除湿運転を行う空気調和装置
従来より、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張機構と、室内熱交換器と、が接続されて構成された冷媒回路を有する空気調和装置がある。そして、この空気調和装置において、冷媒回路に封入された冷媒を圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器の順に循環させる除湿運転を行うことがある。この除湿運転時においては、特許文献1(特開2004−76973号公報)に示すように、室内温度が目標室内温度に達すると、圧縮機を停止させるサーモオフが行われる。
特許文献1の空気調和装置では、上記のように、除湿運転時に、室内温度が目標室内温度に達すると、サーモオフ条件を満たしているものと判定して、サーモオフが行われる。
しかし、このような除湿運転では、室内の除湿が十分になされないままで、室内温度が目標室内温度に達して、サーモオフが行われてしまう場合があり、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれがある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、冷媒回路と、制御部と、を有している。冷媒回路は、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張機構と、室内熱交換器と、が接続されて構成されている。制御部は、冷媒回路に封入された冷媒を圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器の順に循環させる除湿運転を行う。制御部は、除湿運転時に、所定のサーモオフ条件を満たした場合に、圧縮機を停止させるサーモオフを行う。ここでは、制御部が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度による第1サーモオフ温度条件と、室内湿度によるサーモオフ湿度条件と、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件と、を有している。そして、制御部は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定し、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定する。
ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たしても、サーモオフ湿度条件を満たさない場合には、低温側の第2サーモオフ温度条件を満たすまで、サーモオフが行われずに、室内の除湿が継続される。このため、第1サーモオフ温度条件を満たすとサーモオフが行われる場合に比べて、除湿量を増大させることができ、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、室内温度が第1サーモオフ温度に達した状態が所定時間連続して継続した時点で、第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する。
ここでは、室内温度が第1サーモオフ温度に達した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する場合に比べて、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間においても、除湿量を増大させることができる。
第3の観点にかかる空気調和装置は、第2の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、室内温度が第1サーモオフ温度よりも低い第2サーモオフ温度に達した時点で、第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定する。
ここでは、室内温度が第2サーモオフ温度に達した時点でサーモオフが行われるため、室内温度が低くなり過ぎるおそれを少なくすることができる。
第4の観点にかかる空気調和装置は、第1〜第3の観点のいずれかにかかる空気調和装置において、制御部が、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが選択可能に構成されている。
ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに適した除湿運転を行うことができる。
第5の観点にかかる空気調和装置は、第4の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第1サーモオフ温度条件を低温側に変更する。
ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
第6の観点にかかる空気調和装置は、第4又は第5の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第2サーモオフ温度条件を低温側に変更する。
ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第2サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第2サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
本開示の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。
空気調和装置を構成する室内ユニットの外観斜視図である。
室内ユニットの概略側面断面図であって、図2のI−O−I断面図である。
空気調和装置の制御ブロック図である。
冷房運転時の制御フローチャートである。
除湿運転時の制御フローチャート(モード選択)である。
除湿運転時の制御フローチャート(除湿運転モードL、M、H)である。
変形例Aにおける除湿継続制御を示すフローチャートである。
変形例Bにおける除湿継続制御を示すフローチャートである。
以下、空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)機器構成
図1は、本開示の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。
<全体>
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、建物等の室内の空調を行う装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3と、室外ユニット2と室内ユニット3とを接続する液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と室内ユニット3とが液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して接続されることによって構成されている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外(建物の屋上や建物の外壁面近傍等)に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室内ユニット3に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁23と、室外熱交換器24と、膨張弁25と、を有している。
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機構である。ここでは、圧縮機21として、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機モータ22によって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。また、ここでは、圧縮機モータ22は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、圧縮機21の容量を制御できるようになっている。
四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転時には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器24のガス側とを接続するとともに、ガス冷媒連絡管5を介して室内熱交換器31(後述)のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁23の実線を参照)。また、四路切換弁23は、暖房運転時には、ガス冷媒連絡管5を介して圧縮機21の吐出側と室内熱交換器31のガス側とを接続するとともに、室外熱交換器24のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁23の破線を参照)。
室外熱交換器24は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器24は、その液側が膨張弁25に接続されており、ガス側が四路切換弁23に接続されている。
膨張弁25は、冷房運転又は除湿運転時には室外熱交換器24において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器31に送る前に減圧し、暖房運転時には室内熱交換器31において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器24に送る前に減圧することが可能な膨張機構である。ここでは、膨張弁25として、開度制御が可能な電動膨張弁が使用されている。
また、室外ユニット2には、ユニット内に室外空気を吸入して、室外熱交換器24に室外空気を供給した後に、ユニット外に排出するための室外ファン26が設けられている。すなわち、室外熱交換器24は、室外空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる熱交換器となっている。室外ファン26は、室外ファンモータ27によって回転駆動されるようになっている。
また、室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力Psを検出する吸入圧力センサ28が設けられている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、室内ユニット2の膨張弁25側に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器31の液側に接続されている。ガス冷媒連絡管5の一端は、室内ユニット2の四路切換弁23側に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器31のガス側に接続されている。
<室内ユニット>
室内ユニット3は、室内(建物内)に設置されている。室内ユニット3は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。室内ユニット3は、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32と、を有している。
ここでは、室内ユニット3として、天井埋込型と呼ばれる型式の室内ユニットが採用されている。室内ユニット3は、図2及び図3に示すように、内部に構成機器を収納するケーシング41を有している。ケーシング41は、ケーシング本体41aと、ケーシング本体41aの下側に配置された化粧パネル42とから構成されている。ケーシング本体41aは、図2に示すように、天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル42は、天井Uの開口に嵌め込まれるように配置されている。ここで、図2は、室内ユニット3の外観斜視図である。図3は、室内ユニット3の概略側面断面図であって、図2のI−O−I断面図である。
ケーシング本体41aは、平面視が長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、その下面が開口している。ケーシング本体41aは、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板43と、天板43の周縁部から下方に延びる側板44とを有している。
化粧パネル42は、ケーシング41の下面を構成している平面視が略多角形状(ここでは、略4角形状)の板状体であり、主として、ケーシング本体41aの下端部に固定されたパネル本体42aから構成されている。パネル本体42aは、その略中央に室内の空気を吸入する吸入口45と、平面視における吸入口45の周囲を囲むように形成された室内に空気を吹き出す吹出口46とを有している。吸入口45は、略4角形状の開口である。吸入口45には、吸入グリル47と、吸入口45から吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ48とが設けられている。吹出口46は、パネル本体42aの4角形の各辺に沿うように形成された複数(ここでは、4つ)の辺部吹出口46aと、パネル本体42aの角部に形成された複数(ここでは、4つ)の角部吹出口46bと、を有している。そして、各辺部吹出口46aには、各辺部吹出口から室内に吹き出される空気の上下方向の風向角度を変更することが可能な複数(ここでは、4つ)の風向変更羽根49が設けられている。風向変更羽根49は、辺部吹出口46aの長手方向に沿って細長く延びる板状の部材である。風向変更羽根49は、長手方向の軸周りに回動されて上下方向の風向角度を可変できるようになっている。
ケーシング本体41aの内部には、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32とが配置されている。
室内熱交換器31は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。室外熱交換器31は、その液側が液冷媒連絡管4に接続されており、ガス側がガス冷媒連絡管5に接続されている。室内熱交換器31は、平面視における室内ファン32の周囲を囲むように曲げられて配置された熱交換器である。室内熱交換器31は、室内ファン32によってケーシング本体41a内に吸入される室内空気と冷媒との熱交換を行うようになっている。また、室内熱交換器31の下側には、室内熱交換器31によって室内空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン31aが配置されている。ドレンパン31aは、ケーシング本体41aの下部に装着されている。
室内ファン32は、化粧パネル42の吸入口45を通じてケーシング本体41a内に室内空気を吸入して化粧パネル42の吹出口46を通じてケーシング本体41a内から室内に吹き出すファンである。すなわち、室内熱交換器31は、室内空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる熱交換器となっている。ここでは、室内ファン32として、下方から室内空気を吸入し、平面視における外周側に向かって吹き出す遠心ファンが使用されている。室内ファン32は、ケーシング本体41aの天板43の中央に設けられた室内ファンモータ33によって回転駆動されるようになっている。また、ここでは、室内ファンモータ33は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、室内ファン32の風量を制御できるようになっている。具体的には、室内ファン32の風量として、最大風量の風量H、風量Hよりも小さい中程度の風量の風量M、風量Mよりも小さく小風量の風量L、及び、風量Lよりも小さい最小風量の風量LL、の4つが準備されている。ここで、風量LLは、在室者がリモコン60(後述)によって設定することができない風量である。
また、室内ユニット3には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット3には、室内ユニット3内に吸入される室内空気の温度(室内温度Tr)及び湿度(室内湿度Hr)を検出する室内温度センサ34及び室内湿度センサ35が設けられている。
(2)制御構成
図4は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
<全体>
冷凍装置としての空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行うために、室外側制御部20と室内側制御部30とリモコン60とが伝送線や通信線を介して接続された制御部6を有している。室外側制御部20は、室内ユニット2に設けられている。室内側制御部30は、室内ユニット3に設けられている。リモコン60は、室内に設けられている。尚、ここでは、制御部20、30及びリモコン60が伝送線や通信線を介して有線接続されているが、無線接続されていてもよい。
<室外側制御部>
室外側制御部20は、上記のように、室外ユニット2に設けられており、主として、室外側CPU20aと、室外側伝送部20bと、室外側記憶部20cと、を有している。室内側制御部20は、吸入圧力センサ28の検出信号を受けることができるようになっている。
室外側CPU20aは、室外側伝送部20b及び室外側記憶部20cに接続されている。熱源側伝送部20bは、室内側制御部30aとの間で制御データ等の伝送を行う。室外側記憶部20cは、制御データ等を記憶する。そして、室外側CPU20aは、室外側伝送部20bや室外側記憶部20cを介して、制御データ等の伝送や読み書きを行いつつ、室外ユニット2に設けられた構成機器21、23、25、26等の運転制御を行う。
<室内側制御部>
室内側制御部30は、上記のように、室内ユニット3に設けられており、主として、室内側CPU30aと、室内側伝送部30bと、室内側記憶部30cと、室内側通信部30dと、を有している。室内側制御部30は、室内温度センサ34及び室内湿度センサ35の検出信号を受けることができるようになっている。
室内側CPU30aは、室内側伝送部30b、室内側記憶部30c及び室内側記憶部30dに接続されている。室内側伝送部30bは、室外側制御部20との間で制御データ等の伝送を行う。室内側記憶部30bは、制御データ等を記憶する。室内側通信部30cは、リモコン60との間で制御データ等の送受信を行う。そして、室内側CPU30aは、室内側伝送部30bや室内側記憶部30c、室内側通信部30dを介して、制御データ等の伝送や読み書き、送受信を行いつつ、室内ユニット3に設けられた構成機器32、49等の運転制御を行う。
<リモコン>
リモコン60は、上記のように、室内に設けられており、主として、リモコンCPU61と、リモコン記憶部62と、リモコン通信部63と、リモコン操作部64と、リモコン表示部65と、を有している。
リモコンCPU61は、リモコン通信部62、リモコン記憶部63、リモコン操作部64及びリモコン表示部65に接続されている。リモコン通信部62は、室内側通信部30cとの間で制御データ等の送受信を行う。リモコン記憶部63は、制御データ等を記憶する。リモコン操作部64は、ユーザーからの制御指令等の入力を受け付ける。リモコン表示部65は、運転表示等を行う。そして、リモコンCPU61は、リモコン操作部64を介して運転指令や制御指令等の入力を受け付けて、リモコン記憶部63に制御データ等の読み書きを行い、リモコン表示部65に運転状態や制御状態の表示等を行いつつ、リモコン通信部62を介して、室内側制御部30に制御指令等を行う。
このように、冷凍装置としての空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行う制御部6を有している。そして、制御部6は、吸入圧力センサ28、室内温度センサ34及び室内湿度センサ35の検出信号等に基づいて構成機器21、23、25、26、32、49等の制御を行い、冷房運転や除湿運転、暖房運転等の空調運転及び各種制御を行うことができるようになっている。
(3)基本動作
次に、空気調和装置1の基本動作(暖房運転、冷房運転、及び、除湿運転)について説明する。
<暖房運転>
空気調和装置1では、空調運転としての暖房運転を行うことができる。暖房運転は、リモコン操作部64を介して暖房運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
暖房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の放熱器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の破線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23及びガス冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って放熱する。これにより、室内空気は加熱されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において放熱した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、暖房運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室内熱交換器31、膨張弁25、室外熱交換器24の順に循環する動作がなされるようになっている。
<冷房運転>
空気調和装置1では、空調運転としての冷房運転を行うことができる。冷房運転は、リモコン操作部64を介して冷房運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
冷房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、冷房運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされるようになっている。
<除湿運転>
空気調和装置1では、空調運転としての除湿運転を行うことができる。除湿運転は、リモコン操作部64を介して除湿運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
除湿運転においては、冷房運転と同様に、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は除湿されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、除湿運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされるようになっている。
(4)冷房運転時の制御
上記の冷房運転においては、以下のような制御が行われる。図5は、冷房運転のフローチャートである。
<ステップST1(サーモオン)>
制御部6は、ステップST1、すなわち、冷房運転の動作時(圧縮機21を運転させて冷媒の循環を行わせる動作時、サーモオン中)において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。また、制御部6は、ステップST1のサーモオン中において、室内ファン32の風量を、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって選択された設定風量(ここでは、風量L、風量M、及び、風量Hのいずれか)に制御する。
圧縮機21の容量制御は、冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsよりも高い場合には、圧縮機21の回転数(周波数)を大きくすることによって圧縮機21の容量を大きくし、冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsよりも低い場合には、圧縮機21の回転数(周波数)を小さくすることによって圧縮機21の容量を小さくする制御である。
ここで、制御部6は、目標蒸発温度Tecsを室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrに基づいて決定する。具体的には、制御部6は、温度差ΔTrが大きいほど目標蒸発温度Tecsが低くなるように決定する。目標室内温度Trsは、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって設定されている。また、冷媒の蒸発温度Teは、吸入圧力Psを冷媒の飽和温度に換算することによって得られる。冷媒の蒸発温度Teとは、冷房運転時において、膨張弁25の出口から室内熱交換器31を経由して圧縮機21の吸入側に至るまでの間を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を代表する圧力(冷媒回路10における冷媒の蒸発圧力Pe)を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる温度、又は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器31における冷媒の飽和温度を意味する。このため、室内熱交換器31に温度センサを設ける場合には、この温度センサによって検出される冷媒の温度を冷媒の蒸発温度Teとしてもよい。
尚、ここでは、容量制御における制御対象の状態量を蒸発温度Teとしているが、蒸発圧力Peであってもよい。この場合には、制御目標値として、目標蒸発温度Tecsに相当する目標蒸発圧力Pecsを使用すればよい。この容量制御において蒸発圧力Pe及び目標蒸発圧力Pecsを使用することも、蒸発温度Te及び目標蒸発温度Tecsを使用することと同じである。
<ステップST2(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定)>
制御部6は、ステップST1のサーモオン中に、ステップST2において、サーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによるサーモオフ温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、サーモオフ温度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオン中に、室内温度Trが低くなり、室内温度Trがサーモオフ温度Trcf以下に達した場合にサーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfよりも高い場合にサーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、サーモオフ温度Trcfは、目標室内温度Trsにサーモオフ温度差ΔTrcfを加えた値である。サーモオフ温度差ΔTrcfは、−1度から+1度程度の値に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオフ温度差ΔTrcfに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfに達したかどうかによって判定することと同じである。
<ステップST3(サーモオフ)>
制御部6は、ステップST2において、室内温度Trがサーモオフ温度Trcf以下に達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合には、ステップST3において、圧縮機21を停止させて冷媒の循環を止めて冷房運転の動作を休止させる(サーモオフ)。
<ステップST4(サーモオン条件を満たすかどうかの判定)>
制御部6は、ステップST3のサーモオフ中に、ステップST4において、サーモオン条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオン条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによるサーモオン温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオン温度条件を満たした場合には、サーモオン条件を満たすものと判定し、サーモオン温度条件を満たさない場合には、サーモオン条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオフ中に、室内温度Trが高くなり、室内温度Trがサーモオン温度Trcn以上に達した場合にサーモオン温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオン温度Trcnよりも低い場合にサーモオン温度条件を満たさないものと判定する。ここで、サーモオン温度Trcnは、目標室内温度Trsにサーモオン温度差ΔTrcnを加えた値である。サーモオン温度差ΔTrcnは、0度から+2度程度の値に設定される。
尚、ここでは、サーモオン条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオン温度Trcnに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオン温度差ΔTrcnに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオン温度Trcnに達したかどうかによって判定することと同じである。
そして、制御部6は、ステップST4において、サーモオン条件を満たすものと判定した場合には、ステップST1に戻り、圧縮機21を起動して、冷房運転の動作(サーモオン)を行う。
(5)除湿運転時の制御
上記の除湿運転においては、以下のような制御が行われる。図6は、除湿運転のフローチャート(モード選択)であり、図7は、除湿運転のフローチャート(除湿運転モードL、M、H)である。
<ステップST11(モード選択)>
ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに応じるために、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが準備されている。ここで、除湿レベルとは、除湿運転によって得ようとする室内湿度Hrの程度を意味しており、除湿運転によって得ようとする室内湿度Hrが低いほど、除湿レベルが高いということになる。具体的には、除湿運転モードとして、最も除湿レベルが低い除湿運転モードL、除湿運転モードLよりも除湿レベルが高い中程度の除湿レベルの除湿運転モードM、及び、除湿運転モードMよりも除湿レベルが高い除湿運転モードH、の3つが制御部6に準備されている。ここで、除湿運転モードの選択は、ステップST11において、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって選択される。
<ステップST12(除湿運転モードL)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードLが選択されると、ステップST12(すなわち、ステップST21〜ST27)の制御を行う。
−ステップST21(サーモオン)−
制御部6は、ステップST21、すなわち、除湿運転の動作時(圧縮機21を運転させて冷媒の循環を行わせる動作時、サーモオン中)において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。また、制御部6は、ステップST21のサーモオン中において、冷房運転時のステップST1とは異なり、室内ファン32の風量を風量L又は風量LLに制限する風量制御を行う。
圧縮機21の容量制御は、目標蒸発温度Tecsを目標蒸発温度Tedsとしている点を除いては、冷房運転時のステップST1と同じである。このため、ここでは、圧縮機21の容量制御の説明を省略する。ここで、目標蒸発温度Tedsは、目標蒸発温度Tecs以下の値に設定される。
−ステップST22(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定1)−
制御部6は、ステップST21のサーモオン中に、ステップST22において、サーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによる第1サーモオフ温度条件と、室内湿度Hrによるサーモオフ湿度条件と、を有している。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の一方又は両方を満たしていない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。すなわち、除湿運転モードLにおいては、冷房運転時のステップST2とは異なり、サーモオフ温度条件だけでなく、サーモオフ湿度条件も考慮してサーモオフ条件を満たすかどうかを判定している。
具体的には、制御部6は、サーモオン中に、室内温度Trが低くなり、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1よりも高い場合や室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続しない場合に第1サーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、第1サーモオフ温度TrdfL1は、目標室内温度Trsに第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1を加えた値である。第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1は、−1度から+1度程度の値に設定され、所定時間tLは、数十秒から数分程度の値に設定される。また、第1サーモオフ温度TrdfL1(=目標室内温度Trs+第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1)は、冷房運転時のサーモオフ温度Trcf(=目標室内温度Trs+サーモオフ温度差ΔTrcf)と同じ値であってもよいし、低い値であってもよい。
また、制御部6は、サーモオン中に、室内湿度Hrが低くなり、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達した場合にサーモオフ湿度条件を満たすものと判定し、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLよりも高い場合にサーモオフ湿度条件を満たさないものと判定する。ここで、目標室内湿度HrsLは、ステップST11において除湿運転モードLが選択された時に、60%から70%程度の除湿レベルが低い値(すなわち、高めの相対湿度値)に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrが第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrから目標室内湿度Hrsを差し引いた湿度差ΔHrが0(ゼロ)に達したかどうか、によって判定してもよい。これらの温度差ΔTr及び湿度差ΔHrによる判定も、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達したかどうか、によって判定することと同じである。
−ステップST23(サーモオフ)−
制御部6は、ステップST22において、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続した時に室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合には、ステップST23において、圧縮機21を停止させて冷媒の循環を止めて除湿運転の動作を休止させる(サーモオフ)。また、制御部6は、ステップST27(後述)において、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2以下に達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合にも、サーモオフを行う。
−ステップST24(サーモオン条件を満たすかどうかの判定)−
制御部6は、ステップST23のサーモオフ中に、ステップST24において、サーモオン条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオン条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、冷房運転時のステップST4と同様に、室内温度Trによるサーモオン温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオン温度条件を満たした場合には、サーモオン条件を満たすものと判定し、サーモオン温度条件を満たさない場合には、サーモオン条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオフ中に、室内温度Trが高くなり、室内温度Trがサーモオン温度TrdnL以上に達した場合にサーモオン温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLよりも低い場合にサーモオン温度条件を満たさないものと判定する。そして、サーモオン温度TrdnLは、目標室内温度Trsにサーモオン温度差ΔTrdnLを加えた値である。サーモオン温度差ΔTrdnLは、冷房運転時のサーモオン温度Trcn(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrcn)と同じ値であってもよいし、低い値であってもよい。
尚、ここでは、サーモオン条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオン温度差ΔTrdnLに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLに達したかどうかによって判定することと同じである。
そして、制御部6は、ステップST24において、サーモオン条件を満たすものと判定した場合には、ステップST21に戻り、圧縮機21を起動して、除湿運転の動作(サーモオン)を行う。
−ステップST25(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定2)−
制御部6は、ステップST21のサーモオン中に、ステップST22のサーモオフ条件(第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方)を満たさない場合に、ステップST25において、第1サーモオフ温度条件を満たすが、サーモオフ湿度条件を満たしていない場合であるかどうかの判定を行う。すなわち、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさないかどうかの判定を行う。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフを行わずに、ステップST26の除湿継続制御を行う。
−ステップST26(サーモオン、除湿継続制御)−
制御部6は、ステップST26において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御及び室内ファン32の風量制御を継続して行う。但し、ここでは、ステップST21の容量制御及び風量制御とは異なり、制御部6は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度Trwを下回るように、圧縮機21の容量及び室内ファン32の風量を制御する。ここでは、室内ファン32の風量を最小風量LLに制御するとともに、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行う。
ここで、制御部6は、目標蒸発温度Tedsを露点温度Trwに基づいて決定する。具体的には、制御部6は、露点温度Trwを室内温度Tr及び室内湿度Hrから算出する。そして、制御部6は、算出された露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定する。すなわち、制御部6は、目標蒸発温度Tedsを露点温度Trwよりも低くなるように決定するのである。
そして、このような除湿継続制御によって、室内の除湿が継続されて、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達すると、制御部6は、ステップST22において、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たすことでサーモオフ条件を満たすものと判定して、ステップST23において、サーモオフを行う。
−ステップST27(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定3)−
制御部6は、ステップST26の除湿継続制御中に、ステップST22のサーモオフ条件(第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方)を満たさない場合に、ステップST27において、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たすことでサーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件をさらに有している。そして、制御部6は、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、サーモオフ湿度条件及び第2サーモオフ温度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。すなわち、ステップST26の除湿継続制御中には、ステップST22において、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たすかどうかを判定するだけでなく、第2サーモオフ温度条件を満たすかどうかも判定している。
具体的には、制御部6は、除湿継続制御中に、室内温度Trがさらに低くなり、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2以下に達した時点で第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2よりも高い場合に第2サーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、第2サーモオフ温度TrdfL2は、目標室内温度Trsに第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2を加えた値である。そして、第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2は、第1サーモオフ温度TrdfL1よりも低い値(例えば、−3度から−2度程度の値)に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2に達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrが第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2に達したかどうかによって判定してもよい。この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2に達したかどうかによって判定することと同じである。
<ステップST13(除湿運転モードM)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードMが選択されると、ステップST13(すなわち、ステップST31〜ST37)の制御を行う。
ここで、除湿運転モードMのステップST31〜ST37の処理は、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の処理と同じである。このため、ここでは、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の説明における文字「L」を「M」に読み替えるとともに、ステップST21〜ST27をST31〜ST37に読み替えることで、ステップST31〜ST37の説明を省略する。
但し、目標室内湿度HrsMについては、ステップST11において除湿運転モードMが選択された時に、除湿運転モードLの目標室内湿度HrsLよりも低い値(例えば、50%から60%程度の中程度の相対湿度値)に設定される。
また、除湿運転モードMにおいては、第1サーモオフ温度TrdfM1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfM1)を、除湿運転モードLにおける第1サーモオフ温度TrdfL1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第1サーモオフ温度差ΔTrdfM1が−1.5度から+0.5度程度の値)にしてもよい。所定時間tMを、除湿運転モードLにおける所定時間tLと同じ値にしてもよいが、長い値にしてもよい。サーモオン温度TrdnM(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnM)を、除湿運転モードLにおけるサーモオン温度TrdnL(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnL)と同じ値にしてもよいが、低い値にしてもよい。第2サーモオフ温度TrdfM2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfM2)を、除湿運転モードLにおける第2サーモオフ温度TrdfL2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第2サーモオフ温度差ΔTrdfM2が−3.5度から−2.5度程度の値)にしてもよい。
<ステップST14(除湿運転モードH)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードHが選択されると、ステップST14(すなわち、ステップST41〜ST47)の制御を行う。
ここで、除湿運転モードHのステップST41〜ST47の処理は、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の処理と同じである。このため、ここでは、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の説明における文字「L」を「H」に読み替えるとともに、ステップST21〜ST27をST41〜ST47に読み替えることで、ステップST41〜ST47の説明を省略する。
但し、目標室内湿度HrsHについては、ステップST11において除湿運転モードHが選択された時に、除湿運転モードL、Mの目標室内湿度HrsL、HrsMよりも低い値(例えば、40%から50%程度の低めの相対湿度値)に設定される。
また、除湿運転モードHにおいては、第1サーモオフ温度TrdfH1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfH1)を、除湿運転モードL、Mにおける第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1、ΔTrdfM1)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第1サーモオフ温度差ΔTrdfH1が−2度から0度程度の値)にしてもよい。所定時間tHを、除湿運転モードL、Mにおける所定時間tL、tMと同じ値にしてもよいが、長い値にしてもよい。サーモオン温度TrdnH(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnH)を、除湿運転モードL、Mにおけるサーモオン温度TrdnL、TrdnM(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnL、ΔTrdnM)と同じ値にしてもよいが、低い値にしてもよい。第2サーモオフ温度TrdfH2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfH2)を、除湿運転モードL、Mにおける第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2、ΔTrdfM2)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第2サーモオフ温度差ΔTrdfH2が−4度から−3度程度の値)にしてもよい。
(6)特徴
次に、空気調和装置1の特徴について説明する。
<A>
除湿運転を行う空気調和装置1において、除湿運転時においても、上記の冷房運転時(ステップST1〜ST4の処理)と同様に、室内温度Trが目標室内温度Trsに近づいて室内温度Trがサーモオフ温度に達した時点で、サーモオフを行うものとすると、室内の除湿が十分になされず、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれがある。特に、目標室内温度Trsを高めに設定して除湿運転を開始する場合のような過渡的な運転状態においては、除湿運転の開始後すぐにサーモオフが行われてしまい、室内の除湿不足が発生しやすい傾向にある。また、サーモオフ中に室内熱交換器31における温度が上昇するため、結露水が再蒸発してしまい、室内湿度Hrが高くなるおそれもある。
そこで、ここでは、上記のように、制御部6が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによる第1サーモオフ温度条件と、室内湿度Hrによるサーモオフ湿度条件と、を有するものとしている。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定して、サーモオフを行い(ステップST22、ST32、ST42参照)、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定して、サーモオフを行わないようにしている(ステップST25、ST35、ST45参照)。
これにより、ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たしても、サーモオフ湿度条件を満たさない場合には、室内の除湿を継続することができる(ステップST26、ST36、ST46参照)。このため、第1サーモオフ温度条件を満たすとサーモオフが行われる場合に比べて、除湿量を増大させることができ、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。また、目標室内温度Trsを高めに設定して除湿運転を開始する場合のような過渡的な運転状態においても、除湿運転の開始後すぐにサーモオフが行われてしまうことが少なくなる。
但し、上記のような第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって、室内温度Trが低くなり過ぎるおそれがある。例えば、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によってもサーモオフ湿度条件を満たさない場合である。このような場合には、室内温度Trが低くなり過ぎることで在室者が不快に感じるおそれがある。
そこで、ここでは、上記のように、制御部6が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件をさらに有している。そして、制御部6は、サーモオフ湿度条件を満たさなくても、低温側の第2サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定している(ステップST27、ST37、ST47参照)。
これにより、ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって、室内温度Trが低くなり過ぎる前に、サーモオフを行うことができる(ステップST23、ST33、ST43参照)。このため、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって除湿量を増大させて、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくするとともに、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の過度な継続を抑えて、室内温度Trが低くなり過ぎることで在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
<B>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1よりも低い第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2、TrdfH2に達した時点で、第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定している(ステップST27、ST37、ST47参照)。
これにより、ここでは、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2、TrdfH2に達した時点でサーモオフが行われるため、室内温度Trが低くなり過ぎるおそれを少なくすることができる。
<C>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが選択可能に構成されている(ステップST11〜ST14参照)。
これにより、ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに適した除湿運転を行うことができる。
<D>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第1サーモオフ温度条件を低温側に変更している(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、第1サーモオフ温度差を低い値にし(すなわち、ΔTrdfL1>ΔTrdfM1>ΔTrdfH1にし)、これにより、除湿運転モードL、M、Hの順に、第1サーモオフ温度を低い値にする(すなわち、TrdfL1>TrdfM1>TrdfH1にする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
また、ここでは、制御部6が、除湿運転時の第1サーモオフ温度条件を冷房運転時のサーモオフ温度条件よりも低温側に変更してもよい。具体的には、除湿運転時の第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1、ΔTrdfM1、ΔTrdfH1を、冷房運転時のサーモオフ温度差ΔTrcfよりも低い値にする。これにより、冷房運転時に比べて室内の除湿を促進することができる。
<E>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第2サーモオフ温度条件を低温側に変更している(ステップST27、ST37、ST47参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、第2サーモオフ温度差を低い値にし(すなわち、ΔTrdfL2>ΔTrdfM2>ΔTrdfH2にし)、これにより、除湿運転モードL、M、Hの順に、第2サーモオフ温度を低い値にする(すなわち、TrdfL2>TrdfM2>TrdfH2にする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第2サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第2サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
<F>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1に達した状態が所定時間tL、tM、tH連続して継続した時点で、第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定している(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。
ここでは、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1に達した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する場合に比べて、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間においても、除湿量を増大させることができる。また、第1サーモオフ温度条件を満たしているかどうかの誤判定を防ぐこともできる。
また、ここでは、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、所定時間を長くしてもよい(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、所定時間を長い値にする(tL<tM<tHにする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
<G>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続時(除湿継続制御)において、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度Trwを下回るように、圧縮機21の容量及び室内ファン32の風量を制御している(ステップST26、ST36、ST46参照)。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において室内空気の結露が確実に発生する状態において、室内の除湿を継続することができる。
特に、ここでは、上記のように、制御部6が、室内ファン32の風量を最小風量LLに制御するとともに、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行っている。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において熱交換を行う冷媒の流量及び室内空気の風量が減少することで、冷媒と室内空気との熱交換を抑えることができる。このため、室内温度Trの低下が抑えられて、室内温度Trが低くなり過ぎて在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
(7)変形例
<A>
上記実施形態では、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行うようにしている。具体的には、制御部6が、露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定して、蒸発温度Teがこの目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御している。
しかし、この圧縮機21の容量制御において、目標蒸発温度Tedsが低めに設定されると、圧縮機21の容量が大きめに制御されることになり、室内の除湿が促進されるだけでなく、室内温度Trも低下しやすくなる。
そこで、ここでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、室内温度Trが上昇していると判定されるまで、圧縮機21の容量を小さくする制御を行うようにしている。
具体的には、図8に示すように、制御部6は、ステップST51において、室内温度Trが上昇していると判定されるまで、ステップST52において、所定温度差ΔTrwを小さくする変更を行うことで、目標蒸発温度Tedsが露点温度Trwを下回る範囲で高くなるようにして、圧縮機21の容量制御を行うようにしている。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において熱交換を行う冷媒の流量を、室内温度Trを低くせずに除湿がなされる流量まで小さくすることができ、在室者が不快に感じるおそれをさらに少なくすることができる。また、サーモオフの頻度も減らすことができる。
<B>
上記実施形態及び変形例Aでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行うようにしている。具体的には、制御部6が、露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定して、蒸発温度Teがこの目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御している。
しかし、目標蒸発温度Tedsが低めに設定されると、室内熱交換器31において室内空気が過度に冷却されるおそれがあり、室内熱交換器31を収容する室内ユニット3の吹出口46付近において、結露が発生するおそれがある。
そこで、ここでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、蒸発温度Teの下限値Tem以上の範囲内で圧縮機21の容量を小さくする制御を行うようにしている。
具体的には、図9に示すように、制御部6は、まず、ステップST53において、下限値Temを室内温度Tr及び室内湿度Hrから決定する。ここで、下限値Temは、室内温度Tr及び室内湿度Hrから見て、蒸発温度Teをどの程度まで低くしても、室内ユニット3の吹出口46付近において結露が発生しないかという観点で決定される。このため、室内温度Trが低めであったり、また、室内湿度Hrが低めである場合には、結露が発生しにくいため、下限値Temが低めに決定され、室内温度Trが高めであったり、また、室内湿度Hrが高めである場合には、結露が発生しやすいため、下限値Temが高めに決定されることになる。次に、制御部6は、ステップST54において、目標蒸発温度Tedsが下限値Tem以上であるかどうかを判定する。そして、制御部6は、ステップST54において、目標蒸発温度Tedsが下限値Tem以上でないと判定した場合には、ステップST55において、所定温度差ΔTrwを小さくする変更を行うことで、目標蒸発温度Tedsが露点温度Trwを下回る範囲で高くなるようにして、圧縮機21の容量制御を行うようにしている。
これにより、ここでは、蒸発温度Teの下限値Tem以上の範囲内で圧縮機21の容量を小さくする制御を行うことによって、室内熱交換器31において室内空気が過度に冷却されることで、室内ユニット3の吹出口46付近において、結露が発生するおそれを少なくすることができる。
また、除湿運転を行うと、室内の除湿が進んで室内湿度Hrが徐々に低くなるため、室内ユニット3の吹出口46付近において結露が発生するおそれが徐々に緩和される傾向にある。ここで、制御部6は、ステップST53において、下限値Temを室内温度Tr及び室内湿度Hrから決定しているため、除湿継続制御中は、下限値Temが低くなる。すなわち、ここでは、制御部6が、除湿運転時に、蒸発温度Teの下限値Temを低くしている。
これにより、ここでは、蒸発温度Teを低下させる範囲を拡大することができ、蒸発温度Teが露点温度Trwを確実に下回るようにすることができる。特に、ここでは、室内温度Tr及び室内湿度Hrを考慮して蒸発温度Teを低下させる範囲を拡大することができるため、結露の発生を極力抑えることができる。
<C>
上記実施形態及び変形例A、Bでは、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードとして、除湿運転モードL、M、Hの3つを選択できるようになっているが、これに限定されるものではなく、2つの除湿運転モードであってもよいし、4つ以上の除湿運転モードであってもよい。
<D>
上記実施形態及び変形例A〜Cでは、室内熱交換器31を収容する室内ユニット3として、天井埋込型のものを採用した例を説明しているが、これに限定されるものではなく、壁掛型等の他の型式の室内ユニットであってもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能であることが理解されるであろう。
本開示は、除湿運転を行う空気調和装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置
6 制御部
10 冷媒回路
21 圧縮機
24 室外熱交換器
25 膨張弁(膨張機構)
31 室内熱交換器
除湿運転を行う空気調和装置
従来より、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張機構と、室内熱交換器と、が接続されて構成された冷媒回路を有する空気調和装置がある。そして、この空気調和装置において、冷媒回路に封入された冷媒を圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器の順に循環させる除湿運転を行うことがある。この除湿運転時においては、特許文献1(特開2004−76973号公報)に示すように、室内温度が目標室内温度に達すると、圧縮機を停止させるサーモオフが行われる。
特許文献1の空気調和装置では、上記のように、除湿運転時に、室内温度が目標室内温度に達すると、サーモオフ条件を満たしているものと判定して、サーモオフが行われる。
しかし、このような除湿運転では、室内の除湿が十分になされないままで、室内温度が目標室内温度に達して、サーモオフが行われてしまう場合があり、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれがある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、冷媒回路と、制御部と、を有している。冷媒回路は、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張機構と、室内熱交換器と、が接続されて構成されている。制御部は、冷媒回路に封入された冷媒を圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器の順に循環させる除湿運転を行う。制御部は、除湿運転時に、所定のサーモオフ条件を満たした場合に、圧縮機を停止させるサーモオフを行う。ここでは、制御部が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度による第1サーモオフ温度条件と、室内湿度によるサーモオフ湿度条件と、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件と、を有している。そして、制御部は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、第1サーモオフ温度条件を満たさない時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定し、第1サーモオフ温度条件を満たさない時にサーモオフ湿度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定し、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定し、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、第1サーモオフ温度条件を満たさないことでサーモオフ条件を満たさないと判定する場合には、除湿運転を継続する。
ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たしても、サーモオフ湿度条件を満たさない場合には、低温側の第2サーモオフ温度条件を満たすまで、サーモオフが行われずに、室内の除湿が継続される。このため、第1サーモオフ温度条件を満たすとサーモオフが行われる場合に比べて、除湿量を増大させることができ、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、室内温度が第1サーモオフ温度に達した状態が所定時間連続して継続した時点で、第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する。
ここでは、室内温度が第1サーモオフ温度に達した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する場合に比べて、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間においても、除湿量を増大させることができる。
第3の観点にかかる空気調和装置は、第2の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、室内温度が第1サーモオフ温度よりも低い第2サーモオフ温度に達した時点で、第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定する。
ここでは、室内温度が第2サーモオフ温度に達した時点でサーモオフが行われるため、室内温度が低くなり過ぎるおそれを少なくすることができる。
第4の観点にかかる空気調和装置は、第1〜第3の観点のいずれかにかかる空気調和装置において、制御部が、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが選択可能に構成されている。
ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに適した除湿運転を行うことができる。
第5の観点にかかる空気調和装置は、第4の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第1サーモオフ温度条件を低温側に変更する。
ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
第6の観点にかかる空気調和装置は、第4又は第5の観点にかかる空気調和装置において、制御部が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第2サーモオフ温度条件を低温側に変更する。
ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第2サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第2サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
本開示の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。
空気調和装置を構成する室内ユニットの外観斜視図である。
室内ユニットの概略側面断面図であって、図2のI−O−I断面図である。
空気調和装置の制御ブロック図である。
冷房運転時の制御フローチャートである。
除湿運転時の制御フローチャート(モード選択)である。
除湿運転時の制御フローチャート(除湿運転モードL、M、H)である。
変形例Aにおける除湿継続制御を示すフローチャートである。
変形例Bにおける除湿継続制御を示すフローチャートである。
以下、空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)機器構成
図1は、本開示の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。
<全体>
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、建物等の室内の空調を行う装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3と、室外ユニット2と室内ユニット3とを接続する液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と室内ユニット3とが液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して接続されることによって構成されている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外(建物の屋上や建物の外壁面近傍等)に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室内ユニット3に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁23と、室外熱交換器24と、膨張弁25と、を有している。
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機構である。ここでは、圧縮機21として、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機モータ22によって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。また、ここでは、圧縮機モータ22は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、圧縮機21の容量を制御できるようになっている。
四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁23は、冷房運転又は除湿運転時には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器24のガス側とを接続するとともに、ガス冷媒連絡管5を介して室内熱交換器31(後述)のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁23の実線を参照)。また、四路切換弁23は、暖房運転時には、ガス冷媒連絡管5を介して圧縮機21の吐出側と室内熱交換器31のガス側とを接続するとともに、室外熱交換器24のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁23の破線を参照)。
室外熱交換器24は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器24は、その液側が膨張弁25に接続されており、ガス側が四路切換弁23に接続されている。
膨張弁25は、冷房運転又は除湿運転時には室外熱交換器24において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器31に送る前に減圧し、暖房運転時には室内熱交換器31において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器24に送る前に減圧することが可能な膨張機構である。ここでは、膨張弁25として、開度制御が可能な電動膨張弁が使用されている。
また、室外ユニット2には、ユニット内に室外空気を吸入して、室外熱交換器24に室外空気を供給した後に、ユニット外に排出するための室外ファン26が設けられている。すなわち、室外熱交換器24は、室外空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる熱交換器となっている。室外ファン26は、室外ファンモータ27によって回転駆動されるようになっている。
また、室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット2には、圧縮機21の吸入圧力Psを検出する吸入圧力センサ28が設けられている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、室内ユニット2の膨張弁25側に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器31の液側に接続されている。ガス冷媒連絡管5の一端は、室内ユニット2の四路切換弁23側に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器31のガス側に接続されている。
<室内ユニット>
室内ユニット3は、室内(建物内)に設置されている。室内ユニット3は、上記のように、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。室内ユニット3は、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32と、を有している。
ここでは、室内ユニット3として、天井埋込型と呼ばれる型式の室内ユニットが採用されている。室内ユニット3は、図2及び図3に示すように、内部に構成機器を収納するケーシング41を有している。ケーシング41は、ケーシング本体41aと、ケーシング本体41aの下側に配置された化粧パネル42とから構成されている。ケーシング本体41aは、図2に示すように、天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル42は、天井Uの開口に嵌め込まれるように配置されている。ここで、図2は、室内ユニット3の外観斜視図である。図3は、室内ユニット3の概略側面断面図であって、図2のI−O−I断面図である。
ケーシング本体41aは、平面視が長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、その下面が開口している。ケーシング本体41aは、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板43と、天板43の周縁部から下方に延びる側板44とを有している。
化粧パネル42は、ケーシング41の下面を構成している平面視が略多角形状(ここでは、略4角形状)の板状体であり、主として、ケーシング本体41aの下端部に固定されたパネル本体42aから構成されている。パネル本体42aは、その略中央に室内の空気を吸入する吸入口45と、平面視における吸入口45の周囲を囲むように形成された室内に空気を吹き出す吹出口46とを有している。吸入口45は、略4角形状の開口である。吸入口45には、吸入グリル47と、吸入口45から吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ48とが設けられている。吹出口46は、パネル本体42aの4角形の各辺に沿うように形成された複数(ここでは、4つ)の辺部吹出口46aと、パネル本体42aの角部に形成された複数(ここでは、4つ)の角部吹出口46bと、を有している。そして、各辺部吹出口46aには、各辺部吹出口から室内に吹き出される空気の上下方向の風向角度を変更することが可能な複数(ここでは、4つ)の風向変更羽根49が設けられている。風向変更羽根49は、辺部吹出口46aの長手方向に沿って細長く延びる板状の部材である。風向変更羽根49は、長手方向の軸周りに回動されて上下方向の風向角度を可変できるようになっている。
ケーシング本体41aの内部には、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32とが配置されている。
室内熱交換器31は、冷房運転又は除湿運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。室外熱交換器31は、その液側が液冷媒連絡管4に接続されており、ガス側がガス冷媒連絡管5に接続されている。室内熱交換器31は、平面視における室内ファン32の周囲を囲むように曲げられて配置された熱交換器である。室内熱交換器31は、室内ファン32によってケーシング本体41a内に吸入される室内空気と冷媒との熱交換を行うようになっている。また、室内熱交換器31の下側には、室内熱交換器31によって室内空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン31aが配置されている。ドレンパン31aは、ケーシング本体41aの下部に装着されている。
室内ファン32は、化粧パネル42の吸入口45を通じてケーシング本体41a内に室内空気を吸入して化粧パネル42の吹出口46を通じてケーシング本体41a内から室内に吹き出すファンである。すなわち、室内熱交換器31は、室内空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる熱交換器となっている。ここでは、室内ファン32として、下方から室内空気を吸入し、平面視における外周側に向かって吹き出す遠心ファンが使用されている。室内ファン32は、ケーシング本体41aの天板43の中央に設けられた室内ファンモータ33によって回転駆動されるようになっている。また、ここでは、室内ファンモータ33は、インバータ等により回転数(周波数)制御が可能になっており、これにより、室内ファン32の風量を制御できるようになっている。具体的には、室内ファン32の風量として、最大風量の風量H、風量Hよりも小さい中程度の風量の風量M、風量Mよりも小さく小風量の風量L、及び、風量Lよりも小さい最小風量の風量LL、の4つが準備されている。ここで、風量LLは、在室者がリモコン60(後述)によって設定することができない風量である。
また、室内ユニット3には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット3には、室内ユニット3内に吸入される室内空気の温度(室内温度Tr)及び湿度(室内湿度Hr)を検出する室内温度センサ34及び室内湿度センサ35が設けられている。
(2)制御構成
図4は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
<全体>
冷凍装置としての空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行うために、室外側制御部20と室内側制御部30とリモコン60とが伝送線や通信線を介して接続された制御部6を有している。室外側制御部20は、室内ユニット2に設けられている。室内側制御部30は、室内ユニット3に設けられている。リモコン60は、室内に設けられている。尚、ここでは、制御部20、30及びリモコン60が伝送線や通信線を介して有線接続されているが、無線接続されていてもよい。
<室外側制御部>
室外側制御部20は、上記のように、室外ユニット2に設けられており、主として、室外側CPU20aと、室外側伝送部20bと、室外側記憶部20cと、を有している。室内側制御部20は、吸入圧力センサ28の検出信号を受けることができるようになっている。
室外側CPU20aは、室外側伝送部20b及び室外側記憶部20cに接続されている。熱源側伝送部20bは、室内側制御部30aとの間で制御データ等の伝送を行う。室外側記憶部20cは、制御データ等を記憶する。そして、室外側CPU20aは、室外側伝送部20bや室外側記憶部20cを介して、制御データ等の伝送や読み書きを行いつつ、室外ユニット2に設けられた構成機器21、23、25、26等の運転制御を行う。
<室内側制御部>
室内側制御部30は、上記のように、室内ユニット3に設けられており、主として、室内側CPU30aと、室内側伝送部30bと、室内側記憶部30cと、室内側通信部30dと、を有している。室内側制御部30は、室内温度センサ34及び室内湿度センサ35の検出信号を受けることができるようになっている。
室内側CPU30aは、室内側伝送部30b、室内側記憶部30c及び室内側記憶部30dに接続されている。室内側伝送部30bは、室外側制御部20との間で制御データ等の伝送を行う。室内側記憶部30bは、制御データ等を記憶する。室内側通信部30cは、リモコン60との間で制御データ等の送受信を行う。そして、室内側CPU30aは、室内側伝送部30bや室内側記憶部30c、室内側通信部30dを介して、制御データ等の伝送や読み書き、送受信を行いつつ、室内ユニット3に設けられた構成機器32、49等の運転制御を行う。
<リモコン>
リモコン60は、上記のように、室内に設けられており、主として、リモコンCPU61と、リモコン記憶部62と、リモコン通信部63と、リモコン操作部64と、リモコン表示部65と、を有している。
リモコンCPU61は、リモコン通信部62、リモコン記憶部63、リモコン操作部64及びリモコン表示部65に接続されている。リモコン通信部62は、室内側通信部30cとの間で制御データ等の送受信を行う。リモコン記憶部63は、制御データ等を記憶する。リモコン操作部64は、ユーザーからの制御指令等の入力を受け付ける。リモコン表示部65は、運転表示等を行う。そして、リモコンCPU61は、リモコン操作部64を介して運転指令や制御指令等の入力を受け付けて、リモコン記憶部63に制御データ等の読み書きを行い、リモコン表示部65に運転状態や制御状態の表示等を行いつつ、リモコン通信部62を介して、室内側制御部30に制御指令等を行う。
このように、冷凍装置としての空気調和装置1は、構成機器の運転制御を行う制御部6を有している。そして、制御部6は、吸入圧力センサ28、室内温度センサ34及び室内湿度センサ35の検出信号等に基づいて構成機器21、23、25、26、32、49等の制御を行い、冷房運転や除湿運転、暖房運転等の空調運転及び各種制御を行うことができるようになっている。
(3)基本動作
次に、空気調和装置1の基本動作(暖房運転、冷房運転、及び、除湿運転)について説明する。
<暖房運転>
空気調和装置1では、空調運転としての暖房運転を行うことができる。暖房運転は、リモコン操作部64を介して暖房運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
暖房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の放熱器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の破線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23及びガス冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って放熱する。これにより、室内空気は加熱されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において放熱した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、暖房運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室内熱交換器31、膨張弁25、室外熱交換器24の順に循環する動作がなされるようになっている。
<冷房運転>
空気調和装置1では、空調運転としての冷房運転を行うことができる。冷房運転は、リモコン操作部64を介して冷房運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
冷房運転においては、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、冷房運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされるようになっている。
<除湿運転>
空気調和装置1では、空調運転としての除湿運転を行うことができる。除湿運転は、リモコン操作部64を介して除湿運転の指令を受け付けた制御部6が、室外ユニット2及び室外ユニット3の構成機器21、23、25、26、32、49等を運転制御することによって行われる。
除湿運転においては、冷房運転と同様に、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器31が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁23の実線で示される状態)になるように、四路切換弁23が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は除湿されて室内に吹き出される。室内熱交換器31において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。このように、除湿運転においては、制御部6によって、冷媒回路10に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31の順に循環する動作がなされるようになっている。
(4)冷房運転時の制御
上記の冷房運転においては、以下のような制御が行われる。図5は、冷房運転のフローチャートである。
<ステップST1(サーモオン)>
制御部6は、ステップST1、すなわち、冷房運転の動作時(圧縮機21を運転させて冷媒の循環を行わせる動作時、サーモオン中)において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。また、制御部6は、ステップST1のサーモオン中において、室内ファン32の風量を、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって選択された設定風量(ここでは、風量L、風量M、及び、風量Hのいずれか)に制御する。
圧縮機21の容量制御は、冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsよりも高い場合には、圧縮機21の回転数(周波数)を大きくすることによって圧縮機21の容量を大きくし、冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tecsよりも低い場合には、圧縮機21の回転数(周波数)を小さくすることによって圧縮機21の容量を小さくする制御である。
ここで、制御部6は、目標蒸発温度Tecsを室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrに基づいて決定する。具体的には、制御部6は、温度差ΔTrが大きいほど目標蒸発温度Tecsが低くなるように決定する。目標室内温度Trsは、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって設定されている。また、冷媒の蒸発温度Teは、吸入圧力Psを冷媒の飽和温度に換算することによって得られる。冷媒の蒸発温度Teとは、冷房運転時において、膨張弁25の出口から室内熱交換器31を経由して圧縮機21の吸入側に至るまでの間を流れる冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を代表する圧力(冷媒回路10における冷媒の蒸発圧力Pe)を冷媒の飽和温度に換算することによって得られる温度、又は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器31における冷媒の飽和温度を意味する。このため、室内熱交換器31に温度センサを設ける場合には、この温度センサによって検出される冷媒の温度を冷媒の蒸発温度Teとしてもよい。
尚、ここでは、容量制御における制御対象の状態量を蒸発温度Teとしているが、蒸発圧力Peであってもよい。この場合には、制御目標値として、目標蒸発温度Tecsに相当する目標蒸発圧力Pecsを使用すればよい。この容量制御において蒸発圧力Pe及び目標蒸発圧力Pecsを使用することも、蒸発温度Te及び目標蒸発温度Tecsを使用することと同じである。
<ステップST2(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定)>
制御部6は、ステップST1のサーモオン中に、ステップST2において、サーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによるサーモオフ温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、サーモオフ温度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオン中に、室内温度Trが低くなり、室内温度Trがサーモオフ温度Trcf以下に達した場合にサーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfよりも高い場合にサーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、サーモオフ温度Trcfは、目標室内温度Trsにサーモオフ温度差ΔTrcfを加えた値である。サーモオフ温度差ΔTrcfは、−1度から+1度程度の値に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオフ温度差ΔTrcfに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオフ温度Trcfに達したかどうかによって判定することと同じである。
<ステップST3(サーモオフ)>
制御部6は、ステップST2において、室内温度Trがサーモオフ温度Trcf以下に達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合には、ステップST3において、圧縮機21を停止させて冷媒の循環を止めて冷房運転の動作を休止させる(サーモオフ)。
<ステップST4(サーモオン条件を満たすかどうかの判定)>
制御部6は、ステップST3のサーモオフ中に、ステップST4において、サーモオン条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオン条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによるサーモオン温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオン温度条件を満たした場合には、サーモオン条件を満たすものと判定し、サーモオン温度条件を満たさない場合には、サーモオン条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオフ中に、室内温度Trが高くなり、室内温度Trがサーモオン温度Trcn以上に達した場合にサーモオン温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオン温度Trcnよりも低い場合にサーモオン温度条件を満たさないものと判定する。ここで、サーモオン温度Trcnは、目標室内温度Trsにサーモオン温度差ΔTrcnを加えた値である。サーモオン温度差ΔTrcnは、0度から+2度程度の値に設定される。
尚、ここでは、サーモオン条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオン温度Trcnに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオン温度差ΔTrcnに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオン温度Trcnに達したかどうかによって判定することと同じである。
そして、制御部6は、ステップST4において、サーモオン条件を満たすものと判定した場合には、ステップST1に戻り、圧縮機21を起動して、冷房運転の動作(サーモオン)を行う。
(5)除湿運転時の制御
上記の除湿運転においては、以下のような制御が行われる。図6は、除湿運転のフローチャート(モード選択)であり、図7は、除湿運転のフローチャート(除湿運転モードL、M、H)である。
<ステップST11(モード選択)>
ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに応じるために、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが準備されている。ここで、除湿レベルとは、除湿運転によって得ようとする室内湿度Hrの程度を意味しており、除湿運転によって得ようとする室内湿度Hrが低いほど、除湿レベルが高いということになる。具体的には、除湿運転モードとして、最も除湿レベルが低い除湿運転モードL、除湿運転モードLよりも除湿レベルが高い中程度の除湿レベルの除湿運転モードM、及び、除湿運転モードMよりも除湿レベルが高い除湿運転モードH、の3つが制御部6に準備されている。ここで、除湿運転モードの選択は、ステップST11において、在室者がリモコン60のリモコン操作部64から入力することによって選択される。
<ステップST12(除湿運転モードL)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードLが選択されると、ステップST12(すなわち、ステップST21〜ST27)の制御を行う。
−ステップST21(サーモオン)−
制御部6は、ステップST21、すなわち、除湿運転の動作時(圧縮機21を運転させて冷媒の循環を行わせる動作時、サーモオン中)において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御を行う。また、制御部6は、ステップST21のサーモオン中において、冷房運転時のステップST1とは異なり、室内ファン32の風量を風量L又は風量LLに制限する風量制御を行う。
圧縮機21の容量制御は、目標蒸発温度Tecsを目標蒸発温度Tedsとしている点を除いては、冷房運転時のステップST1と同じである。このため、ここでは、圧縮機21の容量制御の説明を省略する。ここで、目標蒸発温度Tedsは、目標蒸発温度Tecs以下の値に設定される。
−ステップST22(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定1)−
制御部6は、ステップST21のサーモオン中に、ステップST22において、サーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによる第1サーモオフ温度条件と、室内湿度Hrによるサーモオフ湿度条件と、を有している。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の一方又は両方を満たしていない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。すなわち、除湿運転モードLにおいては、冷房運転時のステップST2とは異なり、サーモオフ温度条件だけでなく、サーモオフ湿度条件も考慮してサーモオフ条件を満たすかどうかを判定している。
具体的には、制御部6は、サーモオン中に、室内温度Trが低くなり、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1よりも高い場合や室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続しない場合に第1サーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、第1サーモオフ温度TrdfL1は、目標室内温度Trsに第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1を加えた値である。第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1は、−1度から+1度程度の値に設定され、所定時間tLは、数十秒から数分程度の値に設定される。また、第1サーモオフ温度TrdfL1(=目標室内温度Trs+第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1)は、冷房運転時のサーモオフ温度Trcf(=目標室内温度Trs+サーモオフ温度差ΔTrcf)と同じ値であってもよいし、低い値であってもよい。
また、制御部6は、サーモオン中に、室内湿度Hrが低くなり、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達した場合にサーモオフ湿度条件を満たすものと判定し、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLよりも高い場合にサーモオフ湿度条件を満たさないものと判定する。ここで、目標室内湿度HrsLは、ステップST11において除湿運転モードLが選択された時に、60%から70%程度の除湿レベルが低い値(すなわち、高めの相対湿度値)に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrが第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrから目標室内湿度Hrsを差し引いた湿度差ΔHrが0(ゼロ)に達したかどうか、によって判定してもよい。これらの温度差ΔTr及び湿度差ΔHrによる判定も、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1に達したかどうか、及び、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達したかどうか、によって判定することと同じである。
−ステップST23(サーモオフ)−
制御部6は、ステップST22において、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1以下に達した状態が所定時間tL連続して継続した時に室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合には、ステップST23において、圧縮機21を停止させて冷媒の循環を止めて除湿運転の動作を休止させる(サーモオフ)。また、制御部6は、ステップST27(後述)において、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2以下に達することでサーモオフ条件を満たすものと判定した場合にも、サーモオフを行う。
−ステップST24(サーモオン条件を満たすかどうかの判定)−
制御部6は、ステップST23のサーモオフ中に、ステップST24において、サーモオン条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオン条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、冷房運転時のステップST4と同様に、室内温度Trによるサーモオン温度条件を有している。そして、制御部6は、サーモオン温度条件を満たした場合には、サーモオン条件を満たすものと判定し、サーモオン温度条件を満たさない場合には、サーモオン条件を満たさないものと判定する。具体的には、制御部6は、サーモオフ中に、室内温度Trが高くなり、室内温度Trがサーモオン温度TrdnL以上に達した場合にサーモオン温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLよりも低い場合にサーモオン温度条件を満たさないものと判定する。そして、サーモオン温度TrdnLは、目標室内温度Trsにサーモオン温度差ΔTrdnLを加えた値である。サーモオン温度差ΔTrdnLは、冷房運転時のサーモオン温度Trcn(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrcn)と同じ値であってもよいし、低い値であってもよい。
尚、ここでは、サーモオン条件を満たすかどうかを、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLに達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrがサーモオン温度差ΔTrdnLに達したかどうかによって判定してもよく、この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trがサーモオン温度TrdnLに達したかどうかによって判定することと同じである。
そして、制御部6は、ステップST24において、サーモオン条件を満たすものと判定した場合には、ステップST21に戻り、圧縮機21を起動して、除湿運転の動作(サーモオン)を行う。
−ステップST25(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定2)−
制御部6は、ステップST21のサーモオン中に、ステップST22のサーモオフ条件(第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方)を満たさない場合に、ステップST25において、第1サーモオフ温度条件を満たすが、サーモオフ湿度条件を満たしていない場合であるかどうかの判定を行う。すなわち、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさないかどうかの判定を行う。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフを行わずに、ステップST26の除湿継続制御を行う。
−ステップST26(サーモオン、除湿継続制御)−
制御部6は、ステップST26において、冷媒回路10における冷媒の蒸発温度Teが目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御する容量制御及び室内ファン32の風量制御を継続して行う。但し、ここでは、ステップST21の容量制御及び風量制御とは異なり、制御部6は、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度Trwを下回るように、圧縮機21の容量及び室内ファン32の風量を制御する。ここでは、室内ファン32の風量を最小風量LLに制御するとともに、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行う。
ここで、制御部6は、目標蒸発温度Tedsを露点温度Trwに基づいて決定する。具体的には、制御部6は、露点温度Trwを室内温度Tr及び室内湿度Hrから算出する。そして、制御部6は、算出された露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定する。すなわち、制御部6は、目標蒸発温度Tedsを露点温度Trwよりも低くなるように決定するのである。
そして、このような除湿継続制御によって、室内の除湿が継続されて、室内湿度Hrが目標室内湿度HrsLに達すると、制御部6は、ステップST22において、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たすことでサーモオフ条件を満たすものと判定して、ステップST23において、サーモオフを行う。
−ステップST27(サーモオフ条件を満たすかどうかの判定3)−
制御部6は、ステップST26の除湿継続制御中に、ステップST22のサーモオフ条件(第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方)を満たさない場合に、ステップST27において、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たすことでサーモオフ条件を満たすかどうかの判定を行う。
制御部6は、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件をさらに有している。そして、制御部6は、サーモオフ湿度条件を満たさなくても第2サーモオフ温度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定し、サーモオフ湿度条件及び第2サーモオフ温度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定する。すなわち、ステップST26の除湿継続制御中には、ステップST22において、第1サーモオフ温度条件及びサーモオフ湿度条件の両方を満たすかどうかを判定するだけでなく、第2サーモオフ温度条件を満たすかどうかも判定している。
具体的には、制御部6は、除湿継続制御中に、室内温度Trがさらに低くなり、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2以下に達した時点で第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定し、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2よりも高い場合に第2サーモオフ温度条件を満たさないものと判定する。ここで、第2サーモオフ温度TrdfL2は、目標室内温度Trsに第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2を加えた値である。そして、第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2は、第1サーモオフ温度TrdfL1よりも低い値(例えば、−3度から−2度程度の値)に設定される。
尚、ここでは、サーモオフ条件を満たすかどうかを、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2に達したかどうかによって判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、室内温度Trから目標室内温度Trsを差し引いた温度差ΔTrが第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2に達したかどうかによって判定してもよい。この温度差ΔTrによる判定も、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2に達したかどうかによって判定することと同じである。
<ステップST13(除湿運転モードM)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードMが選択されると、ステップST13(すなわち、ステップST31〜ST37)の制御を行う。
ここで、除湿運転モードMのステップST31〜ST37の処理は、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の処理と同じである。このため、ここでは、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の説明における文字「L」を「M」に読み替えるとともに、ステップST21〜ST27をST31〜ST37に読み替えることで、ステップST31〜ST37の説明を省略する。
但し、目標室内湿度HrsMについては、ステップST11において除湿運転モードMが選択された時に、除湿運転モードLの目標室内湿度HrsLよりも低い値(例えば、50%から60%程度の中程度の相対湿度値)に設定される。
また、除湿運転モードMにおいては、第1サーモオフ温度TrdfM1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfM1)を、除湿運転モードLにおける第1サーモオフ温度TrdfL1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第1サーモオフ温度差ΔTrdfM1が−1.5度から+0.5度程度の値)にしてもよい。所定時間tMを、除湿運転モードLにおける所定時間tLと同じ値にしてもよいが、長い値にしてもよい。サーモオン温度TrdnM(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnM)を、除湿運転モードLにおけるサーモオン温度TrdnL(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnL)と同じ値にしてもよいが、低い値にしてもよい。第2サーモオフ温度TrdfM2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfM2)を、除湿運転モードLにおける第2サーモオフ温度TrdfL2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第2サーモオフ温度差ΔTrdfM2が−3.5度から−2.5度程度の値)にしてもよい。
<ステップST14(除湿運転モードH)>
制御部6は、ステップST11において、除湿運転モードHが選択されると、ステップST14(すなわち、ステップST41〜ST47)の制御を行う。
ここで、除湿運転モードHのステップST41〜ST47の処理は、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の処理と同じである。このため、ここでは、除湿運転モードLのステップST21〜ST27の説明における文字「L」を「H」に読み替えるとともに、ステップST21〜ST27をST41〜ST47に読み替えることで、ステップST41〜ST47の説明を省略する。
但し、目標室内湿度HrsHについては、ステップST11において除湿運転モードHが選択された時に、除湿運転モードL、Mの目標室内湿度HrsL、HrsMよりも低い値(例えば、40%から50%程度の低めの相対湿度値)に設定される。
また、除湿運転モードHにおいては、第1サーモオフ温度TrdfH1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfH1)を、除湿運転モードL、Mにおける第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1(第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1、ΔTrdfM1)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第1サーモオフ温度差ΔTrdfH1が−2度から0度程度の値)にしてもよい。所定時間tHを、除湿運転モードL、Mにおける所定時間tL、tMと同じ値にしてもよいが、長い値にしてもよい。サーモオン温度TrdnH(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnH)を、除湿運転モードL、Mにおけるサーモオン温度TrdnL、TrdnM(=目標室内温度Trs+サーモオン温度差ΔTrdnL、ΔTrdnM)と同じ値にしてもよいが、低い値にしてもよい。第2サーモオフ温度TrdfH2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfH2)を、除湿運転モードL、Mにおける第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2(=目標室内温度Trs+第2サーモオフ温度差ΔTrdfL2、ΔTrdfM2)と同じ値にしてもよいが、低い値(例えば、第2サーモオフ温度差ΔTrdfH2が−4度から−3度程度の値)にしてもよい。
(6)特徴
次に、空気調和装置1の特徴について説明する。
<A>
除湿運転を行う空気調和装置1において、除湿運転時においても、上記の冷房運転時(ステップST1〜ST4の処理)と同様に、室内温度Trが目標室内温度Trsに近づいて室内温度Trがサーモオフ温度に達した時点で、サーモオフを行うものとすると、室内の除湿が十分になされず、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれがある。特に、目標室内温度Trsを高めに設定して除湿運転を開始する場合のような過渡的な運転状態においては、除湿運転の開始後すぐにサーモオフが行われてしまい、室内の除湿不足が発生しやすい傾向にある。また、サーモオフ中に室内熱交換器31における温度が上昇するため、結露水が再蒸発してしまい、室内湿度Hrが高くなるおそれもある。
そこで、ここでは、上記のように、制御部6が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、室内温度Trによる第1サーモオフ温度条件と、室内湿度Hrによるサーモオフ湿度条件と、を有するものとしている。そして、制御部6は、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たしている場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定して、サーモオフを行い(ステップST22、ST32、ST42参照)、第1サーモオフ温度条件を満たした時にサーモオフ湿度条件を満たさない場合には、サーモオフ条件を満たさないものと判定して、サーモオフを行わないようにしている(ステップST25、ST35、ST45参照)。
これにより、ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たしても、サーモオフ湿度条件を満たさない場合には、室内の除湿を継続することができる(ステップST26、ST36、ST46参照)。このため、第1サーモオフ温度条件を満たすとサーモオフが行われる場合に比べて、除湿量を増大させることができ、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。また、目標室内温度Trsを高めに設定して除湿運転を開始する場合のような過渡的な運転状態においても、除湿運転の開始後すぐにサーモオフが行われてしまうことが少なくなる。
但し、上記のような第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって、室内温度Trが低くなり過ぎるおそれがある。例えば、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によってもサーモオフ湿度条件を満たさない場合である。このような場合には、室内温度Trが低くなり過ぎることで在室者が不快に感じるおそれがある。
そこで、ここでは、上記のように、制御部6が、サーモオフ条件を満たすかどうかを判定する判定要素として、第1サーモオフ温度条件よりも低温側の第2サーモオフ温度条件をさらに有している。そして、制御部6は、サーモオフ湿度条件を満たさなくても、低温側の第2サーモオフ温度条件を満たした場合には、サーモオフ条件を満たすものと判定している(ステップST27、ST37、ST47参照)。
これにより、ここでは、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって、室内温度Trが低くなり過ぎる前に、サーモオフを行うことができる(ステップST23、ST33、ST43参照)。このため、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続によって除湿量を増大させて、室内の除湿不足によって在室者が不快に感じるおそれを少なくするとともに、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の過度な継続を抑えて、室内温度Trが低くなり過ぎることで在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
<B>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1よりも低い第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2、TrdfH2に達した時点で、第2サーモオフ温度条件を満たすものと判定している(ステップST27、ST37、ST47参照)。
これにより、ここでは、室内温度Trが第2サーモオフ温度TrdfL2、TrdfM2、TrdfH2に達した時点でサーモオフが行われるため、室内温度Trが低くなり過ぎるおそれを少なくすることができる。
<C>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、除湿運転として、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードが選択可能に構成されている(ステップST11〜ST14参照)。
これにより、ここでは、在室者の除湿レベルのニーズに適した除湿運転を行うことができる。
<D>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第1サーモオフ温度条件を低温側に変更している(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、第1サーモオフ温度差を低い値にし(すなわち、ΔTrdfL1>ΔTrdfM1>ΔTrdfH1にし)、これにより、除湿運転モードL、M、Hの順に、第1サーモオフ温度を低い値にする(すなわち、TrdfL1>TrdfM1>TrdfH1にする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
また、ここでは、制御部6が、除湿運転時の第1サーモオフ温度条件を冷房運転時のサーモオフ温度条件よりも低温側に変更してもよい。具体的には、除湿運転時の第1サーモオフ温度差ΔTrdfL1、ΔTrdfM1、ΔTrdfH1を、冷房運転時のサーモオフ温度差ΔTrcfよりも低い値にする。これにより、冷房運転時に比べて室内の除湿を促進することができる。
<E>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、第2サーモオフ温度条件を低温側に変更している(ステップST27、ST37、ST47参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、第2サーモオフ温度差を低い値にし(すなわち、ΔTrdfL2>ΔTrdfM2>ΔTrdfH2にし)、これにより、除湿運転モードL、M、Hの順に、第2サーモオフ温度を低い値にする(すなわち、TrdfL2>TrdfM2>TrdfH2にする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第2サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第2サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
<F>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1に達した状態が所定時間tL、tM、tH連続して継続した時点で、第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定している(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。
ここでは、室内温度Trが第1サーモオフ温度TrdfL1、TrdfM1、TrdfH1に達した時点で第1サーモオフ温度条件を満たすものと判定する場合に比べて、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間においても、除湿量を増大させることができる。また、第1サーモオフ温度条件を満たしているかどうかの誤判定を防ぐこともできる。
また、ここでは、制御部6が、選択された除湿運転モードの除湿レベルが高いほど、所定時間を長くしてもよい(ステップST22、ST32、ST42、ST25、ST35、ST45参照)。具体的には、除湿運転モードL、M、Hの順に、所定時間を長い値にする(tL<tM<tHにする)。
これにより、ここでは、除湿レベルが高くなるほど、第1サーモオフ温度条件を満たしにくくなるため、第1サーモオフ温度条件を満たすまでの間における除湿量を増大させることができる。
<G>
また、ここでは、上記のように、制御部6が、第1サーモオフ温度条件を満たした後の除湿の継続時(除湿継続制御)において、室内熱交換器31における冷媒の蒸発温度Teが室内空気の露点温度Trwを下回るように、圧縮機21の容量及び室内ファン32の風量を制御している(ステップST26、ST36、ST46参照)。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において室内空気の結露が確実に発生する状態において、室内の除湿を継続することができる。
特に、ここでは、上記のように、制御部6が、室内ファン32の風量を最小風量LLに制御するとともに、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行っている。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において熱交換を行う冷媒の流量及び室内空気の風量が減少することで、冷媒と室内空気との熱交換を抑えることができる。このため、室内温度Trの低下が抑えられて、室内温度Trが低くなり過ぎて在室者が不快に感じるおそれを少なくすることができる。
(7)変形例
<A>
上記実施形態では、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行うようにしている。具体的には、制御部6が、露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定して、蒸発温度Teがこの目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御している。
しかし、この圧縮機21の容量制御において、目標蒸発温度Tedsが低めに設定されると、圧縮機21の容量が大きめに制御されることになり、室内の除湿が促進されるだけでなく、室内温度Trも低下しやすくなる。
そこで、ここでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、室内温度Trが上昇していると判定されるまで、圧縮機21の容量を小さくする制御を行うようにしている。
具体的には、図8に示すように、制御部6は、ステップST51において、室内温度Trが上昇していると判定されるまで、ステップST52において、所定温度差ΔTrwを小さくする変更を行うことで、目標蒸発温度Tedsが露点温度Trwを下回る範囲で高くなるようにして、圧縮機21の容量制御を行うようにしている。
これにより、ここでは、室内熱交換器31において熱交換を行う冷媒の流量を、室内温度Trを低くせずに除湿がなされる流量まで小さくすることができ、在室者が不快に感じるおそれをさらに少なくすることができる。また、サーモオフの頻度も減らすことができる。
<B>
上記実施形態及び変形例Aでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、圧縮機21の容量を蒸発温度Teが露点温度Trwを下回る範囲で小さくする制御を行うようにしている。具体的には、制御部6が、露点温度Trwから所定温度差ΔTrwを差し引くことによって目標蒸発温度Tedsを決定して、蒸発温度Teがこの目標蒸発温度Tedsになるように圧縮機21の容量を制御している。
しかし、目標蒸発温度Tedsが低めに設定されると、室内熱交換器31において室内空気が過度に冷却されるおそれがあり、室内熱交換器31を収容する室内ユニット3の吹出口46付近において、結露が発生するおそれがある。
そこで、ここでは、ステップST26、ST36、ST46の除湿継続制御において、制御部6が、蒸発温度Teの下限値Tem以上の範囲内で圧縮機21の容量を小さくする制御を行うようにしている。
具体的には、図9に示すように、制御部6は、まず、ステップST53において、下限値Temを室内温度Tr及び室内湿度Hrから決定する。ここで、下限値Temは、室内温度Tr及び室内湿度Hrから見て、蒸発温度Teをどの程度まで低くしても、室内ユニット3の吹出口46付近において結露が発生しないかという観点で決定される。このため、室内温度Trが低めであったり、また、室内湿度Hrが低めである場合には、結露が発生しにくいため、下限値Temが低めに決定され、室内温度Trが高めであったり、また、室内湿度Hrが高めである場合には、結露が発生しやすいため、下限値Temが高めに決定されることになる。次に、制御部6は、ステップST54において、目標蒸発温度Tedsが下限値Tem以上であるかどうかを判定する。そして、制御部6は、ステップST54において、目標蒸発温度Tedsが下限値Tem以上でないと判定した場合には、ステップST55において、所定温度差ΔTrwを小さくする変更を行うことで、目標蒸発温度Tedsが露点温度Trwを下回る範囲で高くなるようにして、圧縮機21の容量制御を行うようにしている。
これにより、ここでは、蒸発温度Teの下限値Tem以上の範囲内で圧縮機21の容量を小さくする制御を行うことによって、室内熱交換器31において室内空気が過度に冷却されることで、室内ユニット3の吹出口46付近において、結露が発生するおそれを少なくすることができる。
また、除湿運転を行うと、室内の除湿が進んで室内湿度Hrが徐々に低くなるため、室内ユニット3の吹出口46付近において結露が発生するおそれが徐々に緩和される傾向にある。ここで、制御部6は、ステップST53において、下限値Temを室内温度Tr及び室内湿度Hrから決定しているため、除湿継続制御中は、下限値Temが低くなる。すなわち、ここでは、制御部6が、除湿運転時に、蒸発温度Teの下限値Temを低くしている。
これにより、ここでは、蒸発温度Teを低下させる範囲を拡大することができ、蒸発温度Teが露点温度Trwを確実に下回るようにすることができる。特に、ここでは、室内温度Tr及び室内湿度Hrを考慮して蒸発温度Teを低下させる範囲を拡大することができるため、結露の発生を極力抑えることができる。
<C>
上記実施形態及び変形例A、Bでは、除湿レベルの異なる複数の除湿運転モードとして、除湿運転モードL、M、Hの3つを選択できるようになっているが、これに限定されるものではなく、2つの除湿運転モードであってもよいし、4つ以上の除湿運転モードであってもよい。
<D>
上記実施形態及び変形例A〜Cでは、室内熱交換器31を収容する室内ユニット3として、天井埋込型のものを採用した例を説明しているが、これに限定されるものではなく、壁掛型等の他の型式の室内ユニットであってもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能であることが理解されるであろう。
本開示は、除湿運転を行う空気調和装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置
6 制御部
10 冷媒回路
21 圧縮機
24 室外熱交換器
25 膨張弁(膨張機構)
31 室内熱交換器