JP2019140054A - 正極及び非水電解液二次電池 - Google Patents

正極及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Masahito Kurihara
雅人 栗原
将太 後藤
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将太 後藤
平林 幸子
Sachiko Hirabayashi
幸子 平林
千映子 清水
Chieko Shimizu
千映子 清水
秀明 関
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Abstract

【課題】サイクル特性に優れた非水電解液二次電池に用いられる正極を提供することを目的とする。【解決手段】この正極は、正極集電体と、前記正極集電体の少なくとも一面に塗布され、活物質粒子を有する正極活物質層と、を備え、前記正極活物質層において、前記正極活物質層を積層方向と直交する切断面で10等分した際に、前記活物質粒子の割れ率が最も低い切断面における前記活物質粒子の割れ率が1.5%未満である。【選択図】図2

Description

本発明は、正極及び非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池は、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器やハイブリットカー等の動力源としても広く用いられている。これらの分野の発展と共に、非水電解液二次電池の様々な性能を高めることが求められている。
その性能の一つが、非水電解液二次電池の高エネルギー密度化である。非水電解液二次電池のエネルギー密度は、非水電解液二次電池の正極によって大きな影響を受ける。エネルギー密度に優れた正極を得るために、活物質粒子の材料開発、表面処理等の種々の検討が行われている(例えば、特許文献1)。
特開2017−073367号公報
しかしながら、設計された活物質粒子を利用しても、想定される特性を十分発揮できない場合があり、特にサイクル特性が低下する場合があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池に用いられる正極を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、非水電解液二次電池のサイクル特性の低下は、正極活物質層をプレスする際に活物質粒子が割れてしまうことに起因するということを見出した。高エネルギー密度化を実現する為には、正極活物質層を高密度にする必要があり、製造時に正極活物質層をプレスする。プレス時に活物質粒子が割れると、設計して作製された活物質粒子が割れてしまう。活物質粒子の割れは不可逆容量の原因となり、非水電解液二次電池のサイクル特性を低下させる原因となる。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる正極は、正極集電体と、前記正極集電体の少なくとも一面に塗布され、活物質粒子を有する正極活物質層と、を備え、前記正極活物質層において、前記正極活物質層を積層方向と直交する切断面で10等分した際に、前記活物質粒子の割れ率が最も低い切断面における前記活物質粒子の割れ率が1.5%未満であり、前記割れ率は、前記切断面における画像を、前記活物質粒子の階調の中央値が225以下、かつ、前記活物質粒子の階調の中央値と前記活物質粒子以外の部分の階調の中央値との差が30以上110以下となるようにコントラスト調整した256諧調のグレースケール画像から前記活物質粒子を抽出し直した第2グレースケール画像において、計測頻度が最大頻度の20%以下となる所定の閾値階調以上の階調を示す割れ部の面積を、前記画像の全体面積で割って求められる。
(2)上記態様にかかる正極は、前記活物質粒子の割れ率が最も高い切断面における前記活物質粒子の割れ率が10%以下であってもよい。
(3)上記態様にかかる正極において、前記活物質粒子の割れ率が最も低い切断面は、前記正極活物質層の積層方向の中央部に位置してもよい。
(4)上記態様にかかる正極において、前記活物質粒子がリチウム複合酸化物であり、前記リチウム複合酸化物は、一般式LiM1M21−yで表記され、前記一般式において、M1はNi、Co及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、M2はAl、Fe、Ti、Cr、Mg、Cu、Ga、Zn、Sn、B、V、Ca及びSrからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦1.2を満たし、yは0.3≦y≦1.0を満たしてもよい。
(5)上記態様にかかる正極において、前記活物質粒子は、中央部と外周部とで構成する元素の組成又は組成比が異なっていてもよい。
(6)上記態様にかかる正極において、前記活物質粒子は、表面にコーティング層を備えてもよい。
(7)上記態様にかかる正極は、前記正極集電体と前記正極活物質層との間に、アンダーコート層をさらに備えてもよい。
(8)第2の態様にかかる非水電解液二次電池は、上記態様にかかる正極と、前記正極と対向する負極と、前記正極と前記負極との間に配設されたセパレータと、備える。
上記態様に係る正極を非水電解液二次電池に用いると、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を得ることができる。
本実施形態にかかる非水電解液二次電池の模式図である。 正極の一部の三次元像である。 図2に示す正極活物質の三次元像を積層方向と直交する面で切断した切断面の画像である。 図3の階調分布図である。 図3に示すグレースケール画像から正極活物質を抽出し直した第2グレースケール画像である。 第2グレースケール画像における階調分布図である。 閾値階調を閾値として画像を2値化した図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「非水電解液二次電池」
図1は、本実施形態にかかる非水電解液二次電池の模式図である。図1に示す非水電解液二次電池100は、発電素子40と外装体50とを備える。外装体50は、発電素子40の周囲を被覆する。発電素子40は、接続された一対の端子60、62によって外部と接続される。また図示されていないが、発電素子40とともに電解液が、外装体50内に収容されている。
(発電素子)
発電素子40は、正極20と負極30とセパレータ10とを備える。セパレータ10は、正極20と負極30との間に配設される。
<セパレータ>
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されたものの代わりに、固体電解質であってもよい。
固体電解質は、公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレンオキサイド系高分子にアルカリ金属塩を溶解させた高分子固体電解質や、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(ナシコン型)、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO(ガラスセラミックス)、Li0.34La0.51TiO2.94(ペロブスカイト型)、LiLaZr12(ガーネット型)、Li2.9PO3.30.46(アモルファス、LIPON)、50LiSiO・50LiBO(ガラス)、90LiBO・10LiSO(ガラスセラミックス)といった酸化物系固体電解質、Li3.25Ge0.250.75(結晶)、Li10GeP12(結晶、LGPS)、LiPSCl(結晶、アルジロダイト型)、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3(結晶)、Li3.250.95(ガラスセラミックス)、Li11(ガラスセラミックス)、70LiS・30P(ガラス)、30LiS・26B・44LiI(ガラス)、50LiS・17P・33LiBH(ガラス)、63LiS・36SiS・LiPO(ガラス)、57LiS・38SiS・5LiSiO(ガラス)といった硫化物系固体電解質が挙げられる。
<正極>
正極20は、板状(膜状)の正極集電体22と正極活物質層24とを有する。正極活物質層24は、正極集電体22の少なくとも一面に形成されている。
[正極集電体]
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔等の金属薄板を用いることができる。
[正極活物質層]
図2は、正極の一部の三次元像である。図2に示す三次元像は、FIB(Focused Ion Beam)−SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて測定された積層方向の断面画像を合計200枚組あわせて、画像解析ソフトウェアImageJを用いて三次元化して得た。FIB−SEM像は、加速電圧30kV、電流値4nA、加工幅80μm、加工奥行き50μm、奥行ピッチ0.25μmの条件で200枚撮影した。
図3は、図2に示す正極活物質の三次元像を積層方向と直交する面で切断した切断面の画像である。図3に示すように、正極活物質層24は、活物質粒子24Aを有する。また図3に示すように、正極活物質層24以外の部分として、コントラストの低い第1領域24Bがある。第1領域24Bは、導電助剤、バインダー、空隙等からなる。また活物質粒子24Aには割れ24Cが生じており、割れ24Cはコントラストの高い部分として確認できる。
本実施形態にかかる正極活物質層24は、活物質粒子24Aの割れ24Cが少ない。具体的には、正極活物質層24を積層方向と直交する切断面で10等分した際に、活物質粒子24Aの割れ率が最も低い切断面における活物質粒子24Aの割れ率は1.5%未満である。また活物質粒子24Aの割れ率が最も低い切断面における活物質粒子24Aの割れ率は1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
活物質粒子24Aは設計して作製されている。活物質粒子24Aの割れ率が多いと、活物質粒子24Aが予定された性能を充分発揮することができない。特に活物質粒子24Aの組成又は組成比が中央部と外周部とで異なる場合、活物質粒子24Aの表面がコーティング層で覆われている場合等は、活物質粒子24Aが割れると粒子設計が崩壊するため、その影響は顕著となる。また活物質粒子24Aが一様な場合でも、割れにより予期せぬ活性面が露出すると、電解液と副反応を起こす場合がある。また活物質粒子24Aの割れ率が多いと、割れによって特性が低下した活物質粒子24Aが正極活物質層24内に点在することになる。この場合、特性に優れる活物質粒子24A(即ち割れていない活物質粒子24A)に反応が集中し、その活物質粒子24Aが早く劣化してしまうため、非水電解液二次電池100のサイクル特性が低下する。
これに対し、活物質粒子24Aの割れ率が少ない本実施形態にかかる正極活物質層24は、活物質粒子24Aが予定された性能を発揮する。また正極活物質層24内における活物質粒子24Aの性能の不均一が解消されるため、非水電解液二次電池100のサイクル特性を高めることができる。
ここで本明細書における活物質粒子24Aの割れ率とは、切断面において割れ24Cが占める面積率を意味する。割れ率は、以下のような手順で求められる。
まず図2に示すような三次元像をFIB−SEMを用いた積層方向の断面画像から作成する。作成した三次元像を正極活物質層24の積層方向と直交する(正極活物質層24の表面と平行)な9つの切断面C1〜C9(図2参照)で切断し、10等分する。10等分することで、三次元像は第1層L1〜第10層L10に分割される。
そして正極活物質層24の積層方向の二次元画像を1画素のピッチで複数再合成して、9つの切断面C1〜C9における断面画像を抽出する。そして、得られた画像のコントラストを調整して、256諧調のグレースケール画像を得る。コントラスト調整を行うと、画像が白とび又は黒潰れすることが避けられ、画像上で割れ24Cが観察されない等の恣意的な要素が除かれる。
コントラスト調整は、活物質粒子24Aの階調の中央値が225以下であり、かつ、活物質粒子24Aの階調の中央値と活物質粒子以外の第1領域24Bの階調の中央値との差が30以上110以下となるようにコントラスト調整する。図3はコントラスト調整後のグレースケール画像に対応し、図4は図3の階調分布図である。図4において、最も高いピークは活物質粒子24Aによるものであり、ピークの左肩の部分は第1領域24Bによるものである。図4における階調分布図は、上記の条件を満たす。
そしてグレースケール画像における割れ24Cをより明確に得るために、グレースケール画像から活物質粒子24Aの部分を抽出する。活物質粒子24Aの抽出は、第1領域24Bの階調をゼロ(黒色)に設定し直すことでできる。図5は、図3に示すグレースケール画像から正極活物質を抽出し直した第2グレースケール画像である。また図6は、第2グレースケール画像における階調分布図である。
得られた階調分布図における計測頻度の最大頻度を100%とし、この最大頻度に対して計測頻度が20%以下となる所定の閾値階調Thを求める。閾値階調Th以上の階調を示す部分は図5における画像において特に白い部分である。図7は、閾値階調Thを閾値として画像を2値化した図である。図7において白い部分が割れ24Cに対応し、画像から割れ24Cを抽出できる。そして抽出された割れ24Cの面積を、画像の全体面積で割ることで活物質粒子24Aの割れ率が求められる。活物質粒子24Aの割れ率は、複数枚(10枚)の画像で同様の作業を行い、各画像で求められた割れ率の平均値として求められる。
活物質粒子24Aの割れ率が最も低い切断面は、正極活物質層24の積層方向の中央に位置することが好ましい。すなわち、活物質粒子24Aの割れ率が最も低い切断面は、第4層L4と第5層L5の境界である切断面C4又は第5層L5と第6層L6の境界である切断面C5であることが好ましい。
活物質粒子24Aは、原則として割れていないことが好ましい。一方で、正極活物質層24の積層方向の中央における活物質粒子24Aが割れることより、正極活物質層24の表面における活物質粒子24Aが割れることの方が、充放電し始めた際の反応のし易さが向上するという点において許容しうる。表層の活物質粒子24Aは割れていると、電解液と接触する活物質粒子24Aの表面積が大きくなる。つまり、非水電界二次電池100の充放電し始めにおける反応のし易さが向上し、非水電界二次電池100を短時間で充電することができる。
また活物質粒子24Aの割れ率が最も高い切断面における活物質粒子24Aの割れ率は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。活物質粒子24Aの割れ率が、正極活物質層24全体に渡って少ないことで、活物質粒子24Aの特性を十分発揮することができる。また特定の活物質粒子24Aに反応が集中することを避けることができ、非水電解液二次電池100のサイクル特性を向上させることができる。
正極活物質層24に用いる活物質粒子24Aは、イオンの吸蔵及び放出、イオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、イオンとカウンターアニオンのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。イオンには、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン等を用いることができ、リチウムイオンを用いることが特に好ましい。
例えばリチウムイオン二次電池の場合、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等を、活物質粒子24Aとして用いることができる。
活物質粒子24Aは、上記に例示されるものの中でも、一般式LiM1M21−yで表記される材料であることが好ましい。一般式において、M1はNi、Co及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、M2はAl、Fe、Ti、Cr、Mg、Cu、Ga、Zn、Sn、B、V、Ca及びSrからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦1.2を満たし、yは0.3≦y≦1.0を満たす。当該材料は、高いエネルギー密度を実現できる。
活物質粒子24Aは、中央部と外周部との間で構成する元素の組成又は組成比が異なっていることが好ましい。電解液と直接接触する外周部と中央部とでは求められる性能が異なる。例えば、外周部の反応性に優れた材料を用い、中央部に高容量材料を用いることで、充放電特性に優れ、高容量の活物質粒子24Aを得ることができる。また本実施形態にかかる正極活物質層24内において、活物質粒子24Aの多くは割れずに存在するため、設計された特性を十分発揮できる。
活物質粒子24Aは、表面にコーティング層を有していることが好ましい。コーティング層としては、例えばZrフルオロ錯体、グラフェン等を用いることができる。コーティング層を活物質粒子24Aと異なる材料で作製することで、上述のように部分ごとに求められる性能を実現することができる。またコーティング層は、活物質粒子24Aが割れることを抑制する。
正極活物質層24は、活物質粒子24Aの他に、導電助剤、バインダー、固体電解質を含んでもよい。導電助剤として、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物等を用いることができる。これらの中でも、カーボンブラック等の炭素材料が好ましい。活物質材料のみで十分な導電性を確保できる場合は、導電助剤を含んでいなくてもよい。
バインダーは、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、が挙げられる。
上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
固体電解質は、セパレータで挙げたものと同様のものを用いることができる。
正極活物質層24の密度は、2.9g/cm以上であることが好ましく、3.2g/cm以上であることがより好ましく、3.5g/cm以上であることがさらに好ましい。正極活物質層24の密度が高密度であることで、非水電解液二次電池100が高エネルギー密度化する。
正極集電体22と正極活物質層24との間には、アンダーコート層を設けることが好ましい。アンダーコート層には、導電材とバインダーとを混合したものを用いることができる。アンダーコート層は、正極活物質層24をプレスする際に緩衝剤として機能し、活物質粒子24Aが割れることを抑制する。
<負極>
負極30は、板状(膜状)の負極集電体32と負極活物質層34とを有する。負極活物質層34は、負極集電体32の少なくとも一面に形成されている。
[負極集電体]
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、正極集電体22と同様のものを用いることができる。
[負極活物質層]
負極活物質層34は、負極活物質を含む。また必要に応じて、導電材、バインダー、固体電解質を含んでもよい。
負極活物質は、イオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知の非水電解液二次電池に用いられる負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属、イオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウム等の金属と化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
負極活物質層に負極活物質を含まずに、集電体のみであってもよい。この場合、充電時に、金属リチウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属が析出し、負極活物質が形成される。
導電材及びバインダーは、正極20と同様のものを用いることができる。負極に用いるバインダーは正極に挙げたものの他に、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
固体電解質は、セパレータで挙げたものと同様のものを用いることができる。
(端子)
端子60、62は、それぞれ正極20と負極30とに接続されている。正極20に接続された端子60は正極端子であり、負極30に接続された端子62は負極端子である。端子60、62は、外部との電気的接続を担う。端子60、62は、アルミニウム、ニッケル、銅等の導電材料から形成されている。接続方法は、溶接でもネジ止めでもよい。端子60、62は短絡を防ぐために、絶縁テープで保護することが好ましい。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電素子40及び電解液を密封する。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からの非水電解液二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば図1に示すように、外装体50として金属箔を高分子膜で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを用いてもよい。図1に示す外装体50は、金属箔52と、金属箔52の各面に積層された樹脂層54と、を有する。
金属箔52としては例えばアルミ箔を用いることができる。樹脂層54には、ポリプロピレン等の高分子膜を利用できる。樹脂層54を構成する材料は、内側と外側とで異なっていてもよい。例えば、外側の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等を用い、内側の高分子膜の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を用いることができる。
(電解液)
電解液は、外装体50内に封入され、発電素子40に含浸する。
電解液には、リチウム塩等を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液) を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解液)であることが好ましい。
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネート等を用いることができる。環状カーボネートは、プロピレンカーボネートを少なくとも含むことが好ましい。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等を混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
電解質としては、金属塩を用いることができる。例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩が使用できる。なお、これらのリチウム塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に、電離度の観点から、電解質としてLiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液のリチウムイオン濃度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
非水溶媒の代わりに、アルカリ金属塩を溶解するイオン液体を用いてもよい。
イオン液体は、例えば、カチオンに、イミダゾリウム塩類・ピリジニウム塩類等のアンモニウム系カチオンやホスホニウム系カチオン等を、アニオンに、臭化物イオンやトリフラート等のハロゲン系アニオン、テトラフェニルボレート等のホウ素系アニオン、ヘキサフルオロホスフェート等のリン系アニオンを用いたものが挙げられる。
セパレータ、正極、負極に電解液を含侵させる代わりに、セパレータの代わりに固体電解質を用い、正極、負極に固体電解質を添加することにより、固体電解質電池としてもよい。
「非水電解液二次電池の製造方法」
まず正極20を作製する。活物質粒子24A、バインダー及び溶媒を混合して、ペースト状の正極スラリーを作製する。必要に応じ導電助剤を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
活物質粒子24Aの粒径は揃えることが好ましい。例えば、篩等に欠けて粒度分布の範囲を狭める。活物質粒子24Aの粒径が揃うことで、プレス時に局所的に圧力が加わることを抑制し、活物質粒子24Aの割れを抑制できる。
また活物質粒子24Aの表面には、コーティングを施すことが好ましい。表面コートは、コーティング液中に活物質粒子24Aを投入し、熱処理することで得ることができる。活物質粒子24Aの表面にコーティング層が形成されることで、活物質粒子24Aの割れを抑制できる。
正極スラリーを構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体1Aに塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22上に塗布された正極スラリー中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、正極スラリーが塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
得られた塗膜をプレスして、正極活物質層24を高密度化する。プレスの手段は、例えばロールプレス機、静水圧プレス機等を用いることができる。静水圧プレス機を用いると、正極活物質層24に等方的な圧力が加わるため、活物質粒子24Aが割れにくくなる。
プレスは、複数回に分けて行うことが好ましい。正極活物質層24に一度に大きな力が加わることを避けることができ、活物質粒子24Aの割れを抑制できる。
また正極活物質層24は、重層塗布してもよい。重層塗布とは、正極スラリーの塗布、乾燥、プレスの工程を複数回に分けて行うことを意味する。正極活物質層24を重層塗布すると、活物質粒子24Aの割れを抑制できる。
また正極集電体22上に正極活物質層24を形成する前に、アンダーコート層を積層してもよい。アンダーコート層を設けることで、活物質粒子24Aの割れを抑制できる。アンダーコート層は、導電助剤とバインダーとを溶媒に混合して、ペースト状のスラリーを作製し、乾燥させることで作製できる。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
次いで、負極30を作製する。負極30は、正極20と同様に作製できる。負極30は、負極用の活物質粒子、バインダー及び溶媒を混合して、ペースト状の負極スラリーを作製し、負極スラリーを負極集電体32に塗布し、乾燥することで得られる。
次いで、作製した正極20及び負極30の間にセパレータ10が位置するようにこれらを積層して、発電素子40を作製する。発電素子40が捲回体の場合は、正極20、負極30及びセパレータ10の一端側を軸として、これらを捲回する。
最後に、発電素子40を外装体50に封入する。非水電解液は外装体50内に注入する。非水電解液を注入後に減圧、加熱等を行うことで、発電素子40内に非水電解液が含浸する。外装体50は、熱等を加えて封止する。
上述のように、本実施形態にかかる正極20は、正極活物質層24内の活物質粒子24Aの割れ率が少ない。そのため活物質粒子24Aは、設計された性能を十分発揮する。また活物質粒子24Aが割れないことで、正極活物質層24内における活物質粒子24Aの性能が均質化され、特定の活物質粒子24Aに反応が集中することを避けることができ、非水電解液二次電池100のサイクル特性を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
実施例1では、正極を重層塗布により作製した。
(スラリーの作製)
まず下層用正極スラリーとして、96重量%のLiNi0.85Co0.10Al0.05(活物質粒子)と、2重量%のカーボンブラック(導電助剤)と、0.5重量%のグラファイト(導電助剤)と、1.5重量%のポリフッ化ビニリデン(PVDF:バインダー)と、N−メチル−2−ピロリドン(溶媒)とを混合分散させて、ペースト状の正極スラリーを作製した。
また上層用正極スラリーとして、94重量%のLiNi0.85Co0.10Al0.05(活物質粒子)と、3重量%のカーボンブラック(導電助剤)と、0.75重量%のグラファイト(導電助剤)と、2.25重量%のPVDF(バインダー)と、N−メチル−2−ピロリドン(溶媒)とを混合分散させて、ペースト状の正極スラリーを作製した。
(正極の作製)
得られた下層用正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に、活物質粒子の塗布量が11.0mg/cmとなるように、コンマロールコーターを用いて均一に塗布した。次いで、乾燥炉内にて、110℃の大気雰囲気下でN−メチル−2−ピロリドンを乾燥させた。そして、得られた下層をロールプレス機によってプレスし、下層を正極集電体の両面に圧着させた。下層の密度は、4.2g/cmであった。
次いで、得られた上層用正極スラリーを下層上に、活物質粒子の塗布量が11.0mg/cmとなるように、コンマロールコーターを用いて均一に塗布した。次いで、乾燥炉内にて、110℃の大気雰囲気下でN−メチル−2−ピロリドン溶媒を乾燥させた。得られた上層をロールプレス機によってプレスし、上層を下層の両面に圧着させた。上層を積層後の正極活物質層の平均密度は、3.6g/cmとなった。
(負極の作製)
94重量%のリチウムイオン電池グレードの黒鉛(負極活物質)と、2重量%のアセチレンブラック(導電助剤)と、4重量%のPVDF(バインダー)と、N−メチル−2−ピロリドン(溶媒)とを混合分散させて、ペースト状の負極スラリーを作製した。負極スラリーを厚さ10μmの電界銅箔の両面に塗布した。塗布量は、正極の活物質粒子の塗布量とバランスがとれるように、充電時のリチウムイオンの受け取り量を考慮した。塗布後に、100℃で乾燥させ、溶媒を除去し、ロールプレスにより加圧成形した。
(セルの作製)
作製した負極と正極とを、所定の形状に打ち抜き、厚さ16μmのポリプロピレン製のセパレータを介して交互に積層し、負極3枚と正極2枚とを積層することで積層体を作製した。ニッケル製の負極端子は、積層体の負極において、負極活物質層を設けていない銅箔の突起端部に取り付けた。またアルミニウム製の正極端子は、積層体の正極においては、正極活物質層を設けていないアルミニウム箔の突起端部に取り付けた。負極端子及び正極端子は、超音波溶接機によって取付けた。
積層体を、アルミラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより開口部を形成した。外装体内には、ECとEMCとDECとが体積比3:5:2の割合で配合された溶媒と、リチウム塩として1.5M(mol/L)のLiPFが添加された非水電解液と、を注入した。そして、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封し、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
(電池の構造解析と評価)
作製したリチウムイオン電池は、初期特性評価後に、サイクル特性評価と正極の構造解析に供した。サイクル特性評価は、1C/1Cの充放電サイクルで評価を行った。
(充放電サイクル特性の測定)
サイクル特性は、二次電池充放電試験装置を用いて行った。電圧範囲は、4.3Vから3.0Vまでとした。初回の充電のみ0.2C定電流充電にて行い、放電は1Cで行った。充電は定電流定電圧で行った。1.0Cの電流値で充電し、4.3Vに到達後、1C電流値の5%の電流値になったときに充電を終了した。その後、1.0Cでの電流値で放電する条件においてサイクル特性を測定した。なお、充放電サイクル特性は容量維持率(%)として評価した。容量維持率(%)は、1サイクル目の放電容量を初期放電容量とし、初期放電容量に対する各サイクル数における放電容量の割合である。容量維持率(%)は、以下の数式(1)で表される。
容量維持率(%)=(「1サイクル目の放電容量」/「各サイクル数における放電容量」)×100 ・・・(1)
なお1Cとは公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電して、ちょうど1時間で充放電が終了となる電流値のことである。容量維持率が高いほど、充放電サイクル特性が良好であることを意味する。
実施例1で作製したリチウムイオン二次電池は、上記の条件によって充放電を繰り返し、500サイクル後の容量維持率を充放電サイクル特性として評価した。この結果を表1にまとめた。
(正極の構造解析)
正極の構造解析は、充放電を行った後の完全放電状態のリチウムイオン電池を乾燥Ar雰囲気下のグローブボックスで、分解し、正極を分離した。そして、DMC(ジメチルカーボネート)で十分洗浄後、真空乾燥した。乾燥した正極を所定のサイズに切り出した後、FIB−SEM(FEI社製Versa3D)を用いて積層方向の断面を200枚撮影した。FIB−SEM像は、加速電圧30kV、電流値4nA、加工幅80μm、加工奥行き50μm、奥行ピッチ0.25μmの条件で撮影した。
そして撮影した画像を、画像解析ソフトImageJで三次元化し、上述の手順に従って、各切断面C1〜C9における割れ率を測定した。割れ率が最大を示す切断面は、第5層L5と第6層L6との境界の切断面C5であり、その切断面における割れ率は2.1%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第3層L3と第4層L4との境界の切断面C3であり、その切断面における割れ率は0.4%であった。この結果を表1にまとめた。
「実施例2」
実施例2は、正極を重層塗布せずに、正極集電体22と正極活物質層24との間にアンダーコート層を設けた点が実施例1と異なる。
(アンダーコートの作製)
カーボンブラック(導電助剤)とPVDF(バインダー)とを質量比で2:4として、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてアンダーコートスラリーを作製した。得られたアンダーコートスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に、コンマロールコーターを用いて塗布した。そして、乾燥炉内にて110℃の大気雰囲気下でアンダーコートスラリーを乾燥させ、アンダーコート層を形成した。アンダーコート層の乾燥後の厚さは2μmであった。
(正極の作製)
実施例1における下層と同じ条件でペースト状の正極スラリーを作製した。アンダーコート層を有するアルミニウム箔の両面に、活物質の塗布量が22.0mg/cmとなるように、コンマロールコーターを用いて、正極スラリーを均一に塗布した。次いで、乾燥炉内にて、110℃の大気雰囲気下で正極スラリーを乾燥させた。ロールプレス機によって、正極活物質層を正極集電体の両面に圧着させた。正極活物質層の密度は3.6g/cmだった。
負極の作製、セルの作製、電池のサイクル特性の評価及び正極の構造解析は、実施例1と同様に行った。割れ率が最大を示す切断面は、第1層L1と第2層L2との境界の切断面C1であり、その切断面における割れ率は2.9%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第6層L6と第7層L7との境界の切断面C6であり、その切断面における割れ率は0.7%であった。その結果を表1に示す。
「実施例3」
実施例3は、アンダーコート層を設けずに、活物質粒子の表面にコーティング層を設けた点が実施例2と異なる。
(コーティング層の作製)
水にKZrF(純正化学製)とHBO(関東化学製)とを、それぞれ0.01M、0.05Mとなるように溶解させた。この溶液800mlに活物質粒子としてLiNi0.85Co0.10Al0.05を120g投入し、40℃に加温しながら24時間攪拌して分散させた。
分散液をろ過し、粒子群を取り出した。この粒子群を水洗し80℃で乾燥し、さらに大気中で700℃、2時間熱処理した。その結果、活物質粒子の表面にZrOが被覆したコーティング粒子が得られた。
活物質粒子が表面コーティングされている点以外は、実施例2と同様に正極を作製した。負極の作製、セルの作製、電池のサイクル特性の評価及び正極の構造解析は、実施例1と同様に行った。割れ率が最大を示す切断面は、第1層L1と第2層L2との境界の切断面C1であり、その切断面における割れ率は2.4%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第5層L5と第6層L6との境界の切断面C5であり、その切断面における割れ率は0.3%であった。その結果を表1に示す。
「実施例4」
実施例4は、アンダーコート層を設けずに、プレスを静水圧プレス機によって行った点が実施例2と異なる。その他の点は、実施例2と同様に行った。
割れ率が最大を示す切断面は、第9層L9と第10層L10との境界の切断面C9であり、その切断面における割れ率は3.4%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第6層L6と第7層L7との境界の切断面C7であり、その切断面における割れ率は0.4%であった。その結果を表1に示す。
「実施例5」
実施例5は、重層塗布、アンダーコート層の形成、コーティング層の被覆、静水圧プレス機によるプレスを全て行った。実施例2におけるアンダーコート層の形成工程、実施例3におけるコーティング層の被覆工程を実施例1に加え、プレスを静水圧プレスで行った点以外は、実施例1と同様とした。
割れ率が最大を示す切断面は、第9層L9と第10層L10との境界の切断面C9であり、その切断面における割れ率は1.2%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第3層L3と第4層L4との境界の切断面C3であり、その切断面における割れ率は0.4%であった。その結果を表1に示す。
「比較例1」
比較例1は、アンダーコート層を形成しなかった点が実施例2と異なる。その他の条件は、実施例1と同じとした。
割れ率が最大を示す切断面は、第1層L1と第2層L2との境界の切断面C1であり、その切断面における割れ率は17.4%であった。また割れ率が最小を示す切断面は、第6層L6と第7層L7との境界の切断面C7であり、その切断面における割れ率は1.5%であった。その結果を表1に示す。
10 セパレータ
20 正極
22 正極集電体
24 正極活物質層
24A 活物質粒子
24B 第1領域
24C 割れ
30 負極
32 負極集電体
34 負極活物質層
40 発電素子
50 外装体
52 金属箔
54 樹脂層
60、62 端子
100 非水電解液二次電池

Claims (8)

  1. 正極集電体と、
    前記正極集電体の少なくとも一面に塗布され、活物質粒子を有する正極活物質層と、を備え、
    前記正極活物質層において、前記正極活物質層を積層方向と直交する切断面で10等分した際に、前記活物質粒子の割れ率が最も低い切断面における前記活物質粒子の割れ率が1.5%未満であり、
    前記割れ率は、前記切断面における画像を、前記活物質粒子の階調の中央値が225以下、かつ、前記活物質粒子の階調の中央値と前記活物質粒子以外の部分の階調の中央値との差が30以上110以下となるようにコントラスト調整した256諧調のグレースケール画像から前記活物質粒子を抽出し直した第2グレースケール画像において、計測頻度が最大頻度の20%以下となる所定の閾値階調以上の階調を示す割れ部の面積を、前記画像の全体面積で割って求められる、正極。
  2. 前記活物質粒子の割れ率が最も高い切断面における前記活物質粒子の割れ率が10%以下である、請求項1に記載の正極。
  3. 前記活物質粒子の割れ率が最も低い切断面は、前記正極活物質層の積層方向の中央部に位置する、請求項1または2に記載の正極。
  4. 前記活物質粒子がリチウム複合酸化物であり、
    前記リチウム複合酸化物は、一般式LiM1M21−yで表記され、
    前記一般式において、M1はNi、Co及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、M2はAl、Fe、Ti、Cr、Mg、Cu、Ga、Zn、Sn、B、V、Ca及びSrからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0.05≦x≦1.2を満たし、yは0.3≦y≦1.0を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の正極。
  5. 前記活物質粒子は、中央部と外周部とで構成する元素の組成又は組成比が異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の正極。
  6. 前記活物質粒子は、表面にコーティング層を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の正極。
  7. 前記正極集電体と前記正極活物質層との間に、アンダーコート層をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の正極。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の正極と、
    前記正極と対向する負極と、
    前記正極と前記負極との間に配設されたセパレータと、備える、非水電解液二次電池。
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