JP2019135215A - モノハロゲノリン酸エステル塩又はリン酸ジエステル塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これまで、モノハロゲノリン酸エステル塩及びリン酸ジエステル塩の製造方法として様々な手法が検討・開発がなされている。
特許文献3ではリン酸ジアリールエステルを原料としてモノハロゲノリン酸エステル塩を製造する方法が記載されている。
アルコール又はフェノール類と、
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基とを反応させる、
下記化学式(1)又は(2)で表される化合物の製造方法を提供するものである。
アルコール又はフェノール類と、
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基とを反応させて、
下記化学式(1)又は(2)で表される化合物を製造するものである。
M1(PO2X2)n + (n/s)M2(B)s/r + nR1OH →
M1{PO2X(OR1)}n + (n/r)HrB + (n/s)M2(X)s ・・(3)
M1(PO2X2)n + (2n/s)M2(B)s/r + (2n)R2OH →
M1{PO2(OR2)2}n + (2n/r)HrB + (2n/s){M2(X)s}・(4)
M1(PO2X2)n + (n/s)M2(B)s/r + nR1OH →
(n/s)M2{PO2X(OR1)}s + (n/r)HrB + M1(X)n ・・(3’)
M1(PO2X2)n + (2n/s)M2(B)s/r + (2n)R2OH →
(n/s)M2{PO2(OR2)2}n + (2n/r)HrB + 2M1(X)n・(4’)
M1(PO2X2)n + (2n/s)M2(CO3)s/2 + nR1OH →
M1{PO2X(OR1)}n + (n/s)M2(HCO3)s + (n/s)M2(X)s ・・(3’’)
M1(PO2X2)n + (4n/s)M2(CO3)s/2 + (2n)R2OH →
M1{PO2(OR2)2}n + (2n/s)M2(HCO3)s + (2n/s){M2(X)s}・・(4’’)
前記の当量比は、式(3)、(4)、(3’)、(4’)の反応の場合、「ジハロゲノリン酸塩のリン原子のモル数」に対する「アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基及びオニウム塩基の塩基根のモル数を塩基の価数で割った数」の比率である。一方、炭酸塩を用いて式(3’’)及び(4’’)の反応を行う場合は、「ジハロゲノリン酸塩のリン原子のモル数」に対する「アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩及びオニウム炭酸塩の炭酸根のモル数」の比率である。
以下、各原料成分について更に説明する。
ジハロゲノリン酸塩としては、ジハロゲノリン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はオニウム塩を用いる。
ホスホニウムとしては、第4級ホスホニウム(R11R12R13R14P+)が好ましく挙げられる。
スルホニウムとしては、第3級スルホニウム(R11R12R13S+)が好ましく挙げられる。
前記のR11H3N+、R11R12H2N+、R11R12R13HN+、R11R12R13R14N+、R11R12R13R14P+及びR11R12R13S+におけるR11、R12、R13及びR14は同一であっても異なっていてもよい。R11、R12、R13及びR14としては、アルキル基、又はアリール基が挙げられる。R11、R12、R13及びR14で表されるアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状のものが好ましく挙げられ、炭素数1〜8のものが好ましく、炭素数1〜4のものがより好ましい。R11、R12、R13及びR14で表されるアリール基としては、フェニル基が挙げられる。
ジハロゲノリン酸塩は1種のみを用いてもよく、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基としては、入手容易性等の点から水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩が挙げられ、特に、水酸化物又は炭酸塩が好ましく、反応効率や溶解度の点から水酸化物であることが特に好ましい。アルカリ金属塩基におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属塩基におけるアルカリ土類金属及びオニウム塩基におけるオニウムとしては、上記のジハロゲノリン酸塩におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属及びオニウムについて例示したものとそれぞれ同様のものが挙げられる。
具体的には、水酸化物としては、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH等のアルカリ金属水酸化物、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2、等のアルカリ土類金属水酸化物、NH4OH、R11H3N(OH)、R11R12H2N(OH)、R11R12R13HN(OH)、R11R12R13R14N(OH)、R11R12R13R14P(OH)及びR11R12R13S(OH)等のオニウム水酸化物が挙げられる。炭酸塩としては、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3等のアルカリ金属炭酸塩、MgCO3、CaCO3、SrCO3、BaCO3等のアルカリ土類金属炭酸塩、上記(NH4)2CO3、(R11H3N)2CO3、(R11R12H2N)2CO3、(R11R12R13HN)2CO3、(R11R12R13R14N)2CO3、(R11R12R13R14P)2CO3及び(R11R12R13S)2CO3、(NH4)(R11H3N)CO3等が挙げられる。炭酸水素塩としては、LiHCO3、NaHCO3、KHCO3、RbHCO3、CsHCO3等のアルカリ金属炭酸水素塩、Mg(HCO3)2、Ca(HCO3)2、Sr(HCO3)2、Ba(HCO3)2等のアルカリ土類金属炭酸水素塩、NH4(HCO3)等が挙げられる。
ここでいう同一種、異なる種という場合の種類とは「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」「オニウム」を指す。
ジハロゲノリン酸塩のカチオンと、アルカリ金属塩基が異なる反応では、ジハロゲノリン酸塩と、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基との間で、カチオン交換が起きることがある。例えば後述する実施例13に示すように、ジフルオロリン酸リチウムとテトラn−ブチルアンモニウム水酸化物との反応の場合、生成物はモノフルオロリン酸メチル(テトラn−ブチルアンモニウム)であり、副生物はフッ化リチウムとなり、カチオン交換反応が進行する(式(3’)の反応)。一方、例えば後述する実施例12に示すように、ジフルオロリン酸リチウムと水酸化カルシウムの場合、生成物はモノフルオロリン酸メチルリチウムであり、副生物はフッ化カルシウムとなり、カチオン交換が起きていない(式(3)で示す反応)。カチオン交換の有無は、詳細は不明であるが、副生するハロゲン化物の溶解度に起因する可能性がある。
アルコールとは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基(−OH)で置き換えた物質の総称であり、フェノール類を除くものを指す。ここでいう炭化水素は鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、またヘテロ原子を有していても良い。
またフェノール類とは、芳香族環基上にヒドロキシ基を持つ有機化合物を指す。ここでいう芳香族環基はヘテロ原子を有していてもよい。
一価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、tert−ペンタノール、シクロペンタノール、2−メチルブタノール、1−メチルブタノール、1,2−ジメチルプロパノール、1,1−ジメチルプロパノール、ヘキサノール、4−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、1−メチルペンタノール、3,3−ジメチルブタノール、2,3−ジメチルブタノール、1,3−ジメチルブタノール、2,2−ジメチルブタノール、3,3−ジメチルブタノール、1,2−ジメチルブタノール、1,1−ジメチルブタノール、3−エチルブタノール、2−エチルブタノール、1−エチルブタノール、1,2,2−トリメチルブタノール、1,1,2−トリメチルブタノール、1−エチル−2メチルプロパノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチルヘキサノール、3−メチルヘキサノール、4−メチルヘキサノール、5−メチルヘキサノール、2,4−ジメチルペンタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、2,5−ジメチルヘキサノール、2,4−ジメチルヘキサノール、2,5,5−トリメチルペンタノール、2,2,4−トリメチルペンタノール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコール、ビニルアルコール、アリルアルコール、2-メチルアリルアルコール、3−ブテン−1−オール、2−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、2−メチル−4−ペンテン−1−オール、2−メチル−1−ペンテン−4−オール、2−エチル−4−ペンテン−1−オール、2−エチル−1−ペンテン−4−オール、2−エチル−5−ヘキセン−1−オール、2−エチル−1−ヘキセン−5−オール、5−ヘキセン−1−オール、等が挙げられる。
また二価以上のアルコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノニルアルコール、1,10−デシルアルコール、グリセリン等が挙げられる。
つまり、上記(4)又は(4’)において、原料として、2価のアルコール又はフェノール類(HOR2−R3OH)を用いると、式(2)の化合物であって、R2及びR3とが互いに結合して環を形成した下記の化合物が製造できる。
反応溶媒については、ジハロゲノリン酸塩やアルコール、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基に対して不活性であれば特に制限はなく、無溶媒でもよい。アルコールやフェノール類等がジハロゲノリン酸塩やアルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基を溶解し難い場合等に、反応溶媒を使用することが好ましい。反応溶媒としては、水、アルコール及びフェノール類以外の有機溶媒が挙げられ、例えば、ケトン類、エステル類、エーテル類及びニトリル類が挙げられる。エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ − ブチロラクトン、γ − バレロラクトン等の環状エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステルが挙げられる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等の鎖状エーテル等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−sec−ブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン等のジアルキルケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類が挙げられる。ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、アクリロニトリルなどのモノニトリル;マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,4−ジシアノヘプタン、1,5−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,7−ジシアノヘプタン、2,6−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、2,7−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、2,8−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,6−ジシアノデカン、2,4−ジメチルグルタロニトリルなどのジニトリル;ベンゾニトリルなどの環状ニトリル;メトキシアセトニトリルなどのアルコキシ置換ニトリル等が挙げられる。その他、スルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒などが挙げられる。
溶媒の量は、適宜定められるが、使用する場合は、ジハロゲノリン酸塩が、反応液(溶媒及び各原料を混合してなる反応液)中2質量%以上20質量%以下となる量とすることが反応効率や溶媒の使用コスト、溶媒を用いる効果を高める点で好ましい。
温度については、反応が進行する限り特に制限はない。反応は、通常、常圧で行う。高温で行わずに反応が進行するという本製造方法の利点を生かす点から、反応温度は80℃以下であることが好ましく、20℃以上60℃以下であることがより好ましい。
また原料を加える順序に特に制限はなく、アルコール又はフェノール類、ジハロゲノリン酸塩、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基を一度に反応容器に添加し混合してもよい。
以上の工程により、(1)又は(2)で示される化合物を得ることができる。反応液中に副生したハロゲン化金属又はハロゲン化オニウムは有機溶媒に不溶であるため除去が容易である。原料のジハロゲノ酸塩は、アセトンあるいはジメトキシエタン等の洗浄により除去できる。水又は炭酸については加熱乾燥により除去できる。また、残留したアルコール又はフェノール類並びに溶媒は、加熱乾燥等の公知の方法で適宜除去できる。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、メタノール 30.6g、ジフルオロリン酸リチウム 3.1g(0.03mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム0.6g(0.03mol)を加え、マグネットスターラーで12時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸メチルリチウム(−3.8ppm(1P,dq,J=928Hz(P−F),11Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、87mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸メチルリチウムに由来するピークが−82.9ppm(1F,d,J=928Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、エタノール 30.6g、ジフルオロリン酸リチウム 2.9g(0.03mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム0.7g(0.03mol)を加え、マグネットスターラーで12時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸エチルリチウム(−4.8ppm(1P,dt,J=923Hz(P−F),8Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、64mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸エチルリチウムに由来するピークが−81.3ppm(1F,d,J=923Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れn−ヘキサノール46.7g,ジフルオロリン酸リチウム 1.2g(0.01mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム0.2g(0.01mol)を加え、70℃にてマグネットスターラーで6時間かきまぜた。反応液を31P NMR(neat)で分析したところ、モノフルオロリン酸ヘキシルリチウム(−5.3ppm(1P,dt,J=925Hz(P−F),J=7Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、40mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸ヘキシルリチウムに由来するピークが−80.1ppm(1F,d,J=929Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、2−メトキシエタノール31.6g、ジフルオロリン酸リチウム 4.8g(0.04mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム1.0g(0.04mol)を加え、マグネットスターラーで12時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸(2−メトキシエチル)リチウム(−5.1ppm(1P,dt,J=925Hz(P−F),7Hz(P−H))が、反応液中に溶解するリン含有化合物中、83mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸(2−メトキシエチル)リチウムに由来するピークが−79.1ppm(1F,d,J=923Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、2−メチルアリルアルコール 21.7g、炭酸ジメチル 20.0g、ジフルオロリン酸リチウム 5.0g(0.05mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム1.1g(0.05mol)を加え、マグネットスターラーで3日間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸(2−メチルアリル)リチウム(−5.0ppm(1P,dt,J=930Hz(P−F),8Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、34mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸(2−メチルアリル)リチウムに由来するピークが−79.6ppm(1F,d,J=924Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール9.2g、アセトン 23.7g、ジフルオロリン酸リチウム 2.9g(0.03mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム0.7g(0.01mol)を加え、マグネットスターラーで24時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロー2−プロピル)リチウム(−8.5ppm(1P,dd,J=950Hz(P−F),12Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、66mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)リチウムに由来するピークが−75.5ppm(1F,dq,J=950Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ3−フルオロフェノール4.8g、
ジフルオロリン酸リチウム 1.1g(0.01mol)及び炭酸エチルメチル 15.8gを量りとった。続いて、水酸化リチウム 0.2g(0.01mol)を加え、マグネットスターラーで4時間かきまぜた。反応液を31P NMR((CD3OD)で分析したところ、モノフルオロリン酸(3−フルオロフェニル)リチウム(−13.6ppm(1P,d,J=911Hz(P−F))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、89mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸(3−フルオロフェニル)リチウムに由来するピークが−77.6ppm(1F,d,J=913Hz),−113.5ppm(1F,q,J=8.6Hz)に観測された。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れメタノール30.0g,ジフルオロリン酸リチウム 3.0g(0.03mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム2.6g(0.11mol)を加え、マグネットスターラーで24時間かきまぜた。反応液を31P NMR(CD3OD)で分析したところ、反応液中に溶解するリン含有化合物中、リン酸ジメチルリチウム (−3.5ppm(1P,sep,J=11Hz(P−H))が100mol%の量で生成していた。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れメタノール8.7g,ジクロロリン酸リチウム 1.4g(0.01mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム0.2g(0.01mol)を加え、マグネットスターラーで1時間かきまぜた。反応液を31P NMR(CD3OD)で分析したところ、反応液中に溶解するリン含有化合物中、リン酸ジメチルリチウム (−3.5ppm(1P,sep,J=11Hz(P−H))が80mol%の量で生成していた。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、エチレングリコール 41.0g、ジフルオロリン酸リチウム 4.9g(0.046mol)を量りとった。続いて、水酸化リチウム2.0g(0.084mol)を加え、マグネットスターラーで12時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、リン酸(エチレングリコール)リチウム(19.5ppm(1P,f,J=10.2Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、94mol%の量で生成していた。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、メタノール 21.7g、ジフルオロリン酸リチウム 1.5g(0.01mol)を量りとった。続いて、炭酸カリウム2.1g(0.01mol)を加え、マグネットスターラーで24時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸メチルカリウム(−3.8ppm(1P,dq,J=928Hz(P−F),11Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、84mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸メチルカリウムに由来するピークが−82.9ppm(1F,d,J=928Hz)に観測された。反応液について、上記の方法でハロゲン金属、ジハロゲノリン酸塩を除去した。次いで加熱により水及びメタノールを除去して精製し、精製した反応液中のモノフルオロリン酸メチル塩のカチオン部におけるカリウムの割合をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、カリウムイオンが96面積%(保持時間11.1min)であった。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れ、メタノール 21.7g、ジフルオロリン酸リチウム 1.6g(0.015mol)を量りとった。続いて、水酸化カルシウム0.5g(0.007mol)を加え、マグネットスターラーで12時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸メチルリチウム(−3.8ppm(1P,dq,J=928Hz(P−F),11Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、63mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸メチルリチウムに由来するピークが−82.9ppm(1F,d,J=928Hz)に観測された。反応液について、上記の方法でハロゲン金属、ジハロゲノリン酸塩を除去した。次いで加熱により水及びメタノールを除去して反応液を精製し、精製した反応液中のモノフルオロリン酸メチル塩のカチオン部におけるリチウムの割合をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、リチウムイオンが98面積%(保持時間5.0min)であった。
250mL PFA製容器に攪拌子を入れメタノール 22.9g、ジフルオロリン酸リチウム 1.0g(0.01mol)を量りとった。続いて、水酸化テトラn-ブチルアンモニウム40重量%水溶液6.7g(0.01mol)を加え、マグネットスターラーで24時間かきまぜた。反応液を31P NMR(D2O)で分析したところ、モノフルオロリン酸メチル(テトラn−ブチルアンモニウム)(−3.8ppm(1P,dq,J=928Hz(P−F),11Hz(P−H))が反応液中に溶解するリン含有化合物中、78mol%の量で生成していた。19F NMRではモノフルオロリン酸メチル(テトラn−ブチルアンモニウム)に由来するピークが−82.9ppm(1F,d,J=928Hz)に観測された。
Claims (11)
- ジハロゲノリン酸塩と、
アルコール又はフェノール類と、
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基とを反応させる、
下記化学式(1)又は(2)で表される化合物の製造方法。
- アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基が、水酸化物又は炭酸塩である、請求項1に記載の製造方法。
- ジハロゲノリン酸塩が、ジクロロリン酸塩又はジフルオロリン酸塩である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 化学式(1)におけるXがフッ素原子である、請求項3に記載の製造方法。
- 前記アルカリ金属がリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記アルカリ土類金属がマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- ジハロゲノリン酸塩と、
アルコール又はフェノール類と、
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基とを、水、アルコール及びフェノール類以外の溶媒中で反応させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記溶媒として、ケトン類、エステル類、エーテル類及びニトリル類から選ばれる少なくとも一種の溶媒を用いる請求項7に記載の製造方法。
- アルコール又はフェノール類として、ハロゲン原子を有するアルコール又はハロゲン原子を有するフェノール類を用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- ジハロゲノリン酸塩と、
アルコール又はフェノール類と、
アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基又はオニウム塩基とを80℃以下で反応させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。 - アルコールがジオールである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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