JP2019147295A - 被覆木材 - Google Patents

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昌紀 島田
Masanori Shimada
昌紀 島田
博 森武
Hiroshi Moritake
博 森武
山内 秀文
Hidefumi Yamauchi
秀文 山内
幸司 足立
Koji Adachi
幸司 足立
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Sekisui Chemical Co Ltd
Akita Prefectural University
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】被覆層の厚みを容易に調整することができ、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材を提供する。【解決手段】木材本体と、該木材本体の外周面を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層は、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有し、前記被覆層の厚みが0.8mm以上5.0mm以下である被覆木材。【選択図】図1

Description

本発明は、被覆層の厚みを容易に調整することができ、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材に関する。
日本の家屋等の建造物は木材で製作されていることが多いが、高温多湿の環境では、腐朽菌によって木材が経年劣化しやすく、建造物を長く維持することが困難である。
腐朽菌による木材の経年劣化を抑制するため、従来は木材に薬剤を加圧注入する方法が用いられてきたが、効果が充分でなかったり、加圧釜を用いて作業をする必要があるために作業が煩雑であったり、経時的に薬剤が流れ出すことで効果が持続し難かったりするという問題があった。
また、樹脂製の人工木材等も検討されたが、これらの製品の場合、軽量で腐食は生じないものの、製品コストが高いため、使用用途が限られていた。
そこで、木材の経年劣化を抑制する他の方法として、木材を塗装やラッピングにより被覆する方法が検討されており、例えば、特許文献1には、シュリンクラッピングによりフィルムを被覆したシート被覆木材が開示されている。しかしながら、外部からの衝撃や擦れが懸念される屋外用途で用いるためにはより厚みがある被覆層を形成する必要があり、これらの被覆方法では一度に厚い被覆層を形成することが困難である。例えば、塗装によって被覆する方法では、被覆層を厚くするために非常に高粘度で作業性が悪い樹脂を使用する必要があり、ラッピングにより被覆する方法において厚みのあるフィルムを用いた場合は、シュリンク等の作業が困難となるという問題があった。
特開2017−128025号公報
本発明は、被覆層の厚みを容易に調整することができ、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材を提供することを目的とする。
本発明は、木材本体と、該木材本体の外周面を被覆する被覆層とを有し、上記被覆層は、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有し、上記被覆層の厚みが0.8mm以上5.0mm以下である被覆木材である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、木材を被覆する被覆層を、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有する繊維層とすることにより、被覆層の厚みを好適な範囲に調整することが容易となり、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(被覆木材)
本発明の被覆木材は、屋外の建造物の構成材として用いられることが好ましい。
図1は、本発明の被覆木材の断面を示す模式図である。図1に示したように、本発明の被覆木材1は、木材本体2と、該木材本体2の外周面を被覆する被覆層3とを有する。上記被覆層3は、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有し、上記被覆層3の厚みは、0.8mm以上5.0mm以下である。
以下、本発明の被覆木材を構成する構成要件について説明する。
(木材本体)
本発明の被覆木材に用いる木材本体は、単板であってもよいし、集成材(寄木)や合板であってもよい。なかでも、木質材料の積層接着体であることが好ましい。
本発明では、特に、サイズが大きくなるため、薬剤の注入、塗装、ラッピングといった方法が困難となるCross Laminated Timber(CLT:直交集成板)であっても、全体に好適な厚みを有する被覆層を容易に形成することができる。
上記木材本体の大きさは特に限定されず、本発明では、木材本体の大きさに合わせて被覆層を形成することができる。
(被覆層)
上記木材本体の外周面を被覆する被覆層は、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有する。上記被覆層としてこのような繊維材料を有するため、本発明の被覆木材は、被覆層の厚みを容易に後述する範囲とすることができる。上記被覆層は、上記木材本体の外周面全て(全面)を被覆することが好ましい。
上記被覆層の厚みの下限は0.8mm、上限は5.0mmである。上記被覆層の厚みが0.8mm未満であると、水密性の維持が困難となって木材本体に腐食が生じやすくなる。上記被覆層の厚みが5.0mmを超えると、含浸した硬化性樹脂組成物の保持が困難となって硬化前に液だれ等の弊害が生じる。上記被覆層の厚みの好ましい下限は1.0mm、好ましい上限は4.0mm、より好ましい上限は2.5mmである。
(硬化性樹脂組成物)
(硬化性樹脂)
上記硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
上記硬化性樹脂としては、具体的には例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
上記不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、オルソフタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、ビスフェノール系樹脂、プロピレングリコール−マレイン酸系樹脂、低スチレン揮発性不飽和ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂を添加した低収縮性不飽和ポリエステル樹脂、反応性タイプ又は添加タイプの難燃性不飽和ポリエステル樹脂、強靭性(高強度、高弾性率、高伸び率)の強靭性不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記低スチレン揮発性不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン又はその誘導体を不飽和ポリエステルに導入して低分子量化した樹脂や、被膜形成性のワックスコンパウンドを不飽和ポリエステルに添加した樹脂等が挙げられる。
上記低収縮性不飽和ポリエステル樹脂に添加されている熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、飽和ポリエステル等が挙げられる。
上記反応性タイプの難燃性不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステルを直接Brでブロム化する、不飽和ポリエステルをヘット酸やジブロムネオペンチルグリコールと共重合する等した樹脂等が挙げられる。
上記添加タイプの難燃性不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステルに添加剤としてハロゲン化物と三酸化アンチモン、燐化合物等との組み合わせや、水酸化アルミニウム等を添加した樹脂等が挙げられる。
上記ハロゲン化物としては、例えば、塩素化パラフィン、テトラブロムビスフェノール等が挙げられる。
上記強靭性不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂を、ポリウレタンやシリコーンとハイブリッド化、又は、IPN(Interpenetrating Polymer Networks)化した樹脂等が挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、アクリル系モノマー及び/又はメタクリル系モノマーを原料として製造した各種のホモポリマーやコポリマー等が挙げられる。
上記アクリル樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、アクリペットMD、VH、MF、V(三菱レイヨン社製)、ハイパールM−4003、M−4005、M−4006、M−4202、M−5000、M−5001、M−4501(根上工業社製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(三菱ケミカル社製)等が挙げられる。これらの中から好ましいものを適宜選択することができる。
上記ビニルエステル樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ディックライト(DIC社製)、ポリセット(日立化成社製)、プロミネート(武田薬品工業社製)、リポキシ(昭和電工社製)、ネオポール(日本ユピカ社製)等が挙げられる。
上記アルキド樹脂としては、例えば、多塩基酸と多価アルコールに、更に、油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂等が挙げられる。
上記アルキド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、アルキディア(DIC社製)、テスラック(日立化成社製)等が挙げられる。
上記アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、グリコールウリル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ化合物を、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等のアミン化合物と反応させて得られる樹脂や、更に、これらを有機酸又は無機酸で中和して水系樹脂としたものや、上記エポキシ化合物の存在下で、高酸価アクリル化合物をラジカル重合した後、アンモニアやアミン化合物等で中和して水系樹脂としたもの等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させ、その後に更に鎖伸長剤によって鎖伸長して得られるもの等が挙げられる。
上記ポリオール化合物としては、1分子当たり2個以上の水酸基を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ビスフェノールヒドロキシプロピルエーテル等のポリエーテルポリオールや、ポリエステルアミドポリオールや、アクリルポリオールや、ポリウレタンポリオールや、これらの混合物等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、1分子当たり2個以上のイソシアネート基を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネートや、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネートや、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネートや、これらの混合物等が挙げられる。
上記鎖伸長剤としては、分子内に1個以上の活性水素を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミンや、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミンや、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミンや、ヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン類や、ヒドロキシエチルジエチレントリアミン、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール、3−アミノプロパンジオール等のアルカノールアミン等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、レゾルシノール、クレゾール、ビスフェノールA、パラキシリレンジメチルエーテル等の芳香族化合物とホルムアルデヒドとを反応触媒の存在下で付加反応させたメチロール化フェノール樹脂等のフェノール樹脂を、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等のアミン化合物類と反応させて得られる樹脂等や、更に、これらを有機酸又は無機酸で中和して水系樹脂としたもの等が挙げられる。
上記シリコーン樹脂としては、例えば、珪素含有アクリル系モノマーと、該珪素含有アクリル系モノマーと共重合可能なアクリル系モノマーや、該アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマー等とをラジカル共重合させて得られる樹脂や、シロキサン結合を主骨格として有するポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記シリコーン樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、カネカゼムラックYC−4805(カネカ社製、固形分50質量%)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化剤、硬化遅延材、増粘剤、希釈剤、レベリング剤、耐候性向上剤、防腐剤等の添加剤を含有してもよい。
(硬化剤)
上記硬化剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化物系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等が挙げられる。
上記過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化2−クロロベンゾイル、過酸化3−クロロベンゾイル、過酸化4−クロロベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化4−ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過ギ酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過4−メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記硬化性樹脂組成物100質量部中における上記硬化剤の含有量の好ましい下限は0.2質量部、好ましい上限は2.0質量部である。上記硬化剤の含有量がこの範囲であることにより、硬化不良を抑制しつつ、充分な作業時間を確保することが容易となる。上記硬化剤の含有量のより好ましい下限は0.5質量部、より好ましい上限は1.0質量部である。
(繊維材料)
上記繊維材料としては、不織布や織布を用いることができる。なかでも、上記硬化性樹脂組成物の含浸性の観点から不織布が好ましい。一方、織布を用いた場合は、被覆層による木材本体の補強が可能となる。
上記繊維材料を構成する繊維としては、例えば、無機繊維、有機合成繊維、天然繊維等が挙げられる。
上記無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。
上記有機合成繊維としては、例えば、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ビニル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、アセテート繊維等が挙げられる。
上記天然繊維としては、例えば、麻、竹等が挙げられる。
(含浸硬化方法)
上記被覆層は、上記硬化性樹脂組成物を上記繊維材料に含浸硬化させることによって好適に得ることができる。
上記硬化性樹脂組成物を上記繊維材料に含浸硬化させる方法としては、例えば、ハンドレイアップ成形、スプレーアップ成形、RTM成形等の方法が挙げられる。
上記ハンドレイアップ成形とは、ローラー等により樹脂組成物を型に塗りつける成形方法のことである。
上記スプレーアップ成形とは、圧縮空気を用いて樹脂組成物を霧状にして型に吹き付ける成形方法のことである。
上記RTM成形とは、Resin Transfer Molding成形の略であり、ガラスマットを型内に挿入し、型を閉じてから樹脂組成物を注入し、型内で常温硬化させる成形方法のことである。
本発明の被覆木材は、いずれの成形方法によっても得ることが可能である。
本発明によれば、被覆層の厚みを容易に調整することができ、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材を提供することができる。
図1は、本発明の被覆木材の断面を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
繊維材料としてガラス繊維を用いた不織布からなるチョップストランドマット(日東紡社製、「MC450N」)を、配置する面と同じサイズになるように裁断し、杉無垢角板(100×100×5mm)の表面(1面)にタッカーにて1層を仮固定した。その後、ビニルエステル樹脂(ジャパンコンポジット社製、「プロミネートP310」)に硬化剤としてメチルエチルケトンペルオキシドを1質量%配合した硬化性樹脂組成物を、ローラーにて繊維材料に1kg/m含浸させた後、室温にて硬化性樹脂組成物を硬化させた。杉無垢角板の残る5面にも同様の処理を施すことにより、被覆木材を得た。ノギスを用いて測定した結果、得られた被覆木材の被覆層の厚みは1mmであった。
(比較例1)
被覆層を有さない杉無垢角板(100×100×5mm)を用意した。
(比較例2)
杉無垢角板(100×100×5mm)の表面(1面)に、アクリル・ウレタン樹脂(アサヒペン社製、「水性ウッドガード外部用」)を、ローラーにて塗布した後、室温にて硬化性樹脂組成物を硬化させる操作を3回行った。杉無垢角板の残る5面にも同様の処理を施すことにより、被覆木材を得た。ノギスを用いて測定した結果、得られた被覆木材の被覆層の厚みは0.2mmであった。
<評価>
実施例1及び比較例2で得られた各被覆木材、並びに、比較例1で用意した杉無垢角板について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(耐摩耗性)
実施例1及び比較例2で得られた各被覆木材について、JIS K 7204「プラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法」に準拠して、H−18の摩耗輪を用い、荷重1kgの条件で500回転毎に摩耗度を確認し、摩耗輪が下地の木材本体に達する前の回転数を測定した。なお、試験は5000回転を超えたところで終了したため、5000回転でも摩耗輪が下地の木材本体に達しなかった場合は「5000回転以上」とした。
(水密性)
10Lの水の入った20m容の水槽を用意し、実施例1及び比較例2で得られた各被覆木材、並びに、比較例1で用意した杉無垢角板を該水中に浸漬させた。被覆木材又は杉無垢角板を水中に浸漬させてから30分間目視にて観察し、気泡の発生が確認されなかった場合を「○」、気泡の発生が確認された場合を「×」として水密性を評価した。
Figure 2019147295
本発明によれば、被覆層の厚みを容易に調整することができ、経年劣化を抑制する効果に優れる被覆木材を提供することができる。
1 被覆木材
2 木材本体
3 被覆層

Claims (4)

  1. 木材本体と、該木材本体の外周面を被覆する被覆層とを有し、
    前記被覆層は、硬化性樹脂組成物と繊維材料とを有し、
    前記被覆層の厚みが0.8mm以上5.0mm以下である
    ことを特徴とする被覆木材。
  2. 前記硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1記載の被覆木材。
  3. 前記繊維材料は、不織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の被覆木材。
  4. 前記木材本体は、木質材料の積層接着体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の被覆木材。
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