JP2019167848A - 内燃機関システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの燃焼切替時の移行期間におけるエンジンからの排ガスのNOx濃度の増加を抑制するとともに、当該移行期間中の積算NOx排出量の増加を抑制できる内燃機関システムを提供する。【解決手段】内燃機関システム10は、エンジン12と、三元触媒38及びNOx還元触媒40と、排気還流装置50と、排気還流量調整弁54と、ターボチャージャ60と、タービンバイパス流路36及びウエストゲートバルブ42と、吸気絞り弁26と、エンジン12の燃焼モードを切り替える燃焼切替制御装置11と、を備える。燃焼切替制御装置11は、移行期間において、排ガス再循環率が所定の第1目標値になるようにリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程と、ストイキ燃焼条件を維持しながら排ガス再循環率を低減する排ガス再循環率切替工程と、を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関システムに係り、特に、排ガス浄化触媒として三元触媒及びNOx還元触媒を備える内燃機関システムに関する。
特許文献1には、有害排気ガス低減のため、三元触媒コンバータを備えた圧縮着火エンジンが記載されている。この圧縮着火エンジンにおいて、低エンジン負荷の第1モードでは、エンジンはNOxの排出を減らすために、通常のディーゼル燃焼状態で高い排ガス再循環(EGR)率で運転される。また、中間から高エンジン負荷の第2モードでは、エンジンは、三元触媒コンバータを用いてNOxの排出を低減することができる化学量論的な状態で運転される。また、非常に高いエンジン負荷及び/またはエンジン速度の第3モードでは、エンジンは最大トルクを得るために通常のディーゼル燃焼状態及び低EGR率で運転される。
特許文献2には、ストイキよりリッチな燃焼領域とリーン燃焼領域との間の燃焼領域切換時において、排気浄化装置下流のNOx排出量及びトルク変動量をオンラインで推定した推定値に基づき、NOx排出量及びトルク変動量を低減すべく、燃焼室に吸入される吸入空気量を通常時とは異なる態様で制御する燃焼制御手段を備えるエンジンの制御装置が記載されている。これにより、燃焼領域切換時の排気エミッションの悪化と運転性の悪化を防止するとされている。
特開2012−197794号公報 国際公開第2005/075803号パンフレット
特許文献1の技術では、NOx還元触媒を廃止するとともに、エンジン負荷に応じてリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとで切り替え、ストイキ燃焼モードでは三元触媒を用いることでNOx排出量の低減を図っている。
ところで、特許文献1等の従来技術では、リーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える際、三元触媒が機能するストイキ燃焼領域よりリーン側の燃焼領域において一時的にエンジン排ガス中のNOx濃度が増加し、積算NOx排出量が増加する問題がある。しかしながら、特許文献1には、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの切り替え時における制御に関する言及はない。
特許文献2には、ストイキよりリッチな燃焼領域とリーン燃焼領域との間の切替え時において、混合気の空燃比、エンジン回転数、トルク及びEGR量に基づくNOx排出量の推定と、例えば吸気弁のリフト量の調整により吸入空気量を制御して行う三元触媒入口の空燃比の短時間での切替えにより、NOx排出量を低減する方法が記載されている。しかしながら、特許文献2には、ストイキ燃焼領域とリーン燃焼領域とを切り替える移行期間におけるNOx排出量を低減するための制御について具体的な言及はなく、また、外部EGR装置又は過給器の制御を伴う場合についての具体的な言及もない。
本発明の課題は、ストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの燃焼切替時の移行期間におけるエンジンからの排ガスのNOx濃度の増加を抑制するとともに、当該移行期間中の積算NOx排出量の増加を抑制できる内燃機関システムを提供することにある。
本発明に係る第1の内燃機関システムは、エンジンと、エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒及びNOx還元触媒と、NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御部と、エンジンの排ガスの一部を再循環する排気還流装置と、エンジンに再循環させる排ガス量を調整する排気還流量調整装置と、エンジンに吸気される空気を過給する過給装置と、過給装置による過給圧を調整する過給圧調整装置と、吸気される空気量を調整する空気量調整装置と、温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、及び、噴射制御部から取得された燃料噴射量に基づいて、エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御部と、を備える。燃焼切替制御部は、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ切り替える移行期間において、排気還流量調整装置、過給圧調整装置及び空気量調整装置を制御することにより、排ガス再循環率が所定の第1目標値になるように、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程と、空燃比切替工程の後、ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を第1目標値から所定の第2目標値にまで低減する排ガス再循環率切替工程と、を行う。
本発明に係る第2の内燃機関システムは、エンジンと、エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒及びNOx還元触媒と、NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御部と、エンジンの排ガスの一部を再循環する排気還流装置と、エンジンに再循環させる排ガス量を調整する排気還流量調整装置と、エンジンに吸気される空気を過給する過給装置と、過給装置による過給圧を調整する過給圧調整装置と、吸気される空気量を調整する空気量調整装置と、温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、及び、噴射制御部から取得された燃料噴射量に基づいて、エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御部と、を備える。燃焼切替制御部は、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替える燃焼切替時において、排気還流量調整装置、過給圧調整装置及び空気量調整装置を制御して、ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を所定の第1目標値にまで増加する排ガス再循環率切替工程と、排ガス再循環率切替工程の後、排ガス再循環率を第1目標値から所定の第2目標値にまで増加するとともに、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程と、を行う。
本発明に係る内燃機関システムによれば、NOx濃度の増加を抑制する所定の目標EGR率となるようにリーン燃焼条件とストイキ燃焼条件とを切り替える工程と、ストイキ燃焼条件を維持して三元触媒によるNOx浄化を機能させながらEGR率の調整する工程とで構成された燃焼切替制御を行うことにより、燃焼切替時の移行期間におけるエンジンからの排ガスのNOx濃度の増加を抑制することができ、その結果、当該移行期間中の積算NOx排出量の増加を抑制することができる。
実施形態に係る内燃機関システムの全体構成を概略的に示す図である。 エンジンの空燃比、NOx排出量及び過給圧の関係を示すグラフである。 エンジンの吸気酸素濃度とNOx排出量との関係を示すグラフである。 実施形態の一例に係る燃料切替制御による各パラメータの変化を示すグラフである。 図1に示す内燃機関システムの燃焼切替制御装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態の他の例に係る燃料切替制御による各パラメータの変化を示すグラフである。 図1に示す内燃機関システムの燃焼切替制御装置において実行される処理の他の例を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
また、以下においては、エンジンが圧縮点火型のディーゼルエンジンである場合について説明するが、これに限定されず、本発明は火花点火型のガソリンエンジンを含む内燃機関システムに適用されてもよい。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の内燃機関システム10の全体構成を概略的に示す図である。内燃機関システム10は、エンジン12、燃焼切替制御装置(燃焼切替制御部)11、燃料噴射装置16及び噴射制御装置(噴射制御部)18を備える。本実施形態では、エンジン12は、圧縮点火型のディーゼルエンジンであり、例えば4つのシリンダ14を含む。各シリンダ14には、燃料噴射装置16がそれぞれ設置されている。各燃料噴射装置16は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けた噴射制御装置18によって、燃料及び噴射の回数、量及び時期が制御される。
また、内燃機関システム10は、さらにエンジン12に装着された回転数センサ(回転数取得手段)20を備える。回転数センサ20は、エンジン12の各シリンダ内のピストンに連結されているクランク軸の回転数をエンジン回転数Neとして取得する機能を有する。回転数センサ20によって取得されたエンジン回転数Neは、エンジン12における燃焼モード切替等のために燃焼切替制御装置11に送信される。
内燃機関システム10は、さらに吸気系21、排気系30、排気還流装置50、及び、ターボチャージャ(過給装置)60を備える。
吸気系21は、エンジン12に空気を供給するための空気通路である。吸気系21における空気の吸気方向が矢印Aで示される。吸気系21は、第1吸気通路22及び第2吸気通路24を含む。第1吸気通路22は、一端が図示しないフィルタ等を介して大気開放され、他端がターボチャージャ60のコンプレッサ室62に接続されている。第2吸気通路24は、一端が上記コンプレッサ室62に接続され、他端がエンジン12の吸気ポートに接続されている。第2吸気通路24には、吸気絞り弁26が設けられている。
吸気絞り弁26は、エンジン12に吸気される空気量を調整する空気量調整装置であり、例えば、電磁開閉弁によって好適に構成される。本実施形態では、吸気絞り弁26はターボチャージャ60のコンプレッサ室62近傍に設置されている。吸気絞り弁26は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けて開度調整される。
排気系30は、エンジン12から排気される排ガスを外部に排出するための排ガス通路である。排気系30は、第1排気通路32、第2排気通路34及びタービンバイパス流路36を含む。第1排気通路32は、一端がエンジン12の排気ポートに接続され、他端がターボチャージャ60のタービン室64に接続されている。第2排気通路34は、一端が上記タービン室64に接続され、他端が図示しないマフラ(または消音器)を介して大気開放されている。
第2排気通路34には、三元触媒38及びNOx還元触媒40が設けられている。排ガスは、これらの三元触媒38及びNOx還元触媒40を通過する間に、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等が排ガス中から除去・浄化されて大気排出される。なお、本実施形態では、三元触媒38及びNOx還元触媒40の他の触媒(例えば、HCトラップ触媒や微粒子フィルタ(DPF))を設けていないが、他の触媒を更に設けてもよい。
三元触媒38は、排ガス中に含まれるHC、CO、NOxを酸化・還元作用によって除去・浄化する機能を有し、その浄化効率は空燃比が化学量論比であるストイキ燃焼条件(ストイキ燃焼領域)のときに高くなり、高温でも比較的高く維持できる。これに対し、NOx還元触媒40は、主として排ガス中のNOxを還元作用によって除去・浄化する機能を有し、その浄化効率は、空燃比が化学量論比よりもリーン側であるリーン燃焼条件(リーン燃焼領域)での運転時においても非常に高いが、高温になると若干低くなる傾向にある。
本実施形態では、NOx還元触媒40として、選択還元型触媒(SCR)が好適に用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、NOx還元触媒40は、吸蔵還元型触媒(NSR)によって構成されてもよいし、あるいは、SCRとNSRとの組合せにより構成されてもよい。なお、これらの三元触媒、SCR及びNSRには、公知または今後開発される如何なる触媒が用いられてもよい。
NOx還元触媒40には、温度センサ41が配置されている。温度センサ41は、NOx還元触媒40の温度Tgを取得する温度取得手段を構成する。温度センサ41は、NOx還元触媒40の内部温度を検出するように配置されるのが好ましい。温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒40の温度Tgは、燃焼切替制御装置11に送信される。なお、本実施形態では、NOx還元触媒40の温度Tgを温度センサ41で検出する例について説明するが、これに限定されるものではなく、第1排気通路32または第2排気通路34を流れる排ガスの温度に基づいて燃焼切替制御装置11がNOx還元触媒温度Tgを予測してもよい。
本実施形態では、NOx還元触媒40が、排ガス排出方向(矢印E方向)に関して、三元触媒38の下流側に配置されている。換言すれば、三元触媒38が排ガス排出方向Eに関してNOx還元触媒40の上流側に配置されている。三元触媒38は、NOx還元触媒40に比べて、高温耐性が高く、かつ、高温でもNOx等の汚染物質の浄化特性が維持されるため、より高温の排ガスに晒される上流側に配置するのが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、NOx還元触媒40が三元触媒38の上流側に配置されてもよい。
タービンバイパス流路36は、ターボチャージャ60のタービン室64の上流側で第1排気通路32に接続され、他端が三元触媒38の排ガス排出方向Eの上流側で第2排気通路34に接続されている。タービンバイパス流路36には、ウエストゲートバルブ42が設けられている。ウエストゲートバルブ42は、ターボチャージャ60による吸気の過給圧を調整する機能を有する。また、ウエストゲートバルブ42は、上記過給圧が規定値以上になることを防止して、エンジン12及びターボチャージャ60が損壊しないように保護する機能を有する。
ウエストゲートバルブ42は、例えば、電磁開閉弁によって好適に構成される。ウエストゲートバルブ42は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けて開度調整される。ウエストゲートバルブ42の開度が大きくなると、タービン室64内に流入することなくタービンバイパス流路36を通って第2排気通路34にバイパスされる排ガスが増加する。これにより、エンジン12及びターボチャージャ60が損壊しないように保護される。本実施形態におけるタービンバイパス流路36及びウエストゲートバルブ42は、本発明における「過給圧調整装置」に相当する。
第2吸気通路24と第1排気通路32との間には、排気還流装置50が設けられている。排気還流装置50は、第1排気通路32と第2吸気通路24の吸気絞り弁26よりも下流側とを接続する排気還流通路52と、この排気還流通路52の途中に設置された排ガス還流量調整弁(排気還流量調整装置)54とを含む。排ガス還流量調整弁54は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けて開度調整される。このようにして排ガス還流量調整弁54が開度調整されることで、第1排気通路32から排気還流通路52を介して第2吸気通路24に還流または再循環する排ガス量が調整される。
ターボチャージャ60は、コンプレッサ室62に収容されたコンプレッサホイール63と、タービン室64に収容されたタービン65と、コンプレッサホイール63とタービン65とを連結するシャフト66とを備える。第1排気通路32からタービン室64内のタービン65に排ガスが噴き付けることによってタービン65が回転し、この回転動力がシャフト66を介してコンプレッサホイール63に伝達される。これにより、コンプレッサホイール63が回転駆動され、第2吸気通路24を介してエンジン12に供給される空気が加圧(すなわち過給)される構成となっている。
燃焼切替制御装置11は、例えば、処理装置、記憶部、及び、I/Oインターフェースなどを備えるマイクロコンピュータによって好適に構成される。処理装置は、記憶部に記憶されたプログラムやデータ等を読み出して実行する。記憶部は、RAMやROM等の記憶素子で構成され、プログラムを記憶するとともに、回転数センサ20で取得されて送信されるエンジン回転数Ne、温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒温度Tg、マップ及び所定値等を記憶する。
燃焼切替制御装置11は、エンジン12の各シリンダ14への燃料噴射の回数、量や噴射時期を制御するための指令信号を噴射制御装置18に送信する。また、燃焼切替制御装置11は、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54のそれぞれに対して開度調整信号を送信し、各弁の開度を調整する。なお、燃焼切替制御装置11は、噴射制御装置18と一体のチップとして構成されてもよいし、あるいは、別体のチップとして構成されてもよい。
次に、本実施形態の内燃機関システム10において燃焼切替制御装置11が実行する燃焼切替制御について、詳しく説明する。図2は、本実施形態に係る燃焼切替制御の一例を示すグラフである。図2のグラフでは、空燃比(A/F)を横軸に、エンジン12からの排出直後の排ガス(エンジン出ガス)におけるNOxの濃度(単位:g/kWh)を縦軸にそれぞれ示している。
図2のグラフ中、A点はリーン燃焼モード、即ち本実施形態の燃焼切替制御の開始点の座標を示し、B点は本実施形態の燃焼切替制御における第1工程から第2工程への中継点(後述)の座標を示し、C点はストイキ燃焼モード、即ち本実施形態の燃焼切替制御の終了点の座標を示している。なお、図2のグラフでは、燃料噴射装置16からの燃料噴射量mは一定とされている。
リーン燃焼モード(A)とストイキ燃焼モード(C)との間の燃焼切替えは、燃料噴射装置16からの燃料噴射量mが一定である場合、吸気バルブ閉鎖(IVC)時の過給圧(吸気圧)Pと、EGR率(egr)とを調整することにより、行われる。リーン燃焼モード(A)では、排気還流装置50により所定のEGR率(egr)で排ガスが再循環され、ターボチャージャ60により所定の過給圧(P)で過給されることにより、空燃比が(A/F)に調整されるものとする。また、ストイキ燃焼モード(C)においても同様に、排気還流装置50により所定のEGR率(egr)で排ガスが再循環され、ターボチャージャ60により所定の過給圧(P)で過給されることにより、空燃比が化学量論比(14.6)である空燃比(A/F)stoichに調整されるものとする。この場合、燃料噴射量mfが一定であるため、ストイキ燃焼モード(C)のEGR率及び過給圧は共にリーン燃焼モード(A)よりも低下する(egr>egr、P>P)。その結果、図2に示すように、ストイキ燃焼モード(C)では、エンジン出ガスのNOx濃度がリーン燃焼モード(A)に比べて増加することになる。しかしながら、空燃比が化学量論比であるストイキ燃焼モード(C)では、三元触媒38が機能してエンジン出ガス中のNOxを浄化するため、三元触媒38及びNOx還元触媒40通過後のテイルパイプでの排ガスのNOx濃度は、エンジン出ガスに比して格段に低減する(図4(g)参照)。
ここで、図2に破線で示すように、ただ単にリーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)へと切り替える場合(A→C)を考える。このリーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)へ切り替える移行期間では、EGR率の低下に伴い、ストイキ燃焼モード(C)に近づくにつれてエンジン出ガス中のNOx濃度が増加する。ところが、当該移行期間中の空燃比は化学量論比よりも高いため、三元触媒38を適切に機能させ、エンジン出ガス中のNOxを還元により浄化することができず、排ガスはそのままのNOx濃度でテイルパイプから排出されることになる。したがって、上記の場合、リーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)への移行期間中の積算NOx排出量が増加してしまう。
そこで、本実施形態では、リーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)への燃焼切替制御を、排ガス再循環率が所定の目標値になるように、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程(以下「第1工程」と記載)と、ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を低減する排ガス再循環率切替工程(以下「第2工程」と記載)の2工程に分けて行うものとする。具体的には、図2に示すように、ストイキ燃焼条件の空燃比((A/F)stoich)であり、所定のEGR率(egr)を有する中継点(B)を設定し、EGR率及び過給圧の制御により、第1工程ではリーン燃焼モード(A)から中継点(B)に切り替え、続く第2工程では、ストイキ燃焼条件の空燃比を維持しながら中継点(B)からストイキ燃焼モード(C)へと切り替える。
中継点(B)のEGR率(egr)は、例えば、エンジン12に導入される吸気酸素濃度xに基づいて設定される。図3は、エンジン12の吸気酸素濃度xとエンジン出ガス中のNOx濃度との関係を示すグラフである。図3のグラフに示すように、燃料噴射量m一定、即ち等トルクである場合、エンジン出ガス中のNOx濃度と吸気酸素濃度xとは強い相関を有し、エンジン出ガス中のNOx濃度は吸気酸素濃度xによってほぼ決定されることが知られている(自動車技術会論文集、Vol.43(2012年)、No.1、109〜114頁)。そこで、例えば、第1工程の第1目標EGR率(第1目標値)として、リーン燃焼モード(A)時の吸気酸素濃度xi0に基づいて、第1工程前後の吸気酸素濃度が同等となるEGR率(egr)を設定する。すると、第1工程では、リーン燃焼モード(A)から設定したEGR率(egr)を有する中継点(B)に向けて、空燃比をストイキ燃焼条件にまで低下させる間、図2に示すように、エンジン出ガスのNOx濃度が一定となる。よって、この間の積算NOx排出量の増加が抑えられる。
第1工程が終了すれば(中継点(B))、ストイキ燃焼条件となるため、三元触媒38を適切に機能させ、エンジン出ガス中のNOxを浄化することができる。そのため、EGR率をegrから第2目標EGR率(第2目標値)であるegrにまで低下させ、中継点(B)からストイキ燃焼モード(C)へと切り替える第2工程では、エンジン出ガスのNOx濃度は増加するものの、三元触媒38の浄化機能により、テイルパイプでの排ガス中のNOx濃度は低減される。このように、本実施形態に係る燃焼切替制御では、吸気酸素濃度に基づいて設定した第1目標EGR率を有する中継点(B)に向けてリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える第1工程と、ストイキ燃焼条件を維持しながらEGR率を第2目標EGR率にまで低下させる第2工程とを実行することにより、テイルパイプにおける積算NOx排出量の増加を抑制することができる。
本実施形態に係る燃焼切替制御装置11が実行する燃焼切替制御の作用について、図4を参照しながら詳しく説明する。図4の各グラフにおいて、横軸は時間の経過を示し、縦軸は燃焼切替制御による各パラメータの変化を示している。即ち、燃焼切替制御が、時刻t0において開始し、時刻t2において終了したことを示す。図4(a)は燃焼切替制御による空燃比の変化を、図4(b)は同じくEGR率の変化を、図4(c)は同じく過給圧の変化を、図4(d)は同じく吸気酸素濃度の変化を、図4(e)は同じくエンジン出ガスのNOx濃度の変化を、図4(f)は同じく三元触媒のNOx浄化率の変化を、図4(g)は同じくテイルパイプにおける排ガスのNOx濃度の変化を、それぞれ示す。
図4の各グラフ中の実線は、本実施形態に係る燃焼切替制御による変化を示しており、時刻t0まではリーン燃焼モード(A)でエンジン12が運転され、時刻t0〜t2の移行期間において、第1工程(t0〜t1)と第2工程(t1〜t2)とで構成される燃焼切替制御が実行され、時刻t2より後、ストイキ燃焼モード(C)でエンジン12が運転されたことを示す。
リーン燃焼モード(A)では、空燃比が(A/F)であり、EGR率がegrであり、過給圧がPであり、吸気酸素濃度がxi0である。本実施形態に係る燃焼切替制御が開始されると(時刻t0)、EGR率及び過給圧を低減しながら、空燃比をストイキ燃焼条件である(A/F)stoichにまで低減する第1工程に入る。図4(a)〜(d)に示すように、第1工程では、第1目標EGR率egr及び第1目標過給圧Pに向かってEGR率及び過給圧が低減されるが、これら第1目標EGR率egr及び第1目標過給圧Pは、第1工程終了時の吸気酸素濃度xi1がリーン燃焼モード(A)の吸気酸素濃度xi0と同等に維持されるように、予め設定された値である。EGR率及び過給圧が低下して、空燃比、EGR率及び過給圧が各目標値(図2における中継点B)に到達すると、第1工程が終了する(時刻t1)。時刻t0からt1までの第1工程の間、図4(d)及び(e)に示すように吸気酸素濃度が一定に維持されるため、エンジン出ガスのNOx濃度は増加しない。よって、図4(g)に示すように、第1工程では、リーン燃焼モード(A)と同程度のテイルパイプでのNOx排出量を維持したまま、リーン燃焼条件((A/F))からストイキ燃焼条件((A/F)stoich)にエンジン12の運転条件が切り替えられる。
続いて、空燃比をストイキ燃焼条件に維持しながらEGR率を低減する第2工程に入る。第2工程では、EGR率及び過給圧が第2目標EGR率egr及び第2目標過給圧Pのそれぞれに低減される。第2目標EGR率egrは、第2工程後のストイキ燃焼モード(C)でのEGR率であり、エンジン出ガスの温度又はNOx還元触媒温度Tg等に基づいて設定された値であり、第2目標過給圧Pは第2目標EGR率egrによって決定される。第2工程において、EGR率及び過給圧が低下して各目標値に到達すると、第2工程が終了し(時刻t2)、エンジン12はストイキ燃焼モード(C)で運転される。図4(f)に示すように、第1工程から第2工程に移る中継点(B)の周辺で空燃比が化学量論比に近い値となるため、三元触媒38が機能してエンジン出ガス中のNOxが浄化される。そのため、第2工程ではEGR率及び過給圧の低下により吸気酸素濃度が増加することに伴い、エンジン出ガスのNOx濃度が増加する(図4(e))ものの、三元触媒38の浄化機能により、テイルパイプでのNOx排出量は低減される(図4(g))。
一方、図4の各グラフ中の破線は、本実施形態のように2工程で構成される燃焼切替制御を行わず、ただ単にリーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)へと切り替える制御を実行した場合の各パラメータの変化を示すものである(図2参照)。この例では、リーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)へと切り替える移行期間の開始時(t0)における空燃比及びEGR率の目標値をストイキ燃焼モード(C)における空燃比((A/F)stoich)及びEGR率(egr)に設定し、EGR率及び過給圧を低減する燃焼切替制御が実行される。すると、図4(a)〜(d)において破線で示すように、移行期間(t0→t2)において、EGR率及び過給圧の低下により吸気酸素濃度が増加し、これに伴い、エンジン出ガスのNOx濃度が増加する。ところが、時刻t2の近傍を除く移行期間の大部分では、空燃比が化学量論比の近傍になく(図4(a))、三元触媒がNOx浄化機能を発揮しない(図4(f))。そのため、図4(g)に示すように、エンジン出ガス中のNOx濃度が増加した分、テイルパイプにおける排ガスのNOx濃度が増加し、テイルパイプでの積算NOx排出量が増加してしまう。
それに対して、本実施形態に係る燃焼切替制御では、リーン燃焼モード(A)からストイキ燃焼モード(C)への燃焼切替時において、上述の第1工程及び第2工程とを行うことにより、単にストイキ燃焼モード(C)における空燃比及びEGR率を目標値として設定して1つの工程で燃焼モードを切り替える場合と比較して、図4(g)における破線で囲われた領域に相当する積算NOx排出量を低減することができる。
上述の本実施形態に係る燃焼切替制御における各目標値の設定について説明する。燃焼切替制御装置11は、まず、リーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度xi0を取得し、吸気酸素濃度xi0に基づいて第1工程の目標値となる吸気酸素濃度xi1が設定される。吸気酸素濃度xi,O2は、例えば、次式から求めることができる。
式(1)中、(A/F)はリーン燃焼モードにおける空燃比を、(A/F)stoichは化学量論比(14.6)を、egrはリーン燃焼モードにおけるEGR率を、ηcombは燃焼効率をそれぞれ表す。ここで式(1)は、下記のようにして導出される。まず、エンジン出ガスの酸素モル分率xe,o2を下記式(2)より求める。
式中、Wは空気の平均分子量を、Weは再循環された排ガスの平均分子量を、maはシリンダ14内の空気の質量を、meはシリンダ14内の再循環された排ガスの質量を、mfは噴射された燃料の質量を、それぞれ表す。Wa=Weとして上記式(2)を整理すると、下記式(3)が得られる。
上記式に、ma/mf=A/Fを代入すると、下記式(4)が得られる。
エンジン12への吸気の酸素モル分率xi,o2は、下記式(5)より求めることができる。
上記式(5)において、Wa=Weとし、egr=me/(ma+me)と式(4)とを代入し、さらに大気中の酸素の体積割合を21%とすることにより、上記式(1)が得られる。
式(1)中の空燃比A/Fは、例えば、公知の空燃比センサを用いて、または、公知の方法により推定された推定空燃比として燃焼切替制御装置11により取得される。空燃比センサは、例えば、第1排気通路32のうち、エンジン12の各シリンダ14の排出ポートから排出された排ガスが集合する部分に設けられ、検出した排ガスの酸素濃度に対応する信号を燃焼切替制御装置11に送信する。リーン燃焼モードにおけるEGR率(egr)は、例えば、リーン燃焼モード時に燃焼切替制御装置11が設定されて記憶部に記憶された値を用いることができる。或いは、第1吸気通路22、第2吸気通路24、第1排気通路32及び排気還流通路52に設けられた圧力センサ、酸素濃度センサ及び流量計等の各種センサから取得された値に基づいて、燃焼切替制御装置11によりEGR率(egr)が推定されてもよい。また、燃焼効率ηcombは、例えば、大気条件とエンジン回転と負荷からの推定式もしくはマップ値により取得される。
リーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度xi0に基づいて、燃焼切替制御装置11は、第1工程の目標値となる吸気酸素濃度xi1を設定する。図4(d)及び(e)に示すように、第1工程前後におけるエンジン出ガスのNOx濃度を同等に維持する場合は、吸気酸素濃度xi1を、取得されたリーン燃焼モードの吸気酸素濃度xi0と同じ値に設定する。また、第1工程におけるエンジン出ガスのNOx濃度をより低減させたい場合は、吸気酸素濃度xi0よりも低い値に吸気酸素濃度xi1を設定する。燃焼切替制御装置11は、例えば、第1工程前後の吸気酸素濃度の比(xi1/xi0)を予め記憶部に記憶しておき、本実施形態に係る燃焼切替制御を実行する際、それを記憶部から読み出して吸気酸素濃度xi1を設定する。
燃焼切替制御装置11は、設定された吸気酸素濃度xi1に基づいて、第1工程の第1目標EGR率(egr)及び第1目標過給圧(P)を算出し、設定する。例えば、吸気酸素濃度xi1を吸気酸素濃度xi0と同値にする場合、第1目標EGR率(egr)及び第1目標過給圧(P)は下記式(6)及び(7)により求められる。
式(7)中、TはIVC時のシリンダ14内の温度を表し、mは燃料噴射量を表す。T0及びT1は、例えば、第1排気通路32に設けた図示しない温度センサから取得された値に基づいて、記憶部に記憶された所定のマップを参照することにより、推定することができる。また、リーン燃焼モードにおける燃料噴射量mf0は記憶部に記憶された値を用いればよい。第1工程後の燃料噴射量mf1は、図示しない上位制御装置から入力された目標トルクTqや目標エンジン回転数Ne等のエンジン12の運転条件が実現されるように、例えば、記憶部に記憶された所定のマップを参照して燃焼切替制御装置11により決定される。
燃焼切替制御装置11は、さらに、第2工程における第2目標EGR率(egr)を設定する。第2目標EGR率は0%であることが好ましい。第2目標EGR率が0%であると、エンジン出ガスにおけるスモークの生成が抑制され、また、ストイキ燃焼モードでの過給が不要になるためターボチャージャ60等の過給装置を小型化することができる。その一方、例えばストイキ燃焼モードで過給せずに高速条件で運転する場合に、エンジン出ガスの温度上昇により、排気系30の耐久性の低下をもたらす可能性がある。そのような場合には、エンジン出ガスの温度又はNOx還元触媒温度Tgが所定値以上であるか否かの判定に基づいて、第2目標EGR率を0%よりも大きい値に設定する。これにより、エンジン出ガスの温度低下及び排気系30の耐久性改善が図られる。
燃焼切替制御装置11は、設定された第2目標EGR率(egr)に基づいて、第2工程の第2目標過給圧(P)を算出し、設定する。第2目標過給圧(P)は下記式(8)により求められる。
式(8)中のT2は、例えば、第1排気通路32に設けた図示しない温度センサから取得された値に基づいて、記憶部に記憶された所定のマップを参照することにより、推定することができる。第2工程後の燃料噴射量mf2は、図示しない上位制御装置から入力された目標トルクTqや目標エンジン回転数Ne等のエンジン12の運転条件が実現されるように、例えば、記憶部に記憶された所定のマップを参照して燃焼切替制御装置11により決定される。また、第2目標EGR率(egr)が0%である場合、第2目標過給圧(P)は下記式(9)により求められる。
次に、図5を参照して、本実施形態の内燃機関システム10の具体的な制御について説明する。図5は、図1に示した内燃機関システム10の燃焼切替制御装置11において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、燃焼切替制御装置11が、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ切り替える燃焼切替制御の開始条件が成立したと判定した場合に実行される。例えば、燃料噴射の回数及び量や、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54の開度等に基づいて、エンジン12がリーン燃焼モードで運転されていると判定することができる。また、例えば、温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒40のNOx還元触媒温度Tgが所定値以上の高温である場合に、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ切り替える燃焼切替制御の開始条件が成立したと判定することができる。一方、リーン燃焼モードで運転されていると判定されない場合、或いは、NOx還元触媒温度Tgが所定値を超えていない場合は、燃焼切替制御の開始条件が成立していないと判定することができる。
図5に示すように、燃焼切替制御装置11は、まずステップS1において、現在のリーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度xi0を取得する。吸気酸素濃度xi0は、取得されたリーン燃焼モードにおける空燃比(A/F)及びEGR率egrに基づいて上記式(1)により算出することができる。
ステップS2では、燃焼切替制御装置11は、ステップS1で得られた吸気酸素濃度xi0に基づいて、第1工程の目標値とする吸気酸素濃度xi1を設定する。例えば、吸気酸素濃度xi1を吸気酸素濃度xi0以下の値に設定することにより、第1工程におけるエンジン出ガスのNOx濃度を維持または低減することができる。
ステップS3では、燃焼切替制御装置11は、ステップS2で得られた吸気酸素濃度xi1に基づいて、第1目標EGR率(egr)及び第1目標過給圧(P)を算出し、設定する。第1目標EGR率及び第1目標過給圧は、上記式(6)及び(7)により算出することができる。
ステップS4では、燃焼切替制御装置11は、第1工程を開始し、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54に対して開度調整信号を送信することにより、EGR率及び過給圧を低減する。ステップS4において、EGR率及び過給圧を調整する際、例えば、第1吸気通路22、第2吸気通路24、第1排気通路32、排気還流通路52等に設けられた圧力センサ、酸素濃度センサ及び流量計等の各種センサから取得された値に基づいて、EGR率または過給圧を補正してもよい。
ステップS5では、燃焼切替制御装置11は、第1工程が完了したか否かを判定する。具体的には、燃焼切替制御装置11は、EGR率及び過給圧を推定し、または、上記の各種センサから取得された値に基づいて算出し、得られたEGR率及び過給圧と第1目標EGR率及び第1目標過給圧との比較を行う。その結果、EGR率が第1目標EGR率よりも大きいか、または、過給圧が第1目標過給圧よりも大きく、第1工程が完了していない(NO)と判定されれば、ステップS4の処理を繰り返す。他方、EGR率が第1目標EGR率と同等であり、且つ、過給圧が第1目標過給圧と同等であり、第1工程が完了した(YES)と判定されれば、ステップS6に進む。
ステップS6では、燃焼切替制御装置11は、第2目標EGR率(egr)及び第2目標過給圧(P)を設定する。例えば、第2目標EGR率を0%に設定した場合、第2目標過給圧は上記式(9)により算出することができる。ステップS6において、エンジン出ガスの温度又はNOx還元触媒温度Tgが所定値以上である場合に、第2目標EGR率を0%よりも大きい値に設定してもよく、その場合、第2目標過給圧(P)は上記式(8)により算出することができる。
ステップS7では、燃焼切替制御装置11は、第2工程を開始し、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54に対して開度調整信号を送信することにより、EGR率及び過給圧を低減する。ステップS7において、ステップS4と同様にEGR率及び過給圧を補正してもよい。
ステップS8では、燃焼切替制御装置11は、第2工程が完了したか否かを判定する。具体的には、燃焼切替制御装置11は、EGR率及び過給圧を推定し、または、上記の各種センサから取得された値に基づいて算出し、得られたEGR率及び過給圧と第2目標EGR率及び第2目標過給圧との比較を行う。その結果、EGR率が第2目標EGR率よりも大きいか、または、過給圧が第2目標過給圧よりも大きく、第2工程が完了していない(NO)と判定されれば、ステップS7の処理を繰り返す。他方、EGR率が第2目標EGR率と同等であり、且つ、過給圧が第2目標過給圧と同等であり、第2工程が完了した(YES)と判定されれば、燃焼切替制御の処理を終了し、引き続きエンジン12がストイキ燃焼モードで運転されるよう制御する。
このように、本実施形態の内燃機関システム10における燃焼切替制御では、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへの燃焼切替時において、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54によりEGR率及び過給圧を調整する制御を実行して、EGR率が第1目標EGR率になるように、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える第1工程と、第1工程の後、ストイキ燃焼条件を維持しながらEGR率を更に低減する第2工程とを行うことにより、燃焼モードを切り替える移行期間におけるエンジン出ガスのNOx濃度を低減することができ、ひいては、当該移行期間中のテイルパイプにおける積算NOx排出量を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態の内燃機関システム10の燃焼切替制御について説明する。なお、第2実施形態の内燃機関システム10は、上述した第1実施形態と同様であるため、その構成の説明については省略する。
本実施形態では、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの燃焼切替制御を、ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を所定の第1目標値にまで増加する排ガス再循環率切替工程(以下「第3工程」と記載)と、排ガス再循環率を所定の第2目標値にまで増加するとともに、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程(以下「第4工程」と記載)の2工程に分けて行う。具体的には、所定のEGR率(egr)(第1目標値)を有する中継点を設定し、EGR率及び過給圧の制御により、第3工程では、ストイキ燃焼条件の空燃比を維持しながらストイキ燃焼モードから中継点に切り替え、続く第4工程では、中継点から所定のEGR率(egr)(第2目標値)及び過給圧(P)を有するリーン燃焼モードへと切り替える。即ち、本実施形態に係るストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの燃焼切替制御は、第1実施形態のリーン燃焼モード(A)から中継点(B)を経てストイキ燃焼モード(C)へと至る(図2参照)、第1工程及び第2工程で構成された燃焼切替制御の始点と終点を逆転させたものに対応する。
本実施形態に係る燃焼切替制御の作用について、図6を参照しながら詳しく説明する。図6の各グラフにおいて横軸及び縦軸が示すパラメータは、図4と同じであるので、説明を省略する。図6の各グラフ中の実線が、本実施形態に係る燃焼切替制御による変化を示しており、時刻t0〜t2の移行期間において、第3工程(t0〜t1)と第4工程(t1〜t2)とで構成される燃焼切替制御が実行され、t0以前のストイキ燃焼モードからt2以降のリーン燃焼モードに燃焼モードが切り替えられたことを示す。
本実施形態に係る燃焼切替制御が開始されると(時刻t0)、空燃比をストイキ燃焼条件である(A/F)stoichに維持しながらEGR率を増加させる第3工程に入る。第3工程では、EGR率が第3目標EGR率(egr)にまで増加し、過給圧が第3目標過給圧(P)にまで増加する。第3工程において、EGR率及び過給圧が増加して各目標値に到達すると、第3工程が終了する(時刻t1)。この第3工程により、図6(d)に示すように、吸気酸素濃度が低下し、リーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度xi0に到達する。また、時刻t0からt1までの第3工程の間は、図6(a)に示すように空燃比が化学量論比に近い値となるため、三元触媒38が機能してエンジン出ガス中のNOxが浄化される。そのため、三元触媒38の浄化機能により、テイルパイプでのNOx排出量は低減されたままとなる(図6(g))。
続いて、吸気酸素濃度を維持しながら、EGR率及び過給圧を増加させ、空燃比をストイキ燃焼条件((A/F)stoich)からリーン燃焼条件((A/F))にまで増加させる第4工程に入る。上記の通り、第4工程の開始時(t2)にリーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度(xi4)にまで低下している。図6(d)に示すように、第4工程では、吸気酸素濃度を維持しながら、最終目標値となる第4目標EGR率及び第4目標過給圧に向かってEGR率及び過給圧が増加する。図6(f)及び(g)に示すように、第4工程の開始直後から、空燃比が化学量論比よりも大きい値となるため、三元触媒38の浄化機能が働かなくなり、テイルパイプにおける排ガスのNOx濃度が増加する。しかしながら、第3工程の終了時には既にリーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度xi0にまで低下しているため、第2工程におけるエンジン出ガスのNOx濃度は低く抑えられている分、テイルパイプにおけるNOx濃度の増加を抑制することができる。そして、EGR率及び過給圧が最終目標値に到達すると、第4工程が終了し(時刻t2)、エンジン12はリーン燃焼モードで運転される。
一方、図6の各グラフ中の破線は、本実施形態のように2工程で構成される燃焼切替制御を行わず、ただ単にストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへと切り替える制御を実行した場合の各パラメータの変化を示すものである(図2における破線の逆方向の制御に対応)。この例では、移行期間の開始時(t0)において、空燃比及びEGR率の目標値をリーン燃焼モードにおける空燃比((A/F))及びEGR率(egr)に設定し、EGR率及び過給圧を増加する燃焼切替制御が実行される。すると、図6(e)〜(g)に示すように、制御開始直後から三元触媒38の浄化機能が働かなくなるため、ストイキ燃焼条件からリーン側の高いNOx濃度を有するエンジン出ガスが、そのままテイルパイプから排出される。そして、時間の経過に従って、EGR率及び過給圧が増加し、エンジン出ガス及びテイルパイプにおける排ガスのNOx濃度は低下していく。このように、制御開始直後から高いNOx濃度を有する排ガスがテイルパイプから排出された分、テイルパイプでの積算NOx排出量が増加してしまう。
それに対して、本実施形態に係る燃焼切替制御では、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの燃焼切替時において、上述の第3工程及び第4工程とを行うことにより、単にリーン燃焼モードにおける空燃比及びEGR率を目標値として設定して1つの工程で燃焼モードを切り替える場合と比較して、図6(g)における破線で囲われた領域に相当する積算NOx排出量を低減することができる。
次に、図7を参照して、本実施形態の燃焼切替制御について説明する。図7は、図1に示した内燃機関システム10の燃焼切替制御装置11において実行される処理の他の例を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、燃焼切替制御装置11が、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替える燃焼切替制御の開始条件が成立したと判定した場合に実行される。例えば、燃料噴射の回数及び量や、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54の開度等に基づいて、エンジン12がストイキ燃焼モードで運転されていると判定することができる。また、例えば、温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒40のNOx還元触媒温度Tgが所定値以下の低温である場合に、燃焼切替制御の開始条件が成立したと判定することができる。一方、ストイキ燃焼モードで運転されていると判定されない場合、或いは、NOx還元触媒温度Tgが所定値を超えている場合は、燃焼切替制御の開始条件が成立していないと判定することができる。
図7に示すように、燃焼切替制御装置11は、まずステップS11において、最終目標値であるリーン燃焼モードにおける第4目標空燃比((A/F))、第4目標EGR率(egr)及び第4目標過給圧(P)を取得する。これらの目標値は、例えば、記憶部に記憶されているマップ等を参照して取得される。
ステップS12では、燃焼切替制御装置11は、リーン燃焼モードにおける吸気酸素濃度となる第4目標吸気酸素濃度(xi4)を取得する。第4目標吸気酸素濃度は、ステップS11で取得された第4目標空燃比及び第4目標EGR率に基づいて上記式(1)を参照して算出することができる。
ステップS13では、燃焼切替制御装置11は、ステップS12で得られた吸気酸素濃度に基づいて、第3工程の目標値とする第3目標吸気酸素濃度(xi3)を設定する。例えば、吸気酸素濃度(xi3)を吸気酸素濃度(xi4)以下の値に設定することにより、第3工程におけるエンジン出ガスのNOx濃度を維持または低減することができる。
ステップS14では、燃焼切替制御装置11は、ステップS13で得られた吸気酸素濃度xi1に基づいて、第3目標EGR率(egr)及び第3目標過給圧(P)を算出し、設定する。第3目標EGR率及び第3目標過給圧は、上記式(6)及び(7)により算出することができる。
ステップS15では、燃焼切替制御装置11は、第3工程を開始し、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54に対して開度調整信号を送信することにより、EGR率及び過給圧を増加する制御を行う。ステップS15において、EGR率及び過給圧を調整する際、例えば、第1吸気通路22、第2吸気通路24、第1排気通路32、排気還流通路52等に設けられた圧力センサ、酸素濃度センサ及び流量計等の各種センサから取得された値に基づいて、EGR率または過給圧を補正してもよい。
ステップS16では、燃焼切替制御装置11は、第3工程が完了したか否かを判定する。具体的には、燃焼切替制御装置11は、EGR率及び過給圧を推定し、または、上記の各種センサから取得された値に基づいて算出し、得られたEGR率及び過給圧と第3目標EGR率及び第3目標過給圧との比較を行う。その結果、EGR率が第3目標EGR率よりも小さいか、または、過給圧が第3目標過給圧よりも小さく、第3工程が完了していない(NO)と判定されれば、ステップS15の処理を繰り返す。他方、EGR率が第3目標EGR率と同等であり、且つ、過給圧が第3目標過給圧と同等であり、第3工程が完了した(YES)と判定されれば、ステップS17に進む。
ステップS17では、燃焼切替制御装置11は、第4工程を開始する。第4工程では、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54に対して開度調整信号を送信することにより、EGR率及び過給圧を、ステップS11で取得された第4目標空燃比及び第4目標EGR率にまで増加する制御を行う。ステップS17において、ステップS14と同様にEGR率及び過給圧を補正してもよい。
ステップS18では、燃焼切替制御装置11は、第4工程が完了したか否かを判定する。具体的には、燃焼切替制御装置11は、EGR率及び過給圧を推定し、または、上記の各種センサから取得された値に基づいて算出し、得られたEGR率及び過給圧と第4目標EGR率及び第4目標過給圧との比較を行う。その結果、EGR率が第4目標EGR率よりも小さいか、または、過給圧が第4目標過給圧よりも小さく、第2工程が完了していない(NO)と判定されれば、ステップS17の処理を繰り返す。他方、EGR率が第4目標EGR率と同等であり、且つ、過給圧が第4目標過給圧と同等であり、第4工程が完了した(YES)と判定されれば、燃焼切替制御の処理を終了し、引き続きエンジン12がリーン燃焼モードで運転されるよう制御する。
上述したように、本実施形態によっても、第1実施形態と対応する作用効果を奏することができる。すなわち、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの燃焼切替時において、吸気絞り弁26、ウエストゲートバルブ42及び排ガス還流量調整弁54によりEGR率及び過給圧を調整する制御を実行して、ストイキ燃焼条件を維持しながらEGR率を増加する第3工程と、第3工程の後、EGR率が第4目標EGR率になるように、空燃比をストイキ燃焼条件からリーン燃焼条件に切り替える第4工程とを行うことにより、燃焼モードを切り替える移行期間におけるエンジン出ガスのNOx濃度を低減することができ、ひいては、当該移行期間中のテイルパイプにおける積算NOx排出量を低減することができる。
なお、本発明に係る内燃機関システムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項及びその均等な範囲内において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記の説明では、過給装置としてターボチャージャ60を用いる例について説明したが、過給装置はこれに限定されるものではなく、ターボチャージャ60に代えてエンジン動力によって過給動作する機械式スーパーチャージャを用いてもよく、或いは、ターボチャージャ60による過給をアシストする電動圧縮機を用いてもよい。また、ターボチャージャ、機械式スーパーチャージャ及び電動圧縮機から選択される過給装置を複数段に設けてもよい。さらに、ターボチャージャ、機械式スーパーチャージャ、電動圧縮機に加えて、圧縮空気を貯留する蓄圧タンクを設け、蓄圧タンクから供給された圧縮空気を過給に用いてもよい。これらの過給装置による過給は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けて行われる。
また、内燃機関システムのターボチャージャ60は、排ガス流速を可変する可変ノズルベーン付きタービンを有してもよい。可変ノズルベーンでタービンに当たる排ガス流速を可変とすることで、ターボチャージャ60による過給圧を調整できる。可変ノズルベーンの開度調整は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けて行われる。この構成では、ターボチャージャ60において、可変ノズルベーンによって過給圧が規定値以上になるのを防止できるので、タービンバイパス流路36及びウエストゲートバルブ42を省略できる。なお、この構成では、可変ノズルベーンが、過給圧調整装置の一部を構成する。
さらにまた、上記第1及び第2実施形態において、NOx還元触媒がSCRの場合は、その上流側に還元剤(例えば、尿素)を添加する装置を排気系30に設けることが望ましい。
10 内燃機関システム、11 燃焼切替制御装置(燃焼切替制御部)、12 エンジン、14 シリンダ、16 燃料噴射装置、18 噴射制御装置(噴射制御部)、20 回転数センサ(回転数取得手段)、21 吸気系、22 第1吸気通路、24 第2吸気通路、26 吸気絞り弁(空気量調整装置)、30 排気系、32 第1排気通路、34 第2排気通路、36 タービンバイパス流路(過給圧調整装置)、38 三元触媒、40 NOx還元触媒、41 温度センサ、42 ウエストゲートバルブ(過給圧調整装置)、50 排気還流装置、52 排気還流通路、54 排ガス還流量調整弁(排気還流量調整装置)、60 ターボチャージャ(過給装置)、62 コンプレッサ室、63 コンプレッサホイール、64 タービン室、65 タービン、66 シャフト、A 吸気方向、E 排ガス排出方向。

Claims (11)

  1. エンジンと、
    前記エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒及びNOx還元触媒と、
    前記NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御部と、
    前記エンジンの排ガスの一部を再循環する排気還流装置と、
    前記エンジンに再循環させる排ガス量を調整する排気還流量調整装置と、
    前記エンジンに吸気される空気を過給する過給装置と、
    前記過給装置による過給圧を調整する過給圧調整装置と、
    吸気される空気量を調整する空気量調整装置と、
    前記温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、前記回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、及び、前記噴射制御部から取得された燃料噴射量に基づいて、前記エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御部と、
    を備え、
    前記燃焼切替制御部は、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ切り替える移行期間において、前記排気還流量調整装置、前記過給圧調整装置及び前記空気量調整装置を制御することにより、
    排ガス再循環率が所定の第1目標値になるように、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程と、
    前記空燃比切替工程の後、ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を前記第1目標値から所定の第2目標値にまで低減する排ガス再循環率切替工程と、を行う、
    内燃機関システム。
  2. 前記空燃比切替工程の終了時の吸気酸素濃度が前記空燃比切替工程の開始時の吸気酸素濃度を超えないように、前記排ガス再循環率の前記第1目標値が設定される、請求項1に記載の内燃機関システム。
  3. 前記排ガス再循環率の前記第2目標値が0%である、請求項1または2に記載の内燃機関システム。
  4. 前記燃焼切替制御部は、温度センサにより取得される前記NOx還元触媒の触媒温度が所定値以上であるとき、前記排ガス再循環率の前記第2目標値を0%を超える値に設定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
  5. エンジンと、
    前記エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒及びNOx還元触媒と、
    前記NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御部と、
    前記エンジンの排ガスの一部を再循環する排気還流装置と、
    前記エンジンに再循環させる排ガス量を調整する排気還流量調整装置と、
    前記エンジンに吸気される空気を過給する過給装置と、
    前記過給装置による過給圧を調整する過給圧調整装置と、
    吸気される空気量を調整する空気量調整装置と、
    前記温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、前記回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、及び、前記噴射制御部から取得された燃料噴射量に基づいて、前記エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御部と、
    を備え、
    前記燃焼切替制御部は、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替える燃焼切替時において、前記排気還流量調整装置、前記過給圧調整装置及び前記空気量調整装置を制御して、
    ストイキ燃焼条件を維持しながら、排ガス再循環率を所定の第1目標値にまで増加する排ガス再循環率切替工程と、
    前記排ガス再循環率切替工程の後、排ガス再循環率を前記第1目標値から所定の第2目標値にまで増加するとともに、空燃比をリーン燃焼条件からストイキ燃焼条件に切り替える空燃比切替工程と、を行う、
    内燃機関システム。
  6. 前記空燃比切替工程の開始時の吸気酸素濃度が前記空燃比切替工程の終了時の吸気酸素濃度を超えないように、前記排ガス再循環率の前記第1目標値が設定される、請求項5に記載の内燃機関システム。
  7. 前記過給装置は、ターボチャージャ、機械式スーパーチャージャ及び電動圧縮機の少なくとも1つで構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
  8. 前記排気還流量調整装置は、前記エンジンの吸気通路及び排気通路と接続する排気還流通路に設置された排ガス還流量調整弁である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
  9. 前記過給圧調整装置は、前記エンジンの排気通路に設けたタービンバイパス流路及びウエストゲートバルブである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
  10. 前記空気量調整装置は、前記エンジンの吸気通路に設けた吸気絞り弁である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
  11. 前記NOx還元触媒は、選択還元型触媒(SCR)及び/または吸蔵還元型触媒(NSR)である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の内燃機関システム。
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