JP2019140795A - セグメントコイル用分割導体 - Google Patents

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島田 守
Mamoru Shimada
守 島田
寛之 深井
Hiroyuki Fukai
寛之 深井
武藤 大介
Daisuke Muto
大介 武藤
俊昭 天野
Toshiaki Amano
俊昭 天野
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Abstract

【課題】 設計の自由度が高く、導体の占積率の高いセグメントコイル用分割導体を提供する。【解決手段】 分割部8は、断面の略中心に配置される断面積の小さな素線部7aと、中心の素線部7aの外周に配置される断面積の大きな素線部7とを有し、複数の素線部7、7aの全体が絶縁層14によって被覆される。分割部8は、断面の略中心に配置される断面積の小さな素線部7aと、中心の素線部7aの外周に配置される断面積の大きな素線部7とを有する。素線部7、7aは、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。分割導体5の両方の端部9は、絶縁層14が除去さされる。すなわち、複数の素線部7同士が一体化され、最外周は、絶縁層13が露出する。【選択図】図3

Description

本発明は、モータに用いられるセグメントコイル用分割導体に関するものである。
例えば、車載用モータのステータに使用される巻線としては、従来は断面丸型のエナメル線が使用されていた。しかし、近年は占積率を高めるために矩形断面の平角巻線が使用されるようになってきている。また、従来はステータのコアに巻線を巻いてゆく製造方法が採られる場合が多かったが、平角巻線の採用に伴い、巻線を短尺のセグメントコイルとして構成し、ステータに組み付けた後でセグメントコイルの端部同士を溶接して繋いでゆくことで、コイルを形成する方法が採られるようになってきている。
ところが、平角巻線は巻線1本当たりの断面積が大きいため、モータ回転数が大きくなり周波数が大きくなった場合には、渦電流の発生により巻線損失が大きくなるという問題がある。
これに対し、複数の導線を一体化した分割導体が提案されている。すなわち、セグメントコイルとして、複数の導線によって構成された分割導体を用いることで、渦電流の影響を抑制することができる。
分割導体は、例えば、表面に酸化被膜などの絶縁層を有する素線を複数束ねて一体化し、断面が略矩形に成形される。このような分割導体によれば、ステータのスロットに対する導体の充填効率を高めることができるとともに、各素線が酸化被膜によって絶縁され、表皮効果および渦電流による交流抵抗の増加を抑制することができる。
このような分割導体としては、例えば、矩形状の導体素線と、導体素線の外周に設けられる被覆層を有する導体線が、複数一体化された集合導体がある(特許文献1)。
また、複数の線状導体からなる集合線と、単線を長手方向に交互に接合して、ステータのスロットから露出する部位を単線で構成したコイルがある(特許文献2)。
特開2007−227266号公報 特開2013−39000号公報
図17(a)は、分割導体を製造する前の素線を束ねた状態を示す概念図である。各素線106は、導体部111と導体部111を被覆する絶縁層113とを有する。各素線106の配置を安定させるために、例えば、素線106が最密に配置される。
通常、平角成形前の各素線106は同一径であるため、素線106の本数は、7本、19本、37本、・・・と決まった本数となる。このような素線106を最密に配置することで、素線106の配置を安定させることができ、例えば撚り合わせを行う際にも、素線106同士の位置が動くことがない。
図17(b)は、分割導体100の断面図であり、図17(a)に示した各素線106の束を平角成形した後の概念図である。分割導体100は、複数の素線部107と複数の素線部107の全体を被覆する絶縁層114からなる。各素線部107は、導体部111と絶縁層113からなるため、各素線部107同士が絶縁され、さらに、最外周に絶縁層114が形成される。
ここで、各素線部107同士の間に隙間が形成されると、導体の占積率が低下し、電気抵抗が大きくなるため、コイルを形成した際の巻き線損失が大きくなる。このため、可能な限り隙間が小さいことが望ましい。一方、前述したように、素線106を最密に配置できれば、成形時等に素線106同士の移動がなく、隙間を小さくすることができる。しかし、素線数が上記の本数からずれると、素線106の配置が安定せず、隙間が生じる恐れがある。このため、隙間なく分割導体100を得るためには、素線数に制限があり、設計の自由度が低い。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、設計の自由度が高く、導体の占積率の高いセグメントコイル用分割導体を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、セグメントコイル用の分割導体であって、前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、長手方向に垂直な断面において、前記分割部は、少なくとも2種以上の異なる断面積の前記素線部から構成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体である。
長手方向に垂直な断面において、複数の前記素線部の内、断面積の大きな前記素線部が、前記分割部の最外周の少なくとも一部に配置され、断面積の小さな前記素線部の少なくとも一部が、断面積の大きな前記素線部で囲まれる領域に配置されていることが望ましい。
長手方向に垂直な断面において、前記分割部は、略中心に配置される断面積の小さな前記素線部と、中心の前記素線部の外周に配置される断面積の大きな前記素線部とを有してもよい。
中心の前記素線部の外周に配置される断面積の大きな前記素線部が3本〜5本であり、中心の前記素線部の外周に撚り合わされていてもよい。
前記分割部は、2種以上の異なる弾性率の前記素線部から構成されてもよい。
前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出してもよい。
前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成されてもよい。
本発明によれば、分割部が、複数の異なる断面積の素線部からなるため、素線部の本数に応じて、素線部を適切に配置することができ、素線部間に隙間が生じることを抑制することができる。このため、導体部の占積率の低下を抑制することができる。
特に、素線部の内、相対的に断面積の小さな素線部の少なくとも一部が、相対的に断面積の大きな素線部で囲まれる領域に配置されることで、断面積の大きな素線部で形成される隙間を、断面積の小さな素線部で効率よく埋めることができ、素線部間に隙間が生じることを抑制することができる。
また、通常、複数の素線部の集合線では、素線部同士の磁界の影響で、周波数が高くなるほど中心に近い素線部に電流が流れにくくなる。このように、部分的に電流が流れにくい素線部があると、素線部ごとの電流の偏りが生じ、コイルを形成した際の巻き線損失が大きくなる。しかし、分割部の中心に断面積の小さな素線部を配置することで、電流の流れにくい素線部の断面積を小さくすることができるため、導体間の電流の偏りによる巻き線損失の増加を抑制することができる。
このように、中心に断面積の小さな素線部を配置する場合には、中央の素線部の外周に断面積の大きな素線部を3本〜5本で配置することで、成形前の素線の配置を最密配置とすることができる。
また、分割部が2種以上の異なる弾性率の素線部で構成されると、平角成形時おいて、弾性率の大きな素線部の変形が抑制される。このため、変形のしにくい素線部と、変形のしやすい素線部とを組み合わせることで、効率よく平角成形を行うことができる。例えば、大きな変形量が必要な部位には、弾性率の低い素線を配置し、少ない変形量の部位には、弾性率の高い素線を配置することで、確実に隙間なく素線部を形成することができるとともに、全体としての引張強度を確保することができる。
また、分割導体の少なくとも両端部において、絶縁層を除去することで、分割導体の端部同士を溶接して接合する際に、絶縁層の混入などがなく、接続部の信頼性も高い。
また、分割導体が、長手方向において接合部を有さずに一体で形成されることで、複数種類の導線を接合する必要がない。このため、分割導体の長手方向に接合部がなく、長手方向の全長にわたって信頼性が高い。また、長手方向に複数の導線を接合する必要がないため、製造が容易である。
本発明によれば、設計の自由度が高く、導体の占積率の高いセグメントコイル用分割導体を提供することができる。
ステータコア1を示す部分斜視図。 分割導体5を示す平面図。 分割導体5を示す断面図であって、(a)は、図2のA−A線断面図、(b)は、図2のB−B線断面図。 スロット3へ分割導体5を配置した状態を示す概念図。 (a)、(b)は、分割導体5の端部9の他の実施形態を示す図。 (a)、(b)は、端部9同士を溶接した状態を示す概念図。 (a)は、平角成形前の素線6等の配置を示す図、(b)は、平角成形後の分割導体5の断面図。 (a)は、他の平角成形前の素線6等の配置を示す図、(b)は、平角成形後の分割導体5aの断面図。 (a)、(b)は、他の平角成形前の素線6等の配置を示す図。 分割導体5bを示す平面図。 分割導体5bを示す断面図であって、(a)は、図10のC−C線断面図、(b)は、図10のD−D線断面図。 スロット3へ分割導体5bを配置した状態を示す概念図。 導体部11を分割する方法を示す図。 分割導体5cを示す平面図。 分割導体5cを示す断面図であって、(a)は、図14のE−E線断面図、(b)は、図14のF−F線断面図。 スロット3へ分割導体5cを配置した状態を示す概念図。 (a)は、従来の平角成形前の素線106の配置を示す図、(b)は、従来の平角成形後の分割導体100の断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、ステータコア1を示す部分斜視図である。ステータコア1は、略円筒形であり、例えば、電磁鋼板が積層されて形成される。ステータコア1の内周側には、複数のスロット3が設けられる。それぞれのスロット3には、導体が配置されて導体同士を接合することでコイルが形成される。
図2は、スロット3に配置されるセグメントコイル用の分割導体5の平面図であり、図3(a)は、図2のA−A線断面図、図3(b)は、図2のB−B線断面図である。分割導体5は、少なくとも、複数の素線部7、7aからなる分割部8を有する。
図3(a)に示すように、分割部8の略中央部は、断面の略中心に配置される断面積の小さな素線部7aと、中心の素線部7aの外周に配置される断面積の大きな素線部7とを有し、複数の素線部7、7aの全体が絶縁層14によって被覆される。素線部7、7aは、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。
導体部11は、例えば銅または銅合金製であり、絶縁層13は、導体の酸化物からなる酸化被膜タイプの絶縁層、または、エナメルなどの樹脂または接着剤からなる樹脂タイプの絶縁層のいずれか又はその両者からなる。すなわち、絶縁層13は、導体部11に対して、より導電率の低い材質で構成される。なお、分割部8における絶縁層13としては、導体部11同士の絶縁性、およびこれによる渦電流抑制効果の観点から、樹脂タイプの絶縁層であることが望ましい。分割部8は、例えば、全体が略矩形である。なお、分割部8における、素線部7の数、形状および配置は、図示した例には限られない。
図3(b)に示すように、分割導体5の両方の端部9は、絶縁層14が除去される。すなわち、複数の素線部7同士が一体化され、最外周は、絶縁層13が露出する。この場合には、端部9を含め、分割導体5の全体が、分割部8となる。なお、以下の実施形態において、端部9の絶縁層14が除去された例を示すが、端部9まで絶縁層14を形成してもよい。また、本発明における端部9は、分割導体5の最先端部を含むものである。
図4は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5を配置した状態を示す概念図である。なお、図においては、ステータコア1の一部のみを示す。前述したように、分割導体5は、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5の端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部には、分割導体5の曲げ部が露出する。
この際、本実施形態では、分割導体5の全てが分割部8となる。すなわち、スロット3の内部に配置される分割導体5は、全て分割部8であり、また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5の曲げ部も、全体が分割部8となる。
ステータコア1の上方に突出する分割導体5の端部9は、隣り合う他の分割導体5(図示せず)の端部9と溶接によって接合される。全ての分割導体5同士が接続されることで、コイルが形成される。
なお、図3(b)に示す例では、端部9において、絶縁層14のみが除去されており、素線部7は導体部11と絶縁層13とから構成されたが、さらに、絶縁層13が除去されていてもよい。例えば、図5(a)に示すように、分割導体5の両方の端部9において、樹脂タイプの絶縁層13、14が形成されずに、導体部11が外面に露出してもよい。この場合には、端部9において、絶縁層13、14が全て除去されて、導体部11のみで構成される。したがって、分割導体5の端部9以外の部位が分割部8となる。なお、図5(a)に示す例では、導体部11同士は、互いに接触して導通可能であるが、金属組織的に一体化はしていない。
ここで、本発明において、「端部9において、絶縁層13が形成されず、導体部11のみで構成される」とは、端部9においては、前述した樹脂タイプの絶縁層13が形成されていないことを意味し、導体部11の表層に形成される酸化被膜が完全に除去されていることを意味するものではない。すなわち、「導体部11が露出する」とは、導体部11の表層に形成されている酸化被膜が露出していることも含むものとする。
また、図5(b)に示すように、さらに、各素線部7の導体部11同士が一体化していてもよい。すなわち、端部9においては、複数の素線部7(分割部8)の絶縁層13が除去された状態で、導体部11同士が、例えば溶接等によって一体化していてもよい。なお、この場合にも、分割導体5の端部9を除く部位が、分割部8となる。このように、本実施形態における端部9は、分割部8と同様に、複数の素線部7が分割されていてもよく、一体化されていてもよい。すなわち、本実施形態において、少なくとも端部9を除く分割部8の部位において、素線部7同士が断面において複数に分割されていればよい。
図6(a)は、端部9の絶縁層13を除去した場合における、端部9同士を溶接する状態を示す概念図である。この場合には、端部9は、導体部11のみで構成され、絶縁層13を有さない。このため、接続対象の分割導体5の端部9同士を溶接すると、導体部11を略一体とすることができる。このため、接合部の信頼性が高く、確実に端部9同士を接続することができる。
一方、図6(b)に示すように、仮に分割導体5の端部9に絶縁層13が残っていると、(すなわち、端部9を含めて全体が分割部8となると)、両者を溶接した際、接続部の内部に絶縁層13に由来する残渣13aが混入するおそれがある。特に、樹脂に由来するこのような残渣13aが存在すると、接続部の電気抵抗が高くなり、また、接続部の破断等の恐れがある。また、分割導体5を曲げた際などにおいて、分割導体5の端部の素線部7がばらけてしまい、溶接作業が困難となるおそれもある。このため、図5(a)、図5(b)に示すように、端部9に樹脂タイプの絶縁層13が設けられないようにすることで、接続作業が容易となり、接続部の信頼性を高めることができる。
なお、このような十分な溶接性を得るためには、端部9における絶縁層13が除去された範囲が、先端から30mm程度あれば十分である。これ以上、導体部11が導通する部位を長くすると、渦電流による交流抵抗の増加を抑制する効果が小さくなる。したがって、絶縁層13が除去された範囲は、先端から30mm以下とすることが望ましい。また、確実に溶接するため、絶縁層13が除去された範囲は、先端から5mm以上であることが望ましい。
次に、分割導体5の製造方法の一例について説明する。まず、図7(a)に示すように、長手方向に垂直な断面において、複数本の略円断面の素線6、6aを最密で配置し、素線6、6aを束ねる。素線6、6aは、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13を有する。なお、素線6aについては、必ずしも絶縁層13は必要ではない。
中心に配置される素線6aの外径(断面積)は、素線6aの外周に配置される素線6の外径(断面積)よりも小さい。このため、素線6、6aを最密に配置する場合において、外周の素線6の本数を任意に設定することができる。例えば、同一外径の素線のみを用いた場合には、外周の素線は6本とする必要があるが、中心の素線6aの外径を小さくすることで、より少ない本数でも、最密配置することができる。例えば、中心の素線部7aの外周に配置される断面積の大きな素線部7を3本〜5本とすることができる。
このようにして配置された素線6、6aを撚り合わせながら例えば金型などによって平角成形し、押出などによって、最外周に例えば樹脂製の絶縁層14を被覆する。以上により、図3(a)に示すような、中央に断面積の小さな素線部7aが配置され、素線部7aの外周に、断面積の大きな素線部7が配置された分割部8を形成することができる。なお、それぞれの素線部7、7aは、長手方向に対して一体であるため、分割導体5の長手方向に対して、導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成される。
次に、両方の端部9のみにおいて、必要に応じて、絶縁層13、14を除去する。絶縁層13、14は、例えば研削などの機械的方法や、エッチングなどの化学的手法によって除去される。なお、絶縁層13を残す場合には、絶縁層14のみが除去される。
さらに、このように絶縁層13、14が除去された端部9において、導体部11同士を溶融して一体化することで、図5(b)に示す端部9を形成することができる。このように、導体部11を一体化した状態で、分割導体5の曲げ加工等を行うことで、素線部7(導体部11)同士のばらけを抑制することができる。
ここで、複数の素線部7、7aからなる分割導体5は、素線部7、7a同士の磁界の影響で、周波数が高くなるほど中心に近い素線部7aに電流が流れにくくなる。しかし、本実施形態のように、分割部8の中心に断面積の小さな素線部7aを配置することで、電流の流れにくい素線部7aの断面積を小さくすることができるため、導体間の電流の偏りによる巻き線損失の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態では、断面積のみではなく、異なる弾性率の素線6、6aを用いてもよい。すなわち、分割部8が、2種以上の異なる弾性率の素線部から構成されてもよい。弾性率の異なる素線を用いると、平角成形した際に、弾性率の小さな素線が優先的に変形し、弾性率の高い素線の変形を抑制することができる。
図7(b)は、中心の断面積の小さな素線部7aが、素線部7よりも弾性率が大きい場合を示す断面図である。すなわち、素線6aの弾性率が、素線6よりも大きい場合の、平角成形後の断面図である。この場合には、素線部7aの形状は、素線6aから大きく変化しない。すなわち、素線6aが大きく伸びることがない。例えば、外周に配置される素線6の形状は、平角成形の際に、大きく変化する必要があるが、このような変形量の大きな部位に、弾性率の低い素線6を用いることで、容易に変形させることができ、隙間の無い分割部8を得ることができる。
また、断面積の小さな素線6aの弾性率を大きくすることで、断面積の小さな素線6aが大きく変形して、断線などが生じることを抑制することができる。また、全体の弾性率を低くする場合と比較して、平角成形後の分割導体5の強度を高めることができる。
なお、分割部8における素線部7、7aの配置は、図3等に示した例には限られない。例えば、図8(a)に示すように、長手方向に垂直な断面において、複数の略円断面の素線6を外形が略矩形となるように縦横に複数本併設し、それぞれの素線6の隙間に、素線6よりも断面積の小さな素線6aを配置してもよい。なお、素線6、6aの本数は図示した例には限られない。
図8(b)は、図8(a)の素線6、6aの配置で平角成形した、分割導体5aの断面図である。この場合には、長手方向に垂直な断面において、略中央には断面積の小さな素線部7aが配置されないが、断面積の小さな素線部7aが、断面積の大きな素線部7で囲まれる領域に配置されている。このように配置しても、分割導体5と同様の効果を得ることができる。
なお、図9(a)に示すように、図8(a)に対して、さらに素線6bを配置して平角成形してもよい。素線6bは、素線6よりもさらに断面積が小さい。素線6bは、長手方向に垂直な断面において、隣り合う素線6同士の外周の凹部に配置される。このようにすることで、隣り合う素線6同士の間の隙間が生じることを抑制することができる。すなわち、長手方向に垂直な断面において、複数の素線部の内、断面積の大きな素線部が、分割部8の最外周の少なくとも一部に配置され、断面積の小さな素線部の少なくとも一部が、断面積の大きな素線部で囲まれる領域に配置されれば、分割導体5と同様の効果を得ることができる。
また、図9(b)に示すように、平角成形前の状態において、素線6aの断面形状を略矩形としてもよい。このように、平角成形前の素線6同士の隙間の形状と、素線6aの形状を近似させることで、素線6aの変形量を小さくすることができ、平角成形後の素線部7、7a間の隙間の発生を抑制することができる。なお、図8〜図9に示す例でも、例えば、素線6aなど一部の素線の弾性率を、他の素線6に対して小さくしてもよい。また、図7(a)に示す配置においても、素線6aの断面形状を略矩形としてもよい。
以上、本実施の形態によれば、分割導体5、5aの、少なくともステータコア1のスロット3の内部に配置される部位を分割部8とすることができるため、高い渦電流損失低減効果を得ることができる。特に、ステータコア1の下方に露出する折曲げ部にも分割部8が連続するため、この効果が大きい。
また、長手方向に垂直な断面において、分割導体5、5aの分割部8が、少なくとも2種以上の異なる断面積の素線部7、7a等から構成されるため、素線部7、7a等のレイアウトの自由度が高く、素線部同士の隙間の発生を抑制することができる。この際、相対的に断面積の大きな素線部7で囲まれる領域に、相対的に断面積の小さな素線部7aを配置することで、素線部7同士の隙間を確実に埋めることができる。特に、断面の略中央に、断面積を小さい素線部7aを配置することで、電流の流れにくい部位の断面積を小さくすることができるため、導体間の電流の偏りによる巻き線損失の増加を抑制することができる。
また、一部の素線部7aの弾性率が、他の素線部7よりも大きければ、平角成形時において、素線部7aの変形が抑制され、断線等を抑制することができる。また、弾性率の低い素線部7の変形によって、隙間なく成形可能とするとともに、弾性率の高い素線部7aによって、分割導体全体の引張強度を確保することができる。
また、端部9において、絶縁層13、14を除去することで、分割導体5同士を接続する際、接続部に絶縁層13、14の残渣13aが混入することを抑制することができる。なお、このような効果を得るためには、端部9が導体部11のみで形成されればよく、必ずしも、導体部11が金属組織的に一体化していなくてもよい。
また、各素線部7、7aは、長手方向で一体であるため、得られた分割導体5、5aは、長手方向に対して導体部11をつなぐ接合部を有さない、また、図5(b)に示すような実施形態を除き、両方の端部9の導体部11も、複数の導体は互いに接合する必要がない。すなわち、分割導体5、5aは、その長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造とすることができる。このため、複数の部材を、長手方向に接合して、所定長さの分割導体を製造する場合と比較して、信頼性が高く、接合部の形状(断面積)変化や、溶接不良などによる断線などの影響を受けることがない。また、長手方向に対して、均一な導体抵抗を得ることができるため、得られるセグメントコイルの品質が安定する。
次に、第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる分割導体5bを示す図である。なお、以下の説明において、分割導体5、5aと同一の機能を奏する構成については、図1〜図9と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
分割導体5bは、少なくとも、両方の端部9以外の部位において、複数の素線部7からなる分割部8を有する。図示した例では、端部9を除く、端部9同士の間の全体が分割部8となる。
図11(a)は、図10のC−C線断面図である。前述したように、素線部7は、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。
図11(b)は、図10のD−D線断面図である。分割導体5bの両方の端部9は、導体部11が一体化されている。すなわち、分割導体5bの少なくとも両方の端部9においては、絶縁層13が形成されておらず、導体部11は複数に分割されずに導体部11が露出する。
図12は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5bを配置した状態を示す概念図である。前述したように、分割導体5bは、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5bの端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部には、分割導体5bの曲げ部が露出する。
この際、ステータコア1の上方に突出する分割導体5bの端部9以外は、全て分割部8となる。すなわち、スロット3の内部に配置される分割導体5bは、全て分割部8であり、また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5bの曲げ部も、全体が分割部8となる。
前述したように、ステータコア1の上方に突出する分割導体5bの端部9は、隣り合う他の分割導体5b(図示せず)の端部9と溶接によって接合される。全ての分割導体5b同士が接続されることで、コイルが形成される。なお、前述したように、十分な溶接性を得るためには、端部9は先端から5〜30mm程度であることが望ましい。
次に、分割導体5bの製造方法の一例について説明する。まず、所定の長さに切断された導体素材を用意する。導体素材は、一体で構成された部材である。導体素材の断面形状は、例えば矩形であり、例えば銅製または銅合金製の線材を切断して製造される。
次に、一体の導体素材の両端部を除く部位の少なくとも一部を、長手方向に沿って分割する。分割された範囲が分割部8となる。このため、例えば、両端部以外の全体を分割部8とする場合には、両端部を除く部位の全体を長手方向に沿って分割する。この際、中央(外面に露出していない部位)に位置する導体部11の断面積が、外周部に位置する導体部11の断面積よりも相対的に小さくなるように導体部11を分割する。
図13は、導体素材をレーザ12で切断した状態を示す概念図である。例えばレーザ12によって、導体素材を分割することで、互いに分割された複数の導体部11を形成することができる。なお、導体部11の分割方法としては、レーザ12には限定されず、機械的な切断や化学的なエッチングなど、いずれの方法を用いてもよい。また、レーザ12の方向や位置を変えることで、導体部11の分割方法は任意に変更することができる。
次に、分離された導体部11の表面に絶縁層13を形成し、複数の素線部7を構成する。絶縁層13は、例えば、エナメルなどの樹脂を各導体部11の表面に塗布することで形成される。以上により、分割導体5bを製造することができる。
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様に、中央の素線部7aの断面積を相対的に小さくすることで、電流の流れにくい部位の断面積を小さくすることができるため、導体間の電流の偏りによる巻き線損失の増加を抑制することができる。
また、元の導体素材が長手方向で一体であるため、得られた分割導体5bは、長手方向に対して導体部11をつなぐ接合部を有さない、また、両方の端部9の導体部11も、複数の導体が互いに接合された接合部を有さない。すなわち、分割導体5bは、その長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造である。このため、複数の部材を、長手方向に接合して、所定長さの分割導体を製造する場合と比較して、信頼性が高く、接合部の形状(断面積)変化や、溶接不良などによる断線などの影響を受けることがない。また、長手方向に対して、均一な導体抵抗を得ることができるため、得られるセグメントコイルの品質が安定する。
また、元の導体素材が一体で構成されているため、分割導体5bの長手方向の少なくとも両方の端部9の導体部11も一体で形成される。このため、製造過程において、溶接などによって端部9を一体化する必要がない。したがって、製造が容易であるとともに、端部9の品質を高めることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図14は、第3の実施形態にかかる分割導体5cを示す図である。分割導体5cは、分割導体5bとほぼ同様の構成であるが、分割部8の態様が異なる。分割導体5cは、分割導体5bと同様に、端部9のみにおいて、導体部11が一体化されており、分割部8では、複数の素線部7に導体部11が分割されている。
分割部8は、素線部7の分割数の異なる複数の領域に区分される。図7において、分割導体5aの略中央部近傍(図中H)と、その両側であって、端部9と領域Hとで挟まれた領域Gとでは、素線部7の分割数が異なる。
図15(a)は、図14のE−E線断面図であって、領域Gにおける断面図であり、図15(b)は、図14のF−F線断面図であって、領域Hにおける断面図である。図15(a)に示すように、分割部8の領域Gにおいては、分割導体5cの断面は、前述した分割導体5bと同様である。すなわち、中央の素線部7aの断面積は、外周側の素線部7の断面積よりも小さい。
一方、図15(b)に示すように、分割部8の領域Hにおける導体部11の分割数(素線部7の本数)は、領域Hにおける導体部11の分割数(素線部7の本数)よりも少ない。すなわち、分割部8の長手方向の中央部の分割数が、他の部位よりも少ない。この場合でも、各素線部の断面積が異なる。
図16は、分割導体5cをステータコア1のスロット3に配置した状態を示す概念図である。本実施形態では、分割導体5cの端部9が、ステータコア1の上方に突出し、スロット3の内部に配置される部位は、分割部8の領域Gとなる。また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5cの曲部に、分割部8の領域Hが位置する。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、分割導体5cの長手方向の略中央部には、分割数の少ない領域Hが形成されるため、曲げ加工の際に、素線部7がばらけにくい。また、当該部位が、完全に一体化されているわけではないため、前述した渦電流の影響も抑制することができる。
なお、相対的に分割数の少ない領域Hは、スロット3の下方から露出する範囲の略全体にわたって形成される必要はなく、例えば、分割導体5cの長手方向の略中央の一部のみであってもよい。また、このように一部のみであれば、さらに分割数を減らして、導体部11を一体化してもよい。なお、この場合であっても、当該部位の一体化された導体部11の最外周には、絶縁層13が形成される。すなわち、端部9以外では、絶縁層13によって導体部11は外部に露出しない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ステータコア
3………スロット
5、5a、5b、5c………分割導体
6、6a、6b………素線
7、7a………素線部
8………分割部
9………端部
11………導体部
12………レーザ
13、14………絶縁層
13a………残渣
100………分割導体
106………素線
107………素線部
111………導体部
113、114………絶縁層

Claims (7)

  1. セグメントコイル用の分割導体であって、
    前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、
    前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、
    長手方向に垂直な断面において、前記分割部は、少なくとも2種以上の異なる断面積の前記素線部から構成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体。
  2. 複数の前記素線部の内、断面積の大きな前記素線部が、長手方向に垂直な断面における前記分割部の最外周の少なくとも一部に配置され、断面積の小さな前記素線部の少なくとも一部が、断面積の大きな前記素線部で囲まれる領域に配置されていることを特徴とする請求項1記載のセグメントコイル用分割導体。
  3. 長手方向に垂直な断面において、前記分割部は、略中心に配置される断面積の小さな前記素線部と、中心の前記素線部の外周に配置される断面積の大きな前記素線部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のセグメントコイル用分割導体。
  4. 中心の前記素線部の外周に配置される断面積の大きな前記素線部が3本〜5本であり、中心の前記素線部の外周に撚り合わされていることを特徴とする請求項3に記載のセグメントコイル用分割導体。
  5. 前記分割部は、2種以上の異なる弾性率の前記素線部から構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
  6. 前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
  7. 前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成されることを特徴とする請求項6記載のセグメントコイル用分割導体。
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