JP2019138884A - イオン選択性電極、試験片、および分析装置 - Google Patents

イオン選択性電極、試験片、および分析装置 Download PDF

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    • G01N27/3335Ion-selective electrodes or membranes the membrane containing at least one organic component

Abstract

【課題】同時再現性が向上するイオン選択性電極、このイオン選択性電極を用いた試験片、及びこの試験片を用いた分析装置の提供。【解決手段】バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤を含むイオン選択膜を有するイオン選択性電極。【選択図】図1A

Description

本発明は、イオン選択性電極、試験片、および分析装置に関する。
試料中におけるイオン濃度の測定には、例えば、イオン選択性電極を用いた測定が知られている。イオン選択性電極を利用したイオン濃度の測定は、例えば、参照液(イオン濃度が既知の液体)と試料液(イオン濃度が未知の液体)との間を短絡して電位差を測定し、この電位差に基づいてイオン濃度を測定するものである。
イオン選択性電極は、少なくともイオン感応性を示す感応部を備えており、感応部の応答精度向上のため、種々の検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には、特定の官能物質および特定の可塑剤を含むイオン選択膜を備えたイオン選択性電極が開示されている。
また、特許文献2には、イオン応答するガラス膜の表面又は内部に、光触媒能を有するチタン化合物を存在させたイオン選択性電極が開示されている。
さらに、特許文献3には、ステンレス等の電子導電性支持体上の試料溶液と接する面に、酸化チタン等の金属酸化物を含有する膜が形成された官能部を備えるイオン選択性電極が開示されている。
特開平08−134024号公報 特開2008−232660号公報 特開2017−026637号公報
イオン選択性電極は同時再現性が求められる。同時再現性とは、同一検査室内、同一試験者、同一の装置などの一定の測定条件で、短時間に繰り返し測定するとき(併行条件)の精度を表す。
しかしながら、従来のイオン選択性電極は、測定にバラつきが生じる場合があり、さらなる同時再現性の改善が求められているのが実情である。
本発明の目的は、同時再現性が向上するイオン選択性電極、このイオン選択性電極を用いた試験片、及びこの試験片を用いた分析装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤を含むイオン選択膜を有するイオン選択性電極。
<2> 前記誘電剤が、固体状である<1>に記載のイオン選択性電極。
<3> 前記誘電剤が、炭素材料および金属酸化物の少なくとも一種である<1>又は<2>に記載のイオン選択性電極。
<4> 前記誘電剤が、粒子状である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<5> 前記誘電剤が、チタン酸バリウム、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ハフニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<6> 前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜10質量%である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<7> 前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜8質量%である<1>〜<6>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<8> 前記誘電剤が、二酸化チタンを含み、前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜8質量%である<1>〜<7>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<9> 前記イオン選択膜が、陽イオン選択膜である<1>〜<8>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
<10> 前記陽イオン選択膜が、ナトリウムイオン選択膜、又はカリウムイオン選択膜である<9>に記載のイオン選択性電極。
<11> <1>〜<10>のいずれか1項に記載のイオン選択性電極を備える試験片。
<12> <11>に記載の試験片を装着する試験片装着部と、
分析装置本体と、
を備える分析装置。
本発明の一態様によれば、同時再現性が向上するイオン選択性電極、このイオン選択性電極を用いた試験片、及びこの試験片を用いた分析装置が提供される。
本発明の一態様である試験片を表す分解図である。 図1Aに示す試験片のうち、本発明の一態様であるイオン選択性電極に対応する部分を示す模式図である。 本発明の一態様である試験片を表す斜視図である。 本発明の一態様である試験片を表す斜視図である。 本発明の一態様である分析装置を表す斜視図である。 実施例1で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。 実施例2で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。 実施例3で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。 各比較例で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。
以下、本発明の一態様であるイオン選択性電極について説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<イオン選択性電極>
本発明の一態様であるイオン選択性電極は、イオン選択膜を有する。そして、イオン選択膜は、バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤(以下、単に「誘電剤」と称する場合がある。)を含んで形成されている。
例えば、前述の特許文献1〜3に開示されるように、種々のイオン選択性電極が知られている。
特許文献1に開示されるイオン選択性電極が備えるイオン選択膜は、誘電率を調整する目的で、高誘電率の可塑剤を含ませた液膜樹脂組成物を用いて形成されている。しかしながら、イオン選択膜を形成する液膜樹脂組成物中に、高誘電率の可塑剤を用いるため、可塑剤としての材料が限られる。また、高誘電率の可塑剤は、イオン選択性能を低下させ、測定値にバラつきが生じる場合がある。そのため、特許文献1に開示されるイオン選択性電極は、必ずしも同時再現性(併行精度)の高いイオン選択性電極ではなかった。
特許文献2に開示されるイオン選択性電極において、チタン化合物は、応答ガラスに付着する不純物(例えば、タンパク等)を除去すること、及び不斉電位を発生させないことを目的として使用されている。しかしながら、チタン化合物は、流路等の周辺の付着物などを除去する目的で使用されている。そのため、特許文献2に開示されるイオン選択性電極は、イオン選択膜自体の同時再現性を向上することに寄与するものではなかった。
特許文献3に開示されるイオン選択性電極では、感応部の電気抵抗が小さくなることを目的として、ステンレス等の支持体上に、酸化チタン等の金属酸化物層を設けて感応部が形成されていた。しかしながら、液膜樹脂組成物中に金属酸化物を含有させて感応部を形成するものではなく、感応部として金属酸化物層を新たに形成する工数を要する。そのため、特許文献3に開示されるイオン選択性電極は、測定にバラつきが生じる場合があり、同時再現性を十分に満足するイオン選択性電極ではなかった。さらに、特許文献3に開示されるイオン選択性電極は、感応部を形成するコストが上昇する。
このように、従来のイオン選択性電極は、同時再現性が十分ではなく、さらなる測定精度が要求されている。
ここで、イオン選択性電極の同時再現性を向上させる方策の一つとして、例えば、イオン選択性電極が備えるイオン選択膜の電気伝導性を高めることが挙げられる。イオン選択膜の電気伝導性を高めるためには、電気伝導性に優れた材料を用いることが考えられる。そこで、誘電率の高い材料を含有させることに着目した。その結果、バインダ樹脂およびイオノフォアに加えて、さらに、10以上の誘電率を示す誘電剤を含有させてイオン選択膜を形成したところ、イオン選択性電極は同時再現性が向上することを知見した。
以下、本発明の一態様であるイオン選択性電極が備えるイオン選択膜について説明する。イオン選択膜は、バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電剤を含む。また、イオン選択膜は、必要に応じて、可塑剤、電解質、イオン排除剤等の添加剤を含む。
以下、イオン選択膜を形成するための材料について説明する。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂は、特に限定されるものではない。バインダ樹脂は、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、シリコンエラストマー、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、ポリカーボネート、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、同時再現性の向上の観点で、バインダ樹脂は、塩化ビニルに由来する構造単位を含む樹脂(塩化ビニルの単独重合体および塩化ビニルを含む共重合体の少なくとも一つ)であることが好ましい。塩化ビニルに由来する構造単位を含む樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニルの2元共重合体、及び塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコールの3元共重合体がより好ましい。バインダ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イオン選択膜中に含まれるバインダ樹脂の含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、18質量%〜35質量%であることが好ましい。バインダ樹脂の含有量の下限値は20質量%以上であることがより好ましい。また、バインダ樹脂の含有量の上限は30質量%以下であることがより好ましい。
(イオノフォア)
イオノフォアは、測定対象となるイオンの透過性を増加させる能力を持つ化学物質であって、測定対象となるイオンと結合し、イオン選択膜を通過することでイオンを通過させるもの(すなわち、キャリアーイオノフォア)である。イオノフォアは、特に限定されるものではない。イオノフォアは、測定対象となるイオン種に応じて選択すればよい。
イオン選択膜が、カリウム選択膜であれば、例えば、イオノフォアは、バリノマイシン、環状ポリエーテル、テトララクトン、マクロリドアクチン、エンニナチン、カリウムテトラフェニルボレート、及びそれらの誘導体が挙げられる。これらの中でも、カリウム選択膜に用いるためのイオノフォアとしては、環状ポリエーテルが好ましく、ビスクラウンエーテル構造を有する化合物がより好ましい。さらに好ましくは、ビス[(ベンゾ−15−クラウン−5)−4−メチル]ピメレート((ビス(ベンゾ−15−クラウン−5))である。
また、ナトリウムイオン選択膜であれば、例えば、モネンシンナトリウム、メチルモネンシン、環状ポリエーテル、テトララクトン、マクロリドアクチン、エンニナチン、ナトリウムテトラフェニルボレート、カリックスアレン型化合物、及びそれらの誘導体が挙げられる。これらの中でも、ナトリウムイオン選択膜に用いるためのイオノフォアとしては、環状ポリエーテルが好ましく、ビスクラウンエーテル構造を有する化合物がより好ましい。さらに好ましくは、ビス[(12−クラウン−4)メチル]−2−ドデシル−2−メチルマロネート(ビス(12−クラウン−4))である。
イオン選択膜中に含まれるイオノフォアの含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、3質量%〜10質量%であることが好ましい。イオノフォアの含有量の下限値は4質量%以上であることがより好ましい。また、イオノフォアの含有量の上限は8質量%以下であることがより好ましい。
(誘電剤)
誘電剤は、誘電率が10以上を示す。誘電率が10以上であれば、誘電剤の形態としては、特に限定されるものではない。誘電剤は、液状の形態であっても、固体状の形態であってもよい。同時再現性向上の点で、誘電剤は、イオン選択膜を得るための液膜樹脂組成物に溶解し難い形態であることが好ましい。この点で、誘電剤は、液膜樹脂組成物に溶解し難い固体状の形態であることがより好ましい。ここで、固体状の形態の誘電剤は、液膜樹脂組成物に混合された場合でも、液膜樹脂組成物に溶解し難く、固体状の形態を維持しており、イオン選択膜中に含まれている状態でも固体状の形態を維持しているものである。また、固体状の形態の誘電剤は、試料液及び参照液と接触しても、溶解し難いものである。つまり、固体状の形態の誘電剤は、液体に溶解し難い誘電剤である。誘電剤は、粒子状の形態であることがさらに好ましい。誘電剤が粒子状の形態であることで、イオン選択膜中に分散しやすくなり、同時再現性がより向上する傾向がある。粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、粒状、板状、麟片状、ウィスカー状、及び棒状の形状が挙げられる。なお、本明細書中において、誘電率が10以上の誘電剤は、可塑剤とは区別されるものであり、可塑剤としての作用を有さないものである。
誘電剤の誘電率は、15以上であることがよく、25以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。誘電剤の上限値は、特に限定されず、例えば、30000以下であることが挙げられる。
誘電率の測定方法は、JIS C 2138:2007 電気絶縁材料、比誘電正接の測定方法に準じる方法である。
誘電剤の種類は、特に限定されるものではない。同時再現性向上の点で、誘電剤は、液膜樹脂組成物に溶解し難く、試料液及び参照液と接触した場合でも溶解し難い無機材料であることがよい。無機材料の中でも、炭素材料および金属酸化物の少なくとも一種であることがよい。
なお、本明細書中において、溶解し難いとは、20℃の液膜樹脂組成物に対する溶解度が5質量%未満であることを意味する。
炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンブラック、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、フラーレン等が挙げられる。これら炭素材料は、1種単独で使用してもよく、または2種類以上併用してもよい。
金属酸化物としては、例えば、遷移金属の酸化物であってもよく、複合酸化物であってもよい。金属酸化物は、具体的には、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。金属酸化物は、これらの中でも、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化チタン(TiO)、二酸化チタン(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがよい。
これらの中でも、同時再現性向上の点で、誘電率が10以上の誘電剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ハフニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、二酸化チタンを含むことがより好ましい。
イオン選択膜中に含まれる誘電剤の含有量は、同時再現性向上の点で、イオン選択膜の固形分に対し、1質量%以上含むことがよい。上限は特に限定されず、例えば、15質量%以下が挙げられる。同時再現性をより向上させる点で、誘電剤の含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、2質量%〜10質量%であってもよい。同様の点で、2質量%〜8質量%であることがよい。誘電剤の含有量の下限は、3質量%以上であることが好ましい。また、誘電剤の含有量の上限は、6質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
イオン選択膜に含まれる誘電剤とその含有量の組み合わせとしては、誘電剤として、二酸化チタンを含み、誘電剤の含有量が、イオン選択膜の固形分に対し、2質量%〜8質量%であることが好ましい。また、誘電剤として、二酸化チタンを含み、二酸化チタンの含有量が、イオン選択膜の固形分に対し、2質量%〜5質量%であることがより好ましい。
イオン選択膜は、バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤の他に、必要に応じて、可塑剤、イオン排除剤、電解質等の添加剤を用いてもよい。
(可塑剤)
可塑剤は、イオン選択膜に可塑剤を含ませることで、イオン選択膜の柔軟性が高められるため、例えば、イオン選択膜の割れの発生が抑制される作用を有する。可塑剤は、同時再現性向上の点で、誘電率が高いほうがよく、可塑剤の誘電率は、例えば、10〜24の範囲であることがよい。なお、可塑剤の誘電率は前述の測定方法で測定した数値である。また、本明細書中において、可塑剤は、前述の誘電剤とは区別されるものである。
可塑剤は、特に限定されるものではない。可塑剤としては、例えば、具体的には、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、2−ニトロフェニルドデシルエーテル(NPDE)、2−ニトロフェニルフェニルエーテル(NPPE)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ビス(1−ブチルペンチル)(BBPA)、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、ジオクチルフェニルリン酸(DOPP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、ジベンジルエーテル(DBE)等が挙げられる。これらの中でも、ニトロフェニルアルキルエーテル類が好ましく、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)がより好ましい。
イオン選択膜中に含まれる可塑剤の含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、50質量%〜70質量%であることが好ましい。可塑剤の含有量の下限値は52質量%以上であることがより好ましい。また、可塑剤の含有量の上限は67質量%以下であることがより好ましい。
(イオン排除剤)
イオン排除剤は、測定対象となるイオン種に応じて選択すればよい。イオン選択膜が陽イオン選択膜であれば、イオン排除剤は、陰イオン排除剤を用いることが好ましい。陰イオン排除剤を用いることで、陰イオンの妨害による測定への影響が抑制される。
陰イオン排除剤としては、特に限定されるものではない。陰イオン排除剤は、具体的には、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム(Na−TFPB)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム(K−TFPB)、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸カリウム(K−TCPB)、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸ナトリウム(Na−TCPB)、テトラフェニルホウ酸カリウム(K−TPB)、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(Na−TPB)、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ酸ナトリウム等のテトラフェニルボレート塩が挙げられる。これらの中でも、同時再現性向上の点で、イオン選択膜が、カリウム選択膜であれば、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム(K−TFPB)が好ましい。また、ナトリウムイオン選択膜であれば、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム(Na−TFPB)が好ましい。
また、イオン選択膜が、陽イオン選択膜である場合、同時再現性向上の点で、上記の陰イオン排除剤に加えて、4級アンモニウム塩を併用してもよい。4級アンモニウム塩としては、例えば、具体的には、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)、トリデシルメチルアンモニウムクロライド(TDMAC)、テトラオクチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの中でも、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)が好ましい。陰イオン排除剤は、上記のテトラフェニルボレート塩および4級アンモニウム塩の少なくとも一方を用いることがよい。
イオン選択膜中に含まれるイオン排除剤の含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、0.6質量%〜1.1質量%であることが好ましい。イオン排除剤の含有量の下限値は0.7質量%以上であることがより好ましい。また、イオン排除剤の含有量の上限は1.0質量%以下であることがより好ましい。イオン排除剤の含有量として、テトラフェニルボレート塩または4級アンモニウム塩のいずれか一方を単独で用いた場合、及び両者を併用した場合でも、上記と同様の範囲で含有することがよい。
(電解質)
電解質は、イオン選択膜の電気伝導性を補助する作用がある。電解質としては、特に限定されず、例えば、ハロゲン化金属が挙げられる。ハロゲン化金属としては、金属の塩化物であることがよい。電解質は、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀等が挙げられる。
イオン選択膜中に含まれる電解質の含有量は、イオン選択膜の固形分に対し、0.23質量%〜0.37質量%であることが好ましい。電解質の含有量の下限値は0.25質量%以上であることがより好ましい。また、電解質の含有量の上限は0.34質量%以下であることがより好ましい。
イオン選択膜の厚みは、特に限定されるものではない。イオン選択膜の厚みは、例えば、50μm〜300μmの範囲が挙げられる。
イオン選択膜の用途は、特に限定されず、例えば、塩化物イオン等の陰イオンを測定するための陰イオン選択膜;ナトリウムイオン、カリウムイオン等の陽イオンを測定するための陽イオン選択膜が挙げられる。これらの中でも、イオン選択膜は、陽イオン選択膜であることが好ましく、ナトリウムイオン選択膜、又はカリウムイオン選択膜であることがより好ましい。
イオン選択膜の好ましい製造方法の一例としては、例えば、以下の工程を有する方法が挙げられる。1)バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上の誘電剤を含む液膜樹脂組成物を準備する第1の工程。2)液膜樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する第2の工程。3)塗布膜を乾燥させて、イオン選択膜を形成する第3の工程。
(第1の工程)
第1の工程は、イオン選択膜形成用の液膜樹脂組成物を準備する工程である。液膜樹脂組成物の準備は、前述のバインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上の誘電剤、並びに、必要に応じて、可塑剤及び電解質を混合して調製してもよい。液膜樹脂組成物は、これらの材料を、溶剤に溶解または分散させて作製する。溶解または分散させる方法は、特に限定されず、高速ブレンダー、ホモジナイザー等の公知の方法を採用すればよい。
具体的には、例えば、次のように調製してもよい。まず、溶剤に、バインダ樹脂及びイオノフォア、並びに必要に応じて、可塑剤及び電解質を混合し、これらを溶解させて溶解液を調製する。次に、この溶解液に、誘電率が10以上である誘電剤を添加し、誘電剤を分散させた液膜樹脂組成物を調製する。なお、液膜樹脂組成物を調製するときに用いる溶剤としては、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)などの有機溶剤が挙げられる。 このような混合による調製方法によれば、それぞれの材料が略均一に分散された液膜樹脂組成物を形成することができる。なお、材料間の結合や相互作用の有無は使用される材料によって異なるが、少なくとも誘電剤は、液膜樹脂組成物に溶解し難く、固体状の形態を維持しており、イオン選択膜中に含まれている状態でも固体状の形態を維持しているものであることは上述のとおりである。
(第2の工程)
第2の工程は、調製した液膜樹脂組成物を塗布して、塗布膜を形成する工程である。調製した液膜樹脂組成物は、例えば、予め定められた位置に塗布してもよい。塗布方法としては、特に限定されるものではない。塗布方法は、キャスト法、スプレー塗布、ディップ法、スピンオフコート法等の公知の方法が挙げられる。
(第3の工程)
第3の工程は、塗布膜を乾燥させて、イオン選択膜を形成する工程である。乾燥条件は、塗布膜が乾燥する条件であれば、特に限定されず、例えば、温度40℃〜80℃で、1分〜60分の条件が挙げられる。
このような調製方法以外には、それぞれの材料を層構造で塗布し、塗布膜を乾燥させて形成することもできる。
前述のように、本発明の一態様であるイオン選択性電極は、イオン選択膜を備えている。本発明の一態様であるイオン選択性電極は、前述のイオン選択膜および内部電極を備えていてもよい。また、本発明の一態様であるイオン選択性電極は、前述のイオン選択膜、試料用内部電極(試料用電極)および参照用内部電極(参照用電極)を備えていてもよい。さらに、本発明の一態様であるイオン選択性電極は、イオン選択膜、内部電極(試料用電極および参照用電極)、内部溶液を備えていてもよい。本発明の一態様であるイオン選択性電極が、内部電極を備える場合、イオン選択膜は、内部電極上に設けてもよい。イオン選択膜を内部電極上に設ける場合、内部電極に直接設けてもよく、部材を介して設けてもよい。また、他の一態様としては、試料液と接する部材における試料液と接する面側に設けてもよい。なお、本発明の一態様であるイオン選択性電極は、1種のイオン選択膜を有していてもよく、2種以上のイオン選択膜を備えてもよい。本発明の一態様であるイオン選択性電極が2種以上のイオン選択膜を有する場合、例えば、ナトリウムイオン選択膜、及びカリウムイオン選択膜を有していてもよい。
内部電極としては、例えば、金属/金属塩電極が挙げられる。金属/金属塩電極としては、例えば、銀/ハロゲン化銀電極が挙げられる。また、銀/ハロゲン化銀電極としては、例えば、銀/塩化銀電極が挙げられる。
また、内部溶液としては、これに限定されず、金属塩水溶液、金属塩水溶液の混合溶液等が挙げられる。金属塩水溶液は、具体的には、塩化カリウム水溶液、塩化カリウム水溶液と金属塩水溶液との混合物等が挙げられる。これらの中でも、内部溶液は、塩化カリウム水溶液が好ましい。
本発明の一態様であるイオン選択性電極を製造するための好ましい方法の一例としては、例えば、前述のイオン選択膜の製造方法と同様の工程で製造する方法が挙げられる。具体的には、次の方法で得られる。まず、イオン選択膜の製造方法の第1の工程と同様にして、液膜樹脂組成物を準備する。次に、イオン選択膜の製造方法の第2の工程において、第1の工程で準備した液膜樹脂組成物を、内部電極に直接、または、内部電極上に設けられた部材に塗布する。次に、イオン選択膜の製造方法の第3の工程と同様にして、液膜樹脂組成物の塗膜を乾燥してイオン選択膜を形成し、イオン選択性電極を得る。以上の工程によって、イオン選択膜を有するイオン選択性電極が得られる。
また、他の一態様としては、例えば、次の製造方法が挙げられる。まず、前述のイオン選択膜の製造方法によってイオン選択膜を製造する。次に、得られたイオン選択膜を予め定められた位置から剥がし、試料液と接する部材における試料液と接する面側に、公知の方法で貼り付けて、イオン選択性電極を製造する。
本発明の一態様であるイオン選択性電極は、例えば、pH電極に適用できる。また、本発明の一態様であるイオン選択性電極は、塩化物イオン等の陰イオン濃度を測定するためのイオン選択性電極;ナトリウムイオン、カリウムイオン等の陽イオン濃度を測定するためのイオン選択性電極などの電極に適用できる。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の陽イオン濃度を測定するためのイオン選択性電極への適用が好適である。
本発明の一態様であるイオン選択性電極が適用される具体的な態様の一例としては、イオン濃度を測定するための試験片が挙げられる。イオン濃度を測定する測定用試料としては、血液、尿、唾液、髄液、汗等の生体試料などが挙げられる。
<試験片>
次に、本発明の一態様である試験片について説明する。本発明の一態様である試験片は、前述の本発明の一態様であるイオン選択電極を備える。以下、本発明の一態様である試験片の好ましい一態様として、バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤を含むイオン選択膜と、内部電極(試料用電極および参照用電極)とを備える試験片について、図面を参照して説明する。なお、本発明の一態様である試験片は、図面で説明されるものに限定されるものではない。
図1Aは、本発明の一態様である試験片を表す分解図を示している。また、図2Aは、本発明の一態様である試験片を表す斜視図であり、参照液と試料液とを注入した状態を説明する図である。図2Bは、本発明の一態様である試験片を表す斜視図であり、分析装置に備えられたプローブと接続した状態を説明する図を表す。
図1A、図2Aおよび図2Bに示す試験片100は、試料液(例えば、血液、尿、唾液、髄液、及び汗の生体試料、並びに、生体試料の調整液)中のイオン種(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及び塩化物イオン)のイオン濃度を測定するために用いられるものである。試験片100は、試料液中のイオン濃度を、イオン濃度が既知である参照液との間で生じる電位差によって、定量的に測定できるように構成されている。
図1A、図2Aおよび図2Bに示す試験片100は、3層構造で形成されている。試験片100は、基板2と、基板2上に形成されるレジスト3と、レジスト3上に形成されるカバー4とを有する。そして、試験片100は、3種類のイオンについての電位差を測定できるような構造を有している。
図1Aに示すように、基板2は、樹脂材料(例えば、ポリエステル)により長矩形状に形成されている。この基板2上には、6つの内部電極が形成されている。6つの内部電極は、3つの試料液用電極20A〜試料液用電極20Cおよび3つの参照液用電極20D〜参照液用電極20Fにより形成されている。試料液用電極20A〜試料液用電極20Cおよび参照液用電極20D〜参照液用電極20Fは、例えば、銀ペースト、銀/塩化銀ペースト等を用いた印刷の手法、および蒸着スパッタの手法などにより一括して形成することができる。
試料液用電極20A〜試料液用電極20Cは、端子部21A〜端子部21Cと、受液部22A〜受液部22Cとを、それぞれ有している。また、参照液用電極20D〜参照液用電極20Fは、端子部21D〜端子部21Fと、受液部22D〜受液部22Fとを、それぞれ有している。
試料液用電極20A〜試料液用電極20Cは、端子部21A〜端子部21Cおよび受液部22A〜受液部22Cとの間を、それぞれ接続する導体配線部23A〜導体配線部23Cを有している。また、参照液用電極20D〜参照液用電極20Fは、端子部21D〜端子部21Fおよび受液部22D〜受液部22Fとの間を、それぞれ接続する導体配線部23D〜導体配線部23Fを有している。
端子部21A〜端子部21Cおよび端子部21D〜端子部21Fは、それぞれ基板2の端部に配置されている。一方、受液部22A〜受液部22Cおよび受液部22D〜受液部22Fは、それぞれ基板2の中央部に配置されている。端子部21A〜端子部21Cは、導体配線部23A〜導体配線部23Cを介して、受液部22A〜受液部22Cと、それぞれ接続されている。また、端子部21D〜端子部21Fは、導体配線部23D〜導体配線部23Fを介して、受液部22D〜受液部22Fと、それぞれ接続されている。そのため、受液部22A及び受液部22D、受液部22B及び受液部22E、受液部22C及び受液部22Fの間に生じた電位差は、端子部21A〜端子部21Cおよび端子部21D〜端子部21Fを利用して測定されるようになっている。
図1A、図2Aおよび図2Bに示すレジスト3は、上層レジスト3Aおよび下層レジスト3Bの2層で形成されている。
図1Aに示すように、レジスト3は、端子部21A〜端子部21Cのそれぞれに対応した部位に形成された貫通孔30A〜貫通孔30Cを有しており、端子部21D〜端子部21Fのそれぞれに対応した部位に形成された貫通孔30D〜貫通孔30Fを有している。レジスト3の下層レジスト3Bには、受液部22A〜受液部22Cのそれぞれに対応した部位に形成された連絡孔31A〜連絡孔31Cを有しており、受液部22D〜受液部22Fに対応した部位に形成された連絡孔31D〜連絡孔31Fを有している。連絡孔31A〜連絡孔31Cおよび連絡孔31D〜連絡孔31Fには、特定のイオン種を選択的に透過させるためのイオン選択膜32A〜イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32D〜イオン選択膜32Fが保持されている。なお、イオン選択膜32A〜イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32D〜イオン選択膜32Fを有する部分が、本発明の一態様であるイオン選択性電極に対応するものである。
ここで、図1Aに示す試験片100において、イオン選択性電極に対応する部分の要部を図1Bに示す。図1Bは、図1Aに示す試験片のうち、本発明の一態様であるイオン選択性電極に対応する部分を示す模式図である。イオン選択性電極110は、イオン選択膜32A〜イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32D〜イオン選択膜32Fを有している。イオン選択性電極110は、さらに、試料液用電極20A〜試料液用電極20Cおよび参照液用電極20D〜参照液用電極20Fを有している。
図1A、図2Aおよび図2Bに示す試験片100では、図1Aに示すように、イオン選択膜32Aおよびイオン選択膜32Dが、カリウムイオンを選択的に透過させるように形成されている。また、イオン選択膜32Bおよびイオン選択膜32Eが、塩化物イオンを選択的に透過させるように形成されている。さらに、イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32Fが、ナトリウムイオンを選択的に透過させるように形成されている。
これらのイオン選択膜32A〜イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32D〜イオン選択膜32Fは、前述のイオン選択膜形成用の液膜樹脂組成物を、連絡孔31A〜連絡孔31Cおよび連絡孔31D〜連絡孔31Fに塗布して塗布膜を形成する。その後、乾燥させることにより、イオン選択膜32A〜イオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32D〜イオン選択膜32Fが形成される。つまり、連絡孔31A〜連絡孔31Fは、受液部22A〜受液部22Fに対応して設けられているため、イオン選択膜32A〜イオン選択膜32Fは、受液部22A〜受液部22F上に形成される。なお、同時再現性向上のために、イオン選択膜32Aおよびイオン選択膜32D、並びにイオン選択膜32Cおよびイオン選択膜32Fの陽イオン選択膜は、それぞれ、前述のイオン選択膜形成用の液膜樹脂組成物で形成されていることが好ましい。
図1Aに示すように、上層レジスト3Aには、中央部に、液保持孔33Aおよび液保持孔33Dが形成されている。液保持孔33Aは、試料液を保持するためのものであり、液保持孔33Dは、参照液を保持するためのものである。液保持孔33Aおよび液保持孔33Dは、切欠34を介して相互に接続されている。この切欠34には、イオンの移動を許容するブリッジ35が配置されている。このブリッジ35により、液保持孔33Aに試料液を保持させるとともに、液保持孔33Dに参照液を保持させた場合に、これらの液が短絡する。
上層レジスト3Aおよび下層レジスト3Bは、例えば、マスクを利用して基板2上に、紫外線硬化型樹脂等の硬化性樹脂を印刷した後に、紫外線照射によって、硬化性樹脂を硬化させることにより形成される。上層レジスト3Aと下層レジスト3Bとは、異なるマスクを用いて形成される。上層レジスト3Aおよび下層レジスト3Bは、目的とする厚みとなるように、複数回を繰り返して形成してもよい。
図1A、図2Aおよび図2Bに示す試験片100のカバー4には、試料液Sを供給するための受液口40Sおよび参照液Rを供給するための受液口40R、並びに空気抜き穴41が形成されている。図2Aに示すように、受液口40Sは、液保持孔33Aに試料液Sを供給するために設けられており、受液口40Rは、液保持孔33Dに参照液Rを供給するために設けられている。一方、空気抜き穴41は、液保持孔33Aおよび液保持孔33Dと、カバー4によって形成される空間内の空気を排出するために設けられている。カバー4には、端子部21A〜端子部21Cに対応した部位に貫通孔42A〜貫通孔42Cが形成され、端子部21D〜端子部21Fに対応した部位に貫通孔42D〜貫通孔42Fが形成されている。
すなわち、端子部21A〜端子部21Cは、レジスト3及びカバー4に形成された貫通孔30A〜貫通孔30C、並びに貫通孔42A〜貫通孔42Cを介して、それぞれ外部に露出している。同様に、端子部21D〜端子部21Fは、レジスト3及びカバー4に形成された貫通孔30D〜貫通孔30F、並びに貫通孔42D〜貫通孔42Fを介して、それぞれ外部に露出している。したがって、図2Bに示すように、端子部21A〜端子部21Cは、貫通孔30A〜貫通孔30C及び貫通孔42A〜貫通孔42Cを通って、電位差測定用の仮想線で表されるプローブP2、プローブP4、及びプローブP6と、それぞれ接触させることができる。同様に、端子部21D〜端子部21Fは、貫通孔30D〜貫通孔30Fおよび貫通孔42D〜貫通孔42Fを通って、電位差測定用の仮想線で表されるプローブP1、プローブP3、及びプローブP5と、それぞれ接触させることができる。
図2Aに示すように、試料液Sおよび参照液Rは、仮想線で表すように供給される。試験片100に試料液Sおよび参照液Rが供給されると、空気抜き穴41から空気が排出される。試験片100の受液口40Sから供給された試料液Sは、液保持孔33Aに充填され、受液口40Rから参照液Rを供給した参照液Rは、液保持孔33Dに充填される。そして、液保持孔33Aに充填された試料液Sおよび液保持孔33Dに充填された参照液Rは、ブリッジ35を介して短絡される。
試料液Sのうち、カリウムイオンが、イオン選択膜32Aを選択的に、塩化物イオンが、イオン選択膜32Bを選択的に、ナトリウムイオンが、イオン選択膜32Cを選択的にそれぞれ透過する。その結果、受液部22Aにはカリウムイオンが、受液部22Bには塩化物イオンが、受液部22Cにはナトリウムイオンが、それぞれ到達する。同様に、参照液Rのうち、カリウムイオンが、イオン選択膜32Dを選択的に、塩化物イオンが、イオン選択膜32Eを選択的に、ナトリウムイオンが、イオン選択膜32Fを選択的にそれぞれ透過する。その結果、受液部22Dにはカリウムイオンが、受液部22Eには塩化物イオンが、受液部22Fにはナトリウムイオンがそれぞれ到達する。このとき、試料液Sと参照液Rとの間が短絡されているため、受液部22Aおよび受液部22D、受液部22Bおよび受液部22E、受液部22Cおよび受液部22Fの間には、イオン濃度の差に起因した電位差が生じる。これらの生じた電位差は、試験片100を、例えば、後述する分析装置に装着することにより測定することができる。
<分析装置>
次に、本発明の一態様である分析装置について説明する。本発明の一態様である分析装置は、本発明の一態様である試験片を装着する試験片装着部と、分析装置本体とを備える。
以下、本発明の一態様である分析装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明の一態様である分析装置は、図面で説明されるものに限定されるものではない。
図3は、図1A、図2Aおよび図2Bに示す試験片100を装着する分析装置を表す斜視図である。分析装置200は、試験片100を装着して使用され、測定された電位差に基づいて、イオン濃度が演算される装置である。分析装置は、分析装置本体202と、分析装置本体202に設けられた試験片装着部204とを備える。分析装置本体202の内部には、図示しない電位差測定回路と、試験片100の端子部21A〜端子部21Cおよび端子部21D〜端子部21Fのそれぞれと接着させるためのプローブP1〜プローブP6(図2B参照)とを備えている。そして、プローブP1〜プローブP6は、プローブP1およびプローブP2、プローブP3およびプローブP4、プローブP5およびプローブP6を一対としており、各対が電位差測定回路に接続されている。また、試験片装着部204は、試験片100が装着可能なように備えられており、分析装置本体202の内部にスライド可能なように形成されている。
試験片100を、試験片装着部204に装着し、試験片100の受液口40Sに試料液Sを供給し、受液口40Rに参照液Rを供給する。試料液Sおよび参照液Rを供給した後、試験片100を試験片装着部204とともに、分析装置本体202の内部にスライドさせる。分析装置本体202の内部にスライドされた試験片100は、端子部21A〜端子部21Fと、これら端子部のそれぞれに対応したプローブP1〜プローブP6とが接触する。プローブP1〜プローブP6と接触した試験片100は、予め定められた温度(例えば、37℃)に制御されて、電位差の測定が開始される。
受液部22Aおよび受液部22Dの間で生じる電位差は、例えば、端子部21AにプローブP2、および端子部21DにプローブP1を接触させ、プローブP1およびプローブP2に接続された電位差測定回路において測定することができる。同様に、受液部22Bおよび22Eの間で生じる電位差は、プローブP3およびプローブP4に接続された電位差測定回路によって測定することができる。受液部22Cおよび受液部22Fの間で生じる電位差は、プローブP5およびプローブP6に接続された電位差測定回路によって測定することができる。
特定のイオンの濃度演算は、電位差の測定値に基づいて、例えば、演算用のプログラムを実行することによって行われる。演算用のプログラムは、例えば、ネルンストの式に基づいて作成された検量線に対して測定値が代入され、イオン濃度が演算されるように作成されている。
次に、本発明の一態様を以下の実施例に基づき説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、ナトリウムイオン選択膜(Naイオン選択膜)、カリウムイオン選択膜(Kイオン選択膜)を形成するための誘電剤未添加の液膜樹脂組成物を調製した。Naイオン選択膜及びKイオン選択膜を形成するための液膜樹脂組成物は、それぞれのイオン選択膜の固形分に対する量として、各材料の含有量が前述の範囲となるように調製した。なお、Naイオン選択膜及びKイオン選択膜を形成するための液膜樹脂組成物に用いた各材料は以下のとおりである。
次に、これらの液膜樹脂組成物に対して、イオン選択膜固形分に対する含有量が表1に示す量となるように、誘電剤としてルチル型の二酸化チタン粒子(TiO:誘電率83)を添加した。このようにして、誘電剤が分散されたナトリウムイオン選択膜およびカリウムイオン選択膜を形成するための液膜樹脂組成物を調製した。
(Naイオン選択膜)
電解質:塩化銀
溶媒:テトラヒドロフラン
バインダ樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
イオノフォア:ビス(12−クラウン−4)
陰イオン排除剤:トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム
可塑剤:2−ニトロフェニルオクチルエーテル
(Kイオン選択膜)
電解質:塩化銀
溶媒:テトラヒドロフラン
バインダ樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
イオノフォア:ビス(15−クラウン−5)
陰イオン排除剤:トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸カリウム
可塑剤:2−ニトロフェニルオクチルエーテル
次に、図1A、図2A及び図2Bに示した構造と同様の構造となるように、試験片を、以下の手順で作製した。まず、試料液用電極および参照液用電極として、マスク(200メッシュ、膜厚20μm)を用いて基板上に熱硬化型の銀ペーストを印刷した。次に、印刷した基板を加熱して、樹脂成分を硬化させた。下層レジストは、マスク(300メッシュ、膜厚40μm)を用いて基板上に紫外線硬化型レジストを印刷し、6kWの出力で紫外線を5秒間照射した。紫外線硬化型レジストの印刷および紫外線照射の操作を、合計3回繰り返し、厚みが50μmとなるように下層レジストを形成した。連絡孔の径は3.2mmとした。また、上層レジストは、マスクを変えて、下層レジストと同様の手法により厚みが50μmとなるように形成した。レジストの形成後は、受液部上に塩化銀層を形成した。そして、塩化銀層を形成後に、各連絡孔に、上記の二酸化チタン粒子が分散した各イオン選択膜形成用の液膜樹脂組成物を注入して塗布し、乾燥させた。このようにして、二酸化チタン粒子が分散したナトリウムイオン選択膜を有するイオン選択性電極と、二酸化チタン粒子が分散したカリウムイオン選択膜を有するイオン選択性電極とを備えた試験片を作製した。なお、試験片に設ける塩化物イオン選択膜は、公知の塩化物イオン選択膜形成用液膜樹脂組成物を用いた。
<比較例1>
実施例1で調製した誘電剤未添加の液膜樹脂組成物を用い、誘電剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして、試験片を作製した。
<実施例2および3、比較例2>
実施例1で調製した二酸化チタン粒子を分散させた液膜樹脂組成物に代えて、イオン選択膜固形分に対する含有量が表1に示す量となるように、実施例1と同様に手順で作製した酸化ハフニウム粒子(誘電率25)を分散させた液膜樹脂組成物を調製した(実施例2)。また、実施例1で調製した二酸化チタン粒子を分散させた液膜樹脂組成物に代えて、イオン選択膜固形分に対する含有量が表1に示す量となるように、実施例1と同様に手順で作製した酸化ジルコニウム粒子(誘電率30)を分散させた液膜樹脂組成物を調製した(実施例3)。さらに、実施例1で調製した二酸化チタン粒子を分散させた液膜樹脂組成物に代えて、イオン選択膜固形分に対する含有量が表1に示す量となるように、実施例1と同様に手順で作製した酸化鉄粒子(誘電率1.4)を分散させた液膜樹脂組成物を調製した(比較例2)。
そして、実施例2および実施例3、並びに比較例2で調製した各液膜樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、各試験片を作製した。
(電位差の測定)
電位差の測定は、次のようにして行った。分析装置(アークレイ株式会社製、電極式電解質測定装置「スポットケムEL」改造機)に、各例で得られた試験片を装着した。そして、試料液として標準血清を用い、従来の試験片(E−Plate、アークレイ株式会社製)に同梱されている参照液を用いて、試料液および参照液を試験片の供給孔に供給することより行った。測定結果を図4〜図7に示す。図4〜図7に示す結果は、同一の材料液を用いて作成された試験片について個別に測定した電位差を、タイムコースとして示すものである。タイムコースの収束が優れるほど、同時再現性に優れることを表す。
図4〜図6は、各実施例で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。また、図7は、各比較例で得られた試験片を用いて試料液を分析した結果を表すグラフである。図4〜図7において、上段は、Naイオンの測定結果を示し、下段は、Kイオンの測定結果を示す。また、誘電剤の添加量が示す%は、質量%である。
図7に示すように、比較例2は、比較例1の結果に比べ、タイムコースの収束が同等または劣位であることが分かる。つまり、比較例2から、誘電率が10未満の誘電剤を含むイオン選択膜を用いた場合には、同時再現性を向上する効果が見られないことがわかる。
一方、図4〜図6に示す結果から、各実施例は、タイムコースの収束が良好であることが分かる。つまり、誘電率が10以上の誘電剤を用いることで、同時再現性が向上していることがわかる。
したがって、これらの結果から、誘電率が10以上である誘電剤を含むイオン選択膜を有するイオン選択性電極とすることで、同時再現性が優れることがわかる。特に、誘電剤の誘電率は、実施例1〜3の結果から25以上であることが好ましく、実施例1が最も同時再現性が優れることから50以上であることがより好ましいことがわかった。
20A〜20C 試料液用電極(内部電極の一例)、20D〜20F 参照液用電極(内部電極の一例)、21A〜21F 端子部、22A〜22F 受液部、32A〜32F イオン選択膜、R 参照液、S 試料液、100 試験片、200 分析装置、202 分析装置本体、204 試験片装着部、110 イオン選択性電極

Claims (12)

  1. バインダ樹脂、イオノフォア、及び誘電率が10以上である誘電剤を含むイオン選択膜を有するイオン選択性電極。
  2. 前記誘電剤が、固体状である請求項1に記載のイオン選択性電極。
  3. 前記誘電剤が、炭素材料および金属酸化物の少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載のイオン選択性電極。
  4. 前記誘電剤が、粒子状である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  5. 前記誘電剤が、チタン酸バリウム、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ハフニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  6. 前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜10質量%である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  7. 前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜8質量%である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  8. 前記誘電剤が、二酸化チタンを含み、前記誘電剤の含有量が、イオン選択膜固形分に対し、2質量%〜8質量%である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  9. 前記イオン選択膜が、陽イオン選択膜である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のイオン選択性電極。
  10. 前記陽イオン選択膜が、ナトリウムイオン選択膜、又はカリウムイオン選択膜である請求項9に記載のイオン選択性電極。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のイオン選択性電極を備える試験片。
  12. 請求項11に記載の試験片を装着する試験片装着部と、
    分析装置本体と、
    を備える分析装置。
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