JP2019132695A - 巻線試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高精度に試験の判定を行うことができる巻線試験装置を得る。【解決手段】被試験体に巻かれた巻線の絶縁不良を試験する巻線試験装置であって、巻線に電圧を印加する電圧発生制御部と、巻線において検出された検出電圧を出力する電圧検出部と、試験における被試験体の環境を表す物理量を検出する環境検出部と、電圧検出部の検出に係る検出電圧に基づいて、被試験体の良否を判定する試験制御部とを備え、環境検出部は、被試験体の温度を検出する被試験体温度センサを有し、被試験体温度センサは、被試験体の形状に合わせた形状の取り付け部を有する台座を備えるものである。【選択図】図5

Description

この発明は、コイルなどに巻かれる巻線に係る試験を行う巻線試験装置に関するものである。特に、モータなどにおける巻線の良否を判定する試験に係るものである。
巻線が何重にも巻かれたコイルを有する部品として、電動機の固定子、トランスなどがある。巻線はコイル状に巻かれている。部品の品質を確保するためには、コイルにおいて、巻線間の絶縁状態が確保され、絶縁状態の破れがないことが重要である。
そこで、たとえば、コイルが良好に絶縁されているかどうかを判定するインパルス試験が行われる。インパルス試験では、あらかじめ、巻線に異常がないマスターサンプルのコイルに対して、インパルス電流を流し、コイルに発生する過渡応答電圧の減衰振動波形のデータを採っておく。そして、被試験部品のコイルにもインパルス電流を流し、減衰振動波形のデータを得る。マスターサンプルのコイルにおける減衰振動波形と被試験部品のコイルにおける減衰振動波形とを比較して、巻線間の短絡、巻数の過不足などがないと判定されると、良品であるとされる。
特開2015−114195号公報
しかし、たとえば、インパルス試験において得られる、コイルの過渡応答電圧波形などは、インパルス試験時における環境の影響を受ける。このため、判定をより正確に行うには、試験時の環境の状態が、より精度高く検出できることが望ましい。
そこで、この発明は、上記の問題を解決するため、より高精度に試験の判定を行うことができる巻線試験装置を得ることを目的とするものである。
この発明に係る巻線試験装置は、被試験体に巻かれた巻線の絶縁不良を試験する巻線試験装置であって、巻線に電圧を印加する電圧発生制御部と、巻線において検出された検出電圧を出力する電圧検出部と、試験における被試験体の環境を表す物理量を検出する環境検出部と、電圧検出部の検出に係る検出電圧に基づいて、被試験体の良否を判定する試験制御部とを備え、環境検出部は、被試験体の温度を検出する被試験体温度センサを有し、被試験体温度センサは、被試験体の形状に合わせた形状の取り付け部を有する台座を備えるものである。
この発明によれば、環境検出部が、被試験体の形状に合わせた形状の取り付け部を有する台座を備える被試験体温度センサを有することで、被試験体の温度を、より正確に検出することができ、より高精度に試験の判定を行うことができる。
この発明の実施の形態1に係る巻線試験装置100の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る被試験体200を有する整流子モータを説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る電機子260の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る検出電圧波形の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る被試験体温度センサ131の被試験体200への取り付けについて説明する図である。 環境による放電電圧の違いを説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る制御処理部141の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る巻線試験装置100において、制御処理部141が行う判定に係る処理の手順を示す図である。 この発明の実施の形態2における巻線試験装置100の補正に係るデータをテーブル形式で示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る巻線試験装置100の構成を示す図である。図1に示すように、巻線試験装置100と被試験体200とは、たとえば、接続線で接続される。そして、巻線試験装置100は、判定対象となる被試験体200に、接続線を介してインパルス電圧を印加する。インパルス電圧とは、高電圧で、印加時間が短いパルス電圧である。また、巻線試験装置100は、インパルス電圧の印加によって、検出した被試験体200の両端電圧である検出電圧に基づいて、被試験体200が有する巻線の断線、絶縁不良など、被試験体200の良否状態を判定する。巻線試験装置100は、電圧発生制御部110、電圧検出部120、環境検出部130および試験制御部140を有している。
電圧発生制御部110は、被試験体200に供給するインパルス電圧を印加する制御を行う。電圧発生制御部110は、電圧発生回路111、コンデンサ112、サイリスタなどを有するスイッチング回路113およびスイッチング制御回路114を有する。
電圧発生回路111は、コンデンサ112に電荷を充電する。電圧発生回路111では、一般的なコイルの絶縁試験が可能な程度(通常、数kV)の高い電圧を発生する。コンデンサ112は、電圧発生回路111から供給される電荷を蓄積する。スイッチング回路113は、スイッチング動作を行う。スイッチング回路113が、オフ状態からオン状態に移行すると、コンデンサ112に蓄積されている電荷が瞬時に放出され、被試験体200に、インパルス電圧が印加される。スイッチング制御回路114は、スイッチング回路113が行うスイッチング動作を制御する。
電圧検出部120は、たとえば、分圧器などを有する回路である。電圧検出部120は、電圧発生制御部110が発生したインパルス電圧が、被試験体200に印加されたときの被試験体200の端子間の電圧を検出電圧として検出する。
環境検出部130は、マスターサンプルの被試験体200と判定対象の被試験体200とのインパルス試験時における環境の違いを表す物理量を検出する。環境検出部130は、被試験体温度センサ131、湿度センサ132および気圧センサ133を有している。被試験体温度センサ131は、インパルス試験時における被試験体200の温度を検出する。湿度センサ132は、インパルス試験の環境における湿度を検出する。気圧センサ133は、インパルス試験の環境における気圧を検出する。環境検出部130については後に詳述する。
試験制御部140は、巻線試験装置100の制御を行う。特に、実施の形態1においては、電圧発生制御部110のインパルス電圧の発生タイミングなどを制御する。また、検出された被試験体200の検出電圧などに基づいて、波形処理、判定処理、波形表示処理などを実行する。試験制御部140は、制御処理部141、インパルス電圧制御部142、操作入力部143、表示部144および記憶部145を備える。
インパルス電圧制御部142は、制御処理部141からの制御信号に基づき、電圧発生回路111に制御信号を出力する。操作入力部143は、ボタン、ダイヤル、スイッチなどの入力装置を有する。操作入力部143は、たとえば、巻線試験装置100の操作者から、被試験体200の試験を行う設定、操作などが入力されると、入力信号を制御処理部141に送る。表示部144は、たとえば、LCDなどの表示装置を有する。表示部144は、制御処理部141から送られる表示信号に基づき、被試験体200に印加する電圧の波形、インパルス試験を行って得られる端子電圧の波形、判定結果などを表示する。
制御処理部141は、巻線試験装置100内の機器を制御し、装置全体の制御を行う。特に、インパルス試験における制御を行う。また、インパルス試験によって得られたデータに基づき、被試験体200の良否判定を行う。制御処理部141について、ハードウェアとしては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの制御演算処理装置を有するマイクロコンピュータなどで構成されている。
記憶部145は、制御処理部141が処理を行う際に必要となるデータを記憶する装置である。記憶部145は、たとえば、データを一時的に記憶できるランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性記憶装置(図示せず)、ハードディスク、データを長期的に記憶できるフラッシュメモリなどの不揮発性の補助記憶装置(図示せず)などを有している。記憶部145には、制御処理部141が行う処理手順をプログラムとしたデータを有している。そして、制御演算処理装置がプログラムのデータに基づいて処理を実行して各部の処理を実現する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る被試験体200を有する整流子モータを説明する図である。図2に示すように、実施の形態1では、掃除機、手乾燥機などに用いる整流子モータの電機子260が、被試験体200となる。ここで、実施の形態1において、電機子260を有する整流子モータは、三相モータであるものとする。そして、巻線試験装置100は、電機子260の各相間における巻線の絶縁状態などの判定を行うものとする。被試験体200のうち、良否の判定の基準として用いられる被試験体200が、マスターサンプルとなる。マスターサンプルは、判定対象となる被試験体200のインパルス試験に先立って、あらかじめインパルス試験による計測などが行われる。マスターサンプルを被試験体200としてインパルス試験を行ったときに得られたデータに基づいて、判定対象の被試験体200を判定する基準となる判定基準値のデータを得る。判定基準値のデータは、前述した試験制御部140の記憶部145に記憶される。以下、実施の形態1においては、被試験体200が電機子260であるものとして説明する。
図2に示すように、整流子モータは、フレーム210、軸受220、回転軸230、整流子240、ブラシ250、電機子(回転子)260、固定子270などを有している。
フレーム210は、モータ本体部分を覆って保護する。また、フレーム210には、回転軸230を回動自在に支持する軸受220が設けられている。また、回転軸230には、外周部に複数の歯部が形成された電機子鉄心261が設置されている。そして、各歯部には電機子巻線262が巻かれ、電機子260を構成している。また、回転軸230には、複数の整流子片で構成された整流子240が設置されている。各整流子片には、電機子鉄心261の歯部に巻かれた電機子巻線262が接続されている。そして、整流子240には、整流子片を介して電機子巻線262に電流を供給する二つのブラシ250が接触している。ブラシ250は、フレーム210に設けられたブラシホルダー251に取り付けられている。
一方、フレーム210の内周部には、電機子260の外周部と所定の間隙を介して、固定子270が設置されている。固定子270の内周部には、互いに対向した二つの磁極片271(図示せず)が形成されている。各磁極片271には、界磁巻線272が巻かれ、磁極を形成している。各界磁巻線272は、一端が整流子モータの端子(図示せず)に接続され、他端がブラシ250に接続されている。
図3は、この発明の実施の形態1に係る電機子260の構成を説明する図である。図3では、電機子260を回転軸230に沿った方向から見た図を示している。図3に示すように、電機子鉄心261は略円形状をしており、外周部には複数の歯部が形成されている。電機子鉄心261の略中心部には、回転軸230が挿入される貫通孔264が形成されている。また、電機子鉄心261は、1片が1極に対応する略扇形のn個の電機子片263−1〜電機子片263−nが、貫通孔の周りに円状に連接配置されて構成される。各電機子片263−1〜電機子片263−nは、方向性電磁鋼板で、プレスなどにより打ち抜いた薄板を積層して形成することができる。各電機子片263−1〜電機子片263−nの外周部分が、電機子鉄心261の歯部を形成する。そして、電機子鉄心261には、電機子巻線262が巻かれている。実施の形態1では、電機子巻線262にインパルス電圧を印加するなどして、インパルス試験を行う。
図4は、この発明の実施の形態1に係る検出電圧波形の一例を示す図である。被試験体200の巻線にインパルス電圧を印加すると、検出電圧は、減衰発振し、図4のような波形となる。
次に、被試験体200と環境検出部130との関係について説明する。前述したように、インパルス試験時の被試験体200および被試験体200近傍の環境は、検出に係る電圧値などに影響する。したがって、マスターサンプルとなる電機子260に対してインパルス試験を行ったときの環境と判定対象の電機子260に対してインパルス試験を行ったときの環境とを整える方がよい。環境を整えるには、インパルス試験における環境を、より正確に検出できた方がよい。
図5は、この発明の実施の形態1に係る被試験体温度センサ131の被試験体200への取り付けについて説明する図である。被試験体200の温度は、巻線の温度となる。巻線は温度によって抵抗率が変化する。このため、被試験体200の温度を正確に検出することが必要となる。ここで、巻線に温度センサを直接接触させると、巻線を損傷するおそれがある。また、密着性および熱伝達性が損なわれるため、かえって温度の検出精度が悪くなる可能性がある。そこで、実施の形態1においては、被試験体温度センサ131を、被試験体200となる電機子260の電機子鉄心261に密着させて取り付け、電機子巻線262の温度を検出する。
図5に示すように、被試験体温度センサ131は、取り付け部131Bをもつ台座131Aを有する。取り付け部131Bは、電機子鉄心261における歯部の曲面に沿って密着させることができる曲面形状を有している。センサ本体(図示せず)は、台座131A内に埋め込まれている。そして、台座131Aの取り付け部131Bを、電機子鉄心261に密着させて取り付け、インパルス試験を行う。このため、電機子巻線262の温度である、被試験体200となる電機子260の温度を、より正確に検出することができる。たとえば、台座131Aにグリスなどを塗布して、被試験体200となる電機子鉄心261との密着性および熱伝達性をさらに高めるようにしてもよい。
ここで、電機子260には、相が異なる巻線が複数ある。そして、異なる相間の絶縁などを試験する際には、電機子260上の位置が異なる巻線間に電圧を印加する。電機子260上の位置が異なることで、巻線の温度にも差が出る可能性がある。また、被試験体200となる電機子260に複数回の試験を行うことで、電機子260の温度が変化する可能性がある。
そこで、実施の形態1の巻線試験装置100では、被試験体温度センサ131を複数有している。そして、複数の被試験体温度センサ131により、電機子鉄心261の試験対象となる巻線に近い複数箇所の温度を検出する。図5では、被試験体温度センサ131を2箇所に取り付けている。
図6は、環境による放電電圧の違いを説明する図である。図6は、パッシェン曲線を示している。パッシェン曲線とは、パッシェンの法則に基づき、絶縁が破壊され放電が生じるときの電圧と気体の圧力×距離の関係を示す曲線である。インパルス試験において、巻線試験装置100は、試験対象となる被試験体200に、接続線を介してインパルス電圧を印加する。巻線間の距離が近いと、前述した図4に示すように、放電が起こる。このとき、たとえば、巻線に損傷などがあり、絶縁されていないと、放電が起こりやすくなる。したがって、電圧波形に現れた放電量、放電回数などから、巻線の状態がわかる。
ここで、電極間距離が同じであるとすると、図6に示すように、インパルス試験が行われる気圧によって、放電する電圧が変わる。また、湿度および被試験体200の温度についても、放電に影響する。このため、実施の形態1の巻線試験装置100は、被試験体温度センサ131だけでなく、湿度センサ132および気圧センサ133を有することが好ましい。そして、巻線試験装置100では、湿度センサ132および気圧センサ133を、被試験体200となる電機子260にできるだけ近い位置に配置し、インパルス試験時の電機子260における気圧および湿度の環境を、より正確に検出できるようにする。
以上のように、実施の形態1の巻線試験装置100によれば、環境検出部130を有することで、インパルス試験時の被試験体温度などの環境を検出し、データとして記録することができる。特に、被試験体温度センサ131については、巻線の温度として検出可能な位置にある電機子鉄心261の曲面に合わせた取り付け部131Bをもつ台座131Aを有するので、電機子鉄心261に密着して取り付けることができる。このため、被試験体200となる電機子260の温度を、より正確に検出することができる。また、湿度センサ132および気圧センサ133についても、被試験体200となる電機子260にできるだけ近い位置に配置することで、電機子260における気圧および湿度を、より正確に検出することができる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る制御処理部141の構成を示すブロック図である。実施の形態2の巻線試験装置100において、制御処理部141は、試験制御処理部141A、検出制御処理部141B、演算処理部141C、判定基準値補正処理部141D、判定処理部141Eおよび表示処理部141Fを有している。
試験制御処理部141Aは、巻線試験装置100内の機器を制御する処理を行う。特に、インパルス電圧制御部142に制御信号を送り、電圧発生制御部110にインパルス電圧発生の制御を行わせる。検出制御処理部141Bは、電圧検出部120による電圧並びに環境検出部130による温度、湿度および気圧の検出を制御する。そして、検出に係る電圧などをデータとして記憶部145に記憶する処理を行う。また、演算処理部141Cは、たとえば、インパルス試験により、電圧検出部120が検出した、試験対象となる被試験体200の検出電圧のデータに基づき、被試験体200の判定値を算出する。判定基準値補正処理部141Dは、環境検出部130の検出に係るデータなどに基づいて、記憶部145に記憶された判定基準値を補正する処理を行う。判定処理部141Eは、演算処理部141Cが演算した判定値と判定基準値補正処理部141Dが補正した判定基準値とを比較するなどの処理を行い、被試験体200の良否を判定する処理を行う。表示処理部141Fは、表示部144に表示信号に送り、被試験体200の良否判定の結果、被試験体200の検出電圧などのデータを表示する処理を行う。
マスターサンプルをインパルス試験したデータに基づいて得られた判定基準値が記憶部145に記憶されている。前述したように、マスターサンプルに対してインパルス試験を行ったときの環境と試験対象に対してインパルス試験を行ったときの環境とが異なる場合がある。このとき、マスターサンプルのインパルス試験における環境との差による判定結果の違いをなくせればよい。
そこで、実施の形態2の巻線試験装置100は、試験対象の被試験体200に対してインパルス試験を行ったときに、環境検出部130が検出した温度、湿度および気圧のデータに基づいて、判定基準値を補正する。そして、試験対象の被試験体200の判定値と補正した判定基準値とを比較して、良否判定を行うものである。試験対象の被試験体200のインパルス試験の環境に基づいて、計測に係る電圧値などではなく、判定基準値を補正することで、判定に係る処理を速く行うことができる。
図8は、この発明の実施の形態2に係る巻線試験装置100において、制御処理部141が行う判定に係る処理の手順を示す図である。検出制御処理部141Bは、環境検出部130の検出に係る温度、湿度および気圧の環境データを記憶部145に記憶する(ステップS1)。
そして、試験制御処理部141Aが、電圧発生制御部110を制御し、被試験体200にインパルス試験を行う(ステップS2)。そして、検出制御処理部141Bは、電圧検出部120の検出に係る電圧をデータとして記憶部145に記憶する(ステップS3)。演算処理部141Cは、試験対象となる被試験体200の検出電圧のデータに基づき、判定対象となる被試験体200の判定値を算出する(ステップS4)。
図9は、この発明の実施の形態2における巻線試験装置100の補正に係るデータをテーブル形式で示す図である。補正に係るデータは、判定基準値と同様に、記憶部145に記憶されている。図9では、マスターサンプルのインパルス試験における環境との差に基づいて、被試験体200の温度、湿度および気圧を、それぞれ3つの区分に分け、補正値を定めている。中央の区分が、被試験体200の温度、湿度および気圧のそれぞれについて、差が0の場合を含み、環境に係る値の差である環境差が、所定の範囲内にある場合の補正値を表している。また、右側の区分は、湿度および気圧のそれぞれについて、試験対象の被試験体200のインパルス試験の環境に係る値の方が大きい場合の補正値を表している。一方、左側の区分は、湿度および気圧のそれぞれについて、マスターサンプルのインパルス試験の環境の方が大きい場合(試験対象の被試験体200のインパルス試験の環境に係る値の方が小さい場合)の補正値を表している。ここでは、3つの区分に分け、補正値を定めているが、さらに多くの区分に分けるようにしてもよい。多くの区分に分けることで、判定基準値を細かく補正することができる。また、判定基準値および判定値を含め、補正値の桁数を多くしても、判定基準値を細かく補正することができる。
実施の形態2では、判定基準値補正処理部141Dが、記憶部145が記憶する環境データに基づいて、図9に示すテーブル形式のデータから、該当する区分の補正値を導き出し、判定基準値に加減算して、補正処理を行う(ステップS5)。
たとえば、被試験体温度センサ131の検出に係る温度が高いと、巻線の電気抵抗が高くなる。図9では、左側の区分よりも右側の区分の方が補正値が低い。したがって、試験対象の被試験体200におけるインパルス試験の方が、被試験体200の温度が高い場合には、判定基準値を下げる補正を行って、判定基準値を緩和する。同様に、湿度が高いと、放電電圧が低くなる。したがって、湿度が高い場合には、判定基準値を下げる。さらに、気圧について、前述した図6のようなパッシェン曲線では、圧力の範囲によって、下降傾向となる部分または上昇傾向となる部分があるが、被試験体200となる電機子260における巻線間の距離および大気圧下においては上昇傾向となる。このため、気圧が低いと放電電圧が低く、気圧が高いと放電電圧が高くなる。したがって、気圧が低い場合には、判定基準値を下げる。
判定処理部141Eは、判定値と判定基準値とを比較し、判定値が判定基準値以上であるかどうかを判定する(ステップS6)。判定値が判定基準値以上であれば、判定結果は良であると判定する(ステップS7)。また、判定値が判定基準値以上でなく、判定基準値より低ければ、判定結果は否である判定する(ステップS8)。表示処理部141Fは、表示部144に表示信号に送り、判定処理部141Eの判定結果を表示させる(ステップS9)。
以上のように、実施の形態2の巻線試験装置100では、環境検出部130の検出に係る環境データに基づいて、判定基準値補正処理部141Dが判定基準値を補正し、判定処理部141Eが、補正した判定基準値に基づいて判定処理を行うようにした。このため、マスターサンプルをインパルス試験したときと、判定対象の被試験体200をインパルス試験したときの環境による判定結果の違いをなくすことができる。特に、試験対象の被試験体200に対するインパルス試験のデータに対して、環境に基づく補正を行ってから、あらためて判定値を算出するよりも、処理を簡単にすることができる。
100 巻線試験装置、110 電圧発生制御部、111 電圧発生回路、112 コンデンサ、113 スイッチング回路、114 スイッチング制御回路、120 電圧検出部、130 環境検出部、131 被試験体温度センサ、131A 台座、131B 取り付け部、132 湿度センサ、133 気圧センサ、140 試験制御部、141 制御処理部、141A 試験制御処理部、141B 検出制御処理部、141C 演算処理部、141D 判定基準値補正処理部、141E 判定処理部、141F 表示処理部、142 インパルス電圧制御部、143 操作入力部、144 表示部、145 記憶部、200 被試験体、210 フレーム、220 軸受、230 回転軸、240 整流子、250 ブラシ、251 ブラシホルダー、260 電機子、261 電機子鉄心、262 電機子巻線、263−1〜263−n 電機子片、264 貫通孔、270 固定子、271 磁極片、272 界磁巻線。

Claims (6)

  1. 被試験体に巻かれた巻線の絶縁不良を試験する巻線試験装置であって、
    前記巻線に電圧を印加する電圧発生制御部と、
    前記巻線において検出された検出電圧を出力する電圧検出部と、
    前記試験における前記被試験体の環境を表す物理量を検出する環境検出部と、
    前記電圧検出部の検出に係る前記検出電圧に基づいて、前記被試験体の良否を判定する試験制御部とを備え、
    前記環境検出部は、前記被試験体の温度を検出する被試験体温度センサを有し、
    該被試験体温度センサは、前記被試験体の形状に合わせた形状の取り付け部を有する台座を備える巻線試験装置。
  2. 前記環境検出部は、前記判定の基準となる前記被試験体の前記試験時と環境の違いを検出する請求項1に記載の巻線試験装置。
  3. 前記環境検出部は、前記被試験体温度センサを複数有し、前記被試験体の複数箇所の温度を検出する請求項1または請求項2に記載の巻線試験装置。
  4. 前記環境検出部は、湿度センサおよび気圧センサをさらに有する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  5. 前記被試験体は、モータの電機子であり、前記取り付け部は、前記電機子の電機子鉄心に合わせた形状である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
  6. 前記試験制御部は、
    前記電圧検出部の検出に係る前記検出電圧に基づいて、判定値を演算する演算処理部と、
    前記環境検出部の検出に係るデータに基づいて、設定された判定基準値を補正する基準値補正処理部と、
    該基準値補正処理部が補正した前記判定基準値と前記演算処理部が演算した前記判定値との比較に基づいて、前記被試験体の良否を前記判定する判定処理部と
    を備える請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の巻線試験装置。
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