JP2019147974A - アルミニウム積層体およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁破壊電圧が0.2kV以上である陽極酸化皮膜を備え、最小直径が50mmのガイドロールを用いたロールツーロール加工においても当該陽極酸化皮膜層にクラックが生じないアルミニウム積層体を提供する。【解決手段】アルミニウム基材上1に厚さ2〜20μm、Ra15nm以下、全体の厚み+陽極酸化皮膜の厚み×10≦230になるように陽極酸化皮膜2を形成する。封孔処理後の封孔度アドミッタンスY値は100μS未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム積層体およびその製造方法に関する。
近年、液晶、有機EL、電子ペーパなどのディスプレイ、薄膜太陽電池、およびタッチパネルなどの急速な進歩に伴い、電子デバイスの薄型化、軽量化、およびフレキシブル化が要求されている。また、上記用途の電子デバイスにも、例えばディスプレイのドット抜け等の異常の発生を防止する観点から、一般的な電子デバイスと同様に、外部から供給される水蒸気や酸素等のガスによる品質低下を抑制するために高いガスバリア性が要求されている。
そこで、電子デバイスを構成する基板について、高いガスバリア性を実現しながら、薄型化、軽量化、およびフレキシブル化が検討されている。基板の薄型化、軽量化、およびフレキシブル化を実現する方法としては、基板を構成する材料を樹脂とすることが検討されている。しかし、例えばプラスチックフィルムなどの樹脂から成る基板は、外部から供給される水蒸気や酸素等のガスを比較的透過しやすい。この場合、高いガスバリア性を実現するためには、樹脂からなる基板上にガスバリア性を有する薄膜が形成される必要がある。そのため、電子デバイスの基板自体がガス透過性の低い材料で構成されてガスバリア性を有しているのが好ましい。
また、上記用途の電子デバイスは可視光を利用するものが多いため、電子デバイスを構成する基板には可視光に対し高い反射率を示す基材が好適である。
また、このような電子デバイスの製造方法として、低コスト化を図る観点から、ロールツーロールプロセスを採用することが望まれている。
このように、高いガスバリア性、および高反射率を有しており、かつ薄型化、軽量化、およびフレキシブル化を図ることができ、さらにロールツーロール加工により製造され得る基板の構成材料として、アルミニウム(Al)が挙げられる。
アルミニウムは、プラスチックフィルムと比べて、高いガスバリア性、および可視光に対する高い反射率を有している。さらに、アルミニウムを箔状にすることで薄型化、軽量化、フレキシブル化が可能となる。また、アルミニウム箔はロールツーロール加工が可能である。
一方で、上記用途の電子デバイスの基板上には、一般的に、基板と基板上に積層される電極との間の電気的絶縁性を確保するための絶縁層が配置されている。このような絶縁層の絶縁破壊電圧は一般的に0.2kV以上とされている。アルミニウムの表面には陽極酸化処理により絶縁性を有する陽極酸化皮膜が容易に形成され得る。
そのため、上記用途の電子デバイスの基板には、アルミニウムと、アルミニウム上に積層された陽極酸化皮膜との積層体が好適である。
特開2015−199985号公報(特許文献1)には、Fe:0.05質量%〜0.40質量%、Si:0.02質量%〜0.20質量%を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造圧延した後、冷間圧延を行うことにより、表面の粗さ曲線における最大高さ粗さRzが0.50μm以下で、表面に存在する円相当径1μm以上の金属間化合物が1000個/mm2以下のアルミニウム圧延材を製造し、さらに前記アルミニウム圧延材に液温15℃以下の硫酸水溶液中での陽極酸化処理を施すことを特徴とする陽極酸化皮膜付アルミニウム基板の製造方法が提案されている。
特開2015−199985号公報
上記特許文献1には、アルミニウム基材と、アルミニウム基材の表面に0.1μm〜20μmの厚さで形成された陽極酸化皮膜との積層体が開示されている。しかし、本発明者らによる検討の結果、上記特許文献1に実施例として記載された厚さが0.3mmであるアルミニウム板に陽極酸化皮膜が積層されたアルミニウム積層体では、十分なフレキシブル性を有していないことが確認された。具体的には、最小直径が50mmのガイドロールを用いたロールツーロール加工により製造されたアルミニウム積層体の陽極酸化皮膜層には、クラックが確認された。
そこで、本発明の目的は、絶縁破壊電圧が0.2kV以上である陽極酸化皮膜を備え、最小直径が50mmのガイドロールを用いたロールツーロール加工においても当該陽極酸化皮膜層にクラックが生じないアルミニウム積層体を提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム基材の組成、陽極酸化皮膜の表面平滑性および厚み、ならびにアルミニウム積層体が特定の条件を満たしたとき、陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧が0.2kV以上であり、かつ最小直径が50mmのガイドロールを通過しても陽極酸化皮膜層のクラックが生じないアルミニウム積層体が得られることを見出した。なお、最小直径が50mm以下の曲げ加工が可能とは、アルミニウム積層体を少なくとも直径が50mmである円筒の外周面に沿わせて10秒間保持する加工を施した後に陽極酸化皮膜表面を目視により観察するという曲げ加工試験(以下、単に曲げ加工試験という)において、陽極酸化皮膜表面にクラックが確認されないことを指す。
すなわち、本発明の一実施の形態に係るアルミニウム積層体は、以下の特徴を有する。一実施の形態に従ったアルミニウム積層体は、第1面を有するアルミニウム基材と、第1面に接して形成されており、かつ、第1面と交差する方向において第1面から離れた位置にある第2面を有する第1陽極酸化皮膜とを備える。アルミニウム基材の第1面を含む表層は、純度99.9質量%以上であるアルミニウムと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄とを含む。第1陽極酸化皮膜の第2面の表面粗さRaが15nm以下である。第1陽極酸化皮膜の交差する方向の厚みが3μm以上20μm以下である。アルミニウム積層体の上記交差する方向の全体の厚みの値T1(単位:μm)と、第1陽極酸化皮膜の上記交差する方向の厚みの値T2(単位:μm)とが、関係式X+10×Y≦230を満足する。
上記一実施の形態に係るアルミニウム積層体において、上記陽極酸化皮膜の封孔度アドミッタンスY値は、が100μS未満であるのが好ましい。
また、本発明の他の実施の形態に係るアルミニウム積層体は、以下の特徴を有する。他の実施の形態に従ったアルミニウム積層体は、第1面を有するアルミニウム基材と、第1面に接して形成されており、かつ、第1面と交差する方向において第1面から離れた位置にある第2面を有する第1陽極酸化皮膜とを備える。アルミニウム基材の第1面を含む表層は、純度99.9質量%以上であるアルミニウムと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄とを含む。第1陽極酸化皮膜の第2面の表面粗さRaが15nm以下である。第1陽極酸化皮膜の交差する方向の厚みが2μm以上20μm以下である。アルミニウム積層体の上記交差する方向の全体の厚みの値T1(単位:μm)と、第1陽極酸化皮膜の上記交差する方向の厚みの値T2(単位:μm)とが、関係式X+10×Y≦230を満足する。さらに、陽極酸化皮膜の封孔度アドミッタンスY値が100μS未満である。
本発明者らは、上記2つの実施の形態に係るアルミニウム積層体の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧が0.2kV以上であることを確認した。さらに、本発明者らは、上記2つの実施の形態に係るアルミニウム積層体が可視光に対し高い反射特性を有していることを確認した。
上記アルミニウム積層体において、陽極酸化皮膜は好ましくは硫酸陽極酸化皮膜である。
上記アルミニウム積層体を製造する方法は、第1面の表面粗さRaが15nm以下であるアルミニウム基材を準備する工程と、アルミニウム基材の第1面上に、硫酸を含む電解液を用いて、交差する方向の厚みが2μm以上20μm以下である第1陽極酸化皮膜を形成する工程とを備える。
本発明によれば、絶縁破壊電圧が0.2kV以上である陽極酸化皮膜を備え、最小直径が50mmのガイドロールを用いたロールツーロール加工においても当該陽極酸化皮膜層にクラックが生じないアルミニウム積層体を提供することができる。
本実施の形態に係るアルミニウム積層体を示す概略断面図である。 本実施の形態に係るアルミニウム積層体の製造方法を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るアルミニウム積層体の変形例を示す概略断面図である。 本実施の形態に係るアルミニウム積層体の製造方法の変形例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
[アルミニウム積層体の構成]
図1に示されるように、本実施の形態に係るアルミニウム積層体10は、アルミニウム基材1と、第1陽極酸化皮膜2とを備える。
アルミニウム基材1は、第1面1A、および第1面1Aと反対側に位置する第3面1Bを有している。アルミニウム基材1を構成する材料は、アルミニウム(Al)を含む。アルミニウム基材1は、例えばアルミニウム箔である。
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層は、アルミニウム純度が99.9質量%以上である。
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層は、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄(Fe)を含む。鉄の含有量が0.001質量%未満であると、アルミニウム基材1の強度が低下する。一方で、鉄はアルミニウムへの固溶度が小さいため、アルミニウムの鋳造時にFeAl等の金属間化合物が晶出しやすくなる。これらの晶出物は、アルミニウム素地よりも可視光領域の反射率が低く、アルミニウム基材としての光沢度および可視光反射率を低下させる原因になる。また、FeAl等の金属間化合物が存在すると、陽極酸化皮膜が不均一となり、陽極酸化皮膜の透明性が著しく悪くなり反射率が低下するだけでなく、陽極酸化皮膜の硬度も低下し、さらに陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧も低下する。このため、鉄の含有量は0.02質量%以下にする必要がある。
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層は、例えば0.001質量%以上0.09質量%以下のシリコン(Si)を含んでいてもよい。シリコンはアルミニウムへの固溶度が大きく晶出物を形成し難いため、晶出物を生成させない程度の含有量であれば可視光領域の反射率を低下させることがない。また、シリコンが0.001質量%以上固溶されたアルミニウム基材1の機械的強度は、シリコンが固溶されていないアルミニウム基材1の機械的強度と比べて、固溶強化によって向上されている。そのため、例えばシリコンが0.001質量%以上固溶されたアルミニウム基材1は、シリコンが固溶されていないアルミニウム基材1と同等の機械的強度を維持しながらもより厚みの薄い箔の圧延も容易にすることができる。一方で、アルミニウム基材1が0.09質量%よりも多いシリコンを含む場合、第1陽極酸化皮膜2の厚みを厚くすると第1陽極酸化皮膜2の透明性が低下し反射率が低下する。さらに、第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの硬度も低下する。そのため、シリコンの含有量は0.09質量%以下にする必要がある。
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層におけるAl、Fe、およびSi以外の残部は、不純物からなる。該不純物は、例えば不可避不純物であるが、不可避不純物の他に、光沢度、可視光の全反射率に大きく影響しない微量の不純物を含んでいてもよい。上記不純物は、例えば銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、およびビスマス(Bi)等からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む。各不純物元素は、個々の含有量が0.01質量%以下である。
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む上記表層は、第1面1Aと交差する方向(深さ方向)において第1面1Aから5μmまでの領域である。好ましくは、第1面1Aの表面粗さRaは、15nm以下である。アルミニウム基材1の第1面1Aをこのように小さな表面粗さRaとする方法としては、物理的な研磨、電解研磨、化学研磨等の研磨加工、あるいは、表面が鏡面状態である圧延ロールを用いた冷間圧延等がある。
上記表層以外のアルミニウム基材1の他の部分の組成は特に制限されるものではなく、アルミニウム基材1は例えばクラッド材として構成されていてもよい。
第1陽極酸化皮膜2は、第1面1Aに接して形成されている。第1陽極酸化皮膜2は、第1面1Aに接している面と、第1面1Aと交差する方向において第1面1Aから離れた位置にある第2面2Aとを有している。第1陽極酸化皮膜2は、アルミニウム基材1の第1面1Aに対する陽極酸化処理により形成されている。陽極酸化処理は、公知の陽極酸化処理方法であればよく、例えば硫酸、ホウ酸、シュウ酸、およびリン酸の少なくともいずれかを含む電解液を用いた陽極酸化処理である。好ましくは、第1陽極酸化皮膜2は、硫酸を含む電解液を用いた陽極酸化処理により形成されている。すなわち、好ましくは、第1陽極酸化皮膜2は硫酸陽極酸化皮膜である。第1陽極酸化皮膜2は、封孔処理されている。好ましくは、第1陽極酸化皮膜2は透明である。
第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みは、2μm以上20μm以下である。第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みは、第1陽極酸化皮膜2において第1面1Aと接している面と第2面2Aとの間の距離である。
第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みが2μmよりも小さい場合、陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧を0.2kV以上とすることは困難である。一方、第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みが20μmよりも大きい場合、上記曲げ加工試験において第1陽極酸化皮膜2の表面にクラックが生じやすくなる。
本発明者らは、後述する実施例に示されるように、上記交差する方向の厚みが3μm以上20μm以下である第1陽極酸化皮膜2は、その封孔度によらず高い絶縁性を有しており、かつ上記曲げ加工試験においてもクラックの発生が抑制されていることを確認した。
さらに、本発明者らは、第1陽極酸化皮膜2の絶縁破壊電圧が第1陽極酸化皮膜2の封孔度アドミッタンスY値に応じて変化すること、特に第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みが2μm以上3μm以下である場合には、絶縁破壊電圧を0.2kV以上とするには封孔度アドミッタンスY値を一定値未満とすべきことを確認した。
具体的には、上記交差する方向の厚みが2μm以上3μm以下であって、封孔度アドミッタンスY値が100μS未満である第1陽極酸化皮膜2の絶縁破壊電圧は、0.2kV以上であった。一方、上記交差する方向の厚みが2μm以上3μm以下であって、封孔度アドミッタンスY値が100μS以上である第1陽極酸化皮膜2の絶縁破壊電圧は、0.2kV未満であった。
第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaは、20nm以下である。アルミニウム積層体10に入射した光の一部は第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aで反射し、残部は第2面2Aで屈折しアルミニウム基材1の第1面1Aに到達する。第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaが15nmを超える場合には、第2面2Aで反射した光または第2面2Aで屈折した光が拡散することにより、第2面2Aの光沢度および全反射率が低下する。第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaが15nm以下であれば、第2面2Aで反射した光または第2面2Aで屈折した光の拡散を抑制でき、第2面2Aは高い光沢度および高い全反射率を有している。なお、第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaはJIS B0601(2001年版)およびISO4287(1997年版)で定義されている算術平均粗さRaを、面に対して適用できるように三次元に拡張して算出された値である。
第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaを上記数値範囲とするために、アルミニウム基材1の第1面1Aの表面粗さRaが小さくされているのが好ましい。好ましくは、上述のように、アルミニウム基材1の第1面1Aの表面粗さRaが15nm以下である。
アルミニウム積層体10の上記交差する方向の全体の厚みの値T1(単位:μm、図1参照)と、第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みの値T2(単位:μm、図1参照)とが、関係式X+10×Y≦230を満足する。本発明者らは、上記関係式を満足しない、X+10×Yが230を超えるアルミニウム積層体は、最小直径を50mm以下とする上記曲げ加工試験が施された場合に、陽極酸化皮膜にクラックが生じることを確認した。一方で、本発明者らは、上述した特徴を備え、かつ上記関係式を満たすアルミニウム積層体は、上記曲げ加工試験が施された場合にも、クラックの発生が抑制されていることを見出した。
具体的には、本発明者らは、高い電気的絶縁性、高い全反射率、および高い曲げ加工性を有するアルミニウム積層体について鋭意検討した。その結果、アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層が、純度99.9質量%以上であるアルミニウムと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄とを含み、第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aの表面粗さRaが15nm以下であり、第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みが2μm以上20μm以下であるアルミニウム積層体が、高い電気的絶縁性および高い全反射率を有することを確認した。さらに、本発明者らは、このようなアルミニウム積層体の曲げ加工性、すなわち曲げ加工が施されたときのクラックの発生し難さが、アルミニウム積層体の全体の厚みの値T1および第1陽極酸化皮膜2の厚みの値T2と相関することを見出した(詳細は、実施例に後述する)。
アルミニウム積層体10の上記T1および上記T2は、第1陽極酸化皮膜2の厚みが2μm以上20μm以下であって、かつ上記関係式T1+10×T2≦230を満足する限りにおいて任意に設定され得る。アルミニウム積層体10は、曲げ加工性を向上させる観点から言えば、好ましくはT1+10×T2≦200を満足し、より好ましくはT1+10×T2≦150を満足し、より好ましくはT1+10×T2≦100を満足する。
アルミニウム積層体10の上記T1+10×T2の下限値は、少なくとも第1陽極酸化皮膜2の上記交差する方向の厚みT2を2μm以上とすることができるように、設定されていればよい。上記T1+10×T2の下限値は、例えば、50であってもよい。
なお、図1に示されるアルミニウム積層体10では、アルミニウム基材1の上記交差する方向の厚みの値をT3(単位:μm)とすると、上記値T1は、アルミニウム基材1の厚みの値T3と第1陽極酸化皮膜2の厚みの値T2との和として表される。図1に示されるアルミニウム積層体10は、関係式T3+11×T2≦230を満足する。
<アルミニウム積層体の製造方法>
次に、本実施の形態に係るアルミニウム積層体の製造方法の一例について説明する。図2に示されるように、本実施の形態に係るアルミニウム積層体の製造方法は、鋳塊を準備する工程(S10)、鋳塊に均質化処理を行う工程(S20)、鋳塊を熱間圧延する工程(S30)、熱間圧延により得られた熱延材を冷間圧延する工程(S40)、冷間圧延により得られた冷延材を最終仕上げとして冷間圧延(以下、最終仕上げ冷間圧延という)してアルミニウム基材を形成する工程(S50)、および陽極酸化皮膜を形成する工程(S60)を備える。
まず、鋳塊を準備する(工程(S10))。具体的には、所定の組成のアルミニウムの溶湯を調製し、アルミニウムの溶湯を凝固させることにより鋳塊を鋳造(例えば半連続鋳造)する。溶湯中のFe、Mn、Siなどの金属元素の含有量は、アルミニウム基材1の上記表層におけるアルミニウム純度が99.9質量%以上となるように制御されている。溶湯中のFeの含有量は、アルミニウム基材1の上記表層におけるFeの含有量が0.001質量%以上0.02質量%以下となるように制御されている。好ましくは、溶湯中のFeの含有量は、アルミニウム基材1の上記表層におけるFeの含有量が0.001質量%以上0.02質量%以下となるように制御されている。
次に、得られた鋳塊に均質化熱処理を行う(工程(S20))。均質化熱処理は、一般的な操業条件の範囲内であればよいが、例えば加熱温度を400℃以上630℃以下、加熱時間を1時間以上20時間以下とする条件で行われる。
次に、鋳塊を熱間圧延する(工程(S30))。本工程により、所定の厚みW1を有する熱延材が得られる。熱間圧延は、1回または複数回行われてもよい。なお、連続鋳造によって薄板のアルミニウム鋳塊を製造する場合には、当該薄板状の鋳塊は本工程を介さずに冷間圧延されてもよい。
次に、熱間圧延により得られた熱延材を冷間圧延する(工程(S40))。本工程により、所定の厚みW2を有する冷延材(最終仕上げ冷間圧延工程(S50)における被圧延材)が得られる。本工程において、冷間圧延はたとえば中間焼鈍工程を挟んで複数回行われる。たとえば、まず熱延材に対し第1冷間圧延工程(S40A)を実施して熱延材の厚みW1よりも薄く冷延材の厚みW2よりも厚い圧延材を形成する。次に、得られた圧延材に対し中間焼鈍工程(S40B)を施す。中間焼鈍は、一般的な操業条件の範囲内であればよいが、例えば焼鈍温度を50℃以上500℃以下、焼鈍時間を1秒以上20時間以下とする条件で行われる。次に、焼鈍後の圧延材に対し第2冷間圧延工程(S40C)を実施して厚みW2の冷延材を形成する。
次に、冷延材を最終仕上げ冷間圧延する(工程(S50))。本工程では、圧延ロールを用いて被圧延材を最終仕上げ冷間圧延する。圧延ロールは被圧延材と接触して圧延するロール面を有している。被圧延材を挟んで配置される一対の圧延ロールのうち、少なくとも一方の圧延ロールのロール面の表面粗さRaが50nm以下であることが好ましい。表面粗さが50nmより大きい圧延ロールを用いて被圧延材を圧延すると、得られるアルミニウム基材は第1面の表面粗さRaは20nm以上となる。本工程で使用する圧延ロールの表面粗さRaは、できるだけ小さいことが好ましく、より好ましくは40nm以下である。このようにして、アルミニウム基材1が準備される。
次に、得られたアルミニウム基材1の第1面1A上に第1陽極酸化皮膜2が形成される(工程(S60))。本工程(S60)は一般的に公知となっている陽極酸化処理方法により実施され得る。陽極酸化処理は、例えば硫酸浴、ホウ酸浴、シュウ酸浴、およびリン酸浴からなる群から選択される少なくとも1つを電解液とし、これにアルミニウム基材1を浸漬させて陽極とし、該電解液中に浸漬させた他の電極を陰極とし、これらの間を通電することにより行われる。陽極酸化処理方法の各条件は、第1陽極酸化皮膜2の厚みが2μm以上20μm以下、第2面2Aの表面粗さRaが15nm以下となるように、適宜選択される。好ましくは、硫酸浴が電解液に用いられる。このようにして、図1に示される本実施の形態に係るアルミニウム積層体10を得ることができる。
<変形例>
アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層は、Siを含んでいなくてもよい。上述のように、Siはアルミニウム基材1の機械的強度の向上に寄与するが、厚み等他のパラメータによって要求される機械的強度を確保し得る場合には、アルミニウム基材1はSiを含有していなくてもよい。この場合、アルミニウム基材1の第1面1Aを含む表層におけるAlおよびFe以外の残部を構成する上記不純物の含有量の合計は、0.10質量%以下であればよい。
図3に示されるように、アルミニウム積層体11は、アルミニウム基材1の上記第3面1Bに接するように設けられている第2陽極酸化皮膜3をさらに備えていてもよい。第2陽極酸化皮膜3は、上記交差する方向において、第3面1Bから離れた位置にある第4面3Bを有している。つまり、アルミニウム積層体11は、アルミニウム基材1と、アルミニウム基材1を挟むように設けられた第1陽極酸化皮膜2および第2陽極酸化皮膜3を備えている。
図3に示されるアルミニウム積層体11では、上記全体の厚みの値T1は、アルミニウム基材1の厚みの値T3(単位:μm)、第1陽極酸化皮膜2の厚みの値T2(単位:μm)、および第2陽極酸化皮膜3の上記交差する方向の厚みの値T4(単位:μm)との和として表される。第2陽極酸化皮膜3の厚み、第1陽極酸化皮膜2の厚み以下である。第2陽極酸化皮膜3の厚みは、2μm以上20μm以下である。
アルミニウム積層体11は、関係式T1+10×T2≦230を満足する。すなわち、アルミニウム積層体11は、関係式T1+10×T4≦T1+10×T2≦230を満足する。上記関係式を満足するアルミニウム積層体11は、実施の形態1に係るアルミニウム積層体10と同様の効果を奏することができ、高い曲げ加工性を有している。好ましくは、アルミニウム積層体11は、関係式T1+10×(T2+T4)≦230を満足する。
アルミニウム積層体11において、アルミニウム基材1の第3面1Bを含む表層は、第1面1Aを含む表層と同様に、アルミニウム純度が99.9質量%以上であり、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄を含む。このようなアルミニウム基材1は、上述したアルミニウム積層体10の製造方法の上記工程(S10)〜(S50)と同様の方法により準備され得る。
アルミニウム積層体11において、第2陽極酸化皮膜3は、上記第1陽極酸化皮膜2と同様に、第4面3Bの表面粗さRaが15nm以下である。このような第2陽極酸化皮膜3は、上述したアルミニウム積層体10の製造方法の上記工程(S60)と同様の方法により形成され得る。このようなアルミニウム積層体11では、第1陽極酸化皮膜2の第2面2Aおよび第2陽極酸化皮膜3の第4面3Bが、高い光沢度および高い全反射率を有する。
上記アルミニウム積層体11において、アルミニウム基材1の第3面1Bを含む表層の組成は、第1面1Aを含む表層の組成と異なっていてもよいが、好ましくは同じである。アルミニウム基材1は、例えばクラッド材の様に、第1面1Aを含む表層および第3面1Bを含む表層の各組成と、これらに挟まれている中間層の組成とが異なっていてもよい。
図4に示されるように、上記アルミニウム積層体の製造方法において、上記工程(S50)の後であって上記工程(S60)の前に、最終仕上げ冷間圧延により得られたアルミニウム基材を研磨加工する工程(S70)が実施されてもよい。本工程(S70)では、上記アルミニウム基材において第1面1Aとなるべき表面が研磨加工され、第1面1Aを有するアルミニウム基材1が形成される。上記アルミニウム積層体11の製造方法においては、第1面1Aとなるべき表面および第3面1Bとなるべき表面が研磨加工され、第1面1Aおよび第3面1Bを有するアルミニウム基材1が形成される。研磨加工方法は、物理的な研磨、電解研磨、および化学研磨等のうちから選択され得るが、これに限られるものではない。
上記アルミニウム積層体の製造方法において、上記工程(S50)の後であって上記工程(S60)の前に、最終仕上げ冷間圧延により得られたアルミニウム基材を所定の形に成形する工程が実施されてもよい。もしくは上記工程(S60)の後に、工程(S60)により得られた上記アルミニウム積層体10,11を成型する工程が実施されてもよい。また、上記工程(S60)の後に、アルミニウム積層体10の少なくとも1つの面上に、例えばアルミニウム基材1の第3面1B上に、皮膜を形成する工程が実施されてもよい。該皮膜を構成する材料は、樹脂、金属、およびセラミックス等からなる群から選択される少なくとも1つである。上記皮膜は例えば接着層であり、上記皮膜を形成する工程の後に、該皮膜を介してアルミニウム積層体10,11を他の部材または壁等に接着させる工程が実施されてもよい。また、上記工程(S60)の後に、工程(S60)により得られた上記アルミニウム積層体10,11の第1陽極酸化皮膜2および第2陽極酸化皮膜3の少なくともいずれかのポーラス部に、着色処理および封孔処理を施してもよいし、封孔処理のみを施してもよい。なお、着色処理は、任意の方法であればよいが、例えば染料や顔料を吸着させる方法であってもよいし、二次電解着色法であってもよい。
以下に説明するように本実施の形態の実施例と比較例のアルミニウム積層体の試料を作製し、それらの光沢度、全反射率、曲げ加工性および絶縁破壊電圧を評価した。
Figure 2019147974
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まず、表1および表2に示されるアルミニウム純度およびFeの含有量が異なるアルミニウムを用いて、以下に示す製造工程に従って、実施例および比較例のアルミニウム基材を作製した。
DC鋳造によって得られたアルミニウムの鋳塊を加熱炉にて均質化熱処理を行った。その後、厚みが約6.5mmになるまで熱間圧延を行った。得られた熱間圧延材に対し、厚みが所定の値になるまで、複数回の冷間圧延を行った。複数回の冷間圧延は中間焼鈍を挟んで実施し、表1および表2に示す厚みのアルミニウム基材を作製した。
この際、実施例1〜10および比較例1〜9,12〜18については、最終仕上げ冷間圧延において表面粗さRaが40nmの圧延ロールを使用して圧延を行った。比較例10,11については、最終仕上げ冷間圧延において面粗さRaが50nmの圧延ロールを使用して圧延を行った。比較例19〜21については、最終仕上げ冷間圧延において表面粗さRaが150nmの圧延ロールを使用して圧延を行った。
なお、各試料に対し、均質化熱処理は、加熱温度を400℃以上630℃以下、加熱時間を1時間以上20時間以下とする条件で行った。各試料に対し、中間焼鈍は、例えば焼鈍温度を50℃以上500℃以下、焼鈍時間を1秒以上20時間以下とする条件で行った。各実施例のアルミニウム基材の第1面の表面粗さRaは15nm以下であった。
上記のようにして得られたアルミニウム基材に対し、陽極酸化処理を行った。電解液は、15体積%の硫酸を含み浴温度21℃の水溶液とした。各試料を当該電解液に浸漬させて陽極とし、これと陰極との間に電流密度130mA/m2の電流を所定時間流し、陽極酸化処理を行った。各試料の陽極酸化処理時間は、所定の厚みの陽極酸化被覆層が得られる時間とした。つまり、各試料に対する陽極酸化処理条件は、陽極酸化処理時間以外は同等とした。
さらに、全試料に対し、封孔処理を行った。実施例2〜10、及び比較例2、4〜21の封孔処理は、陽極酸化皮膜が形成されている各試料を、濃度5g/Lの酢酸ニッケルと濃度5g/Lの硼酸とを含み浴温度90℃の水溶液中に20分浸漬させ、次いで温度98℃の純水中に20分浸漬させることにより行った。実施例1及び比較例1、3の封孔処理は、温度66℃の純水中に5分浸漬させることにより行った。
このようにして作成された各試料を、以下の評価方法により評価した。評価結果は表1〜表4に示される。
<評価方法>
得られた陽極酸化皮膜の厚みは、株式会社バイテック製Filmetrics F20を用い、以下のような測定方法により行った。アルミニウム積層体の上記第3面に可視光を照射したときに得られた反射光から、400nmから1100nmまでの波長範囲での反射率スペクトラムを得た。得られた反射率スペクトラムと、干渉部分の谷もしくは山部分が理論上のスペクトラムと同じ波長になるようフィッティングを行い、膜厚を導出した。
絶縁破壊電圧はヤマヨ試験器有限会社製の絶縁破壊試験装置YST−243−30ROを用いて測定した。50mm×50mmに切った試験片の2A面から通電させてゆき、1B面に電流5mA以上が流れた時点を絶縁破壊電圧とした。なお、電圧は50V/秒のスピードで上昇させた。
封孔度アドミッタンスY値は、JIS H 8683(2013年版)に基づいて測定した。封孔度アドミッタンスY値は、フィッシャー・インストルメンツ製ANOTESTYMP30−Sを用いて、測定面積を28.26mmとしたときのアドミッタンスを測定した。
原子間力顕微鏡による表面凹凸の観察は、株式会社日立ハイテクサイエンス製の走査型プローブ顕微鏡AFM5000IIを用いて、ダイナミックフォースモード方式(非接触)による表面形状を80μm×80μmの矩形の視野で行った。得られた観察結果に対して、最小二乗近似によって曲面を求めてフィッティングを行う3次曲面自動傾き補正で試料の傾きを補正し、表面粗さRaを測定した。表面粗さRaは、JIS B0601(2001年版)およびISO4287(1997年版)で定義されている算術平均粗さRaを、観察された表面全体に対して適用できるように三次元に拡張して算出された値である。
光沢度の測定は、日本電色工業株式会社製Gloss meter VG7000を用い、光入射角60°で光沢度を測定した。光沢度の測定は圧延方向(RD)と圧延方向に対して垂直な方向(TD)との二つの方向で測定し、それぞれの方向の値を評価した。光沢度が高いほど金属光沢感が得られている。
全反射率の測定は、日本分光株式会社製紫外可視分光光度計V570を用い、Labsphere社製積分球用標準白板スペクトラロンをリファレンスとして積分球での全反射率を波長域250nm〜2000nmの範囲で測定した。得られた全反射率測定値から、波長域400nm〜800nmの可視光の平均値を求めた。全反射率の測定は圧延方向(RD)と圧延方向に対して垂直な方向(TD)との二つの方向で測定し、これらの平均値として全反射率を評価した。
曲げ加工性は、上述した曲げ加工が施された各試料に対し、各陽極酸化皮膜のクラックの有無を観察することにより、評価した。
具体的には、まず、各実施例及び比較例の試験片を圧延方向(RD)100mm、圧延方向に対して垂直な方向(TD)に15mm切り出した。さらに、段階的に異なる直径を有する複数の円筒を準備した。次に、切り出された各小片を、直径が最も長い円筒の外周面に沿わせ、かつ10秒間保持した。次に、このような曲げ加工後の陽極酸化皮膜表面を目視観察した。目視観察において陽極酸化皮膜にクラックが確認されなかったものは、先に用いた円筒よりも直径が短い円筒の外周面に沿わせ、10秒間保持した後の陽極酸化皮膜表面を目視観察した。このように、陽極酸化皮膜にクラックが確認されなかったものについては、段階的に直径がより短い円筒を用いて上記曲げ加工および上記評価を実施した。表3,4中の最小直径は、各試験片について、陽極酸化皮膜にクラックが確認されなかった上記曲げ加工に用いられた円筒の直径の最小値(単位:mm)を示す。
<評価結果>
Figure 2019147974
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実施例1〜10は、アルミニウム純度が99.9質量%以上であり、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄を含むアルミニウム基材と、第2面の表面粗さRaが15nm以下であって、厚みが2μm以上20μm以下である陽極酸化皮膜とを備え、かつ上記関係式を満足する。実施例1〜10の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は0.2kV以上であった。陽極酸化皮膜の厚みが2μm以上9μm未満である実施例1〜6、8においても、絶縁破壊電圧は0.2kV以上であった。
これに対し、比較例2,6,7は、上述した5つのパラメータ、すなわちアルミニウム基材のアルミニウム純度および鉄の含有量、陽極酸化皮膜の表面粗さおよび厚み、ならびに上記関係式に関し、陽極酸化皮膜の厚みが2μm未満である点でのみ実施例1〜10とは異なるものである。比較例2,6,7の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は0.2kV未満であった。
また、比較例14,15は、上述した5つのパラメータに関し、アルミニウム基材の鉄の含有量が0.02質量%超えである点でのみ実施例1〜10とは異なるものである。アルミニウム積層体である。比較例14,15の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は0.2kV未満であった。
また、比較例19は、上述した5つのパラメータに関し、第2面の表面粗さRaが15nm超えである点でのみ実施例1〜10とは異なるものである。比較例19の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は0.2kV未満であった。
また、実施例1の陽極酸化皮膜は、上記厚みが4.7μmであって、封孔度アドミッタンスY値が100μS超えである。実施例2,4,5,10の陽極酸化皮膜は、上記厚みが2μm以上3μm以下であって、封孔度アドミッタンスY値が100μS未満である。これに対し、比較例1,3は、上述した5つのパラメータに関しては実施例1〜10と同等であるが、封孔度アドミッタンスY値が100μS超えである点でのみ実施例2〜10と異なるものである。特に、実施例4と比較例3とは、陽極酸化皮膜の封孔度のみが異なるものであり、実施例4は、比較例3よりも封孔度アドミッタンスY値が低い、すなわち封孔度が高いものである。実施例1〜10の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は上述のように0.2kV以上であったのに対し、比較例1,3,18の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は0.2kV未満であった。
以上の結果から、上記アルミニウム基材上の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は陽極酸化皮膜の封孔度よりも陽極酸化皮膜の厚みおよびアルミニウム基材の鉄の含有量に依存し、絶縁破壊電圧を0.2kV以上とするには陽極酸化皮膜の厚みの下限値を2μmとし、かつアルミニウム基材の鉄の含有量の下限値を0.02質量%とすべきことが確認された。
また、陽極酸化皮膜の厚みが2μm以上3μm以下と比較的薄い場合には、上記アルミニウム基材上の陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧は封孔度に依存し、絶縁破壊電圧を0.2kV以上とするには封孔度アドミッタンスY値の上限値を100μSとすべきことが確認された。
さらに、本発明者らは、実施例1〜10および比較例1〜21の各試料について、曲げ加工試験において陽極酸化皮膜にクラックが確認されなかった上記曲げ加工に用いられた円筒の直径の最短値(単位:mm)が、アルミニウム基材および陽極酸化皮膜の上記交差する方向の全体の厚みの値をT1、陽極酸化皮膜の上記交差する方向の厚みの値をT2としたときの値T1+10×T2と相関することを見出した。相関係数R2は0.92超であった。上記関係式を満足する実施例1〜10は、少なくとも直径が50mmである円筒の外周面に沿って曲げ加工されても、その第1陽極酸化皮膜2にクラックが確認されなかった。さらに、上記値T1が9μm未満であって上記値T1+10×T2が150以下である実施例1〜6,8は、直径が32mmである円筒の外周面に沿って曲げ加工されても、その第1陽極酸化皮膜2にクラックが確認されなかった。さらに、上記値T1+10×T2が100以下である実施例6,8は、直径が16mmである円筒の外周面に沿って曲げ加工されても、その第1陽極酸化皮膜2にクラックが確認されなかった。
一方、上記関係式を満足しない比較例4,5,8,9,11〜13,15,21は、直径が50mm以上である円筒の外周面に沿って曲げ加工されたときに、陽極酸化皮膜にクラックが確認された。
本発明者らは、陽極酸化皮膜の厚みT2が2μm以上と比較的厚いアルミニウム積層体であっても、上記関係式を満足している限りにおいて高い曲げ加工性が実現されることを確認した。
例えば実施例6の陽極酸化皮膜の厚みは、比較例8,9と同等であるが、比較例8,9と比べてアルミニウム基材の厚みが100μm以上薄い。上記関係式を満足する実施例6は、曲げ加工試験において最小直径が25mmである円筒の外周に巻き回したときにもクラックが確認されなかった。一方、上記関係式を満足しない比較例8,9は、曲げ加工試験において直径が50mmである円筒の外周に巻き回したときにクラックが確認された。
本発明者らは、上記関係式中の左辺T1+10×T2の係数1および10は、アルミニウム基材および陽極酸化皮膜の曲げ加工性に対する影響度の違いに関係していると考えている。陽極酸化皮膜は、アルミニウム基材と比べて延性が低い。そのため、陽極酸化皮膜は、アルミニウム基材と比べて、曲げ加工性に対する影響度が高いと考えられる。例えば、アルミニウム積層体の厚みが数十μm増減された場合であって、その増減がアルミニウム基材の厚みの増減に起因する場合には、その増減によっては曲げ加工性は大きく変わらない。これに対し、アルミニウム積層体の厚みが数十μm増減された場合であって、その増減が陽極酸化皮膜の厚みの増減に起因する場合には、その増減によっては曲げ加工性は大きく変わる。このことは、本評価結果に表されている。
さらに、実施例1〜10は、光沢度がRD方向およびTD方向において63%以上、可視光全反射率が83%以上であり、高い光沢度および高い全反射率を有していた。これに対し、比較例10,11,16,17,19〜21は、少なくとも光沢度および可視光全反射率のいずれかが上記数値範囲を満たしていなかった。
アルミニウム基材のアルミニウム純度が99.9質量%より低く、かつアルミニウム基材のFeの含有量が0.052質量%より多い比較例16,17は、陽極酸化皮膜の表面粗さRaが15nm超えであって、光沢度が63%未満、可視光全反射率が83%未満であり、高い光沢度および高い全反射率を有していなかった。さらに、陽極酸化皮膜の厚みが1μm未満である比較例6は、可視光全反射率が83%未満であり、高い全反射率を有していなかった。さらに、陽極酸化皮膜の表面粗さRaが15nm超えである比較例10,11,19〜21は、光沢度が63%未満、可視光全反射率が83%未満であり、高い光沢度および高い全反射率を有していなかった。
以上の結果より、本実施の形態によって、高い電気的絶縁性および高い曲げ加工性を有するとともに、高い光沢度および高い全反射率を有するアルミニウム積層体を提供できることが確認された。本実施の形態に係るアルミニウム積層体は、液晶、有機EL、電子ペーパなどのディスプレイ、薄膜太陽電池、およびタッチパネルを構成する電子デバイスの基板に特に好適である。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
1 アルミニウム基材、1A 第1面、1B 第3面、2 第1陽極酸化皮膜、2A 第2面、3 第2陽極酸化皮膜、3B 第4面、4 基板、10,11 アルミニウム積層体。

Claims (6)

  1. 第1面を有するアルミニウム基材と、
    前記第1面に接して形成されており、かつ、前記第1面と交差する方向において前記第1面から離れた位置にある第2面を有する第1陽極酸化皮膜とを備え、
    前記アルミニウム基材の前記第1面を含む表層は、純度99.9質量%以上であるアルミニウムと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄とを含み、
    前記第1陽極酸化皮膜の前記第2面の表面粗さRaが15nm以下であり、
    前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みが2μm以上20μm以下であり、
    前記アルミニウム基材および前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みの合計値T1(単位:μm)と前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みの値T2(単位:μm)との関係がT1+10×T2≦230であり、
    前記第1陽極酸化皮膜の封孔度アドミッタンスY値が100μS未満である、アルミニウム積層体。
  2. 第1面を有するアルミニウム基材と、
    前記第1面に接して形成されており、かつ、前記第1面と交差する方向において前記第1面から離れた位置にある第2面を有する第1陽極酸化皮膜とを備え、
    前記アルミニウム基材の前記第1面を含む表層は、純度99.9質量%以上であるアルミニウムと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄とを含み、
    前記第1陽極酸化皮膜の前記第2面の表面粗さRaが15nm以下であり、
    前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みが3μm以上20μm以下であり、
    前記アルミニウム基材および前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みの合計値T1(単位:μm)と前記第1陽極酸化皮膜の前記交差する方向の厚みの値T2(単位:μm)との関係がT1+10×T2≦230である、アルミニウム積層体。
  3. 前記第1陽極酸化皮膜の封孔度アドミッタンスY値が100μS未満である、請求項2に記載のアルミニウム積層体。
  4. 前記第1陽極酸化皮膜の絶縁破壊電圧が0.2kV以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム積層体。
  5. 前記第1陽極酸化皮膜は、硫酸陽極酸化皮膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム積層体を製造する方法であって、
    前記第1面の表面粗さRaが15nm以下である前記アルミニウム基材を準備する工程と、
    前記アルミニウム基材の前記第1面上に、硫酸を含む電解液を用いて、前記交差する方向の厚みが2μm以上20μm以下である第1陽極酸化皮膜を形成する工程とを備える、アルミニウム積層体の製造方法。
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