JP2019152179A - 風力発電装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】風力発電装置に流入する風向が急激に変化しても、風力発電装置のブレードの根元部等への荷重の増大を防ぐことが可能なこと。【解決手段】本発明の風力発電装置の制御方法は、上記課題を解決するために、ハブとブレードから成り、少なくとも風を受けて回転するロータと、前記ハブに接続された主軸を介して前記ロータを軸支すると共に、その内部に前記主軸に接続された発電機を少なくとも収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備えた風力発電装置の運転モードを変更する際に、前記風力発電装置に流入する風向データ及び前記風力発電装置の前記ロータの回転面の向きの情報に基づき前記風力発電装置の運転モードを変更することを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は風力発電装置の制御方法に係り、特に、風力発電装置に流入する風向が急激に変化した際に好適な風力発電装置の制御方法に関する。
風を受けて発電する風力発電装置における制御方法では、風力発電装置に流入する風向が急激に変化した場合、ヨー制御によって風力発電装置のロータ回転面が風向に対して正対するよう制御する方法が知られている。
しかしながら、風力発電装置のヨーの回転速度には制限があるため、風向の急変が発生した際、ヨー制御が風向の急変に追従できない場合がある。この場合、風力発電装置に対して斜めに風が流入するため、風力発電装置のブレードやヨーベアリングと言った風力発電装置の機械構造物に対し、過大な荷重が発生してしまうといった課題がある。
このような課題に対応すべく、風向に応じて、風力発電装置のピッチ角を制御する方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、風力発電装置の風向に対する風力発電装置のナセル方向の違いに応じてピッチ角を制御する方法が開示されている。
即ち、特許文献1には、風力発電装置の翼を含むロータと、前記ロータを回転可能に支持するためのナセルと、前記ナセルを旋回させるヨー駆動部と、前記風力発電装置の翼のピッチ角を変化させるピッチ駆動部と、を含む風力発電設備の制御方法であって、前記ピッチ駆動部にピッチ角指令値を与えて前記ピッチ駆動部を制御するピッチ制御ステップと、少なくとも前記ロータの回転数に基づいてピッチ角要求値を算出する要求値算出ステップと、少なくとも風向と前記ナセルの向きとの間の角度が閾値A1以上であるときに、フルファインピッチ角とフルフェザーピッチ角との間のピッチ角をリミット値として設定するリミット値設定ステップと、前記ピッチ角指令値が前記リミット値よりも前記フルファインピッチ角側にある場合、前記リミット値を前記ピッチ角指令値に設定すると共に、前記ピッチ角要求値が前記リミット値である、又は前記フルフェザーピッチ角側にある場合、前記ピッチ角要求値を前記ピッチ角指令値に設定する指令値算出ステップと、を備える風力発電設備の制御方法が記載されている。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の風力発電設備の制御方法では、風向の急変が特に大きい場合においては、例えば風力発電装置に対して横方向から風が流入する可能性があり、風力発電装置のブレードの根元部等に大きな荷重が発生するといった課題が存在する。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、風力発電装置に流入する風向が急激に変化しても、風力発電装置のブレードの根元部等への荷重の増大を防ぐことが可能な風力発電装置の制御方法を提供することにある。
本発明の風力発電装置の制御方法は、上記目的を達成するために、ハブとブレードから成り、少なくとも風を受けて回転するロータと、前記ハブに接続された主軸を介して前記ロータを軸支すると共に、その内部に前記主軸に接続された発電機を少なくとも収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備えた風力発電装置の運転モードを変更する際に、前記風力発電装置に流入する風向データ及び前記風力発電装置の前記ロータの回転面の向きの情報に基づき前記風力発電装置の運転モードを変更することを特徴とする。
本発明によれば、風力発電装置に流入する風向が急激に変化しても、風力発電装置のブレードの根元部等への荷重の増大を防ぐことができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の風力発電装置の制御方法を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
また、本明細書では、本発明の実施例に係る風力発電装置として、ダウンウィンド型の風力発電装置を例に説明するが、アップウィンド型の風力発電装置においても同様に適用できる。また、3枚のブレードとハブにてロータを構成する例を示すが、これに限られず、ロータはハブと少なくとも1枚のブレードにて構成しても良い。
図1から図6を用いて実施例1における風力発電装置の制御方法を説明する。
図1は、本発明の風力発電装置の制御方法が適用される風力発電装置の全体構成図である。
図1に示すように、風力発電装置1は、風を受けて回転するブレード5と、ブレード5を支持するハブ4と、ナセル3及びナセル3を回動可能に支持するタワー2とを備えている。ナセル3内には、ハブ4に接続されハブ4と共に回転する主軸7と、この主軸7に接続され回転速度を増速する増速機8と、増速機8により増速された回転速度で回転子を回転させて発電運転する発電機9とを備えている。ブレード5とハブ4により、ロータ6が構成されている。
ブレード5の回転エネルギーを発電機9に伝達する部位は、動力伝達部と呼ばれ、本実施例では、主軸7及び増速機8が動力伝達部に含まれる。そして、増速機8及び発電機9は、メインフレーム10上に保持されている。
図1に示すように、タワー2の内部には、電力の周波数を変換する電力変換器11と、電流の開閉を行うスイッチング用の開閉器及び変圧器など(図示せず)及び制御装置12とが配置されている。
図1において、電力変換器11及び制御装置12は、タワー2の底部に設置されているが、これら機器の設置場所は、タワー2の底部に限定されず風力発電装置1の内部であれば、他の場所に設置される場合も考えられる。
また、ナセル3の上面に、風向データ及び風速データを計測するための風向風速計13が設置されている。また、制御装置12としては、例えば、制御盤又はSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が用いられる。
また、ナセル3内には制御器15が設置されており、この制御器15は、後述するヨー誤差演算部21、モード決定部24、制御決定部25及びアクチュエータ制御器27を備えている(後述する実施例2及び4のヨー誤差記憶部22、変化量計算部23、実施例3及び4の閾値演算部26も備えている)。
また、ナセル3の向きはヨー角と称され、風力発電装置1は、このナセル3の向き、即ち、ロータ6の回転面の向きを制御するヨー角制御装置14を備えている。
図1に示すように、ヨー角制御装置14は、ナセル3の底面とタワー2の先端部との間に配置され、例えば、図示しない、少なくともアクチュエータ及び当該アクチュエータを駆動するモータより構成される。そして、制御装置12より信号線を介して出力されるヨー角制御指令に基づき、ヨー角制御装置14を構成するモータが回転し、アクチュエータが所望量変位することで、所望のヨー角となるようナセル3が回動する。
図2は、本発明の風力発電装置1の制御方法が適用される風力発電装置1と風向の関係を示す模式図である。
図2において、風力発電装置1の向きに相当するナセル方向16と風向17の間の偏差を、ヨー誤差18と呼ぶ。ナセル方向16は、ヨー角制御装置14によりヨー誤差18が小さくなるよう制御されるが、ナセル方向16の旋回速度は制限があるため、風向17が急速に変化した場合、ナセル3の旋回が風向17の変化に追いつけず、ヨー誤差18が増加してしまうという課題がある。
上記のような、風況の急変としてガストと呼ばれる現象が挙げられる。図3に、そのガストに伴う風向変化の一例を示す。
図3に示すようなガストの場合、風向の急変19で示すように風向が急激に変化するものの、一定時間後、風向の回復20で示す通り、変化前の風向に戻るという特徴をもつ。
このようなガストが風力発電装置1に流入した場合、先ず風向の急変19により風力発電装置1はヨー旋回を開始するが、風向の変化が急激な場合、ヨー旋回が風向の急変19に追いつかず、ヨー誤差18が拡大し、風力発電装置1に発生する荷重が増大する。このとき、風力発電装置1を保護するため、ヨー誤差18が所定値を超えた場合には、風力発電装置1を停止するようにすることも考えられる。
しかしながら、風向の急変後、元の風向に戻るような風向の回復20が発生する。その際、風向は風向の急変19の発生前に戻るため、このガストの発生期間のみ風力発電装置1を保護することができれば、風力発電装置1は、通常通り運転を継続することができると考えられる。
そこで、本実施例では、風力発電装置1のヨー制御機構に比べて制御応答の速い制御機構を用いて、風力発電装置1を一時的に縮退運転モードに移行し、ガスト通過時の荷重増加を回避することで、風力発電装置1の停止による発電量の低下を回避しつつ、風力発電装置1を保護するものである。
図4に、本実施例における制御のブロック図を示す。
該図に示す本実施例においては、先ずナセル3上に設置された風向風速計13により、風力発電装置1に流入する風の風向を計測する。次に、制御器15に備えられているヨー誤差演算部21を用いて、風力発電装置1に流入する風向17とナセル方向16の偏差であるヨー誤差18を算出する。次にモード決定部24において、風力発電装置1の運転モード(通常運転モード、縮退運転モード、停止モード)を決定する。モード決定部24で決定した運転モードは、ピッチ角や発電機トルク等、各種機器の制御決定部25に送られ、制御決定部25において、各アクチュエータの制御法が決定される。最後に制御決定部25で決定された風力発電装置1の制御法が、各アクチュエータ制御器27に送られることで、風力発電装置1が制御される。
図5に、本実施例における風力発電装置1の制御フロー図を示す。
先ずS101にて風向データを風向風速計13で取得し、S102にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で計算する。次にS104にてヨー誤差18が閾値以上であるかをモード決定部24で判別し、閾値以下である(No)場合は、通常通り運転を継続する。また、S104にて閾値以上とモード決定部24で判別された(Yes)場合、風力発電装置1はS105に移行し、縮退運転モードとなる。
この後、再度S111にて風向データを風向風速計13で再取得し、S112にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で再計算する。そして、S114にて、再度、ヨー誤差18が閾値以上かモード決定部24で判別し、閾値以下(No)の場合はS125にて通常運転モードに復帰する。
また、S114においてもヨー誤差18が閾値以上(Yes)であった場合、次にS106にて縮退運転モードの継続時間をモード決定部24で判別する。縮退運転モードの継続時間が閾値以下であった(No)場合、再度S111に戻り、上記と同様のフローを継続する。一方で、縮退運転モードの継続時間が閾値を上回った(Yes)場合、S115にて停止モードに移行する。
図6に、本発明の制御方法の適用有無における各種パラメータの変化概略図を示す。
該図において、風向変化28に示す通りのガストが、風力発電装置1に流入した際に本発明を適用した場合、出力変化29に示す通り、縮退運転モードに移行して風力発電装置1の出力は従来に比べ低下する。その後、風向が縮退運転モード移行前と同方向に回復することで、通常運転モードに復帰し出力も回復する。このとき、荷重変化30は、本発明の適用により、通常運転モードを継続した場合と比較して、最大荷重が低下することになる(図6から縮退運転モード時の荷重変化30のピーク(最大荷重)は、従来に比べ本発明が低下しているのが分かる)。
本実施例における風力発電装置1の制御方法の利点は、以下のような点にある。
即ち、本実施例では、風力発電装置1に流入する風向17に基づいて風力発電装置1の運転モードを変更すること(縮退運転モードの活用)によって、風力発電装置1が得るエネルギー量そのものを低減させることができ、最大荷重の増加を回避することが可能となり、風力発電装置1のブレード5の根元部等への荷重の増大を防ぐことができる。
また、ヨー誤差18が継続して大きい場合においては、停止モードに移行することで、疲労荷重の増加を回避することが可能となる。加えて、ヨー誤差18の拡大時に直ぐに停止モードに移行しないことにより、風力発電装置1の起動停止の回数を低減することが可能となり、発電機会損失による発電量低下を低減することができる。
図1から図3及び図7、図8を用いて、実施例2における風力発電装置1の制御方法について説明する。なお、実施例1と重複する点については詳細な説明を省略する。
本実施例における特徴は、縮退運転モードの移行判断に所定時間当たりのヨー誤差18の変化量を用いる点にある。
図3に示す通り、ガストが風力発電装置1に流入する際には、風向17の変化は急峻である場合が多い。そのため、より早くガストが風力発電装置1に流入することを予測することが望まれる。そこで、本実施例では、ヨー誤差18の所定時間における風向17の変化量が閾値を超えた場合に、縮退運転モードに移行することを特徴とする。
図7に、本実施例における制御のブロック図を示す。
該図に示す本実施例においては、先ずナセル3上に設置された風向風速計13により、風力発電装置1に流入する風の風向17を計測する。次にヨー誤差演算部21を用いて、風力発電装置1に流入する風向17とナセル方向16の偏差であるヨー誤差18を算出する。ここで得られたヨー誤差18は、制御器15に備えられているヨー誤差記憶部22に保管される。このヨー誤差記憶部22に保管されたヨー誤差18は、制御器15に備えられている変化量計算部23に送られ、ここで所定時間におけるヨー誤差18の変化量が計算される。
次にモード決定部24において、ヨー誤差18の変化量に基づいて、風力発電装置1の運転モード(通常運転モード、縮退運転モード、停止モード)を決定する。モード決定部24で決定した運転モードは、ピッチ角や発電機トルク等、各種機器の制御決定部25に送られ、制御決定部25において各アクチュエータの制御法が決定される。最後に制御決定部25で決定された風力発電装置1の制御法が各アクチュエータ制御器27に送られることで、風力発電装置1が制御される。
図8に、本実施例における風力発電装置2の制御フロー図を示す。
先ずS101にて風向データを風向風速計13で取得し、S102にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で計算する。次にS103にて、ヨー誤差18の変化量を変化量計算部23で計算する。次にS134にてヨー誤差18の変化量が閾値以上であるかをモード決定部24で判別し、閾値以下である(No)場合は、通常通り運転を継続する。また、S134にて閾値以上(Yes)と判別された場合、風力発電装置1はS105に移行し、縮退運転モードとなる。
この後、再度S111にて風向データを風向風速計13で再取得し、S112にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で再計算する。次にS113にてヨー誤差18の変化量を変化量計算部23で再計算する。そして、S119にて、ヨー誤差18の変化量が閾値以上であるかをモード決定部24で判定する。
なお、このとき、S119では、ヨー誤差18が減少傾向となっているかを判別するため、S134とは異なる閾値を用いても良い。
S119において、ヨー誤差18の変化量が閾値以下(No)の場合は、S125にて通常運転モードに復帰する。また、S119においてもヨー誤差18の変化量が閾値以上(Yes)であった場合は、次にS106にて縮退運転モードの継続時間をモード決定部24で判別する。縮退運転モードの継続時間が閾値以下(No)であった場合、再度S111に戻り、上記と同様のフローを継続する。一方で、縮退運転モードの継続時間が閾値を上回った(Yes)場合、S115にて停止モードに移行する。
本実施例における風力発電装置1の利点は以下のような点にある。
即ち、本実施例では、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、ヨー誤差18の変化量を縮退運転モードへの移行判断に用いることで、より早期にガストの到来を判断することができる。そのため、最大荷重の増加をより早期に回避することが可能となる。また、ヨー誤差18が継続して大きい場合においては、停止モードに移行することで、疲労荷重の増加を回避することが可能となる。加えて、ヨー誤差18の拡大時に直ぐに停止モードに移行しないことにより、風力発電装置1の起動停止の回数を低減することが可能となり、発電機会損失によるは通電量低下を削減することができる。
図1から図3及び図9、図10を用いて、実施例3における風力発電装置1の制御方法について説明する。なお、実施例1及び実施例2と重複する点については詳細な説明を省略する。
本実施例における特徴は、縮退運転モードの移行判断において、ヨー誤差18の判定閾値を風速によって変更するという点にある。一般的に風速が低い場合に、風向の変動はより大きくなる傾向にあることから、低風速と高風速で同じ閾値を使用した場合、低風速の場合に風向の変動をガストとして誤検知してしまうリスクが高まる。そこで、本実施例では、ヨー誤差18の判定閾値を風速によって変更させることを特徴とする。
図9に、本実施例における制御のブロック図を示す。
該図に示す本実施例においては、先ずナセル3上に設置された風向風速計13により、風力発電装置1に流入する風の風向データだけでなく風速データも含めて計測する。次にヨー誤差演算部21を用いて、風力発電装置1に流入する風向17とナセル方向16の偏差であるヨー誤差18を算出する。並行して、閾値演算部26にて、計測された風速に応じたヨー誤差18の閾値を演算する。次にモード決定部24において、ヨー誤差18とその閾値に基づいて風力発電装置1の運転モード(通常運転モード、縮退運転モード、停止モード)を決定する。モード決定部24で決定した運転モードは、ピッチ角や発電機トルク等、各種機器の制御決定部25に送られ、制御決定部25において各アクチュエータの制御法が決定される。最後に制御決定部25で決定された風力発電装置1の制御法が、各アクチュエータ制御器27に送られることで、風力発電装置1が制御される。
図10に、本実施例における風力発電装置1の制御フロー図を示す。
先ずS101にて風向データ及び風速データを風向風速計13で取得し、S102にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で計算する。また、並行してS122にてヨー誤差18の閾値を閾値演算部26で計算する。次にS104にてヨー誤差18が閾値以上であるかをモード決定部24で判別し、閾値以下である(No)場合は、通常通り運転を継続する。また、S104にて閾値以上とモード決定部24で判別された(Yes)場合は、風力発電装置1はS105に移行し、縮退運転モードとなる。
この後、再度S111にて風向データ及び風速データを風向風速計13で再取得し、S112にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で再計算する。このとき、並行してS132にてヨー誤差18の閾値も閾値演算部26で再計算する。そして、S114にて再度ヨー誤差18が閾値以上かモード決定部24で判別し、閾値以下(No)の場合は、S125にて通常運転モードに復帰する。
また、S114においてヨー誤差18が閾値以上(Yes)であった場合は、次にS106にて縮退運転モードの継続時間をモード決定部24で判別する。縮退運転モードの継続時間が閾値以下であった(No)場合、再度S111に戻り、上記と同様のフローを継続する。一方で、縮退運転モードの継続時間が閾値を上回った(Yes)場合、S115にて停止モードに移行する。
本実施例における風力発電装置1の利点は以下のような点にある。
即ち、本実施例では、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、縮退運転モードへの移行に関して、風速に基づいてその判定閾値を決めるため、より高精度にガストの到来を予測することができる。これにより、最大荷重の増加をより高精度に回避すると共に、誤検知を抑制し、縮退運転の実施に伴う、発電量の低下を抑制することが可能となる。
図1から図3及び図11、図12を用いて、実施例4における風力発電装置1の制御方法について説明する。なお、実施例1から実施例3と重複する点については詳細な説明を省略する。
本実施例における特徴は、縮退運転モードの移行判断に使用するヨー誤差18の変化量の閾値及びその変化量を計算する所定時間を風速に応じて変更する点にある。風速が小さい場合、主風速に対して垂直な方向の変動が相対的に大きくなるため、風向の変動も大きくなる傾向にある。風速が低い場合に、ガストの誤検知を回避するため、評価時間を長くすることや判定閾値を大きくすることが考えられる。そこで、本実施例では、退運転モードの移行判断に使用するヨー誤差18の変化量の閾値及びその評価時間を風速に応じて変更することを特徴とする。
図11に本実施例における制御のブロック図を示す。
該図に示す本実施例においては、先ずナセル3上に設置された風向風速計13により風力発電装置1に流入する風の風向だけでなく風速も計測する。次にヨー誤差演算部21を用いて、風力発電装置1に流入する風向17とナセル方向16の偏差であるヨー誤差18を算出する。ここで得られたヨー誤差18は、ヨー誤差記憶部22に保管される。このヨー誤差記憶部22に保管されたヨー誤差18は、変化量計算部23に送られ、ここで所定時間におけるヨー誤差18の変化量が計算される。このとき、並行して閾値演算部26において、風向風速計13によって得られた風速から、ヨー誤差18の変化量の閾値及び変化量算出の時間を演算する。次にモード決定部24において、ヨー誤差18の変化量とその閾値に基づいて、風力発電装置1の運転モードを決定する。決定した運転モードは、ピッチ角や発電機トルク等、各種機器の制御決定部25に送られ、制御決定部25において各アクチュエータの制御法が決定される。最後に制御決定部25で決定された風力発電装置1の制御法が、各アクチュエータ制御器27に送られることで風力発電装置1が制御される。
図12に、本実施例における風力発電装置1の制御フロー図を示す。
先ずS101にて風向データ及び風速データを風向風速計13で取得し、S102にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で計算する。このとき、並行してS122において、得られた風速データから変化量の評価時間とその閾値を閾値演算部26で演算する。次にS103にて、ヨー誤差18の変化量を変化量計算部23で計算する。次にS134にてヨー誤差18の変化量が閾値以上であるかをモード決定部24で判別し、閾値以下である(No)場合は、通常通り運転を継続する。また、S134にて閾値以上とモード決定部24で判別された(Yes)場合、風力発電装置1はS105に移行し、縮退運転モードとなる。
この後、再度S111にて風向データ及び風速データを風向風速計13で再取得し、S112にて風力発電装置1に対するヨー誤差18をヨー誤差演算部21で再計算する。このとき、並行してS142において、得られた風速データから変化量の評価時間とその閾値を閾値演算部26で再演算する。次にS113にて、ヨー誤差18の変化量を変化量計算部23で再計算する。そして、S119にて、ヨー誤差18の変化量が閾値以上であるかをモード決定部24で判定する。
なお、このとき、S119では、ヨー誤差18が減少傾向となっているかを判別するため、S134とは異なる閾値を用いても良い。
S119においてヨー誤差18の変化量が閾値以下(No)の場合は、S125にて通常運転モードに復帰する。
また、S119においてもヨー誤差18の変化量が閾値以上(Yes)であった場合は、次にS106にて縮退運転モードの継続時間をモード決定部24で判別する。縮退運転モードの継続時間が閾値以下であった(No)場合、再度S111に戻り、上記と同様のフローを継続する。一方で、縮退運転モードの継続時間が閾値を上回った(Yes)場合、S115にて停止モードに移行する。
なお、本実施例においては、ヨー誤差18の計算時間や閾値を逐次再計算する例を示したが、これらの数値には、S122のステップで計算した値を継続して使用しても良い。
本実施例における風力発電装置1の利点は以下のような点にある。
即ち、本実施例では、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、縮退運転モードへの移行に関して、風速に基づいてその判定閾値を決めるため、より高精度にガストの到来を予測することができる。これにより、最大荷重の増加をより高精度に回避すると共に、誤検知を抑制し、縮退運転の実施に伴う、発電量の低下を抑制することが可能となる。
図1から図11を用いて、実施例5における風力発電装置1の制御方法を説明する。なお、実施例1から実施例4と重複する点については詳細な説明を省略する。
実施例5における特徴としては、縮退運転モードへの移行手段として、ピッチ制御を用いる点にある。
風力発電装置1においては、図1に示すように、ハブ4に対して回転(ピッチ角変化)可能にブレード5は設置されている。ここで、ピッチ角とは、ハブ4に対するブレード5の取り付け角を表している。
また、ブレード5を風に対して正対させ、風のエネルギーを高効率に回収できるようピッチ角を変更することをファインにすると呼び、ブレードを風と平行な向きにすることで、風を逃がすようにピッチ角を変更することをフェザーと呼ぶ。
本実施例においては、図5、図8、図10、図12におけるS105のように、風力発電装置1を縮退運転モードに移行する際、ピッチ角は通常運転時の基準制御値よりもフェザー側に変更される。これにより、風力発電装置1の回収するエネルギー量が低下し、発電量が低下するため、風力発電装置1にかかる荷重も低下し、縮退運転モードとなる。このとき、ピッチ角の指令値は固定値であっても、風速等の風況に応じて変更してもよい。
その後、図5、図8、図10、図12におけるS125に示す通り、通常運転に移行した場合に、ピッチ角指令値を通常運転時の基準制御値に戻すことにより、通常運転モードに復帰する。
本実施例における風力発電装置1の制御方法の利点は以下のような点にある。
即ち、本実施例では、縮退運転モードへの移行に関して、ピッチ角の制御を用いるため、風力発電装置1が風から回収するエネルギー量を直接制御できるため、縮退運転モードへの移行を簡易に実施することができる。
図1から図11を用いて、実施例6における風力発電装置1の制御方法を説明する。なお、実施例1から実施例5と重複する点については詳細な説明を省略する。
実施例6における特徴としては、縮退運転モードへの移行手段として、風力発電装置1のナセル3内に設置された発電機9のトルク制御を活用する点にある。
風力発電装置1が回収するエネルギーは、ロータ6の回転数と発電機9におけるトルクの積として現わされ、通常運転モードにおいては、ロータ6の回転数が、風力発電装置1のブレード5が最も効率よくエネルギーを得られる回転数になるよう、トルクは制御される。
本実施例においては、図5、図8、図10、図12におけるS105のように、風力発電装置1を縮退運転モードに移行する際、トルクの指令値を通常運転時とは異なる値に設定する。このとき、トルク指令値、は通常運転時の基準制御値よりも大きい値と小さい値の双方が考えられる。
具体的には、トルク指令値を通常運転時の基準制御値よりも小さくすることにより、回収するエネルギー量を小さくする手法が考えられる。また、トルク制御値を通常運転時の基準制御値よりも大きくすることにより、ロータ6の回転数を小さくし、風力発電装置1の運転効率を低下させることで、縮退運転モードに移行することも可能である。このとき、トルク制御の指令値は固定値であっても、風速等の風況に応じて変更してもよい。
その後、図5、図8、図10、図12におけるS125に示す通り、通常運転に移行した場合に、トルク指令値を通常運転時の基準制御値に戻すことにより、通常運転モードに復帰する。
本実施例における風力発電装置1の制御方法の利点は以下のような点にある。
即ち、本実施例では、縮退運転モードへの移行に関して、発電機9のトルクの制御を用いるため、制御応答が非常に早いという特徴を持つ。これにより、より早期に縮退運転モードに移行することが可能となり、ヨー誤差の増大に伴う最大荷重の増加をより早期に回避することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…風力発電装置、2…タワー、3…ナセル、4…ハブ、5…ブレード、6…ロータ、7…主軸、8…増速機、9…発電機、10…メインフレーム、11…電力変換器、12…制御装置、13…風向風速計、14…ヨー角制御装置、15…制御器、16…ナセル方向、17…風向、18…ヨー誤差、19…風向の急変、20…風向の回復、21…ヨー誤差演算部、22…ヨー誤差記憶部、23…変化量計算部、24…モード決定部、25…制御決定部、26…閾値演算部、27…アクチュエータ制御器、28…風向変化、29…出力変化、30…荷重変化。
Claims (15)
- ハブとブレードから成り、少なくとも風を受けて回転するロータと、前記ハブに接続された主軸を介して前記ロータを軸支すると共に、その内部に前記主軸に接続された発電機を少なくとも収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備えた風力発電装置の運転モードを変更する際に、
前記風力発電装置に流入する風向データ及び前記風力発電装置の前記ロータの回転面の向きの情報に基づき前記風力発電装置の運転モードを変更することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項1に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の向きである前記ナセルの方向と前記ロータの回転面の向き(風向)の偏差であるヨー誤差が、予め決められた閾値を超えた場合に、前記風力発電装置の運転モードを変更することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項2に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の運転モードは、通常運転モード、縮退運転モード、停止モードであることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項3に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風向データは、前記ナセル上に設置された風向風速計により計測されると共に、前記ヨー誤差は、前記ナセル内に設置された制御器に備えられているヨー誤差演算部を用いて算出されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項4に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記制御器は、前記ヨー誤差演算部の他に、前記風力発電装置の運転モードを決定するモード決定部、前記風力発電装置の制御法を決定する制御決定部及び前記風力発電装置を制御するアクチュエータ制御器を備え、
前記ヨー誤差演算部で前記ヨー誤差を算出し、次に前記モード決定部で前記風力発電装置の運転モードを決定し、前記モード決定部で決定した運転モードが前記制御決定部に送られ、この制御決定部において前記風力発電装置の制御法を決定し、前記制御決定部で決定された前記風力発電装置の制御法が前記アクチュエータ制御器に送られることで、前記風力発電装置が制御されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項5に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の制御は、前記風向データを前記風向風速計で取得し(S101)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で計算し(S102)、次に前記ヨー誤差が閾値以上であるかを前記モード決定部で判別し(S104)、前記S104での判別が閾値以下(No)の場合は、通常通り運転(通常運転モード)を継続し、前記S104での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記風力発電装置が前記縮退運転モードに移行し(S105)、この後、前記風向データを前記風向風速計で再取得し(S111)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で再計算し(S112)、そして、再度、前記ヨー誤差が閾値以上か前記モード決定部で判別し(S114)、前記S114での判別が閾値以下(No)の場合は、通常運転モードに復帰し(S125)、前記S114での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記縮退運転モードの継続時間を前記モード決定部で判別し(S106)、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以下(No)の場合は、再度、前記S111に戻り前記と同様のフローを継続し、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以上(Yes)の場合は、前記停止モードに移行(S115)することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項3に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記ヨー誤差の所定時間における風向の変化量が予め決められた閾値を超えた場合に、前記縮退運転モードに移行することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項7に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風向データは、前記ナセル上に設置された風向風速計により計測されると共に、前記ヨー誤差は、前記ナセル内に設置された制御器に備えられているヨー誤差演算部を用いて算出されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項8に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記制御器は、前記ヨー誤差演算部の他に、前記ヨー誤差が保管されるヨー誤差記憶部、該ヨー誤差記憶部から送られた前記ヨー誤差の所定時間における変化量が計算される変化量計算部、前記ヨー誤差の変化量に基づいて前記風力発電装置の運転モードを決定するモード決定部、前記風力発電装置の制御法を決定する制御決定部及び前記風力発電装置を制御するアクチュエータ制御器を備え、
前記ヨー誤差演算部で前記ヨー誤差を算出し、ここで得られた前記ヨー誤差を前記ヨー誤差記憶部に保管され、このヨー誤差記憶部に保管された前記ヨー誤差は、前記変化量計算部に送られ、該変化量計算部で所定時間における前記ヨー誤差の変化量が計算され、
次に前記モード決定部で前記ヨー誤差の変化量に基づいて前記風力発電装置の運転モードを決定し、前記モード決定部で決定した運転モードが前記制御決定部に送られ、この制御決定部において前記風力発電装置の制御法を決定し、前記制御決定部で決定された前記風力発電装置の制御法が前記アクチュエータ制御器に送られることで、前記風力発電装置が制御されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項9に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の制御は、前記風向データを前記風向風速計で取得し(S101)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で計算する(S102)と共に、前記ヨー誤差の変化量を前記変化量計算部で計算し(S103)、次に前記変化量計算部で計算した前記ヨー誤差の変化量が閾値以上であるかを前記モード決定部で判別し(S134)、前記S134での判別が閾値以下(No)の場合は、通常通り運転(通常運転モード)を継続し、前記S134での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記風力発電装置が前記縮退運転モードに移行し(S105)、
この後、前記風向データを前記風向風速計で再取得し(S111)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で再計算し(S112)、次に前記ヨー誤差の変化量を前記変化量計算部で再計算し(S113)、そして、前記ヨー誤差の変化量が閾値以下であるかを前記モード決定部で判定し(S119)、前記S119での判定が前記ヨー誤差の変化量が閾値以下(No)の場合は、通常運転モード(通常運転モード)に復帰し(S125)、前記S119での判定が前記ヨー誤差の変化量が閾値以上(Yes)の場合は、前記縮退運転モードの継続時間を前記モード決定部で判別し(S106)、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以下(No)の場合は、再度、前記S111に戻り前記と同様のフローを継続し、前記S106の判別で前記縮退運転モードの継続時間が閾値以上(Yes)の場合は、前記停止モードに移行(S115)することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項3に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記ナセル上に設置された風向風速計により前記風向データ及び前記風力発電装置に流入する風速データが計測され、前記ヨー誤差は、前記ナセル内に設置された制御器に備えられているヨー誤差演算部を用いて前記風向データに応じて算出されると共に、この算出と並行して前記制御器に備えられている閾値演算部を用いて前記風速データに応じて前記ヨー誤差の閾値が算出されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項11に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記制御器は、前記ヨー誤差演算部及び前記閾値演算部の他に、前記風力発電装置の運転モードを決定するモード決定部、前記風力発電装置の制御法を決定する制御決定部及び前記風力発電装置を制御するアクチュエータ制御器を備え、
前記ヨー誤差演算部で前記風向データに応じて前記ヨー誤差を算出すると共に、この算出と並行して前記閾値演算部を用いて前記風速データに応じて前記ヨー誤差の閾値を算出し、次に前記モード決定部で前記風力発電装置の運転モードを決定し、前記モード決定部で決定した運転モードが前記制御決定部に送られ、この制御決定部において前記風力発電装置の制御法を決定し、前記制御決定部で決定された前記風力発電装置の制御法が前記アクチュエータ制御器に送られることで、前記風力発電装置が制御されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項12に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の制御は、前記風向データ及び風速データを前記風向風速計で取得し(S101)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で計算する(S102)と共に、並行して前記ヨー誤差の閾値を前記閾値演算部で計算し(S122)、次に前記ヨー誤差が閾値以上であるかを前記モード決定部で判別し(S104)、前記S104での判別が閾値以下(No)の場合は、通常通り運転(通常運転モード)を継続し、前記S104での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記風力発電装置が前記縮退運転モード(S105)に移行し、
この後、再度、前記風向データ及び風速データを前記風向風速計で再取得し(S111)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で再計算する(S112)と共に、並行して前記ヨー誤差の閾値も前記閾値演算部で再計算し(S132)、そして、再度、前記ヨー誤差が閾値以上であるかを前記モード決定部で判別し(S114)、前記S114での判別が閾値以下(No)の場合は、前記通常運転モードに復帰し(S125)、前記S114での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記縮退運転モードの継続時間を前記モード決定部で判別し(S106)、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以下(No)の場合は、再度、前記S111に戻り前記と同様のフローを継続し、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以上(Yes)の場合は、前記停止モードに移行(S115)することを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項3に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記ナセル上に設置された風向風速計により前記風向データ及び前記風力発電装置に流入する風速データが計測され、前記ヨー誤差は、前記ナセル内に設置された制御器に備えられているヨー誤差演算部を用いて前記風向データに応じて算出されると共に、この算出と並行して前記制御器に備えられている閾値演算部を用いて前記風速データに応じて前記ヨー誤差の変化量の閾値及び変化量の算出時間が算出され、前記ヨー誤差演算部で算出された前記ヨー誤差を前記制御器に備えられているヨー誤差記憶部に保管し、このヨー誤差記憶部に保管された前記ヨー誤差は、前記制御器に備えられている変化量計算部に送られ、該変化量計算部で所定時間における前記ヨー誤差の変化量が計算され、
次に前記制御器に備えられているモード決定部で前記ヨー誤差の変化量とその閾値に基づいて前記風力発電装置の運転モードを決定し、決定した前記運転モードが前記制御器に備えられている制御決定部に送られ、この制御決定部において前記風力発電装置の制御法を決定し、前記制御決定部で決定された前記風力発電装置の制御法が前記制御器に備えられているアクチュエータ制御器に送られることで、前記風力発電装置が制御されることを特徴とする風力発電装置の制御方法。 - 請求項14に記載の風力発電装置の制御方法であって、
前記風力発電装置の制御は、前記風向データ及び風速データを前記風向風速計で取得し(S101)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で計算する(S102)と共に、並行して、得られた前記風速データから変化量の計算時間とその閾値を前記閾値演算部で演算し(S122)、次に前記ヨー誤差の変化量を前記変化量計算部で計算し(S103)、前記ヨー誤差の変化量が閾値以上であるかを前記モード決定部で判別し(S104)、前記S104での判別が閾値以下(No)の場合は、通常通り運転(通常運転モード)を継続し、前記S104での判別が閾値以上(Yes)の場合は、前記風力発電装置は前記縮退運転モードに移行し(S105)、
この後、前記風向データ及び風速データを前記風向風速計で再取得し(S111)、前記風力発電装置に対する前記ヨー誤差を前記ヨー誤差演算部で再計算し(S112)、このとき、並行して、得られた前記風速データから変化量の計算時間とその閾値を前記閾値演算部で再演算し(S142)、次に前記ヨー誤差の変化量を前記変化量計算部で再計算し(S113)、そして、前記ヨー誤差の変化量が閾値以上であるかを前記モード決定部で判定し(S119)、前記S119での判定が前記ヨー誤差の変化量が閾値以下(No)の場合は、前記通常運転モードに復帰し(S125)、前記S119での判定が前記ヨー誤差の変化量が閾値以上(Yes)の場合は、前記縮退運転モードの継続時間を前記モード決定部で判別し(S106)、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以下(No)の場合は、再度、前記S111に戻り前記と同様のフローを継続し、前記S106での判別が前記縮退運転モードの継続時間が閾値以上(Yes)の場合は、前記停止モードに移行(S115)することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
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