JP2019175822A - 押ボタンスイッチの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された非常停止押ボタンスイッチを含む従来の非常停止押ボタンスイッチは、例えば図8に示すように、ボタン側係合片により形成される係合孔に、プランジャ側係合片を挿入し、ボタン側係合片にプランジャ側係合片を引っ掛けることで、ボタンとプランジャとを係合させる。
しかしながら、非常停止押ボタンスイッチが、ボタンを約45°程度回転させてからでなければ上方に引き上げることができない構造である場合、ボタンとプランジャとの係合力が十分でないと、押下されたボタンを復帰させるための回転操作がなされたときに、回転操作の勢いでボタン側係合片とプランジャ側係合片との引っ掛かりが外れて、ボタンとプランジャとが分離してボタンが脱落してしまうことがある。
内壁にカム溝を有するハウジングと、
ボタン側係合片と、ボタン側係合孔とを有するボタンと、
プランジャ側係合片と、プランジャ側係合孔と、前記ボタンに対する押下操作の方向に対し垂直方向に摺動する滑動棒とを有するプランジャと、
を備える押ボタンスイッチの製造方法であって、
前記プランジャ側係合孔に前記ボタン側係合片を挿入し、前記ボタン側係合孔に前記プランジャ側係合片を挿入するステップと、
前記カム溝の形状に沿って前記滑動棒の端部をカムとして滑動させながら前記プランジャを前記ボタンの中心軸を軸として回転させて、前記ボタン側係合片と前記プランジャ側係合孔とを係合させるステップとを含む。
この発明によれば、前記滑動棒の端部を滑動させる円周方向に沿って徐々に深くなるので、ハウジングの内壁に設けられたカム溝の形状に沿って滑動棒の端部がカムとしてスムーズに滑動するとともに逆方向に滑動しないので、ボタン側係合片とプランジャ側係合片とをより強固に係合させることができる。その結果、部品点数を増やすことなく、ボタンとプランジャとがより強固に係合された押しボタンスイッチを提供することが可能となる。
この発明によれば、プランジャが、ボタンに対する復帰操作に必要とされる回転操作の角度を超える角度で回転してボタンとプランジャとが係合される。このため、押下されたボタンを復帰させるための回転操作がなされたときに、回転操作の勢いでボタン側係合片とプランジャ側係合片との引っ掛かりが外れて、ボタンとプランジャとが分離してボタンが脱落してしまうことを防ぐことができる。
非常停止押ボタンスイッチ1は、通電状態にある機器等を遮断状態にして緊急停止させるために用いられるスイッチであり、図1に示すように、操作部11と、ねじりコイルバネ12と、プランジャ部13と、ハウジング部14と、接点ユニット部15と、固定部16とで構成されている。
(操作部)
操作部11は、図1に示すように、ボタン101と、ボタンコイルバネ102とで構成されている。
ボタン101に対する押下操作がなされると、押下操作に連動して、後述する接点ユニット部15の可動接片502と固定端子503とが開離する。この開離により、通電状態にあった機器等が遮断状態になる。
ボタン101の形状は特に限定されないが、緊急時に非常停止押ボタンスイッチ1を押下操作する操作者が、機器等を非常停止させるためのスイッチであることを容易に認識でき、かつ掌で押し易い形状であることが好ましく、例えばキノコ形状であることがより望ましい。
なお、ボタン側係合片111及びボタン側係合孔112の詳細については、図3を参照して後述する。
ボタンコイルバネ102は、ボタン101が押下される際に加えられる力を若干吸収するため、ボタン101に若干の遊びを持たせることができる。その結果、ボタン101に対する誤操作による機器等の遮断を防ぐことができる。
また、ボタン101とプランジャ201とを係合させる具体的手法については後述するが、ボタンコイルバネ102は、ボタン101とプランジャ201とが係合された後、弾性変形することでボタン側係合片111とプランジャ側係合片203とを圧接する。これにより、ボタン側係合片111とプランジャ側係合片203との間の係止力を高めることができる。
ねじりコイルバネ12は、図1、図2、図5、及び図6に示すように、ボタン101の内側に配置されるコイルバネであり、一端が後述するハウジング301の内壁に係合され、他端がボタン101の内壁に係合される。
ボタン101に対する押下操作が行われた後に、ボタン101を復帰させるためにボタン101に対して回転操作がなされると、ねじりコイルバネ12は、弾性変形して、押下された状態にあるボタン101を押下操作前の状態に復帰させる。この回転操作により、ボタン101が押下操作前の状態に復帰すると、開離状態にあった後述する可動接片502と固定端子503とが接触した状態(押下操作前の状態)に復帰する。なお、ボタン101に対する回転操作の回転角度は特に限定されないが、一般的な非常停止押ボタンスイッチの場合、45°程度の回転角度で復帰操作がなされる。
ねじりコイルバネ12の内側には、ねじりコイルバネ12の内側のスペースを利用して、プランジャ部13が配置される。
プランジャ部13は、図1に示すように、プランジャ201と、プランジャ側係合孔202と、プランジャ側係合片203と、ラッチコイルバネ211と、滑動棒212とを含むように構成されている。
プランジャ側係合孔202及びプランジャ側係合片203の詳細については、図4を参照して後述する。
ハウジング部14は、ハウジング301と、防水ゴム302とを含むように構成されている。
接点ユニット部15は、図1に示すように、ケース501と、可動接片502と、固定端子503と、転換子504とを含むように構成されている。接点ユニット部15は、ハウジング301の下部の開口部を塞ぐように配置されている。
固定部16は、丸ナット401と、ゴム座金402とで構成されている。
上記のような構成のプランジャ201と、ボタン101とを係合させる具体的手法について、図2〜図8を参照して説明する。
ハウジング301のカム溝304は、図2(B)及び(C)に示すように、ラッチ点Pから上方に向かって設けられており、滑動棒212の端部がカムとして滑動する周方向に沿って徐々に溝が深くなる構成となっている。すなわち、溝の径方向の寸法が徐々に大きくなる構成となっている。このため、ハウジング301の下方から挿入されたプランジャ201の滑動棒212の端部がラッチ点Pを乗り越えると、プランジャ201が上方に摺動しながら自動的に回転を開始し、その回転角度に比例して、貫通孔213からカム溝304に向かって伸長する滑動棒212の長さが長くなる。これにより、ラッチコイルバネ211は、弾性エネルギーを解放する方向に移行する。その結果、図2(B)の状態にあったプランジャ201が回転して図2(C)の状態になる。
プランジャ201が回転する角度は特に限定されないが、図2に示す例では90°回転する構成となっている。これにより、例えば押下された非常停止押ボタンスイッチ1に対する復帰操作がなされるときに、一般的な45°の回転操作が必要とされる場合であっても、ボタン101に対する復帰操作に必要とされる回転操作の角度を超える角度(90°)でプランジャ201を回転させてボタンとプランジャとを係合させているので、回転操作の勢いでボタン側係合片111とプランジャ側係合片203との引っ掛かりが外れることがない。その結果、ボタン101とプランジャ201とが分離してボタン101が脱落してしまうことを防ぐことができる。
まず、図4(B)に示すように、ボタン側係合片111の位置とプランジャ側係合孔202の位置とを合わせて、プランジャ201をボタン101の奥に挿入し、次に、図4(C)に示すように、プランジャ201を90°回転させる。これにより、ボタン側係合片111の位置とプランジャ側係合孔202の位置とがずれて、ボタン側係合片111とプランジャ側係合片203とが係合されるので、プランジャ201を再び90°回転させない限り、ボタン側係合片111とプランジャ側係合片203とが係合された状態を維持させることができる。
ステップS2において、滑動棒212の端部がラッチ点Pを乗り越えるまで、プランジャ201をハウジングの奥の方向にさらに押し込む。
ステップS3において、カム溝304の形状に沿って滑動棒212の端部をカムとして滑動させて、プランジャ201を90°回転させる。
以上のステップを経ることで、ボタン101とプランジャ201とを係合させることができる。
すなわち、本発明に係る押ボタンスイッチ(例えば図1の非常停止押ボタンスイッチ1)の製造方法は、
内壁にカム溝(例えば図2のカム溝304)を有するハウジング(例えば図2のハウジング301)と、
ボタン側係合片(例えば図3のボタン側係合片111)と、ボタン側係合孔(例えば図3のボタン側係合孔112)とを有するボタン(例えば図3のボタン101)と、
プランジャ側係合片(例えば図2のプランジャ側係合片203)と、プランジャ側係合孔(例えば図2のプランジャ側係合孔202)と、前記ボタンに対する押下操作の方向に対し垂直方向に摺動する滑動棒(例えば図2の滑動棒212)とを有するプランジャ(例えば図2のプランジャ201)と、
を備える押ボタンスイッチの製造方法であって、
前記プランジャ側係合孔に前記ボタン側係合片を挿入し、前記ボタン側係合孔に前記プランジャ側係合片を挿入するステップと、
前記カム溝の形状に沿って前記滑動棒の端部をカムとして滑動させながら前記プランジャを前記ボタンの中心軸を軸として回転させて、前記ボタン側係合片と前記プランジャ側係合孔とを係合させるステップとを含む。
これにより、ハウジングの内壁に設けられたカム溝の形状に沿って滑動棒の端部がカムとして滑動させると、プランジャがボタンの中心軸を軸として回転するので、ボタン側係合片とプランジャ側係合片とを強固に係合させることができる。その結果、部品点数を増やすことなく、ボタンとプランジャとが強固に係合された押しボタンスイッチを提供することが可能となる。
これにより、前記滑動棒の端部を滑動させる円周方向に沿って徐々に深くなるので、ハウジングの内壁に設けられたカム溝の形状に沿って滑動棒の端部がカムとしてスムーズに滑動するとともに、逆方向に滑動しないので、ボタン側係合片とプランジャ側係合片とをより強固に係合させることができる。その結果、部品点数を増やすことなく、ボタンとプランジャとがより強固に係合された押しボタンスイッチを提供することが可能となる。
これにより、プランジャが、ボタンに対する復帰操作に必要とされる回転操作の角度を超える角度で回転してボタンとプランジャとが係合される。このため、押下されたボタンを復帰させるための回転操作がなされたときに、回転操作の勢いでボタン側係合片とプランジャ側係合片との引っ掛かりが外れて、ボタンとプランジャとが分離してボタンが脱落してしまうことを防ぐことができる。
11・・・ 操作部
12・・・ ねじりコイルバネ
13・・・ プランジャ部
14・・・ ハウジング部
15・・・ 接点ユニット部
16・・・ 固定部
101・・・ ボタン
102・・・ ボタンコイルバネ
111・・・ ボタン側係合片
112・・・ ボタン側係合孔
201・・・ プランジャ
202・・・ プランジャ側係合孔
203・・・ プランジャ側係合片
211・・・ プランジャコイルバネ
212・・・ 滑動棒
213・・・ 貫通孔
301・・・ ハウジング
302・・・ 防水ゴム
303・・・ (防水ゴムを配置する)溝
304・・・ カム溝
401・・・ 丸ナット
402・・・ ゴム座金
501・・・ ケース
502・・・ 可動接片
503・・・ 固定端子
504・・・ 転換子
P・・・ ラッチ点
Claims (3)
- 内壁にカム溝を有するハウジングと、
ボタン側係合片と、ボタン側係合孔とを有するボタンと、
プランジャ側係合片と、プランジャ側係合孔と、前記ボタンに対する押下操作の方向に対し垂直方向に摺動する滑動棒とを有するプランジャと、
を備える押ボタンスイッチの製造方法であって、
前記プランジャ側係合孔に前記ボタン側係合片を挿入し、前記ボタン側係合孔に前記プランジャ側係合片を挿入するステップと、
前記カム溝の形状に沿って前記滑動棒の端部をカムとして滑動させながら前記プランジャを前記ボタンの中心軸を軸として回転させて、前記ボタン側係合片と前記プランジャ側係合孔とを係合させるステップとを含む、
押ボタンスイッチの製造方法。 - 前記カム溝は、前記滑動棒の端部を滑動させる円周の方向に沿って徐々に深くなる、
請求項1に記載の押ボタンスイッチの製造方法。 - 前記プランジャは、前記ボタンに対する復帰操作に必要とされる回転操作の角度を超える角度で回転して前記ボタンと係止される、
請求項1又は2に記載の押ボタンスイッチの製造方法。
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