JP2019127179A - 車両のフロントガラス周辺構造 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図1から図8に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のフロントガラス周辺構造について説明する。本実施形態に係る車両のフロントガラス周辺構造は、ワイパーが下側反転位置から下方にオーバーランするのを抑制する機構である。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、フロントガラス周辺構造を備える車両の前後左右及び上下に対応している。
車両のフロントガラス周辺構造について説明する前に、車両10の前部の概要について説明する。車両10のボディの左右両側には、図1に示すように、フロントドア12の前側にフロントピラー14が立設されており、左右のフロントピラー14によってルーフパネル(図示省略)の前部が支持されている。フロントピラー14は、車両10のベルトラインBLよりも下側のピラー支柱部14dがフェンダパネル15によって覆われている。そして、前記フェンダパネル15よりも上側に位置するフロントピラー14の意匠部14eがフェンダパネル15の意匠面15eと連続するように構成されている。左右のフロントピラー14の意匠部14e等とルーフパネル(図示省略)とによって囲まれた位置には、フロントガラス16が設けられている。また、左右のフェンダパネル15の間には、車両10のエンジンルームERを開閉可能に構成されたエンジンフード17が設けられている。
フロントガラス16の下端縁16dには、図3に示すように、カウルルーバ30の後端縁30bが車幅方向全体に亘って面一に接続されている。カウルルーバ30は、フロントガラス16から流下した水を車両10の車幅方向両端部まで導くとともに、外気導入機能を持った車体外装部品である。そして、カウルルーバ30の前部がエンジンフード17の後部17bによって空間を介した状態で覆われている。
カウルルーバ30は、図3等に示すように、前側傾斜板部31と底板部32と後側傾斜板部33とにより、断面形状が略逆台形の溝状に形成されている。そして、カウルルーバ30の後側傾斜板部33の後端縁30bが、上記したように、フロントガラス16の下端縁20dに面一な状態で接続されている。また、カウルルーバ30の前側傾斜板部31の上端位置にフランジ部31fが車幅方向に延びるように形成されている。そして、前側傾斜板部31のフランジ部31fの上にエンジンフード17とカウルルーバ30間をシールするウエザストリップ34が設けられている。また、カウルルーバ30の底板部32がカウルフロントパネル28のルーバ支持部28f上に取付けられている。そして、図3に示すように、カウルルーバ30と、カウルフロントパネル28と、カウルパネル26の縦壁部26w等により、車幅方向に延びる横長空間Sが形成されている。
カウルルーバ30の後側傾斜板部33の表面には、複数の突起状の空気ガイド部330が形成されている。空気ガイド部330は、車両走行時に、図2に示すように、フェンダパネル15とエンジンフード17の隙間からカウルルーバ30の溝状の部位に入り込んだ空気W0を、図4に示すように、ワイパー37のワイパーブレード37zの方向にガイドする突起である。
車両10の走行時に、図5に示すように、エンジンフード17の表面に沿って後方に流れる空気Wはフロントガラス16に当たり、そのフロントガラス16に沿って後上方に流れるようになる。これにより、フロントガラス16において空気Wが当たる部位よりも下側の部分では、前記空気Wによる吸引力が作用して負圧Pnが発生する。そして、前記負圧Pnにより吸引された空気の一部がワイパー37に対して上方から当たるようになる。
本実施形態に係る車両10のフロントガラス周辺構造によると、上記したように、車両走行時に車両後方に流れる風(空気W0)が空気ガイド部330(空気ガイド部材)にガイドされて下側反転位置にあるワイパー37の下側に対して下方から当たるようになる。これにより、例えば、ワイパー37が下側反転位置で下方にオーバーランするような力を受けた場合でも空気W0の力でワイパー37のオーバーランを抑制できる。また、空気ガイド部330は、カウルルーバ30の表面に突起状に形成されているため、カウルルーバ30を樹脂により射出成形する際に空気ガイド部330を簡単に成形できる。また、下側反転位置にあるワイパー37に沿って複数個の空気ガイド部330が並んで配置されているため、ワイパー37の長さ方向における複数箇所に対して空気W0を当てることができ、前記ワイパー37に対して長さ方向において均等に力を加えることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、カウルルーバ30に形成した空気ガイド部330のサイズ、個数は適宜変更可能である。また、本実施形態では、空気ガイド部330をカウルルーバ30と一体成形する例を示した。しかし、空気ガイド部330をカウルルーバ30とは別に製造し、後工程で空気ガイド部330をカウルルーバ30に対して接着等することも可能である。また、本実施形態では、空気ガイド部330をカウルルーバ30に設ける例を示したが、カウルルーバ30以外の部材、例えば、エンジンフード17の後端部裏面に空気ガイド部材330を後付する構成でも可能である。
16 フロントガラス
16d 下端縁
30 カウルルーバ
33 後側傾斜板部
37 ワイパー
37g ワイパーゴム
37z ワイパーブレード
330 空気ガイド部(空気ガイド部材)
332 上面
Pn 負圧
W0 空気
Claims (4)
- 下側反転位置と上側反転位置間で往復円弧運動をし、車両のフロントガラスの表面を扇状に払拭するワイパーを備える車両のフロントガラス周辺構造であって、
前記下側反転位置にある前記ワイパーの前方で、そのワイパーよりも低い位置には、車両後方に向かって流れる空気を前記ワイパーに対して下側から当たる位置までガイドする空気ガイド部材が設けられている車両のフロントガラス周辺構造。 - 請求項1に記載の車両のフロントガラス周辺構造であって、
前記空気ガイド部材は、前記フロントガラスの下端縁に接続されたカウルルーバの表面に突起状に形成されている車両のフロントガラス周辺構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両のフロントガラス周辺構造であって、
前記空気ガイド部材は、前側が低く、後側が高い滑り台状に形成されており、前記滑り台の滑り面に相当する前記空気ガイド部材の上面が前側で幅狭、後側で幅広に形成されている車両のフロントガラス周辺構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両のフロントガラス周辺構造であって、
前記下側反転位置にある前記ワイパーに沿って複数個の前記空気ガイド部材が並んで配置されている車両のフロントガラス周辺構造。
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