JP2019173081A - 板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高硬度鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】板厚が200mm超で、Ceqを0.80以下とし、表層および板厚中心部の硬度がHB350以上、板厚中心部の−20℃での吸収エネルギーが47J以上の高硬度鋼板およびその製造方法を提供する。【解決手段】所定の成分からなり、焼戻しマルテンサイトand/or焼戻しベイナイトが面積率で99%以上、フェライト・パーライト・残留オーステナイト・焼戻しされない組織などのその他組織が1面積%未満であり、式(1)で示すCeqが0.750以上、0.800以下を満足し、式(2)で示す値fおよび下式(3)の値gが4×f/gが9.00以上を満足し、板厚中心部に於ける-20℃でのC方向シャルピーの3点平均が47J以上であり、表層ならびに板厚中心部の硬度がHBで350以上であることを特徴とする。Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)g=2Cr+3Mo+5V (3)【選択図】なし
Description
本発明は、ロータリーキルンなどの大型産業用機械の歯車などの回転機構に用いられる板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高硬度鋼板およびその製造方法に関するものである。
ロータリーキルンに代表される大型産業用機械の回転機構には、巨大な歯車(ギヤ)が用いられる。素材となる鋼板には、歯車の耐疲労性や耐久性の観点から、硬度と靭性が要求されるが、近年では表層ならびに板厚中心部でHB350以上、板厚中心部のvE−20℃≧47J、が要求されるようになった。これは板厚中心部まで鋼材を削り込んで歯車を製造するため、板厚中心部の特性が重視されることによる。
加えて近年、歯車の大型化を志向し、従来に無い板厚200mm超の鋼板が求められるようになってきた。板厚の増大に伴い、焼入れ時の板厚中心部の冷却速度が低下するため、焼戻し後も中心部の硬度が得難くなる。単に硬度をあげるだけの成分設計では靭性の低下を生じるため、板厚200mm超という極厚材では、層硬度および中心部硬度を確保し、かつ靭性も確保するための成分バランス調整は困難を極める。
更に溶接性の改善を目的とし、主要含有元素によるカーボン当量Ceqを0.800以下とする要求が発生した。これが0.800を超えた場合、需要家に於いて溶接時の余熱温度を高めるなどの負荷が増加する。本鋼材のような極厚材では溶接パス数が非常に多いことから、溶接負荷の増加も大きい。尚、Ceqは例えば下記式(1)で示される。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
従来、板厚200mm超でCeq≦0.800、かつ中心部硬度≧HB350を確保し、かつ−20℃での前述の低温靭性を保証する鋼材は存在しなかった。また歯車加工後の歪み取り焼鈍で材質が変化しないよう、素材となる鋼板は500℃以上で焼戻しされなければならず、硬度達成に不利な状況下であった。
現状の技術としては、例えば特許文献1のように板厚200mm超、HB330級で−40℃の極厚高硬度鋼で、焼入れ前の析出処理−AlN析出による固溶B確保を活用し、低Ceq(0.70程度)でも焼入れ性を高めているが、Ceq上限を規制しておらず、Cを0.14以下としているため、Ceq>0.800の場合に限り、板厚中心部の硬度HB350と靭性を兼備している。このため需要家に於いて溶接時の余熱温度を高めるなどの負荷は軽減できない。
また特許文献2は、板厚200mm超、HB330級かつ−20℃靭性の極厚高硬度鋼であり、表面と中心部の硬度差を抑えるため焼き戻し条件を規定しているが、板厚中心部硬度はHB300級であり、実施例にてCeq:0.850まで高めても中心部硬度≧HB350を達成できない。
このような状況下、本発明では、特に板厚が200mm超であって、下式で示すCeqを0.800以下、かつ板厚中心部の硬度確保の都合上、Ceqを0.750以上とし、表層および板厚中心部の硬度がHB350以上、板厚中心部の−20℃での吸収エネルギーが47J以上の高硬度鋼板およびその製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、鋼の成分が質量%で、C:0.16%以上、0.20%以下、Si:0.50%以上、1.00以下、Mn:0.90%以上、1.50%以下、P:0.000%以上、0.010%以下、S:0.000%以上、0.002%以下、Cu:0.00%以上、0.40%以下、Ni:0.20%以上、1.00%以下、Cr:0.60%以上、1.00%以下、Mo:0.60%以上、1.00%以下、V::0.000%以上、0.050%以下、Al:0.050%以上、0.085%以下、N:0.0020%以上、0.0070%以下、B:0.0005%以上、0.0020%以下、残Feおよび不可避的不純物からなり、焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトが面積率で99%以上であって、フェライト・パーライト・残留オーステナイト・焼戻しされない組織などのその他組織が1面積%未満であり、下記式(1)で示すCeqが0.750以上、0.800以下を満足し、さらに下式(2)で示す値fおよび下式(3)で示す値gが4×f/gが9.00以上を満足し、板厚中心部に於ける-20℃でのC方向シャルピーの3点平均が47J以上であり、表層ならびに板厚中心部の硬度がHBで350以上であることを特徴とする、板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高強度鋼板とする。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)
g=2Cr+3Mo+5V (3)
ここで、各式の各元素記号は、その成分の質量%を意味する。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)
g=2Cr+3Mo+5V (3)
ここで、各式の各元素記号は、その成分の質量%を意味する。
また上記成分に加えてさらに、Nb:0.001%以上、0.050%以下、Ti:0.001%以上、0.020%以下、Ca:0.0001%以上、0.0030%以下、Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、REM:0.0001%以上、0.0030%以下、のうち1種類以上を含有し、かつTiを含有する場合はTi/N≦3.4を満たすことも好ましい。
さらに鋼の成分が質量%で、C:0.16%以上、0.20%以下、Si:0.50%以上、1.00以下、Mn:0.90%以上、1.50%以下、P:0.000%以上、0.010%以下、S:0.000%以上、0.002%以下、Cu:0.00%以上、0.40%以下、Ni:0.20%以上、1.00%以下、Cr:0.60%以上、1.00%以下、Mo:0.60%以上、1.00%以下、V::0.000%以上、0.050%以下、Al:0.050%以上、0.085%以下、N:0.0020%以上、0.0070%以下、B:0.0005%以上、0.0020%以下、残Feおよび不可避的不純物からなる成分の鋼を下式(4)で算出されるAlN固溶温度Ts以上の温度へ加熱・熱間圧延後冷却し、さらに550℃超Ac1未満の温度で、処理温度Tならびに処理時間tpが下式(5)を満たすように加熱する析出処理の後、常温まで冷却またはそのまま昇温し、900℃以上950℃以下の温度で下式(6)に示す焼入れ保持時間H以上に再加熱し水冷する焼入れ処理を施し、500℃以上550℃以下で焼戻して常温まで冷却する製造方法が好ましい。
Ts=7400/(1.95−log10[Al][N]) (4)
Log10(tp)+0.012×T≧8.7 (5)
H=0.033(950−Tq)2+(1.5f)2/10 (6)
ここでTsはAlNの固溶温度(℃)、[Al]、[N]は各元素の質量%であり、Tは析出処理温度(℃)、tpは析出処理時間(Hr)であり、Hは焼入れ保持時間(分)、Tqは焼入れ保持温度(℃)、fは上式(2)で得られる値である。
Ts=7400/(1.95−log10[Al][N]) (4)
Log10(tp)+0.012×T≧8.7 (5)
H=0.033(950−Tq)2+(1.5f)2/10 (6)
ここでTsはAlNの固溶温度(℃)、[Al]、[N]は各元素の質量%であり、Tは析出処理温度(℃)、tpは析出処理時間(Hr)であり、Hは焼入れ保持時間(分)、Tqは焼入れ保持温度(℃)、fは上式(2)で得られる値である。
上記成分に加えてさらに、Nb:0.001%以上、0.050%以下、Ti:0.001%以上、0.020%以下、Ca:0.0001%以上、0.0030%以下、Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、REM:0.0001%以上、0.0030%以下、のうち1種類以上を含有し、かつTiを含有する場合はTi/N≦3.4を満たす製造方法が好ましい。
本発明により、板厚200mm超の鋼板においても、表層から板厚中心の硬度ならびに板厚中心部の衝撃吸収エネルギー性能に優れ、かつCeqを0.800以下に抑えた鋼板を提供でき、ロータリーキルンに代表される大型産業用機械の回転機構に活用できる。
本発明においては、以下の(1)〜(5)が重要な意味を持つ。また特にCeq≦0.800にて板厚中心部のHB350級の硬度とvE−20℃≧47Jを達成するための要件としては、特に成分パラメータ式(3)と、析出処理(4)が重要である。
(1)(後述する条件下で)中心部硬度と中心部靭性を両立するためのC量の上下限規制
なお、一般的に中心部硬度がHB350以上である場合、表層もHB350以上が確保可能である。ここで表層とは、脱炭層ならびに加工時に除去される部位を除いた位置であり、一般的に最表層から1〜10mmの範囲である。
(2)中心部硬度の確保に向けたCeq下限
(3)中心部靭性の確保に向けたパラメータ式f/gの下限
(4)中心部硬度の確保に向けた焼入れ前の析出処理(温度および時間)
(5)中心部硬度の確保に向けた焼入れ条件(温度および時間)
以下、詳述する。
(1)(後述する条件下で)中心部硬度と中心部靭性を両立するためのC量の上下限規制
なお、一般的に中心部硬度がHB350以上である場合、表層もHB350以上が確保可能である。ここで表層とは、脱炭層ならびに加工時に除去される部位を除いた位置であり、一般的に最表層から1〜10mmの範囲である。
(2)中心部硬度の確保に向けたCeq下限
(3)中心部靭性の確保に向けたパラメータ式f/gの下限
(4)中心部硬度の確保に向けた焼入れ前の析出処理(温度および時間)
(5)中心部硬度の確保に向けた焼入れ条件(温度および時間)
以下、詳述する。
(1)(後述する条件下で)中心部硬度と中心部靭性を両立するためのC量の上下限規制;
第1の項目として、後述する条件下で板厚中心部の硬度・靭性を両立するためには、当該鋼の成分組成(質量%)としてCが0.16%以上0.20%以下を満足する必要がある。板厚200mm超の板厚中心部で靭性と硬度を確保するためには、脆性破壊起点となる炭化物を抑制する必要があり、図1に示すように、板厚中心部でvE−20℃(ave.)≧47Jを達成するためにはCは0.20%以下としなければならない。一方、Cの低下は鋼材の硬度を大きく低減させるため、500℃以上の焼戻しでも中心部の硬度をHB350を確保するためには、同様に図1に示すように、Cは0.16%以上とする必要がある。
第1の項目として、後述する条件下で板厚中心部の硬度・靭性を両立するためには、当該鋼の成分組成(質量%)としてCが0.16%以上0.20%以下を満足する必要がある。板厚200mm超の板厚中心部で靭性と硬度を確保するためには、脆性破壊起点となる炭化物を抑制する必要があり、図1に示すように、板厚中心部でvE−20℃(ave.)≧47Jを達成するためにはCは0.20%以下としなければならない。一方、Cの低下は鋼材の硬度を大きく低減させるため、500℃以上の焼戻しでも中心部の硬度をHB350を確保するためには、同様に図1に示すように、Cは0.16%以上とする必要がある。
(2)中心部硬度の確保に向けたCeq下限の規定;
第2の項目として、板厚200mm超で中心部の硬度を確保するためには、十分な焼入れ性が必要であり、後述する析出処理を実施したうえで下式(1)のCeqで0.750以上を満足する必要がある。これは焼入れ時に軟質組織であるフェライトの生成を回避し、製品での焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの基となるベイナイト・マルテンサイト組織を形成するためである。なお、中心部の硬度・靭性を兼備するうえでCeqに上限は無いが、Ceqの増大は溶接割れを生じやすくし、Ceqが0.800を超えた場合、割れ回避のために溶接前の予熱温度を上げる必要を生じるなど、作業効率を著しく悪化させるため、本発明に於けるCeqは0.80以下とする。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
各元素記号は成分組成を意味する(%)。
第2の項目として、板厚200mm超で中心部の硬度を確保するためには、十分な焼入れ性が必要であり、後述する析出処理を実施したうえで下式(1)のCeqで0.750以上を満足する必要がある。これは焼入れ時に軟質組織であるフェライトの生成を回避し、製品での焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイトの基となるベイナイト・マルテンサイト組織を形成するためである。なお、中心部の硬度・靭性を兼備するうえでCeqに上限は無いが、Ceqの増大は溶接割れを生じやすくし、Ceqが0.800を超えた場合、割れ回避のために溶接前の予熱温度を上げる必要を生じるなど、作業効率を著しく悪化させるため、本発明に於けるCeqは0.80以下とする。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
各元素記号は成分組成を意味する(%)。
図2に示すように、板厚200mm超の鋼板に於いては、析出処理を実施した場合でもCeqが0.750未満の場合は板厚中心部の硬度がHB350未満となることを知見した。これは軟質組織であるフェライトの生成を回避したことによる。
(3)中心部靭性の確保に向けたパラメータ式f/gの下限;
第3の項目として、板厚200mm超でCeq≦0.800としつつ中心部の硬度≧HB350を確保し、かつ板厚中心部でvE−20℃≧47Jの靭性を達成するためには、下式2で示すパラメータ式fと下式3で示すパラメータ式gの関係が4×f/gが9.00以上である必要がある。
f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)
g=2Cr+3Mo+5V (3)
ここで、各式の各元素記号は、その成分の質量%を意味する。
第3の項目として、板厚200mm超でCeq≦0.800としつつ中心部の硬度≧HB350を確保し、かつ板厚中心部でvE−20℃≧47Jの靭性を達成するためには、下式2で示すパラメータ式fと下式3で示すパラメータ式gの関係が4×f/gが9.00以上である必要がある。
f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)
g=2Cr+3Mo+5V (3)
ここで、各式の各元素記号は、その成分の質量%を意味する。
図3に示すように、板厚が200mm超でCeq≦0.800であり、かつ板厚中心部の硬度がHB350以上である場合、パラメータ式gを用いた4×f/gが9.00未満の場合は板厚中心部靭性が確保できないことを知見した。パラメータ式fを形成する元素は焼入れ時に固溶することで焼入れ性を高める元素である。一方でパラメータ式gを形成する元素は焼き戻し時に析出物を形成する元素であり、これらの添加は焼入れ性を向上させる一方で焼き戻し時の析出物形成により靭性を低下させる。f/gが大きいということは、焼き戻し時に析出する元素を低減しつつ焼入れ性を高めていることを示す。なお、本発明範囲に於ける焼き戻し時の析出物は、透過型電子顕微鏡に於いて観察される程度に微細であるため、析出物そのものの分布状態を規定することは工業的には非現実的であり、パラメータ式f/gによって整理することの有用性が理解できる。
(4)中心部靭性を確保するためのプロセス条件 溶体化→圧延→析出処理;
上記のAlNのピン止め効果を得るためのプロセス要件として、下式(4)で算出されるAlN固溶温度Ts以上での溶体化後圧延し、固溶したAlNを微細析出させるため、圧延後かつ焼き入れ加熱前に、550℃超Ac1未満の温度で、処理温度Tならびに処理時間tpが下式(5)を満たすように析出処理を実施する必要がある。
Ts=7400/(1.95−log10[Al][N]) (4)
Log10(tp[Hr])+0.012×T[℃]≧8.7 (5)
ここでTsはAlNの固溶温度(℃)、[Al]、[N]は各元素の質量%であり、Tは析出処理温度(℃)、tpは析出処理時間(Hr)である。
上記のAlNのピン止め効果を得るためのプロセス要件として、下式(4)で算出されるAlN固溶温度Ts以上での溶体化後圧延し、固溶したAlNを微細析出させるため、圧延後かつ焼き入れ加熱前に、550℃超Ac1未満の温度で、処理温度Tならびに処理時間tpが下式(5)を満たすように析出処理を実施する必要がある。
Ts=7400/(1.95−log10[Al][N]) (4)
Log10(tp[Hr])+0.012×T[℃]≧8.7 (5)
ここでTsはAlNの固溶温度(℃)、[Al]、[N]は各元素の質量%であり、Tは析出処理温度(℃)、tpは析出処理時間(Hr)である。
圧延前に溶体化を実施しなかった場合は、鋳造時に生じた粗大AlNが残存し、鋼中のAlNの総量が減るため、析出処理によって得られる微細AlNが減少し、ピン止め効果を得られなくなる。なお、溶体化温度は公知のものである。
図4に後述の実施例の成分A4を用いて実験した結果を示す。AlNのピン止め作用を得るためには、適切な温度・時間で析出処理を実施する必要がある。図中×印で示したLog10(tp[Hr])+0.012×T[℃]<8.7となる処理条件ではAlNの析出が十分に行われないためピン止め効果が発揮できず、靭性を確保できない。一方、温度がAc1を超えた場合、α-γ二相域での保持となるためγ域へのAlおよびNの濃化が生じ、局所的にAlNの粗大化を生じるため靭性を確保できない。処理時間の上限は、機械的性質の観点からは特に規制されるものではないが、工業上の生産効率の観点から5日間=120Hrを上限とする。
(5)中心部硬さの確保に向けた焼入れ条件(温度および時間);
第4の項目として、上記(2)(3)に示した本鋼材の成分範囲に於いて板厚中心部の硬度≧HB350とするためには上記の析出処理で十分なAlNの析出ならびにBNの分解を生じさせたうえ、焼入れ時に900℃以上950℃以下の温度に於いて、下式6に示す焼入れ保持時間H(分)以上を満たすような条件で再加熱し、水冷する焼入れ処理を実施する必要がある。
H=0.033(950−Tq)2+(1.5f)2/10 (6)
ここでTqは焼入れ保持温度、fは前述の式(2)で得られる値である。なお、焼入れ保持温度および時間は、熱処理炉ではなく鋼板板厚中心部の温度および時間を示す。これらは熱電対を挿入するなどして実測されたものであることが望ましいが、炉温と板厚を元にした熱伝導計算によるものでも良い。
第4の項目として、上記(2)(3)に示した本鋼材の成分範囲に於いて板厚中心部の硬度≧HB350とするためには上記の析出処理で十分なAlNの析出ならびにBNの分解を生じさせたうえ、焼入れ時に900℃以上950℃以下の温度に於いて、下式6に示す焼入れ保持時間H(分)以上を満たすような条件で再加熱し、水冷する焼入れ処理を実施する必要がある。
H=0.033(950−Tq)2+(1.5f)2/10 (6)
ここでTqは焼入れ保持温度、fは前述の式(2)で得られる値である。なお、焼入れ保持温度および時間は、熱処理炉ではなく鋼板板厚中心部の温度および時間を示す。これらは熱電対を挿入するなどして実測されたものであることが望ましいが、炉温と板厚を元にした熱伝導計算によるものでも良い。
図5(a)に後述の実施例の成分A6を用いて実験した結果を、図5(b)に後述の実施例の成分A2を用いて実験した結果を示す。焼入れ保持時間が、前述の成分パラメーター式2およびそれを用いて計算する上記式6に示す焼入れ保持時間H(分)の値未満の場合は中心部硬度がHB350未満となる。これは、添加した合金が十分に固溶せずに焼入れ性が確保できなかったことによる。なお、上式がfの関数となるのは、合金量が多くなるほどそれらの固溶に時間を要するためである。
温度Tqが900℃未満である場合は合金元素の固溶が十分に行われないため焼入れ性を確保できず、HB350を達成できない。一方、焼入れ温度が950℃を超えた場合はAlNが部分的に固溶し、遊離したNが鋼中のBと結びつくことでBの焼入れ性向上効果を阻害するため、HB350を達成できない。
(6)中心部の硬度および靭性を確保するための焼戻し温度の上下限規制;
尚、第(6)の項目として、歯車の施工上の要件(歪み取り焼鈍での材質の低下防止)から、焼戻し温度は500℃以上とする必要があり、加えて、組織を十分に焼戻し靭性を確保するためにも、焼戻し温度は500℃以上とする必要がある。一方で、本鋼材は550℃超の焼戻しでは急激に硬度が低下することから、焼き戻し温度は550℃以下とする必要がある。この焼戻しの後、常温まで冷却する。
尚、第(6)の項目として、歯車の施工上の要件(歪み取り焼鈍での材質の低下防止)から、焼戻し温度は500℃以上とする必要があり、加えて、組織を十分に焼戻し靭性を確保するためにも、焼戻し温度は500℃以上とする必要がある。一方で、本鋼材は550℃超の焼戻しでは急激に硬度が低下することから、焼き戻し温度は550℃以下とする必要がある。この焼戻しの後、常温まで冷却する。
次に本発明における組織について説明する。焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトが面積率で99%以上であって、フェライト・パーライト・残留オーステナイト・焼戻しされない組織などのその他組織が1面積%未満である。上記はフェライトの出ない条件での焼入れ、ならびに十分な高温での焼戻しによって達成される。具体的には(2)項(Ceq≧0.750以上)の成分を(3)(4)項の析出処理の後に(5)項に示す条件で焼入れし、(6)項に示す条件での焼戻しを行うことで達成される。
その他の組織として、フェライトは鋼材の硬度の低下要因である。とりわけ焼入れ冷却速度の遅い板厚中心部に生じ易く、中心部硬度を得難くするため,前述の(2)項記載の要件により皆無化されなければいけない。
パーライトは硬度確保には有効ではあるものの、その硬質さゆえに脆性破壊起点となるため、皆無化されなければならない。フェライト析出時に排出されるCが濃化することでパーライトは生成されるため、フェライト析出の回避によって同時に抑制される。
残留オーステナイトならびに焼戻しされない組織は脆性破壊起点となり鋼材の靭性を低下させるため、皆無化されなければならない。本鋼材は500℃以上の焼き戻しを実施するため、基本的に生じない。
以上のように、本鋼材における有害組織であるフェライ、パーライト、残留オーステナイト、焼戻しされない組織は上述の成分・製法によって皆無化されることが必要であり、ミクロ偏析・操業ばらつきによる生成を考慮しても1%未満に低減されなければならない。組織は、圧延方向に直行する方向に巾方向から観察することで決定される。複数視野の観察については、視野の重複が無いように圧延長手方向に試料を移動させながら観察を行う。組織のうちフェライトならびにパーライトについては、ナイタールエッチングを実施した試験片を500倍の光学顕微鏡観察にて約250μm×350μmの領域を3視野行うことによって有無を確認する。残留γについては、組織観察時と同一の部位から試験片を採取し、X線回折法(積分法)によって体積分率を測定し、これをそのまま面積率とする。焼戻しされているものとされていないものは、ピクリン酸腐食後の光学顕微鏡観察に於いて、結晶粒内に析出した炭化物が腐食されることで判別できる(焼戻していない場合は結晶粒界のみが腐食される)。
次に本発明の鋼板における各種成分範囲について説明する。
C:0.16%以上、0.20%以下
Cは焼き入れ組織の硬さを高め硬度向上に有効な元素であり、前述の図1からも0.16%を下限とする。一方で過剰な添加は靭性を損ない、かつ表層と中心部の硬度差の要因にもなるため、同様に前述の図1から上限を0.20%とする
Cは焼き入れ組織の硬さを高め硬度向上に有効な元素であり、前述の図1からも0.16%を下限とする。一方で過剰な添加は靭性を損ない、かつ表層と中心部の硬度差の要因にもなるため、同様に前述の図1から上限を0.20%とする
Si:0.50%以上、1.00%以下
Siは脱酸材として、また強度を改善させるためにも有効な元素ではあり、Ceqを上昇させることなく焼入れ性を高めるが、多量の添加は焼戻し脆性を助長し靭性を低下させるため低減させることが好ましく、上限を1.00%とする。一方、下限は0.00%でも構わないが、溶鋼精錬時の脱酸効率や脱酸コストの観点から、0.05%以上とすることが好ましい。
Siは脱酸材として、また強度を改善させるためにも有効な元素ではあり、Ceqを上昇させることなく焼入れ性を高めるが、多量の添加は焼戻し脆性を助長し靭性を低下させるため低減させることが好ましく、上限を1.00%とする。一方、下限は0.00%でも構わないが、溶鋼精錬時の脱酸効率や脱酸コストの観点から、0.05%以上とすることが好ましい。
Mn:0.90%以上、1.50%以下
Mnは脱酸材として、また焼き入れ性を改善し強度向上に有効な元素であり0.90%以上添加されるが、過剰な添加は焼戻し脆性を助長して靭性を低下させるため上限を1.50%とする。
Mnは脱酸材として、また焼き入れ性を改善し強度向上に有効な元素であり0.90%以上添加されるが、過剰な添加は焼戻し脆性を助長して靭性を低下させるため上限を1.50%とする。
P:0.000%以上、0.010%以下、
Pは鋼中に含有される不純物元素であり、粒界脆化を助長し靭性を低下させる有害元素であるため、出来るだけ少ないことが好ましく、0.010%以下まで低減される。下限は0.000%が望ましいが精錬コストの増大ならびに生産性の低下の観点から、0.001%とすることが好ましい。
Pは鋼中に含有される不純物元素であり、粒界脆化を助長し靭性を低下させる有害元素であるため、出来るだけ少ないことが好ましく、0.010%以下まで低減される。下限は0.000%が望ましいが精錬コストの増大ならびに生産性の低下の観点から、0.001%とすることが好ましい。
S:0.000%以上、0.002%以下、
Sは鋼中に含有される不純物元素であり、偏析および硫化物の形成を通じて靭性を低下させる元素であるため、出来るだけ少ないことが好ましく、0.002%以下まで低減される。下限は0.000%が望ましいが精錬コストの増大ならびに生産性の低下の観点から、0.0004%とすることが好ましい。
Sは鋼中に含有される不純物元素であり、偏析および硫化物の形成を通じて靭性を低下させる元素であるため、出来るだけ少ないことが好ましく、0.002%以下まで低減される。下限は0.000%が望ましいが精錬コストの増大ならびに生産性の低下の観点から、0.0004%とすることが好ましい。
Cu:0.00%以上、0.40%以下
Cuは低温靭性を損なうことなく鋼の強度を高めることができる元素であるが、多量の添加によって熱間加工時の割れを生じるほか金属Cuの析出などで靭性を低下させるため上限を0.40%とする。CuはCeqを高めることでフェライトの抑制に寄与するが、他の合金元素による代替が可能であり、下限について特に規制されるものではなく、代替できれば0.00%でも構わないが、精錬による皆無化が困難な合金元素であり、0.02%を下限とすることが好ましい。
Cuは低温靭性を損なうことなく鋼の強度を高めることができる元素であるが、多量の添加によって熱間加工時の割れを生じるほか金属Cuの析出などで靭性を低下させるため上限を0.40%とする。CuはCeqを高めることでフェライトの抑制に寄与するが、他の合金元素による代替が可能であり、下限について特に規制されるものではなく、代替できれば0.00%でも構わないが、精錬による皆無化が困難な合金元素であり、0.02%を下限とすることが好ましい。
Ni:0.20%以上、1.00%以下
Niは鋼の強度および靭性を向上するのに有効な元素であり、0.20%以上が添加されるが、過度の添加では効果が飽和するうえ、高価な合金であるNiの多量添加は製造コストの悪化を招くため、工業生産が成り立つ範囲として、上限を1.00%とすることが望ましい。
Niは鋼の強度および靭性を向上するのに有効な元素であり、0.20%以上が添加されるが、過度の添加では効果が飽和するうえ、高価な合金であるNiの多量添加は製造コストの悪化を招くため、工業生産が成り立つ範囲として、上限を1.00%とすることが望ましい。
Cr:0.60%以上、1.00%以下
Mo:0.60%以上、1.00%以下
Cr・Moは焼き入れ性を改善し中心部硬度を上げるうえ、析出硬化により表層ならびに中心部の硬度を底上げする重要な元素であり、Cr・Moはそれぞれ0.60%以上が添加されるが、これらは合金炭化物形成により却って靭性を低下させる元素でもあるため、ともに上限を1.00%とする。
Mo:0.60%以上、1.00%以下
Cr・Moは焼き入れ性を改善し中心部硬度を上げるうえ、析出硬化により表層ならびに中心部の硬度を底上げする重要な元素であり、Cr・Moはそれぞれ0.60%以上が添加されるが、これらは合金炭化物形成により却って靭性を低下させる元素でもあるため、ともに上限を1.00%とする。
V:0.000%以上、0.050%以下
Vは炭化物の形成を通じて母材強度を向上させるが、多量の添加は合金炭化物形成による靭性の低下を引き起こすため上限を0.050%とする。Ceqを高めることでフェライトの抑制にも寄与するが、Vは高価な合金元素であり他の合金によって代替が可能であることから、下限について特に規制されるものではなく、代替できれば0.000%でも構わないが、皆無化が困難な合金元素であり、不可避的不純物として含まれる量として0.003%を下限とすることが好ましい。
Vは炭化物の形成を通じて母材強度を向上させるが、多量の添加は合金炭化物形成による靭性の低下を引き起こすため上限を0.050%とする。Ceqを高めることでフェライトの抑制にも寄与するが、Vは高価な合金元素であり他の合金によって代替が可能であることから、下限について特に規制されるものではなく、代替できれば0.000%でも構わないが、皆無化が困難な合金元素であり、不可避的不純物として含まれる量として0.003%を下限とすることが好ましい。
Al:0.050%以上、0.085%以下、
Alは脱酸材として有効な元素であるとともに、鋼中Nと結びついてAlNを形成し組織の細粒化に寄与する他、析出処理に於いてAlNとなり、BNの分解に寄与することでBの焼き入れ性を安定化させる作用もあるため0.050%以上が添加されるが、過剰な添加は粗大AlNにより靭性の低下ならびに鋳片の割れを生じるため上限を0.085%とする。
Alは脱酸材として有効な元素であるとともに、鋼中Nと結びついてAlNを形成し組織の細粒化に寄与する他、析出処理に於いてAlNとなり、BNの分解に寄与することでBの焼き入れ性を安定化させる作用もあるため0.050%以上が添加されるが、過剰な添加は粗大AlNにより靭性の低下ならびに鋳片の割れを生じるため上限を0.085%とする。
N:0.0020%以上、0.0070%以下、
Nは合金元素と窒化物・炭窒化物を形成し細粒化に寄与するため0.0020%を下限として添加される。一方で鋼中に過剰に固溶した場合ならびに粗大な窒化物・炭窒化物を形成した場合は靭性を低下させるため、0.0070%を上限とする。
Nは合金元素と窒化物・炭窒化物を形成し細粒化に寄与するため0.0020%を下限として添加される。一方で鋼中に過剰に固溶した場合ならびに粗大な窒化物・炭窒化物を形成した場合は靭性を低下させるため、0.0070%を上限とする。
B:0.0005%以上、0.0020%以下
Bは微量の添加により鋼の焼き入れ性を改善し強度を向上させる元素であり、0.0005%以上が添加される。しかし、添加過剰となった場合は金属の炭硼化物を形成し焼き入れ性が低下するため、上限を0.0020%とする。
Bは微量の添加により鋼の焼き入れ性を改善し強度を向上させる元素であり、0.0005%以上が添加される。しかし、添加過剰となった場合は金属の炭硼化物を形成し焼き入れ性が低下するため、上限を0.0020%とする。
さらに選択元素として、靭性に影響を与える以下の元素を規定する。
Nb:0.001%以上、0.050%以下
Nbは炭窒化物を形成し鋼の内部組織の細粒化に寄与し靭性に影響を与える元素であり0.001%以上を含有させることが出来る。しかし、多量の添加によって生じる粗大な炭窒化物は却って靭性を低下させるため上限を0.050%とする。
Nbは炭窒化物を形成し鋼の内部組織の細粒化に寄与し靭性に影響を与える元素であり0.001%以上を含有させることが出来る。しかし、多量の添加によって生じる粗大な炭窒化物は却って靭性を低下させるため上限を0.050%とする。
Ti:0.001%以上、0.020%以下
Ti/N≦3.4
Tiは安定な窒化物を形成し組織の細粒化に寄与し靭性に影響を与える元素であり、0.001%以上を含有させることが出来る。しかし、Tiの過剰添加は粗大窒化物による靭性低下を生じるため、添加量は0.020%を上限とする。またTiの添加がある場合、TiNの化学量論比を超えて添加した場合、具体的はTi>3.4Nとなった場合には、過剰なTiが炭化物を形成し靭性を低下させるため、Ti≦3.4Nに規制することが好ましい。
Ti/N≦3.4
Tiは安定な窒化物を形成し組織の細粒化に寄与し靭性に影響を与える元素であり、0.001%以上を含有させることが出来る。しかし、Tiの過剰添加は粗大窒化物による靭性低下を生じるため、添加量は0.020%を上限とする。またTiの添加がある場合、TiNの化学量論比を超えて添加した場合、具体的はTi>3.4Nとなった場合には、過剰なTiが炭化物を形成し靭性を低下させるため、Ti≦3.4Nに規制することが好ましい。
Ca:0.0001%以上、0.0030%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、
REM:0.0001%以上、0.0030%以下、
Ca、Mg、REMは何れもSなどの有害不純物と結合し、無害な介在物を形成することで鋼の靭性などの機械的性質を改善させることができるため、0.0001%以上含有させることができる。しかし、過剰に添加すると効果が飽和するばかりか鋳造ノズルなどの耐火物の溶損を助長するため、上限を0.0030%とする。
Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、
REM:0.0001%以上、0.0030%以下、
Ca、Mg、REMは何れもSなどの有害不純物と結合し、無害な介在物を形成することで鋼の靭性などの機械的性質を改善させることができるため、0.0001%以上含有させることができる。しかし、過剰に添加すると効果が飽和するばかりか鋳造ノズルなどの耐火物の溶損を助長するため、上限を0.0030%とする。
次に本発明の鋼板の好ましい製造方法について説明する。
上記の成分の鋼片を鋳造後、前述の式(4)で算出されるAlN固溶温度Ts以上の温度へ加熱・熱間圧延後冷却し、さらに550℃超Ac1未満の温度で、処理温度Tならびに処理時間tpが前述の式(5)を満たすように加熱する析出処理の後、常温まで冷却またはそのまま昇温し、900℃以上950℃以下の温度で前述の式(6)に示す焼入れ保持時間H以上に再加熱し水冷する焼入れ処理、500℃以上550℃以下で焼戻して常温まで冷却することが好ましい。
表1に示す化学成分を有するA1〜A10およびB1〜B24の鋼を溶製して得られた鋼片を、表2に示すNo.1〜10の本発明鋼とNo.11〜45の比較例それぞれの条件で加熱圧延・熱処理を実施し、板厚210mm〜230mmの鋼板を製造した。
その後、全ての鋼板の表面ならびに板厚中心部から試片を採取し、ASTM A370に規定されるブリネル硬さ試験を実施した。表層硬度については、本発明では、脱炭層回避のために表層から0.7〜1mmを除去した位置を表層とし、硬度試験に供した。中心部硬度については、Z方向からの(即ち鋼板表面と平行な面の)硬度を測定できるよう試験片を採取した。ブリネル硬さ試験の判定として、表層硬度および板厚中心部硬度ともにHB350以上であるものを合格とした。
加えて、板厚中心部に於ける-40℃でのC方向吸収エネルギーは、全ての鋼板の板厚中心部からC方向で、ASTM A370に規定されるシャルピー衝撃試験片を採取し、試験を実施した。シャルピー衝撃試験の判定として、−40℃での3本の吸収エネルギーの平均値が47J以上であるものを合格とした。
加えて、板厚中心部に於ける-40℃でのC方向吸収エネルギーは、全ての鋼板の板厚中心部からC方向で、ASTM A370に規定されるシャルピー衝撃試験片を採取し、試験を実施した。シャルピー衝撃試験の判定として、−40℃での3本の吸収エネルギーの平均値が47J以上であるものを合格とした。
組織は、圧延方向に直行する方向に巾方向から観察することで決定した。本鋼材は焼入れ性が非常に高いため、パーライトについては全ての実施例に於いて、少なくとも前記光学顕微鏡観察では0%であった。また、本鋼材は十分に焼戻しを行うため、全ての実施例に於いて残留γは極微量の検出量であったので、実質的に0%とし、表に記載していない。加えて、本鋼材は十分に焼戻しを行うため、全ての実施例に於いて焼戻しされないマルテンサイト、焼戻しされないベイナイトは0%であったため、こちらも表には記載していない。
以下、表1に成分を、表2に製法および材質、評価等を示す。
試験番号1〜10は本発明の化学成分範囲ならびに好適な製造条件を満たすものである。これらの鋼はいずれも表層硬度・中心部硬度・衝撃吸収エネルギーともに目標を満足している。
試験番号11および12はCが本発明の化学成分範囲を逸脱している。試験番号11ではCが低めに外れており焼入れ時の硬度が十分でないことから焼き戻し後も硬度が目標値を満足できていない。一方、試験番号12はCが高めに外れた例であり、破壊起点となる硬質の炭化物析出の影響により衝撃吸収エネルギーが低位である。
試験番号13および14はSiが本発明の化学成分範囲を逸脱している。試験番号13ではSiが低めに外れており、焼入れ性を確保できなくなったことから中心部硬度が目標値を満足できていない。一方、試験番号14はSiが高めに外れた例であり、硬度は十分であるもののSiによる焼戻し脆化の助長により衝撃吸収エネルギーは目標を満足していない。
試験番号15および16はMnが本発明の化学成分範囲を逸脱している。試験番号15ではMnが低めに外れており焼入れ時の硬度が十分でないことから焼き戻し後も中心部硬度が目標値を満足できていない。一方、試験番号16はMnが高めに外れた例であり、焼戻し脆化の助長により衝撃吸収エネルギーが目標値を満足していない。
試験番号17はPが本発明の化学成分範囲を逸脱して高く、硬度は十分であるもののPに起因した脆化によって衝撃吸収エネルギーが目標を満足していない。
試験番号18はSが本発明の化学成分範囲を逸脱して高く、伸長介在物であるMnSの生成によって衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号19はCuが本発明の化学成分範囲を逸脱して高く、析出した金属Cuが脆性破壊起点となったため衝撃吸収エネルギーが目標を満足していない。
試験番号20はNiが本発明の化学成分範囲を逸脱して低く、靭性を向上させる添加量に満たないため衝撃吸収エネルギーが目標を満足していない。
試験番号21および22はCrが本発明の化学成分範囲に逸脱した例である。試験番号21はCrが低めに外れており、十分な焼入れ性及び析出強化作用が得られていないことから中心部硬度が目標を満足できていない。一方で試験番号22はCrが高めに外れており粗大なCr炭化物の析出影響により衝撃吸収エネルギーが目標を満足していない。
試験番号23および24はMoが本発明の化学成分範囲に逸脱した例である。試験番号23はMoが低めに外れており、十分な焼入れ性及び析出強化作用が得られていないことから中心部硬度が目標を満足できていない。一方で試験番号24はMoが高めに外れており粗大なMo炭化物の析出影響により衝撃吸収エネルギーが目標値を満足していない。
試験番号25はVが本発明の化学成分範囲を逸脱して高く、Vの粗大な炭化物・窒化物が脆性破壊起点となったことから衝撃吸収エネルギーが目標を満足していない。
試験番号26および27はAlが本発明の化学成分範囲を逸脱した例である。試験番号26はAlが低めに外れた例であり、ピン止めに有効なAlNを確保できず、かつ余剰のNがBと結びつくことで焼入れ性向上効果を低減させたため、中心部硬度および衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。一方で試験番号25はAlが高めに外れた例であり、AlNが過度に粗大化することで脆性破壊起点となったため衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号28および29はNが本発明の化学成分範囲を逸脱した例である、試験番号26はNが低めに外れた例であり、窒化物・炭窒化物の生成量が不十分であることからピン止め効果が弱く、結晶粒の粗粒化により衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。一方で試験番号29はNが高めに外れた例であり、窒化物・炭窒化物の過度な粗大化により、衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号30および31はBが本発明の化学成分範囲を逸脱している。試験番号30はBが低めに外れた例であり、焼入れ性に必要な固溶B量を確保できなくなった結果、中心部硬度および衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。一方で試験番号31はBを過剰に添加した例であり、金属元素の炭硼化物が析出することで衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号32は個々の成分範囲は本発明の範囲内であるものの、Ceqが本発明の好適範囲を逸脱して低く、焼入れ性の低下により組織にフェライトを生じた結果、中心部硬度および衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号33および34は個々の成分範囲ならびにCeqは本発明の範囲内であるものの、パラメータ式4×f/gが本発明の好適範囲を逸脱して低く、焼き入れ性の向上と比して析出元素による硬化作用が大きくなったため衝撃吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号35は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、圧延前の加熱温度が固溶温度Tsを下回っており、未固溶の粗大AlNが残存することで脆性破壊起点となったため吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号36および37は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、析出処理温度が本発明の好適範囲を逸脱している。試験番号36は析出処理温度が低かった例であり、十分なAlNの析出が行われずピン止めに有効なAlNを確保できなかったことから吸収エネルギーが目標を満足できていない。一方で試験番号37は析出処理温度がAc1を超えた例であり、α-γ二相域での保持により局所的にAlNの粗大化を生じたため吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号38は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、析出処理の温度ならびに時間が本発明の好適範囲を下回っており、十分なAlNの析出が行われずピン止めに有効なAlNを確保できなかったことから吸収エネルギーが目標を満足できていない。
試験番号39は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、焼入れ温度が本発明の好適範囲を下回っており、合金元素の固溶が十分になされなかったことから焼入れ性が低く、フェライトの生成により中心部硬度ならびに吸収エネルギーが目標を満足出来ていない。
試験番号40は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、焼入れ温度が本発明の好適範囲を上回っており、結晶粒の過度な粗大化を生じたことから吸収エネルギーが目標を満足出来ていない。
試験番号41は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、焼入れ保持時間が本発明の好適範囲を下回っており、合金元素の固溶が十分になされなかったことから焼入れ性が低く、フェライトの生成により中心部硬度ならびに吸収エネルギーが目標を満足出来ていない。
試験番号42は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、焼戻し温度が好適範囲を下回っており、焼き戻し脆化を生じたことから、吸収エネルギーが目標を満足出来ていない。
試験番号44は成分範囲は本発明の範囲内であるものの、焼戻し温度が好適範囲を上回っており、合金炭化物の析出硬化作用が減じられたため、中心部硬度が目標を満足出来ていない。
Claims (4)
- 鋼の成分が質量%で、
C:0.16%以上、0.20%以下、
Si:0.50%以上、1.00以下、
Mn:0.90%以上、1.50%以下、
P:0.000%以上、0.010%以下、
S:0.000%以上、0.002%以下、
Cu:0.00%以上、0.40%以下、
Ni:0.20%以上、1.00%以下、
Cr:0.60%以上、1.00%以下、
Mo:0.60%以上、1.00%以下、
V::0.000%以上、0.050%以下、
Al:0.050%以上、0.085%以下、
N:0.0020%以上、0.0070%以下、
B:0.0005%以上、0.0020%以下、
残Feおよび不可避的不純物からなり、
焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトが面積率で99%以上であって、フェライト・パーライト・残留オーステナイト・焼戻しされない組織などのその他組織が1面積%未満であり、
下記式(1)で示すCeqが0.750以上、0.800以下を満足し、さらに下式(2)で示す値fおよび下式(3)で示す値gが4×f/gが9.00以上を満足し、板厚中心部に於ける-20℃でのC方向シャルピーの3点平均が47J以上であり、表層ならびに板厚中心部の硬度がHBで350以上であることを特徴とする、板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高強度鋼板。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (1)
f=4C+Si+2Mn+Ni+2Cr+5Mo (2)
g=2Cr+3Mo+5V (3)
ここで、各式の各元素記号は、その成分の質量%を意味する。 - 上記成分に加えてさらに、
Nb:0.001%以上、0.050%以下、
Ti:0.001%以上、0.020%以下、
Ca:0.0001%以上、0.0030%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、
REM:0.0001%以上、0.0030%以下、
のうち1種類以上を含有し、かつTiを含有する場合はTi/N≦3.4を満たすことを特徴とする請求項1に記載の板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高強度鋼板。 - 鋼の成分が質量%で、
C:0.16%以上、0.20%以下、
Si:0.50%以上、1.00以下、
Mn:0.90%以上、1.50%以下、
P:0.000%以上、0.010%以下、
S:0.000%以上、0.002%以下、
Cu:0.00%以上、0.40%以下、
Ni:0.20%以上、1.00%以下、
Cr:0.60%以上、1.00%以下、
Mo:0.60%以上、1.00%以下、
V::0.000%以上、0.050%以下、
Al:0.050%以上、0.085%以下、
N:0.0020%以上、0.0070%以下、
B:0.0005%以上、0.0020%以下、
残Feおよび不可避的不純物からなる成分の鋼を下式(4)で算出されるAlN固溶温度Ts以上の温度へ加熱・熱間圧延後冷却し、さらに550℃超Ac1未満の温度で、処理温度Tならびに処理時間tpが下式(5)を満たすように加熱する析出処理の後、常温まで冷却またはそのまま昇温し、900℃以上950℃以下の温度で下式(6)に示す焼入れ保持時間H以上に再加熱し水冷する焼入れ処理を施し、500℃以上550℃以下で焼戻して常温まで冷却することを特徴とする、板厚中心部の硬度および低温靭性に優れた板厚200mm超の高強度鋼板の製造方法。
Ts=7400/(1.95−log10[Al][N]) (4)
Log10(tp)+0.012×T≧8.7 (5)
H=0.033(950−Tq)2+(1.5f)2/10 (6)
ここでTsはAlNの固溶温度(℃)、[Al]、[N]は各元素の質量%であり、Tは析出処理温度(℃)、tpは析出処理時間(Hr)であり、Hは焼入れ保持時間(分)、Tqは焼入れ保持温度(℃)、fは上式(2)で得られる値である。 - 上記成分に加えてさらに、
Nb:0.001%以上、0.050%以下、
Ti:0.001%以上、0.020%以下、
Ca:0.0001%以上、0.0030%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0030%以下、
REM:0.0001%以上、0.0030%以下、
のうち1種類以上を含有し、かつTiを含有する場合はTi/N≦3.4を満たすことを特徴とする請求項3に記載の硬度および低温靭性ならびに溶接部靭性に優れた板厚200mm超の高強度鋼板の製造方法。
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