JP2019141326A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2019141326A
JP2019141326A JP2018028446A JP2018028446A JP2019141326A JP 2019141326 A JP2019141326 A JP 2019141326A JP 2018028446 A JP2018028446 A JP 2018028446A JP 2018028446 A JP2018028446 A JP 2018028446A JP 2019141326 A JP2019141326 A JP 2019141326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winning
reel
state
stop
symbol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018028446A
Other languages
English (en)
Inventor
祐輝 濱本
Yuki Hamamoto
祐輝 濱本
岡村 鉉
Gen Okamura
鉉 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Bussan Co Ltd filed Critical Sanyo Bussan Co Ltd
Priority to JP2018028446A priority Critical patent/JP2019141326A/ja
Publication of JP2019141326A publication Critical patent/JP2019141326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Slot Machines And Peripheral Devices (AREA)

Abstract

【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】補助表示ユニット111は補助表示面112aを有する補助表示装置112と、補助表示装置112の移動を可能とする移動装置と、を備えている。補助表示面112aでは、カメラ102により撮影された後側領域104のリール映像が表示される。補助表示ユニット111の上方には、補助表示面112aにおけるリール映像表示を反射することにより当該リール映像表示の像を遊技機前方の所定位置から視認可能とするビームスプリッタ109が設けられている。主側MPUは、移動装置を駆動可能であり、移動装置を駆動制御して補助表示装置112を移動させることにより補助表示面112aから出てビームスプリッタ109にて反射されて遊技機前方の所定位置にて視認可能となる光の行路長を変化させる。【選択図】 図59

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることにより外周部に複数の図柄が付されたリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段により回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における図柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2015−198773号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、所定表示を行うことが可能な所定表示手段と、
当該所定表示手段における前記所定表示を反射させることにより当該所定表示の像を視認可能とする反射手段と、
前記所定表示手段において前記所定表示を行っている領域から出て前記反射手段にて反射されて遊技機前方の所定位置にて視認可能となる光の所定行路長を変化させる行路長変化手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
第1の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの右側面図である。 前面扉を取り除いた状態の筐体の正面図である。 前面扉を取り除いた状態の筐体の縦断面図である。 前面扉の背面図である。 左リールの組立斜視図である。 (a)上部ユニットの背面図であり、(b)上部ユニットの上側の平面図である。 枠体の底面図である。 (a)表示ユニットの正面図であり、(b)表示ユニットの上側の平面図であり、(c)演出制御装置及び画像表示装置の右側面図であり、(d)左側ユニット壁部の右側面図である。 (a)画像表示面を説明するための説明図であり、(b)遊技者の目に届く光の行路長を説明するための説明図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 (a)メインラインを説明するための説明図であり、(b)サブラインを説明するための説明図である。 (a)リールにおけるメイン領域とサブ領域との位置関係を説明するための説明図であり、(b)〜(d)メイン領域及びサブ領域の前方からの見え方を説明するための説明図である。 入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。 (a)〜(f)各入賞成立時の停止態様を説明するための説明図である。 (a)〜(g)各入賞成立時の停止態様を説明するための説明図である。 スロットマシンの電気的構成図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 通常モード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 第1RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 第2RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 (a),(b)抽選用減算処理における判定用フラグの状態変化を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される役の抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるART移行抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるART用抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される有利抽選処理を示すフローチャートである。 (a)丸用第1追加抽選テーブルを示す図であり、(b)菱形用第1追加抽選テーブルを示す図であり、(c)第2RT用第2追加抽選テーブルを示す図であり、(d)丸用第2追加抽選テーブルを示す図であり、(e)菱形用第2追加抽選テーブルを示す図であり、(f)丸用第3追加抽選テーブルを示す図であり、(g)菱形用第3追加抽選テーブルを示す図である。 (a),(b)抽選用加算処理における判定用フラグの状態変化を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される追加抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるボーナス用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるボーナス状態用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される通常用処理を示すフローチャートである。 (a)主側MPUにて実行される準備状態処理を示すフローチャートであり、(b)主側MPUにて実行される上乗せ用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるART状態処理を示すフローチャートである。 (a)エフェクト映像の種類を説明するための説明図であり、(b)〜(e)画像表示面及びビームスプリッタにおけるエフェクト演出及び停止順報知の表示内容を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される第1表示調整処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるエフェクト演出用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される第2表示調整処理を示すフローチャートである。 演出側MPUにて実行される演出側管理処理を示すフローチャートである。 演出側MPUにて実行されるゲーム中処理を示すフローチャートである。 (a)〜(i)エフェクト演出の流れを示すタイムチャートである。 主側MPUにて実行される報知制御処理を示すフローチャートである。 演出側MPUにて実行される停止報知実行用処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるボーナス用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるボーナス状態用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される準備状態処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるART状態処理を示すフローチャートである。 (a)丸用第1追加抽選テーブルを示す図であり、(b)菱形用第1抽選テーブルを示す図であり、(c)丸用第3追加抽選テーブルを示す図であり、(d)菱形用第3追加抽選テーブルを示す図である。 主側MPUにて実行されるエフェクト演出用処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における前面扉を取り除いた状態の筐体の縦断面図である。 (a)リールにおけるメイン領域と後側領域との位置関係を説明するための説明図であり、(b)仕切貫通孔周辺を拡大して示す仕切部の背面図である。 (a)補助表示ユニットの上側の平面図であり、(b)(a)のA−A線における補助表示ユニットの切断面の断面図である。 (a)補助表示装置が初期位置に存在する状態における筐体上部の縦断面図であり、(b)補助表示装置が変位位置に存在する状態における筐体上部の縦断面図である。 補助表示面に表示されるリール映像とビームスプリッタに映るリール映像との関係を説明するための説明図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 (a)〜(h)補助表示装置の移動処理及び復帰処理のタイミングを示すタイムチャートである。 主側MPUにて実行されるART用抽選処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される第2表示調整処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における前面扉を取り外した状態における筐体の縦断面図である。 鏡が変位位置に存在している状態における筐体の縦断面図である。 (a)リールに付された図柄と鏡に映る図柄との関係を説明する説明図であり、(b)鏡に映る図柄とビームスプリッタに映る図柄との関係を説明するための説明図であり、(c)メイン領域における図柄とビームスプリッタに映るリール映像との関係を説明するための説明図である。 リールに付されている図柄列を示す図である。 第5の実施形態における前面扉を取り除いた状態の筐体の縦断面図である。 (a)発光装置の正面図であり、(b)画像表示面及び透明ディスプレイにおいて行われるエフェクト演出の様子を説明するための説明図である。 第6の実施形態における前面扉を取り除いた状態の筐体の縦断面図である。 (a)空中結像ユニットの正面図であり、(b)上下に分離された本体部及び蓋部の縦断面図であり、(c)空中結像ユニットの結像面を説明するための説明図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の右側面図であり、図3は前面扉12を取り除いた状態の筐体11の正面図であり、図4は前面扉12を取り除いた状態の筐体11の縦断面図であり、図5は前面扉12の背面図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。図3及び図4に示すように、筐体11は、木製の底パネル11a、背パネル11b、左パネル11c、右パネル11d及び天井パネル11eが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
図2に示すように、筐体11の前面側には前面扉12が取り付けられている。図3に示すように、筐体11の左側部の上下2箇所には軸部11fが設けられている。また、図5に示すように、前面扉12の左側部において対応する上下2箇所には軸部11f(図3)に対応する軸受部12aが設けられている。前面扉12は、軸部11fの上部が対応する軸受部12aの下部に収容される態様で、筐体11に取り付けられている。これにより、前面扉12は左側部の軸部11f(図3)を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置15(図5)によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14(図1)への所定のキーによる解錠操作により解除される。
図1に示すように、前面扉12の縦方向における中央付近には、遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、横長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されている。一方、遊技パネル20において、表示窓部21L,21M,21Rの周辺領域は不透明な材質により形成されている。これにより、遊技パネル20において、スロットマシン10の内部を視認可能な領域が表示窓部21L,21M,21Rに限定されている。
図3に示すように、筐体11の縦方向における中央下寄りには、当該筐体11の内部を上下に分割する仕切板13が設けられている。そして、当該仕切板13の上部にはリールユニット22が取り付けられている。リールユニット22について、図3、図4及び図6を参照しながら以下に説明する。図6は左リール24Lの組立斜視図である。
図3に示すように、リールユニット22は、装着ベース体23、左リール24L、中リール24M、及び右リール24Rを備えている。装着ベース体23はポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。図3及び図4に示すように、装着ベース体23は、底部23a、背部23b、左側部23c及び右側部23dを有するように一体形成されており、全体としてスロットマシン10の前方及び上方に向けて開放された四角箱状に形成されている。
図3に示すように、各リール24L,24M,24Rは装着ベース体23に装着されている。また、各リール24L,24M,24Rは、それぞれがステッピングモータ25(図6)に連結されており、各ステッピングモータ25の駆動により各リール24L,24M,24Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。左リール24Lの構成、中リール24Mの構成及び右リール24Rの構成は互いに同一であるため、ここでは図6に基づいて左リール24Lを例に挙げて説明する。
図6に示すように、左リール24Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材26と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルト(図6では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材26に貼付されている。当該ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材26の中心部はステッピングモータ25の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ25の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材26が回転され、左リール24Lが回転するようになっている。
左リール24Lは、ABS樹脂などの樹脂材料を用いて有色不透明(具体的には黒色不透明)に形成されたリール支持板27Lを備えている。リール支持板27Lは、装着ベース体23の底部23aに固定されて起立状態となっており(図3参照)、当該リール支持板27Lには、既に説明した円筒骨格部材26とステッピングモータ25との組合せが支持されている。
図6に示すように、リール支持板27Lには、発光素子28aと受光素子28bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ28が設置されている。一方、円筒骨格部材26には、半径方向に延びるセンサカットバン29がネジ固定されている。このセンサカットバン29の先端部29aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ28の両素子28a,28bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール24Lが1回転するごとにセンサカットバン29の先端部29aの通過をリールインデックスセンサ28が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール24Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ25は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ25の回転位置、すなわち左リール24Lの回転位置が制御される。左リール24Lのベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には20個の図柄が描かれている。この場合、詳細は後述するが所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り換えるには24ステップ(すなわち24パルス)又は26ステップ(すなわち26パルス)を要する。そして、24ステップの出力が8回行われるとともに26ステップの出力が12回行われることにより、1周分に対応する504ステップとなる。主制御装置70は、リールインデックスセンサ28の検出信号が出力された時点からのステップ数(すなわちパルス数)により、どの図柄が表示窓部21L(図1)から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
図6に示すように、リール支持板27Lには、左リール24Lの前側における中央上寄りのメイン領域31(図3においてハッチを付して示す領域)を照らすためのメインリールライト32と、左リール24Lの上側のサブ領域33(図3においてメイン領域31とは異なるハッチを付して示す領域)を照らすためのサブリールライト34と、が設けられている。図3に示すように、メイン領域31は、左リール24Lにおいて表示窓部21L(図1)から視認可能となる領域であり、左リール24Lのベルトに付された1図柄を視認可能とする面積を有している。また、サブ領域33は、リール24L,24M,24Rの上方に設けられているビームスプリッタ88(図4)に映ることにより視認可能となる領域であり、各リール24L,24M,24Rのベルトに付された連続する3図柄を視認可能とする面積を有している。ビームスプリッタ88の詳細については後述する。
図6に示すように、各リールライト32,34は、LED基板(図示略)を備えた発光部32a,34aと、当該発光部32a,34aの光を一方向に導く導光部32b,34bと、を備えている。発光部32a,34aのLED基板にはマルチカラーLED(図示略)が搭載されている。また、導光部32b,34bは、四角筐状に形成されてLED基板に直交する一方向に延在しているとともに、当該一方向に向けて開放されている。各リールライト32,34は、導光部32b,34bにおけるリール支持板27L側の側壁がリール支持板27Lを挟んで導光部32b,34bと反対側からリール支持板27Lにネジ固定されることにより、リール支持板27Lに固定されている。
メインリールライト32の発光部32aから放出された光は、導光部32bによって前方に導かれ、メイン領域31(図3)に向けて放出される。また、サブリールライト34の発光部34aから放出された光は、導光部34bによって上方に導かれ、サブ領域33(図3)に向けて放出される。これにより、メインリールライト32を点灯することによりメイン領域31に存在する図柄をベルトの内側から照らすことが可能となっているとともに、サブリールライト34を点灯することによりサブ領域33に存在する図柄をベルトの内側から照らすことが可能となっている。
図3に示すように、筐体11内に設けられた仕切板13の上側平面には、リールユニット22の横方向の位置合せを行うための左側案内突起部13a及び右側案内突起部13bが一体形成されている。これら左右の案内突起部13a,13bは、横方向にリールユニット22の横寸法と略同一の間隔を置いて設けられており、左右の案内突起部13a,13bの間にリールユニット22が配置されている。また、図4に示すように、装着ベース体23の底部23aの前端部分には、下方に向けて突出部23eが一体形成されている。底部23aに設けられた突出部23eが仕切板13の前端に接触している状態とすることにより、リールユニット22の前後方向の位置合せが行われている。これらの位置合せにより、後述するビームスプリッタ88に対するリールユニット22の取付位置のずれが防止されている。
装着ベース体23の左側部23cは左側案内突起部13aを挟んで反対側から左側案内突起部13aにネジ固定されているとともに、装着ベース体23の右側部23dは右側案内突起部13bを挟んで反対側から右側案内突起部13bにネジ固定されている。また、底部23aの突出部23eは、前方から仕切板13にネジ固定されている。これにより、リールユニット22が仕切板13に固定されている。
リールユニット22に固定されている各リール24L,24M,24Rは、遊技パネル20に設けられた各表示窓部21L,21M,21R(図1)と1対1で対応している。各リール24L,24M,24Rにおいて、上述したメイン領域31が対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能となっている。
本実施形態において、各リール24L,24M,24R(図3)は、図4における時計回りの方向(以下、「逆方向」ともいう。)に回転する。このため、各表示窓部21L,21M,21R(図1)では、図柄が下から上に向かって移動しているかのように見える。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール24L,24M,24Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダル及び仮想メダルといった遊技媒体がベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール24L,24M,24Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール24L,24M,24R(図3)を個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール24L,24M,24Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、各リール24L,24M,24Rが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール24L,24M,24Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール24L,24M,24Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図5に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53(図3)へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58(図1)からメダル受け皿59(図1)へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
図1に示すように、メダル投入口45の下方には、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
図3に示すように、筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、が設けられている。
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
図1に示すように、前面扉12の前面上部には上部ランプ68が設けられているとともに、前面扉12の前面下部にはスピーカ69が設けられている。上部ランプ68は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ68は、後述する画像表示装置86における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ69は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ69は、画像表示装置86における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの左方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示する付与数表示部66と、が設けられている。クレジット表示部65及び付与数表示部66は縦方向に離間させて設けられている。クレジット表示部65及び付与数表示部66は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
次に、上部ユニット36について説明する。
図3に示すように、筐体11内においてリールユニット22の上方には、上部ユニット36が設けられている。図7(a)は上部ユニット36の背面図であり、図7(b)は上部ユニット36の上側の平面図である。図7(a)に示すように、上部ユニット36は、枠体37と、枠体37の上側に設けられている主制御装置70と、枠体37の内部に設けられている表示ユニット38と、を備えている。上部ユニット36について以下に詳細に説明する。
先ず枠体37について説明する。図8は枠体37の底面図である。枠体37は、ABS樹脂などの樹脂材料を用いて有色不透明(具体的には黒色不透明)に形成されている。図7(a)に示すように、枠体37は、枠体底部37a、枠体左側部37b、枠体右側部37c及び枠体天井部37dが固定されることにより、全体として前方及び後方に開放された四角筒状に形成されている。図3に示すように、枠体37は、筐体11の横方向の内寸よりも若干小さい横寸法を有している。
図7(b)に示すように、枠体天井部37dの上側平面には、主制御装置70が固定されている。主制御装置70は、主制御基板71(図17参照)が基板ボックス77に収容されて構成されている。主制御基板71の一方の板面である素子搭載面には、MPU72(図17参照)が搭載されている。基板ボックス77は当該基板ボックス77の外部から当該基板ボックス77内に収容されたMPU72を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス77は無色透明に形成されているが、基板ボックス77の外部から当該基板ボックス77内に収容されたMPU72を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
主制御装置70は、主制御基板71の素子搭載面が上方を向くようにして枠体天井部37dにネジ固定されている。したがって、上部ユニット36を上方から視認することにより、上部ユニット36を分解することなく、基板ボックス77を通じてMPU72を目視することが可能となっている。基板ボックス77を開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックス77が開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
図7(b)に示すように、枠体天井部37dの左端近傍及び右端近傍には当該枠体天井部37dを上下方向に貫通する配線孔75が設けられている。主制御装置70は当該配線孔75に挿通された配線(図示略)により後述する演出制御装置80と接続されており、演出制御装置80に対してコマンドを送信することが可能となっている。
図8に示すように、枠体底部37aの左端近傍及び右端近傍にも当該枠体底部37aを上下方向に貫通する配線孔76が設けられている。主制御装置70は、枠体天井部37d及び枠体底部37aに設けられた配線孔75,76に挿通された配線(図示略)によりスタートレバー41、ストップボタン42〜44、返却ボタン46、クレジット投入ボタン47〜49、精算ボタン51、セレクタ52、メインリールライト32及びサブリールライト34等と接続されており、スタートレバー41や各ボタン42〜44,46〜49,51の操作の検出、及びセレクタ52や各リールライト32,34の制御を行うことが可能となっている。
次に、表示ユニット38について説明する。図9(a)は表示ユニット38の正面図であり、図9(b)は表示ユニット38の上側の平面図である。なお、図9(a)及び(b)において、ビームスプリッタ88はドットを付して図示している。図9(b)に示すように、表示ユニット38は、表示ユニット38の後側に配置された演出制御装置80と、演出制御装置80の前方に設けられた画像表示装置86と、左右一対のユニット壁部38a,38bと、左右のユニット壁部38a,38bに支持されて画像表示装置86の前方に固定されているビームスプリッタ88と、を備えている。左側ユニット壁部38aは演出制御装置80の左側面に固定されているとともに、右側ユニット壁部38bは演出制御装置80の右側面に固定されている。
演出制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づいて上部ランプ68、スピーカ69及び画像表示装置86の制御を実行する。図9(b)に示すように、演出制御装置80は、演出制御基板81が基板ボックス89に収容されて構成されており、演出制御基板81の一方の板面である素子搭載面には、MPU82(図17参照)が搭載されている。演出制御装置80において、演出制御基板81の素子搭載面は前方を向いている。なお、基板ボックス89はその外部から演出制御基板81を目視確認可能なように、透明(具体的には無色透明)に形成されている。基板ボックス89は、略長方形状をなす演出制御基板81の形状に対応させて、略長方形状をなす表面及び裏面を有し且つ略直方体状に形成されている。
図9(c)は演出制御装置80及び画像表示装置86の右側面図であり、図9(d)は左側ユニット壁部38aの右側面図である。図9(c)に示すように、演出制御装置80前方の画像表示装置86は、略直方体状の表示本体部86aを備えている。表示本体部86aは、演出制御装置80の横寸法及び高さ寸法と略同一の横寸法及び高さ寸法を有している。表示本体部86a背面の左端部分及び右端部分には、当該背面から演出制御装置80における基板ボックス89の後端まで突出させて一体形成された表示固定部86bが設けられている。画像表示装置86は、左側の表示固定部86bが基板ボックス89の左側面にネジ固定されるとともに、右側の表示固定部86bが基板ボックス89の右側面にネジ固定されることにより、基板ボックス89の前面側に固定されている。
画像表示装置86は前面側に画像表示面87を備えている。画像表示面87は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。表示ユニット38において、画像表示面87は前方を向いている。
スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該画像表示面87にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置86は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が画像表示面87にて表示されるように表示制御される。つまり、画像表示装置86では表示演出が実行される。
左右のユニット壁部38a,38bは、ABS樹脂などの樹脂材料を用いて有色不透明(具体的には黒色不透明)に形成されており、図9(b)に示すように、演出制御装置80の後端から画像表示装置86よりも前方まで延在している。図9(d)に示すように、左側ユニット壁部38aの前端部分は、45°の角度で下方に向かって後方に傾斜している。また、左側ユニット壁部38a(図9(b))の前端部分と同様に、右側ユニット壁部38bの前端部分も45°の角度で下方に向かって後方に傾斜している。
図9(b)及び図9(d)に示すように、左右のユニット壁部38a,38bの前端部分には、ビームスプリッタ88を支持する左右一対の支持部61,62が一体形成されている。左側支持部61は左側ユニット壁部38aの右側面から右方に突出しているとともに、右側支持部62は右側ユニット壁部38bの左側面から左方に突出している。また、左右の支持部61,62は、左右のユニット壁部38a,38bの上端から下端近傍まで、左右のユニット壁部38a,38bの前端部分の傾斜に沿って延在している。
左右の支持部61,62に支持されるビームスプリッタ88は板状矩形である。左側支持部61の右側面及び右側支持部62の左側面には、ビームスプリッタ88の左端部分及び右端部分を挿通してスライドすることを可能とする左右一対の溝部61a,62aが形成されている。ビームスプリッタ88は、ビームスプリッタ88の左端部分が左側溝部61aに挿通されているとともに右端部分が右側溝部62aに挿通されている状態とされた後、溝部61a,62aに沿って溝部61a,62aの上端から下端近傍までスライドされることにより支持部61,62に支持されている。
ビームスプリッタ88は、45°の角度で下方に向かって後方に傾斜する態様で画像表示面87の前方に固定されている。図9(b)に示すように、ビームスプリッタ88の横寸法は画像表示面87の横寸法よりもひと回り大きく設定されているとともに、図9(a)に示すように、傾斜した状態のビームスプリッタ88の高さ寸法は画像表示面87(図9(b))の高さ寸法と略同一に設定されており、ビームスプリッタ88は画像表示面87の全域の前方に存在している。
図7(a)に示すように、演出制御装置80における基板ボックス89の背面には、上方及び下方に延出させて板状の上側固定部89a及び下側固定部89bが一体形成されている。これらの固定部89a,89bには、当該固定部89a,89bを前後方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されているとともに、枠体天井部37d及び枠体底部37aの背面には当該貫通孔に対応させてネジ穴(図示略)が設けられている。表示ユニット38は、枠体37の後方から枠体37の内部に挿通された後、上下の固定部89a,89bが枠体天井部37d及び枠体底部37aにネジ固定されることにより、枠体37内部に固定されている。
図7(a)に示すように、枠体底部37aの底面には、下方に突出させて左右一対のユニット固定部63,64が設けられている。左側ユニット固定部63は枠体底部37aの左端から右方に所定の間隔を置いて設けられているとともに、右側ユニット固定部64は枠体底部37aの右端から左方に所定の間隔を置いて設けられている。図8に示すように、これら左右のユニット固定部63,64は、枠体底部37aの前端から後端に亘って延在している。
また、図3に示すように、筐体11の左右のパネル11c,11dにおいて、リールユニット22の上端よりも若干上方の高さ位置には、左右一対の筐体側固定部91,92が一体形成されている。左筐体側固定部91は左パネル11cの右側面から右方に突出しているとともに、右筐体側固定部92は右パネル11dの左側面から左方に突出している。また、左右の筐体側固定部91,92は、左右のパネル11c,11dの前端から後端に亘って延在している。
上部ユニット36は、枠体底部37aの左端部分及び右端部分が左筐体側固定部91及び右筐体側固定部92の上に載っている状態とされた後、上部ユニット36の後端が筐体11の背パネル11bに接触して止まるまで後方にスライドされる。そして、上部ユニット36の左側ユニット固定部63は左パネル11cの左方から左筐体側固定部91にネジ固定されるとともに、上部ユニット36の右側ユニット固定部64は右パネル11dの右方から右筐体側固定部92にネジ固定される。これにより、上部ユニット36は、筐体11内の上部であって、リールユニット22の上方に固定された状態となっている。図4に示すように、当該状態において、画像表示装置86の画像表示面87は、リール24L,24M,24R(図3)のサブ領域33よりも後方に位置している。また、図3に示すように、リールユニット22、画像表示面87(図4)及びビームスプリッタ88は、筐体11の横方向における中央に固定されている。
次に、ビームスプリッタ88について説明する。ビームスプリッタ88は、前面に入射した光の一部を前方に反射するとともに、背面に入射した光の一部を前方に透過させる。
図4に示すように、枠体底部37aにおいて、ビームスプリッタ88の下方に位置する範囲であるとともにリール24L,24M,24R(図3)の上方に位置する範囲には、枠体底部37aを上下に貫通する光通過孔39が設けられており、リール24L,24M,24Rのサブ領域33から上向きに出た光が光通過孔39を通過してビームスプリッタ88の前面に入射することが可能となっている。上述したとおり、ビームスプリッタ88は45°の角度で下方に向かって後方に傾斜しているため、サブ領域33から出てビームスプリッタ88の前面に入射した光の一部は前方に反射される。
図1に示すように、前面扉12の上部であって、ビームスプリッタ88の前方位置には、ビームスプリッタ88のほぼ全域を前方から視認することができるようにした矩形の窓部67が形成されている。窓部67には窓パネル67aが嵌め込まれている。窓パネル67aは、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ビームスプリッタ88により前方に反射された光は窓パネル67aを透過して遊技者の目に届く。このため、遊技者は窓パネル67aを通じて、ビームスプリッタ88に映るサブ領域33(図3)のリール映像を視認することができる。
また、既に説明したとおり、ビームスプリッタ88は画像表示面87の略全域の前方に存在している。画像表示面87から前方に放出された光はビームスプリッタ88の背面に入射し、当該入射光の一部はビームスプリッタ88及び窓パネル67aを透過して前方に進み遊技者の目に届く。このため、遊技者はビームスプリッタ88及び窓パネル67aを通じて、画像表示面87に表示される表示映像を視認することもできる。
ビームスプリッタ88に映るリール映像を見ながらストップボタン42〜44を操作した遊技者は、視線の向きを変えることなくその後に画像表示面87に表示される演出用の表示映像を視認することができる。リール映像の表示位置と演出用の表示映像の表示位置とが異なる場合、遊技者は視線の向きを頻繁に変える必要がある。これに対して、遊技者から見て一方向にリール映像と演出用の表示映像とが表示される構成であることにより、遊技者は視線の向きを一定としながらリール映像と演出用の表示映像との両方を視認することが可能となっている。
図4に示すように、画像表示装置86の上側に設けられた枠体天井部37d、下側に設けられた枠体底部37a、左側に設けられた左側ユニット壁部38a(図7)、及び右側に設けられた右側ユニット壁部38b(図7)は、前面扉12(図2)が閉鎖された状態において、前面扉12の背面近傍まで延在している。画像表示装置86の前方空間がこれら枠体天井部37d、枠体底部37a及びユニット壁部38a,38bに囲われていることにより、周囲に設けられた配線等が画像表示面87及びビームスプリッタ88の前方に入り込むことが防止されている。
画像表示面87の前方空間を囲う枠体天井部37d、枠体底部37a及びユニット壁部38a,38bは、上述したとおり、黒色不透明であり光を透過させない。このため、窓パネル67a(図1)から視認可能な構成は、画像表示面87と、ビームスプリッタ88と、リール24L,24M,24Rのサブ領域33とに限定されている。また、窓パネル67aを通じて視認可能となる光の発生源は、画像表示面87及びサブリールライト34のみである。このため、画像表示面87上の表示映像及びビームスプリッタ88上のリール映像の視認性が高められている。
枠体底部37aに形成された光通過孔39は、上述したとおり、ビームスプリッタ88の下方に位置しており、図8に示すように、サブ領域33(図4)よりもひと回り大きい矩形の孔断面を有している。また、図4に示すように、光通過孔39は、サブ領域33の全域の上方に設けられており、サブ領域33全域から鉛直上向きに出た光は当該光通過孔39を通過してビームスプリッタ88の前面に入射可能となっている。このため、ビームスプリッタ88の前面には、サブ領域33全域の矩形のリール映像が映る。遊技者は、当該リール映像を視認することによりサブ領域33の奥行き3図柄×横3図柄(合計9図柄)を把握することができる。
図10(a)はビームスプリッタ88においてサブ領域33のリール映像が映る位置を説明するための説明図であり、図10(b)は遊技者の目に届く光の経路を説明するための説明図である。図10(a)に示すように、ビームスプリッタ88において、サブ領域33のリール映像が映るリール反射領域88aは、当該ビームスプリッタ88の一部の領域である。リール反射領域88aは、ビームスプリッタ88よりもひと回り小さい矩形領域であり、ビームスプリッタ88の横方向における中央であって縦方向における中央下寄りに位置している。
リール反射領域88aは、画像表示面87に表示される表示映像を視認可能とするとともに、サブ領域33のリール映像を視認可能とする領域である。一方、ビームスプリッタ88において、リール反射領域88a以外の周辺領域88bは、画像表示面87に表示される表示映像のみを視認可能とする領域である。
ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像の表示面積(リール反射領域88aの面積)は、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なメイン領域31の表示面積よりも大きい。また、リール映像の表示位置(リール反射領域88aの高さ位置)は、遊技者の目の高さ位置に近づけて設定されている。このため、遊技者にとっては、ビームスプリッタ88に映るリール映像を見ながらリール24L,24M,24Rの停止操作を行う場合の方が表示窓部21L,21M,21Rを見ながら停止操作を行う場合よりも容易に感じられる構成となっている。
図10(a)に示すように、画像表示面87には、多数のドット87c(画素)が格子状に配列されている。画像表示面87では、各ドット87cに設定された色データに基づいて各ドット87cの発光制御が行われて表示映像が表示される。
本スロットマシン10では、全画面表示状態とリール表示状態との切り換えが行われる。全画面表示状態は、ビームスプリッタ88の全面を通じて画像表示面87に表示される表示映像の全体を視認性の高い態様で視認可能とする状態であるとともに、リール表示状態は、リール反射領域88aに映るリール映像と、画像表示面87に表示された表示映像のうちの周辺領域87bに表示されている表示映像とを視認性の高い態様で視認可能とする状態である。
図10(a)及び図10(b)に示すように、全画面表示状態は、サブ領域33から出てビームスプリッタ88におけるリール反射領域88aの前面に入射するとともに反射されて視認可能となる反射光95を弱めるとともに、画像表示面87から放出されてリール反射領域88aの背面に入射するとともに透過して視認可能となる透過光96を強めることにより作り出される。反射光95は、サブリールライト34(図4)を消灯することにより弱められるとともに、透過光96は、画像表示面87全体に表示映像が表示されることにより強められる。このため、全画面表示状態のリール反射領域88aでは、反射光95よりも透過光96が支配的となり、全画面表示状態では、ビームスプリッタ88全体を通じて画像表示面87に表示される表示映像の全体が視認可能となる。
一方、リール表示状態は、サブ領域33から出てビームスプリッタ88におけるリール反射領域88aの前面に入射するとともに反射されて視認可能となる反射光95を強めるとともに、画像表示面87から放出されてリール反射領域88aの背面に入射するとともに透過して視認可能となる透過光96を弱めることにより作り出される。反射光95は、サブリールライト34(図4)を点灯することにより強められる。また、透過光96は、画像表示面87のうちリール反射領域88aの後方に位置する暗転対象領域87aを暗転させることにより弱められる。
図10(a)に示すように、画像表示面87には、暗転対象となる暗転対象領域87aと、当該暗転対象領域87a以外の周辺領域87bとが設定されている。暗転対象領域87aは、画像表示面87において、ビームスプリッタ88上のリール反射領域88a全域よりもひと回り大きい領域の後方に位置する領域に設定されている。リール表示状態では、画像表示面87に並ぶドット87cのうち暗転対象領域87aに並ぶ各ドット87cに設定される色データが基本的に黒の色データに統一される。一方、リール表示状態であっても、画像表示面87における周辺領域87bに並ぶ各ドット87cには種々の色データが設定される。このように、リール表示状態では、画像表示面87に暗転対象領域87aのみが暗い一部暗転映像が表示されて、画像表示面87が一部暗転状態となる。
画像表示面87に一部暗転映像が表示されることにより、暗転対象領域87aから放出されてリール反射領域88aの背面に入射するとともに透過して視認可能となる透過光96(図10(b))は、上述した反射光95(図10(b))よりも弱くなる。このため、リール表示状態のリール反射領域88aでは、透過光96よりも反射光95が支配的となり、リール反射領域88aにサブ領域33のリール映像が映っている状態となる。
画像表示面87には、セレクタ52が受付許可状態となりゲームの開始待ち状態となった場合に開始待機映像が表示されるとともに、スタートレバー41の操作に基づいて開始されるゲーム中にゲーム中演出映像が表示される。また、最後のストップボタン42〜44が操作されて全リール24L,24M,24Rが停止した後に今回のゲーム結果に対応するリール停止後映像が所定の期間(例えば1秒)に亘って表示される。開始待機映像及びゲーム中演出映像は一部暗転状態用の映像であり、ゲームが開始されるまでの待機している間、及びリール24L,24M.24Rが回転している間は、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像と、画像表示面87の周辺領域87bにおける開始待機映像又はゲーム中演出映像とが視認可能となる。一方、リール停止後映像は全画面表示状態用の映像である。全リール24L,24M,24Rが停止した後は、ビームスプリッタ88の全面を通じて画像表示面87におけるリール停止後映像の全体が視認可能となる。
本スロットマシン10には、スタートレバー41が操作された後に行われる演出として、3秒間に亘ってストップボタン42〜44の操作が無効化される第1フリーズ演出と、6秒間に亘ってストップボタン42〜44の操作が無効化される第2フリーズ演出とが存在している。画像表示面87には、第1フリーズ演出において第1フリーズ演出映像が表示されるとともに、第2フリーズ演出において第2フリーズ演出映像が表示される。これらのフリーズ演出が行われる場合、画像表示面87には、スタートレバー41の操作後にフリーズ演出映像が表示され、その後に上述したゲーム中演出映像が表示される。これらのフリーズ演出映像は一部暗転状態用の映像であり、フリーズ演出中は、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像と、画像表示面87の周辺領域87bにおけるフリーズ演出映像とが視認可能となる。なお、第1フリーズ演出及び第2フリーズ演出の詳細については後述する。
また、本スロットマシン10には、遊技状態として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なART状態と、ART状態への前段階である準備状態と、これら通常遊技状態、準備状態及びART状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなるボーナス状態とが設定されており、画像表示面87には、ART状態の開始時にART状態のオープニング映像が表示され、ART状態の終了時にART状態のエンディング映像が表示され、ボーナス状態の開始時にボーナス状態のオープニング映像が表示され、ボーナス状態の終了時にボーナス状態のエンディング映像が表示される。また、画像表示面87には、ART状態の継続ゲーム数が上乗せされる場合に上乗せ演出映像が表示される。これらの上乗せ演出映像、オープニング映像及びエンディング映像は、リール停止後映像が表示された後に表示される。これらの上乗せ演出映像、オープニング映像及びエンディング映像は全画面表示用の映像であり、全画面表示状態にて画像表示面87に当該上乗せ演出映像、オープニング映像、又はエンディング映像が表示されることにより、ビームスプリッタ88の全面を通じて画像表示面87における当該上乗せ演出映像、オープニング映像、又はエンディング映像の全体が視認可能となる。
一のゲームにおいて上乗せ演出とART状態のオープニング演出との両方が行われることとなった場合には、上乗せ演出が行われた後にART状態のオープニング演出が行われる。上乗せ演出、オープニング演出、又はエンディング演出が行われる場合には、上乗せ演出映像、オープニング映像、又はエンディング映像の表示が終了した後にゲームの開始待ち状態となり開始待機映像が表示されることとなる。また、上乗せ演出、オープニング演出及びエンディング演出のいずれもが行われない場合には、リール停止後映像が所定の期間に亘って表示された後にゲーム開始待ち状態となり開始待機映像が表示されることとなる。
本スロットマシン10では、リール反射領域88aに映るリール映像が停止するタイミングに合わせて当該停止するリール映像に対してエフェクト(視覚効果)を付加するエフェクト演出が行われる。エフェクト演出は、リール反射領域88aに映るリール映像と、画像表示面87の周辺領域87bにおけるゲーム中演出映像とが視認可能な状態において行われる。エフェクト演出では、一部暗転状態において基本的に黒の色データが設定される暗転対象領域87aのドット87cのうちエフェクト映像の表示位置に存在するドット87cのみに黒以外のエフェクト映像を表示するための色データが設定される。これにより、エフェクト演出では、停止するリール映像の後方にエフェクト映像が表示される。このとき、暗転対象領域87aから放出され、ビームスプリッタ88を透過して遊技者の目に届くエフェクト映像の透過光96(図10(b))の強さは、反射光95(図10(b))の強さに近いものとなる。このため、リール反射領域88aに映るリール映像と、暗転対象領域87aに映るエフェクト映像とは、前後に重ねて表示される。
なお、設計段階においてビームスプリッタ88の厚みを調整することにより入射光が反射光となる割合及び透過光となる割合が調整されており、リール映像及びエフェクト映像の両方を明確に視認させることが可能となっている。
図10(b)に示すように、リール24L,24M,24R(図3)から出てビームスプリッタ88にて反射されて遊技者の目に届く反射光95の行路長PL1は、画像表示面87から放出されてビームスプリッタ88を透過して遊技者の目に届く透過光96の行路長PL2よりも長く設定されている。
これにより、上述したリール表示状態では、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像が画像表示面87の周辺領域87bに表示される表示映像よりも遠く(奥側)に存在しているかのように感じさせる表示を行うことができる。また、エフェクト演出では、リール反射領域88aに映るリール映像よりも前方にエフェクト映像が存在するかのように感じさせる表示を行うことができる。なお、エフェクト演出の詳細については後述する。
次に、各リール24L,24M,24Rに付されている図柄について説明する。
図11には、左リール24L、中リール24M及び右リール24Rの図柄配列が示されている。図11に示すように、各リール24L,24M,24Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール24L,24M,24Rに対応させて番号が「0」〜「19」まで付されているが、これら番号は図柄を識別するための番号であり、リール24L,24M,24Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「六角」図柄(例えば、左リール24Lの19番目)、「四角」図柄(例えば、左リール24Lの18番目)、「二重丸」図柄(例えば、左リール24Lの17番目)、「二重菱形」図柄(例えば、左リール24Lの16番目)、「丸」図柄(例えば、左リール24Lの15番目)、「二重四角」図柄(例えば、左リール24Lの12番目)、「二重六角」図柄(例えば、左リール24Lの11番目)、及び「菱形」図柄(例えば、左リール24Lの10番目)の8種類がある。そして、各リール24L,24M,24Rにおいて各種図柄の配置順序は異なっている。
既に説明したとおり、遊技者は、表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール24L,24M,24Rを視認することによりメイン領域31の横1列の図柄(縦1図柄×横3図柄=3図柄)を把握することができるとともに、ビームスプリッタ88に映るリール映像を視認することによりサブ領域33の横3列の図柄(縦3図柄×横3図柄=9図柄)を把握することができる。
図12(a)はメインラインMLを説明するための説明図であり、図12(b)はサブラインSL1〜SL5を説明するための説明図である。図12(a)に示すように、本実施形態では、表示窓部21L,21M,21Rにおいて各リール24L,24M,24Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、表示窓部21L,21M,21Rにおける左リール24Lの図柄、中リール24Mの図柄及び右リール24Rの図柄を結んだラインである。
規定数の遊技媒体がベットされた状態で各リール24L,24M,24Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行という利益のいずれかが付与される。本実施形態では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。
一方、図12(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映る左リール24Lのリール映像の上段図柄、中リール24Mのリール映像の中段図柄及び右リール24Rのリール映像の下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール24Lのリール映像の上段図柄、中リール24Mのリール映像の上段図柄及び右リール24Rのリール映像の上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール24Lのリール映像の中段図柄、中リール24Mのリール映像の中段図柄及び右リール24Rのリール映像の中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール24Lのリール映像の下段図柄、中リール24Mのリール映像の下段図柄及び右リール24Rのリール映像の下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール24Lのリール映像の下段図柄、中リール24Mのリール映像の中段図柄及び右リール24Rのリール映像の上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
ここで、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能となるメイン領域31と、ビームスプリッタ88に反射されて視認可能となるサブ領域33との関係を説明する。図13(a)は、リール24L,24M,24Rにおけるメイン領域31とサブ領域33との位置関係を説明するための説明図であり、図13(b)〜図13(d)は、メイン領域31及びサブ領域33の前方からの見え方を説明するための説明図である。なお、図13(a)〜(d)では、具体的な図柄に代えて図柄番号を示している。
各リール24L,24M,24Rにおいて、メイン領域31とサブ領域33との間隔は2図柄分である。例えば、図13(a)では、各リール24L,24M,24Rにおいて、「0」の図柄番号に対応する図柄がメイン領域31に存在しているとともに、「3」〜「5」の図柄番号に対応する図柄がサブ領域33に存在している。そして、メイン領域31とサブ領域33との間には「1」及び「2」の図柄番号に対応する2個の図柄が存在している。
上述したとおり、リール24L,24M,24Rは逆方向(図4における時計回りの方向)に回転するため、遊技者には、表示窓部21L,21M,21R(図12)を通じて視認可能なメイン領域31の図柄が下から上に向かって移動しているかのように見える。リール24L,24M,24Rが逆方向に回転することにより、図13(a)に示すように、メイン領域31に存在する図柄に対応する図柄番号は、「0」から「19」になり、その後「19」から「0」に向かって減少する。
図13(a)に示すように、逆方向に回転するリール24L,24M,24Rにおいて、図柄の移動元側を上流側とするとともに移動先側を下流側とすると、サブ領域33については、サブ領域33の手前側(遊技者側であり図13(a)では下側)がリール24L,24M,24Rの上流側になるとともに、サブ領域33の奥側(図13(a)では上側)がリール24L,24M,24Rの下流側になる。この場合、図13(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像では、当該リール映像の上側がリール24L,24M,24Rの上流側に対応するとともに、当該リール映像の下側がリール24L,24M,24Rの下流側に対応することとなる。一方、表示窓部21L,21M,21R(図12)を通じて視認可能なメイン領域31については、メイン領域31の下側がリール24L,24M,24Rの上流側になるとともに、メイン領域31の上側がリール24L,24M,24Rの下流側になる。つまり、ビームスプリッタ88に映るリール映像は、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なリール24L,24M,24Rと上下反転の関係にある。
具体的には、図13(a)に示すように、各リール24L,24M,24Rにおいてサブ領域33の上流側に存在している「3」の図柄番号に対応する図柄は、図13(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映るリール映像の上段図柄となる。また、図13(a)に示すように、各リール24L,24M,24Rにおいてサブ領域33の中央に存在している「4」の図柄番号に対応する図柄は、図13(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映るリール映像の中段図柄になるとともに、図13(a)に示すように、各リール24L,24M,24Rにおいてサブ領域33の下流側に存在している「5」の図柄番号に対応する図柄は、図13(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映るリール映像の下段図柄になる。
ビームスプリッタ88に映るリール映像が表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なリール24L,24M,24Rと上下反転の関係にあるため、表示窓部21L,21M,21Rではリール24L,24M,24Rに付されている図柄がそのまま視認されるのに対して、リール反射領域88aではリール24L,24M,24Rに付されている図柄が上下反転した状態で視認される。但し、本実施形態におけるリール24L,24M,24Rには、図11に示すように、上下対称の図柄(「六角」図柄、「四角」図柄、「二重丸」図柄、「二重菱形」図柄、「丸」図柄、「二重四角」図柄、「二重六角」図柄及び「菱形」図柄)のみが付されている。これにより、表示窓部21L,21M,21Rから視認される図柄とリール反射領域88aに映る図柄映像とが上下反転の関係にあっても違和感を生じさせない構成となっている。
なお、ビームスプリッタ88に映るリール映像は上下方向のみに反転しており、左右方向には反転していない。このため、図13(b)に示すように、ビームスプリッタ88に映る左側のリール映像は左リール24Lの反射像であり、ビームスプリッタ88に映る中央のリール映像は中リール24Mの反射像であり、ビームスプリッタ88に映る右側のリール映像は右リール24Rの反射像である。
また、ビームスプリッタ88に映るリール映像が表示窓部21L,21M,21R(図12)を通じて視認可能なメイン領域31のリール24L,24M,24Rと上下反転の関係にあるため、図13(b)に示すように、メイン領域31では、リール24L,24M,24Rに付された図柄が下から上に向かって移動しているかのように見えるのに対して、ビームスプリッタ88に映るリール映像では、リール24L,24M,24Rに付された図柄が上から下に向かって移動しているかのように見える。
本スロットマシン10では、各リール24L,24M,24Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリール24L,24M,24Rを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。ここで、基点位置とは、各リール24L,24M,24RにおいてメインラインML(図12(a))上の位置である。
図13(a)に示すように、各リール24L,24M,24Rが逆方向に回転することにより、メイン領域31に位置していた図柄はその後にサブ領域33に移動する。具体的には、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングにおいてメイン領域31に存在していた図柄は、スベリ数が「3」である場合にはビームスプリッタ88上の上段に停止することとなり、スベリ数が「4」である場合にはビームスプリッタ88上の中段に停止することとなる。
例えば、図13(a)に示すように、左リール24Lの基点位置に「0」の図柄番号に対応する図柄が存在している状況において左のストップボタン42が操作された場合、基点位置に位置していた「0」の図柄番号に対応する図柄は、スベリ数が「3」であれば図13(c)に示すようにビームスプリッタ88上の左側上段に停止するとともに、スベリ数が「4」であれば図13(d)に示すようにビームスプリッタ88上の左側中段に停止することとなる。
このように、本実施形態では、ビームスプリッタ88に映るリール映像の上段又は中段に停止させたい図柄が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能となるタイミングを目安としてストップボタン42〜44を操作することによっても、当該図柄を所望の位置に停止させることができる。リール24L,24M,24Rを停止させる方法として、ビームスプリッタ88に映るリール映像を見ながらストップボタン42〜44を操作する方法に加えて、表示窓部21L,21M,21Rを通じてメイン領域31を見ながらストップボタン42〜44を操作する方法を選択することが可能となっている。
次に、図14〜図16を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図14は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。また、図15(a)〜(f)及び図16(a)〜(g)は、各入賞成立時の停止態様を説明するための説明図である。
図14に示すように、本スロットマシン10では、各入賞態様に対応させて、メインラインMLにおける各リール24L,24M,24Rの停止図柄の組合せが設定されている。そして、当該停止図柄の組合せは、成立した入賞を特定可能な図柄の組合せがサブラインSL3上に並ぶように設定されている。遊技者は、メインラインML上の停止図柄の組合せ、又はサブラインSL3上の停止図柄の組合せを確認することにより、入賞成立の有無及び成立した入賞の種類を特定することができる。
図14に示すように、遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、四角入賞、丸入賞、及び菱形入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかであり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞となる。本実施形態では、いずれかの補填入賞が成立した場合、サブラインSL3上に1個の「六角」図柄と2個の「四角」図柄との組合せが並ぶ。具体的には、図15(a)に示すように、メインラインML上に第1補填入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33における各リール24L,24M,24Rの中段図柄を結ぶサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「四角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄となる。これにより、遊技者は第1補填入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄及び「二重六角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合、第2補填入賞となる。図15(b)に示すように、メインラインML上に第2補填入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄となる。これにより、遊技者は第2補填入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄である場合、第3補填入賞となる。図15(c)に示すように、メインラインML上に第3補填入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「四角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「六角」図柄となる。これにより、遊技者は第3補填入賞が成立したことを確認することができる。第1〜第3補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合、四角入賞となる。図15(d)に示すように、メインラインML上に四角入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「四角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄となる。これにより、遊技者は四角入賞が成立したことを確認することができる。図14に示すように、四角入賞が成立した場合、遊技媒体の付与対象数が「9」となる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「二重六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重四角」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「二重菱形」図柄である場合、丸入賞となる。図15(e)に示すように、メインラインML上に丸入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「丸」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「丸」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄となる。これにより、遊技者は丸入賞が成立したことを確認することができる。図14に示すように、丸入賞が成立した場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「二重菱形」図柄となった場合、中リール24Mの停止図柄及び右リール24Rの停止図柄がいずれであったとしても菱形入賞となる。図15(f)に示すように、メインラインML上に菱形入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「菱形」図柄となる。これにより、遊技者は菱形入賞が成立したことを確認することができる。図14に示すように、菱形入賞が成立した場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかであり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄及び「二重六角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。この場合、図16(a)に示すように、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「六角」図柄となる。これにより、遊技者は通常リプレイ入賞が成立したことを確認することができる。また、図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重丸」図柄及び「二重四角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合にも通常リプレイ入賞となる。さらにまた、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重丸」図柄及び「二重四角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合にも通常リプレイ入賞となる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄及び「二重六角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。本実施形態では、いずれかのRTリプレイ入賞又は転落リプレイ入賞が成立した場合、サブラインSL3上に2個の「六角」図柄が並ぶ。具体的には、図16(b)に示すように、メインラインML上に第1RTリプレイ入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「六角」図柄となる。これにより、遊技者は第1RTリプレイ入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「四角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄及び「二重六角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。図16(c)に示すように、メインラインML上に第2RTリプレイ入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「二重丸」図柄及び「二重四角」図柄のいずれかとなり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「六角」図柄となる。これにより、遊技者は第2RTリプレイ入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかであり中リール24Mの停止図柄が「二重丸」図柄及び「二重四角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。図16(d)に示すように、メインラインML上に第1転落リプレイ入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかとなり右リール24Rの停止図柄が「六角」図柄となる。これにより、遊技者は第1転落リプレイ入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかであり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄及び「二重六角」図柄のいずれかであり右リール24Rの停止図柄が「丸」図柄及び「菱形」図柄のいずれかである場合、第2転落リプレイ入賞となる。図16(e)に示すように、メインラインML上に第2転落リプレイ入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「六角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「四角」図柄となる。これにより、遊技者は第2転落リプレイ入賞が成立したことを確認することができる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる再遊技の特典が付与される。具体的には、「3」の遊技媒体をベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら、「3」の遊技媒体がベットされた状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では後述する役の抽選処理(図28参照)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、RB入賞及びBB入賞がある。詳細には、図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「二重四角」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「菱形」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「二重丸」図柄である場合、RB入賞となる。図16(f)に示すように、メインラインML上にRB入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「二重菱形」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「二重菱形」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「二重菱形」図柄となる。これにより、遊技者はRB入賞が成立したことを確認することができる。
図14に示すように、メインラインML上において左リール24Lの停止図柄が「二重丸」図柄であり中リール24Mの停止図柄が「丸」図柄であり右リール24Rの停止図柄が「二重四角」図柄である場合、BB入賞となる。図16(g)に示すように、メインラインML上にBB入賞を成立させる図柄が停止した場合、サブ領域33におけるサブラインSL3上では、左リール24Lの停止図柄が「二重六角」図柄となり中リール24Mの停止図柄が「二重六角」図柄となり右リール24Rの停止図柄が「二重六角」図柄となる。これにより、遊技者はBB入賞が成立したことを確認することができる。
RB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。また、BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。BB状態及びRB状態はいずれもボーナス状態に該当する。ボーナス状態は、ボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、四角入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.5)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール24L,24M,24Rの停止順序及び各リール24L,24M,24Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングとは無関係に四角入賞が成立することとなる。一方、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数は他の遊技状態と同一となっている。したがって、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなる。なお、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも少ない構成としてもよく、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなるのであればボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも多い構成としてもよい。
ボーナス状態のうちBB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることが終了条件として設定されている。なお、BB状態において実行されたゲーム数がBB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。
ボーナス状態のうちRB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではRB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)以上となることが終了条件として設定されている。このRB終了基準数はBB終了基準数よりも少ない数となっている。したがって、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、RB状態において実行されたゲーム数がRB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。この場合、RB終了基準ゲーム数をBB終了基準ゲーム数よりも少ない数とすることにより、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態とすることが可能となる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図17のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71には既に説明したとおりMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット22、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット22、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、メインリールライト32、サブリールライト34及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット22の各リール24L,24M,24Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、各ゲームの開始に先立ってセレクタ52を受付許可状態とした後にメインリールライト32及びサブリールライト34を点灯する。これにより、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なリール24L,24M,24Rのメイン領域31、及びビームスプリッタ88に映ることにより視認可能となるリール24L,24M,24Rのサブ領域33が明るくなる。遊技者は、メイン領域31及びサブ領域33が明るくなったことに基づいて、遊技媒体をベット可能な受付許可状態となったことを把握することができる。
MPU72は、各ゲームにおいて全てのリール24L,24M,24Rが停止した後にメインリールライト32及びサブリールライト34を消灯する。これにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aを通じて視認可能である画像表示面87の暗転対象領域87aの視認性が高まる。そして、画像表示面87に上述した上乗せ演出映像、ART状態のオープニング映像、ART状態のエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像及びボーナス状態のエンディング映像が表示されることにより、こられの映像を全画面表示状態で表示することが可能となる。
MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信する。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板81を具備している。演出制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ68、スピーカ69及び画像表示装置86が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ68の発光制御、スピーカ69の音出力制御、及び画像表示装置86の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
また、演出制御基板81には、MPU82の他に、ビデオディスプレイプロセッサ85(VDP85)、メモリモジュール(図示略)及びビデオRAM(図示略)等が搭載されている。VDP85は、画像表示装置86に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP85は、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、メモリモジュールから所定のタイミングで読み出して画像表示装置86に表示させる。
メモリモジュールは、画像表示装置86に表示される図柄やキャラクタなどのデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このメモリモジュールには、開始待機映像を表示するための開始待機画像データ、フリーズ演出映像を表示するためのフリーズ演出画像データ、遊技状態に対応するゲーム中演出映像を表示するためのゲーム中演出画像データ、リール停止後映像を表示するためのリール停止後画像データ、上乗せ演出映像を表示するための上乗せ演出画像データ、ART状態及びボーナス状態のオープニング映像を表示するためのオープニング画像データ、ART状態及びボーナス状態のエンディング映像を表示するためのエンディング画像データ、エフェクト演出においてエフェクト映像を表示するためのエフェクト画像データ、及びリール24L,24M,24Rの停止順序を報知する停止順報知を画像表示面87上で行うための停止報知画像データ等も記憶されている。メモリモジュールには、これらの画像のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
開始待機画像データ、フリーズ演出画像データ及びゲーム中演出画像データは、一部暗転状態用の画像データである。一部暗転状態用の画像データでは、画像表示面87の暗転対象領域87aに対応する色データとして黒の色データが設定されている。一方、リール停止後画像データ、上乗せ演出画像データ、オープニング画像データ及びエンディング画像データは、全画面表示状態用の画像データである。
エフェクト映像及び停止報知画像は、画像表示面87の一部に表示される映像であり、エフェクト画像データ及び停止報知画像データは、ゲーム中演出画像データに重ねて表示される。エフェクト演出が行われる場合には、ゲーム中演出映像よりもエフェクト映像が手前側(遊技者側)に存在する態様でゲーム中演出映像の暗転対象領域87aにエフェクト映像が重ねて表示される。また、リール24L,24M,24Rの停止順序を報知する停止順報知が行われる場合には、ゲーム中演出映像よりも停止報知画像が手前側に存在する態様でゲーム中演出映像の暗転対象領域87aにエフェクト映像が重ねて表示される。
ビデオRAMは、画像表示装置86に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。ビデオRAMは、フレームバッファを備えており、当該フレームバッファには、1フレーム分の描画データを記憶可能なフレーム領域が設定されている。フレーム領域には、画像表示面87のドット87c(図10(a))に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを格納可能な記憶容量を有している。
MPU82は、主制御装置70のMPU72からコマンドを受信した場合、当該コマンドを解析し、解析結果に基づいて、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDP85に出力する。VDP85は、当該描画リストに従ってメモリモジュールから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してフレーム領域に表示データを作成する。そして、VDP85は、フレーム領域に作成した表示データに基づいて画像表示面87の各ドット87cに対応した画像信号を生成し、その画像信号を画像表示装置86に出力する。
MPU82は、VDP85に出力する描画リストに各種描画指示情報を設定し、VDP85は、受信した描画リストに設定されている描画指示情報に基づいてフレームバッファに表示データを作成する。全画面表示状態用の画像データを用いて表示データが作成された場合には、画像表示面87の全体に映像が表示される。一方、一部暗転状態用の画像データを用いて表示データが作成された場合には、映像自体は画像表示面87の全体に表示されるものの、このうち暗転対象領域87aには基本的に黒色が表示されるため、演出等の具体的な内容は周辺領域87bのみに表示されることとなる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されて電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS102)。設定キーが挿入された状態で電源ONが行われている場合には(ステップS102:YES)、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行し(ステップS104)、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理(ステップS105)を実行する。つまり、主側RAM74を初期化するための操作が行われることなくスロットマシン10の設定値の変更が行われる場合には一部クリア処理が実行され、主側RAM74を初期化するための操作が行われた場合には全部クリア処理が実行される。
一部クリア処理では主側RAM74における一部のエリアを初期化し、全部クリア処理では主側RAM74における全部のエリアを初期化する。一部クリア処理では、主側RAM74においてボーナス状態(RB状態及びBB状態)であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、ボーナス状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリア及び設定値を示すデータが記憶されたエリアを除く、主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。この場合、当選役が記憶されたエリアは「0」クリアされる。全部クリア処理では、一部クリア処理において「0」クリアの実行対象外とされるエリアを含めて主側RAM74の全エリアを「0」クリアする。これにより、一部クリア処理が実行されたとしてもボーナス状態は電源遮断前の状態に維持され、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となる。
なお、上記構成に限定されることはなく、ボーナス状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはボーナス状態ではない状態となる構成としてもよい。また、一部クリア処理が実行されたとしても、ボーナス役に当選したことを示すデータが記憶されたエリアが「0」クリアされない構成としてもよい。
ステップS104又はステップS105の処理を実行した後は、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられたクレジット表示部65に現在の設定値を表示する。なお、当選確率設定処理の直前において主側RAM74における設定値のデータを記憶するためのエリアが初期化されている場合には、クレジット表示部65に表示される設定値は「設定1」に対応する「1」である。
当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、クレジット表示部65における設定値の表示が終了される。当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS107)。通常処理については後に詳細に説明する。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS108以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS108)。具体的には、設定値が「設定1」〜「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS109)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS110)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS108〜ステップS110の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS111)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS112)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS113)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS114)。
一方、ステップS108〜ステップS110のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図19)の実行を禁止し(ステップS115)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS116)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS117)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49ミリ秒ごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール24L,24M,24Rを回転させるために、これら各リール24L,24M,24Rに設けられたステッピングモータ25を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS212では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させるレジスタ復帰処理を行う。その後、ステップS213にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図20のフローチャートを参照しながら説明する。
通常処理では、先ず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像が映るリール表示状態とするための第1表示調整処理を実行する(ステップS302)。なお、第1表示調整処理の詳細については後述する。
ステップS302にて第1表示調整処理を実行した後は、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数のベット設定を行う再遊技処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47〜49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47〜49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS303にて開始待ち処理を実行した後は、メダルのベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定する(ステップS304)。ベット数が規定数に達していない場合(ステップS304:NO)には開始待ち処理(ステップS303)に戻り、ベット数が規定数に達するまでステップS303及びステップS304の処理を繰り返す。その後、ベット数が規定数に達した場合(ステップS304:YES)には、スタートレバー41が操作されて開始指令が発生したか否かを判定し(ステップS305)、開始指令が発生していない場合(ステップS305:NO)には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。
一方、開始指令が発生した場合(ステップS305:YES)には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS306)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行する(ステップS307)。
ステップS307にて役の抽選処理を実行した後は、フリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS308)。フリーズカウンタは、主側RAM74に設けられたカウンタであり、当該フリーズカウンタの値が「0」でない場合には、当該フリーズカウンタの値が「0」となるまで遊技者によるストップボタン42〜44の操作が無効化される。フリーズカウンタには、第1フリーズ当選又は第2フリーズ当選が発生した場合にフリーズ期間に対応する数値が設定される。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にて定期的に減算される。
フリーズカウンタの値が「0」でない場合(ステップS308:NO)には、当該フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS308の処理を繰り返す。そして、フリーズカウンタの値が「0」となった場合(ステップS308:YES)には、各リール24L,24M,24Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS309)。
ステップS309にてリール制御処理を実行した後は、ビームスプリッタ88を通じて画像表示面87に表示される表示映像の全体が視認可能となる全画面表示状態に切り換えるための第2表示調整処理を実行する(ステップS310)。なお、第2表示調整処理の詳細については後述する。その後、媒体付与処理を実行する(ステップS311)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS312)。また、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行する(ステップS313)。そして、上述したフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS314)。主側RAM74におけるフリーズカウンタには、画像表示面87にリール停止後映像、上乗せ演出映像、ART状態のオープニング映像、ART状態のエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像、及びボーナス状態のエンディング映像が表示される場合にこれらの映像の表示時間が設定される。
フリーズカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314:NO)には、当該フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS314の処理を繰り返す。これにより、リール停止後映像、上乗せ演出映像、オープニング映像、又はエンディング映像の表示中に次のゲームが開始されてしまうことが防止されている。フリーズカウンタの値が「0」となった場合(ステップS314:YES)には、受付許可処理を実行する(ステップS315)。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
次に、通常処理(図20)のステップS307にて実行される役の抽選処理の説明に先立ち役の抽選処理に用いられる抽選テーブル及び判定用フラグ74bについて説明する。
先ず抽選テーブルについて説明する。本スロットマシン10では、スタートレバー41の操作を契機として取得された乱数値と、主側ROM73に予め記憶されている抽選テーブルとを用いて、役の抽選処理が実行される。具体的には、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
本スロットマシン10では、「1」の設定値から「6」の設定値まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方がボーナス状態への移行契機となるRB役及びBB役の当選確率が高い確率となるため、「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にボーナス状態が存在している。当該ボーナス状態には、RB状態とBB状態とが存在している。役の抽選処理では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルが選択される。
「設定3」である場合であって非ボーナス状態である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図21は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図22の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図21に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともに第1ポイント値PV1が設定されている。第1ポイント値PV1は、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、四角当選データと、第1補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図22に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール24Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール24L,24M,24Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく四角入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
上述したとおり、本スロットマシン10においてはストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール24L,24M,24Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190ミリ秒)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール24L,24M,24Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール24L,24M,24Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール24L,24M,24Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42〜44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞〜第3補填入賞、四角入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール24L,24M,24Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、丸入賞、菱形入賞、RB入賞及びBB入賞はリール24L,24M,24Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図21に示すように、四角当選データと、第2補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図22に示すように、第1停止が中リール24Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール24L,24M,24Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく四角入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図21に示すように、四角当選データと、第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図22に示すように、第1停止が右リール24Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール24L,24M,24Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく四角入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図21に示すように、四角当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図22に示すように、リール24L,24M,24Rの停止順序に関係なく四角入賞が成立する。また、インデックス値IV=4で当選となった場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく四角入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図21に示すように、丸当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図22に示すように、リール24L,24M,24Rの停止順序に関係なく丸入賞が成立し得る。但し、各リール24L,24M,24Rの回転位置に対する各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、丸入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図21に示すように、菱形当選データのみが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図22に示すように、リール24L,24M,24Rの停止順序に関係なく菱形入賞が成立し得る。但し、左リール24Lの回転位置に対する左のストップボタン42の操作タイミングによっては、菱形入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=7には、図21に示すように、RB当選データが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図22に示すように、リール24L,24M,24Rの停止順序に関係なくRB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、RB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=8には、図21に示すように、BB当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図22に示すように、リール24L,24M,24Rの停止順序に関係なくBB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、BB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、RB当選データ及びBB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、RB当選データ及びBB当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、RB当選データ又はBB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいてはRB当選データ及びBB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、ボーナス当選データ(RB当選データ又はBB当選データ)が既に記憶保持されているにも関わらずボーナス当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のボーナス当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=9〜12には、図21に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=9で当選となった場合、図22に示すように、第1停止が中リール24Mであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が左リール24Lであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール24Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が左リール24Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が中リール24Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が左リール24Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図21の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/8.2であり、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は約1/6.6であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は約1/100であり、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=8の際に当選となる確率は約1/218であり、インデックス値IV=9の際に当選となる確率、インデックス値IV=10の際に当選となる確率、インデックス値IV=11の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=12の際に当選となる確率は、それぞれ約1/41である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=9〜12の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図21参照)。これらインデックス値IV=9〜12のいずれかに当選する確率は約1/10.2である。そして、インデックス値IV=9〜12のいずれかで当選となった場合、リール24L,24M,24Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図28)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図23及び図24は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図23に示すように、インデックス値IV=1〜8のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図21)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1〜6には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=7〜8には通常モード用抽選テーブルと同様にボーナス当選データ(RB当選データ又はBB当選データ)が設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいていずれかのボーナス役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=9以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図23に示すように、インデックス値IV=9〜12の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=9〜12のいずれかに当選する確率は約1/8.2である。インデックス値IV=9で当選となった場合、図24に示すように、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が右リール24Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が左リール24Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が中リール24Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が左リール24Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=9〜12のいずれかで当選となり、リール24L,24M,24Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図28)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図23に示すように、インデックス値IV=13〜18の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=13〜18のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=13で当選となった場合、図24に示すように、第1停止が左リール24Lであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が右リール24Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が左リール24Lであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が中リール24Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が右リール24Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が左リール24Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が中リール24Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が左リール24Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、役の抽選処理(図28)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=19に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.6で当選となる。そして、このインデックス値IV=19で当選となった場合にはリール24L,24M,24Rの停止順序及び各リール24L,24M,24Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=9〜19にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.7となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/10.2となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図25及び図26は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図25に示すように、インデックス値IV=1〜8のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図21)及び第1RTモード用抽選テーブル(図23)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1〜6には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=7〜8には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にボーナス当選データ(RB当選データ又はBB当選データ)が設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいていずれかのボーナス役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=9以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図25に示すように、インデックス値IV=9〜14の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=9〜14のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=9で当選となった場合、図26に示すように、第1停止が左リール24Lであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が右リール24Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が左リール24Lであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が中リール24Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が右リール24Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が中リール24Mであり、第2停止が右リール24Rであり、第3停止が左リール24Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が左リール24Lであり、第3停止が中リール24Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール24Rであり、第2停止が中リール24Mであり、第3停止が左リール24Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図28)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=15に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=15において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=15で当選となった場合にはリール24L,24M,24Rの停止順序及び各リール24L,24M,24Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=9〜15にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(リプレイ確率)は、約1/2.7となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/10.2となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.7となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」〜「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどボーナス役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、いずれかのボーナス役に当選している状況であればボーナス役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしてもRB役及びBB役が抽選対象から除外される。
また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもRB状態又はBB状態である場合に役の抽選処理(図28)にて参照されるボーナス用抽選テーブルが記憶されているとともに、ボーナス役に当選しているもののそれに対応するボーナス入賞が成立していない場合に役の抽選処理(図28)にて参照される内部用抽選テーブルが記憶されている。
ボーナス用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、四角役、丸役、菱形役及び通常リプレイ役の4種類のみが設定されており、四角役の当選確率は約1/2に設定され、丸役の当選確率は約1/8に設定され、菱形役の当選確率は約1/8に設定され、通常リプレイ役の当選確率は約1/4に設定されている。これにより、ボーナス状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
内部用抽選テーブルは、通常モード用抽選テーブル(図21)におけるインデックス値IV=1〜6に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVが通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=9〜12の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、ボーナス役の内部当選状態となっている場合には、遊技媒体の付与を可能とする役及び当該役の当選確率が通常モードと同一であるとともにリプレイ確率が通常モードと同一であるものの、ボーナス役に当選することはなくさらに通常モード、第1RTモード及び第2RTモードへの移行契機となる役に当選することもない。
次に、判定用フラグ74bの状態変化について、図17、図27(a)及び図27(b)を参照しながら説明する。図27(a)及び図27(b)は減算処理における判定用フラグ74bの状態変化を説明するための説明図である。
図17に示すように、主側RAM74には、16ビット(2バイト)の記憶領域を有する判定値用バッファ74aが設けられている。役の抽選処理では、スタートレバー41の操作を契機として取得された16ビットの乱数値が判定値DVとして判定値用バッファ74aに設定される。その後、判定値用バッファ74aにおける判定値DVについて、主側ROM73から選択された抽選テーブルのインデックス値IVに設定されている第1ポイント値PV1を減算する抽選用減算処理が行われる。そして、当該抽選用減算処理により算出された16桁の2進数が判定値用バッファ74aに設定されることにより、判定値用バッファ74aにおける判定値DVが更新される。
図17に示すように、主側RAM74には判定用フラグ74bが設けられている。判定用フラグ74bは、抽選用減算処理の前に「0」クリアされるフラグであるとともに、抽選用減算処理の結果が負(「0」未満)の値となった場合に「1」が設定されるフラグである。具体的には、判定値DVが第1ポイント値PV1以上である状態にて抽選用減算処理が行われた場合、抽選用減算処理の結果は正(「0」以上)の値となるため、抽選用減算処理後の判定用フラグ74bは「0」のままとなる。一方、判定値DVが第1ポイント値PV1未満である状態にて抽選用減算処理が行われた場合、抽選用減算処理の結果は負の値となるため、抽選用減算処理後の判定用フラグ74bには「1」が設定される。
ここで、抽選用減算処理及び判定用フラグ74bの詳細について説明する。抽選用減算処理に用いられる判定値DV及び第1ポイント値PV1は、16ビットの数値情報である。抽選用減算処理では、先ず第1ポイント値PV1の各ビットを反転させた後に最下位ビットに「1」を加算することにより第1ポイント値PV1の2の補数が作成される。そして、判定値DVに当該第1ポイント値PV1の2の補数が加算されることにより、抽選用減算処理の結果が算出される。
抽選用減算処理において、判定値DV(16ビット)と第1ポイント値PV1の2の補数(16ビット)との合計値が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超える場合、当該合計値は2進数で17桁の数値情報となる。この場合には、当該合計値における下位16桁の数値情報が2バイトの判定値用バッファ74aに格納されて判定値DVが更新される。このように、判定値DVと第1ポイント値PV1の2の補数との合計値が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超えた場合には、抽選用減算処理の結果が正の値であったことを意味し、判定用フラグ74bは「0」となる。
一方、抽選用減算処理において、判定値DV(16ビット)と、第1ポイント値PV1の2の補数(16ビット)との合計値が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)以下である場合、当該合計値は2進数で16桁の数値情報となる。この場合には、当該合計値を示す16桁の数値情報が2バイトの判定値用バッファ74aに格納されて判定値DVが更新される。このように、判定値DVと第1ポイント値PV1の2の補数との合計値が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)以下となった場合には、抽選用減算処理の結果が負の値であったことを意味し、判定用フラグ74bに「1」が設定される。
判定値DVに第1ポイント値PV1の2の補数を加算して抽選用減算処理を実行する構成とすることにより、加算用のプログラムを用いて抽選用減算処理の結果を算出することが可能となっている。減算用のプログラムを不具備とすることにより、抽選用減算処理のために減算用のプログラムを記憶する構成と比較して、演算用のプログラムの記憶容量が抑えられている。
次に、抽選用減算処理における判定用フラグ74bの状態変化について、具体例を挙げて説明する。図27(a)に示すように、判定値用バッファ74aに記憶されている判定値DVが2進数表記で「0011111000011100」(10進数表記で「15900」)であるとともに、第1ポイント値PV1が2進数表記で「0001111101000000」(10進数表記で「8000」)である場合、判定値DVは第1ポイント値PV1以上の値であるため、判定値DVに第1ポイント値PV1の2の補数を加算した結果は16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超えるとともに、抽選用減算処理の結果は正の値となる。この場合、これらの判定値DV及び第1ポイント値PV1について抽選用減算処理が行われた後、判定用フラグ74bは「0」となるとともに、判定値用バッファ74aにおける判定値DVは2進数表記で「0001111011011100」(10進数表記で「7900」)に更新される。
一方、図27(b)に示すように、判定値用バッファ74aにおける判定値DVが2進数表記で「0001111011011100」(10進数表記で「7900」)であるとともに、第1ポイント値PV1が2進数表記で「0001111101000000」(10進数表記で「8000」)である場合、判定値DVは第1ポイント値PV1未満の値であるため、判定値DVに第1ポイント値PV1の2の補数を加算した結果は16ビットの数値情報の最大値(「65535」)以下の値となるとともに、抽選用減算処理の結果は負の値となる。この場合、これらの判定値DV及び第1ポイント値PV1について抽選用減算処理が行われた後、判定用フラグ74bには「1」が設定されるとともに、判定値用バッファ74aにおける判定値DVは2進数表記で「1111111110011100」(10進数表記で「65436」)に更新される。
<役の抽選処理>
次に、主側MPU72において実行される役の抽選処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役の抽選処理は、通常処理(図20)のステップS307にて実行される。
役の抽選処理では、先ず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS401)。既に説明したとおり、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする。ステップS401では、スタートレバー41の操作に基づいてラッチされた値を乱数値として取得する。その後、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS402)。
ステップS402にて抽選テーブルを選択した後は、インデックス値IVを「1」とする(ステップS403)。その後、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する判定値設定処理を行う(ステップS404)。判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数値を主側RAM74に設けられた判定値用バッファ74aに設定する。
ステップS404にて判定値DVを設定した後は、現在の判定値DVから、現在のインデックス値IVと対応する第1ポイント値PV1を減算する抽選用減算処理を実行する(ステップS405)。抽選用減算処理の内容は図27(a)及び図27(b)を利用して既に説明したとおりである。その後、主側RAM74に設けられた判定用フラグ74bに「1」が設定されたか否かについて判定する(ステップS406)。
ステップS406にて判定用フラグ74bが「0」であった場合、つまり、今回の抽選用減算処理の結果が正(「0」以上)であった場合には、現状のインデックス値IVに設定されている役に外れたことを意味する。かかる場合には、インデックス値IVに「1」を加算してインデックス値IVを更新する(ステップS407)。そして、更新後のインデックス値IVに設定されている役が存在するか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS408)。具体的には、「1」が加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。
当否判定すべき判定対象がある場合(ステップS408:YES)には、ステップS405に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS405では、判定値用バッファ74aに現状記憶されている判定値DVから現状のインデックス値IVと対応する第1ポイント値PV1を減算する抽選用減算処理を実行し、ステップS406では、当該抽選用減算処理後の判定用フラグ74bの状態について判定する。既に説明したとおり、判定用フラグ74bは、各抽選用減算処理の開始前に「0」クリアされるため、抽選用減算処理後の判定用フラグ74bには今回の抽選用減算処理の結果が反映されている。
ステップS406にて判定用フラグ74bに「1」が設定されていた場合には、現状のインデックス値IVに設定されている役に当選したことを意味する。この場合には、役の抽選処理の結果として現状のインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74に設定する当選データの設定処理を実行する(ステップS409)。当選データの設定処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。ステップS409にてセットされた当選データは、その当選データがボーナス当選データ(RB当選データ又はBB当選データ)以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後にクリアされ、ボーナス当選データであれば入賞が成立した場合にクリアされる。
ステップS409にて当選データの設定処理を実行した後は、判定値用バッファ74aに記憶されている現状の判定値DVを用い、ART移行抽選処理(ステップS410)、ART用抽選処理(ステップS411)及び有利抽選処理(ステップS412)を実行する。既に説明したとおり、本スロットマシン10には、遊技状態として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なART状態と、ART状態への前段階である準備状態と、ボーナス状態とが設定されている。ART移行抽選処理(ステップS410)では、通常遊技状態であることを条件として、ART状態への移行当選が発生するか否かについて判定するとともに、ART用抽選処理(ステップS411)では、準備状態又はART状態であることを条件として、フリーズ当選又は上乗せ当選が発生するか否かについて判定する。有利抽選処理(ステップS412)では、ボーナス状態(RB状態又はBB状態)であることを条件として、現状のボーナス状態(RB状態又はBB状態)に移行する契機が通常遊技状態において発生したものである場合には、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を獲得するか否かについて判定する。一方、現状のボーナス状態に移行する契機が準備状態又はART状態において発生したものである場合には、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を既に有している。この場合には、ART状態の継続ゲーム数に上乗せを行うか否かについて判定する。なお、これらART移行抽選処理、ART用抽選処理及び有利抽選処理の詳細については後述する。
一方、ステップS408にて当否判定すべき判定対象が存在しなかった場合には、いずれの役にも当選しなかったことを意味するため、外れ結果用処理を実行する(ステップS413)。外れ結果用処理では、主側RAM74に今回の役の抽選処理において外れ結果となったことを示す外れデータを設定する。
ステップS412にて有利抽選処理を実行した後、又はステップS413にて外れデータの設定処理を実行した後は、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行し(ステップS414)、演出側MPU82への送信対象としてゲーム開始コマンドをセットする(ステップS415)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。ゲーム開始コマンドには、今回の役の抽選処理(図28)にていずれかのインデックス値IVに当選となった場合には当該当選したインデックス値IVを示す情報と、現状の抽選モード及び現状の遊技状態に対応する情報とが設定される。演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ68の発光制御、スピーカ69の音出力制御及び画像表示装置86の表示制御を実行する。これにより、画像表示装置86の画像表示面87に現状の遊技状態に応じたゲーム中演出映像が表示される。
ステップS415にてゲーム開始コマンドをセットした後は、ボーナス状態であるか否かについて判定し(ステップS416)、ボーナス状態でない場合には後述する報知制御処理を実行して(ステップS417)、本役の抽選処理を終了する。一方、ボーナス状態である場合(ステップS416:YES)には、そのまま本役の抽選処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行されるART移行抽選処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ART移行抽選処理は、役の抽選処理(図28)におけるステップS410において実行される。
ART移行抽選処理では、先ず通常遊技状態であるか否かについて判定し(ステップS501)、通常遊技状態でない場合(ステップS501:NO)には、そのまま本ART移行抽選処理を終了する。一方、通常遊技状態である場合(ステップS501:YES)には、今回の役の抽選処理(図28)において、ART移行抽選の対象となるインデックス値IVに当選したか否かについて判定する(ステップS502)。本スロットマシン10では、ART移行抽選の対象として、丸当選データが設定されているインデックス値IV=5及び菱形当選データが設定されているインデックス値IV=6が設定されている。インデックス値IV=5,6に当選していない場合(ステップS502:NO)には、そのまま本ART移行抽選処理を終了する。
ステップS502にてインデックス値IV=5,6に当選している場合には、主側RAM74に設けられたART移行抽選中フラグに「1」を設定し(ステップS503)、ART移行当選となるか否かについて判定する追加抽選処理を実行する(ステップS504)。ART移行抽選中フラグに「1」が設定されている状況において追加抽選処理が行われ、当該追加抽選処理においてART移行当選が発生した場合、主側RAM74に設定された第1当選フラグに「1」が設定される。当該第1当選フラグは、追加抽選処理において後述する追加抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選したことを示すフラグである。なお、追加抽選処理及び第1当選フラグの詳細については後述する。
ステップS504にて追加抽選処理を実行した後は、ART移行当選が発生したか否かについて判定する(ステップS505)。具体的には、主側RAM74における第1当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し、第1当選フラグに「1」が設定されている場合にART移行当選が発生したと判定する。ステップS505にてART移行当選が発生したと判定した場合には、主側RAM74に設けられたART移行当選フラグに「1」を設定し(ステップS506)、追加抽選処理において主側RAM74に設定された第1当選フラグを「0」クリアして(ステップS507)、本ART移行抽選処理を終了する。ART移行当選フラグは、ART移行当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。ART移行当選フラグに「1」が設定されることにより、後述する通常用処理(図39)において、ART状態への前段階である準備状態に遊技状態が移行することとなる。一方、ART移行当選が発生しなかった場合(ステップS505:NO)には、そのまま本ART移行抽選処理を終了する。
次に、ART用抽選処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ART用抽選処理は、役の抽選処理(図28)のステップS411において実行される。
ART用抽選処理では、先ず準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS601)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS601:NO)には、そのまま本ART用抽選処理を終了する。一方、準備状態及びART状態のいずれかである場合(ステップS601:YES)には、主側RAM74に第2RTリプレイ当選データが設定されているか否かについて判定する(ステップS602)。
第2RTリプレイ当選データが設定されていない場合(ステップS602:NO)には、主側RAM74に丸当選データ又は菱形当選データが設定されているか否かについて判定する(ステップS603)。主側RAM74に丸当選データ及び菱形当選データのいずれもが設定されていない場合(ステップS603:NO)には、そのまま本ART用抽選処理を終了する。
主側RAM74に第2RTリプレイ当選データ、丸当選データ又は菱形当選データが設定されていた場合(ステップS602:YES、又はステップS603:YES)には、主側RAM74に設けられたART用抽選中フラグに「1」を設定して(ステップS604)、追加抽選処理(図34)を実行する(ステップS605)。ART用抽選中フラグは、ART用抽選中であることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
既に説明したとおり、本スロットマシン10には、スタートレバー41が操作された後に行われる演出として、3秒間に亘ってストップボタン42〜44の操作が無効化される第1フリーズ演出と、6秒間に亘ってストップボタン42〜44の操作が無効化される第2フリーズ演出とが設定されている。ART用抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理(ステップS605)では、第1フリーズ当選、第2フリーズ当選及び上乗せ当選となるか否かについての判定が実行される。追加抽選処理では、第1フリーズ当選が発生した場合に主側RAM74における第1当選フラグに「1」が設定され、第2フリーズ当選データが発生した場合に主側RAM74に設けられた第2当選フラグに「1」が設定され、上乗せ当選が発生した場合には主側RAM74に設けられた第3当選フラグに「1」が設定される。上述したとおり、第1当選フラグは追加抽選処理において後述する追加抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合に「1」が設定されるフラグである。また、第2当選フラグは追加抽選処理において後述する追加抽選テーブルのインデックス値IV=2に当選した場合に「1」が設定されるフラグであるとともに、第3当選フラグは追加抽選処理にて後述する追加抽選テーブルのインデックス値IV=3に当選した場合に「1」が設定されるフラグである。なお、追加抽選処理、第1当選フラグ、第2当選フラグ及び第3当選フラグの詳細については後述する。
ステップS605にて追加抽選処理を実行した後は、追加抽選処理の結果に応じてステップS606以降の処理を実行する。ステップS606では、追加抽選処理(ステップS605)にて第1フリーズ当選が発生したか否かについて判定する。具体的には、主側RAM74における第1当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し、第1当選フラグに「1」が設定されている場合には第1フリーズ当選が発生したと判定する。第1フリーズ当選となった場合(ステップS606:YES)には、主側RAM74に設けられた第1フリーズ当選フラグに「1」を設定する(ステップS607)。第1フリーズ当選フラグは、第1フリーズ当選となったことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。その後、演出側MPU82への送信対象として第1フリーズコマンドをセットする(ステップS608)。
第1フリーズコマンドは、演出側MPU82に対して、ストップボタン42〜44の操作が無効となるフリーズ期間中に第1フリーズ演出用の処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、第1フリーズコマンドを受信した場合、当該フリーズ期間中に画像表示面87に一部暗転状態用の第1フリーズ演出映像が表示されるように画像表示装置86の表示制御を実行するとともに、上部ランプ68の発光制御及びスピーカ69の音出力制御を実行する。これにより、第1フリーズ状態が発生したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。第1フリーズ演出が行われた場合には、後述する上乗せ用処理(図40(b))にて主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「30」が加算されることとなる。
ステップS606にて第1フリーズ当選は発生していないと判定した場合には、第2フリーズ当選が発生したか否かについて判定する(ステップS609)。具体的には、主側RAM74における第2当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し、第2当選フラグに「1」が設定されている場合には第2フリーズ当選が発生したと判定する。第2フリーズ当選となった場合(ステップS609:YES)には、主側RAM74に設けられた第2フリーズ当選フラグに「1」を設定する(ステップS610)。第2フリーズ当選フラグは、第2フリーズ当選となったことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。その後、演出側MPU82への送信対象として第2フリーズコマンドをセットする(ステップS611)。
第2フリーズコマンドは、演出側MPU82に対して、ストップボタン42〜44の操作が無効となるフリーズ期間中に第2フリーズ演出用の処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、第2フリーズコマンドを受信した場合、当該フリーズ期間中に画像表示面87に一部暗転状態用の第2フリーズ演出映像が表示されるように画像表示装置86の表示制御を実行するとともに、上部ランプ68の発光制御及びスピーカ69の音出力制御を実行する。これにより、第2フリーズ状態が発生したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。第2フリーズ演出が行われた場合には、後述する上乗せ用処理(図40(b))にて主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「40」が加算されることとなる。
ステップS608にて第1フリーズコマンドをセットした後、又はステップS611にて第2フリーズコマンドをセットした後は、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS612)。フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに対して、第1フリーズ演出に当選した場合には3秒のフリーズ期間を設定するとともに、第2フリーズ演出に当選した場合には6秒のフリーズ期間を設定する。フリーズカウンタに設定された数値情報はタイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にて定期的に減算される。フリーズカウンタに数値情報が設定された場合、既に説明したとおり、通常処理(図20)のステップS308において、フリーズカウンタが「0」となるまで待機することとなる。
ステップS609にて第2フリーズ当選は発生していないと判定した場合には、上乗せ当選が発生したか否かについて判定する(ステップS613)。具体的には、主側RAM74における第3当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し、第3当選フラグに「1」が設定されている場合には上乗せ当選が発生したと判定する。上乗せ当選となった場合(ステップS613:YES)には、主側RAM74に設けられた上乗せ当選フラグに「1」を設定する(ステップS614)。上乗せ当選フラグは、上乗せ当選が発生したことを主側RAM74にて特定可能とするフラグである。なお、上乗せ当選となった場合には、上述した第1フリーズ当選又は第2フリーズ当選となった場合とは異なり、ストップボタン42〜44の操作が無効となるフリーズ期間は設定されない。また、ステップS613にて上乗せ当選は発生していないと判定した場合には、追加抽選処理(ステップS605)にて外れ結果となったことを意味するため、そのまま本ART用抽選処理を終了する。
ステップS612にてフリーズカウンタの設定処理をした後、又はステップS614にて上乗せ当選フラグに「1」を設定した後は、追加抽選処理(ステップS605)にて主側RAM74における第1当選フラグ、第2当選フラグ及び第3当選フラグを「0」クリアして(ステップS615)、本ART用抽選処理を終了する。
次に、有利抽選処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、有利抽選処理は、役の抽選処理(図28)におけるステップS412にて実行される。
有利抽選処理では、先ずボーナス状態(RB状態又はBB状態)であるか否かついて判定し(ステップS701)、ボーナス状態でない場合(ステップS701:NO)には、そのまま本有利抽選処理を終了する。一方、ボーナス状態であった場合(ステップS701:YES)には、主側RAM74に有利抽選の実行対象である当選データが設定されているか否かについて判定する(ステップS702)。本スロットマシン10では、有利抽選の実行対象として、丸当選データ及び菱形当選データが設定されている。丸当選データ及び菱形当選データのいずれもが設定されていない場合(ステップS702:NO)には、そのまま本有利抽選処理を終了する。
一方、主側RAM74に丸当選データ又は菱形当選データが設定されている場合(ステップS702:YES)には、主側RAM74に設けられた有利抽選中フラグに「1」を設定し(ステップS703)、追加抽選処理を実行する(ステップS704)。有利抽選中フラグは、有利抽選中であることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。有利抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理(ステップS704)では、有利当選が発生するか否かについての判定が行われ、有利当選が発生した場合には主側RAM74における第1当選フラグに「1」が設定される。上述したとおり、第1当選フラグは、追加抽選処理において後述する追加抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合に「1」が設定されるフラグである。現状のボーナス状態(RB状態又はBB状態)に移行する契機が通常遊技状態において発生したものである場合には、有利当選が発生することによりART移行当選となる。また、現状のボーナス状態に移行する契機が準備状態又はART状態において発生したものである場合には、有利当選が発生することにより主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ当選となる。なお、追加抽選処理及び第1当選フラグの詳細については後述する。
ステップS704にて追加抽選処理を実行した後は、当該追加抽選処理において有利当選となったか否かについて判定する(ステップS705)。具体的には、主側RAM74における第1当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し、第1当選フラグに「1」が設定されている場合には有利当選となったと判定する。有利当選とならなかった場合(ステップS705:NO)には、そのまま本有利抽選処理を終了する。一方、ステップS705にて有利当選となった場合には、主側RAM74に設けられた有利当選フラグに「1」を設定し(ステップS706)、追加抽選処理(ステップS704)にて「1」が設定された第1当選フラグを「0」クリアして(ステップS707)、本有利抽選処理を終了する。有利当選フラグは、有利当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
有利当選フラグに「1」が設定された場合であって今回のボーナス状態の契機となったボーナス役(RB役又はBB役)に当選したタイミングの遊技状態が準備状態又はART状態でなかった場合には、後述するボーナス状態用処理(図38)において、ボーナス状態の終了後に準備状態へ移行する権利を獲得することとなる。また、有利当選フラグに「1」が設定された場合であって今回のボーナス状態の契機となったボーナス役(RB役又はBB役)に当選したタイミングの遊技状態が準備状態又はART状態であった場合には、後述するボーナス状態用処理(図38)において、主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ処理が実行されることとなる。
次に、ART移行抽選処理(図29)のステップS504、ART用抽選処理(図30)のステップS605、及び有利抽選処理(図31)のステップS704にて実行される追加抽選処理の説明に先立ち、追加抽選処理に用いられる追加抽選テーブル及び追加抽選処理における判定用フラグ74bの状態変化について説明する。
先ず追加抽選テーブルについて説明する。追加抽選処理は主側ROM73に記憶されている追加抽選テーブルを用いて行われる。主側ROM73には、ART移行抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理において選択される追加抽選テーブルとして、丸用第1追加抽選テーブルと菱形用第1追加抽選テーブルとが予め記憶されている。当該追加抽選処理では、主側RAM74に丸当選データが設定されている場合に丸用第1追加抽選テーブルが選択されるとともに、主側RAM74に菱形当選データが設定されている場合に菱形用第1追加抽選テーブルが選択される。また、主側ROM73には、ART用抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理において選択される追加抽選テーブルとして、第2RT用第2追加抽選テーブルと、丸用第2追加抽選テーブルと、菱形用第2追加抽選テーブルとが予め記憶されている。当該追加抽選処理では、主側RAM74に第2RTリプレイ当選データが設定されている場合に第2RT用第2追加抽選テーブルが選択され、主側RAM74に丸当選データが設定されている場合に丸用第2追加抽選テーブルが選択され、主側RAM74に菱形当選データが設定されている場合に菱形用第2追加抽選テーブルが選択される。さらにまた、主側ROM73には、有利抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理において選択される追加抽選テーブルとして、丸用第3追加抽選テーブルと菱形用第3追加抽選テーブルとが予め記憶されている。当該追加抽選処理では、主側RAM74に丸当選データが設定されている場合に丸用第3追加抽選テーブルが選択されるとともに、主側RAM74に菱形当選データが設定されている場合に菱形用第3追加抽選テーブルが選択される。
図32(a)は丸用第1追加抽選テーブルを示す図であり、図32(b)は菱形用第1追加抽選テーブルを示す図であり、図32(c)は第2RT用第2追加抽選テーブルを示す図であり、図32(d)は丸用第2追加抽選テーブルを示す図であり、図32(e)は菱形用第2追加抽選テーブルを示す図であり、図32(f)は丸用第3追加抽選テーブルを示す図であり、図32(g)は菱形用第3追加抽選テーブルを示す図である。
図32(a)〜図32(g)に示すように、各追加抽選テーブルには、インデックス値IVに対応させて、当否判定対象と、第2ポイント値PV2とが設定されている。具体的には、図32(a)及び図32(b)に示すように、丸用第1追加抽選テーブル及び菱形用第1追加抽選テーブルでは、インデックス値IV=1に対応させて、当否判定対象としてART状態への移行が設定されている。また、図32(c)〜図32(e)に示すように、第2RT用第2追加抽選テーブル、丸用第2追加抽選テーブル、及び菱形用第2追加抽選テーブルでは、インデックス値IV=1に対応させて、当否判定対象として第1フリーズが設定されており、インデックス値IV=2に対応させて、当否判定対象として第2フリーズが設定されており、インデックス値IV=3に対応させて、当否判定対象として上乗せが設定されている。さらにまた、図32(f)及び図32(g)に示すように、丸用第3追加抽選テーブル及び菱形用第3追加抽選テーブルでは、インデックス値IV=1に対応させて、当否判定の対象としてART状態への移行及び上乗せが設定されている。
上述したとおり、丸用第3追加抽選テーブル及び菱形用第3追加抽選テーブルは、ボーナス状態(RB状態又はBB状態)において選択される追加抽選テーブルである。これら第3追加抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合、現状のボーナス状態に移行する契機が通常遊技状態において発生したものである場合には、当該ボーナス状態の終了時にART状態への前段階である準備状態に移行するとともに、現状のボーナス状態に移行する契機が準備状態又はART状態において発生したものである場合には、主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ処理が行われる。
追加抽選処理では、役の抽選処理(図28)に用いられた判定値用バッファ74aに記憶されている判定値DVに対して、選択された追加抽選テーブルのインデックス値IVに設定されている第2ポイント値PV2を加算する抽選用加算処理が行われる。抽選用加算処理に用いられる判定値DV及び第2ポイント値PV2は、16ビットの数値情報である。抽選用加算処理では、判定値DVに第2ポイント値PV2を加算した結果が判定値用バッファ74aに設定されることにより判定値用バッファ74aにおける判定値DVが更新される。また、抽選用加算処理では、判定値DVに第2ポイント値PV2を加算した結果が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)以下であった場合には主側RAM74における判定用フラグ74bが「0」となるとともに、判定値DVに第2ポイント値PV2を加算した結果が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超えた場合には主側RAM74における判定用フラグ74bが「1」となる。
抽選用加算処理に用いられる判定用フラグ74bは、既に説明した抽選用減算処理に用いられる判定用フラグ74bと同一である。判定用フラグ74bは、抽選用加算処理に際して「0」クリアされる。このため、抽選用加算処理後の判定用フラグ74bの状態は、直前の抽選用加算処理の結果を反映している。追加抽選処理では、当該抽選用加算処理後の判定用フラグ74bの状態に応じて当否判定が実行される。
ここで、抽選用加算処理における判定用フラグ74bの状態変化について、図33(a)及び図33(b)を参照しながら具体的に説明する。図33(a)及び図33(b)は抽選用加算処理における判定用フラグ74bの状態変化を説明するための説明図である。
例えば、図33(a)に示すように、判定値用バッファ74aに記憶されている判定値DVが2進数表記で「1111111110011100」(10進数表記で「65436」)であるとともに、第2ポイント値PV2が2進数表記で「0000000000110010」(10進数表記で「50」)である場合、判定値DVと第2ポイント値PV2との和は16ビットの数値情報の最大値(「65535」)以下である。当該判定値DV及び第2ポイント値PV2について抽選用加算処理が行われた場合、判定用フラグ74bは「0」となるとともに、判定値用バッファ74aにおける判定値DVは2進数表記で「1111111111001110」(10進数表記で「65486」)に更新される。
一方、図33(b)に示すように、判定値用バッファ74aにおける判定値DVが2進数表記で「1111111111001110」(10進数表記で「65486」)であるとともに、第2ポイント値PV2が2進数表記で「0000000011001000」(10進数表記で「200」)である場合、判定値DVと第2ポイント値PV2との和は16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超える。当該判定値DV及び第2ポイント値PV2について抽選用加算処理が行われた場合、判定用フラグ74bには「1」が設定されるとともに、判定値用バッファ74aにおける判定値DVは2進数表記で「0000000010010110」(10進数表記で「150」)に更新される。
役の抽選処理(図28)が行われた後、追加抽選処理が行われるまでの間に判定値用バッファ74aはクリアされない。このため、追加抽選処理における判定値DVの初期値は、役の抽選処理において最後に行われた抽選用減算処理の結果として判定値用バッファ74aに記憶された値となる。追加抽選処理では、インデックス値IV=1から順番に、判定値DVと各インデックス値IVに設定されている第2ポイント値PV2との抽選用加算処理が行われ、判定用フラグ74bに「1」が設定された抽選用加算処理に用いられたインデックス値IVに当選したと判定される。
図32(a)〜図32(g)に示すように、第2ポイント値PV2は、各抽選テーブルにおける第2ポイント値PV2の合計が、役の抽選処理(図28)の最後に行われた抽選用減算処理に用いられた第1ポイント値PV1よりも小さくなるように設定されている。これにより、追加抽選処理において外れ結果が生じるようになっている。
例えば、丸用第2追加抽選テーブル(図32(d))は、役の抽選処理(図28)にて通常モード用抽選テーブル(図21)、第1RTモード用抽選テーブル(図23)、又は第2RTモード用抽選テーブル(図25)のインデックス値IV=5に当選した場合に選択される。図21、図23及び図25に示すように、インデックス値IV=5に設定されている第1ポイント値PV1は「655」である。このため、役の抽選処理における最後の抽選用減算処理の結果、判定値用バッファ74aにおける判定値DVは10進数表記で「64881」〜「65535」に更新される。これに対して、図32(d)に示すように、丸用第2追加抽選テーブルのインデックス値IV=1には第2ポイント値PV2として「50」が設定されており、インデックス値IV=2には第2ポイント値PV2として「25」が設定されており、インデックス値IV=3には第2ポイント値PV2として「100」が設定されている。これらの第2ポイント値PV2の合計(「175」)は、役の抽選処理(図28)における最後の抽選用減算処理に用いられた第1ポイント値PV1(「655」)よりも小さい。このため、追加抽選処理における判定値DVの初期値が「65486」〜「65535」であればインデックス値IV=1に当選して第1フリーズ当選となり、判定値DVの初期値が「65461」〜「65485」であればインデックス値IV=2に当選して第2フリーズ当選となり、判定値DVの初期値が「65361」〜「65460」であればインデックス値IV=3に当選して上乗せ当選となり、判定値DVの初期値が「64881」〜「65360」であれば外れ結果となる。
次に、主側MPU72において実行される追加抽選処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。なお、追加抽選処理は、ART移行抽選処理(図29)におけるステップS504と、ART用抽選処理(図30)におけるステップS605と、有利抽選処理(図31)におけるステップS704とにおいて実行される。
追加抽選処理では、先ず主側RAM74において「1」が設定されている抽選中フラグと主側RAM74に設定されている当選データとの組合せを特定する(ステップS801)。既に説明したとおり、通常遊技状態において主側RAM74に丸当選データ又は菱形当選データが設定された場合にはART移行抽選処理(図29)のステップS503にてART移行抽選中フラグに「1」が設定される。また、準備状態又はART状態において主側RAM74に第2リプレイ当選データ、丸当選データ、又は菱形当選データが設定された場合にはART用抽選処理(図30)のステップS604にてART用抽選中フラグに「1」が設定されるとともに、ボーナス状態において主側RAM74に丸当選データ又は菱形当選データが設定された場合には有利抽選処理(図31)のステップS703にて有利抽選中フラグに「1」が設定される。その後、ステップS801にて特定した組合せに対応する追加抽選テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS802)。
ステップS802にていずれかの追加抽選テーブルを読み出した後は、抽選中フラグ(ART移行抽選中フラグ、ART用抽選中フラグ、又は有利抽選中フラグ)を「0」クリアし(ステップS803)、主側RAM74において、インデックス値IVに「1」を設定する(ステップS804)。そして、判定値用バッファ74aに記憶されている現状の判定値DVに現状のインデックス値IVに対応する第2ポイント値PV2を加算する抽選用加算処理を実行する(ステップS805)。抽選用加算処理の内容は図33(a)及び図33(b)を利用して既に説明したとおりである。上述したとおり、現状のインデックス値IVが「1」である場合、判定値用バッファ74aには抽選用減算処理(役の抽選処理(図28)におけるステップS405)の結果がそのまま記憶保持されている。この場合の抽選用加算処理では、当該抽選用減算処理(ステップS405)により得られた判定値DVをそのまま利用し、当該判定値DVに第2ポイント値PV2を加算する。その後、今回の抽選用加算処理により判定用フラグ74bが「1」となったか否かについて判定する(ステップS806)。
ステップS806にて判定用フラグ74bが「0」であった場合には、今回の抽選用加算処理(ステップS805)において桁上がりが発生せず、今回のインデックス値IVに当選しなかったことを意味する。かかる場合には、インデックス値IVに「1」を加算して更新する(ステップS807)。そして、更新後のインデックス値IVに設定されている役が存在するか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS808)。具体的には、更新後のインデックス値IVが追加抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合(ステップS808:YES)にはステップS805に戻り、ステップS805〜ステップS808の処理を繰り返す。
ステップS806にて判定用フラグ74bが「1」となった場合には、当選フラグ設定処理を実行して(ステップS809)、本追加抽選処理を終了する。当選フラグ設定処理では、今回の追加抽選処理において当選したインデックス値IVに対応する当選フラグに「1」を設定する。具体的には、今回の追加抽選処理にてインデックス値IV=1に当選した場合には第1当選フラグに「1」を設定し、インデックス値IV=2に当選した場合には第2当選フラグに「1」を設定し、インデックス値IV=3に当選した場合には第3当選フラグに「1」を設定する。これにより、上述したとおり、ART移行抽選処理(図29)のステップS505、ART用抽選処理(図30)のステップS606、ステップS609、ステップS613及び有利抽選処理(図31)のステップS705において今回の追加抽選処理における抽選結果を特定可能となる。一方、ステップS808にて判定対象がなかった場合には、外れ結果となったことを意味するため、そのまま本追加抽選処理を終了する。
追加抽選処理における判定値DVの初期値として新たな乱数を取得する構成とすると、新たな乱数を取得するための回路及び処理が必要となる。これに対して、本実施形態では、役の抽選処理(図28)で行われた最後の抽選用減算処理(ステップS405)の結果を追加抽選処理における判定値DVの初期値として利用する構成である。これにより、乱数を取得するための回路及び処理を省略することが可能となっている。
次に、主側MPU72において実行されるリール制御処理について図35のフローチャートを参照しながら説明する。なお、リール制御処理は、通常処理(図20)のステップS309にて実行される。
リール制御処理では、先ず各リール24L,24M,24Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS901)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(図28)の結果に対応するリール24L,24M,24Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図19)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータ25の加速処理が開始され、各リール24L,24M,24Rが回転を開始する。その後、各リール24L,24M,24Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール24L,24M,24Rの回転速度が定速となると各ストップボタン42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
その後、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS902)。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合(ステップS902:NO)には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまでステップS902の処理を繰り返し実行する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合(ステップS902:YES)には、回転中のリール24L,24M,24Rと対応するストップボタン42〜44が操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS903)。停止指令が発生していない場合(ステップS903:NO)には、ステップS902に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまでステップS902の処理を繰り返し実行する。停止指令が発生した場合(ステップS903:YES)には、回転中のリール24L,24M,24Rを停止させるべくステップS904〜ステップS910に示す停止制御処理を行う。
停止制御処理では、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングで基点位置(各リール24L,24M,24RにおいてメインラインML上の位置)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS904)。具体的には、リールインデックスセンサ28の検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリール24L,24M,24Rのスベリ数を算出する(ステップS905)。既に説明したとおり、本スロットマシン10では、「0」〜「4」のスベリ数を設定すること可能である。
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS906)。そして、ステップS906にて決定した停止図柄を基点位置に停止させることにより所謂取りこぼしが発生するか否かについて判定する(ステップS907)。具体的には、主側RAM74にいずれかの当選データが設定されているとともに、ステップS906にて決定した停止図柄が基点位置に停止しても当該当選役の入賞は成立しない場合に取りこぼしが発生すると判定する。
取りこぼしが発生する場合(ステップS907:YES)には、主側RAM74に設けられた取りこぼしフラグに「1」をセットする(ステップS908)。取りこぼしフラグは、取りこぼしが発生したことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、エフェクト演出を実行するか否かについて判定する場合に参照される。本スロットマシン10では、一のゲーム中に取りこぼしが発生した場合、当該ゲーム中は、それ以降のエフェクト演出が実行されなくなる。このため、遊技者は、ストップボタン42〜44の操作後にエフェクト演出が行われるか否かを確認することによりいずれかの役に当選しているとともに当該当選役の入賞が成立する可能性が存在していることを把握することができる。
ステップS907にて取りこぼしが発生しないと判定した後、又はステップS908にて取りこぼしフラグに「1」をセットした後は、今回停止させるべきリール24L,24M,24Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなったか否かを判定し(ステップS909)、到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなかった場合(ステップS909:NO)には、到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなるまでステップS909の処理を繰り返す。そして、到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号とが等しくなった場合(ステップS909:YES)には、リール24L,24M,24Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS910)。
ステップS910にてリール停止処理を実行した後は、演出側MPU82への送信対象として停止指令コマンドをセットする(ステップS911)。停止指令コマンドには、今回停止指令が発生したリール24L,24M,24Rの種類を演出側MPU82にて特定可能とする情報が設定されている。エフェクト演出では、ビームスプリッタ88に映る3つのリール映像のうち今回停止対象となったリール映像の後方にエフェクト映像が表示される。このため、画像表示面87におけるエフェクト映像の表示位置は、今回操作されたストップボタン42〜44の種類に応じて異なるものとなる。演出側MPU82は、受信した停止指令コマンドに基づいて今回停止対象となったリール24L,24M,24Rを特定することにより、画像表示面87におけるエフェクト映像の表示位置を特定することができる。なお、エフェクト演出の詳細は後述する。
ステップS911にて停止指令コマンドをセットした後は、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像に対してエフェクト演出を行うためのエフェクト演出用処理を実行する(ステップS912)。なお、エフェクト演出用処理の詳細については後述する。その後、全リール24L,24M,24Rが停止したか否かを判定する(ステップS913)。全リール24L,24M,24Rが停止していない場合(ステップS913:NO)には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS914)、ステップS902に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール24L,24M,24Rの停止態様を、役の抽選処理(図28)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42〜44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール24L,24M,24Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール24L,24M,24Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール24L,24M,24Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、役の抽選処理(図28)のステップS414にて実行される停止情報第1設定処理と、本リール制御処理(図35)のステップS914にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、役の抽選処理の結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール24L,24M,24Rの停止順序と、停止しているリール24L,24M,24Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
ステップS913にて全リール24L,24M,24Rが停止していると判定した場合には、入賞判定処理を実行する(ステップS915)。入賞判定処理では、各リール24L,24M,24RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。そして、主側RAM74に設定されている当選データの内容に基づき、各リール24L,24M,24RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが役の抽選処理(図28)において当選となった役に対応する図柄の組合せであるか否かを判定し、当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。
入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理において遊技媒体の付与を可能とするように付与対象となる遊技媒体数の情報を主側RAM74にセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(通常処理(図20)におけるステップS303)にて再遊技設定処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
ステップS915にて入賞判定処理を実行した後は、演出側MPU82への送信対象として入賞結果コマンドをセットして(ステップS916)、本リール制御処理を終了する。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は、リール24L,24M,24Rの回転が全て停止された後、通常処理(図20)におけるステップS312にて実行される。
遊技終了時の対応処理では、先ずRB状態又はBB状態の移行制御や進行制御を行うためのボーナス処理を実行する(ステップS1001)。なお、ボーナス用処理については後述する。その後、ボーナス内部状態、BB状態、及びRB状態のいずれでもないことを条件として(ステップS1002:NO)、抽選モードの制御処理を実行する(ステップS1003)。抽選モードの制御処理では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が成立している場合には通常モードから第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから第2RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから通常モードに移行させ、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が成立している場合には第2RTモードから第1RTモードに移行させる。
その後、現状の遊技状態に対応する処理にジャンプする(ステップS1004)。具体的には、遊技状態が通常遊技状態である場合には通常用処理を実行し(ステップS1005)、遊技状態が準備状態である場合には準備状態処理を実行し(ステップS1006)、遊技状態がART状態である場合にはART状態処理を実行する(ステップS1007)。
ステップS1002にて肯定判定をした場合、又はステップS1005〜ステップS1007のいずれかの処理を実行した場合、演出側MPU82への送信対象としてゲーム終了コマンドをセットして(ステップS1008)、本遊技終了時の対応処理を終了する。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出制御装置80に認識させるためのコマンドである。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス用処理について図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス用処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1001にて実行される。
ボーナス用処理では、先ずいずれかのボーナス状態中(RB状態中又はBB状態中)であるか否かについて判定し(ステップS1101)、いずれのボーナス状態中でもない場合(ステップS1101:NO)には、主側RAM74にいずれかのボーナス当選データ(RB当選データ又はBB当選データ)が設定されているか否かについて判定する(ステップS1102)。いずれのボーナス当選データも設定されていない場合(ステップS1102:NO)には、そのまま本ボーナス用処理を終了する。一方、いずれかのボーナス当選データが設定されている場合(ステップS1102:YES)には、当該ボーナスデータに対応する入賞成立したか否かについて判定する(ステップS1103)。
ボーナス入賞が成立していない場合(ステップS1103:NO)には、そのまま本ボーナス用処理を終了する。一方、ボーナス入賞が成立している場合(ステップS1103:YES)には、主側RAM74に設けられたボーナス状態フラグに「1」を設定する(ステップS1104)。ボーナス状態フラグは、ボーナス状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
その後、主側RAM74におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS1105)。フリーズカウンタには、後述する第2表示調整処理(図45)のステップS1905においてリール停止後映像の表示時間(1秒)が設定される。ステップS1105にてフリーズカウンタの値が「0」でない場合には、リール停止後映像の表示時間が経過していないことを意味するため、フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS1105の判定処理を繰り返しながら待機する。
ステップS1105にてフリーズカウンタの値が「0」であると判定した場合には、演出側MPU82への送信対象として、ボーナス開始コマンドをセットする(ステップS1106)。ボーナス開始コマンドは、ボーナス状態への移行が発生したことを演出側MPU82にて把握可能とするコマンドである。ボーナス開始コマンドには、今回成立したボーナス入賞がRB入賞である場合にはRB移行データが設定されるとともに、今回成立したボーナス入賞がBB入賞である場合にはBB移行データが設定される。演出側MPU82は、受信したボーナス開始コマンドに基づいて、ボーナス状態のオープニング演出を行うために画像表示装置86の表示制御、上部ランプ68の発光制御、及びスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS1106にてボーナス開始コマンドをセットした後は、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタにボーナス状態のオープニング演出が実行されるオープニング演出時間を設定する(ステップS1107)。これにより、通常処理(図20)のステップS314では、フリーズカウンタに設定されたボーナス状態のオープニング演出時間が経過するまで待機することとなり、当該オープニング演出中に次のゲームが開始されることが防止される。
ステップS1107にてボーナス状態のオープニング演出時間を設定した後は、主側RAM74に設けられた合計払出カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1108)。合計払出カウンタはボーナス状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、終了基準数の設定処理を実行する(ステップS1109)。終了基準数の設定処理では、RB入賞が成立した場合にはRB状態の終了基準値として「150」が設定されるとともに、BB入賞が成立した場合にはBB状態の終了基準値として「350」が設定される。主側MPU72は合計払出カウンタの値が終了基準値以上となった場合にボーナス状態の終了条件が成立したことを特定する。
ステップS1109にて終了基準数の設定処理を実行した後は、現状設定されているボーナス当選データを削除して(ステップS1110)、本ボーナス用処理を終了する。一方、ステップS1101にていずれかのボーナス状態中であった場合には、ボーナス状態用処理を実行して(ステップS1111)、本ボーナス用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス状態用処理について図38のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス状態用処理はボーナス用処理(図37)におけるステップS1111にて実行される。
ボーナス状態用処理では、先ず主側RAM74における有利当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1201)。既に説明したとおり、有利当選フラグには、有利抽選処理(図31)において有利当選となった場合に「1」が設定される。有利当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1201:YES)には、有利当選フラグを「0」クリアする(ステップS1202)。そして、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役(RB役又はBB役)に当選したタイミングの遊技状態が準備状態又はART状態であったか否かについて判定し(ステップS1203)、準備状態及びART状態のいずれでもなかった場合(ステップS1203:NO)には、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1204)。ART当選フラグは、ボーナス状態の終了後に準備状態へ移行する権利を今回のボーナス状態中に既に獲得していることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
ステップS1204にてART当選フラグに「1」が設定されていない場合には、ボーナス状態終了後に準備状態へ移行する権利を新たに獲得したことを意味する。この場合には、ART当選フラグに「1」を設定する(ステップS1205)。ART当選フラグに「1」が設定されることにより、今回のボーナス状態が終了するタイミングにおいてART状態への前段階である準備状態に遊技状態が移行することとなる。
一方、ステップS1203にて今回のボーナス状態の契機となったボーナス役(RB役又はBB役)に当選したタイミングの遊技状態が準備状態又はART状態であったと判定した場合、又はステップS1204にてART当選フラグに「1」が設定されていた場合には、ボーナス状態の終了後に準備状態へ移行する権利を既に有している状態において、さらに有利当選が発生したことを意味する。この場合には、主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ処理を実行する(ステップS1206)。
ステップS1201にて有利当選フラグに「1」が設定されていないと判定した後、ステップS1205にてART当選フラグに「1」を設定した後、又はステップS1206にて上乗せ処理を実行した後は、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かについて判定し(ステップS1207)、遊技媒体の付与が発生していない場合(ステップS1207:NO)には、そのまま本ボーナス状態用処理を終了する。
一方、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生している場合(ステップS1207:YES)には、主側RAM74の合計払出カウンタに今回付与された遊技媒体の数に対応する値を加算する(ステップS1208)。そして、その加算後における合計払出カウンタの値が現状のボーナス状態に対応する終了基準数以上となっているか否かについて判定する(ステップS1209)。具体的には、現状のボーナス状態がBB状態である場合にはBB終了基準数(「350」)以上であるか否かを判定し、現状のボーナス状態がRB状態である場合にはRB終了基準数(「150」)以上であるか否かを判定する。
ステップS1209にて合計払出カウンタの値が終了基準数未満であった場合には、そのまま本ボーナス状態用処理を終了する。一方、ステップS1209にて合計払出カウンタの値が終了基準数以上であった場合には、ボーナス状態の終了条件が成立したことを意味する。この場合には、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態若しくはART状態であることを条件として(ステップS1210:YES)、又は主側RAM74のART当選フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS1210:NO、ステップS1211:YES)、準備状態の設定処理を実行する(ステップS1212)。当該設定処理では、主側RAM74のART当選フラグを「0」クリアする。また、遊技終了時の対応処理(図36)にてステップS1006の準備状態処理が実行されるようにするために、主側RAM74に設けられた準備状態フラグに「1」を設定する。準備状態フラグは、準備状態であることを主側MPU72にて把握可能とするために設けられたフラグである。準備状態フラグに「1」が設定されることにより、今回のボーナス状態の終了後における遊技状態が準備状態となる。
ステップS1211にてART当選フラグに「1」が設定されていないと判定した後、又はステップS1212にて準備状態の設定処理を実行した後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS1213)。フリーズカウンタには、後述する第2表示調整処理(図45)のステップS1905においてリール停止後映像の表示時間(1秒)が設定される。ステップS1213にてフリーズカウンタの値が「0」でない場合には、リール停止後映像の表示時間が経過していないことを意味するため、フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS1213の判定処理を繰り返しながら待機する。
ステップS1213にてフリーズカウンタの値が「0」であると判定した場合には、演出側MPU82への送信対象として、ボーナス状態が終了することを示すボーナス終了コマンドをセットする(ステップS1214)。ボーナス終了コマンドは、ボーナス状態の終了タイミングであることを演出側MPU82にて把握可能とするコマンドである。また、当該ボーナス終了コマンドにはボーナス状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態及び準備状態のいずれであるのかを示す情報が設定されている。演出側MPU82は、受信したボーナス終了コマンドに基づいて、ボーナス状態のエンディング演出を実行するために画像表示装置86の表示制御、上部ランプ68の発光制御、及びスピーカ69の音出力制御を行うとともに、ボーナス状態の終了後の遊技状態に対応する演出が開始されるようにする。
ステップS1214にてボーナス終了コマンドをセットした後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタにボーナス状態のエンディング演出が実行されるエンディング演出時間を設定して(ステップS1215)、本ボーナス状態用処理を終了する。これにより、通常処理(図20)のステップS314では、フリーズカウンタに設定されたボーナス状態のエンディング演出時間が経過するまで待機することとなり、当該エンディング演出中に次のゲームが開始されることが防止される。
次に、主側MPU72において実行される通常用処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常用処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1005にて実行される。
通常用処理では、先ずART移行当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定し(ステップS1301)、ART移行当選フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1301:NO)には、そのまま本通常用処理を終了する。既に説明したとおり、ART移行当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1301:YES)は、ART移行抽選処理(図29)においてART移行当選が発生したことを意味する。この場合には、ART移行当選フラグを「0」クリアし(ステップS1302)、ART状態における継続ゲーム数に「50」を設定する初期継続ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS1303)。
ステップS1303にて初期継続ゲーム数の設定処理を実行した後、主側RAM74における準備状態フラグに「1」を設定し、遊技状態を準備状態に移行させる(ステップS1304)。これにより、遊技終了時の対応処理(図36)においてステップS1006の準備状態処理が実行されることとなる。その後、演出側MPU82への送信対象として準備状態が開始されることを示す準備開始コマンドをセットして(ステップS1305)、本通常用処理を終了する。演出側MPU82は準備開始コマンドを受信することにより、準備状態に対応する演出が開始されるようにする。
次に、準備状態である場合に実行される準備状態処理について図40(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、準備状態処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1006にて実行される。
準備状態処理では、先ず上乗せ用処理を実行する(ステップS1401)。当該上乗せ用処理について、図40(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ用処理は、詳細を後述するART状態処理(遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1007)においても実行される。
上乗せ用処理では、先ず主側RAM74における第1フリーズ当選フラグ、第2フリーズ当選フラグ及び上乗せ当選フラグを参照することにより第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、又は上乗せ当選が発生しているか否かについて判定し(ステップS1501)、これら第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、及び上乗せ当選のいずれもが発生していない場合(ステップS1501:NO)には、そのまま本上乗せ用処理を終了する。
一方、第1フリーズ当選、第2フリーズ当選及び上乗せ当選のいずれかが発生している場合(ステップS1501:YES)には、今回発生した当選に対応する上乗せ設定処理を実行する(ステップS1502)。具体的には、第1フリーズ当選が発生した場合には主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「30」を加算する第1フリーズ用の上乗せ設定処理を実行するとともに、第2フリーズ当選が発生した場合にはART状態の継続ゲーム数カウンタに「40」を加算する第2フリーズ用の上乗せ設定処理を実行する。また、上乗せ当選が発生した場合にはART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ設定処理を実行する。
ステップS1502にていずれかの上乗せ設定処理を実行した後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS1503)。フリーズカウンタには、後述する第2表示調整処理(図45)のステップS1905においてリール停止後映像の表示時間(1秒)が設定される。ステップS1503にてフリーズカウンタの値が「0」でない場合には、リール停止後映像の表示時間が経過していないことを意味するため、フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS1503の判定処理を繰り返しながら待機する。
ステップS1503にてフリーズカウンタの値が「0」であると判定した場合には、演出側MPU82への送信対象として上乗せコマンドをセットする(ステップS1504)。当該上乗せコマンドには、第1フリーズ当選に対応する上乗せ情報、第2フリーズ当選に対応する上乗せ情報、及び上乗せ当選に対応する上乗せ情報のいずれかが設定される。これらの上乗せ情報は、今回の上乗せ設定処理により上乗せされたゲーム数情報を有している。演出側MPU82は、受信した上乗せコマンドに基づいて、上乗せ演出が行われるように画像表示装置86の表示制御、上部ランプ68の発光制御、及びスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS1504にて上乗せコマンドをセットした後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタに上乗せ演出が実行される上乗せ演出時間を設定する(ステップS1505)。これにより、通常処理(図20)のステップS314では、フリーズカウンタに設定された上乗せ演出時間が経過するまで待機することとなり、上乗せ演出中に後述するART状態のオープニング演出が開始されることが防止されるとともに、上乗せ演出中に次のゲームが開始されることが防止される。その後、第1フリーズ当選フラグ、第2フリーズ当選フラグ、及び上乗せ当選フラグを「0」クリアする当選フラグクリア処理を実行して(ステップS1506)、本上乗せ用処理を終了する。
準備状態処理(図40(a))の説明に戻り、ステップS1401にて上乗せ用処理を実行した後は、第2RTリプレイ入賞が発生したか否かについて判定し(ステップS1402)、第2RTリプレイ入賞が発生していない場合(ステップS1402:NO)には、そのまま本準備状態処理を終了する。一方、準備状態において第2RTリプレイ入賞が発生している場合(ステップS1402:YES)には、準備状態からART状態への移行契機が発生したことを意味するため、ART開始用処理を実行する(ステップS1403)。ART開始用処理では、遊技終了時の対応処理(図36)にてステップS1007のART状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、遊技状態がART状態となる。
また、ART開始用処理では、準備状態が開始される前における遊技状態がボーナス状態であって当該ボーナス状態の直前の遊技状態がART状態である場合、ART状態に復帰したことを意味するため、ボーナス状態に移行する直前のART状態における遊技状況に復帰させるための設定を行う。但し、ボーナス状態においてART状態の継続ゲーム数の上乗せが発生している場合には当該上乗せゲーム数が加算された状態からART状態に復帰することとなる。また、ART開始用処理では、今回の準備状態が、BB状態、又はRB状態においてART状態への移行当選となったことを契機としている場合には、ART状態の開始ゲーム数である「50」ゲームの情報を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する。この場合、準備状態の前の遊技状態がボーナス状態であるとともに当該ボーナス状態においてART状態への移行当選だけではなくART状態の残りの継続ゲーム数の上乗せが発生している場合には、継続ゲーム数が上乗せされた状態でART状態が開始されることとなる。また、準備状態においてART状態の残りの継続ゲーム数の上乗せが発生している場合にも、継続ゲーム数が上乗せされた状態でART状態が開始されることとなる。
その後、主側RAM74におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定し(ステップS1404)、フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS1404の判定処理を繰り返しながら待機する。今回のゲームにおいて第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、又は上乗せ当選が発生した場合には、上述した上乗せ用処理(図40(b))においてリール停止後映像の表示時間が経過しているとともにフリーズカウンタには上乗せ演出時間が設定されているため、ステップS1404では上乗せ演出時間が経過するまで待機することとなる。また、今回のゲームにおいて第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、及び上乗せ当選のいずれもが発生していない場合には、フリーズカウンタにリール停止後映像の表示時間が設定されているため、ステップS1404ではリール停止後映像の表示時間が経過するまで待機することとなる。
ステップS1404にてフリーズカウンタの値が「0」であると判定した場合には、演出側MPU82への送信対象として、ART状態への移行が発生したことを示すART開始コマンドをセットする(ステップS1405)。ART開始コマンドには今回のART状態への移行がART状態への復帰に該当するか否かを示す情報が設定されているとともに、ART状態への復帰に該当しない場合にはART状態の開始ゲーム数として「50」ゲームが付与されたことを示す情報が設定されている。演出側MPU82は、受信したART開始コマンドに基づいて、ART状態のオープニング演出を実行するために画像表示装置86の表示制御、上部ランプ68の発光制御、及びスピーカ69の音出力制御を行うとともに、当該オープニング演出が終了した後にART状態に対応する演出が実行されるようにする。また、演出側MPU82はART状態の復帰に該当する場合には前回ART状態が途中で終了したタイミングにおける演出の実行状態が再開されるようにする。
ステップS1405にてART開始コマンドをセットした後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタにART状態のオープニング演出が実行されるオープニング演出時間を設定して(ステップS1406)、本準備状態処理を終了する。これにより、通常処理(図20)のステップS314では、フリーズカウンタに設定されたART状態のオープニング演出時間が経過するまで待機することとなり、ART状態のオープニング演出中に次のゲームが開始されることが防止される。
このように、今回のゲームにおいて第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、又は上乗せ当選が発生した場合には、上乗せ演出時間が経過するまで待機した後にART開始コマンドがセットされる。このため、上乗せ演出とART状態のオープニング演出とが両方行われる場合には、リール停止後映像が表示された後に上乗せ演出が行われ、当該上乗せ演出が行われた後にART状態のオープニング演出が行われることとなる。また、ART状態のオープニング演出のみが行われる場合には、リール停止後映像が表示された後にART状態のオープニング演出が行われることとなる。
次に、ART状態である場合に実行されるART状態処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ART状態処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1007にて実行される。
ART状態処理では、先ず既に説明した上乗せ用処理(図40(b))を実行する(ステップS1601)。これにより、第1フリーズ当選、第2フリーズ当選、及び上乗せ当選のいずれかが発生していた場合には、発生した当選に応じて、ART状態の継続ゲーム数が上乗せされる。
ステップS1601にて上乗せ用処理を実行した後は、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算し(ステップS1602)、当該減算後のARTゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS1603)。ARTゲーム数カウンタの値が「0」でない場合(ステップS1603:NO)には、そのまま本ART状態処理を終了する。一方、ARTゲーム数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1603:YES)には、ART状態の終了処理を実行する(ステップS1604)。当該終了処理では、遊技状態をART状態から通常遊技状態に移行させるためのデータ設定を行う。これにより、例えば遊技終了時の対応処理(図36)ではステップS1005の通常用処理が実行されることとなる。
ステップS1604にてART状態の終了処理を実行した後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かについて判定する(ステップS1605)。フリーズカウンタには、後述する第2表示調整処理(図45)のステップS1905においてリール停止後映像の表示時間(1秒)が設定される。ステップS1605にてフリーズカウンタの値が「0」でない場合には、リール停止後映像の表示時間が経過していないことを意味するため、フリーズカウンタの値が「0」となるまでステップS1605の判定処理を繰り返しながら待機する。
ステップS1605にてフリーズカウンタの値が「0」であると判定した場合には、演出側MPU82への送信対象として、ART状態が終了したことを示すART終了コマンドをセットする(ステップS1606)。演出側MPU82は、受信したART終了コマンドに基づいて、ART状態のエンディング演出が行われるように画像表示装置86の表示制御、上部ランプ68の発光制御、及びスピーカ69の音出力制御を実行するとともに、当該演出の終了後に通常遊技状態に対応する演出が実行されるようにする。
その後、主側RAM74におけるフリーズカウンタにART状態のエンディング演出が実行されるエンディング演出時間を設定して(ステップS1607)、本ART状態処理を終了する。これにより、通常処理(図20)のステップS314では、フリーズカウンタに設定されたART状態のエンディング演出時間が経過するまで待機することとなり、ART状態のエンディング演出中に次のゲームが開始されることが防止される。
次に、エフェクト演出の説明に先立ち画像表示面87に表示される表示映像の流れについて説明する。画像表示面87には、最後のストップボタン42〜44が操作されて全リール24L,24M,24Rが停止した後に、サブリールライト34が消灯されるとともに画像表示面87に全画面表示状態用のリール停止後映像が表示されることにより全画面表示状態となる。そして、ゲーム終了後に画像表示面87に一部暗転状態用の開始待機映像が表示されて一部暗転状態となるとともにサブリールライト34が点灯されることによりビームスプリッタ88のリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像が映っているリール表示状態となる。これにより、当該リール映像に注目させ、その後におけるスタートレバー41及びストップボタン42〜44の操作が当該リール映像を見ながら行われる可能性を高めることができる。
その後、スタートレバー41の操作に基づいて全リール24L,24M,24Rの回転が開始され、ストップボタン42〜44の操作に基づいて操作されたストップボタン42〜44に対応するリール24L,24M,24Rが停止する。これに伴って、ビームスプリッタ88上のリール映像も停止する。このとき、役の抽選処理(図28)にていずれかの役に当選している場合には、画像表示面87にエフェクト映像が表示されるエフェクト演出が行われる。リール反射領域88aに映るリール映像を見ながらストップボタン42〜44を操作した遊技者には、視線をそのままの状態でエフェクト演出を見せることができる。
<エフェクト演出>
次に、エフェクト演出について、図42(a)〜図42(e)を参照しながら説明する。図42(a)は画像表示面87に表示されるエフェクト映像93a,93bの種類を説明するための説明図であり、図42(b)〜図42(e)は画像表示面87及びビームスプリッタ88におけるエフェクト演出の表示内容を説明するための説明図である。
上述したとおり、エフェクト演出は、役の抽選処理(図28)にていずれかの役に当選した場合に行われる。図42(a)に示すように、非ボーナス状態(RB状態及びBB状態以外の状態)にて行われるエフェクト演出では、画像表示面87に第1エフェクト映像93aが表示されるとともに、ボーナス状態(RB状態又はBB状態)で行われるエフェクト演出では画像表示面87に第2エフェクト映像93bが表示される。演出制御基板81のメモリモジュールには、上述したエフェクト画像データとして、第1エフェクト映像93aを表示するための第1エフェクト画像データと、第2エフェクト映像93bを表示するための第2エフェクト画像データとが記憶されている。
既に説明したとおり、ボーナス状態は、非ボーナス状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。ボーナス状態におけるエフェクト演出で表示される第2エフェクト映像93bを非ボーナス状態におけるエフェクト演出で表示される第1エフェクト映像93aとは異なるものとすることにより、ボーナス状態であることの特別感を演出することができる。
エフェクト演出では、ビームスプリッタ88上で各リール24L,24M,24Rのリール映像97L,97M,97Rが停止する度に停止したリール映像97L,97M,97Rのみに対してエフェクトが付加される。このとき、画像表示面87では、リール反射領域88aの後方に位置する暗転対象領域87aにエフェクト映像93a,93bが表示される。具体的には、いずれかのリール24L,24M,24Rが停止することにより、当該リール24L,24M,24Rのサブ領域33(図4)に3図柄が停止し、当該3図柄の図柄映像がリール反射領域88aに映る。これに対して、暗転対象領域87aでは、停止した3図柄の後方位置に3個のエフェクト映像93a,93bが表示される。これにより、前方から窓パネル67a(図1)を通じてビームスプリッタ88及び画像表示面87を見ている遊技者に対して、ビームスプリッタ88上で停止した図柄映像の周りにエフェクトが付加されるエフェクト演出を見せることができる。
例えば、図42(b)に示すように、非ボーナス状態にて全リール24L,24M,24Rの回転中に左のストップボタン42が操作された場合、図42(c)に示すように、ビームスプリッタ88上では左リール24Lに対応するリール映像(左リール映像97L)が停止する。このとき、停止した左リール映像97Lにおける縦3個の図柄映像に対して、後方の画像表示面87上に縦3個の第1エフェクト映像93aが所定期間(0.5秒)に亘って表示される。一方、回転中である中リール24Mのリール映像(中リール映像97M)及び右リール24Rのリール映像(右リール映像97R)にはエフェクトは付加されない。
左リール24Lの停止後、右のストップボタン44が操作された場合には、図42(d)に示すように、ビームスプリッタ88上のリール映像97Rが停止し、右リール映像97Rにおける縦3個の図柄映像に対して所定期間(0.5秒)に亘ってエフェクトが付加される。この場合、既に停止している左リール映像97L及び回転中である中リール映像97Mにはエフェクトは付加されない。
左リール24L及び右リール24Rの停止後、中のストップボタン43が操作された場合には、図42(e)に示すように、ビームスプリッタ88上の中リール映像97Mが停止し、中リール映像97Mにおける縦3個の図柄映像に対して所定期間(0.5秒)に亘ってエフェクトが付加される。この場合、既に停止している左リール映像97L及び右リール映像97Rにはエフェクトは付加されない。
エフェクト演出は、主側RAM74にいずれかの当選データが設定されている場合であって今回のストップボタン42〜44の操作によって取りこぼしが発生しなかった場合に実行される。一方、役の抽選処理(図28)において外れ結果となった場合、及び既に取りこぼしが発生した場合には、エフェクト演出は実行されない。このため、遊技者は、ストップボタン42〜44の操作後にエフェクト演出が行われたことに基づいて、いずれかの入賞が成立する可能性があることを知ることができる。
次に、主側MPU72において実行される第1表示調整処理について図43を参照しながら説明する。なお、第1表示調整処理は、通常処理(図20)のステップS302にて実行される。
第1表示調整処理では、先ず演出側MPU82への送信対象として暗転開始コマンドをセットする(ステップS1701)。暗転開始コマンドは、画像表示面87に開始待機映像を表示させる処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、暗転開始コマンドを受信した場合、VDP85に対して出力する描画リストに開始待機映像を表示するための描画指示情報を設定する。既に説明したとおり、開始待機映像は一部暗転状態用の映像であり、画像表示面87に開始待機映像が表示されることにより画像表示面87が一部暗転状態となる。
ステップS1701にて暗転開始コマンドをセットした後は、表示開始用待機時間(具体的には15ミリ秒)を設定する(ステップS1702)。表示開始用待機時間は、主側MPU72が暗転開始コマンドをセットした後、暗転開始コマンドを受信した演出側MPU82が暗転対象領域87aを暗転させるための処理を実行するまでの期間よりも長く設定されている。設定された表示開始用待機時間は、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にて定期的に減算される。
その後、表示開始用待機時間が経過したか否かについての判定を行い(ステップS1703)、表示開始用待機時間が経過していない場合(ステップS1703:NO)には、表示開始用待機時間が経過するまでステップS1703の処理を繰り返す。そして、表示開始用待機時間が経過した場合(ステップS1703:YES)には、メインリールライト32及びサブリールライト34を点灯するためのリールライト点灯処理を実行して(ステップS1704)、本第1表示調整用処理を終了する。
次に、主側MPU72において実行されるエフェクト演出用処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、エフェクト演出用処理は、リール制御処理(図35)のステップS912にて実行される処理である。
エフェクト演出用処理では、先ず停止順記憶処理を実行する(ステップS1801)。停止順記憶処理では、今回停止したリール24L,24M,24Rの種類を特定可能とする停止順データを主側RAM74に設定する。主側RAM74には、第1停止〜第3停止の停止順データが設定される。当該停止順データは、各ゲームが終了する度にクリアされる。
ステップS1801にて停止順記憶処理を実行した後は、主側RAM74に設けられたエフェクト回避フラグ74cに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1802)。エフェクト回避フラグ74cは、エフェクト演出の実行を回避するタイミングであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。ステップS1802にてエフェクト回避フラグ74cに「1」が設定されていない場合には、主側RAM74における取りこぼしフラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1803)。
取りこぼしフラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1803:NO)には、主側RAM74にいずれかの当選データが設定されているか否かについて判定し(ステップS1804)、いずれかの当選データが設定されている場合(ステップS1804:YES)には、今回設定されている当選データに停止順序が指定されているか否かについて判定する(ステップS1805)。具体的には、準備状態又はART状態において、通常モード用抽選テーブル(図21)、第1RTモード用抽選テーブル(図23)、及び第2RTモード用抽選テーブル(図25)のインデックス値IV=1〜3に当選した場合、準備状態又はART状態においていずれかの昇格リプレイ役(第1RTリプレイ又は第2RTリプレイ)に当選した場合、又はART状態においていずれかの転落リプレイ役(第1転落リプレイ又は第2転落リプレイ)に当選した場合には、停止順序が指定されていると判定する。停止順序が指定されている場合(ステップS1805:YES)には、ステップS1801にて記憶したこれまでのリール24L,24M,24Rの停止順序が正しい停止順序であったか否かについて判定する(ステップS1806)。
ステップS1805にて停止順序が指定されていなかった場合、又はステップS1806にてこれまでの停止順序が正しい順序であった場合には、演出側MPU82への送信対象として、エフェクトコマンドをセットする(ステップS1807)。エフェクトコマンドは、エフェクト演出を実行させるためのコマンドであり、エフェクトコマンドには画像表示面87の暗転対象領域87aに表示するエフェクト映像93a,93bの種類データが設定される。既に説明したとおり、演出側MPU82は、リール制御処理(図35)のステップS911にて演出側MPU82への送信対象としてセットされる停止指令コマンドに基づいて今回停止したリール24L,24M,24Rを特定可能である。演出側MPU82は、今回停止したリール24L,24M,24Rを特定することにより画像表示面87におけるエフェクト映像93a,93bの表示位置を特定するとともに、エフェクトコマンドに基づいて画像表示面87に表示するエフェクト映像93a,93bの種類を特定する。そして、エフェクト演出が実行されるように画像表示装置86の表示制御を行うとともに、スピーカ69の音出力制御を行う。
一方、ステップS1803にて取りこぼしフラグに「1」が設定されていた場合には、取りこぼしフラグを「0」クリアし(ステップS1808)、エフェクト回避フラグ74cに「1」をセットする(ステップS1809)。また、ステップS1804にて主側RAM74にいずれの当選データも設定されていないと判定した場合、及びステップS1806にてこれまでの停止順序が正しい順序でなかったと判定した場合にも、エフェクト回避フラグ74cに「1」をセットする(ステップS1809)。エフェクト回避フラグ74cに「1」がセットされることにより、今回のゲームにおけるその後のエフェクト演出及び停止順報知が省略されることとなる。
ステップS1802にてエフェクト回避フラグ74cに「1」が設定されていると判定した場合、ステップS1807にてエフェクトコマンド出力処理を実行した場合、又はステップS1809にてエフェクト回避フラグ74cに「1」をセットした場合には、今回の停止指令が第3停止指令(最後の停止指令)であるか否かについて判定する(ステップS1810)。第3停止指令でない場合(ステップS1810:NO)には、そのまま本エフェクト演出用処理を終了する。一方、今回の停止指令が第3停止指令であった場合(ステップS1810:YES)には、エフェクト回避フラグ74cを「0」クリアして(ステップS1811)、本エフェクト演出用処理を終了する。
このように、主側RAM74に当選データが設定されていない場合、取りこぼしが発生した場合、及び正解の停止順序以外の順番で停止操作が行われた場合には、今回のゲームにおけるその後のエフェクト演出が省略されることとなる。このため、遊技者は、エフェクト演出が実行されたことを確認することによりいずれかの入賞が成立し得る状況にあることを把握することができる。
次に、主側MPU72にて実行される第2表示調整処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第2表示調整処理は、通常処理(図20)のステップS310にて実行される。
第2表示調整処理では、先ず表示終了用待機時間(具体的には0.8秒)を設定する(ステップS1901)。表示終了用待機時間は、主側MPU72が最後の(3回目の)停止指令コマンドを設定した後、暗転対象領域87aにおけるエフェクト映像93a,93bの表示が終了するまでに要する時間(0.5秒)よりも長く設定されている。設定された表示終了用待機時間は、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にて定期的に減算される。
その後、表示終了用待機時間が経過したか否かについて判定し(ステップS1902)、表示終了用待機時間が経過していない場合(ステップS1902:NO)には、表示終了用待機時間が経過するまでステップS1902の処理を繰り返す。そして、表示終了用待機時間が経過した場合(ステップS1902:YES)には、メインリールライト32及びサブリールライト34を消灯するリールライト消灯処理を実行し(ステップS1903)、演出側MPU82への送信対象として、暗転終了コマンドをセットする(ステップS1904)。暗転終了コマンドは、画像表示面87にリール停止後映像を表示させる処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、暗転終了コマンドを受信した場合、VDP85に対して出力する描画リストにリール停止後映像を表示するための描画指示情報を設定する。既に説明したとおり、リール停止後映像は全画面表示状態用の映像であり、画像表示面87にリール停止後映像が表示されることにより画像表示面87における一部暗転状態が終了する。
ステップS1904にて暗転終了コマンドをセットした後は、主側RAM74におけるフリーズカウンタにリール停止後映像の表示時間として1秒をセットして(ステップS1905)、本第2表示調整処理を終了する。これにより、既に説明したとおり、ボーナス用処理(図37)のステップS1105、ボーナス状態用処理(図38)のステップS1213、準備状態処理(図40(a))のステップS1404、上乗せ用処理(図40(b))のステップS1503、及びART状態処理(図41)のステップS1605にて、リール停止後映像の表示時間が経過するまで待機することとなる。
上記のとおり、各ゲームでは、全リール24L,24M,24Rが停止した後、サブリールライト34が消灯されるとともに、画像表示面87の一部暗転状態が終了することにより全画面表示状態に切り換わる。既に説明したとおり、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rは、画像表示面87の暗転対象領域87aに表示される表示映像よりも後方に位置しているかのように映る。このため、各ゲームにおいて、全リール24L,24M,24Rが停止した後に一旦全画面表示状態に戻すとともに、その後、次のゲームの開始待機時に再び画像表示面87を一部暗転状態としてリール反射領域88aにリール映像97L,97M,97Rが映るリール表示状態とすることにより、暗転対象領域87aに表示される表示映像と、リール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rとの見た目の前後位置の違いを明確化させて、リール映像97L,97M,97Rの表示態様を斬新なものとすることができる。
<演出側管理処理>
次に、演出側MPU82にて実行される演出側管理処理について図46のフローチャートを参照しながら説明する。なお、演出側管理処理は演出側MPU82において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
演出側管理処理では、主側MPU72から暗転開始コマンドを受信した場合(ステップS2001:YES)、開始待機用処理を実行する(ステップS2002)。開始待機用処理では、VDP85に出力する描画リストに開始待機用の描画指示情報をセットする。VDP85は、受信した描画リストに開始待機用の描画指示情報がセットされていた場合、画像表示面87に開始待機映像が表示されるようにフレームバッファに表示データを作成する。既に説明したとおり、開始待機映像は一部暗転状態用の映像である。また、開始待機用処理では、画像表示装置86に表示される開始待機映像に合わせて開始待機用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2001にて暗転開始コマンドを受信していなかった場合には、各ゲームにおいて、スタートレバー41の操作及びストップボタン42〜44の操作を契機として行われる演出を実行するためのゲーム中処理を実行する(ステップS2003)。当該ゲーム中処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ゲーム中処理では、いずれかのフリーズコマンド(第1フリーズコマンド又は第2フリーズコマンド)を受信した場合(ステップS2101:YES)、フリーズ演出用処理を実行する(ステップS2102)。フリーズ演出用処理では、VDP85に出力する描画リストに今回受信したフリーズコマンドに対応するフリーズ演出用の描画指示情報をセットする。既に説明したとおり、フリーズ演出映像は一部暗転状態用の映像であり、第1フリーズ演出映像は3秒に亘って画像表示面87に表示されるとともに、第2フリーズ演出映像は6秒に亘って画像表示面87に表示される。また、フリーズ演出用処理では、画像表示面87に表示されるフリーズ演出映像に合わせて上部ランプ68が発光するように上部ランプ68の発光制御を実行するとともに、フリーズ演出用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2101にて否定判定を行った場合、又はステップS2102の処理を行った場合には、ゲーム開始コマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2103)。ゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS2103:YES)には、演出側RAM84を参照して現状の遊技状態を特定する(ステップS2104)。既に説明したとおり、演出側MPU82は、主側MPU72から遊技状態を特定可能とするボーナス開始コマンド、ボーナス終了コマンド、準備開始コマンド、ART開始コマンド及びART終了コマンドを受信する。詳細は後述するが、演出側MPU82は、これらのコマンドに基づいて演出側RAM84に現状の遊技状態を特定可能とする遊技状態情報を設定しており、演出側RAM84を参照することにより現状の遊技状態を特定可能となっている。
ステップS2104にて遊技状態を特定した後は、ゲーム中演出用処理を実行する(ステップS2105)。ゲーム中演出用処理では、ステップS2104にて特定した現状の遊技状態に対応するゲーム中演出用の描画指示情報をVDP85に出力する描画リストにセットする。VDP85は、受信した描画リストにゲーム中演出用の描画指示情報がセットされていた場合、画像表示面87にゲーム中演出映像が表示されるようにフレームバッファに表示データを作成する。既に説明したとおり、ゲーム中演出映像は一部暗転状態用の映像である。また、ゲーム中演出用処理では、画像表示装置86に表示されるゲーム中演出映像に合わせてゲーム中演出用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2103にて否定判定をした場合、又はステップS2105の処理を実行した場合には、停止順報知の実行タイミングである場合に画像表示面87及びスピーカ69にて停止順報知を実行する停止順報知実行用処理を実行する(ステップS2106)。なお、停止順報知実行用処理の詳細は後述する。
ステップS2106にて停止順報知実行用処理を実行した後は、エフェクトコマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2107)。エフェクトコマンドを受信した場合(ステップS2107:YES)には、主側MPU72から受信した停止指令コマンドに基づいてエフェクト演出の実行対象となるリール24L,24M,24Rを特定する(ステップS2108)。また、今回受信したエフェクトコマンドに基づいて今回表示するエフェクト映像93a,93bを特定する(ステップS2109)。具体的には、既に説明したとおり、非ボーナス状態であれば第1エフェクト映像93a(図42(a))を特定するとともに、ボーナス状態であれば第2エフェクト映像93b(図42(a))を特定する。
その後、エフェクト演出用処理を実行する(ステップS2110)。エフェクト演出用処理では、ステップS2108にて特定したリール24L,24M,24Rに対応する位置にステップS2109にて特定したエフェクト映像93a,93bが表示されるように描画リストにエフェクト演出用の描画指示情報をセットする。VDP85は、受信した描画リストにエフェクト演出用の描画指示情報が設定されていた場合、画像表示面87の暗転対象領域87aにエフェクト映像93a,93bが所定時間(0.5秒)に亘って表示されるようにフレームバッファに表示データを作成する。また、エフェクト演出用処理では、画像表示面87にエフェクト映像93a,93bが表示されるタイミングに合わせてスピーカ69から効果音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2107にて否定判定を行った場合、又はステップS2110の処理を行った場合には、暗転終了コマンドを受信したか否かについて判定し(ステップS2111)、暗転終了コマンドを受信していない場合(ステップS2111:NO)には、そのまま本ゲーム中処理を終了する。一方、暗転終了コマンドを受信した場合(ステップS2111:YES)には、リール停止後用処理を実行して(ステップS2112)、本ゲーム中処理を終了する。リール停止後用処理では、VDP85に出力する描画リストにリール停止後用の描画指示情報をセットする。VDP85は、受信した描画リストにリール停止後用の描画指示情報がセットされていた場合、画像表示面87にリール停止後映像が表示されるようにフレームバッファに表示データを作成する。既に説明したとおり、リール停止後映像は全画面表示状態用の映像である。また、リール停止後用処理では、画像表示装置86に表示されるリール停止後映像に合わせてリール停止後用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
演出側管理処理(図46)の説明に戻り、ステップS2003にてゲーム中処理を実行した後は、上乗せコマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2004)。上乗せコマンドを受信した場合(ステップS2004:YES)には、上乗せ演出用処理を実行する(ステップS2005)。上乗せ演出用処理では、VDP85に出力する描画リストに上乗せ演出用の描画指示情報をセットする。VDP85は、受信した描画リストに上乗せ演出用の描画指示情報がセットされていた場合、画像表示面87に上乗せ演出映像が表示されるようにフレームバッファに表示データを作成する。既に説明したとおり、上乗せ演出映像は全画面表示状態用の映像であり、全画面表示状態用のリール停止後映像に続いて画像表示面87に表示される映像である。また、上乗せ演出用処理では、画像表示装置86に表示される上乗せ演出映像に合わせて上乗せ演出用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2004にて上乗せコマンドを受信していなかった場合には、準備開始コマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2006)。準備開始コマンドを受信した場合(ステップS2006:YES)には、準備開始用処理を実行する(ステップS2007)。準備開始用処理では、演出側RAM84に現状の遊技状態が準備状態であることを示す遊技状態情報を設定する。これにより、次回以降のゲームにおいて、画像表示面87に表示されるゲーム中演出映像が準備状態に対応したものとなる。
ステップS2006にて準備開始コマンドを受信していなかった場合には、ART状態又はボーナス状態の開始コマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2008)。いずれかの開始コマンドを受信した場合(ステップS2008:YES)には、オープニング演出用処理を実行する(ステップS2009)。オープニング演出用処理では、受信した開始コマンドに対応するオープニング演出用の描画指示情報をVDP85に出力する描画リストにセットする。具体的には、ART開始コマンドを受信した場合にはART状態のオープニング演出用の描画指示情報をセットする。また、ボーナス開始コマンドを受信した場合であって、当該ボーナス開始コマンドにRB移行情報が設定されている場合にはRB状態のオープニング演出用の描画指示情報をセットするとともに、BB移行情報が設定されている場合にはBB状態のオープニング演出用の描画指示情報をセットする。既に説明したとおり、オープニング演出映像は全画面表示状態用の映像であるとともに、全画面表示状態用のリール停止後映像に続いて表示される映像である。また、オープニング演出用処理では、画像表示装置86に表示されるオープニング演出映像に合わせて、上部ランプ68が発光するように上部ランプ68の発光制御を実行するとともに、オープニング演出用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。さらにまた、オープニング演出用処理では、今回受信した開始コマンドに基づいて演出側RAM84における遊技状態の情報を更新する。
具体的には、今回受信した開始コマンドがボーナス状態の開始コマンドである場合には遊技状態情報をボーナス状態に対応する情報に更新する。また、演出側RAM84に設定されている遊技状態情報がART状態に対応する情報であるとともに今回受信した開始コマンドがボーナス開始コマンドである場合には、演出側RAM84に現状の演出の実行状態を示す情報を設定する。これにより、次にART状態に復帰した場合に当該演出の実行状態を再開することが可能となる。
一方、今回受信した開始コマンドがART状態の開始コマンドである場合には主側RAM74における遊技状態情報をART状態に対応する情報に更新する。この場合において、演出側RAM84に前回のART状態における演出の実行状態を示す情報が設定されている場合には、ART状態に復帰したことを意味するため、当該演出の実行状態を再開する。
ステップS2008にてART状態又はボーナス状態の開始コマンドを受信していなかった場合には、ART状態又はボーナス状態の終了コマンドを受信したか否かについて判定する(ステップS2010)。いずれかの終了コマンドを受信した場合(ステップS2010:YES)には、エンディング演出用処理を実行する(ステップS2011)。エンディング演出用処理では、受信した開始コマンドに対応するエンディング演出用の描画指示情報をVDP85に出力する描画リストにセットする。具体的には、ART終了コマンドを受信した場合にはART状態のエンディング演出用の描画指示情報をセットするとともに、ボーナス終了コマンドを受信した場合にはボーナス状態のエンディング演出用の描画指示情報をセットする。既に説明したとおり、エンディング演出映像は全画面表示状態用の映像であるとともに、全画面表示状態用のリール停止後映像に続いて表示される映像である。また、エンディング演出用処理では、画像表示装置86に表示されるエンディング演出映像に合わせて、上部ランプ68が発光するように上部ランプ68の発光制御を実行するとともに、エンディング演出用の音が出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。さらにまた、エンディング演出用処理では、今回受信した終了コマンドに基づいて演出側RAM84における遊技状態情報を更新する。具体的には、今回受信した終了コマンドがART終了コマンドである場合には遊技状態情報を通常遊技状態に対応する情報に更新する。また、今回受信した終了コマンドがボーナス終了コマンドである場合において、当該ボーナス終了コマンドにボーナス状態の終了後に移行する遊技状態を示す情報として準備状態を示す情報が設定されている場合には遊技状態情報を準備状態に対応する情報に更新するとともに、ボーナス状態の終了後に移行する遊技状態を示す情報として通常遊技状態を示す情報が設定されている場合には遊技状態情報を通常遊技状態に対応する情報に更新する。これにより、次回以降のゲームにおいて、画像表示面87に表示されるゲーム中演出映像が現状の遊技状態に対応したものとなる。
ステップS2002、ステップS2005、ステップS2007、ステップS2009、又はステップS2011の処理を実行した場合には、描画リストの更新タイミングであるか否かについて判定し(ステップS2012)、描画リストの更新タイミングでない場合(ステップS2012:NO)には、そのまま本演出側管理処理を終了する。一方、描画リストの更新タイミングである場合(ステップS2012:YES)には、VDP85に描画リストを出力するための描画リスト出力処理を実行して(ステップS2013)、本演出側管理処理を終了する。
次に、エフェクト演出の全体の流れについて、図48のタイムチャートを参照しながら説明する。図48(a)はエフェクト表示期間を示し、図48(b)は主側MPU72が演出側MPU82への送信対象として暗転開始コマンドをセットするタイミングを示し、図48(c)は表示開始用待機時間を示し、図48(d)は暗転対象領域87aの状態を示し、図48(e)はサブリールライト34の状態を示し、図48(f)はスタートレバー41の操作タイミングを示し、図48(g)はストップボタン42〜44の操作タイミングを示し、図48(h)は表示終了用待機時間を示し、図48(i)は主側MPU72が演出側MPU82への送信対象として暗転終了コマンドをセットするタイミングを示す。
t1のタイミングにおいて、図48(b)に示すように、暗転開始コマンドがセットされるとともに、図48(c)に示すように、表示開始用待機時間が設定される。暗転開始コマンドは、その後のコマンド出力処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS210)により演出側MPU82に出力される。演出側MPU82受信した暗転開始コマンドに基づいて、画像表示面87に一部暗転状態用の開始待機映像が表示されるように画像表示装置86を表示制御する。これにより、図48(d)に示すように、t2のタイミングにおいて、画像表示面87が一部暗転状態となる。
図48(c)に示すように、t3のタイミングにおいて表示開始用待機時間が終了すると、図48(e)に示すように、当該t3のタイミングにてサブリールライト34が点灯される。暗転対象領域87aが暗転する前にサブリールライト34が点灯される場合には、画像表示面87の表示映像と、ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rとが重複して表示されることとなる。この場合、表示映像の光(図10(b)における透過光96)とリール映像97L,97M,97Rの光(図10(b)における反射光95)とが共に強い状態であるため、表示映像及びリール映像97L,97M,97Rの両方の視認性が低下してしまう。これに対して、本スロットマシン10では、既に説明したとおり、主側MPU72が暗転開始コマンドをセットしてから暗転対象領域87aが暗転状態となるまでの時間よりも長い表示開始用待機時間が設定されている。暗転対象領域87aが暗転するタイミングにおいてサブリールライト34は消灯状態であるため、ビームスプリッタ88に映っているリール映像97L,97M,97Rの光は弱い。その後、サブリールライト34が点灯されることにより、リール映像97L,97M,97Rの光が強くなり、遊技者はビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rをはっきりと視認できるようになる。これにより、全画面表示状態からリール表示状態への切換態様を自然なものとすることができる。
図48の説明に戻り、t3のタイミングにてサブリールライト34が点灯された後、図48(f)に示すように、t4のタイミングにてスタートレバー41が操作されると、当該スタートレバー41の操作を契機として役の抽選処理(図28)が実行される。その後、図48(g)に示すように、t5のタイミングにて最初の停止操作が行われ、操作されたストップボタン42〜44に対応するリール24L,24M,24Rが停止する。このとき、図48(a)に示すように、t5のタイミングからt6のタイミングに亘って今回停止したビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rに対してエフェクトが付加される。
また、図48(g)に示すように、t7のタイミングにて2回目の停止操作が行われ、操作されたストップボタン42〜44に対応するリール24L,24M,24Rが停止する。このとき、図48(a)に示すように、t7のタイミングからt8のタイミングに亘って今回停止したビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rに対してエフェクトが付加される。さらに、図48(g)に示すように、t9のタイミングにて最後の停止操作が行われ、操作されたストップボタン42〜44に対応する最後のリール24L,24M,24Rが停止する。このとき、図48(a)に示すように、t9のタイミングからt10のタイミングに亘って今回停止したビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rに対してエフェクトが付加される。
最後のストップボタン42〜44の操作が行われたt9のタイミングにおいて、図48(h)に示すように、表示終了用待機時間が設定される。その後、図48(h)に示すように、t11のタイミングにて表示終了用待機時間が終了したことを契機として、主側MPU72は、図48(e)に示すように、サブリールライト34を消灯する。これにより、ビームスプリッタ88におけるリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rの光は弱くなり、リール映像97L,97M,97Rが視認できない状態となる。
主側MPU72は、図48(i)に示すように、同じt11のタイミングにて暗転終了コマンドをセットする。当該暗転終了コマンドは、その後のコマンド出力処理(ステップS210)にて演出側MPU82に出力される。演出側MPU82は、受信した暗転終了コマンドに基づいて、画像表示面87に全画面表示状態用のリール停止後映像が表示されるように画像表示装置86の表示制御を行う。これにより、図48(d)に示すように、t12のタイミングにおいて暗転対象領域87aの暗転状態が終了し、ビームスプリッタ88を通じて画像表示面87に表示される表示映像の全体を視認可能な全画面表示状態となる。
既に説明したとおり、表示終了用待機時間が経過するタイミングは、最後に停止したビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rに対するエフェクト演出が終了するよりも若干遅いタイミングに設定されている。また、全リール24L,24M,24Rが停止した後、表示終了用待機時間が経過するまでサブリールライト34の点灯状態は維持される。このため、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが映っている状態は、エフェクト演出が終了した後に終了することとなる。
暗転対象領域87aにおける暗転状態の終了タイミングがサブリールライト34の消灯タイミングよりも早い場合、ビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rと画像表示面87上の表示映像とが重複表示される期間が生じ、これらリール映像97L,97M,97R及び表示映像の両方の視認性が低下してしまう。これに対して、本実施形態は、サブリールライト34を消灯するタイミングにおいて暗転終了コマンドをセットする構成である。このため、リール24L,24M,24Rのサブ領域33から出てビームスプリッタ88の前面側に入射する光(図10における反射光95)を弱めた後に、暗転対象領域87aから放出されてビームスプリッタ88の背面側に入射する光(図10における透過光96)を強めることができる。これにより、リール表示状態から全画面表示状態への切換態様をスムーズなものとすることができる。
次に、役の抽選処理(図28)のステップS417にて実行される報知制御処理の説明に先立ち停止順報知について、図42(b)〜図42(e)を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、四角入賞を成立させるため四角入賞用停止順報知と、昇格リプレイ入賞を成立させるための昇格用停止順報知と、転落リプレイ入賞の成立を回避するための転落回避用停止順報知とが行われる。これらの停止順報知では、画像表示面87に停止すべきリール(以下、「停止対象リール」ともいう。)が表示されるとともに、スピーカ69から停止対象リールを示す音声が出力される。
図42(b)に示すように、画像表示面87上では、最初に停止すべきリール24L,24M,24Rとして報知される第1停止の停止対象リールを示す第1停止報知画像94aと、2番目に停止すべきリール24L,24M,24Rとして報知される第2停止の停止対象リールを示す第2停止報知画像94bと、最後に停止すべきリール24L,24M,24Rとして報知される第3停止の停止対象リールを示す第3停止報知画像94cとが表示されることによりリール24L,24M,24Rの停止順序が報知される。
これら3つの停止報知画像94a〜94cは、報知制御処理(役の抽選処理(図28)のステップS417)にて後述する四角入賞用コマンド、昇格用コマンド、又は転落回避用コマンドが演出側MPU82への送信対象としてセットされ、これらのコマンドを受信した演出側MPU82が画像表示装置86を表示制御することにより画像表示面87に表示されることとなる。
これら3つの停止報知画像94a〜94cは、スタートレバー41が操作されてゲームが開始された後のタイミングであるとともに第1停止指令(最初の停止指令)を発生させることが可能となるタイミングよりも前のタイミングにおいて画像表示面87に表示される。第1停止の停止対象リールは、当該タイミングにおいて、第1停止報知画像94aのみが拡大されて強調表示されることにより報知される。また、第2停止の停止対象リールは、第1停止指令が発生した後のタイミングであるとともに、次のストップボタン42〜44の操作が有効化される前のタイミングにおいて、第2停止報知画像94bのみが拡大されて強調表示されることにより報知される。さらにまた、第3停止の停止対象リールは、第2停止指令(2回目の停止指令)が発生した後のタイミングであるとともに、次のストップボタン42〜44の操作が有効化される前のタイミングにおいて、第3停止報知画像94cのみが拡大されて強調表示されることにより報知される。
具体的には、第1停止の停止対象リールとして左リール24Lが報知される場合、図42(b)に示すように、画像表示面87にて第1停止報知画像94aが強調表示されるとともにスピーカ69から「左」という音声が出力される。また、第2停止の停止対象リールとして右リール24Rが報知される場合、図42(c)に示すように、画像表示面87にて第2停止報知画像94bが強調表示されるとともにスピーカ69から「右」という音声が出力される。さらにまた、第3停止の停止対象リールとして中リール24Mが報知される場合、図42(d)及び図42(e)に示すように、画像表示面87にて第3停止報知画像94cが強調表示されるとともにスピーカ69から「中」という音声が出力される。
図42(b)〜図42(e)に示すように、各停止報知画像94a〜94cは、画像表示面87の暗転対象領域87aにおいて、ビームスプリッタ88に映る停止対象リールのリール映像97L,97M,97Rに対応する位置に表示される。具体的には、図42(b)に示すように、左リール24Lを報知する場合の第1停止報知画像94aは画像表示面87における周辺領域87bの左側上部に表示される。また、図42(c)に示すように、右リール24Rを報知する場合の第2停止報知画像94bは周辺領域87bの右側上部に表示されるとともに、図42(d)及び図42(e)に示すように、中リール24Mを報知する場合の第3停止報知画像94cは周辺領域87bの中央上部に表示される。
既に説明したとおり、停止順報知が行われるリール表示状態では、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rと、画像表示面87における周辺領域88bとが視認可能である。このため、図42(b)に示すように、左リール24Lを報知する場合の第1停止報知画像94aはビームスプリッタ88に映る左リール映像97Lの上方に存在しているかのように表示される。また、図42(c)に示すように、右リール24Rを報知する場合の第2停止報知画像94bはビームスプリッタ88に映る右リール映像97Rの上方に存在しているかのように表示されるとともに、図42(d)及び図42(e)に示すように、中リール24Mを報知する場合の第3停止報知画像94cはビームスプリッタ88に映る中リール映像97Mの上方に存在しているかのように表示される。
各停止報知画像94a〜94cがビームスプリッタ88上の対応するリール映像97L,97M,97Rの上方に表示されることにより、操作すべきストップボタン42〜44を視覚的に把握することが可能となっており、停止対象リールの把握が容易となっている。これにより、ストップボタン42〜44の意図しない操作ミスが抑制されている。
次に、主側MPU72にて実行される報知制御処理について図49のフローチャートを参照しながら説明する。なお、報知制御処理は、役の抽選処理(図28)のステップS417にて実行される。
報知制御処理では、先ず非ボーナス状態で実行された役の抽選処理(図28)においてインデックス値IV=1〜3に当選したか否かについて判定する(ステップS2201)。既に説明したとおり、インデックス値IV=1〜3には、四角当選データと、いずれかの補填当選データ(第1補填当選データ〜第3補填当選データ)とが設定されている。インデックス値IV=1〜3に当選している場合(ステップS2201:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS2202)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS2202:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、準備状態及びART状態のいずれかである場合(ステップS2202:YES)には、四角入賞用の停止順把握処理を実行する(ステップS2203)。当該停止順把握処理では、役の抽選処理(図28)にて当選したインデックス値IVに応じて、四角入賞の成立を可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、四角入賞用コマンドをセットして(ステップS2204)、本報知制御処理を終了する。当該四角入賞用コマンドは、今回のゲームにおいて四角入賞の成立を可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。四角入賞用コマンドを受信した演出側MPU82は、四角入賞用停止順報知を実行するために画像表示装置86の表示制御を実行するとともにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2201にてインデックス値IV=1〜3に当選していなかった場合には、いずれかの昇格リプレイ(第1RTリプレイ又は第2RTリプレイ)に当選したか否かについて判定する(ステップS2205)。いずれかの昇格リプレイに当選している場合(ステップS2205:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS2206)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS2206:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ステップS2206にて準備状態及びART状態のいずれかであった場合には、昇格リプレイ用の停止順把握処理を実行する(ステップS2207)。当該昇格リプレイ用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として昇格用コマンドをセットして(ステップS2208)、本報知制御処理を終了する。当該昇格用コマンドは、今回のゲームにおいてRTリプレイ入賞(第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞)の成立を可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。昇格用コマンドを受信した演出側MPU82は、昇格用停止順報知を実行するために画像表示装置86の表示制御を実行するとともにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2205にて昇格リプレイに当選していなかった場合には、いずれかの転落リプレイ(第1転落リプレイ又は第2転落リプレイ)に当選しているか否かについて判定し(ステップS2209)、いずれの転落リプレイにも当選していない場合(ステップS2209:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。また、ステップS2209にていずれかの転落リプレイに当選している場合には、ART状態であるか否かについて判定し(ステップS2210)、ART状態でない場合(ステップS2210:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ART状態である場合(ステップS2210:YES)には、転落リプレイ回避用の停止順把握処理を実行する(ステップS2211)。当該転落リプレイ回避用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、転落回避用コマンドをセットして(ステップS2212)、本報知制御処理を終了する。当該転落回避用コマンドは、今回のゲームにおいて転落リプレイ入賞(第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞)の成立を回避可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。転落回避用コマンドを受信した演出側MPU82は、転落回避用停止順報知を実行するために画像表示装置86の表示制御を実行するとともにスピーカ69の音出力制御を実行する。
なお、詳細な説明は省略するが遊技状態が準備状態である場合であって、役の抽選処理(図28)にて第1RTモード用抽選テーブル(図23)のインデックス値IV=13〜18に当選した場合には、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、遊技状態が準備状態である場合において役の抽選処理(図28)にて第2RTモード用抽選テーブル(図25)のインデックス値IV=9〜14に当選したとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール24L,24M,24Rの停止順序は報知されない。準備状態からART状態への移行条件が第2RTリプレイ入賞の成立であるため、第2RTモードにおいて準備状態への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
次に、演出側MPU82にて実行される停止順報知実行用処理について図50のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停止順報知実行用処理は、ゲーム中処理(図47)のステップS2106にて実行される。
停止順報知実行用処理では、停止順報知の開始タイミングであるか否かについて判定する(ステップS2301)。具体的には、主側MPU72から四角入賞用コマンド、昇格用コマンド、又は転落回避用コマンドを受信したか否かについて判定し、これらのコマンドのうちいずれかのコマンドを受信した場合には、停止順報知の開始タイミングであると判定する。
停止順報知の開始タイミングである場合(ステップS2301:YES)には、今回受信した四角入賞用コマンド、昇格用コマンド、又は転落回避用コマンドに基づいて画像表示面87に表示する停止順序を特定し(ステップS2302)、当該特定した停止順序に対応する停止報知画像94a〜94cが画像表示面87の周辺領域87bに表示されるとともに第1停止の停止対象リールに対応する停止報知画像94a〜94cが強調表示されるように、第1停止用の描画指示情報を描画リストにセットする(ステップS2303)。
その後、停止順報知の開始設定処理を実行して(ステップS2304)、本停止順報知実行用処理を終了する。停止順報知の開始設定処理では、第1停止の停止対象リールを示す音がスピーカ69から出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行するとともに、ステップS2302にて特定した停止順序を示す停止順序情報を演出側RAM84に設定する。
ステップS2301にて停止順報知の開始タイミングでないと判定した場合には、停止順報知の更新タイミングであるか否かについて判定する(ステップS2305)。具体的には、演出側RAM84に停止順序情報が設定されている状態において第1停止又は第2停止の停止指令コマンドを受信した場合に停止順報知の更新タイミングであると判定する。
停止順報知の更新タイミングである場合(ステップS2305:YES)には、今回受信した停止指令コマンドに基づいて、画像表示面87において次の停止対象リールとして強調表示する停止報知画像94a〜94cを特定する(ステップS2306)。具体的には、今回受信した停止指令コマンドが第1停止の停止指令コマンドである場合には、次の停止対象リールとして強調表示する停止報知画像として、演出側RAM84に設定されている停止順序のうち第2停止の停止対象リールを示す停止報知画像94a〜94cを特定するとともに、今回受信した停止指令コマンドが第2停止の停止指令コマンドである場合には、次の停止対象リールとして強調表示する停止報知画像として、演出側RAM84に設定されている停止順序のうち第3停止の停止対象リールを示す停止報知画像94a〜94cを特定する。そして、ステップS2306にて特定した停止報知画像94a〜94cが強調表示されるように、第2停止用の描画指示情報又は第3停止用の描画指示情報を描画リストにセットする(ステップS2307)。
その後、停止順報知の設定更新処理を実行して(ステップS2308)、本停止順報知実行用処理を終了する。停止順報知の設定更新処理では、今回受信した停止指令コマンドが第1停止の停止指令コマンドであった場合には第2停止の停止対象リールを示す音がスピーカ69から出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行するとともに、今回受信した停止指令コマンドが第2停止の停止指令コマンドであった場合には第3停止の停止対象リールを示す音がスピーカ69から出力されるようにスピーカ69の音出力制御を実行する。
ステップS2305にて停止順報知の更新タイミングでないと判定した場合には、停止順報知の終了タイミングであるか否かについて判定する(ステップS2309)。具体的には、主側RAM74に停止順序情報が設定されている状態において第3停止の停止指令コマンドを受信した場合に停止順報知の終了タイミングであると判定する。停止順報知の更新タイミングでない場合(ステップS2309:NO)には、そのまま本停止順報知実行用処理を終了する。一方、停止順報知の更新タイミングである場合(ステップS2309:YES)には、演出側RAM84に設定されている停止順序情報をクリアして(ステップS2310)、本停止順報知実行用処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
一のリール24L,24M,24Rについて、当該リール24L,24M,24Rのメイン領域31を視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rと、サブ領域33の反射像を視認可能とするビームスプリッタ88と、が設けられている。このため、一方(メイン領域31側)をエフェクト演出が行われない表示領域として残しつつ、他方(サブ領域33側)をエフェクト演出が行われる表示領域とすることが可能となっている。エフェクト演出が行われる表示領域だけが設けられている構成の場合、エフェクト演出中に停止図柄が見づらくなる可能性がある。これに対して、エフェクト演出が行われない表示領域も併せて設けられている構成であるため、エフェクト演出中であっても停止図柄を明確に表示することが可能となっている。
エフェクト演出では、ストップボタン42〜44が操作される度に、ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rに対してエフェクト演出が実行される。これにより、ストップボタン42〜44の操作が単調で退屈なものとなることが防止されている。
サブ領域33のリール映像97L,97M,97Rをビームスプリッタ88にて反射させて視認可能とする構成である。これにより、スロットマシン10の前方から直接的には視認できないサブ領域33における停止図柄を前方から把握可能とすることができる。
主側MPU72は、サブリールライト34の制御と、暗転開始コマンド及び暗転終了コマンドの出力とによりビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rの視認性を調整することができる。このため、サブ領域33のリール映像97L,97M,97Rを視認可能とするために必要となる主側MPU72の処理負荷が抑えられている。
画像表示面87に一部暗転映像が表示されることにより、ビームスプリッタ88上のリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rの視認性を高めることができる。画像表示面87全体を暗転させる構成ではなく画像表示面87の一部領域(暗転対象領域87a)のみを暗転させる構成であるため、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rと、画像表示面87の周辺領域87bに表示される表示映像とを同時に視認可能とすることができる。
サブリールライト34の点灯タイミングは、暗転対象領域87aの暗転開始タイミングよりも後に設定されているとともに、サブリールライト34の消灯タイミングは、画像表示面87に一部暗転映像が表示されている状態が終了するタイミングよりも前に設定されている。これにより、ビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rと、画像表示面87上の表示映像とが視認性の低い態様で重複表示される期間の発生が防止されている。
ビームスプリッタ88では、図柄が上から下に向かって移動しているかのようにサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rを視認可能とするとともに、表示窓部21L,21M,21Rでは、図柄が下から上に向かって移動しているかのようにリール24L,24M,24Rのメイン領域31を視認可能とする。一のリールユニット22に対して、2つの視認可能範囲が設けられているとともに当該2つの視認可能範囲における図柄の移動方向が異なっていることにより、リールユニット22の数を増加させることなく図柄の表示態様を斬新なものとすることが可能となっている。
表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なメイン領域31は、横1列の3図柄に限定されている。これにより、ビームスプリッタ88における図柄の移動方向と表示窓部21L,21M,21Rにおける図柄の移動方向とが異なることへの違和感が低減されている。
ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rの表示面積は、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能となるメイン領域31の表示面積よりも広く設定されている。また、リール映像97L,97M,97Rを視認可能とするビームスプリッタ88は遊技者の目線に近い高さ位置に設けられている。このため、ビームスプリッタ88に遊技者の注目を集めることが容易となっている。エフェクト演出は、ビームスプリッタ88の後方に位置する画像表示面87にエフェクト映像93a,93bを表示して行われるため、ビームスプリッタ88を見ながらストップボタン42〜44を操作した遊技者の目線をそのままにして、エフェクト演出を見せることが可能となっている。
サブ領域33における停止図柄の数(奥行き3×横3=9個)がメイン領域31における停止図柄の数(縦1×横3=3個)よりも多く設定されていることにより、サブ領域33における停止図柄の組合せパターンを多様化させることが可能となっている。また、メイン領域31における停止図柄が横1列に限定されていることにより、メイン領域31における停止図柄の組合せを一見して容易に把握することが可能となっている。
メイン領域31では、当選役の入賞の有無に対応する停止図柄が表示される。当該メイン領域31とは別に、サブ領域33における停止図柄も視認可能とすることにより、図柄の停止結果の表示態様を多様化させて、遊技の興趣向上を図ることが可能となっている。
リール24L,24M,24Rには、上下対称の図柄が付されている。このため、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aに上下反転したリール映像97L,97M,97Rが表示されることにより生じる違和感が低減されている。
四角役、丸役、RB役又はBB役の入賞が成立した場合、メイン領域31には一直線に並ぶ図柄の種類が全て同一の種類である組合せは停止表示されないのに対して、サブ領域33には一直線に並ぶ図柄の種類が全て同一の種類である組合せが停止表示される。これにより、入賞の成立の有無に対応する停止図柄がメイン領域31に表示される構成であっても、サブ領域33における図柄の停止結果に遊技者を注目させることが可能となる。
ビームスプリッタ88に映るサブ領域33と、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能となるメイン領域31とは、リール24L,24M,24Rの周面において2図柄分離れている。また、リール24L,24M,24Rの停止制御では、停止操作が行われたタイミングから最大4図柄分スベらせてリール24L,24M,24Rを停止することが可能である。このため、停止操作が行われたタイミングにおいて、メインラインML上に存在していた図柄をビームスプリッタ88上の上段位置及び中段位置に停止させることができる。ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rを見ながらリール24L,24M,24Rの停止操作を行う方法、及び表示窓部21L,21M,21Rを通じてメイン領域31を見ながらリール24L,24M,24Rの停止操作を行う方法を選択可能とすることにより、停止操作を行う方法の自由度が高められているとともに、遊技の興趣向上が図られている。
リール24L,24M,24Rから出てビームスプリッタ88にて反射されて遊技者の目に届く反射光95の行路長PL1は、画像表示面87から放出されてビームスプリッタ88を透過して遊技者の目に届く透過光96の行路長PL2よりも長くなるように設定されている。このため、ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rが画像表示面87に表示される表示映像及びエフェクト映像93a,93bよりも奥側(後側)に存在しているかのように見せることができる。これにより、エフェクト演出の表示態様が斬新なものとなっており、遊技の興趣向上が図られている。
停止順報知では、スピーカ69からの音声出力に加えて、画像表示面87における停止報知画像94a〜94cの表示も行われる。各停止報知画像94a〜94cは、停止対象リールに対応するビームスプリッタ88上のリール映像97L,97M,97Rの上方に存在しているかのように表示される。これにより、ビームスプリッタ88及び画像表示面87を見ながら停止操作を行う遊技者に対して、分かり易い停止順報知を実行することが可能となる。また、仮にスピーカ69による音声出力を聞き逃した場合においても、周辺領域87bに表示されている停止報知画像94a〜94cを見ることにより停止対象リールを把握することが可能となる。
スタートレバー41の操作を契機として取得した乱数値を役の抽選処理における初期の判定値DVとして設定し、当該判定値を更新しながら役の抽選処理を実行して役の当否判定を行うとともに、役の抽選処理において最後に更新された乱数値を用いて追加抽選処理を実行して役の抽選とは異なる抽選(ART状態への移行に関する抽選や第1フリーズ、第2フリーズ及び上乗せに関する抽選)を行う構成である。このため、乱数値を1回取得することにより2種類の抽選処理を実行することが可能となっている。
役の抽選処理の結果に応じて追加抽選処理が実行される。追加抽選処理において新たに乱数値を取得する構成では、乱数を取得するための回路及び処理が追加で必要となる。これに対して、役の抽選処理において最後に更新された判定値DVを用いて追加抽選処理を実行する構成とすることにより、新たに乱数を取得するための回路及び処理を省略することが可能となる。これにより、主側MPU72の電気的構成及び処理構成を簡素化することが可能となっている。
役の抽選処理では抽選用減算処理後の判定用フラグ74bの状態を確認することにより役の当否判定を実行することができる。また、追加抽選処理では抽選用加算処理後の判定用フラグ74bの状態を確認することにより当否判定を行うことができる。一の判定用フラグ74bが抽選用減算処理の結果が負の値となったか否かを特定可能とする機能と、抽選用加算処理の結果が16ビットの数値情報の最大値を超えたか否かを特定可能とする機能とを兼ね備えていることにより、役の抽選処理及び追加抽選処理を実行するために必要な電気的構成が簡素化されている。
役の抽選処理において、一のインデックス値IVに当選データ及び演出データの両方が設定されている抽選テーブルを用いる構成とすると、一のインデックス値IVに当選したと判定した後に、当該インデックス値IVに設定されている当選データ及び演出データを把握するための変換テーブルが必要となる。これに対して、役の抽選処理では、インデックス値IVに対して当選データのみが記憶されている抽選テーブルを用い、追加抽選処理ではインデックス値IVに対して特典データのみが記憶されている追加抽選テーブルを用いる構成である。これにより、変換テーブルを不要として、役及び特典の抽選を行うために主側ROM73に予め記憶させるデータ容量を抑えることができる。
<第1の実施形態の別形態>
・ビームスプリッタ88が画像表示面87全体の前方に存在している構成に代えて、ビームスプリッタが画像表示面87の一部領域の前方に存在している構成としてもよい。例えば、45°に傾斜した状態において画像表示面87の高さ寸法の略半分の高さ寸法を有するビームスプリッタが画像表示面87の下側領域の前方に固定されている構成としてもよい。当該構成について、具体的には、画像表示面87の下側領域はビームスプリッタに映るリール映像97L,97M,97Rを明確に視認可能とするために暗転することが可能な暗転対象領域に設定されている。画像表示面87において暗転対象領域以外の領域、つまり画像表示面87の上側領域の前方にはビームスプリッタは存在しない。当該上側領域から放出された光はビームスプリッタを透過しないため、ビームスプリッタにて光の損失が発生することを回避できる。このため、画像表示面87の下側領域の前方にリール映像97L,97M,97Rを映すことを可能としながら、上側領域に表示される表示映像を鮮明に視認可能とすることができる。
・ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rの視認性を高めるために暗転する領域は暗転対象領域87aに限られない。例えば、画像表示面87全体が暗転する構成としてもよい。当該構成では、演出側MPU82は、暗転開始コマンドを受信した場合に画像表示面87全体の基本背景色が黒色となるように描画リストを作成する。この場合、演出側MPU82が暗転終了コマンドを受信するまでの間、画像表示面87では黒色の背景に映像が表示されることとなる。これにより、画像表示面87から放出される光の量を抑え、ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rが見易い状態を作り出すことができる。また、ビームスプリッタ88にリール映像97L,97M,97Rを映す期間に亘って画像表示面87全体の輝度を下げることによりビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97Rが見易い状態を作り出す構成としてもよい。
・役の抽選処理(図28)におけるステップS405にて抽選用減算処理に代えて抽選用加算処理を実行するとともに、ART移行抽選処理、ART用抽選処理及び有利抽選処理の中で実行される追加抽選処理(図34)におけるステップS805にて抽選用加算処理に代えて抽選用減算処理を実行する構成としてもよい。当該構成における役の抽選処理では、判定値DVに対して第1ポイント値PV1を加算する抽選用加算処理を行う。抽選用加算処理では、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、合計値が16ビットの数値情報の最大値(「65535」)を超える判定値DV及び第1ポイント値PV1について抽選用加算処理が行われた場合に判定用フラグ74bに「1」が設定される。抽選用加算処理が行われる役の抽選処理では、抽選用加算処理において判定用フラグ74bに「1」が設定された場合に現状設定されているインデックス値IVに当選したと判定する。また、追加抽選処理では、役の抽選処理における最後の抽選用加算処理の結果から第2ポイント値PV2が減算された場合の減算結果を算出する抽選用減算処理を行う。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、判定値DVよりも第2ポイント値PV2の方が大きい関係にある判定値DV及び第2ポイント値PV2の組合せについて抽選用減算処理が行われた場合に判定用フラグ74bに「1」が設定される。抽選用減算処理が行われる追加抽選処理では、抽選用減算処理において判定用フラグ74bに「1」が設定された場合に現状設定されているインデックス値IVに当選したと判定する。当該構成としても、スタートレバー41が操作されたことを契機として取得された1つの乱数に基づいて、役の抽選処理及び追加抽選処理を実行することができる。
・メインリールライト32は、電源装置54に電源が投入されたタイミングにおいて点灯状態となるとともに、その後に電源装置54の電源が遮断されるタイミングまで当該点灯状態が継続される構成としてもよい。主側MPU72は、メインリールライト32とサブリールライト34とを個別に点灯及び消灯可能である。第1表示調整処理(図43)のリールライト点灯処理(ステップS1704)ではサブリールライト34のみが点灯されるとともに、第2表示調整処理(図45)のリールライト消灯処理(ステップS1903)ではサブリールライト34のみが消灯される。これにより、メインリールライト32を常に点灯状態としながら、画像表示面87にて上乗せ演出映像、ART状態のオープニング映像、ART状態のエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像、及びボーナス状態のエンディング映像が表示されるタイミングにおいて全画面表示状態とすることができる。また、メインリールライト32が常に点灯状態であることにより、メイン領域31における図柄の視認性を常に高い状態に保つことができる。
・メインリールライト32とサブリールライト34とが異なるタイミングにおいて点灯される構成としてもよい。具体的には、受付許可状態となった場合、画像表示面87が一部暗転状態となり、その後にメインリールライト32のみが点灯される。その後、規定数のメダルがベットされた場合(通常処理(図20)におけるステップS304:YES)にサブリールライト34が点灯されて、ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが明るくなる。なお、いずれかのリプレイ入賞が成立した後である場合、サブリールライト34はメインリールライト32と同時に点灯される。当該構成とすると、遊技者は、ビームスプリッタ88に映るサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが明るくなったことに基づいて、スタートレバー41を有効に操作できるタイミングであることを把握することが可能となる。
・スタートレバー41が操作されたことに基づいてサブリールライト34を点灯する構成としてもよい。具体的には、開始待機状態において、画像表示面87には全画面表示状態用の開始待機用映像が表示される。その後、スタートレバー41の操作に基づいて画像表示面87に一部暗転状態用のゲーム中演出映像が表示されることにより画像表示面87が一部暗転状態となるとともに、サブリールライト34が点灯されてリール反射領域88aにリール映像97L,97M,97Rが映るリール表示状態となる。画像表示面87における開始待機映像からゲーム中演出映像への切り換え、及びサブリールライト34の点灯は、スタートレバー41が操作された後のタイミングであるとともにストップボタン42〜44の操作が有効化される前のタイミングであるリール24L,24M,24Rの加速期間にて実行される。この場合、リール24L,24M,24Rの回転開始タイミングにおいてリール反射領域88aにリール映像97L,97M,97Rが現れることとなる。このため、当該回転開始タイミングにリール映像97L,97M,97Rへの注目度を高め、遊技者がその後もリール映像97L,97M,97Rを見ながらストップボタン42〜44を操作する可能性を高めることができる。
・サブリールライト34を点灯した後に画像表示面87に一部暗転状態用の映像を表示する構成としてもよい。この場合、画像表示面87における表示映像の全体を視認可能な全画面表示状態からリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rを視認可能なリール表示状態への切り換えに要する時間を短縮することができる。
・表示窓部21L,21M,21Rにより視認可能となるメイン領域31の面積がビームスプリッタ88により視認可能となるサブ領域33の面積よりも広い構成としてもよい。例えば、表示窓部から視認可能となるメイン領域が縦3図柄×横3図柄=9図柄分の範囲であるとともに、ビームスプリッタ88により視認可能となるサブ領域33が縦1図柄×横3図柄=3図柄分の範囲である構成としてもよい。具体的には、メイン領域は、上記第1の実施形態におけるメインラインML(図12(a))が中段となる態様で、当該メインラインMLの上側に隣接している上段のラインと、当該メインラインMLの下側に隣接している下段のラインとを含む範囲に設定されている。一方、サブ領域は、上記第1の実施形態における中段のサブラインSL3(図12(b))のみを含む領域に設定されている。この場合には、縦3図柄×横3図柄=9図柄のメイン領域のみを備えている従来のスロットマシンと同じ感覚でストップボタン42〜44の操作を行うことを可能としながら、サブ領域におけるエフェクト演出を実行することを可能とすることができる。また、サブ領域を縦1図柄×横3図柄=3図柄に限定する本構成では、ビームスプリッタ88におけるリール反射領域88a(図10(a))の面積を抑えることができる。これにより、画像表示面87における暗転対象領域87a(図10)の面積を抑え、リール24L,24M,24Rの回転中に視認可能となる演出用の映像(ゲーム中演出映像)の表示面積を広げることができる。本構成において、リール24L,24M,24Rは、正方向(図4における反時計回りの方向)に回転する。これにより、図柄の移動方向における表示数が多いメイン領域について、図柄が上から下に移動する表示態様とすることができる。この場合、ビームスプリッタ88では、図柄映像が下から上に移動する表示態様となるが、ビームスプリッタ88では図柄映像の移動方向における表示数が「1」に抑えられているため、図柄映像の移動方向について違和感が生じる可能性が低減されている。
・抽選用減算処理において行われる処理は、判定値DVに第1ポイント値PV1の2の補数を加算する処理に限られない。例えば、2の補数を生成することなく減算結果を算出する減算用プログラムを備えており、当該減算用プログラムを用いて抽選用減算処理が行われる構成としてもよい。当該減算用プログラムでは、判定値DVの16ビットの数値情報が全て「0」である状態から「1」が減算された場合には、判定用フラグ74bに「1」が設定されるとともに、判定値DVを示す16ビットの数値情報の全ビットに「1」が設定された状態となる。このため、判定値DVよりも第1ポイント値PV1の方が大きい関係にある判定値DV及び第1ポイント値PV1の組合せについて抽選用減算処理が行われる場合には、判定用フラグ74bに「1」が設定される。減算用プログラムに基づく抽選用減算処理においても、抽選用減算処理の結果が正(「0」以上)である場合には判定用フラグ74bが「0」となるとともに、抽選用減算処理の結果が負(「0」未満)である場合には判定用フラグ74bに「1」が設定されることとなるため、抽選用減算処理後の判定用フラグ74bの状態に基づいて、第1ポイント値PV1に対応するインデックス値IVの当否判定を行うことができる。また、上記のような抽選用減算処理が行われた後の追加抽選処理では、抽選用減算処理が行われることで16ビットの数値情報が全て「0」である状態からさらに減算された結果となっている判定値DVに対して第2ポイント値PV2が加算され、その加算後における判定値DVの値が16ビットの数値情報が全て「1」である状態を超えた場合に、その第2ポイント値PV2に対応する抽選対象に当選したことになる。
・判定値DVの初期値の最大値が15ビットの数値情報の最大値(「32767」)であるとともに、2バイトの判定値用バッファ74aにおける最上位ビット(第15ビット)の状態に基づいて役の抽選処理(図28)及び追加抽選処理(図34)における当否判定が実行される構成としてもよい。
具体的には、フリーランカウンタにおいて生成される乱数値は15ビットの数値情報である。スタートレバー41の操作に基づいてハード回路により当該フリーランカウンタから15ビットの数値情報がラッチされる。そして、当該ラッチされた数値情報は、2バイトの判定値用バッファ74aの下位15ビット(第0ビット〜第14ビット)に格納される。この場合において、当該判定値用バッファ74aの第15ビットは「0」となっている。通常モード用抽選テーブル(図21)、第1RTモード用抽選テーブル(図23)、第2RTモード用抽選テーブル(図25)、ボーナス用抽選テーブル(図示略)及び内部用抽選テーブル(図示略)には、第1ポイント値PV1として15ビットの数値情報が設定されている。
役の抽選処理(図28)では、上記第1の実施形態において説明したとおり、抽選用減算処理が実行される。抽選用減算処理では、判定値用バッファ74aに格納されて数値情報のうち下位15ビットに格納させている数値情報が判定値DVとして特定される。また、第1ポイント値PV1の2の補数が生成される。当該第1ポイント値PV1の2の補数は15ビットの数値情報となる。そして、判定値DV(15ビット)に第1ポイント値PV1の2の補数(15ビット)が加算されて抽選用減算処理の結果が算出される。判定値DVと同一又は判定値DVよりも小さい第1ポイント値PV1を用いて抽選用減算処理が実行された場合、判定値DVと第1ポイント値PV1の2の補数との合計値は2進数で16桁の数値となる。この場合、当該合計値の下位15桁の数値情報が判定値用バッファ74aの下位15ビットに格納されて判定値DVが更新されるとともに、判定値用バッファ74aの最上位ビット(第15ビット)は「0」となる。一方、判定値DVよりも大きい第1ポイント値PV1を用いて抽選用減算処理が実行された場合、判定値DVと第1ポイント値PV1の2の補数との合計値は2進数で15桁以下の数値となる。この場合、当該合計値の全桁の数値情報が判定値用バッファ74aの下位15ビットに格納されて判定値DVが更新されるとともに、判定値用バッファ74aの最上位ビット(第15ビット)に「1」が設定される。
役の抽選処理(図28)では、更新後の判定値用バッファ74aにおける最上位ビット(第15ビット)の状態に基づいて現状のインデックス値IVについての当否判定が行われる。具体的には、更新後の判定値用バッファ74aにおける最上位ビットの値が「0」である場合には現状のインデックス値IVに外れたと判定するとともに、当該最上位ビットの値が「1」である場合には現状のインデックス値IVに当選したと判定する。また、各追加抽選テーブル(図32(a)〜図32(g))には、第2ポイント値PV2として15ビットの数値情報が設定されている。
追加抽選処理(図34)では、役の抽選処理(図28)において最後に更新された判定値用バッファ74aの下位15ビットの数値情報を初期の判定値DVとして特定する。そして、判定値DV(15ビット)に第2ポイント値PV2(15ビット)が加算されて抽選用加算処理の結果が算出される。判定値DVと第2ポイント値PV2との合計値が15ビットの数値情報の最大値(「32767」)を超えない判定値DV及び第2ポイント値PV2の組合せについて抽選用加算処理が実行された場合、当該抽選用加算処理の算出結果は2進数で15桁以下の数値情報となり当該算出結果の全桁の数値情報が判定値用バッファ74aの下位15ビットに格納されて判定値DVが更新されるとともに、判定値用バッファ74aの最上位ビット(第15ビット)は「0」となる。一方、判定値DVと第2ポイント値PV2との合計値が15ビットの数値情報の最大値(「32767」)を超える判定値DV及び第2ポイント値PV2の組合せについて抽選用加算処理が実行された場合、当該抽選用加算処理の算出結果は2進数で16桁の数値情報となり当該算出結果の下位15ビットが判定値用バッファ74aの下位15ビットに格納されて判定値DVが更新されるとともに、判定値用バッファ74aの最上位ビット(第15ビット)に「1」が設定される。追加抽選処理では、判定値用バッファ74aの最上位ビット(第15ビット)に基づいて現状のインデックス値IVについての当否判定が行われる。具体的には、更新後の判定値用バッファ74aにおける最上位ビットの値が「0」である場合には現状のインデックス値IVに外れたと判定するとともに、当該最上位ビットの値が「1」である場合には現状のインデックス値IVに当選したと判定する。このように、判定値DVの初期値の最大値を15ビットの数値情報の最大値(「32767」)以下とするとともに、判定値用バッファ74aの最上位ビットの状態に基づいて役の抽選処理における当否判定及び追加抽選処理における当否判定を実行する構成とすることにより、判定値用バッファ74aとは別に当否判定の基準となる情報を設定するためのフラグを省略しつつ、役の抽選処理(図28)のステップS401において取得した一の数値情報に基づいて役の抽選処理(図28)及び追加抽選処理(図34)を実行することができる。
・ビームスプリッタが画像表示面87の前方で上下に変位することにより、サブ領域33から上向きに出てビームスプリッタにて前方に反射されて視認可能となる光の行路長が変化する構成としてもよい。具体的には、枠体右側部37cには、ビームスプリッタを画像表示面87の前方に固定可能であるとともに当該ビームスプリッタを上下に変位可能である変位装置が設けられている。変位装置は上下に移動可能なスライダを有する電動アクチュエータである。変位装置は中空のハウジングを備えている。ハウジングは、枠体右側部37cに固定されており、枠体底部37aの上側平面から枠体天井部37dの近傍まで鉛直方向に延在している。ハウジング内部の下側部には、上部に出力軸を有する駆動部が設けられている。出力軸には、カップリング機構を介して金属製のネジ軸が連結されている。ネジ軸は、駆動部の上部からハウジングの上端近傍まで鉛直上方に延びており、ネジ軸には、当該ネジ軸に沿って上下に変位するスライダが固定されている。ハウジングの画像表示面87側の側面には、駆動部の上端近傍からハウジングの上端近傍に亘って縦長の開口が形成されている。スライダは、当該開口から画像表示面87側に突出している突出部を備えており、当該突出部にはビームスプリッタを固定可能とする樹脂製の固定用部材が固定されている。
固定用部材は、板状矩形に形成された台座部を備えており、台座部が突出部にネジ固定されていることにより固定用部材がスライダに固定されている。台座部には、画像表示面87側に突出させてビームスプリッタを支持する支持部が一体形成されている。支持部は、45度の角度で後方に向かって下方に傾斜している。支持部には、板状矩形のビームスプリッタの左右方向における一方の端部がネジ固定されている。ビームスプリッタは、リール24L,24M,24Rのサブ領域33全域の上方に存在しており、支持部の傾斜に沿って45度の角度で後方に向かって下方に傾斜している。このため、サブ領域33から上向きに出た光はビームスプリッタにて前方に反射されて遊技者の目に届く。ビームスプリッタは、画像表示面87の下側略半分の領域の前方に存在しており、画像表示面87の下側略半分の領域から放出された光はビームスプリッタを透過して前方の遊技者の目に届く。
駆動部は主側MPU72に電気的に接続されている。主側MPU72は、駆動部に第1駆動信号を出力することによりスライダ及びビームスプリッタを初期位置から上方の変位位置までスライドさせるとともに、駆動部に第2駆動信号を出力することによりスライダ及びビームスプリッタを変位位置から初期位置に復帰させる。ハウジングに形成された開口はスライダのネジ軸周りの回転を阻止する幅寸法を有しており、ビームスプリッタは45度の角度で後方に向かって下方に傾斜した姿勢を保ちながら上下に平行移動する。当該上下の移動に際して、ビームスプリッタは前後方向には移動しない。このため、ビームスプリッタは常にサブ領域33全域の上方に存在しており、ビームスプリッタの高さ位置に関わらず当該ビームスプリッタに映るサブ領域33のリール映像が視認可能となる。
変位位置まで移動したビームスプリッタは、画像表示面87の上側略半分の領域の前方に存在している状態となる。主側MPU72は、フリーズ当選となった場合にビームスプリッタを変位位置まで移動させるとともに、フリーズ演出が終了した場合にビームスプリッタを初期位置まで復帰させる。フリーズ演出に当選した場合、画像表示面87は当該画像表示面87全体から放出される光の量が抑えられた全画面暗転状態となるとともに、スピーカからフリーズ演出用の音が出力される。これにより、遊技者はフリーズ当選が発生したことを認識することができる。この場合にサブリールライト34は消灯されない。このため、ビームスプリッタは、リール映像が映っている状態のまま変位位置まで移動する。一方、フリーズ演出が終了した場合には、サブリールライト34が消灯されるとともに画像表示面87が全画面表示状態に切り換えられ、ビームスプリッタの初期位置復帰が行われる。これにより、ビームスプリッタを目立たない態様で初期位置に復帰させることができる。
ビームスプリッタが初期位置に存在している場合、リール24L,24M,24Rのサブ領域33から出てビームスプリッタにて前方に反射されて遊技者の目に届く光の行路長は、画像表示面87から放出されてビームスプリッタを透過して遊技者の目に届く光の行路長よりも短い。このため、ビームスプリッタが初期位置に存在している状態では、ビームスプリッタに映るリール映像を画像表示面87に表示される映像よりも前方に存在しているかのように表示することができる。一方、ビームスプリッタが変位位置に移動することにより、リール24L,24M,24Rのサブ領域33から出てビームスプリッタにて前方に反射されて遊技者の目に届く光の行路長が延び、画像表示面87から放出されてビームスプリッタを透過して遊技者の目に届く光の行路長よりも長くなる。このため、ビームスプリッタが変位位置に存在している状態では、ビームスプリッタに映るリール映像を画像表示面87に表示される映像よりも後方に存在しているかのように表示することができる。
このように、ビームスプリッタを初期位置から変位位置に移動させることにより、ビームスプリッタに映るリール映像の表示位置を上方に移動させることができるとともに、当該リール映像の見た目の表示位置を後方に変化させることができる。また、ビームスプリッタを変位位置から初期位置に復帰させることにより、ビームスプリッタに映るリール映像の表示位置を下方に戻すことができるとともに、当該リール映像の見た目の表示位置を前方に戻すことができる。ビームスプリッタに映るリール映像の表示態様を斬新なものとすることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
・リールユニットが上下に変位することによりサブ領域から上向きに出てビームスプリッタにて前方に反射されて遊技者の目に届く光の行路長が変化する構成としてもよい。具体的には、筐体11の内部には、上部ユニットが固定されている。また、上部ユニットの下方にはリールユニットと、リールユニットを上下に変位可能とする変位装置とが設けられている。上部ユニットは上記第1の実施形態における上部ユニット36よりもひと回り小さい縦寸法を有しているとともに、リールユニットは上記第1の実施形態におけるリールユニット22よりもひと回り小さい縦寸法を有しており、上部ユニットとリールユニットとの間にはリールユニットが上方に変位することを可能とする所定の間隔が設けられている。
変位装置は、背パネル11bの横方向における中央に固定されている駆動部と、駆動部により上下に変位可能な金属製の可動部とを備えている。可動部は、駆動部の下部から鉛直下向きに延びるアーム部と、アーム部の下端に一体形成されている板状矩形の台座部とを備えている。台座部は、水平方向に延在しており、台座部の上にはリールユニットがネジ固定されている。駆動部は、主側MPU72と電気的に接続されている。主側MPU72は、駆動部に第1駆動信号を出力することにより台座部及びリールユニットを初期位置から変位位置まで上方に移動させるとともに、駆動部に第2駆動信号を出力することにより台座部及びリールユニットを変位位置から初期位置に復帰させる。
リールユニットは、所定の間隔を置いてリールの外周面の外側を囲うカバー部を備えている。カバー部はリール支持板と一体形成されており、着色されて有色不透明となっている。カバー部には、メイン領域の全域を前方から視認可能とするメイン側開口部と、サブ領域の全域から上向きに出た光を通過可能とするサブ側開口部とが形成されている。枠体底部においてサブ領域及びサブ側開口部の上方に位置する領域には、サブ領域から上向きに出た光を通過可能とする光貫通孔が形成されている。サブ領域から上向きに出た光は、サブ側開口部及び光貫通孔を通過した後、ビームスプリッタにて前方に反射されて遊技者の目に届く。
リールユニットが初期位置に存在している場合、サブ領域から出てビームスプリッタにて反射されて遊技者の目に届く光の行路長は、画像表示面から放出されてビームスプリッタを透過して遊技者の目に届く光の行路長よりも長い。このため、ビームスプリッタに映るリール映像を画像表示面に表示される映像よりも後方に存在しているかのように表示することができる。一方、リールユニットが変位位置に移動した場合、サブ領域から出てビームスプリッタにて反射されて遊技者の目に届く光の行路長は、画像表示面から放出されてビームスプリッタを透過して遊技者の目に届く光の行路長よりも短くなる。このため、ビームスプリッタに映るリール映像を画像表示面に表示される映像よりも前方に存在しているかのように表示することができる。
遊技パネル20において、表示窓部は、初期位置に存在しているリールユニットのメイン領域と、変位位置に移動したリールユニットのメイン領域との両方が前方から視認可能となるように縦長矩形に形成されている。リールユニットが初期位置に存在している場合、各リールのメイン領域は表示窓部の下部を通じて前方から視認可能となる。このとき、表示窓部の下部以外の領域を通じて視認可能となる位置には有色不透明に着色されたカバー部が存在することとなる。これにより、メイン領域以外に停止する図柄を前方から視認不可とすることができる。また、リールユニットが変位位置に移動した場合、各リールのメイン領域は表示窓部の上部を通じて視認可能となる。このとき、表示窓部の上部以外の領域を通じて視認可能となる位置には有色不透明に着色されたカバー部が存在することとなる。これにより、メイン領域以外に停止する図柄を前方から視認不可とすることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、リールライト32,34の制御及びエフェクト演出の態様が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態におけるメインリールライト32及びサブリールライト34の制御について説明する。メインリールライト32及びサブリールライト34は主側MPU72の出力側に接続されており、主側MPU72はメインリールライト32とサブリールライト34とを個別に発光制御可能である。本実施形態では、電源投入時にメインリールライト32及びサブリールライト34が点灯される。その後、メインリールライト32の点灯状態は、電源が遮断されるまで継続される。
本実施形態の各ゲームにおいて、全リール24L,24M,24Rが停止した後に画像表示面87に表示されるリール停止後映像、及びART状態の継続ゲーム数が上乗せされた場合に画像表示面87に表示される上乗せ演出映像は、一部暗転状態用の映像である。演出制御基板81のメモリモジュールには、一部暗転状態用のリール停止後画像データ及び上乗せ演出画像データが記憶されている。このため、各ゲームにおいて全リール24L,24M,24Rが停止してリール停止後映像が表示された後、ART状態のオープニング映像、ART状態のエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像、及びボーナス状態のエンディング映像が表示されない場合には、画像表示面87が全画面表示状態に戻ることなく開始待機映像に切り換わる。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、開始待機映像は一部暗転状態用の映像である。このため、この場合には、画像表示面87が一部暗転状態であるとともにサブリールライト34が点灯状態のまま次のゲームの開始待機状態となる。
本実施形態では、ゲームが所定時間(具体的には10分)に亘って行われなかった場合に画像表示面87においてデモ表示が開始される。デモ表示では、画像表示面87に全画面表示状態用のデモ映像が表示される。演出制御基板81のメモリモジュールには、全画面表示状態用のデモ画像データが記憶されている。サブリールライト34は、電源投入時に点灯された後、画像表示面87にデモ映像が表示される場合、ART状態のオープニング映像が表示される場合、ART状態のエンディング映像が表示される場合、ボーナス状態のオープニング映像が表示される場合、及びボーナス状態のエンディング映像が表示される場合に消灯される。一方、これらの映像が表示される期間を除いて、サブリールライト34は点灯状態となる。
次に、本実施形態におけるメイン処理について図51のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、メイン処理は、主側MPU72への動作電源の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行される。
メイン処理では、先ず初期化処理を実行する(ステップS2401)。初期化処理では、上記第1の実施形態におけるメイン処理(図18)のステップS101と同一の処理を実行する。その後、リールライト点灯処理を実行する(ステップS2402)。リールライト点灯処理では、メインリールライト32及びサブリールライト34を点灯する。そして、その他の処理を実行する(ステップS2403)。その他の処理では、上記第1の実施形態におけるメイン処理(図18)のステップS102〜ステップS117と同一の処理を実行する。このように、メインリールライト32及びサブリールライト34は、主側MPU72への動作電源の供給が開始されたタイミングにおいて点灯される。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常処理は上述したメイン処理(図51)におけるその他の処理(ステップS103)において実行される。
ステップS2501では、上記第1の実施形態における通常処理(図20)のステップS301と同一の処理を実行する。具体的には、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。続くステップS2502では、上記第1の実施形態における通常処理(図20)のステップS303と同一の処理を実行する。具体的には、開始待ち処理を実行する。
その後、主側RAM74に設けられたデモ表示中フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS2503)。デモ表示中フラグは、画像表示面87にてデモ映像が表示されている状態であることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。主側MPU72は、演出側MPU82への送信対象として、画像表示面87にデモ映像を表示させるためのデモ表示コマンドをセットした場合にデモ表示中フラグに「1」を設定する。
ステップS2503にてデモ表示中フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2503:YES)には、デモ表示状態であることを意味する。デモ表示状態において、サブリールライト34は消灯されているとともに、画像表示面87は全画面表示状態となっている。この場合には、デモ表示中にメダル又は仮想メダルの新たなベットが検出されたか否かについて判定する(ステップS2504)。そして、新たなベットが検出された場合(ステップS2504:YES)には、デモ表示状態を終了させるためにステップS2505〜ステップS2508の処理を実行する。
具体的には、演出側MPU82への送信対象として、デモ表示終了コマンドをセットする(ステップS2505)。デモ表示終了コマンドは、演出側MPU82にてデモ表示状態を終了させるための処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、デモ表示終了コマンドを受信した場合、VDP85に出力する描画リストに開始待機用の描画指示情報をセットする。これにより、画像表示面87における表示内容がデモ映像から開始待機映像に切り換わるとともに、画像表示面87が全画面表示状態から一部暗転状態に切り換わる。
その後、デモ表示中フラグを「0」クリアし(ステップS2506)、主側RAM74に設けられたデモ表示用タイマにデモ表示用待機時間として10分をセットする(ステップS2507)。デモ表示用タイマに設定されたデモ表示用待機時間は、タイマ割込み処理(図19)のタイマ減算処理(ステップS208)にて減算される。デモ表示用待機時間をセットした後は、サブリールライト34を点灯する(ステップS2508)。これにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが映る状態となる。
ステップS2503にて否定判定を行った場合、ステップS2504にて否定判定を行った場合、又はステップS2508の処理を行った場合には、メダルのベット数が規定数(「3」)であるか否かについて判定する(ステップS2509)。ベット数が規定数でない場合(ステップS2509:NO)において、デモ表示中フラグに「1」が設定されている場合(ステップS2510:YES)、つまり既にデモ表示中である場合にはステップS2502に戻る。また、デモ表示中フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2510:NO)であっても主側RAM74のデモ表示用タイマに設定されたデモ表示用待機時間が経過していない場合(ステップS2511:NO)にもステップS2502に戻る。
一方、デモ表示中フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS2510:NO)であって、主側RAM74のデモ表示用タイマに設定されたデモ表示用待機時間が経過した場合(ステップS2511:YES)には、デモ表示を開始するためにステップS2512〜ステップS2514の処理を実行する。具体的には、サブリールライト34を消灯して(ステップS2512)、演出側MPU82への送信対象としてデモ表示コマンドをセットする(ステップS2513)。デモ表示コマンドは、画像表示面87にデモ映像を表示させる処理を実行させるためのコマンドである。ステップS2513にてデモ表示コマンドをセットした後は、主側RAM74におけるデモ表示中フラグに「1」を設定して(ステップS2514)、ステップS2502に戻る。
また、ステップS2509にてメダルのベット数が規定数であった場合には、開始指令が検出されたか否かについて判定し(ステップS2515)、開始指令が検出されていない場合(ステップS2515:NO)にもステップS2502に戻る。
一方、開始指令が検出された場合(ステップS2515:YES)には、ゲームの開始タイミングであることを意味するため、ゲーム用処理を実行する(ステップS2516)。ゲーム用処理では、上記第1の実施形態における通常処理(図20)のステップS306〜ステップS314と同一の処理が行われる。ステップS2516にてゲーム用処理を実行した後は、主側RAM74におけるデモ表示用タイマにデモ表示用待機時間として新たに10分をセットする(ステップS2517)。
その後、主側RAM74に設けられたサブ消灯中フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS2518)。サブ消灯中フラグは、サブリールライト34の状態を主側MPU72にて把握可能とするフラグである。サブ消灯中フラグには、ボーナス状態のオープニング演出、ボーナス状態のエンディング演出、ART状態のオープニング演出、及びART状態のエンディング演出の実行タイミングとなった場合に「1」が設定される。具体的には、後述するボーナス用処理(図53)のステップS2605、ボーナス状態用処理(図54)のステップS2707、準備状態処理(図55)のステップS2805、及びART状態処理(図56)のステップS2906にてサブ消灯中フラグに「1」が設定される。ステップS2518にてサブ消灯中フラグに「1」が設定されている場合には、サブリールライト34を点灯し(ステップS2519)、サブ消灯中フラグを「0」クリアする(ステップS2520)。
ステップS2518にて否定判定を行った場合、又はステップS2520の処理を実行した場合には、受付許可処理を行って(ステップS2521)、ステップS2501に戻る。受付許可処理では、上記第1の実施形態における通常処理(図20)のステップS315と同一の処理が実行される。
上記のとおり、ゲーム終了後にデモ表示用タイマにデモ表示用待機時間(10分)が設定され、次のゲームが開始されることなくデモ表示用待機時間が経過した場合であって規定数のメダルがベットされていない場合には、サブリールライト34が消灯されるとともに画像表示面87においてデモ表示が開始される。
規定数のメダルがベットされている場合にはデモ表示は開始されないため、サブリールライト34は点灯状態のままである。また、デモ表示中に新たなメダルがベットされた場合には、デモ表示が終了するとともにサブリールライト34が点灯される。このため、規定数のメダルがベットされている状況であって、スタートレバー41が操作されることによりゲームが開始される状況では、サブリールライト34が点灯状態となっているとともにビームスプリッタ88のリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが映っている状態となっている。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス用処理について図53のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ボーナス用処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1001にて実行される。
ステップS2601〜ステップS2603では、上記第1の実施形態におけるボーナス用処理(図37)のステップS1101〜ステップS1103と同一の処理が実行される。具体的には、ボーナス状態でない場合(ステップS2601:NO)において、主側RAM74にボーナス当選データが設定されてない場合(ステップS2602:NO)には、そのまま本ボーナス用処理を終了する。また、主側RAM74にボーナス当選データが設定されている場合(ステップS2602:YES)であっても、今回のゲームにおいてボーナス入賞が発生しなかった場合(ステップS2603:NO)には、そのまま本ボーナス用処理を終了する。
一方、ボーナス状態でない場合(ステップS2601:NO)であって、今回のゲームにおいてボーナス入賞が発生した場合(ステップS2603:YES)には、ボーナス状態の開始タイミングであることを意味する。この場合には、サブリールライト34を消灯し(ステップS2604)、主側RAM74におけるサブ消灯中フラグに「1」を設定する(ステップS2605)。
上記第1の実施形態にて既に説明したとおり、ボーナス状態のオープニング映像は全画面表示状態用の映像である。ボーナス状態のオープニング演出が開始される前のタイミングにおいてサブリールライト34を消灯することにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aを通じて視認可能な画像表示面87の暗転対象領域87aの視認性を高め、画像表示面87に表示されるボーナス状態のオープニング映像の全体を視認性の高い態様で視認可能とすることができる。
その後、ボーナス開始用設定処理を実行して(ステップS2606)、本ボーナス用処理を終了する。ボーナス開始用設定処理では、上記第1の実施形態におけるボーナス用処理(図37)のステップS1104及びステップS1106〜ステップS1110と同一の処理が実行される。また、ステップS2601にてボーナス状態であった場合には、ボーナス状態用処理を実行して(ステップS2607)、本ボーナス用処理を終了する。当該ボーナス状態用処理について図54のフローチャートを参照しながら説明する。
ボーナス状態用処理では、先ず有利当選対応処理を実行する(ステップS2701)。有利当選対応処理では、上記第1の実施形態におけるボーナス状態用処理(図38)のステップS1201〜ステップS1206と同一の処理が実行される。その後、ステップS2702〜ステップS2704では、上記第1の実施形態におけるボーナス状態用処理(図38)のステップS1207〜ステップS1209と同一の処理が実行される。具体的には、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生しなかった場合(ステップS2702:NO)には、そのまま本ボーナス状態用処理を終了する。また、遊技媒体の付与が発生した場合(ステップS2702:YES)には主側RAM74における合計払出カウンタに今回付与された遊技媒体に対応する値を加算し(ステップS2703)、当該加算後の合計払出カウンタの値が終了基準数未満であった場合(ステップS2704:NO)には、そのまま本ボーナス状態用処理を終了する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、RB状態の終了基準数は「150」に設定されているとともに、BB状態の終了基準数は「350」に設定されている。
一方、加算後の合計払出カウンタの値が終了基準数以上となった場合(ステップS2704:YES)には、ボーナス状態の終了タイミングであることを意味する。この場合、準備状態設定用処理を実行する(ステップS2705)。準備状態設定用処理では、上記第1の実施形態におけるボーナス状態用処理(図38)のステップS1210〜ステップS1212と同一の処理が実行される。
その後、サブリールライト34を消灯し(ステップS2706)、主側RAM74におけるサブ消灯中フラグに「1」を設定する(ステップS2707)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ボーナス状態の終了時に画像表示面87に表示されるボーナス状態のエンディング映像は全画面表示状態用の映像である。ボーナス状態の終了時にサブリールライト34を消灯することにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aを通じて視認可能な画像表示面87の暗転対象領域87aの視認性を高め、画像表示面87に表示されるボーナス状態のエンディング映像の全体を視認性の高い態様で視認可能とすることができる。
その後、ステップS2708〜ステップS2709では、上記第1の実施形態におけるボーナス状態用処理(図38)のステップS1214〜ステップS1215と同一の処理が実行される。具体的には、演出側MPU82への送信対象としてボーナス終了コマンドをセットし(ステップS2708)、主側RAM74におけるフリーズカウンタにエンディング演出時間を設定して(ステップS2709)、本ボーナス状態用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される準備状態処理について図55のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、準備状態処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1006にて実行される。
準備状態処理では、ステップS2801〜ステップS2803において、上記第1の実施形態における準備状態処理(図40(a))のステップS1401〜ステップS1403と同一の処理が実行される。具体的には、上乗せ用処理を実行し(ステップS2801)、第2RTリプレイ入賞が発生した場合(ステップS2802:YES)には、ART開始用処理を実行する(ステップS2803)。
その後、サブリールライト34を消灯し(ステップS2804)、主側RAM74におけるサブ消灯中フラグに「1」を設定する(ステップS2805)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態の開始時に画像表示面87に表示されるART状態のオープニング映像は全画面表示状態用の映像である。ART状態の開始時にサブリールライト34を消灯することにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aを通じて視認可能な画像表示面87の暗転対象領域87aの視認性を高め、画像表示面87に表示されるART状態のオープニング映像の全体を視認性の高い態様で視認可能とすることができる。
その後、ステップS2806〜ステップS2807では、上記第1の実施形態における準備状態処理(図40(a))のステップS1405〜ステップS1406と同一の処理が実行される。具体的には、演出側MPU82への送信対象としてART開始コマンドをセットし(ステップS2806)、主側RAM74におけるフリーズカウンタにART状態のオープニング演出が実行されるオープニング演出時間を設定して(ステップS2807)、本準備状態処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行されるART状態処理について図56のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態処理は遊技終了時の対応処理(図36)におけるステップS1007にて実行される。
ART状態処理では、ステップS2901〜ステップS2904において、上記第1の実施形態におけるART状態処理(図41)のステップS1601〜ステップS1604と同一の処理が実行される。具体的には、上乗せ用処理を実行し(ステップS2901)、主側RAM74におけるARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS2902)。そして、減算後のARTゲーム数カウンタの値が「0」とならなかった場合(ステップS2903:NO)にはそのまま本ART状態処理を終了するとともに、減算後のARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合(ステップS2903:YES)にはART状態の終了処理を実行する(ステップS2904)。
その後、サブリールライト34を消灯し(ステップS2905)、主側RAM74におけるサブ消灯中フラグに「1」を設定する(ステップS2906)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態の終了時に画像表示面87に表示されるART状態のエンディング映像は全画面表示状態用の映像である。ART状態の終了時にサブリールライト34を消灯することにより、ビームスプリッタ88のリール反射領域88aを通じて視認可能な画像表示面87の暗転対象領域87aの視認性を高め、画像表示面87に表示されるART状態のエンディング映像の全体を視認性の高い態様で視認可能とすることができる。
その後、ステップS2907〜ステップS2908では、上記第1の実施形態におけるART状態処理(図41)のステップS1606〜ステップS1607と同一の処理が実行される。具体的には、演出側MPU82への送信対象としてART終了コマンドをセットし(ステップS2907)、主側RAM74におけるフリーズカウンタにART状態のエンディング演出が実行されるエンディング演出時間を設定して(ステップS2908)、本ART状態処理を終了する。
次に、本実施形態におけるエフェクト演出の態様について説明する。本実施形態では、ART状態が発生することの期待度を示す演出としてエフェクト演出が行われる。当該期待度を示す演出が行われない場合には、各リール24L,24M,24Rが停止してもエフェクト映像93a,93bは表示されない。このため、エフェクト演出を行うことにより、ART状態が発生することを遊技者に期待させることができる。なお、停止したリール24L,24M,24Rに対して常にエフェクト映像93a,93bが表示される構成であって、ART状態が発生することの期待度を示す演出が行われる場合には通常のエフェクト映像93a,93bとは異なるエフェクト映像が表示される構成としてもよい。
本実施形態では、ART状態への移行期待度を示すエフェクト演出として、ART状態に移行する可能性があることを示す低期待度演出と、低期待度演出が行われる場合よりもART状態に移行する可能性が高いことを示す高期待度演出と、ART状態に移行することが確定していることを示す確定演出とが存在している。
ART状態の低期待度演出、高期待度演出及び確定演出では、上記第1の実施形態において既に説明した第1エフェクト映像93a(図42(a))が表示される。これらの低期待度演出、高期待度演出及び確定演出では、ART状態への移行期待度に応じて画像表示面87に表示されるエフェクト映像93aの色が異なっている。具体的には、ART状態の低期待度演出では青色の第1エフェクト映像93aが表示され、高期待度演出では赤色の第1エフェクト映像93aが表示され、確定演出では黄色の第1エフェクト映像93aが表示される。このため、画像表示面87に表示される第1エフェクト映像93aの色に基づいて、ART状態への移行期待度を遊技者に把握させることができる。
主側ROM73には、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART移行抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理において選択される追加抽選テーブルとして、丸用第1追加抽選テーブルと、菱形用第1追加抽選テーブルとが記憶されている。図57(a)は丸用第1追加抽選テーブルを示す図であり、図57(b)は菱形用第1追加抽選テーブルを示す図である。
図57(a)に示すように、丸用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応させてART状態への移行と、ART状態の低期待度演出とが設定されており、インデックス値IV=1に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の低期待度演出が実行されるとともに、今回のゲーム終了後に遊技状態がART状態への前段階である準備状態に移行する。一方、丸用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=2に対応させてART状態の低期待度演出のみが設定されており、インデックス値IV=2に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の低期待度演出が実行されるが、今回のゲーム終了後も遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
丸用第1追加抽選テーブルのインデックス値IV=1,2に当選した場合には、ART状態の低期待度演出当選データが主側RAM74に設定される。当該当選データは、ART状態の低期待度演出に当選したことを主側MPU72にて特定可能とするデータである。後述するエフェクト演出用処理では、当該当選データに基づいてART状態の低期待度演出を実行するための処理が行われる。
図57(b)に示すように、菱形用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応させてART状態への移行と、ART状態の高期待度演出とが設定されており、インデックス値IV=1に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の高期待度演出が実行されるとともに、今回のゲーム終了後に遊技状態がART状態への前段階である準備状態に移行する。一方、菱形用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=2に対応させてART状態の高期待度演出のみが設定されており、インデックス値IV=2に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の高期待度演出が実行されるが、今回のゲーム終了後も遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
菱形用第1追加抽選テーブルのインデックス値IV=1,2に当選した場合には、ART状態の高期待度演出当選データが主側RAM74に設定される。当該当選データは、ART状態の高期待度演出に当選したことを主側MPU72にて特定可能とするデータである。後述するエフェクト演出用処理では、当該当選データに基づいてART状態の高期待度演出を実行するための処理が行われる。
図57(a)に示すように、丸用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2として「200」が設定されているとともに、インデックス値IV=2に対応する第2ポイント値PV2として、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2と同一の「200」が設定されている。一方、図57(b)に示すように、菱形用第1追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2として「80」が設定されているとともに、インデックス値IV=2に対応する第2ポイント値PV2として、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2よりも小さい「20」が設定されている。
このため、画像表示面87においてART状態の高期待度演出が行われた場合にART状態への移行当選となる確率は、ART状態の低期待度演出が行われた場合にART状態への移行当選となる確率よりも高くなっている。これにより、ART状態の高期待度演出は、低期待度演出よりもART状態への移行期待度が高い演出となっている。
主側ROM73には、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、有利抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理において選択される追加抽選テーブルとして、丸用第3追加抽選テーブルと、菱形用第3追加抽選テーブルとが記憶されている。図57(c)は丸用第3追加抽選テーブルを示す図であり、図57(d)は菱形用第3追加抽選テーブルを示す図である。
図57(c)に示すように、丸用第3追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応させてART状態への移行と、上乗せと、ART状態の低期待度演出とが設定されている。インデックス値IV=1に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の低期待度演出が実行される。また、ボーナス状態終了後に準備状態に移行する権利を有していない状態においてインデックス値IV=1に当選した場合には、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を獲得するとともに、既に当該権利を有している状態においてインデックス値IV=1に当選した場合には、主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ処理が行われる。一方、丸用第3追加抽選テーブルには、インデックス値IV=2に対応させてART状態の低期待度演出のみが設定されており、インデックス値IV=2に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の低期待度演出が実行されるが、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を獲得することはない。また、上乗せ処理が行われることもない。
丸用第3追加抽選テーブルのインデックス値IV=1,2に当選した場合には、ART状態の低期待度演出当選データが主側RAM74に設定されるとともに、後述するエフェクト演出用処理では、当該当選データに基づいてART状態の低期待度演出を実行するための処理が行われる。
図57(c)に示すように、丸用第3追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2として「100」が設定されているとともに、インデックス値IV=2に対応する第2ポイント値PV2として、インデックス値IV=1に対応する第2ポイント値PV2と同一の「100」が設定されている。このため、ボーナス状態であるとともに当該ボーナス状態終了後に準備状態に移行する権利を有していない状態においてART状態の低期待度演出が行われた場合に当該権利を獲得する確率は、通常遊技状態においてART状態の低期待度演出が行われた場合にART状態への移行当選となる確率と同一となっている。
図57(d)に示すように、菱形用第3追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1に対応させてART状態への移行と、上乗せと、ART状態の確定演出とが設定されている。インデックス値IV=1に当選した場合には、今回のゲームにおいてART状態の確定演出が実行される。また、ボーナス状態終了後に準備状態に移行する権利を有していない状態においてインデックス値IV=1に当選した場合には、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を獲得するとともに、既に当該権利を有している状態においてインデックス値IV=1に当選した場合には、主側RAM74に設けられたART状態の継続ゲーム数カウンタに「20」を加算する上乗せ処理が行われる。
菱形用第3追加抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合には、ART状態の確定演出当選データが主側RAM74に設定される。当該当選データは、ART状態の確定演出に当選したことを主側MPU72にて特定可能とするデータである。後述するエフェクト演出用処理では、当該当選データに基づいてART状態の確定演出を実行するための処理が行われる。
菱形用第3追加抽選テーブルには、インデックス値IV=1のみが設定されており、エフェクト演出のみが設定されているインデックス値IVは存在していない。また、有利抽選中フラグに「1」が設定されている状態で行われる追加抽選処理においてART状態への移行当選となった場合には、今回のゲームにおいてストップボタン42〜44の操作タイミングとの関係により菱形入賞が成立しなかったとしても、現状のボーナス状態の終了後に遊技状態が準備状態に移行する。
このため、ボーナス状態終了後に準備状態に移行する権利を有していない状態においてART状態の確定演出が実行された場合には、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を確実に獲得するとともに、既に当該権利を有している状態においてART状態の確定演出が実行された場合には、確実に上乗せ処理が実行される。遊技者は、ART状態の確定演出が行われたことに基づいて、現状のボーナス状態の終了後に準備状態に移行する権利を獲得したこと、又はART状態の継続ゲーム数の上乗せが行われることを確信することができる。
次に、主側MPU72にて実行されるエフェクト演出用処理について図58のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、エフェクト演出用処理はリール制御処理(図35)におけるステップS912において実行される。
エフェクト演出用処理では、主側RAM74にエフェクト演出の当選データが設定されている場合(ステップS3001:YES)にエフェクト演出の種類を特定する(ステップS3002)。既に説明したとおり、主側RAM74にART状態の低期待度演出当選データ、ART状態の高期待度演出当選データ、又はART状態の確定演出当選データが設定されている場合には、これらの当選データに対応するエフェクト演出を特定する。
ステップS3002にてエフェクト演出の種類を特定した後は、演出側MPU82への送信対象として、エフェクトコマンドをセットする(ステップS3003)。エフェクトコマンドには、ステップS3002にて特定したエフェクト演出の種類データが設定される。演出側MPU82は、受信したエフェクトコマンドに基づいて、画像表示面87に表示すべきエフェクト映像93a,93bと特定するとともに、受信した停止指令コマンドに基づいて画像表示面87において当該エフェクト映像93a,93bを表示すべき位置を特定して、エフェクト演出を実行する。
ステップS3003にてエフェクトコマンドをセットした後は、今回の停止指令が第3停止指令であるか否かについて判定し(ステップS3004)、第3停止指令でない場合(ステップS3004:NO)には、そのまま本エフェクト演出用処理を終了する。一方、今回の停止指令が第3停止指令であった場合(ステップS3004:YES)には、主側RAM74に設定されているエフェクト演出の当選データを削除して(ステップS3005)、本エフェクト演出用処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
画像表示面87が一部暗転状態であるとともにビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るサブ領域33のリール映像97L,97M,97Lが視認可能な状態を基本状態としながら、ART状態の開始時、ART状態の終了時、ボーナス状態の開始時、及びボーナス状態の終了時にサブリールライト34が消灯されるとともに画像表示面87に全画面表示状態用の映像が表示されることにより全画面表示状態となる。これにより、ART状態のオープニング映像、ART状態のエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像、及びボーナス状態のエンディング映像の特別感が高められている。
ゲーム終了後に次のゲームが開始されることなくデモ表示用待機時間が経過した場合には、規定数のメダルがベットされていないことを条件として、サブリールライト34が消灯されるとともに画像表示面87においてデモ表示が開始される。規定数のメダルがベットされている状況においてもサブリールライト34が消灯されるとともにデモ表示が開始される構成とすると、デモ表示中にスタートレバー41が操作された場合に当該スタートレバー41の操作後にサブリールライト34を点灯することとなるため、回転開始時のリール映像97L,97M,97Rをビームスプリッタ88に映すことができない。これに対して、デモ表示用待機時間が経過した場合であっても規定数のメダルがベットされている状況においてはサブリールライト34の点灯状態が維持されるとともにデモ表示が開始されない構成とすることにより、ビームスプリッタ88に映るリール映像97L,97M,97を見ながらゲーム開始のためのスタートレバー41操作を行う遊技者に対して、回転開始時のリール映像97L,97M,97Rを視認可能とすることができる。
サブリールライト34の点灯状態は、ゲームの終了後においてもデモ表示用待機時間が経過してデモ表示の開始タイミングとなるまで維持される。これにより、リプレイ入賞が成立した後のゲームのように前回のゲーム終了から今回のゲーム開始までの待ち時間が短い場合にまで点灯状態のサブリールライト34を一旦消灯して再び点灯させる処理が実行される事態を回避することができる。
メインリールライト32とサブリールライト34とを個別に制御可能であるため、電源投入後にメインリールライト32を常時点灯状態としながらリール反射領域88aにサブ領域33のリール映像97L,97M,97Rが映る状態と映らない状態との切り換えを実行することが可能となっている。
ART状態が発生することの期待度を示すエフェクト演出を行うことにより、ART状態が発生することの期待度が高まる頻度を増加させて、遊技の興趣向上を図ることができる。画像表示面87に表示されるエフェクト映像93a,93bの種類及び色に基づいてART状態が発生することの期待度を把握可能である。エフェクト演出に複数段階の期待度が設定されていることによりエフェクト演出が複雑なものとなっており、遊技の興趣向上が図られている。
期待度を示すエフェクト演出がビームスプリッタ88のリール反射領域88aに映るリール映像97L,97M,97Rに対して画像表示面87にエフェクト映像93a,93bを表示することにより立体感のある態様で行われるため、期待度を示す方法を斬新なものとして遊技者の注目度を高めることが可能となっている。
<第3の実施形態>
本実施形態では、遊技者の目に届くまでの光の行路長PL11,PL13を変化可能な補助表示ユニット111が設けられている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図59は本実施形態における前面扉12を取り除いた状態の筐体11の縦断面図である。図59に示すように、リールユニット22は装着ベース体101を備えており、当該装着ベース体101の底板部101aには上記第1の実施形態にて既に説明したリール24L,24M,24R(図3)が固定されている。装着ベース体101の背板部101bには、リール24L,24M,24Rの後側領域104を撮影可能とする撮像部102aを有するカメラ102が設けられている。カメラ102は、主制御基板71(図17)の出力ポートに接続されており、主制御基板71からON信号を受信した場合に後側領域104の撮影を開始するとともに、主制御基板71からOFF信号を受信した場合に当該後側領域104の撮影を終了する。
リール24L,24M,24Rとカメラ102との間には、カメラ102によるリール24L,24M,24Rの撮影範囲105を限定する板状矩形の仕切部103が設けられている。仕切部103は樹脂製であり黒色に着色されている。図示は省略するが、装着ベース体101における左側部101c及び右側部(図示略)のそれぞれの対向面には、上方から仕切部103の左端部及び右端部を挿通可能な左右の溝部が形成されている。仕切部103は、左端部及び右端部が当該左右の溝部に固定されており、装着ベース体101の底板部101aから直立している。
仕切部103には、カメラ102によるリール24L,24M,24Rの撮影範囲105をリール24L,24M,24Rの後側領域104に限定する仕切貫通孔103aが形成されている。仕切貫通孔103aは、仕切部103を前後に貫通しているとともに、矩形の孔断面を有している。
図60(a)はリール24L,24M,24Rにおけるメイン領域31と後側領域104との位置関係を説明するための説明図であり、図60(b)は仕切貫通孔103a周辺を拡大して示す仕切部103の背面図である。図60(a)に示すように、各リール24L,24M,24Rの後側領域104には、後側中央の図柄と、当該図柄に隣接する上下の図柄とが停止する。
図60(b)に示すように、仕切部103(図59)の後方から撮影可能なリール24L,24M,24Rの範囲は、仕切貫通孔103aにより後側領域104よりもひと回り大きい範囲に限定されている。また、カメラ102(図59)の撮影範囲105が仕切貫通孔103aよりもひと回り大きい範囲となるように、カメラ102から仕切部103までの距離が調整されている。このため、カメラ102により撮影されるリール映像には、仕切部103における仕切貫通孔103aの周縁部が黒枠として映るとともに、当該黒枠の内側に各リール24L,24M,24Rの後側領域104が映る。カメラ102はリール24L,24M,24Rを後方から撮影するため、撮影されたリール映像の左側部には右リール24Rが表示され、中央部には中リール24Mが表示され、右側部には左リール24Lが表示される。
図59に示すように、リール支持板27Lには、後側領域104の3図柄をリール24L,24M,24Rの内部から照らす後方リールライト106が設けられている。後方リールライト106は、上記第1の実施形態におけるサブリールライト34(図6)の構成と同一の構成を有しており、光の照射方向が後方となるようにリール支持板27Lに固定されている。後方リールライト106は、後側領域104に存在する縦3図柄×横3図柄(全9図柄)を円筒骨格部材26(図6)に巻かれたベルトの内側から照らすことができる。後方リールライト106は主側MPU72の出力側と接続されており、主側MPU72は後方リールライト106の発光制御を行う。
次に、本実施形態における上部ユニット36について説明する。図59に示すように、上部ユニット36において、枠体37内部の背面側には、上記第1の実施形態において既に説明した演出制御装置80が設けられている。そして、当該演出制御装置80の前面側には画像表示面108aを備えた画像表示装置108が設けられている。画像表示面108aは、画像表示装置108の上端近傍から下方の途中位置に亘って存在する態様で、画像表示装置108の前面側に設けられている。
上部ユニット36は、画像表示装置108の前方にビームスプリッタ109を備えている。ビームスプリッタ109は、板状矩形であり、45°の角度で下方に向かって後方に傾斜している。ビームスプリッタ109は、画像表示面108a全体の前方に存在しており、遊技者はビームスプリッタ109を通じて画像表示面108aを視認することができる。
図59に示すように、ビームスプリッタ109の下方には、カメラ102により撮影されたリール映像を表示するための補助表示ユニット111が設けられている。補助表示ユニット111は、枠体底部37eの上側平面に設けられており、画像表示装置108下部の前方に存在している。
次に、補助表示ユニット111について説明する。図61(a)は補助表示ユニット111の上側の平面図であり、図61(b)は図61(a)のA−A線における補助表示ユニット111の切断面の断面図である。図61(a)及び図61(b)に示すように、補助表示ユニット111は、カメラ102により撮影されたリール映像を表示可能な補助表示装置112と、補助表示装置112を上下に移動可能とする移動装置113と、移動装置113が固定されるユニットケース体114とを備えている。
図61(b)に示すように、補助表示装置112は、扁平な四角箱状であり、上部にリール映像を表示可能な補助表示面112aを有している。補助表示装置112は入力端子(図示略)を備えているとともにカメラ102は出力端子(図示略)を備えており、補助表示装置112の入力端子はカメラ102の出力端子と接続されている。補助表示装置112にはカメラ102により撮影されたリール映像のデータが入力される。これにより、補助表示面112aは当該リール映像を表示可能となっている。
図61(b)に示すように、移動装置113は、補助表示装置112が固定される台座ベース116と、当該台座ベース116を上下に移動させる左右一対の移動用駆動体117とを備えている。台座ベース116は、樹脂製であり、板状矩形に成形されている。台座ベース116は補助表示装置112の底面よりもひと回り大きく形成されており、台座ベース116の上側平面には補助表示装置112の略全体を収容可能な凹み部116aが形成されている。補助表示装置112は、当該凹み部116aに収容された状態において、台座ベース116の下方から四隅をネジ留めされて、台座ベース116の中央に固定されている。
移動用駆動体117は、棒状の軸部117aと、軸部117aの上端に取り付けられており軸部117aを回転させる駆動部117bとを備えている。軸部117aの周面にはネジ山137が形成されている。また、台座ベース116において、補助表示装置112が固定された凹み部116aの左方及び右方には、左右の移動用駆動体117の軸部117aを固定可能な左右一対のネジ孔138が形成されている。
軸部117aは駆動部117bの底面中央から鉛直下方に延びており、その下端近傍には台座ベース116が固定されている。移動用駆動体117は、台座ベース116の奥行き方向の中央であって、左端近傍の1箇所、及び右端近傍の1箇所の合計2箇所に設けられている。移動用駆動体117が左右2箇所で支持することにより、台座ベース116の重量バランスが左方又は右方に偏ることが防止されている。
図61(a)に示すように、ユニットケース体114は、前後一対の前側ケース部材122及び後側ケース部材123を備えており、前後に分離可能である。前側ケース部材122はユニットケース体114の前側半部を構成しているとともに、後側ケース部材123はユニットケース体114の後側半部を構成している。
図61(b)に示すように、ユニットケース体114には、台座ベース116と、当該台座ベース116に固定された補助表示装置112とを収容可能な収容空間121が形成されている。また、ユニットケース体114には、図61(a)に示すように、収容された補助表示装置112の補助表示面112aから上方に出る光を通過させる光通過孔124が形成されているとともに、図61(b)に示すように、左右の移動用駆動体117の軸部117aを挿通可能とする左右一対の軸挿通孔125が形成されている。
図61(a)に示すように、これら収容空間121、光通過孔124及び軸挿通孔125(図61(b))の前側半分は前側ケース部材122に形成されているとともに、後側半分は後側ケース部材123に形成されている。また、左右の駆動部117bの下端には、前方及び後方に延在する板状の駆動側固定部126が形成されている。駆動側固定部126の前側部及び後側部には当該駆動側固定部126の厚さ方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されているとともに、前側ケース部材122及び後側ケース部材123の天井部122a,123aには当該貫通孔に対応させてネジ孔(図示略)が形成されている。
図61(a)及び図61(b)に示すように、補助表示ユニット111は、前側ケース部材122及び後側ケース部材123が台座ベース116及び補助表示装置112を前後から挟み込む態様で組み立てられている。台座ベース116及び補助表示装置112は、ユニットケース体114の収容空間121に収容されているとともに、軸部117aは軸挿通孔125(図61(b))に挿通されている。そして、駆動側固定部126は前側ケース部材122及び後側ケース部材123の天井部122a,123aにネジ固定されている。これにより、前側ケース部材122及び後側ケース部材123が一体化されているとともに、移動用駆動体117がユニットケース体114に固定されている。
図61(a)に示すように、ユニットケース体114の左右の側面には固定部114aが設けられている。図59に示すように、補助表示ユニット111は、当該固定部114a(図61(a))が枠体底部37eにネジ留めされることにより枠体底部37eの上側に固定されている。
図61(a)に示すように、光通過孔124は、横方向及び前後方向に補助表示面112aよりもひと回り大きく形成されている。このため、補助表示面112aから上方に放出される光は遮られることなく上方に存在するビームスプリッタ109(図59)の前面に入射する。そして、当該光の一部は前方に反射されて遊技者の目に届く。このため、補助表示面112aに表示されるリール映像のビームスプリッタ109上の反射像が前方から視認可能となっている。
ユニットケース体114の横寸法はビームスプリッタ109(図59)の横寸法よりも大きく、左側の駆動部117bはビームスプリッタ109よりも左方に存在しているとともに、右側の駆動部117bはビームスプリッタ109よりも右方に存在している。このため、ビームスプリッタ109に左右の駆動部117bが映り込むことが回避されている。また、上述したとおり、ユニットケース体114の天井部122a,123aが黒色に着色されているため、当該天井部122a、123aの一部がビームスプリッタ109に映り込んでも目立たない構成となっている。
図61(b)に示すように、軸部117aに形成されたネジ山137と台座ベース116に形成されたネジ孔138とは対応関係にある。当該ネジ山137とネジ孔138とが係合した状態において、軸部117aが所定方向に回転することにより台座ベース116が上方に移動するとともに、軸部117aが逆方向に回転することにより台座ベース116が下方に移動する。
2つの移動用駆動体117には、主制御装置70の出力ポートから延びる1本の信号線(図示略)が分岐して接続されている。このため、2つの移動用駆動体117は同時に駆動して、同時に停止する。補助表示装置112は、移動用駆動体117が初期状態である場合に収容空間121の下部(以下、初期位置ともいう。)に位置している。移動用駆動体117は、主制御装置70から第1駆動信号を受信した場合に軸部117aを所定方向に回転させる。これにより、台座ベース116は収容空間121の上部(以下、変位位置ともいう。)まで上方に移動する。また、移動用駆動体117は、主制御装置70から第2駆動信号を受信した場合に軸部117aを逆方向に回転させる。これにより、台座ベース116は初期位置まで下方に移動する。
図61(b)に示すように、ユニットケース体114において、右側面の下部には、初期位置に存在する補助表示装置112を検出可能な初期検出センサ135が設けられているとともに、当該右側面の上部には、変位位置に移動した補助表示装置112を検出可能な変位検出センサ136が設けられている。
図62(a)は補助表示装置112が初期位置に存在する状態における筐体11上部の縦断面図であり、図62(b)は補助表示装置112が変位位置に存在する状態における筐体11上部の縦断面図である。図62(a)に示すように、補助表示装置112が初期位置に存在している場合、補助表示面112aから出てビームスプリッタ109にて反射されて遊技者の目に届く反射光118の行路長PL11は、画像表示面108aから放出されてビームスプリッタ109を透過して遊技者の目に届く透過光119の行路長PL12よりも長い。このため、ビームスプリッタ109に映るリール映像が画像表示面108aに表示される表示映像よりも後方(奥側)に存在しているかのようにリール映像及び表示映像を表示することができる。
一方、補助表示装置112が変位位置に移動した場合、図62(b)に示すように、補助表示面112aから出てビームスプリッタ109にて反射されて遊技者の目に届く反射光118の行路長PL13は、画像表示面108aから放出されてビームスプリッタ109を透過して遊技者の目に届く透過光119の行路長PL12よりも短くなる。このため、ビームスプリッタ109に映るリール映像が画像表示面108aに表示される表示映像よりも前方(手前側)に存在しているかのようにリール映像及び表示映像を表示することができる。
本実施形態では、上記第1の実施形態において既に説明したART用抽選処理(図30)において第1フリーズ演出又は第2フリーズ演出に当選した場合、フリーズ期間中に補助表示装置112が初期位置から変位位置に移動する。補助表示装置112は、フリーズ演出が行われたゲームの終了時に初期位置に復帰する。このように、移動装置113を設けて補助表示装置112の上下移動を可能とすることにより、リール映像が表示映像の奥側に存在しているかのように表示する状態と、表示映像の手前側に存在しているかのように表示する状態とを切り換えることが可能となっている。
ここで、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rについて説明する。図63は補助表示面112aに表示されるリール映像131L,131M,131Rとビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rとの関係を説明するための説明図である。
図60(b)を参照しながら既に説明したとおり、カメラ102により撮影された映像の左側部には右リール24Rが映り、中央部には中リール24Mが映り、右側部には左リール24Lが映る。これに対して、補助表示ユニット111(図59)は、図63に示すように、補助表示面112aに映るリール映像131L,131M,131R(図63)の上部が前側(遊技者側)に存在するとともに、当該リール映像131L,131M,131Rの下部が後側に存在する態様で枠体底部37e(図59)に固定されている。このため、補助表示面112aの左側部には左リール24Lのリール映像(左リール映像131L)が表示され、中央部には中リール24Mのリール映像(中リール映像131M)が表示され、右側部には右リール24Rのリール映像(右リール映像131R)が表示されることとなる。
補助表示面112aのリール映像131L,131M,131Rが上方に存在するビームスプリッタ109にて反射される際、左右方向の反転は起こらない。このため、ビームスプリッタ109の左側部には左リール映像131Lの反射像(左リール映像132L)が映り、中央部には中リール映像131Mの反射像(中リール映像132M)が映り、右側部には右リール映像131Rの反射像(右リール映像132R)が映る。ビームスプリッタ109上のリール映像132L,132M,132Rの並びを表示窓部21L,21M,21R(図12)から視認可能なメイン領域31(図12)におけるリール24L,24M,24Rの並びと一致させることにより、リール映像132L,132M,132Rの並びについて違和感を生じさせない構成となっている。
本実施形態において、各リール24L,24M,24Rは、逆方向(図59における時計回りの方向)に回転する。このため、図60(b)に示すように、カメラ102では、各リール24L,24M,24Rの図柄が上から下に向かって移動する様子が撮影される。上述したとおり、補助表示ユニット111は補助表示面112aに映るリール映像131L,131M,131Rの上側が前側(遊技者側)に対応しているとともに、当該リール映像131L,131M,131Rの下側が後側に対応している。このため、図63に示すように、補助表示面112aに表示されるリール映像131L,131M,131Rでは、図柄が前側から後側に向かって移動する様子が表示される。当該リール映像131L,131M,131Rは、上方に存在するビームスプリッタ109にて反射される際に上下反転する。このため、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rでは、図柄が上から下に向かって移動することとなる。これにより、遊技者が視認可能なビームスプリッタ109上の図柄の移動方向について違和感を生じさせない構成となっている。
一方、各リール24L,24M,24Rが逆方向(図59における時計回りの方向)に回転するため、表示窓部21L,21M,21R(図1)を通じて視認可能なメイン領域31(図60(a))では図柄が下から上に移動する。これに対して、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な図柄が各リール24L,24M,24Rの1図柄分に限定されている。これにより、各図柄が表示窓部21L,21M,21Rから連続的に視認可能となる時間が短縮されており、メイン領域31における図柄の移動方向について生じ得る違和感が低減されている。
次に、各リール24L,24M,24Rに付されている図柄列について説明する。
図64には、左リール24L、中リール24M及び右リール24Rの図柄配列が示されている。図64に示すように、左リール24Lにおいて、図柄番号0〜3には、図柄グループG1が付されている。具体的には、図柄番号0には「菱形」図柄が付されており、図柄番号1には「六角」図柄が付されており、図柄番号2には「丸」図柄が付されており、図柄番号3には「四角」図柄が付されている。図柄番号4〜7、図柄番号8〜11、図柄番号12〜15及び図柄番号16〜19には、図柄番号0〜3と同様に、図柄グループG1が繰り返し付されている。
図64に示すように、中リール24Mにおいて、図柄番号0〜3には、図柄グループG2が付されている。具体的には、図柄番号0には「六角」図柄が付されており、図柄番号1には「菱形」図柄が付されており、図柄番号2には「四角」図柄が付されており、図柄番号3には「丸」図柄が付されている。図柄番号4〜7、図柄番号8〜11、図柄番号12〜15及び図柄番号16〜19には、図柄番号0〜3と同様に、図柄グループG2が繰り返し付されている。
図64に示すように、右リール24Rにおいて、図柄番号0〜3には、図柄グループG3が付されている。具体的には、図柄番号0には「菱形」図柄が付されており、図柄番号1には「丸」図柄が付されており、図柄番号2には「六角」図柄が付されており、図柄番号3には「四角」図柄が付されている。図柄番号4〜7、図柄番号8〜11、図柄番号12〜15及び図柄番号16〜19には、図柄番号0〜3と同様に、図柄グループG3が繰り返し付されている。
図60(a)に示すように、リール24L,24M,24Rは逆方向(図60(a)における時計回りの方向)に回転する。また、メイン領域31に存在する図柄と、後側領域104の上段(図60(a)における上側)に存在する図柄との間には7図柄分の間隔が置かれている。この場合、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングにおいてメイン領域31に存在している図柄と同一の図柄は、スベリ数を「0」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が行われた場合には後側領域104の上段に停止することとなり、スベリ数を「1」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が行われた場合には後側領域104の中段に停止することとなり、スベリ数を「2」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が行われた場合には後側領域104の下段に停止することとなる。
本実施形態では、スベリ数を「0」〜「2」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が実行される。スベリ数を「1」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が行われた場合には、ストップボタン42〜44が操作されるタイミングにおいてメイン領域31に存在していた図柄と同一の図柄が後側領域104の中段に停止する構成であるため、遊技者は後側領域104の中段に停止させたい図柄がメイン領域31を通過するタイミングを目安としてストップボタン42〜44を操作することにより後側領域104の中段に当該図柄の映像を停止させることができる。このように、メイン領域31を見ながら後側領域104の中段に所望の図柄を停止させるタイミングを計ることが可能となっている。
上述したとおり、本実施形態において、各リール24L,24M,24Rに付された図柄は4種類であり、各リール24L,24M,24Rでは当該4種類の図柄が並んだ図柄グループG1〜G3が繰り返されている。このため、リール24L,24M,24Rの停止制御において「3」以上のスベリ数を設定可能な構成とすると、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずに全ての図柄がメイン領域31に停止可能となってしまうため、遊技者にストップボタン42〜44を操作させることの意味が半減してしまう。これに対して、リール24L,24M,24Rの停止制御において設定可能なスベリ数が「0」〜「2」に限定されていることにより、ストップボタン42〜44の操作タイミングに応じて、入賞が成立する場合と入賞が成立しない場合との両方を生じさせることができる。これにより、遊技者はストップボタン42〜44を操作する場合にリール24L,24M,24Rに注意を集中させて入賞成立を可能とするタイミングを計ることとなり、遊技者の参加意識を高めることができる。
ストップボタン42〜44が操作されたタイミングにおいてメイン領域31に存在してた図柄そのものを後側領域104の中段まで滑らせて停止させる構成とすると、スベリ数を「9」とするリール24L,24M,24Rの停止制御を行うことが必要となる。この場合には、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングと実際にリール24L,24M,24Rが停止するタイミングとの間隔が長くなり違和感を生じさせてしまう。これに対して、4種類の図柄が並んだ図柄グループG1〜G3が繰り返されている構成とすることにより、スベリ数を抑えながらストップボタン42〜44が操作されたタイミングにおいてメイン領域31に存在していた図柄と同種類の図柄を後側領域104の中段に停止させることが可能となっている。これにより、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングと実際にリール24L,24M,24Rが停止するタイミングとの間隔について違和感を生じさせない構成とすることが可能となっている。
また、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングにおいて後側領域104の下段に存在している図柄は、スベリ数を「2」とするリール24L,24M,24Rの停止制御が行われた場合にメイン領域31に停止する。このため、遊技者はメイン領域31に停止させたい図柄が後側領域104の下段を通過するタイミングを目安としてストップボタン42〜44を操作することによりメイン領域31に当該図柄を停止させることができる。このように、後側領域104の下段を見ながらメイン領域31に所望の図柄を停止させるタイミングを計ることも可能となっている。
次に、補助表示装置112の移動処理及び復帰処理のタイミングについて、フリーズ演出が行われる場合を例として、図65のタイムチャートを参照しながら説明する。図65(a)は補助表示装置112の移動期間を示し、図65(b)は表示開始用待機時間を示し、図65(c)はカメラ102による撮影期間を示し、図65(d)はスタートレバー41の操作タイミングを示し、図65(e)はフリーズ期間を示し、図65(f)は最後のストップボタン42〜44の操作タイミングを示し、図65(g)は停止図柄へのエフェクト映像93a,93bの表示期間を示し、図65(h)は表示終了用待機時間を示す。
図65(b)に示すように、t1のタイミングにおいて上記第1の実施形態において既に説明した表示開始用待機時間が設定され、t2のタイミングにおいて当該表示開始用待機時間が経過する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、表示開始用待機時間が設定されるt1のタイミングにて、演出側MPU82への送信対象として暗転開始コマンドがセットされ、その後に画像表示面108aに一部暗転状態用の開始待機映像が表示されて画像表示面108aが一部暗転状態となる。そして、表示開始用待機時間が経過したt2のタイミングにおいて、後方リールライト106が点灯される。
カメラ102は、図65(c)に示すように、当該t2のタイミングにおいてリール24L,24M,24Rの後側領域104の撮影を開始する。当該t2のタイミングにおいて、補助表示面112aにリール映像131L,131M,131Rが映り始めるとともに、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rが視認可能となる。
その後、図65(d)に示すように、t3のタイミングにおいてスタートレバー41が操作されると、上記第1の実施形態において既に説明した役の抽選処理(図28)が実行される。また、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、準備状態又はART状態において実行された役の抽選処理において、主側RAM74に丸用当選データ又は菱形用当選データが設定された場合には、ART用抽選処理(図30)にて第1フリーズ演出又は第2フリーズ演出に当選し得る。いずれかのフリーズ演出に当選した場合には、図65(e)に示すように、t4のタイミングにてフリーズ演出が実行されてストップボタン42〜44の操作が無効化されるフリーズ期間が開始される。
また、図65(a)に示すように、当該t4のタイミングにおいて、移動用駆動体117が主側MPU72から第1駆動信号を受信し、補助表示装置112が初期位置から変位位置への移動を開始する。そして、t5のタイミングにおいて補助表示装置112の変位位置への移動が完了する。その後、図65(e)に示すように、t6のタイミングにおいてフリーズ期間が終了し、ストップボタン42〜44の操作が有効化される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第1フリーズ演出は3秒に亘って行われるとともに、第2フリーズ演出は6秒に亘って行われる。これに対して、補助表示装置112が初期位置から変位位置に移動するまでに要する時間は3秒よりも短く設定されており、補助表示装置112の移動はフリーズ演出におけるフリーズ期間中に完了する。
その後、図65(f)に示すように、t7のタイミングにおいて最後のストップボタン42〜44の操作が行われると、図65(g)に示すように、t7のタイミングからt8のタイミングに亘って、画像表示面108aに当該停止操作に対応するエフェクト映像93a,93b(図42(a))が表示される。また、図65(h)に示すように、ストップボタン42〜44が操作されたt7のタイミングにおいて、主側MPU72は表示終了用待機時間を設定する。
表示終了用待機時間は、エフェクト演出が終了するt8のタイミングよりも後のt9のタイミングにおいて終了する。表示終了用待機時間が経過したt9のタイミングにおいて、図65(c)に示すように、主側MPU72は、カメラ102による撮影を終了する。これにより、補助表示装置112へのリール映像のデータ出力が停止され、ビームスプリッタ109にリール映像132L,132M,132Rが映らなくなる。また、主側MPU72は、当該t9のタイミングにおいて、演出側MPU82への送信対象として暗転終了コマンドをセットする。さらにまた、図65(a)に示すように、当該t9のタイミングにおいて、変位位置に存在する補助表示装置112の初期位置への復帰が開始され、t10のタイミングにおいて補助表示装置112が初期位置に復帰する。補助表示装置112の初期位置復帰のための移動はビームスプリッタ109にリール映像132L,132M,132Rが映らなくなったタイミング(t9のタイミング)において開始される。このため、初期位置復帰中における補助表示装置112の補助表示面112aに映るリール映像131L,131M,131Rが遊技者に視認されることはない。
次に、本実施形態におけるART用抽選処理について図66のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態におけるART用抽選処理では、先ず追加抽選用処理を実行する(ステップS3101)。追加抽選用処理では、上記第1の実施形態におけるART用抽選処理(図30)のステップS601〜ステップS605の処理と同一の処理を実行する。
その後、第1フリーズ演出に当選した場合(ステップS3102:YES)には第1フリーズ用処理を実行する(ステップS3103)。第1フリーズ用処理では、上記第1の実施形態におけるART用抽選処理(図30)のステップS607及びステップS608の処理と同一の処理を実行する。一方、第1フリーズ演出に当選しなかった場合(ステップS3102:NO)であって、第2フリーズ演出に当選した場合(ステップS3104:YES)には、第2フリーズ用処理を実行する(ステップS3105)。第2フリーズ用処理では、上記第1の実施形態におけるART用抽選処理(図30)のステップS610及びステップS611の処理と同一の処理を実行する。
ステップS3103にて第1フリーズ用処理を実行した後、又はステップS3105にて第2フリーズ用処理を実行した後は、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS3106)。フリーズカウンタの設定処理では、フリーズカウンタに対してフリーズ演出が行われるフリーズ演出時間を設定する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第1フリーズ演出は3秒に亘って行われるとともに、第2フリーズ演出は6秒に亘って行われる。
フリーズカウンタの設定処理を行った後は、第1駆動信号の出力開始処理を実行する(ステップS3107)。第1駆動信号の出力開始処理では、移動用駆動体117に対して第1駆動信号の出力を開始する。これにより、軸部117aが所定方向に回転し始めるとともに、補助表示装置112が初期位置から変位位置に向かって移動し始める。その後、変位検出センサ136がON状態であるか否かについて判定し(ステップS3108)、変位検出センサ136がON状態でない場合(ステップS3108:NO)には、変位検出センサ136がON状態となるまでステップS3108の処理を繰り返す。
ステップS3108の処理が繰り返される状態となるのは、ステップS3106にてフリーズカウンタの設定処理が実行されることにより3秒又は6秒に亘るフリーズ演出が開始された後のタイミングであり、補助表示装置112が初期位置から変位位置に移動する期間はフリーズ期間と重複している。ステップS3108の処理が繰り返されている期間においても1.49ミリ秒ごとにタイマ割込み処理(図19)は起動され、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にてフリーズカウンタの更新が行われる。補助表示装置112の移動速度は、設計段階において、初期位置から変位位置に移動する期間が3秒よりも短くなる速度に設定されている。このため、補助表示装置112は、3秒又は6秒に亘るフリーズ演出が終了する前に変位位置に移動する。
変位検出センサ136がON状態となった場合(ステップS3108:YES)には、補助表示装置112が変位位置まで移動したことを意味するため、第1駆動信号の出力終了処理を実行する(ステップS3109)。第1駆動信号の出力終了処理では、移動用駆動体117に対する第1駆動信号の出力を終了する。これにより、補助表示装置112は変位位置に停止している状態となる。その後、主側RAM74に設けられた移動中フラグに「1」を設定して、本ART用抽選処理を終了する。移動中フラグは、補助表示装置112が変位位置に移動していることを主側MPU72が特定可能とするためのフラグである。移動中フラグに「1」が設定されている場合には、第2表示調整処理(通常処理(図20)におけるステップS310)において、補助表示装置112の初期位置復帰が行われることとなる。なお、初期位置復帰については後述する。
また、フリーズ演出に当選していなかった場合(ステップS3102:NO、ステップS3104:NO)には、ステップS3111〜ステップS3112にて上記第1の実施形態におけるART抽選用処理(図30)のステップS613〜ステップS614と同一の処理を実行する。具体的には、上乗せ当選となったか否かについて判定し(ステップS3111)、上乗せ当選となっていなかった場合(ステップS3111:NO)には、そのまま本ART用抽選処理を終了する。一方、上乗せ当選となった場合(ステップS3111:YES)には、主側RAM74における上乗せ当選フラグに「1」を設定して(ステップS3112)、本ART用抽選処理を終了する。
次に、本実施形態における第2表示調整処理について図67のフローチャートを参照しながら説明する。
第2表示調整処理のステップS3201及びステップS3202では、上記第1の実施形態における第2表示調整処理(図45)のステップS1901及びステップS1902の処理と同一の処理を実行する。具体的には、表示終了用待機時間を設定し(ステップS3201)、表示終了用待機時間が経過するまで表示終了用待機時間が経過したか否かについての判定(ステップS3202)を繰り返す。
第2表示調整処理では、表示終了用待機時間が経過した場合(ステップS3202:YES)、撮影終了処理を実行する(ステップS3203)。撮影終了処理では、カメラ102によるリール24L,24M,24Rの後側領域104の撮影を終了させるとともに、補助表示面112aにおけるリール映像131L,131M,131Rの表示を終了させる。これにより、補助表示面112aは待機状態の黒画面となり、ビームスプリッタ109にはリール映像132L,132M,132Rが映らなくなる。
その後、ステップS3204では、上記第1の実施形態の第2表示調整処理(図45)におけるステップS1903と同様にリールライト消灯処理を実行する。本実施形態におけるリールライト消灯処理では、メインリールライト32及び後方リールライト106を消灯する。
ステップS3204にてリールライト消灯処理を実行した後は、主側RAM74における移動中フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS3205)。移動中フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS3205:NO)には、補助表示装置112が初期位置に存在していることを意味する。この場合には、補助表示装置112を初期位置復帰させる必要がないため、演出側MPU82への送信対象として第1暗転終了コマンドをセットする(ステップS3206)。第1暗転終了コマンドは、画像表示面108aに1秒に亘って第1リール停止後映像を表示させる処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、第1暗転終了コマンドを受信した場合、VDP85に対して出力する描画リストに第1リール停止後映像を表示するための描画指示情報を設定する。ステップS3206にて第1暗転終了コマンドをセットした後は、第1リール停止後映像の表示時間として1秒をセットして(ステップS3207)、本第2表示調整処理を終了する。
一方、ステップS3205にて移動中フラグに「1」が設定されていると判定した場合には、補助表示装置112が変位位置に存在していることを意味する。この場合には、補助表示装置112を初期位置に復帰させる必要があるため、演出側MPU82への送信対象として第2暗転終了コマンドをセットする(ステップS3208)。第2暗転終了コマンドは、画像表示面108aに第1リール停止後映像の表示時間(1秒)よりも長い3秒に亘って第2リール停止後映像を表示させる処理を実行させるためのコマンドである。演出側MPU82は、第2暗転終了コマンドを受信した場合、VDP85に対して出力する描画リストに第2リール停止後映像を表示するための描画指示情報を設定する。ステップS3208にて第2暗転終了コマンドをセットした後は、第2リール停止後映像の表示時間として3秒をセットする(ステップS3209)。
ステップS3209にて第2リール停止後映像の表示時間を設定した後は、変位位置に存在している補助表示装置112を初期位置復帰させるために第2駆動信号の出力開始処理を実行する(ステップS3210)。第2駆動信号の出力開始処理では、移動用駆動体117に対して第2駆動信号の出力を開始する。これにより、軸部117aが逆方向に回転し始めるとともに、補助表示装置112が変位位置から初期位置に向かって移動し始める。その後、初期検出センサ135がON状態であるか否かについて判定し(ステップS3211)、初期検出センサ135がON状態となるまでステップS3211の処理を繰り返す。
ステップS3211の処理が繰り返される状態となるのは、ステップS3208にて演出側MPU82への送信対象として第2暗転終了コマンドをセットした後のタイミングである。このため、補助表示装置112の初期位置復帰は、画像表示面108aにて第2リール停止後映像が表示されている間に行われる。ステップS3211の処理が繰り返されている期間においても1.49ミリ秒ごとにタイマ割込み処理(図19)は起動され、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図19)におけるステップS208)にてフリーズカウンタの更新が行われる。上述したとおり、第2リール停止後映像の表示時間は3秒に設定されている。これに対して、補助表示装置112の移動速度は、設計段階において、初期位置復帰に要する時間が3秒よりも短くなる速度に設定されている。このため、補助表示装置112は、3秒に亘る第2リール停止後映像の表示中に初期位置に復帰する。
初期検出センサ135がON状態となった場合(ステップS3211:YES)には、補助表示装置112が初期位置に復帰したことを意味するため、第2駆動信号の出力終了処理を実行する(ステップS3212)。第2駆動信号の出力終了処理では、移動用駆動体117に対する第2駆動信号の出力を終了する。これにより、補助表示装置112は初期位置に停止している状態となる。その後、移動中フラグを「0」クリアして(ステップS3213)、本第2表示調整処理を終了する。
このように、第2表示調整処理が終了するのは、補助表示装置112が初期位置に復帰した後のタイミングであり、補助表示装置112が変位位置から初期位置に向かって移動している間に通常処理(図20)における媒体付与処理(ステップS311)以降の処理が実行されることはない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ビームスプリッタ109上のリール映像132L,132M,132Rが画像表示面108a上の表示映像よりも後方に存在しているかのような表示態様と、ビームスプリッタ109上のリール映像132L,132M,132Rが画像表示面108a上の表示映像よりも前方に存在しているかのような表示態様とを切り換え可能である。このように、リール映像132L,132M,132R及び表示映像の表示態様のバリエーションを増加させることにより遊技者を惹きつける演出を表示することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技者にとって有利な第1フリーズ演出又は第2フリーズ演出に当選した場合、ストップボタン42〜44の操作が無効化されるフリーズ期間中に、リール映像132L,132M,132Rと表示映像との見かけの前後位置が切り換えられる。これにより、フリーズ演出が特別な演出であることを認識させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
リール映像132L,132M,132Rと表示映像との見かけの前後位置の切り換えは、補助表示装置112を上下に移動させることにより行われる。リール24L,24M,24Rそのものを移動させてリール24L,24M,24Rの表示位置を変更する構成の場合には、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能なリール24L,24M,24Rの範囲が変化してしまう。また、リール24L,24M,24Rを移動させるために大きな動力が必要となる。これに対して、補助表示装置112を上下に移動させる構成とすることにより、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能なリール24L,24M,24Rの範囲を同一とともに必要な動力を抑えながら当該切り換えを実行することができる。
ビームスプリッタ109における左リール映像132L、中リール映像132M及び右リール映像132Rの並びは、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能なリール24L,24M,24Rの並びに対応している。また、ビームスプリッタ109における図柄の移動方向は、上から下に向かう方向である。これにより、ビームスプリッタ109におけるリール映像132L,132M,132Rの並び及び図柄の移動方向について違和感を生じさせない構成となっている。
各リール24L,24M,24Rに付された図柄列では、4種類の図柄から構成された図柄グループG1〜G3が繰り返されている。このため、スベリ数を4図柄以内としながら、所謂取りこぼしが発生しない構成とすることが可能となっている。また、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rを見ながらメイン領域31上に所望の図柄を停止させるためのタイミングを計ることが可能となっているとともに、メイン領域31を見ながらビームスプリッタ109上の所望の位置に所望の図柄を停止させるためのタイミングを計ることが可能となっている。これにより、ストップボタン42〜44を操作する方法についての自由度が高められており、遊技の興趣向上が図られている。
<第3の実施形態の別形態>
・画像表示面108a上の表示映像に対する補助表示面112a上のリール映像131L,131M,131Rの見た目の前後位置に応じて当該リール映像131L,131M,131Rの表示サイズが変化する構成としてもよい。具体的には、主側MPU72は、補助表示装置112が初期位置に存在している場合、リール映像131L,131M,131Rの表示サイズが補助表示面112aの略80%となるように補助表示装置112の設定を行う。一方、主側MPU72は、補助表示装置112を変位位置に移動させた場合、リール映像131L,131M,131Rの表示サイズが補助表示面112aの略全体となるように補助表示面112aの設定を行う。これにより、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rの見た目の表示位置が前方に移動した場合に当該リール映像132L,132M,132Rの表示サイズも大きくなるためリール24L,24M,24Rが実際に前方に移動したかのように見せることができる。また、リール映像132L,132M,132Rの見た目の表示位置が後方に移動した場合に当該リール映像132L,132M,132Rの表示サイズも小さくなるためリール24L,24M,24Rが実際に後方に移動したかのように見せることができる。リール映像132L,132M,132Rの表示態様を斬新なものとすることにより、ビームスプリッタ109上のリール映像132L,132M,132Rに遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
・補助表示装置112を移動させるタイミングはフリーズ演出のフリーズ期間中に限られない。例えば、補助表示装置112がボーナス状態の開始タイミングにて初期位置から変位位置に移動するとともに、ボーナス状態の終了タイミングにて変位位置から初期位置に復帰する構成としてもよい。これにより、ボーナス状態におけるビームスプリッタ109上のリール映像132L,132M,132Rと、画像表示面108aの表示映像との見た目の表示位置を非ボーナス状態とは異なるものとすることができる。
・ビームスプリッタ109にエフェクトを投影可能な投影ユニットが設けられている構成としてもよい。具体的には、画像表示装置108は入力端子を備えており、当該入力端子はカメラ102の出力端子と接続されている。画像表示装置108にはカメラ102により撮影された後側領域104のリール映像データが入力される。演出側MPU82は、画像表示面108aに演出用の映像が表示される演出表示状態と、画像表示面108aにリール映像が表示されるリール表示状態とを切り換える表示制御を実行可能である。
枠体底部37eの上側の平面には投影用LED基板を有する投影ユニットが設けられている。投影用LED基板の上側平面には左側搭載領域、中央搭載領域、及び右側搭載領域が設けられており、各搭載領域には12個の投影用LEDが搭載されている。投影用LED基板は主側MPU72と電気的に接続されており、主側MPU72は搭載領域毎に投影用LEDの発光制御を行う。投影用LEDは複数の色で発光可能なマルチカラーLEDであり、主側MPU72は遊技状態に応じた色で投影用LEDを発光させる。
投影ユニットは、投影用LED基板に搭載されている投影用LEDの上方を覆うカバー体を備えており、当該カバー体の天板部には投影用LEDの光を通過させることを可能とする多数の投影孔が形成されている。投影用LEDの光は、当該投影孔を通過してビームスプリッタ109に投影され、ビームスプリッタ109により前方に反射されて遊技者の目に届く。一方、画像表示面108aに表示される各リール24L,24M,24Rのリール映像の光は、ビームスプリッタ109を透過して遊技者の目に届く。各搭載領域に搭載されている投影用LEDの光は、ビームスプリッタ109の前面であって、対応するリール24L,24M,24Rのリール映像の光が透過する領域に投影される。
主側MPU72は、ストップボタン42〜44が操作されて対応するリール24L,24M,24Rが停止する場合、今回停止するリール24L,24M,24Rに対応する搭載領域の投影用LEDを発光させる。これにより、画像表示面108aに表示されているリール映像のうち今回停止するリール24L,24M,24Rのリール映像のみにエフェクト(視覚効果)が付加される。このように、投影用LED基板の発光制御を行うことによってエフェクト演出を実行する構成とすることにより、エフェクト演出を実行するための構成を簡素化することができる。また、投影用ユニットを用いて行われるエフェクト演出に複数種類のバリエーションが存在する構成とすることにより、当該エフェクト演出が単調化することを防止することができる。なお、ビームスプリッタ109に代えてガラスプレートなどの光透過性の高いプレートを用いてもよい。これにより、エフェクト演出が行われていない状況において、画像表示面108aに表示される演出映像をクリアに見せることが可能となる。
・カメラ102により撮影される撮影領域が表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能となるメイン領域31の全体を含む領域に設定されている構成としてもよい。具体的には、上部ユニット36の枠体37における枠体底部は、リール24L,24M,24Rの前端よりも前方に突出している。枠体底部の前端部の下側平面には、メインラインML(メイン領域31)と、メインラインMLの上側に隣接する横1列と、メインラインMLの下側に隣接する横1列とを撮影範囲とするカメラが設けられている。カメラは出力端子を有しており、当該出力端子は補助表示装置112の入力端子に接続されている。上記第3の実施形態において説明したとおり、リール24L,24M,24Rは逆方向(図59における時計回りの方向)に回転する。このため、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能となるメイン領域31では、図柄が下から上に向かって移動しているように表示される。一方、補助表示装置112の補助表示面112aでは、図柄映像が図63における前側から後側に移動するようにリール映像131L,131M,131Rが表示される。このため、ビームスプリッタ109には、図柄映像が図63における上から下に向かって移動しているようにリール映像132L,132M,132Rが映る。この場合、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rの中段横1列には、メインラインML上の図柄が映る。また、当該リール映像132L,132M,132Rの上段横1列にはメインラインMLの上側(図59における上側)に隣接する図柄が映るとともに、当該リール映像132L,132M,132Rの下段横1列にはメインラインMLの下側(図59における下側)に隣接する図柄が映る。このように、カメラの撮影領域にメインラインML(メイン領域31)が含まれる構成とすることにより、ビームスプリッタ109上にメインラインML上の図柄映像を表示することができるとともに、当該メインラインML上の図柄映像に対してエフェクト演出を実行することが可能となる。
・カメラ102により撮影される撮影領域が表示窓部を通じて視認可能となるメイン領域の一部領域に設定されている構成としてもよい。具体的には、メイン領域は上記第3の実施形態におけるメインラインML(メイン領域31)と、メインラインMLの上側(図59における下側)に隣接する横1列と、メインラインMLの下側(図59における下側)に隣接する横1列とを含む範囲に設定されている。このため、メイン領域は、縦3図柄×横3図柄=9図柄分の範囲となっている。上部ユニット36の枠体37における枠体底部は、リール24L,24M,24Rの前端よりも前方まで突出している。枠体底部の前端部の下側平面には、メインラインML(メイン領域31)のみを撮影範囲とするカメラが設けられている。本構成において、リール24L,24M,24Rは正方向(図59における反時計回りの方向)に回転する。このため、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能となるメイン領域31では、図柄が上から下に向かって移動しているように表示される。一方、補助表示装置112の補助表示面112aでは、図柄映像が図63における後側から前側に移動するようにリール映像131L,131M,131Rが表示される。このため、ビームスプリッタ109に映るリール映像132L,132M,132Rでは、図柄が図63の下から上に向かって移動する表示態様となる。カメラによる撮影範囲がメインラインMLの横1列分であることにより、ビームスプリッタ109に映る図柄映像が下から上に向かって移動する表示態様となることにより生じる違和感が抑えられている。このように、カメラの撮影領域をメインラインML(メイン領域31)に限定することにより、メイン領域における図柄の移動方向を上から下に向かう方向としながら、メインラインML上の図柄の映像をビームスプリッタ109に映すとともに当該図柄の映像にエフェクトを付加する演出を実行することが可能となっている。
<第4の実施形態>
本実施形態では、ビームスプリッタ109の上方に鏡ユニット141が設けられている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図68は、本実施形態における前面扉12を取り外した状態における筐体11の縦断面図である。図68に示すように、上部ユニット36において、枠体37内部の背面側には、上記第1の実施形態において既に説明した演出制御装置80が設けられている。そして、当該演出制御装置80の前面側には画像表示面142aを備えた画像表示装置142が設けられている。画像表示面142aは、画像表示装置142の下端近傍から上方の途中位置に亘って存在する態様で、画像表示装置142の前面側に設けられている。
上部ユニット36は、画像表示装置142の前方にビームスプリッタ109を備えている。ビームスプリッタ109は、板状矩形であり、45°の角度で上方に向かって後方に傾斜している。ビームスプリッタ109は、画像表示面142a全体の前方に存在しており、ビームスプリッタ109を通じて前方から画像表示面142aを視認可能となっている。
枠体37は枠体底部37fを備えており、枠体底部37fにはリール24L,24M,24R(図3)のサブ領域33から上向きに出る光を通過させて上方に存在するビームスプリッタ109に到達可能とする光通過孔144が設けられている。ビームスプリッタ109の上方に設けられた鏡ユニット141は、ビームスプリッタ109を挟んでリール24L,24M,24R(図3)のサブ領域33及び光通過孔144と対向している。
鏡ユニット141は、板状矩形の鏡143と、上記第3の実施形態において既に説明した移動装置113及びユニットケース体114と、を備えている。鏡ユニット141は、補助表示装置112(図61(a))に代えて鏡143を備えている点において上記第3の実施形態における補助表示ユニット111(図61(a))と相違している。本実施形態における鏡ユニット141では、台座ベース116の凹み部116a(図61(b))に鏡143が固定されている。鏡ユニット141は、固定部114a(図61(a))が枠体天井部37dにネジ留めされることにより、鏡143の鏡面が下を向く態様で枠体天井部37dの底面側に固定されている。
リール24L,24M,24Rのサブ領域33から上向きに出た光は、光通過孔39を通過してビームスプリッタ109に入射する。当該入射光の一部は、ビームスプリッタ109を透過して上方に進み、鏡143において反射される。そして、当該反射光145の一部は、ビームスプリッタ109の前面において前方に向けて反射されて遊技者の目に入る。このため、ビームスプリッタ109に映るサブ領域33のリール映像を視認可能とすることができる。また、画像表示面142aから前方に向けて放出された光の一部は、ビームスプリッタ109を透過して遊技者の目に届く。このため、ビームスプリッタ109を通じて画像表示面142aの表示映像が視認可能となっている。
鏡143は、移動装置113が初期状態である場合に、ユニットケース体114に設けられた収容空間121の上部(以下、初期位置ともいう。)に存在している。当該鏡143は、移動装置113が主側MPU72から第1駆動信号を受信した場合に変位位置(収容空間121の下部)まで下方に向かって移動する。
図69は鏡143が変位位置に存在している状態における筐体11の縦断面図である。鏡ユニット141は、ユニットケース体114の側面の図69における下部に、変位位置に移動した台座ベース116を検出可能な変位検出センサ(図示略)を備えている。主側MPU72は、図69に示すように、台座ベース116に固定された鏡143が変位位置まで移動し、当該変位検出センサが台座ベース116を検出した場合に第1駆動信号の出力を終了する。
図68及び図69に示すように、鏡143が初期位置から変位位置に移動することにより、サブ領域33から出てビームスプリッタ109にて反射されて遊技者の目に届く反射光145の行路長PL21,PL23は減少する。一方、画像表示面142aから放出されてビームスプリッタ109を透過して遊技者の目に届く透過光146の行路長PL22は変化しない。鏡ユニット141を初期位置から変位位置に移動させることで行路長PL21を行路長PL23に変化させることにより、ビームスプリッタ109に映るリール映像のみが前方に移動したかのように感じさせる表示を行うことができる。
図70(a)はリール24L,24M,24Rに付された図柄と鏡143に映る図柄との関係を説明する説明図であり、図70(b)は鏡143に映る図柄とビームスプリッタ109に映る図柄との関係を説明するための説明図であり、図70(c)はメイン領域31における図柄とビームスプリッタ109に映るリール映像との関係を説明するための説明図である。
本実施形態では、リール24L,24M,24Rは、正方向(図68における反時計回りの方向)に回転する。これにより、表示窓部21L,21M,21R(図12)を通じて視認可能なメイン領域31の図柄は、図70(c)に示すように、上から下に向かって移動しているかのように見える。リール24L,24M,24Rが正方向に回転することにより、図68に示すように、サブ領域33の図柄は後方から前方に向かって移動する。この場合、図70(a)に示すように、鏡143に映るリール映像においても図柄が後方から前方に向かって移動する。そして、図70(b)に示すように、鏡143に映るリール映像が反射するビームスプリッタ109では、図柄が上から下に向かって移動しているかのように見える。
このため、図70(c)に示すように、ビームスプリッタ109における図柄の移動方向を表示窓部21L,21M,21R(図1)を通じて視認可能なメイン領域31における図柄の移動方向と同一方向とすることができる。表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な図柄の動きと、ビームスプリッタ109に映る図柄の動きとに統一感を持たせることにより、違和感を生じさせない構成となっている。
次に、本実施形態において、各リール24L,24M,24Rに付されている図柄列について説明する。
図71はリール24L,24M,24Rに付されている図柄列を示す図である。図71に示すように、各リール24L,24M,24Rには上下非対称の図柄が付されている。具体的には、上記第1の実施形態における「六角」図柄(図11)に代えて「第1リプレイ」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「四角」図柄(図11)に代えて「ベル」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「二重丸」図柄(図11)に代えて「第2リプレイ」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「二重菱形」図柄(図11)に代えて「白7」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「丸」図柄(図11)に代えて「スイカ」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「二重四角」図柄(図11)に代えて「BAR」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「二重六角」図柄(図11)に代えて「赤7」図柄が付されており、上記第1の実施形態における「菱形」図柄(図11)に代えて「チェリー」図柄が付されている。
上述したとおり、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な図柄の移動方向と、ビームスプリッタ109に反射されて視認可能な図柄の移動方向とが同一である。このため、違和感を生じさせない態様でリール24L,24M,24Rに上下非対称の図柄が付すことが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リール24L,24M,24Rのサブ領域33から出た光をビームスプリッタ109において反射させる前に一度鏡143にて反射させることにより、ビームスプリッタ109に映るリール映像をリール24L,24M,24Rが上下反転していない映像とすることができる。このため、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能なメイン領域31における図柄の移動方向と、ビームスプリッタ109に映る図柄の移動方向とを同一方向として、違和感を生じさせない構成とすることができる。
メイン領域31における図柄の移動方向とビームスプリッタ109における図柄の移動方向とが同一方向であるため、リール24L,24M,24Rに上下対称でない図柄を付すことが可能となる。これにより、図柄のデザインの自由度が高められている。
<第5の実施形態>
本実施形態では、画像表示面108aの前方に透明ディスプレイ152が設けられている。以下、上記第3の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図72は本実施形態における前面扉12を取り除いた状態の筐体11の縦断面図である。上記第3の実施形態において既に説明したとおり、上部ユニット36において、演出制御装置80の前方には画像表示面108aを有する画像表示装置108が設けられている。本実施形態における画像表示装置108は入力端子(図示略)を備えており、当該入力端子はカメラ102の出力端子(図示略)と接続されている。画像表示装置108にはカメラ102により撮影された後側領域104のリール映像のデータが入力されるため、画像表示装置108は、画像表示面108aにおいて後側領域104のリール映像を表示することができる。
本実施形態においてカメラ102は、上下が反転した状態で装着ベース体101の背板部101bに固定されている。上記第3の実施形態において図60(b)を参照しながら既に説明したとおり、上下反転することなく背板部101bに固定されたカメラ102を用いてリール24L,24M,24R(図3)を後方から撮影する場合、撮影された映像の左側部に右リール24Rのリール映像が表示され、中央部に中リール24Mのリール映像が表示され、右側部に左リール24Lのリール映像が表示されることとなる。これに対して、本実施形態では、カメラ102が上下反転状態で背板部101bに固定されているため、画像表示装置108には上下及び左右が反転した状態のリール映像のデータが入力される。画像表示装置108において当該反転した状態のリール映像のデータに基づいてリール映像の表示が行われることにより、画像表示面108aの左側部に左リール24Lのリール映像が表示され、中央部に中リール24Mのリール映像が表示され、右側部に右リール24Rのリール映像が表示されるリール映像の表示を行うことができる。
図72に示すように、本実施形態において、リール24L,24M,24R(図3)は正方向(図72における反時計回りの方向)に回転する。このため、リール24L,24M,24Rの後側領域104では図柄が下から上に向かって移動するとともに、反転したリール映像が表示される画像表示面108aでは図柄の映像が上から下に向かって移動する。このように、画像表示面108aにおいて左リール24L、中リール24M及び右リール24Rのリール映像の並び順が反転しないこと、及び画像表示面108aにおける図柄の映像の移動方向が下向きであることにより、画像表示面108aにおいて違和感を生じさせないリール映像の表示を行うことが可能となっている。
演出側MPU82(図17)は、画像表示面108aにメモリモジュールに記憶されている画像データに基づく映像(開始待機画像データ、フリーズ演出画像データ、ゲーム中演出画像データ、リール停止後画像データ、上乗せ演出画像データ、オープニング画像データ、及びエンディング画像データ)が表示される映像表示状態と、画像表示面108aにカメラ102から入力される後側領域104のリール映像が表示されるリール表示状態とを切り換える表示制御を実行可能である。画像表示面108aの切り換えは、主側MPU72(図17)から受信する表示切換コマンドに基づいて行われる。演出側MPU82は、受信した表示切換コマンドにリール表示状態への切り換えを指示するデータが設定されていた場合には画像表示面108aをリール表示状態に切り換えるとともに、受信した表示切換コマンドに演出表示状態への切り換えを指示するデータが設定されていた場合には画像表示面108aを演出表示状態に切り換える。
図72に示すように、画像表示装置108における画像表示面108aの前方には、発光装置151が設けられている。発光装置151は、プレート状の透明ディスプレイ152と、透明ディスプレイ152を発光制御する制御部153とを備えている。
図73(a)は発光装置151の正面図であり、図73(b)は画像表示面108a及び透明ディスプレイ152において行われるエフェクト演出の様子を説明するための説明図である。図73(a)に示すように、制御部153は、四角箱状のケース体154を備えている。また、透明ディスプレイ152は、当該透明ディスプレイ152の下部にディスプレイ固定部152aを備えている。ケース体154の上側の平面には、当該ディスプレイ固定部152aを収容可能な凹み部154aが形成されている。透明ディスプレイ152は、ディスプレイ固定部152aが凹み部154aに収容されるとともに前後から挟持されて、制御部153の上側に固定されている。
ケース体154の下部には、板状に形成された左右一対の装置固定部154b,154cが一体形成されている。左側装置固定部154bはケース体154の左側面から左方に突出しているとともに、右側装置固定部154cはケース体154の右側面から右方に突出している。図72に示すように、発光装置151は、左右の装置固定部154b,154c(図73(a))が枠体底部37eにネジ留めされることにより、枠体底部37aの上側に固定されている。透明ディスプレイ152は、前方を向いているとともに画像表示面108aと平行となっている。
透明ディスプレイ152は、透明無機ELディスプレイであり、後方から透明ディスプレイ152に入射した光を前方に透過させることが可能であるとともに、発光可能である。なお、透明ディスプレイ152は透明無機ELディスプレイに限られず、透明有機ELディスプレイ等であってもよい。要は、後方に存在する画像表示面108aを前方から視認可能としながら発光可能であればよい。
図73(b)に示すように、透明ディスプレイ152は、画像表示面108aよりもひと回り大きいサイズを有しており、画像表示面108a全域の前方に存在している。このため、遊技者は、透明ディスプレイ152を通じて画像表示面108aを視認することとなる。
図73(a)に示すように、ケース体154の内部には、透明ディスプレイ152を発光制御する発光制御基板155が収容されている。図73(b)に示すように、透明ディスプレイ152には、画像表示面108aに表示される左のリール映像の前方に位置する左側発光領域156と、画像表示面108aに表示される中のリール映像の前方に位置する中央発光領域157と、画像表示面108aに表示される右のリール映像の前方に位置する右側発光領域158とが設定されており、発光制御基板155はこれらの発光領域156〜158を個別に発光可能である。各発光領域156〜158は、画像表示面108aに表示される縦3個の停止図柄映像の周囲が発光するように設定されている。
発光制御基板155は、主側MPU72(図17)の出力ポートと電気的に接続されている。主側MPU72は、エフェクト演出の実行対象となるリール24L,24M,24Rの種類に応じて、左発光指示信号、中発光指示信号又は右発光指示信号を発光制御基板155に出力する。発光制御基板155は、受信した発光指示信号の種類に応じて、透明ディスプレイ152の左側発光領域156、中央発光領域157又は右側発光領域158を発光させる。
例えば、図73(b)に示すように、発光制御基板155が左発光指示信号を受信して左側発光領域156を発光させた場合には、画像表示面108aに表示された縦3個の停止図柄映像に対してエフェクト159が表示される。これにより、窓パネル67a(図1)を通じて視認可能な透明ディスプレイ152及び画像表示面108aでは、左リール24Lのリール映像に対するエフェクト演出が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
画像表示面108aの前方に透明ディスプレイ152を配置することにより、画像表示面108aを前方から視認可能としながら、当該画像表示面108aの前方を発光させることが可能となる。画像表示面108aに表示されるリール映像と、透明ディスプレイ152に表示されるエフェクト159とを同時に視認可能とすることにより、エフェクト演出を立体感のあるものとし、遊技者の興味を惹きつけることができる。リール映像とエフェクト映像との合成処理を行ってエフェクト演出を実行する構成と比較して、立体感のあるエフェクト演出を実行するための主側MPU72における処理負荷を軽減することが可能となる。
一の画像表示面108aにおいて、メモリモジュールに記憶されている画像データに基づく映像が表示されている映像表示状態と、カメラ102から入力される後側領域104のリール映像が表示されているリール表示状態との切り換えが行われる構成である。このため、画像データに基づく映像を表示する表示装置と、カメラ102から入力されるリール映像を表示する表示装置とを個別に設ける構成と比較して、映像を表示するための構成を簡素化することができる。
<第5の実施形態の別形態>
・透明ディスプレイに絵、文字及び図形等を発光表示することが可能な発光装置を設け、画像表示面108aにおける停止図柄映像の前方領域及びその周辺領域に絵、文字、図形等を発光表示することによりエフェクト演出を実行する構成としてもよい。停止図柄映像の前方領域及びその周辺領域に複雑なエフェクト像を表示することにより、エフェクト演出への注目度を高めることができる。
・カメラ102(図73)で撮影されたリール映像が発光装置151に入力されて透明ディスプレイ152に表示される構成としてもよい。当該構成では、透明ディスプレイ152に表示されるリール映像に対して、当該リール映像の後方に位置する画像表示面108a上にエフェクト映像が表示されることによりエフェクト演出が行われる。演出側MPU82は、主側MPU72から受信した停止指令コマンドに基づいて今回停止するリール24L,24M,24Rの種類を特定可能である。演出側MPU82は、今回停止するリール24L,24M,24Rの透明ディスプレイ152上のリール映像の後方位置にエフェクト映像が表示されるように画像表示装置108の表示制御を行う。これにより、透明ディスプレイ152上のリール映像に対してエフェクト演出を行うことができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、補助表示面164aに表示されるリール映像が空中結像される。以下、上記第3の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図74は本実施形態における前面扉12を取り除いた状態の筐体11の縦断面図である。図74に示すように、リールユニット22の上方には、仕切部材161が固定されている。当該仕切部材161の構成は、上記第3の実施形態における枠体底部37eの構成と同一である。仕切部材161は、筐体11における左パネル11cの左方から左筐体側固定部91(図3)にネジ固定されるとともに、右パネル11d(図3)の右方から右筐体側固定部92(図3)にネジ固定されて、筐体11に固定されている。
仕切部材161の上側の平面には、所定の高さ寸法を有する四角箱状の台座162が設けられている。台座162は、樹脂製であり、仕切部材161の後端から前方の途中位置に亘って存在している。筐体11における背パネル11bの前面であって台座162の上方には、上記第1の実施形態において既に説明した主制御装置70が設けられている。主制御装置70は、主制御基板71(図17)の基板搭載面が前方を向く態様で背パネル11bにネジ固定されている。
主制御装置70の前方には、所定の間隔を置いて、上記第1の実施形態において既に説明した演出制御装置80が設けられているとともに、演出制御装置80の前面側には、上記第3の実施形態において既に説明した画像表示装置108が設けられている。また、台座162の前方には空中結像ユニット163が設けられている。演出制御装置80及び画像表示装置108は、台座162の上側の平面にネジ固定されている。このうち、画像表示装置108は、当該画像表示装置108の前端が台座162の前端と一致するように固定されている。
上記第3の実施形態において既に説明したとおり、画像表示面108aは画像表示装置108の上端近傍から下方の途中位置に亘って存在しており、図74に示すように、画像表示面108aの下端は台座162の上端よりも所定の高さだけ上方に存在している。画像表示装置108が台座162の上に設けられているとともに、画像表示面108aの下端が台座162の上端よりも上方に存在していることにより、画像表示面108aが空中結像ユニット163の後ろに隠れないように画像表示面108aの高さ位置が調整されている。
次に、空中結像ユニット163について、図74及び図75(a)〜図75(c)を参照しながら説明する。図75(a)は空中結像ユニット163の正面図であり、図75(b)は上下に分離された本体部167及び蓋部168の縦断面図であり、図75(c)は空中結像ユニット163の結像面169を説明するための説明図である。
図75(a)及び図75(b)に示すように、空中結像ユニット163は、補助表示面164aを有する補助表示装置164と、補助表示面164aから放出される光を空中に結像させる空中結像プレート165と、補助表示装置164及び空中結像プレート165が収容される収容空間166aが設けられたケース体166と、を備えている。
図75(b)に示すように、ケース体166は、樹脂製の本体部167と、本体部167の上に固定される樹脂製の蓋部168とを備えており、上下に分離可能な構成である。本体部167は、底板部167a、背板部167b、左側部167c(図75(a))及び右側部167d(図75(a))を有する四角筐状に形成されており、蓋部168が分離された状態において、上方及び前方に向けて開放されている。
図75(b)に示すように、底板部167aの上側の面には補助表示装置164を収容可能な凹み部167eが設けられている。補助表示装置164は、凹み部167eに収容された状態で下方から底板部167aにネジ固定されている。上記第3の実施形態において既に説明したとおり、リールユニット22(図74)にはリール24L,24M,24Rの後側領域104(図74)を撮影可能なカメラ102(図74)が設けられている。補助表示装置164の入力端子(図示略)は、カメラ102の出力端子(図示略)と接続されており、補助表示装置164にはカメラ102により撮影されたリール映像のデータが入力される。これにより、補助表示面164aにリール映像を表示可能となっている。
空中結像プレート165は板状矩形である。図75(a)に示すように、ケース体166の左側部167c及び右側部167dには、当該空中結像プレート165の左端部及び右端部を支持可能な左右一対の支持部167f,167gが一体形成されている。左側支持部167fは左側部167cの右側面から右方の途中位置まで突出しているとともに、右側支持部167gは右側部167dの左側面から左方の途中位置まで突出している。左右の支持部167f,167gは、45°の角度で上方に向かって後方に傾斜している。
左側支持部167fの右側面及び右側支持部167gの左側面には、空中結像プレート165の左端部及び右端部を収容して支持することが可能な左右一対の溝部(図示略)が形成されている。当該左右の溝部は、支持部167f,167gに沿って当該支持部167f,167gの下端近傍から上端に亘って形成されており、蓋部168が本体部167から分離されている状態において、上方に向けて開放されている。空中結像プレート165は、左端部及び右端部を上方からこれら左右の溝部に挿通し、左右の溝部に沿って斜め下方向にスライドさせることにより補助表示面164aの上方に固定されている。
図75(a)に示すように、蓋部168は、板状矩形の天板部168aを備えており、当該天板部168aには、下方に延びる左右一対の蓋固定部168b,168cが一体形成されている。蓋部168は、左側蓋固定部168bが左方から本体部167の左側部167cにネジ固定されるとともに、右側蓋固定部168cが右方から本体部167の右側部167dにネジ固定されることにより、本体部167の上側に固定されている。これにより、ケース体166が組み立てられており、ケース体166は前方に開放されている。本体部167の上側が蓋部168により閉じられていることにより、空中結像プレート165の上方への移動が制限されている。
次に、空中結像プレート165について説明する。図75(c)に示すように、空中結像プレート165は、2層構造であり、光が透過することを可能とする透過プレート層165aと、当該透過プレート層165aの下側平面に設けられている反射プレート層165bとを有する。反射プレート層165bの内部には、透過プレート層165a及び反射プレート層165bの境界面に直交する多数の反射面165cが設けられている。これらの反射面165cは、反射プレート層165bの上端から下端に亘って等間隔で設けられている。
図75(c)に示すように、空中結像プレート165は、補助表示面164aの上方において、45°の角度で上方に向かって後方に傾斜している。補助表示面164aから上向き又は斜め上向きに放出された光は、反射プレート層165bの内部に設けられた多数の反射面165cにおいて反射され、透過プレート層165aを透過して前方に進む。反射面165c同士が平行であるとともに等間隔で並んでいることにより、補助表示面164aの1点から放出されて異なる反射面165cにおいて反射された光は1点に集結する。補助表示面164a上の各点から放出されて反射面165cにおいて反射された光が集結する点は、空中結像プレート165の前方に位置しており補助表示面164aに直交する結像面169上に存在している。
空中結像プレート165は、補助表示面112aに表示されるリール映像を空中結像プレート165の前方の結像面169に結像させる。補助表示面164aにリール映像が表示されることにより、当該リール映像は空中結像ユニット163の前側開口171(図75(b))付近に結像される。ケース体166は、ケース体166の上方、下方、左方、右方、及び後方から光が進入することを防止するために黒色不透明に着色されている。これにより、前側開口171に空中結像されたリール映像の視認性が高められている。
図75(a)に示すように、ケース体166の左側部167c及び右側部167dの下端には、ケース体166を仕切部材161(図74)に固定することを可能とする左右一対のケース固定部166b,166cが一体形成されている。ケース固定部166b,166cは板状に形成されている。左側ケース固定部166bは左側部167cの左側面から左方に突出しているとともに、右側ケース固定部166cは右側部167dの右側面から右方に突出している。空中結像ユニット163は、左右のケース固定部166b,166cが仕切部材161にネジ留めされることにより、仕切部材161の上側に固定されている。
図74に示すように、リール映像が空中結像される結像面169の上端は、画像表示面108aの下端の高さ位置よりも若干低い高さ位置に設定されている。結像面169は、画像表示面108aを見ている遊技者の視野に入り易い位置に存在している。このため、遊技者の視線の移動を少なくしながら、画像表示面108aに表示される表示映像及び空中結像されたリール映像の両方が視認可能となっている。
次に、空中結像ユニット163において行われるエフェクト演出について説明する。上述したとおり、補助表示面164aにはカメラ102で撮影されたリール映像が表示される。本実施形態における後方リールライト106は、一の図柄に対して複数のLED(図示略)を備えている。当該LEDは複数の色で発光可能なマルチカラーLEDである。エフェクト演出が行われない場合におけるLEDの発光色は白色に設定されている。主側MPU72(図17)は、エフェクト演出の実行タイミングにおいて、遊技状態に応じた態様で後方リールライト106の発光色などの発光態様を変化させる。
具体的には、非ボーナス状態において、エフェクト表示の条件を満たす態様でいずれかのリール24L,24M,24R(図3)の停止操作が実行された場合、主側MPU72は当該リール24L,24M,24Rに対応する後方リールライト106の発光色を白色から青色に変更する。これにより、補助表示面164aには、停止操作の対象となったリール24L,24M,24Rの表示範囲のみが青色に光るエフェクト付きのリール映像が表示されるとともに、当該リール映像は空中結像プレート165により結像面169に結像される。
また、ボーナス状態において、エフェクト表示の条件を満たす態様でいずれかのリール24L,24M,24Rの停止操作が実行された場合、主側MPU72は、当該リール24L,24M,24Rに対応する後方リールライト106の発光色を白色から赤色に変更するとともに所定の期間に亘って当該後方リールライト106を点滅状態とする。これにより、補助表示面164aには、停止操作の対象となったリール24L,24M,24Rの表示範囲のみが赤色の点滅状態となるエフェクト付きのリール映像が表示されるとともに、当該リール映像は空中結像プレート165により結像面169に結像される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リール映像を空中結像させることにより、リール映像の表示態様を斬新なものとすることができる。また、空中結像されるリール映像をエフェクト付きのリール映像とすることにより、結像面169にエフェクト演出を表示することができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
後方リールライト106によりリール24L,24M,24Rの裏側からエフェクトが付加され、当該エフェクトが付加されたリール24L,24M,24Rが撮影される。これにより、撮影されたリール映像に対して事後的にエフェクトを付加する処理を省略することが可能となり、エフェクト付きのリール映像表示するための主側MPU72における処理負荷を軽減することが可能となる。
画像表示面108aとは異なる位置であるとともに画像表示面108aに近い位置にエフェクト演出を表示する構成である。これにより、画像表示面108aにおける表示映像の一部が欠けることを回避しながら、画像表示面108aにおける表示映像及び結像面169におけるリール映像の両方を視認可能とすることが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第3の実施形態及び第5の実施形態において、エフェクト(視覚効果)を付加するタイミングはリール24L,24M,24Rの停止タイミングに限られない。上記第3の実施形態では、補助表示面112aにエフェクト映像93a,93bを表示することにより、画像表示面108aに表示される他の演出映像に対してもエフェクトを付加することができる。上記第5の実施形態では、発光制御基板155が透明ディスプレイ152を発光させることにより画像表示面108aに表示される他の演出映像に対してもエフェクトを付加することができる。
(2)上記第6の実施形態における空中結像ユニット163において、空中結像プレート165に代えて上記第5の実施形態で説明した透明ディスプレイ152等の透明発光体が設けられている構成としてもよい。具体的には、ケース体166内部の後端近傍には、補助表示面164aが前方を向く態様で補助表示装置164が設けられており、当該補助表示面164aの前方に間隔を置いて透明発光体が設けられている。当該構成では、透明発光体の発光制御が行われることにより、補助表示面164aに表示されるリール映像に対してエフェクトが付加されるエフェクト演出を実行することができる。
(3)上記各実施形態において、所定の異常状態が検出された場合、画像表示面87,108a,142aに異常報知用映像が全画面表示される構成としてもよい。このうち上記第1の実施形態、上記第2の実施形態及び上記第4の実施形態では、画像表示面87に一部暗転状態用の映像が表示されている状況において所定の異常状態が検出された場合、サブリールライト34が消灯されてビームスプリッタ88,109にリール24L,24M,24Rが映らない状態となるとともに、画像表示面87,142aに異常報知用映像が全画面表示される。また、上記第3の実施形態では、画像表示面87に一部暗転状態用の映像が表示されている状況において所定の異常状態が検出された場合、補助表示面112aにおけるリール映像の表示が終了してビームスプリッタ109にリール映像が映らない状態となるとともに画像表示面108aに異常報知用映像が全画面表示される。このように、サブリールライト34の消灯又は補助表示面112aにおけるリール映像表示の終了により、画像表示面87,108a,142aに全画面表示されているとともにビームスプリッタ88を通じて前方から視認可能となっている異常報知用映像の視認性が高められる。これにより、所定の異常状態であることを周囲から容易に把握可能とすることができる。
(4)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(5)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置86などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール24L,24M,24Rが停止していない状況であっても一部のリール24L,24M,24Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール24L,24M,24Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置86などにおいて行うことが可能となる。
(6)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(7)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(8)各リール24L,24M,24Rの図柄としては、幾何学的な図形に限らず、絵、数字、文字及び幾何学的な線等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(9)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.絵柄表示領域(リール24L,24M,24R)において絵柄を変動表示することが可能な絵柄表示手段(リールユニット22、主側MPU72におけるステップS309の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示領域における一部の範囲である所定範囲(メイン領域31)における絵柄の変動表示を視認可能とする所定視認手段(表示窓部21L,21M,21R)と、
前記絵柄表示領域における一部の範囲である特定範囲(サブ領域33、後側領域104)における絵柄の変動表示を視認可能とする特定視認手段(ビームスプリッタ88,109、画像表示面108a、空中結像ユニット163)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、一の絵柄表示手段の絵柄表示領域について、当該絵柄表示領域における絵柄の変動表示を視認可能とする範囲が複数設けられている。これにより、絵柄表示手段の数を増加させることなく絵柄表示領域の表示対象のバリエーションを増加させて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A2.前記絵柄の変動表示後における前記所定範囲における前記絵柄の停止結果が入賞対応結果であることに基づいて入賞の成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU72におけるステップS311及びステップS312の処理を実行する機能)を備え、
前記絵柄の変動表示後における前記特定範囲における前記絵柄の停止結果は前記入賞の成立の契機とならないことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定視認手段における絵柄の停止結果に基づいて入賞の有無を把握可能な構成において、当該絵柄の停止結果とは別に、特定視認手段において入賞の有無に対応しない絵柄の停止結果を表示することができる。これにより、絵柄の停止結果の表示態様を多様化させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A3.前記所定範囲は前記特定範囲よりも狭いことを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、所定範囲及び特定範囲の両方が視認可能な構成において、所定範囲を特定範囲よりも狭いものとすることにより、所定範囲よりも特定範囲に遊技者の注目が集まりやすくすることができる。
特徴A4.前記絵柄表示手段は、複数の前記絵柄表示領域を備えており、
複数の前記絵柄表示領域のそれぞれの絵柄は、前記所定視認手段及び前記特定視認手段の表示対象であり、
前記絵柄の変動表示方向における絵柄の表示数は、前記所定範囲の方が前記特定範囲よりも少ないことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、絵柄の変動表示方向における絵柄の表示数が異なっていることにより、所定視認手段及び特定視認手段の外見上の区別が容易となっている。また、特定視認手段よりも当該絵柄の表示数が少ない所定視認手段では、停止した絵柄の組合せを一見して容易に把握可能とすることができるとともに、所定視認手段よりも当該絵柄の表示数が多い特定視認手段では、停止する絵柄の組合せを多様化することができる。
特徴A5.所定役(四角、丸、RB、BB)の入賞の成立に対応して前記所定範囲に停止表示される前記絵柄の組合せは、一直線に並ぶ前記絵柄の種類が全て同一の種類である組合せとは異なる組合せであり、
前記所定範囲に前記所定役の入賞の成立に対応する前記絵柄の組合せが停止表示される場合、前記特定範囲には一直線に並ぶ前記絵柄の種類が全て同一の種類である組合せが停止表示されることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、所定役の入賞の成立に際して所定範囲には一直線に並ぶ絵柄の種類が全て同一の種類である組合せは停止表示されないのに対して、特定範囲には一直線に並ぶ絵柄の種類が全て同一の種類である組合せが停止表示される。これにより、入賞の成立の有無を判断する対象となる範囲が所定範囲である構成であっても、特定範囲における絵柄の停止結果に遊技者を注目させることが可能となる。
特徴A6.前記特定視認手段に対しては所定の視的効果(第1エフェクト映像93a、第2エフェクト映像93b)を付加し、前記所定視認手段に対しては前記所定の視的効果を付加しない効果付加手段(主側MPU72におけるステップS1801〜ステップS1811の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2107〜ステップS2110の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定視認手段に対して所定の視的効果を付加することにより特定視認手段において遊技者の興味を惹く演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合において、所定視認手段に対しては所定の視的効果を付加しない構成とすることにより所定視認手段に停止表示される絵柄の組合せの視認性が低下することを回避することができる。このため、停止絵柄に対して所定の視的効果が付加される演出と、視認性の高い絵柄の停止表示との両方を行うことが可能となる。
特徴A7.前記絵柄表示領域における前記所定範囲の絵柄を照らす所定発光手段(メインリールライト32)と、
前記絵柄表示領域における前記特定範囲の絵柄を照らす特定発光手段(サブリールライト34、後方リールライト106)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定発光手段により所定範囲における絵柄の視認性を高めることができるとともに、特定発光手段により特定範囲における絵柄の視認性を高めることができる。また、所定発光手段及び特定発光手段を個別に設けるとともに所定発光手段及び特定発光手段の発光制御を個別に行うことにより、所定範囲における絵柄の表示態様及び特定範囲における絵柄の表示態様を異なるものとすることも可能となる。
特徴A8.前記所定発光手段は、遊技が行われている状況において点灯状態に維持されることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技が行われている状況において、所定範囲の絵柄を常に視認性の高い状態とすることができる。
特徴A9.前記特定発光手段は、遊技が行われている状況において消灯契機が発生した場合に消灯状態とされることを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特定発光手段を点灯状態とすることにより特定範囲の絵柄の視認性を高めて当該特定範囲の絵柄への遊技者の注目度を高めることができるとともに、特定範囲の発光手段を消灯状態とすることにより特定範囲の絵柄の視認性を低下させて遊技者の注目を当該特定範囲の絵柄以外に移すことができる。
特徴A10.前記特定視認手段において前記特定範囲における前記絵柄の変動表示を視認可能とする領域を通じて視認可能となる表示領域(画像表示面87,108a,142a)を有する表示手段(画像表示装置86,108,142)と、
前記特定発光手段が消灯状態とされている状況において前記表示領域にて所定表示演出を実行する表示演出実行手段(主側MPU72におけるステップS1903〜ステップS1905の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2008〜ステップS2011の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2802〜ステップS2807の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2903〜ステップS2908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A7乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特定視認手段を通じて表示演出が実行される構成において、特定発光手段が消灯状態とされており特定範囲における絵柄の視認性が低下している状況において表示演出が実行されることにより、特定視認手段の方向を見ている遊技者の注意が特定範囲における絵柄及び表示演出に分散してしまうことを回避することができる。これにより、遊技者の関心を表示演出に集中させることができる。
特徴A11.前記特定視認手段において前記特定範囲における前記絵柄の変動表示を視認可能とする領域を通じて視認可能となる表示領域(画像表示面87,108a,142a)を有する表示手段(画像表示装置86,108,142)と、
遊技が行われない状況が継続している所定状況となった場合に前記特定発光手段を消灯状態とする消灯手段(主側MPU72におけるステップS2509〜ステップS2512の処理を実行する機能)と、
前記所定状況となった場合に前記表示領域にて所定表示演出を実行する表示演出実行手段(主側MPU72におけるステップS2513〜ステップS2514の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A7乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、所定状況となった場合に特定視認手段を通じて視認可能な表示領域にて所定表示演出が行われることにより、遊技が行われていない状況が継続していることを外部から把握可能とすることができる。当該所定状況となった場合には特定発光手段が消灯状態とされるため、所定表示演出の視認性を高めることができる。
特徴A12.前記絵柄表示手段における前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
所定数以上の遊技媒体(メダル、仮想メダル)がベットされている状況において前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づいて前記絵柄表示手段における前記絵柄の変動表示を開始させる遊技実行手段(主側MPU72におけるステップS303〜ステップS309の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2502〜ステップS2509及びステップS2515〜ステップS2516の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定発光手段は、前記所定数以上の遊技媒体がベットされている状況では消灯状態とされないことを特徴とする特徴A7乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、所定数以上の遊技媒体がベットされているというゲーム開始に必要な条件の1つが満たされている場合、特定発光手段は消灯状態とされない。特定発光手段が消灯状態とされている状況であっても開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームが開始されてしまう構成とすると、特定範囲の絵柄の視認性が低い状態のままゲームが開始されることとなってしまう。これに対して、ゲーム開始に必要な条件のうち開始操作手段が操作されること以外の条件が満たされている状況においては常に特定発光手段が点灯状態である構成とすることにより、常に特定範囲の絵柄の視認性が高い状態でゲームを開始することができる。
特徴A13.前記所定視認手段は前記所定範囲と対向する位置であって遊技機前方から視認可能となる位置に形成された表示窓部(表示窓部21L,21M,21R)であり、
前記特定視認手段は、前記特定範囲に存在している前記絵柄の像を映すもの(ビームスプリッタ88,109、鏡143、空中結像プレート165)であることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、特定視認手段が絵柄の像を映して当該絵柄の像を視認可能とするものであることにより、絵柄表示領域において直接的には視認できない位置に存在する絵柄の像を当該特定視認手段に映して視認可能とすることできる。当該構成において、所定視認手段は絵柄表示領域の絵柄を直接的に視認可能とする表示窓部であることにより、絵柄表示領域において直接的には視認できない位置に存在する絵柄の像と、直接的に視認できる位置に存在している絵柄との両方を視認可能とすることができる。
特徴A14.前記特定視認手段は、前記特定範囲に存在している前記絵柄の像を反射させることにより当該絵柄の像を視認可能とする反射手段(ビームスプリッタ88,109、鏡143、空中結像プレート165)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、特定範囲の絵柄を反射手段にて反射させることにより、特定範囲の絵柄を撮影して映し出すための構成等を必要とせず、簡素な構成により当該絵柄の像を視認可能とすることが可能となる。
特徴A15.遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に表示手段(画像表示装置86,108,142)を備え、
前記反射手段は、前記表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、反射手段に映る絵柄の像が視認可能な状態と、反射手段を通じて表示手段における表示が視認可能な状態と、反射手段に映る絵柄の像が視認可能であるとともに反射手段を通じて表示手段における表示が視認可能である状態と、反射手段及び表示手段に何も表示されない状態と、を作り出すことが可能となる。これにより、絵柄の像及び表示手段における表示の表示態様を多様化することが可能となっており、遊技の興趣向上を図ることが可能となっている。
特徴A16.前記特定範囲から出て前記反射手段にて反射されて視認可能となる光の第1行路長(行路長PL1,PL11)は、前記表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の第2行路長(行路長PL2,PL12)よりも長いことを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1行路長が第2行路長よりも長いことにより、反射手段に映る絵柄の像が表示手段の表示よりも遊技機前方から見て奥側の位置に存在しているように感じさせる表示態様とすることができる。
特徴A17.前記特定範囲から出て前記反射手段にて反射されて視認可能となる光の第1行路長(行路長PL1,PL11,PL13,PL21,PL23)を変化させる行路長変化手段(移動装置113、主側MPU72におけるステップS3107〜ステップS3110の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3210〜ステップS3213の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、第1行路長を縮ませる態様で第1行路長を変化させることにより反射手段に映る絵柄の像が遊技機前方から見て手前側に移動したように感じさせる表示を行うことができる。また、第1行路長を延ばす態様で第1行路長を変化させることにより反射手段に映る絵柄の像が遊技機前方から見て奥側に移動したように感じさせる表示を行うことができる。
特徴A18.遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に表示手段(画像表示装置86,108,142)を備え、
前記反射手段は、前記表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されており、
前記行路長変化手段は、前記第1行路長を変化させることにより、前記第1行路長及び前記表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の第2行路長(行路長PL2,PL12)の長短関係を逆転させることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1行路長の方が第2行路長よりも長い状態であって反射手段に映る絵柄の像が表示手段の画像よりも奥側に存在しているように見える表示態様と、第1行路長が第2行路長よりも短い状態であって反射手段に映る絵柄の像が表示手段の画像よりも手前側に存在しているように見える表示態様との切り換えを行うことができる。これにより、反射手段に映る絵柄の像及び表示手段に表示される画像の表示態様を斬新なものとして遊技者の注目を集め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A19.前記表示手段において所定対応範囲(暗転対象領域87a)に表示されている画像が前記反射手段において前記特定範囲における前記絵柄の像が反射される所定領域(リール反射領域88a)を透過する構成であり、
本遊技機は、前記所定対応範囲(暗転対象領域87a)に演出用画像(開始待機映像、フリーズ演出映像、ゲーム中演出映像、リール停止後映像、上乗せ演出映像、ART状態のオープニング映像及びエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像及びエンディング映像)を表示させる表示対応状態(全画面表示状態)と、前記所定対応範囲に前記演出用画像を表示させない非表示対応状態(一部暗転状態)との間で前記表示手段の状態を切り換える表示切換手段(主側MPU72におけるステップS1701〜ステップS1704の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1901〜ステップS1905の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2001〜ステップS2013の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2101〜ステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、所定対応範囲に演出用画像が表示されない状況とすることにより反射手段に映る絵柄の像の視認性を高めることができる。また、反射手段に絵柄の像が映らない状況において所定対応範囲に演出用画像を表示することにより表示手段における演出映像の視認性を高めることができる。このように、遊技機前方から見て同一の方向に特定範囲における絵柄の像及び演出用画像を時間差で表示することにより、遊技者は視線を動かすことなくこれらの絵柄の像及び演出用画像を視認性の高い態様で視認することができる。
特徴A20.前記絵柄表示領域における前記特定範囲の絵柄を照らす特定発光手段(サブリールライト34、後方リールライト106)を備え、
前記表示切換手段は、前記特定発光手段が点灯状態である状況において前記表示手段の状態を前記表示対応状態とし、前記特定発光手段が消灯状態である状況において前記表示手段の状態を前記非表示対応状態とすることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、特定発光手段が点灯状態である状況では、反射手段に映る絵柄の像の視認性が高められている。当該状況では、所定対応範囲に演出用画像を表示させない状況とすることにより反射手段に映る絵柄の像のみを視認性の高い態様で表示することができる。一方、特定発光手段が消灯状態である状況では、反射手段に映る絵柄の像の視認性が低下している。当該状況では、所定対応範囲に演出用画像を表示させる状況とすることにより反射手段を通じて視認性の高い態様で演出用画像を視認可能とすることが可能となる。
特徴A21.前記表示手段において前記所定対応範囲の周囲に存在している周囲表示範囲(周辺領域87b)には前記特定発光手段が点灯状態及び消灯状態のいずれであっても前記演出用画像が表示されるようにする手段(演出側MPU82におけるステップS2001〜ステップS2010の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2101〜ステップ2105及びステップS2111〜ステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、所定対応範囲の周囲表示範囲に表示される演出用画像を常に視認可能としながら、反射手段に絵柄の像が映らずに所定対応範囲に演出用画像が表示される状況と、反射手段に絵柄の像が映り所定対応範囲に演出用画像が表示されない状況とを切り換えることができる。これにより、反射手段に映る絵柄の像及び表示手段に表示される演出用画像の表示態様のバリエーションを増加させて遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A22.前記特定発光手段が消灯状態である状況において、前記所定対応範囲及び前記表示手段における前記所定対応範囲の周囲に存在している周囲表示範囲(周辺領域87b)の両方を含む表示範囲にて前記演出用画像が表示されるようにする手段(演出側MPU82におけるステップS2004〜ステップS2005及びステップS2008〜ステップS2011の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A20又はA21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、特定発光手段が消灯状態である状況では、反射手段に映る特定範囲の絵柄の像の視認性が低下している。当該状況において、表示手段における所定対応範囲及び周囲表示範囲の両方を含む表示範囲に演出用画像が表示されることにより、表示領域の全面において演出用画像を表示することができる。
特徴A23.前記所定視認手段における絵柄の変動表示方向は、前記特定視認手段における絵柄の変動表示方向とは逆の方向であることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、一の絵柄表示手段の絵柄表示領域に対して当該絵柄表示領域の絵柄を視認可能とする範囲が2つ設けられている構成において、所定視認手段における絵柄の変動表示方向と特定視認手段における絵柄の変動表示方向とが異なっている。これにより、絵柄表示手段の数を抑えながら絵柄表示手段における絵柄の変動表示の表示態様を斬新なものとして、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A24.前記所定視認手段における絵柄の変動表示方向は下から上に向かう方向であり、
前記特定視認手段における絵柄の変動表示方向は上から下に向かう方向であることを特徴とする特徴A23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、特定視認手段における絵柄の変動表示方向は遊技機における一般的な変動表示方向(上から下に向かう方向)であるとともに、所定視認手段における絵柄の変動表示方向は特定視認手段における絵柄の変動表示方向とは逆の方向である。これにより、特定視認手段における絵柄の変動表示方向を違和感のないものとしながら、所定視認手段における絵柄の変動表示方向を斬新なものとして遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A25.前記絵柄表示領域に付されている絵柄は上下対称であることを特徴とする特徴A23又はA24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、絵柄表示領域に付されている絵柄を上下対称とすることにより、当該絵柄が上から下に向かって変動表示される場合に違和感を生じさせない構成とすることができるとともに、当該絵柄が下から上に向かって変動表示される場合における違和感を低減することができる。これにより、絵柄の変動表示方向について設計上の自由度が高められている。
特徴A26.前記特定視認手段は、
前記特定範囲の絵柄を反射する1以上の所定反射手段(鏡143)と、
前記所定反射手段により反射された絵柄の像を反射することにより当該絵柄の像を視認可能とする特定反射手段(ビームスプリッタ109)と、
を備えており、
前記特定反射手段における絵柄の像の変動表示方向は、前記所定視認手段における絵柄の変動表示方向と同一であることを特徴とする特徴A1乃至A25のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A26によれば、所定視認手段及び特定視認手段において絵柄が同一方向に変動表示されるため、変動表示の方向について違和感を生じさせない態様で絵柄の変動表示を行うことが可能となる。
特徴A27.前記特定範囲に存在している前記絵柄を撮像する撮像手段(カメラ102)と、
前記撮像手段による撮像結果を表示することにより前記特定範囲に存在している前記絵柄の画像を視認可能とする画像表示手段(補助表示装置112、画像表示装置108)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A26のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A27によれば、特定範囲の絵柄を撮像するとともに、撮像結果を表示して絵柄の画像を視認可能とする構成であることにより、反射手段を利用して特定範囲の絵柄を視認可能とする構成と比較して、絵柄表示領域において撮像対象となる特定範囲及び遊技機において撮像結果が表示される位置についての自由度を高めることができる。
なお、特徴A1〜A27の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることにより外周部に複数の図柄が付されたリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段により回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における図柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、絵柄の表示態様を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.絵柄表示領域(リール24L,24M,24R)において絵柄を変動表示することが可能な絵柄表示手段(リールユニット22、主側MPU72におけるステップS309の処理を実行する機能)と、
前記絵柄の像を映すことを可能とする特定視認手段(ビームスプリッタ88,109、画像表示面108a、空中結像プレート165)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、絵柄表示手段における絵柄の像を当該絵柄が実際には存在していない位置に映すことにより視認可能とするため、遊技者の位置から直接的には見えない位置に存在している絵柄の像を視認可能とすることができる。このため、絵柄表示手段における絵柄の像が表示される位置についての設計上の自由度を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B2.前記特定視認手段は、前記絵柄表示領域における一部の範囲である特定範囲(サブ領域33、後側領域104)に存在している前記絵柄の像を反射させることにより当該絵柄の像を視認可能とする反射手段(ビームスプリッタ88,109、鏡143、空中結像プレート165)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定範囲における絵柄を反射手段にて反射させることにより、当該絵柄を撮影して映し出すための構成等を必要とせず、簡素な構成により当該絵柄の像を視認可能とすることが可能となる。
特徴B3.遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に表示手段(画像表示装置86,108,142)を備え、
前記反射手段は、前記表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、反射手段に映る絵柄の像が視認可能な状態と、反射手段を通じて表示手段における表示が視認可能な状態と、反射手段に映る絵柄の像が視認可能であるとともに反射手段を通じて表示手段における表示が視認可能である状態と、反射手段及び表示手段に何も表示されない状態と、を作り出すことが可能となる。これにより、特定範囲における絵柄の像及び表示手段における表示の表示態様を多様化することが可能となっており、遊技の興趣向上が図られている。
特徴B4.前記特定範囲から出て前記反射手段にて反射されて視認可能となる光の第1行路長(行路長PL1,PL11)は、前記表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の第2行路長(行路長PL2,PL12)よりも長いことを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1行路長が第2行路長よりも長いことにより、反射手段に映る特定範囲における絵柄の像が表示手段の表示よりも遊技機前方から見て奥側に存在しているように感じさせる表示態様とすることができる。
特徴B5.前記特定範囲から出て前記反射手段にて反射されて視認可能となる光の第1行路長(行路長PL1,PL11,PL13,PL21,PL23)を変化させる行路長変化手段(移動装置113、主側MPU72におけるステップS3107〜ステップS3110の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3210〜ステップS3213の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1行路長を縮ませる態様で第1行路長を変化させることにより反射手段に映る絵柄の像が遊技機前方から見て手前側に移動したように感じさせる表示を行うことができる。また、第1行路長を延ばす態様で第1行路長を変化させることにより反射手段に映る絵柄の像が遊技機前方から見て奥側に移動したように感じさせる表示を行うことができる。
特徴B6.遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に表示手段(画像表示装置86,108,142)を備え、
前記反射手段は、前記表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されており、
前記行路長変化手段は、前記第1行路長を変化させることにより、前記第1行路長及び前記表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の第2行路長(行路長PL2,PL12)の長短関係を逆転させることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1行路長の方が第2行路長よりも長い状態であって反射手段に映る絵柄の像が表示手段の画像よりも遊技機前方から見て奥側に存在しているように見える表示態様と、第1行路長が第2行路長よりも短い状態であって反射手段に映る絵柄の像が表示手段の画像よりも遊技機前方から見て手前側に存在しているように見える表示態様との切り換えを行うことができる。これにより、反射手段に映る絵柄の像及び表示手段に表示される画像の表示態様を斬新なものとして遊技者の注目を集め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B7.前記表示手段において所定対応範囲(暗転対象領域87a)に表示されている画像が前記反射手段において前記特定範囲における前記絵柄の像が反射される所定領域(リール反射領域88a)を透過する構成であり、
本遊技機は、前記所定対応範囲(暗転対象領域87a)に演出用画像(開始待機映像、フリーズ演出映像、ゲーム中演出映像、リール停止後映像、上乗せ演出映像、ART状態のオープニング映像及びエンディング映像、ボーナス状態のオープニング映像及びエンディング映像)を表示させる表示対応状態(全画面表示状態)と、前記所定対応範囲に前記演出用画像を表示させない非表示対応状態(一部暗転状態)との間で前記表示手段の状態を切り換える表示切換手段(主側MPU72におけるステップS1701〜ステップS1704の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1901〜ステップS1905の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2001〜ステップS2013の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2101〜ステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、所定対応範囲に演出用画像が表示されない状況とすることにより反射手段に映る絵柄の像の視認性を高めることができる。また、反射手段に絵柄の像が映らない状況において所定対応範囲に演出用画像を表示することにより表示手段における演出映像の視認性を高めることができる。このように、遊技者から見て同一の方向に絵柄の像及び演出用画像を時間差で表示することにより、遊技者は視線を動かすことなくこれらの絵柄の像及び演出用画像を視認性の高い態様で視認することができる。
特徴B8.前記絵柄表示領域における前記特定範囲の前記絵柄を照らす特定発光手段(サブリールライト34、後方リールライト106)を備え、
前記表示切換手段は、前記特定発光手段が点灯状態である状況において前記表示手段の状態を前記表示対応状態とし、前記特定発光手段が消灯状態である状況において前記表示手段の状態を前記非表示対応状態とすることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、特定発光手段が点灯状態である状況では、反射手段に映る絵柄の像の視認性が高められている。当該状況では、所定対応範囲に演出用画像を表示させない状況とすることにより反射手段に映る絵柄の像のみを視認性の高い態様で表示することができる。一方、特定発光手段が消灯状態である状況では、反射手段に映る絵柄の像の視認性が低下している。当該状況では、所定対応範囲に演出用画像を表示させる状況とすることにより反射手段を通じて視認性の高い態様で演出用画像を視認可能とすることができる。
特徴B9.前記表示手段において前記所定対応範囲の周囲に存在している周囲表示範囲(周辺領域87b)には前記特定発光手段が点灯状態及び消灯状態のいずれであっても前記演出用画像が表示されるようにする手段(演出側MPU82におけるステップS2001〜ステップS2010の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2101〜ステップ2105及びステップS2111〜ステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、所定対応範囲の周囲表示範囲に表示される演出用画像を常に視認可能としながら、反射手段に絵柄の像が映らずに所定対応範囲に演出用画像が表示される状況と、反射手段に絵柄の像が映り所定対応範囲に演出用画像が表示されない状況とを切り換えることができる。これにより、反射手段に映る絵柄の像及び表示手段に表示される演出用画像の表示態様のバリエーションを増加させて遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B10.前記特定発光手段が消灯状態である状況において、前記所定対応範囲及び前記表示手段における前記所定対応範囲の周囲に存在している周囲表示範囲(周辺領域87b)の両方を含む表示範囲にて前記演出用画像が表示されるようにする手段(演出側MPU82におけるステップS2004〜ステップS2005及びステップS2008〜ステップS2011の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、特定発光手段が消灯状態である状況では、反射手段に映る特定範囲の絵柄の像の視認性が低下している。当該状況において、表示手段における所定対応範囲及び当該所定対応範囲の周囲の表示範囲の両方を含む表示範囲に演出用画像が表示されることにより、表示領域の全面において演出用画像を表示することができる。
特徴B11.前記特定視認手段は、
前記絵柄表示領域における一部の範囲である特定範囲(サブ領域33、後側領域104)に存在している前記絵柄を撮像する撮像手段(カメラ102)と、
前記撮像手段による撮像結果を表示することにより前記特定範囲に存在している前記絵柄の画像を視認可能とする画像表示手段(補助表示装置112、画像表示装置108)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定範囲における絵柄を撮像するとともに、撮像結果を表示して当該絵柄の画像を視認可能とする構成であることにより、反射手段を利用して絵柄を視認可能とする構成と比較して、絵柄表示手段において撮像対象となる特定範囲及び遊技機において撮像結果が表示される位置についての自由度を高めることができる。
なお、特徴B1〜B11の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることにより外周部に複数の図柄が付されたリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段により回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における図柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、絵柄の表示態様を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.絵柄表示領域(リール24L,24M,24R)において絵柄を変動表示することが可能な絵柄表示手段(リールユニット22、主側MPU72におけるステップS309の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示領域における一部の範囲である所定範囲(メイン領域31)における絵柄の変動表示を視認可能とする所定視認手段(表示窓部21L,21M,21R)と、
前記絵柄表示領域における一部の範囲である特定範囲(サブ領域33、後側領域104)における絵柄の変動表示を視認可能とする特定視認手段(ビームスプリッタ88,109、画像表示面108a、空中結像ユニット163)と、
を備え、
前記所定視認手段における絵柄の変動表示方向は、前記特定視認手段における絵柄の変動表示方向とは逆の方向であり、
前記絵柄表示領域に付されている絵柄は上下対称であることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、一の絵柄表示手段の絵柄表示領域に対して当該絵柄表示領域の絵柄を視認可能とする範囲が2つ設けられた構成において、所定視認手段における絵柄の変動表示方向と特定視認手段における絵柄の変動表示方向とが異なっている。これにより、絵柄表示手段の数を抑えながら絵柄表示手段における絵柄の変動表示の表示態様を斬新なものとして、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、絵柄表示領域に付されている絵柄を上下対称とすることにより、当該絵柄が上から下に向かって変動表示される場合に違和感を生じさせない構成とすることができるとともに、当該絵柄が下から上に向かって変動表示される場合における違和感が低減されている。これにより、絵柄の変動表示方向について設計上の自由度が高められている。
特徴C2.前記所定視認手段における絵柄の変動表示方向は下から上に向かう方向であり、
前記特定視認手段における絵柄の変動表示方向は上から下に向かう方向であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特定視認手段における絵柄の変動表示方向は遊技機における一般的な変動表示方向(上から下に向かう方向)であるとともに、所定視認手段における絵柄の変動表示方向は特定視認手段における絵柄の変動表示方向とは逆の方向である。これにより、特定視認手段における絵柄の変動表示方向を違和感のないものとしながら、所定視認手段における絵柄の変動表示方向を斬新なものとして遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴C3.前記絵柄の変動表示後における前記所定範囲における前記絵柄の停止結果が入賞対応結果であることに基づいて入賞の成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU72におけるステップS311及びステップS312の処理を実行する機能)を備え、
前記絵柄の変動表示後における前記特定範囲における前記絵柄の停止結果は前記入賞の成立の契機とならないことを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、所定視認手段における絵柄の停止結果に基づいて入賞の有無を把握可能な構成において、当該絵柄の停止結果とは別に、特定視認手段において入賞の有無に対応しない絵柄の停止結果を表示することができる。これにより、絵柄の停止結果の表示態様を多様化させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴C4.前記所定範囲は前記特定範囲よりも狭いことを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定範囲及び特定範囲の両方が視認可能な構成において、所定範囲を特定範囲よりも狭いものとすることにより、所定範囲よりも特定範囲に遊技者の注目が集まりやすくすることができる。
特徴C5.前記絵柄表示手段は、複数の前記絵柄表示領域を備えており、
複数の前記絵柄表示領域のそれぞれの絵柄は、前記所定視認手段及び前記特定視認手段の表示対象であり、
絵柄の変動表示方向における絵柄の表示数は、前記所定範囲の方が前記特定範囲よりも少ないことを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、絵柄の変動表示方向における絵柄の表示数が異なっていることにより、所定視認手段及び特定視認手段の外見上の区別が容易となっている。また、特定視認手段よりも当該絵柄の表示数が少ない所定視認手段では、停止した絵柄の組合せを一見して容易に把握可能とすることができるとともに、所定視認手段よりも当該絵柄の表示数が多い特定視認手段では、停止する絵柄の組合せを多様化することができる。
特徴C6.所定役(四角、丸、RB、BB)の入賞の成立に対応して前記所定範囲に停止表示される前記絵柄の組合せは、一直線に並ぶ前記絵柄の種類が全て同一の種類である組合せとは異なる組合せであり、
前記所定範囲に前記所定役の入賞の成立に対応する前記絵柄の組合せが停止表示される場合、前記特定範囲には一直線に並ぶ前記絵柄の種類が全て同一の種類である組合せが停止表示されることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定役の入賞の成立に際して所定範囲には一直線に並ぶ絵柄の種類が全て同一の種類である組合せは停止表示されないのに対して、特定範囲には一直線に並ぶ絵柄の種類が全て同一の種類である組合せが停止表示される。これにより、入賞の成立の有無を判断する対象となる範囲が所定範囲である構成であっても、特定範囲における絵柄の停止結果に遊技者を注目させることが可能となる。
特徴C7.前記特定視認手段に対しては所定の視的効果(第1エフェクト映像93a、第2エフェクト映像93b)を付加し、前記所定視認手段に対しては前記所定の視的効果を付加しない効果付加手段(主側MPU72におけるステップS1801〜ステップS1811の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2107〜ステップS2110の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、特定視認手段に対して所定の視的効果を付加することにより特定視認手段において遊技者の興味を惹く演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合において、所定視認手段に対しては所定の視的効果を付加しない構成とすることにより所定視認手段に停止表示される絵柄の組合せの視認性が低下することを回避することができる。このため、停止絵柄に対して所定の視的効果が付加される演出と、視認性の高い絵柄の停止表示との両方を行うことが可能となる。
特徴C8.前記絵柄表示領域における前記所定範囲の絵柄を照らす所定発光手段(メインリールライト32)と、
前記絵柄表示領域における前記特定範囲の絵柄を照らす特定発光手段(サブリールライト34、後方リールライト106)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、所定発光手段により所定範囲における絵柄の視認性を高めることができるとともに、特定発光手段により特定範囲における絵柄の視認性を高めることができる。また、所定発光手段及び特定発光手段を個別に設けるとともに所定発光手段及び特定発光手段の発光制御を個別に行うことにより、所定範囲における絵柄の表示態様及び特定範囲における絵柄の表示態様を異なるものとすることも可能となる。
特徴C9.前記所定発光手段は、遊技が行われている状況において点灯状態に維持されることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、遊技が行われている状況において、所定範囲の絵柄を常に視認性の高い状態とすることができる。
特徴C10.前記特定発光手段は、遊技が行われている状況において消灯契機が発生した場合に消灯状態とされることを特徴とする特徴C8又はC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、特定発光手段を点灯状態とすることにより特定範囲の絵柄の視認性を高めて当該特定範囲の絵柄への遊技者の注目度を高めることができるとともに、特定範囲の発光手段を消灯状態とすることにより特定範囲の絵柄の視認性を低下させて遊技者の注目を当該特定範囲の絵柄以外に移すことができる。
特徴C11.前記特定視認手段において前記特定範囲における前記絵柄の変動表示を視認可能とする領域を通じて視認可能となる表示領域(画像表示面87,108a,142a)を有する表示手段(画像表示装置86,108,142)と、
前記特定発光手段が消灯状態とされている状況において前記表示領域にて所定表示演出を実行する表示演出実行手段(主側MPU72におけるステップS1903〜ステップS1905の処理を実行する機能、演出側MPU82におけるステップS2008〜ステップS2011の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2802〜ステップS2807の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2903〜ステップS2908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、特定視認手段を通じて表示演出が実行される構成において、特定視認手段が消灯状態とされており特定範囲における絵柄の視認性が低下している状況において表示演出が実行されることにより、特定視認手段の方向を見ている遊技者の注意が特定範囲における絵柄及び表示演出に分散してしまうことを回避することができる。これにより、遊技者の関心を表示演出に集中させることができる。
特徴C12.前記特定視認手段において前記特定範囲における前記絵柄の変動表示を視認可能とする領域を通じて視認可能となる表示領域(画像表示面87,108a,142a)を有する表示手段(画像表示装置86,108,142)と、
遊技が行われない状況が継続している所定状況となった場合に前記特定発光手段を消灯状態とする消灯手段(主側MPU72におけるステップS2509〜ステップS2512の処理を実行する機能)と、
前記所定状況となった場合に前記表示領域にて所定表示演出を実行する表示演出実行手段(主側MPU72におけるステップS2513〜ステップS2514の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、所定状況となった場合に特定視認手段を通じて視認可能な表示領域にて所定表示演出が行われることにより、遊技が行われていない状況が継続していることを外部から把握可能とすることができる。当該所定状況となった場合には特定発光手段が消灯状態とされるため、所定表示演出の視認性を高めることができる。
特徴C13.前記絵柄表示手段における前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
所定数以上の遊技媒体(メダル、仮想メダル)がベットされている状況において前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づいて前記絵柄表示手段における前記絵柄の変動表示を開始させる遊技実行手段(主側MPU72におけるステップS303〜ステップS309の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2502〜ステップS2509及びステップS2515〜ステップS2516の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定発光手段は、前記所定数以上の遊技媒体がベットされている状況では消灯状態とされないことを特徴とする特徴C8乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、所定数以上の遊技媒体がベットされているというゲーム開始に必要な条件の1つが満たされている場合、特定発光手段は消灯状態とされない。特定発光手段が消灯状態とされている状況であっても開始操作手段が操作されたことに基づいてゲームが開始されてしまう構成とすると、特定範囲の絵柄の視認性が低い状態のままゲームが開始されることとなってしまう。これに対して、ゲーム開始に必要な条件のうち開始操作手段が操作されること以外の条件が満たされている状況においては常に特定発光手段が点灯状態である構成とすることにより、常に特定範囲の絵柄の視認性が高い状態でゲームを開始することができる。
特徴C14.前記所定視認手段は前記所定範囲と対向する位置であって遊技機前方から視認可能となる位置に形成された表示窓部(表示窓部21L,21M,21R)であり、
前記特定視認手段は、前記特定範囲に存在している前記絵柄の像を映すもの(ビームスプリッタ88,109、鏡143、空中結像プレート165)であることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、特定視認手段が絵柄の像を映して当該絵柄の像を視認可能とするものであることにより、絵柄表示領域において直接的には視認できない位置に存在する絵柄の像を当該特定視認手段に映して視認可能とすることできる。当該構成において、所定視認手段は絵柄表示領域の絵柄を直接的に視認可能とする表示窓部であることにより、絵柄表示領域において直接的には視認できない位置に存在する絵柄の像と、直接的に視認できる位置に存在している絵柄との両方を視認可能とすることができる。
なお、特徴C1〜C14の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることにより外周部に複数の図柄が付されたリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段により回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における図柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、絵柄の表示態様を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.所定表示を行うことが可能な所定表示手段(リール24L,24M,24R、サブリールライト34、補助表示装置112)と、
当該所定表示手段における前記所定表示を反射させることにより当該所定表示の像を視認可能とする反射手段(ビームスプリッタ88,109、鏡143)と、
前記所定表示手段において前記所定表示を行っている領域から出て前記反射手段にて反射されて遊技機前方の所定位置にて視認可能となる光の所定行路長(行路長PL1,PL11,PL13,PL21,PL23)を変化させる行路長変化手段(移動装置113、主側MPU72におけるステップS3107〜ステップS3110の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3210〜ステップS3213の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定表示手段における所定表示が反射手段に反射されることにより当該所定表示の像が遊技機前方から視認可能となる構成において、所定表示手段から出て反射手段にて反射されて視認可能となる光の所定行路長を変化させることにより、反射手段に映る所定表示の像の見た目の表示位置を変化させることができる。これにより、表示態様を斬新なものとすることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D2.前記行路長変化手段は、前記反射手段の位置を変化させないようにしながら、前記所定行路長を変化させることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技者により直接的に視認される反射手段の位置が変化していないにも関わらず、所定行路長が変化して反射手段における所定表示の像の見た目の表示位置が変化することにより遊技者に意外性を与えることが可能となる。
特徴D3.遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に別表示手段(画像表示装置86,108,142)を備え、
前記反射手段は、前記別表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されており、
前記行路長変化手段は、前記所定行路長を変化させることにより、前記所定行路長及び前記別表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の特定行路長(行路長PL2,PL12)の長短関係を逆転させることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、所定行路長の方が特定行路長よりも長い状態であって反射手段に映る所定表示の像が別表示手段の画像よりも奥側に存在しているように見える表示態様と、所定行路長が特定行路長よりも短い状態であって反射手段に映る所定表示の像が別表示手段の画像よりも手前側に存在しているように見える表示態様との切り換えを行うことができる。これにより、反射手段に映る所定表示の像及び別表示手段に表示される画像の表示態様を斬新なものとして遊技者の注目を集め、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴D1〜D3の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることにより外周部に複数の図柄が付されたリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段により回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後における図柄の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴E群>
特徴E1.数値情報を更新する数値更新手段(主制御基板71におけるフリーランカウンタ)と、
取得契機が発生したことに基づいて、前記数値更新手段により更新された数値情報を基準数値情報(判定値DV)として数値記憶手段(判定値用バッファ74a)に記憶させる初期記憶手段(主側MPU72におけるステップS404の処理を実行する機能)と、
第1当否対象情報(通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル、第2RTモード用抽選テーブル、ボーナス用抽選テーブル及び内部用抽選テーブルにおけるインデックス値IV)に対応する第1更新用情報(第1ポイント値PV1)を読み出す第1読み出し手段(主側MPU72におけるステップS402及びステップS405の処理を実行する)と、
当該第1読み出し手段により読み出された前記第1更新用情報を用いて前記基準数値情報を更新する第1所定更新手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)と、
当該第1所定更新手段により更新された前記基準数値情報が当選対応の情報となった場合に、その更新に際して用いられた前記第1更新用情報に対応する前記第1当否対象情報に当選したと特定する第1当否判定手段(主側MPU72におけるステップS406及びステップS407の処理を実行する機能)と、
第2当否対象情報(追加抽選テーブルにおけるインデックス値IV)に対応する第2更新用情報(第2ポイント値PV2)を読み出す第2読み出し手段(主側MPU72におけるステップS802及びステップS805の処理を実行する機能)と、
当該第2読み出し手段により読み出された前記第2更新用情報を用いて、前記第1当否判定手段により当選したと特定された状況以降の前記基準数値情報を更新する第2所定更新手段(主側MPU72におけるステップS805の処理を実行する機能)と、
前記第2所定更新手段により更新された前記基準数値情報が当選対応の情報となった場合に、その更新に際して用いられた前記第2更新用情報に対応する前記第2当否対象情報に当選したと特定する第2当否判定手段(主側MPU72におけるステップS806及びステップS809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、初期に取得された基準数値情報が更新されながら各段階における基準数値情報に基づいて第1当否判定及び第2当否判定が行われる。このため、第1当否判定及び第2当否判定のそれぞれにおいて新たな数値情報の取得を必要とする構成と比較して、第1当否判定及び第2当否判定を実行するために新たに取得することが必要となる数値情報の数が抑えられる。これにより、数値情報を新たに取得するための構成を簡素化することができるとともに、第2当否判定に用いる数値情報を新たに取得するための処理を省略することができる。
また、1段階目の第1当否判定において第1当否対象情報の当否を判定するとともに2段階目の第2当否判定において第2当否対象情報の当否を判定する構成であるため、第1当否対象情報及び第2当否対象情報の当否判定を1段階の抽選で行うとともに変換テーブルを用いて当該1段階の抽選の結果を特定する構成と比較して、変換テーブルの記憶容量を削減することができる。さらにまた、第2当否判定は第1当否判定において最後に更新された基準数値情報を用いて行われるため、第1当否判定及び第2当否判定を連続的な抽選とすることができる。以上より、抽選処理を好適に行うことが可能となる。
特徴E2.前記第1所定更新手段は、前記基準数値情報に対する前記第1更新用情報の加算処理及び減算処理のうち一方の結果を導出するものであり、
前記第2所定更新手段は、前記基準数値情報に対する前記第2更新用情報の加算処理及び減算処理のうち他方の結果を導出するものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、基準数値情報として取得した一の数値情報を演算により更新する態様として、加算により更新する態様及び減算により更新する態様の両方を有している。このため、基準数値情報として取得した一の数値情報を用いて2通りの抽選を行うことができる。これにより、新たに取得する数値情報の数を抑えながら実行可能な抽選の数を増加させて遊技内容を多様化させることが可能となる。
特徴E3.前記第1所定更新手段は、前記基準数値情報に対する前記第1更新用情報の減算処理の結果を導出するものであり、
前記第2所定更新手段は、前記基準数値情報に対する前記第2更新用情報の加算処理の結果を導出するものであることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、基準数値情報として取得した一の数値情報を減算により更新して第1当否判定を実行するとともに、第1当否判定において更新された後の基準数値情報を加算により更新して第2当否判定を実行するため、新たに取得する数値情報の数を抑えながら実行可能な抽選の数を増加させることができる。また、1段階目の第1当否判定における演算が減算であるとともに、2段階目の第2当否判定における演算が加算であるため、基準数値情報が取り得る数値範囲の幅を抑えながら第1当否判定及び第2当否判定を実行することが可能となる。
特徴E4.前記第1所定更新手段により更新された前記基準数値情報が当選対応の情報となった場合に状態記憶手段(判定用フラグ74b)の状態を当選対応状態とし、前記第2所定更新手段により更新された前記基準数値情報が当選対応の情報となった場合に前記状態記憶手段の状態を当選対応状態とする手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS805の処理を実行する機能)を備え、
前記第1当否判定手段は、前記第1所定更新手段により前記基準数値情報が更新された後に前記状態記憶手段の状態が前記当選対応状態となっていることに基づいて、その更新に際して用いられた前記第1更新用情報に対応する前記第1当否対象情報に当選したと特定するものであり、
前記第2当否判定手段は、前記第2所定更新手段により前記基準数値情報が更新された後に前記状態記憶手段の状態が前記当選対応状態となっていることに基づいて、その更新に際して用いられた前記第2更新用情報に対応する前記第2当否対象情報に当選したと特定するものであることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、第1当否判定及び第2当否判定に用いられる状態変化手段は共通化されている。これにより、第1当否判定に用いられる状態変化手段と第2当否判定に用いられる状態変化手段とを個別に備える構成と比較して、各当否判定において当選対応となったか否かを特定するための構成を簡素化することができる。
特徴E5.前記第1当否対象情報には、前記第1当否判定手段において当選したと特定された場合に前記第2当否判定手段による当否判定の対象となる当否対象情報(例えば通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=5,6)と、前記第1当否判定手段において当選したと特定されたとしても前記第2当否判定手段による当否判定の対象とならない当否対象情報(例えば通常モード用抽選テーブルのインデックス値IV=1〜4,7〜12)とが存在していることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、第1当否判定にて第1当否対象情報に当選したことが特定されたことに続けて第2当否判定が実行されることもあれば、第1当否判定にて第1当否対象情報に当選したことが特定されたものの第2当否判定が実行されないこともある。これにより、当否判定の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴E6.前記第1当否判定手段により前記第1当否対象情報に当選したと特定されたことに基づき、所定の特典の付与が可能となり、
前記第2当否判定手段により前記第2当否対象情報に当選したと特定されたことに基づき、前記所定の特典とは異なる特典の付与が可能となることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、第1当否判定において第1当否対象情報に当選したと特定されるとともに第2当否判定において第2当否対象情報に当選したと特定された場合には、所定の特典が付与され得るとともにそれとは異なる特典も付与され得る。これにより、遊技者は第1当否判定及び第2当否判定の両方において当選と特定されることを期待することとなる。その一方、第1当否判定において第1当否対象情報に当選したと特定されたものの第2当否判定において第2当否対象情報に当選したと特定されなかったとしても所定の特典の付与は可能となる。よって、第1当否判定において第1当否対象情報に当選したと特定されたことに対する利益を遊技者に付与することが可能となる。
特徴E7.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット22、主側MPU72におけるステップS309の処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後における停止結果が、当選している役に対応する停止結果である場合に入賞の成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU72におけるステップS311及びステップS312の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1当否判定手段は、前記第1当否対象情報に当選したか否かを特定することにより前記役の抽選処理(主側MPU72におけるステップS401〜ステップS409及びステップS413の処理)を実行するものであり、
前記第2当否判定手段は、前記第1当否対象情報に当選したか否かを特定することにより前記役の抽選処理とは異なる抽選処理(主側MPU72におけるステップS801〜ステップS809の処理)を実行するものであることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、数値更新手段において更新されている数値情報を1回取得したことに対して役の抽選処理だけではなくそれとは別の抽選処理を実行することが可能となる。
なお、特徴E1〜E7の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、スタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応する演出が実行されるとともに、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、抽選処理を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴F群>
特徴F1.数値情報を更新する数値更新手段(主制御基板71におけるフリーランカウンタ)と、
取得契機が発生したことに基づいて、前記数値更新手段により更新された数値情報を基準数値情報(判定値DV)として数値記憶手段(判定値用バッファ74a)に記憶させる初期記憶手段(主側MPU72におけるステップS404の処理を実行する機能)と、
当否対象情報(インデックス値IV)に対応する更新用の数値情報(第1ポイント値PV1、第2ポイント値PV2)を読み出す読み出し手段(主側MPU72におけるステップS402の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS802の処理を実行する機能)と、
前記基準数値情報よりも前記更新用の数値情報の方が大きい場合に当該更新用の数値情報に対応する前記当否対象情報に当選したことに対応する処理を実行する処理実行手段(主側MPU72におけるステップS409の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、基準数値情報及び更新用の数値情報の大小関係に基づいて当否対象情報の当否判定を行うことができる。これにより、基準数値情報及び更新用の数値情報の他に当否対象情報の当否判定を行うために必要な情報を記憶しておく構成と比較して、当否対象情報の当否判定を行うための記憶容量を削減することが可能となる。
特徴F2.前記処理実行手段は、前記基準数値情報から前記当否対象情報に対応する前記更新用の数値情報が減算された場合の算出結果を算出する手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、基準数値情報から更新用の数値情報が減算された場合の算出結果を算出することで基準数値情報及び更新用の数値情報の大小関係を特定することが可能となる。
特徴F3.前記処理実行手段は、
前記当否対象情報に対応する前記更新用の数値情報の2の補数を算出する第1算出手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)と、
当該第1算出手段が算出した前記2の補数を前記基準数値情報に加算することで、前記基準数値情報から前記当否対象情報に対応する前記更新用の数値情報が減算された場合の算出結果を算出する第2算出手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、基準数値情報から更新用の数値情報を直接減算することを行わないようにしながら、基準数値情報から更新用の数値情報が減算された場合の算出結果を算出することが可能となる。
特徴F4.前記当否対象情報は複数種類存在しており、
複数種類の前記当否対象情報の中から所定の前記当否対象情報を抽選対象に設定する対象設定手段(主側MPU72におけるステップS403の処理を実行する機能)と、
前記基準数値情報から前記抽選対象の前記当否対象情報に対応する前記更新用の数値情報が減算された場合の算出結果を算出する算出手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)と、
前記算出結果が当選対応とならなかった場合に前記算出結果に基づいて前記基準数値情報を更新する基準更新手段(主側MPU72におけるステップS405の処理を実行する機能)と、
前記算出結果が当選対応とならなかった場合に前記抽選対象を次の前記当否対象情報に更新する対象更新手段(主側MPU72におけるステップS407の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、複数種類の当否対象情報についての当否判定を順次実行し、抽選対象の当否対象情報が更新された場合には、前回の算出結果に基づいて更新された基準数値情報を用いて当該更新された当否対象情報の当否判定を実行することができる。2個目以降の当否対象情報の当否判定に際して新たな数値情報の取得を必要としないため、当否判定のために取得が必要となる数値情報の数を抑えながら複数種類の当否対象情報についての当否判定を順次実行することが可能となる。
なお、特徴F1〜F4の構成に対して、特徴A1〜A27、特徴B1〜B11、特徴C1〜C14、特徴D1〜D3、特徴E1〜E7、特徴F1〜F4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴F群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、スタートレバーが操作されることにより制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応する演出が実行されるとともに、当該当選役に対応したメダルの払い出し等の特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、抽選処理を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…スロットマシン、21L,21M,21R…表示窓部、22…リールユニット、24L,24M,24R…リール、31…メイン領域、32…メインリールライト、33…サブ領域、34…サブリールライト、41…スタートレバー、71…主制御基板、72…主側MPU、74a…判定値用バッファ、74b…判定用フラグ、82…演出側MPU、86…画像表示装置、87…画像表示面、87a…暗転対象領域、88…ビームスプリッタ、88a…リール反射領域、93a…第1エフェクト映像、93b…第2エフェクト映像、102…カメラ、104…後側領域、106…後方リールライト、108…画像表示装置、108a…画像表示面、109…ビームスプリッタ、112…補助表示装置、113…移動装置、142…画像表示装置、142a…画像表示面、143…鏡、163…空中結像ユニット、165…空中結像プレート、DV…判定値、IV…インデックス値、PL1,PL11,PL12,PL13,PL2,PL21,PL23…行路長、PV1…第1ポイント値、PV2…第2ポイント値。

Claims (3)

  1. 所定表示を行うことが可能な所定表示手段と、
    当該所定表示手段における前記所定表示を反射させることにより当該所定表示の像を視認可能とする反射手段と、
    前記所定表示手段において前記所定表示を行っている領域から出て前記反射手段にて反射されて遊技機前方の所定位置にて視認可能となる光の所定行路長を変化させる行路長変化手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記行路長変化手段は、前記反射手段の位置を変化させないようにしながら、前記所定行路長を変化させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 遊技機前方から前記反射手段を見た方向において当該反射手段よりも奥側の位置に別表示手段を備え、
    前記反射手段は、前記別表示手段から出て当該反射手段を透過した光を遊技機前方から視認可能となるように形成されており、
    前記行路長変化手段は、前記所定行路長を変化させることにより、前記所定行路長及び前記別表示手段から出て前記反射手段を透過して視認可能となる光の特定行路長の長短関係を逆転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
JP2018028446A 2018-02-21 2018-02-21 遊技機 Pending JP2019141326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018028446A JP2019141326A (ja) 2018-02-21 2018-02-21 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018028446A JP2019141326A (ja) 2018-02-21 2018-02-21 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019141326A true JP2019141326A (ja) 2019-08-29

Family

ID=67771400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018028446A Pending JP2019141326A (ja) 2018-02-21 2018-02-21 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019141326A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021019864A1 (ja) 2019-07-31 2021-02-04 株式会社フジクラ 光ファイバの製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005013648A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Konami Co Ltd 遊技機
JP2007175303A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Yamasa Kk 遊技機

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005013648A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Konami Co Ltd 遊技機
JP2007175303A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Yamasa Kk 遊技機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021019864A1 (ja) 2019-07-31 2021-02-04 株式会社フジクラ 光ファイバの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6544362B2 (ja) 遊技機
JP2018117674A (ja) 遊技機
JP2016202502A (ja) 遊技機
JP2018117675A (ja) 遊技機
JP6652076B2 (ja) 遊技機
JP2019141326A (ja) 遊技機
JP2019141327A (ja) 遊技機
JP2023021290A (ja) 遊技機
JP2019141322A (ja) 遊技機
JP2019141325A (ja) 遊技機
JP2019141324A (ja) 遊技機
JP2019141323A (ja) 遊技機
JP7287426B2 (ja) 遊技機
JP6897065B2 (ja) 遊技機
JP2016202505A (ja) 遊技機
JP6596902B2 (ja) 遊技機
JP6361563B2 (ja) 遊技機
JP2019177176A (ja) 遊技機
JP6515906B2 (ja) 遊技機
JP2016202500A (ja) 遊技機
JP7448054B2 (ja) 遊技機
JP7448055B2 (ja) 遊技機
JP6583218B2 (ja) 遊技機
JP6888276B2 (ja) 遊技機
JP6888277B2 (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220802