JP2019156419A - 熱融着性積層フィルムを用いた包装体 - Google Patents

熱融着性積層フィルムを用いた包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】低温シール性とフィルム剛性とを両立した熱融着性積層フィルムを用いた包装体を提供すること。【解決手段】ガラス転移温度が40〜160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)0.1質量%以上10質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)90質量%超99.9質量%以下(ただし、非晶性熱可塑性樹脂(A)とエチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とする。)を含有するシーラント用樹脂組成物からなる層(I)、エチレン系樹脂からなる層(II)、ならびに、基材(III)を含み、かつ、前記層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルムを用いた包装体:(i)密度が880〜970kg/m3である;(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱融着性積層フィルムを用いた包装体に関する。
食品、菓子、スナック、薬品等の包装袋や、スタンディングパウチ、チューブ等として使用される包装材として、ポリエチレン製のフィルムが用いられており、用途に応じたヒートシール特性が求められている。
上記ポリエチレン製フィルムは、樹脂組成物を押出し、無延伸又は延伸して成形される。代表的には、インフレーション法とTダイ法(キャスティング法ともいう)で製造される。インフレーション法では、筒状に押し出された溶融樹脂に空気を吹き込み膨張させて筒状の薄膜とし、筒状物をカットしてフィルムにしている。フィルムは薄膜化により強度が低下するため、強度低下を抑制するフィルム原料が求められている。
このようなフィルム原料として、例えば、特許文献1には、エチレン・α−オレフィン共重合体に、高密度ポリエチレン及び特定の高圧法低密度ポリエチレンを配合することによって、押出加工性が良好であり、開口性、引裂強度および透明性にも優れたフィルムを成形可能な、ポリエチレン樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と、特定のエチレン系重合体とのブレンドが提案されている。特許文献3には、メタロセン触媒により製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとを含む組成物からなる易引裂性フィルムが開示されている。
特開2015−093964号公報 WO2013/099927号公報 特開2001−064456号公報
さらに最近では、スタンディングパウチ等に用いられる熱融着性フィルムに対して、包装体の生産性向上、すなわち熱融着性フィルムを袋状容器にして内容物を高速充填させるための低温シール性とともに、自立性のための剛性が求められている。しかしながら、低温シール性を実現するためにシーラント樹脂を低密度化するとフィルムの剛性が損なわれるため、従来のシーラント樹脂では低温シール性とフィルム剛性とを両立することが難しいという課題が判明した。
そこで、本発明は、低温シール性とフィルム剛性とを両立した熱融着性積層フィルムを用いた包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のエチレン系樹脂に非晶性樹脂を特定の量で添加した樹脂組成物をシーラントの外層(熱融着性積層フィルムの基材と接する側の層)に用いることにより、低温シール性とフィルム剛性とを両立した熱融着性積層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1] ガラス転移温度が40〜160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)0.1質量%以上10質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)90質量%超99.9質量%以下(ただし、非晶性熱可塑性樹脂(A)とエチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とする。)を含有するシーラント用樹脂組成物からなる層(I)、エチレン系樹脂からなる層(II)、ならびに、基材(III)を含み、かつ、前記層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルムを用いた包装体:
(i)密度が880〜970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
[2] 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度が60〜130℃である項[1]に記載の包装体。
[3] 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)が環状ポリオレフィンである項[1]または[2]に記載の包装体。
[4] 前記層(II)が、2以上の層を含む項[1]〜[3]のいずれか1項に記載の包装体。
本発明によれば、低温シール性とフィルム剛性とを両立した熱融着性積層フィルムを用いることから、被包装物(内容物)を高速充填することが可能となり、包装体の生産性が向上する。
図1は、本発明の包装体に用いられる熱融着性積層フィルムの層構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の包装体は、ガラス転移温度が40〜160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)(以下「成分(A)」ともいう。)0.1質量%以上10質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)(以下「成分(B)」ともいう。)90質量%超99.9質量%以下(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とする。)を含有するシーラント用樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)からなる層(I)、エチレン系樹脂からなる層(II)、ならびに、基材(III)を含み、かつ、前記層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルム(以下、単に「本発明の熱融着性フィルム」ともいう。)を用いたことを特徴とする。
(i)密度が880〜970kg/m3である。
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
本発明の包装体に用いられる熱融着性フィルムは、前記層(I)および前記層(II)を含むシーラント用多層フィルム(以下、単に「本発明のシーラントフィルム」ともいう。)と基材(III)とを、前記層(I)が前記基材(III)と隣接するように積層することにより製造することができる。
[シーラント用樹脂組成物]
本発明の組成物は、前記成分(A)0.1質量%以上10質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たす成分(B)90質量%超99.9質量%以下(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とする。)を含有する。
<非晶性熱可塑性樹脂(A)>
本発明の組成物に用いられる非晶性熱可塑性樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が40〜160℃、好ましくは60〜130℃、より好ましくは70〜100℃である。成分(A)のTgが前記範囲であることにより、シール温度において比熱が小さく、また適度な剛性に保たれるため低温充填性に優れる。
このような非晶性熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリスチレン、環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンとしては、例えば、エチレンと、下記一般式(1)で表わされる環状オレフィンとの共重合体が好ましい。
Figure 2019156419
式(1)中、R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
前記炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および芳香族炭化水素基が挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基が挙げられ、前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
また、R9とR10、R11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11またはR12とが互いに環を形成してもよい。前記2価の炭化水素基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基などが挙げられる。R9またはR10とR11またはR12とから形成される環は単環でも縮合多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、不飽和結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。
前記式(1)で表せる環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と、相応するオレフィン類または環状オレフィン類とをディールス・アルダー反応によって縮合させることにより、容易に製造することができる。
前記式(1)で表せる環状オレフィンの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6―ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7―メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−プロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデンテトラシクリ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ペプタデセン、12−メチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、メチル置換ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセン、ジメチル置換ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,18]−5−ペンタコセン、トリメチル置換ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,18]−5−ペンタコセンなどが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、エチレン成分および上記式(1)で表わされる環状オレフィン成分の他に、本発明の目的に損なわない範囲内で、他の共重合可能な不飽和単量体成分、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状オレフィン、環状ジエンなどを含有してもよい。
前記環状ポリオレフィンにおいて、エチレンに由来する構造単位は、好ましくは40〜85モル%、より好ましくは50〜75モル%の範囲であり、環状オレフィンに由来する構造単位は、好ましくは15〜60モル%、より好ましくは25〜50モル%の範囲である。
本発明の組成物中における成分(A)の配合割合(成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とする。)は、0.1質量%以上10質量%未満、好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。成分(A)の配合割合が前記範囲内であることにより、ヒートシールの際に結晶融解による吸熱を抑制し、ヒーターからの熱をシール層に効率的に伝えることができる。
<エチレン系樹脂(B)>
本発明の組成物に用いられる成分(B)は、上記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂である。
≪条件(i)≫
成分(B)の密度は、フィルム剛性、低温シール性の観点から、880〜970kg/m3、好ましくは885〜950kg/m3、より好ましくは900〜930kg/m3の範囲である。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される値である。
≪条件(ii)≫
成分(B)のMFR(190℃、2.16kg荷重、JIS K7210準拠)は、バブル安定性、フィルム強度、成形加工性(流動性)などの観点から、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分、より好ましくは0.7〜15g/10分の範囲である。
成分(B)としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンの共重合体を含み、このような共重合体は、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒といった公知の触媒を用いて得ることができる。また、他の低密度ポリエチレンを添加することも可能である。本発明では、市販のポリエチレン系樹脂から、上記各特性を満足するポリエチレン系樹脂を選択して使用することができる。
本発明の組成物中における成分(B)の配合割合(成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とする。)は、90質量%超99.9質量%以下、好ましくは92質量%以上99.7質量%以下、より好ましくは95質量%以上99.5質量%以下である。成分(B)の配合割合が前記範囲内であることにより、良好な低温シール性を示すとともに、自立性を発揮し得るフィルム剛性が得られる。
<他の成分>
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、顔料、流滴剤などの通常ポリオレフィンに添加される各種添加剤を含有してもよい。
[シーラント用多層フィルム]
本発明のシーラントフィルムの厚みは、種々用途に応じて適宜設定すればよいが、前記層(I)の厚みとしては、通常、2〜100μm、好ましくは4〜80μmの範囲であり、層(II)の厚みとしては、通常、4〜150μm、好ましくは8〜120μmの範囲である。
本発明のシーラントフィルムは、40μm厚の多層フィルムとしてダートインパクトが200g以上であることが好ましく、250g以上であることがより好ましい。ダートインパクトが200g以上であることで、十分な強度を有し、食品包装袋として適用した際、輸送時や落下時に袋が破れることを防止することができる。一方、上限については特に制限されない。
本発明のシーラントフィルムにおいて、MD方向の初期弾性率(MD)は、好ましくは10MPa〜1500MPa、より好ましくは50MPa〜1200MPa、さらに好ましくは100MPa〜1000MPaの範囲である。前記初期弾性率(MD)が前記範囲内であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。なお、本明細書において、「MD方向」(Machine Direction)とは、フィルムの流れ方向を指す。
<シーラントフィルムの製造方法>
本発明のシーラントフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明の組成物と前記層(II)に用いるエチレン系樹脂とを、多層ダイを用いて溶融状態で共押出し成形して積層した後、インフレーション法等によりフィルム化する共押出法が挙げられる。このようにして得られたフィルムは、そのまま無延伸フィルムとして、あるいは、さらに延伸して延伸フィルムとして、食品包装用袋などを製造するためのフィルムに加工することができる。その場合、溶融押出成形されたフィルム(延伸原反といい、厚さによってはシートと称される厚手の成形体を含む)の厚みは、成形法によって異なる。インフレーション成形で作成する場合の延伸原反は、50μm〜2000μmの厚みが好ましく、100μm〜1500μmがより好ましい。溶融樹脂の冷却方法は空冷、水冷のどちらであってもよい。
延伸原反を延伸する方法としては、テンター法により縦横に同時又は逐次2軸延伸する方法、チューブラー法により縦横方法に同時2軸延伸する方法、または2つ以上のロールの回転速度比の違いによりフィルムの流れ方向に1軸延伸する方法などを例示できる。
[熱融着性積層フィルム]
本発明の熱融着性フィルムは、本発明のシーラントフィルムと、基材(III)とを含み、かつ、前記シーラントフィルムの層(I)が前記基材(III)と隣接していることを特徴とする。本発明の熱融着性フィルムの態様の一例を図1に示す。
本発明の組成物からなる層(I)をシーラントの外層(熱融着性フィルムの基材(III)と接する側の層)とすることにより、ヒートシールの際に結晶融解による吸熱を抑制し、ヒーターからの熱をシール層(II)に効率的に伝えることができる。そのため、本発明の熱融着性フィルムは、フィルム剛性および低温シール性に優れており、所望の剥離強度のヒートシールを幅広い温度範囲で行うことができる。すなわち、内容物を高速充填して包装することが可能となるため、包装体の生産性が向上する。
前記基材(III)としては、特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン〔高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE:エチレン・α−オレフィンランダム共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン;プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(プロピレンランダム共重合体)などのポリプロピレン;ポリ4−メチル−ペンテン;ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマーなどが挙げられ、1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリプロピレン、ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート)、ポリアミドなどの延伸性および透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明の熱融着性フィルムは、前記シーラントフィルムと前記基材(III)とをドライラミネーションする方法や、各層を構成する樹脂を共押出する方法などにより製造することができる。
前記シーラントフィルムと前記基材(III)とが充分な接着強度で接合できない場合には、各層の間に接着層を設けることができる。接着層として、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤や、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂を用いることにより、隣接層を強固に接合することができる。
本発明の熱融着性フィルムは、水物包装袋、液体スープ包袋、液体紙器、ラミ原反、特殊形状液体包装袋(スタンディングパウチなど)、規格袋、重袋、ラップフィルム、砂糖袋、油物包装袋、食品包装用などの各種包装用フィルム、プロテクトフィルム、輸液バック、農業用資材、バックインボックス、半導体材料、医薬品、食品などの包装に用いられるクリーンフィルムなどに好適である。
[包装体]
本発明の包装体は、例えば、本発明の熱融着性フィルムを袋状容器にし、これに上述したような各種用途における被包装物(内容物)を充填してヒートシールすることによって得られる。本発明の熱融着性フィルムは、低温シール性に優れているため、内容物を高速に充填することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、メルトマスフローレイト(MFR)、密度(D)、ダートインパクト及び高速充填性は、下記のように測定した。
<メルトマスフローレイト(MFR:[g/10min])>
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
<密度[kg/m3]>
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
<ダートインパクト[g]>
ダートインパクトは、ASTM D1709に従って、以下の条件にて測定した。
試験片(40μm厚)をエアークランプ方式で締め付け、半球形のダートを一定の高さから落下させ、試験片が50%破壊する荷重[g]をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回として、A法を用いる。
<高速充填性>
実施例および比較例で得られた熱融着性フィルムについて、縦ピロー高速製袋機(シール時間:0.1秒) を用いて、シール温度100〜199℃にて10袋作製した。その後、各温度で製袋した10袋の水没試験を実施し、1袋も漏れがない温度領域を製袋可能温度幅とした。
[実施例1〜2および比較例1〜2]
表1に示す層構成[内層(14μm)/中間層(13μm)/外層(13μm)]を有するシーラントフィルムを、以下の条件で製造した。
<フィルム成形条件>
成形機:アルピネ製インフレーション成形機
ダイス:125mmφ(径)、4.0mm(リップ幅)
成形温度:200℃
押出し量:110kg/h
引取速度:32m/min
得られたシーラントフィルムについて、上述した方法で初期弾性率(MD)およびダートインパクトを測定した。結果を表1に示す。
<熱融着性フィルムの作製>
基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(ユニチカ(株)製「エンブレット」)の片面に、ウレタン系アンカーコート剤を塗布した後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製「エンブレム」)を貼り合わせた積層フィルムを用いた。
得られた基材のナイロン面にウレタン系アンカーコート剤を塗布した後、65mmφの押出機とダイ幅500mmのTダイを有する住友重機社製ラミネーターを用いて、得られたシーラントフィルムと基材の間に、ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製エチレン系樹脂「SP1071C」)を、エアギャップ130mm、ダイ下樹脂温度320℃および引取速度80m/minの条件下で、膜厚10μmとなるように押出ラミネートして熱融着性フィルムを得た。得られた熱融着性フィルムについて、上述した方法で高速充填性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019156419
表1中、樹脂(a−1)および樹脂(b−1)の詳細は以下のとおりである。
樹脂(a−1):環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)製「TOPAS 8007F−04」、Tg(10℃/min) :78℃ (測定法:ISO11357-1,-2,-3))
樹脂(b−1):エチレン系樹脂(プライムポリマー社製「SP2020」、密度:916kg/cm3、MFR:2.3)
上記表1に示すように、本発明の組成物を用いた実施例1,2の熱融着性フィルムは、比較例1,2よりも低温シール性に優れ、かつ、製袋可能温度幅が広いことから、高速充填性に優れている。
(I) シーラント層(I)
(II) シーラント層(II)
(III) 基材(III)

Claims (4)

  1. ガラス転移温度が40〜160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)0.1質量%以上10質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)90質量%超99.9質量%以下(ただし、非晶性熱可塑性樹脂(A)とエチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とする。)を含有するシーラント用樹脂組成物からなる層(I)、エチレン系樹脂からなる層(II)、ならびに、基材層(III)を含み、かつ、前記層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルムを用いた包装体:
    (i)密度が880〜970kg/m3である;
    (ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
  2. 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度が60〜130℃である請求項1に記載の包装体。
  3. 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)が環状ポリオレフィンである請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記層(II)が2以上の層を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体。
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