JP3977138B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機、例えば、モータや発電機のような回転電機に関し、特に、複数の分割コアを環状に連結してなる回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機のステータには、複数の分割コアから構成されているものがある。分割コアは、円弧状のヨーク部と内径方向に延在するポール部とからなり、該ポール部にコイルが巻回されている。
【0003】
この種のステータにおいて、各分割コアに巻回されたコイルのコモン線を互いに結線する方法として、環状のコモン線用バスバーを用いるもの(例えば、特開平6−233483号公報参照)が挙げられる。この構成によれば、複数のバスバーを積層構造にすることができ、小型でしかも製作が容易である。
【0004】
また、軸方向端面に備えられたプリント基板を用いるもの(例えば、特開平7−308040号公報参照)、屈曲加工したコイルと、該コイルを案内する溝を設けた端板を備えたもの(例えば、特開平10−248187号公報参照)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来技術においては、ステータ本体やコイルの他に、コモン線用バスバー、プリント基板または端板など結線用の別部品を用意する必要がある。従って、部品点数が多くなり且つ高コストであり、また、組付工数が多いなどの不都合がある。また、コイル結線構造がステータコアの軸方向端面に配設されているので、回転電機全体として軸方向に長い形状になる。
【0006】
また、プリント基板は許容電流が小さいことから、大電流型のステータには採用できない。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、コモン線用バスバー、プリント基板または端板などの接続用別部品を用いることなくコイルの結線を行い、かつ、回転電機の軸方向の寸法を小さくすることを可能にする回転電機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転電機は、複数の金属製のターミナルと、複数の分割コアとを有する回転電機であって、前記分割コアは、コイルと、該コイルが巻回されるインシュレータと、積層鋼板とを含み、前記インシュレータは、前記ターミナルを固定する部位と、前記回転電機の軸方向に立設し第1切欠部を有する第1上方壁と、前記第1上方壁より前記回転電機の内径側に離間し前記第1上方壁に略平行であって、コイルを隣接するインシュレータ側へと延在させる案内部と第2切欠部を備えた第2上方壁と、を有し、前記コイルの一端部は、前記インシュレータから回転電機の内径側に延在する第1延出部と、周方向に延在する第2延出部と、外径側へ延出して前記ターミナルに接続される第3延出部と、を有し、前記第1延出部と第2延出部と第3延出部とが同一平面上に位置し、前記第1延出部は前記第1切欠部及び前記第2切欠部によって案内され、前記第2延出部は前記案内部によって案内され、前記分割コアを環状に連設して、前記分割コアを構成するコイルの前記第3延出部を前記ターミナルを介して隣接する他の分割コアのコイルの一端部と電気的に接続することを特徴とする。
【0009】
このようにターミナルを用いてコイルを接続することにより、隣接する分割コアのコイル同士が直接的に接続され、コモン線用バスバー、プリント基板または端板などの接続用別部品が不要となる。また、コイルの一端部を湾曲させて接続でき、ステータの軸方向寸法を小さい構成にすることができる。
【0010】
また、前記第1延出部から前記第2延出部へ移る角部が前記案内部によって案内されることにより、曲げ形状が均一に設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回転電機の好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図12を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係る結線構造を採用したステータ10は、所謂、3相Y型結線のステータであり、3相の入力端子U、V、Wと、18個の分割コア12とを有する。
【0013】
図2〜図5に示すように、ステータ10の組み立て前の状態における分割コア12は、プレスにより打ち抜いた略T字状の鋼板を複数枚かしめて一体化した積層鋼板24と、前記積層鋼板24を絶縁するインシュレータ21および22と、該インシュレータ21および22を介して前記積層鋼板24に巻回されるコイル14と、金属製のターミナル18および28とを有する。
【0014】
積層鋼板24は、略T字状であり、「T」字の上辺に相当する部分24aはステータ10におけるヨークとなる。また、「T」字の下辺延出部に相当する部分24bはステータ10におけるポール部(または突極部)となる。
【0015】
コイル14は、絶縁被膜を有する素線13からなる。各コイル14のステータ10における内径側(矢印A側)の一端である延出部16は、分割コア12に設けられた前記ターミナル18で互いに電気的に接続されており、Y型結線の中性点を形成する。各コイル14の外径側(矢印Aの反対側)の他端は、円環状の入力線バスバー(図示せず)によって入力端子U、V、Wのいずれかに接続されている。具体的には、3つおきの6個の分割コア12が入力端子Uと接続され、それ以外で、3つおきの6個の分割コア12が入力端子Vと接続され、さらに残りの6個の分割コア12が入力端子Wと接続されている。各分割コア12、入力端子U、V、Wおよび入力線バスバーは、中空のハウジング(またはケース)19上に組み立てられている。
【0016】
ターミナル18は、後述する連結環状溝88内に設けられており、この連結環状溝88に注入されたシール剤20によって絶縁されている。
【0017】
前記のように、分割コア12は、コイル14の内径側の一端である延出部16を固定するとともに電気的に接続する金属製のターミナル18と、コイル14の外径側の一端部26を固定するとともに電気的に接続する金属製のターミナル28とを含む。ターミナル18とターミナル28とは同一の部材から構成されている。
【0018】
延出部16は、内径側に延在する第1延出部16aと、周方向に延在する第2延出部16bと、外径側へ延在する第3延出部16cとの湾曲乃至屈曲構造からなる。第1延出部16aの根元部は、ターミナル18の一端である第1固定部18bに電気的に接続されるともにその位置が固定され、一方、第1延出部16aは前記第1固定部18bの前後に設けられた2つの切欠部30および32によって矢印A方向にガイドされている。
【0019】
第2延出部16bは、前記第1延出部16aに直交するように湾曲乃至屈曲し、第3延出部16cは前記第2延出部16bに対してさらに直交するように延在する。実際、前記第1延出部16a、第2延出部16bおよび第3延出部16cは仮想される同一平面内に位置する。
【0020】
図3〜図5に示すように、ターミナル18(および28)は、略T字状の金属端子であり、インシュレータ21の溝70(84)へ挿入される挿入部18a(28a)と、前記第1延出部16aを固定する第1固定部18b(28b)と、隣接する他の分割コア12の第3延出部16cを固定する第2固定部18c(28c)とを有する。挿入部18a(28a)のやや上部には、ポンチ等によってプレスした小突起(係合部)18d(28d)が設けられている。
【0021】
図4に示すように、インシュレータ21および22は、コイル14が巻回されるコイル巻回部34、36と、内径側でこれらのコイル巻回部34および36の面に対して垂直に設けられる周壁40および42と、外径側でコイル巻回部34および36の面に垂直に設けられる周壁44および46とを有する。コイル巻回部34とコイル巻回部36、周壁40と周壁42並びに周壁44と周壁46は、それぞれ一部が重なり合って結合する。すなわち、インシュレータ21の下方からインシュレータ22が挿入され両インシュレータ21と22とが一体化される。このように一体化された結果得られる中央部の孔48には、多数枚の積層鋼板24が装入され、積層鋼板24とコイル14とは電気的に絶縁される。
【0022】
インシュレータ21の内径側の上方(インシュレータ22の方向を下方としたときの反対方向)には、周壁40の一部をなし、ステータ10の軸方向に立設する第1上方壁50と、該第1上方壁50より内径側に離間し前記第1上方壁50に略平行な第2上方壁52と、第1上方壁50と第2上方壁52の下端部を連結する連結面54とを有する。
【0023】
インシュレータ21は、第2上方壁52の左右根元部からさらに内径側に向かって延在する2つの台部56と58とを有する。このうち、図4における右方(以下、単に右方という。右方の反対側を左方という。)の台部58においては、第2上方壁52は、延出部16の延出方向を案内するための厚肉形状となってガイド部60を形成している。ガイド部60は前記切欠部30の一側面を形成している。
【0024】
第2上方壁52において切欠部30と左右対称の位置には、切欠部64が設けられている。切欠部30に対して外径方向(矢印Aの反対方向)の第1上方壁50には、前記切欠部32が設けられている。
【0025】
第1上方壁50のやや内径側には、周方向の切欠部(被係合部)66を有する小片68が立設しており、この小片68と第1上方壁50との間には、溝70が設けられている。
【0026】
ガイド部60、連結面54および第1上方壁50の右方側縁部は、やや突出して突出部72を形成している。
【0027】
インシュレータ21を図4の背面側斜め上方から見た状態を図5に示す。この図5に示すように、周壁44の中央よりやや左方(図5における右方)には、コイル14の端部が通る切欠部74が設けられている。また、周壁44の左方端部(図5における右方端部)が外径側にやや張り出した張り出し部75の内面側に窪み部76を形成している。周壁44の右方端部は前記窪み部76に嵌合する形状にやや突出した突出部78が形成されている。
【0028】
周方向の中央部で、周壁44よりやや外径側には、前記小片68と同形状の小片80が立設されている。この小片80には、周方向に延在する切欠部82が設けられている。小片80と周壁44との間には、前記溝70と同形状の溝84が設けられている。
【0029】
連結面54、第1上方壁50および第2上方壁52の左方端部は、これらの各内側面がやや窪んで窪み部86を形成している。この窪み部86は、前記突出部72と噛合する形状になっている。
【0030】
インシュレータ21および22の材質としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)を用いると、耐熱性、機械的強度、剛性、電気的絶縁性、寸法安定性、耐クリープ性に優れているので好適である。
【0031】
次に、インシュレータ21および22、ターミナル18および28、積層鋼板24、コイル14により分割コア12を組み立てる方法について説明する。
【0032】
まず、インシュレータ21の溝70(図3参照)にターミナル18の挿入部18aを挿入する。ターミナル18の小突起18dが、小片68の切欠部66に係合し、ターミナル18の抜け止めとして作用する。同様に、インシュレータ21の溝84(図3参照)にターミナル28の挿入部28aを挿入する。小突起28dが切欠部82に係合し、ターミナル28の抜け止めとして作用する。
【0033】
次に、インシュレータ21および22によって形成される孔48(図4参照)に、多数枚の積層鋼板24を挿入する。
【0034】
次いで、コイル巻回部34、36に素線13を巻回し、コイル14を形成する。具体的には、図6に示すように、まず、内側に積層鋼板24が介在するインシュレータ21、22を第1治具100および第2治具102により固定する。第1治具100は、インシュレータ21の外径側、つまり周壁44側を保持する。第1治具100は、巻回モータ(図示せず)により軸心Cを中心として回転可能である。第2治具102は、インシュレータ21の内径側、つまり周壁40側を保持する。
【0035】
さらに、図7に示すように、第2治具102の上面に設けられたピン102a、102b、102cおよび102dに対して、素線案内機構(図示せず)により素線13を順に絡める。ピン102aより先の素線13の端部はチャック(図示せず)により第2治具102と一体的に固定されている。前記素線案内機構は、さらに、ガイド部60の側面に対して素線13を絡めるように案内し、切欠部30、第1固定部18b、切欠部32を経由してコイル巻回部34、36に前記素線13を導く。このとき、ピン102c、102dおよびガイド部60の相対的な位置と形状によって、前記第1延出部16a、第2延出部16bおよび第3延出部16cが形成される。
【0036】
コイル巻回部34、36に導かれた素線13の端部は、素線供給部104から導出されている。素線供給部104は、軸心Cと平行な矢印B方向に進退可能であり、その進退量は前記巻回モータの回転量に同期して制御可能となっている。
【0037】
そして、巻回モータにより、第1および第2治具100、102とインシュレータ21、22を軸心Cを中心に回転させる。このとき、巻回モータの回転量に応じて素線供給部104を矢印B方向に進退させながら、コイル巻回部34、36に素線13を巻回させる。
【0038】
次に、図8に示すように、素線13を巻回し、コイル14が形成された後、前記素線案内機構により、素線13を切欠部74、第1固定部28bを介してピン100aおよび100bに絡めるように導く。ピン100bには、中央部に形成された溝部を通るように素線13を導く。
【0039】
次いで、コイル14から出ている素線13の両端部をターミナル18の第1固定部18bと、ターミナル28の第1固定部28bで仮固定する。
【0040】
さらに、コイル14から出ている素線13の両端部を切断箇所106および108でカットする。切断箇所106は前記ピン102cと102dとの間であり、後述するように分割コア12をステータ10に組み立てたとき、前記第3延出部16cが隣接する分割コア12における第2固定部18cに位置する場所がこの切断位置として好適である。また、切断箇所108は、第1固定部28bのやや外径側である。
【0041】
この後、分割コア12を第1治具100および第2治具102から取り外して、コイル14の巻回処理を終了する。
【0042】
次に、コイル14が巻回された分割コア12をステータ10に組み付ける手順について図9〜図11を参照しながら説明する。
【0043】
まず、図9に示すように、ハウジング19に最初の分割コア12(分割コア12aとして区別する。)を位置決めしてセットする。
【0044】
次に、図10に示すように、2番目の分割コア12(分割コア12bとして区別する。)を分割コア12aの右側、つまり図10における反時計方向にセットする。このとき、ハウジング19に対して分割コア12bを上方からセットすると、分割コア12bのコイル14の第3延出部16cは、分割コア12aを構成するターミナル18の第2固定部18c上に位置することとなる。このように、簡便な挿入方法によってコイル14の第3延出部16cが前記第2固定部18cに係合される。
【0045】
また、その際、分割コア12aを構成するインシュレータ21の窪み部86(図5も参照)と、分割コア12b側のインシュレータ21の突出部72とが噛合するので、連結面54同士、第1上方壁50同士および第2上方壁52同士は、それぞれの一部が重合して当接し、接合部分は段差のない面を形成することとなる。このように、分割コア12aおよび12bの連結箇所において、インシュレータ21の第1上方壁50と第2上方壁52との間は隙間なく接合し連結環状溝88を形成する。
【0046】
なお、第3延出部16cを第2固定部18cに係合させる工程および隣接する分割コア12bを連結させる工程は、上記のように同時に行われる必要はなく、例えば、第3延出部16cを第2固定部18cに係合させた後に、分割コア12bを連結させてもよい。
【0047】
この後、同様の手順により、分割コア12bのさらに左側に他の分割コア12を順次17個目の分割コア12(分割コア12qとして区別する。図11参照)まで連結する。
【0048】
次に、図11に示すように、最後の分割コア12(分割コア12rとして区別する。)を分割コア12qと分割コア12aの間にセットする。このとき、分割コア12a側のコイル14の延出部16を分割コア12rと干渉しない位置へ待避させておく。
【0049】
分割コア12rをセットした後、分割コア12a側のコイル14の延出部16を元の位置に戻し、分割コア12rの第2固定部18cに係合させる。
【0050】
分割コア12は、ハウジング19に直接配設する必要はなく、所定のホルダまたはリングに配設し、その後ハウジング19に圧入するようにしてもよい。
【0051】
こうして、18個の分割コア12が連結されると、前記連結環状溝88が形成される。
【0052】
次いで、各コイル14の第1延出部16aとターミナル18の第1固定部18bとを接続する。また、各コイル14の第3延出部16cとターミナル18の第2固定部18cとを接続する。具体的には、前記第1固定部18bを第1延出部16aに対して加熱圧着し、第1延出部16aに被覆されている絶縁被膜を溶融除去することにより、第1延出部16aの銅線と第1固定部18bとを電気的に接続する。第3延出部16cと第2固定部18cとの接続についても同様に加熱圧着により接続する。また、同様の手順により、各分割コア12の外径側におけるターミナル28の第2固定部28cを前記入力線バスバーに接続する。
【0053】
このようにして、各コイル14はコモン線同士がターミナル18を介して接続される。このとき、ターミナル18は分割コア12の一部となっているので、接続作業時には、接続用の別部品を用いる必要がない。つまり、コモン線用バスバーまたはプリント基板などの専用の別部品が不要であることから、接続作業を簡便に行うことができるとともに、組み立て工数が少なくて済む。
【0054】
この後、連結環状溝88に絶縁用のシール剤20を注入し、ターミナル18を絶縁する。
【0055】
このようにして、18個の分割コア12が連結され、ステータ10の組み立てが終了する。
【0056】
なお、上記の実施の形態においては、ターミナル18および28は、インシュレータ21、22に予め組み込まれている例について説明したが、ターミナル18および28とインシュレータ21、22を別部品として用意してもよい。この場合、分割コア12を環状に連結した後に、ターミナル18および28に相当する接続部品を前記ターミナル18の第1および第2固定部18b、18cに合わせて配設するとよい。この後、加熱圧着することにより絶縁被膜を溶融除去して電気的に接続することができる。
【0057】
次に、本実施の形態の変形例を図12を参照しながら説明する。この変形例では、各コイル14の内径側の一端であり前記延出部16に相当する延出部200において、周方向に延在する前記第2延出部16bに相当する部分がより長い第2延出部200bとなっている。具体的には、延出部200は、内径側に延在する第1延出部200aと、隣接するインシュレータ21の切欠部30の近傍まで延在する第2延出部200bと、外径側へ延在する第3延出部200cとの湾曲乃至屈曲構造からなる。
【0058】
第3延出部200cは、隣接するインシュレータ21における切欠部30を通りターミナル18の第1固定部18bにより接続されている。つまり、第1固定部18bは、自身のコイル14から延在する第1延出部200aと、隣接するインシュレータ21から延在する第3延出部200cの2本を一括して接続している。
【0059】
このように構成することにより、ターミナル18と素線との接続処理が1回で済ませることができる。
【0060】
上記のように、本実施の形態およびその変形例に係る回転電機に組み込まれるステータ10によれば、ステータ10のコモン線、つまり各延出部16、200とターミナル18は、コモン線用バスバーを用いないので、部品点数を削減することができる。また、従来技術によるコモン線バスバーは、打ち抜き構造などにより製作されているので、前記ステータ10で用いるターミナル18を、材料の利用率(歩留まり)が高く、また、廉価に製造することができる。
【0061】
なお、延出部16は、全て同一面内に形成されている。つまりステータ10の軸方向に延出していないので、ステータ10の軸方向寸法を幅狭に構成することができる。
【0062】
さらに、延出部16、200に関連して、内径方向へ延在する第1延出部16a、200aも極めて短い長さであり、ステータ10の内径側に設定される回転子(図示せず)の軸径を大きくすることができる。
【0063】
ターミナル18は、簡便な構造であり製作、保管および取り扱いが容易である。ターミナル18は、インシュレータ21の溝70へ挿入するという極めて簡単な手順によって装着され、小突起18dと切欠部66との係合により抜けが防止される。
【0064】
第1延出部16a、200aは、ターミナル18の第1固定部18bで固定される前後を切欠部30および32によって保持および案内されているので、確実に位置決めがなされる。また、第1延出部16a、200aから第2延出部16b、200bへ移る角部は、ガイド部60の側面に沿って曲げ形状が均一に設定される。
【0065】
さらに、コモン線の接続にプリント基板等を介していないので、許容電流が大きい。
【0066】
本発明に係る回転電機は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る回転電機によれば、接続用別部品を用いることなくコイルの結線を行うことができる、従って、部品点数の削減および製造工程の短縮が可能であり、回転電機を廉価に製造することができる。
【0068】
また、回転電機の軸方向寸法および許容電流を制約する接続用部品が不要であることから、軸方向寸法を小さくすることができ、許容電流を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る回転電機のステータでシール剤を一部省略した平面図である。
【図2】ステータに組み付けられる分割コアの斜視図である。
【図3】ターミナルと該ターミナルが組み付けられるインシュレータの一部省略斜視図である。
【図4】インシュレータとターミナルと積層鋼板とを示す斜視図である。
【図5】インシュレータとターミナルとを外径方向からみた斜視図である。
【図6】コイルが巻回される前の分割コアが治具に固定された状態を示す平面説明図である。
【図7】分割コアにコイルが巻回される直前の状態を示す平面説明図である。
【図8】分割コアにコイルが巻回され、素線をカットする工程を示す平面説明図である。
【図9】ハウジングに分割コアが1個セットされた状態のステータの一部拡大平面図である。
【図10】ハウジングに分割コアが2個セットされた状態のステータの一部拡大平面図である。
【図11】ハウジングに分割コアが18個セットされた状態のステータの一部拡大平面図である。
【図12】本実施の形態の変形例において、ステータに組み付けられる分割コアの一部省略斜視図である。
【符号の説明】
10…ステータ 12…分割コア
13…素線 14…コイル
16、16a〜16c、200、200a〜200c…延出部
18、28…ターミナル 18b、18c…固定部
18d、28d…小突起(係合部) 20…シール剤
21、22…インシュレータ 30、32…切欠部
50、52…上方壁 54…連結面
60…ガイド部 88…連結環状溝
Claims (2)
- 複数の金属製のターミナルと、複数の分割コアとを有する回転電機であって、
前記分割コアは、コイルと、該コイルが巻回されるインシュレータと、積層鋼板とを含み、
前記インシュレータは、前記ターミナルを固定する部位と、前記回転電機の軸方向に立設し第1切欠部を有する第1上方壁と、前記第1上方壁より前記回転電機の内径側に離間し前記第1上方壁に略平行であって、コイルを隣接するインシュレータ側へと延在させる案内部と第2切欠部を備えた第2上方壁と、を有し、
前記コイルの一端部は、前記インシュレータから回転電機の内径側に延在する第1延出部と、周方向に延在する第2延出部と、外径側へ延出して前記ターミナルに接続される第3延出部と、を有し、
前記第1延出部と第2延出部と第3延出部とが同一平面上に位置し、前記第1延出部は前記第1切欠部及び前記第2切欠部によって案内され、前記第2延出部は前記案内部によって案内され、前記分割コアを環状に連設して、前記分割コアを構成するコイルの前記第3延出部を前記ターミナルを介して隣接する他の分割コアのコイルの一端部と電気的に接続することを特徴とする回転電機。 - 請求項1記載の回転電機において、
前記第1延出部から前記第2延出部へ移る角部が前記案内部によって案内されていることを特徴とする回転電機。
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