JP2019156657A - 希土類−鉄−ガーネット系透明セラミックス及びそれを用いた光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入損失及び消光比においてガーネット単結晶体と同等以上の性能を発揮できる材料を提供する。【解決手段】組成式Re3Fe5O12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされるガーネット型多結晶体からなるセラミックスであって、(1)前記結晶体の純度が99.8重量%以上であり、(2)波長λnm(但し、λ≧1300を満たす。)の光が45度のファラデー回転を起こす厚さtにおいて、前記光に対する挿入損失が0.2dB以下であり、かつ、消光比が30dB以上である、ことを特徴とする、希土類−鉄系ガーネット型セラミックス及びその製造方法に係る。【選択図】なし

Description

本発明は、希土類−鉄−ガーネット系透明セラミックス及びそれを用いた光学デバイスに関する。
鉄系ガーネット(IG)材料としては、これまでa)FZ(フローティングゾーン)法により希土類−鉄系ガーネット(ReIG)材料、b)LPE(リキッドフェーズエピタキシー)法により、前記ReIG材料にBiを添加する場合に限り、GdGa12系ガーネット(GGG)材料の単結晶基板上にBi添加ReIG単結晶厚膜がそれぞれ製造されている。そして、これらの製造方法で得られる材料は、いずれも光通信をはじめとするアイソレータに利用されている。
これら材料の中でも、希土類−鉄系ガーネット(ReIG)材料は、組成設計の自由度等から様々な特性を付与できるという点で実績のある材料である。ReIG材料は、単結晶成長では原理的に包晶反応を伴うことからチョクラルスキー法の適用が困難であるがゆえに、FZ法しか生産手段がない。そのため、ReIG材料は、材料の高品質化・大型化が難しいだけでなく、生産性の点においても多くの課題が残されている。
そこで、これらの課題を解決するための手段として、これまでに種々の製造技術が開発されている。例えば、焼結法による多結晶ReIG材料の製造技術(特許文献1〜4)、あるいは単結晶の製造技術(特許文献5、非特許文献1)が提案されている。
特開平3−164466号公報 特開平9−2867号公報 特開2008−90009号公報 特許第5950478号公報 特公昭62−40320号公報
M. Imaeda, S. Matsuzawa" Growth of Iron Garnet Single Crystal by Solid-Solid Reaction", Proc. 1st Japan International SAMPE Symposium pp419-24, Nov.28-Dec.1 (1989).
しかしながら、これらの従来技術においては、その品質面等においてさらなる改善の余地があるとされている。
特許文献1〜4では、焼結法により多結晶の希土類・鉄・ガーネットセラミックスを作製し、透光性を付与できることが報告されている。
特許文献3〜4では、Bi添加鉄・ガーネットを基板上に塗布することにより厚膜が形成されているが、その具体的な品質には言及されていない。特許文献3は、焼結体の粒子サイズを0.3〜10μmの範囲に制御することで波長1310nm及び1550nmに対する順方向の挿入損失が1dB以下、消光比を35dB以上にしたことが記載されているが、ほとんどの実施例に記載された挿入損失は1〜0.4dBと比較的大きく、また焼結法でBiを添加した希土類・鉄・ガーネット焼結体を作製することが基本である。Biを添加した材料はファラデー回転角(ファラデー回転係数)が大きくなるため、薄い材料(Bi添加の場合、本発明の1/10程度の試料厚さ)の適用ができるので、挿入損失は見掛け上小さいが、Biを添加しない希土類・鉄・ガーネットと同一の厚さになれば、挿入損失は記載の少なくとも10倍以上大きいことになる。ところが、Bi添加鉄・ガーネットでは、Biをガーネット系組成に含有させることが難しく、また含有させることができるとしてもLPE法に頼らざるを得ないために生産性が極めて低くなるという問題がある。このため、Bi添加鉄・ガーネットは本来的に工業的規模での生産に向かないだけでなく、コスト面でも改善する余地が残されている。
特許文献1は、Biを添加しない系であるが、特許文献1の実施例の一部は純粋な鉄・ガーネット焼結体である。発明の内容としては、基本的にCaの混入を制限し、ガーネット中の希土類元素/鉄比が目標組成から±0.10%の範囲に制御した圧紛体を焼成し、さらにHIP(熱間等方圧プレス)処理することで透光性の多結晶焼結体を得ているが、磁気光学テストに供したサンプルは厚さ1mm又は0.3mmと非常に薄く、透過特性(光吸収は1,10、15cm−1)に優れているとは言えない。
特許文献2は、BiTb3−xFe12に関するもので材料密度を99.99%以上かつ粒子サイズを20μm以上とする、その焼結温度とHIP処理温度を規定することで優れた材料を提供することが目的であるが、全ての材料は反射防止コート又は無反射コート(ARコート)後の挿入損失が0.6〜1dBと大きく、実用的な材料特性とはいえない。
他方、焼結法により単結晶材料の合成が可能となれば画期的であるが、非特許文献1の材料中には多量のボイドが残存しており、ARコート後の材料の挿入損失は2dBと高く、実用に値するものではない。特許文献6は、製法のみの記載であり、材料の品質には言及されていない。
20世紀までは単結晶材料の光学特性は多結晶体を圧倒していたが、最近では単結晶に匹敵または凌駕する光学性能の多結体も報告されるようになり、経済性と性能を鑑みれば多結晶焼結体の光学応用が断然有利である
焼結法で透光性の同単結晶を作製するポイントは前例にて、高密度化(低ボイド化)と粒子サイズが重要と記述されている。本発明で鋭意検討したところ、前例は必要条件であり光学特性は必ずしも十分でなく、市販YIG(YFe12)単結晶(ファラデー回転45度を与える2mmの媒質厚さで挿入損失0.2dB程度以下、消光比25dB程度以上)に比べても劣悪な状態にある。本発明はこれまでの鉄系ガーネットの光学特性を大幅に改善し、FZ法で作製された市販YIG単結晶等と同等の性能を付与することができる。これまでの問題を解決するには、残留気孔量と粒子サイズ等の量を規定するだけでは不十分であり、質的問題を解消する必要がある。残留気泡量を低減させることは散乱低減の必要条件であるが十分条件ではない。例えば残留気孔に対しては絶対気孔量と共に気孔サイズを限定させる必要がある。引例には記載されていないが、気孔サイズは少なくとも利用波長と同程度(例えば1300nmで応用するのであれば、気孔径は1μm以下であることが好ましく、気泡サイズの減少と共にミー散乱とレイリー散乱は減少していく。
もう一つ光学特性上重要なことはセラミックスが均一なサイズの粒子から構成されることであるが、さらに重要なことは結晶方位の異なる粒子間、すなわち粒界部にガーネット以外のいかなる第二相も存在しないことである。粒界相の有無に関しては、HR−TEM(高分解能透過型電子顕微鏡)にて粒界部を少なくとも10〜100万倍で観察し、粒界相の存在の有無を確認することができるほか、800nm以上の波長で観察できる透過偏光赤外顕微鏡で存在の有無を確認できる(測定試料の前後面に偏光板を双方がクロスするように配置し、光照射して暗視野が得られれば粒界相は存在しないことになる)。特許文献1で組成範囲を目的の組成の±0.1%以内にすることが重要とも記載されているが、例えその範囲にあったとしても圧紛体が不均一であれば、焼成したセラミックスの一部にガーネット以外の異相(Fe(六方晶))とYFeO(正方晶))が局所的に析出していることが多い。SEMによる反射電子像(BEI: Backscatter Electron Image)、反射顕微鏡、XRD(X線回折分析)等では材料が単相に見えても、材料内部には微量の異相が残存しており、異相の実質的な完全除去が光学特性を満足する十分条件となる。
従って、本発明の主な目的は、挿入損失及び消光比においてガーネット単結晶体と同等以上の性能を発揮できる材料を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法により得られた材料が特異な構造を有するがゆえに上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の希土類−鉄−ガーネット系透明セラミックス及びその製造方法に係る。
1. 組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされるガーネット型多結晶体からなるセラミックスであって、
(1)前記結晶体の純度が99.8重量%以上であり、
(2)波長λnm(但し、λ≧1300を満たす。)の光が45度のファラデー回転を起こす厚さtにおいて、前記光に対する挿入損失が0.2dB以下であり、かつ、消光比が30dB以上である、
ことを特徴とする、希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
2. 平均結晶粒径が20μm以下である、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
3. 相対密度が99.99%以上である、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
4. Fe結晶相及びReFeO結晶相が実質的に存在しない、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
5. 平均気孔径が1μm以下である、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
6. 4価の元素の合計含有量が300重量ppm以下である、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
7. 組成式ReFe12におけるMg、Ca及びSrの合計置換量が0.3モル%以下である、前記項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
8. 前記項1〜7のいずれかに記載のセラミックスをファラデー素子として利用した光アイソレータデバイス。
9. 組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされる希土類−鉄系ガーネット型セラミックスを製造する方法であって、
(1)モル比でRe:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)(但し、δ=0.025を示す。)の組成となる原料粉末を調製する工程
(2)前記原料粉末を成形することにより圧粉体を得る工程、
(3)前記圧粉体を1300〜1450℃で予備焼結することにより予備焼結体を得る工程、
(4)酸素を含む雰囲気中1300〜1500℃で前記予備焼結体を熱間等方圧プレス処理又はホットプレス処理する工程
を含むことを特徴とする製造方法
本発明によれば、挿入損失及び消光比においてガーネット単結晶体と同等以上の性能を発揮できる材料を提供することができる。すなわち、本発明の希土類−鉄−ガーネット系透明セラミックスは、従来のFZ法で得られるReFe12単結晶に匹敵又は凌駕する低挿入損失を有し、なおかつ、従来法では実現困難とされていた高消光比を発揮することができる。特に、Ceを添加した材料のファラデー回転角は驚異的に上昇し、アイソレータの小型化等にも貢献でき、産業応用も可能な特性を付与することができる。
また、本発明の製造方法は、FZ法では作製困難とされていた大型サイズの媒質も作製できるほか、量産性も有していることから、工業的規模での製造に適した画期的な方法である。
本発明YIGセラミックス(実施例24)の粒界近傍のHR−TEM像(観察倍率100万倍)である。 粒界相を有するYIGセラミックスの粒界近傍のHR−TEM像(観察倍率10万倍)である。 本発明YIGセラミックス(実施例25)の赤外透過顕微鏡の明視野(顕微鏡にある2枚の偏光板を平行に設置)(左側)及び暗視野(2枚の偏光板を直交)(右側)した微構造写真である。 粒界相を有するYIGセラミックスの透過・偏光及び反射顕微鏡による組織観察の結果を示す。 不純物相(GdFeO)を有するGIG(GdFe12)セラミックス(比較例6)の透過・偏光及び反射顕微鏡による組織観察を示す。 不純物相(Fe)を有するYIGセラミックスの透過・偏光及び反射顕微鏡による組織観察の結果を示す。 市販のYIG単結晶(FZ法)及び本発明YIGセラミックス(実施例3)の直線透過率(測定波長1000〜2500nm)を示すグラフである。 磁気光学特性を評価する方法を示す概略図である。 本発明セラミックスを用いた光アイソレータの構成例である。
1.希土類−鉄系ガーネット型セラミックス
本発明の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス(本発明セラミックス)は、組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされるガーネット型多結晶体からなるセラミックスであって、
(1)前記結晶体の純度が99.8重量%以上であり、
(2)波長λnm(但し、λ≧1300を満たす。)の光が45度のファラデー回転を起こす厚さtにおいて、前記光に対する挿入損失が0.2dB以下であり、かつ、消光比が30dB以上である、
ことを特徴とする。
本発明セラミックスの組成は、前記のとおり、ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。以下同様)で表わされる。ランタニド希土類としては、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuがある。本発明では、光学特性等の見地より、主たるホスト材料としてのReについては、特にSc、Y、Ce、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの少なくとも1種が好ましい。
本発明セラミックスは、上記組成を有するガーネット型多結晶体から構成されているが、その純度は99.8重量%以上(好ましくは99.99重量%以上)である。
特に、本発明セラミックスでは、粒界相等のいかなる部位にも、ガーネット結晶相以外の結晶相(第2結晶相)が実質的に存在しないことが好ましい。ここで「実質的に存在しない」とは、少なくともX線回折において第2結晶相によるピークが検出されないことをいう。さらに、前記X線回折に加え、1)SEM(走査型電子顕微鏡)の組成像、2)TEM(透過型電子顕微鏡)、3)反射顕微鏡及び4)透過(偏光)顕微鏡による機器を用いても第2結晶相が検出されないことがより好ましい。第2結晶相の代表例としては、Fe相、ReFeO相等が挙げられる。従って、Fe相及びReFeO相も実質的に存在しないことが好ましい。
また、本発明セラミックスでは、Fe2+の生成をより効果的に抑制するという見地より、1)4価の元素の導入量を制限する方法及び2)Mg、Ca及びSrの少なくとも1種を導入しても、その含有量を制限する方法の少なくとも一方を採用することができる。本発明セラミックスでは、たとえ第2結晶相が実質的に存在しなかったとしても、Fe2+がガーネット中に生成した場合には応用波長域で著しい光吸収が起こるので、透過率が低下し、所望の光学特性が得られなくなるおそれがあることから、そのFe2+の生成を抑制ないしは防止することが望ましい。本発明セラミックス中(又はその原料中)では、Feは通常Fe3+(3価)として存在するが、例えば焼成中の酸素分圧が不十分であると局所的にFe2+が生成する。
本発明セラミックスにおいて、4価の元素が自然又は故意に導入された場合も同様の現象を起こる。すなわち、4価の元素が入ると、ガーネット中のFeは電荷補償のために半ば自動的にFe2+となり、透過率の低下を招いてしまう。このため、材料中の4価元素の導入量を規制する必要があり、鋭意検討したところSi,Ge,Sn,Ti, Mn,Zr,Hf等の4価の元素(特に酸素との親和力が強いSi,Zr及びHfが入ると極端な特性低下を引き起こす。)の合計含有量が300重量ppm以下(特に50重量ppm以下)にすることが好ましい。これらの合計含有量を300重量ppm以下に抑えることによって、ガーネット中に存在するFe2+を最低限にとどめることができるのでアイソレータ材料として利用できる光学性能(透過率)を効果的に維持することができる。合計含有量が300重量ppmを超える場合は、ファラデー回転45度を与える媒質厚さで挿入損失が0.2dBを超えるか、あるいはほとんど光透過しない状態になるおそれがある。
さらに、Fe2+の生成を抑制するために、本発明セラミックスは、ReFe12の化学式においてRe及び/又はFeの一部をMg、Ca及びSrの少なくとも1種で置換することもできる。本発明セラミックスでは、例えばMgはFeサイトに置換され、Ca及びSrはReサイトに置換される。これにより、本発明セラミックス中におけるFe2+の生成を効果的に抑制ないしは防止することができる。また、これらの元素は、粒成長を抑制し、材料内部の散乱の低減化にも寄与することができる。その結果、本発明によるセラミックスの透過率(アイソレーション時の損失低減)向上をよりいっそう確実に実現することも可能となる。かかる見地より、その置換量は、Mg、Ca及びSrの合計量で通常0.3モル%以下とすることが好ましい。これによって、Fe2+の生成抑制効果とともに、材料内部のインクリュージョンもより効果的に抑制することができる。置換量の下限値は、限定的ではないが、上記効果をより確実に得るという観点から、通常は10モルppm程度とすれば良いが、これに限定されない。
本発明セラミックスは、多結晶体であり、その平均結晶粒径は通常20μm以下であることが望ましく、特に5μm以下であることがより望ましい。平均結晶粒径の下限値は、限定的できないが、通常は1μm程度とすれば良い。これにより、いっそう優れた光学特性を得ることができる。
本発明セラミックスは、気孔率は通常0.01%以下であり、特に0.005%以下であることが好ましい。すなわち、本発明セラミックスは、高い緻密性(特に相対密度99.99%以上)を有することから、優れた光学特性を発揮することができる。かかる見地より、本発明セラミックスが気孔を含む場合は、その平均気孔サイズは1μm以下であることが望ましく、特に0.5μm以下であることがより望ましい。
本発明セラミックスは、波長λnm(但し、λ≧1300を満たす。)の光が45度のファラデー回転を起こす厚さtにおいて、前記光に対する挿入損失が0.2dB以下(好ましくは0.01〜0.2dB)であり、かつ、消光比が30dB以上(好ましくは30〜50dB)である。このような低挿入損失及び高消光比を兼ね備えた本発明セラミックスは、ガーネット単結晶体と同等以上の性能を発揮できる。このため、本発明セラミックスは、光アイソレータ等においてガーネット単結晶体の代替品として、さらには単結晶技術では製造困難なCe:ReIG(Reの一部をCeで置換したもの。以下同様)が合成可能であることから大型化及び生産性の向上に寄与することができる。
ここで、前記波長は、通常1300nm以上の範囲内で適宜設定することができる。従って、後記の実施例のように前記波長として例えば1550nmを採用することもできる。通常の通信用途に利用する波長帯は1200〜1600nmの範囲であるが、例えば1600nmを超える波長域でも応用できる。
なお、測定試料としての本発明セラミックスの厚さ(光が通過する距離)は、挿入損失及び消光比の測定条件を揃えるために、上記のように当該光が45度のファラデー回転を起こす厚さ(t)とする。従って、材料組成と使用波長に応じて測定試料の厚みが異なる。例えば、波長1500nm帯におけるYIG(YFe12)ファラデー回転係数が225deg/cmの材料であれば、t=45/225=0.2cmとなる。
2.希土類−鉄系ガーネット型セラミックスの製造方法
本発明セラミックスは、下記の製造方法より好適に製造することができる。すなわち、組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされる希土類−鉄系ガーネット型セラミックスを製造する方法であって、
(1)モル比でRe:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)(但し、δ=0.025を示す。)の組成となる原料粉末を調製する工程(第1工程)
(2)前記原料粉末を成形することにより圧粉体を得る工程(第2工程)、
(3)前記圧粉体を1300〜1450℃で予備焼結することにより予備焼結体を得る工程(第3工程)、
(4)酸素を含む雰囲気中1300〜1500℃で前記予備焼結体を熱間等方圧プレス処理又はホットプレス処理する工程(第4工程)
を含むことを特徴とする製造方法により、本発明セラミックスを製造することができる。
第1工程
第1工程では、モル比でRe:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)(但し、δ=0.025を示す。)の組成となる原料粉末を調製する。
原料粉末を調製する出発材料としては、特に限定されず、各元素単体そのものを用いる方法のほか、例えばa)Re供給源となるRe酸化物化合物粉末とFe供給源となるFe化合物粉末とを用いる方法、b)Re−Fe系化合物粉末を用いる方法等のいずれであっても良い。
上記a)の場合、Re化合物としては、基本的に酸化物を用いることができるが、原料の一部として水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ハロゲン化物(例えば塩化物)等も用いることができる。従って、例えばRe=Y(イットリウム)である場合はイットリア(Y)粉末を用いることができる。また、Fe化合物としては、基本的に酸化物を用いるが、原料の一部として水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物等を用いることもできる。酸化鉄源としては、γ−Fe(但し、混合前に脱水処理をして事実上α−Feとする。)、FeO又はFe(但し、混合前に酸化処理を行うことで実質的にFeに変える必要がある。)も利用可能であるが、特にα−Fe粉末をより好適に用いることができる。
上記b)の場合、Re−Fe系化合物は、公知の方法(例えば共沈法等)により好適に調製することができる。例えば、水溶性Re化合物及び水溶性Fe化合物を溶媒に溶解させた後、アンモニア等のアルカリ源により沈殿を生成させることによってRe−Fe系化合物を好適に得ることができる。共沈法等の湿式合成法により予め目的組成として得られたガーネット組成の前駆体等を仮焼して有られる原料粉末(例えばYFe12,TbFe12,Ce:YFe12等の化学組成を有する粉末)として用いることもできる。
また、各成分における原料粉末の純度(例えば酸化物の場合は酸化物としての純度)は、通常99.8重量%以上とし、好ましくは99.9重量%(3N)以上とし、より好ましくは99.99重量%(4N)以上とすることもできる。これらの各成分を、目的組成(ガーネットの化学量論組成かつ必要な蛍光元素を含む組成)となるように秤量及び混合したものを用いる。
本発明の製造方法では、原料粉末の組成をモル比でRe:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)(但し、δ=0.025を示す。)となるように調整する。すなわち、ガーネット組成又はそれに極めて近い組成となるように出発材料を調合する。その組成が上記モル比を外れた場合は、所望の特性を発揮できるセラミックスを得ることが困難となる。上記δは、通常は0.025であるが、特に0.020とすることが好ましく、その中でも0.015とすることがより好ましい。
原料粉末の調製(混合方法)は、各成分が均一になるように調製できる限りは、特に制限されず、例えば公知又は市販のローラー式、振動式、アトライター式、遊星撹拌等を使用すれば良い。また、混合方法は、アルコール(エタノール等)等の溶媒を用いた一般的な湿式混合を用いれば良い。
また、吸湿性又は水和性がない原料粉末(ガーネット粉末)を用いる場合あるいは反応焼結の場合であっても水とほとんど反応しない原料の組合せであれば、溶媒に純水を利用することもできる。溶媒の使用量は限定的でなく、通常は出発材料100重量部に対して100〜300重量部程度とすることができる。
また、湿式混合では、粉砕用メディア(ボール)を用いることもできる。これにより、混合中の粒子どうしの凝集を効果的に抑制し、微細な粒子からなる原料粉末を得ることができる。粉砕用メディアとしては、無機材料又は有機材料のいずれであっても良い。無機材料としては、例えばアルミナ、ジルコニア等のほか、金属(鋼等)を挙げることができる。特にZrO製ボール等の4価値の元素を含むメディアを用いる場合はコンタミが300重量ppm以下とすることが好ましい。有機材料としては、各種の合成樹脂(特にエンジニアリングプラスチックス)が挙げられる。本発明では、特に焼成で除去できるという見地より、合成樹脂製ボールを好適に用いることができる。合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネート等を挙げることができる。これらは公知又は市販のものを使用することができる。
粉砕用メディアを用いる場合、その使用量は、例えば出発原料100重量部に対して1000〜2000重量部とすることができる。また、粉砕用メディアを用いる場合の容器も、同様の理由から合成樹脂製容器を用いることが好ましい。従って、容器及び粉砕用メディアともに合成樹脂から構成されているボールミル装置等も好適に用いることができる。また、必要に応じて分散剤、有機バインダー等を添加しても差し支えない。
混合時間は、原料粉末の組成が均一となるようにできれば良く、通常は10〜40時間程度とすることができるが、これに限定されない。
特に、反応焼結(ReとFeとを反応させて最終的にReIGを形成)の場合、原料粉末の平均一次粒子径は通常0.01〜3μmであり、その中でも0.01〜0.5μmとすることが好ましい。原料粉末の平均一次粒子径は、公知の方法により適宜調節することができる。この場合、Re供給源の粉末の平均一次粒子径は、Fe供給源の粉末の平均一次粒子径の1/1〜1/200(特に1/5〜1/100)の大きさに制御することが好ましい。これは、緻密かつ組成的に均一なReIGセラミックスを作製する場合は反応性に乏しいRe粒子サイズをFe粒子より小さくすることが反応焼結に極めて有効であるという理由による。例えば、Re供給源の粉末の平均一次粒子径を0.01〜1μm程度とし、Fe供給源の粉末の平均一次粒子径を0.1〜3μm程度とすることができる。このように、Re供給源の粉末をFe供給源の粉末よりも微細なものを使用することにより、Re成分の高い反応性をより確実に得ることができる結果、緻密で光学特性に優れたセラミックスを製造することができる。
また、共沈法の場合は、原料粉末の平均一次粒子径は、通常1μm以下であることが好ましく、特に0.5μm以下であることが好ましい。この場合の下限値は特に制限されないが、通常は0.01μm程度とすれば良い。さらに、原料粉末の50モル%以上がガーネット構造を示していることが好ましい。ガーネット以外の構造としてRe,Fe,ReFeO,アモルファス相があり、本発明の効果を妨げない範囲内で混在しても差し支えないが、焼結体の緻密性と(組成的)均一性の観点から、原料中のガーネット構造が占める割合は50モル%以上とすることが望ましい。なお、原料粉末中のガーネット比率は、例えばX線回折等で容易にその量を計測することが可能である。
第1工程を実施した後は、原料粉末を回収すれば良い。湿式混合した場合は、公知の固液分離方法、乾燥方法等により溶媒を除去すれば良い。また、必要に応じて、原料粉末の洗浄、分級等も実施することができる。
さらに、必要に応じて、原料粉末を造粒することもできる。造粒方法は特に限定されず、例えばスプレードライ、フリーズドライ等の公知の造粒方法を採用することができる。例えば、原料粉末及び有機溶剤を含むスラリーをスプレードライ法により原料粉末の造粒物を得ることができる。この場合の造粒物(顆粒)の平均粒径は限定的ではないが、通常は10〜100μm程度とすることが望ましい。
また、第1工程において、粉砕用メディア(特に合成樹脂製メディア)を用いる場合は、第2工程の成形に先立って、有機成分を除去することを目的として混合粉末を仮焼することもできる。仮焼条件は、限定的でなく、例えば酸化性雰囲気中300〜600℃程度とすれば良い。
第2工程
第2工程では、前記原料粉末を成形することにより圧粉体を得る。
混合粉末を成形する方法は特に限定されず、例えば一軸プレス成形、冷間静水圧プレス法(CIP成形)等の公知の方法を1種又は2種以上組み合わせて採用することができる。例えば、1次成形として一軸プレス成形をした後に、2次成形としてCIP法により圧粉体を得ることができる。
成形する際の圧力は、用いる原料粉末の粒径、原料粉末の組成等に応じて適宜設定することができるが、一般的には得られる成形体の理論密度の40〜65%程度の密度となるように加圧することが好ましい。例えば、CIP成形による場合は98〜198MPaの範囲内で適宜設定することができるが、これに限定されない。上記のように2段階で成形する場合は、5〜20MPaの範囲内で一軸プレス成形した後、98〜198MPaの範囲でCIP成形すれば良い。
得られた圧粉体は第3工程に供される。ただし、第1工程で有機バインダーを用いた場合、粉砕用メディア(特に合成樹脂製メディア)を用いた場合は、得られた圧粉体を焼成することにより有機成分を除去することが好ましい。この場合の焼成(脱有機物)条件は、限定的でなく、例えば酸化性雰囲気中にて300〜800℃程度とすることができる。
第3工程
第3工程では、前記圧粉体を1300〜1450℃で予備焼結することにより予備焼結体を得る。
予備焼結温度は、通常1300〜1450℃とすれば良く、特に1320〜1420℃とすることが好ましい。上記温度が低すぎる場合は、緻密化が不十分であるので十分な透明度が得られない、上記温度が高すぎると異常粒成長(不均一な微構造組織)、焼結体の変形等の問題を生じる。予備焼結時間は、例えば予備焼結温度、圧粉体のサイズ等に応じて適宜設定すれば良い。
また、予備焼結時の昇温速度は、例えば圧粉体の焼結性、大きさ等に応じて適宜設定できるが、特に1000℃以上の範囲では60℃/hr以下とし、特に50℃/hr以下とすることが好ましい。これによって、より効果的に残存気孔量を減らすことができる。従って、例えば、1000℃までを140〜160℃/hr程度とし、1000℃以上を40〜60℃/hr程度とすることもできる。
予備焼結雰囲気は、酸素を含むガスとすることが好ましい。特に酸素濃度が高い条件であり、その中でも酸素100%の雰囲気で予備焼結することが好ましい。
このようにして得られた予備焼結体を第4工程に供する。この場合の予備焼結体は、平均結晶粒径5μm以下とし、相対密度94%以上(特に98〜99.9%)としておくことが好ましい。このような特性は、上記のような条件の範囲内で予備焼結することによって効果的に得ることができる。
第4工程
第4工程では、酸素を含む雰囲気中1300〜1500℃で前記予備焼結体を熱間等方圧プレス処理(HIP処理又はホットプレス処理(HP)する。
HIP処理における温度は、通常1300〜1500℃とすれば良いが、特に1350〜1450℃とすることが好ましい。このような温度範囲に設定することにより、得られる焼結体中に残存する気孔量及び気孔サイズを効果的に低減することができる。
HIP処理の圧力は、通常は90〜250MPa程度とし、特に95〜200MPaとすることが好ましい。
HIP処理の雰囲気は、特に制約されないが、特に酸素−アルゴンガス雰囲気、酸素−窒素ガス雰囲気とすることが好ましい。この場合の酸素濃度は、限定的ではないが、鉄酸化物の還元を効果的に抑制するという見地からが酸素濃度は1〜20体積%の範囲とすることが好ましい。
HIP処理時間は、HIP処理温度等に応じて適宜変更することができるが、通常は1〜10時間の範囲内とすれば良い。
HIP処理において、上記温度を所定時間維持した後、そのまま冷却(自然冷却)しても良いが、特に上記HIP処理温度〜500℃における降温速度を100℃/hr以上(さらには500℃/hr以上)の比較的速い速度で降温させることが好ましい。この理由は、以下のとおりである。HIP処理中に焼結体中の残留気孔の一部は除去されるが、それ以外の気孔は外部圧力により収縮しているだけである。HIP処理後に徐冷すると圧力低下とともに気孔が再膨張してしまうので、材料の光散乱が大きくなる。このため、HIP処理後の冷却速度は100℃/hr以上に設定する必要があるが、過度な冷却速度によりサーマルショックを起こさない範囲としなければならない。かかる見地より、冷却速度の上限は、通常800℃/hr程度とすることが好ましい。
また、HIP処理に代えてHP処理を採用する場合も、HIP処理の条件と同様の条件(温度、圧力、時間等)に準じて実施することができる。また、HP処理する場合も、公知又は市販の装置を用いて実施することができるが、この場合も酸素を含むガス雰囲気中、好ましくは酸素濃度がより高い方が望ましく、その中でも酸素100%の雰囲気で実施することが最も望ましい。
3.希土類−鉄系ガーネット型セラミックスの使用
本発明セラミックスは、各種の光学材料として利用することができる。特に、本発明によるセラミックスは、その低挿入損失及び高消光比という特性から、光アイソレータとして有効である。また、これまでの単結晶合成技術ではBi無添加の場合、FZ法で直径数mmかつ数十mm長さの小さな結晶を育成するか、Bi添加の場合ではLPEでBi:ReIG圧膜を作製するかの選択肢しかなかったのに対し、本発明の焼結法でセラミックを合成する場合は大面積及び大容積の材料が効率的に合成できるメリットがあるので、新たな用途開拓も可能となる。
また、本発明セラミックスは、これまで作製が困難であったCe:ReIGはBi:ReIGと同等又はそれ以上のファラデー回転角を示すので、アイソレータデバイスの小型化及び高性能化にも貢献できる。本発明セラミックスを光アイソレータとして使用する場合、ファラデー回転子として本発明セラミックスを用いる以外は、公知のアイソレータ装置と同様の構成を採用することができる。
図9には、本発明セラミックスを用いた光アイソレータの構成例を示す。材料周辺に電磁石が配置され、レーザー光の入力出力側双方に偏光板が配置されている。一般の光アイソレータと異なるのはファラデー回転子の部分に多結晶セラミックスが利用されている。鉄系の磁性ガーネット(フェリ磁性材料)では単一方位の材料(すなわち、単結晶)しか利用されないが、これは材料の結晶方位毎に磁気異方性と磁気光学異方性があるため(結晶方位毎にファレデー回転角が異なるため)である。一方、本発明セラミックスによる素子を利用する限りは、多結晶であっても単結晶と同様の偏光特性を有し、アイソレータとして十分利用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
出発原料として、市販のY粉末(平均一次粒子径:約90nm、BET比表面積32m/g)及びα−Fe粉末(平均一次粒子径:約1000nm、BET比表面積8m/g)を用いた。これらの粉末をガーネット組成となるように秤量し、合成樹脂製容器に入れた。粉末合計100g対して粉砕用エンジニアリングプラスチックス製ボール(粒径約10mm)1kg及びエタノール250mlを入れたうえで15時間かけて湿式混合することによってスラリーを得た。
回収されたスラリーは、温度90℃でエタノールを蒸発させ、乾燥させることにより、成形用粉末を調製した。成形用粉末をステンレス鋼製篩(100メッシュ)で篩いにかけた。次に、篩いをパスした粉末を約10MPaの圧力下にてプレス成形した後、98MPaの圧力下にてCIP成形を行った。
次いで、得られた成形体について純酸素ガス雰囲気中(酸素ガス濃度>99.9体積%)にて昇温速度150℃/hr(1000℃以上の温度は50℃/hr)にて最高到達温度1320℃で予備焼結を実施した。
続いて、前記の予備焼結体のHIP処理を行った。処理条件は、処理雰囲気:O−Arガス(酸素ガス濃度1体積%)、圧力:98MPa、温度:1300℃、処理時間:3時間とした。HIP処理終了後(1300℃で3時間処理した後)は、降温速度は約600℃/hrで比較的急速に冷却した。このようにして本発明の希土類−鉄系ガーネットセラミックスを得た。
実施例2〜35及び比較例1〜16
製造条件を表1〜6に示すように変更したほかは、実施例1と同様にして焼結体を作製した。表1〜表4に示したものは本発明であり、表5〜6は比較例である。
各表中における記号は、以下の条件を示す。
1−1:予備焼結温度(℃)
1−2:予備焼結体の相対密度(%)
2−1:HIP処理温度(℃)
2−2:HIP処理雰囲気(体積%)
2−3:HIP処理圧力(MPa)
化学量論組成からの変動:モル比Re:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)における当該δの値を示す。
また、各実施例及び比較例において、各表に示す条件のほか、実施例1から変更した点は下記に示す通りである。
<実施例3,4,10,28について>
出発原料として公知の共沈法で調製されたYFe12粉末(平均一次粒子径:約250nm)を用いた。
<実施例12について>
出発原料として公知の共沈法で調製された(TbHo)Fe12粉末(平均一次粒子径:約300nm)を用いた。
<実施例17について>
出発原料として公知の共沈法で調製された(GdTb)Fe12粉末(平均一次粒子径:約600nm)を用いた。
<実施例24〜28について>
ボールミルによる出発原料の混合に際し、実施例24〜25はAl製ボール、実施例26〜28はZrO製ボールを用いた。但し、これらのボールによる不純物の混入はいずれも300重量ppm以下であることをICP−MASSで確認した。実施例24はAl含有量が80重量ppm、実施例25はAl含有量が290重量ppm、実施例26はZrO含有量が80重量ppm、実施例27はZrO含有量が230重量ppm、実施例28はZrO含有量が110重量ppmであった。
<実施例29〜35について>
表4に示す材料組成中に添加剤(MgO,CaO,SrO)を単独又は混合して添加することにより多結晶ReIGセラミックスを実施例1と同様にして焼結体を作製した。なお、表4中の添加剤の添加量の単位は「モル%」を示す。
実施例36〜41
材料組成を表7〜表8に示す組成となるようにしたほかは、実施例1と同様にして焼結体を作製した。ここで、Ce供給源としてCeO粉末(平均一次粒子径:約1800nm)、Gd供給源としてGd粉末(平均一次粒子径:約90nm)、Tb供給源としてTb粉末(平均一次粒子径:約2000nm)をそれぞれ用いた。
試験例1
各実施例及び比較例で得られた焼結体について、次に示すような物性をそれぞれ測定した。その結果を表1〜表8に示す。
なお、各表における単位は、気孔率は「体積ppm」、平均気孔径は「μm」、平均結晶粒子径は「μm」、挿入損失は「dB」、消光比は「dB」をそれぞれ示す。また、表6中の添加物の添加量は「重量ppm」を示す。
(1)焼結体の気孔体積(及び予備焼結体の相対密度)
予備焼結した焼結体中の気孔率をアルキメデス法(乾燥重量、含水重量、水中重量の測定から算出)により測定し、その測定結果に基づいて気孔体積又は相対密度を算出した。なお、HIP処理したサンプルは、後記(2)の方法に従って算出した。
(2)平均気孔径及び気孔率
赤外(透過)顕微鏡、可視(透過)顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(SEM)を併用して測定した。赤外(透過)顕微鏡、可視(透過)顕微鏡の場合は1mm×1mm×1mmの空間を少なくとも10ケ所、またSEMの場合は1mm×1mmの平面を測定エリアとするが、残留気孔密度に応じて複数ケ所測定し、その算術平均値を平均気孔径として求めた。通常の焼結体では、比較的多くの気孔を有するのでアルキメデス法で測定できるのに対し、本発明のセラミックスは超緻密であるために気孔を発見することが極めて困難であることから、上記のような特殊な測定方法を用いる。赤外(透過)顕微鏡及び可視(透過)顕微鏡では小さなボイドを観察しても散乱があるために必ず見えるが、サブミクロンサイズになると特定ができない。そこで、SEMを併用することで1μm以下の小さな散乱体の平均サイズを特定することができ、これにより残留気孔量を求めることができる。すなわち、本発明では、上記の透過顕微鏡で材料の深さ方向(内部)にある散乱体の数を求めたうえで、気孔サイズは分解能の高いSEMにて確定する方法を採用する。
なお、透過顕微鏡を用いた残留気孔量の測定例は「A. Ikesue, T. Kinoshita, K. Kamata, K. Yoshida, “Fabrication and Optical Properties of High-Performance Polycrystalline Nd:YAG Ceramics for Solid-State Lasers”, J. Am. Ceram. Soc., 78 [4] 1033 (1995).」に記載されており、ここに記載の方法に従って実施することもできる。
また、HIP処理したサンプルの気孔率は、各気孔を球形と仮定し、気孔体積(又は気孔面積)とその個数=全体の気孔体積/測定体積(又は測定面積)から気孔率(体積ppm)を求めた。
(3)平均結晶粒径
焼結体を鏡面研磨し、1200〜1400℃の温度範囲で熱エッチングした表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により3000倍にて任意に5ヶ所撮影した表面写真から、焼結体の平均結晶粒径を算定した。
(4)不純物相の有無
赤外偏光顕微鏡(ランプ光をフィルタリングした波長800nm以上)の観察下にて任意に選んだ10ヶ所の粒界を観察し、偏光子用いて複屈屈折の有無を調べ、当該領域を有する場合はその領域が不純物相であると判定した。
(5)粒界相の有無
HR−TEM(100万倍)によって粒界部の組織(格子像)観察を行い粒界相の有無を確認し、さらに透過偏光顕微鏡(100倍)で観察し、明暗差(複屈折)が生じている領域の有無を調べ、当該領域を有する場合はその領域が粒界相(不純物相)であると判定した。
(6)挿入損失及び消光比
文献(Yan Lin Aung | Akio Ikesue “Development of optical grade (TbxY1-x)3Al5O12 ceramics as Faraday rotator material”, J. Am. Ceram. Soc., DOI: 10.1111/jace.14961 (2017).)に記載された方法に従って測定した。まず、電磁石を用いて印加磁場とファラデー回転角からベルデ定数を求め、45度偏光できる材料厚さを求める。規定された厚さの材料両面をλ/2〜10の平坦度に光学研磨した後、測定波長帯に対するAR(無反射)コートを施し、図8の磁気光学特性評価のセットアップ例に従って一般的な光学測定とアイソレータとしての評価を行った。図8に示すように、波長1550nm、出力5mWの半導体レーザーを用い、レーザーの入射とアイソレータの出射側に偏光子(双方が45度交差)を設け、0.3テスラの磁場を掛けた状態で偏光特性を測定した。この場合、FZ法で作製したφ5mm×t2.0mmのYIG単結晶をリファレンスとした。
表1〜4及び表7〜8は本発明の多結晶ReIGセラミックス、表5は市販単結晶及び本発明の範疇ではないもの、表6は4価元素がコンタミとして導入された多結晶ReIGセラミックスの挿入損失と消光比等を示す。
単結晶及び本発明のReFe12セラミックスともに、挿入損失は0.2dB以下であるが、本発明のセラミックスは単結晶の挿入損失より小さいものがある(例えば実施例4等)。
本発明のセラミックスの消光比は30dB以上であり、単結晶の29dBより優れた値となっている。 消光比は、レーザー光をシャットダウンできる能力であり、これらの数値はdBスケールであるので、その差異は極めて大きい。最大の特徴は単結晶がφ5mm程度の材料しか作製できないのに対し、多結晶体は媒質面積(媒質体積)をほとんど制限なく拡大できる。実施例7に記載した条件でφ60mm×10mmの焼結体を作製し、単結晶と同じ大きさのサンプルを任意部位から取出し磁気光学特性を測定したが、挿入損失は0.06〜0.03dB、消光比も39〜41dBが得られ、バラツキの少ない大型媒質を製造できるプロセスであることがわかる。
また、予備焼結とHIP処理においてφ45mm×10mm程度のサンプルを一度に50〜100枚程度処理できたが、一方でFZ法では1バッチ(1日)でφ5mm×50mmの結晶が1本しか製造できず、量産性においても格段の違いがあることもわかる。
さらに、Ce添加鉄ガーネットセラミックスの試作結果(実施例)を表7〜8に示す。Ceを添加した鉄ガーネットは非常に高いファラデー回転角を示すが、これまでFZ法しか製造できず、かつ、Ce元素の希土類・鉄・ガーネット単結晶に対する偏析係数が小さいことから材料中への固溶が限定的である。また、仮にCeが固溶できたとしても、材料の長さ方向へのCe濃度の分布(すなわち、成長するにつれてCe濃度が上昇)があるため、ファラデー回転角が長さ方向に対して一定の材料が得られない。このため材料サイズ、生産性等が悪い以外に、品質が一定とならないという欠点があり、工業的利用は不可能な状況にある。
表7〜8には、YIG(YFe12),GIG(GdFe12),TIG(TbFe12)をベースとしてCeを添加したときのファラデー回転角、挿入損失、消光比の値を示す。材料はφ60mm×10mmサイズに作製し、ワーヤーソーにて1mmに切断し、その後ファラデー回転角に応じて厚さを調整した。作製したウエハは両面を光学研磨し、1500nmでのARコートを施した後アイソレータとしての特性評価を行った。なお、ウエハの任意部位(10か所)からφ6mmサイズにサンプリングし、Ce濃度をXRF(蛍光X線)分析した結果、各サンプルのCe濃度のバラツキは±1%以内で均一なものであり、Ce添加希土類・鉄・ガーネット単結晶の濃度分布とは異なり非常に均一であることが確認できた。なお、作成方法は、各材料を構成する元素の酸化物(例えば実施例35はY,CeO,Fe)を秤量混合して焼結、最終的にHIP処理する表1〜4と同様の方法で作製した。Ceを添加しない希土類・鉄・ガーネットのファラデー回転角は200〜450deg/cm程度が一般的であり、媒質厚さも1〜2mm程度となる。各表からも明らかようにCe濃度の上昇に伴ってファラデー回転角は上昇し、2000deg/cmを越える材料の創製も可能である。
図1は、本発明で作製したYIGセラミックスの粒界近傍を100万倍で観察したものであるが、粒界に異相は見られない。これに対し、図2は、粒界相を有するYIGセラミックスの粒界近傍を10万倍(明視野)で観察した結果であるが、粒界散乱を引き起す原因となる粒界相が局所的に析出していることがわかる。
図3は、本発明セラッミクスにおける赤外透過顕微鏡の明視野(顕微鏡にある2枚の偏光板を平行に設置)及び暗視野(2枚の偏光板を直交)した微構造写真である。明視野で均一な像、暗視野は複屈折を示す像がないので粒界には異相がないことがわかる。このため、この材料の光学特性は極めて良好である。一方、図4の試料では、明視野は図3と同様であるが、暗視野では粒界に相当する部分に針状の複屈折が検出されることから粒界相と判定することができる。
図5では、試料は目的組成のガーネットであるにもかかわらず、局所的にGdリッチ領域が形成されたため、材料中にGdFeOが形成されている。明視野では母材(GIG)より少し明るいが、暗視野(偏光下)では複屈折が観察される。赤外透過顕微鏡の偏光子を90度回転する毎に明暗が起こるので。正方晶(すなわち、GdFeO)と判断することができる。一方、図6は、局所的にFeリッチになった場合、明視野は母材より黒い影となり、Feは1.5μm程度の赤外線を通さないため、Feが形成されていたとしても暗視野では複屈折相がないようにみえる。さらに反射像を用いて、その部分を観察すると明視野で黒い影の部分は反射輝度が高く(残留気泡でない)見えるのでFeと判断できる。本発明では、粒界相(すなわち材料中に微量に存在する粒界相)、GdFeOとFe等の第二相をほぼ完全に消滅させことが最大の特徴の一つとなる。
図7は、一例として作製したYIGセラミックス(実施例3, 試料厚さ2.0mm,ARコートなし)の波長1000〜2500nmにおけるスペクトルを示す。全波長域において市販単結晶(FZ法で合成、試料厚さ2.0mm,ARコートなし)と作製した同組成の多結晶体の透過スペクトルは合致しており、透過特性上の差異は認められない。このサンプルを磁場0.3テスラの電磁石の中で磁気光学特性を調べた。
本発明は、透明かつ磁気光学特性を有する希土類・鉄・ガーネットセラミックスに関し、近赤外領域におけるファラデー回転子、特に光アイソレータ等として利用できるものである。

Claims (9)

  1. 組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされるガーネット型多結晶体からなるセラミックスであって、
    (1)前記結晶体の純度が99.8重量%以上であり、
    (2)波長λnm(但し、λ≧1300を満たす。)の光が45度のファラデー回転を起こす厚さtにおいて、前記光に対する挿入損失が0.2dB以下であり、かつ、消光比が30dB以上である、
    ことを特徴とする、希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  2. 平均結晶粒径が20μm以下である、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  3. 相対密度が99.99%以上である、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  4. Fe結晶相及びReFeO結晶相が実質的に存在しない、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  5. 平均気孔サイズが1μm以下である、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  6. 4価の元素の合計含有量が300重量ppm以下である、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  7. 組成式ReFe12におけるMg、Ca及びSrの合計置換量が0.3モル%以下である、請求項1に記載の希土類−鉄系ガーネット型セラミックス。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックスをファラデー素子として利用した光アイソレータデバイス。
  9. 組成式ReFe12(但し、Reは、Sc、Y及びランタニド希土類の少なくとも1種を示す。)で表わされる希土類−鉄系ガーネット型セラミックスを製造する方法であって、
    (1)モル比でRe:Fe=3:(5−δ)〜3:(5+δ)(但し、δ=0.025を示す。)の組成となる原料粉末を調製する工程
    (2)前記原料粉末を成形することにより圧粉体を得る工程、
    (3)前記圧粉体を1300〜1450℃で予備焼結することにより予備焼結体を得る工程、
    (4)酸素を含む雰囲気中1300〜1500℃で前記予備焼結体を熱間等方圧プレス処理又はホットプレス処理する工程
    を含むことを特徴とする製造方法。

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