JP2019109494A - 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フォーカス深度にずれが生じても良好な解像性を示し、かつ良好な耐薬品性を発現し、モールド樹脂の劣化や密着性の低下が抑えられる硬化レリーフパターンを与える感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供する。【解決手段】感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である、光重合開始剤と、を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電子部品の絶縁材料、及び半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜等のレリーフパターンの形成に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いた硬化レリーフパターンの製造方法、及び半導体装置に関するものである。
従来、電子部品の絶縁材料、及び半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気特性及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂の中でも、感光性ポリイミド前駆体組成物の形で提供されるものは、該組成物の塗布、露光、現像、及びキュアによる熱イミド化処理によって、耐熱性のレリーフパターン皮膜を容易に形成することができる。このような感光性ポリイミド前駆体組成物は、従来の非感光型ポリイミド材料に比べて、大幅な工程短縮を可能にするという特徴を有している。
ところで、半導体装置(以下、「素子」とも言う。)は目的に合わせて、様々な方法でプリント基板に実装される。従来の素子は、素子の外部端子(パッド)からリードフレームまで細いワイヤで接続するワイヤボンディング法により作製されることが一般的であった。しかし、素子の高速化が進み、動作周波数がGHzまで到達した今日、実装における各端子の配線長さの違いが、素子の動作に影響を及ぼすまでに至った。そのため、ハイエンド用途の素子の実装では、実装配線の長さを正確に制御する必要が生じ、ワイヤボンディングではその要求を満たすことが困難となった。
そこで、半導体チップの表面に再配線層を形成し、その上にバンプ(電極)を形成した後、該チップを裏返し(フリップ)て、プリント基板に直接実装する、フリップチップ実装が提案されている。このフリップチップ実装では、配線距離を正確に制御できるため、高速な信号を取り扱うハイエンド用途の素子に、あるいは、実装サイズの小ささから携帯電話等に、それぞれ採用され、需要が急拡大している。さらに最近では、前工程済みのウエハをダイシングして個片チップを製造し、支持体上に個片チップを再構築してモールド樹脂で封止し、支持体を剥離した後に再配線層を形成するファンアウトウエハレベルパッケージ(FOWLP)と呼ばれる半導体チップ実装技術が提案されている(例えば特許文献1)。ファンアウトウエハレベルパッケージでは、パッケージの高さを薄型化できるうえ、高速伝送や低コスト化できる利点がある。
特開2005−167191号公報
しかしながら、近年パッケージ実装技術が多様化することで、支持体の種類が多種化し、加えて再配線層が多層化するため、感光性樹脂組成物を露光する際に、フォーカス深度にずれが生じて解像度が大きく悪化するという問題があった。それゆえ解像度の悪化により再配線層に断線が生じて信号遅延が起きる、もしくは収率の低下を引き起こす問題があった。また、再配線層を積層していく際に、所望の解像性が得られなかった場合には、当該層を薬液により剥離して再度積層していくことになるが、上記薬液により、下層部の膜がダメージを受け、膜厚が減少するという問題があった。また、多層となるために露光工程、現像工程を繰り返し行うため、モールド樹脂の劣化や密着性の低下を引き起こす課題があった。
本発明は、フォーカス深度にずれが生じても良好な解像性を示し、かつ良好な耐薬品性を発現し、モールド樹脂の劣化や密着性の低下が抑えられる硬化レリーフパターンを与える感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリイミド前駆体と、特定の開始剤とを組み合わせることにより、上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
[1] (A)ポリイミド前駆体と、
(B)N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である、光重合開始剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2] 前記(B)光重合開始剤のg線吸光度が0.015〜0.04である上記態様1に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 前記(B)光重合開始剤のg線吸光度が0.015〜0.03である上記態様1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 前記(B)光重合開始剤の、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のh線吸光度が、0.15〜0.5である、上記態様1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5] 前記(B)光重合開始剤が、オキシム構造を有する、上記態様1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6] 前記(B)光重合開始剤が、下記一般式(B1):
Figure 2019109494
{式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}で表される、上記態様1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7] (C)架橋剤を更に含有する、上記態様1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8] 前記(A)ポリイミド前駆体を単独の溶液として塗布し、プリベークした後に得られる10μm厚フィルムについて測定したg線吸光度が0.001〜0.1であり、h線吸光度が0.001〜0.5である、上記態様1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9] 前記(A)ポリイミド前駆体が下記一般式(A1):
Figure 2019109494
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1)
Figure 2019109494
(一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、pは2〜10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基であり、但し、R及びRの少なくとも一方が一般式(R1)で表される1価の有機基である。}で表される構造を含むポリイミド前駆体である、上記態様1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[10] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様9に記載の感光性樹脂組成物。
[11] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様9に記載の感光性樹脂組成物。
[12] 前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様9〜11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[13] 前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様9〜11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[14] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含み、
前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様9に記載の感光性樹脂組成物。
[15] 前記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する(B)光重合開始剤及び(C)架橋剤の合計含有量が0.1〜20質量部である、上記態様1〜14のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[16] (A)ポリイミド前駆体と、
(B)N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である、光重合開始剤と、を含有することを特徴とするファンアウトウエハレベルパッケージ用感光性樹脂組成物。
[17] (A)ポリイミド前駆体と、
(B)下記一般式(B1):
Figure 2019109494
{式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}で表される光重合開始剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
[18] 前記(A)ポリイミド前駆体が下記一般式(A1):
Figure 2019109494
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1):
Figure 2019109494
(一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はC〜Cの有機基であり、pは2〜10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又はC〜Cの飽和脂肪族基であり、但し、R及びRの少なくとも一方が一般式(R1)で表される1価の有機基である。}で表される構造を含むポリイミド前駆体である、上記態様17に記載の感光性樹脂組成物。
[19] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様18に記載の感光性樹脂組成物。
[20] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様18に記載の感光性樹脂組成物。
[21] 前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様18〜20のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[22] 前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様18〜20のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[23] 前記Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含み、
前記Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含む、上記態様18に記載の感光性樹脂組成物。
[24] 以下の工程:
(1)上記態様1〜23のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、該基板上に感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
(2)該感光性樹脂層をg線及び/又はh線で露光する露光工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する現像工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する加熱工程と
を含むことを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
[25] 上記態様24に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなることを特徴とする、半導体装置。
本発明によるとフォーカス深度にずれが生じても良好な解像性を示し、かつ良好な耐薬品性を発現し、モールド樹脂の劣化や密着性の低下が抑えられる硬化レリーフパターンを与える感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供することができる。
本実施の形態について、以下に具体的に説明する。なお本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合互いに同一でも異なっていてもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明の一態様に係る感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)光重合開始剤とを含有する。一態様において、(B)光重合開始剤は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である。また、感光性樹脂組成物は、上記の成分以外に、(C)架橋剤を更に含有していてもよい。
このような感光性樹脂組成物によれば、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下を抑えることができる硬化レリーフパターンを得ることができる。
本発明の一態様に係る感光性樹脂組成物は、ファンアウトウエハレベルパッケージ(Fan Out Wafer Level Package:FOWLP)型(ファンアウト型ともいう。)の半導体装置に好適に用いられる。FOWLPとは、再配線層(これは配線と絶縁膜とを有する)が半導体チップの外形よりも大きく形成されている(すなわち、半導体チップからファンアウト(fan out)されている)パッケージ形態である。ファンアウト型の半導体装置においては、再配線層の絶縁膜を半導体チップのみでなく封止材としてのモールド樹脂とも良好に密着させる必要がある。本開示の感光性樹脂組成物は、モールド樹脂の劣化を抑えることができ、しかもモールド樹脂と良好に密着するため、再配線層用の絶縁膜として特に好適である。したがって、一態様において、本開示の感光性樹脂組成物は、ファンアウトウエハレベルパッケージ用感光性樹脂組成物である。
[(A)ポリイミド前駆体]
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体について説明する。
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体は、(B)光重合開始剤の作用により硬化レリーフパターンを形成できれば限定されない。
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体は、これを単独の溶液として塗布し、プリベークした後に得られる10μm厚フィルムについて測定したg線吸光度が0.001〜0.1であることが好ましく、更にh線吸光度が0.001〜0.5であることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物から得られる硬化レリーフパターンにおける広いフォーカスマージンを得る観点、および良好な耐薬品性を発現する観点から、本実施の形態の感光性樹脂組成物は、上記の要件を満たす(A)ポリイミド前駆体を含有することが好ましい。
(A)ポリイミド前駆体単独のプリベーク後10μm厚フィルムのg線、h線吸光度は、石英ガラス上に形成した塗膜について、通常の分光光度計により測定することができる。形成されたフィルムの厚みが10μmでなかった場合は、該フィルムについて得られた吸光度を、ランベルト・ベールの法則に従って10μm厚の場合に換算することにより、10μm厚のg線、h線吸光度を求めることができる。
g線吸光度が0.001以上であれば、ポリイミド前駆体を硬化させた後のポリイミド膜とした際に、十分に機械物性や熱物性を発現するために好ましい。g線吸光度が0.1以下であれば、塗膜の底部まで光が到達するため、例えばネガ型の場合、底部が十分に硬化する傾向にあり好ましい。機械物性や現像解像度の観点から0.001〜0.05が好ましく、0.005〜0.03がより好ましい。
h線吸光度が0.001以上であれば、ポリイミド前駆体を硬化させた後のポリイミド膜とした際に、十分に機械物性や熱物性を発現するために好ましい。h線吸光度が0.5以下であれば、塗膜の底部まで光が到達するため、例えばネガ型の場合、底部が十分に硬化する傾向にあり好ましい。機械物性や現像解像度の観点から0.001〜0.3が好ましく、0.005〜0.2がより好ましい。
本実施の形態にかかる(A)ポリイミド前駆体は、例えばポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸塩、及びポリアミド酸アミドから成る群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を主成分とするものであることが好ましい。ここで、主成分とは、これら樹脂を、全樹脂に対して、60質量%以上含有することを意味し、80質量%以上含有することが好ましい。また、必要に応じて他の樹脂を含んでいてもよい。
(A)ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として、1,000以上であることが好ましい。5,000以上であることがより好ましい。上限は100,000以下であることが好ましい。現像液に対する溶解性の観点から、重量平均分子量は50,000以下であることがより好ましい。
本実施の形態にかかる樹脂組成物において、耐熱性及び感光性の観点から最も好ましい(A)ポリイミド前駆体の1つは、下記一般式(A1):
Figure 2019109494
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1)
Figure 2019109494
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、pは2〜10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基であり、但し、R及びRの少なくとも一方が一般式(R1)で表される1価の有機基である。}で表される構造を含む、エステル型のポリイミド前駆体である。
上記一般式(A1)中、Xで表される4価の有機基は、好ましくは炭素数6〜40の有機基であり、更に好ましくは、−COOR基及び−CONH−基のうちの一方とが同一の芳香環に結合し、両者が互いにオルト位置にある、4価の芳香族基であるか、或いは脂環式脂肪族基である。前者の場合、−COOR基が結合している芳香環と、−COOR基が結合している芳香環とは、同一の芳香環であってもよいし、異なる芳香環であってもよい。この文脈における芳香環は、ベンゼン環であることが好ましい。
Xで表される4価の有機基として、更に好ましくは、下記式:
Figure 2019109494
のそれぞれで表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Xの構造は、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
特に、感光性樹脂組成物は、上記一般式(A1)中、Xで表される4価の有機基として、下記構造:
Figure 2019109494
又は下記構造:
Figure 2019109494
を含むことが特に好ましい。
ポリイミド前駆体がこのような構造を有することにより、耐熱性および感光性が向上し、得られる硬化レリーフパターンにおいて、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下を抑えることができる。
上記一般式(A1)中、Yで表される2価の有機基は、好ましくはC〜C40の芳香族基であり、例えば、下記式:
Figure 2019109494
Figure 2019109494
{上記式中、Aは、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、プロピル基(−C)、又はブチル基(−C)である。}のそれぞれで表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Yの構造は、1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。
上記一般式(R1)中のRは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R及びRは、感光特性の観点からそれぞれ水素原子であることが好ましい。pは、感光特性の観点から2以上10以下の整数であることが好ましく、より好ましくは2以上4以下の整数である。
特に、感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体は、一般式(A1)中、Yで表される2価の有機基は、下記構造:
Figure 2019109494
又は下記構造:
Figure 2019109494
を含むことが特に好ましい。
ポリイミド前駆体がこのような構造を有することにより、耐熱性および感光性が向上し、得られる硬化レリーフパターンにおいて、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下を抑えることができる。
感光性樹脂組成物は、上記一般式(A1)中、
Xは下記構造:
Figure 2019109494
を含み、
Yは下記構造:
Figure 2019109494
を含むことが最も好ましい。
ポリイミド前駆体がこのような構造を有することにより、耐熱性および感光性がさらに向上し、得られる硬化レリーフパターンにおいて、フォーカスマージンおよび耐薬品性がさらに向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下をさらに確実に抑えることができる。
[(A)ポリイミド前駆体の調製方法]
上記エステル結合型のポリイミド前駆体は、例えば、先ず、所望の4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物と、光重合性基(例えば不飽和二重結合)を有するアルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製する。その後、このアシッド/エステル体と、2価の有機基Yを有するジアミン類とをアミド重縮合させることにより得られる。上記光重合性基を有するアルコール類とともに、任意に飽和脂肪族アルコール類を併用してもよい。
(アシッド/エステル体の調製)
本発明において、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基Xを有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、光重合性基を有するアルコール類としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、1−メタクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記光重合性基を有するアルコール類とともに、任意的に使用できる飽和脂肪族アルコール類としては、炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールが好ましい。その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。
上記の本発明に好適なテトラカルボン酸二無水物と上記のアルコール類とを、好ましくはピリジン等の塩基性触媒の存在下、好ましくは適当な反応溶媒中、温度20〜50℃で4〜10時間撹拌、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。
上記反応溶媒としては、原料のテトラカルボン酸二無水物及びアルコール類、並びに生成物であるアシッド/エステル体を完全に溶解するものが好ましい。より好ましくは、更に、該アシッド/エステル体とジアミンとのアミド重縮合生成物であるポリイミド前駆体も完全に溶解する溶媒である。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等を挙げることができる。これらの具体例としては、
ケトン類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を;
エステル類として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル等を;
ラクトン類として、例えば、γ−ブチロラクトン等を;
エーテル類として、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を;
ハロゲン化炭化水素類として、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等を;
炭化水素類として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を、
それぞれ挙げることができる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
(ポリイミド前駆体の調製)
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中に溶解された溶液状態にある)に、好ましくは氷冷下、適当な脱水縮合剤を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とする。次いでこれに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Yを有するジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、両者をアミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。上記2価の有機基Yを有するジアミン類とともに、ジアミノシロキサン類を併用してもよい。
上記脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等が挙げられる。
以上のようにして、中間体であるポリ酸無水化物が得られる。
本発明において、上記のようにして得られるポリ酸無水化物との反応に好適に用いられる2価の有機基Yを有するジアミン類としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等;
及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン原子等で置換されたもの;
並びにその混合物等が挙げられる。
前記置換体の具体例としては、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル等;及びこれらの混合物等が挙げられる。ジアミン類は、上記の例示に限定されるものではない。
ジアミノシロキサン類は、感光性樹脂組成物から形成される塗膜と各種基板との間の密着性の向上を目的として、(A)感光性ポリイミド前駆体の調製に際して、上記2価の有機基Yを含むジアミン類と併用される。このようなジアミノシロキサン類の具体例としては、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等を挙げることができる。
アミド重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、重合体成分を含有する溶液に適当な貧溶媒例えば水、脂肪族低級アルコール、その混合液等)を投入し、重合体成分を析出させ、更に必要に応じて、再溶解及び再沈析出操作等の操作を繰り返して重合体を精製した後、真空乾燥を行うことにより、目的のポリイミド前駆体を単離する。またその際に保存安定性や解像性を向上させる目的で、カルボン酸、スルホン酸などの酸化合物、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの塩化合物、脂肪族アミン、芳香族アミンなどの塩基化合物、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩などの塩化合物などを添加することもできる。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
前記カルボン酸としては、ギ酸、シュウ酸、マレイン酸などが挙げられる。スルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。
カルボン酸塩としては、ギ酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウムなどが挙げられる。スルホン酸塩としては、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩などが挙げられる。
脂肪族アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。芳香族アミンとしては、アニリン、ビスアニリンなどが挙げられる。
脂肪族アミン塩としては、トリエチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩などが挙げられる。芳香族アミン塩としては、アニリン塩酸塩、ビスアニリン塩酸塩、などが挙げられる。
エステル結合型のポリイミド前駆体の重量平均分子量は、熱処理後に得られる膜の耐熱性及び機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として、1,000以上であることが好ましい。5,000以上であることがより好ましい。上限は100,000以下であることが好ましい。現像液に対する溶解性の観点から、重量平均分子量は50,000以下であることがより好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン又はN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
このような方法により合成された(A)ポリイミド前駆体について、単独で形成したプリベーク後フィルムのg線、h線吸光度は、分子構造に応じて様々な値をとる。しかしながら、混合物のg線、h線吸光度は各成分のg線、h線吸光度の相加平均となるので、2種類以上の(A)ポリイミド前駆体を適当な割合で組み合わせることにより、機械物性、熱物性等とのバランスをとりながら、(A)ポリイミド前駆体のプリベーク後10μm厚フィルムのg線吸光度を0.001〜0.1に、h線吸光度が0.001〜0.5にすることができる。
[(B)光重合開始剤]
次に、本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤について説明する。
一態様において、(B)光重合開始剤は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である。
(B)光重合開始剤の吸光度は、該化合物をN−メチル−2−ピロリドンに0.001wt%濃度で溶解させ、1cmの石英セルを用いて通常の分光光度計を用いて測定することができる。
本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度はフォーカスマージン及び耐薬品性の観点から、0.015以上が好ましく、0.020以上が好ましい。また、g線吸光度は0.09以下が好ましく、0.08以下が好ましく、0.07以下が好ましく、0.06以下が好ましく、0.05以下が好ましく、0.04以下が好ましく、0.03以下が好ましい。
フォーカスマージン及び耐薬品性の観点から、本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のh線吸光度が0.15〜0.5であることが好ましい。h線吸光度は0.15〜0.4であることが好ましく、0.15〜0.3であることがより好ましい。
本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤は、上記吸光度を有していれば限定されないが、耐薬品性の観点から、構造中にオキシム構造を有することが好ましい。
本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1であれば限定されないが、一態様において、下記一般式(B1)で表される構造であることが好ましい。一態様において、(B)光重合開始剤は、下記一般式(B1)で表される化合物である。
Figure 2019109494
{式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}
これらの中でArはフェニレン基であることが好ましく、R7およびR8は炭素数1〜4の1価の有機基が好ましく、R6は炭素数1〜3の1価の有機基であることが好ましい。
本実施の形態にかかる、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である(B)光重合開始剤を用いることにより、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下が抑えられる理由については明らかではないが、例えばエポキシ樹脂の劣化や密着性が低下する理由について、本発明者らは下記のように考えている。
通常露光に用いられるi線やghi線は、g、h線と比較してエネルギーが高いため、ポリイミド膜を通してエポキシ樹脂側に到達した際に、エポキシ樹脂にダメージを与えたり、ダメージを受けたエポキシ樹脂の一部が揮発することでポリイミドとエポキシ樹脂の界面にガスが溜まり、密着性を低下させると考えている。従ってg線、h線を用いて露光した場合には、エポキシ樹脂のダメージを抑えることができる。
本実施の形態において耐薬品性が良好である理由は明らかではないが、例えばg線、h線に特定の吸光度を有することにより、ネガ型感光性樹脂組成物の場合には露光部分の架橋が進行しやすく、三次元ネットワーク構造をとりやすく耐薬品性を発現すると考えている。
本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤を用いることにより、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下が抑えられる傾向は、特にポリイミド前駆体のg線吸光度が0.01〜0.1である場合に、良好に発現する傾向にある。
本実施の形態にかかる(B)光重合開始剤は前記吸光度を有していれば限定されないが、感光性樹脂組成物は一般に500nm以下の波長をカットしたイエローライト下で扱うことが多いため、500nmの吸光度は低いほうが好ましい。具体的にはN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液の500nmの吸光度は0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.02以下が特に好ましい。
なお、本発明の一態様に係る感光性樹脂組成物は、つぎのように表すこともできる。
感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)下記一般式(B1)で表される光重合開始剤と、
Figure 2019109494
{式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}を含有する。また、感光性樹脂組成物は、上記の成分以外に、(C)架橋剤を更に含有していてもよい。
このような感光性樹脂組成物によれば、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下を抑えることができる硬化レリーフパターンを得ることができる。
[(C)架橋剤]
本発明において任意的に用いられる(C)架橋剤としては、分子内に複数の官能基を有する任意の化合物を挙げることができる。ここで官能基としては、例えばアクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メチロール基、アリル基、ビニル基、マレイミド基等を挙げることができる。
架橋剤としては、例えば、架橋性基を1つ有するものとしてML−26X、ML−24X、ML−236TMP、4−メチロール3M6C、ML−MC、ML−TBC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、P−a型ベンゾオキサジン(商品名、四国化成工業(株)製)等、2つ有するものとしてDM−BI25X−F、46DMOC、46DMOIPP、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等、4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等、6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
これらのうち、本発明では架橋性基を少なくとも2つ含有するものが好ましく、特に好ましくは、46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、TriML−P、TriML−35XL(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等が挙げられる。また、さらに好ましくは、ニカラックMX−290、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等が挙げられる。
(C)架橋剤の配合量は、(A)樹脂100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜30質量部である。
また、感光性樹脂組成物において、(B)光重合開始剤及び(C)架橋剤の合計含有量は、(A)ポリイミド前駆体成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
[(D)その他の成分]
感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分以外の成分を更に含有してもよい。
感光性樹脂組成物は、典型的には、上記各成分及び必要に応じて更に使用される任意成分を溶剤に溶解してワニス状にした液状の感光性樹脂組成物として使用される。そのため、(D)その他成分としては、溶剤を挙げることができる他、例えば上記(A)感光性ポリイミド前駆体以外の樹脂、増感剤、光重合性の不飽和結合を有するモノマー、接着助剤、熱重合禁止剤、アゾール化合物、ヒンダードフェノール化合物等を挙げることができる。
前記溶剤としては、例えば極性の有機溶剤、アルコール類等を挙げることができる。
溶剤としては、(A)感光性ポリイミド前駆体に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
本発明における溶剤としては、感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、アルコール類を含む溶剤が好ましい。好適に使用できるアルコール類は、典型的には、分子内にアルコール性水酸基を持ち、オレフィン系二重結合を有さないアルコールである。具体的な例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類;
乳酸エチル等の乳酸エステル類;
プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類;
2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類
等を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、及びプロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、例えば30〜1500質量部の範囲、好ましくは100〜1,000質量部の範囲で用いることができる。溶剤が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含有する場合、全溶剤中に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの含量は、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり、50質量%以下の場合、(A)ポリイミド前駆体の溶解性が良好になる。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物は、上述した(A)ポリイミド前駆体以外の樹脂成分を更に含有してもよい。含有できる樹脂成分としては、例えば、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部の範囲である。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物には、光感度を向上させるために増感剤を任意に配合することができる。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン、ジフェニルアセトアミド、ベンズアニリド、N−メチルアセトアニリド、3‘,4’−ジメチルアセトアニリド等が挙げられる。これらは単独で又は例えば2〜5種類の組合せで用いることができる。
光感度を向上させるための増感剤を感光性樹脂組成物が含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.1〜25質量部であることが好ましい。
樹脂組成物には、レリーフパターンの解像性を向上させるために、光重合性の不飽和結合を有するモノマーを任意に配合することができる。このようなモノマーとしては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましい。以下に限定されるものではないが、特に、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
グリセロールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート;
1,4−ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート;
ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAのモノ又はジ(メタ)アクリレート;
ベンゼントリメタクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート;
アクリルアミド及びその誘導体;
メタクリルアミド及びその誘導体;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
グリセロールのジ又はトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラ(メタ)アクリレート;
並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物がレリーフパターンの解像性を向上させるための上記の光重合性の不飽和結合を有するモノマーを含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。
本実施形態にかかる感光性樹脂組成物から形成される膜と基材との接着性向上のために、該感光性樹脂組成物には接着助剤を任意に配合することができる。接着助剤としては、例えば、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤等が挙げられる。
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物が接着助剤を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.5〜25質量部の範囲が好ましい。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物が特に溶剤を含む溶液状態にある場合、その保存時の粘度及び光感度の安定性を向上させるために、該感光性樹脂組成物に熱重合禁止剤を任意に配合することができる。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
感光性樹脂組成物に配合する場合の熱重合禁止剤の配合量としては、(A)感光性ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.005〜12質量部の範囲が好ましい。
本実施の形態にかかる樹脂組成物を適用する基板が、例えば銅又は銅合金からなる基板を用いる場合には、銅表面の変色を抑制するためにアゾール化合物を任意に配合することができる。アゾール化合物としては、例えば1H−トリアゾール、5−メチル−1H−トリアゾール、5−エチル−1H−トリアゾール、4,5−ジメチル−1H−トリアゾール、5−フェニル−1H−トリアゾール、4−t−ブチル−5−フェニル−1H−トリアゾール、5−ヒドロキシフェニル−1H−トリアゾール、フェニルトリアゾール、p−エトキシフェニルトリアゾール、5−フェニル−1−(2−ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5−ベンジル−1H−トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5−ジメチルトリアゾール、4,5−ジエチル−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール等が挙げられる。特に好ましくは、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、及び4−メチル−1H−ベンゾトリアゾールから選ばれる1種以上である。これらアゾール化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いても構わない。
本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物が上記アゾール化合物を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部である事が好ましく、光感度特性の観点から0.5〜5質量部がより好ましい。アゾール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、本実施の形態にかかる感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成した場合に、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、一方、10質量部以下である場合、該感光性樹脂組成物の優れた光感度が維持される。
銅表面の変色を抑制するために、前記のアゾール化合物に代えて、或いは前記のアゾール化合物とともに、ヒンダードフェノール化合物を任意に配合することができる。ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
N,N’ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−イソプロピルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−s−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−(1−エチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリス[4−トリエチルメチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−フェニルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5−エチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5,6−ジエチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5‐エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5〜10質量部であることがより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、例えば銅又は銅合金の上に感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、一方、20質量部以下である場合、該感光性樹脂組成物の優れた光感度が維持される。
<硬化レリーフパターンの製造方法>
本発明はまた、硬化レリーフパターンの製造方法も提供するものである。
本発明における効果レリーフパターンの製造方法は、例えば以下の工程:
(1)上述した本開示のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、該基板上に感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光するg線及び又はh線で露光する露光工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する現像工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する加熱工程と
を上記に記載の順で経由することを特徴とする。
以下、各工程の典型的な態様について説明する。
(1)塗布工程
本工程では、感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて感光性樹脂層を形成する。
基板としては、例えばシリコン、アルミニウム、銅、銅合金等から成る金属基板;
エポキシ、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等の樹脂基板;
前記樹脂基板に金属回路が形成された基板;
複数の金属、又は金属と樹脂とが多層に積層された基板
等を使用することができる。
塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
必要に応じて、感光性樹脂組成物膜を乾燥させることができる。乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル)のイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上により基板上に感光性樹脂層を形成できる。
(2)露光工程
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を露光する。露光装置としては、例えばコンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置が用いられる。露光は、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して、又は直接に行うことができる。露光に使用する光線は、例えば、紫外線光源等である。
露光後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40〜120℃、時間は10秒〜240秒が好ましいが、本実施の形態の感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
(3)現像工程
本工程では、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を現像除去する。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法を選択して使用することができる。例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等である。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。現像後ベークの温度は、例えば80〜130℃とすることができ、時間は例えば0.5〜10分とすることができる。
現像に使用される現像液としては、感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性に応じて、良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
(4)加熱工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)ポリイミド前駆体をイミド化させて、ポリイミドからなる硬化レリーフパターンに変換する。
加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば200℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
以上のようにして、硬化レリーフパターンを製造することができる。
<半導体装置>
本発明はまた、上述した硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有して成る、半導体装置を提供する。
上記の半導体装置は、例えば、半導体素子である基材と、該基材上に、上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成された硬化レリーフパターンとを有する半導体装置であることができる。
上記半導体装置は、例えば、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む方法によって製造することができる。半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、例えば表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、公知の半導体装置の製造方法と組合せることにより、製造することができる。
本発明の一態様に係る感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等の用途にも有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。実施例、比較例、及び製造例における感光性樹脂組成物の物性は、以下の方法に従って測定及び評価した。
(1)重量平均分子量
各感光性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)により測定した。測定に用いたカラムは昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105を選び、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工製 商標名 Shodex RI−930を使用した。
(2)吸光度測定
光重合開始剤(B)の吸光度は、0.001wt%のNMP溶液を調整し、1cmの石英セルに充填した後に、島津製作所社製のUV−1800装置を用いて、スキャンスピード中速、サンプリングピッチ0.5nmで測定を行った。
ポリイミド前駆体の吸光度は、石英ガラス上にプリベーク後10μm厚フィルムとなるように塗工し、測定を行った。形成されたフィルムの厚みが10μmでなかった場合は、該フィルムについて得られた吸光度を、ランベルト・ベールの法則に従って10μm厚の場合に換算することにより、10μm厚のg線、h線吸光度を求めた。
(3)フォーカスマージン評価
6インチシリコンウエハ(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L−440S−FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuをこの順にスパッタし、スパッタCuウエハ基板を準備した。
感光性樹脂組成物をスピンコート装置(D−spin60A型、SOKUDO社製)を使用して上記スパッタCuウエハ基板にスピンコートし、110℃で180秒間加熱乾燥して、膜厚10μm±0.2μmのスピンコート膜を作製した。
このスピンコート膜にマスクサイズが直径6μmの円形パターンを有するテストパターン付レチクルを用いて等倍投影露光装置PrismaGHI S/N5503(ウルトラテック社製)により、i線カットフィルター又はgh線カットフィルターを取り付け、実施例1〜9ではg、h線40mJ/cmを、比較例1、2ではi線120mJ/cmのエネルギーを照射した。この際、各々の露光量に対してフォーカスをスピンコート膜表面を基準として膜底部方向に向けて、4μmずつ移動させ露光した。
次いで、スパッタCuウエハ上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、大日本スクリーン社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてポリアミド酸エステルの丸抜き凹型レリーフパターンを得た。なお、スプレー現像の現像時間は、上記10μmのスピンコート膜において、未露光部の樹脂組成物が現像する最小時間の1.4倍の時間と定義した。
上記で得られたマスクサイズが6μmの丸抜き凹型レリーフパターンの開口可否は、以下の基準(I)及び(II)をいずれも満たすパターンを合格と判断し、合格のパターンを与えるフォーカスマージンの厚みを結果に記載した。
(I)パターン開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1/2以上である。
(II)パターン断面がすそびきしておらず、アンダーカットや膨潤、ブリッジングが起こっていない。
(4)耐薬品性評価
上記で得られたパターンを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で2時間加熱処理することにより、シリコンウエハー上に約7〜8μm厚のポリイミドの硬化レリーフパターンを得た。
このレリーフパターンについて、薬品(DMSO:70重量%、2−アミノエタノール:25重量%、TMAH:5重量%)に50℃で5分間浸漬した後にTencor P−15型段差計(ケーエルエーテンコール社製)を用いて膜厚測定を行い、薬品処理前と比較することにより溶解レート(nm/分)として算出した。
(5)封止材劣化試験
エポキシ系封止材として長瀬ケムテックス社製のR4000シリーズを用意した。
次いで、アルミスパッタしたシリコーンウエハー上に封止材を厚みが約150ミクロンになるようにスピンコートし、130℃で熱硬化させてエポキシ系封止材を硬化させた。
上記エポキシ系硬化膜上に実施例、比較例で作製した感光性樹脂組成物を最終膜厚が10ミクロンになるように塗布した。塗布した感光性樹脂組成物を、実施例1〜9ではg、h線100mJ/cmを、比較例1、2ではi線100mJ/cmの露光条件で全面を露光した後、200℃2時間熱硬化させて、厚み10ミクロンの1層目の硬化膜を作製した。
上記1層目の硬化膜上に1層目の硬化膜形成で使用した感光性樹脂組成物を塗布し、1層目の硬化膜作製時と同じ条件で全面を露光した後、熱硬化させて、厚み10ミクロンの2層目の硬化膜を作製した。
2層目の硬化膜形成後の試験片を、FIB装置(日本電子社製、JIB−4000)で断面を切断した後に、エポキシ部分のボイドの有無を確認することにより、劣化の程度を評価した。ボイドが見られないものを○、ボイドが1つでも見られたものを×とした。
(6)封止材との密着性試験
封止材劣化試験で作製したサンプルの感光性樹脂硬化膜上にエポキシ樹脂を塗布し、続いてピンを立て、引取試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて密着性試験を行った。
評価:接着強度70MPa以上 ・・・密着力◎
50MPa以上−70MPa未満・・・密着力○
30MPa以上−50MPa未満・・・密着力△
30MPa未満 ・・・密着力×
<製造例1>
a.カルバゾール誘導体(アシル体)の合成
Figure 2019109494
CHCl 40ml中のN−エチルカルバゾール5.00部に、テレフタル酸クロリド2.73部及びAlCl 3.76部を加えた。室温で一晩攪拌したのち、アセチルクロリド2.21部及びAlCl 3.76部を加えた。この反応混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷水に注いだ。生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和NaHCO水溶液及び食塩水で洗浄し、その後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮後、淡黄緑色固体5.91部(76.3%)を得た。この固体を未精製のまま次の反応に用いた。
b.オキシム体の合成
Figure 2019109494
エタノール30ml中のa.で得られたアシル体3.0部に、塩化ヒドロキシルアンモニウム0.76部及びピリジン0.86部を加えた。10時間還流したのち、反応混合物を氷水に注いだ。得られた固体を濾取し、水で洗浄し、酢酸エチルに溶解した。無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、濃縮し、淡黄白色固体2.80部(89%)を得た。この固体を未精製のまま、次の反応に用いた。
c.オキシムエステル体の合成
Figure 2019109494
b.で得られたオキシム体1.5部をDMF25部に溶解した。この溶液に、塩化アセチル0.59部を加え、次いでトリエチルアミン0.78部を10℃以下で滴下した。室温で4時間攪拌したのち、反応混合物を水に注ぎ、析出固体をろ過した。ろ物を、CHCl−ヘキサン(2:1)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体1.05部(61.8%)を得た(開始剤B1)。λmaxは345nm、融点は191〜202℃であった。
この開始剤B1のg線吸光度は0.025、h線吸光度は0.16であった。
<製造例2>
製造例1と同様の合成方法にて、下記構造の化合物(B2)を合成した。λmaxは366nm、融点は205〜218℃であった。g線吸光度は0.024、h線吸光度は0.17であった。
Figure 2019109494
{式中、Aは下記式で表される2価の有機基を表し、B、Cはエチル基を表し、Dはメチル基を表す。
Figure 2019109494
<製造例3>((A)ポリイミド前駆体(ポリマーA−1)の合成)
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ―ブチロラクトン400mlを加えて室温下で攪拌しながらピリジン79.1gを加えて、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
次に、氷冷下において、反応混合物に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を、攪拌しながら40分かけて加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁した懸濁液を、攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌した後に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解した後にp−トルエンスルホン酸ピリジン塩(2.0g)を加え溶解させた。得られた粗ポリマー溶液を陽イオン交換樹脂(オルガノ社製)を用いて精製した後に、28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、粉末状のポリマーA−1を得た。
このポリマーA−1の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、20,000であった。このポリマーのg線吸光度は0.01、h線吸光度は0.04であった。
<製造例4>(ポリイミド前駆体(ポリマーA−2)の合成)
上記製造例2において、4,4’−オキシジフタル酸二無水物155.1gに代えて、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA−2)を得た。
このポリマーA−2の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、22,000であった。このポリマーのg線吸光度は0.02、h線吸光度は0.152であった。
<製造例5>(ポリイミド前駆体(ポリマーA−3)の合成)
上記製造例2において、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)を1,4−フェニレンジアミン(50.2g)に代えた以外は製造例1に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA−3)を得た。
このポリマーA−3の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、21,000であった。このポリマーのg線吸光度は0.01、h線吸光度は0.02であった。
開始剤B3:アデカオプトマーNCI831(g線:0.001、h線:0.127)
開始剤B4:PBG305(g線:0.001、h線:0.001)
Figure 2019109494
架橋剤C1:
Figure 2019109494
<実施例1>
(A)成分として、ポリマーA−1を50g及びポリマーA−2を50g、(B)成分として開始剤B1(4g)、その他成分としてテトラエチレングリコールジメタクリレート16gを、ガンマブチロラクトン及びDMSOからなる混合溶媒(重量比75:25)に溶解し、粘度が約35ポイズになるように溶媒の量を調整することにより、感光性樹脂組成物溶液とした。
この組成物について、上述の方法により評価した。評価結果は表1に示した。
<実施例2〜9、比較例1〜2>
表1に記載の割合で樹脂組成物溶液とした以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。評価結果は表1に示した。
Figure 2019109494
表1から明らかなように、(B)光重合開始剤が一般式(B1)の構造を有し、および/またはg線吸光度が0.01〜0.1である、実施例1〜9の感光性樹脂組成物から得られる硬化レリーフパターンは、フォーカスマージンおよび耐薬品性が向上し、モールド樹脂であるエポキシ樹脂の劣化や密着性の低下を抑えることができることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野において、好適に利用できる。

Claims (25)

  1. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である、光重合開始剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)光重合開始剤のg線吸光度が0.015〜0.04である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)光重合開始剤のg線吸光度が0.015〜0.03である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)光重合開始剤の、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のh線吸光度が、0.15〜0.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)光重合開始剤が、オキシム構造を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(B)光重合開始剤が、下記一般式(B1):
    Figure 2019109494
    {式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. (C)架橋剤を更に含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A)ポリイミド前駆体を単独の溶液として塗布し、プリベークした後に得られる10μm厚フィルムについて測定したg線吸光度が0.001〜0.1であり、h線吸光度が0.001〜0.5である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記(A)ポリイミド前駆体が下記一般式(A1):
    Figure 2019109494
    {式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1)
    Figure 2019109494
    (一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、pは2〜10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基であり、但し、R及びRの少なくとも一方が一般式(R1)で表される1価の有機基である。}で表される構造を含むポリイミド前駆体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  13. 前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含み、
    前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  15. 前記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する(B)光重合開始剤及び(C)架橋剤の合計含有量が0.1〜20質量部である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  16. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用いた0.001wt%溶液のg線吸光度が0.01〜0.1である、光重合開始剤と、を含有することを特徴とするファンアウトウエハレベルパッケージ用感光性樹脂組成物。
  17. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)下記一般式(B1):
    Figure 2019109494
    {式中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6の1価の有機基を表し、Arは直接結合であるか、または、フェニレン、ナフチレン、およびチエニレンから選択される少なくとも1種の2価の基を表す。}で表される光重合開始剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  18. 前記(A)ポリイミド前駆体が下記一般式(A1):
    Figure 2019109494
    {式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(R1):
    Figure 2019109494
    (一般式(R1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はC〜Cの有機基であり、pは2〜10から選ばれる整数である。)で表される1価の有機基、又はC〜Cの飽和脂肪族基であり、但し、R及びRの少なくとも一方が一般式(R1)で表される1価の有機基である。}で表される構造を含むポリイミド前駆体である、請求項17に記載の感光性樹脂組成物。
  19. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項18に記載の感光性樹脂組成物。
  20. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項18に記載の感光性樹脂組成物。
  21. 前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  22. 前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  23. 前記Xは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含み、
    前記Yは下記構造:
    Figure 2019109494
    を含む、請求項18に記載の感光性樹脂組成物。
  24. 以下の工程:
    (1)請求項1〜23のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、該基板上に感光性樹脂層を形成する塗布工程と、
    (2)該感光性樹脂層をg線及び/又はh線で露光する露光工程と、
    (3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する現像工程と、
    (4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する加熱工程と
    を含むことを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
  25. 請求項24に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなることを特徴とする、半導体装置。
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