JP2019116532A - 封止成形材料用組成物及び電子部品装置 - Google Patents

封止成形材料用組成物及び電子部品装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いガラス転移温度(Tg)を有し、耐熱分解性が高く、成形性に優れるとともに、耐電圧性が高く、半導体インサート部品との密着性が良好で信頼性が高い硬化物を得ることができる封止成形材料用組成物、及び該封止成形材料用組成物を用いた電子部品装置を提供する。【解決手段】(A)特定の構造を有するマレイミド樹脂、(B)特定の骨格を有するナジイミド樹脂、(C)フェノール系硬化剤、(D)エポキシ樹脂、(E)硬化促進剤、(F)(F−1)中空構造充填材を含む充填材を含有し、前記(C)成分および(D)成分が、それぞれにトリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を含み、前記(E)成分が(E−1)リン系硬化促進剤、(E−2)イミダゾール系硬化促進剤、及び(E−3)酸系硬化促進剤を含む封止成形材料用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止成形材料用組成物及び電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品封止の分野では、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。これは、エポキシ樹脂が、電気特性、耐湿性、機械特性、インサート部品との接着性等のバランスに優れるからである。
近年、資源エネルギーの将来的な枯渇に対する不安や、いわゆる地球温暖化問題等を背景に世界的に省エネルギーの機運が高まっており、電力の制御や変換を行い、「省エネ技術のキーデバイス」と言われるパワーデバイス(パワー半導体)が注目されている。
パワー半導体にとって電力変換効率はその性能を決定する非常に重要な項目であるが、ここにきて、従来のSi素子より変換効率の高い炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等の化合物半導体の研究開発や市場での流通が活況を呈するようになってきた。
パワー半導体の大きな特徴として、特にSiC素子はSi素子に比べ、高い耐電圧特性を有するため、これを適用すればより高い耐電圧を有するパワー半導体モジュールの実現が可能である。それに伴い、パワー半導体素子以外の周辺部材にも高い耐電圧特性、例えば耐トラッキング性や高い絶縁破壊電圧が要求される。
一方、もう一つの大きな特徴として、従来のSi素子と比較して高温動作が可能である点を挙げることができる。前述した高い耐電圧特性を有することは、素子自身の発熱もこれまで以上になることを意味し、高温動作が可能となることと相まって、周辺部材にはこれまで以上の耐熱性が求められることになる。
SiC素子については、300℃以上での動作報告もあり、封止用成形材料には高いガラス転移温度とともに高い耐熱分解性が求められることになる。
封止用成形材料に高いガラス転移温度を与え、高温時信頼性を与えようとする技術としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド基を有する化合物、及びアルケニル基を有するフェノール化合物を必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献1)、マレイミド化合物とナジイミド化合物とアミン化合物と触媒を特定の比率で配合した封止用樹脂組成物(例えば、特許文献2)等の報告がある。
特開2006−299246号公報 特開2015−147850号公報
高温時信頼性を確保する為には、高いガラス転移温度(Tg)とともに、半導体インサート部品に対する高い密着力が必要であるが、一般に、これらの両立は困難であることが多く、半導体インサート部品との剥離が発生する等の問題を抱えることも少なくない。半導体インサート部品に対する十分な密着性を確保した上で、半導体部品の生産性に関わる成形材料の成形性との両立を図ることも困難な課題であり、従来の技術ではこれらの課題が十分に解決されているとは言いがたい。特許文献2では密着性を確保する為、ナジイミド化合物を添加しているが、硬化剤にアミン化合物を使用している為、高電圧のかかるSiC素子等を封止するには電気特性に不十分であることが懸念される。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高いガラス転移温度(Tg)を有し、耐熱分解性が高く、成形性に優れるとともに、耐電圧性が高く、半導体インサート部品との密着性が良好で信頼性が高い硬化物を得ることができる封止成形材料用組成物、及び該封止成形材料用組成物を用いた電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するマレイミド樹脂と、特定の骨格を有するナジイミド樹脂と、特定の骨格を有するフェノール系硬化剤と、特定の骨格を有するエポキシ樹脂と、特定の硬化促進剤と、中空構造充填材を含む充填材とを含有する封止成形材料用組成物が、上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
[1](A)下記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂、(B)下記一般式(II)で表されるアリル基含有ナジイミド樹脂、(C)フェノール系硬化剤、(D)エポキシ樹脂、(E)硬化促進剤、(F)(F−1)中空構造充填材を含む充填材を含有し、前記(C)成分および(D)成分が、それぞれにトリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を含み、前記(E)成分が(E−1)リン系硬化促進剤、(E−2)イミダゾール系硬化促進剤、及び(E−3)酸系硬化促進剤を含む封止成形材料用組成物。

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rが複数存在する場合、該複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数、zは0〜10の整数である。)

(式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基、炭素数6〜18の二価の芳香族基、一般式「−A−C−(A−(ただし、mは0または1の整数を示し、各Aは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基である。)」で表される基、または一般式「−C−A−C−(ここでAは「−CH−」、「−C(CH−」、「−CO−」、「−O−」、「−S−」または「−SO−」で表される基である。)」で表される基である。)
[2]前記(F−1)中空構造充填材の平均粒径が3〜100μmである上記[1]に記載の封止成形材料用組成物。
[3]前記(F−1)中空構造充填材が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し1〜50質量%である上記[1]又は[2]に記載の封止成形材料用組成物。
[4]前記(F−1)中空構造充填材が、有機化合物からなり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し0.5〜10質量%である上記[1]又は[2]に記載の封止成形材料用組成物。
[5]前記(F−1)中空構造充填材が、シルセスキオキサン化合物からなり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し0.5〜10質量%である上記[1]又は[2]に記載の封止成形材料用組成物。
[6]前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し30〜250質量部である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の封止成形材料用組成物。
[7]前記(E−3)成分が、p−トルエンスルホン酸、そのアミン塩及び三フッ化ホウ素アミン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の封止成形材料用組成物。
[8]前記(E−3)成分の含有量が、前記(B)成分100質量部に対し0.1〜10質量部である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の封止成形材料用組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の封止成形材料用組成物により封止された素子を備える電子部品装置。
本発明によれば、高いガラス転移温度(Tg)を有し、耐熱分解性が高く、成形性に優れるとともに、耐電圧性が高く、半導体インサート部品との密着性が良好で信頼性が高い硬化物を得ることができる封止成形材料用組成物、及び該封止成形材料用組成物を用いた電子部品装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(封止成形材料用組成物)
まず、本発明の封止成形材料用組成物の各成分について述べる。
〔(A)マレイミド樹脂〕
本発明で用いる(A)成分のマレイミド樹脂は、下記一般式(I)で表され、1分子内にマレイミド基を2つ以上含む化合物であり、加熱によりマレイミド基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。また、上記マレイミド樹脂は、架橋反応により、硬化物に高いガラス転移温度(Tg)を与え、耐熱性及び耐熱分解性を向上させる。
上記一般式(I)中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、該炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数である。
上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基などの置換アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基などの1価の炭化水素基が挙げられる。
また、Rが複数存在する場合、該複数のR1は、互いに同一でも異なっていてもよい。
zは0〜10の整数であり、好ましくは0〜4の整数である。
上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂は、後述する(C)成分のフェノール系硬化剤と、(E−1)成分のリン系硬化促進剤の存在下で付加反応が起こり、封止成形材料用組成物の硬化物に高い耐熱性を与える。
上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂の具体例としては、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。
また、上記マレイミド樹脂は、例えば、ポリフェニルメタンマレイミドでz=0〜2を主成分とするBMI−2300(大和化成工業(株)製)等が市販品として入手することができる。
上記(A)成分のマレイミド樹脂は、その一部又は全量を後述する(C)成分のフェノール系硬化剤の一部又は全量と、予め予備混合を行なってから用いてもよい。予備混合の方法は特に限定されず、公知の混合方法を用いることができる。例えば、撹拌可能な装置を用い、(C)成分を50〜180℃で溶融した後、撹拌しつつ(A)成分のマレイミド樹脂を徐々に加えて混合し、その全てが溶融してから更に10〜60分程度撹拌し、予備混合樹脂とする方法等が挙げられる。
なお、予備混合において、(C)成分のフェノール系硬化剤を2種以上用いてもよい。
上記(A)成分のマレイミド樹脂、すなわち、上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂とは別に、本発明の効果を妨げない範囲で、上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂以外のマレイミド樹脂を併用してもよい。併用可能なマレイミド樹脂としては、例えば、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシン)フェニル]プロパン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン等を挙げることができるが、これら以外の従来公知のマレイミド樹脂を併用してもよい。なお、上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂以外のマレイミド樹脂を配合する場合、その配合量は、(A)成分のマレイミド樹脂100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが更に好ましい。
〔(B)アリル基含有ナジイミド樹脂〕
本発明で用いる(B)成分のアリル基含有ナジイミド樹脂(以下、単にナジイミド樹脂ともいう)は、下記一般式(II)で表され、1分子内にアリル基を2つ含む化合物であり、加熱によりアリル基同士あるいはアリル基とマレイミド基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。(B)成分のナジイミド樹脂はその樹脂骨格に由来する密着性の向上効果が期待できる。また、(B)成分のナジイミド樹脂は、(A)成分のマレイミド樹脂と同様、架橋反応により、硬化物に高いガラス転移温度(Tg)を与え、耐熱性及び耐熱分解性を向上させる。
上記一般式(II)中、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基、炭素数6〜18の二価の芳香族基、一般式「−A−C−(A−(ただし、mは0または1の整数を示し、各Aは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基である。)」で表される基、または一般式「−C−A−C−(ここでAは「−CH−」、「−C(CH−」、「−CO−」、「−O−」、「−S−」または「−SO−」で表される基である。)」で表される基である。
上記一般式(II)で表されるアリル基含有ナジイミド樹脂の具体例としては、例えば、下記式(II−1)及び(II−2)に示す樹脂が挙げられる。中でも、耐トラッキング性、密着性の観点から、式(II−1)に示す樹脂が好ましい。これは、式(II−1)に示す樹脂では、該樹脂が有するアリル基同士の距離が十分であるため、立体障害が少なく反応が十分に進み3次元的網目構造が密に形成され、ナジイミド樹脂骨格の凝集力が増加するからである。
これらの樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(B)成分の含有量は、硬化収縮率、密着性のバランスの観点から(A)成分100質量部に対し30〜250質量部とすることが好ましく、50〜200質量部とすることがより好ましい。
上記一般式(II)で表されるアリル基含有ナジイミド樹脂は、BANI−M(丸善石油化学(株)製)、BANI−X(丸善石油化学(株)製)等が市販品として入手することができる。
〔(C)フェノール系硬化剤〕
本発明の封止成形材料用組成物は、(C)成分として、下記一般式(III)で表されるトリフェニルメタン骨格を含むフェノール系硬化剤及び下記一般式(IV)で表されるナフタレン骨格を含むフェノール系硬化剤から選択される少なくとも1種を含む。また、(C)成分のフェノール系硬化剤は一分子中に少なくとも2個の水酸基を有する。
上記(C)成分は、後述する(E−1)成分であるリン系硬化促進剤の存在下、(A)成分であるマレイミド樹脂と付加反応を行い、該(A)成分の自己重合反応を間接的に抑制し、剥離応力を緩和する効果を有する。また、封止成形材料用組成物に耐熱性とともに密着性及び成形性を付与する働きを有する。更に、後述する(D)成分であるエポキシ樹脂と、(E−1)成分であるリン系硬化促進剤あるいは(E−2)成分であるイミダゾール系硬化促進剤の存在下、付加反応を行う。

(式中、xは0〜10である。)

(式中、y1は0〜10である。)
上記一般式(III)中、xは0〜10であり、好ましくは1〜4である。また、上記一般式(IV)中、y1は0〜10であり、好ましくは0〜3である。
上記一般式(III)で表されるフェノール樹脂は、MEH−7500(明和化成(株)製)として、上記一般式(IV)で表されるフェノール樹脂は、SN−485(新日鉄住金化学(株)製)として、それぞれ市販品として入手することができる。
上記(C)成分は、一般式(III)、(IV)で表される化合物を単独で用いてもよいし、これらの2種以上を併用して用いてもよい。
本発明では、耐熱性、密着性、及び成形性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対し、(C)成分の含有量を20〜250質量部とすることが好ましく、30〜200質量部とすることがより好ましく、40〜150質量部とすることが更に好ましい。2種以上の(C)成分を併用する場合、その合計量を前記範囲内とすることが好ましい。
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、従来公知の(C)成分以外のフェノール系硬化剤を併用することができる。また、本発明の効果を妨げない範囲で酸無水物やアミン系硬化剤を併用してもよい。
〔(D)エポキシ樹脂〕
本発明の封止成形材料用組成物は、(D)成分として、下記一般式(V)で表されるトリフェニルメタン骨格を含むエポキシ樹脂、下記一般式(VI)で表されるナフタレン骨格を含むエポキシ樹脂、及び下記一般式(VII)で表されるナフタレン骨格を含むエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種含む。(D)成分のエポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基を有し、比較的に低い温度から反応開始することで成形性が向上し、付加反応時に水酸基が生成され、密着性を付与する働きを有する。また、(D)成分のエポキシ樹脂は、(C)成分のフェノール系硬化剤と架橋反応を行い成形性及び密着性を向上させる働きを有するとともに、(A)成分のマレイミド樹脂の自己重合反応を促進し、封止成形材料用組成物の硬化性を高め、良好な成形性を与える働きも有する。
(D)成分のエポキシ樹脂は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

(式中、n1は0〜10である。)

(式中、n2は0〜10である。)
上記一般式(V)中、n1は0〜10であり、好ましくは0〜3である。また、上記一般式(VI)中、n2は0〜10であり、好ましくは0〜3である。
上記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂は、EPPN−502H(日本化薬(株)製)として、上記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂は、ESN−375(新日鉄住金化学(株)製)として、上記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂は、HP−4710(DIC(株)製)として、それぞれ市販品として入手することができる。
一般式(V)〜(VII)で表されるエポキシ樹脂の軟化点は、生産性や封止成形材料用組成物の流動性を良好にする観点から、好ましくは55〜100℃、より好ましくは60〜90℃、更に好ましくは65〜85℃である。
本発明の封止成形材料用組成物において、(D)成分の含有量は、ガラス転移点、密着性及び成形性等をバランスよくさせる為に、(C)成分のフェノール系硬化剤の水酸基に対する(D)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基の比(当量比)が0.2〜1.5であることが好ましく、0.3〜1.2であることがより好ましい。当量比が0.2以上であれば成形性が良好となり、1.5以下であれば耐熱性や耐熱分解性、難燃性等がそれぞれ良好となる。なお、(D)成分を2種以上用いる場合には、その合計量を前記範囲内とすることが好ましい。
また、(D)成分のエポキシ樹脂の配合量は、(A)成分のマレイミド樹脂100質量部に対し、好ましくは30〜200質量部、より好ましくは40〜150質量部、更に好ましくは50〜100質量部である。30質量部以上とすることで密着性が良好となり、200質量部以下とすることで耐熱性が良好となる。
(D)成分のエポキシ樹脂は、一般式(V)〜(VII)で表される樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で半導体素子封止材料として用いられるエポキシ樹脂を併用することができる。併用可能なエポキシ樹脂としては、例えば、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これら以外のエポキシ樹脂を併用してもよい。
なお、上記(D)成分以外のエポキシ樹脂を併用する場合、その配合量は(D)成分のエポキシ樹脂100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが更に好ましい。
〔(E)硬化促進剤〕
本発明では(E)成分の硬化促進剤として、(E−1)リン系硬化促進剤、(E−2)イミダゾール系硬化促進剤、及び(E−3)酸系硬化促進剤を併用することが必要である。
(E−1)リン系硬化促進剤
本発明で用いる(E−1)成分のリン系硬化促進剤は、主として、(A)成分と(C)成分との架橋反応、及び(C)成分と(D)成分との架橋反応を促進する為に用いられる。(E−1)成分は、これらの反応を促進することにより、(A)成分どうしの自己重合反応を間接的に抑制し、半導体インサート部品との剥離応力の発生を抑える働きを有する。
(E−1)成分のリン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の三級ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレート類等を例示することができ、これらを単独、又は2種以上併用して、適宜使用することができる。これら以外の従来公知のリン系硬化促進剤を単独、又は2種以上併用して使用することも可能である。
(E−1)成分のリン系硬化促進剤の含有量は、硬化性及び半導体インサート部品との密着性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜6質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、更に好ましくは0.5〜3質量部である。2種以上のリン系硬化促進剤を併用する場合には、その合計量が前記範囲内となることが好ましい。
(E−2)イミダゾール系硬化促進剤
本発明で用いる(E−2)成分のイミダゾール系硬化促進剤は、主として(A)成分の自己重合反応を促進することで、封止成形材料用組成物の成形性を確保する為に用いられる。(E−2)成分の働きは、(D)成分のエポキシ樹脂の存在により促進され、本発明の封止成形材料用組成物に良好な硬化性や成形性を与えることが可能となる。また、(C)成分のフェノール系硬化剤と(D)成分のエポキシ樹脂との付加反応、及び(D)成分のエポキシ樹脂の自己重合反応を促進することにより、成形性及び密着性を向上させる働きがある。
なお、本発明において、「イミダゾール系硬化促進剤」とは、5員環上の1,3位に窒素原子を含むイミダゾール化合物と同義である。
(E−2)成分のイミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等を例示することができ、これらは単独で使用しても2種以上を併用して使用してもよい。また、上記以外の従来公知のイミダゾール系硬化促進剤を適用してもよい。
(E−2)成分のイミダゾール系硬化促進剤の含有量は、硬化性及び半導体インサート部品との密着性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜4質量部、より好ましくは0.3〜3質量部、更に好ましくは0.5〜2質量部である。2種以上のイミダゾール系硬化促進剤を併用する場合には、その合計量が前記範囲内となることが好ましい。
(E−3)酸系硬化促進剤
本発明で用いる(E−3)成分の酸系硬化促進剤は、主として(B)成分のアリル基含有ナジイミド樹脂の反応性を促進し、(A)成分のマレイミド樹脂と(B)成分のアリル基含有ナジイミド樹脂との硬化性を促進させ、比較的低い温度から反応を開始させるために用いられる。また、(C)成分のフェノール系硬化剤と(D)成分のエポキシ樹脂との反応も促進することにより、成形性及び密着性を向上させる働きがある。一般にマレイミド樹脂は高耐熱性を有するものの、硬化反応に高い温度を必要とする。(A)成分のマレイミド樹脂と(B)成分のアリル基含有ナジイミド樹脂と(E−3)成分の酸系硬化促進剤とを反応させることにより比較的低温で反応を開始させることができ、成型性が向上する。
(E−3)成分の酸系硬化促進剤としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、またはそれらのアミン塩、ピリジン硫酸塩、リン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体、三フッ化ホウ素アミン錯体などを例示することができる。これらのうち、本発明では反応性や樹脂物性の観点から、p−トルエンスルホン酸、そのアミン塩及び三フッ化ホウ素アミン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。また、密着性の観点からp−トルエンスルホン酸がより好ましく、硬化性の観点から三フッ化ホウ素アミン錯体がより好ましい。これらは単独で使用しても2種以上を併用して使用してもよい。
(E−3)成分の酸系硬化促進剤の含有量は、硬化性及び熱分解性のバランスの観点から、(B)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、更に好ましくは0.5〜3質量部である。2種以上の酸系硬化促進剤を併用する場合には、その合計量が前記範囲内となることが好ましい。
〔(F)充填材〕
本発明で用いる(F)成分の充填材は、(F−1)中空構造充填材を含むものであり、さらに、封止用成形材料で通常用いられる(F−2)無機充填材を含有することが好ましい。本発明の効果である封止成形材料用組成物の硬化物と半導体インサート部品との剥離を防止する為に、機械強度や線膨張係数等の観点から、(F)成分の充填剤の含有量は、封止成形材料用組成物全量に対し好ましくは60〜95質量%、より好ましくは65〜90質量%、更に好ましくは70〜85質量%である。充填材の含有量が60質量%以上であれば線膨張係数の増大を抑制でき、十分な機械的強度を保つことができ、95質量%以下であれば良好な流動性が得られる。
(F−1)中空構造充填材
本発明で用いる(F−1)成分の中空構造充填材は、主として、硬化時応力を緩和するとともに、封止成形材料用組成物の硬化物の弾性率を下げることで熱収縮に伴う応力をも緩和し、硬化物と半導体インサート部品との剥離を防ぐ働きをする。封止成形材料用組成物の硬化物の弾性率は10〜15GPaであることが好ましい。15GPa以下であると硬化物とインサート部品との剥離を抑制することができ、10GPa以上であると成形性が良好である。
ここで、本発明における「中空構造充填材」とは、充填材内部に1つ又は2つ以上の中空構造を有する充填材を指す。中空構造充填材としては、特に限定されず、ソーダ石灰ガラスや硼珪酸ガラス、珪酸アルミニウムやムライト、石英等を主成分とするいわゆる中空ガラスや中空シリカ等の無機系中空構造充填材、シロキサン結合が(CHSiO3/2で表される三次元網目状に架橋した構造を持つシルセスキオキサン化合物等シリコーン化合物を主成分とするシリコーン系中空構造充填材の他、熱可塑又は熱硬化性樹脂を出発原料として合成された有機化合物等を主成分とする有機系中空構造充填材等を用いることができる。
なお、本明細書における「シルセスキオキサン化合物」とは、シロキサン結合が(CHSiO3/2で表される三次元網目状に架橋した構造を持ち、側鎖にメチル基やフェニル基等の有機官能基を有する化合物のうち、側鎖がメチル基である割合が80%以上である化合物を指す。
前記「中空構造充填材」のうち、特に無機系中空構造充填材、及びシリコーン系中空構造充填材は、中空構造充填材自体の耐熱性が高い為、より耐熱性の高い封止成形材料用組成物に用いることが可能である。
インサート部品との剥離を防ぐ観点からは、封止成形材料用組成物全量に対する(F−1)中空構造充填材の割合を(α)、中空構造充填材の弾性率(単位:GPa)を(β)とした時、(α)/(β)が0.002〜0.250となるよう中空構造充填材種とその添加量を選択することが好ましく、0.003〜0.150となるよう中空構造充填材種とその添加量を選択することが特に好ましい。(α)/(β)が0.002以上であれば封止成形材料用組成物の硬化時の応力緩和効果や熱収縮に伴う応力緩和効果が十分に得られ、0.250以下であれば絶縁耐圧や耐トラッキング性等の信頼性が十分に得られる。
また、(F−1)成分の中空構造充填材の弾性率は、好ましくは0.1〜15GPa、より好ましくは0.2〜12GPaである。中でも、比較的弾性率の高い、前記中空ガラスや中空シリカ等の無機系中空構造充填材は、封止樹脂の硬化時収縮を抑える効果が相対的に高く、硬化時発生応力の抑制効果が高いため好ましい。また、比較的弾性率の低いシリコーン系中空構造充填材は、少量の添加で封止材の弾性率を下げることができ、熱収縮時応力緩和効果が高いため好ましい。中空ガラスや中空シリカ等の無機系中空構造充填材と、シリコーン系中空構造充填材とを併用すると、比較的少量の添加でもインサート部品との剥離抑制効果が高く、また、高い耐熱性を求められる封止樹脂にも適用可能であり、本発明における好適な実施形態である。
本発明における中空構造充填材の弾性率は、例えば、ダイナミック超微小硬度計((株)島津製作所製、装置名:DUH−211SR、負荷−徐荷試験、荷重:5.0mN、速度1.5mN/s)により測定することができる。
(F−1)成分の中空構造充填材は、耐トラッキング性等の絶縁性を両立させる観点から、無機成分の場合、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する無機系中空構造充填材、及び/又はシルセスキオキサン化合物を含有するシリコーン系中空構造充填材であることが好ましく、中でも、シリカ−アルミナ化合物、アルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する無機系中空構造充填材、及び/又はシルセスキオキサン化合物を含有するシリコーン系中空構造充填材であることがより好ましい。
また、有機成分の場合、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等から形成される有機系中空構造充填材の選択が可能である。
(F−1)成分の中空構造充填材は、内部に空気層を有する為、通常の充填材と比較して、熱伝導率が低い傾向にある。耐トラッキング性は熱伝導率に大きく影響を受ける為、熱伝導率の低下は耐トラッキング性の低下を伴う場合が多い。中空構造充填材が無機成分の場合、(F−1)成分が熱伝導性の良好なシリカ−アルミナ化合物、及び/又はアルミナを含有することで、耐トラッキング性の低下を抑制することが可能になる。また、シルセスキオキサン化合物については、相対的に少量の添加で剥離抑制効果を示す為、耐トラッキング性への影響が小さくなるものと推察される。
本発明で好適に使用できる中空構造充填材は、イオン性不純物による半導体インサートの腐食防止等の観点から、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含んでいないことが好ましい。混入を防止できない場合、可能な限り低減されていることが望ましい。
(F−1)成分の中空構造充填材が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、アルカリ金属やアルカリ土類金属等の含有量が少ないものとしては、例えば、ケイ酸アルミニウム及びムライト(シリカとアルミナの化合物)を主成分とするカイノスフィアーズ(関西マテック(株)製、商品名)、同じくイースフィアーズ(太平洋セメント(株)製、商品名)などとして市場で入手可能である。また、シルセスキオキサン化合物を含むシリコーン系中空構造充填材(シルセスキオキサン化合物系充填材)としては、例えば、ポリメチルシルセスキオキサンを主成分とするNH−SBN04(日興リカ(株)製、商品名)などとして市場で入手可能である。
(F−1)成分の中空構造充填材は、半導体インサート部品との剥離防止効果と、封止成形材料用組成物の生産性及び成形性等との両立の観点から、平均粒径を3〜100μmとすることが好ましく、3〜60μmとすることがより好ましい。平均粒径が3μm以上であれば剥離防止効果が得られ、平均粒径が100μm以下であれば封止成形材料用組成物の生産性及び成形性が良好になる。なお、ここで、平均粒径とは、レーザ回折散乱方式(たとえば、(株)島津製作所製、装置名:SALD-3100)により測定された、中央値(D50)を指す。
平均粒径が3〜100μmの中空構造充填材としては、前記カイノスフィアーズ(関西マテック(株)製、商品名)シリーズとしてカイノスフィアーズ 75(平均粒径35μm)等を、イースフィアーズ(太平洋セメント(株)製、商品名)シリーズとしてイースフィアーズ SL75(平均粒径55μm)、同じくイースフィアーズ SL125(平均粒径80μm)等を、市場にて入手可能である。また、グラスバブルス K37(平均粒径45μm)、グラスバブルス iM30K(平均粒径16μm)(以上、スリーエム・ジャパン(株)製)、NH−SBN04(平均粒径4μm、日興リカ(株)製)、ADVANCELL HB−2051(平均粒径20μm、積水化学工業(株)製)等も市場にて入手することができる。
(F−1)成分の中空構造充填材の含有量は、前記シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する無機系中空構造充填材、及びシルセスキオキサン化合物を含有するシリコーン系中空構造充填材等の無機成分の場合、(F)成分の充填材全量に対し、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜45質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。1質量%以上であれば剥離防止効果が得られ、50質量%以下であれば絶縁耐圧等の絶縁性能や成形性が良好となる。特に、(F−1)成分の中空構造充填材がシルセスキオキサン化合物を含有するシリコーン系中空構造充填材の場合、その含有量は(F)成分の充填材全量に対し、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1.0〜6質量%、更に好ましくは1.2〜5質量%である。
また、(F−1)成分が有機成分の場合、その含有量は(F)成分の充填材全量に対し好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1.5〜7質量%である。0.5質量%以上であれば剥離防止効果が得られ、10質量%以下であれば絶縁耐圧等の絶縁性能や成形性が良好となる。
(F−2)無機充填材
本発明では、従来公知の無機充填材を使用することができる。かかる無機充填材としては、例えば、結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素や、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。流動性や信頼性の観点からは、結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカが好ましく、溶融球状シリカや合成シリカを主成分とすることが特に好ましい。また、ポリメチルシルセスキオキサン等を主成分とするシリコーンパウダーを添加すると、剥離抑制に効果的である。
(F−2)成分の無機充填材の含有量は、(F)成分の充填材全量に対し好ましくは50〜99.5質量%、より好ましくは55〜98質量%である。
〔その他の成分〕
(シランカップリング剤)
本発明の封止成形材料用組成物は、耐湿性や機械強度、半導体インサート部品との密着性等の観点から、シランカップリング剤を添加することが好ましい。本発明では、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシシラン等のイソシアネートシラン等、従来公知のシランカップリング剤を適宜使用することが可能である。密着性の観点からは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランや3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、二級アミノシラン、及びイソシアネートシラン等を単独、又は併用して用いることが好ましい。なお、シランカップリング剤は、前記(F)成分と単純に混合して用いてもよいし、予めその一部、又は全量を表面処理して用いてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルミネート系カップリング剤やチタネート系カップリング剤を添加しても構わない。
シランカップリング剤の添加量は、封止成形材料用組成物全量に対し、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.7質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%である。0.01質量%以上とすることで、半導体インサート部品との密着性を向上させることができ、1質量%以下とすることで、成形時の硬化性の低下を抑制することができる。
(離型剤)
本発明では、さらに、封止成形材料用組成物の良好な生産性を実現する為に、離型剤を添加することが好ましい。添加可能な離型剤としては、例えば、カルナバワックス等の天然ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸アミド系ワックス、非酸化型ポリエチレン系離型剤、酸化型ポリエチレン系離型剤、シリコーン系離型剤等を挙げることができるが、これら以外の離型剤を添加しても構わない。また、離型剤は、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。密着性と金型離型性の両立の観点からは、カルナバワックスや脂肪酸エステル系ワックス等、相対的に分子量の小さなワックスと、酸化型ポリエチレン等、相対的に分子量の大きなワックスを併用して用いると特に効果的である。
本発明の封止成形材料用組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合されるシリコーン等の低応力剤、難燃剤、カーボンブラック、有機染料、酸化チタン、ベンガラ等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
また、本発明の封止成形材料用組成物には、半導体素子の耐湿性や高温放置特性向上等の観点から、陰イオン交換体等のイオントラップ剤を配合することができる。陰イオン交換体としては、例えば、ハイドロタルサイト類、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等から選ばれる元素の含水酸化物等を挙げることができるが、これら以外の従来公知の陰イオン交換体を用いてもよい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止成形材料用組成物中、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E−1)成分、(E−2)成分、(E−3)成分、(F−1)成分及び(F−2)成分の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
本発明の封止成形材料用組成物は、上述した各成分を所定量配合したものを均一に分散混合することにより調製することができる。調製方法は、特に限定されないが、一般的な方法として、例えば、上記各成分を所定量配合したものをミキサー等で十分に混合し、次いで、ミキシングロール、押出機等により溶融混合した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。
このようにして得られた封止成形材料用組成物は、高いガラス転移温度(Tg)を有し、耐熱分解性が高く、成形性に優れるとともに、耐電圧性が高く、半導体インサート部品との密着性が良好で信頼性が高い硬化物を得ることができる。
上記封止成形材料用組成物の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは230℃以上、より好ましくは240℃以上、更に好ましくは250℃以上である。
また、上記封止成形材料用組成物の硬化物の熱分解温度は、好ましくは380℃以上、より好ましくは385℃以上である。
なお、硬化物のガラス転移温度及び熱分解温度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(電子部品装置)
本発明の電子部品装置は、上記封止成形材料用組成物の硬化物により封止された素子を備える。上記電子部品装置とは、リードフレーム、単結晶シリコン半導体素子又はSiC、GaN等の化合物半導体素子等の支持部材、これらを電気的に接続するためのワイヤやバンプ等の部材、及びその他の構成部材一式に対し、必要部分を上記封止成形材料用組成物の硬化物により封止された電子部品装置のことである。
また、上記封止成形材料用組成物を用いることにより、耐熱性に優れるとともに、半導体インサート部品との密着性に優れ、高温放置後でも剥離やクラックが発生しにくい電子部品装置とすることができる。
本発明の封止成形材料用組成物を用いて封止する方法としては、トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
成形温度は、好ましくは150〜220℃、より好ましくは170〜210℃である。成形時間は、好ましくは45〜300秒、より好ましくは60〜200秒である。また、後硬化する場合、加熱温度は特に限定されないが、例えば、好ましくは150〜220℃、より好ましくは170〜210℃である。また、加熱時間は特に限定されないが、例えば、0.5〜10時間であるのが好ましく、1〜8時間であるのがより好ましい。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1〜5)
表1に記載の種類及び配合量の各成分をミキシング二軸ロールで混練し、封止成形材料用組成物を調製した。各実施例及び比較例における混練温度は、約120℃に設定した。なお、表中の空欄は配合なしを表す。
封止成形材料用組成物の調製に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
<マレイミド樹脂>
〔(A)成分〕
・BMI−2300:ポリフェニルメタンマレイミド(一般式(I)中のz=0〜2を主成分とする)、大和化成工業(株)製、商品名
<アリル基含有ナジイミド樹脂>
〔(B)成分〕
・BANI−M:N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、丸善石油化学(株)、商品名
・BANI−X:N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、丸善石油化学(株)、商品名
<フェノール系硬化剤>
〔(C)成分〕
・MEH−7500:トリフェニルメタン型フェノール樹脂(一般式(III)中のx=1〜4であるフェノール樹脂が主成分)、明和化成(株)製、商品名、水酸基当量97、軟化点110℃
・SN−485:ナフトールアラルキル樹脂(一般式(IV)中のy1=0〜3であるフェノール樹脂が主成分)、新日鉄住金化学(株)製、商品名、水酸基当量215、軟化点87℃
<エポキシ樹脂>
〔(D)成分〕
・EPPN−502H:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(一般式(V)中のn1=0〜3であるエポキシ樹脂が主成分)、日本化薬(株)製、商品名、エポキシ当量168、軟化点67℃
・ESN−375:ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(一般式(VI)中のn2=0〜3であるエポキシ樹脂が主成分)、新日鉄住金化学(株)製、商品名、エポキシ当量172、軟化点75℃
・HP−4710:ジヒドロキシナフタレンノボラック型エポキシ樹脂(一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂)、DIC(株)製、商品名、エポキシ当量161、軟化点82℃
<硬化促進剤>
〔(E−1)成分:リン系硬化促進剤〕
・PP−200:トリフェニルホスフィン、北興化学工業(株)製、商品名
・TPTP:トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、北興化学工業(株)製、商品名
〔(E−2)成分:イミダゾール系硬化促進剤〕
・2MZ−A:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、四国化成工業(株)製、商品名
・2P4MHZ−PW:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業(株)製、商品名
〔(E−3)成分:酸系硬化促進剤〕
・AC−4B50:三フッ化ホウ素イミダゾール錯体、ステラケミファ(株)製、商品名
・p−トルエンスルホン酸:東京化成工業(株)製
<アミン系硬化剤>
・4,4’−ジアミノジフェニルメタン:東京化成工業(株)製
<充填材>
〔(F−1)成分:中空構造充填材〕
・イースフィアーズ SL75:非晶質アルミニウム(65〜85%)とムライト(20〜30%)を主成分とする無機系中空構造充填材、平均粒径55μm、太平洋セメント(株)製、商品名、弾性率10GPa
・ADVANCELL HB-2051:アクリル系多孔中空構造充填材、平均粒径20μm、積水化学工業(株)製、商品名、弾性率0.3GPa
・NH−SBN04:ポリメチルシルセスキオキサン系単孔中空構造充填材、平均粒径4μm、日興リカ(株)製、商品名、弾性率1.0GPa
ここでの弾性率の値は、ダイナミック超微小硬度計((株)島津製作所製、装置名:DUH-211SR、負荷−徐荷試験、荷重:5.0mN、速度1.5mN/s、圧子:三角すい圧子)により5回測定した値の平均値である。
〔(F−2)成分:無機充填材〕
・FB−105:溶融球状シリカ、電気化学工業(株)製、商品名、平均粒子径18μm、比表面積4.5m/g
<その他の成分>
・KBM−403:シランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製、商品名
・HW−4252E:離型剤(数平均分子量1,000の酸化型ポリエチレン系離型剤)、三井化学(株)製、商品名
・MA−600:着色剤(カーボンブラック)、三菱化学(株)製、商品名
以下に示す測定条件により、実施例1〜10、及び比較例1〜5で調製した封止成形材料用組成物の特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表1に示した。なお、成形材料の成形は、明記しない限りトランスファ成形機により、金型温度185℃、成形圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で行った。また、後硬化は特に記載のない場合、200℃で8時間行った。
(1)ガラス転移温度(Tg)
封止成形材料用組成物の硬化物の耐熱性の目安の一つとしてガラス転移温度(Tg)を測定した。まず、縦4mm×横4mm×高さ20mmの金型を用いて、封止成形材料用組成物を上記条件で成形し、更に、185℃で8時間又は200℃で8時間の2条件で後硬化させ、成形品(縦4mm×横4mm×厚み20mm)を作製した。該成形品をそれぞれ必要な寸法に切り出したものを試験片とし、該試験片のガラス転移温度(Tg)を、TMA法で熱分析装置(セイコーインスツル(株)製、商品名:SSC/5200)を用いて測定した。低温反応性の評価は185℃後硬化のTgと200℃後硬化のTg差が15℃未満のものを〇、15℃以上のものを×とした。
(2)熱分解温度(1%重量減少温度)
封止用成形材料の硬化物の耐熱性のもう一つの目安として、TG−DTAによる熱分解温度を測定した。封止成型材料組成物を上記条件で成形し、更に、200℃で8時間の条件で後硬化させ成形品(縦4mm×横4mm×厚み20mm)を作製した。該成形品を上記(1)と同サイズで切り出したものを試験片とし、該試験片を乳鉢で十分にすり潰して得られた粉末を用い、昇温速度10℃/分で室温(25℃)から600℃まで加熱した。得られた重量変化チャートから、1%の重量減少が認められた温度を熱分解温度とした。測定装置はセイコーインスツル(株)製の「EXSTAR6000」を用いた。なお、385℃以上を合格とする。
(3)対Niメッキ面密着性
無電解Niメッキ((株)三井ハイテック製、商品名「VQFP208p」)上に、封止成型材料組成物を上記条件で成形し、更に、上記条件で後硬化させた成形品をそれぞれ4個作製した。ボンドテスター(西進商事(株)製、SS−30WD)を用いて、Niメッキ上に成形したφ3.5mmのプリン状成形物を、成形品の下部より0.5mmの高さから速度0.1mm/秒でせん断方向に引き剥がし、成形物とNiメッキとの密着力を常温(25℃)又は250℃の条件で測定した。これを4回行い、平均値を求めた。なお、常温では4MPa以上を合格とし、250℃では3MPa以上を合格とする。
(4)250℃×250時間放置後のパッケージ観察
無電解NiメッキリードフレームのTO−247パッケージのアイランド(8.5×11.5mm)中央部に、SiCチップ(6×6×0.15mmt、表面保護膜なし)を固定し、封止成形材料用組成物を上記条件で成形し、更に、上記条件で後硬化させ、成形品をそれぞれ10個作製した。該成形品を、超音波映像装置((株)日立製作所製、FS300II)を用いて観察し、SiCチップ周囲のアイランドと封止成形材料用組成物との剥離の有無について確認した。アイランド部分の剥離が観察されたパッケージ数が10個中3個以下を合格とした。
なお、リードフレームへのチップの固定は、無鉛はんだを用い、ギ酸5%、窒素95%雰囲気の中、340℃/13分環境下で行った。また、リードフレームは、封止成形材料用組成物を成形直前に、Nordson社製プラズマクリーナAC−300を用い、60秒のアルゴンプラズマ処理を施して用いた。
上記にて剥離観察を行ったTO−247パッケージを、250℃で250時間放置した後、超音波映像装置((株)日立製作所製、FS300II)を用いて剥離の有無について確認した。アイランド部分の剥離面積が20%以上であったパッケージ数が10個中3個以下を合格とした。
(5)電気特性、耐トラッキング性(CTI)
φ100mm×2mmtの試験片を作製、後硬化の後、ASTM−D3638に準拠し、耐トラッキング性(CTI)を測定した。試験器には、ヤマヨ試験器(有)製、YST−112−1Sを用いた。なお、400V以上を合格とした。
(6)絶縁耐圧(絶縁破壊電圧)
φ100mm×2mmtの試験片を作製、後硬化の後、ASTM−D149に準拠し、室温(25℃)での絶縁破壊電圧を測定した。測定は「短時間法」で行った。試験器には、ヤマヨ試験器(有)製、YST−243BD−100ROを用いた。n=3で測定を行った時の平均値が10kV/mm以上を合格とした。
(7)連続成形性
離型荷重測定成形機(京セラ(株)製、商品名:GM−500)を用いて、PBGA(Plastic Ball Grid Array、30mm×30mm×1mm、t/2ヶ取り)に対して、300ショットの連続成形を行った。金型温度を185℃、成形時間を180秒とした。なお、以下の基準で評価した。
〇:300ショットまで連続成形が可能であり、金型汚れ等もほぼ見られなかった
×:金型への貼りつき等により300ショットまでの連続成形が不可能であった
(8)保管ライフ
封止成形材料用組成物の製造直後(初期)及び25℃にて7日間放置後のゲル化時間を185℃熱盤法にて測定した。これらのゲル化時間から、以下の基準で評価した。
○:初期のゲルタイムからの変化が15%未満
×:初期のゲルタイムからの変化が15%以上
実施例1〜10の封止成形材料用組成物は、いずれも成形性に優れ、該封止成形材料用組成物の硬化物は、高いガラス転移温度(Tg)を有し、耐熱分解性、耐電圧性が高く、半導体インサート部品との密着性が良好で信頼性が高いことが示された。

Claims (9)

  1. (A)下記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂、(B)下記一般式(II)で表されるアリル基含有ナジイミド樹脂、(C)フェノール系硬化剤、(D)エポキシ樹脂、(E)硬化促進剤、及び(F)(F−1)中空構造充填材を含む充填材を含有し、
    前記(C)成分及び(D)成分が、それぞれにトリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を含み、前記(E)成分が(E−1)リン系硬化促進剤、(E−2)イミダゾール系硬化促進剤、及び(E−3)酸系硬化促進剤を含む封止成形材料用組成物。

    (式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rが複数存在する場合、該複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数、zは0〜10の整数である。)

    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基、炭素数6〜18の二価の芳香族基、一般式「−A−C−(A−(ただし、mは0または1の整数を示し、各Aは、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数4〜8のシクロアルキレン基である。)」で表される基、または一般式「−C−A−C−(ここでAは「−CH−」、「−C(CH−」、「−CO−」、「−O−」、「−S−」または「−SO−」で表される基である。)」で表される基である。)
  2. 前記(F−1)中空構造充填材の平均粒径が3〜100μmである請求項1に記載の封止成形材料用組成物。
  3. 前記(F−1)中空構造充填材が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し1〜50質量%である請求項1又は2に記載の封止成形材料用組成物。
  4. 前記(F−1)中空構造充填材が、有機化合物からなり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し0.5〜10質量%である請求項1又は2に記載の封止成形材料用組成物。
  5. 前記(F−1)中空構造充填材が、シルセスキオキサン化合物からなり、該(F−1)中空構造充填材の含有量が前記(F)充填材全量に対し0.5〜10質量%である請求項1又は2に記載の封止成形材料用組成物。
  6. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対し30〜250質量部である請求項1〜5のいずれか一項に記載の封止成形材料用組成物。
  7. 前記(E−3)成分が、p−トルエンスルホン酸、そのアミン塩及び三フッ化ホウ素アミン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止成形材料用組成物。
  8. 前記(E−3)成分の含有量が、前記(B)成分100質量部に対し0.1〜10質量部である請求項1〜7のいずれか一項に記載の封止成形材料用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の封止成形材料用組成物により封止された素子を備える電子部品装置。
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