコートフィルムとして十分な耐擦傷性を得ることが困難になる場合があるためである。
なお、かかる耐擦傷性の評価の詳細は後述する。
本発明の防眩性ハードコートフィルムの製造方法としては、まず、プラスチック基材の表面に、防眩性ハードコート層形成用組成物を、従来公知の方法、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いてコーティングし、塗膜を形成する。
次いで、塗膜を乾燥した後、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させて、塗膜を防眩性ハードコート層とすることにより防眩性ハードコートフィルムが得られる。
また、紫外線の照射量としては、通常100〜500mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
1.防眩性ハードコートフィルムの製造
(1)防眩性ハードコート層形成用組成物の準備工程
表1および以下に示すように、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)成分としての樹脂微粒子と、(C)成分としての分散剤と、(D)成分としての光重合開始剤と、(E)成分としてのシリカ微粒子と、(F)成分としてのスリップ剤と、を混合するとともに、プロピレングリコールモノメチルエーテルにて希釈し、固形分30重量%の防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
なお、表1および下記における配合量は、固形分換算された値を示す。
(B)成分:架橋アクリル重合体樹脂微粒子 : 10重量部
(積水化成品工業(株)製、テクポリマーXX−27LA、体積平均粒子径:1.5μm、Cv値:23%)
(C)成分:カルボキシル基含有ポリマー変性物 : 0.1重量部
(共栄社化学(株)製、フローレン G700)
(D)成分:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
: 5重量部
(BSF(株)製、イルガキュア 184)
(E)成分:アクリロイル基導入ナノシリカゾル : 150重量部
(体積平均粒子径:50nm)
(F)成分:シリコーン変性ウレタンアクリレート/ウレタンアクリレート : 7重量部
(日本合成化学工業(株)製、紫光 UV−AF100)
Cv値(%)=(標準偏差粒子径/体積平均粒子径)×100 (1)
また、(B)成分の体積平均粒子径およびCv値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製、LA−920)を用いて測定した。
このとき、分散溶剤としてメチルエチルケトンを使用した。
なお、実施例1で用いた(B)成分の粒度分布チャートを図4(a)に示す。
次いで、得られた防眩性ハードコート層形成用組成物を、プラスチック基材としての易接着層付きポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーU48、膜厚:100μm)の易接着剤層に、ワイヤーバー#14を用いて、硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、塗布層を形成した。
次いで、得られた塗布層を、熱風乾燥装置を用いて、70℃、1分間の条件で乾燥させた。
次いで、乾燥させた塗布層に対して、紫外線照射装置(ジーエスユアサコーポレーション(株)製、光源:高圧水銀灯)を用いて、下記条件にて紫外線を照射し、塗布層を硬化して防眩性ハードコート層とし、最終的な防眩性ハードコートフィルムを得た。
照度:100mW/cm2
光量:240mJ/cm2
(1)防眩性の評価1
得られた防眩性ハードコートフィルムにおける防眩性を評価した。
すなわち、黒色の板の上に、得られた防眩性ハードコートフィルムを、防眩性ハードコート層が上になるように載置した。
次いで、防眩性ハードコートフィルムの上方で、3波長蛍光灯を点灯し、防眩性ハードコートフィルムによって反射させ、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
○:防眩性ハードコートフィルムでの反射により視認される蛍光灯の輪郭がぼやける
×:防眩性ハードコートフィルムでの反射により視認される蛍光灯の輪郭がぼやけない
得られた防眩性ハードコートフィルムにおける防眩性を、鏡面光沢度(%)により評価した。
すなわち、光沢計(日本電色工業(株)製、VG2000)を用いて、得られた防眩性ハードコートフィルムの60°鏡面光沢度(%)を、JIS Z 8741に準拠して測定した。得られた結果を表2に示す。
得られた防眩性ハードコートフィルムにおけるギラツキの発生を評価した。
すなわち、図3(a)に示すように、60ppi(ピクセル/インチ)となるように光透過部を設けた格子状パターンを用意した。
かかる格子状パターンは、ガラス板上に金属蒸着層を設けた後、金属蒸着層にレジスト処理を行い、エッチングし、さらにレジストを除去することにより作成した。
次いで、用意した格子状パターンをバックライト(キング(株)製、ブライトボックス5000)上に載置した。
次いで、得られた防眩性ハードコートフィルムを格子状パターン上に防眩性ハードコート層が上になるように載置し、ギラツキの発生箇所を確認した。
次いで、防眩性ハードコートフィルムを、格子状パターン上でこれと平行な方向に移動させ、予め確認しておいたギラツキの発生箇所が、防眩性ハードコートフィルムと共に移動した場合は、当該ギラツキの発生が防眩性ハードコートフィルムに起因したものと判断した。
表2に、防眩性ハードコートフィルムに起因したギラツキの発生が確認されない一番大きな格子状パターン(ppi)を示す。
なお、防眩性ハードコートフィルムに起因したギラツキは、格子状パターンにおけるppiが大きくなるほど、言い換えればディスプレイが高精細になるほど発生しやすくなる。
したがって、表2に示すppiの値が大きいほどギラツキの発生を効果的に抑制できていることを意味する。
また、図3(b)には80ppiの格子状パターンの写真を、図3(c)には100ppiの格子状パターンの写真を、図3(d)には140ppiの格子状パターンの写真を、図3(e)には180ppiの格子状パターンの写真をそれぞれ示す。
得られた防眩性ハードコートフィルムにおけるヘイズ値(%)を評価した。
すなわち、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH5000)を用いて、得られた防眩性ハードコートフィルムのヘイズ値(%)を、JIS K 7136に準拠して測定した。得られた結果を表2に示す。
得られた防眩性ハードコートフィルムにおける全光線透過率(%)を評価した。
すなわち、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH5000)を用いて、得られた防眩性ハードコートフィルムの全光線透過率(%)を、JIS K 7361に準拠して測定した。得られた結果を表2に示す。
得られた防眩性ハードコートフィルムにおける耐擦傷性を評価した。
すなわち、#0000のスチールウールを用いて、得られた防眩性ハードコートフィルムの防眩性ハードコート層を、250g/cm2の荷重で10cmの摺動距離にて10往復擦り試験を実施した。
次いで、防眩性ハードコート層における傷の有無を、3波長蛍光灯の下で目視にて確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
○:防眩性ハードコート層の外観に変化が確認されない
×:防眩性ハードコート層の外観に変化が確認される
参考例2では、防眩性ハードコート層形成用組成物における(A)〜(B)および(E)成分を以下のように変えたほかは、実施例1と同様に防眩性ハードコートフィルムを製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
また、参考例2で用いた(B)成分の粒度分布チャートを図4(b)に示す。
(A2)成分:多官能性アクリレート : 30重量部
(B)成分 :架橋アクリル−スチレン共重合樹脂微粒子
: 5重量部
(積水化成品工業(株)製、テクポリマーXX16LA、体積平均粒子径:2.5μm、Cv値:28%)
(E)成分 :ナノシリカゾル : 45重量部
(日産化学(株)製、MIBK−ST、体積平均粒子径:10nm)
参考例3では、防眩性ハードコート層形成用組成物における(A)〜(E)成分を以下のように変えたほかは、実施例1と同様に防眩性ハードコートフィルムを製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
(新中村工業(株)製、NK エステル A−DPH)
(B)成分:シリコーン樹脂微粒子 : 5重量部
(モメンティブ(株)製、トスパール 120、体積平均粒子径:2μm、Cv値:20%)
(C)成分:カルボキシル基含有ポリマー変性物 :0.05重量部
(共栄社化学(株)製、フローレン G700)
(D)成分:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
: 3重量部
(BSF(株)製、イルガキュア 184)
(E)成分:反応性ナノシリカゾル : 18重量部
(日産化学(株)製、MIBK−SD、体積平均粒子径:10nm)
実施例4では、防眩性ハードコート層形成用組成物において(F)成分を配合しなかったほかは、実施例1と同様に防眩性ハードコートフィルムを製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
比較例1では、防眩性ハードコート層形成用組成物における(B)成分を以下のように変えたほかは、実施例1と同様に防眩性ハードコートフィルムを製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
また、比較例1で用いた(B)成分の粒度分布チャートを図5に示す。
(B)成分:架橋アクリル重合体樹脂微粒子 : 10重量部
(綜研化学(株)製、MX−80H3wt、体積平均粒子径:0.8μm、Cv値:10%)
比較例2では、防眩性ハードコート層形成用組成物における(B)成分を以下のように変えたほかは、実施例1と同様に防眩性ハードコートフィルムを製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
(B)成分:架橋アクリル重合体樹脂微粒子 : 10重量部
(綜研化学(株)製、Mx−300、体積平均粒子径:3μm、Cv値:10%)
その結果、本発明によれば、優れた防眩性を有するとともに、高精細ディスプレイに適用した場合であっても、ギラツキの発生を効果的に抑制することができる防眩性ハードコートフィルムを得ることができるようになった。
したがって、本発明の防眩性ハードコートフィルムは、高精細ディスプレイにおける視認性の向上に著しく寄与することが期待される。
Claims (5)
- プラスチック基材の表面に防眩性ハードコート層を備えた防眩性ハードコートフィルムであって、
前記防眩性ハードコート層が、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂と、(
B)成分としての樹脂微粒子と、(C)成分としての分散剤と、(D)成分としての光重
合開始剤と、(E)成分としてのシリカ微粒子を含む防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなるとともに、
前記(B)成分としての樹脂微粒子の体積平均粒子径を1〜2.0μm(但し、2.0μmは除く)の範囲内の値とし、前記(B)成分としての樹脂微粒子の配合量を、前記(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とし、かつ、
前記(C)成分としての分散剤が、分子内に少なくとも1つの極性基を有するとともに、前記極性基として、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、第4級アンモニウム塩基、ピリジウム塩基、スルホニウム塩基およびホスホニウム塩基からなる群から選択される少なくとも一種を有する化合物であり、前記(C)成分としての分散剤の配合量を、前記(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0〜2重量部(但し、0重量部を除く。)の範囲内の値とし、
前記(E)成分としてのシリカ微粒子の体積平均粒子径を2〜500nmの範囲内の値とし、かつ、前記(E)成分としてのシリカ微粒子の配合量を、前記(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲内の値とすることを特徴とする防眩性ハードコートフィルム。 - 前記(B)成分としての樹脂微粒子が、アクリル重合体樹脂微粒子、アクリル−スチレン共重合体樹脂微粒子、スチレン重合体樹脂微粒子およびシリコーン樹脂微粒子からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の防眩性ハードコートフィルム。
- 前記防眩性ハードコート層形成用組成物が、(F)成分としてのスリップ剤を含むとともに、前記(F)成分としてのスリップ剤の配合量を、前記(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.05〜20重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の防眩性ハードコートフィルム。
- 前記(F)成分としてのスリップ剤が、シリコーンオイルおよび変性シリコーンオイル、あるいはいずれか一方であることを特徴とする請求項3に記載の防眩性ハードコートフィルム。
- 前記防眩性ハードコート層の膜厚を0.5〜6μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の防眩性ハードコートフィルム。
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