JP2019147867A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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智紀 高瀬
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Abstract

【課題】流動性、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】下記グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量%に、グラフト共重合体(A)を28〜48質量%、共重合体(B)を52〜72質量%含む熱可塑性樹脂組成物。グラフト共重合体(A):体積平均粒子径180nm〜550nm、ゲル含有率1〜80質量%のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の1種以上をグラフト重合したもの。共重合体(B):芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体の共重合体。芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位が40〜68質量%。【選択図】図1

Description

本発明は、流動性に優れ、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れる成形品を提供することができる熱可塑性樹脂組成物と、この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に関する。
成形品の耐衝撃性を向上させることによって、成形品の用途が拡大するだけでなく、成形品の薄肉化や大型化への対応が可能になる等、工業的な有用性が非常に高くなる。そのため、成形品の耐衝撃性の向上については、これまでに様々な手法が提案されている。これら手法のうち、ゴム質重合体と硬質樹脂とを組み合わせた樹脂材料を用いることによって成形品の耐衝撃性を高める手法は、すでに工業化されている。このような樹脂材料としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル(ASA)樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体−スチレン(AES)樹脂等が挙げられる。
また、成形品に高い意匠性が求められる場合には、これら樹脂材料から得られる成形品に塗装処理を行い、高い外観品質を得ている。しかし、塗装処理には、環境への負荷が大きい、工程が煩雑である、製造コストが高くなる、等の問題がある。そのため、成形品の塗装処理を省略することがある。この場合、成形品には、耐衝撃性等の機械物性以外に、例えば、洗車タオルによる汚れの拭き取り時に傷が付かない、傷が付いても目立たない耐傷付き性が要求される。
さらに、例えば自動車のグリル等の部品では大型化や形状の複雑化が進み、成形性を向上させるために、高い流動性が求められている。
耐衝撃性の良好な成形品を得ることができる樹脂材料としては、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、スチレン、アルキルアクリレートからなる共重合体と、シアン化ビニルと芳香族ビニルの共重合体と、ゴム状重合体にシアン化ビニルと芳香族ビニルをグラフト重合したグラフト共重合体を用いたものが知られている(特許文献1)。
また、耐衝撃性、耐傷付き性の良好な成形品を得ることができる樹脂材料としては、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体に、特定の単量体混合物をグラフト重合したグラフト共重合体と、N−置換マレイミドまたは無水マレイン酸と、芳香族ビニルと、メタクリル酸エステルとを含む単量体混合物を重合したメタクリル酸エステル樹脂を用いたものが知られている(特許文献2)。
特開平2−272050号公報 特開2014−80525号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、グラフトゴム成分にブタジエンゴムを使用しているため摺動性が低く、耐傷付き性に劣っていた。
特許文献2に記載の熱可塑性樹脂組成物は、グラフトゴム成分にエチレン・α−オレフィン共重合体を使用しているため摺動性に優れ、耐傷付き性にも優れていたが、流動性が低く、成形性が悪かった。
本発明は、流動性に優れ、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れる成形品を提供することができる熱可塑性樹脂組成物と、この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであり、以下の態様を包含する。
[1] 以下のグラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを含有し、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量%に対して、グラフト共重合体(A)の含有量が28〜48質量%、共重合体(B)が52〜72質量%である熱可塑性樹脂組成物。
グラフト共重合体(A):エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を含むビニル系単量体成分(m1)を重合することにより得られるグラフト共重合体であり、
該グラフト共重合体(A)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が180nm〜550nm、下記測定方法によって測定されるゲル含有率が1〜80質量%であるグラフト共重合体(A)
<ゲル含有率の測定方法>
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の試料[E1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬して溶液を得る。次いで、前記溶液を200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[E2]の質量(g)を測定する。下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求める。
ゲル含有率(質量%)=[E2]/[E1]×100 ・・・(1)
共重合体(B):芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体を重合して得られる共重合体であり、
該共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%である共重合体(B)
[2] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のエチレン単位の含有率が45〜80質量%で、エチレン単位とα−オレフィン単位の合計の含有率が90〜100質量%であり、前記ビニル系単量体成分(m1)100質量%中の芳香族ビニル系単量体の含有率が60〜80質量%で、シアン化ビニル系単量体の含有率が15〜40質量%であり、前記グラフト共重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)40〜80質量%の損座板に、ビニル系単量体成分(m1)20〜60質量%を重合することにより得られ(ただし、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)とビニル系単量体成分(m1)の合計は100質量%)、グラフト率が20〜100%である[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が架橋処理した架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)である[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4] 前記共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が20〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の含有量が8〜20質量%で、該共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が10万〜20万である[1]ないし[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5] [1]ないし[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は流動性に優れ、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れた成形品を良好な成形性のもとに提供することができる。
このため、本発明の熱可塑性樹脂組成物およびその成形品は、車両内装・外装部品、事務機器、家電、建材等として有用である。
実施例における耐傷付き性の評価方法の説明図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[用語の定義]
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「成形品」とは、熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものを意味する。
「明度(L)」とは、JIS Z 8729において採用されているL表色系における色彩値のうちの明度の値(L)を意味する。
「SCE方式」とは、JIS Z 8722に準拠した分光測色計を用い、光トラップによって正反射光を除去して色を測る方法を意味する。
「単位」とは、重合前の単量体化合物(モノマー)に由来する構造部分をさし、例えば、「アクリル酸エステル系単量体単位」とは「アクリル酸エステル系単量体に由来する構造部分」をさす。
「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の一方または双方をさす。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、下記グラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量%に対して、グラフト共重合体(A)を28〜48質量%、共重合体(B)を52〜72質量%含有することを特徴とするものであり、この特定のグラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを特定の割合で含むことから、流動性に優れ、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れる成形品を得ることができる。
グラフト共重合体(A):エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を含むビニル系単量体成分(m1)を重合することにより得られるグラフト共重合体であり、該グラフト共重合体(A)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が180nm〜550nm、下記測定方法によって測定されるゲル含有率が1〜80質量%であるグラフト共重合体(A)(以下、「本発明のグラフト共重合体(A)」と称す場合がある。)
<ゲル含有率の測定方法>
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の試料[E1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬して溶液を得る。次いで、前記溶液を200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[E2]の質量(g)を測定する。下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求める。
ゲル含有率(質量%)=[E2]/[E1]×100 ・・・(1)
共重合体(B):芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体を重合して得られる共重合体であり、該共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%である共重合体(B)(以下、「本発明の共重合体(B)」と称す場合がある。)
[グラフト共重合体(A)]
本発明のグラフト共重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体成分(m1)を重合して得られた共重合体である。換言すれば、グラフト共重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)部分と、ビニル系単量体成分(m1)の重合体であるビニル系重合体部分とからなる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、後述の通り、水に分散されてオレフィン樹脂水性分散体(p)とされていてもよい。
なお、グラフト共重合体(A)においては、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下にビニル系単量体成分(m1)がどのように重合しているか、特定することは困難である。例えば、ビニル系単量体成分(m1)が重合したビニル系重合体としては、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)に結合したものと、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)に結合していないものとが存在する。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)に結合したビニル系重合体の分子量、構成単位の割合等を特定することも困難である。すなわち、グラフト共重合体(A)をその構造または特性により直接特定することが不可能であるか、またはおよそ実際的ではないという事情(不可能・非実際的事情)が存在する。したがって、本発明おいては、グラフト共重合体(A)は「エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体成分(m1)を重合して得られたもの」と規定するすることがより適切とされる。
本発明のグラフト共重合体(A)は、典型的には、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含むオレフィン樹脂水性分散体(p)の中でビニル系単量体成分(m1)を重合して得られたものである。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(a)>
グラフト共重合体(A)を得る際に使用するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとを公知の重合方法によって共重合することによって得られた、エチレン単位とα−オレフィン単位とを含む共重合体である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、非共役ジエン単位をさらに含んでもよい。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−イコセン、1−ドコセン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。得られる成形品の耐衝撃性の点から、炭素数が3〜20のα−オレフィンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの非共役ジエンのなかでも、得られる成形品の耐衝撃性や耐傷付き性が優れることから、ジシクロペンタジエンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンの少なくとも一方が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のエチレン単位の含有率は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、45〜80質量%が好ましく、50〜75質量%がより好ましい。エチレン単位の含有率が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐傷付き性、耐衝撃性のバランスがさらに優れる。
エチレン単位とα−オレフィン単位の合計の含有率は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、90〜100質量%が好ましく、95〜99質量%がより好ましい。エチレン単位とα−オレフィン単位の合計の含有率が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐傷付き性、耐衝撃性のバランスがさらに優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の質量平均分子量(Mw)は、30,000〜350,000が好ましく、50,000〜330,000がより好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の質量平均分子量(Mw)が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐傷付き性、耐衝撃性が優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の分子量分布(Mw/数平均分子量(Mn))は、1.0〜5.0が好ましく、1.9〜4.0がより好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐衝撃性が優れる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径は180〜550nmであり、200〜500nmであることが好ましい。
ここで、本発明における体積平均粒子径は、粒度分布測定器を用いて動的光散乱法により体積基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される値である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の体積平均粒子径が前記下限値未満であると、得られる成形品の耐衝撃性が低下することがあり、前記上限値を超えると、発色性が低下することがある。
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径が、そのままグラフト共重合体(A)または後述する熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径になることが、電子顕微鏡の画像解析によって確認されている。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率は1〜80質量%であり、2〜75質量%であることがより好ましい。ゲル含有率が前記下限値未満のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を得ることは実質的に困難である。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率が前記上限値を超えると、得られる成形品の発色性および耐衝撃性が低下することがある。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率は、下記の測定方法により求められる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の試料[E1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬して溶液を得る。次いで、前記溶液を200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[E2]の質量(g)を測定する。下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求める。
ゲル含有率(質量%)=[E2]/[E1]×100 ・・・(1)
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が、後述のオレフィン樹脂水性分散体(p)に含まれている場合には、オレフィン樹脂水性分散体(p)に希硫酸を添加してエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を凝固させ、得られた凝固粉を水洗し、乾燥する。乾燥した凝固粉をエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の試料[E1]とする。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の製造方法は、限定されない。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、通常、メタロセン触媒またはチーグラー・ナッタ触媒を用いてエチレンとα−オレフィンとを、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとを共重合することによって製造される。
メタロセン触媒としては、遷移金属(ジルコニウム、チタン、ハフニウム等)にシクロペンタジエニル骨格を有する有機化合物、ハロゲン原子等が配位したメタロセン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物等とを組み合わせた触媒が挙げられる。
チーグラー・ナッタ触媒としては、遷移金属(チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム等)のハロゲン化物と有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物等とを組み合わせた触媒が挙げられる。
重合方法としては、前記触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィンとを、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとを溶媒中で共重合させる方法が挙げられる。
溶媒としては、炭化水素溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)が挙げられる。炭化水素溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、原料のα−オレフィンを溶媒として用いてもよい。
エチレン、α−オレフィン、非共役ジエンそれぞれの供給量、水素等の分子量調節剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、圧力等の反応条件を変更することによって、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のエチレン単位の含有率、質量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を調整することができる。
また、乳化剤の種類または使用量、酸変性オレフィン重合体の種類または含有量、混練時に加えるせん断力、温度条件等を調整することにより、上記所望の体積平均粒子径のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を得ることができる。
グラフト共重合体(A)の製造において、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、そのままの状態で用いてもよいし、水性媒体に分散させた状態で用いてもよい。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)は、架橋構造を有することが好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が架橋構造を有することで、得られる成形品の耐衝撃性がより向上する。
なお、本明細書において、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を水性媒体に分散させたものを「オレフィン樹脂水性分散体(p)」という。また、架橋構造を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を特に「架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)」ともいう。また、架橋構造を有さないエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を特に「未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)」ともいう。
<オレフィン樹脂水性分散体(p)>
オレフィン樹脂水性分散体(p)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を水性媒体に分散させたものである。
オレフィン樹脂水性分散体(p)は、その他の成分として、乳化剤、酸変性オレフィン重合体等を含有してもよい。
水性媒体としては、水、水と混和する有機溶剤(以下、「水混和性有機溶剤」ともいう。)、およびこれらの混合物が挙げられる。水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類:アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類:ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル類:N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類等が挙げられる。
水性媒体としては、水のみを用いるか、または水と水混和性有機溶剤との混合物を用いることが好ましい。
乳化剤としては、公知のものが挙げられ、例えば、長鎖アルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(p)中の乳化剤の含有量は、得られる熱可塑性樹脂組成物の熱着色を抑制でき、オレフィン樹脂水性分散体(p)に分散しているエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の粒子径制御が容易である点から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
酸変性オレフィン重合体としては、質量平均分子量が1,000〜5,000のオレフィン重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)を、官能基を有する化合物(不飽和カルボン酸化合物等)で変性したものが挙げられる。不飽和カルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノアミド等が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(p)中の酸変性オレフィン重合体の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。酸変性オレフィン重合体の添加量が前記範囲内であれば、得られる成形品の耐傷付き性と耐衝撃性のバランスがさらに優れる。
オレフィン樹脂水性分散体(p)の調製方法は、限定されない。オレフィン樹脂水性分散体(p)の調製方法としては、例えば、(M1)公知の溶融混練手段(ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機等)でエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を溶融混練し、機械的せん断力を与えて分散させ、水性媒体に添加する方法:(M2)エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を炭化水素溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)に溶解し、水性媒体に添加して乳化させた後、十分に撹拌し、炭化水素溶媒を留去する方法等が挙げられる。
上記のオレフィン樹脂水性分散体(p)の調製の際に、その他の成分として前述の酸変性オレフィン重合体、乳化剤等を添加してもよい。
酸変性オレフィン重合体の添加方法は、限定されない。例えば、前記(M1)の方法において、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とを混合し、溶融混練する方法、前記(M2)の方法において、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とを炭化水素溶媒に溶解する方法等が挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体との混合方法は、限定されない。混合方法としては、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機等を用いた溶融混練法等が挙げられる。この場合、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とを混合する工程が、それらの混合物を溶融混練する工程を兼ねてもよい。
乳化剤の添加方法は、限定されない。例えば、酸変性オレフィン重合体の添加方法と同様の方法が挙げられる。また、前記(M1)または(M2)の方法において、水性媒体に乳化剤を添加する方法、前記(M2)の方法において、炭化水素溶媒に乳化剤を溶解する方法等が挙げられる。
オレフィン樹脂水性分散体(p)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径もまた180〜550nmであり、200〜500nmであることが好ましい。
オレフィン樹脂水性分散体(p)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が前記下限値未満であると、得られる成形品の耐衝撃性が低下することがあり、前記上限値を超えると、発色性が低下することがある。
なお、オレフィン樹脂水性分散体(p)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径が、そのままグラフト共重合体(A)または後述する熱可塑性樹脂組成物中のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径になることが、電子顕微鏡の画像解析によって確認されている。
オレフィン樹脂水性分散体(p)に分散しているエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の平均粒子径を制御する方法としては、乳化剤の種類または使用量、酸変性オレフィン重合体の種類または含有量、混練時に加えるせん断力、温度条件等を調整する方法が挙げられる。
<架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)>
架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)は、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)または未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)が水性媒体に分散したオレフィン樹脂水性分散体(p)を架橋処理することにより得られる。架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)が、オレフィン樹脂水性分散体(p)を架橋処理することにより得られた場合、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)は水性分散体として得られる。架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)の水性分散体のことを、「架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)」ということがある。
架橋処理の方法としては、(M3)有機過酸化物と、必要に応じて多官能性化合物とを添加して処理を行う方法:(M4)多官能性化合物を添加して架橋処理を行う方法:(M5)電離性放射線によって処理を行う方法等が挙げられる。前記架橋処理法のなかでも、得られる成形品の耐衝撃性および発色性がよい点から、(M3)、(M4)の方法が好ましく、(M3)の方法がより好ましい。
(M3)の方法としては、具体的には、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)またはこれが水性媒体に分散したオレフィン樹脂水性分散体(p)に、有機過酸化物と、必要に応じて多官能性化合物とを添加して加熱する方法等が挙げられる。
例えば、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)に、有機過酸化物と、必要に応じて多官能性化合物とを添加し、溶融混練し、粉砕すると、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)の粉体が得られる。また、オレフィン樹脂水性分散体(p)に、有機過酸化物と、必要に応じて多官能性化合物とを添加して処理すると、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)を含む架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)が得られる。
加熱温度は、有機過酸化物の種類によって異なる。加熱温度は、有機過酸化物の10時間半減期温度の−5℃〜+30℃が好ましい。加熱時間は、3〜15時間が好ましい。
有機過酸化物は、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)に架橋構造を形成させるためのものである。有機過酸化物としては、例えば、ペルオキシエステル化合物、ペルオキシケタール化合物、ジアルキルペルオキシド化合物等が挙げられる。有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機過酸化物としては、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率を調整しやすい点から、ジアルキルペルオキシド化合物が特に好ましい。
ジアルキルペルオキシド化合物の具体例としては、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率を1〜80質量%に調整しやすいことから、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して5.0質量部以下が好ましく、0.1〜4.5質量部がより好ましい。
多官能性化合物は、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率を調整するために、単独で用いられるもの、または必要に応じて有機過酸化物と併用されるものである。
多官能性化合物としては、ジビニルベンゼン、1,7−オクタジエンメタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。多官能性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性化合物の添加量は、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率を1〜80質量%に調整しやすいことから、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を処理して架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)を得る場合、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)に酸変性オレフィン重合体が添加されてもよい。
酸変性オレフィン重合体は、オレフィン樹脂水性分散体(p)の説明で挙げたものと同様のものを用いることができる。酸変性オレフィン重合体の添加量は、オレフィン樹脂水性分散体(p)中の酸変性オレフィン重合体の含有量と同様に、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。
酸変性オレフィン重合体の添加方法は、限定されない。未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とを混合した後に処理をしてもよいし、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体とをそれぞれ処理した後に混合してもよい。
未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)と酸変性オレフィン重合体との混合方法は、限定されない。混合方法としては、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機等を用いた溶融混練法等が挙げられる。
なお、オレフィン樹脂水性分散体(p)を有機過酸化物によって架橋処理した場合、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)における架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)の体積平均粒子径は、未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径と同等である。
また、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)を構成する架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)の平均粒子径が、そのままグラフト共重合体(A)または後述する熱可塑性樹脂組成物中の架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)の平均粒子径になることが、電子顕微鏡の画像解析によって確認されている。
架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)についてもゲル含有率は1〜80質量%であるが、好ましくは20〜30質量%である。ゲル含有率が前記下限値未満の架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)を得ることは実質的に困難である。架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率が前記上限値を超えると、得られる成形品の発色性が低下することがある。
架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)のゲル含有率の測定方法は、前述のエチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率の測定方法と同じである。
<ビニル系単量体成分(m1)>
本発明のグラフト共重合体(A)を得る際に使用するビニル系単量体成分(m1)は、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる群より1種以上の単量体を含む。ビニル系単量体成分(m1)は、必要に応じて、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体以外のビニル系単量体(他のビニル系単量体)を含んでいてもよい。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−またはp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性、得られる成形品の発色性、耐衝撃性の点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニル化合物の含有率は、ビニル系単量体成分(m1)100質量%中60〜85質量%が好ましく、62〜80質量%がより好ましい。芳香族ビニル化合物の含有率が前記範囲内であれば、得られる成形品の発色性、耐衝撃性がさらに優れる。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シアン化ビニル系単量体の含有率は、ビニル系単量体成分(m1)100質量%中15〜40質量%が好ましく、20〜38質量%がより好ましい。シアン化ビニル系単量体の含有率が前記範囲内であれば、得られる成形品の発色性、耐衝撃性がさらに優れる。
他のビニル系単量体としては、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等)が挙げられる。他のビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<グラフト共重合体(A)の製造方法>
グラフト共重合体(A)の製造方法としては、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を含むビニル系単量体成分(m1)を重合する方法が挙げられる。
前述の通り、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)はオレフィン樹脂水性分散体(p)に含まれるものでもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)である場合には、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)は架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)に含まれるものでもよい。
グラフト共重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)40〜80質量%の存在下に、ビニル系単量体成分(m1)20〜60質量%(ただし、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)とビニル系単量体成分(m1)の合計は100質量%)を重合して得られたものが好ましい。グラフト共重合体(A)におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の含有割合が40〜80質量%であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がさらに向上する。
グラフト共重合体(A)のグラフト率は、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより優れることから、20〜100%が好ましく、25〜100%がより好ましい。グラフト共重合体(A)の測定方法は、後掲の実施例の項に示す通りである。
ビニル系単量体成分(m1)の重合方法としては、公知の重合方法(乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等)が挙げられる。
乳化重合法によるグラフト共重合体(A)の製造方法としては、例えば、ビニル系単量体成分(m1)に有機過酸化物を混合したものを、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の水性分散体に対して連続的に添加する方法が挙げられる。
有機過酸化物は、有機過酸化物と遷移金属と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤として用いるのが好ましい。
また、上記重合の際には、連鎖移動剤、乳化剤等を状況に応じて用いてもよい。
レドックス系開始剤としては、重合反応条件を高温下にする必要がなく、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の劣化等を避け、成形品の耐衝撃性の低下を回避できる点から、有機過酸化物と硫酸第一鉄−キレート剤−還元剤を組み合わせたものが好ましい。
有機過酸化物としては、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
レドックス系開始剤としては、クメンヒドロペルオキシドと、硫酸第一鉄と、ピロリン酸ナトリウムと、フルクトースとからなるものがより好ましい。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類(オクチルメルカプタン、n−またはt−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−またはt−テトラデシルメルカプタン等)、アリル化合物(アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸、これらのナトリウム塩等)、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、分子量を調整することが容易な点から、メルカプタン類が好ましい。連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
連鎖移動剤の添加量は、ビニル系単量体成分(m1)100質量部に対して2.0質量部以下が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系塩、脂肪酸塩、アミノ酸誘導体塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部にカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を有し、カチオン部にアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有するものが挙げられる。
乳化剤の添加量は、ビニル系単量体成分(m1)100質量部に対して10質量部以下が好ましい。
乳化重合法によって得られるグラフト共重合体(A)は、水性媒体中に分散した状態である。
グラフト共重合体(A)を含む水性分散体からグラフト共重合体(A)を回収する方法としては、例えば、水性分散体に析出剤を添加し、加熱、撹拌した後、析出剤を分離し、析出したグラフト共重合体(A)を水洗、脱水、乾燥する析出法が挙げられる。
析出剤としては、例えば、硫酸、酢酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の水溶液が挙げられる。析出剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト共重合体(A)を含む水性分散体には、必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。
[共重合体(B)]
本発明の共重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体を重合して得られる共重合体(B)であって、共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%であり、共重合体(B)に含まれる不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位がマレイン酸無水物単位であるものである。
本発明の共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル系単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル系単量体、およびメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはメチルメタクリレート単位である。これら(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位としては、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アコニット酸無水物などの各無水物単量体に由来する単位が挙げられる。これら不飽和ジカルボン酸無水物単量体は1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。これらの中でも好ましくはマレイン酸無水物単位である。
本発明の共重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単位と不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%中に、芳香族ビニル系単量体単位を40〜68質量%含み、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を20〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を8〜20質量%含む。より好ましくは芳香族ビニル系単量体単位50〜68質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位22〜28質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜18質量%である。
芳香族ビニル系単量体単位が68質量%以下であれば、熱可塑性樹脂組成物への耐熱性付与効果が向上する。(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が30質量%以下であれば、熱安定性が向上し、良好な外観を有する成形品が得られる。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が20質量%以下であれば、熱安定性が向上し、良好な外観を有する成形品が得られる。一方、芳香族ビニル系単量体単位が40質量%以上であれば、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性付与効果が向上する。(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が20質量%以上であれば、熱安定性が向上し、良好な外観を有する成形品が得られる。また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が8質量%以上であれば、熱安定性が向上し、良好な外観を有する成形品が得られる。
本発明の共重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位以外の、共重合可能な他のビニル単量体単位を共重合体中に発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよく、その場合、共重合可能な他のビニル単量体単位の含有量は共重合体(B)100質量%中好ましくは5質量%以下である。共重合可能な他のビニル単量体単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体に由来する単位が挙げられる。共重合可能なビニル単量体の単位は、2種類以上の併用であってもよい。
本発明の共重合体(B)は、質量平均分子量(Mw)が10万〜20万であることが好ましく、より好ましい質量平均分子量(Mw)は12万〜18万である。質量平均分子量(Mw)が大きすぎると、熱可塑性樹脂組成物の成形性や、得られる成形品の外観が劣る場合があり、質量平均分子量(Mw)が小さすぎると、成形性や、成形品の強度に劣る場合がある。
ここで、共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
本発明の共重合体(B)の製造方法について以下に説明する。
本発明の共重合体(B)を製造する際の重合様式においては特に限定はなく、溶液重合、塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合がより好ましい。溶液重合で用いる溶剤は、副生成物が出来難く、悪影響が少ないという観点から非重合性であることが好ましい。溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられるが、単量体や共重合体の溶解度、溶剤回収のし易さの観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
溶剤の添加量は、得られる共重合体(B)100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量部である。溶剤の添加量が10質量部以上であれば、反応速度および重合液粘度を制御する上で好適であり、100質量部以下であれば、所望の質量平均分子量(Mw)を得る上で好適である。
重合方法は特に限定されないが、簡潔プロセスによって生産性良く製造することが可能であるという観点から、好ましくはラジカル重合法である。
重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等の公知のアゾ化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種以上を併用することも出来る。これらの中でも10時間半減期温度が、70〜110℃である有機過酸化物を用いるのが好ましい。
共重合体(B)の重合の際、共重合組成分布が小さくなるように重合することが好ましい。即ち、芳香族ビニル系単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とは強い交互共重合性を有することから、芳香族ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合速度に対応するように不飽和ジカルボン酸無水物単量体を連続的に分添する方法が好適である。重合速度のコントロールについては、重合温度、重合時間、および重合開始剤の添加量とで調整することが出来る。重合開始剤を連続分添すると、より重合速度をコントロールし易くなるので好ましい。共重合組成分布を小さくすることで、耐熱性と強度のバランスに優れた共重合体(B)及び成形品を得ることができることから好ましい。
また、得られる共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)を好ましい範囲である10万〜20万とするには、重合温度、重合時間、および重合開始剤の添加量の調整に加えて、溶剤添加量および連鎖移動剤添加量を調整する方法が挙げられる。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。
重合反応液から本発明の共重合体(B)を回収する方法については、特に限定はなく、公知の脱揮技術を用いることが出来る。例えば、重合反応液を二軸脱揮押出機にギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤や未反応モノマー等を脱揮処理する方法が挙げられる。なお、重合溶剤や未反応モノマー等を含む脱揮成分は、コンデンサー等を用いて凝縮させて回収し、凝縮液を蒸留塔にて精製することで、重合溶剤は再利用することが可能である。
[グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の含有割合]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト共重合体(A)と本発明の共重合体(B)の合計100質量%に対してグラフト共重合体(A)を28〜48質量%、共重合体(B)を52〜72質量%含む。グラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを限定されたこの範囲で含むことにより、流動性に優れ、耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れる成形品を提供することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト共重合体(A)と本発明の共重合体(B)の合計100質量%に対してグラフト共重合体(A)を30〜46質量%、共重合体(B)を54〜70質量%含むことが好ましい。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト共重合体(A)の1種のみを含むものであってもよく、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の組成や物性、共重合成分等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。同様に本発明の共重合体(B)についても1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
[他の熱可塑性樹脂]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)以外の他の熱可塑性樹脂を含有してもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド等が挙げられる。他の熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、他の熱可塑性樹脂を含有する場合、本発明のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)を含有することによる効果を有効に得る上で、本発明の熱可塑性樹脂組成物中の全樹脂成分(通常は、本発明のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)と他の熱可塑性樹脂との合計)100質量%中の他の熱可塑性樹脂が80質量%以下、特に50質量%以下となるように含むことが好ましい。
[各種添加剤]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で各種添加剤を含有してもよい。各種添加剤としては、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料、染料、充填剤、シリコーンオイル、パラフィンオイル等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔成形品〕
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形方法によって成形加工して得られる。
成形方法としては、例えば、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、真空成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
成形品の用途としては、車両内装・外装部品、事務機器、家電、建材等が挙げられ、車両内装・外装部品が好適である。
特に本発明の熱可塑性樹脂組成物は流動性に優れ、得られる成形品の耐熱性、耐衝撃性、発色性、耐傷付き性に優れることから、車両内装・外装部品での使用に有効である。
以下、具体的に実施例を示す。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下に記載の「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
[測定・評価方法]
以下の実施例および比較例における各種測定および評価方法は、以下の通りである。
<質量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)>
GPC(GPC:Waters社製「GPC/V2000」、カラム:昭和電工株式会社製「Shodex AT−G+AT−806MS」)を用い、o−ジクロロベンゼン(145℃)を溶媒として、ポリスチレン換算での質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<酸価>
JIS K 2501に準拠して酸価を測定した。
<体積平均粒子径>
マイクロトラック(日機装株式会社製「ナノトラック150」、動的光散乱法)を用い、測定溶媒として純水を用いて体積平均粒子径(MV)を測定した。
<ゲル含有率>
エチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む分散体(オレフィン樹脂水性分散体(p)または架橋オレフィン樹脂水性分散体(q))に、希硫酸を添加してエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を凝固させた。これにより得られた凝固粉を水洗し、乾燥した。乾燥した凝固粉試料[E1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬して溶液を得た。次いで、前記溶液を200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[E2]の質量を測定した。下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求めた。
ゲル含有率(質量%)
=乾燥物質量[E2](g)/凝固粉試料質量[E1](g)×100 ・・・(1)
<グラフト率>
グラフト共重合体(A)1gを80mLのアセトンに添加し、65〜70℃にて3時間加熱還流し、得られた懸濁アセトン溶液を遠心分離機(日立工機株式会社製「CR21E」)にて14,000rpm、30分間遠心分離して、沈殿成分(アセトン不溶成分)とアセトン溶液(アセトン可溶成分)を分取した。そして、沈殿成分(アセトン不溶成分)を乾燥させてその質量(Y(g))を測定し、下記式(2)からグラフト率を算出した。なお、式(2)におけるYは、グラフト共重合体(A)のアセトン不溶成分の質量(g)、Xは、Yを求める際に用いたグラフト共重合体(A)の全質量(g)、ゴム分率は、グラフト共重合体(A)におけるエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の固形分の含有割合である。
グラフト率(%)={(Y−X×ゴム分率)/X×ゴム分率}×100 ・・・(2)
<溶融混練>
グラフト共重合体(A)と共重合体(B)を混合し、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100部に対して、カーボンブラック0.8部を混合して着色し、28mmφの真空ベント付き2軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX−28V」)で、シリンダー温度200〜260℃、93.325kPa真空にて溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得た。また、溶融混練後に、ペレタイザー(創研社製「SH型ペレタイザー」)を用いてペレット化を行った。
<物性評価用成形品(Ma1)の成形>
熱可塑性樹脂組成物を、射出成形にて100×100mm(厚さ3mm)の成形品(Ma1)とした。
<物性評価用成形品(Ma2)の成形>
熱可塑性樹脂組成物を、射出成形にて縦80mm、横10mm、厚さ4mmの成形品(Ma2)とした。
<流動性>
熱可塑性樹脂組成物について、ISO 1133規格に従い、230℃の条件でメルトボリュームレート(MVR)を測定した。
<耐熱性>
成形品(Ma1)について、ISO試験法75規格に準拠し、1.83MPa、4mm、フラットワイズ法で荷重たわみ温度(℃)を測定した。
<耐衝撃性>
成形品(Ma2)について、ISO 179規格に従い、23℃の条件でシャルピー衝撃試験(ノッチ付)を行い、シャルピー衝撃強度を測定した。
<発色性>
成形品(Ma1)について、分光測色計(コニカミノルタオプティプス社製「CM−3500d」)を用いて明度Lを、SCE方式にて測定した。こうして測定されたLを「L(ma)」とする。Lが低いほど黒色となり、発色性が良好である。
<耐傷付き性>
図1に示すように、先端部11が半球形に形成された棒状の治具10を用意し、先端部11に、洗車タオル(株式会社ジョイフル製洗車用タオル3p)12を被せた。成形品(Ma1)13の表面に対して、棒状の治具10が直角になるように、洗車タオル12が被せられた先端部11を接触させ、先端部11を成形品(Ma1)13の表面において水平方向(図中矢印方向)に摺動させ、1000回往復させた。その際、加える荷重は2kgとした。1000回往復させた後、傷を付けた成形品(Mc)の表面の明度Lを、分光測色計を用いて、SCE方式にて測定した。こうして測定されたLを「L(mc)」とする。
(耐傷付き性の判定)
成形品(Mc)の傷の目立ちやすさの判定指標ΔLを下記式(3)から算出した。ΔL(mc−ma)の絶対値が大きいほど傷が目立ちやすい。
ΔL(mc−ma)=L(mc)−L(ma)・・・(3)
[グラフト共重合体(A)の製造]
<オレフィン樹脂水性分散体(p−1)の製造>
未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製「NORDEL(ノーデル)IP 4725P」、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン単位含有量:70質量%)100部と、酸変性オレフィン重合体として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学株式会社製「三井ハイワックス 2203A」、質量平均分子量:2,700、酸価:30mg/g)25部と、アニオン系乳化剤としてオレイン酸カリウム6部とを混合した。
この混合物を2軸スクリュー押出機(株式会社池貝製「PCM30」、L/D=40)のホッパーから4kg/hで供給し、該2軸スクリュー押出機のベント部に設けた供給口より、水酸化カリウム0.6部とイオン交換水3.9部を混合した水溶液を連続的に供給しながら、220℃に加熱して溶融混練して押出した。溶融混練物を2軸スクリュー押出機の先端に取り付けた冷却装置に連続的に供給し、90℃まで冷却した。そして、2軸スクリュー押出機先端より吐出させた固体を、80℃の温水中に投入し、連続的に分散させて、固形分濃度40質量%付近まで希釈して、オレフィン樹脂水性分散体(p−1)を得た。オレフィン樹脂水性分散体(p−1)に分散している未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)のゲル含有率と体積平均粒子径を表1に示す。
<オレフィン樹脂水性分散体(p−2)〜(p−5)の調製>
表1に示すように、乳化する際の水酸化カリウムの添加部数、イオン交換水の添加部数を変更した以外は、オレフィン樹脂水性分散体(p−1)と同様にして、オレフィン樹脂水性分散体(p−2)〜(p−5)を得た。
各オレフィン樹脂水性分散体(p−2)〜(p−5)に分散している未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)のゲル含有率と体積平均粒子径を表1に示す。
Figure 2019147867
<架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)の製造>
オレフィン樹脂水性分散体(p−1)(未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)の固形分として100部)に固形分濃度が30%になるようにイオン交換水を加え、有機過酸化物としてt−ブチルクミルペルオキシド1部、多官能性化合物としてジビニルベンゼン1部を添加し、130℃で5時間反応させた。これにより未架橋のエチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)を架橋させて、架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac−1)を含む架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)を調製した。架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)に含まれる架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac−1)のゲル含有率と体積平均粒子径を表2に示す。
<架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−2)〜(q−8)の製造>
表2に示すようにオレフィン樹脂水性分散体(p)の種類とt−ブチルクミルペルオキシドの添加量を変更した以外は、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)と同様にして、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−2)〜(q−8)の水性分散体を得た。架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−2)〜(q−8)に含まれる架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac−2)〜(ac−8)のゲル含有率と体積平均粒子径を表2に示す。
なお、表2に示すオレフィン樹脂水性分散体(p)の添加量(部)は固形分量である。
Figure 2019147867
<グラフト共重合体(A−1)の製造>
撹拌機付きステンレス重合槽に、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)(架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac−1)の固形分として70部)を入れ、架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)に固形分濃度が30%になるようにイオン交換水を加え、硫酸第一鉄0.006部、ピロリン酸ナトリウム0.3部およびフルクトース0.35部を仕込み、温度を80℃とした。前記重合槽に、スチレン22.5部、アクリロニトリル7.5部およびクメンハイドロペルオキシド0.6部を150分間連続的に添加し、重合温度を80℃に保って乳化重合した。これにより、平均粒子径150nmのグラフト共重合体(A−1)を含む水性分散体を得た。グラフト共重合体(A−1)を含む水性分散体に酸化防止剤を添加し、硫酸を添加して固形分を析出し、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉状のグラフト共重合体(A−1)を得た。
グラフト共重合体(A−1)のグラフト率を測定したところ29%であった。また、電子顕微鏡により、熱可塑性樹脂組成物中の架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac−1)の平均粒子径を確認したところ、150nmであった。
<グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)の製造>
表3に示すように架橋オレフィン樹脂水性分散体(q)の種類を変更した以外は、グラフト共重合体(A−1)と同様にして、グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)を得た。グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)のグラフト率を表3に示す。
<グラフト共重合体(A−9)の製造>
架橋オレフィン樹脂水性分散体(q−1)の代りにオレフィン樹脂水性分散体(p−3)を用いた以外は、グラフト共重合体(A−1)と同様にして、グラフト共重合体(A−9)を得た。グラフト共重合体(A−9)のグラフト率を表3に示す。
Figure 2019147867
[共重合体(B)]
<共重合体(B−1)>
共重合体(B−1)としてデンカ株式会社製レジスファイR−100(スチレン単位65質量%、メタクリル酸メチル単位25質量%、マレイン酸無水物単位11質量%)を使用した。
<共重合体(B−2)>
共重合体(B−2)としてデンカ株式会社製レジスファイR−200(スチレン単位58質量%、メタクリル酸メチル単位26質量%、マレイン酸無水物単位17質量%)を使用した。
<共重合体(B−3)>
共重合体(B−3)としてデンカ株式会社製レジスファイR−310(スチレン単位71質量%、メタクリル酸メチル単位10質量%、マレイン酸無水物単位19質量%)を使用した。
<製造例4:共重合体(B−4)の製造>
マレイン酸無水物が20%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた
20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンで希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液8kg、スチレン0.8kg、メチルメタクレリレート17.6kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを10g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.5kg/時の分添速度を維持しながら、16℃/時の昇温速度で2時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で20kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は公知の方法を用いて、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理を行い、ペレット形状の共重合体(B−4)を得た。得られた共重合体(B−4)を13C−NMR法により組成分析を行ったところ、スチレン単位24質量%、メタクリル酸メチル単位63質量%、マレイン酸無水物単位13質量%であった。
<製造例5:共重合体(B−5)の製造>
耐圧反応容器に蒸留水150部と、N−フェニルマレイミド20部、スチレン50部およびメタクリル酸メチル30部の混合物と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2部、n−オクチルメルカプタン0.25部、ポリビニルアルコール0.7部を仕込み、内温を75℃まで昇温し、3時間反応を行った。その後、90℃まで昇温し、60分間保持することで反応を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させて共重合体(B−5)を得た。
[実施例1]
グラフト共重合体(A−2)36部、共重合体(B−1)64部、カーボンブラック0.8部を混合し、28mmφの真空ベント付き2軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX−28V」)で、シリンダー温度200〜260℃、93.325kPa真空にて溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得た。
熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、各種成形品を成形して流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性を評価した。結果を表4に示す。
[実施例2〜9]
表4に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製した。
熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、各種成形品を成形し流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性を評価した。結果を表4に示す。
[比較例1〜10]
表5に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製した。
熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、各種成形品を成形し流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2019147867
Figure 2019147867
実施例1〜9の熱可塑性樹脂組成物は流動性に優れ、得られた成形品は流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性に優れていた。
したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いると流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性に優れた成形品が得られ、車両内装・外装部品、事務機器、家電、建材等の用途に適用できることがわかる。
一方、比較例1〜10の結果から、本発明以外のものは流動性、耐衝撃性、発色性、耐熱性、耐傷付き性のいずれかが不充分であった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、車両内装・外装部品、事務機器、家電、建材等として有用である。
10 治具
11 先端部
12 洗車タオル
13 成形品(Ma1)

Claims (5)

  1. 以下のグラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを含有し、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量%に対して、グラフト共重合体(A)の含有量が28〜48質量%、共重合体(B)が52〜72質量%である熱可塑性樹脂組成物。
    グラフト共重合体(A):エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を含むビニル系単量体成分(m1)を重合することにより得られるグラフト共重合体であり、
    該グラフト共重合体(A)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(a)の体積平均粒子径が180nm〜550nm、下記測定方法によって測定されるゲル含有率が1〜80質量%であるグラフト共重合体(A)
    <ゲル含有率の測定方法>
    エチレン・α−オレフィン共重合体(a)の試料[E1]0.5gを、200mL、110℃のトルエン中に5時間浸漬して溶液を得る。次いで、前記溶液を200メッシュ金網にて濾過し、残渣を乾燥し、その乾燥物[E2]の質量(g)を測定する。下記式(1)から、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のゲル含有率を求める。
    ゲル含有率(質量%)=[E2]/[E1]×100 ・・・(1)
    共重合体(B):芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体を重合して得られる共重合体であり、
    該共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%である共重合体(B)
  2. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)のエチレン単位の含有率が45〜80質量%で、エチレン単位とα−オレフィン単位の合計の含有率が90〜100質量%であり、
    前記ビニル系単量体成分(m1)100質量%中の芳香族ビニル系単量体の含有率が60〜80質量%で、シアン化ビニル系単量体の含有率が15〜40質量%であり、
    前記グラフト共重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)40〜80質量%の存在下に、ビニル系単量体成分(m1)20〜60質量%を重合することにより得られ(ただし、エチレン・α−オレフィン共重合体(a)とビニル系単量体成分(m1)の合計は100質量%)、グラフト率が20〜100%である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(a)が架橋処理した架橋エチレン・α−オレフィン共重合体(ac)である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記共重合体(B)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、及び不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の合計100質量%に対して、芳香族ビニル系単量体単位の含有量が40〜68質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の含有量が20〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位の含有量が8〜20質量%で、該共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)が10万〜20万である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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