JP2019178419A - ステンレス鋼板および制動系部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗性に優れたステンレス鋼板およびこれを用いた制動部品を提供する。【解決手段】質量%で、C :0.005〜0.1%、Si:0.01〜1%、Mn:0.010〜3%、P :0.04%以下、S :0.01%以下、Cr:10〜14%、N :0.005〜0.1%、V:0.03〜0.3%、Al:0.001〜0.05%、B:0.0002〜0.005%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とし、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が10〜50個/100μm2存在することを特徴とする摩耗性に優れたステンレス鋼板。【選択図】図1

Description

本発明は、ステンレス鋼板および制動系部品に関するものであり、特に二輪車や自動車のブレーキ等の制動部品に使用される摩耗性に優れたステンレス鋼板に関する。
二輪車や自動車のブレーキは摩擦現象を利用し、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して、減速および停止させる装置であり、高い安全性が要求される。ブレーキは主としてドラムブレーキとディスクブレーキの2種に大別されるが、前者がライニングをドラムに、後者がブレーキパッドをディスクロータに接触させて制動力を付与するものである。車種によってドラムブレーキとディスクブレーキが使い分けられるが、いずれも高い制動能力が要求される。
上記のブレーキシステムの中でドラムおよびディスクロータには摩耗性が要求されるため鋳鉄が広く使用されている。しかしながら鋳鉄は耐食性が著しく低いため、使用中に発錆が生じる課題があった。特に二輪用ディスクブレーキは人目につきやすい位置に使用されるために、鋳鉄に変わる部材素材としてマルテンサイト系ステンレス鋼板が使用され始めている。一方、鋳鉄は黒鉛が分散生成しているため耐摩耗性に優れている。そのため、強い制動力および耐摩耗性が要求される場合は、現状のマルテンサイト系ステンレス鋼板では課題があった。
特にディスクブレーキの場合、摩擦の相手材となるパッドについて、近年、用いられる材料の変化が生じつつある。従来はアスベストを基材としたパッドが多用されていたが、人体への影響から使用不可になっている。そのため現状では、セミメタリック、ロースチール、ノンスチールのパッドが使用されている。しかしながら、セミメタリックやロースチールはスチールファイバーを補強材としており、摩擦係数が高いためディスクロータへの攻撃性が強く、ブレーキの効きは良いがディスクロータが摩耗し易く、鳴きが発生し易い。ノンスチールのパッドの場合、アラミド繊維、セラミック繊維、ガラスファイバー等の非金属物質を補強材としており、摩擦係数が低いため、鳴き、ディスクロータの摩耗、ホイール汚れは生じ難いがブレーキの効きは前者二種よりも弱い。二輪車や自動車の要求性能や使用地域によって使用するパッドは異なるものの、最近では効きを重視するとともに摩耗分を削減する観点から相手材となるディスクロータには更なる摩耗性の向上が要求されている。
二輪車のディスクロータにはステンレス鋼板が使用される実績があり、例えば特許文献1〜10の開示がある。これらはいずれも二輪用ディスクロータを対象としており、耐食性と強度を得るためにマルテンサイト系ステンレス鋼板に焼き入れ処理、あるいは焼き入れ−焼き戻し処理を施してディスクロータに適用することを特徴としている。また、特許文献10には耐摩耗性と加工性に優れたディスクロータ用熱延鋼板およびその製造方法が開示されており、鋳鉄製ディスクと同等の耐摩耗性を発揮させるべく、ステンレス鋼板において、鋼成分や硬さに加えて金属組織をフェライト+ベイナイト組織にする技術がある。
特許第3477040号公報 特許第3477108号公報 特許第4283405号公報 特許第3315974号公報 特許第3969035号公報 特許第3900169号公報 特許第3477108号公報 特許第4496908号公報 特許第4517850号公報 特開2016−151061号公報 特開2016−117925号公報
一方、自動車のブレーキに対するステンレス鋼板の適用事例は少ない。これは、これまでの自動車の構造上、ブレーキは人目につきにくい箇所に配置されるため、錆び(耐食性)に対する要求がさほど高くないことが理由である。そのため、耐食性よりも摩耗性に重点が置かれ、鋳鉄が広く適用されているのが現状である。しかし、特許文献11に開示されている様に、近年では自動車のブレーキも人目につく様なデザインが多くなり、その場合、適用する鋳鉄では耐食性の観点で不十分となる。また、ハイブリッド車や電気自動車では回生ブレーキと呼ばれる運動エネルギーを電気エネルギーに変換するブレーキシステムが多用されつつある。回生ブレーキの場合これまでのブレーキより、ブレーキ負荷が減るため、鋳鉄よりも熱伝導率が小さいステンレス鋼でも適用可能になった背景がある。
特許文献11によると、焼き入れ処理、あるいは焼き入れ−焼き戻し処理を施すと目標の寸法精度や形状を得ることが難しいため、ホットプレス処理を行い、マルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト組織とフェライト相からなる混合組織のディスクブレーキロータを製造する方法が開示されている。特許文献11はホットプレスを前提としているため、冷間プレスでディスクロータを製造する場合には適用出来ない。更に、特許文献11には、二輪車や自動車のブレーキ等の制動部品重要視される耐摩耗性について技術的な解決方法は記載されていない。
本発明は、上述した課題を解消すべく案出されたものであり、高価な元素に頼らずとも、優れた耐摩耗性を有するステンレス鋼板および制動系部品を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは低Crフェライト系ステンレス鋼板の微細組織と耐摩耗特性に関して詳細に調査した。そして、かかる目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
本発明者らは、フェライト相を母相とするステンレス鋼板において分散生成する炭窒化物の量および形態を制御することにより、より耐摩耗性に優れたステンレス鋼板が得られることを見出した。具体的には、母相のフェライト相中に生成する炭窒化物のうち円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物を10〜50個/100μm2存在させることによって耐摩耗性を向上させるものである。
本発明のステンレス鋼板の耐摩耗性は、特に、制動性部品に適用した場合の摩耗特性であり、例えば、ブレーキディスクとパッドの間の摩耗特性である。特に、常温状態から摩擦により高温に発熱しながら摩耗が生じる形態を対象とするものである。この場合、急激な発熱が生じて制動性部品表面は500℃以上になる。その際に、制動性部品の素材である鋼板表面では摩擦・摩耗が生じ摩耗分が発生するとともに酸化スケールの発生および剥離が生じる。摩耗量が多いと、ブレーキディスクの場合には減肉が生じるとともに、局部的な摩耗が生じた場合に鳴きと呼ばれる制動時に生じる数千〜一万Hzの耳障りな音が発生する。また、これよりも低周波数域ではステアリングの振動も発生する。
本発明では、ステンレス鋼板における炭窒化物の析出量と形態を制御することで耐摩耗性の向上が可能である知見を得た。さらに炭窒化物の析出量と形態を制御したステンレス鋼板を素材として制動部品に適用すると、例えば、鳴きなどのブレーキの不具合の原因となるブレーキディスクロータの摩耗を抑制可能な事を見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成したもので、その発明の要旨は、次の通りのものである。
[1]質量%で、
C :0.005〜0.100%、
Si:0.01〜1.00%、
Mn:0.010〜3.00%、
P :0.040%以下、
S :0.0100%以下、
Cr:10.0〜14.0%、
N :0.005〜0.100%、
V :0.03〜0.30%、
Al:0.001〜0.050%、
B :0.0002〜0.0050%、
Ni:0〜2.00%、
Cu:0〜2.00%、
Mo:0〜1.00%、
W :0〜1.00%、
Ti:0〜0.40%、
Nb:0〜0.40%、
Zr:0〜0.40%、
Co:0〜0.400%、
Sn:0〜0.40%、
REM:0〜0.050%以下、
Mg:0〜0.0100%、
Ca:0〜0.0100%、
Sb:0〜0.50%、
Ta:0〜0.3000%、
Hf:0〜0.3000%、
Ga:0〜0.1000%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
金属組織がフェライト相からなり、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が任意断面において10〜50個/100μm2存在することを特徴とするステンレス鋼板。
[2]質量%で、Ni:0.05〜2.00%、Cu:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、W:0.05〜1.00%、Ti:0.005〜0.40%、Nb:0.005〜0.40%、Zr:0.005〜0.40%、Co:0.005〜0.400%、Sn:0.005〜0.40%、REM:0.001〜0.050%以下、Mg:0.0002〜0.0100%、Ca:0.0002〜0.0100%、Sb:0.05〜0.50%、Ta:0.0050〜0.3000%、Hf:0.0050〜0.3000%、Ga:0.0002〜0.1000%の1種または2種以上含有することを特徴とする上記[1]に記載のステンレス鋼板。
[3]制動系部品に適用されること特徴とする上記[1]または[2]に記載のステンス鋼板。
[4]ブレーキディスクロータに適用されること特徴とする上記[1]または[2]に記載のステンレス鋼板。
[5]上記[1]または[2]に記載のステンレス鋼板を用いた制動系部品。
本発明によれば、高価な元素に頼らずとも、優れた耐摩耗性有するステンレス鋼板および制動系部品を提供することができる。
本実施例における炭窒化物の数密度と耐摩耗性の関係を示す図である。
以下、本発明のステンレス鋼板の一実施形態について詳細に説明する。
まず、本実施形態のステンレス鋼板の化学成分についての限定理由について説明する。ここで、成分についての「%」は質量%を意味する。
Cは、強度向上に寄与するとともに、本実施形態における炭窒化物生成のために重要な元素である。円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物を10〜50個/100μm2存在させて耐摩耗性を良好にするためにCを0.005%以上含有する。一方、0.100%超含有すると靭性が著しく低下するため、上限を0.100%以下とする。また、耐食性の観点から0.005%以上、0.080%以下が望ましい。更に、製造コストや製造時の焼鈍効率の観点から0.010%以上、0.050%以下がより望ましい。
Siは、脱酸剤としても有用な元素であり、固溶強化による高強度化によって耐摩耗性を向上させるため0.01%以上添加する。しかしながら、1.00%超含有すると靭性が著しく劣化するため上限を1.00%以下とする。また、精錬コスト、耐酸化性、耐食性を考慮すると、0.20%以上、0.80%以下が望ましい。
Mnは、脱酸剤として含有される元素であるため0.010%以上含有する。過度に含有すると高温摩耗時にスケール剥離が生じ易くなり、鳴きの原因となるため3.00%以下を上限とする。更に、耐酸化性や製造時の酸洗性を考慮すると、0.10%以上、2.00%以下が望ましい。
Pは、不純物として含有され製造時の熱間加工性を劣化させるため、その含有量は少ないほどよく上限を0.040%以下と制限する。但し、過度の低減は精錬コストの増加につながる他、耐食性を考慮すると、0.020%以上、0.030%以下が望ましい。
Sは、鋼中に不可避に含まれる不純物元素であり、その含有量は少ないほどよい。また、介在物等の形成によって高温強度を低下させる作用を持つ。これらのことからS量の上限は0.0100%以下とする。但し、Sの過度の低減は原料や精錬コストの上昇に繋がるため、下限は0.001%%とすることが好ましい。Sのさらに好ましい範囲は0.002〜0.008%である。
Crは耐食性を確保する上で基本となる元素である。また耐食性向上によって、ディスクロータなど制動性部品の外観を良くする。また、鋼板中に炭窒化物を生成させて耐摩耗性を確保するために10.0%以上含有する。一方、多量の含有は合金コストの増加や靭性の低下につながるため上限を14.0%以下とする。更に、加工性や製造性を考慮すると13.0%以下が望ましく、12.0%以下がより望ましい。
NはCと同様に強度向上に寄与するとともに、本実施形態における炭窒化物生成のために重要な元素である。円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物を10〜50個/100μm2生成させて耐摩耗性を良好にするためにNを0.005%以上含有する。一方、0.100%超含有すると靭性が著しく低下するため、上限を0.100%以下とする。また、耐食性の観点から0.005%以上、0.080%以下が望ましい。更に、製造コストや製造時の焼鈍効率の観点から0.010%以上、0.050%以下がより望ましい。
VはCやNと結合してV(C,N)を形成し、耐摩耗性を向上させる元素である。この効果は0.03以上から発現するため下限を0.03%以上とする。一方、過度に含油させるとコスト増に繋がるため上限を0.30%以下とする。更に、精錬コストや耐食性を考慮すると、0.05%以上、0.20%以下が望ましい。
Alは、脱酸剤として活用出来る他、耐酸化性や耐食性を向上させる元素である。さらに、Alは介在物の清浄度を上げて耐摩耗性を向上させる効果も有する。これらの効果を発揮させるため、0.001%以上含有する。一方、0.050%超含有させると、耐酸化性や耐食性の向上が飽和するとともに、AlNやAl系酸化物が凝集粗大化して摩耗時の鳴きの原因となるため、0.050%以下とする。精錬コストや耐食性を考慮すると0.005%以上、0.030%以下が望ましい。
Bは、BNを形成して耐摩耗性を向上させる元素であるため、0.0002%以上含有する。一方、0.0050%超含有すると焼き入れ性が過度に向上して靭性が劣化するため上限を0.0050%以下とする。耐食性を考慮すると0.0015%以下が望ましい。
本実施形態に係るステンレス鋼板は、上述してきた元素以外(残部)は、Fe及び不純物からなるが、後述する任意元素についても含有させることができる。よって、Ni、Cu、Mo、W、Ti、Nb、Zr、Co、Sn、REM、Mg、Ca、Sb、Ta、Hf、Gaの含有量の下限は0%以上である。
なお、本実施形態における「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分も含む。
本実施形態のステンレス鋼板は、必要に応じて、Ni:0.05〜2.00%、Cu:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、W:0.05〜1.00%、Ti:0.005〜0.40%、Nb:0.005〜0.40%、Zr:0.005〜0.40%、Co:0.005〜0.400%、Sn:0.005〜0.40%、REM:0.001〜0.050%以下、Mg:0.0002〜0.0100%、Ca:0.0002〜0.0100%、Sb:0.05〜0.50%、Ta:0.0050〜0.3000%、Hf:0.0050〜0.3000%、Ga:0.0002〜0.1000%の1種または2種以上を含有しているものであってもよい。
Niは、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて0.05%以上含有する。一方、2.00%超含有させるとコスト高になる他、焼き入れ時に残留オーステナイト相が生成して靭性が劣化するため上限を2.00%とする。耐食性や製造コストの観点から0.10%以上、0.50%以下が望ましい。
Cuは、強度向上に寄与する元素であり、さらに耐食性に寄与する元素でもある。また、摩耗熱によってε−Cuが析出することで耐摩耗性を向上させるため必要に応じて0.05%以上含有する。一方、2.00%超含有すると靭性が著しく劣化するほか、摩耗性も劣化するため上限を2.00%以下とする。更に、精錬コストや熱間加工性、酸洗性を考慮すると、0.40%以上、1.20%以下が望ましい。
Moは、耐食性を向上させるため必要に応じて0.05%以上含有する。一方、1.00%超含有すると、本実施形態の鋼板を用いたその後の熱処理(焼き入れ)時に所定のマルテンサイト組織が得られない場合が生じるため上限を1.00%とする。一方、過度に含有させるとコスト高になるため上限を1.00%以下とする。更に、合金コストや製造性を考慮すると、0.10%以上、0.50%以下が望ましい。
WはMoと同様に耐食性を向上させるため必要に応じて0.05%以上含有する。一方、1.00%超含有すると、本実施形態の鋼板を用いたその後の熱処理(焼き入れ)時に所定のマルテンサイト組織が得られない場合が生じるため上限を1.00%以下とする。一方、過度に含有させるとコスト高になるため上限を1.00%以下とする。更に、合金コストや製造性を考慮すると、0.10%以上、0.50%以下が望ましい。
Ti、Nb、Zrは、CやNと結合して炭窒化物を形成して耐摩耗性を向上させるため、必要に応じて0.005%以上含有する。一方、0.40%超含有すると炭窒化物が過度に粗大化して摩耗時に炭窒化物の脱落が生じて鳴きの原因になることから上限を0.40%以下とする。また、耐食性、鋼板製造性、表面疵の観点から0.05%以上、0.20%以下が望ましい。
Coは、靭性を向上させる元素であるため必要に応じて0.005%以上含有する。一方、過度な含有はコスト高になるため上限を0.400%以下とする。また、精錬コストや製造性を考慮すると、0.010%以上、0.100%以下が望ましい。
SnやSbは、耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて0.005%以上含有する。Sn、Sbともに各含有量が0.005%未満では、耐食性の向上効果が無い。一方、Sn、Sbを過度に含有すると、その効果は飽和するため、Snは0.40%以下、Sbは0.50%以下とする。但し、熱間加工性や溶接性を考慮すると、ともに、0.01%以上、0.20%以下が望ましい。
REMは、種々の析出物の微細化による靭性向上や耐酸化性の向上の観点から必要に応じて含有される場合があり、この効果は0.001%以上で発現することから下限を0.001%以上とする。しかしながら、0.050%超含有すると鋳造性が著しく悪くなることから上限を0.050%以下とする。更に、精錬コストや製造性を考慮すると、0.010%以下が望ましい。REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム (Sc)、イットリウム (Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu) までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加してもよいし、混合物であってもよい。
Mgは、脱酸剤として活用する他、溶接部および鋳造組織の組織微細化に有効な元素であるため、必要に応じて0.0002%以上含有する。0.0002%未満では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果がない。一方、0.0100%超では、その効果は飽和するとともに、介在物の粗大化に起因して耐摩耗性が劣化する原因になるため、上限を0.0100%以下とする。但し、製造性を考慮すると、0.0020%以下が望ましい。
Caは、Sと結合して熱間加工性を向上させるため必要に応じて0.0002%以上含有する。0.0002%未満では、熱間加工性に対し効果がない。一方、0.0100%超で、その効果は飽和するするとともに、介在物の粗大化に起因して耐摩耗性が劣化する原因になるため、上限を0.0100%以下とする。但し、耐食性を考慮すると、0.0010%以下が望ましい。
TaおよびHfは、TiやNbと類似の作用があるとともに耐酸化性を向上させる元素であり、必要に応じて0.005%以上含有する。0.005%未満では、溶接部および鋳造組織の組織微細化に対し効果が無く、耐酸化性の効果を発現しない。一方、0.3000%超で、その効果は飽和するとともに、各窒化物や炭化物が粗大に生成し、耐摩耗性が劣化する原因になるため、Ta、Hfともに上限を0.3000%以下とする。但し、合金コストや靭性を考慮すると、0.1500%以下が望ましい。
Gaは、耐食性向上や水素脆化抑制のため、0.1000%以下の範囲で含有してもよい。硫化物や水素化物形成の観点から下限は0.0002%以上とする。さらに、製造性やコストの観点ならびに、延性や靭性の観点から0.0020%以下が好ましい。
その他の成分について本発明では特に規定するものではないが、本発明においては、Bi等を必要に応じて、0.001〜0.1%添加してもよい。なお、As、Pb等の一般的な有害な元素や不純物元素はできるだけ低減することが好ましい。
本実施形態に係るステンレス鋼板は、上述してきた元素以外は、Fe及び不純物(不可避的不純物を含む)からなるが、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。一般的な不純物元素である前述のP、Sを始め、Bi、Se等は可能な限り低減することが好ましい。一方、これらの元素は、本発明の課題を解決する限度において、その含有割合が制御され、必要に応じて、Bi≦100ppm、Se≦100ppmの1種以上を含有してもよい。
本実施形態のステンレス鋼板の金属組織はフェライト単相組織よりなる。これはオーステナイト相やマルテンサイト組織を含まないことを意味している。オーステナイト相やマルテンサイト組織を含む場合は、原料コストが高くなることに加えて、製造時に耳割れ等の歩留まり低下が起こりやすくなるため、金属組織はフェライト単相組織とする。
次に、本実施形態における炭窒化物の生成量および形態について説明する。
本実施形態のステンレス鋼板では、母相であるフェライト相中に炭窒化物が生成する。本実施形態での炭窒化物とは主にCrと炭素、窒素の化合物であるが、VやAl等の他元素で構成される場合もある。この炭窒化物は母相のフェライト相よりも硬質であることから、本実施形態ではこれを活用して耐摩耗性を向上させる。
図1に、炭窒化物の数密度と耐摩耗性(摩耗率)の関係を示す。ここで耐摩耗性の評価には、ピンオンディスク型摩耗試験機を用い、ステンレス鋼板をディスクとし、ピンをロースチールパッドとして無潤滑大気中で行った。ピン試験片は回転面に垂直に荷重50N一定で押し付け、すべり速度0.1〜3m/sで変化させてすべり距離が2000mに達するまで試験を行った。摩耗重量を体積に換算し、摩耗率(単位距離当たりの摩耗体積;m/m)を得た。図1に示す試験結果において、用いたステンレス鋼板の鋼成分は0.035%C−0.30%Si−1.10%Mn−0.023%P−0.003%S−11.5%Cr−0.02%Cu−0.005%Al−0.044%N−0.001%Bであり、熱間圧延後に種々の熱処理条件で焼鈍することによって炭窒化物の生成状態を変化させている。得られたこれらの焼鈍板から抽出レプリカ法によって炭窒化物を抽出し、透過型電子顕微鏡で炭窒化物を観察した。なお、炭窒化物の組成についてはEDS分析で同定できる。
その後、画像解析処理によって炭窒化物のサイズを円相当換算した。対象とする炭窒化物のサイズは円相当径で0.3μm以上とする。これは、微細な炭窒化物は耐摩耗性に及ぼす影響が小さいためである。炭窒化物の個数については、14μm×20μmの視野を10箇所測定し、100μm2当たりの炭窒化物の個数に換算して摩耗率との関係を調べた。
図1の調査結果からも明らかなように、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が10個/100μm2以上の場合に耐摩耗性が向上することがわかる。ここで一般的な鋳鉄材の摩耗率が1×10-11/mであることからこの値以下を目標値とした。一方、炭窒化物の数密度が50個/100μm2になると摩耗性の効果が飽和するとともに、摩耗時の炭窒化物の脱落による鳴きが課題になるため上限を50個/100μm2以下とする。更に、鋼靭性を考慮すると炭窒化物の数密度は30個/100μm2以下が望ましい。
次に、本実施形態のステンレス鋼板の製造方法は特に規定するものではなく、ステンレス鋼板の汎用的な製造工程で製造すればよい。具体的には、製鋼−熱間圧延−焼鈍−酸洗の各工程よりなる。必要に応じて、適宜、研磨や酸浸漬によるデスケーリングを行ってよい。なお、炭窒化物の析出量を制御し、数密度を上記範囲内とするためには、熱延板焼鈍条件を下記のように制御するとよい。
まず、製鋼においては、上記の成分を含有する鋼を、転炉あるいは電炉溶製し、続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造)に従ってスラブとする。スラブは、所定の温度に加熱され、所定の板厚に連続圧延で熱間圧延される。熱間圧延は複数スタンドから成る熱間圧延機で圧延された後に巻き取られる。
熱間圧延後は、熱延板焼鈍を施すが、連続焼鈍でもバッチ式焼鈍でも構わない。炭窒化物を所定量均一析出させ、上記範囲内の数密度とするためには、バッチ式焼鈍の方がよい。更に、靭性の観点から熱延板焼鈍の条件としては800℃以上で1時間超の加熱とし、その後の冷却工程では、400℃までの平均冷却速度を1℃/sec以下とすることが望ましく、0.1℃/sec以下がより望ましい。なお、平均冷却速度とは、冷却開始時から400℃までの鋼板の温度降下幅を、冷却開始時から400℃までの所要時間で除した値とする。
熱延焼鈍後の酸洗工程ではショットブラストやベンディング等のメカニカルデスケールの後、硫酸、硝弗酸等に漬浸して酸化スケールを除去する。なお、部品製造工程で表面を研削する場合は、当該酸洗工程を省略しても構わない。また、メカニカルデスケールのみの処理としても構わない。
更に、酸洗処理後に、板厚やその精度を考慮して冷間圧延を付与し焼鈍・酸洗処理することも可能である。この他、形状調整のために調質圧延やテンションレベラーを付与しても構わない。なお、最終鋼板(製品)の板厚については、要求される部材厚に応じて選択すればよいが、例えば、1.0〜10.0mmとすることができる。
以上説明した製造方法により、本実施形態に係るステンレス鋼板を得ることができる。なお、ディスクブレーキ等の制動系部品の製造段階において、800℃程度に加熱して焼き入れする熱処理が行われる場合があるが、その場合でも、本実施形態と同様の炭窒化物の数密度および摩耗性は満足できる。すなわち、制動系部品の製造段階でホットプレスによる成形(温間成形等)、あるいは冷間プレス後の焼き入れ処理を施しても本発明の効果を享受でき、さらに言えば、上記の焼鈍条件を、当該ホットプレスによる成形(温間成形等)や冷間プレス後の焼き入れ処理に適用するとなお望ましい。
本実施形態によれば、二輪車や自動車の制動系部品にステンレス鋼板を適用するに際して課題であった摩耗性を大幅に改善できるため、制動性部品に本実施形態のステンレス鋼板を適用することにより、鋳鉄に比べて耐食性に優れかつ耐摩耗性の向上が可能となる。特に、自動車に対しては、鋳鉄の代替として本実施形態のステンレス鋼板を適用することによって薄肉軽量化の効果も得られる他、二輪車、航空、鉄道車両等の制動系も対象となる。
次に本発明の実施例を示すが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
なお、下記にて示す表中の下線は、本発明の範囲から外れているものを示す。
(実施例1)
表1に示す成分組成のフェライト系ステンレス鋼を溶製し、熱間圧延して4mm厚の熱延板とした後、熱延板焼鈍および酸洗を行った。この際の熱延板焼鈍はバッチ式焼鈍とし、加熱温度は800℃、保持温度は4時間、400℃までの平均冷却速度は0.1℃/secとした。
このようにして得られた熱延焼鈍板(試験No,1〜27)から、上述した方法で摩耗試験および炭窒化物の観察・測定を行った。
<摩耗試験>
摩耗試験については上記記載の方法で摩耗試験を行った。
ピンオンディスク型摩耗試験機を用い、ステンレス鋼板をディスクとし、ピンをロースチールパッドとして無潤滑大気中で行った。ピン試験片は回転面に垂直に荷重50N一定で押し付け、すべり速度0.1〜3m/sで変化させてすべり距離が2000mに達するまで試験を行った。摩耗重量を体積に換算し、摩耗率(単位距離当たりの摩耗体積;m/m)を得た。摩耗率が1×10-11/m以下の場合を合格(○)、摩耗率が1×10-11/mを超える場合を不合格(×)とした。
<炭窒化物の数密度>
得られた熱延焼鈍板(試験No,1〜27)から抽出レプリカ法によって炭窒化物を抽出し、透過型電子顕微鏡で炭窒化物を観察した。その後、画像解析処理によって炭窒化物のサイズを円相当換算した。炭窒化物の個数については、14μm×20μmの視野を10箇所測定し、100μm2当たりの炭窒化物(円相当径で0.3μm以上)の個数に換算した。
<鳴き>
加えて、試験中に鳴きの発生有無についても調べた。具体的には、上記のピンオンディスク型摩耗試験機を用いて摩耗試験を行った際に、ノイズを測定し、1kHzのノイズが発生した場合を鳴き発生とした。
<靭性>
加えて、ディスクブレーキ素材には靭性も要求されることからシャルピー衝撃試験によって靭性を評価した。具体的には、熱延鋼板から、試験片の長手方向が圧延方向と平行かつ直角になるようにVノッチ試験片を採取し、この試験片に対して室温にてシャルピー衝撃試験((JIS Z 2242)を行い、脆性破壊の有無を調べた。脆性破壊(脆性破面率が50%以上)したものを不合格(×)、延性破壊(脆性破面率が50%未満)したものを合格(○)とした。
<耐食性>
更に、上記摩耗試験後の耐食性の評価を行い、発錆が生じない場合を合格(○)、発錆が生じた場合を不合格(×)とした。ここで耐食性の試験としては、JIS Z 2371に準拠したSST試験を24時間行い、目視で発錆の有無を確認した。
以上の試験結果、炭窒化物の数密度の調査の結果を表2に示す。本発明例の鋼板(試験No.1〜11)は摩耗特性に優れており、鳴きの発生についても満足する。本発明例の鋼板(試験No.1〜11)はいずれも、靭性、耐食性に優れていることがわかる。また、表には記載していないが、本発明例の鋼板を用いたディスクブレーキの製造段階において、800℃に加熱して焼き入れた場合においても同様の炭窒化物の数密度および各特性を満足することがわかった。このことから、ディスクブレーキ等の制動系部品の製造段階でホットプレスによる成形(温間成形等)、あるいは冷間プレス後の焼き入れ処理を施してもよいことが分かる。
(実施例2)
次に、表3に表1に示した本発明鋼の鋼No.1とNo.2を用いて熱延焼鈍条件を変更した際の結果を示す。なお、表3に示す試験No.28〜35はいずれも、熱延焼鈍以外の製造条件は実施例1と同様とした。表3に示すとおり、熱延焼鈍条件が望ましい範囲から外れる場合には炭窒化物の生成量(数密度)が減少し、耐摩耗性、靭性および鳴き特性が劣化することがわかる。
Figure 2019178419
Figure 2019178419
Figure 2019178419
本発明によれば、耐摩耗性とともにディスクブレーキに適用した場合の鳴き発生を抑制し、耐食性にも優れたステンレス鋼板を提供することが可能である。特に、自動車、二輪、鉄道車両などの制動系部品として使用することによって、薄肉軽量化や複雑構造の成形品に展開することが可能であることから産業上極めて有益である。
[1]質量%で、
C :0.005〜0.100%、
Si:0.01〜1.00%、
Mn:0.010〜3.00%、
P :0.040%以下、
S :0.0100%以下、
Cr:10.0〜14.0%、
N :0.005〜0.100%、
V :0.03〜0.30%、
Al:0.001〜0.050%、
B :0.0002〜0.0050%、
Ni:0〜2.00%、
Cu:0〜2.00%、
Mo:0〜1.00%、
W :0〜1.00%、
Ti:0〜0.40%、
Nb:0〜0.40%、
Zr:0〜0.40%、
Co:0〜0.400%、
Sn:0〜0.40%、
REM:0〜0.050%以下、
Mg:0〜0.0100%、
Ca:0〜0.0100%、
Sb:0〜0.50%、
Ta:0〜0.3000%、
Hf:0〜0.3000%、
Ga:0〜0.1000%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
金属組織がフェライト相からなり、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が任意断面において10〜50個/100μm2存在し、
制動系部品に適用されることを特徴とするステンレス鋼板。
[2] 質量%で、
:0.005〜0.100%、
Si:0.01〜1.00%、
Mn:0.010〜3.00%、
:0.040%以下、
:0.0100%以下、
Cr:10.0〜14.0%、
:0.005〜0.100%、
:0.03〜0.30%、
Al:0.001〜0.050%、
:0.0002〜0.0050%、
Ni:0〜2.00%、
Cu:0〜2.00%、
Mo:0〜1.00%、
:0〜1.00%、
Ti:0〜0.40%、
Nb:0〜0.40%、
Zr:0〜0.40%、
Co:0〜0.400%、
Sn:0〜0.40%、
REM:0〜0.050%以下、
Mg:0〜0.0100%、
Ca:0〜0.0100%、
Sb:0〜0.50%、
Ta:0〜0.3000%、
Hf:0〜0.3000%、
Ga:0〜0.1000%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
金属組織がフェライト相からなり、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が任意断面において10〜50個/100μm 2 存在し、
ブレーキディスクロータに適用されることを特徴とするステンレス鋼板。
]質量%で、Ni:0.05〜2.00%、Cu:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、W:0.05〜1.00%、Ti:0.005〜0.40%、Nb:0.005〜0.40%、Zr:0.005〜0.40%、Co:0.005〜0.400%、Sn:0.005〜0.40%、REM:0.001〜0.050%以下、Mg:0.0002〜0.0100%、Ca:0.0002〜0.0100%、Sb:0.05〜0.50%、Ta:0.0050〜0.3000%、Hf:0.0050〜0.3000%、Ga:0.0002〜0.1000%の1種または2種以上含有することを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載のステンレス鋼板。
]上記[1]乃至上記[3]の何れか一項に記載のステンレス鋼板を用いた制動系部品。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.005〜0.100%、
    Si:0.01〜1.00%、
    Mn:0.010〜3.00%、
    P :0.040%以下、
    S :0.0100%以下、
    Cr:10.0〜14.0%、
    N :0.005〜0.100%、
    V :0.03〜0.30%、
    Al:0.001〜0.050%、
    B :0.0002〜0.0050%、
    Ni:0〜2.00%、
    Cu:0〜2.00%、
    Mo:0〜1.00%、
    W :0〜1.00%、
    Ti:0〜0.40%、
    Nb:0〜0.40%、
    Zr:0〜0.40%、
    Co:0〜0.400%、
    Sn:0〜0.40%、
    REM:0〜0.050%以下、
    Mg:0〜0.0100%、
    Ca:0〜0.0100%、
    Sb:0〜0.50%、
    Ta:0〜0.3000%、
    Hf:0〜0.3000%、
    Ga:0〜0.1000%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
    金属組織がフェライト相からなり、円相当の直径で0.3μm以上の炭窒化物が任意断面において10〜50個/100μm2存在することを特徴とするステンレス鋼板。
  2. 質量%で、Ni:0.05〜2.00%、Cu:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、W:0.05〜1.00%、Ti:0.005〜0.40%、Nb:0.005〜0.40%、Zr:0.005〜0.40%、Co:0.005〜0.400%、Sn:0.005〜0.40%、REM:0.001〜0.050%以下、Mg:0.0002〜0.0100%、Ca:0.0002〜0.0100%、Sb:0.05〜0.50%、Ta:0.0050〜0.3000%、Hf:0.0050〜0.3000%、Ga:0.0002〜0.1000%の1種または2種以上含有することを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼板。
  3. 制動系部品に適用されること特徴とする請求項1または2に記載のステンレス鋼板。
  4. ブレーキディスクロータに適用されること特徴とする請求項1または2に記載のステンレス鋼板。
  5. 請求項1または2に記載のステンレス鋼板を用いた制動系部品。
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