JP2019142367A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次電池が搭載されたハイブリッド車両において、ハイレート劣化抑制制御の実行に伴なう違和感の発生を抑制する。【解決手段】ECU100は、シフトレバーによりNレンジとは異なるレンジ(Pレンジ、Dレンジ)が選択された場合に、制御目標TAGとSOCとの差DIFが所定値よりも大きいときには、エンジン11を作動させてモータジェネレータ13に発電を行なわせるように構成されている。ECU100は、ハイレート劣化抑制制御を実行している場合に、Nレンジが選択されている期間に空調装置80の電力消費によりSOCが減少したときには、SOCが減少するに従って制御目標TAGを引き下げる。制御目標TAGの引き下げ量ΔTAGは、評価値ΣDによりバッテリ50の劣化が進行していると評価されるほど小さくなるように定められる。【選択図】図8
Description
本開示は、ハイブリッド車両に関し、特に、ハイブリッド車両に搭載される二次電池に生じるハイレート劣化を抑制するための制御技術に関する。
二次電池の充放電に伴ない二次電池の電解液に塩濃度の偏りが生じると、二次電池の内部抵抗が上昇する。この塩濃度の偏りに起因した内部抵抗の上昇は、二次電池を構成する材料の経年劣化と区別して「ハイレート劣化」等と称される。
二次電池では一般に、SOC(State Of Charge)が低い領域では、SOCが高い領域と比べて、負極の膨張・収縮が大きくなり、電池セル内の電解液が押し出されやすくなる。これにより、電池セル面内の塩濃度差が生じやすくなり、その結果、ハイレート劣化が促進されてしまう可能性がある。
特開2016−182022号公報(特許文献1)には、ハイレート劣化の度合いを示す評価値を算出し、評価値が予め定められた閾値を超えると、二次電池のSOCの制御目標を引き上げる制御が開示されている。これにより、ハイレート劣化が促進され得る低SOC領域において二次電池の充電が行なわれるのを回避することができるため、二次電池のハイレート劣化を確実に抑制することができる。
たとえば特許文献1に開示されているように、二次電池のSOCの制御目標を引き上げることによって二次電池のハイレート劣化を抑制する制御を以下では「ハイレート劣化抑制制御」とも称する(あるいは単に「劣化抑制制御」と略す場合もある)。
走行レンジを切り替えるシフトレバーを備えたハイブリッド車両において、ハイレート劣化抑制制御の実行中にニュートラルレンジ(Nレンジ)が選択された状態で、たとえば空調装置の駆動に伴ない二次電池の電力が消費され、二次電池のSOCが減少する場合がある。
その後、走行レンジが他のレンジ(たとえばパーキングレンジまたはドライブレンジ)に切り替えられた場合、それ以前のニュートラルレンジの期間中にSOCが減少した結果として、制御目標とSOCとの差が所定値よりも大きくなる場合がある。このような場合、SOCを制御目標に近付けるためにエンジンが作動されてモータによる発電が行なわれ得る。しかしながら、そのような制御が実行されると、走行レンジを切り替えただけなのにエンジンが作動されたとの違和感をユーザの与える可能性がある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、二次電池が搭載されたハイブリッド車両において、ハイレート劣化抑制制御の実行に伴なう違和感の発生を抑制することである。
本開示のある局面に従うハイブリッド車両は、走行レンジを切り替えるためのシフトレバーと、エンジンと、モータと、二次電池と、負荷と、制御装置とを備える。モータは、車両駆動力を発生させるとともにエンジンの作動による発電が可能に構成される。二次電池は、モータとの間で電力をやり取りする。負荷は、二次電池の電力を消費する。制御装置は、二次電池内の塩濃度の偏りに起因した二次電池の劣化の度合いを示す評価値を算出し、評価値により二次電池が劣化していると評価された場合に、二次電池のSOCの制御目標を引き上げることによってSOCを上昇させる劣化抑制制御を実行するように構成される。制御装置は、シフトレバーによりニュートラルレンジとは異なるレンジが選択された場合に、制御目標とSOCとの差が所定値よりも大きいときには、エンジンを作動させてモータに発電を行なわせるように構成されている。制御装置は、劣化抑制制御を実行している場合に、ニュートラルレンジが選択されている期間に負荷の電力消費によりSOCが減少したときには、SOCが減少するに従って制御目標を引き下げる。制御目標の引き下げ量は、評価値により二次電池の劣化が進行していると評価されるほど小さくなるように定められる。
上記構成によれば、ハイレート劣化抑制制御の実行中にニュートラルレンジが選択されている期間には、SOCの減少に伴い制御目標も引き下げられる。制御目標が引き下げられることにより、制御目標を維持する場合と比べて、ニュートラルレンジとは異なるレンジ(たとえばパーキングレンジやドライブレンジ)への走行レンジの切り替え時における制御目標とSOCとの差が小さくなる。そうすると、この差が所定値未満となる可能性が高くなるので、発電のためにエンジンが作動されにくくなる。その結果、ユーザの違和感を抑制することができる。
二次電池の劣化が進行しているほど、二次電池のさらなる劣化を抑制するために制御目標を引き上げる必要性が高い。したがって、二次電池の劣化が進行しているほど制御目標は小さくなるように定められる。これにより、制御目標が相対的に高く保たれるので、ハイレート劣化の進行抑制を実現することができる。
本開示によれば、二次電池が搭載されたハイブリッド車両において、ハイレート劣化抑制制御の実行に伴なう違和感の発生を抑制することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態]
<車両構成>
図1は、本開示の実施の形態に係るハイブリッド車両の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、車両1は、プラグインハイブリッド車両であって、車両駆動装置10と、伝達ギヤ20と、駆動軸30と、車輪40と、バッテリ50と、充電器60と、インレット70と、空調装置80と、レバー切替装置90と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。なお、車両1がプラグインハイブリッド車両であることは必須ではなく、通常のハイブリッド車両(車両外部からの電力供給ができるようには構成されていない車両)であってもよい。
<車両構成>
図1は、本開示の実施の形態に係るハイブリッド車両の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、車両1は、プラグインハイブリッド車両であって、車両駆動装置10と、伝達ギヤ20と、駆動軸30と、車輪40と、バッテリ50と、充電器60と、インレット70と、空調装置80と、レバー切替装置90と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。なお、車両1がプラグインハイブリッド車両であることは必須ではなく、通常のハイブリッド車両(車両外部からの電力供給ができるようには構成されていない車両)であってもよい。
車両駆動装置10は、車両駆動力を発生するとともに発電可能に構成される。具体的には、車両駆動装置10は、エンジン11と、動力分割装置12と、モータジェネレータ13,14と、電力変換器15,16とを含む。
エンジン11は、燃料の燃焼による熱エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。エンジン11の燃料としては、ガソリンや軽油、エタノール、液体水素、天然ガスなどの炭化水素系燃料、または、液体もしくは気体の水素燃料が好適である。
動力分割装置12は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構(図示せず)を含む。動力分割装置12は、エンジン11の駆動力を、モータジェネレータ13の回転軸に伝達される動力と、伝達ギヤ20に伝達される動力とに分割する。伝達ギヤ20は、車輪40を駆動するための駆動軸30に連結される。また、伝達ギヤ20は、モータジェネレータ14の回転軸にも連結される。
モータジェネレータ13,14は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ13は、動力分割装置12を経由してエンジン11により駆動される発電機として用いられるとともに、エンジン11を始動するための電動機としても用いられる。モータジェネレータ14は、主として電動機として動作し、駆動軸30を駆動する。一方で、車両の制動時や降坂走行時には、モータジェネレータ14は、発電機として動作して回生発電を行なう。なお、モータジェネレータ13,14の両方が本開示に係る「モータ」に相当する。しかし、本開示に係る「モータ」は、ハイブリッド車両の構成によっては1台のモータのみで構成されていてもよい。
電力変換器15は、ECU100から受ける制御信号に基づいて、モータジェネレータ13とバッテリ50との間で双方向の直流/交流電力変換を実行する。同様に、電力変換器16は、ECU100から受ける制御信号に基づいて、モータジェネレータ14とバッテリ50との間で双方向の直流/交流電力変換を実行する。これにより、モータジェネレータ13,14は、バッテリ50との間での電力の授受を伴なって、電動機として動作するための正トルクまたは発電機として動作するための負トルクを出力することができる。電力変換器15,16は、たとえばインバータ(図示せず)によって構成される。なお、バッテリ50と電力変換器15,16との間に、直流電圧変換のための昇圧コンバータ(図示せず)を配置してもよい。
バッテリ50は、再充電可能な二次電池であり、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池である。バッテリ50は、電力変換器15,16へ電力を供給する。また、バッテリ50は、モータジェネレータ13および/またはモータジェネレータ14の発電時に発電電力を受けて充電される。さらに、バッテリ50は、インレット70を通じて車両外部の電源(図示せず)から供給される電力を受けて充電され得る。
バッテリ50には、電圧センサ51と電流センサ52とが設けられている。電圧センサ51は、バッテリ50の電圧VBを検出し、その検出値をECU100へ出力する。電流センサ52は、バッテリ50に入出力される電流IBを検出し、その検出値をECU100へ出力する。なお、電流IBについては、バッテリ50からの出力(放電)を正値とし、バッテリ50への入力(充電)を負値とする。
バッテリ50の残存容量は、たとえば、バッテリ50の満充電状態に対する現在の蓄電量を百分率で表したSOCによって示される。SOCは、たとえば、電圧センサ51および/または電流センサ52の検出値に基づいて算出される。SOCは、ECU100で算出してもよいし、バッテリ50に別途設けられるECUで算出してもよい。
充電器60は、インレット70に電気的に接続される車両外部の電源(図示せず)からの電力をバッテリ50の電圧レベルに変換してバッテリ50へ出力する。以下、車両外部の電源を「外部電源」とも称し、外部電源によるバッテリ50の充電を「外部充電」とも称する。充電器60は、たとえば整流器やインバータを含んで構成される。なお、外部電源からの受電方法は、インレット70を用いた接触受電に限定されず、インレット70に代えて受電用コイル等を用いて外部電源から非接触で受電してもよい。
空調装置80は、ECU100からの制御信号に基づいて、車室(図示せず)内を空調する。空調装置80は、バッテリ50の電力を消費して、冷房要求を受けると車室内を冷房し、暖房要求を受けると車室内を暖房する。なお、空調装置80は、本開示に係る「負荷」に相当する。しかし、負荷は、バッテリ50の電力を消費する機器であれば特に限定されるものではなく、たとえば低温時にバッテリ50を昇温するための電気ヒータ等であってもよい。
レバー切替装置90には、ユーザが操作するためのシフトレバー(図示せず)とシフトゲートとが設けられている。このシフトゲートには、パーキング(P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置、およびシーケンシャルシフト(S)位置が形成されている。また、シフトゲートにはS位置を中立位置として、プラス(+)位置およびマイナス(−)位置が設けられている。ユーザが所望の位置へシフトレバーを変位させると、シフトポジションセンサ91は、シフトレバーの位置を検出し、その検出結果をECU100に出力する。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、車両1における各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU100による主要な制御として、ECU100は、車速と、アクセルペダルの操作量に応じたアクセル開度とに基づいて車両駆動トルク(要求値)を算出し、算出された車両駆動トルクに基づいて車両駆動パワー(要求値)を算出する。また、ECU100は、バッテリ50のSOCに基づいてバッテリ50の充電要求パワーをさらに算出し、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えたパワー(以下、「車両パワー」と称する)を発生するように車両駆動装置10を制御する。
ECU100は、車両パワーが小さいときは、エンジン11を停止させてモータジェネレータ14のみで走行(EV走行)するように車両駆動装置10を制御する。これにより、バッテリ50は放電し、バッテリ50のSOCは減少する。車両パワーが大きくなると、ECU100は、エンジン11を作動させて走行(HV走行)するように車両駆動装置10を制御する。このとき、エンジン11の出力が車両パワーよりも大きければバッテリ50は充電され、車両パワーの方がエンジン出力よりも大きければバッテリ50は放電する。
そして、ECU100は、HV走行を許容しつつもEV走行を主体的に行なうことによってバッテリ50のSOCを積極的に消費するモード(EVモード)と、HV走行とEV走行とを適宜切り替えることによってSOCを維持するモードとを選択的に適用して車両の走行を制御する。後者のモードについては、SOCが所定の下限まで低下するとSOCを下限に維持するモード(HVモード)と、ユーザの要求に従ってSOCを下限よりも高い状態に維持するモード(HVSモード)とを含む。各モードについては、後ほど詳しく説明する。
また、ECU100は、外部充電の実行中、インレット70に電気的に接続される外部電源から供給される電力をバッテリ50の電圧レベルに変換してバッテリ50へ出力するように充電器60を制御する。
さらに、ECU100は、バッテリ50の充放電に伴なうバッテリ50の塩濃度の継続的な偏りに起因したバッテリ50の劣化(ハイレート劣化)の度合いを示す評価値ΣDを算出する。評価値ΣDの算出方法については後ほど詳しく説明するが、この評価値は、バッテリ50が充電過多の使われ方をすることによって塩濃度の偏りが生じた場合には負の値を示し、バッテリ50が放電過多の使われ方をすることによって塩濃度の偏りが生じた場合には正の値を示す。
ハイレート劣化は、SOCが低い領域で電池が使用されると促進される特性を有する。これは、SOCが低い領域では、電池の負極の膨張・収縮が大きくなり、電池セル内の電解液が押し出されやすくなるので、電池セル面内の塩濃度差が生じやすくなるためと考えられる。そこで、評価値ΣDによりハイレート劣化が進行していると評価される場合に、SOCの制御目標を引き上げることによってSOCを上昇させることが考えられる。このようなSOC制御を「ハイレート劣化抑制制御」とも称する。以下、ハイレート劣化抑制制御について詳細に説明する。
<ハイレート劣化抑制制御>
図2は、バッテリ50のSOCの推移の一例を示した図である。図2では、横軸に経過時間が示され、縦軸にバッテリ50のSOCが示されている。図2を参照して、外部充電によりバッテリ50が満充電状態(SOC=MAX)となった後、時刻t0においてEVモードで走行が開始されたものとする。
図2は、バッテリ50のSOCの推移の一例を示した図である。図2では、横軸に経過時間が示され、縦軸にバッテリ50のSOCが示されている。図2を参照して、外部充電によりバッテリ50が満充電状態(SOC=MAX)となった後、時刻t0においてEVモードで走行が開始されたものとする。
EVモードは、バッテリ50のSOCを積極的に消費するモードであり、基本的には、バッテリ50に蓄えられた電力(主には外部充電による電気エネルギー)を消費するものである。EVモードでの走行時は、SOCを維持するためにはエンジン11は作動しない。具体的には、たとえば、EVモード中はバッテリ50の充電要求パワーが零に設定される。これにより、車両の減速時等に回収される回生電力やエンジン11の作動に伴ない発電される電力により一時的にSOCが増加することはあるものの、結果的に充電よりも放電の割合の方が相対的に大きくなり、全体としては走行距離の増加とともにSOCが減少する。
なお、EVモードにおいても、車両パワー(車両駆動パワー)がエンジン始動閾値を超えれば、エンジン11は作動する。また、車両パワーがエンジン始動閾値を超えていなくても、エンジン11や排気触媒の暖機時などエンジン11の作動が許容される場合もある。すなわち、EVモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。なお、このようなEVモードは、「CD(Charge Depleting)モード」と称されることもある。
時刻t3において、SOCが下限LLまで低下すると、EVモードからHVモードに制御モードが切り替えられる(時刻t1から時刻t2までのHVSモードについては後述)。HVモードは、SOCを下限LLに制御(維持)するモードである。具体的には、SOCが下限LLよりも低下するとエンジン11が作動し(HV走行)、SOCが上昇するとエンジン11が停止する(EV走行)。このように、HVモードでは、SOCを維持するためにエンジン11が作動する。
なお、HVモードにおいても、SOCが高くなればエンジン11は停止する。すなわち、HVモードは、エンジン11を常時作動させて走行するHV走行に限定されるものではなく、HVモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。
HVSモードは、ユーザの要求に従ってSOCを下限LLよりも高い状態に維持するモードである。この例では、時刻t1においてユーザの要求があり、要求が解除される時刻t2までSOCがユーザ要求時の値SC1(SC1>LL)に制御(維持)される。なお、HVSモードへの移行要求および解除は、たとえば、ユーザが操作可能な操作ボタンまたはスイッチ(図示せず)等により入力される。
HVSモードでは、SOCが値SC1よりも低下するとエンジン11が作動し(HV走行)、SOCが上昇するとエンジン11が停止する(EV走行)。このように、HVSモードでも、SOCを維持するためにエンジン11が作動する。SOCが維持されるHVモードおよびHVSモードは、纏めて「CS(Charge Sustain)モード」と称されることもある。
なお、HVSモードにおいても、HVモードと同様に、SOCが高くなればエンジン11は停止する。すなわち、HVSモードも、エンジン11を常時作動させて走行するHV走行に限定されるものではなく、HVSモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。
なお、EVモードにおけるエンジン始動閾値は、HVモードおよびHVSモードにおけるエンジン始動閾値よりも大きくするのが好ましい。すなわち、EVモードにおいて車両1がEV走行する領域は、HVモードおよびHVSモードにおいて車両1がEV走行する領域よりも大きいのが好ましい。これにより、EVモードにおいては、エンジン11が始動する頻度がさらに抑制され、EV走行の機会をさらに拡大することができる。
図3は、SOCと充電要求パワーとの関係を示した図である。SOCが維持されるHVモードおよびHVSモードにおいては、バッテリ50のSOCに基づいてバッテリ50の充電要求パワーが算出される。たとえば、図3に示されるように、SOC(算出値)と制御目標TAG(HVモードにおいては下限LL、HVSモードにおいては値SC1)との偏差に基づいて、バッテリ50の充放電要求パワーが決定される。そして、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えたパワー(車両パワー)を発生するように車両駆動装置10が制御される。これにより、HVモードにおいては、下限LLの近傍にSOCが制御され、HVSモードにおいては、値SC1の近傍にSOCが制御される。
時刻t4において、HVモードが選択されている場合に、ハイレート劣化の評価値ΣDによりハイレート劣化が進行しているものと評価されると、ハイレート劣化抑制制御が実行され、SOCの制御目標TAGが下限LLから所定値SC2(SC2>LL)に高められる。なお、一例として、下限LLがSOC20%程度に設定されるのに対し、所定値SC2はSOC50%程度に設定される。
図4は、ハイレート劣化の評価値ΣDとSOC目標との関係の一例を示した図である。図4を参照して、評価値ΣDが負値として増加し、時刻t11において、HVモードが選択されている場合に評価値ΣDが閾値TH(負値)に達すると、SOCの制御目標TAGが下限LLから値SC2に引き上げられる(図2および図3参照)。これにより、評価値ΣDの増加傾向(負方向への増加)が抑制される。なお、特に図示しないが、評価値ΣDの増加(負方向への増加)に応じて制御目標TAGを段階的に高めてもよい。
再び図2を参照して、時刻t5において外部充電が開始され、SOCが上昇する。時刻t6においてバッテリ50が満充電状態(SOC=MAX)に達すると、外部充電が終了する。そして、この実施の形態では、外部充電が実行されると、ハイレート劣化抑制制御が実行されていた場合には当該制御が非実行とされる。その後、時刻t6において、外部充電が終了し、ハイレート劣化抑制制御が非実行とされ、EVモードが選択される。
なお、この実施の形態では、HVSモードが選択されている場合に、評価値ΣDが閾値TH(負値)に達しても、ハイレート劣化抑制制御は実行されない。HVSモードが選択されている場合は、SOCが下限LLよりも高い状態に維持されるので、ハイレート劣化の進行が抑制される。また、HVSモードは、SOCを確保して後のEV走行を可能にしたい場合等に選択され得る。
<走行レンジの切り替え>
図5は、走行レンジの切り替え時におけるハイレート劣化抑制制御を説明するための図である。図5において、横軸は経過時間を示し、縦軸はバッテリ50のSOCを示している。ここでは、ハイレート劣化抑制制御の実行中に時刻tAにおいてNレンジが選択されたものとする。
図5は、走行レンジの切り替え時におけるハイレート劣化抑制制御を説明するための図である。図5において、横軸は経過時間を示し、縦軸はバッテリ50のSOCを示している。ここでは、ハイレート劣化抑制制御の実行中に時刻tAにおいてNレンジが選択されたものとする。
図5(A)には比較例が示されている。Nレンジが選択された状態で車両1が停車しており、空調装置80が駆動されている状況を想定する。このような状況下においては、時間経過とともに空調装置80が電力を消費することによってバッテリ50のSOCが減少する。
なお、車両1には、駆動軸30への駆動力の伝達を遮断するためのクラッチ機構が設けられていない(図1参照)。そのため、Nレンジが選択されている間、ECU100は、電力変換器16に含まれる各トランジスタ(図示せず)のゲート遮断を行なうことによって、駆動軸30への駆動力の伝達を防止している。
その後、時刻tBにおいて、ユーザ操作により走行レンジが他のレンジ(具体的にはPレンジまたはDレンジ)に切り替えられたものとする。この場合、Nレンジの期間中にSOCが減少した結果、制御目標TAGとSOC(図中、実SOCと示す)との差分DIF(=TAG−SOC)が所定値よりも大きくなっている場合がある。そうすると、ハイレート劣化抑制制御では、SOCを制御目標TAGに近付けるためにエンジン11が作動されてモータジェネレータ13による発電が行なわれ得る。しかしながら、そのような制御が実行されると、走行レンジを切り替えただけなのにエンジン11が作動したとの違和感をユーザに与える可能性がある。
そこで、本実施の形態では図5(B)に示すように、ハイレート劣化抑制制御の実行中にNレンジが選択されている場合、SOCの減少に伴い制御目標TAGも引き下げる構成を採用する(矢印参照)。より詳細には、Nレンジが選択されている間の実SOCの減少量に対して割合X[単位:%]だけ制御目標TAGも引き下げる。つまり、Nレンジが選択されている間の実SOCの減少量ΔSOCに対する制御目標TAGの減少量ΔTAGを割合X(=ΔTAG/ΔSOC)とする。
制御目標TAGが引き下げられることにより、比較例と比べて、走行レンジの切り替え時(時刻tB)における制御目標TAGとSOCとの差分DIFが小さくなる。そうすると、差分DIFが前述の所定値を下回る可能性が高くなり、モータジェネレータ13による発電を行なうためにエンジン11が作動されにくくなる。その結果、ユーザの違和感を抑制することができる。
割合Xは、評価値ΣDの絶対値が大きくなるほど低く設定される。評価値ΣDの絶対値が大きいことはバッテリ50のハイレート劣化が進行していることを意味しており、制御目標TAGを引き上げる必要性が高い。したがって、評価値ΣDの絶対値が大きいほど制御目標TAGの引き下げ量ΔTAGを小さく設定して制御目標TAGを高く保つことで、ハイレート劣化の進行抑制をユーザの違和感抑制よりも優先させる。
なお、図5(B)では、走行レンジが切り替えられる時刻tB以降、制御目標TAGが一定に維持される例が示されている。一例として、SOCが制御目標TAGに達するまで制御目標TAGを維持することができる。しかし、制御目標TAGを一定に維持することは必須ではなく、制御目標TAGを所定レートで引き上げてもよい。ただし、時刻tBにおいて制御目標TAGを急激に引き上げると(あるいはステップ的に引き上げると)、差分DIFが所定値を上回りエンジン11が始動する可能性がある。そのため、制御目標TAGを引き上げるにしても、そのレートは比較的緩やかであることが好ましい。
<機能ブロック>
図6は、ECU100の機能ブロック図である。図6を参照して、ECU100は、SOC算出部101と、ダメージ量算出部102と、評価値算出部103と、記憶部104と、割合算出部105と、判定部106と、SOC制御部107と、モード制御部108と、走行制御部109と、外部充電制御部110とを含む。
図6は、ECU100の機能ブロック図である。図6を参照して、ECU100は、SOC算出部101と、ダメージ量算出部102と、評価値算出部103と、記憶部104と、割合算出部105と、判定部106と、SOC制御部107と、モード制御部108と、走行制御部109と、外部充電制御部110とを含む。
SOC算出部101は、電圧センサ51によって検出されるバッテリ50の電圧VBおよび/または電流センサ52によって検出されるバッテリ50の電流IBに基づいて、バッテリ50のSOCを算出する。SOCの具体的な算出方法については、電流IBの積算値を用いる手法や、バッテリ50の開回路電圧(OCV(Open Circuit Voltage))とSOCとの関係を示すOCV−SOCカーブを用いる手法等、種々の公知の手法を用いることができる。
ダメージ量算出部102は、バッテリ50に対して入出力される電流IBとその通電時間とに基づいて、バッテリ50内の塩濃度の偏りに起因したバッテリ50のダメージ量Dを算出する。ダメージ量Dは、たとえば、以下の式(1)に基づいて、所定の周期Δtで算出される。
D(N)=D(N−1)−α×Δt×D(N−1)+(β/C)×IB×Δt
・・・(1)
ここで、D(N)はダメージ量Dの今回演算値を示し、D(N−1)は、周期Δt前に算出されたダメージ量Dの前回演算値を示す。D(N−1)は、前回演算時に記憶部104に記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。
・・・(1)
ここで、D(N)はダメージ量Dの今回演算値を示し、D(N−1)は、周期Δt前に算出されたダメージ量Dの前回演算値を示す。D(N−1)は、前回演算時に記憶部104に記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。
式(1)における右辺第2項のα×Δt×D(N−1)は、ダメージ量Dの減少項であり、塩濃度の偏りが緩和するときの成分を示す。αは忘却係数であり、バッテリ50の電解液中におけるイオンの拡散速度に対応する係数である。拡散速度が高いほど、忘却係数αは大きくなる。α×Δtの値は、0から1までの値となるように設定される。このダメージ量Dの減少項は、忘却係数αが大きいほど(すなわちイオンの拡散速度が高いほど)、また、周期Δtが長いほど、大きな値となる。
忘却係数αは、バッテリ50のSOCや温度に依存する。忘却係数αと、バッテリ50のSOCおよび温度との対応関係を実験等によって予め求めて記憶部104に記憶しておき、演算時のバッテリ50のSOCおよび温度に基づいて忘却係数αが設定される。なお、忘却係数αは、たとえば、バッテリ50の温度が同じであればSOCが高いほど大きい値に設定され、SOCが同じであればバッテリ50の温度が高いほど大きい値に設定され得る。
式(1)における右辺第3項の(β/C)×IB×Δtは、ダメージ量Dの増加項であり、塩濃度の偏りが発生するときの成分を示す。βは電流係数であり、Cは限界閾値を示す。このダメージ量Dの増加項は、電流IBが大きいほど、また、周期Δtが長いほど、大きな値となる。
電流係数βおよび限界閾値Cは、バッテリ50のSOCや温度に依存する。電流係数βおよび限界閾値Cの各々と、バッテリ50のSOCおよび温度との対応関係を実験等によって予め求めて記憶部104に記憶しておき、演算時のバッテリ50のSOCおよび温度に基づいて、電流係数βおよび限界閾値Cが設定される。なお、限界閾値Cは、たとえば、バッテリ50の温度が同じであればSOCが高いほど大きい値に設定され、SOCが同じであればバッテリ50の温度が高いほど大きい値に設定される。
このように、塩濃度の偏りの発生および緩和をそれぞれ上記の増加項および減少項で表して現在のダメージ量Dを算出することにより、ハイレート劣化の要因と考えられる塩濃度の偏りの変化(増減)を適切に把握することができる。
評価値算出部103は、バッテリ50のハイレート劣化の度合いを示す評価値ΣDを算出する。ハイレート劣化の進行状態は、ダメージ量算出部102によって算出されるダメージ量Dの積算値を用いて評価される。評価値ΣDは、たとえば、以下の式(2)に基づいて算出される。
ΣD(N)=γ×ΣD(N−1)+η×D(N) ・・・(2)
ここで、ΣD(N)は評価値の今回演算値を示し、ΣD(N−1)は、周期Δt前に算出された評価値の前回演算値を示す。γは減衰係数であり、ηは補正係数である。ΣD(N−1)は、前回演算時に記憶部104に記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。γおよびηも、記憶部104に予め記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。
ここで、ΣD(N)は評価値の今回演算値を示し、ΣD(N−1)は、周期Δt前に算出された評価値の前回演算値を示す。γは減衰係数であり、ηは補正係数である。ΣD(N−1)は、前回演算時に記憶部104に記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。γおよびηも、記憶部104に予め記憶され、今回演算時に記憶部104から読み出される。
減衰係数γは、1よりも小さい値に設定される。時間の経過に伴なうイオンの拡散によって塩濃度の偏りが緩和されるので、今回の評価値ΣD(N)を算出するときに、前回の評価値ΣD(N−1)が減少していることを考慮するものである。補正係数ηは、適宜設定される。
このようにして算出される評価値ΣDは、バッテリ50が充電過多の使われ方をすると、充電過多に応じた塩濃度の偏りが増加することにより負方向(負値)に増加する。なお、バッテリ50が放電過多の使われ方をした場合には、評価値ΣDは、放電過多に応じた塩濃度の偏りが増加することにより正方向(正値)に増加する。
割合算出部105は、評価値算出部103によって算出された評価値ΣDに基づいて、制御目標TAGの引き下げ量を決定するための割合Xを算出する。算出された割合Xは、SOC制御部107に出力される。
図7は、指標値ΣDと割合Xとの間の関係を説明するための図である。図7においては、横軸は指標値ΣDの絶対値を示し、縦軸が割合Xを示している。
図7に示すように、ハイレート劣化抑制制御の実行を開始する閾値TH(図示参照)よりも指標値ΣDの絶対値が大きい範囲において、指標値ΣDの絶対値が大きくなるほど割合Xは低く定められる。このような関係を示すマップ(または関係式や関数)が記憶部104に予め記憶されている。このマップを参照することにより、指標値ΣDから割合Xが算出される。なお、図7には割合Xが線形に変化する例を示すが、割合Xは、指標値ΣDの絶対値が大きくなるに従って曲線的に減少してもよいし、ステップ的に減少してもよい。
図6を再び参照して、判定部106は、評価値算出部103によって算出された評価値ΣDが閾値TH(図4参照)に達しているか否かを判定する。前述のように、ハイレート劣化は、特に、低SOC領域で充電方向の電流が流れると促進される特性を有するところ、具体的には、判定部106は、評価値ΣDが負方向に増加して閾値TH(負値)を下回っているか否かを判定する。
SOC制御部107は、モード制御部108からモードの選択情報を受けるとともに、判定部106における判定結果を判定部106から受ける。そして、SOC制御部107は、HVモードが選択されており、かつ、判定部106において評価値ΣDが閾値THに達していると判定されている場合に、バッテリ50のSOCの制御目標TAGを下限LLから値SC2(SC2>LL)へ高める(ハイレート劣化抑制制御)。
また、SOC制御部107は、走行制御部109から走行レンジの選択情報を受ける。そして、SOC制御部107は、ハイレート劣化抑制制御が実行中であり、かつNレンジが選択されている場合に、バッテリ50のSOCの減少に伴い制御目標TAGを引き下げる。制御目標TAGの引き下げ量ΔTAGを決定するための割合Xは、割合算出部105から取得される。
モード制御部108は、EVモード、HVモードおよびHVSモードの切替を制御する。具体的には、外部充電が終了すると、モード制御部108は、EVモードを選択する。EVモードでの走行によりSOCが下限LLまで減少すると、モード制御部108は、EVモードからHVモードに切り替える。また、モード制御部108は、ユーザの要求に従ってHVSモードを選択する。EVモード中にユーザ要求があった場合には、SOCがそのときの値に維持される。HVモード中にユーザ要求があった場合には、たとえば、下限LLよりも所定量高い値にSOCを維持するようにしてもよいし、HVSモードへの切替を不可としてもよい。
走行制御部109は、車速とアクセル開度とに基づいて車両駆動パワー(要求値)を算出する。また、走行制御部109は、モード制御部108からモードの選択情報を受け、HVモードまたはHVSモードが選択されている場合には、SOCに基づいてバッテリ50の充電要求パワーをさらに算出し(図3参照)、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えた車両パワーを算出する。なお、EVモードが選択されている場合には、走行制御部109は、車両駆動パワーを車両パワーとする。
そして、車両パワーがエンジン始動閾値よりも小さいときは、走行制御部109は、EV走行を行なうように車両駆動装置10を制御する。一方、車両パワーがエンジン始動閾値以上であるときは、走行制御部109は、エンジン11を作動させてHV走行を行なうように車両駆動装置10を制御する。このとき、エンジン11の出力が車両パワーよりも大きければバッテリ50は充電され、車両パワーの方がエンジン出力よりも大きければバッテリ50は放電する。
また、車両の制動時や降坂走行時には、走行制御部109は、モータジェネレータ14が発電して制動力を発生するように車両駆動装置10(モータジェネレータ14および電力変換器16)を制御する。さらに、走行制御部109は、ユーザにより選択された走行レンジを取得し、走行レンジの選択情報をSOC制御部107に出力する。
外部充電制御部110は、インレット70に外部電源が接続されている場合に、所定の充電実行条件が成立すると、外部充電を実行する。具体的には、外部充電制御部110は、インレット70に電気的に接続される外部電源からの電力をバッテリ50の電圧レベルに変換してバッテリ50へ出力するように充電器60を制御する。
<ハイレート劣化抑制制御の処理フロー>
図8は、本実施の形態におけるハイレート劣化抑制制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8および後述する図9に示すフローチャートに含まれる各ステップ(以下、Sと略す)は、所定の周期Δt毎にメインルーチンから呼び出されてECU100により実行される。
図8は、本実施の形態におけるハイレート劣化抑制制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8および後述する図9に示すフローチャートに含まれる各ステップ(以下、Sと略す)は、所定の周期Δt毎にメインルーチンから呼び出されてECU100により実行される。
図8を参照して、ECU100は、バッテリ50に入出力される電流IBを電流センサ52により検出する(S10)。次いで、ECU100は、バッテリ50のSOCを算出する(S20)。SOCの算出には、前述のように種々の公知の手法を用い得る。
続いて、ECU100は、S10にて検出された電流IB、およびS20にて算出されたSOCに基づき、上記式(1)に従ってバッテリ50のダメージ量Dを算出する(S30)。さらに、ECU100は、上記式(2)を用いて、S30にて算出されたダメージ量Dに基づいて、バッテリ50のハイレート劣化の度合いを示す評価値ΣDを算出する(S40)。
次いで、ECU100は、評価値ΣDが閾値TH(負値)未満であるか否かを判定する(S50)。そして、評価値ΣDが閾値TH未満であると判定されると(S50においてYES)、ECU100は、ハイレート劣化抑制制御を実行するための制御実行フラグをオンにする(S60)。そして、ECU100は、SOCの制御目標TAGを下限LLから値SC2(図2参照)へ引き上げる(S70)。これにより、SOCが下限LLから上昇し、バッテリ50のハイレート劣化が抑制されることとなる。
なお、図示しないが、外部充電が実行された場合、車両駆動装置10による発電が所定期間継続した場合、あるいはバッテリ50のSOCが所定値よりも高くなった場合には、制御実行フラグがオンからオフに切り替えられる。そうすると、ハイレート劣化抑制制御が非実行とされる。
図9は、制御実行フラグがオンされている場合の制御の一例を示すフローチャートである。図9を参照して、S110において、ECU100は、ハイレート劣化抑制制御の実行を示す制御実行フラグがオンされているか否かを判定する。制御実行フラグが既にオフである場合は(S110においてNO)、以降の処理は実行されず、処理がリターンへと返される。
S110において制御実行フラグがオンであると判定されると(S110においてYES)、ECU100は、処理をS120に進め、車両1の走行レンジがNレンジであるか否かをシフトポジションセンサ91の検出結果に基づいて判定する。
シフトレンジがNレンジでない場合、すなわち、シフトレンジがPレンジ、Rレンジ、DレンジおよびSレンジのいずれかである場合(S120においてNO)には、ECU100は、通常のハイレート劣化抑制制御を実行し、制御目標TAGの引き上げを行なう(S130)。
ただし、図5(B)にて説明したように、それまで制御TAGを引き下げていた場合に、シフトレンジがNレンジからPレンジまたはDレンジに切り替えられた時点で制御目標TAGを急激に引き上げると、差分DIFが急激に増加してエンジン11が始動される可能性がある。よって、そのような場合には、制御目標TAGを一定に維持するか緩やかに引き上げることが望ましい。
一方、シフトレンジがNレンジである場合(S120においてYES)、ECU100は、バッテリ50のSOCが制御目標TAG未満であるか否かをさらに判定する(S140)。SOCが制御目標TAG以上である場合(S140においてNO)には、処理がS130に進められ、通常のハイレート劣化抑制制御が行なわれる。
これに対し、SOCが制御目標TAG未満である場合(S140においてYES)、ECU100は、S40(図8参照)にて算出された指標値ΣDに基づいて、制御目標TAGを引き下げ量ΔTAGを決定するための割合Xを算出する(S150)。割合Xの算出手法については図7にて詳細に説明したため、ここでは説明は繰り返さない。
S160において、ECU100は、S150にて算出された割合Xに従って制御目標TAGを引き下げる。具体的には、図5(B)にて説明したように、ECU100は、Nレンジが選択時にSOCが減少した場合に、SOC減少量ΔSOCに割合Xを乗算した分だけ制御目標TAGを引き下げる。S130またはS160の処理が実行されると、処理がリターンへと返され、図9に示す一連の処理が繰り返し実行される。
以上のように、本実施の形態によれば、ハイレート劣化抑制制御が実行されている場合に、Nレンジが選択されている期間中にSOCが減少したときには、そのSOC減少に伴なって制御目標TAGも引き下げられる。制御目標TAGの引き下げにより、制御目標TAGを維持する場合と比べて、その後に走行レンジがPレンジまたはDレンジに切り替えられた時の制御目標TAGとSOCとの差分DIFが小さくなる(図5(B)参照)。そうすると、差分DIFを減少させることを目的にエンジン11を作動させる強制充電(モータジェネレータ13による充電)が実行されにくくなる。よって、ユーザの違和感を抑制することができる。
制御目標TAGの引き下げ量ΔTAGは、SOCの減少量ΔSOCに対して割合X(=ΔTAG/ΔSOC)となるように定められる。この割合Xは、評価値ΣDの絶対値が大きくなるほど低く設定される(図7参照)。評価値ΣDの絶対値が大きく、バッテリ50のハイレート劣化が進行している場合には、制御目標TAGの引き上げの必要性が高いとして制御目標TAGの引き下げ量ΔTAGが小さく設定される。このようにして制御目標TAGを相対的に高く保つことで、ハイレート劣化の進行を抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 車両駆動装置、11 エンジン、12 動力分割装置、13,14 モータジェネレータ、15,16 電力変換器、20 伝達ギヤ、24 電流センサ、30 駆動軸、40 車輪、50 バッテリ、51 電圧センサ、52 電流センサ、60 充電器、70 インレット、80 空調装置、90 レバー切替装置、91 シフトポジションセンサ、100 ECU、101 SOC算出部、102 ダメージ量算出部、103 評価値算出部、104 記憶部、105 割合算出部、106 判定部、107 SOC制御部、108 モード制御部、109 走行制御部、110 外部充電制御部。
Claims (1)
- 走行レンジを切り替えるためのシフトレバーと、
エンジンと、
車両駆動力を発生させるとともに前記エンジンの作動による発電が可能に構成されたモータと、
前記モータとの間で電力をやり取りする二次電池と、
前記二次電池の電力を消費する負荷と、
前記二次電池内の塩濃度の偏りに起因した前記二次電池の劣化の度合いを示す評価値を算出し、前記評価値により前記二次電池が劣化していると評価された場合に、前記二次電池のSOCの制御目標を引き上げることによって前記SOCを上昇させる劣化抑制制御を実行するように構成された制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記シフトレバーによりニュートラルレンジとは異なるレンジが選択された場合に、前記制御目標と前記SOCとの差が所定値よりも大きいときには、前記エンジンを作動させて前記モータに発電を行なわせるように構成され、
前記劣化抑制制御を実行している場合に、前記ニュートラルレンジが選択されている期間に前記負荷の電力消費により前記SOCが減少したときには、前記SOCが減少するに従って前記制御目標を引き下げ、
前記制御目標の引き下げ量は、前記評価値により前記二次電池の劣化が進行していると評価されるほど小さくなるように定められる、ハイブリッド車両。
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