JP2019138364A - 自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 - Google Patents

自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際に油圧異常が発生する前に異常診断できるようにする。【解決手段】コントローラ12は、所定時間後においてプライマリプーリ21に供給される油圧の推定油圧を演算し、油圧センサ48で検出した実圧と演算した推定油圧とに基づいて推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量を演算し、演算した演算誤差の補正量に基づいて自動変速機4の異常診断を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機の制御装置及び自動変速機の制御方法に関する。
特許文献1には、油圧応動部材に供給される油圧の実圧と指示圧とに基づいて自動変速機の油圧異常を診断する技術が開示されている。
特開2004−125104号公報
上記の技術では、実圧が低下したことに基づいて異常診断が行われる。つまり、実際に実圧が低下しなければ異常と判定されない。しかしながら、実際に異常が発生してからではなく、異常が発生する前に予防的に異常診断できるようにしたいという要望がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、実際に油圧異常が発生する前に異常診断できるようにすることを目的とする。
本発明のある態様によれば、供給される油圧に応じて作動する変速制御用の油圧応動部材と、前記油圧応動部材に供給される油圧の実圧を検出する油圧センサと、を備える自動変速機の制御装置であって、所定時間後において前記油圧応動部材に供給される油圧の推定油圧を演算する油圧演算手段と、前記油圧センサで検出した前記実圧と前記油圧演算手段で演算した前記推定油圧とに基づいて前記油圧演算手段の演算誤差の補正量を演算する補正量演算手段と、前記補正量演算手段で演算した前記補正量に基づいて前記自動変速機の異常診断を行う診断手段と、を有することを特徴とする自動変速機の制御装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、供給される油圧に応じて作動する変速制御用の油圧応動部材と、前記油圧応動部材に供給される油圧の実圧を検出する油圧センサと、を備える自動変速機の制御方法であって、所定時間後において前記油圧応動部材に供給される油圧の推定油圧を演算し、前記油圧センサで検出した前記実圧と演算した前記推定油圧とに基づいて前記推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量を演算し、演算した前記補正量に基づいて前記自動変速機の異常診断を行う、ことを特徴とする自動変速機の制御方法が提供される。
これらの態様では、推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量に基づいて自動変速機の異常診断が行われる。これによれば、実際に油圧異常が発生する前に異常診断できる。
本発明の実施形態に係るコントローラが適用される車両の概略図である。 コントローラの内部構成を示す図である。 油圧制御回路を示す図である。 流量推定処理を示すフローチャートである。 レギュレータ弁を示す模式図である。 異常診断処理を示すフローチャートである。 異常診断処理の変形例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るコントローラ12が適用される車両の概略図である。車両は動力源としてエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、トルクコンバータ2、第1ギヤ列3、自動変速機4、第2ギヤ列5、差動装置6を介して駆動輪7へと伝達される。
トルクコンバータ2は、ロックアップクラッチ2aを備える。ロックアップクラッチ2aが締結されると、トルクコンバータ2における滑りがなくなり、トルクコンバータ2の伝達効率を向上させることができる。
また、車両には、エンジン1の動力の一部を利用して駆動されるオイルポンプ10と、オイルポンプ10から供給される作動油の圧力を調圧して自動変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、制御装置としてのコントローラ12と、が設けられている。
自動変速機4は、バリエータ20と、バリエータ20に対して直列に設けられる副変速機構30と、を備えた無段変速機である。「直列に設けられる」とは、エンジン1から駆動輪7に至るまでの動力伝達経路において、バリエータ20と副変速機構30とが直列に設けられるという意味である。本実施形態では、副変速機構30がバリエータ20の出力側に設けられているが、副変速機構30は入力側に設けられていてもよい。
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるベルト23とを備えた無段変速機構である。プーリ21、22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダとを備える。
プーリ21、22は、供給される油圧によって作動する油圧応動部材である。プーリ21、22に供給される油圧(プライマリ圧Ppri及びセカンダリ圧Psec)を調整すると、プーリ21、22がベルト23を挟持する力が変化してバリエータ20のトルク容量(伝達可能な最大トルク)が変化し、また、V溝の幅が変化してベルト23と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
副変速機構30は前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とを備える。摩擦締結要素32〜34は、供給される油圧によって作動する油圧応動部材である。摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、摩擦締結要素32〜34の締結状態を変更することによって、副変速機構30の変速段が変更される。
具体的には、Lowブレーキ32を締結し、Highクラッチ33とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速となる。Highクラッチ33を締結し、Lowブレーキ32とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。また、Revブレーキ34を締結し、Lowブレーキ32とHighクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進となる。
各変速段で締結される摩擦締結要素によって伝達することのできるトルクは、油圧制御回路11から摩擦締結要素32〜34に供給される油圧によって決定される。
コントローラ12は、エンジン1及び自動変速機4を制御する統合コントローラであり、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125と、から構成される。コントローラ12を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
入力インターフェース123には、アクセルペダルの操作量を表すアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ41の出力信号、自動変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度)を検出する回転速度センサ42の出力信号、車速VSPを検出する車速センサ43の出力信号、自動変速機4の油温を検出する油温センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、ライン圧Pplを検出する油圧センサ46の出力信号、ブレーキペダルが踏み込まれていることを検出するブレーキスイッチ47の出力信号、プライマリ圧Ppriを検出する油圧センサ48の出力信号、セカンダリ圧Psecを検出する油圧センサ49の出力信号、摩擦締結要素32に供給される油圧を検出する油圧センサ(図示せず)の出力信号、摩擦締結要素33に供給される油圧を検出する油圧センサ(図示せず)の出力信号、摩擦締結要素34に供給される油圧を検出する油圧センサ(図示せず)の出力信号、等が入力される。
記憶装置122には、エンジン1の制御プログラム、自動変速機4の変速制御プログラム、この変速制御プログラムで用いる変速マップが格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されているプログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して、燃料噴射信号、点火時期信号、スロットル開度信号、変速制御信号を生成し、生成した各種信号を出力インターフェース124を介してエンジン1及び油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
油圧制御回路11は、コントローラ12からの制御信号に基づき、複数の圧力制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにオイルポンプ10から供給された作動油の圧力を調圧して必要な油圧を生成し、これを自動変速機4の各部位に供給する。
油圧制御回路11は、図3に示すように、複数の油路、複数の圧力制御弁(レギュレータ弁50、ソレノイド弁51〜53、コントロール弁54、ロックアップソレノイド弁55、トルクコンバータレギュレータ弁58)を備える。ライン圧油路11aにはオイルポンプ10が接続されており、オイルポンプ10から作動油が供給される。
ライン圧油路11aには、レギュレータ弁50が設けられる。レギュレータ弁50は、オイルポンプ10から供給された作動油の圧力を調圧してライン圧Pplを生成する。ライン圧Pplは、各プーリ21、22、摩擦締結要素32〜34に供給される。
プライマリプーリ21には、ライン圧Pplを元圧としてソレノイド弁51によって調圧された油圧(プライマリ圧Ppri)が供給される。同様に、セカンダリプーリ22には、ソレノイド弁52によって調圧された油圧(セカンダリ圧Psec)が供給され、摩擦締結要素32〜34には、ソレノイド弁53によって調圧された油圧が供給される。
これにより、バリエータ20の変速、副変速機構30の変速段の変更、摩擦締結要素32〜34の容量制御が行われる。
レギュレータ弁50の下流側であるコンバータ圧油路11bには、トルクコンバータレギュレータ弁58で生成されたコンバータ圧Ptcが供給される。
コンバータ圧油路11bには、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aにアプライ圧Pa及びレリーズ圧Prを供給するコントロール弁54と、アプライ圧Paとレリーズ圧Prとの差圧を制御するためのロックアップ圧Psをコントロール弁54に供給するロックアップソレノイド弁55が設けられる。ライン圧油路11aとコンバータ圧油路11bとは、オリフィス56を備えるバイパス路11cにより連通している。
ロックアップクラッチ2aは、レリーズ圧Prがアプライ圧Paよりも高い状態になると解放され、アプライ圧Paがレリーズ圧Prよりも高い状態になると締結される。
ロックアップソレノイド弁55は、2方ソレノイドであって、非通電時にはコンバータ圧油路11bに接続されるドレン回路11dを解放して、作動油をリザーバ57に排出する。また、通電時にはドレン回路11dを遮断する方向に作動して、コンバータ圧Ptcを元圧としてロックアップ圧Psを生成し、これをコントロール弁54に供給する。
また、コントローラ12は、バリエータ20及び副変速機構30の変速制御を行う際に各圧力制御弁を流れることになる作動油の流量を推定し、推定した流量に基づいてソレノイド弁51〜53の補正電流を算出する。
これは、変速制御を行う際に必要となる作動油の量がオイルポンプ10から供給される作動油の量よりも多い場合は、バリエータ20及び副変速機構30の変速を適切に行うことができないからである。
以下、コントローラ12が実行する圧力制御弁の流量推定処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
なお、以下の説明では図5に示すレギュレータ弁50の流量を推定する場合を例として説明するが、他の圧力制御弁の流量も同様に推定することができる。コントローラ12は、油圧制御回路11に設けられた全ての圧力制御弁について流量を推定することで、油圧制御回路11全体の流量を予測する。
ステップS1では、コントローラ12は、所定時間としての離散時間t(i)後の目標ライン圧Pplrqを用いて、離散時間t(i)後のレギュレータ弁50の推定開口面積A(i)を演算する。
レギュレータ弁50の流量は、式(1):
Figure 2019138364
により算出することができる。Qregはレギュレータ弁50を流れる作動油の流量、Aはレギュレータ弁50の開口面積、Cdは流量係数、ρは流体密度を示す。
また、レギュレータ弁50による圧力変化は、式(2):
Figure 2019138364
により算出することができる。Qopはオイルポンプ10から供給される作動油の流量、Qtmはバリエータ20等に供給される作動油の流量、Bは体積弾性係数を示す。Qopは既知である。
体積弾性係数Bは、作動油の温度や空気含有率に基づいて設定される。作動油の温度と空気含有率との一方のみに基づいて体積弾性係数Bを設定してもよいが、作動油の温度と空気含有率との両方に基づいて設定することで、体積弾性係数Bの精度をより向上させることができる。体積弾性係数Bは、例えば、マップを参照して設定される。
コントローラ12は、変速制御を実行する際にレギュレータ弁50を制御してライン圧Pplを調圧する。ここで、圧力制御弁の特性によりΔt時間後のライン圧Pplは目標油圧になるので、離散時間t(i)、目標ライン圧Pplrq(i)を導入すると、式(2−2):
Figure 2019138364
が導かれる。
また、式(2)は、Qtmの前回の流量を用いることで、式(2−3):
Figure 2019138364
となる。
ここで、式(2−2)と式(2−3)の関係は式(2−4):
Figure 2019138364
である。
よって、式(2−2)と式(2−3)から式(3):
Figure 2019138364
が導かれる。
式(3)より、Qreg(i)は式(3−2):
Figure 2019138364
となる。
式(1)から、開口面積Aは式(1−2):
Figure 2019138364
となる。
式(1−2)と式(3−2)から式(4):
Figure 2019138364
が導かれる。
ステップS2では、コントローラ12は、式(4)より求めた推定開口面積A(i)の演算値(以下、演算開口面積という。)がレギュレータ弁50の最大開口面積よりも大きいか判定する。最大開口面積は開口面積Aの上限値であって、設計的に定まる。
コントローラ12は、演算開口面積が最大開口面積よりも大きいと判定すると、推定開口面積A(i)として最大開口面積を採用して以降の演算を行う(ステップS3)。また、演算開口面積が最大開口面積以下と判定すると、推定開口面積A(i)として演算開口面積を採用して以降の演算を行う(ステップS4)。
ステップS5では、コントローラ12は、離散時間t(i)後のレギュレータ弁50の推定流量Qreg(i)を演算する。
推定流量Qreg(i)は、式(5):
Figure 2019138364
により算出することができる。
ステップS6では、コントローラ12は、レギュレータ弁50による単位時間当たりの圧力変化量ΔPpl/Δtを演算する。具体的には、式(2−3)により算出することができる。
ステップS7では、コントローラ12は、式(2−3)より求めた圧力変化量ΔPpl/Δtの演算値(以下、演算圧力変化量という。)がレギュレータ弁50の最大圧力変化量よりも大きいか判定する。最大圧力変化量は、例えば、20MPa/sec程度である。なお、最大圧力変化量は圧力制御弁の固有の値であり、実験等により求められる。
コントローラ12は、演算圧力変化量が最大圧力変化量よりも大きいと判定すると、圧力変化量ΔPpl/Δtとして最大圧力変化量を採用して以降の演算を行う(ステップS8)。また、演算圧力変化量が最大圧力変化量以下と判定すると、圧力変化量ΔPpl/Δtとして演算圧力変化量を採用して以降の演算を行う(ステップS9)。
ステップS10では、コントローラ12は、離散時間t(i)後のライン圧Pplの推定油圧である推定ライン圧Ppl(i)を演算する。
推定ライン圧Ppl(i)は、式(6):
Figure 2019138364
により算出することができる。
このように、本実施形態では、離散時間t(i)後における圧力制御弁の推定流量を求めることができる。また、推定流量を求めるとともに、離散時間t(i)後における圧力制御弁の推定油圧も求めることができる。
ところで、推定油圧には、圧力制御弁をモデル化したことによる演算誤差(モデル化誤差)が含まれる。モデルは自動変速機4が新品の状態に適合しているので、自動変速機4の各部の劣化等により演算誤差が増大することになる。よって、コントローラ12は、推定油圧と実圧とに基づいて、推定油圧を演算する際の演算誤差を補正する。なお、自動変速機4の劣化要因としては、例えば、シール部材の硬化や摩耗による作動油のリーク増大やオイルポンプ10の性能低下等が考えられる。
ここで、演算誤差が増大して演算誤差の補正係数(補正量)が増加するということは、自動変速機4の劣化が進んだということを意味する。そこで、コントローラ12は、推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量に基づいて自動変速機4の異常診断を行う。つまり、コントローラ12は、異常診断装置としての機能を有する。
以下、図6に示すフローチャートを参照しながら、コントローラ12が実行する異常診断処理について、プライマリプーリ21を例として説明する
ステップS11では、コントローラ12は、過去に演算したプライマリ圧Ppriの推定油圧である推定プライマリ圧Ppri(i)(以下、演算プライマリ圧という。)の時系列データに平滑化処理等のフィルタ処理を施した値と、過去に油圧センサ48で検出したプライマリ圧Ppriの実圧(以下、実プライマリ圧という。)の時系列データに平滑化処理等のフィルタ処理を施した値と、の差分に基づいて、次回の推定プライマリ圧Ppri(i)の演算時に用いる補正係数を演算する。なお、過去の演算プライマリ圧、実プライマリ圧、及び補正係数は、記憶装置122に適宜格納されている。
本実施形態では、具体的には、車両のトリップ中の実プライマリ圧の平均値及び演算プライマリ圧の平均値をイグニッションオフ時に記憶装置122に記憶しておき、過去の複数回のトリップで記憶した時系列データから演算プライマリ圧の移動平均値及び実プライマリ圧の移動平均値を求めている。なお、フィルタ処理としては既知の様々な手法を利用可能である。
ステップS12では、コントローラ12は、演算した補正係数が所定値よりも大きいか判定する。所定値は、補正係数が所定値よりも大きくなると自動変速機4の劣化が一定程度進んだ状態と考えられる値である。
コントローラ12は、演算した補正係数が所定値よりも大きい場合は、自動変速機4が異常であると判定する(ステップS16)。また、演算した補正係数が所定値以下の場合は、処理をステップS13に移行する。
ステップS13では、コントローラ12は、過去に演算した補正係数のうち直近の所定数の補正係数と今回演算した補正係数とから一次近似線の傾きを算出し、さらに、前回算出した傾きからの変化率を演算する。
ステップS14では、コントローラ12は、演算した傾きの変化率が所定変化率よりも大きいか判定する。所定変化率は、演算した傾きの変化率が所定変化率よりも大きい場合に、自動変速機4の劣化状態が急激に変化したと考えられる値である。つまり、演算した傾きの変化率が所定変化率よりも大きい場合は、通常の経年劣化ではない異常劣化が発生していると推測される。
コントローラ12は、演算した傾きの変化率が所定変化率よりも大きい場合は、自動変速機4が異常であると判定する(ステップS16)。また、演算した傾きの変化率が所定変化率以下の場合は、自動変速機4が正常であると判定する(ステップS15)。
このように、コントローラ12は、推定プライマリ圧Ppri(i)を演算する際の演算誤差の補正量に基づいて自動変速機4の異常診断を行う。これによれば、実際に油圧異常が発生する前に自動変速機4の異常診断を行うことができる。
つまり、発生した異常劣化により自動変速機4の劣化が急激に進み、実際にプライマリ圧Ppriの実圧が低下して異常状態になる前に予防的に異常判定をすることで、異常発生前に必要なメンテナンスを行うことが可能となり、修理費用も抑制できる。
また、図6に示す異常診断処理では、演算プライマリ圧の時系列データにフィルタ処理を施した値と、実プライマリ圧の時系列データにフィルタ処理を施した値と、を用いて自動変速機4の異常診断を行っている。これによれば、短期的な実プライマリ圧の変化や演算プライマリ圧の変化の影響を排除できるので、異常診断の精度を向上させることができる。
なお、上述したようなフィルタ処理を用いずに異常診断を行ってもよい。この場合は、図7に変形例として示す異常診断処理の手順で異常診断を行うことで、異常診断の精度を向上させることができる。以下、図7を参照しながら詳しく説明する。
ステップS21では、コントローラ12は、自動変速機4への入力トルクの変化量が所定の変化量よりも大きいか判定する。
コントローラ12は、自動変速機4への入力トルクの変化量が所定の変化量よりも大きい場合は、実プライマリ圧とプライマリ圧Ppriの指示圧とに基づいて自動変速機4の異常診断を行う(ステップS24)。また、自動変速機4への入力トルクの変化量が所定の変化量以下の場合は、処理をステップS22に移行する。
ステップS22では、コントローラ12は、油温センサ44で検出した油温が所定温度よりも低いか判定する。
コントローラ12は、油温センサ44で検出した油温が所定温度よりも低い場合は、実プライマリ圧とプライマリ圧Ppriの指示圧とに基づいて自動変速機4の異常診断を行う(ステップS24)。また、油温センサ44で検出した油温が所定温度以上の場合は、処理をステップS23に移行する。
ステップS23では、コントローラ12は、実プライマリ圧と演算プライマリ圧との差分に基づいて、次回の推定プライマリ圧Ppri(i)の演算時に用いる補正係数を演算する。
ステップS25では、コントローラ12は、演算した補正係数が所定値よりも大きいか判定する。
コントローラ12は、演算した補正係数が所定値よりも大きい場合は、図6のステップS16と同様に、自動変速機4が異常であると判定する(ステップS27)。また、演算した補正係数が所定値以下の場合は、自動変速機4が正常であると判定する(ステップS26)。
これによれば、入力トルクの変化や作動油の粘性の影響で実圧が不安定になる状態、すなわち、油圧の推定精度が悪化する状態では、推定油圧に基づく異常診断を行わないので、誤判定することを防止できる。よって、異常診断の精度を向上させることができる。
以上述べたように、本実施形態では、コントローラ12は、離散時間t(i)後においてプライマリプーリ21に供給される油圧の推定プライマリ圧Ppri(i)を演算し、油圧センサ48で検出した実圧と演算した推定プライマリ圧Ppri(i)とに基づいて演算誤差の補正係数を演算し、演算した演算誤差の補正係数に基づいて自動変速機4の異常診断を行う。
これによれば、推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量に基づいて自動変速機4の異常診断が行われる。よって、発生した異常劣化により自動変速機4の劣化が急激に進み、実際に油圧異常が発生する前に異常診断できる。実際に実圧が低下して異常状態になる前に予防的に異常判定をすることで、異常発生前に必要なメンテナンスを行うことが可能となり、修理費用も抑制できる(請求項1、4に対応する効果)。
また、コントローラ12は、油圧センサ48で検出したプライマリ圧Ppriの実圧の時系列データをフィルタ処理した値と、演算した推定プライマリ圧Ppri(i)の時系列データをフィルタ処理した値と、に基づいて演算誤差の補正係数を演算する。
これによれば、短期的な実圧の変化及び推定油圧の変化の影響を排除できるので、異常診断の精度を向上させることができる(請求項2に対応する効果)。
また、コントローラ12は、自動変速機4への入力トルクの変化量が所定量より大きい場合及び作動油の温度が所定温度より低い場合は、油圧センサ48で検出したプライマリ圧Ppriの実圧とプライマリ圧Ppriの指示圧とに基づいて自動変速機4の異常診断を行う。
これによれば、入力トルクの変化や作動油の粘性の影響で実圧が不安定になる状態、すなわち、油圧の推定精度が悪化する状態では、推定油圧に基づく異常診断を行わないので、異常診断することを防止できる(請求項3に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、油圧制御回路11は、圧力制御弁としてレギュレータ弁50、ソレノイド弁51〜53、コントロール弁54、ロックアップソレノイド弁55、及びトルクコンバータレギュレータ弁58を備えている。しかしながら、油圧制御回路11の構成はこれに限られるものではなく、一部の圧力制御弁を備えない構成であってもよいし、他の圧力制御弁を備える構成であってもよい。
また、上記実施形態では、プライマリプーリ21を例として自動変速機4の異常診断について説明したが、他の油圧応動部材、すなわち、セカンダリプーリ22、摩擦締結部材32〜34の場合でも同様である。
また、上記実施形態では、自動変速機4が副変速機構30を備えているが、副変速機構30に代えて前後進切換機構を備えてもよい。前後進切換機構が備える摩擦締結要素も油圧応動部材である。
4 自動変速機
12 コントローラ(制御装置)
21 プライマリプーリ(油圧応動部材)
22 セカンダリプーリ(油圧応動部材)
32 摩擦締結要素(油圧応動部材)
33 摩擦締結要素(油圧応動部材)
34 摩擦締結要素(油圧応動部材)
48 油圧センサ
49 油圧センサ

Claims (4)

  1. 供給される油圧に応じて作動する変速制御用の油圧応動部材と、前記油圧応動部材に供給される油圧の実圧を検出する油圧センサと、を備える自動変速機の制御装置であって、
    所定時間後において前記油圧応動部材に供給される油圧の推定油圧を演算する油圧演算手段と、
    前記油圧センサで検出した前記実圧と前記油圧演算手段で演算した前記推定油圧とに基づいて前記油圧演算手段の演算誤差の補正量を演算する補正量演算手段と、
    前記補正量演算手段で演算した前記補正量に基づいて前記自動変速機の異常診断を行う診断手段と、
    を有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置であって、
    前記補正量演算手段は、前記油圧センサで検出した前記実圧の時系列データをフィルタ処理した値と、前記油圧演算手段で演算した前記推定油圧の時系列データをフィルタ処理した値と、に基づいて前記補正量を演算する、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置であって、
    前記診断手段は、前記自動変速機への入力トルクの変化量が所定量より大きい場合及び作動油の温度が所定温度より低い場合は、前記油圧センサで検出した前記実圧と前記油圧応動部材に供給される油圧の指示圧とに基づいて前記自動変速機の異常診断を行う、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 供給される油圧に応じて作動する変速制御用の油圧応動部材と、前記油圧応動部材に供給される油圧の実圧を検出する油圧センサと、を備える自動変速機の制御方法であって、
    所定時間後において前記油圧応動部材に供給される油圧の推定油圧を演算し、
    前記油圧センサで検出した前記実圧と演算した前記推定油圧とに基づいて前記推定油圧を演算する際の演算誤差の補正量を演算し、
    演算した前記補正量に基づいて前記自動変速機の異常診断を行う、
    ことを特徴とする自動変速機の制御方法。
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