JP2019123496A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速部の最終歯車(出力歯車)にはすば歯車を適用した場合に、歯車噛合い部に生じるアキシアル荷重の影響による出力軸の傾きを抑制すること。【解決手段】インホイールモータ駆動装置の減速部は、車輪ハブ軸受部(11)の回転輪(12)と結合された出力軸(38)と、出力軸と同軸に結合されたはすば歯車である出力歯車(37)と、出力軸を回転自在に支持する第1軸受(38b)および第2軸受(38a)とを含み、第2軸受の剛性は第1軸受の剛性よりも高い。このインホイールモータ駆動装置は、正転駆動時において出力歯車(37)の噛合い部に生じるアキシアル荷重(Fa)の向きが出力軸(38)の軸線方向一方側である場合、出力歯車(37)よりも軸線方向一方側の位置に第2軸受(38a)を配置し、出力歯車よりも軸線方向他方側の位置に第1軸受(38b)を配置したことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、複数の歯車を有する歯車式の減速部を備えたインホイールモータ駆動装置であって、特に、減速部の最終歯車(出力歯車)をはすば歯車としたインホイールモータ駆動装置に関する。
車輪の内部に配置されるインホイールモータ駆動装置は、車輪を駆動するモータ部と、車輪が取り付けられる車輪ハブ軸受部と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部に伝達する減速部とを備える。減速部における減速機構としては、従来から、複数の歯車を有する平行軸歯車減速機構が採用されている。
特開2017−165392号公報(特許文献1)には、インホイールモータ駆動装置の減速部が、モータ部のモータ回転軸と結合する入力軸、入力軸と結合する入力歯車、車輪ハブ軸受部の回転輪と結合する出力軸、出力軸と結合する出力歯車(最終歯車)、入力軸および出力軸と平行に延びる中間軸、中間軸と結合する中間歯車を含み、出力軸の両端が、第1軸受および第2軸受によってそれぞれ回転支持される構成が開示されている。また、特許文献1には、減速部の歯車をはすば歯車とすることで、歯当たりを良くすることも開示されている。
特開2017−165392号公報
上記特許文献1に開示された出力軸の支持構造によれば、第1軸受および第2軸受によって出力軸を安定して両持ち支持することができるため、車輪ホイールから車輪ハブ軸受部の回転輪に外力が付与されても、出力軸の変位を抑制して、減速部の歯車の偏摩耗等を防止できるという効果が得られる。また、特許文献1では、減速部の歯車としてはすば歯車が適用されているため、高い静寂性が見込まれる。
しかしながら、はすば歯車は、歯スジのねじれ方向に応じて噛合い部にアキシアル荷重(軸方向力)が発生するという特性がある。そのため、出力軸が2つの軸受によって回転支持されているというだけでは、出力軸に結合された出力歯車に作用するアキシアル荷重の影響によって出力軸が傾くおそれがある。このような場合、出力軸と中間軸の相対的な傾きが増加することで、出力歯車の噛合い部に発生する振動が増え、この振動の固体伝播により、車内に騒音が発生する懸念があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、減速部の最終歯車にはすば歯車を適用した場合に、歯車噛合い部に生じるアキシアル荷重の影響による出力軸の傾きを抑制することのできる、インホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、車輪が取り付けられる回転輪を有する車輪ハブ軸受部と、減速部とを備えている。減速部は、車輪ハブ軸受部の回転輪と結合された出力軸と、出力軸と同軸に結合されたはすば歯車である出力歯車と、出力軸を回転自在に支持する第1軸受と、出力軸を回転自在に支持し、第1軸受よりも剛性が高い第2軸受とを含む。このインホイールモータ駆動装置は、正転駆動時において出力歯車の噛合い部に生じるアキシアル荷重の向きが出力軸の軸線方向一方側である場合、出力歯車よりも軸線方向一方側の位置に第2軸受を配置し、出力歯車よりも軸線方向他方側の位置に第1軸受を配置したことを特徴とする。なお、この場合、出力歯車の歯先は、上方から見て軸線方向他方側が一方側よりも車両前方となるように傾斜している。
好ましくは、第2軸受のピッチ円が、第1軸受のピッチ円よりも大きい。
また、第2軸受の転動体の直径が、第1軸受の転動体の直径よりも小さいことも望ましい。これにより、第2軸受の剛性をより高めることができる。
好ましくは、インホイールモータ駆動装置は減速部を収容するケーシングをさらに備えており、第1および第2軸受は、出力軸の外径面とケーシングに形成された円筒面との間に配置されている。
好ましくは、車輪ハブ軸受部の回転輪は内輪である。
車輪ハブ軸受部は、回転輪と同軸に配置される固定輪、および、回転輪と固定輪との環状隙間に配置される複数の転動体を含んでいる。この場合、第2軸受のピッチ円は、車輪ハブ軸受部の転動体のピッチ円よりも大きく、第1軸受のピッチ円は、車輪ハブ軸受部の転動体のピッチ円以下の大きさであってもよい。
好ましくは、減速部は、モータ回転軸と結合された入力軸と、入力軸に設けられた入力歯車と、入力歯車と噛合する第1中間歯車と、出力歯車と噛合する第2中間歯車と、第1中間歯車および第2中間歯車と一体的に設けられた中間軸と、第1中間歯車よりも軸線方向一方側に位置して中間軸を回転自在に支持する第1中間軸受と、第2中間歯車よりも軸線方向他方側に位置して中間軸を回転自在に支持する第2中間軸受とを含む。この場合、第2中間軸受のピッチ円が、第1中間軸受のピッチ円よりも大きいことが、さらに望ましい。
好ましくは、軸線方向一方側が車幅方向外側であり、軸線方向他方側が車幅方向内側である。
本発明によれば、正転駆動時に出力歯車の噛合い部にアキシアル荷重が作用する方向に、比較的高剛性の第2軸受が配置される。これにより、使用頻度の高い正転駆動時に、出力軸の傾きを抑制することができる。その結果、車両駆動時の大半において出力歯車の噛合い部における振動を抑制できるため、騒音を防止または低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を所定の平面で切断し、展開して示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の減速部の内部構造を模式的に示す横断面図である。 本発明の実施の形態における出力歯車を斜め上から見た状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態において出力歯車と中間歯車との噛合状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態において、正転駆動時、逆転駆動時それぞれにおける出力歯車および中間歯車の回転方向を示す図である。 (A)は、正転駆動時において出力歯車に生じるアキシアル荷重を概念的に示す図であり、(B)は、正転駆動時において2つの転がり軸受にそれぞれ生じるラジアル荷重を概念的に示す図である (A)は、逆転駆動時において出力歯車に生じるアキシアル荷重を概念的に示す図であり、(B)は、逆転駆動時において2つの転がり軸受にそれぞれ生じるラジアル荷重を概念的に示す図である。 本発明の実施の形態における減速部の詳細な構成例を示す図であり、インホイールモータ駆動装置を所定の平面で切断し、展開して示す縦断面図である。 (A),(B)は、図8に示す減速部の入力軸ユニットの分解斜視図である。 (A),(B)は、図8に示す減速部の中間軸ユニットの分解斜視図である。 (A),(B)は、図8に示す減速部の出力軸ユニットの分解斜視図である。 図8に示す減速部の内部構造を示す横断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<基本構成例について>
はじめに、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置1の基本構成例について説明する。インホイールモータ駆動装置1は、電気自動車およびハイブリッド車両などの乗用自動車に搭載される。
図1は、本発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置1を所定の平面で切断し、展開して示す縦断面図である。図2は、インホイールモータ駆動装置1の減速部31の内部構造を示す横断面図であり、車幅方向外側からみた状態を模式的に表す。なお、図1で表される所定の平面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面と、軸線Nおよび軸線Oを含む平面とを、この順序で接続した展開平面である。図1中、紙面左側は車幅方向外側(アウトボード側)を表し、紙面右側は車幅方向内側(インボード側)を表す。図2中、減速部31の内部の各歯車は歯先円で表され、個々の歯を図略する。
インホイールモータ駆動装置1は、車輪ホイールWの中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部21の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31とを備える。
モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。本実施の形態においては、軸線O方向一方側がアウトボード側であり、軸線O方向他方側がインボード側であるものとする。
軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置1の軸線方向一方に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置1の軸線方向他方に配置され、減速部31はモータ部21よりも軸線方向一方に配置され、減速部31の軸線方向位置が車輪ハブ軸受部11の軸線方向位置と重なる。
インホイールモータ駆動装置1は、電動車両の車輪を駆動する車両用モータ駆動装置である。インホイールモータ駆動装置1は、図示しない車体に連結される。インホイールモータ駆動装置1は、電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
車輪ハブ軸受部11は、回転内輪・固定外輪とされ、車輪ホイールWと結合する回転輪(ハブ輪)としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される固定輪としての外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。内輪12の回転中心は、車輪ハブ軸受部11の中心を通る軸線Oに一致する。
外輪13は、本体ケーシング39の正面部分39fを貫通するとともに、この正面部分39fに連結固定される。正面部分39fは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。たとえば、外輪13の外周面には周方向で異なる位置に、外径方向に突出する複数の外輪突出部が立設され、各外輪突出部に設けられた貫通孔に対し、軸線O方向一方側からボルトが通される。各ボルトの軸部は、本体ケーシング39の正面部分39fに穿設される雌ねじ孔と螺合する。
外輪13には、キャリア部材61が連結固定される。外輪13の外周面には、周方向で異なる位置に、外径方向に突出する複数の外輪突出部13gが設けられている。キャリア部材61は、外輪突出部13gの軸線O方向他方側に位置し、軸線O方向一方側から、外輪突出部13gの貫通孔およびキャリア部材61の雌ねじ孔にボルト62が通される。キャリア部材61は、本体ケーシング39に対し、軸線O方向他方側から通されたボルト63によって固定されている。
内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。外輪13から外部(アウトボード側)へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、結合部12fが形成される。結合部12fはフランジであり、ブレーキロータBDおよび車輪と同軸に結合するための結合部を構成する。内輪12は、結合部12fで車輪ホイールWと結合し、車輪と一体回転する。
内輪12および外輪13間の環状空間には、複数列の転動体14が配置される。内輪12の軸線O方向中央部の外周面は、第1列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部外周には内側軌道輪12rが嵌合する。内側軌道輪12rの外周面は、第2列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向一方端部の内周面は、第1列の転動体14の外側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向他方端部の内周面は、第2列の転動体14の外側軌道面を構成する。内輪12および外輪13間の環状空間には、シール材16がさらに介在する。シール材16は環状空間の両端を封止して、塵埃および異物の侵入を阻止する。内輪12の軸線O方向他方端の中心孔には減速部31の出力軸38が差し込まれてスプライン嵌合あるいはセレーション嵌合する。
モータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、およびステータ24を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシアルギャップモータであってもよい。
モータ部21はモータケーシング29に収容されている。モータケーシング29はステータ24の外周を包囲する。モータケーシング29の軸線M方向一方端は本体ケーシング39の背面部分39bと結合する。モータケーシング29の軸線M方向他方端は、板状のモータケーシングカバー29vで封止される。背面部分39bは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線M方向(軸線O方向)他方端を覆うケーシング壁部である。
本体ケーシング39、モータケーシング29、およびモータケーシングカバー(リヤカバー)29vは、インホイールモータ駆動装置1の外郭をなすケーシング10を構成する。
ステータ24は円筒形状のステータコア25と、該ステータコア25に巻回されたコイル26を含む。ステータコア25はリング状の鋼板を軸線M方向に積層してなる。
モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、本体ケーシング39の背面部分39bと、モータケーシングカバー29vに回転自在に支持される。モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。例えば図2に示すようにモータ部21の軸線Mは、軸線Oから車両前後方向にオフセットして、具体的には軸線Oよりも車両前方に配置される。
減速部31は、モータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32と、入力軸32の外周面に同軸に設けられる入力歯車33と、複数の中間歯車34,36と、これら中間歯車34,36の中心と結合する中間軸35と、車輪ハブ軸受部11の内輪12と同軸に結合する出力軸38と、出力軸38の外周面に同軸に設けられる出力歯車37とを有する。減速部31のこれら複数の歯車および回転軸は、本体ケーシング39に収容される。本体ケーシング39は減速部31の外郭をなすことから減速部ケーシングともいう。
入力歯車33は外歯のはすば歯車である。入力軸32は中空構造であり、入力軸32の中空部32hにモータ回転軸22の軸線方向一方端部が差し込まれる。これにより、モータ回転軸22は、入力軸32に相対回転不可能にスプライン嵌合(またはセレーション嵌合)する。入力軸32は入力歯車33の両端側で、転がり軸受32a,32bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。
減速部31の中間軸35の回転中心になる軸線Nは軸線Oと平行に延びる。中間軸35の両端は、軸受35a,35bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。中間軸35の中央部には、第1中間歯車34および第2中間歯車36が、中間軸35の軸線Nと同軸に設けられる。第1中間歯車34および第2中間歯車36は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車34の径が第2中間歯車36の径よりも大きい。大径の第1中間歯車34は、第2中間歯車36よりも軸線N方向他方側に配置されて、小径の入力歯車33と噛合する。小径の第2中間歯車36は、第1中間歯車34よりも軸線N方向一方側に配置されて、大径の出力歯車37と噛合する。
中間軸35の軸線Nは、図1に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸35の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、車両前後方向に間隔を空けて配置されて互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機である。
出力歯車37は外歯のはすば歯車であり、出力軸38の中央部に同軸に設けられる。出力軸38は軸線Oに沿って延びる。出力軸38の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。かかる嵌合は、スプライン嵌合あるいはセレーション嵌合である。出力軸38の軸線O方向中央部(一方端側)は、転がり軸受38aを介して、本体ケーシング39の正面部分39fに回転自在に支持される。出力軸38の軸線O方向他方端部(他方端側)は、転がり軸受38bを介して、本体ケーシング39の背面部分39bに回転自在に支持される。
転がり軸受38aは、出力歯車37よりもアウトボード側に位置し、転がり軸受38bは、出力歯車37よりもインボード側に位置している。各転がり軸受38a,38bは、出力軸38の外径面と本体ケーシング39に形成された円筒面との間に配置されている。具体的には、本体ケーシング39の正面部分39fに形成された円筒面に、転がり軸受38aの外輪が固定され、本体ケーシング39の背面部分39bに形成された円筒面に、転がり軸受38bの外輪が固定されている。
減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車33と第1中間歯車34の噛合、および、第2中間歯車36と出力歯車37の噛合により、入力軸32の回転を減速して出力軸38に伝達する。減速部31の入力軸32から出力軸38までの回転要素は、モータ部21の回転を内輪12に伝達する駆動伝達経路を構成する。入力軸32と、中間軸35と、出力軸38は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。これらの転がり軸受32a,35a,38a,32b,35b,38bはラジアル軸受である。
本体ケーシング39は、筒状部分と、当該筒状部分の両端を覆う板状の正面部分39fおよび背面部分39bを含む。筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31の内部部品を覆う。板状の正面部分39fは、減速部31の内部部品を軸線方向一方側から覆う。板状の背面部分39bは、減速部31の内部部品を軸線方向他方側から覆う。図2に示されるように、本体ケーシング39の下部には、潤滑油が貯留されるオイルタンク40が設けられている。
本体ケーシング39の背面部分39bは、モータケーシング29と結合し、減速部31の内部空間およびモータ部21の内部空間を仕切る隔壁でもある。モータケーシング29は本体ケーシング39に支持されて、本体ケーシング39から軸線方向他方側へ突出する。
インホイールモータ駆動装置1の外部からモータ部21のステータ24に電力が供給されると、モータ部21のロータ23が回転し、モータ回転軸22から減速部31に回転を出力する。減速部31はモータ部21から入力軸32に入力された回転を減速し、出力軸38から車輪ハブ軸受部11へ出力する。車輪ハブ軸受部11の内輪12は、出力軸38と同じ回転数で回転し、内輪12に取付固定される図示しない車輪を駆動する。
<出力軸の回転支持構造について>
次に、本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置1の出力軸38の回転支持構造について説明する。
上述のように、出力軸38は、軸線方向位置が異なる2つの転がり軸受38a,38bによって両持ち支持されている。これにより、出力軸38が安定的に回転支持されるため、出力軸38と結合された車輪ハブ軸受部11の内輪12が、旋回荷重に伴う外力によって多少変位(変形)したとしても、出力軸38の変位(傾き)を極力抑制することができる。
ここで、本実施の形態では、図3および図4に示すように、出力軸38と同軸に結合された出力歯車37として、はすば歯車が適用されている。はすば歯車とは、歯スジがつるまき線状に形成された円筒歯車である。図3には、出力歯車37を斜め上から見た状態が示され、図4には、出力歯車37と中間歯車36との噛合状態が模式的に示されている。このように、出力歯車37および中間歯車36がはすば歯車である場合、歯車噛合い部における歯当たりが良くなるため、(理想的には)高い静寂性を得ることができる。
その一方で、車両の走行時、すなわち車輪駆動時には、出力歯車37の噛合い部(中間歯車36との噛合い部)において、はすば歯車に特有のアキシアル荷重が生じる。そのため、出力歯車37の噛合い部に作用するアキシアル荷重の影響によって、出力軸38を支持する転がり軸受38a,38bの一方が他方よりも高い荷重を受けることになる。したがって、出力軸38が2つの転がり軸受38a,38bによって両持ち支持されているというだけでは、一方の軸受に荷重が偏り、出力軸38が傾くおそれがある。
このことについて、図5〜図7を参照して詳細に説明する。図5は、正転駆動時、逆転駆動時のそれぞれにおける、出力歯車37および中間歯車36の回転方向を示す図である。図6(A)は、正転駆動時において出力歯車37に生じるアキシアル荷重を概念的に示す図であり、図6(B)は、正転駆動時において2つの転がり軸受38a,38bにそれぞれ生じるラジアル荷重を概念的に示す図である。図7(A)は、逆転駆動時において出力歯車37に生じるアキシアル荷重を概念的に示す図であり、図7(B)は、逆転駆動時において2つの転がり軸受38a,38bにそれぞれ生じるラジアル荷重を概念的に示す図である。なお、図5には、歯車36,37をアウトボード側から見た状態が示されており、図6(A)および図7(A)には、図5に示す歯車36,37を上から見た状態が示されている。また、図6(B)および図7(B)には、図1の縦断面図の一部が拡大して示されている。
実施の形態における出力歯車37の歯スジのねじれ方向はいわゆる右ねじれ方向であり、出力歯車37の歯先37aは、図3に示されるように、インボード側(軸線方向他方側)がアウトボード側(軸線方向一方側)よりも車両前方となるように傾斜している。図6(A),(B)に示されるように、出力歯車37の噛合い部に発生する荷重には、ラジアル成分Fr(g)とアキシアル成分Faとがあり、この荷重は、アウトボード側の転がり軸受38aとインボード側の転がり軸受38bとで分担される。
歯車噛合い部で発生した歯車ラジアル成分Fr(g)は、転がり軸受38a,38bにおいて、歯車ラジアル成分Fr(g)と同一方向の軸受ラジアル成分Fr(b)として働く。ラジアル成分Fr(g)およびFr(b)は径方向内側に向かう半径方向力を表わしている。この軸受ラジアル成分Fr(b)を第1の軸受ラジアル成分Fr(b)という。
これに対し、歯車噛合い部で発生した歯車アキシアル成分Faは、転がり軸受38a,38bにおいて、互いに逆向きの軸受ラジアル成分Farとして働く。出力歯車37の軸心(軸線O)と噛合い部とが径方向にオフセットしていることから、軸線Oを中心とする軸直周りのモーメントが生じ、そのモーメントを2つの転がり軸受38a,38bが軸受ラジアル成分として受けるためである。この軸受ラジアル成分Farを第2の軸受ラジアル成分Farという。
具体的には、第2の軸受ラジアル成分Farの向きは、アウトボード側の転がり軸受38aとインボード側の転がり軸受38bとで逆向きとなる。そのため、一方の軸受では、第1の軸受ラジアル成分Fr(b)と第2の軸受ラジアル成分Farとが互いに打ち消されるが、他方の軸受では、第1の軸受ラジアル成分Fr(b)と第2の軸受ラジアル成分Farとが足されることになる。したがって、出力歯車37をはすば歯車とした場合、出力軸38を回転支持する2つの転がり軸受38a,38bのうちの一方にのみ大きい荷重が掛かる。
より具体的には、図6(A)に示されるように、正転駆動時において出力歯車37の噛合い部に発生するアキシアル荷重Faの向きは、アウトボード側である。なお、図6(A)には、正転駆動時において出力歯車37の噛合い部に発生する接線力の向きが、点線で示されている。
この場合、図6(B)に示されるように、アウトボード側の転がり軸受38aに作用する第2の軸受ラジアル荷重Farの向きは径方向内側であり、インボード側の転がり軸受38bに作用する第2の軸受ラジアル荷重Farの向きは径方向外側である。そのため、正転駆動時においては、アウトボード側の転がり軸受38aが、インボード側の転がり軸受38bよりも高いラジアル荷重を受けることになる。
一方、図7(A)に示されるように、逆転駆動時において出力歯車37の噛合い部に発生するアキシアル荷重Faの向きは、インボード側である。なお、図7(A)には、逆転駆動時において出力歯車37の噛合い部に発生する接線力の向きが、点線で示されている。
この場合、図7(B)に示されるように、アウトボード側の転がり軸受38aに作用する第2の軸受ラジアル荷重Farの向きは径方向外側であり、インボード側の転がり軸受38bに作用する第2の軸受ラジアル荷重Farの向きは径方向内側である。そのため、逆転駆動時においては、インボード側の転がり軸受38bが、アウトボード側の転がり軸受38aよりも高いラジアル荷重を受けることになる。
このように、出力歯車37をはすば歯車とした場合、正転駆動時と逆転駆動時とにおいて、出力軸38を回転支持する2つの転がり軸受38a,38bに掛かるラジアル荷重の大小関係が逆転する。
ここで、本実施の形態では、正転駆動時に比較的高い荷重を受けるアウトボード側の転がり軸受38aの剛性を、インボード側の転がり軸受38bの剛性よりも高く設定している。正転駆動時において、出力歯車37の噛合い部にアウトボード向きのアキシアル荷重Faが掛かる場合における、転がり軸受38a,38bの軸受荷重の大小および剛性の高低の関係は、次の通りである。
Figure 2019123496
本実施の形態では、アウトボード(OB)側の転がり軸受38aのピッチ円を、インボード(IB)側の転がり軸受38bのピッチ円よりも大きくすることで、アウトボード側の転がり軸受38aの剛性をインボード側の転がり軸受38bの剛性よりも高くしている。つまり、図1に示されるように、アウトボード側の転がり軸受38aのPCD(ピッチ円直径D1)が、インボード側の転がり軸受38bのPCD(ピッチ円直径D2)よりも大きい。これにより、アウトボード側の転がり軸受38aの転動体の数を、インボード側の転がり軸受38bの転動体の数よりも多くしたり、アウトボード側の転がり軸受38aの転動体を、インボード側の転がり軸受38bの転動体よりも大きくしたりできるため、アウトボード側の転がり軸受38aの剛性がインボード側の転がり軸受38bの剛性よりも高くなる。
このように2つの転がり軸受38a,38bのピッチ円の大きさを異ならせるために、たとえば、図1に示されるように、インボード側の転がり軸受38bが、出力軸38のインボード側端部に設けられた段差部分38dに設けられていてもよい。具体的には、転がり軸受38bの内輪が、出力軸38の段差部分38dに嵌め入れられている。これにより、モータ部21側(インボード側)の転がり軸受38bを比較的小型にできるとともに、アウトボード側の転がり軸受38aのピッチ円の大きさを必要以上に大きくしなくてもよくなるため、インホイールモータ駆動装置1の径方向寸法を小さく抑えることができる。
なお、図1に示す形態においては、アウトボード側の転がり軸受38aのピッチ円が、車輪ハブ軸受部11の転動体14のピッチ円よりも大きく、インボード側の転がり軸受38bのピッチ円が、車輪ハブ軸受部11の転動体14のピッチ円以下となっている。
また、アウトボード側の転がり軸受38aは、出力歯車37の軸線O方向一方端面に立設された環状凸部37bの外周面と、本体ケーシング39の正面部分39fに形成された円筒面との間に配置されていてもよい。正面部分39fの円筒面は、正面部分39fの内壁面に立設された環状凸部39iの内周面により構成される。この場合、出力歯車37の環状凸部37bの内径側の空間に、内輪12および外輪13の軸線O方向他方端部が収容されていてもよい。
このように、転がり軸受38aは、出力軸38を回転支持できるように配置されていればよく、出力軸38の外周面を直接支持する構成でなくてもよい。なお、図1等に示されるように、転がり軸受38a(の転動体)は、軸線O方向位置に関し、出力歯車37と中間歯車36との噛合い部の位置(つまり、出力歯車37の歯幅)とは重ならない位置に設けられていることが望ましい。
上記のような配置形態とすることで、アウトボード側の転がり軸受38aのPCD(ピッチ円直径D1)を、インボード側の転がり軸受38bのPCD(ピッチ円直径D2)の1.5倍以上、より望ましくは2倍以上とすることもできる。
以上説明したように、アウトボード側の転がり軸受38aを、インボード側の転がり軸受38bよりも高剛性とすることで、正転駆動時における出力軸38の傾きを抑制することができる。正転駆動は、逆転駆動よりも使用頻度が圧倒的に高く、かつ高速回転する。したがって、正転駆動時に出力軸38の傾きを抑制することにより、車両の走行時における、歯車噛合い部の振動に伴う騒音の発生を防止または抑制することが可能となる。
<減速部の詳細な構成例について>
以上説明したような3軸の平行軸式歯車減速機により構成される減速部の詳細な構成例を、図8〜図12に示す。図8は、図1に対応する図であり、本発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置1Aを所定の平面で切断し、展開して示す縦断面図である。図9(A),(B)は、減速部31Aの入力軸ユニットの分解斜視図である。図10(A),(B)は、減速部31Aの中間軸ユニットの分解斜視図である。図11(A),(B)は、減速部31Aの出力軸ユニットの分解斜視図である。図12は、図2に対応する図であり、インホイールモータ駆動装置1Aの減速部31Aの内部構造を示す横断面図であり、車幅方向外側からみた状態を模式的に表す。なお、図9〜図11のそれぞれにおいて、(A)は、車幅方向外側から各軸ユニットを見た斜視図を表わし、(B)は、車幅方向内側から各軸ユニットを見た斜視図を表わしている。
図8に示すインホイールモータ駆動装置1Aの基本構成自体は、図1および図2に示したインホイールモータ駆動装置1と同様である。インホイールモータ駆動装置1Aの減速部31Aも、上記と同様に、入力軸32と、中間軸35と、出力軸38と、入力軸32に設けられた入力歯車33と、中間軸35に設けられた中間歯車34,36と、出力軸38に設けられた出力歯車37と、これらの軸32,35,38を支持する転がり軸受32a,35a,38a,32b,35b,38bとを含む。以下の説明において、軸線M,N,Oに沿う方向を「軸方向」という。
図8および図9を参照して、入力軸ユニットは、入力軸32と、入力軸32と一体的に設けられた入力歯車33と、入力軸32を回転自在に支持する一対の転がり軸受32a,32bとで構成されている。入力歯車33は、入力軸32と一体形成されている。入力歯車33は、入力軸32の軸方向中央部に設けられている。入力軸32の軸方向両端部71,72の外周面に、転がり軸受32a,32bがそれぞれ嵌め入れられている。転がり軸受32a,32bの内輪は、それぞれ、入力歯車33の軸方向一方端面および他方端面と接していてもよい。
入力軸32の両端部71,72の外径寸法は互いに等しい。この場合、転がり軸受32a,32bは、同一の規格の軸受で構成されることが望ましい。すなわち、転がり軸受32a,32bのPCD、内径寸法、外径寸法、転動体の直径および個数は、互いに等しいことが望ましい。これにより、入力軸32の支持構造に関して部品を共通化できるため、製造コストを低減できる。
図8および図10を参照して、中間軸ユニットは、中間軸35と、中間軸35と一体的に設けられた2つの中間歯車34,36と、中間軸35を回転可能に支持する一対の転がり軸受35a,35bとで構成されている。大径の中間歯車34は、中間軸35と一体形成されている。これに対し、小径の中間歯車36は、中間軸35とは別体であり、中間軸35にスプライン嵌合(圧入)されている。具体的には、中間軸35は、外周面に繰り返し凹凸が設けられたスプライン部83を含み、このスプライン部83に、中間歯車36の内周面85に設けられたスプライン溝が嵌め合わされている。これにより、中間歯車36が中間軸35に一体的に結合される。
なお、中間軸35は、中空構造であってもよい。つまり、中間軸35は、軸方向に貫通する中空穴86を有していてもよい。これにより、中空穴86を潤滑油の通路にできるため、減速部31Aの潤滑性能が向上する。
中間軸35の軸方向両端部81,82の外周面上に、転がり軸受35a,35bがそれぞれ嵌め入れられている。中間軸35の一方端部81は、スプライン部83に隣接して配置されている。中間軸35の他方端部82の軸方向位置は、中間歯車38の軸方向位置と部分的に重なっていてもよい。つまり、インボード側の転がり軸受35bは、大径の中間歯車34の軸方向他方端面に設けられた環状凹部87に配置されていてもよい。これにより、中間軸35の軸方向寸法を短縮できる。
中間軸35の他方端部82の外径寸法は、一方端部81の外径寸法よりも大きい。そのため、インボード側の転がり軸受35bのPCD(ピッチ円直径D3)は、アウトボード側の転がり軸受35aのPCD(ピッチ円直径D4)よりも大きい。インホイールモータ駆動装置1Aにおいては、軸方向寸法の小型化の要請から歯車軸(入力軸32、中間軸35、出力軸38)の軸受スパンが短いため、径方向変位に対する歯車軸の傾きの増加量が相対的に大きい。正転駆動時には、後段側の中間歯車36の噛合い部にはインボード側に向かってアキシアル荷重が発生し、前段側の中間歯車34の噛合い部にはアウトボード側に向かってアキシアル荷重が発生する。後段ほどトルクが高くなるため、中間軸35においては、インボード側へ向かうアキシアル荷重の方が相対的に大きい。
そこで、上記のように、インボード側の転がり軸受35bの方をアウトボード側の転がり軸受35aよりも大径とすることで、転がり軸受35bの剛性を確保できる。具体的には、両軸受35a,35bの転動体(鋼球)の直径が同一である場合でも、転がり軸受35bの転動体89bの個数を、転がり軸受35aの転動体89aの個数よりも増やすことができる。これにより、正転駆動時に、中間軸35の傾きを抑制できるため、歯面接触のミスアライメントが減少する。その結果、中間歯車34と入力歯車33との噛合い部、および、中間歯車36と出力歯車37との噛合い部に、振動が発生することを抑制することができる。
なお、インボード側の転がり軸受35bの転動体89bの直径を、アウトボード側の転がり軸受35aの転動体89aよりも小径とすることで、転がり軸受35bの転動体89bの個数をさらに増やしてもよい。これにより、転がり軸受35bの定格荷重を大きくできるため、転がり軸受35bの剛性を高められる。また、インボード側の転がり軸受35bの幅寸法をアウトボード側の転がり軸受35aの幅寸法よりも小さくできるため、中間軸35の軸方向寸法を短縮できる。
中間歯車36は、転がり軸受35aと大径の中間歯車34との間に位置している。図8に示されるように、転がり軸受35aの内輪88の外径寸法D5は、中間軸35のスプライン部83の(最大)外径寸法D6よりも大きいことが望ましい。これにより、転がり軸受35aの内輪88と中間歯車36の軸方向一方端面とが接触するため、振動等によって中間歯車36が中間軸35から抜けるのを防止できる。逆転駆動時において、中間歯車36の噛合い部にアウトボード方向のアキシアル荷重が発生する場合にも、転がり軸受35aの内輪88が中間歯車36の抜け止めとして作用する。
なお、中間歯車36の一方端部81に設けられた溝81aに嵌め入れられたリング状の弾性部材84によって、転がり軸受35aの内輪88の軸方向一方側への移動が規制されている。
図8および図11を参照して、出力軸ユニットは、出力軸38と、出力軸38と一体的に設けられた出力歯車37と、出力軸38を回転可能に支持する一対の転がり軸受38a,38bとで構成されている。出力歯車37は、出力軸38と一体形成されている。出力歯車37は、出力軸38の軸方向中央部に設けられている。出力軸38の軸方向一方端部の外周面には、車輪ハブ軸受部11の内輪12とスプライン嵌合するためのスプライン部93が設けられている。
アウトボード側の転がり軸受38aは、上述のように、出力歯車37の軸方向一方端面に立設された環状凸部37bの外周面上に嵌め入れられている。環状凸部37bは、軸方向位置に関し、出力歯車37と重なることなく隣り合っており、車輪ハブ軸受部11の内輪12の軸方向他方端部と重なっている。インボード側の転がり軸受38bは、出力軸38の軸方向他方端部92の外周面上に嵌め入れられている。なお、中間軸35のアウトボード側の転がり軸受35aは、転がり軸受38aとほぼ同じ軸方向位置に配置されている。中間軸35のインボード側の転がり軸受35bは、転がり軸受38bよりもアウトボード側(軸方向一方側)に位置していてもよい。
出力軸38は、インボード側の転がり軸受38bとの嵌合部よりもさらにインボード側(軸方向他方側)に突出する突出部94を有し、この突出部94にオイルポンプ63が取り付けられていてもよい。この場合、インボード側の転がり軸受38bの外径寸法(外輪の外周面の直径)D7が、オイルポンプ63の外径寸法D8よりも大きいことが望ましい。
アウトボード側の転がり軸受38aは正転駆動時にアキシアル荷重の影響を受けるため、図1にも示したように、アウトボード側の転がり軸受38aのPCD(ピッチ円直径D1)は、インボード側の転がり軸受38bのPCD(ピッチ円直径D2)よりも大きい。加えて、アウトボード側の転がり軸受38aの転動体99aの直径を、インボード側の転がり軸受38bの転動体99bよりも小径とし、転がり軸受38aの転動体99aの個数をさらに増やすことも望ましい。これにより、転がり軸受38aの定格荷重が大きくなるため、転がり軸受38aの剛性がさらに高められる。この場合、アウトボード側の転がり軸受38aの幅寸法をインボード側の転がり軸受38bの幅寸法よりも小さくできるため、出力軸38の軸方向寸法を短縮することもできる。
以上説明したように、減速部31Aは、次のような特徴を備えていてもよい。
・入力軸32のアウトボード側の転がり軸受32aとインボード側の転がり軸受32bとは、同一の軸受により構成されている。
・中間軸35のアウトボード側の転がり軸受35aの内輪88の外径寸法が、中間軸33にスプライン嵌合された中間歯車36のスプライン部83の外径寸法よりも大径である。
(変形例1)
上記実施の形態では、出力歯車37の歯スジが右方向にねじれていることとしたが、出力歯車の歯スジは左方向にねじれていてもよい。つまり、出力歯車の歯先は、アウトボード側(軸線方向一方側)がインボード側(軸線方向他方側)よりも車両前方となるように傾斜していてもよい。この場合、正転駆動時に出力歯車の噛合い部に生じるアキシアル荷重の向きはインボード側となるため、上記実施の形態とは逆に、インボード側の転がり軸受を、アウトボード側の転がり軸受よりも高剛性とすればよい。つまり、この場合、インボード側の転がり軸受のピッチ円を、アウトボード側の転がり軸受のピッチ円よりも大きくしてもよい。
このように、正転駆動時において、出力歯車の噛合部に生じるアキシアル荷重の向きを「軸線方向一方側」とした場合、出力歯車よりも軸線方向一方側の位置に比較的高剛性の転がり軸受(第2軸受)が配置され、出力歯車よりも軸線方向他方側の位置に比較的低剛性の転がり軸受(第1軸受)が配置されていればよい。
(変形例2)
上記実施の形態では、車輪ハブ軸受部11の回転輪が内輪であることとしたが、回転輪は外輪であってもよい。つまり、回転外輪・固定内輪タイプの車輪ハブ軸受部を備えたインホイールモータ駆動装置にも、上述のような出力軸の回転支持構造を適用することができる。
(変形例3)
上記実施の形態では、減速部31が3軸の平行軸式歯車減速機である例を示したが、減速部はたとえば4軸の平行軸式歯車減速機など、他種の歯車減速機であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A インホイールモータ駆動装置、10 ケーシング、11 車輪ハブ軸受部、12 内輪、13 外輪、14 転動体、21 モータ部、22 モータ回転軸、23 ロータ、24 ステータ、25 ステータコア、26 コイル、27,28,32a,32b,35a,35b,38a,38b 転がり軸受、29 モータケーシング、29v モータケーシングカバー、31,31A 減速部、32 入力軸、33 入力歯車、34,36 中間歯車、35 中間軸、37 出力歯車、38 出力軸、39 本体ケーシング、M,N,O 軸線、W 車輪ホイール。

Claims (8)

  1. 車輪が取り付けられる回転輪を有する車輪ハブ軸受部と、
    前記車輪ハブ軸受部の前記回転輪と結合された出力軸と、前記出力軸と同軸に結合されたはすば歯車である出力歯車と、前記出力軸を回転自在に支持する第1軸受と、前記出力軸を回転自在に支持し、前記第1軸受よりも剛性が高い第2軸受とを含む減速部とを備え、
    正転駆動時において、前記出力歯車の噛合い部に生じるアキシアル荷重の向きが、前記出力軸の軸線方向一方側である場合、前記出力歯車よりも軸線方向一方側の位置に前記第2軸受を配置し、前記出力歯車よりも軸線方向他方側の位置に前記第1軸受を配置したことを特徴とする、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記第2軸受のピッチ円が、前記第1軸受のピッチ円よりも大きい、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記第2軸受の転動体の直径が、前記第1軸受の転動体の直径よりも小さい、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記減速部を収容するケーシングをさらに備え、
    前記第1および第2軸受は、前記出力軸の外径面と前記ケーシングに形成された円筒面との間に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記車輪ハブ軸受部の前記回転輪は内輪である、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記車輪ハブ軸受部は、前記回転輪と同軸に配置される固定輪、および、前記回転輪と前記固定輪との環状隙間に配置される複数の転動体を含んでおり、
    前記第2軸受のピッチ円は、前記車輪ハブ軸受部の転動体のピッチ円よりも大きく、前記第1軸受のピッチ円は、前記車輪ハブ軸受部の転動体のピッチ円以下の大きさである、請求項5に記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記減速部は、モータ回転軸と結合された入力軸と、前記入力軸に設けられた入力歯車と、前記入力歯車と噛合する第1中間歯車と、前記出力歯車と噛合する第2中間歯車と、前記第1中間歯車および前記第2中間歯車と一体的に設けられた中間軸と、前記第1中間歯車よりも軸線方向一方側に位置して前記中間軸を回転自在に支持する第1中間軸受と、前記第2中間歯車よりも軸線方向他方側に位置して前記中間軸を回転自在に支持する第2中間軸受とを含み、
    前記第2中間軸受のピッチ円が、前記第1中間軸受のピッチ円よりも大きい、請求項1〜6のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 前記軸線方向一方側が車幅方向外側であり、前記軸線方向他方側が車幅方向内側である、請求項1〜7のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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