従来より、このような、壁紙の裏面に、糊を自動的に塗布するとともに、例えば、壁紙切断用下敷きテープ、カットテープから構成される壁紙切断用テープを貼着するように構成した自動壁紙糊付機が提案されている。
このような自動壁紙糊付機で糊付けが完了した壁紙は、図5に示したような構造となっている。
すなわち、特許文献1(特開2008−274550号公報)に開示されるように、図5の壁紙100の裏面側の平面図に示したように、壁紙100には、壁紙100の糊付け面である裏面102に、糊が塗布されている。
また、図5と図6は、壁紙100を壁面108の右から左に向けて貼着する場合を示している。この場合には、壁紙100の裏面102の幅方向の一方の端部102aに、壁紙切断用下敷きテープ104が、長手方向に貼着されている。
なお、壁紙の施工作業者によっては、壁紙100を壁面108の左から右に向けて貼着する場合もある。
さらに、壁紙100の裏面102の裏面102の幅方向の他方の端部102bに、カットテープ106が、長手方向に貼着されている。
なお、上記のように、壁紙100を壁面108の右から左に向けて貼着する場合、壁紙100の裏面102の幅方向の一方の端部102bに、カットテープ106が、他方の端部102aに、壁紙切断用下敷きテープ104が、長手方向に貼着される。
そして、壁紙施工の際には、図6、図7(A)〜(D)の工程によって、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)の施工が行われる。
すなわち、例えば、ボードなどからなる壁面108に、図6、図7(A)に示したように、下側(一枚目)の壁紙100の糊付け面である裏面102を貼着する。そして、壁紙100の壁紙切断用下敷きテープ104側の端部に、上側(二枚目)の壁紙100の糊付け面である裏面102を貼着する。
この際、図6に示したように、上側(二枚目)の壁紙100のカットテープ106が、下側(一枚目)の壁紙100の壁紙切断用下敷きテープ104に重なるように配置する。
そして、図6、図7(B)の点線Aで示したように、別途図示しない定規を用いて、カッター118で、上側(二枚目)の壁紙100と、下側(一枚目)の壁紙100を切断していく。
この際、図6、図7(B)に示したように、下側(一枚目)の壁紙100の壁紙切断用下敷きテープ104が存在しているので、カッター118のカッター刃が、壁紙切断用下敷きテープ104を貫通させずに表面を切ることで、確実に壁紙100を2枚と、カットテープ106を切りの残すことなく裁断することができる。
また、石膏ボードなどからなる壁面108が傷ついて、壁紙施工後の目開きが起こらないようになっている。
そして、このような切断作業が完了した後、図6、図7(B)の矢印に示したように、下側(一枚目)の壁紙100の切断された切断片110と、上側(二枚目)の壁紙100の切断された切断片112と、壁紙切断用下敷きテープ104と、カットテープ106を取り除いていく。
その後、図7(C)の矢印に示したように、上側(二枚目)の壁紙100と、下側(一枚目)の壁紙100のカット部分を、合わせるように、壁紙100の糊付け面である裏面102を、壁面108に貼着(接着)させる。
そして、図7(D)の矢印に示したように、最後に、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)114を、ローラー116で軽く押さえるようにして、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)114の仕上げ施工が行われるようになっている。
これにより、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)114が、奇麗に仕上がるとともに、カッター118で切断する際に、例えば、ボードなどからなる壁面108を傷つけたり、壁紙100が浮いたりすることなく、施工状態が良好となっている。
ところで、図8の断面図に示したように、従来の壁紙切断用下敷きテープ200として、例えば、天井、壁面などの下地202側に貼着される基材層204と、基材層204の上面側に設けられた凹凸が形成された凹凸層206を備えている。
なお、この場合、凹凸層206は、例えば、平面視で略格子状の凹凸から形成されている。
また、図9の断面図に示したように、従来の壁紙切断用下敷きテープ300として、例えば、天井、壁面などの下地302側に貼着される基材層304と、基材層304の上面側に設けられた凹凸が形成された凹凸層306を備えている。
さらに、凹凸層306の上面側に設けられた、例えば、壁紙切断用下敷きテープ300を、壁紙から剥離する際に、壁紙側の糊が壁紙切断用下敷きテープ300側に移ってしまわないようにするために、例えば、エンボス加工などが施された表面層308を備えている。なお、この場合も、凹凸層306は、例えば、平面視で略格子状の凹凸から形成されている。
なお、図8、図9は、従来の壁紙切断用下敷きテープ200、300の部分拡大断面図を、あくまで模式的に示すものであって、各層の厚さは、図8、図9の厚さの割合に限定されるものではないことはもちろんである。
しかしながら、従来の下敷きテープ200、300では、いずれも、下地202、302側を傷つけないように、図8、図9に示したように、壁紙に接触する側の面(図8、図9において上面側)に、凹凸層206、306が形成されている。
すなわち、図7に示したように、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)114を、カッター118で切断する際に、凹凸層206、306が、壁紙の施工者に凹凸感覚が直接カッター118を握る手に伝わるように、凸凹面が壁紙側に接する面に位置するように設計されている。
また、凸部はカッター118で容易に切れにくい、例えば、フィルムや糸などの材質が使用されている。
このため、凹凸層206、306の凹凸の高低差が低い場合、凹部分にカッター118の刃が落ち込んでしまうおそれがある。このようにカッター118の刃が落ちた箇所では、壁紙切断用下敷きテープ200、300を、カッター118の刃が貫通して、例えば、天井、壁面などの下地202、302を切ってしまうおそれがある。
すなわち、壁紙施工作業後の下地202、302を確認すると、無数の点線のように傷が付いていることがある。その結果、このような点線部分で、連続的に実線として繋がった箇所から、壁紙側の糊が乾燥して、壁紙に浮いた部分が生じてしまうことになる。
また、このように点線部分が連続的に実線として繋がった箇所において、下地202、302が目開きして、その上に貼られた壁紙も一緒に引き裂かれてしまうことにもなる。
一方、その反対に、凹凸層206、306の凹凸の高低差が高い場合、カッター118をスライドさせるスピードが速ければ速いほど、凹凸層206、306の凹部にカッターッター118の刃が届かないことがある。
その結果、壁紙の切り損ねが発生するとともに、壁紙の施工作業者が、このような切り損ねを感知できないことが多く、壁紙の切れ端を取り去る際に、切り損ねた箇所をむしり取る形になってしまい、壁紙の施工状態の見栄えが悪くなってしまう。
たとえ、このような切り損ねを、壁紙の施工作業者が感知できたとしても、切り損ね箇所が切れるまで、再度凹凸層206、306の凹部(壁紙)に、カッター118の刃を入れることになるため、いびつな裁断面となって、壁紙の施工状態の見栄えが悪くなってしまう。
さらに、壁紙切断用下敷きテープ200、300の表面層(凹凸層206、表面層308)を、カッター118で容易に切れないような硬い材質を使用すればするほど、壁紙の切り損じが発生しやすくなる。
このような状態を避けるために、壁紙の施工作業者は、少し切断状態が深めになるように意識して、カッター118を押しつけようとする。このため、カッター118の刃が、下地202、302までまで到達してしまい、下地202、302までを切ってしまったり、逆に、壁紙切断用下敷きテープ200、300の切り損ねが発生してしまうこととになる。
また、壁紙の施工作業者は、切り始めと切終わりにカッター118を壁面に当てる力が強くなり、その中間は弱くなる傾向がある。そのため、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢でカットする時は、さらにその強弱が大きくなって、下地を切ってしまったり、切り損ねが発生することになる。
従って、図6、図7(A)〜(D)の工程に示したように、壁紙100の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)においては、下記のような壁紙切断用下敷きテープが要望されている。
すなわち、壁紙切断用下敷きテープをカッター刃が通過しても、また、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢で施工しても、下地を傷つけることがない壁紙切断用下敷きテープが要望されている。
また、上下に重なった壁紙2枚を切り損ねることを防ぐために、下敷きテープの表面層が、カッター刃によって容易に切れる柔らかい材料であって、確実に壁紙を切断することができる壁紙切断用下敷きテープが要望されている。
一方、自動壁紙糊付機では、自動壁紙糊付機による糊付作業時に、壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104とカットテープ106)が、壁紙100の糊付け面である裏面102に貼着された状態で、壁紙100の表面側が、作業者側に位置する状態で排出されるので、作業者からは、壁紙切断用テープを、視認することができないようになっている。
このため、巻管にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104とカットテープ106)の終端が近づいて、巻き出し切れが発生することが分からず、また、終端が近づいても、巻き出し切れが発生することに気づかないことがある。
例えば、ロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用テープが、巻管からはがれた際に発生する異音によって、初めて壁紙切断用テープがなくなったことに気が付くことが多々あった。
しかしながら、この場合、壁紙切断用テープが、巻管からはがれた際に発生する異音が小さい場合には、周囲の作業環境の騒音にかき消されて、作業者が気が付かないこともあった。
従って、従来の自動壁紙糊付機では、このように、壁紙切断用テープの巻き出し切れが発生した状態では、自動壁紙糊付機でセットした長さ分の壁紙100を、壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104またはカットテープ106)が貼着されない状態で、糊付け工程が行われることになる。
このため、糊付け工程が終了して、セットした長さ分に裁断(カット)することによって、自動壁紙糊付機の下方に折り畳まれた状態の壁紙100について、壁紙切断用テープが貼着されない分の壁紙100を、床面などに真っ直ぐに広げて、手作業で、壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104またはカットテープ106)を貼り付ける手間と時間がかかり、煩雑な作業が必要となってしまうことになる。
特に、例えば、6畳、8畳の天井に貼る壁紙100の長さの平均は、3,640mm程度の長さが一般的であり、壁紙切断用テープが貼着されない部分が長い場合には、このような手作業で、壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104またはカットテープ106)を貼り付けるには、手間と時間がかかり、煩雑な作業が必要となってしまう。
このような手作業による壁紙切断用テープの貼り付け作業が必要であるので、手に糊が付着することになり、手を洗浄して拭き取る作業も必要になり、作業効率が低下する一因ともなっている。
また、巻き出し切れが発生した壁紙切断用テープを、新しい巻管にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープ104またはカットテープ106)と交換する作業も必要になり、作業効率が低下する一因ともなっている。
一方、例えば、天井などに壁紙を施工する際には、図10に示したように、壁紙400の裏面402の幅方向の端部402aから一定の距離t(例えば、10〜15mm)離間して、壁紙切断用テープ(壁紙切断用下敷きテープまたはカットテープ)404を貼着することが行われている。
このような壁紙切断用テープ404の貼着は、壁紙糊付機による糊付作業時に、壁紙糊付機によって貼り付けされている。
これにより、壁紙400の裏面402の幅方向の端部402aから一定の距離tだけ糊面が有することになって、天井に壁紙400を仮止めすることができ、壁紙施工に便利なように構成されている。
しかしながら、このような壁紙400の裏面402の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有する場合には、糊面が露出していることになる。
このため、壁紙400の端部から、壁紙400へ塗布した糊をなじませるためのオープンタイムを含めて徐々に糊が乾燥してしまい、貼着機能が失われてしまう。
これにより、壁紙糊付機で糊付され糊付面が合わされた状態で折りたたまれた壁紙を引きはがすことができなくなり、相剥ぎが起こって壁紙400の裏紙が破れてしまうことにより、壁紙400の天井への仮止めができないことになる。
さらに、このような壁紙400の裏面402の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有する場合には、糊面が露出して、糊が乾燥してしまい、貼着機能が失われてしまうので、長時間糊付した壁紙400を保管しておくことができない。
従って、糊面の糊の乾燥防止の為に保管機能を有する袋やケースの中へ水分を含ませたスポンジ・タオルなどを入れ、保水をしたり、あるいは糊付け後の壁紙を気をつけて、早め早めに壁紙400の貼着を行わねばならなず不便である。
本発明は、このような現状に鑑み、壁紙切断用下敷きテープをカッター刃が通過しても、また、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢で施工しても、下地を傷つけることがない壁紙切断用下敷きテープを提供することを目的とする。
また、本発明は、壁紙切断用下敷きテープの表面層が、カッター刃によって容易に切れる柔らかい材料であって、上下に重なった壁紙2枚を切り損ねることを防ぐことができ、確実に壁紙を切断することができ、かつ下地にまで到達しにくい壁紙切断用下敷きテープを提供することを目的とする。
また、本発明は、巻管にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用テープの終端が近づいて、巻き出し切れが発生することを事前に検知することが可能で、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用テープが貼着されない状態で、糊付け工程が行われることのない壁紙切断用下敷きテープおよび壁紙切断用テープを提供することを目的とする。
また、本発明は、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用テープが貼着されない分の壁紙を、床面などに真っ直ぐに広げて、手作業で、壁紙切断用テープを貼り付ける煩雑な作業が不要で、作業効率が良好で、新しい壁紙切断用テープと交換することが容易な、壁紙切断用下敷きテープおよび壁紙切断用テープを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することにより、例えば、天井に壁紙を仮止めすることができ、壁紙施工に便利であり、しかも、壁紙の端部から糊が乾燥するのを極力防ぐことによって相剥ぎを防ぐことができ、貼着機能が失われることがなく、壁紙の天井への仮止めができる壁紙切断用下敷きテープおよび壁紙切断用テープを提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の壁紙切断用下敷きテープは、
壁紙施工において壁紙を切断する際に用いられる壁紙切断用下敷きテープであって、
表面側に位置する軟質の表面層と、
前記表面層の下面側に位置する前記表面層よりも硬質の中間層と、
前記中間層の下面側で、壁、天井などの下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、表面側に位置する軟質の表面層を、連続した実線でカッターにより切断することができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層の下面側に、表面層よりも硬質の中間層が位置するので、硬質の中間層により、カッター刃が連続して下地へ到達するのを、ある程度物理的に防ぐことができる。
さらに、中間層の下面側で、壁、天井などの下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層を備えているので、凹凸層の凸凹により、壁紙施工作業者が、壁紙の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)する際に、壁紙施工作業者に対して、カッター刃に振動を伝えることができ、その振動により、壁紙施工作業が、感覚的に力加減を微妙にコントロールすることができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層と、表面層よりも硬質の中間層と、下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層との三層構造の物理的な厚みによって、下地へカッター刃が到達するのを防止することができる。その結果、下地に連続した切れ目が存在しにくくなるので、目開きが発生しにくくなり、壁紙施工の見栄えが良くなる。
従って、壁紙切断用下敷きテープをカッター刃が通過しても、また、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢で施工しても、下地を傷つけることが少ない壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、壁紙切断用下敷きテープの表面層が、カッター刃によって容易に切れる柔らかい材料であって、上下に重なった壁紙2枚を切り損ねることを防ぐことができ、確実に壁紙を切断することができる壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、本発明の壁紙切断用下敷きテープは、
前記壁紙切断用下敷きテープが、巻管に巻装されており、
前記壁紙切断用下敷きテープの巻き始め端が、長手方向に一定間隔離間して、前記巻管に貼着されていることを特徴とする。
このように構成することによって、壁紙切断用下敷きテープが、巻管に巻装されており、壁紙切断用下敷きテープの巻き始め端が、長手方向に一定間隔離間して、巻管に貼着されている。
これにより、壁紙切断用下敷きテープが、巻管からはがれた際に発生する複数段階の異音によって、巻管にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用下敷きテープの終端が近づいて、巻き出し切れが発生することを事前に検知することが可能である。
また、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用下敷きテープが貼着されない状態で、糊付け工程が行われることのない壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用下敷きテープが貼着されない分の壁紙を、床面などに真っ直ぐに広げて、手作業で、壁紙切断用下敷きテープを貼り付ける煩雑な作業が不要で、作業効率が良好で、新しい壁紙切断用下敷きテープと交換することが容易な、壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、本発明の壁紙切断用下敷きテープは、
前記壁紙切断用下敷きテープが、前記壁紙切断用下敷きテープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、壁紙切断用下敷きテープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されているので、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用下敷きテープを剥離することによって、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになる。
その結果、例えば、天井に壁紙を仮止めすることができ、壁紙施工に便利であり、しかも、壁紙の端部は、壁紙切断用下敷きテープで覆われた状態であるので、壁紙の端部から糊が乾燥するのを極力防ぐことによって相剥ぎを防ぐことができ、貼着機能が失われることがない。
しかも、壁紙の天井への仮止めの際には、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用下敷きテープを容易に剥離することができ、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになって、壁紙の天井への仮止めができ、極めて便利である。
また、本発明の壁紙切断用下敷きテープは、
前記凹凸層が、平面視で略格子状の凹凸から形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、凹凸層の略格子状の凸凹により、壁紙施工作業者が、壁紙の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)する際に、壁紙施工作業者に対して、カッター刃に振動を伝えることができ、その振動により、壁紙施工作業が、感覚的に力加減を微妙にコントロールすることができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
また、本発明の壁紙切断用テープは、
壁紙施工において壁紙を切断する際に用いられる壁紙切断用テープであって、
前記壁紙切断用テープが、前記壁紙切断用テープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、壁紙切断用テープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されているので、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用テープを剥離することによって、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになる。
その結果、例えば、天井に壁紙を仮止めすることができ、壁紙施工に便利であり、しかも、壁紙の端部は、壁紙切断用テープで覆われた状態であるので、壁紙の端部から糊が乾燥のを極力防ぐことによって相剥ぎを防ぐことができ、貼着機能が失われることがない。
しかも、壁紙の天井への仮止めの際には、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用テープを容易に剥離することができ、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになって、壁紙の天井への仮止めができ、極めて便利である。
また、本発明の壁紙切断用テープは、
壁紙施工において壁紙を切断する際に用いられる壁紙切断用テープであって、
前記壁紙切断用テープが、巻管に巻装されており、
前記壁紙切断用テープの巻き始め端が、長手方向に一定間隔離間して、前記巻管に貼着されていることを特徴とする。
このように構成することによって、壁紙切断用テープが、巻管に巻装されており、壁紙切断用テープの巻き始め端が、長手方向に一定間隔離間して、巻管に貼着されているので、壁紙切断用テープが、巻管からはがれた際に発生する複数段階の異音によって、巻管にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用テープの終端が近づいて、巻き出し切れが発生することを事前に検知することが可能で、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用テープが貼着されない状態で、糊付け工程が行われることのない壁紙切断用テープを提供することができる。
また、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用テープが貼着されない分の壁紙を、床面などに真っ直ぐに広げて、手作業で、壁紙切断用テープを貼り付ける煩雑な作業が不要で、作業効率が良好で、新しい壁紙切断用テープと交換することが容易な、壁紙切断用テープを提供することができる。
また、本発明の壁紙切断用テープは、
前記壁紙切断用テープが、前記壁紙切断用テープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、壁紙切断用テープの幅方向の一端部から所定距離離間して、長手方向にミシン目切断線が形成されているので、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用テープを剥離することによって、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになる。
その結果、例えば、天井に壁紙を仮止めすることができ、壁紙施工に便利であり、しかも、壁紙の端部は、壁紙切断用テープで覆われた状態であるので、壁紙の端部から糊が乾燥することなく、貼着機能が失われることがない。
しかも、壁紙の天井への仮止めの際には、ミシン目切断線から壁紙の端部側の壁紙切断用テープを容易に剥離することができ、壁紙の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになって、壁紙の天井への仮止めができ、極めて便利である。
本発明によれば、表面側に位置する軟質の表面層を、連続した実線でカッターにより切断することができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層の下面側に、表面層よりも硬質の中間層が位置するので、硬質の中間層により、カッター刃が連続して下地へ到達するのを、ある程度物理的に防ぐことができる。
さらに、中間層の下面側で、壁、天井などの下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層を備えているので、凹凸層の凸凹により、壁紙施工作業者が、壁紙の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)する際に、壁紙施工作業者に対して、カッター刃に振動を伝えることができ、その振動により、壁紙施工作業が、感覚的に力加減を微妙にコントロールすることができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層と、表面層よりも硬質の中間層と、下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層との三層構造の物理的な厚みによって、下地へカッター刃が到達するのを防止することができる。その結果、下地に連続した切れ目が存在にくくなるので、目開きが発生しにくくなり、壁紙施工の見栄えが良くなる。
従って、壁紙切断用下敷きテープをカッター刃が通過しても、また、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢で施工しても、下地を傷つけることが少ない壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、壁紙切断用下敷きテープの表面層が、カッター刃によって容易に切れる柔らかい材料であって、上下に重なった壁紙2枚を切り損ねることを防ぐことができ、確実に壁紙を切断することができる壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の壁紙切断用下敷きテープ10の部分拡大断面図である。
図1において、符号10は、全体で本発明の壁紙切断用下敷きテープ10を示している。
本発明の壁紙切断用下敷きテープ10は、前述の図6、図7に示したように、壁紙施工において壁紙を切断する際に用いられる壁紙切断用下敷きテープ10である。
図1に示したように、壁紙切断用下敷きテープ10は、表面側(カッターの刃が当たる側)に位置する軟質の表面層12を備えている。そして、表面層12の下面側に位置する表面層よりも硬質の中間層14を備えている。さらに、中間層14の下面側で、例えば、壁、天井などの下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層16を備えている。
この場合、表面層12は、例えば、ポリエチレンなどの、柔らかくて(軟質の)カッターの刃によって、容易に切断し易いフラットなフィルムから構成されているのが望ましい。
また、中間層14は、例えば、ポリエチレンより硬質のポリプロピレン、アルミ箔などの金属を蒸着するなどにより形成した金属層などの、表面層12よりも硬質の中間層14から構成されているのが望ましい。
さらに、凹凸層16は、例えば、ポリエチレンより硬質のポリプロピレンなどの、表面層12よりもよりも硬質の凹凸層16から構成されているのが望ましい。
また、凹凸層16は、凹凸を有していればその構造は、特に限定されるものではないが、凹凸層の凸凹により、壁紙施工作業者が、壁紙の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)する際に、壁紙施工作業者に対して、カッター刃に振動を伝えることができ、その振動により、壁紙施工作業が、感覚的に力加減を微妙にコントロールすることができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる構造であるのが望ましい。
このような凹凸層16としては、例えば、凹凸層16が、平面視で略格子状の凹凸から形成されているのが望ましい。
さらに、この場合、表面層12と、中間層14と、凹凸層16との硬さの割合は、特に限定されるものではないが、後述する壁紙の切断効果を考慮すれば、表面層12と、中間層14と、凹凸層16との硬さの割合としては、例えば、中間層14と、凹凸層16の硬さを、表面層12の硬さに対して、1.5倍程度の硬さにするのが望ましい。
また、この場合、表面層12と、中間層14と、凹凸層16との厚さの割合は、表面層12と、中間層14と、凹凸層16の材質に応じて適宜選択すれば良く、特に限定されるものではない。
この場合、後述する壁紙の切断効果を考慮すれば、例えば、表面層12の厚さを0.04mm、中間層14の厚さを0.04mmと、凹凸層16の厚さを0.18mmとするのが望ましい。
なお、上記の各層の厚みについては、ここで説明した厚みに、何ら限定されるものではないことはもちろんである。
また、壁紙切断用下敷きテープ10の厚みとしても特に限定されるものではないが、薄い方がより望ましいく、例えば、壁紙切断用下敷きテープ10の厚みは、0.1〜0.4mm程度にしておくことのが望ましい。
さらに、凹凸層16の凹凸面の凸凹の間の距離は、図1に示したように、所定の均一な間隔でも、また、不均等(ランダム)な間隔でも良い。
また、図11に示したように、凹凸層16の下側に(下地側に)、もう一層、凹凸層16の凹凸と逆の凹凸の配置となるように、第2の凹凸層18を設けても良い。
この第2の凹凸層18の凹凸面の凸凹の間の距離は、図1に示したように、所定の均一な間隔でも、また、不均等(ランダム)な間隔でも良い。
この場合にも、面層12と、中間層14と、凹凸層16、第2の凹凸層18との厚さの割合は、表面層12と、中間層14と、凹凸層16、第2の凹凸層18の材質に応じて適宜選択すれば良く、特に限定されるものではない。
この場合、後述する壁紙の切断効果を考慮すれば、例えば、表面層12の厚さを0.04mm、中間層14の厚さを0.04mmと、凹凸層16の厚さを0.1mm、第2の凹凸層18の厚さを0.1mmとするのが望ましい。
なお、この場合、凹凸層16、第2の凹凸層18の2つの凹凸層を設けたが、3つ以上の複数の凹凸層を設けることももちろん可能である。
なお、図1、図11は、本発明の壁紙切断用下敷きテープ10の部分拡大断面図を、あくまで模式的に示すものであって、各層の厚さは、図1、図11の厚さの割合に限定されるものではないことはもちろんである。
このように構成することによって、表面側に位置する軟質の表面層12を、連続した実線でカッターにより切断することができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層12の下面側に、表面層12よりも硬質の中間層14が位置するので、硬質の中間層14により、カッター刃が連続して下地へ到達するのを、ある程度物理的に防ぐことができる。
さらに、中間層14の下面側で、壁、天井などの下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層16を備えているので、凹凸層16の凸凹により、壁紙施工作業者が、壁紙の突合せ部(ジョイント部)の施工(壁紙の重ね切りによるジョイントカット)する際に、壁紙施工作業者に対して、カッター刃に振動を伝えることができ、その振動により、壁紙施工作業が、感覚的に力加減を微妙にコントロールすることができ、壁紙を切り損ねることなく確実に切断できる。
しかも、表面層12と、表面層12よりも硬質の中間層14と、下地側に位置する凹凸が形成された凹凸層16との三層構造の物理的な厚みによって、下地へカッター刃が到達するのを防止することができる。その結果、下地に連続した切れ目が存在にくくなるので、目開きが発生しにくくなり、壁紙施工の見栄えが良くなる。
従って、壁紙切断用下敷きテープ10をカッター刃が通過しても、また、壁紙の施工作業者が窮屈な体勢で施工しても、下地を傷つけることがない壁紙切断用下敷きテープを提供することができる。
また、壁紙切断用下敷きテープ10の表面層12が、カッター刃によって容易に切れる柔らかい材料であって、上下に重なった壁紙2枚を切り損ねることを防ぐことができ、確実に壁紙を切断することができる壁紙切断用下敷きテープ10を提供することができる。
(実施例2)
図2は、本発明の別の実施例の壁紙切断用下敷きテープを説明する概略斜視図である。
図2に示したように、この実施例の壁紙切断用下敷きテープ20は、巻管22に巻装されている。そして、壁紙切断用下敷きテープ20の巻き始め端24a(裏面)が、例えば、粘着剤(例えば、両面テープで)巻管22に貼着されている。そして、この巻き始め端24aから、一定間隔S離間して、壁紙切断用下敷きテープ20(裏面)が、例えば、粘着剤(例えば、両面テープで)を介して、壁紙切断用下敷きテープ20の表面を介して、間接的に巻管22に貼着されている(この実施例の場合には、図2の巻き始め端24a、巻き始め端24b、巻き始め端24cの3か所で巻管22に貼着されている)。
この場合、貼着箇所の数、一定間隔Sとしては、適宜選択すれば良く、特に限定されるものではなく、図2に示したように、S1とS2の距離を同じ距離、または、異なった距離だけ離間することもできる。
また、図2の巻き始め端24a、巻き始め端24b、巻き始め端24cの幅も特に限定されるものでなく、巻管からはがれた際に発生する音の大きさなどを考慮して適宜設定すれば良い。
このように構成することによって、壁紙切断用下敷きテープ20が、巻管22に巻装されており、壁紙切断用下敷きテープ20の巻き始め端(この実施例の場合には、図2の24a、24b、24cの3か所)が、長手方向に一定間隔離間して、巻管22に貼着されている。
これにより、壁紙切断用下敷きテープ20が、巻管からはがれた際に発生する複数段階の異音によって、巻管22にロール形状に巻かれた状態の壁紙切断用下敷きテープ20の終端が近づいて、巻き出し切れが発生することを事前に検知することが可能である。
また、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用下敷きテープ20が貼着されない状態で、糊付け工程が行われることのない壁紙切断用下敷きテープ20を提供することができる。
また、従来の自動壁紙糊付機のように、壁紙切断用下敷きテープ20が貼着されない分の壁紙を、床面などに真っ直ぐに広げて、手作業で、壁紙切断用下敷きテープ20を貼り付ける煩雑な作業が不要で、作業効率が良好で、新しい壁紙切断用下敷きテープ20と交換することが容易な、壁紙切断用下敷きテープ20を提供することができる。
なお、この実施例の場合には、壁紙切断用下敷きテープ20について説明したが、例えば、壁紙切断用下敷きテープ、カットテープから構成される壁紙切断用テープに適用することが可能である。
(実施例3)
図3は、本発明の別の実施例の壁紙切断用下敷きテープを壁紙の裏面側に貼着した状態を説明する壁紙の裏面から見た平面図、図4は、図3の壁紙を用いて、天井などの下地に仮止めする工程を説明する概略図である。
図3に示したように、この実施例の壁紙切断用下敷きテープ30は、壁紙切断用下敷きテープ30の幅方向の一端部30aから所定距離T(例えば、10〜15mm)離間して、長手方向にミシン目切断線34が形成されている。
また、壁紙切断用下敷きテープ30の一端部30aと壁紙32の裏面(糊付け面)の一端部32aが一致するように、壁紙32の裏面の長手方向に、壁紙切断用下敷きテープ30が貼着されている。
そして、例えば、天井などに壁紙32を施工する際には、図4の矢印に示したように、ミシン目切断線34から壁紙32の端部32a側の壁紙切断用下敷きテープ30を剥離することによって、壁紙32の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになる。
その結果、例えば、天井に壁紙32を仮止めすることができ、壁紙施工に便利であり、しかも、壁紙32の端部32aは、壁紙切断用下敷きテープ30で覆われた状態であるので、壁紙32の端部32aから糊が乾燥するのを極力防ぐことによって相剥ぎを防ぐことができ、貼着機能が失われることがない。
しかも、壁紙32の天井への仮止めの際には、ミシン目切断線34から壁紙32の端部32a側の壁紙切断用下敷きテープ30を容易に剥離することができ、壁紙32の裏面の幅方向の端部から一定の距離だけ糊面が有することになって、壁紙32の天井への仮止めができ、極めて便利である。
なお、この実施例の場合には、壁紙切断用下敷きテープ30について説明したが、例えば、壁紙切断用下敷きテープ、カットテープから構成される壁紙切断用テープに適用することが可能である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。