JP2019105382A - 燃料燃焼装置及び燃焼方法 - Google Patents

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Somaratenakapurugedonkunkumaamira
晃弘 早川
Akihiro Hayakawa
晃弘 早川
秀昭 小林
Hideaki Kobayashi
秀昭 小林
コルソン ソフィー
Colson Sophie
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Abstract

【課題】火炎安定性を高めるとともに窒素酸化物の排出量を抑制する燃料燃焼装置及び燃料の燃焼方法を提供することを目的としている。【解決手段】酸化剤と第1の燃料と第2の燃料とが供給され、第1の燃料及び第2の燃料が拡散燃焼する燃焼室を有する燃焼器を備え、燃焼器には、酸化剤を燃焼室に導く酸化剤供給口と、酸化剤供給口よりも内側に配置され、第1の燃料を燃焼室に導く第1の燃料供給口と、酸化剤供給口よりも外側に配置され、第2の燃料を燃焼室に供給する第2の燃料供給口と、が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料燃焼装置及び燃焼の燃焼方法に関し、例えば、メタン等の炭化水素系燃料と比較して燃焼性が低いアンモニア等といった燃料を燃焼させる燃料燃焼装置及び燃焼の燃焼方法に関する。
再生可能エネルギーの貯蔵用及び輸送用の媒体として、水素キャリアへの期待が高まっている。水素キャリアには、例えば、有機溶媒に水素を着脱して用いる有機ハイドライトや、窒素及び水素から合成されるアンモニア等がある。アンモニアは炭素原子を含まず、アンモニアが燃焼したときに主に発生する物質は水と窒素である。つまり、アンモニアは燃焼しても二酸化炭素が発生しないので、アンモニアを燃料に用いることで二酸化炭素の排出量の削減効果が期待できる。しかし、アンモニアが燃焼すると、環境負荷が高い窒素酸化物が生成される場合がある。また、アンモニアは、メタン等の炭化水素系燃料と比較すると着火しにくく、層流燃焼速度が低い、という特性がある。このため、アンモニアを燃料とすると、未燃のアンモニアが生じる場合がある。アンモニアは刺激臭があり、劇物に指定されている。窒素酸化物及びアンモニアは、排出規制が設けられている。
従来、アンモニアと空気とを別々に燃焼器の燃焼室に供給し、当該燃焼室のアンモニアを拡散燃焼させる技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1の技術は、燃料であるアンモニアを燃焼室へ供給する前段でアンモニアと空気とを予め混合せずに燃焼器の燃焼室に供給することで、燃焼室で形成される火炎を安定化させている。燃焼室の火炎の安定化はアンモニアのような着火しにくく、燃焼速度が低い燃料を用いる燃焼器の実用化に重要である。
Osamu Kurata, Norihiko Iki, Takayuki Matsunuma, Takahiro Inoue, Taku Tsujimura, Hirohide Furutani, Hideaki Kobayashi, Akihiro Hayakawa, "Performances and emission characteristics of NH3-air and NH3-CH4-air combustion gas-turbine power generations" Proceedings of the Combustion Institute 36 (2017) 3351-3359.
非特許文献1の技術は、拡散燃焼では燃料と空気とを燃焼器内で混ぜるため、火炎安定性を高めることが可能となり、アンモニアを燃料とするガスタービン発電設備の実現に至った。しかし、燃焼器出口における窒素酸化物の排出量が著しく高く、この低減が求められる。
本発明は、上記従来の技術における課題に鑑みてなされたものであって、安定な火炎を形成するとともに、窒素酸化物の排出量を抑制する燃料燃焼装置及び燃料の燃焼方法を提供することを目的としている。
本発明に係る燃料燃焼装置は、酸化剤と第1の燃料と第2の燃料とが供給され、第1の燃料及び第2の燃料が拡散燃焼する燃焼室を有する燃焼器を備え、燃焼器には、酸化剤を燃焼室に導く酸化剤供給口と、酸化剤供給口よりも内側に配置され、第1の燃料を燃焼室に導く第1の燃料供給口と、酸化剤供給口よりも外側に配置され、第2の燃料を燃焼室に供給する第2の燃料供給口と、が設けられている。
本発明に係る燃料の燃焼方法は、燃焼器の燃焼室に酸化剤及び燃料を供給し、燃料を拡散燃焼させる燃料の燃焼方法であって、酸化剤の供給位置よりも内側の位置から第1の燃料を燃焼室へ供給するとともに、酸化剤の供給位置よりも外側の位置から第2の燃料を燃焼室へ供給する。
本発明によれば、上記構成を有しているので、安定な火炎を形成できるとともに窒素酸化物の排出量を抑制することができる。
噴射ガス供給システム100の模式図である。 燃焼器40の概要構成例図である。 燃焼器40のうち供給面部42側を模式的に示した図である。 燃焼器40の供給面部42の平面視図である。 燃料の流れ及び酸化剤の流れの説明図である。 燃焼器40内のガスが螺旋状に流れる様子及び燃焼器40内のガスが燃焼器40の中心部に流入する様子を示している。 実施の形態の効果を検出するための三次元計算の計算領域説明図である。 燃焼器40の構成によって、燃焼器40の各所で生成される窒素酸化物が抑制されることの説明図である。 燃焼器40において拡散燃焼方式を採用しても、燃焼室Rm内の燃料と酸化剤との混合が促進されることの説明図である。 燃焼器40の構成によって窒素酸化物の排出量が抑制されることの説明図である。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る噴射ガス供給システム100の模式図である。噴射ガス供給システム100は、例えばガスタービン等に適用され、燃焼器40に酸化剤及び燃料を供給するシステムである。燃焼器の代表的な燃焼方式には、燃料と酸化剤があらかじめ混合した状態で燃焼器に供給する「予混合燃焼」と、燃料と酸化剤が別々に燃焼器に供給される「拡散燃焼」とがある。実施の形態は拡散燃焼を採用している。なお、以下の説明において、燃料、酸化剤をガスとも称する。
<実施の形態の構成>
図1に示すように、噴射ガス供給システム100は、酸化剤と第1の燃料と第2の燃料とが供給される燃焼器40と、燃焼器40内へ供給されるガスを旋回させる機能を有する旋回流形成器20とを備えている。旋回流形成器20は、酸化剤を旋回させる第1のスワラ20Aと、第1の燃料を旋回させる第2のスワラ20Bと、第2の燃料を旋回させる第3のスワラ20Cとを備えている。第1のスワラ20A、第2のスワラ20B及び第3のスワラ20Cは、それぞれ、ガス(酸化剤、第1の燃料及び第2の燃料)の流れを変える複数の羽根を有している。すなわち、各スワラの羽根は各スワラを通過するガスの進行方向を曲げる機能を有している。
酸化剤としては、空気及び純酸素を採用することができる。また、酸化剤としては、酸素濃度が21%より高い、窒素及び酸素の混合気を採用することもできる。実施の形態では酸化剤として空気を採用した場合を説明する。また、第1の燃料及び第2の燃料は、アンモニア、アンモニアと炭化水素系燃料との混合物、及び、アンモニアと水素との混合物等に利用可能性がある。また、実施の形態において第1の燃料及び第2の燃料が同じ物質(アンモニア)であるが、異なっていても利用可能性がある。実施の形態では第1の燃料及び第2の燃料としてアンモニアを採用した場合を説明する。
図2は、燃焼器40の概要構成例図である。図3は、燃焼器40のうち供給面部42側を模式的に示した図である。図4は、燃焼器40の供給面部42の平面視図である。図2において、流れFL1は酸化剤の流れを示しており、流れFL21は第1の燃料の流れを示しており、流れFL22は第2の燃料の流れを示している。図2に示すように、燃焼器40は筒状の胴部41と、胴部41の一方側に設けられている円板状の供給面部42と、胴部41の他方側に設けられている筒状の頭部43とを備えている。燃焼器40には酸化剤と第1の燃料と第2の燃料とが供給される燃焼室Rmが形成されている。供給面部42には、酸化剤を燃焼室Rmに導く酸化剤供給口Op1と、酸化剤供給口Op1よりも内側に配置され、第1の燃料を燃焼室Rmに導く第1の燃料供給口Op21と、酸化剤供給口Op1よりも外側に配置され、第2の燃料を燃焼室Rmに供給する第2の燃料供給口Op22と、が設けられている。また、頭部43には、燃焼室Rmのガスを排出する排気口Op3が設けられている。
図3及び図4に示すように、酸化剤供給口Op1、第1の燃料供給口Op21及び第2の燃料供給口Op22は、それぞれ、環状の開口部である。実施の形態において、酸化剤供給口Op1、第1の燃料供給口Op21及び第2の燃料供給口Op22は、円環状に形成されている。
<実施の形態の動作>
図5は、燃料の流れ及び酸化剤の流れの説明図である。図6は、燃焼器40内のガスが螺旋状に流れる様子及び燃焼器40内のガスが燃焼器40の中心部に流入する様子を示している。図5の流れFL1に示すように、酸化剤は燃焼器40の酸化剤供給口Op1から燃焼室Rmへ流入し、図5の流れFL21に示すように、第1の燃料は燃焼器40の第1の燃料供給口Op21から燃焼室Rmへ流入し、図5の流れFL22に示すように、第2の燃料は燃焼器40の第2の燃料供給口Op22から燃焼室Rmへ流入する。このとき、酸化剤の流れは、第1の燃料の流れと第2の燃料の流れとの間に挟まれている。燃焼室Rm内において、第1の燃料と酸化剤とが反応して燃焼するとともに、第2の燃料と酸化剤とが反応して燃焼する。また、酸化剤等のガスは、燃焼室Rmに流入する前に、図1及び図2で説明した旋回流形成器20を通過している。このため、図6に示すように、酸化剤等のガスは、燃焼室Rmに流入すると旋回流FLaを形成する。ここで、旋回流FLaは、酸化剤の流れと第1の燃料の流れと第2の燃料の流れとを合わせた流れである。また、燃焼室Rmに旋回流FLaが形成されているときにおいて、旋回流FLaの中心部は圧力が下がっているため、旋回流FLaの中心部に流入した後に、頭部43側(図2参照)から供給面部42側へ向かう流れFLbが形成される。すなわち、燃焼室Rmには逆流するような流れFLbが形成される。流れFLbが形成されることで、燃焼室Rm内の火炎の安定化する。
ここで、当量比について説明する。当量比は、燃料の濃さを表す数値である。実施の形態における当量比は、酸化剤(空気)と、第1の燃料及び第2の燃料とを合わせた燃料(アンモニア)との当量比である。
当量比φは次の式(1−1)のように表される。
φ=(fl1/fl2)/(FLSO/FLSF) ・・・式(1−1)
fl1は、第1の燃料供給口Op21から実際に供給する第1の燃料の流量と、第2の燃料供給口Op22から実際に供給する第2の燃料の流量と、を合わせた総流量である。fl2は、酸化剤供給口Op1から実際に供給する酸化剤の流量である。
FLSOは、第1の燃料の流量及び第2の燃料の流量を合わせた総流量の理論値である。FLSFは、酸化剤の流量の理論値である。
ここで、アンモニアと酸素との化学反応式は次の通りである。
4NH + 3O = 6HO + 2N
つまり、アンモニアと酸素とは4:3の割合(モル比)で反応する。仮に、第1の燃料及び第2の燃料の全てがアンモニアであり、酸化剤の全てが酸素である場合には、FLSO/FLSF=4/3である。
したがって、当量比φは次の式(1−2)のように表される。
φ=(3/4)×(fl1/fl2) ・・・式(1−2)
実施の形態において、当量比φは1よりも大きく設定している。つまり、第1の燃料と第2の燃料とを合わせた燃料は、酸化剤に対して過濃になっている。好ましくは、当量比φを1.2とする。
また、実施の形態において、単位時間あたりに燃焼室Rmへ供給される第1の燃料の体積(以下、第1の体積とも称する)は、単位時間あたりに燃焼室Rmへ供給される第2の燃料の体積(以下、第2の体積とも称する)よりも、大きい。また、好ましくは、第1の体積と第2の体積との比を、0.6:0.4とする。
更に、実施の形態において、燃焼室Rmの圧力は大気圧よりも高くなっている。例えば、燃焼室Rmの圧力は、噴射ガス供給システム100に弁等の圧力調整機構を設けることで、調整することができる。
<実施の形態の効果>
次に述べる検証を行い、実施の形態の燃焼器40に関する効果が得られることを検証したので説明する。検証には、実験による方法また数値計算による方法が考えられる。また数値計算にはDNS(Direct Numerical Simulation)、LES(Large Eddy Simulation)及びRANS(Reynolds Averaged Navier Stokes equation)という手法がある。ここでは、LESによる数値計算により検証した結果を示す。
図7は、実施の形態の効果を検出するための三次元計算の計算領域説明図である。図7(a)は計算領域の全体図を示している。図7(b)は図7(a)の計算領域の縦断面図である。図7を参照して、実施の形態の効果を三次元の数値計算で検証したことについて説明する。なお、いずれの計算領域も構造格子を採用し、また、図6中では図示省略しているが、計算領域の数は約3百2十万個であり、各計算領域の格子幅は約0.63mmであり、各計算領域の体積は約0.25mmである。
数値計算コードには、OpenFOAM(Open source Field Operation And Manipulation)を用いた。基礎方程式は、質量保存式、運動量保存式(LESフィルタを含む)、化学種輸送方程式とした。サブグリッドスケールモデルにWALEモデルを用いた。圧力−速度連成手法としてPISO法(Pressure Implicit with Splitting of Operators)を利用した。また、数値計算の収束判定には、質量流量の残差が十分に小さい、燃焼器出口近傍の特定断面における化学種のモル分率が計算ステップと共に変化しなくなったこと、を基準とした。
計算領域は、流体解析用メッシュジェネレータであるPOINTWISEを利用している。計算領域は、図2等に示す燃焼器40を模擬して作成している。領域41tは胴部41に対応し、領域42tは供給面部42に対応し、領域43tは頭部43に対応している。また、領域Op1tは酸化剤供給口Op1に対応し、領域Op21tは第1の燃料供給口Op21に対応し、領域Op22tは第2の燃料供給口Op22に対応し、領域Op3tは排気口Op3に対応している。また、領域Rmtは燃焼室Rmに対応している。
図7(a)及び図7(b)に示すように領域41tの径は72mmであり、領域41tの全長は150mmである。また、図7(a)に示すように、領域Op1tの内径は14mmであり、領域Op1tの外径は24mmである。領域Op21tの内径は8mmであり、領域Op21tの外径は13mmである。領域Op22tの内径は25mmであり、領域Op22tの外径は30mmである。更に、領域Op3tの径は36mmである。また、領域Opt1におけるスワール角は40度である。領域Op21t及び領域Op22tにおけるスワール角もそれぞれ40度である。スワール角は、スワラの羽根の面と、供給面部42に対応する領域42tとがなす角度である。スワール角は図7(b)において角度θとして示している。スワラの内径、外径及びスワール角が与えられるとスワール数が導かれる。具体的には、上述したスワール角において、領域Opt1のスワール数は0.68となり、領域Op21tのスワール数は0.69となり、領域Op22tのスワール数は0.77となる。また、燃料(第1の燃料及び第2の燃料)の温度及び酸化剤の温度は、500(K)である。
図8は、燃焼器40の構成によって、燃焼器40の各所で生成される窒素酸化物が抑制されることの説明図である。その他のパラメータについて、次に説明する図8(a)〜(e)に基づいて説明する。図8(a)は従来の燃焼器における結果を示しており、図8(a)の態様では、第1の燃料供給口Op21に対応する領域を有するが、第2の燃料供給口Op22に対応する領域がない。図8(a)において、燃料と酸化剤との当量比φは1.2であり、燃焼器内の圧力は0.1(MPa)であり、空気の初速は29.33(m/s)であり、燃料の初速は35.46(m/s)である。
図8(b)は実施の形態に係る燃焼器40における結果を示している。図8(b)において、燃料と酸化剤との当量比φは1.2であり、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力は0.1MPaであり、空気の初速は29.33(m/s)であり、第1の燃料の初速は23.73(m/s)であり、第2の燃焼の初速は4.53(m/s)である。また、図8(b)の態様において、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域へ供給される第1の燃料の体積と、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域へ供給される第2の燃料の体積との比は、0.67:0.33となっている。
図8(c)も実施の形態に係る燃焼器40における結果を示している。図8(c)において、燃料と酸化剤との当量比φは1.2であり、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力は0.1MPaであり、空気の初速は29.33(m/s)である。これらの点では図8(c)の態様は図8(b)の態様と同様である。一方、図8(c)において、第1の燃料の初速は21.36(m/s)であり、第2の燃焼の初速は5.47(m/s)である。また、図8(c)の態様において、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域Rmtへ供給される第1の燃料の体積と、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域Rmtへ供給される第2の燃料の体積との比は、0.60:0.40となっている。
図8(d)も実施の形態に係る燃焼器40における結果を示している。図8(d)において、燃料と酸化剤との当量比φは1.2であり、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力は0.1MPaであり、空気の初速は29.33(m/s)である。これらの点では図8(d)の態様は図8(b)及び図8(c)の態様と同様である。一方、図8(d)において、第1の燃料の初速は19.60(m/s)であり、第2の燃焼の初速は6.10(m/s)である。また、図8(d)の態様において、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域Rmtへ供給される第1の燃料の体積と、単位時間あたりに燃焼室Rmに対応する領域Rmtへ供給される第2の燃料の体積との比は、0.55:0.45となっている。
図8(e)も実施の形態に係る燃焼器40における結果を示している。図8(e)の態様は、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力以外のパラメータは、図8(c)の態様と同様なので説明を割愛する。図8(e)において、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力は0.5MPaである。
図8に示す領域Rg1及び領域Rg2は、燃焼室Rmに対応する領域Rmtのうち窒素酸化物の生成量が増大している領域を示している。領域Rg1の窒素酸化物の生成量は8000(ppm)程度かそれ以上まで増大しており、領域Rg2の窒素酸化物の生成量は2000〜6000(ppm)程度まで増大している。図8(a)の従来の燃焼器に係る結果に示すように、燃焼器の領域Rmtのうち中央部の領域における窒素酸化物の生成は抑えられているものの、図8(a)の領域Rg1及び領域Rg2に示すように、燃焼室Rmに対応する領域Rmtのうち燃焼器の内周部寄りの領域の広範囲において窒素酸化物の生成は抑えることができていない。その結果、窒素酸化物の生成量が、1148(ppm)と高くなってしまっている。一方、図8(b)の結果にように、実施の形態に係る燃焼器40の態様では、燃焼室Rmに対応する領域Rmtのうち中央部における窒素酸化物の生成が抑えられているだけでなく、図8(a)との比較においては、燃焼室Rmに対応する領域Rmtのうち燃焼器の内周部寄りの領域における窒素酸化物の生成も抑えられている。窒素酸化物の生成量は、1066(ppm)となっており、図8(a)の従来の燃焼器の結果と比較すると、実施の形態に係る燃焼器40の態様が窒素酸化物の生成を抑制する上で優れていることがわかる。
また、図8(c)及び図8(d)の結果に示すように、実施の形態に係る燃焼器40の態様を採用するとともに、第1の体積と第2の体積との比を0.6:0.4(図8(c)の態様)又は0.55:0.45(図8(d)の態様)とすることで、窒素酸化物の生成の更なる抑制ができていることがわかる。窒素酸化物の生成量は、図8(c)の態様では608(ppm)にまで抑えられ、図8(d)の態様では637(ppm)にまで抑えられている。
更に、図8(e)の結果に示すように、実施の形態に係る燃焼器40の態様を採用し、且つ、第1の体積と第2の体積との比を0.6:0.4とし、且つ、燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力を0.5(Mpa)まで上昇させることで、図8(c)との比較でも、窒素酸化物の生成の更なる抑制ができていることがわかる。燃焼室Rmに対応する領域Rmtの圧力を上昇させることで、燃焼室Rm内のOHラジカルの生成が抑えられることがわかっており、その結果、図8(e)において窒素酸化物の生成の更なる抑制がなされている。
図9は、燃焼器40の構成において拡散燃焼方式を採用しても、燃焼室Rm内の燃料と酸化剤との混合が促進されることの説明図である。図9では、燃焼室Rmに対応する領域Rmtにおける、燃料と酸化剤との混合状態の分布を示している。また、図9に示すZは混合分率と呼ばれ、燃料と酸化剤との混合状態を示している。Z=1が燃料のみ、Z=0が酸化剤のみの場合にそれぞれ対応し、またZ=0.142が化学量論に対応する。図9(a)に示す結果の各種パラメータの条件は図8(a)に示す結果のものと同じである。また、図9(b)に示す結果の各種パラメータの条件は図8(c)に示す結果のものと同じである。図9(a)及び図9(b)に示すように、実施の形態に係る燃焼器40の態様を採用するとともに、第1の体積と第2の体積との比を0.6:0.4とすることで、Zが燃焼器全体にわたって一様、すなわち偏りがなく燃料(第1の燃料及び第2の燃料)と酸化剤とが混ざり合うことがわかる。特に、図9(a)の結果において、燃焼器の中央部の領域Rg10は、燃焼器のガスの流入側から流出側にかけて混合が滞っていることがわかるが、その一方、図9(b)の結果において、燃焼器の中央部の領域Rg11は、燃焼器のガスの流入側から流出側にかけて混合が進んでいることがわかる。このように、実施の形態における燃焼器40の構成は偏りがなく燃料(第1の燃料及び第2の燃料)と酸化剤とを混合することができ、その結果、燃焼室Rmにおける火炎の安定化及び窒素酸化物の生成の抑制がなされる。
図10は、燃焼器40の構成によって窒素酸化物の排出量が抑制されることの説明図である。図10は、図8の結果を棒グラフでまとめたものである。図8(a)が図10(a)に対応し、図8(b)が図10(b)に対応し、図8(c)が図10(c)に対応し、図8(d)が図10(d)に対応し、図8(e)が図10(e)に対応している。図10(b)〜(e)に示すように、実施の形態で説明した燃焼器40を採用することで、燃焼室Rmで生成される窒素酸化物の量を抑制することができることがわかる。その結果、燃焼器40の窒素酸化物の排出量を抑制することができる。また、実施の形態で説明した燃焼器40は拡散燃焼を行う。また、図10(e)に示すように、燃焼室Rmの圧力を大気圧よりも上昇(例えば、0.5(MPa))させることで、燃焼室Rmで生成される窒素酸化物の量を更に抑制することができることがわかる。その結果、燃焼器40の窒素酸化物の排出量を更に抑制することができる。
本実施の形態の構成等は、例えばガスタービン等に適用される燃料燃焼装置に、適用することができる。
本実施の形態では、上述した検証に基づき、二段燃焼により窒素酸化物及びアンモニアの排出量を抑制する原理及び構成等を明らかにしている。この原理及び構成等を、高温及び高圧の環境になるガスタービン等の燃料燃焼装置に適用すれば、本実施の形態で説明した効果を奏し得る。
20 旋回流形成器、20A 第1のスワラ、20B 第2のスワラ、20C 第3のスワラ、40 燃焼器、41 胴部、41t 領域、42 供給面部、42t 領域、43 頭部、43t 領域、100 噴射ガス供給システム、FLa 旋回流、Op1 酸化剤供給口、Op1t 領域、Op21 第1の燃料供給口、Op21t 領域、Op22 第2の燃料供給口、Op22t 領域、Op3 排気口、Op3t 領域、Opt1 領域、Rm 燃焼室、Rmt 領域、θ 角度、φ 当量比。
本発明は、燃料燃焼装置及び焼方法に関し、例えば、メタン等の炭化水素系燃料と比較して燃焼性が低いアンモニア等といった燃料を燃焼させる燃料燃焼装置及び焼方法に関する。

Claims (14)

  1. 酸化剤と第1の燃料と第2の燃料とが供給され、前記第1の燃料及び前記第2の燃料が拡散燃焼する燃焼室を有する燃焼器を備え、
    前記燃焼器には、前記酸化剤を前記燃焼室に導く酸化剤供給口と、前記酸化剤供給口よりも内側に配置され、前記第1の燃料を前記燃焼室に導く第1の燃料供給口と、前記酸化剤供給口よりも外側に配置され、前記第2の燃料を前記燃焼室に供給する第2の燃料供給口と、が設けられている
    ことを特徴とする燃料燃焼装置。
  2. 単位時間あたりに前記燃焼室へ供給される前記第1の燃料の体積は、単位時間あたりに前記燃焼室へ供給される前記第2の燃料の体積よりも、大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料燃焼装置。
  3. 前記酸化剤、前記第1の燃料及び前記第2の燃料を前記燃焼室内で螺旋状に旋回させる旋回流形成器を更に備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料燃焼装置。
  4. 前記酸化剤供給口、前記第1の燃料供給口及び前記第2の燃料供給口は、それぞれ円環状に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料燃焼装置。
  5. 前記第1の燃料及び前記第2の燃料からなる燃料と前記酸化剤との当量比が1よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料燃焼装置。
  6. 前記燃焼室の圧力が大気圧よりも高くなっている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料燃焼装置。
  7. 前記第1の燃料及び前記第2の燃料は、アンモニアである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料燃焼装置。
  8. 燃焼器の燃焼室に酸化剤及び燃料を供給し、前記燃料を拡散燃焼させる燃料の燃焼方法であって、
    前記酸化剤の供給位置よりも内側の位置から第1の燃料を前記燃焼室へ供給するとともに、前記酸化剤の供給位置よりも外側の位置から第2の燃料を前記燃焼室へ供給する
    ことを特徴とする燃料の燃焼方法。
  9. 燃焼器の燃焼室に酸化剤及び燃料を供給し、前記燃料を拡散燃焼させる燃料の燃焼方法であって、
    前記燃焼器に設けられている円環状の酸化剤供給口から、前記酸化剤を前記燃焼室へ供給し、
    前記燃焼器に設けられ、前記酸化剤供給口の内側に配置されている円環状の第1の燃料供給口から、前記第1の燃料を前記燃焼室へ供給し、
    前記燃焼器に設けられ、前記酸化剤供給口の外側に配置されている円環状の第2の燃料供給口から、前記第2の燃料を前記燃焼室へ供給している
    ことを特徴とする燃料の燃焼方法。
  10. 単位時間あたりに前記燃焼室へ供給される前記第1の燃料の体積を、単位時間あたりに前記燃焼室へ供給される前記第2の燃料の体積よりも、大きくしている
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の燃料の燃焼方法。
  11. 前記酸化剤、前記第1の燃料及び前記第2の燃料を、前記燃焼室内で螺旋状に旋回させている
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の燃料の燃焼方法。
  12. 前記第1の燃料及び前記第2の燃料からなる燃料と前記酸化剤との当量比を1よりも大きくしている
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の燃料の燃焼方法。
  13. 前記燃焼室の圧力を大気圧よりも高くしている
    ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の燃料の燃焼方法。
  14. 前記第1の燃料及び前記第2の燃料は、アンモニアである
    ことを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の燃料の燃焼方法。
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