JP2019120548A - 絶縁劣化診断装置及び絶縁劣化箇所標定装置 - Google Patents

絶縁劣化診断装置及び絶縁劣化箇所標定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】活線状態で電力ケーブル等の絶縁劣化を診断することができる絶縁劣化診断装置において、部分放電発生判定の信頼性を向上させ、かつ、その部分放電が電力ケーブル等のどこで発生しているかを標定できる絶縁劣化診断装置及び絶縁劣化箇所標定装置を提供する。【解決手段】電力ケーブル1の接地線電流データから特徴量を抽出する特徴量抽出手段6と、特徴量に基づいて部分放電の特徴の有無を判定する部分放電波形判定手段8と、部分放電の特徴を有する電流データの前後に大きなノイズが検出されなかったことを条件に部分放電が発生したと判定する部分放電発生判定手段11を備える絶縁劣化診断装置。絶縁劣化診断装置を電力ケーブル1の両端に設け、両絶縁劣化診断装置で捉えた部分放電電流の到達時刻等に基づいて絶縁劣化位置を標定する絶縁劣化箇所標定装置。【選択図】図1

Description

この発明は、特別高圧系統又は高圧系統に接続された電力ケーブル又は電気機器(以下「電力ケーブル等」という。)の絶縁劣化を診断する装置に関し、接地線に流れる放電電流に基づいて部分放電を検出する絶縁劣化診断装置及び部分放電が発生している箇所の標定を行う絶縁劣化箇所標定装置に関する。
部分放電とは、導体間に在る絶縁体(気体・液体・固体・真空)の局所的電界のために絶縁体に部分的に生じる局所的な電気的放電現象である。
部分放電が発生すると、紫外線、高エネルギー電子・粒子、化学活性の強いガスなどにより絶縁材料が劣化する。部分放電の発生により、気体・液体・固体絶縁システムの劣化が進行し、その後、絶縁破壊に至るので、部分放電は、絶縁材料の寿命を決定する要因となる。
電力ケーブル等の絶縁劣化を早期に発見するため、しきい値超過の波形を全て抽出し統計処理等により波形を峻別したのち、相電圧との相関による部分放電発生有無を判定する統計的手法が開発されている。
しかし、統計的手法による部分放電判別には、次のような短所がある。
(1)放送電波、無線ノイズ又は系統ノイズが多いため、劣化が進み部分放電の数量が多くならないと部分放電の発生が判別できない。
(2)部分放電波形の個別検出ができないため、部分放電の位置標定に活用できない。
また、特許文献1(特開2011−237182号公報)には、図8に示すように、ケーブル(2)の端部外周上の遮蔽層に接続された接地線(5)に取り付けられる部分放電判別装置及びその部分放電判別装置を用いて接地線(5)に流れる放電電流を検出し、ケーブル(2)の絶縁劣化に伴う放電電流が発生しているか否かを判別する部分放電判別装置及び方法が開示されている。
その部分放電判別装置は、接地線(5)に流れる電流を検出する変流器(7)、負荷抵抗(13)、抵抗(14)、増幅器(15)、バンドパスフィルタ(17)、ノイズ除去部(19)、波形記憶部(21)、特徴量導出部(23)及び放電判定部(25)を備えている。
そして、特徴量導出部(23)は、バンドパスフィルタ(17)を通過し波形記憶部(21) により記憶された波形に基づいて、振幅の大きさや振動の向き、ピークピッチ、収束時間等の特徴量を導出する(特に、段落0031を参照)。
また、放電判定部(25)は、特徴量導出部(23)により導出された特徴量に基づいて、所定時間内に検出された電流信号が複数の振動波形を有し、且つ複数の振動波形の中に大きさが略同等で振動の向きが互いに逆となる複数の波形が含まれていると判断する場合に、被測定線である接地線(5)で部分放電が生じたと判定する(特に、段落0032を参照)。
特許文献1に開示されている部分放電判別装置及び方法によれば、ある程度は部分放電の特徴を掴むことができるものの、絶縁劣化箇所がどこに存在しているかを特定することはできず、判定の信頼性もそれほど高くなかった。
特開2011−237182号公報
本発明は、停電させることなく活線状態で電力ケーブル等の絶縁劣化を診断することができる絶縁劣化診断装置において、接地線電流を計測し適切に処理することによって部分放電発生判定の信頼性を向上させ、かつ、その部分放電が電力ケーブル等のどこで発生しているかを標定できるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明の絶縁劣化診断装置は、
電力ケーブル又は電気機器における接地線電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって一定時間毎に検出された電流検出値に基づく電流データから特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段により抽出された特徴量に基づいて、部分放電の特徴の有無を判定する部分放電波形判定手段と、
所定しきい値以上の大きさのノイズを検出するノイズ検出手段と、
前記部分放電波形判定手段が部分放電の特徴有りと判定した時点が、前記ノイズ検出手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であるか否かを判定する直前ノイズ管理手段と、
前記部分放電波形判定手段が部分放電の特徴有りと判定した時点から第2の継続時間が経過するまでに、前記ノイズ検出手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出したか否かを判定する後続ノイズ管理手段と、
前記直前ノイズ管理手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であると判定し、かつ、前記後続ノイズ管理手段が部分放電の特徴有りと判定した時点から第2の継続時間が経過するまでに所定しきい値以上の大きさのノイズを検出しなかったと判定した時に、部分放電が発生したと判定する部分放電発生判定手段を備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の絶縁劣化診断装置において、
部分放電第1波が立下りの場合に、前記特徴量抽出手段は、立下り電流値の大きさ、立下り所要時間、立上り電流値の大きさ及び立上り所要時間を特徴量として抽出し、
前記部分放電波形判定手段は、立下り電流値の大きさが所定範囲内であること、立下り所要時間が第3の継続時間以内であること、立上り電流値の大きさが立下り電流値の大きさより大きいこと及び立上り所要時間が立下り所要時間より大きく立下り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定し、
部分放電第1波が立上りの場合に、前記特徴量抽出手段は、立上り電流値の大きさ、立上り所要時間、立下り電流値の大きさ及び立下り所要時間を特徴量として抽出し、
前記部分放電波形判定手段は、立上り電流値の大きさが所定範囲内であること、立上り所要時間が所定時間以内であること、立下り電流値の大きさが立上り電流値の大きさより大きいこと及び立下り所要時間が立上り所要時間より大きく立上り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定することを特徴とする。
請求項3に係る発明の絶縁劣化診断装置は、
請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置を、3相の電力ケーブルの各相に設置し、
いずれかの相の前記部分放電発生判定手段において、部分放電が発生したと判定された時に、各相の電流データ及び時刻情報の1サイクルメモリへの記録を停止し、停止した時点における各相の前記1サイクルメモリの情報を受信する部分放電解析手段を設け、
前記部分放電解析手段は、
受信した各相の電流データ及び時刻情報に基づいて、前記特徴量抽出手段及び前記部分放電波形判定手段によって部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの極性を検出する電流ピーク極性検出手段と、該電流ピークの絶対値を検出する電流ピーク値検出手段と、前記電流ピークの時刻を検出する電流ピーク時刻検出手段と、部分放電の特徴有りと判定された相以外の2相において、前記電流ピークの時刻における電流データの極性を検出する他相電流極性検出手段と、前記電流ピークの時刻における電流データの絶対値を検出する他相電流値検出手段と、
前記電流ピーク極性検出手段で検出された極性と前記他相電流極性検出手段で検出された極性が逆極性であり、かつ、前記電流ピーク値検出手段で検出された絶対値と前記他相電流値検出手段で検出された絶対値の2倍との差が判定値以下である場合にクロスボンド接続内部分放電であると判定する部分放電発生範囲判定手段を有していることを特徴とする。
請求項4に係る発明の絶縁劣化箇所標定装置は、
電力ケーブル又は電気機器の一端側に一端側子局を設けるとともに、前記電力ケーブル又は電気機器の他端側に他端側子局を設け、
前記一端側子局は、請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置と同じ構成の一端側絶縁劣化診断装置及び前記一端側絶縁劣化診断装置により部分放電が発生したと判定された時、一端側部分放電情報を親局に対して送信する一端側送信手段を備え、
前記他端側子局は、請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置と同じ構成の他端側絶縁劣化診断装置及び前記他端側絶縁劣化診断装置により部分放電が発生したと判定された時、他端側部分放電情報を前記親局に対して送信する他端側送信手段を備え、
前記親局は、前記電力ケーブル又は電気機器の電線の長さ及び電流伝搬速度並びに受信した一端側部分放電情報及び他端側部分放電情報に基づいて絶縁劣化箇所の位置を計算する絶縁劣化位置計算手段と、
前記絶縁劣化位置計算手段による計算結果に基づいて前記絶縁劣化箇所の位置情報を表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
請求項1に係る発明の絶縁劣化診断装置によれば、停電させることなく活線状態で電力ケーブルの絶縁劣化を診断することができるので、電力ケーブル又は電気機器の劣化状態を常時監視することが可能である。
また、大きなノイズが検出されない時間帯において部分放電の可能性がある電流波形を検出した場合にのみ部分放電が発生したと判定するので、部分放電発生判定の信頼性を高めることができ、早期に電力ケーブル又は電気機器が劣化状態にあることを発見できる。
請求項2に係る発明の絶縁劣化診断装置によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、部分放電第1波が立下りの場合に、放電波形(sin曲線1サイクル近似波形)の特徴である、立下り電流値の大きさ、立下り所要時間、立上り電流値の大きさ及び立上り所要時間を特徴量として抽出し、立下り電流値の大きさが所定範囲内であること、立下り所要時間が所定時間以内であること、立上り電流値の大きさが立下り電流値の大きさより大きいこと及び立上り所要時間が立下り所要時間より大きく立下り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定し、部分放電第1波が立上りの場合に、放電波形(sin曲線1サイクル近似波形)の特徴である、立上り電流値の大きさ、立上り所要時間、立下り電流値の大きさ及び立下り所要時間を特徴量として抽出し、立上り電流値の大きさが所定範囲内であること、立上り所要時間が所定時間以内であること、立下り電流値の大きさが立上り電流値の大きさより大きいこと及び立下り所要時間が立上り所要時間より大きく立上り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定するので、部分放電の特徴の有無を的確に判定することができる。
請求項3に係る発明の絶縁劣化箇所診断装置によれば、請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置を、クロスボンド接地方式の3相の電力ケーブルの各相に設置し、
いずれかの相の前記部分放電発生判定手段において、部分放電が発生したと判定された時に、各相の電流データ及び時刻情報の1サイクルメモリへの記録を停止し、停止した時点における各相の前記1サイクルメモリの情報を受信する部分放電解析手段を設け、
部分放電解析手段は、
受信した各相の電流データ及び時刻情報に基づいて、特徴量抽出手段及び部分放電波形判定手段によって部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの極性を検出する電流ピーク極性検出手段と、電流ピークの絶対値を検出する電流ピーク値検出手段と、電流ピークの時刻を検出する電流ピーク時刻検出手段と、部分放電の特徴有りと判定された相以外の2相において、電流ピークの時刻における電流データの極性を検出する他相電流極性検出手段と、電流ピークの時刻における電流データの絶対値を検出する他相電流値検出手段と、
電流ピーク極性検出手段で検出された極性と他相電流極性検出手段で検出された極性が逆極性であり、かつ、電流ピーク値検出手段で検出された絶対値と他相電流値検出手段で検出された絶対値の2倍との差が判定値以下である場合にクロスボンド接続内部分放電であると判定する部分放電発生範囲判定手段を有しているので、
請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置により検出された部分放電が、クロスボンド接続内部分放電であるか否かを判定することができる。
請求項4に係る発明の絶縁劣化箇所標定装置によれば、電力ケーブル又は電気機器の両端に一端側子局及び他端側子局を設け、一端側部分放電情報及び他端側部分放電情報を親局に対して送信し、親局は、電力ケーブル又は電気機器の電線の長さ(等価亘長)及び電流伝搬速度並びに受信した一端側部分放電情報及び他端側部分放電情報に基づいて、絶縁劣化箇所の位置を計算し表示することができるので、停電させることなく活線状態において、絶縁劣化が電力ケーブルのどこで発生しているかを標定し報知することができる。
そのため、電力ケーブルの絶縁劣化状態を常時監視することができるとともに、電力ケーブルの交換や修理すべき箇所についての情報を随時得ることができる。
実施例1の絶縁劣化診断装置の概略図。 1サイクルメモリ41に記録される電流データの一部を示すグラフ。 部分放電の発生を判定するためのフローチャート。 3相の電力ケーブルにおけるクロスボンド接地方式の説明図。 クロスボンド接地方式の電力ケーブルにおける部分放電に伴う各相電流データの一部を示すグラフ。 実施例3の絶縁劣化箇所標定装置の概略図。 絶縁劣化位置計算手段28の処理手順を示すフローチャート。 特許文献1記載の部分放電判別装置の構成を示すブロック図。
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
実施例1の絶縁劣化診断装置は、図1にその概略を示すとおり、電力ケーブル1の端部にあるケーブルヘッド2の接地線3に高周波CT等の電流計測手段を取り付けてある。
電流検出手段4は、電流計測手段により得られた電流信号を、3相各々100kHz〜20MHzバンドパスフィルタ処理し増幅した後に得られた信号を150MHz以上のサンプリングによってA/D変換して電流データを得る。
そして、部分放電を検出した時の詳細処理のため商用周波1周期分の電流データを計時手段5から得た時刻情報とともに1サイクルメモリ41にサイクリックに記録していく。
また、通常の部分放電解析手段では、低周波帯域のノイズを除去するため当該電流データに2MHzハイパスフィルタ処理を実施し、処理用の電流データを得る。
一方、減衰が少なく遠隔地検出が可能な低周波成分を用いた低周波の部分放電解析手段では、当該電流データに1MHz程度のローパスフィルタ処理を実施し、低周波電流データを得る。
電流検出手段4には、特徴量抽出手段6とノイズ検出手段7が接続されるとともに、特徴量抽出手段6には部分放電波形判定手段8が接続されており、特徴量抽出手段6で抽出された特徴量に基づいて、部分放電の可能性がある電流波形を検出する。
なお、計時手段5は、電流検出手段4、直前ノイズ管理手段9及び後続ノイズ管理手段10に時刻情報を送信するが、いわゆる標準時に準拠した時間を出力する時計であっても良いし、基準時計手段によって特定される基準時点に同期させてリセットでき一定期間中にカウントアップ又はカウントダウンするカウンタであっても良い。
計時手段5が時計である場合には標準時に準拠した時間情報が時刻情報となり、計時手段5がカウンタである場合にはそのカウント値が時刻情報となる。
直前ノイズ管理手段9は、ノイズ検出手段7が、例えば0.01A以上又は−0.01A以下(以下「所定しきい値以上」と記載する。)の大きなノイズ(部分放電でないと判定された波形を含む。)を検出したら、直前ノイズカウンタ(図示せず)に2μs相当のカウント値をセットしA/D変換の度にカウントダウンしていく。
すなわち、大きなノイズを検出してから2μsが経過し直前ノイズカウンタが0になっていれば、直前ノイズはない状態であることを確認できる。
なお、直前ノイズカウンタが0になるまでの時間は2μsに限る必要はなく、直前ノイズ管理手段9は、大きなノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であるか否かを判定するものとする。(通常は部分放電の継続時間の数倍である1〜3μsの範囲で選択する。)
後続ノイズ管理手段10は、部分放電波形判定手段8が部分放電の可能性がある電流波形を検出したら、後続ノイズカウンタに2μs相当のカウント値をセットしA/D変換の度にカウントダウンしていく。そして、後続ノイズカウンタが0以下(終了状態)になっていれば後続ノイズはないことを確認することができる。(実際には、後続ノイズカウンタは当該部分放電が未だ継続している可能性のある時間が経過するのを待って、カウント値をセットしてから一定時間(例えば1μs)経過後に監視を開始し、その後1μs経過するまで監視する。)
すなわち、部分放電の可能性がある電流波形を検出してから2μsが経過し後続ノイズカウンタが終了状態になっていれば、後続ノイズはない状態であることを確認できる(部分放電の場合は単発の放電波形であるが、ノイズの場合は信号が連続するため、後続ノイズがなければ部分放電の可能性があると判定する)。
なお、後続ノイズカウンタが0になるまでの時間は2μsに限る必要はなく、後続ノイズ管理手段10は、部分放電の可能性がある電流波形を検出してから第2の継続時間が経過するまでに、大きなノイズを検出したか否かを判定するものとする。(3MHz〜20MHzの高周波帯域の場合、通常は1〜3μsの範囲で選択する。)
そして、部分放電発生判定手段11は、直前ノイズ管理手段9が大きなノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であると判定し、かつ、後続ノイズ管理手段10が部分放電の可能性がある電流波形を検出してから第2の継続時間が経過するまでに大きなノイズを検出しなかったと判定した時に、部分放電が発生したと判定する。
次に、特徴量抽出手段6と部分放電波形判定手段8について詳しく説明する。
図2は、1サイクルメモリ41に記録される電流データの一部を示すグラフであり、部分放電第1波が立下りの場合において、部分放電の特徴を有している波形の例である。
特徴量抽出手段6は、立下り電流値の大きさ(|Idown|)、立下り所要時間(Tdown)、立上り電流値の大きさ(Iup)及び立上り所要時間(Tup)を特徴量として抽出する。
なお、図2の点線で囲まれた部分におけるノイズレベル変動は除外処理される。
そして、部分放電波形判定手段8は、特徴量抽出手段6が抽出した4つの特徴量が次の4つの条件を満足している時に、部分放電の可能性がある電流データであると判定する。
(1)立下り電流値の大きさが所定範囲内(Ia<|Idown|<Iupper)
(2)立下り所要時間が所定時間以内(Tdown<Ta)
(3)立上り電流値の大きさが立下り電流値の大きさより大きい(Iup>|Idown|)
(4)立上り所要時間が立下り所要時間より大きく立下り所要時間の3倍より小さい
(Tdown<Tup<Tdown×3)
ただし、部分放電第1波が立上りの場合には、立下りと立上りの関係が逆になり、Ia<Iup<Iupper、Tup<Ta、|Idown|>Iup、Tup<Tdown<Tup×3の4条件となる。
また、低周波電流データについても、同様に特徴量抽出及び部分放電の可能性がある波形であるか否かの判定を行う。
なお、Iaの値は可能な限り高感度にするため回路ノイズレベルより大きい程度とし、Iupperの値は500〜1000mA程度、Taの値は1サイクルメモリ41に記録される電流データの場合3〜13MHzの0.02〜0.1μs程度(低周波電流データの場合100kHz〜1MHzの0.3〜3μs程度)である。
図3は、部分放電の発生を判定するためのフローチャートである。
これらの処理は、U相、V相、W相それぞれについて継続的に行われるが、1つの相のみについて説明する。
また、部分放電が発生したと判定されたら、商用周波1周期から第2の継続時間を引いた時間が経過した時点で1サイクルメモリ41への記録は停止される。
部分放電解析手段では、1サイクルメモリ41に記録された電流データについて、上記特徴量抽出手段6と同様の抽出手段を用いて部分放電の特徴を有する波形の検出を行い、送信された商用周波1周期分の電流データについて、上記した部分放電の特徴を有していると判定される波形を全て検出する。
そして、部分放電解析手段では、その検出処理終了後に検出再開の指令を送る。
以下では、図3に示すフローチャートの各ステップについて、部分放電第1波が立下りの場合を例に説明する。
ST1:初期化処理、すなわち、1サイクルメモリ41をクリアし、直前ノイズカウンタ及び後続ノイズカウンタをリセットするとともに、後続ノイズカウンタがセット中であることを示すフラグを降ろす処理。
ST2:電流データ取得処理、すなわち、電流検出手段4により電流信号を100kHz〜20MHzバンドパスフィルタ処理し、増幅して得られた信号を150MHz以上のサンプリングによってA/D変換して電流データを得た後に、低周波帯域のノイズを除去するため当該電流データに2MHzハイパスフィルタ処理を実施し、処理用の電流データを得る処理。
ST3:特徴量抽出処理、すなわち、特徴量抽出手段6により、電流波形から立下り電流値の大きさ(|Idown|)、立下り所要時間(Tdown)、立上り電流値の大きさ(Iup)及び立上り所要時間(Tup)を抽出する処理。また、1MHzローパスフィルタ処理した低周波データについても同様の抽出処理を行う。
ST4:特徴量判定処理、すなわち、ノイズ検出手段7により、所定しきい値以上の大きさのノイズ波形が検出されたか否かを判定するとともに、部分放電波形判定手段8により、抽出された4つの特徴量に基づいて、部分放電波形であるか否かを判定し、ノイズ波形が検出されていればST5に進み、部分放電波形であればST6に進み、ノイズ波形とも部分放電波形とも判定されなければST7に進む。
ST5:直前ノイズカウンタセット処理、すなわち、直前ノイズカウンタに2μs相当のカウント値をセットし、ST2(電流データ取得)に戻る処理。
ST6:直前ノイズカウンタ判定処理、すなわち、直前ノイズカウンタが0以下になっているか否かを判定する処理。0以下になっていなければST5に進み、0以下になっていればST8に進む。
ST7:後続ノイズカウンタセット中判定処理、すなわち、後続ノイズカウンタがセット中であることを示すフラグが立っているか否かを判定する処理。フラグが立っていなければST2(電流データ取得)に戻り、フラグが立っていればST9に進む。
ST8:後続ノイズカウンタセット中判定処理、すなわち、後続ノイズカウンタがセット中であることを示すフラグが立っているか否かを判定する処理。フラグが立っていればST10に進み、フラグが立っていなければST11に進む。
ST9:後続ノイズカウンタ判定処理、すなわち、後続ノイズカウンタが0以下になっているか否かを判定する処理。0以下になっていなければST2(電流データ取得)に戻り、0以下になっていればST12に進む。
ST10:後続ノイズカウンタリセット処理、すなわち、後続ノイズカウンタをリセットするとともに、後続ノイズカウンタがセット中であることを示すフラグを降ろし、ST5に進む処理。
ST11:後続ノイズカウンタセット処理、すなわち、後続ノイズカウンタに2μs相当のカウント値をセットし、後続ノイズカウンタがセット中であることを示すフラグを立てる処理。
ST12:部分放電発生処理、すなわち、部分放電発生判定手段11が部分放電発生と判定し、商用周波1周期から第2の継続時間を引いた時間が経過した時点で1サイクルメモリ41への記録を停止し、各相における1周期分の電流データ及び時刻情報を部分放電解析手段に送信する処理。
その後、部分放電解析手段では、各相における1周期分の電流データ及び時刻情報に基づいて、部分放電の特徴を有する波形の検出等を行う。
なお、いずれかのステップからST2に戻る際には、直前ノイズカウンタ及び後続ノイズカウンタを管理する処理(具体的にはカウント値を1減らす処理)を行う。
図4は、3相の電力ケーブルにおけるクロスボンド接地方式の説明図である。
クロスボンド接地方式は、特別高圧及び超高圧(220kV以上)の電力ケーブルで採用されており、電磁誘導によって金属シースに流れる循環電流をキャンセルするために、電力ケーブルの両端の近傍において3相の金属シース同士を一括接地するとともに、電力ケーブルの中間部で3相のうちの2相の金属シース同士を3組短絡(クロスボンド)する方式である。
図4のクロスボンド1及び2が、2相の金属シース同士を3組短絡した部分を示しており、電力ケーブルの長さに応じて1箇所又は複数箇所に設けられる。
実施例2は、実施例1の電流計測手段をクロスボンド接地方式の電力ケーブルの各相に設置し、いずれかの相の部分放電発生判定手段において部分放電が発生したと判定された時に、各相の電流検出手段によって得られた同じ時刻帯における電流データに基づいて、図4に記載したクロスボンド区間内で発生した部分放電(以下「クロスボンド接続内部分放電」と記載する。)であるか否かを判定する範囲判定手段である。
実施例2の範囲判定手段は、通常、実施例1の部分放電解析手段に設置され、いずれかの相の部分放電発生判定手段において、部分放電が発生したと判定された時に、各相の電流検出手段から得られた1周期分の電流データ及び時刻情報に基づいて、クロスボンド接続内部分放電であるか否かを判定する。
図5は、クロスボンド接地方式の電力ケーブルにおける部分放電に伴う各相電流データの一部を示すグラフである。
図5において、実線のグラフは部分放電が発生したと判定された相において部分放電の特徴有りと判定された電流データの波形を示し、点線と一点鎖線のグラフは他の2相において実線のグラフと同時刻に計測された電流データの波形を示している。
ここで、3相における電流データの波形がクロスボンド接続内部分放電に伴うものであれば、クロスボンド接地方式の電力ケーブルにおいては、図4の右側の三相一括接地点を通過する部分放電に伴う電流変化(電流変化の大きさは、図4右上の長い点線矢印)を打ち消すために、各相末端の接地線から部分放電に伴う電流変化とは逆向きの電流(逆向き電流の大きさは、図4右側の3本の細い実線矢印)が流れ、電流波動として伝搬する。
そうすると、部分放電が発生している相の接地線においては部分放電に伴う電流変化の3分の2にあたる電流変化(図4右上の太い実線矢印)が計測され、他の2相においては部分放電に伴う電流変化の3分の1にあたる逆向きの電流変化(図4右中央の細い実線矢印と同図右下の細い実線矢印)が計測される。
上記の現象を利用して、実施例2の範囲判定手段では、次の手順でクロスボンド接続内部分放電であるか否かを判定する。
(1)電流ピーク極性検出手段によって、部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの極性を検出する。
(2)電流ピーク値検出手段によって、部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの大きさ(絶対値)を検出する。
(3)電流ピーク時刻検出手段によって、部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの時刻を検出する。
(4)部分放電発生範囲判定手段によって、部分放電の特徴有りと判定された相以外の2相において、上記(3)で検出された電流ピークの時刻における電流データの極性が上記(1)で検出された電流ピークの極性と逆極性であるかないかを判定するとともに、その電流ピークの時刻における電流データの大きさ(絶対値)の2倍と上記(2)で検出された電流ピークの大きさ(絶対値)との差が判定値以下であるか否かを判定し、逆極性であり、かつ、差が判定値以下である場合にクロスボンド接続内部分放電であると判定する。
(5)部分放電の特徴有りと判定された相以外の2相において、上記(3)で検出された電流ピークの時刻における電流データの大きさ(絶対値)が小さい(ほとんど変化していない)場合には、単独の部分放電(クロスボンド接続内部以外での部分放電)と判定し、そうでない場合には、ノイズであると判定する。
実施例3は、実施例1の絶縁劣化診断装置を電力ケーブル1の一端部及び他端部の2箇所に設けて、絶縁劣化箇所がどこに存在しているかを特定するための絶縁劣化箇所標定装置であり、その概略図を図6に示す。
図6に示すとおり、実施例3の絶縁劣化箇所標定装置は、電力ケーブル1の一端部に設置された一端側子局20と、電力ケーブル1の他端部に設置された他端側子局21と、各子局20、21から送信された情報に基づいて絶縁劣化箇所のある相及び絶縁劣化箇所のある位置を標定する親局22によって構成されている。
一端側子局20は、実施例1で説明した絶縁劣化診断装置と同じ構成の一端側絶縁劣化診断装置23を備え、部分放電が発生したと判定された時に、部分放電解析手段が検出した全ての部分放電検出情報(部分放電の特徴を有する波形の相情報及び時刻情報)を、一端側送信手段24により親局22に送信する。
また、他端側子局21は、実施例1で説明した絶縁劣化診断装置と同じ構成の他端側絶縁劣化診断装置25を備え、部分放電が発生したと判定された時に、部分放電解析手段が検出した全ての部分放電検出情報を、他端側送信手段26により親局22に送信する。
親局22は、各子局20、21から送信された情報を受信する受信手段27と、受信手段27で受信した情報に基づいて絶縁劣化箇所のある位置を計算する絶縁劣化位置計算手段28と、計算された絶縁劣化箇所のある位置に関する情報を表示する表示手段29を備えている。
絶縁劣化位置計算手段28は、各子局20、21から送信され、受信手段27で受信した全ての部分放電検出情報に基づいて、絶縁劣化箇所のある相を特定するとともに、同じ絶縁劣化箇所において同じタイミングで発生した部分放電に起因して伝搬し、一端側子局20に到達したと考えられる部分放電検出情報と他端側子局21に到達したと考えられる部分放電検出情報の時刻差が当該ケーブルの通過に要する時間以内のペア(以下「ペア情報」と記載する。)を決定し、部分放電の特徴を有する波形が各子局20、21に到達した時刻を特定する。
そして、部分放電の特徴を有する波形が各子局20、21に到達した時刻を特定できれば、特開2001−133504号公報に記載されている手法により、絶縁劣化箇所のある位置を式1によって計算することができる。
式1:L1={L+(t1−t2)×v}/2
ここで、L1は一端側子局20から絶縁劣化箇所のある位置までの電力ケーブル1の長さ、Lは一端側子局20から他端側子局21までの電力ケーブル1の長さ、t1は一端側子局20における到達時刻、t2は他端側子局21における到達時刻、vは電力ケーブル1における電流伝搬速度である。
なお、各子局は、定時又は指定された正時(部分放電検出再開指示後の正1秒、正10秒又は正1分)毎に部分放電検出を開始するため、発生した部分放電を各子局が検出した場合、時刻整合が取れる。
図7は、絶縁劣化位置計算手段28の処理手順を示すフローチャートである。
(1)部分放電情報受信処理
一端側子局20から1周期分の部分放電検出情報(以下「一端側部分放電情報」という。)を受信するとともに、他端側子局21から1周期分の部分放電検出情報(以下「他端側部分放電情報」という。)を受信する(ST31)。
(2)両端側データ対比処理
一端側部分放電情報から1データ(以下「一端側データ」という。)を取り出し(ST32)、他端側データ取り出しカウンタを初期化(他端側部分放電情報に含まれるデータ数をセット)した後(ST33)、他端側部分放電情報から1データ(以下「他端側データ」という。)を取り出す(ST34)。
そして、一端側データの相情報と他端側データの相情報が一致しているか否かを判断し(ST35)、一致していなければST34に戻り、一致していればST36に進む。
なお、ST34に戻る際には他端側データ取り出しカウンタを1減らし、0になっていればST38に進む。
(3)ペア情報抽出処理
一端側子局20及び他端側子局21間における電力ケーブル1の長さ(L)を、電力ケーブル1の両端間の電流伝搬速度(v)で除して伝搬許容時間(L/v)を求める。
そして、一端側データの時刻情報(t1)と、他端側データの時刻情報(t2)との時刻差(|t1−t2|)を求め、|t1−t2|≦L/vを満たしているか否かを判断し(ST36)、満たしていなければST34に戻り、満たしていればそれらをペア情報として抽出しST37に進む。
なお、上記(2)と同様、ST34に戻る際には他端側データ取り出しカウンタを1減らし、0になっていればST38に進む。
(4)絶縁劣化位置計算処理
抽出したペア情報について、絶縁劣化箇所のある位置、すなわち、一端側子局20から絶縁劣化箇所のある位置までの電力ケーブル1の長さ(L1)を式1によって計算し、計算結果を保存する(ST37)。
(5)一端側データ終了確認処理
一端側部分放電情報から全てのデータを取り出したか確認し(ST38)、取り出していなければST32に戻り、取り出していれば終了する。
このような手順によって抽出されたペア情報について、特定された絶縁劣化箇所のある相及び計算された絶縁劣化箇所のある位置に関する情報を表示手段29に出力する。
そして、相に関する情報としては、通常U、V、Wや青、赤、白等の文字、長さの情報としては、通常一端側子局20からの長さを示す数値を用いるが、青、赤、白3本のケーブル配置図を地図とともに表示し、そのケーブル中における絶縁劣化箇所のある場所を示すマーク等を用いても良い。
実施例1の絶縁劣化診断装置及び実施例3の絶縁劣化箇所標定装置に関する変形例を列記する。
(1)実施例1では、絶縁劣化診断装置を3相の電力ケーブルに適用する例を説明したが、単相又は2相の電力ケーブルにも適用できる。
(2)実施例1の絶縁劣化診断装置においては、メモリを節約するため商用周波1周期分の電流データ等を1サイクルメモリ41にサイクリックに記録したが、商用周波複数周期分の電流データ等をサイクリックに記録しても良い。
(3)実施例1の絶縁劣化診断装置においては、1サイクルメモリ41に記録される電流データについて、特徴量抽出及び部分放電の可能性がある波形であるか否かの判定を行ったが、当該電流データに代えて又は加えて、低周波電流データを商用周波1周期分記録し特徴量抽出及び部分放電の可能性がある波形であるか否かの判定を行っても良い。
(4)実施例3では、3相の電力ケーブルを前提として説明したが、単相又は2相の電力ケーブルにも適用でき、単相の電力ケーブルの場合は相情報を送信する必要はない。
(5)実施例3では、一端側子局20、他端側子局21及び親局22を設置したが、親局22は一端側子局20又は他端側子局21を兼ねていても良い。
すなわち、一端側子局20又は他端側子局21のいずれかに親局機能を持たせても良い。
1 電力ケーブル 2 ケーブルヘッド 3 接地線 4 電流検出手段
5 計時手段 6 特徴量抽出手段 7 ノイズ検出手段
8 部分放電波形判定手段 9 直前ノイズ管理手段
10 後続ノイズ管理手段 11 部分放電発生判定手段
20 一端側子局 21 他端側子局 22 親局
23 一端側絶縁劣化診断装置 24 一端側送信手段
25 他端側絶縁劣化診断装置 26 他端側送信手段 27 受信手段
28 絶縁劣化位置計算手段 29 表示手段 41 1サイクルメモリ

Claims (4)

  1. 電力ケーブル又は電気機器における接地線電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって一定時間毎に検出された電流検出値に基づく電流データから特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量抽出手段により抽出された特徴量に基づいて、部分放電の特徴の有無を判定する部分放電波形判定手段と、
    所定しきい値以上の大きさのノイズを検出するノイズ検出手段と、
    前記部分放電波形判定手段が部分放電の特徴有りと判定した時点が、前記ノイズ検出手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であるか否かを判定する直前ノイズ管理手段と、
    前記部分放電波形判定手段が部分放電の特徴有りと判定した時点から第2の継続時間が経過するまでに、前記ノイズ検出手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出したか否かを判定する後続ノイズ管理手段と、
    前記直前ノイズ管理手段が所定しきい値以上の大きさのノイズを検出してから第1の継続時間が経過した後であると判定し、かつ、前記後続ノイズ管理手段が部分放電の特徴有りと判定した時点から第2の継続時間が経過するまでに所定しきい値以上の大きさのノイズを検出しなかったと判定した時に、部分放電が発生したと判定する部分放電発生判定手段を備えている
    ことを特徴とする絶縁劣化診断装置。
  2. 部分放電第1波が立下りの場合に、前記特徴量抽出手段は、立下り電流値の大きさ、立下り所要時間、立上り電流値の大きさ及び立上り所要時間を特徴量として抽出し、
    前記部分放電波形判定手段は、立下り電流値の大きさが所定範囲内であること、立下り所要時間が第3の継続時間以内であること、立上り電流値の大きさが立下り電流値の大きさより大きいこと及び立上り所要時間が立下り所要時間より大きく立下り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定し、
    部分放電第1波が立上りの場合に、前記特徴量抽出手段は、立上り電流値の大きさ、立上り所要時間、立下り電流値の大きさ及び立下り所要時間を特徴量として抽出し、
    前記部分放電波形判定手段は、立上り電流値の大きさが所定範囲内であること、立上り所要時間が所定時間以内であること、立下り電流値の大きさが立上り電流値の大きさより大きいこと及び立下り所要時間が立上り所要時間より大きく立上り所要時間の3倍より小さいことの条件を満足している時に、部分放電の特徴有りと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁劣化診断装置。
  3. 請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置を、3相の電力ケーブルの各相に設置し、
    いずれかの相の前記部分放電発生判定手段において、部分放電が発生したと判定された時に、各相の電流データ及び時刻情報の1サイクルメモリへの記録を停止し、停止した時点における各相の前記1サイクルメモリの情報を受信する部分放電解析手段を設け、
    前記部分放電解析手段は、
    受信した各相の電流データ及び時刻情報に基づいて、前記特徴量抽出手段及び前記部分放電波形判定手段によって部分放電の特徴有りと判定される波形の電流ピークの極性を検出する電流ピーク極性検出手段と、該電流ピークの絶対値を検出する電流ピーク値検出手段と、前記電流ピークの時刻を検出する電流ピーク時刻検出手段と、部分放電の特徴有りと判定された相以外の2相において、前記電流ピークの時刻における電流データの極性を検出する他相電流極性検出手段と、前記電流ピークの時刻における電流データの絶対値を検出する他相電流値検出手段と、
    前記電流ピーク極性検出手段で検出された極性と前記他相電流極性検出手段で検出された極性が逆極性であり、かつ、前記電流ピーク値検出手段で検出された絶対値と前記他相電流値検出手段で検出された絶対値の2倍との差が判定値以下である場合にクロスボンド接続内部分放電であると判定する部分放電発生範囲判定手段を有している
    ことを特徴とする絶縁劣化診断装置。
  4. 電力ケーブル又は電気機器の一端側に一端側子局を設けるとともに、前記電力ケーブル又は電気機器の他端側に他端側子局を設け、
    前記一端側子局は、請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置と同じ構成の一端側絶縁劣化診断装置及び前記一端側絶縁劣化診断装置により部分放電が発生したと判定された時、一端側部分放電情報を親局に対して送信する一端側送信手段を備え、
    前記他端側子局は、請求項1又は2に記載の絶縁劣化診断装置と同じ構成の他端側絶縁劣化診断装置及び前記他端側絶縁劣化診断装置により部分放電が発生したと判定された時、他端側部分放電情報を前記親局に対して送信する他端側送信手段を備え、
    前記親局は、前記電力ケーブル又は電気機器の電線の長さ及び電流伝搬速度並びに受信した一端側部分放電情報及び他端側部分放電情報に基づいて絶縁劣化箇所の位置を計算する絶縁劣化位置計算手段と、
    前記絶縁劣化位置計算手段による計算結果に基づいて前記絶縁劣化箇所の位置情報を表示する表示手段を備えている
    ことを特徴とする絶縁劣化箇所標定装置。
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