JP2002194064A - 半導体封止用樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置

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JP2002194064A
JP2002194064A JP2000396975A JP2000396975A JP2002194064A JP 2002194064 A JP2002194064 A JP 2002194064A JP 2000396975 A JP2000396975 A JP 2000396975A JP 2000396975 A JP2000396975 A JP 2000396975A JP 2002194064 A JP2002194064 A JP 2002194064A
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resin
epoxy resin
semiconductor
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resin composition
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JP2000396975A
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English (en)
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Minoru Nakao
稔 中尾
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーデバイスのような高熱伝導性を要求さ
れる封止用途において、低応力性とニッケルメッキフレ
ームへの接着性に優れ、デバイスとしての信頼性を向上
させることができる半導体封止用樹脂組成物、および半
導体装置を提供する。 【解決手段】 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂および
ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂のうち
何れか一方のエポキシ樹脂に、ノボラック型エポキシ樹
脂を混合した混合物と、両末端にアミノ変性基を有する
ジメチルポリシロキサンを反応させた変性エポキシ樹
脂、(B)シラン変性ノボラックフェノール樹脂、
(C)結晶性シリカを必須成分として含有する。シラン
変性ノボラックフェノール樹脂として、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランをアミノ系触媒で反応さ
せたものを用いることが好ましい。上記半導体封止用樹
脂組成物を用いて半導体素子を封止して半導体装置を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂系の
封止用樹脂組成物であり、パワーデバイスのような高熱
伝導性を必要とする封止用途において、低応力性とニッ
ケルメッキフレームへの接着性に優れ、デバイスとして
の信頼性を向上させることができる半導体封止用樹脂組
成物、およびそれを用いて半導体素子を封止してなる半
導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタやIC、LSI
などの半導体素子は、通常、セラミックパッケージやプ
ラスチックパッケージなどで封止され、半導体装置とさ
れている。前者のセラミックパッケージは構成材料その
ものが耐熱性を有し、耐湿性にも優れているので、高温
高湿下に対しても強く、機械的強度にも優れ、信頼性の
高い封止が可能である。
【0003】しかしながら、構成材料が比較的高価であ
ることや、量産性に劣るという問題点を有するので、近
年は後者のプラスチックパッケージによる樹脂封止が主
流となっている。プラスチックパッケージによる樹脂封
止には、従来から耐熱性に優れるという性質を利用して
エポキシ樹脂組成物が用いられており、良好な実績を納
めている。
【0004】このような半導体素子を封止するためのエ
ポキシ樹脂組成物とは、一般的に主材としてのエポキシ
樹脂と、硬化剤としてのフェノール樹脂、硬化促進剤と
してのアミン系化合物、その他任意成分として弾性付与
剤としてのゴム成分、無機質充填剤としてのシリカ粉末
などからなるものが、特にトランスファー成形時の封止
作業性などの点に優れたものとして用いられている。
【0005】一方、大型家電製品や産業機器において、
大電力の制御などを行う半導体として、トランジスター
やダイオード、サイリスターなどのパワーデバイスがあ
る。このようなパワーデバイスは、高電圧下にさらされ
るので、半導体素子の発熱が非常に大きく、放熱性が悪
いと、パッケージや半導体素子の破壊が起こりやすいも
のである。
【0006】上記パワーデバイスに用いる封止樹脂は、
高熱伝導性を要求されるが、従来から用いられている封
止樹脂によって封止した場合には、無機質充填剤として
用いられている結晶性シリカ粉末を配合すると熱伝導性
が高いために封止樹脂全体の熱膨張係数が大きくなりす
ぎて、封止後の半導体装置における樹脂の内部応力が大
きくなるという問題点を有する。
【0007】また、パワーデバイス用のフレームとして
は、ニッケルメッキフレームが採用されているが、ニッ
ケルメッキフレームは、一般に銅フレームや42アロイ
フレームと比べて封止樹脂との接着性が低いので、パッ
ケージ内で封止樹脂との間で剥離を生じやすい。このよ
うな剥離が生じると、封止樹脂内での熱伝導性が低下
し、デバイスの信頼性も低下するという問題を有するの
である。
【0008】一方、封止樹脂内の内部応力を低下させる
方法としては、シリコーンオイルや、ゴム成分を封止樹
脂組成物中に添加することも考えられるが、これらの添
加成分はフレームと封止樹脂の界面に滲出する恐れがあ
り、前記したように界面での接着力が低下する傾向を示
す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決し、パワーデバイスのように高熱伝導性を必要
とする用途に用いることができる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物を提供することを目的として鋭意検討を重ね
た結果、特定の変性エポキシ樹脂を主材とし、硬化剤と
して特定の変性ノボラックフェノール樹脂を用いた樹脂
組成物が、パワーデバイス用途に優れた樹脂組成物であ
ることが判明し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記の
各成分を含有する半導体封止用樹脂組成物を提供するも
のである。 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂およびジシクロペンタ
ジエン骨格を有するエポキシ樹脂の何れか一方のエポキ
シ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、両
末端にアミノ変性基を有するジメチルポリシロキサンを
反応させた変性エポキシ樹脂。 (B)シラン変性ノボラックフェノール樹脂 (C)結晶性シリカ
【0011】特に、本発明の半導体封止用樹脂組成物
は、熱伝導率の高い結晶性シリカの粉末を充填剤として
用いることによって、パワーデバイスに要求される高熱
伝導性を付与することができるのである。
【0012】また、本発明は、上記半導体封止用樹脂組
成物を用いて、半導体素子を封止してなる半導体装置を
提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0014】本発明の半導体封止用樹脂組成物に用いる
(A)成分としての変性エポキシ樹脂は、組成物の主剤
となるものであり、ビフェニル型エポキシ樹脂にクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂を混合した混合物、また
はジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂にノ
ボラック型エポキシ樹脂を混合した混合物を特定のジメ
チルポリシロキサンにてシロキサン変性したものであ
る。
【0015】つまり、本発明では、上記特定のエポキシ
樹脂をシロキサン変性することによって、封止樹脂内部
の低応力化(応力緩和)を達成できるのである。また、
本発明においては、シロキサン変性剤としては、両末端
にアミノ変性基を有するジメチルポリシロキサンを用
い、上記エポキシ樹脂混合物に反応させてシロキサン架
橋を施すことを特徴とするものである。
【0016】本発明にて用いる上記ビフェニル型エポキ
シ樹脂としては、下記一般式にて示される構造を有する
ものである。
【0017】
【化1】
【0018】上記一般式にて示されるビフェニル型エポ
キシ樹脂のうち、密着性の点からは、3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテルを
用いることが好ましい。
【0019】また、上記ビフェニル型エポキシ樹脂は、
エポキシ当量が149〜230、好ましくは149〜2
10の範囲のものを用いることが望ましい。特に、23
0を超えるエポキシ当量のエポキシ樹脂を用いると、硬
化物の耐熱性が低下する傾向を示すので、上記範囲内の
エポキシ当量を有するエポキシ樹脂を用いることが好ま
しい。
【0020】さらに、上記ビフェニル型エポキシ樹脂
は、作業性や混練性の点から、軟化点もしくは融点が5
0〜130℃、好ましくは60〜120℃の範囲のもの
を用いることが望ましい。軟化点がもしくは融点が50
℃に満たない場合には、作業性が悪くなる傾向を示し、
130℃を超えると混練性が悪くなる傾向を示す。
【0021】一方、前記ジシクロペンタジエン骨格を有
するエポキシ樹脂としては、下記一般式にて示されるも
のを用いる。
【0022】
【化2】
【0023】なお、上記一般式におけるRを水素原子ま
たはメチル基をすることが、流動性や硬化性の点から好
ましい。
【0024】また、上記ジシクロペンタジエン骨格を有
するエポキシ樹脂は、密着性と硬化性の点から、エポキ
シ当量が270〜300、好ましくは280〜300の
範囲のものを用いることが望ましい。エポキシ当量が2
70に満たない場合には密着性が低下する傾向を示し、
一方、300を超えるエポキシ当量では成形時の硬化性
が低下する傾向を示す。
【0025】さらに、上記ジシクロペンタジエン骨格を
有するエポキシ樹脂は、取り扱い性や密着性の点から、
軟化点が75〜90℃、好ましくは80〜90℃の範囲
のものを用いることが望ましい。軟化点が75℃満たな
い場合には樹脂組成物がブロック化現象を起こす恐れが
あり、90℃を超えると密着性が低下する傾向を示す。
【0026】本発明に用いるエポキシ樹脂は、上記ビフ
ェニル型エポキシ樹脂またはジシクロペンタジエン骨格
を有するエポキシ樹脂に、ノボラック型エポキシ樹脂を
混合した混合物である。本発明においては、ノボラック
型エポキシ樹脂を混合することによって、本発明の半導
体封止用樹脂組成物から得られる封止樹脂に、ニッケル
メッキフレームへの密着性向上特性を付与することがで
きるのである。
【0027】このような特性を付与することができるノ
ボラック型エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂などが挙げられ、これらのうち成形性の点から、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。
【0028】また、上記クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂は、成形性の点からエポキシ当量が185〜20
5、好ましくは192〜199の範囲のものを用いるこ
とが望ましい。エポキシ当量が185に満たない場合に
は、流動性が低下する傾向を示し、一方、205を超え
るエポキシ当量では、硬化性が不良となる傾向を示し好
ましくない。
【0029】さらに、上記クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂は、樹脂の取り扱い性と成形性の点から、軟化
点が60〜80℃、好ましくは65〜75℃の範囲のも
のを用いることが望ましい。軟化点が60℃に満たない
場合には、樹脂組成物がブロック化現象を起こしやすく
なり、80℃を超えると流動性が低下する傾向を示すの
である。
【0030】本発明の半導体封止用樹脂組成物において
(B)成分としてのシラン変性ノボラックフェノール樹
脂は、上記(A)成分としての変性エポキシ樹脂の硬化
剤として作用するものであり、特に、γ―グリシドキシ
プロピルトリメトキシシランをアミノ系触媒で反応させ
た変性ノボラックフェノール樹脂を硬化剤として用いる
ことによって、半導体素子を封止してなる封止樹脂の硬
化性や密着性が良好となって好ましいものである。
【0031】さらに、本発明において(C)成分として
用いる充填剤としては、結晶性シリカを用いることが好
ましく、さらに好ましくは、10〜30μmの平均粒子
径を有する粉末を用いる。本発明において結晶性シリカ
を用いることによって、得られる封止樹脂に高熱伝導性
を付与することができ、パワーデバイスのような高熱伝
導性を要求する封止樹脂に好適となるので、溶融シリカ
や無定形シリカなどと比べて、優れた特性を付与するこ
とができるのである。
【0032】また、上記粉末状の結晶性シリカは、均一
な充填性や流動性などの点から平均粒径0.01〜60
μmの範囲のものを用いることが好ましく、より好まし
くは0.1〜15μmの範囲のものである。
【0033】本発明の半導体封止用樹脂組成物は、上記
(A)〜(C)成分を必須成分として含有するものであ
り、各成分の含有量は(A)成分100重量部当たり、
(B)成分を30〜60重量部、(C)成分を500〜
900重量部、好ましくは(B)成分を40〜55重量
部、(C)成分を600〜850重量部の範囲とする。
このような含有量の範囲に設定することによって、得ら
れる半導体封止樹脂が高熱伝導性が良好で、かつニッケ
ルメッキフレームへの密着性に優れ、成形作業性の良好
となるのである。
【0034】特に、(C)成分の結晶性シリカは、その
含有割合が少ないと、室温下での組成物の粘度が低くな
りすぎて貯蔵時に無機質充填剤の沈降が生じると共に、
吸湿率が高くなって耐湿信頼性が悪くなる傾向が見られ
る。さらに、得られる封止樹脂に高熱伝導性を付与する
ことができなくなり、パワーデバイス用途には不向きと
なる傾向を示す。一方、結晶性シリカの含有割合が多す
ぎると、組成物を加熱した際の流動性が低下するので、
トランスファー成形時の吐出性や塗布作業性が悪くなる
傾向が見られるのである。
【0035】なお、本発明の半導体封止用樹脂組成物は
上記成分(A)〜(C)を必須成分として含有するもの
であるが、本発明の目的や効果に影響しない範囲であれ
ば公知の硬化促進剤(硬化触媒)や無機質充填剤、難燃
剤、ワックス、顔料、染料、シランカップリング剤、チ
タネート系カップリング剤などの各種添加剤を適宜配合
することができる。
【0036】硬化促進剤(硬化触媒)としては、例え
ば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リ
ン−ホウ素系などの硬化促進剤が挙げられる。具体的に
は、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニ
ルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのアルキル置
換グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチ
ル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素などの3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素
類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリ
ン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイ
ミダゾリンなどのイミダゾリン類、2−アミノピリジン
などのモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−
N′−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホス
フィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェ
ニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラ
ン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボ
レートなどの有機リン系化合物、1,8−ジアザビシク
ロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシ
クロ〔2,2,2〕オクタンなどのジアザビシクロアル
ケン系化合物などが挙げられる。これらは単独でもしく
は二種以上併せて用いることができる。
【0037】無機質充填剤としては、特に限定されるも
のではなく、熱伝導性を阻害しない範囲で各種無機質充
填剤を用いることができる。具体的には、溶融シリカ、
クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ア
ルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ア
エロジルなどが挙げられる。
【0038】上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム
化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属化合物、赤
リン、リン酸エステルなどのリン系化合物などが挙げら
れ、これらは単独で、もしくは二種以上併せて用いられ
る。
【0039】上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム、アミド系など
の化合物が挙げられ、これらは単独で、もしくは二種以
上併せて用いられる。
【0040】上記シランカップリング剤としては、例え
ばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、アミノ基含有シランなどが挙げられ、これらは単
独で、もしくは二種以上併せて用いられる。
【0041】さらに、本発明の半導体封止用樹脂組成物
には、必要に応じて上記他の添加剤以外に、シリコーン
オイルやシリコーンゴム、合成ゴム、反応性希釈剤など
の成分を配合して、さらなる低応力化を図ったり、耐湿
信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロ
タルサイト類、水酸化ビスマスなどのイオン捕捉剤を適
宜配合してもよい。
【0042】本発明の半導体封止用樹脂組成物は、例え
ば、次のようにして製造することができる。すなわち、
上記(A)〜(C)成分および必要に応じて他の添加剤
を混合した後、ニーダーなどの混練機にかけ加熱状態で
混練りして溶融混合して組成物とする。次いで、これを
室温(25℃程度)にて冷却したのち、破砕し、これを
打錠機にて打錠してタブレット状に成形することができ
る。なお、破砕工程を省略して溶融状態の組成物を直接
タブレット状に成形できることは云うまでもない。
【0043】本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて
半導体装置を製造するには、自体公知の各種方法によっ
て行うことができる。例えば、上記のようにして打錠成
形して得た半導体封止用樹脂タブレットを、所定温度に
加熱し、これをトランスファー成形機を用いて所定温度
で所定時間加熱成形、硬化させて半導体素子を樹脂封止
し、本発明の半導体装置を製造することができる。
【0044】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、応用が可能であることは云うまでもない。
【0045】実施例1〜3および比較例1〜3 下記表1に示す配合にて原材料を配合、混合して混練機
を用いて溶融混練し、混練品を冷却、破砕して、これを
打錠機にて打錠し、半導体封止用樹脂タブレットを作製
した。なお、表1中の配合材料は、以下のものを用い
た。
【0046】・変性エポキシ樹脂:ビフェニルエポキシ
樹脂(エポキシ当量194、軟化点108℃)20重量
部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ
当量195、軟化点70℃)80重量部を、150℃に
加熱溶融し、これに両末端にアミノ変性基を有する直鎖
ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量9000、比
重0.96)20重量部を添加して、約5時間架橋反応
させ、反応終了後、冷却、粉砕して得たものである。
【0047】・エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(エポキシ当量200、軟化点70℃)
【0048】・変性フェノール樹脂:ノボラック型フェ
ノール樹脂(水酸基当量105、軟化点80℃)100
重量部を170℃に加熱溶融し、これにアミノ系触媒
(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−
7)2重量部を混合し、さらにγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを2重量部添加して、メタノール
の気泡が発生しなくなるまで充分に反応させ、これを冷
却して得たものである。
【0049】・フェノール樹脂:ノボラック型フェノー
ル樹脂(水酸基当量105、軟化点80℃)
【0050】・硬化触媒:1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデセン−7
【0051】・結晶シリカ粉末:平均粒子径20μm
【0052】・溶融シリカ粉末:平均粒子径23μm
【0053】・臭化エポキシ樹脂:ノボラック型臭化エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量285、軟化点84℃)
【0054】・カップリング剤:γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン
【0055】
【表1】
【0056】上記のようにして作製した半導体封止用樹
脂タブレットを用いて下記の試験を行い、その結果を表
2に示した。
【0057】<熱伝導率>各実施例および各比較例にて
作製した半導体封止用樹脂タブレットをプレヒータにて
80℃で予備加熱し、さらにトランスファープレスを用
いて、175℃で2分間成形して、熱伝導測定用試験片
に成形し、熱伝導率(W/m・K)を測定した。熱伝導
率測定機は、京都電子工業社製のKEMTHERMO
QTM−D3である。
【0058】<フレーム接着力>ニッケルメッキを施し
た銅フレームにて、接着力評価試験を行なうために、上
記熱伝導率測定試験と同様に条件で成形し、175℃で
5時間ポストキュアを行なった。このようにして得られ
た半導体装置(パッケージ)をオートグラフを用いて、
樹脂とフレームとの剪断接着力(MPa)を測定した。
【0059】<剥離発生率>TO−220パッケージ用
のニッケルメッキを施したフレームを用いた以外は、上
記フレーム接着力試験と同様にして得られた半導体装置
(パッケージ)を超音波探査装置を用いてパッケージ内
の剥離を観察し、剥離したパッケージと観察数から剥離
発生率(%)を測定した。
【0060】<熱膨張係数>樹脂成形物の熱機械特性試
験をJISK7197に準じて行い、熱膨張係数を求め
た。
【0061】<曲げ弾性率>樹脂成形物の曲げ試験をJ
ISK7171に準じて行い、曲げ弾性率を求めた。
【0062】<応力指数>上記熱膨張係数と、曲げ弾性
率の積を応力指数とした。
【0063】<冷熱サイクル試験>アルミニウム配線を
施した試験素子(3mm×6mm)を用いて、16ピン
−デュアルインラインパッケージ(16p−DIP)を
組み立て、これを各実施例および比較例にて得た樹脂組
成物で樹脂封止、成形して試験用パッケージを作製し
た。この試験パッケージを−50℃と150℃の冷熱サ
イクル試験装置で各30分ずつ100回熱サイクル試験
を繰り返した。試験終了後、パッケージを解体して、試
験素子表面のアルミニウム配線の変形量から樹脂の応力
性を評価した。評価基準は、アルミニウム配線の変形量
が10μm以上変形しているものを「不良」とし、それ
以下を「良」とした。
【0064】
【表2】
【0065】上記表2の結果から明らかなように、本発
明の実施例品では特定の変性エポキシ樹脂と変性ノボラ
ックフェノール樹脂を用いているので、ニッケルメッキ
フレームに対して高い接着性を有しており、剥離発生率
も全くないものである。特に、実施例品では特定のシロ
キサン変性を施した変性エポキシ樹脂を用いているの
で、低応力性を有するものであり、冷熱サイクル試験に
おいても良好な結果を示すものである。また、結晶性シ
リカ粉末を充填剤に用いた場合には、熱伝導性に優れる
ので、パワーデバイスにて要求される高熱伝導性を付与
することができることが明らかである。
【0066】実施例4〜6および比較例4〜6 下記表3に示す配合にて原材料を配合、混合して混練機
を用いて溶融混練し、混練品を冷却、破砕して、これを
打錠機にて打錠し、半導体封止用樹脂タブレットを作製
した。なお、表3中の配合材料は、以下のものを用い
た。
【0067】・変性エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエ
ン骨格を有するエポキシ樹脂(エポキシ当量260、軟
化点65℃)30重量部に、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点70℃)70
重量部を、150℃に加熱溶融し、これに両末端にアミ
ノ変性基を有する直鎖ポリジメチルシロキサン(重量平
均分子量9000、比重0.96)20重量部を添加し
て、約5時間架橋反応させ、反応終了後、冷却、粉砕し
て得たものである。
【0068】・エポキシ樹脂、変性フェノール樹脂、フ
ェノール樹脂、硬化触媒、結晶シリカ粉末、溶融シリカ
粉末、臭化エポキシ樹脂、カップリング剤:これらは前
記表1に用いた配合材料と同じである。
【0069】
【表3】
【0070】上記のようにして作製した半導体封止用樹
脂タブレットを用いて前記表2にて示した試験を行い、
その結果を表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】上記表4の結果から明らかなように、本発
明の実施例品では特定の変性エポキシ樹脂と変性ノボラ
ックフェノール樹脂を用いているので、ニッケルメッキ
フレームに対して高い接着性を有しており、剥離発生率
も全くないものである。特に、実施例品では特定のシロ
キサン変性を施した変性エポキシ樹脂を用いているの
で、低応力性を有するものであり、冷熱サイクル試験に
おいても良好な結果を示すものである。また、結晶性シ
リカ粉末を充填剤に用いた場合には、熱伝導性に優れる
ので、パワーデバイスにて要求される高熱伝導性を付与
することができるものである。
【0073】
【発明の効果】本発明の半導体封止用樹脂組成物および
半導体装置は、上記の構成からなるものであるので、優
れたフレーム密着性を有すると共に、パワーデバイスに
要求される高熱伝導性にも優れた効果を発揮するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の各成分を含有する半導体封止用樹
    脂組成物。 (A)ビフェニル型エポキシ樹脂およびジシクロペンタ
    ジエン骨格を有するエポキシ樹脂の何れか一方のエポキ
    シ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、両
    末端にアミノ変性基を有するジメチルポリシロキサンを
    反応させた変性エポキシ樹脂。 (B)シラン変性ノボラックフェノール樹脂 (C)結晶性シリカ
  2. 【請求項2】 (A)成分としての変性エポキシ樹脂
    が、両末端にアミノ変性基を有するジメチルポリシロキ
    サンとの反応で架橋されている請求項1記載の半導体封
    止用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分としてのシラン変性ノボラッ
    クフェノール樹脂が、γ―グリシドキシプロピルトリメ
    トキシシランをアミノ系触媒で反応させた変性ノボラッ
    クフェノール樹脂である請求項1記載の半導体封止用樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の半導体封
    止用樹脂組成物を用いて、半導体素子を封止してなる半
    導体装置。
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