JP2019162035A - 細胞処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することができる細胞処理装置を提供する。【解決手段】細胞処理装置は、細胞供給部の下流側に設けられ第1の流路を介して細胞供給部に接続され、細胞および細胞に随伴する液体を含む細胞懸濁液から液体を除去する濃縮処理を行う濃縮部と、濃縮部の下流側に設けられ第2の流路を介して濃縮部に接続され、細胞の凝集体を分割する分割処理を行う分割部と、を含む。【選択図】図1

Description

開示の技術は、細胞処理装置に関する。
細胞処理装置(細胞培養装置)に関する技術として、例えば以下の技術が知られている。例えば、特許文献1には、培養槽と、培養槽に連結されたフィルタ手段を有する分離装置と、分離装置に連結され、内部に貯留した液体培地を分離装置のフィルタ手段の表面に対して平行な方向に供給する培地移送槽とを備えた培養装置が記載されている。この培養装置は、培地移送槽と培養槽との間で液体培地を往復流動させることが可能とされている。
一方、特許文献2には、細胞等を含んだ培養液を循環または貯留して細胞の増殖を行う培養系と、培養系中の液状培地を連続的に新鮮培地と交換しうる液−補給・分離手段を備えた培養装置が記載されている。この培養装置には、培養液を一時この培養系の系外に迂回できる迂回流路が設けられており、この迂回流路に、培養液中の細胞等を透過するが細胞塊等を透過しえないフィルタを内蔵した筒状体からなる細胞塊除去部が設けられている。
特開2010−011792号公報 特開平01−206988号公報
多能性幹細胞の培養においては、細胞を培養することによって生じる細胞凝集体(スフェア)のサイズが過大となると、細胞凝集体同士が接着融合し、細胞が分化を開始したり、細胞凝集体の中の細胞が壊死したりするといった問題が生じる。従って、細胞凝集体のサイズが過大となることを防止するために、細胞の培養期間中の適切な時期に、細胞凝集体を分割する分割処理が必要となる。また、細胞培養においては、細胞から分泌される代謝物などによって培地が変質する。そのため、培養期間中における適切な時期に、培養容器内における使用済みの培地を新鮮な培地に交換する培地交換処理が必要となる。また、細胞培養においては、細胞懸濁液に含まれる細胞の濃度を所望の濃度にまで濃縮する濃縮処理が必要となる。
上記の分割処理、培地交換処理および濃縮処理を含む一連の細胞培養プロセスを自動化する細胞処理装置の構成として以下の構成が考えられる。例えば、上記の各処理を実施するための処理ユニットおよび細胞培養容器を、環状の循環流路上または循環流路から分岐した分岐流路上に適宜配置する構成が考えられる。しかしながら、この構成によれば、環状の循環流路を各処理において共有することになり、分割処理前後の細胞が混ざり合ういわゆるコンタミネーションのリスクが高いと考えられる。例えば、循環流路を経由して細胞懸濁液を移送している間に循環流路の壁面に付着した一部の細胞については分割処理が実施されず、この細胞が循環流路を経由して分割処理済みの細胞に混入するおそれがある。特に、再生医療に用いられる培養細胞は、同一ロット内における細胞の均質性を保証する必要があるため、分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することが重要である。
開示の技術は、上記の点に鑑みてなされたものであり、分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することができる細胞処理装置を提供することを目的とする。
開示の技術に係る細胞処理装置は、細胞を供給する細胞供給部と、細胞供給部の下流側に設けられて第1の流路を介して細胞供給部に接続され、細胞および細胞に随伴する液体を含む細胞懸濁液から液体を除去する濃縮処理を行う濃縮部と、濃縮部の下流側に設けられて第2の流路を介して濃縮部に接続され、細胞の凝集体を分割する分割処理を行う分割部と、を含む。
開示の技術に係る細胞処理装置において、第1の流路は、第1の流路を通過する細胞懸濁液が上流側から下流側に向けて流れる一方通行の流路であることが好ましく、第2の流路は、第2の流路を通過する細胞懸濁液が上流側から下流側に向けて流れる一方通行の流路であることが好ましい。
開示の技術に係る細胞処理装置において、濃縮部は、一方の流通口が第1の流路に接続され、他方の流通口が第2の流路に接続され、一方の流通口または他方の流通口から流入する細胞懸濁液に対して濃縮処理を施して、一方の流通口および他方の流通口のうち細胞懸濁液が流入した流通口とは異なる流通口から濃縮処理を施した細胞懸濁液を排出するフィルタ部を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置において、分割部は、分割処理を施した細胞を排出する排出口を含み得る。この場合、開示の技術に係る細胞処理装置は、排出口に接続された第3の流路と、第3の流路に接続された細胞回収容器と、を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置は、一端が第2の流路に接続され、他端が第3の流路に接続された第1のバイパス流路を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置において、濃縮部は、第1の流路に接続された第1の貯留容器と、第2の流路に接続された第2の貯留容器と、を含み得る。
第1の貯留容器は、第1の流路に接続された第1の流通口を介して細胞懸濁液を流入および流出させ、第2の貯留容器は、第2の流路に接続された第2の流通口を介して細胞懸濁液を流入および流出させることが好ましい。第1の流通口は、第1の貯留容器の底部に設けられ、第2の流通口は、第2の貯留容器の底部に設けられていることが好ましい。
開示の技術に係る細胞処理装置は、第1の貯留容器の内部の圧力を制御する第1の圧力制御部と、第2の貯留容器の内部の圧力を制御する第2の圧力制御部と、を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置は、一方の端部が第1の流路に接続され、他方の端部が第2の流路に接続され、一方の端部または他方の端部から流入する細胞懸濁液に対して撹拌処理を施して、一方の端部および他方の端部のうち細胞懸濁液が流入した端部とは異なる端部から撹拌処理を施した細胞懸濁液を排出する撹拌部を含み得る。撹拌部は、スタティックミキサを含んで構成されていてもよい。
開示の技術に係る細胞処理装置は、一端が第1の流路に接続され、他端が第2の流路に接続された第2のバイパス流路を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置において、濃縮部は、第1の流路と第2の流路との間に、互いに直列または並列に配置された複数のフィルタ部を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置において、フィルタ部は、タンジェンシャルフロー方式による濾過を行うものであってもよく、遠心力を利用した分離を行うものであってもよい。
濃縮部が複数のフィルタ部を含む場合、濃縮部は、タンジェンシャルフロー方式による濾過を行う第1のフィルタ部と、遠心力を利用した分離を行う第2のフィルタ部と、を含んでいてもよい。
開示の技術に係る細胞処理装置は、第1の流路に接続された第1の培地供給部を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置は、第3の流路に接続された第2の培地供給部を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置は、細胞供給部に洗浄液を供給する洗浄液供給部を含み得る。
開示の技術に係る細胞処理装置によれば、分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る細胞処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルタ部における濾過の態様の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞処理装置の使用形態の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞処理装置が分割処理を実施する場合における細胞及び培地等の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞処理装置が培地交換処理を実施する場合における細胞及び培地等の流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞処理装置が濃縮処理を実施する場合における細胞及び培地等の流れを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る細胞処理装置の部分的な構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る細胞処理装置の部分的な構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る細胞処理装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る細胞処理装置1の構成を示す図である。細胞処理装置1は、主要な構成要素として、細胞供給部10、濃縮部20および分割部30を備えている。細胞処理装置1は、更に、培地供給部51、52、洗浄液供給部60および撹拌部40を備えている。
細胞供給部10は、細胞処理装置1によって実施される各処理の対象となる細胞を供給する。細胞供給部10は、細胞を収容する収容容器を含んで構成されている。細胞供給部10は、その底部に設けられた流通口10aから細胞を排出する。流通口10aは、バルブV1を介して第1の流路F1に接続されている。バルブV1は、細胞供給部10に収容された細胞を第1の流路F1に流出させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。
濃縮部20は、細胞供給部10の下流側に設けられ、第1の流路F1を介して細胞供給部10に接続されている。濃縮部20は、細胞および細胞に随伴する液体(例えば培地)を含む細胞懸濁液から液体および細胞凝集体から離脱してシングルセル化した死細胞等のデブリスを除去することにより、細胞懸濁液に含まれる細胞の濃度を高める濃縮処理を行う。濃縮部20は、フィルタ部21、濾過液回収容器22および2つの貯留容器23A、23Bを含んで構成されている。
フィルタ部21は、バルブV2を介して第1の流路F1に接続された流通口21aと、バルブV3を介して第2の流路F2に接続された流通口21bとを有する。フィルタ部21は、流通口21aまたは21bから流入する細胞懸濁液に対して濃縮処理を施して、細胞懸濁液が流入した流通口とは異なる流通口から濃縮処理を施した細胞懸濁液を排出する。例えば、流通口21aからフィルタ部21に流入した細胞懸濁液は、フィルタ部21において濃縮処理が施され、濃縮処理済みの細胞懸濁液が流通口21bから排出される。
フィルタ部21は、例えば、タンジェンシャルフロー(クロスフロー)方式による濾過を行う濾過装置を構成するものであり、濾過装置の内部に配置された濾過膜の膜面に沿って細胞懸濁液が流れるように構成されている。図2は、フィルタ部21における濾過の態様の一例を示す図である。フィルタ部21は、例えば、中空糸からなる濾過膜Mを有する。濾過膜Mは、多孔質膜であってもよく、濾過膜Mの材質は、金属、ポリマーまたはセラミックス焼結体などであってもよい。細胞Cおよび培地等の液体Lを含む細胞懸濁液が流通口21aまたは21bを介して濾過膜Mの内側に流入すると、液体Lは、濾過膜Mの外側に排出されて濾過液回収容器22に収容される。一方、細胞Cは、濾過膜Mの内側を通過して流通口21aまたは21bから排出されて回収される。なお、フィルタ部21は、細胞懸濁液の流れ方向が、濾過膜の膜面に対して交差する方向となるデッドエンドフロー方式による濾過を行うものであってもよい。また、フィルタ部21は、遠心力を利用した分離を行うものであってもよい。
バルブV2およびV3は、フィルタ部21において濃縮処理を行う場合に開状態とされ、それ以外の場合は閉状態とされる。
貯留容器23Aおよび23Bは、細胞処理装置1において実施される各処理の対象となる細胞懸濁液を一時的に貯留しておくための容器である。貯留容器23Aおよび23Bの形態は、特に限定されず、例えば、ガラス製若しくはステンレス製の容器、またはプラスチック製のバッグの形態を有する容器を使用することが可能である。
貯留容器23Aは、その底部に設けられた流通口23aを有し、流通口23aを経由して細胞懸濁液が流入または流出する。すなわち、流通口23aは、貯留容器23Aの流入口の役割と流出口の役割とを兼ねている。流通口23aは、バルブV4を介して第1の流路F1に接続されている。バルブV4は、貯留容器23Aに細胞懸濁液を流入させる場合または貯留容器23Aから細胞懸濁液を流出させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。
同様に、貯留容器23Bは、その底部に設けられた流通口23bを有し、流通口23bを経由して細胞懸濁液が流入または流出する。すなわち、流通口23bは、貯留容器23Bの流入口の役割と流出口の役割とを兼ねている。流通口23bは、バルブV5を介して第2の流路F2に接続されている。バルブV5は、貯留容器23Bに細胞懸濁液を流入させる場合または貯留容器23Bから細胞懸濁液を流出させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。
貯留容器23Aには、加圧装置24Aおよび圧力制御装置25Aが設けられている。加圧装置24Aは、貯留容器23Aの内部を加圧する機能を有する。圧力制御装置25Aは、加圧装置24Aが貯留容器23Aの内部を加圧する圧力を制御する。
同様に、貯留容器23Bには、加圧装置24Bおよび圧力制御装置25Bが設けられている。加圧装置24Bは、貯留容器23Bの内部を加圧する機能を有する。圧力制御装置25Bは、加圧装置24Bが貯留容器23Bの内部を加圧する圧力を制御する。
圧力制御装置25Aおよび25Bによる圧力制御によって、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で相互に細胞懸濁液の移送が可能である。例えば、貯留容器23Aの内部の圧力を貯留容器23Bの内部の圧力よりも高くすることで、貯留容器23Aに貯留された細胞懸濁液を貯留容器23Bに移送することが可能である。また、貯留容器23Bの内部の圧力を貯留容器23Aの内部の圧力よりも高くすることで、貯留容器23Bに貯留された細胞懸濁液を貯留容器23Aに移送することが可能である。なお、本実施例では、貯留容器23Aおよび23Bの内部の圧力を加圧する加圧手段によって貯留容器23Aおよび23Bにおいて圧力差を生じさせて細胞懸濁液の移送を行う場合を例示したが、この態様に限定されるものではない。他の例として、貯留容器23Aおよび23Bの内部の圧力を減圧する減圧手段によって貯留容器23Aおよび23Bにおいて圧力差を生じさせて細胞懸濁液の移送を行ってもよい。また、加圧手段と減圧手段との組み合わせによって貯留容器23Aおよび23Bにおいて圧力差を生じさせて細胞懸濁液の移送を行ってもよい。
貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で細胞懸濁液を往復移動させることも可能であり、この場合に細胞懸濁液がフィルタ部21を通過することで、フィルタ部21による濃縮処理を複数回に亘り連続的に実施することが可能となる。従って、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間での細胞懸濁液の往復移動回数によって、細胞懸濁液の濃度を調整することができる。
撹拌部40は、流入する細胞懸濁液を撹拌する機能を有する。撹拌部40の一方の端部は、バルブV9を介して第1の流路F1に接続され、撹拌部40の他方の端部は、バルブV10を介して第2の流路F2に接続されている。撹拌部40は、一方の端部または他方の端部から流入する細胞懸濁液に対して撹拌処理を施して細胞懸濁液が流入した端部とは異なる端部から撹拌処理を施した細胞懸濁液を排出する。
撹拌部40は、駆動部を有しない所謂スタティックミキサとしての構成を有していることが好ましく、例えば、管状体と、管状体の内部に固定設置され、管状体の内部にらせん状の流路を形成する撹拌エレメントと、を含んで構成される。なお、スタティックミキサを構成する管状体の内部の流路は、必ずしもらせん状であることを要しない。また、スタティックミキサは、管状体の内部を通過する流体を撹拌し得るように、管状体の内径を変化させた構造を有するものであってもよい。
バルブV9およびV10は、撹拌部40において撹拌処理を行う場合に開状態とされ、それ以外の場合は閉状態とされる。
細胞処理装置1は、第1の流路F1と第2の流路F2との間にバイパス流路F20を有する。すなわち、バイパス流路F20の一端は、バルブV11を介して第1の流路F1に接続されており、バイパス流路F20の他端は、バルブV12を介して第2の流路F2に接続されている。
バルブV11およびV12は、バイパス流路F20に細胞懸濁液を流す場合に開状態とされ、それ以外の場合は閉状態とされる。
以上のように、細胞処理装置1において、第1の流路F1および第2の流路F2との間に、フィルタ部21、撹拌部40およびバイパス流路F20が並列に配置されており、これらを選択的に使用することが可能である。すなわち、第1の流路F1を介して供給される細胞懸濁液は、第2の流路F2に移送されるまでの間に、フィルタ部21、撹拌部40およびバイパス流路F20のいずれをも経由することが可能である。
分割部30は、細胞を培養することによって形成される細胞凝集体を分割する分割処理を行う機能を有する。分割部30において行われる分割処理は、機械的分割処理であってもよいし、細胞解離酵素を用いた酵素処理であってもよい。機械的分割処理が適用される場合には、分割部30は、処理容器と、処理容器の内部に設けられたメッシュフィルタを含んで構成される。細胞凝集体をメッシュフィルタに通すことで、細胞凝集体はメッシュフィルタのメッシュサイズに応じたサイズに分割される。なお、細胞凝集体を分割する手段としてメッシュフィルタ以外に多孔板または貫通孔板を用いることが可能である。一方、酵素処理による分割処理が適用される場合には、分割部30は、トリプシン−EDTA(ethylenediaminetetraa cetic acid)等の細胞解離酵素が収容された処理容器を含んで構成される。細胞凝集体を一定時間に亘り細胞解離酵素に浸漬することで、細胞凝集体が分割される
分割部30は、バルブV13を介して第2の流路F2に接続された流入口30aと、バルブV14を介して第3の流路F3に接続された流出口30bとを有する。分割部30は、流入口30aから流入する細胞懸濁液に含まれる細胞凝集体に対して分割処理を施して、分割処理を施した細胞凝集体を含む細胞懸濁液を流出口30bから排出する。
バルブV13およびV14は、分割部30において分割処理を行う場合に開状態とされ、それ以外の場合は閉状態とされる。
細胞処理装置1は、第2の流路F2と第3の流路F3との間にバイパス流路F10を有する。すなわち、バイパス流路F10の一端は、バルブV15を介して第2の流路F2に接続されており、バイパス流路F10の他端は、バルブV16を介して第3の流路F3に接続されている。
バルブV15およびV16は、バイパス流路F10に細胞懸濁液を流す場合に開状態とされ、それ以外の場合は閉状態とされる。
細胞処理装置1は、2つの培地供給部51および52を有する。培地供給部51は、新鮮な培地を収容する収容容器を含んで構成されている。培地供給部51は、その底部に設けられた排出口51aから培地を排出する。排出口51aは、バルブV17を介して第1の流路F1に接続されている。バルブV17は、培地供給部51に収容された培地を第1の流路F1に流出させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。なお、排出口51aは、培地供給部51の底部以外の位置に配置することが可能である。
培地供給部52は、その底部に設けられた排出口52aから培地を排出する。排出口52aは、バルブV18を介して第3の流路F3に接続されている。バルブV18は、培地供給部52に収容された培地を第3の流路F3に流出させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。なお、排出口52aは、培地供給部52の底部以外の位置に配置することが可能である。
洗浄液供給部60は、細胞供給部10およびフィルタ部21を洗浄するための洗浄液を収容する収容容器を含んで構成されている。洗浄液供給部60は、バルブV19を介して細胞供給部10に接続されている。
バルブV19は、洗浄液供給部60に収容された洗浄液による洗浄を行う場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。バルブV19が開状態となることで、洗浄液供給部60に収容された洗浄液が細胞供給部10に流入し、細胞供給部10を構成する容器の内部が洗浄される。これにより細胞供給部10に残留する細胞を洗浄液の液流によって掻きとって回収することが可能である。
洗浄液供給部60に収容された洗浄液をフィルタ部21に供給することで、フィルタ部21の洗浄を行うことも可能である。洗浄液をフィルタ部21に流すことで、フィルタ部21に設けられた濾過膜の膜面に残留する細胞を洗浄液の液流によって掻きとって回収することが可能である。なお、培地供給部51および52に収容された培地と同じ培地を洗浄液として用いることが可能である。
細胞回収容器100は、細胞処理装置1によって処理された細胞懸濁液を回収するための容器である。細胞回収容器100の形態は、特に限定されず、例えば、ガラス製またはステンレス製の容器やプラスチック製のバッグの形態を有する容器を使用することが可能である。図1に示すように、細胞回収容器100を第3の流路F3に接続することで、細胞処理装置1において処理された細胞を細胞回収容器100に回収することが可能である。細胞回収容器100は、その底部に設けられた流通口100aを有し、流通口100aを経由して細胞処理装置1によって処理された細胞懸濁液が流入する。細胞処理装置1において処理された細胞懸濁液を細胞回収容器100に回収する場合、細胞回収容器100の流通口100aは、バルブV22を介して第3の流路F3に接続される。バルブV22は、細胞回収容器100に処理済みの細胞懸濁液を流入させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。
また、細胞回収容器100に収容された細胞懸濁液を、細胞処理装置1によって処理する場合には、図3に示すように、細胞回収容器100は、細胞供給部10に接続される。この場合、バルブV22は、細胞回収容器100に収容された細胞懸濁液を細胞供給部10に流入させる場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。
細胞処理装置1において各流路を構成する配管同士の接続部Xは、滅菌コネクタで構成されていることが好ましい。
細胞処理装置1において、第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の流れ方向は、常に細胞供給部10から濃縮部20に向かう方向(図1に示す矢印の方向)となるように制御されることが好ましい。
第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の液流は、例えば、第1の流路F1上に配置されたポンプ(図示せず)によって形成してもよい。この場合、第1の流路F1上に配置されたポンプの回転方向によって第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の流れ方向を制御することが可能である。
また、第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の液流は、細胞供給部10または培地供給部51の内部の圧力と、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力との差圧によって形成してもよい。この場合、貯留容器23Aおよび23Bに設けられた加圧装置24A、24Bおよび圧力制御装置25A、25Bと同様の機構が、細胞供給部10および培地供給部51に設けられる。例えば、細胞供給部10の内部の圧力を、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力よりも高くすることで、第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の流れ方向を、細胞供給部10から濃縮部20に向かう方向とすることができる。なお、第1の流路F1を通過する細胞懸濁液の液流を形成する手段としては、細胞供給部10、培地供給部51および貯留容器23A、23Bの内部への圧力印加に限らず、外部から圧力を印加してもよい。
なお、第1の流路F1において細胞懸濁液の逆流を防止するために、第1の流路F1の下流側の端部にバルブV20を設けてもよい。バルブV20は、第1の流路F1に細胞懸濁液を流す場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。なお、第1の流路F1において細胞懸濁液の逆流を防止するための他の手段として逆止弁を用いることも可能である。逆止弁を用いることで、第1の流路F1において上流側から下流側に向かう液流を通過させる一方、逆方向の液流を遮断することが可能である。
細胞処理装置1において、第2の流路F2を通過する細胞懸濁液の流れ方向は、常に濃縮部20、撹拌部40またはバイパス流路F20から分割部30またはバイパス流路F10に向かう方向(図1に示す矢印の方向)となるように制御されることが好ましい。
第2の流路F2を通過する細胞懸濁液の液流は、例えば、第2の流路F2上に配置されたポンプ(図示せず)によって形成してもよい。この場合、第2の流路F2上に配置されたポンプの回転方向によって第2の流路F2を通過する細胞懸濁液の流れ方向を制御することが可能である。
また、第2の流路F2を通過する細胞懸濁液の液流は、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力と、細胞回収容器100の内部の圧力との差圧によって形成してもよい。或いは、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力と、分割部30の内部の圧力との差圧によって形成してもよい。この場合、貯留容器23Aおよび23Bに設けられた加圧装置24A、24Bおよび圧力制御装置25A、25Bと同様の機構が細胞回収容器100または分割部30に設けられる。貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力を、細胞回収容器100または分割部30の内部の圧力よりも高くすることで、第2の流路F2を通過する細胞懸濁液の流れ方向を、濃縮部20、撹拌部40またはバイパス流路F20から分割部30またはバイパス流路F10に向かう方向とすることができる。
なお、第2の流路F2において細胞懸濁液の逆流を防止するために、第2の流路F2の上流側の端部にバルブV21を設けてもよい。バルブV21は、第2の流路F2に細胞懸濁液を流す場合に開状態とされ、それ以外の場合には閉状態とされる。なお、第2の流路F2において細胞懸濁液の逆流を防止するための他の手段として逆止弁を用いることも可能である。逆止弁を用いることで、第2の流路F2において上流側から下流側に向かう液流を通過させる一方、逆方向の液流を遮断することが可能である。
また、細胞処理装置1において、第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の流れ方向は、常に分割部30またはバイパス流路F10から細胞回収容器100に向かう方向(図1に示す矢印の方向)となるように制御されることが好ましい。
第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の液流は、例えば、第3の流路F3上に配置されたポンプ(図示せず)によって形成してもよい。この場合、第3の流路F3上に配置されたポンプの回転方向によって第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の流れ方向を制御することが可能である。
また、第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の液流は、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力と、細胞回収容器100の内部の圧力との差圧によって形成してもよい。この場合、貯留容器23Aおよび23Bに設けられた加圧装置24A、24Bおよび圧力制御装置25A、25Bと同様の機構が、細胞回収容器100に設けられる。例えば、貯留容器23Aまたは23Bの内部の圧力を細胞回収容器100の内部の圧力よりも高くすることで、第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の流れ方向を、分割部30またはバイパス流路F10から細胞回収容器100に向かう方向とすることができる。
制御部70は、バルブV1〜V21の開閉制御を行う。また、細胞懸濁液の液流を第1の流路F1、第2の流路F2および第3の流路F3上に配置されたポンプ(図示せず)によって形成する場合、制御部70は、各ポンプの動作制御をバルブV1〜V21の開閉動作と連動させて行う。また、細胞懸濁液の液流を、細胞供給部10、貯留容器23A、23B、分割部30および細胞回収容器100相互間の差圧によって形成する場合、これらの各ユニットに備えられる圧力調整機構の制御を、バルブV1〜V21の開閉動作と連動させて行う。すなわち、制御部70は、細胞処理装置1において実施される各処理において、細胞懸濁液が所定の経路を流れるように送液制御を行う。なお、細胞回収容器100に付随するバルブV22の開閉制御は、制御部70が起こってもよいし、手動で行ってもよい。
以下に、本実施形態に係る細胞処理装置1において実施される処理の一例を示す。細胞処理装置1は、例えば、以下に例示する分割処理、培地交換処理、濃縮処理を実施することができる。
<分割処理>
多能性幹細胞の培養においては、細胞を培養することによって生じるスフェアと呼ばれる細胞凝集体のサイズが過大となると、細胞凝集体同士が接着融合し、細胞が分化を開始したり、細胞凝集体の中の細胞が壊死したりするといった問題が生じる。従って、細胞凝集体のサイズが過大となることを防止するために、培養期間中の適切な時期に、細胞凝集体を分割する分割処理が必要となる。細胞処理装置1は、上記の分割処理を、以下のようにして実施する。なお、以下の説明では、分割部30における分割処理が機械的分割処理である場合を例示する。図4は、細胞処理装置1が分割処理を実施する場合における細胞及び培地等の流れを示す図である。なお、図4において、細胞及び培地等の流れと、以下に示す各処理ステップとの対応が示されている。
細胞処理装置1において分割処理を実施する場合、分割処理の対象となる細胞凝集体は、細胞供給部10に収容され、細胞供給部10から供給される。
ステップS1において、バルブV1、V20、V11、V12およびV5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって細胞供給部10に収容された細胞懸濁液が、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。
ステップS2において、バルブV19が開状態とされる。これにより洗浄液供給部60に収容されている洗浄液が細胞供給部10に流入し、細胞供給部10が洗浄される。これにより、細胞供給部10に残留する細胞(細胞凝集体)が洗浄液の液流によって掻きとられる。
ステップS3において、バルブV1、V20、V11、V12およびV5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって細胞供給部10に残留していた細胞(細胞凝集体)および洗浄液が、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。すなわち、細胞供給部10に残留していた細胞(細胞凝集体)は、ステップS1において貯留容器23Bに移送された細胞(細胞凝集体)とともに貯留容器23Bに貯留される。
ステップS4において、バルブV5、V3、V2およびV4が開状態とされ、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間の差圧制御により、貯留容器23Bに貯留された細胞(細胞凝集体)、洗浄液および培地を含む細胞懸濁液は、フィルタ部21を経由して貯留容器23Aに移送される。細胞懸濁液は、フィルタ部21を通過する間に濃縮処理が施される。
フィルタ部21は、流通口21bから流入した細胞(細胞凝集体)、洗浄液および培地を含む細胞懸濁液から洗浄液および培地を除去して細胞の濃度を高める濃縮処理を行う。洗浄液および培地は、濾過液回収容器22に回収され、濃縮された細胞懸濁液は、流通口21aから排出され、貯留容器23Aに貯留される。なお、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で細胞懸濁液を往復移動させることで、フィルタ部21による濃縮処理を複数回に亘り連続的に実施してもよい。
ステップS5において、バルブV19、V1、V20、V11、V12、V5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって洗浄液供給部60に収容された洗浄液が細胞供給部10、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。続いて、バルブV5、V3、V2およびV4が開状態とされ、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間の差圧制御により、貯留容器23Bに貯留された洗浄液は、フィルタ部21に流れる。洗浄液がフィルタ部21に流れることで、フィルタ部21の濾過膜上に残留する細胞(細胞凝集体)が洗浄液の液流によって掻きとられ、ステップS4において貯留容器23Aに移送された細胞(細胞凝集体)とともに貯留容器23Aに貯留される。
ステップS6において、バルブV17、V20およびV4が開状態とされ、ポンプの動作制御または培地供給部51と貯留容器23Aとの間の差圧制御によって培地供給部51に収容されている新鮮な培地が第1の流路F1を経由して貯留容器23Aに移送される。これにより、貯留容器23Aに貯留されている細胞(細胞凝集体)に、新鮮な培地が供給される。
ステップS7において、バルブV4、V9、V10、V21、V13、V14およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または貯留容器23Aと細胞回収容器100との間の差圧制御によって貯留容器23Aに貯留された細胞懸濁液が撹拌部40、第2の流路F2、分割部30および第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。
細胞懸濁液は、撹拌部40を通過することで撹拌される。これにより、細胞(細胞凝集体)は、培地中に均一に分散する。
撹拌部40を通過した細胞懸濁液は、流入口30aから分割部30の処理容器に流入する。分割部30の処理容器に流入した細胞(細胞凝集体)は、処理容器に設けられたメッシュフィルタを通過することで、メッシュフィルタのメッシュサイズに応じたサイズに分割される。分割処理が施された細胞(細胞凝集体)を含む細胞懸濁液は、流出口30bから排出され、第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に収容される。
ステップS8において、バルブV18およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御、または培地供給部52と細胞回収容器100との間の差圧制御によって培地供給部52に収容されている新鮮な培地が第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。これにより、細胞回収容器100内の培地の量が調整される。なお、培地量の調整が不要な場合には培地供給部52からの培地供給を省略してもよい。
分割処理が完了した後、細胞回収容器100に回収された細胞は、細胞培養容器(図示せず)に移され、細胞培養が継続される。また、分割部30による分割処理が施された細胞(細胞凝集体)を含む細胞懸濁液の全部または一部を保存容器に収容して冷凍保存してもよい。
<培地交換処理>
細胞培養においては、細胞から分泌される代謝物などによって培地が変質する。そのため、培養期間中における適切な時期に、使用済みの培地を、新鮮な培地に交換する培地交換処理が必要とされる。細胞処理装置1は、上記の培地交換処理を、以下のようにして実施する。図5は、細胞処理装置1が培地交換処理を実施する場合における細胞および培地等の流れを示す図である。なお、図5において、細胞および培地等の流れと、以下に示す各処理ステップとの対応が示されている。
細胞回収容器100に収容されている使用済みの培地を新鮮な培地に交換する場合、図3に示すように、細胞回収容器100を細胞供給部10に接続する。その後、バルブV22を開状態とすることで、細胞回収容器100に収容されている使用済み培地を含む細胞懸濁液を細胞供給部10に投入する。その後、細胞回収容器100は、図1に示すように、第3の流路F3に接続される。
ステップS11において、バルブV1、V20、V11、V12およびV5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって細胞供給部10に収容された使用済み培地を含む細胞懸濁液が、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。
ステップS12において、バルブV19が開状態とされる。これにより洗浄液供給部60に収容されている洗浄液が細胞供給部10に流入し、細胞供給部10が洗浄される。これにより、細胞供給部10に残留する細胞が洗浄液の液流によって掻きとられる。
ステップS13において、バルブV1、V20、V11、V12およびV5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって細胞供給部10に残留していた細胞および洗浄液が、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。すなわち、細胞供給部10に残留していた細胞は、ステップS11において貯留容器23Bに移送された細胞とともに貯留容器23Bに貯留される。
ステップS14において、バルブV5、V3、V2およびV4が開状態とされ、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間の差圧制御により、貯留容器23Bに貯留された細胞、洗浄液および使用済み培地を含む細胞懸濁液は、フィルタ部21を経由して貯留容器23Aに移送される。細胞懸濁液は、フィルタ部21を通過する間に濃縮処理が施される。
フィルタ部21は、流通口21bから流入した細胞、洗浄液および使用済み培地を含む細胞懸濁液から洗浄液および使用済み培地を除去して細胞の濃度を高める濃縮処理を行う。洗浄液および使用済みの培地は、濾過液回収容器22に回収され、濃縮された細胞懸濁液は、流通口21aから排出され、貯留容器23Aに貯留される。なお、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で細胞懸濁液を往復移動させることで、フィルタ部21による濃縮処理を複数回に亘り連続的に実施してもよい。
ステップS15において、バルブV1、V20、V11、V12、V5が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Bとの間の差圧制御によって洗浄液供給部60に収容されている洗浄液が細胞供給部10、第1の流路F1、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送される。続いて、バルブV5、V3、V2およびV4が開状態とされ、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間の差圧制御により、貯留容器23Bに貯留された洗浄液は、フィルタ部21に流れる。洗浄液がフィルタ部21に流れることで、フィルタ部21の濾過膜上に残留する細胞が洗浄液の液流によって掻きとられ、ステップS14において貯留容器23Aに移送された細胞とともに貯留容器23Aに貯留される。
ステップS16において、バルブV17、V20およびV4が開状態とされ、ポンプの動作制御、または培地供給部51と貯留容器23Aとの間の差圧制御によって培地供給部51に収容されている新鮮な培地が第1の流路F1を経由して貯留容器23Aに移送される。これにより、貯留容器23Aに貯留されている細胞に、新鮮な培地が供給される。
ステップS17において、バルブV4、V9、V10、V21、V15、V16およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または貯留容器23Aと細胞回収容器100との間の差圧制御によって貯留容器23Aに貯留された細胞懸濁液が撹拌部40、第2の流路F2、バイパス流路F10および第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。
細胞懸濁液は、撹拌部40を通過することで撹拌される。これにより、細胞は、培地中に均一に分散する。
撹拌部40を通過した細胞懸濁液は、第2の流路F2、バイパス流路F10および第3の流路F3を経由して細胞回収容器100内に収容される。
ステップS18において、バルブV18およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または培地供給部52と細胞回収容器100との間の差圧制御によって培地供給部52に収容されている新鮮な培地が第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。これにより、細胞回収容器100内の培地の量が調整される。なお、培地量の調整が不要な場合には培地供給部52からの培地供給を省略してもよい。
<濃縮処理>
上記のように、細胞懸濁液の濃縮処理は、分割処理および培地交換処理に伴って実施されるが、本実施形態に係る細胞処理装置1によれば、細胞懸濁液の濃縮処理を単独で実施することも可能である。図6は、細胞処理装置1が濃縮処理を単独で実施する場合における細胞および培地等の流れを示す図である。なお、図6において、細胞および培地等の流れと、以下に示す各処理ステップとの対応が示されている。
細胞回収容器100内の細胞懸濁液を濃縮する場合、図3に示すように、細胞回収容器100を細胞供給部10に接続する。その後、バルブV22を開状態とすることで、細胞回収容器100内に収容されている細胞および培地を含む細胞懸濁液を細胞供給部10に投入する。その後、細胞回収容器100は、図1に示すように、第3の流路F3に接続される。なお、細胞回収容器100内の細胞懸濁液以外を対象として濃縮処理を行うことも可能である。
ステップS31において、バルブV1、V20およびV4が開状態とされ、ポンプの動作制御または細胞供給部10と貯留容器23Aとの間の差圧制御によって細胞供給部10に収容された細胞懸濁液が、第1の流路F1を経由して貯留容器23Aに移送される。
ステップS32において、バルブV19が開状態とされる。これにより洗浄液供給部60に収容されている洗浄液が細胞供給部10に流入し、細胞供給部10が洗浄される。これにより、細胞供給部10に残留する細胞が洗浄液の液流によって掻きとられる。
ステップS33において、バルブV1、V20およびV4が開状態とされ、ポンプの動作制御、または細胞供給部10と貯留容器23Aとの間の差圧制御によって細胞供給部10に残留していた細胞および洗浄液が、第1の流路F1を経由して貯留容器23Aに移送される。すなわち、細胞供給部10に残留していた細胞は、ステップS31において貯留容器23Aに移送された細胞とともに貯留容器23Aに貯留される。
ステップS34において、バルブV4、V2、V3、V21、V15、V16およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または貯留容器23Aと細胞回収容器100との間の差圧制御によって貯留容器23Aに貯留された細胞、洗浄液および培地を含む細胞懸濁液は、フィルタ部21、第2の流路F2、バイパス流路F10、第3の流路F3を経由して細胞回収容器100内に移送される。細胞懸濁液は、フィルタ部21を通過する間に濃縮処理が施される。
フィルタ部21は、流通口21aから流入した細胞、洗浄液および培地を含む細胞懸濁液から洗浄液、培地および細胞凝集体から離脱してシングルセル化した死細胞等のデブリスを除去して細胞の濃度を高める濃縮処理を行う。洗浄液、培地およびデブリスは、濾過液回収容器22に回収され、濃縮された細胞懸濁液は、流通口21bから排出され、第2の流路F2、バイパス流路F10および第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に収容される。なお、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で細胞懸濁液を往復移動させることで、フィルタ部21による濃縮処理を複数回に亘り連続的に実施してもよい。
ステップS35において、バルブV19、V1、V20、V2、V3、V21、V15、V16およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または細胞供給部10と細胞回収容器100との間の差圧制御によって洗浄液供給部60に収容された洗浄液が細胞供給部10、第1の流路F1、フィルタ部21、第2の流路F2、バイパス流路F10、第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。洗浄液がフィルタ部21に流れることで、フィルタ部21の濾過膜上に残留する細胞が洗浄液の液流によって掻きとられ、ステップS34において細胞回収容器100に収容された細胞とともに細胞回収容器100に収容される。
ステップS36において、バルブV18およびV22が開状態とされ、ポンプの動作制御または培地供給部52と細胞回収容器100との間の差圧制御によって培地供給部52に収容されている新鮮な培地が第3の流路F3を経由して細胞回収容器100に移送される。これにより、細胞回収容器100内の培地の量が調整される。なお、培地量の調整が不要な場合には培地供給部52からの培地供給を省略してもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1において、濃縮部20は、細胞供給部10の下流側に設けられ、第1の流路F1を介して細胞供給部10に接続されている。また、分割部30は、濃縮部20の下流側に設けられ、第2の流路F2を介して濃縮部20に接続されている。すなわち、細胞処理装置1において、細胞供給部10、濃縮部20および分割部30は、この順で直列接続されて構成されている。また、図1に示すように、第3の流路F3に細胞回収容器100を接続した場合には、細胞供給部10、濃縮部20、分割部30および細胞回収容器100がこの順で直列接続された構成となる。また、細胞処理装置1において、第1の流路F1、第2の流路F2および第3の流路F3を通過する細胞懸濁液の流れ方向は、一方向のみとされる。すなわち、第1の流路F1、第2の流路F2および第3の流路F3は一方通行流路とされる。このように、細胞処理装置1において細胞供給部10、濃縮部20および分割部30を一方通行流路を介して直列に接続することで、分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することが可能となる。
例えば、分割処理が実施される場合、バイパス流路F10は遮断され、分割部30を経由した細胞のみが細胞回収容器100に回収される。換言すれば、分割処理が実施される場合、細胞は、分割部30を経由することなく細胞回収容器100に回収されることはない。従って、分割処理前の細胞と分割処理後の細胞が混ざり合うコンタミネーションの発生が防止される。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1によれば、細胞供給部10から供給された細胞が、細胞回収容器100に回収されるまでの間に、上記の分割処理、培地交換処理および濃縮処理のいずれか1つが実施される。すなわち、上記の分割処理、培地交換処理および濃縮処理は、互いに独立して実施される。従って、各処理の終了後、細胞回収容器100を細胞処理装置1から取り外し、細胞処理装置1を構成する各処理ユニットおよび各流路を構成する配管を洗浄することが可能である。このように、各処理を分断して実施する装置構成とすることで、循環流路を用いて各処理を連続的に実施する装置構成と比較して、分割処理前後の細胞が混ざり合うコンタミネーションのリスクを低減することができる。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1において、第2の流路F2と第3の流路F3との間には分割部30およびバイパス流路F10が並列に配置されている。これにより、培地交換処理や濃縮処理を行う場合に、処理済みの細胞懸濁液を、分割部30を経由することなく細胞回収容器100に回収することができる。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1において、第1の流路F1と第2の流路F2との間にはフィルタ部21、撹拌部40およびバイパス流路F20が並列に配置されている。また、細胞処理装置1は、第1の流路F1に接続された貯留容器23Aと、第2の流路F2に接続された貯留容器23Bとを含み、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間で相互に細胞懸濁液の移送が可能とされている。この構成によれば、フィルタ部21、撹拌部40およびバイパス流路F20を双方向流路として使用することができ、例えば、フィルタ部21における濃縮処理を複数回に亘り連続して行うことが可能となる。また、例えば、フィルタ部21における濃縮処理と、撹拌部40における撹拌処理を連続的に行うことも可能である。さらに、貯留容器23Aと貯留容器23Bとの間での細胞懸濁液の相互移送を、バイパス流路F20を介して行うことも可能であり、細胞供給部10から供給される細胞懸濁液を、バイパス流路F20を経由して貯留容器23Bに移送することも可能である。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1において、貯留容器23Aは、その底部に設けられた流通口23aを介して細胞懸濁液を流入および流出させる。同様に、貯留容器23Bは、その底部に設けられた流通口23bを介して細胞懸濁液を流入および流出させる。このように、流通口23aおよび23bが、流入口の役割と流出口の役割を兼ねることにより、貯留容器23Aおよび23Bに接続される配管を1つとすることができる。これにより、貯留容器23Aおよび23Bが流入口および流出口を別々に備える場合と比較して配管の数を減らすことができ、細胞が配管に付着することによる細胞のロスを低減することができる。
また、流通口23aおよび23bをそれぞれ貯留容器23Aおよび23Bの底部に設けることで、貯留容器23Aおよび23Bに細胞懸濁液を流入させる際に細胞に与えるダメージを抑制することができる。すなわち、流通口23aおよび23bをそれぞれ貯留容器23Aおよび23Bの底部に設けることで、貯留容器23Aおよび23Bの底部にすでに溜まっている細胞懸濁液中に細胞懸濁液が注入される態様で貯留容器23Aおよび23Bに細胞懸濁液を流入させることができる。これにより、細胞懸濁液を貯留容器の上部から落下させる態様で貯留容器23Aおよび23Bに細胞懸濁液を流入させる場合と比較して、細胞へのダメージを軽減でき、細胞のロスを低減することができる。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1は、第1の流路F1に接続された培地供給部51を有する。これにより、使用済みの培地を新鮮な培地に交換する培地交換処理が可能となる。また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1は、第3の流路F3に接続された培地供給部52を有する。これにより、細胞回収容器100に回収された処理済みの細胞懸濁液に培地を追加することができ、細胞処理装置1において実施される各処理の後に培地量を調整することが可能となる。
また、本発明の実施形態に係る細胞処理装置1は、細胞供給部10に接続された洗浄液供給部60を有する。これにより、処理中に、細胞供給部10およびフィルタ部21等の洗浄を行うことができ、細胞供給部10およびフィルタ部21等に残留する細胞を回収することができる。これにより細胞のロスを低減することができる。
なお、上記した実施形態においては、細胞回収容器100を細胞処理装置1に取り付けて使用する形態を例示したが、細胞回収容器100が第3の流路F3に取り付けられた形態を細胞処理装置の一形態とみなすことも可能である。
[第2の実施形態]
図7および図8は、本発明の第2の実施形態に係る細胞処理装置の部分的な構成を示す図である。細胞処理装置は、複数のフィルタ部を備えていてもよく、例えば、図7に示すように、第1の流路F1と第2の流路F2との間に、フィルタ部21Aおよびフィルタ部21Bを並列に配置してもよい。この構成によれば、フィルタ部21Aおよび21Bにおいて並行して濃縮処理を実施することが可能となり、濃縮処理を効率的に実施することが可能となる。
また、図8に示すように、第1の流路F1と第2の流路F2との間に、フィルタ部21Aおよびフィルタ部21Bを直列に配置してもよい。この構成によれば、1回の送液でフィルタ部21Aによる濃縮処理とフィルタ部21Bによる濃縮処理を連続して行うことが可能となる。
図7および図8に示す構成において、フィルタ部21Aおよび21Bにおける濾過方式は、互いに異なる方式であってもよい。例えば、フィルタ部21Aは、タンジェンシャルフロー方式による濾過を行う濾過装置であり、フィルタ部21Bは、遠心力を利用した分離を行う濾過装置であってもよい。また、フィルタ部21Aおよび21Bにおける濾過方式は、互いに同じ方式であってもよい。
[第3の実施形態]
図1に示す第1の細胞処理装置1の各構成要素は、細胞培養プロトコル等に応じて適宜省略することが可能である。図9は、第1の実施形態に係る細胞処理装置1の構成を簡略化した、本発明の第3の実施形態に係る細胞処理装置1Aの構成を示す図である。
細胞処理装置1Aは、第1の実施形態に係る細胞処理装置1から撹拌部40、洗浄液供給部60および培地供給部52を削除した構成に相当する。このように、構成を簡略化することで、細胞処理装置の省スペース化を図ることができる。構成が簡略化された細胞処理装置1Aにおいても、第1の実施形態に係る細胞処理装置1と同様の分割処理、培地交換処理、濃縮処理を実施することが可能である。
なお、細胞処理装置1および1A開示の技術における細胞処理装置の一例である。細胞供給部10は、開示の技術における細胞供給部の一例である。濃縮部20は、開示の技術における濃縮部の一例である。分割部30は、開示の技術における分割部の一例である。第1の流路F1は開示の技術における第1の流路の一例である。第2の流路F2は開示の技術における第2の流路の一例である。第3の流路F3は開示の技術における第3の流路の一例である。フィルタ部21は開示の技術におけるフィルタ部の一例である。細胞回収容器100は開示の技術における細胞回収の一例である。バイパス流路F10は、開示の技術における第1のバイパス流路の一例である。バイパス流路F20は、開示の技術における第2のバイパス流路の一例である。貯留容器23Aは、開示の技術における第1の貯留容器の一例である。貯留容器23Bは、開示の技術における第2の貯留容器の一例である。流通口23aは、開示の技術における第1の流通口の一例である。流通口23bは、開示の技術における第2の流通口の一例である。撹拌部40は、開示の技術における撹拌部の一例である。加圧装置24Aおよび圧力制御装置25Aは、開示の技術における第1の圧力制御部の一例である。加圧装置24Bおよび圧力制御装置25Bは、開示の技術における第2の圧力制御部の一例である。培地供給部51は、開示の技術における第1の培地供給部の一例である。培地供給部52は、開示の技術における第2の培地供給部の一例である。洗浄液供給部60は、開示の技術における洗浄液供給部の一例である。
1、1A 細胞処理装置
10 細胞供給部
20 濃縮部
21 フィルタ部
22 濾過液回収容器
23A、23B 貯留容器
23a、23b 流通口
24A、24B 加圧装置
25A、25B 圧力制御装置
30 分割部
40 撹拌部
51、52 培地供給部
60 洗浄液供給部
70 制御部
100 細胞回収容器
F1 第1の流路
F2 第2の流路
F3 第3の流路
F10、F20 バイパス流路
V1〜V22 バルブ

Claims (19)

  1. 細胞を供給する細胞供給部と、
    前記細胞供給部の下流側に設けられて第1の流路を介して前記細胞供給部に接続され、前記細胞および前記細胞に随伴する液体を含む細胞懸濁液から前記液体を除去する濃縮処理を行う濃縮部と、
    前記濃縮部の下流側に設けられて第2の流路を介して前記濃縮部に接続され、前記細胞の凝集体を分割する分割処理を行う分割部と、
    を含む細胞処理装置。
  2. 前記第1の流路は、前記第1の流路を通過する細胞懸濁液が前記細胞供給部側から前記濃縮部側に向けて流れる一方通行の流路であり、
    前記第2の流路は、前記第2の流路を通過する細胞懸濁液が前記濃縮部側から前記分割部側に向けて流れる一方通行の流路である
    請求項1に記載の細胞処理装置。
  3. 前記濃縮部は、一方の流通口が前記第1の流路に接続され、他方の流通口が前記第2の流路に接続され、前記一方の流通口または前記他方の流通口から流入する細胞懸濁液に対して前記濃縮処理を施して、前記一方の流通口および前記他方の流通口のうち細胞懸濁液が流入した流通口とは異なる流通口から前記濃縮処理を施した細胞懸濁液を排出するフィルタ部を含む
    請求項2に記載の細胞処理装置。
  4. 前記分割部は、分割処理を施した細胞を排出する排出口を含み、
    前記排出口に接続された第3の流路と、
    前記第3の流路に接続された細胞回収容器と、
    を更に含む請求項3に記載の細胞処理装置。
  5. 一端が前記第2の流路に接続され、他端が前記第3の流路に接続された第1のバイパス流路を更に含む
    請求項4に記載の細胞処理装置。
  6. 前記濃縮部は、前記第1の流路に接続された第1の貯留容器と、前記第2の流路に接続された第2の貯留容器と、を更に含む
    請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  7. 一方の端部が前記第1の流路に接続され、他方の端部が前記第2の流路に接続され、前記一方の端部または前記他方の端部から流入する細胞懸濁液に対して撹拌処理を施して、前記一方の端部および前記他方の端部のうち細胞懸濁液が流入した端部とは異なる端部から前記撹拌処理を施した細胞懸濁液を排出する撹拌部を更に含む
    請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  8. 一端が前記第1の流路に接続され、他端が前記第2の流路に接続された第2のバイパス流路を更に含む
    請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  9. 前記第1の貯留容器は、前記第1の流路に接続された第1の流通口を介して細胞懸濁液を流入および流出させ、
    前記第2の貯留容器は、前記第2の流路に接続された第2の流通口を介して細胞懸濁液を流入および流出させる
    請求項6に記載の細胞処理装置。
  10. 前記第1の流通口は、前記第1の貯留容器の底部に設けられ、
    前記第2の流通口は、前記第2の貯留容器の底部に設けられている
    請求項9に記載の細胞処理装置。
  11. 前記第1の貯留容器の内部の圧力を制御する第1の圧力制御部と、
    前記第2の貯留容器の内部の圧力を制御する第2の圧力制御部と、
    を更に含む
    請求項6、請求項9および請求項10のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  12. 前記濃縮部は、前記第1の流路と前記第2の流路との間に、互いに直列または並列に配置された前記フィルタ部を含む複数のフィルタ部を含む
    請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  13. 前記フィルタ部は、タンジェンシャルフロー方式による濾過を行う
    請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  14. 前記フィルタ部は、遠心力を利用した分離を行う
    請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  15. 前記複数のフィルタ部は、タンジェンシャルフロー方式による濾過を行う第1のフィルタ部と、遠心力を利用した分離を行う第2のフィルタ部と、を含む
    請求項12に記載の細胞処理装置。
  16. 前記撹拌部は、スタティックミキサを含む
    請求項7に記載の細胞処理装置。
  17. 前記第1の流路に接続された第1の培地供給部を更に含む
    請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
  18. 前記第3の流路に接続された第2の培地供給部を更に含む
    請求項4または請求項5に記載の細胞処理装置。
  19. 前記細胞供給部に洗浄液を供給する洗浄液供給部を更に含む
    請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の細胞処理装置。
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