JP2019168525A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体の剥離性能を良好に保ちながら定着ベルトの回転負荷の増加を抑制することができる定着装置を提供する。【解決手段】定着装置7は、軸周りに回転しながらシートS上のトナー像を加熱する定着ベルト21と、軸周りに回転しながら定着ベルト21との間に加圧領域Nを形成し、加圧領域Nを通過するシートS上のトナーを加圧する加圧ローラー22と、定着ベルト21を挟んで加圧部材Nに対向して配置され、定着ベルト21を加圧ローラー22に押し付ける押圧パッド28と、押圧パッド28よりもシートSの通過方向下流側において定着ベルト21を挟んで加圧ローラー22に対向して配置されている可動部材40と、可動部材40を一方向に移動させて定着ベルト21を加圧ローラー22の側に押し出し、可動部材40を他方向に移動させて定着ベルト21の押し出しを解除する押出調整部41と、を備えている。【選択図】図7

Description

本発明は、媒体にトナー像を定着させる定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、媒体にトナー像を熱定着させる定着装置を備えている。
例えば、特許文献1に記載の定着装置は、定着ベルトと加圧ロールとの定着ニップ部間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着像とするものである。定着ベルトの内部には、シリコーンゴム等の弾性層を有するパッド部材が設けられている。パッド部材の表面は、相対する定着ベルトとは反対の曲率を有する円弧状になっている。また、パッド部材は、定着ニップ部の出口側に相当する側の弾性層の厚さが、入口側よりも厚くなるように構成されている。すなわち、定着ベルトの曲率が定着ニップ部の内部とその出口近傍で反転するように構成されている。この定着装置では、定着ニップ部の出口近傍において定着ベルトを凸形状とすることで、薄い記録媒体が定着ベルトから適切に分離されていた。
特開2004−205538号公報
しかしながら、上記した定着装置では、定着ベルトを凸形状とすることで薄い記録媒体の剥離性能を良好にすることができたが、この定着ベルトの凸形状では、普通紙等の標準的な記録媒体や厚い記録媒体に対して適正な定着像を形成することができない虞があった。すなわち、標準的な記録媒体等は、薄い記録媒体よりもコシが強いため定着ベルトから分離し易く、定着ベルトの凸形状によって必要以上に早く定着ベルトから分離してしまう虞があった。その結果、定着像に不良が発生する可能性があった。また、定着ニップ部の出口近傍に相当する部分において定着ベルトが常に凸形状とされるため、定着ベルトとパッド部材との間に常に高い摩擦抵抗(回転負荷)が作用することになる。その結果、定着ベルト等の劣化が進行し易いという問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するために、媒体の剥離性能を良好に保ちながら定着ベルトの回転負荷の増加を抑制することができる定着装置および画像形成装置を提供する。
上記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、軸周りに回転しながら媒体上のトナー像を加熱する定着ベルトと、軸周りに回転しながら前記定着ベルトとの間に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体上のトナーを加圧する加圧部材と、前記定着ベルトを挟んで前記加圧部材に対向して配置され、前記定着ベルトを前記加圧部材に押し付ける押圧部材と、前記押圧部材よりも前記媒体の通過方向下流側において前記定着ベルトを挟んで前記加圧部材に対向して配置されている可動部材と、前記可動部材を一方向に移動させて前記定着ベルトを前記加圧部材の側に押し出し、前記可動部材を他方向に移動させて前記定着ベルトの押し出しを解除する押出調整部と、を備えている。
この場合、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を他方に押し付けて前記加圧領域を加圧し、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方の押し付けを解除して前記加圧領域を減圧する圧力調整部を更に備え、前記押出調整部は、前記圧力調整部による前記加圧領域の圧力調整に連動して、前記可動部材を前記定着ベルトに押し付けた押付位置と、前記定着ベルトに対する前記可動部材の押し付けを解除した解除位置と、の間で前記可動部材を移動させ、前記押出調整部は、前記圧力調整部によって前記加圧領域が加圧された状態で前記可動部材を前記押付位置に配置して前記定着ベルトを前記加圧部材の側に押し出し、前記圧力調整部によって前記加圧領域が加圧された状態で前記可動部材を前記解除位置に配置して前記定着ベルトの押し出しを解除し、前記圧力調整部によって前記加圧領域が減圧された状態で前記可動部材を前記解除位置に配置して前記定着ベルトの押し出しを解除することが好ましい。
この場合、前記圧力調整部は、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を支持する部材に接触しながら軸周りに正逆回転し、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を他方に接近または離間させる偏心カムと、前記偏心カムを回転駆動させる駆動源と、を含み、前記押出調整部は、前記駆動源からの駆動力によって前記偏心カムと連動して正逆回転する連動カムと、前記連動カムが接触しながら回転することで支点部を中心に揺動する第1リンクと、前記第1リンクが接触しながら揺動することで軸方向に移動する第2リンクと、前記可動部材を他方向に向かって付勢する付勢部材と、前記第2リンクに設けられ、前記第2リンクが軸方向一方に移動した場合に前記付勢部材の付勢力に抗して前記可動部材を一方向に押し出し、前記第2リンクが軸方向他方に移動した場合に前記可動部材に対する押し出しを解除する押出カムと、を含んでいることが好ましい。
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかの定着装置を備えている。
本発明によれば、媒体の剥離性能を良好に保ちながら定着ベルトの回転負荷の増加を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンターの内部構造を示す概略図(正面図)である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の圧力調整部等(加圧状態)を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の圧力調整部等(減圧状態)を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置であって、連動移動部の可動部材を解除位置に配置した状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置であって、連動移動部の可動部材を解除位置に配置した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置であって、連動移動部の可動部材を押付位置に配置した状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置であって、連動移動部の可動部材を押付位置に配置した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置であって、加圧領域を減圧状態とし、連動移動部の可動部材を解除位置に配置した状態を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、シートSの搬送方向(通過方向)の「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
[カラープリンターの概要]
図1を参照して、画像形成装置の一例としてのカラープリンター1について説明する。図1はカラープリンター1の内部構造を示す概略図(正面図)である。
カラープリンター1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下部には、紙製のシートS(媒体)を収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂製のシート等であってもよい。
カラープリンター1は、給紙装置5と、作像装置6と、定着装置7と、を装置本体2の内部に備えている。給紙装置5は、給紙カセット3から排紙トレイ4までの間に延びた搬送路Pの上流端部に設けられている。定着装置7は搬送路Pの下流側に設けられ、作像装置6は搬送路Pにおいて給紙装置5と定着装置7との間に設けられている。
作像装置6は、4つのトナーコンテナ10と、中間転写ベルト11と、4つのドラムユニット12と、光走査装置13と、を含んでいる。4つのトナーコンテナ10には、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)のトナー(現像剤)が収容されている。ドラムユニット12は、感光体ドラム14と、帯電装置15と、現像装置16と、一次転写ローラー17と、クリーニング装置18と、を含んでいる。一次転写ローラー17は、感光体ドラム14との間に中間転写ベルト11を挟むように設けられている。中間転写ベルト11の右側には、二次転写ローラー19が接触して転写ニップを形成している。
カラープリンター1の制御装置(図示せず)は各装置を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。帯電装置15は、感光体ドラム14の表面を帯電させる。感光体ドラム14は、光走査装置13から出射された走査光を受け、静電潜像を担持する。現像装置16は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム14上の静電潜像をトナー像に現像する。一次転写ローラー17は、感光体ドラム14上のトナー像を回転する中間転写ベルト11に一次転写する。中間転写ベルト11は、回転しながら4色のトナー像を重ねたフルカラーのトナー像を担持する。シートSは、給紙装置5によって給紙カセット3から搬送路Pに送り出される。二次転写ローラー19は、転写ニップを通過するシートSに中間転写ベルト11上のトナー像を二次転写する。定着装置7は、トナー像をシートSに定着させる。その後、シートSは排紙トレイ4に排出される。クリーニング装置18は感光体ドラム14上に残ったトナーを除去する。
[定着装置]
図2ないし図4を参照して、定着装置7について詳細に説明する。図2は定着装置7を模式的に示す断面図である。図3は定着装置7を模式的に示す平面図である。図4は圧力調整部25等(加圧状態)を示す正面図である。
図2および図3に示すように、定着装置7は、筐体20と、定着ベルト21と、加圧ローラー22と、発熱部23と、押圧構造24と、圧力調整部25と、連動移動部26と、を備えている。筐体20は、装置本体2に支持されている(図1参照)。定着ベルト21および加圧ローラー22は、筐体20の内部にて軸周りに回転可能に設けられている。発熱部23は、定着ベルト21を加熱するための熱源である。押圧構造24は、定着ベルト21の内側(内部空間)に設けられている。圧力調整部25は、定着ベルト21に対する加圧ローラー22の接触圧を調整するためのユニットである。連動移動部26は、圧力調整部25に連動して定着ベルト21の形状を変更するためのユニットである。
<筐体>
筐体20は前後方向に長い略直方体状に形成され、筐体20の内部にはシートSが通過する搬送路Pの一部が形成されている(図1参照)。図2に示すように、筐体20の下側には、定着ベルト21と加圧ローラー22との接触部分(加圧領域N)に向けてシートSを案内するガイド板20Aが設けられている。筐体20の上側には、加圧領域Nを通過したシートSを定着ベルト21から剥がすための分離爪20Bが設けられている。
<定着ベルト>
図2および図3に示すように、定着ベルト21は、無端状のベルトであって、前後方向に長い略円筒状に形成されている。定着ベルト21は、例えば、耐熱性および弾性を有する合成樹脂等で形成されている。なお、定着ベルト21の前後両端部には、一対のキャップCPが取り付けられている(図3参照)。
<加圧ローラー>
加圧部材の一例としての加圧ローラー22は、前後方向に長い略円筒状に形成され、定着ベルト21の右側に配置されている。加圧ローラー22は、金属製の芯金22Aと、その外周面に積層されたシリコンスポンジ等の弾性層22Bと、を含んでいる。加圧ローラー22(芯金22A)には、ギア列(図示せず)を介して駆動モーターMが接続されている。加圧ローラー22(芯金22A)の軸方向両端部は一対の可動フレーム20Cに回転可能に支持されている(図3参照)。可動フレーム20Cは、例えば、金属材料によって形成され、筐体20に揺動可能に支持されている。加圧ローラー22は、軸周りに回転しながら定着ベルト21との間に加圧領域Nを形成する機能を有している。なお、加圧領域Nとは、圧力が0Paである上流側の位置から圧力が作用する位置を経由して再び圧力が0Paとなる下流側の位置までの領域を指している。
<発熱部>
図2に示すように、発熱部23は、定着ベルト21を挟んで加圧ローラー22の反対側(左側)に配置されている。発熱部23は、コイルホルダー23Aと、IHコイル23Bと、アーチコア23Cと、を含んでいる。コイルホルダー23Aは、定着ベルト21の外面に沿うように前後方向に長い略半円筒状に形成され、定着ベルト21との間に隙間を挟んで配置されている。IHコイル23Bは、コイルホルダー23Aに保持され、フェライト等の強磁性体で形成されたアーチコア23Cに覆われている。なお、熱源として誘導加熱型の発熱部23を定着ベルト21の外側に配置したが、これに代えて、定着ベルト21の内部にハロゲンヒーターやカーボンヒーター等を配置してもよい。
<押圧構造>
図2および図3に示すように、押圧構造24は、支持部材27と、押圧パッド28と、ベルトガイド29と、が設けられている。
(支持部材)
支持部材27は、例えば、金属材料によって前後方向(軸方向)延びた略角筒状に形成されている。支持部材27は定着ベルト21を軸方向に貫通し、支持部材27の軸方向両端部は定着ベルト21よりも外側に延びて筐体20に固定されている(図3参照)。支持部材27は、一対のキャップCPを介して定着ベルト21を回転可能に支持している。
(押圧パッド)
押圧部材の一例としての押圧パッド28は、例えば、耐熱性を有する硬質の合成樹脂等によって軸方向に長い略直方体状に形成されている。押圧パッド28は、加圧ローラー22よりも軸方向に長く、定着ベルト21よりも軸方向に短く形成されている。押圧パッド28は、定着ベルト21を挟んで加圧ローラー22に対向して配置され、支持部材27に固定されている。押圧パッド28は、押圧面28Aを定着ベルト21の内周面に接触させ、定着ベルト21を加圧ローラー22に押し付ける機能を有している。なお、押圧パッド28の外周には、定着ベルト21との摩擦抵抗を低減させるための摺動シートが巻かれている(図示せず)。
押圧パッド28の加圧ローラー22側の面(以下、「押圧面28A」ともいう。)は、加圧ローラー22の外周面に倣って略円弧状に窪んでいる。すなわち、押圧面28Aの加圧領域Nの入口側(上流側)と出口側(下流側)とは、加圧領域Nの中間領域よりも加圧ローラー22側に突き出している。押圧パッド28(押圧面28A)は、定着ベルト21の曲率を、加圧領域Nの入口側と中間領域とで反転させ、且つ加圧領域Nの中間領域と出口側とで反転させるように形成されている。なお、加圧領域Nでは、中間領域よりも入口側(上流側)および出口側(下流側)で圧力が高くなる。
(ベルトガイド)
ベルトガイド29は、例えば、磁性を有するステンレス等の金属材料によって軸方向に長い略半円筒状に形成されている。ベルトガイド29の一端部は支持部材27に固定され、ベルトガイド29の湾曲面は押圧パッド28とは反対側となる定着ベルト21の内周面に接触している。ベルトガイド29は、定着ベルト21を略円筒形状に維持する機能等を有している。
<圧力調整部>
図3および図4に示すように、圧力調整部25は、一対の調整アーム30と、一対の調整バネ31と、一対の偏心カム32と、カムモーター33と、を含んでいる。
(調整アーム)
調整アーム30は、可動フレーム20Cを挟んで加圧ローラー22の反対側(右側)に配置されている。調整アーム30は、可動フレーム20Cの回動軸20Dに回動可能に支持されている。一対の調整アーム30の下部には、一対の作動コロ34が回転可能に支持されている。なお、調整アーム30や作動コロ34は、例えば、金属材料によって形成されている。
(調整バネ)
調整バネ31は、所謂コイルスプリングであって、調整アーム30の下部に配置されている。調整バネ31は、可動フレーム20Cと調整アーム30との間に架設されている。調整バネ31は、可動フレーム20Cと調整アーム30とを互いに引き離す方向に付勢している。
(偏心カム)
一対の偏心カム32は、一対の調整アーム30に対応するように前後方向に延びたカム連結軸35に固定されている。カム連結軸35は、加圧ローラー22の右側で、加圧ローラー22と略平行に設けられている。カム連結軸35の軸方向両端部(前後両端部)は、筐体20に回転可能に支持されている。なお、偏心カム32やカム連結軸35は、例えば、金属材料によって形成されている。
偏心カム32は、回転中心(カム連結軸35)から外周面までの距離(偏心半径)を不定とした所謂円板カムである。上記した一対の調整アーム30の作動コロ34は、それぞれ、調整バネ31に付勢されて偏心カム32の外周面(カム面)に押し付けられている。偏心カム32の周面には、加圧カム面F1と減圧カム面F2とを含む曲面が連続して形成されている。加圧カム面F1の偏心半径は、減圧カム面F2の偏心半径よりも大きく形成されている。なお、偏心カム32は、加圧カム面F1と減圧カム面F2とを含む全ての範囲で偏心半径を連続的に増減させた曲面形状を有している。
駆動源の一例としてのカムモーター33は、カム連結軸35の前端部にギア列(図示せず)を介して接続されている。カムモーター33は、偏心カム32(カム連結軸35)を回転駆動させる。
<圧力調整部の作用>
次に、図4および図5を参照して、圧力調整部25の作用について説明する。図5は圧力調整部25等(減圧状態)を示す正面図である。なお、本実施形態の説明では、図4および図5において、時計回りの回転を「正回転」と呼び、反時計回りの回転を「逆回転」と呼び、両方に往復する回転を「正逆回転」と呼ぶ。
図4に示すように、偏心カム32の加圧カム面F1が作動コロ34に接触した状態では、調整アーム30および可動フレーム20Cが左方向に押し付けられている。このため、加圧ローラー22は定着ベルト21に食い込むように強く押し付けられ、加圧領域Nにおける圧力が増加する(加圧状態)。
図5に示すように、減圧カム面F2が作動コロ34に接触するまで偏心カム32が逆回転すると、調整アーム30および可動フレーム20Cは右方向に移動する。このため、加圧ローラー22は定着ベルト21から離れる方向に移動し、加圧領域Nにおける圧力が減少する(減圧状態)。なお、減圧状態から偏心カム32が正回転して、加圧カム面F1が作動コロ34に接触すると、再び加圧領域Nが加圧状態になる(図4参照)。
以上のように、偏心カム32は、加圧ローラー22を支持する部材(可動フレーム20Cや調整アーム30等)に接触しながら軸周りに正逆回転し、定着ベルト21に対して加圧ローラー22を昇降(接近または離間する方向に移動)させる。このようにして、圧力調整部25は、加圧ローラー22を定着ベルト21に押し付けて加圧領域Nを加圧し、加圧ローラー22の押し付けを解除して加圧領域Nを減圧する。
<連動移動部>
次に、図3、図6ないし図8を参照して、連動移動部26について説明する。図6は連動移動部26の可動部材40を解除位置P1に配置した状態を示す斜視図である。図7は連動移動部26の可動部材40を解除位置P1に配置した状態を示す断面図である。図8は連動移動部26の可動部材40を押付位置P2に配置した状態を示す斜視図である。
なお、筐体20には、定着ベルト21の表面温度を検知するための温度センサー(図示せず)が設けられている。駆動モーターM、発熱部23(IHコイル23B)、カムモーター33および温度センサー等は、各種の駆動回路(図示せず)を介してカラープリンター1の制御装置に電気的に接続されている。
図6および図7に示すように、連動移動部26は、可動部材40と、押出調整部41と、を含んでいる。可動部材40は、加圧領域Nの出口よりも僅かに下流側(加圧領域Nの出口近傍)において定着ベルト21を内側から押し出すための部材である。押出調整部41は、圧力調整部25に連動して可動部材40を移動させるためのユニットである。
(可動部材)
図6および図7に示すように、可動部材40は、例えば、押圧パッド28と同一素材によって軸方向に長い略板状に形成されている。可動部材40は、押圧パッド28よりも下流側において定着ベルト21を挟んで加圧ローラー22に対向して配置されている(図7参照)。
可動部材40は、押圧パッド28の下流側の側端面に沿って移動可能に設けられている。図7に示すように、押圧パッド28の下流側の側端面には左右方向に延びた複数(例えば前後一対)の第1案内溝G1が凹設されており、可動部材40には複数の第1案内溝G1にスライド可能に係合する複数(例えば前後一対)の凸条部40Aが形成されている(図7では片方のみを図示した。)。可動部材40は、凸条部40Aを第1案内溝G1に係合させることで第1案内溝G1に案内されながら移動するように構成されている。
(押出調整部)
図6および図7に示すように、押出調整部41は、連動カム42と、第1リンク43と、第2リンク44と、前後一対の可動用付勢部材45と、前後一対の押出カム46と、を含んでいる。
(連動カム)
図6および図8に示すように、連動カム42は、後方に配置された偏心カム32の後端面と一体成型されている(金属製)。連動カム42は、偏心カム32の後端面において加圧カム面F1の近傍から後方に突設されている。連動カム42は、加圧カム面F1の輪郭に沿って湾曲した突起である。図8に示すように、連動カム42の先端には、第1押出面42Aと第1傾斜面42Bとが連続して形成されている。第1押出面42Aは、連動カム42の最先端に位置し、偏心カム32の後端面と平行に形成されている。第1傾斜面42Bは、加圧カム面F1から減圧カム面F2に回転する方向に下り勾配となるように(基端側に傾斜するように)形成されている。
(第1リンク)
図3および図6に示すように、第1リンク43は、例えば金属材料によって、左右方向に延びた略棒状に形成されている。第1リンク43は、圧力調整部25から支持部材27の近傍までに亘って延びている。第1リンク43の右端部には支点部43Aが形成され、支点部43Aは筐体20に回転可能に支持されている。また、第1リンク43には、連動カム42(第1押出面42Aと第1傾斜面42B)に接触する第1カムフォロア50が突設されている。第1カムフォロア50は、第1リンク43の前側面に一体に形成された突起である。
また、図3に示すように、第1リンク43と筐体20との間には、第1リンク43を連動カム42に向かって付勢する第1付勢部材47が架設されている。第1付勢部材47は、所謂コイルスプリングであって、第1カムフォロア50を連動カム42のカム面に押し付ける機能を有している。
(第2リンク)
図6および図7に示すように、第2リンク44は、例えば金属材料によって、定着ベルト21と平行に延びた略棒状に形成されている。第2リンク44は、支持部材27と可動部材40との間に配置されている。第2リンク44は、定着ベルト21を前後方向に貫通している(図3参照)。第2リンク44の後端部は定着ベルト21よりも外側に延びて第1リンク43の先端部に当接している(図3および図6参照)。
第2リンク44は、押圧パッド28の下流側の側端面に沿って軸方向に移動可能に設けられている。図7に示すように、押圧パッド28の下流側の側端面には前後方向に延びた複数(例えば前後一対)の第2案内溝G2が凹設されており、第2リンク44には複数の第2案内溝G2にスライド可能に係合する複数(例えば前後一対)の案内凸部44Aが形成されている(図7では片方のみを図示した。)。可動部材40は、案内凸部44Aを第2案内溝G2に係合させることで第2案内溝G2に案内されながら移動するように構成されている。
また、図3に示すように、第2リンク44の前端部は定着ベルト21よりも外側に延びている。第2リンク44の前端部と筐体20との間には、第2リンク44を第1リンク43に向かって付勢する第2付勢部材48が架設されている。第2付勢部材48は、所謂コイルスプリングであって、第2リンク44を第1リンク43に押し付ける機能を有している。なお、第2付勢部材48は、第1付勢部材47よりも小さい(弱い)付勢力に設定されている。
(可動用付勢部材)
図7に示すように、一対の可動用付勢部材45は、例えば、捩りコイルばねであって、押圧パッド28の前後両端部に設けられている(図7では片方のみを図示した。)。一対の可動用付勢部材45は、可動部材40を定着ベルト21から引き離す方向(他方向)に向かって付勢する機能を有している。
(押出カム)
図6に示すように、一対の押出カム46は、第2リンク44の前後両側に一体成型されている(金属製)。押出カム46は、第2リンク44から可動部材40に向かって突設されている。押出カム46の先端には、第2押出面46Aと第2傾斜面46Bとが連続して形成されている。第2押出面46Aは、押出カム46の最先端に位置し、可動部材40の左側面と平行に形成されている。第2傾斜面46Bは、第2押出面46Aから後方に下り勾配となるように(基端側に傾斜するように)形成されている。
また、可動部材40の第2リンク44との対向面(左側面)には、一対の第2カムフォロア51が一体成型されている。一対の第2カムフォロア51は、第2リンク44の一対の押出カム46に対応する位置に形成され、可動部材40の左側面から第2リンク44に向かって突設されている。第2カムフォロア51は押出カム46を点対称となるように反転したような形状であって、第2カムフォロア51の先端には押出対向面51Aと傾斜対向面51Bとが連続して形成されている。
[連動移動部の作用]
ここで、図6ないし図10を参照して、連動移動部26の作用について説明する。図9は連動移動部26の可動部材40を押付位置P2に配置した状態を示す断面図である。図10は加圧領域Nを減圧状態とし、連動移動部26の可動部材40を解除位置P1に配置した状態を示す斜視図である。
連動移動部26の押出調整部41は、可動部材40を右方向(一方向)に移動させて定着ベルト21を加圧ローラー22の側に押し出し、可動部材40を左方向(他方向)に移動させて定着ベルト21の押し出しを解除する機能を有している。連動カム42は、カムモーター33からの駆動力によって偏心カム32と連動して(一体となって)正逆回転する。第1リンク43は、連動カム42が第1カムフォロア50に接触しながら回転することで支点部43Aを中心に揺動する。第2リンク44は、第1リンク43が接触しながら揺動することで軸方向(前後方向)に移動する。押出カム46は、第2リンク44が後方(軸方向一方)に移動した場合に可動用付勢部材45の付勢力に抗して可動部材40を右方向(一方向)に押し出し、第2リンク44が前方(軸方向他方)に移動した場合に可動部材40に対する押し出しを解除する。以下、連動移動部26の作用を更に詳細に説明する。
図6および図7に示すように、加圧領域Nが加圧状態(加圧カム面F1が作動コロ34に接触した状態)になると、第1リンク43の第1カムフォロア50は、連動カム42の第1傾斜面42Bの直前部分に対向している。第1カムフォロア50は連動カム42から離れているため、第1リンク43は第1付勢部材47に付勢されて前方に回動した位置に配置されている。第2リンク44は、第1リンク43に押され、第2付勢部材48の付勢力に抗して前方にスライドした位置に配置されている。この状態で、押出カム46は可動部材40の第2カムフォロア51の前方に外れた位置に移動しているため、可動部材40は可動用付勢部材45に付勢されて定着ベルト21の内面から僅かに離れた(定着ベルト21に対する押し付けを解除した)解除位置P1に移動している。可動部材40が解除位置P1に移動したことによって、第2カムフォロア51の傾斜対向面51Bが押出カム46の第2傾斜面46Bに面接触している。なお、第2リンク44は第1付勢部材47と第2付勢部材48との付勢力が均衡する位置で停止するため、第2傾斜面46Bと傾斜対向面51Bとが面接触した状態が維持される。
次に、図8および図9に示すように、加圧領域Nを加圧状態に維持しつつ更に偏心カム32が回転すると、第1リンク43の第1カムフォロア50は連動カム42の第1傾斜面42B上を相対的に移動して第1押出面42Aに接触した状態になる。すると、第1リンク43は第1付勢部材47の付勢力に抗して押し出されて後方に回動し、第2リンク44は第2付勢部材48に付勢されて後方にスライドする。押出カム46(第2傾斜面46B)が可動部材40の第2カムフォロア51の傾斜対向面51B上を移動し、第2押出面46Aが可動部材40の第2カムフォロア51の押出対向面51Aに接触した状態になる。この状態で、可動部材40は、可動用付勢部材45の付勢力に抗して定着ベルト21の内面に押し付けられた押付位置P2に移動している。定着ベルト21は押付位置P2に配置された可動部材40によって加圧ローラー22の側に押し出されるため、加圧領域Nの出口よりも僅かに下流側(出口近傍)において定着ベルト21に凸形状21Aが形成される(図9参照)。なお、凸形状21Aは加圧ローラー22に接触していないため、凸形状21Aが加圧領域Nを構成することはない。
次に、図10に示すように、加圧領域Nが加圧状態から減圧状態(減圧カム面F2が作動コロ34に接触した状態)に遷移すると、第1リンク43の第1カムフォロア50は、連動カム42の各カム面(42A,42B)上を移動して連動カム42から離間する。すると、第1リンク43は、第1付勢部材47に付勢されて前方に回動し、第2付勢部材48の付勢力に抗して第2リンク44を前方にスライドさせる。この状態で、押出カム46は可動部材40の第2カムフォロア51の前方に外れて第2カムフォロア51の傾斜対向面51Bが押出カム46の第2傾斜面46Bに面接触し、可動部材40は可動用付勢部材45に付勢されて解除位置P1に移動している。
以上のように、連動移動部26の押出調整部41は、圧力調整部25による加圧領域Nの圧力調整に連動して、可動部材40を定着ベルト21に押し付けた押付位置P2と、定着ベルト21に対する可動部材40の押し付けを解除した解除位置P1と、の間で可動部材40を移動させる。また、押出調整部41は、圧力調整部25によって加圧領域Nが加圧された状態で可動部材40を押付位置P2に配置して定着ベルト21を加圧ローラー22の側に押し出す(図9参照)。また、押出調整部41は、圧力調整部25によって加圧領域Nが加圧された状態で可動部材40を解除位置P1に配置して定着ベルト21の押し出しを解除する(図7参照)。さらに、押出調整部41は、圧力調整部25によって加圧領域Nが減圧された状態で可動部材40を解除位置P1に配置して定着ベルト21の押し出しを解除する。
[定着装置の作用]
次に、定着装置7の作用(定着処理)について説明する。なお、定着処理を実施する場合、加圧領域Nは加圧状態とされている。
まず、制御装置は、駆動モーターMやIHコイル23B等を駆動制御する。加圧ローラー22は駆動モーターMの駆動力を受けて回転し、定着ベルト21は加圧ローラー22に従動して回転する(図2の矢印参照)。図2に示すように、定着ベルト21は、加圧領域Nにおいて加圧ローラー22と押圧パッド28との間に挟まれて押圧面28Aに倣って湾曲しながら移動する。
次に、IHコイル23Bは、電源(図示せず)から電力の供給を受けて磁界を発生させ、定着ベルト21を誘導加熱する。ベルトガイド29は、定着ベルト21を透過した漏洩磁束を吸収して自己発熱し、定着ベルト21の加熱を補助する。温度センサーは、定着ベルト21の表面温度を検出し、入力回路を介して検出信号を制御装置に送信する。制御装置は、温度センサーから設定温度(例えば150〜200℃)に達したことを示す検出信号を受信すると、その設定温度を維持するようにIHコイル23Bを制御しながら、既に説明した画像形成処理の実行を開始する。トナー像が転写されたシートSは筐体20の内部に進入する。定着ベルト21は、軸周りに回転しながら加圧領域Nを通過するシートS上のトナー(トナー像)を加熱する。加圧ローラー22は、軸周りに回転しながら加圧領域Nを通過するシートS上のトナーを加圧する。すると、トナー像がシートSに定着する。そして、トナー像が定着したシートSは、筐体20の外部に送り出されて排紙トレイ4に排出される。
ところで、加圧領域Nから排出されたシートSは、定着ベルト21の曲率変化を利用して定着ベルト21から剥離される。すなわち、定着ベルト21は加圧領域Nの中間領域と出口側とで曲率を反転させた形状であるため、シートS自体のコシ(剛性)によって加圧領域Nの出口側における定着ベルト21の変形に倣うことができず、シートSが定着ベルト21から分離するようになっている。例えば、普通紙や厚紙等の比較的コシの強いシートSであれば、上記した原理によってシートSを定着ベルト21から分離することができる。しかし、例えば、薄紙等の比較的コシの弱いシートSは、溶融したトナーを介して定着ベルト21に貼り付いてしまい、定着ベルト21から剥がれずに定着ベルト21の変形に倣って搬送されてしまう虞があった。そこで、この定着装置7では、押出調整部41がシートSの厚みに応じて定着ベルト21の曲率変化量を変更するように構成されている。
例えば、普通紙等の比較的コシの強いシートSに画像形成(定着処理)を行う場合、制御装置は、カムモーター33を駆動制御して偏心カム32を回転させて、偏心カム32の加圧カム面F1が作動コロ34に接触した状態、且つ第1リンク43の第1カムフォロア50が連動カム42から外れた状態にする(図6および図7参照)。これにより、可動部材40は解除位置P1に配置され、凸形状21Aの無い通常の定着ベルト21の曲率変化が構成される。この状態で、制御装置は、上記した画像形成処理(定着処理)を実行する。加圧領域Nから排出されたシートSは、通常の定着ベルト21(押圧面28A)の曲率変化を利用して定着ベルト21から剥離される。
例えば、薄紙等の比較的コシの弱いシートSに画像形成(定着処理)を行う場合、制御装置は、カムモーター33を駆動制御して偏心カム32を回転させて、偏心カム32の加圧カム面F1が作動コロ34に接触した状態、且つ連動カム42の第1押出面42Aが第1リンク43の第1カムフォロア50に接触した状態にする(図8および図9参照)。これにより、可動部材40は、押付位置P2に配置され、定着ベルト21の加圧領域Nの出口近傍に凸形状21Aを形成する(図9参照)。この凸形状21Aによって加圧領域Nの出口近傍で定着ベルト21の曲率の変化量が増加する。この状態で、制御装置は、上記した画像形成処理(定着処理)を実行する。加圧領域Nから排出されたシートSは、定着ベルト21の凸形状21Aによって排出方向を加圧ローラー22の側に向けられて凸形状21Aに倣うことができないため、自然と定着ベルト21から剥離される。
なお、画像形成(定着処理)を停止または休止する場合、制御装置は、カムモーター33を駆動制御して偏心カム32を回転させて、偏心カム32の減圧カム面F2が作動コロ34に接触した状態にする(図10参照)。
以上説明した本実施形態に係る定着装置7では、押出調整部41が可動部材40を移動させて定着ベルト21の押出量を調整する構成とした。この構成によれば、可動部材40によって定着ベルト21を加圧ローラー22の側に押し出して加圧領域Nの出口近傍に凸形状21Aを形成することができる。これにより、加圧領域Nから排出されたシートSの搬送方向を加圧ローラー22の側に向けることができる。また、このシートSは凸形状21Aに倣うことができず貼り付き難いため、例えば、コシの弱い薄いシートSであっても定着ベルト21から適切に分離することができる。一方で、可動部材40による定着ベルト21の押し出しを解除して加圧領域Nの出口近傍に凸形状21Aを無くすこともできる。これにより、例えば、コシの強いシートSを定着ベルトから適切に分離することができる。以上のように、シートSの厚み(コシの強弱)に応じて定着ベルト21の形状を変更することができるため、シートSの厚み等に関わらず、シートSの剥離性能を良好に保つことができる。その結果、適正な定着処理を行うことができ、良好な定着画像を得ることができる。
また、必要な場合にのみ定着ベルト21に凸形状21Aが形成されるため、定着ベルト21と押圧パッド28との間に高い摩擦抵抗(回転負荷)が作用する時間を低減することができる。これにより、定着ベルト21の回転負荷の増加が抑制されるため、定着ベルト21、押圧パッド28および可動部材40等の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る定着装置7では、圧力調整部25による加圧領域Nの圧力調整に連動して、押出調整部41が、可動部材40を移動させて定着ベルト21の押出量を調整する構成とした。この構成によれば、シートSの厚み等に応じて、加圧領域Nの圧力と、加圧領域Nの出口近傍における定着ベルト21の押出量とを同時期に調整することができる。これにより、シートSの剥離性能を良好に保ちながら適正な定着処理を行うことができる。また、定着装置7の停止時(休止時)には、加圧領域Nを減圧し、且つ可動部材40を解除位置P1に配置することができるため、定着ベルト21に無駄な荷重がかかることを予防することができる。これにより、定着ベルト21等の劣化が抑制され、定着ベルト21等の高寿命化を図ることができる。
また、本実施形態に係る定着装置によれば、カムモーター33の駆動力を、偏心カム32に加えて、連動カム42および各リンク43,44等を介して可動部材40に伝達することができる。また、圧力調整部25のカムモーター33を押出調整部41の連動カム42の駆動源として兼用することができる。これにより、偏心カム32と連動カム42とを異なる別々のモーターで回転させる場合に比べて、製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態に係る定着装置7では、可動部材40が押圧パッド28に移動可能に支持されていたが、これに限らず、例えば、可動部材40は支持部材27に移動可能に支持されていてもよい(図示せず)。また、これと同様に、第2リンク44が支持部材27に移動可能に支持されていてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る定着装置7では、押出調整部41が、2つの位置(解除位置P1または押付位置P2)の間で可動部材40を移動させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、押出調整部は、連動カムのカム面のプロファイルを変更して、3箇所以上の間で可動部材40を移動させる構成としてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る定着装置7では、押出調整部41がカム機構やリンク機構の組み合わせで構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の押出調整部として、ソレノイドやラックアンドピニオン機構等を利用して可動部材40を移動させてもよい(図示せず)。また、本実施形態に係る定着装置7では、第1リンク43と第2リンク44とが別々の部材として構成されていたが、これに限らず、第1リンク43と第2リンク44とを連結して一体の部材としてもよい。
また、本実施形態に係る定着装置7では、連動カム42が偏心カム32と一体成型されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、連動カム42が、偏心カム32とは別の独立したカムとして設けられて、カム連結軸35に固定されていてもよい(図示せず)。また、第1リンク43の第1カムフォロア50が省略され、連動カム42が第1リンク43に直接接触していてもよい。また、可動部材40には、第2カムフォロア51に代えて、押出カム46を逃すための凹部が形成されていてもよい(図示せず)。この場合、押出カム46が凹部に入り込むと、可動部材40は解除位置P1に配置され、押出カム46が凹部から外れて可動部材40に接触すると、可動部材40は押付位置P2に配置されることになる。
また、本実施形態に係る定着装置7では、カムモーター33によって圧力調整部25と押出調整部41とが連動するように構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、偏心カム32と連動カム42とを、別々の軸に支持させて別々のモーターで回転駆動してもよい。つまり、圧力調整部25による加圧領域Nの圧力調整と、押出調整部41による可動部材40を移動(定着ベルト21の押出量調整)とが、別個独立して実行される構成としてもよい。
また、本実施形態に係る定着装置7では、圧力調整部25が調整アーム30や調整バネ31を介して加圧ローラー22を移動させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、調整アーム30や調整バネ31等を省略し、偏心カム32が、加圧ローラー22の芯金22Aまたは芯金22Aを軸支するベアリング等に接触しながら回転することで、加圧ローラー22(可動フレーム20C)を移動させてもよい。
また、本実施形態に係る定着装置7では、圧力調整部25が加圧ローラー22を移動させて定着ベルト21に押し付けていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧力調整部25は、定着ベルト21を加圧ローラー22に押し付けて加圧領域Nを加圧し、定着ベルト21の押し付けを解除して加圧領域Nを減圧するように構成されてもよい。また、本実施形態に係る定着装置7では、加圧ローラー22が回転駆動されていたが、これに限らず、定着ベルト21が回転駆動されてもよい。
また、上記実施形態の説明では、一例として、本発明をカラープリンター1に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る定着装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
1 カラープリンター(画像形成装置)
7 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラー(加圧部材)
25 圧力調整部
26 押圧パッド(押圧部材)
32 偏心カム
33 カムモーター(駆動源)
40 可動部材
41 押出調整部
42 連動カム
43 第1リンク
43A 支点部
44 第2リンク
45 可動用付勢部材(付勢部材)
46 押出カム
N 加圧領域
P2 押付位置
P1 解除位置
S シート(媒体)

Claims (4)

  1. 軸周りに回転しながら媒体上のトナー像を加熱する定着ベルトと、
    軸周りに回転しながら前記定着ベルトとの間に加圧領域を形成し、前記加圧領域を通過する前記媒体上のトナーを加圧する加圧部材と、
    前記定着ベルトを挟んで前記加圧部材に対向して配置され、前記定着ベルトを前記加圧部材に押し付ける押圧部材と、
    前記押圧部材よりも前記媒体の通過方向下流側において前記定着ベルトを挟んで前記加圧部材に対向して配置されている可動部材と、
    前記可動部材を一方向に移動させて前記定着ベルトを前記加圧部材の側に押し出し、前記可動部材を他方向に移動させて前記定着ベルトの押し出しを解除する押出調整部と、を備えていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を他方に押し付けて前記加圧領域を加圧し、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方の押し付けを解除して前記加圧領域を減圧する圧力調整部を更に備え、
    前記押出調整部は、
    前記圧力調整部による前記加圧領域の圧力調整に連動して、前記可動部材を前記定着ベルトに押し付けた押付位置と、前記定着ベルトに対する前記可動部材の押し付けを解除した解除位置と、の間で前記可動部材を移動させ、
    前記押出調整部は、
    前記圧力調整部によって前記加圧領域が加圧された状態で前記可動部材を前記押付位置に配置して前記定着ベルトを前記加圧部材の側に押し出し、
    前記圧力調整部によって前記加圧領域が加圧された状態で前記可動部材を前記解除位置に配置して前記定着ベルトの押し出しを解除し、
    前記圧力調整部によって前記加圧領域が減圧された状態で前記可動部材を前記解除位置に配置して前記定着ベルトの押し出しを解除することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記圧力調整部は、
    前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を支持する部材に接触しながら軸周りに正逆回転し、前記定着ベルトと前記加圧部材の何れか一方を他方に接近または離間させる偏心カムと、
    前記偏心カムを回転駆動させる駆動源と、を含み、
    前記押出調整部は、
    前記駆動源からの駆動力によって前記偏心カムと連動して正逆回転する連動カムと、
    前記連動カムが接触しながら回転することで支点部を中心に揺動する第1リンクと、
    前記第1リンクが接触しながら揺動することで軸方向に移動する第2リンクと、
    前記可動部材を他方向に向かって付勢する付勢部材と、
    前記第2リンクに設けられ、前記第2リンクが軸方向一方に移動した場合に前記付勢部材の付勢力に抗して前記可動部材を一方向に押し出し、前記第2リンクが軸方向他方に移動した場合に前記可動部材に対する押し出しを解除する押出カムと、を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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