JPH08114601A - 液体検体の多項目検査分析装置 - Google Patents

液体検体の多項目検査分析装置

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JPH08114601A
JPH08114601A JP25230194A JP25230194A JPH08114601A JP H08114601 A JPH08114601 A JP H08114601A JP 25230194 A JP25230194 A JP 25230194A JP 25230194 A JP25230194 A JP 25230194A JP H08114601 A JPH08114601 A JP H08114601A
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reagent
sample
reaction
measurement
pump
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Application number
JP25230194A
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English (en)
Inventor
Takashi Osanawa
尚 長縄
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Yasuhiko Sasaki
康彦 佐々木
Akira Miyake
亮 三宅
Isao Yamazaki
功夫 山崎
Takehide Sato
猛英 左藤
Hiroyasu Uchida
裕康 内田
Toshihiro Yamada
俊宏 山田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体試料の分析を多項目の成分にわたって迅
速におこない、かつ試薬の消費が少なく試薬間のコンタ
ミネーションのない小型の卓上自動分析装置を提供す
る。 【構成】 各試薬容器101について、それぞれの試薬
容器専用の、超小型ポンプ103と試薬吐出ピペット1
04を含む配管系を試薬容器と反応容器301の間に配
置して、試薬注入系を試薬の種類ごとに独立とした。 【効果】 卓上における小型装置で迅速に多項目の計測
ができる。試薬の消費量が少なく試薬間のコンタミネー
ションがない。小規模な医療機関で急を要する血液検査
がその場で行えるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体検体の多項目検査
分析装置に係り、特に液体検体と液体試薬を混合して反
応を検出する分析方式に適用して好適な装置に関する。
ここでいう液体検体には、液体中に微粒子を分散した検
体をも含む。
【0002】
【従来の技術】従来の自動多項目検査分析装置は、例え
ば米国特許第4451433号明細書に記載されているよう
に、反応容器の列及び検体容器の列をそれぞれ独立の駆
動機構により駆動し、検体試料ピペッティング機構、試
薬ピペッティング機構及び撹拌機構をそれぞれ所望の運
動をするように構成したものが一般的である。また、簡
易形の自動分析装置としては、例えば特開昭58-214857
号公報に記載のものが知られている。この例では、検体
試料容器列及び反応容器列を駆動する機構が必要であ
り、反応液の入った反応容器をアームに取り付けた挟み
具によって挟んで取り出し、測定場所まで運搬しなけれ
ばならない。一方、特開平3-65654号公報記載の分析装
置は汎用性が高く、1つのピペッテイング機構で液の分
取、撹拌、移動を行い、自動測光が可能で有効ではある
が、試薬の吸引、吐出のために長大な配管が必要であ
る。そのため、配管内はそのつど洗浄されるものの、配
管内を往復運動する試薬間のコンタミネーションの可能
性は否定できない。このような事態は、試薬や検体試料
を送液するポンプが、往復動型のシリンジポンプである
ことに起因している。また、汎用自動分析装置では配管
が長大なため、装置を一旦停止したのち再起動した際に
無駄となる試薬液の量が多くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように流体
回路をもつ分析装置は、汎用性の高い装置では構成が大
規模になり設置できる場所が限られてしまう。このよう
に大規模な汎用分析装置では、検体検体が定常的に供給
されないと装置の起動、停止が多くなる結果、高価な試
薬が配管系に残留して無駄となる量が多くなる。したが
って、広い地域に散在する医療現場で緊急を要する測定
に対処するには、上記の大規模な分析装置は適していな
い。
【0004】一方、簡易型の分析装置では、測定項目の
変更や、検体と試薬の液量の変更は難しく、一つの測定
項目に専用な装置となっていた。また、多項目の検査を
行うには、試薬の配管内でのコンタミネーションも無視
できなかった。
【0005】本発明の目的は、試薬間のコンタミネーシ
ョンがなく、試薬の消費量を節減できる液体検体の汎用
多項目検査分析装置を実現することを目的とする。
【0006】なお、本明細書では、血液分析装置を例に
とり発明を説明するが、本発明は、血液などの生体検体
のみならず、流体中に分散した無機物の微細粒子の計測
などにも適用できるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液体検体の多項目検査分析装置は、液体の
検体と試薬とを混合して反応させるための複数の透明な
反応容器と、液体の検体を収容する検体容器と、複数の
試薬を収容する複数の試薬容器と、前記検体容器中の液
体の検体を前記反応容器に定量注入する検体注入手段
と、前記試薬容器中の試薬を前記反応容器に定量注入す
る試薬注入手段と、反応容器内の液体の反応を検出する
反応検出手段と、を含んでなる液体検体の多項目検査分
析装置において、試薬注入手段として一種類の試薬につ
いて一系統のポンプが設けられ、試薬容器と反応容器を
前記ポンプを介して接続する配管もそれぞれの試薬ごと
に設けられていることを特徴とする。
【0008】前記試薬注入手段のポンプとしては、歯車
式ポンプ、加熱ヒータを用いた液滴噴射式ポンプ、ある
いは、圧電素子を用いた液滴噴射式ポンプが適当であ
る。また、試薬注入手段の吐出量を検出する手段を設け
るのが好ましい。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
は、液体の検体と試薬とを混合して反応させるための複
数の反応容器と、液体の検体を収容する検体容器と、複
数の試薬を収容する複数の試薬容器と、前記検体容器中
の液体の検体を前記反応容器に定量注入する検体注入手
段と、前記試薬容器中の試薬を前記反応容器に定量注入
する試薬注入手段と、反応容器内の液体の反応を検出し
電気的信号に変換して出力する反応検出手段と、測定項
目と該測定項目に関連するデータを記憶格納する記憶手
段と、該記憶手段に格納されたデータを演算する演算手
段と、前記検体注入手段、試薬注入手段及び反応検出手
段の動作を制御するシーケンスコントローラと、これら
各手段とシーケンスコントローラの動作を制御する制御
部と、前記制御部に所要のデータを入力する入力手段
と、を含んでなり、試薬注入手段として、一種類の試薬
について一系統のポンプが設けられ、試薬容器と反応容
器を前記ポンプを介して接続する配管もそれぞれの試薬
ごとに設けられている液体検体の多項目検査分析装置の
制御方法を、 a.記憶手段に、測定項目と、少なくとも該測定項目の
測定に必要な試薬の種類及び量、該試薬を吐出する試薬
注入手段の識別番号、該吐出された試薬が注入される反
応容器の識別番号、該測定項目における混合染色時間、
該測定項目の反応に必要な検体量、を組み合わせて1組
とした測定項目データを複数組、反応容器の識別番号順
に記憶格納しておき、 b.実施すべき測定項目を前記記憶手段に記憶格納され
ている測定項目の中から選択して、記憶手段に格納され
ている測定項目のうちの該選択された測定項目に選択さ
れたことを示す使用符号を付し、 c.制御部は、測定項目の選択が終了したら、使用符号
が付された測定項目を検索して検索された測定項目に含
まれる試薬注入手段の識別符号と試薬量を読み出して、
シーケンスコントローラを介して、読み出した識別符号
の試薬注入手段を駆動して読み出した試薬量を吐出さ
せ、この手順を使用符号が付された測定項目すべてにつ
いて行い、 d.制御部は、試薬の吐出、注入が使用符号を付された
全測定項目について終了したら、再び記憶手段の使用符
号が付された測定項目を検索して検索された測定項目デ
ータに含まれる反応容器の識別番号と検体量を読み出
し、シーケンスコントローラを介して、読み出した識別
符号の反応容器に検体注入手段を移動させて読み出した
検体量を吐出注入させるとともに、検体注入時刻を前記
記憶手段の該当個所に記憶させ、この手順を使用符号が
付された測定項目全てについて行い、 e.制御部は、検体の吐出、注入が使用符号を付された
全測定項目について終了したら、再び、使用符号が付さ
れた測定項目を検索して検索された測定項目に含まれる
混合染色時間と前記検体注入時刻を読み出し、検体が注
入されてからの経過時間が前記混合染色時間を超えてい
るかどうかを演算し、 f.経過時間が前記設定された前記混合染色時間を上回
っているとき、シーケンスコントローラを介して、該当
する反応容器に反応検出手段を移動させて該反応容器内
の液体の反応を検出させ、検出結果を電気的信号に変換
して出力させる、手順を含んで構成したことを特徴とす
る。
【0010】本発明はまた、マイクロマシン技術を適用
したマイクロ流体機械を試薬の吐出系に適用した。すな
わち個々の試薬について試薬容器から試薬吐出ピペット
までの流路を専用ラインとして両者の間にその試薬専用
の超小型ポンプを設置した。また、検体と試薬を混合す
る透明な反応容器列、検体をその容器から吸引し一定量
を吐出する検体吐出手段、反応容器内の液体を混合する
撹拌手段、反応容器内の液体を一定温度に保つ温度保持
手段、反応容器内の液体に光を照射する発光手段、その
透過または反射光を検知して電気信号に変換する光検出
手段、光量に関する電気信号を演算処理する信号処理手
段、検体と試薬の液量ならびに反応時間、温度を入力す
るための入力手段、これらに従って検査項目ごと規定さ
れた一連の機械的動作を記憶する記憶手段、この記憶手
段から一連の動作内容を示すデータ信号を受け取り試薬
及び検体吐出手段に動作信号を送るシーケンスコントロ
ーラ、前記信号処理手段の演算部で演算された計測値を
表示する出力手段、これらの装置の動作を制御する制御
部、の各手段を具備せしめた。
【0011】
【作用】一種類の試薬について一系統のポンプが設けら
れ、試薬容器と反応容器を前記ポンプを介して接続する
配管もそれぞれの試薬ごとに設けられていることから、
各ポンプとそれに接続された配管には、常に特定の1種
類の試薬しか流れず、試薬の配管内でのコンタミネーシ
ョンが生じない。したがって、試薬注入用の配管及びポ
ンプの洗浄の必要もない。
【0012】歯車式ポンプ、加熱ヒータを用いた液滴噴
射式ポンプ、あるいは、圧電素子を用いた液滴噴射式ポ
ンプなどは、小型化が容易であり、少量の吐出量を正確
に制御するのに適している。
【0013】次に、マイクロマシン技術を適用したマイ
クロ流体機械を試薬の吐出系に適用した上記手段を用い
た本発明による自動分析装置の作用を説明する。まず、
オペレータが入力手段により装置の起動を指令し、測定
項目に従って検体及び試薬の吸引吐出量を設定し、反応
温度、時間等の装置の動作を指定する。制御部は入力手
段から入力された測定項目を読み取り、それに対応した
動作内容を記憶手段に記憶されているデータの中から選
択し、そのデータをシーケンスコントローラに送信す
る。また、同じく入力手段から入力された検体及び試薬
量の入力値を記憶手段に記憶されている一連の動作内容
の該当個所に書き込んで、それをシーケンスコントロー
ラに送信する。シーケンスコントローラは、記憶手段か
ら読み出された一連の動作内容を示すデータ信号を制御
部を介して受け取り、検体吐出手段、試薬吐出用の超小
型ポンプ、その他の駆動ドライバに対して個々の動作用
信号を送る。この結果、反応容器列には試薬容器から超
小型ポンプ、試薬吐出ピペットを経由して試薬が、ま
た、検体容器から検体吐出手段を経由して検体が注入さ
れる。反応容器内の混合液は、撹拌手段によって均一に
混合されるとともに、温度保持手段によって一定温度に
保たれる。反応容器中の液体には発光手段によって発生
した光が入射し、その透過または反射光が光検出手段に
よって検知され電気信号に変換される。この電気信号は
信号処理手段によって演算され、信号記憶及び演算処理
される。制御部はこの測定結果を出力手段に出力する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0015】[実施例1]図1は本発明による液体試料
の分析装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
図1に示す実施例は、試薬吐出系1、検体吐出系2、反
応観察系3、多波長光度計4、入出力および演算制御系
5からなる。以上の構成の全てが、約70cm×50c
m×30cmの大きさの装置内にまとまっている。これ
は医療現場の卓上に設置できる大きさである。
【0016】試薬吐出系1は、それぞれ異なる試薬を入
れた複数(図では12個)の試薬容器101と、この1
2個の試薬容器101それぞれの底部に接続された12
系統の細管102と、それぞれこの12系統の細管10
2のどれかに吸入側を接続した試薬注入手段である12
基の試薬注入用の超小型ポンプ103と、これら12基
の試薬注入用超小型ポンプ103の吐出側に接続された
12個の試薬吐出ピペット104とを含んでなってい
る。ここで強調されるべきことは、一つの試薬容器に、
一つの細管、一つのポンプ、および一つの試薬吐出ピペ
ットが直列に連結されていることであり、従来の装置の
ように同一の管内を異なる試薬が流れることが無いか
ら、洗浄の必要性、コンタミネーションの可能性が全く
無い。しかし一方で、すべての試薬容器について1個の
ポンプを設けること、また高価な試薬の無駄を排除する
ために、ポンプを含めた流路系は大きさが極限的に小さ
いことが要求される。また、ポンプを含めた流路系を小
さくすることで、試薬容器と反応容器の間隔を小さくで
き、管内に滞留する試薬量を少なくできる。このような
要求に応えることができたのは、近年のマイクロマシン
技術の進歩によることが大きい。このポンプを含めた流
路系について、以下に詳述する。
【0017】本発明では医用分析装置への適用を目的に
新たに、外径7mm、長さ10mmの超小型歯車ポンプ
を開発した。ポンプの形式はトロコイド型であり、その
分解斜視図を図5に示した。歯形の幾何学的な噛み合い
により、ポンプ軸の回転角に比例した量の液体が正確に
吐出される。ポンプの原理は公知のものであるが、超小
型であるために、ねじによる組立て、締結が不可能であ
り、外筒603と側板604は金属間の固相接合を適用
した。また、内歯601と外歯602の歯車はステンレ
ス鋼を微細放電加工することによって精密に製作した。
歯車の噛み合いの隙間からの漏れは特にマイクロポンプ
の吐出性能に影響がある。ここでは、歯車の表面にニッ
ケル・リンのめっきを施して噛み合いのなじみ層とする
とともに、その層の中にフッ素樹脂の微粒子を分散して
摩擦係数を低減した。以上のようなポンプの開発によっ
て、一系統の試薬吐出系の超小型化が可能になった。超
小型ポンプとしてはこのように精密加工を施した部品が
必要になるが、製造コストを低減する目的では、放電加
工で正確に形成した歯形形状を樹脂に転写して大量に複
製することも可能である。
【0018】超小型歯車ポンプの吐出量は、ポンプ軸の
回転角を制御することによって行われる。試薬の吐出量
をさらに正確に管理する目的では、試薬吐出ピペットの
中間部に流量検出手段として流量センサを設置して、ポ
ンプ軸605の回転角を制御しポンプの吐出量を制御す
ることも可能である。流量センサの一実施例であるマイ
クロ流量計の構成を図6および図7に示した。このマイ
クロ流量計は、互いに重なる上基板611と下基板61
2で構成され、上基板611の下基板612に対向する
面に試薬の流路となる微細溝613を形成し、下基板6
12の前記微細溝613に対向する位置に一対の圧力セ
ンサ614、615を配置したものである。微細溝61
3を流れる流速に依存してそれら一対の圧力センサ61
4,615の間には圧力差が生じる。この圧力差を検出
して超小型ポンプ103の軸の回転にフィードバックす
ればよい。
【0019】また、試薬の吐出量は、一般に行われてい
る検査では1回当り(反応容器1個当り)、100〜1
50マイクロリットル以下であるが、試薬の必要吐出量
が約10マイクロリットル以下になった場合には、歯車
ポンプによる吐出量の再現性が問題になってくる。この
場合には歯車ポンプに代って、試薬を液滴として噴射す
る方式のマイクロポンプの適用が有効である。これに類
したデバイスは、たとえばインクジェットプリンタの分
野でみられる。図8に、本実施例に採用した液滴噴射式
ポンプの構成と、反応容器まで試薬を搬送する機構を示
した。微細な流路621内の一部に加熱用抵抗体622
を敷設し、これにパルス状に通電して瞬間的に気泡62
3を形成し、液をノズルから突出させて液滴624をノ
ズル先端に生成し、これを帯電せしめることによって、
静電気力で任意の方向に飛翔、誘導するものである。反
応容器301の上方に液滴の帯電とは逆の極性を持つ金
属電極625を配置し、試薬の液滴を捕捉する。この
後、金属電極を反応容器中にあらかじめ注入されている
検体試料627中に浸し、機械的に加振635すること
によって、検体と試薬との混合、撹拌が達成される。な
お、液滴の大きさを均一に制御すれば、一滴の液に帯電
する電荷量は一定となるから、液滴を捕捉する金属電極
に流れる電流を検出器626によって検出することによ
り、捕捉された液滴の体積を知ることができる。これに
よって、液滴を吐出するポンプを制御し、正確な量の試
薬を反応容器に注入することができる。
【0020】また、試薬によっては、加熱によって変質
しやすいものもある。加熱による変質を恐れる場合に
は、発熱体を使った液滴噴射式ポンプにかわって、圧電
体振動子を使った液滴噴射式ポンプが使える。この方式
のポンプを図9に示した。流路の一部に設けたダイヤフ
ラム641の一面に圧電体642を設置し、これに電圧
643を加えることによってダイヤフラムを加振、変位
させて液滴644を形成する。この場合にも液滴の飛翔
制御および液量の制御には、液滴を帯電させる前記の方
法が使える。
【0021】なお、これらの超小型ポンプは試薬吐出系
に適用するものであるが、勿論、検体吐出系にも適用で
きるものである。
【0022】以上に述べたようなマイクロマシン技術を
適用することによって、一試薬あたり体積が10mm立
方以下のマイクロポンプが実現した。この流体系の優れ
た点を従来のシリンジポンプによる流体系と比較して以
下に説明する。図10、11は従来のシリンジポンプに
よる流体系の例で、図12が本発明の流体系を示す。図
10では、試薬S1,S2,S3..をそれぞれ反応容
器C1,C2,C3..に一定量移し変えるのに一個の
シリンジポンプ706の往復運動でバルブ704を切り
替えて行っている。図11では、試薬S1,S2,S
3..のいずれかを選んで一個のシリンジポンプ706
の往復運動で反応容器Cに移し変える。すなわち従来の
流路系では、複数種類の試薬を複数の反応容器に分配す
るのに、限られた数のシリンジポンプで流路を切り替え
て行っていた。従来の、配管内の液の流れは、ポンプで
吸引して試薬を配管内に取り込み、配管内に取り込んだ
試薬をポンプで反応容器に吐出する往復運動701、7
02であり、配管中での試薬間のコンタミネーションの
可能性は皆無ではない。これに対して、本発明では図1
2に示すように、個々の試薬について専用の流路を実現
し、さらに液の流れ703も一方向にしたので、配管中
での試薬間のコンタミネーションの恐れが全く無くなっ
た。また、従来のシリンジポンプを用いた系では吐出液
量を変えるには往復するシリンジの棒の直径を変えなけ
れば変更できないが、本発明の系では、吐出液量の変更
が電気信号のみで行える。また、シリンジ系に比べて配
管内の無駄体積が格段に低減した。
【0023】以下に、図1の装置全体の構成について詳
述する 検体吐出系2は、検体容器201と、一端が開放されて
検体容器201に挿入された検体吸引用細管202と、
検体吸引用細管202に吸入側を接続した検体注入手段
である検体吐出ポンプ203と、一端が検体吐出ポンプ
203の吐出側に接続され他端が開放された検体吐出ピ
ペット204と、これらを同時に移動させる移動機構2
05と、を含んで構成されている。検体容器201、検
体吸引用細管202と、検体吐出ポンプ203、及び検
体吐出ピペット204は、移動機構205の上に設置さ
れ、一列に並べられた反応容器301に順次、検体を所
定量注入する機能を持つ。本実施例では検体吐出系2
は、一組であるが、複数組設けても差し支えない。
【0024】反応観察系3は、試薬容器101と同数
(本実施例では12個)の1列に配列された反応容器3
01と、反応容器301の支持台を兼ねた温度保持機構
302と、温度保持機構302の支持台を兼ねた撹拌手
段である加振機構305を含んで構成されている。反応
容器301の壁面は測定光を通す透明な材料からなって
いる。従来の反王容器の大きさは5mm×5mm×20mm程
度であるが、本実施例における反応容器の大きさは、5
mm×5mm×10mmとしてある。
【0025】反応検出手段である多波長光度計4は、反
応容器301に向けて測定光を出射する光源401と、
該測定光の光軸上に配置されたレンズ402と、前記反
応容器301を挟んで前記レンズ402に対向する位置
に配置された凹面回折格子403と、該凹面回折格子4
03で反射された測定光が入射する位置に配置され入射
した測定光を光電変換するフォトダイオードアレイ40
4とを含んで構成される。これらは、一列に並べられた
反応容器301のすべてに対して測定光を照射できるよ
うに、反応容器列に沿って平行に往復移動する光度計移
動機構(図示せず)に搭載されている。
【0026】入出力および演算制御系5は、前記移動機
構205、試薬注入用の超小型ポンプ103、検体吐出
ポンプ203、多波長光度計4及び光度計移動機構の動
作を制御するシーケンスコントローラ505と、フォト
ダイオードアレイ404に接続された信号処理部506
と、信号処理部506に接続された信号記憶部507
と、信号記憶部507に接続された演算手段である演算
部508と、該演算部508及び前記シーケンスコント
ローラ505に接続されてそれらを制御する制御部50
1と、制御部501にそれぞれ接続された入力手段であ
る操作パネル502、ディスプレイ503、記憶手段で
あるシーケンスチャート記憶部504、プリンタ50
9、レコーダ510と、外部記憶媒体510と、を含ん
で構成されている。
【0027】オペレータは予め検査する可能性の高い項
目に使用する試薬を(ここでは12種類まで)試薬容器
101に入れて設置し、測定項目ごとに、反応容器30
1に注入すべき検体及び試薬の量を操作パネル502に
入力、設定して待機する。制御部501は操作パネル5
02から入力された測定項目ごとの検体及び試薬の量を
読み取り、シーケンスチャート記憶部504に記憶され
ている一連の動作内容の該当個所に書き込む。試薬は、
低温で保管しないと劣化するものも有るから、使用者の
用途に応じて適宜、装置と別の低温保管庫に格納するこ
ともある。また、装置の試薬吐出系全体を囲って低温環
境に保つ機能を具備することも本発明の装置の実施の一
形態となる。
【0028】検査すべき検体が到着したら、オペレータ
は検体を検体容器201に入れ、測定すべき検査項目を
操作パネル502より指定する。制御部501は操作パ
ネル502から入力された測定項目の指令を読み取り、
それに対応した動作内容をシーケンスチャート記憶部5
04に記憶されているデータの中から選択し、そのデー
タをシーケンスコントローラ505に送信する。また、
同じくシーケンスチャート記憶部504に記憶されてい
る検体及び試薬の量を前記動作内容に併せてシーケンス
コントローラ505に送信する。シーケンスコントロー
ラ505は、制御部501からシーケンスチャート記憶
部504に格納された一連の動作内容を示すデータ信号
を受け取り、まず、試薬吐出系1と検体吐出系2を動作
させる。以下、本実施例の装置の一連の動作を順を追っ
て説明する。
【0029】検体吐出系2は移動機構205上に搭載さ
れていて移動機構205の移動につれて移動し、一列に
並んだ反応容器301に逐次、所定量の検体を注入して
いく。検体の量は、各試薬ごと、言い替えると検査項目
ごとに決められており、シーケンスチャート記憶部50
4に記憶されている所定量だけが反応容器301に注入
される。次いで、試薬注入用の超小型ポンプ103が駆
動され、試薬容器101内の試薬液が反応容器301に
所定量吐出される。試薬は、シーケンスチャート記憶部
504に記憶されている各試薬ごとに決められた所定量
だけ反応容器301に注入される。以上の動作の後、シ
ーケンスコントローラ505は、反応容器内の反応測定
の開始を指令する。
【0030】図4は、図1に示す実施例における反応容
器301をふくむ反応観察系3の構成を試薬吐出系1と
ともに斜視図で示したものである。反応観察系3は、反
応容器301とその温度保持機構302ならびに撹拌手
段である加振機構305を含んで構成されている。反応
容器301は温度保持機構302上に設置され、温度保
持機構302を構成する熱電素子303および放熱板3
04によって一定温度に保たれる。これらはさらに加振
機構305に搭載されており、反応容器が加振機構30
5で揺さぶられることで反応容器内の液体が撹拌され
る。これによって、反応容器内で一定温度範囲のもとで
化学反応が進行する。
【0031】反応容器内の化学変化の程度の計測は、多
波長光度計4により行われる。多波長光度計4は、シー
ケンスコントローラ505に制御されて、まず1番目の
反応容器301の位置まで移動する。光源401から出
た測定光は、レンズ402を通ってから反応容器301
を透過し、凹面回折格子403で分光されるとともに波
長ごとにフォトダイオードアレイ404上に集光され
る。フォトダイオードアレイ404で検出された光量は
電気信号として信号処理部506に送られ、信号処理部
506で、波長ごとの透過減衰率、すなわち吸光度とし
て認識される。認識された吸光度は信号記憶部507に
一旦格納記憶される。演算部508には、化学成分ごと
に濃度と波長ごとの吸光度の関連を示すデータが格納さ
れており、信号記憶部507に測定された吸光度が格納
記憶されると、演算部508によって、それらデータと
測定された吸光度の比較演算が行われて試料(反応液)
中の特定の化学成分の濃度が判定される。判定結果は演
算部508から制御部501に出力される。このような
操作を、2番目以降の反応容器についても逐次行うこと
によって、検査項目のすべてについて結果が得られる。
【0032】制御部501は入力された判定結果を出力
手段であるディスプレイ503またはプリンタ509に
出力する。またオペレータは必要に応じてこの結果を、
例えばフロッピーディスクドライブ等のレコーダ510
により、例えばフロッピーディスク等の外部記録媒体5
11に記録する。
【0033】次に、図2を参照して、操作パネル502
での設定について説明する。図2は本装置に用意してあ
る洗浄、校正あるいは測定のシーケンスを示している。
オペレータは、まず、洗浄、校正及び測定のうちのどの
作業を行うかを選択し、操作パネルより指令する(手順
21)。まず「測定」が選択された場合について説明す
る。「測定」が選択されたら、手順27に進み、検査対
象の検体に応じた測定項目が選択され、操作パネル50
2から入力される。それぞれの試薬は試薬注入用の超小
型ポンプを介して結合された反応容器にしか、注入でき
ないから、測定項目が決まると、どの反応容器を使用す
るかが自動的に決まる。シーケンスチャート記憶部50
4には、測定項目ごとに、使用される試薬の種類、量、
使用される試薬注入用の超小型ポンプの識別番号、使用
される反応容器の識別番号が記憶格納されている。識別
番号とは、例えば、端から何番目であるかを示す符号で
ある。測定項目は、シーケンスチャート記憶部504の
なかで、反応容器の識別番号順に並べられている。
【0034】制御部501は、入力された測定項目に基
づいて、シーケンスチャート記憶部504を検索し、選
択された測定項目に、その測定項目が選択されたことを
示す使用符号を付加する。
【0035】次いで手順28に進み、選択された測定項
目の測定に用いられる試料が直接導入されるのか、試薬
添加が行われるのかが指定される。このときの「試薬添
加」とは、反応容器に検体と試薬を注入して染色または
反応を行う通常の測定モードである。「試薬添加」が指
定されると、手順29に進み、前処理条件の変更の要否
が指定される。前処理条件とは、反応容器に注入される
試薬量、検体量、及び混合染色時間(反応に要する時
間)をいい、これらは測定項目ごとに予め基準量が設定
されているから、それら基準量からの変更が必要かどう
かの確認である。たまたま入手できた検体量が少ないと
きや試薬を多く加えたいとき等には、オペレータが測定
に先立って試薬量及び検体量や混合染色時間の変更を操
作パネル502を介して指示することができる(手順3
0)。指示された変更点は、シーケンスチャート記憶部
504に書き込まれる。このように、検査条件の突然の
変更に対しても即座に対応できるのは、吐出流量が容易
に変更できる超小型ポンプの適用効果の一つである。変
更が終了したら(変更の必要がないときも)手順31に
進む。
【0036】手順28で「直接導入」が指定されると、
制御部501は、シーケンスチャート記憶部504に、
当該測定項目の試薬注入量を0とする変更を書き込み、
手順31に進む。その測定項目については反応容器に試
薬は注入されない。「直接導入」とは、反応容器に注入
される試料がすでに調整済(試薬との混合や、吸光度測
定のために必要な処理が終了済み)の試料であり、反応
容器に導入後、試薬を注入することなしに、測定光を照
射して測定を行う測定モードである。例えばリンパ球の
サブセットの測定のように、既に染色済の試料の吸光度
の測定に用いる。このように、汎用の吸光度測定装置と
しても、本装置は使うことができる。手順31では、選
択すべき測定項目がまだ残っているかどうかが確認され
る。選択すべき測定項目がまだ残っている場合は、手順
27に戻り、上記手順が繰り返される。選択すべき測定
項目が残っていない場合、手順32に進み、装置の作動
開始がオペレータにより、操作パネル502から指示さ
れる。
【0037】作動開始が指示されると、制御部501
は、シーケンスチャート記憶部504を検索し、使用符
号が付された測定項目に併せて記憶されている超小型ポ
ンプの識別符号と試薬の量を読みだし、読みだした結果
をシーケンスコントローラ505に送信する。シーケン
スコントローラ505は送られてきた信号に従って順に
超小型ポンプを駆動する。このとき、変更が書き込まれ
ていれば、その変更に基づいて超小型ポンプが駆動され
る。制御部501は、使用符号が付された測定項目すべ
てを検索して、上記の試薬注入の手順を繰返す。制御部
501は、試薬の反応容器への注入を終えたら、同様
に、シーケンスチャート記憶部504を検索し、使用符
号が付された測定項目に併せて記憶されている反応容器
の識別符号と検体の量を読みだし、読みだした結果をシ
ーケンスコントローラ505に送信する。シーケンスコ
ントローラ505は送られてきた信号に従って順に検体
吐出系2を駆動する。シーケンスコントローラ505は
送られてきた識別符号で指定される反応容器位置に検体
吐出系2を移動させ、同じく送られてきた検体量を当該
反応容器に注入するよう、検体吐出系2の検体吐出ポン
プ203を駆動すると同時に検体注入時刻を、測定項目
ごとにシーケンスチャート記憶部504の該当個所に記
録する。このとき、変更が書き込まれていれば、その変
更に基づいて検体吐出ポンプ203を駆動する。制御部
501は、使用符号が付された測定項目すべてを検索し
て、上記の検体注入の手順を繰返す。
【0038】シーケンスコントローラ505は、反応容
器への試薬と検体の注入が終了すると、温度保持機構3
02と、撹拌手段を起動する。制御部は、使用符号のつ
いた測定項目について、設定されている混合染色時間を
読み出し、測定項目ごとに記録されている検体注入時刻
からの経過時間が読み出した混合染色時間よりも多けれ
ば、シーケンスコントローラ505に信号を送り、多波
長光度計4を該当する反応容器位置へ移動させ、測定光
を照射させて測定を開始する。多波長光度計4は、同様
手順で、順次、検体が注入された反応容器すべてについ
て、測定を行い、得られたデータを信号処理部506に
送信する。
【0039】ある1つの検体について測定項目が2種類
の場合の動作を図1、図3及び図4を参照して説明す
る。図3は各々の手段の動作の順序や時間のオーバーラ
ップの状況を示す図である。測定項目が第1項目及び第
2項目の2種類の場合、まず、検体吐出系2が初期位置
(反応容器の第1番目の位置)に移動された後、試薬注
入用の超小型ポンプ103が駆動され、第1及び第2項
目に相当する試薬が反応容器301の第1番目と第2番
目にそれぞれ所定量だけ吐出される。次に検体吐出ポン
プ203が駆動され、検体容器201の検体が1番目の
反応容器に所定量注入される。検体を注入したと同時に
第1項目については試薬と検体とが混合され、染色の反
応が始まる。次いで、検体吐出系2が第2番目の反応容
器に移動されて検体が注入される。検体を注入したと同
時に第2項目について試薬と検体とが混合され、染色の
反応が始まる。次に計測系である多波長光度計4が1番
目の反応容器の位置に移動し、第1項目の反応が完了し
た後、測定光を照射して測定を開始する。第1項目の測
定後、多波長光度計4は2番目の反応容器の位置に移動
し、測定を開始する。各々の動作の順序や時間のオーバ
ーラップの状況は図3に示す通りである。なお、ここで
は反応容器に試薬、検体の順に注入する場合のシークエ
ンスを述べたが、その逆のシークエンスも採りうること
は自明である。
【0040】なお、上記の例は、測定項目が第1及び第
2の測定項目の場合なので、試薬及び検体は1番目と2
番目の反応容器301に注入されるが、2種類の測定項
目が第3、第5の測定項目の場合、使用する反応容器は
自動的に3番目、5番目の反応容器となる。したがっ
て、まず検体吐出系2が初期位置(反応容器の第1番目
の位置)に移動し、次いで試薬注入用の超小型ポンプ1
03が駆動され、第3及び第5項目に相当する試薬が反
応容器301の第3番目と第5番目にそれぞれ所定量だ
け吐出される。次に検体吐出系2が、順に3番目、5番
目の反応容器位置に移動して対応する測定項目に応じた
量の検体を注入する。多波長光度計4も、同様に選択さ
れた測定項目に対応する反応容器位置に順に移動して測
定光を照射し、測定を行う。
【0041】次いで手順21で「洗浄」が選択された場
合について説明する。直接導入とは洗浄液を直接反応容
器に導入するシーケンスである。この「洗浄」が選択さ
れると、検体吐出手段2を構成している検体吸引用細管
202、検体吐出ポンプ203及び検体吐出ピペット2
04に洗浄液が導入され、洗浄される。オペレータは、
検体の測定を終了した後、反応容器301を温度保持機
構302から外して反応済の試料を廃棄したのち、反応
容器301を温度保持機構302上に戻す。そして、検
体の代わりに洗浄水の入った容器201を検体吐出系2
に設置し、操作パネル502により洗浄の項目を選択す
る。この選択により、洗浄水の入った検体吐出系2は移
動機構205によって、所定の位置(この場合、1番目
の反応容器301の位置)まで移動し、反応容器中に順
次洗浄液を注入する。
【0042】次に、手順21で「校正」が選択された場
合について説明する。本発明の超小型流体システムを使
えば、検体、試薬ともその使用量を低減することができ
るが、その限界を追及すると、微量な液体の吐出精度が
問題になってくる。装置固有の誤差を補正するために、
標準試料を規定し、その標準に対して本装置を運転した
ときの結果から、試薬吐出系のポンプの駆動量を補正す
ることは、本装置のシーケンスチャート記憶部に補正を
加えることによって容易に達成できる。試薬吐出系のポ
ンプが歯車ポンプの場合を例にポンプの駆動量補正につ
いて説明する。規定量の標準検体に規定量の試薬Aを混
合したときの測定結果が既知である標準検体を用い、該
標準検体を規定量だけ正確に反応容器に注入し(手順2
2)、次いで試薬Aを吐出する歯車ポンプAを駆動して
規定量の試薬Aを標準検体注入済みの反応容器に注入す
る。所定の反応時間経過後、測定を行う(手順23)。
その測定結果が前記既知の値(基準データ)と誤差があ
るかどうかが判定され(手順24)、誤差があれば、誤
差がなくなるまでシーケンスチャート記憶部504に記
憶されている歯車ポンプAの回転量と吐出量の対比デー
タを微調整する(手順25)。誤差が無くなったときの
歯車ポンプAの回転量が前記試薬Aの規定量に対応する
としてシーケンスチャート記憶部504に記憶されてい
る歯車ポンプAの回転量と吐出量の対比データが補正確
定される(手順26)。
【0043】この回転量−吐出量の対比データ補正は、
シーケンスコントローラ505、信号処理部506、信
号記憶部507、演算部508、シーケンスチャート記
憶部及びそれらを制御する制御部により行われる。この
対比データ補正は、ポンプごとに行っておくのが望まし
いが、配置されているポンプが同一形式で、運転履歴が
同じ場合は、1台のポンプの校正結果を全部のポンプに
適用するようにしてもよい。
【0044】ここまでに述べた本発明の実施例は、液体
試料の吸光度の測定への適用を例に採って説明したが、
多波長光度計4を取り外して代わりに試料中の微粒子の
像を結像する光学系を取り付ければ、例えば、白血球の
分類、尿中の固体成分の検出などにも適用できる。
【0045】以上述べたように本実施例によれば、医療
現場に設置できる卓上サイズの多項目検査分析装置が実
現するので、医療機関における迅速な医療処置が可能に
なる。また、試薬容器ごとに試薬注入流路系を構成した
ことにより、試薬の使用量の低減、試薬間のコンタミネ
ーションの排除、洗浄液の使用量の低減などが可能にな
った。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、無駄
となる試薬の量を低減できる、洗浄液の使用量が低減で
きる、流路内での試薬間のコンタミネーションの可能性
が無くなる、などの効果がある。
【0047】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、ポンプが歯車式ポンプで
あるため小型化しやすく、装置全体の大きさを小型にで
きる効果がある。
【0048】請求項3に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、1回の必要吐出量が10
マイクロリットル以下であっても、正確な吐出量のコン
トロールができるという効果がある。
【0049】請求項4に記載の本発明によれば、請求項
3に記載の発明の効果に加え、試薬に熱を加えることが
ないので、温度に敏感な試薬にも適用できるという効果
がある。
【0050】請求項5に記載の本発明によれば、請求項
2〜4に記載の発明の効果に加え、ポンプの劣化、その
他の異常が生じて規定量を外れた試薬が注入された場合
でも、その異常を検出できるので、誤った測定値を見逃
すことが少なくなるという効果がある。
【0051】請求項6に記載の本発明によれば、請求項
2〜4に記載の発明の効果に加え、ポンプの劣化などで
各ポンプの回転量やパルス数と吐出量の関係が変化して
きた場合でも、検査項目ごとの個々の試薬吐出量を変え
ることなく、ポンプ単位での吐出量補正を容易に行うこ
とができ、測定結果の信頼性を維持できるという効果が
ある。
【0052】請求項7に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の本発明と同様、無駄となる試薬の量を低減で
きる、洗浄液の使用量が低減できる、流路内での試薬間
のコンタミネーションの可能性が無くなる、などの効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体試料の多項目検査分析装置の
一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る装置の操作手順を示す
フローチャートである。
【図3】本発明の一実施例における各作業の順序を時間
軸に従って示す図である。
【図4】図1に示す実施例における試薬吐出系および反
応観察系の相対配置状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に適用した超小型ポンプの分解
斜視図である。
【図6】本発明の装置に適用されるマイクロ流量計の例
を示す断面図である。
【図7】図6に示したマイクロ流量計の斜視図である。
【図8】本発明の装置に適用される超小型ポンプの他の
例を示す断面図である。
【図9】本発明の装置に適用される超小型ポンプのさら
に他の例を示す断面図である。
【図10】従来の試薬吐出系の構成例の概念を示すブロ
ック図である。
【図11】従来の試薬吐出系の他の構成例の概念を示す
ブロック図である。
【図12】本発明の実施例における試薬吐出系の概念を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 試薬吐出系 101 試薬容
器 102 試薬吸引用細管 103 超小型
ポンプ 104 試薬吐出ピペット 2 検体吐出系 201 検体容器 202 検体吸
引用細管 203 検体吐出ポンプ 204 検体吐
出ピペット 205 移動機構 3 反応観察系 301 反応容器 302 温度保
持機構 303 熱電素子 304 放熱板 305 加振機構 4 多波長光度
計 401 光源 402 レンズ 403 凹面回折格子 404 フォト
ダイオードアレイ 5 入出力および演算制御系 501 制御部 502 操作パネル 503 ディス
プレイ 504 シーケンスチャート記憶部 505 シーケ
ンスコントローラ 506 信号処理部 507 信号記
憶部 508 演算部 509 プリン
タ 510 レコーダ 511 外部記
憶媒体 601 内歯歯車 602 外歯歯
車 603 外筒 604 側板 605 ポンプ軸 606 吐出口
または吸入口 607 軸受 608 オイル
シール 609 カップリング 610 モータ 611 上基板 612 下基板 613 微細溝 614,615
圧力センサ 621 微細流路 622 加熱用
抵抗体 623 気泡 624 液滴 625 液滴捕捉用電極 626 電流検
出器 627 試料 628 液滴ひ
きだし電極 629 偏向電極 630 液滴分
離アパーチャ 631,632,633 直流電圧源 634 ドレイ
ン 635 機械的加振 641 メンブ
レン 642 圧電体 643 電圧源 644 液滴 645 液滴ひ
きだし電極 646 液滴分離アパーチャ 647 液滴捕
捉用電極 648,649,650 直流電圧源 651 電流検
出器 701,702 管内の往復動 703 管内の
一方向流 704 切り替え弁 705 試薬の
移し変えの方向 706 シリンジポンプ 707 超小型
ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 亮 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 山崎 功夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 左藤 猛英 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所計測器事業部内 (72)発明者 内田 裕康 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所計測器事業部内 (72)発明者 山田 俊宏 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の検体と試薬とを混合して反応させ
    るための複数の透明な反応容器と、液体の検体を収容す
    る検体容器と、複数の試薬を収容する複数の試薬容器
    と、前記検体容器中の液体の検体を前記反応容器に定量
    注入する検体注入手段と、前記試薬容器中の試薬を前記
    反応容器に定量注入する試薬注入手段と、反応容器内の
    液体の反応を検出する反応検出手段と、を含んでなる液
    体検体の多項目検査分析装置において、試薬注入手段と
    して一種類の試薬について一系統のポンプが設けられ、
    試薬容器と反応容器を前記ポンプを介して接続する配管
    もそれぞれの試薬ごとに設けられていることを特徴とす
    る液体検体の多項目検査分析装置。
  2. 【請求項2】 ポンプが歯車式ポンプであることを特徴
    とする請求項1に記載の液体検体の分析装置。
  3. 【請求項3】 ポンプが加熱ヒータを使った液滴噴射式
    ポンプであることを特徴とする請求項1に記載の液体検
    体の多項目検査分析装置。
  4. 【請求項4】 ポンプが圧電素子を使った液滴噴射式ポ
    ンプであることを特徴とする請求項1に記載の液体検体
    の多項目検査分析装置。
  5. 【請求項5】 試薬注入手段から吐出される流量を検出
    する流量検出手段を含んでなることを特徴とする請求項
    2乃至4のうちのいずれかに記載の液体検体の多項目検
    査分析装置。
  6. 【請求項6】 標準検体の試薬に対する反応をあらかじ
    め検出し、その結果からポンプが吐出する試薬量を自動
    的に制御する制御手段をもってなることを特徴とする請
    求項2乃至4のうちのいずれかに記載の液体検体の多項
    目検査分析装置。
  7. 【請求項7】 液体の検体と試薬とを混合して反応させ
    るための複数の反応容器と、液体の検体を収容する検体
    容器と、複数の試薬を収容する複数の試薬容器と、前記
    検体容器中の液体の検体を前記反応容器に定量注入する
    検体注入手段と、前記試薬容器中の試薬を前記反応容器
    に定量注入する試薬注入手段と、反応容器内の液体の反
    応を検出し電気的信号に変換して出力する反応検出手段
    と、測定項目と該測定項目に関連するデータを記憶格納
    する記憶手段と、該記憶手段に格納されたデータを演算
    する演算手段と、前記検体注入手段、試薬注入手段及び
    反応検出手段の動作を制御するシーケンスコントローラ
    と、これら各手段とシーケンスコントローラの動作を制
    御する制御部と、前記制御部に所要のデータを入力する
    入力手段と、を含んでなり、試薬注入手段として一種類
    の試薬について一系統のポンプが設けられ、試薬容器と
    反応容器を前記ポンプを介して接続する配管もそれぞれ
    の試薬ごとに設けられている液体検体の多項目検査分析
    装置の制御方法において、 a.記憶手段に、測定項目と、少なくとも該測定項目の
    測定に必要な試薬の種類及び量、該試薬を吐出する試薬
    注入手段の識別番号、該吐出された試薬が注入される反
    応容器の識別番号、該測定項目における混合染色時間、
    該測定項目の反応に必要な検体量、を組み合わせて1組
    とした測定項目データを複数組、反応容器の識別番号順
    に記憶格納しておき、 b.実施すべき測定項目を前記記憶手段に記憶格納され
    ている測定項目の中から選択して、記憶手段に格納され
    ている測定項目のうちの該選択された測定項目に選択さ
    れたことを示す使用符号を付し、 c.制御部は、測定項目の選択が終了したら、使用符号
    が付された測定項目を検索して検索された測定項目に含
    まれる試薬注入手段の識別符号と試薬量を読み出して、
    シーケンスコントローラを介して、読み出した識別符号
    の試薬注入手段を駆動して読み出した試薬量を吐出さ
    せ、この手順を使用符号が付された測定項目すべてにつ
    いて行い、 d.制御部は、試薬の吐出、注入が使用符号を付された
    全測定項目について終了したら、再び記憶手段の使用符
    号が付された測定項目を検索して検索された測定項目デ
    ータに含まれる反応容器の識別番号と検体量を読み出
    し、シーケンスコントローラを介して、読み出した識別
    符号の反応容器に検体注入手段を移動させて読み出した
    検体量を吐出注入させるとともに、検体注入時刻を前記
    記憶手段の該当個所に記憶させ、この手順を使用符号が
    付された測定項目全てについて行い、 e.制御部は、検体の吐出、注入が使用符号を付された
    全測定項目について終了したら、再び、使用符号が付さ
    れた測定項目を検索して検索された測定項目に含まれる
    混合染色時間と前記検体注入時刻を読み出し、検体が注
    入されてからの経過時間が前記混合染色時間を超えてい
    るかどうかを演算し、 f.経過時間が前記設定された前記混合染色時間を上回
    っているとき、シーケンスコントローラを介して、該当
    する反応容器に反応検出手段を移動させて該反応容器内
    の液体の反応を検出させ、検出結果を電気的信号に変換
    して出力させる、手順を含んでなることを特徴とする液
    体検体の多項目検査分析装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 試薬注入手段の吐出量を検出し、検出さ
    れた吐出量が予め設定された注入量になるまで試薬注入
    手段の動作を継続させることを特徴とする請求項7に記
    載の液体検体の多項目検査分析装置の制御方法。
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