JP2019167731A - ショベル - Google Patents

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Koichiro Tsukane
浩一郎 塚根
圭二 本田
Keiji Honda
圭二 本田
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Abstract

【課題】センサ故障によるショベルの信頼性の低下を抑制することが可能なショベルを提供する。【解決手段】本体に、ブーム、アーム、及びバケットを含むアタッチメントが取り付けられている。ブームシリンダがブームを駆動する。アームシリンダがアームを駆動する。バケットシリンダがバケットを駆動する。姿勢センサが、ブームの姿勢及びアームの姿勢を検知する。傾きセンサが、重力方向に対する本体の傾きを検知する。処理装置が、バケットの姿勢を検知するセンサの情報を用いることなく、姿勢センサの測定値を用いてバケットを含むアタッチメントの姿勢に関わる姿勢情報を計算により求める。【選択図】図2

Description

本発明は、ショベルに関する。
従来、油圧ショベルの姿勢、運動を把握するためには本体(上部旋回体)、ブーム、アーム、バケット、またはそれらを駆動する油圧シリンダに、それぞれ姿勢、速度、加速度のいずれかを測定可能な、または推定可能なセンサを設置していた(例えば特許文献1)。
特表2012−524192号公報
ショベルのアタッチメント最先端のバケットまたはバケットシリンダに設置するセンサは、アタッチメントの先端に発生する衝撃のために故障しやすい。このセンサの故障により、ショベルの信頼性が低下してしまう。本発明の目的は、センサ故障によるショベルの信頼性の低下を抑制することが可能なショベルを提供することである。
本発明の一観点によると、
本体に取り付けられたブーム、アーム、及びバケットを含むアタッチメントと、
前記ブームを駆動するブームシリンダと、
前記アームを駆動するアームシリンダと、
前記バケットを駆動するバケットシリンダと、
前記ブームの姿勢及び前記アームの姿勢を検知する姿勢センサと、
重力方向に対する前記本体の傾きを検知する傾きセンサと、
前記バケットの姿勢を検知するセンサの情報を用いることなく、前記姿勢センサの測定値を用いて前記バケットを含む前記アタッチメントの姿勢に関わる姿勢情報を計算により求める処理を実行する処理装置と
を有するショベル。
バケットの姿勢を検知するセンサを用いないため、ショベルの信頼性の低下を抑制することが可能になる。
図1は、実施例によるショベルの側面図である。 図2は、アタッチメントの詳細な構造を示す側面図である。 図3は、実施例によるショベルのブロック図である。 図4は、ショベルのアタッチメントが直線動作を行っているときの概略図である。 図5A及び図5Bは、ショベルの空中動作時に発生する振動の一例を説明する図である。 図6A及び図6Bは、シリンダによる振動抑制を説明する図である。 図7は、ショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。
図1〜図3を参照して、実施例によるショベルについて説明する。
図1は、実施例によるショベルの側面図である。下部走行体40に、本体(上部旋回体)10が旋回可能に搭載されている。本体10にブーム11、アーム12、及びバケット13を含むアタッチメントが取り付けられている。ブームシリンダ21がブーム11を上下方向に駆動する。アームシリンダ22がアーム12を開閉方向に駆動する。バケットシリンダ23がリンク機構14を介してバケット13を開閉方向に駆動する。
下部走行体40に対する本体10の旋回軸の方向をy軸方向、ブーム11を上下に揺動する支点となる回転軸の方向をz軸方向、yz面に直交する方向をx軸方向とし、本体10に対して固定されたxyz直交座標系を定義する。ブーム11、アーム12、及びバケット13はxy面内で駆動される。
本体10に6軸センサ30が搭載されている。6軸センサ30は、x軸、y軸、及びz軸の3軸方向の加速度、及びx軸、y軸、及びz軸のまわりの角速度を検出する。6軸センサは、重力方向に対する本体10の傾きを検知する傾きセンサとしての機能を含む。ブームシリンダ21及びアームシリンダ22に、それぞれストロークセンサ31、32が搭載されている。ストロークセンサ31、32は、それぞれブームシリンダ21及びアームシリンダ22の伸縮長を検出する。バケットシリンダ23にはストロークセンサが搭載されていない。
本体10に処理装置50が搭載されている。処理装置50は、各種センサの測定結果に基づいてアタッチメントの姿勢を計算により求める機能を有する。
図2は、アタッチメントの詳細な構造を示す側面図である。ブーム11が、第1接続点15において本体10に接続されている。ブーム11の先端の第2接続点16においてアーム12がブーム11に接続されている。アーム12の先端の第3接続点17において、バケット13がアーム12に接続されている。
ブームシリンダ21のシリンダ側取付け部が本体10のブームシリンダ接続点21Bに接続され、ピストンロッド側取付部がブーム11のブームシリンダ接続点21Rに接続されている。アームシリンダ22のシリンダ側取付部がブーム11のアームシリンダ接続点22Bに接続され、ピストンロッド側取付部がアーム12のアームシリンダ接続点22Rに接続されている。バケットシリンダ23のシリンダ側取付部がアーム12のバケットシリンダ接続点23Bに接続され、ピストンロッド側取付部がリンク機構14の1つのリンクを介してバケット13のリンク接続点14Bに接続されている。リンク機構14の他のリンクがアーム12のリンク接続点14Aに接続されている。
図3は、実施例によるショベルのブロック図である。処理装置50が、センサ測定値取得部51、演算部52、対応処理部53、及び記憶部55を含む。これら各部は、ハードウェア的にはコンピュータの中央処理ユニット(CPU)をはじめとする素子や機械装置で実現することができ、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現することができる。図2に示した各部は、ハードウェア及びソフトウェアの連携によって実現され、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって種々の態様で実現することができる。
ブームシリンダ21の圧力センサ35が、ブームシリンダ21のボトム側及びロッド側の圧力を測定する。アームシリンダ22の圧力センサ36が、アームシリンダ22のボトム側及びロッド側の圧力を測定する。バケットシリンダ23の圧力センサ37が、バケットシリンダ23のボトム側及びロッド側の圧力を測定する。
旋回モータ60が下部走行体40に対して本体10を旋回させる。油圧回路61が、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、及びバケットシリンダ23に作動油を供給する。警報発出装置62が、処理装置50からの指令により警報を発出する。
センサ測定値取得部51が、6軸センサ30、ブームシリンダ21のストロークセンサ31、アームシリンダ22のストロークセンサ32、圧力センサ35、36、37の測定値を取得する。記憶部55に、アタッチメントの形状データ56及びアタッチメントの重量データ57が記憶されている。
アタッチメントの形状データ56には、本体10の形状に関するデータ、ブーム11の形状に関するデータ、アーム12の形状に関するデータ、バケット13の形状に関するデータが含まれる。本体10の形状に関するデータは、第1接続点15とブームシリンダ接続点21Bとの位置関係を規定する情報を含む。ブーム11の形状に関するデータは、第1接続点15、第2接続点16、ブームシリンダ接続点21R、アームシリンダ接続点22B、及びブーム11の重心11Cの位置関係を規定する情報を含む。アーム12の形状に関するデータは、第2接続点16、第3接続点17、リンク接続点14A、アームシリンダ接続点22R、バケットシリンダ接続点23B、及びアーム12の重心12Cの位置関係を規定する情報を含む。バケット13の形状に関するデータは、第3接続点17、リンク接続点14B、及びバケット13の重心13Cの位置関係を規定する情報を含む。
アタッチメントの重量データ57には、ブーム11、アーム12、及びバケット13の重量に関するデータが含まれる。
演算部52は、センサ測定値取得部51で取得された各種センサの測定値、アタッチメントの形状データ56、及びアタッチメントの重量データ57を用いて、アタッチメントの姿勢を計算により求める。演算部52が行う計算の詳細については、後に図2を参照して説明する。
対応処理部53は、演算部52の計算結果に応じた処理を実行する。例えば、対応処理部53は、計算結果に応じて旋回モータ60、油圧回路61を制御する。さらに、対応処理部53は、計算結果に応じて警報発出装置62から警報を発出させる。対応処理部53が実行する処理については、後に詳しく説明する。
次に、図2を参照して演算部52(図3)が実行する計算により、アタッチメントの姿勢に関わる姿勢情報を求める方法について説明する。
まず、ブーム11に作用する力について説明する。第1接続点15に本体10から反力F01が加わる。ブームシリンダ接続点21Rにブームシリンダ21が発生する推力F02が加わる。アームシリンダ接続点22Bにアームシリンダ22が発生する推力F03が加わる。第2接続点16にアーム12から反力F04が加わる。ブーム11の重心11Cに重力F05が加わる。
次に、アーム12に作用する力について説明する。第2接続点16にブーム11から反力F11が加わる。アームシリンダ接続点22Rにアームシリンダ22が発生する推力F12が加わる。バケットシリンダ接続点23Bにバケットシリンダ23が発生する推力F13が加わる。第3接続点17にバケット13から反力F14が加わる。リンク接続点14Aにリンク機構14を通してバケットシリンダ23の推力による力F15が加わる。アーム12の重心12Cに重力F16が加わる。
次に、バケット13に作用する力について説明する。第3接続点17にアーム12から反力F21が加わる。リンク接続点14Bに、リンク機構14を通してバケットシリンダ23が発生する推力によって力F22が加わる。バケット13の重心13Cに、重力F23が加わる。
ブーム11、及びアーム12が静止しているとき、ブーム11に作用する力の和、及びアーム12に作用する力の和が共に0になるため、以下の式が成立する。
バケット13が空中に静止している状態では、バケット13に反力F21、力F22及び重力F25以外の力は加わらない。このため、バケット13が空中に静止しているとき、以下の式が成立する。
バケット13が空中に静止しているか否かの判定には、公知のアルゴリズムを用いることができる。
次に、第1接続点15を中心としたブーム11に作用するトルクについて説明する。ブーム11には、推力F02、推力F03、反力F04、及び重力F05に起因するトルクT02、T03、T04、T05が作用する。ブーム11が静止しているとき、ブーム11に作用するトルクの和は0であるため、以下の式が成立する。
次に、バケットシリンダ接続点23Bを中心としたアーム12に作用するトルクについて説明する。アーム12には、反力F11、推力F12、反力F14、力F15、及び重力F16に起因するトルクT11、T12、T14、T15、及びT16が作用する。アーム12が静止しているとき、アーム12に作用するトルクの和は0であるため、以下の式が成立する。
次に、第3接続点17を中心としたバケット13に作用するトルクについて説明する。バケット13には、力F22及び重力F23に起因するトルクT22及びT23が作用する。バケット13が静止しているとき、バケット13に作用するトルクの和は0であるため、以下の式が成立する。
式(1)〜(3)は、x成分及びy成分に分解することができる。このため、式(1)〜(6)により、9元連立方程式が得られる。次に、9元連立方程式の各変数について検討する。
本体10に取り付けられた6軸センサ30の測定結果から、水平面に対するxyz直交座標系の傾きを求めることができる。また、本体10、ブーム11、アーム12、ブームシリンダ21、アームシリンダ22の相互の取り付け部の位置関係はアタッチメントの形状データ56から取得することができる。ブームシリンダ21の伸縮長及びアームシリンダ22の伸縮長を、ストロークセンサ31、32によって測定することができるため、本体10、ブーム11、及びアーム12の相対位置関係(姿勢)を求めることができる。
推力F02の大きさは、ブームシリンダ21の圧力センサ35の測定値と、ボトム側の断面積、及びロッド側の断面積から計算により求めることができる。同様に、推力F03、F12、F13の大きさも、計算により求めることができる。
式(1)の推力F02、F03の大きさは計算により求めることができ、向きは、本体10、ブーム11、及びアーム12の相対位置関係から求めることができる。重力F05の大きさはアタッチメントの重量データ57から取得することができ、xyz直交座標系における重力F05の向きは、xyz直交座標系の水平面に対する傾き、及びアタッチメントの姿勢から求めることができる。このため、式(1)の未知数は、反力F01のx成分とy成分、F04のx成分とy成分との4個である。
式(2)の反力F11の大きさは反力F04の大きさと等しく、その向きは反力F04の向きと反対である。推力F12の大きさは推力F03の大きさと等しく、その向きは推力F03の向きと反対である。重力F16の大きさはアタッチメントの重量データ57から取得することができ、向きは計算により求めることができる。推力F13の大きさは計算により求めることができ、向きはバケットシリンダ23の伸縮長Lの関数として表すことができる。力F15の大きさ及び向きは、推力F13の大きさ及びバケットシリンダ23の伸縮長Lの関数として表すことができる。このため、式(2)の新たな未知数は、反力F14のx成分とy成分、及びバケットシリンダ23の伸縮長Lの3個である。
式(3)の反力F21の大きさは反力F14の大きさと等しく、その向きは反力F14の向きと反対である。力F22は、推力F13の大きさ及びバケットシリンダ23の伸縮長Lの関数として表すことができる。重力F23のxyz座標系における向きは、バケットシリンダ23の伸縮長Lの関数として表すことができる。このため、式(3)の新たな未知数は、重力F23の大きさの1個である。
トルクの釣り合いの式(4)、(5)、(6)には、新たな未知数は現れない。なお、バケット13の重心13Cの位置は、バケット13内に土砂を抱えていても、空の状態のバケット13の重心13Cの位置とほぼ同じであると近似することができる。
このため、式(1)〜式(6)からなる9元連立方程式の未知数は8個になる。従って、この連立方程式を解くことにより、バケットシリンダ23の伸縮長Lを求めることができる。さらに、バケット13に加わる重力F23の大きさ、反力F01、F04、F11、F14、F21の大きさと向きとを求めることができる。
次に、上記実施例による方法でアタッチメントの姿勢情報を計算によって求めることにより得られる優れた効果について説明する。
上記実施例による方法では、バケットシリンダ23にストロークセンサを搭載することなく、バケットシリンダ23の伸縮長Lを計算によって求めることができる。バケットシリンダ23の伸縮長Lが決定すると、バケット13の姿勢を求めることができる。特に、バケットシリンダ23には、ブームシリンダ21及びアームシリンダ22に比べて作業中に大きな衝撃が加わる。このため、バケットシリンダ23にストロークセンサを搭載すると、ストロークセンサの故障によりショベルの信頼性が低下する。実施例では、バケットシリンダ23にストロークセンサを搭載しないため、ストロークセンサの故障に起因するショベルの信頼性の低下を抑制することができる。
第1接続点15においてブーム11から本体10に加わる反力と、ブームシリンダ接続点21Bにおいてブームシリンダ21から本体10に加わる推力とを合成した力によって、本体10の転倒の危険性の度合いを推測することができる。本願の発明者が行った評価実験によると、ショベルの転倒の危険性が高まった状態では、バケットシリンダ23の伸縮長L及びバケットシリンダ23の推力が、反力F01に大きく影響することによって、転倒の危険性に大きな影響を与えることがわかった。実施例による方法で計算によって求めたバケットシリンダ23の伸縮長Lは、ショベルの転倒の危険性の度合いを推定するために有効な尺度となる。
次に、対応処理部53(図3)の処理について説明する。対応処理部53は、演算部52によって求められたバケットシリンダ23の伸縮長Lに基づいて、ショベルの転倒の危険性の度合いを算出する。ショベルの転倒の危険性の度合いが一定の基準を超えると、転倒の危険性を低下させる方向に、対応処理部53が旋回モータ60及び油圧回路61の動作を制御する。さらに、ショベルの転倒の危険性の度合いが一定の基準を超えると、対応処理部53が警報発出装置62から警報を発出させる。
このように、対応処理部53が旋回モータ60及び油圧回路61の動作を制御することにより、ショベルの挙動の安定化を図ることができる。さらに、警報に気付いたオペレータが転倒を回避する操作を行うことにより、転倒を未然に防止することが可能になる。
次に、上記実施例の変形例について説明する。
上記実施例では、ブーム11、アーム12、及びバケット13の3リンクの釣合方程式を利用してアタッチメントの姿勢情報を計算により求めたが、釣合方程式に代えてニュートン・オイラー方程式を用いてもよい。ニュートン・オイラー方程式を用いると、アタッチメントが静止している状態に限らず、ブーム11、アーム12、及びバケット13がそれぞれ駆動されている状態においてもアタッチメントの姿勢情報を計算により求めることができる。このように、処理装置は、ブーム11、アーム12、及びバケット13のそれぞれの2方向(x方向及びy方向)への並進運動、及び回転運動に関する連立方程式を解くことにより、アタッチメントの姿勢情報を求める。
上記実施例では、ブームシリンダ21のストロークセンサ31を、ブーム11の姿勢を検知するための姿勢センサとして用い、アームシリンダ22のストロークセンサ32を、アーム12の姿勢を検知するための姿勢センサとして用いた。ストロークセンサ31、32に代えて、ある基準線に対するブーム11の角度及びアーム12の角度を測定する角度センサを用いてもよい。例えば、ブーム11の角度の基準線は本体10に固定され、アーム12の角度の基準線はブーム11に固定される。その他に、姿勢センサとして、角速度センサ、角加速度センサ等を用いてもよい。
油圧ポンプの圧力、バケットシリンダ圧、操作レバーのパイロット圧、バケットスプール開口情報等からバケットシリンダ23への作動油の流量を求め、この流量を積分することによってバケットシリンダ23の伸縮長Lを求めることができる。この方法を、積分法ということとする。上記実施例による方法で求められたバケットシリンダ23の伸縮長Lに基づいて、積分法によって求められた伸縮長Lを校正することにより、積分法により求められる伸縮長Lの精度を高めることができる。上記実施例による方法と、積分法とを併用することにより、バケット13が空中に静止しているときに限らず、バケットシリンダ23の伸縮長Lを常時求めることが可能になる。
次に、図4を参照して、計算により求めたアタッチメントの姿勢情報に応じた処理の他の例について説明する。
図4は、ショベルのアタッチメントが直線動作を行っているときの概略図である。ショベルは、1つの操作レバーの1つの制御軸まわりの操作を行うことにより、水平面に対するバケット13の姿勢を維持したまま、第3接続点17を直線的に移動させる機能を持つ。図4において、アタッチメントは、太い実線、破線、及び細い実線で示されたように姿勢を変化させながら移動する。第3接続点17が直線的に移動し、かつバケット13の姿勢が維持されるため、バケット13の先端13Tも直線的に移動する。
第3接続点17を直線的に移動させる操作が行われると、対応処理部53(図3)は油圧回路61(図3)を制御することにより、第3接続点17が直線的に移動するように、ブームシリンダ21及びアームシリンダ22を動作させる。さらに、対応処理部53(図3)は油圧回路61を制御することにより、積分法によって求まるバケット13の姿勢が維持されるように、バケットシリンダ23を動作させる。
上記実施例による方法を用いることにより、バケット13の姿勢を直接検知するセンサを用いることなく、バケット13の姿勢を維持しつつアタッチメントを動作させることができる。
次に、図5A〜図7を参照して他の実施例について説明する。以下、上記図1〜図3に示した実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。まず、本実施例により解決しようとする課題について説明する。
ショベルにおいて、バケット13(図1)が地面に接触していない動作(以下、空中動作という)中に、アタッチメントの慣性モーメントが、ショベルの本体10及び下部走行体40(図1)に振動を誘発する場合がある。以下、本体10及び下部走行体40をまとめて車体という。例えばバケット13から土砂を排出する際には、バケット13及びアーム12(図1)を開きながら、ブーム11(図1)を下げる動作が発生する。このときのアタッチメントは、ショベルの車体を前方向に傾けるように作用し、車体の振動を誘発する。場合によっては、車体が転倒する可能性もある。なおこの問題あるいは現象を当業者の一般的な認識として捉えてはならない。
図5A及び図5Bは、ショベルの空中動作時に発生する振動の一例を説明する図である。ここでは空中動作の一例として排出動作を説明する。図5Aでは、バケット13及びアーム12が閉じており、ブーム11が上がった状態となっており、バケット13には土砂などの積載物70が収容されている。図5Bに示すように、排出動作では、バケット13及びアーム12が大きく開かれ、積載物70が排出される。このときアタッチメントの慣性モーメントの変化が、ショベルの車体を図中矢印Aに示すピッチング方向に振動させるように作用する。
図6A及び図6Bは、シリンダによる振動抑制を説明する図である。図6Aは、クッション機能が発揮されない状態を示す。一般的には、ある操作軸(例えばブーム11)に対応するシリンダ(例えばブームシリンダ21)は、無操作時において、ロッド室及びボトム室はいずれも油圧回路61と切り離されている。従って、ブームシリンダ21はリジットな状態であり、アタッチメントの振動は、ダイレクトに車体側に伝達する。
図6Bは、クッション機能が発揮される状態を示す。ブームシリンダ21を伸縮させる方向に振動71が発生すると、無操作状態であっても、ブームシリンダ21のボトム室及びロッド室の少なくとも一方の圧力が逃げるように、あるいは作動油が流れるように、油圧回路61が制御される。これによりブームシリンダ21がクッションとしての役割を果たし、慣性力や振動を吸収し、車体側への伝達が抑制される。この振動や慣性力はシリンダ内、それに繋がる油路の摩擦等でエネルギー消費される。なお、慣性力のみ考慮するなら、ボトム室から作動油を流出させるだけで十分であるが、一般的にシリンダ内の圧力変化の反動が生ずるため、ロッド室からも作動油を流出させるとよい。
図7は、ショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。なお、図7では、機械的に動力を伝達する系統を二重線で、油圧系統を太い実線で、操縦系統を破線で、電気系統を細い実線でそれぞれ示している。
エンジン80の回転が、減速機81を介してメインポンプ82に伝達される。エンジン80及び減速機81に代えて、電気的な動力源(電動機)を用いてもよいし、エンジンと電動機のハイブリッド構成を用いてもよい。減速機81の出力軸にメインポンプ82及びパイロットポンプ83が接続されており、メインポンプ82に高圧油圧ライン84を介してコントロールバルブ85が接続されている。コントロールバルブ85は、ショベルにおける油圧系の制御を行う装置である。コントロールバルブ85に、下部走行体40(図1)を駆動するための油圧モータ86A及び86Bの他、ブームシリンダ21、アームシリンダ22及びバケットシリンダ23が高圧油圧ラインを介して接続されており、コントロールバルブ85は、これらに供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御する。
パイロットポンプ83に、パイロットライン87を介して操作装置88が接続されている。操作装置88は、旋回モータ60(図3)、下部走行体40(図1)、ブーム11、アーム12及びバケット13を操作するためのレバーやペダルであり、オペレータによって操作される。具体的には、アタッチメントの各軸(ブーム11、アーム12、バケット13)は、運転席に設けられた操作装置88の操作に連動して動作する。具体的には、レバーを操作すると、操作に応じて、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23が伸び縮み動作をし、それに応じてブーム11、アーム12、バケット13が動作する。
操作装置88に、油圧ライン89を介してコントロールバルブ85が接続される。操作装置88は、パイロットライン87を通じて供給される油圧(1次側の油圧)をオペレータの操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置88から出力される2次側の油圧は、油圧ライン89を通じてコントロールバルブ85に供給される。
操作入力センサ38が、各軸に対する操作入力を監視し、操作情報を取得する。例えば操作入力センサ38は、パイロット圧に基づいて操作情報を取得してもよいし、電気レバーからの情報を、電気的情報に変換してもよい。油圧ライン圧力センサ39が、高圧油圧ライン84の圧力を測定する。6軸センサ30、ブームシリンダのストロークセンサ31、アームシリンダのストロークセンサ32、ブームシリンダの圧力センサ35、アームシリンダの圧力センサ36、バケットシリンダの圧力センサ37、操作入力センサ38、及び油圧ライン圧力センサ39の出力が、処理装置50に供給される。
続いて、振動抑制の概要について説明する。このショベルは、アタッチメントの空中動作中に振動が発生しそうな状態になると、処理装置50の対応処理部53が自動で補正を実行する。補正によりアタッチメントで振動を吸収し、車体へ伝わる振動を減少させる。補正では、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23の少なくともひとつ、例えばブームシリンダ21の内部の油室から油が抜けるような状態(シリンダの油室と油路とを連通状態にする)に移行させる。モーメントの変化で生じるアタッチメントの振動、あるいはモーメントの変化そのものがブームシリンダ21に伝わり、その結果、ブームシリンダ21内の油が排出され、これにより振動が減衰する。
なお補正は、空中動作中に行うため、空中動作中か否かを処理装置50が判断し、アタッチメントの空中動作で生じる振動が車体側に伝わりにくくなる制御状態に自動的に移行する。なお、常にこの状態であると、その他の作業に影響があるかもしれないので、所定条件でこの制御状態に移行してもよい。
以下、振動抑制及び転倒防止について具体的に説明する。処理装置50の対応処理部53は、空中動作に起因する車両の振動が抑制されるように、アタッチメントの動作を補正する。より具体的には対応処理部53は、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23の少なくとも一つを制御対象とし、制御対象のシリンダに作用することにより、アタッチメントの動作を補正する。
より詳しくは、対応処理部53は、制御対象のシリンダの推力がアタッチメントの状態に応じた上限値(制限推力)を超えないように制御する。この上限値は、アタッチメントの状態から計算あるいは推定されるショベルを倒そうとする力(転倒モーメントと称する)から適切に設定すればよい。転倒モーメントは、例えば、ブーム11の姿勢(角度)、アーム12の姿勢(角度)、バケット13の中の重量、バケット13の姿勢(角度)などから、理論的に計算することができる。
処理装置50に、各種センサの検出信号が入力される。バケットシリンダにはストロークセンサセンサが搭載されておらず、バケットシリンダ23の伸縮長Lは、図1〜図3に示した実施例による方法で演算部52が計算により求める。アタッチメントの状態は、各種センサの検出結果、及び演算部52が計算により求めたバケットに基づいて決定することができる。
図7では、処理装置50からコントロールバルブ85に向かう制御線が描かれているが、これは処理装置50がコントロールバルブ85のみを制御対象とすることに限定するものではない。
本実施例によりショベルにおいて、アタッチメントの少なくとも一軸を利用して、アタッチメントの空中動作によって発生する転倒モーメントを吸収することにより、アタッチメントが車体へのピッチング方の振動の伝搬を抑制することができし、ひいては転倒の危険性を低減させることがきる。
上記実施例は例示であり、実施例及び変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施例及び変形例の同様の構成による同様の作用効果については実施例及び変形例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例及び変形例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 本体(上部旋回体)
11 ブーム
11C ブームの重心
12 アーム
12C アームの重心
13 バケット
13C バケットの重心
13T バケットの先端
14 リンク機構
14A、14B リンク接続点
15 第1接続点
16 第2接続点
17 第3接続点
21 ブームシリンダ
21B、21R ブームシリンダ接続点
22 アームシリンダ
22B、22R アームシリンダ接続点
23 バケットシリンダ
23B バケットシリンダ接続点
30 6軸センサ
31 ブームシリンダのストロークセンサ
32 アームシリンダのストロークセンサ
35 ブームシリンダの圧力センサ
36 アームシリンダの圧力センサ
37 バケットシリンダの圧力センサ
40 下部走行体
50 処理装置
51 センサ測定値取得部
52 演算部
53 対応処理部
55 記憶部
56 アタッチメントの形状データ
57 アタッチメントの重量データ
60 旋回モータ
61 油圧回路
62 警報発出装置
70 積載物
71 振動
80 エンジン
81 減速機
82 メインポンプ
83 パイロットポンプ
84 高圧油圧ライン
85 コントロールバルブ
86A、86B 油圧モータ
87 パイロットライン
88 操作装置
89 油圧ライン

Claims (5)

  1. 本体に取り付けられたブーム、アーム、及びバケットを含むアタッチメントと、
    前記ブームを駆動するブームシリンダと、
    前記アームを駆動するアームシリンダと、
    前記バケットを駆動するバケットシリンダと、
    前記ブームの姿勢及び前記アームの姿勢を検知する姿勢センサと、
    重力方向に対する前記本体の傾きを検知する傾きセンサと、
    前記バケットの姿勢を検知するセンサの情報を用いることなく、前記姿勢センサの測定値を用いて前記バケットを含む前記アタッチメントの姿勢に関わる姿勢情報を計算により求める処理を実行する処理装置と
    を有するショベル。
  2. 前記処理装置は、さらに、求められた前記姿勢情報に応じた処理を実行する請求項1に記載のショベル。
  3. 前記姿勢センサは、前記ブームシリンダの伸縮長及び前記アームシリンダの伸縮長を検知するストロークセンサ、または、ある基準線に対する前記ブームの角度及び前記アームの角度を検知する角度センサであり、前記バケットシリンダにはストロークセンサが取り付けられておらず、前記バケットの角度を検知する角度センサも取り付けられていない請求項1または2に記載のショベル。
  4. 前記処理装置は、前記姿勢情報に基づいて、ショベルの転倒の危険性の度合いを求める請求項1乃至3のいずれか1項に記載のショベル。
  5. 前記処理装置は、前記ブーム、前記アーム、及び前記バケットのそれぞれの2方向への並進運動、及び回転運動に関する連立方程式を解くことにより、前記姿勢情報を求める請求項1乃至4のいずれか1項に記載のショベル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022114220A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 住友重機械工業株式会社 作業機械

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