JP2019123653A - コンクリート - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、セメント組成物がモルタルである場合の例として、特許文献1に、階段の一段を形成するためのプレキャスト階段部材であって、踏み面、段鼻および蹴上げ面を含む表側の部分を形成するための表面形成部分と、該表面形成部分の裏側に積層して形成されるセメント質硬化体部分とからなり、上記セメント質硬化体部分が、セメントと、ポゾラン質微粉末と、該ポゾラン質微粉末よりも大きな粒径を有する無機粉末(ただし、セメントを除く。)と、金属繊維、有機質繊維および炭素繊維から選ばれる一種以上の繊維と、細骨材と、減水剤と、水を含む組成物の硬化体であることを特徴とするプレキャスト階段部材が、記載されている。
特許文献1に、ポゾラン質微粉末の例として、シリカフューム等が記載されている。また、ポゾラン質微粉末よりも大きな粒径を有する無機粉末の例として、石灰石粉末等が記載されている。
特許文献2に、シリカフュームに比べて大きな粒度を有するフィラーの例として、石灰石粉末等が記載されている。
[1] (a)セメント、(b)1〜5μmの粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含む無機粉末、(c)細骨材、及び、(d)粗骨材、を含み、かつ、0.3μm以下の粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含むポゾラン質微粉末、を含まないコンクリートであって、上記セメントと上記無機粉末の合計量中の上記無機粉末の体積割合が、29〜40%であり、単位粗骨材かさ容積が、0.60m3/m3以上であり、「JIS A 1150:2014(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定したスランプフロー値が、550mm以上であることを特徴とするコンクリート。
[2] 上記コンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積が、0.50〜0.65m3/m3である、上記[1]に記載のコンクリート。
[3] 上記コンクリートは、「JIS A 1108:2006(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した材齢1日の圧縮強度が、6N/mm2以上のものである、上記[1]または[2]に記載のコンクリート。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリート、及び、鉄筋を含むことを特徴とする鉄筋コンクリート。
また、本発明のコンクリートは、従来の一般的な高流動コンクリートの単位粗骨材かさ容積の値(0.48〜0.59m3/m3程度)に比べて大きな単位粗骨材かさ容積の値(0.60m3/m3以上)を有するにもかかわらず、緻密であり、塩害や凍害に対する抵抗性等の耐久性に優れており、例えば、鉄筋コンクリートの用途に用いた場合に、日光及び風雨の曝露下において、長期間に亘って、収縮によるひび割れ等の劣化現象を生じさせることがない。
また、本発明のコンクリートは、流動性に優れ、スランプフロー値が大きいため、鉄筋コンクリートの製造作業を容易かつ迅速に行うことができる。
さらに、本発明のコンクリートは、単位粗骨材量を増大させるための配合設計方法について検討した結果、得られたものであり、単位粗骨材量が大きいので、単位結合材量が減少し、特に、鉄筋コンクリートの用途に好適である。
本発明のコンクリートの材料について説明する。
本発明のコンクリートを構成する材料の好ましい例として、(a)セメント、(b)1〜5μmの粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含む無機粉末、(c)細骨材、(d)粗骨材、(e)セメント混和剤、及び、(f)水、を含み、かつ、0.3μm以下の粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含むポゾラン質微粉末、を含まないものが挙げられる。
セメントとしては、例えば、「JIS R 5210」に規定されている各種のポルトランドセメントや、白色セメントや、「JIS R 5214」に規定されているエコセメント等が挙げられる。
なお、白色セメントは、白色ポルトランドセメントとも称される。
本発明のコンクリート1m3当たりのセメントの量(単位セメント量)は、好ましくは450〜650kg/m3、より好ましくは500〜600kg/m3である。
単位セメント量が450kg/m3以上であると、コンクリートの強度(例えば、圧縮強度)、耐久性等の観点から、好ましい。
単位セメント量が650kg/m3以下であると、粗骨材等の骨材の単位量が大きくなり、鉄筋コンクリートの用途により適するコンクリートが得られる等の観点から、好ましい。
該無機粉末としては、例えば、バイオマス発電灰等の植物灰を処理及び粒度調整してなる粉末、石灰石粉末(炭酸カルシウム粉末の天然品)、炭酸カルシウム粉末の工業製品、けい石粉末、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末等が挙げられる。これらは、一種を単独で、または、二種以上を組み合わせて使用することができる。
該無機粉末は、ポゾラン質粉末または水硬性粉末である必要がなく、ポゾラン質と水硬性のいずれにも該当しない粉末であっても、好適に用いることができる。
鉄筋コンクリートの用途における収縮の低減の観点からは、バイオマス発電灰等の植物灰を処理及び粒度調整してなる粉末、石灰石粉末(炭酸カルシウム粉末の天然品)、炭酸カルシウム粉末の工業製品、及び、フライアッシュが好ましく、バイオマス発電灰等の植物灰を処理及び粒度調整してなる粉末、石灰石粉末(炭酸カルシウム粉末の天然品)、及び、炭酸カルシウム粉末の工業製品が、より好ましい。
粒度が1μm未満の粒子の割合が大きいと、コンクリートの収縮が大きくなり、鉄筋コンクリートの用途への適性が低下する。粒度が5μmを超える粒子の割合が大きいと、セメントの粒度範囲と重複する粒子の数が大きくなり、高強度、高耐久性等の性能が低下する。
該無機粉末の好ましい形態は、1〜4μmの粒度を有する粒子を50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上)の割合で含むものである。
該無機粉末のさらに好ましい形態は、1〜3μmの粒度を有する粒子を50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上)の割合で含むものである。
該無機粉末の特に好ましい形態は、1.5〜2.5μmの粒度を有する粒子を50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上)の割合で含むものである。
単位無機粉末量が160〜350kg/m3であると、コンクリートの流動性(例えば、スランプフロー、材料分離抵抗性)、強度(例えば、圧縮強度)、耐久性等の観点から、好ましい。
セメントと上記無機粉末(b)の合計量中の上記無機粉末(b)の体積割合は、29〜40%、より好ましくは29〜37%である。
該体積割合が29〜40%であると、特に、水セメント比が小さい場合(例えば、水セメント比が25%以下の場合)に、優れたワーカビリティ(作業性)と、高強度及び高耐久性と、鉄筋コンクリートの用途における高い適性、のすべてを達成することができる。
細骨材としては、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂(けい砂)、またはこれらの中から選択される二種以上の混合物等が挙げられる。
本発明のコンクリート1m3当たりの細骨材の量(単位細骨材量)は、好ましくは450〜700kg/m3、より好ましくは500〜650kg/m3である。
単位細骨材量が450kg/m3以上であると、鉄筋コンクリートの用途により適するコンクリートが得られる等の観点から、好ましい。
単位細骨材量が700kg/m3以下であると、コンクリートのワーカビリティ等の観点から、好ましい。
本発明において、細骨材としては、細骨材を構成する全粒体の90質量%以上の粒体が、目開き5mmの篩を通過するものであればよく、例えば、最大粒度を特定の値(例えば、2.5mm)以下に定める必要がない。このため、本発明においては、特殊な細骨材を用いる必要がなく、汎用の細骨材を用いることができる。
該単位細骨材かさ容積が0.50m3/m3以上であると、鉄筋コンクリートの用途により適するコンクリートが得られる等の観点から、好ましい。
該単位細骨材かさ容積が0.65m3/m3以下であると、コンクリートのワーカビリティ等の観点から、好ましい。
粗骨材としては、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、またはこれらの中から選択される2種以上の混合物等が挙げられる。
本発明のコンクリート1m3当たりの粗骨材の量(単位粗骨材量)は、好ましくは800〜1,300kg/m3、より好ましくは850〜1,200kg/m3、特に好ましくは900〜1,100kg/m3である。
単位粗骨材量が800kg/m3以上であると、鉄筋コンクリートの用途により適するコンクリートが得られる等の観点から、好ましい。
単位粗骨材量が1,300kg/m3以下であると、コンクリートのワーカビリティ等の観点から、好ましい。
単位粗骨材かさ容積が0.60m3/m3未満であると、単位水量及び単位セメント量が大きくなり、コンクリートの収縮や水和熱が大きくなるので、大型の鉄筋コンクリートの用途に適するコンクリートを製造することが困難となる。
単位粗骨材かさ容積が0.69m3/m3以下であると、コンクリートのワーカビリティ等の観点から、好ましい。
単位粗骨材かさ容積(m3/m3)とは、単位粗骨材量(kg/m3)を、単位体積を有する空間内に粗骨材のみを収容したときの粗骨材の質量(kg/m3)で除した値をいう。
セメント混和剤としては、例えば、リグニン系、オキシカルボン酸系等の、減水剤またはAE減水剤や、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の、高性能減水剤または高性能AE減水剤が挙げられる。これらのうち、減水効果が大きくスランプ保持性能の高い高性能減水剤または高性能AE減水剤が好ましい。特に、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤が、好ましい。
セメント混和剤の配合量は、セメント混和剤の種類によって異なるが、セメント100質量部に対して、原液換算(液状の場合)で、好ましくは0.5〜10質量部である。
セメント混和剤がポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤である場合、セメント混和剤の配合量は、セメント100質量部に対して、原液換算(液状の場合)で、好ましくは1〜5質量部である。
なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれでも使用することができる。
水量は、水とセメントの質量比(水/セメントの比)として、0.27以下、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.25以下、特に好ましくは0.24以下である。
該質量比の下限値は、コンクリートの良好なワーカビリティ(作業性)を確保する観点から、好ましくは0.17以上、より好ましくは0.18以上、特に好ましくは0.19以上である。
該ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム等が挙げられる。
本発明では、該ポゾラン質微粉末を用いない場合であっても、高強度でかつ耐久性に優れ、しかも、ワーカビリティ(作業性)に優れたコンクリートを製造することができる。
このため、本発明では、該ポゾラン質微粉末を用いないことによるコンクリートの製造コストの低減を図ることができる。また、本発明では、該ポゾラン質微粉末を用いないことで、鉄筋コンクリートの用途により好適なコンクリートを得ることができる。
本発明のコンクリートの好ましい一例として、(a)セメント、(b)1〜5μmの粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含む無機粉末、(c)細骨材、(d)粗骨材、(e)セメント混和剤、及び、(f)水、のみを含む組成物からなるものが挙げられる。
(a)スランプフロー値
本発明のコンクリートのスランプフロー値は、「JIS A 1150:2014(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定した値(コンクリートの練上がり直後の値)として、550mm以上、好ましくは600mm以上、より好ましくは650mm以上、特に好ましくは685mm以上である。
該値が550mm以上であると、高強度でかつ耐久性に優れ、また、鉄筋コンクリートの用途に適するコンクリートを得ることができる。
該スランプフロー値の上限値は、スランプフロー値が過大であると、材料分離が生じるおそれがあることから、好ましくは850mm以下、より好ましくは830mm以下、特に好ましくは800mm以下である。
本発明のコンクリートの材齢1日の圧縮強度は、「JIS A 1108:2006(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した値として、好ましくは6N/mm2以上、より好ましくは8N/mm2以上、さらに好ましくは9N/mm2以上、さらに好ましくは10N/mm2以上、特に好ましくは15N/mm2以上である。
本発明においては、蒸気養生等の促進養生を行わなくても材齢1日で脱型することができるため、給熱に必要なエネルギーが不要であり、設備も含めて、コンクリートの製造コストの低減を図ることができる。
[実施例1]
(A)材料
以下の材料を用いた。
a)白色セメント(太平洋セメント社製、ブレーン比表面積:3,840cm2/g)
b)炭酸カルシウム粉末(炭酸カルシウムの含有率:99質量%以上、太平洋プレコン社が製造した試作の工業製品、1.8〜2.3μmの粒度を有する粒子を90質量%以上の割合で含むもの)
c)細骨材(川砂、0.075〜5.0mmの粒度を有するものを95質量%以上の割合で含むもの、単位容積質量:1.66g/リットル、実積率:65.7%)
d)粗骨材(砕石、5〜20mmの粒度を有するものを95質量%以上の割合で含むもの、単位容積質量:1.59g/リットル、実積率:60.2%)
e)セメント混和剤(ポリカルボン酸系の高性能減水剤、商品名:マスターグレニウム SP8HU、製造元:BASF社、液状物)
f)水
コンクリート1m3当たり、白色セメントの量が538kg、炭酸カルシウム粉末の量が220kg、細骨材の量が622kg、粗骨材の量が1049kg、水の量が107kgとなり、かつ、セメント混和剤の原液の量が、白色セメントと炭酸カルシウム粉末の合計量100質量部に対して2.7質量部(白色セメント100質量部に対して3.8質量部)となるように、これらの材料を混合し混練して、コンクリートを調製した。
なお、このコンクリートは、水/(白色セメント+炭酸カルシウム粉末)の質量比が0.141で、水/白色セメントの質量比が0.199で、炭酸カルシウム粉末/(白色セメント+炭酸カルシウム粉末)の体積割合が32.5%のものであった。
このコンクリートの単位粗骨材かさ容積は、0.66m3/m3であった。また、このコンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積は、0.62m3/m3であった。
調製したコンクリートについて、「JIS A 1150:2014(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて、スランプフロー値(練上がり直後のコンクリートを対象にした値)を測定した。
その結果、スランプフロー値は、608mmであった。
なお、上述の「(B)コンクリートの調製」において、粗骨材の量(1049kg)を小さくして、単位粗骨材かさ容積(0.66m3/m3)を小さくした場合、スランプフロー値は、608mmよりも大きくなる。
調製したコンクリートについて、「JIS A 1108:2006(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて、材齢1日、7日及び56日の各圧縮強度を測定した。
その結果、材齢1日、7日及び56日の圧縮強度は、各々、58N/mm2、95N/mm2、及び、111N/mm2であった。
調製したコンクリートの耐久性を評価するために、コンクリート表層部の透気係数を測定した。
具体的には、ダブルチャンバー(トレント)式による透気性試験を行い、コンクリート(材齢:7日)の表層部分の透気係数を測定した。
その結果、透気係数は、気中養生と水中養生のいずれにおいても、測定限界値以下(測定表示最小値目盛り:0.001×10−16m2)であった。
この結果は、調製したコンクリートが、優れた耐久性(鉄筋コンクリートにおける鉄筋の腐食等が生じにくいこと)を有することを示している。
調製したコンクリートの耐久性を評価するために、コンクリートの凍結融解試験を行った。
具体的には、人工海水中で、コンクリート(材齢:7日、寸法:10cm×10cm×40cm)について、凍結融解試験(凍結融解繰返しサイクル:600回)を行い、凍結融解繰返しサイクルが0回の場合(凍結融解を行わない場合)と、凍結融解繰返しサイクルが600回の場合について、相対動弾性係数(凍結融解繰返しサイクルが0回の場合の相対動弾性係数を基準(100%)としたときの百分率)及び質量減少率の各々の値を測定した。
その結果、凍結融解繰返しサイクルが増加しても、相対動弾性係数及び質量は増加する傾向を示し、凍結融解繰返しサイクルを600回与えた場合でも、劣化は認められなかった。これらの結果は、調製したコンクリートが、優れた耐久性(凍結融解抵抗性に優れていること)を有することを示している。
(A)材料
以下の材料を用いた。
a)普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、ブレーン比表面積:3,340cm2/g)
b)炭酸カルシウム粉末(実施例1と同じもの)
c)細骨材(川砂、0.075〜5.0mmの粒度を有するものを95質量%以上の割合で含むもの、単位容積質量:1.55g/リットル、実積率:59.8%)
d)粗骨材(砕石、5〜15mmの粒度を有するものを90質量%以上の割合で含むもの、単位容積質量:1.58g/リットル、実積率:59.8%)
e)セメント混和剤(実施例1と同じもの)
f)水(実施例1と同じもの)
炭酸カルシウム粉末/(普通ポルトランドセメント+炭酸カルシウム粉末)の体積割合は、33.5%に定めた。コンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積は、0.61m3/m3に定めた。水/普通ポルトランドセメントの質量比は、0.192に定めた。セメント混和剤の原液の量は、普通ポルトランドセメントと炭酸カルシウム粉末の合計量100質量部に対して2.5質量部となる量に定めた。
以上の条件下で、単位粗骨材かさ容積の値を、0.63m3/m3、0.64m3/m3、0.65m3/m3、0.66m3/m3、0.67m3/m3、0.68m3/m3と変えて、これら各値を有するコンクリート(6種類)を調製した。
調製したコンクリート(6種類)について、実施例1と同じ方法で、スランプフロー値を測定した。
その結果、単位粗骨材かさ容積が0.63m3/m3、0.64m3/m3、0.65m3/m3、0.66m3/m3、0.67m3/m3、0.68m3/m3であるコンクリートのスランプフロー値は、各々、650mm、675mm、673mm、660mm、645mm、585mmであった。
この結果から、単位粗骨材かさ容積が0.67m3/m3を超えると、ワーカビリティが急激に低下することがわかる。ただし、単位粗骨材かさ容積が0.68m3/m3であっても、スランプフロー値は、585mmであり、本発明で規定する「550mm以上」を満たしている。
調製したコンクリート(6種類)について、実施例1と同じ方法で、材齢1日及び2日の各圧縮強度を測定した。
その結果、調製したコンクリート(6種類)間で大きな差は見られず、調製したコンクリート(6種類)の平均値として、材齢1日及び2日の各圧縮強度は、各々、60N/mm2、及び、73N/mm2であった。
調製したコンクリート(6種類)について、実施例1と同じ方法で、コンクリート表層部の透気係数を測定した。
その結果、コンクリート(6種類)の透気係数は、気中養生と水中養生のいずれにおいても、測定限界値以下(測定表示最小値目盛り:0.001×10−16m2)であった。
調製したコンクリート(6種類)について、実施例1と同じ方法で、コンクリートの凍結融解試験を行った。
その結果、調製したコンクリート(6種類)について、実施例1と同じ傾向が見られた。このことは、調製したコンクリートが、優れた耐久性(凍結融解抵抗性に優れていること)を有することを示している。
白色セメントをエコセメントに変更し、炭酸カルシウム粉末/(エコセメント+炭酸カルシウム粉末)の体積割合を31%に定め、コンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積を0.61m3/m3に定め、水/エコセメントの質量比を0.203に定め、単位粗骨材かさ容積を0.65m3/m3または0.66m3/m3に定めた以外は実施例1と同様にして、コンクリート(2種類)を調製した。
調製したコンクリート(2種類)について、実施例1と同じ方法(ただし、練上がり直後の値に加えて、40分後及び60分後の各値も測定)で、スランプフロー値、及び、材齢1日の圧縮強度を測定した。
また、単位粗骨材かさ容積が0.66m3/m3である場合、スランプフロー値は、練上がり直後で650mm、40分後で648mm、60分後で590mmであった。
これらの結果から、単位粗骨材かさ容積が0.65〜0.66m3/m3であっても、練上がり時から60分後のスランプフロー値として、580〜590mmという大きな値を得ていることがわかる。
また、材齢1日の圧縮強度は、単位粗骨材かさ容積が0.65m3/m3、0.66m3/m3の各場合について、各々、13.2N/mm2、9.7N/mm2であった。
単位粗骨材かさ容積を0.65m3/m3に定め、水/普通ポルトランドセメントの質量比を0.195、0.205または0.215に定めた以外は実施例2と同様にして、コンクリート(3種類)を調製した。
調製したコンクリート(3種類)について、実施例2と同じ方法(ただし、練上がり直後の値に加えて、30分後及び60分後の各値も測定)で、スランプフロー値、及び、材齢1日の圧縮強度を測定した。
水/普通ポルトランドセメントの質量比が0.195、0.205、0.215である場合のスランプフロー値は、練上がり直後で、各々、680mm、735mm、800mmであり、30分後で、各々、605mm、730mm、740mmであり、60分後で、各々、485mm、630mm、620mmであった。
また、材齢1日の圧縮強度は、調製した3種類のコンクリートのいずれにおいても、16〜35N/mm2の範囲内であった。
単位粗骨材かさ容積を0.65m3/m3に定め、水/普通ポルトランドセメントの質量比を0.215に定め、コンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積を0.59m3/m3に定めた以外は実施例2と同様にして、コンクリート(1種類)を調製した。
調製したコンクリートについて、実施例2と同じ方法で、スランプフロー値を測定した。その結果、スランプフロー値は、820mmであった。
このコンクリートを用いて、30mm×600mm×600mmの鉄筋コンクリート平板を作製したところ、材料分離もなく、材齢1日の圧縮強度が17N/mm2である鉄筋コンクリート平板を脱型して得ることができた。
なお、実施例1〜5におけるコンクリートの調製時に、材料分離は見られなかった。
Claims (4)
- (a)セメント、(b)1〜5μmの粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含む無機粉末、(c)細骨材、及び、(d)粗骨材、を含み、かつ、0.3μm以下の粒度を有する粒子を50質量%以上の割合で含むポゾラン質微粉末、を含まないコンクリートであって、上記セメントと上記無機粉末の合計量中の上記無機粉末の体積割合が、29〜40%であり、単位粗骨材かさ容積が、0.60m3/m3以上であり、「JIS A 1150:2014(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定したスランプフロー値が、550mm以上であることを特徴とするコンクリート。
- 上記コンクリートを構成する全材料から粗骨材を除くモルタル部分における単位細骨材かさ容積が、0.50〜0.65m3/m3である請求項1に記載のコンクリート。
- 上記コンクリートは、「JIS A 1108:2006(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した材齢1日の圧縮強度が、6N/mm2以上のものである請求項1又は2に記載のコンクリート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート、及び、鉄筋を含むことを特徴とする鉄筋コンクリート。
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2018
- 2018-01-18 JP JP2018006733A patent/JP2019123653A/ja active Pending
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