JP2019163567A - 撥水性熱接着型複合繊維 - Google Patents

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皓太 安達
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Abstract

【課題】本発明は、撥水性、嵩高性に優れた不織布用途に適した撥水性熱接着型複合繊維を提供することにある。【解決手段】融点が50〜150℃のポリオレフィンで構成される少なくとも1種の熱可塑性重合体と該熱可塑性重合体よりも高い融点を有する繊維形成重合体とから構成される初期引張抵抗度が1700〜2800N/mm2の熱接着複合繊維であり、シリコン系処理剤を含有する油剤が有効成分として0.1〜5.0重量%付着している、撥水性熱接着型複合繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、撥水性、嵩高性に優れた不織布用途に適した撥水性熱接着型複合繊維に関するものである。
熱風や加熱ロールの熱エネルギーを利用して熱融着による成形ができる熱接着性複合繊維は、嵩高性や柔軟性に優れた不織布を得ることが容易であることから、従来から、おむつ、ナプキン、パッド等の衛生材料、或いは生活用品やフィルター等の産業資材等に広く用いられている。特に紙おむつなどの吸収性物品の外側部分を構成するバックシートには、吸収体に吸収された排液が逆流することを抑制させるために、繊維を表面処理剤で処理し、撥水性を付与させる技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、近年、バックシートには良好なウェットバック性も要求されるため、嵩高性が必要になってきており、一方、特許文献1および特許文献2に記載の技術では嵩高性についての観点はなく、良好な嵩高性を得ることができなかった。
特開平2−84581号公報 特開平3−19969号公報
そこで本発明の目的は、上述した従来技術における課題を解決し、撥水性と嵩高性ともに優れた不織布用途に適した撥水性熱接着型複合繊維を提供することにある。
本発明は上記目的を達成せんとするものであって、本発明の撥水性熱接着型複合繊維は、芯部がポリエステル系樹脂を含む第1成分、鞘部がポリエステル系樹脂の融点より30℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成される芯鞘型の複合繊維であって、初期引張抵抗度が1700〜2800N/mmであり、シリコン系処理剤を含有する油剤が有効成分として0.1〜5.0重量%付着している、撥水性熱接着型複合繊維である。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維を使用した不織布は撥水性と嵩高性に優れ、例えば、おむつ、ナプキン、パッド等の衛生材料のバックシートに好ましく用いられる。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維とその製造方法の実施態様について、具体的に説明する。本発明の撥水性熱接着型複合繊維は、芯部がポリエステル系樹脂を含む第1成分、鞘部がポリエステル系樹脂の融点より30℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において芯鞘型の構造を有する熱接着性型複合繊維である。
本発明の熱接着性型複合繊維の芯成分は鞘成分である第2成分よりも高い融点を有する第1成分であり、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステルポリマーが挙げられるが、原料コスト、得られる繊維の熱安定性などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルであり、ホモポリマーであってもよいが、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなっており、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含む共重合体であってよい。共重合可能な化合物としては、酸成分として、例えば、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸およびセバシン酸などのジカルボン酸類が挙げられ、一方グリコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。
ポリエチレンテレフタレートの場合、その固有粘度は、0.60〜0.75であることが好ましい。固有粘度は、さらに好ましくは0.62〜0.67である。固有粘度が0.6未満では、繊維の捲縮保持率が低下し、十分な嵩高を有する繊維構造体を得られない場合がある。一方、固有粘度が0.75を超えると、溶融粘度が高くなり繊維の製造が困難となる場合がある。
また、上記ポリエチエレンテレフタレートのような構成単位中に芳香族を含む芳香族ポリエステルの他に脂肪族ポリエステルも用いることができ、好ましい脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネートが挙げられる。
第1成分には、ポリエステル系樹脂以外の樹脂も、本発明の目的・効果を損なわない範囲で含有させることができる。
ポリエステル系樹脂を含む第1成分、また後述するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分には、艶消しやその他の機能を付与する目的で無機粒子が添加されていてもかまわない。無機粒子としては、シリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、アルミナゾル酸化チタンおよび炭酸カルシウムなどが挙げられるが、第1・2成分中に添加した際に化学的に安定していればよく、特に化学的安定性、および繊維にドレープ感や滑らかな触感を与えることから、酸化チタンが好ましく用いられる。無機粒子の濃度は、目標とする機能に応じて調整して構わないが、ポリエステル系樹脂を含む第1成分またはポリオレフィン系樹脂を含む第2成分の質量に対して0.1〜20質量%が好ましい。
添加方法としては、第1成分や第2成分中に無機微粒子のパウダーを直接添加する方法、或いは樹脂に無機微粒子を練り込み、マスターバッチ化して添加する方法などを挙げることができる。マスターバッチ化に用いる樹脂は、第1成分、第2成分と同じ樹脂を用いることが最も好ましいが、本発明の要件を満たすものであれば特に限定されず、第1成分、第2成分と異なる樹脂を用いてもよい。
本発明の熱接着性型複合繊維の鞘部を構成する第2成分はポリオレフィン系樹脂を含む。ポリオレフィン系樹脂としては第1成分のポリエステル系樹脂の融点より30℃以上低い融点を有することが必要である。第2成分に含まれるポリオレフィン系樹脂としては公知のポリオレフィンポリマーが挙げられ、具体的には高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンなどが使用できる。また、これらの重合体に、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。さらに、複数のポリオレフィン系樹脂の混合物となっていてもかまわない。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレンが好ましく用いられる。高密度ポリエチレンのメルトマスフローレイトは、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、8〜25g/10分が好ましく、より好ましくは、10〜20g/10分である。
第2成分には、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂も、本発明の目的・効果を損なわない範囲で含有させることができる。
本発明の芯部がポリエステル系樹脂を含む第1成分、鞘部がポリオレフィン系樹脂を含む第2成分である撥水性熱接着性型複合繊維の複合比率は、質量比で芯成分(第1成分)/鞘成分(第2成分)=60/40〜40/60の範囲である。より好ましくは質量比で芯成分(第1成分)/鞘成分(第2成分)=55/45〜45/55の範囲である。
芯成分(第1成分)の質量比が65を超えると、熱接着性成分である鞘成分の質量比が低下するため、不織布の接着強力が低下する。逆に鞘成分(第2成分)の質量比が65を超えると、芯成分の質量比か低下するため、不織布の機械的強度に問題が生じてくる。
本発明の撥水性熱接着性型複合繊維の断面形状としては、繊維の熱接着性の点から、低融点成分であるポリオレフィン系樹脂を含む第2成分が繊維断面外周に配置された芯鞘型であることが必要であるが、本発明でいう芯鞘型とは、同心中実芯鞘型、偏心中実芯鞘型、同心中空芯鞘型、偏心中空芯鞘型などの他に、ポリオレフィン系樹脂を含む第2成分が繊維断面外周の少なくとも一部に配置されている芯鞘型(芯部分が一部露出した芯鞘型)も含まれる。中でも製糸操業性の面から同心鞘芯型、偏心鞘芯型断面であることがより好ましい。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維の単繊維繊度は、1.0〜10.0dtexが好ましく、さらに好ましくは、1.0〜3.0dtexである。単繊維繊度が1.0dtex未満になると、繊度が小さいため、カードでの加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。10.0dtexを超えると、繊度が高くなるため、繊維の剛性が高くなり、得られた不織布の地合いが硬くなる。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維は捲縮を有することが好ましい。その捲縮数は、10〜20山/25mmが好ましく、さらに好ましくは、12〜18山/25mmである。捲縮数が10山/25mm未満になると、繊維の絡合性が低下することで、カードでの加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。20山/25mmを超えると、繊維の絡合性が強く、繊維の開繊性が悪くなることでカードでの加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。本発明における捲縮数は、後述する方法で測定した値をいう。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維の捲縮率は、10〜25%が好ましく、さらに好ましくは、14〜20%である。捲縮率が10%未満になると、繊維の絡合性が低下することで、カードでの加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。25%を超えると、繊維の絡合性が強く、繊維の開繊性が悪くなることでカードでの加工性が低下し、得られた不織布の地合いが悪くなる。本発明における捲縮率は、後述する方法で測定した値をいう。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維の初期引張抵抗度は、1700〜2800N/mmであることが必要であり、好ましくは2000〜2600N/mmである。1700N/mm未満の場合、良好な不織布嵩高を得ることが困難である。2800N/mmより大きい場合、得られた不織布の地合いが硬くなる。初期引張抵抗度を上記範囲内に調整するには、紡糸工程においては、樹脂温度、繊維の冷却条件、樹脂吐出量と繊維引き取り速度のバランスなどを、延伸工程においては、延伸温度、延伸速度、延伸倍率、乾燥温度などを調整することにより達成することができる。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維は、その表面にジメチルポリシロキサンを含有するシリコン系油剤が付着している。シリコン系油剤は一般的に繊維用処理剤に使用される油剤であり、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、ポリプロピレングリコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
上記油剤は撥水性付与の観点から、繊維重量に対して0.1〜5.0重量%が付与することが好ましく、更に好ましくは0.2〜0.7重量%である。0.1重量%未満の場合、撥水性能を得ることは難しく、5.0重量%よりも大きい場合、カード通過時に静電気が発生し、好ましくない。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維の120℃処理における乾熱収縮率は、0.2〜2.0%が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜1.5%である。乾熱収縮率が0.2%未満の繊維を得るためには、乾燥温度条件を高くすることになり、その結果ポリエチレンが溶融接着しやすくなるため安定的に繊維を得ることが難しい。乾熱収縮率が2.0%を超える繊維は、熱接着工程において不織布が収縮し、嵩高性を得ることが困難である。ここで、乾熱収縮率は後述する方法で測定した値を言う。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維は短繊維にして、不織布の原料として好ましく用いられる。本発明の撥水性熱接着型複合繊維で構成された不織布は、耐水圧が50mmであることが好ましい。不織布の耐水圧が50mmより低い場合には、紙おむつとした際に尿が漏れる可能性があるため、50mm以上であることが好ましい。なお、本発明における耐水圧は、後述する方法で測定した値をいう。
次に、本発明で用いられる撥水性熱接着型複合繊維の製造方法について、具体的に一態様を例示して説明する。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維は、芯成分に固有粘度が0.62〜0.67であるポリエステル系樹脂とした第1成分、鞘成分をポリオレフィン系樹脂とした2成分を芯鞘型の断面形状となるように溶融紡出し、未延伸糸を得、熱延伸後のスタフィングボックスで捲縮付与することにより製造することができる。以下これについてさらに詳述する。
まず、ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂を溶融し、芯鞘(同心中実芯鞘型)構造とする口金よりポリマーを吐出する。吐出孔を好ましくは300〜600孔有する紡糸口金を通して、ポリエステル系樹脂の融点よりも10〜30℃程度高い紡糸温度で、紡出直後に好ましくは10〜25℃の温度の空気を好ましくは50〜100m/分の風量で冷却させ、紡糸油剤を付与し、好ましくは引き取り速度1000〜1500m/分で一旦、缶に納めることにより未延伸糸トウを得る。
次いで、得られた未延伸糸トウを好ましくは温度80〜100℃の液浴を用いて、2.0〜4.0倍の延伸倍率で延伸し、シリコン系油剤を付与し、スタッファボックス式捲縮機などの捲縮機を用いて捲縮付与を行う。捲縮トウは、100〜115℃の熱風雰囲気化で加熱処理を行う。100℃未満であれば2%以下とする乾熱収縮率を得ることができない。115℃を超えるとポリエチレンが溶融接着するため安定的に繊維を得ることが困難である。
熱風雰囲気下で加熱処理した繊維は冷却し、繊維を短繊維にカットする。用途に応じて選択でき特に限定されないが、カーディング処理を行う場合には30〜76mmが好ましく、より好ましくは30〜51mmである。
カットされた短繊維は、公知の方法により不織布とすることができる。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維から構成される不織布は、目付が3〜200g/mであることが好ましい態様である。前記の目付は、より好ましくは5〜150g/mであり、さらに好ましくは10〜100g/mである。目付を上記の範囲とすることにより、不織布に十分な風合いと嵩高性を付与することができる。
本発明の撥水性熱接着型複合繊維から構成される不織布の2kPa条件下で測定した厚みは、0.20mm以上であることが好ましい。不織布の厚みを0.20mm以上とすることにより、不織布が硬くなりすぎず、紙おむつ等の衛生材料に使用した際に、適度な風合いとすることができる。不織布の厚みは高いほど好ましいが、紙おむつ等の衛生材料に使用する観点から、5mm以下であることが好ましい。
次に、本発明の熱接着型複合繊維とその製造方法について、実施例を用いて詳細に説明する。物性等の測定方法は、次のとおりである。
(複合比率)
得られた熱接着繊維の断面を、顕微鏡を用いて400倍の倍率で撮影し、さらに断面写真を拡大コピーする。コピーした用紙について、繊維部断面(芯部、鞘部のそれぞれ)を切り取り、電子天秤でN=20で質量を測定し、これを平均することで算出した。
(不織布の目付)
不織布の目付は、JIS L 1913(2010年版)の6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(不織布の厚み)
JIS L 1908(2010年版)に準拠して、不織布の厚さを測定した。2500mmの面積を有するプレッサーフット準備し、プレッサーフットの直径の1.75倍以上の大きさの試験片について、一定時間2kPaの圧力を加えた後、厚さを測定した。試験片10枚分の平均値を算出して、その値を厚みとした。
(不織布の比容積)
試料繊維を、別途ローラーカード試験機にてカードウェブとし、このウェブをサクションドライヤーで、130℃でエアスルー加工して、目付25g/mの不織布を得た。不織布をA4サイズに切断し、無作為に選んだ10点の平均値から厚みを算出し、下式
比容積(cm/g)={厚み(mm)/(目付け(g/m)}×1000
から嵩高の指標である比容積を算出した。
(耐水圧)
JIS L 1092の6.1 耐水度A法(低水圧法)による(a)静水圧法に準じて評価した。
(乾熱収縮率)
単繊維23mmを滑沢紙に貼りつけ270mg/dtexの初荷重をかけて原長(mm)を測定し、乾熱120℃で20分間熱処理を行った後、処理長(mm)を測り、次式
乾熱収縮率(%)={(原長−処理長)/原長}×100
で求めた。
(繊維長、繊度、捲縮数、捲縮率)
JIS L1015(2010年)に準じて繊維物性を測定した。
(繊維の初期引張抵抗度)
繊維の初期引張抵抗度は、テンシロン引張試験機(ボールドウィン社製RTG−1250)を用い、JIS L 1015(2010年)に準拠して測定した。
(油剤付着量)
試料2gを精秤した後、カラムに詰め込みメタノール13〜15ccを加え油剤を抽出し、15分後メタノールをアルミ皿に移して乾固させ、残渣重量(g)を測定し、次式
油剤付着量(%)=残渣重量/試料重量×100
で求めた。
[実施例1]
(原綿)
撥水性熱接着型複合繊維を、次の方法で製造した。
芯成分として固有粘度が0.64のポリエステル系樹脂と、鞘成分としてメルトマスフローレイトを18g/10分とした高密度ポリエチレン系樹脂を、質量比で(A)/(B)=50/50となるように溶融し、吐出孔を400孔有する同心円芯鞘型口金を通して、紡出し、20℃の温度の空気を60m/分の風量で紡出糸を冷却させた後、引き取り速度1100m/分で未延伸糸トウを得た。
次いで、得られた未延伸糸トウを、85℃の温度の液浴を用いて、3.0倍の延伸倍率で延伸を施し、メチルポリシロキサンを含有するシリコン系油剤を付与し、スタフィングボックス式捲縮機を用いて捲縮付与を行った。その後、捲縮トウを110℃の熱風雰囲気化で加熱処理を行い、繊維長38mmになるように切断した。得られた撥水性熱接着型複合繊維は、捲縮数が14山/25mm、捲縮率が18%、油分が0.3%、初期引張抵抗度が2500N/mm、乾熱収縮率が0.3%であった。
(不織布)
上記の撥水性熱接着型複合繊維の原綿を用いて、カード工程を経て、積層繊維ウェブを形成した。次いで、得られた積層繊維ウェブを、熱処理機を用いて、温度が160℃、熱風風速が3.3m/分の条件で12秒間熱処理した後、上下フラットロールのカレンダー装置を用いて、温度が30℃、線圧が160N/cmの条件で熱処理し、不織布を得た。
得られた不織布の目付は25g/m、厚みは2.8mm、比容積は112cm/g、耐水圧は52mmであった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
シリコン系油剤の付着量を変更したこと以外は実施例1と同じ条件で撥水性熱接着型複合繊維と不織布を製造した。
得られた撥水性熱接着型複合繊維は捲縮数が15山/25mm、捲縮率が19%、油分が0.4%、初期引張抵抗度が2550N/mm、乾熱収縮率が0.4%であった。得られた不織布の目付は24g/m、厚みは2.8mm、比容積は117cm/g、耐水圧は63mmであった。
[比較例1]
シリコン系油剤の付着量を変更したこと以外は実施例1と同じ条件で撥水性熱接着型複合繊維と不織布を製造した。
得られた撥水性熱接着型複合繊維は捲縮数が15山/25mm、捲縮率が19%、油分が0.05%、初期引張抵抗度が2450N/mm、乾熱収縮率が0.5%であった。得られた不織布の目付は24g/m、厚みは2.6mm、比容積は108cm/g、耐水圧は25mmであり、耐水圧が劣位な結果となった。
[比較例2]
捲縮トウの加熱処理温度を90℃に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で撥水性熱接着型複1合繊維と不織布を製造した。
得られた撥水性熱接着型複合繊維は捲縮数が14山/25mm、捲縮率が18%、油分が0.3%、初期引張抵抗度が1650N/mm、乾熱収縮率が4.2%であった。得られた不織布の目付は25g/m、厚みは2.1mm、比容積は84cm/g、耐水圧は51mmであり、嵩高性が劣位な結果となった。
Figure 2019163567

Claims (3)

  1. 芯部がポリエステル系樹脂を含む第1成分、鞘部が前記ポリエステル系樹脂の融点より30℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成される芯鞘型の複合繊維であって、初期引張抵抗度が1700〜2800N/mmであり、シリコン系油剤を含有する油剤が0.1〜5.0重量%付着している、撥水性熱接着型複合繊維。
  2. 120℃での乾熱収縮率が0.2〜2.0%である請求項1に記載の撥水性熱接着型複合繊維。
  3. 耐水圧が50mm以上である、請求項1又は2に記載の撥水性熱接着型複合繊維で構成される不織布。
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