JP2019098581A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷装置において、媒体をより適切に搬送する。【解決手段】インクジェット方式で印刷を行う印刷装置10であって、インクジェットヘッド12と、媒体搬送部14とを備え、媒体搬送部14は、媒体50を静電吸着する吸着用部材である静電吸着ベルト102と、静電吸着ベルト102の少なくとも一部を帯電させる帯電用部材104とを有し、帯電用部材104は、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域を帯電させる単極性帯電部と、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域以外の部分の少なくとも一部である非対向領域を帯電させる双極性帯電部とを有し、単極性帯電部は、媒体50の表面においてインクジェットヘッド12と対向する領域が正又は負のいずれか一方の極性に帯電するように、ヘッド対向領域を帯電させ、双極性帯電部は、非対向領域を双極性に帯電させる。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
従来、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている。インクジェットプリンタにおいては、印刷対象の媒体(メディア)として、様々な素材の媒体を使用可能である。例えば、従来、布の媒体に対してインクジェットプリンタで印刷を行う構成等が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−65076号公報
インクジェットプリンタにおいて印刷を行う場合、例えば媒体を搬送することにより、媒体においてインクジェットヘッドと対向する位置を順次変更する。また、媒体を搬送する方法としては、例えばローラ等を用いて所定の搬送方向へ媒体を搬送する方法等が広く用いられている。しかし、媒体の種類によっては、単にローラ等を用いるのみでは、適切に搬送を行うことが難しい場合がある。より具体的に、例えば、布の媒体に対して印刷を行う構成(テキスタイルプリンタ)の場合、媒体が変形しやすいため、単にローラ等で搬送するのみでは、高い精度での搬送を行えない場合がある。そのため、このような場合には、例えば、接着搬送の方法を用いることが考えられる。接着搬送の方法とは、例えば、接着剤を塗布したベルト(接着ベルト)に布の媒体(布地等)を貼り付けた状態で搬送を行う方法のことである。
しかし、この場合、例えば布の媒体から発生する繊維くずや埃が付着すること等の影響により、接着ベルトの接着剤の接着力が逓減すること等が考えられる。そのため、接着搬送の方法を用いる場合には、通常、一定期間毎に接着剤の塗り替えが必要となり、作業効率が低下するおそれがある。また、この場合、接着剤の塗布時に溶剤臭が発生するため、換気を行うことや、作業者以外の立ち入りを禁止するといった処置が必要になる。また、その結果、作業効率の低下や作業環境の劣化を生じること等が考えられる。
また、布の媒体等を搬送する方法としては、例えば、媒体を静電吸着により吸着して行う方法(静電吸着法)等も考えられる。また、この場合、例えば、布に帯電電荷を残し難く、かつ吸着効率がよくなるように、双極性帯電吸着法で媒体を吸着することが考えられる。双極性帯電吸着法とは、例えば、媒体の搬送方向に沿って正負の帯電部分が交互に発生する構成により吸着を行う方法のことである。
しかし、この場合、媒体が帯電する影響により、インク(インク滴)の着弾位置に乱れが生じること等が考えられる。より具体的に、双極性帯電吸着法を用いる場合、媒体を吸着する部材に生じさせた双極性の線電界により誘導された正及び負の双極性の電荷が媒体の表面上に分布することになるため、全体としては電気的に中性であっても、微視的には、媒体の表面と平行な方向において、正に帯電する領域と負に帯電する領域とに分かれる分極が生じることになる。この場合、微視的に分極が生じるとは、例えば、媒体が双極性に帯電することにより、インクの液滴の直径等と比べて大きな範囲を単位にして、媒体上に分極が生じることである。また、この場合、媒体の搬送に伴い、搬送速度で移動する変動電位が生じること等も考えられる。そして、インクジェット方式で吐出するような小容量のインク滴の液滴の場合、このようなわずかな分極等の影響によっても、インク滴が飛翔する軌道が変化して、着弾位置に乱れが生じやすくなる。また、その結果、印刷される画質が低下すること等が考えられる。
また、この場合、例えば帯電しやすいインクを用いると、着弾位置の乱れがより大きくなると考えられる。そのため、使用可能なインクについての制約が大きくなる場合もある。また、インクジェットヘッドの構造についても、吐出するインクが帯電しやすい構成であると、着弾位置の乱れがより生じやすくなる。例えば、吐出するインクがインクジェットヘッドにおける電極に触れるシェアモードタイプのインクジェットヘッドや、ノズルプレートやノズル面が絶縁物で構成されているインクジェットヘッド等の場合、上記のような問題が大きくなり、着弾位置の乱れが生じやすくなる。そのため、従来、より適切な方法で媒体を搬送することが望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
静電吸着法で媒体を搬送する場合において、微視的な分極の影響を防ぐためには、双極性帯電吸着法を用いずに、媒体の表面が正又は負の一方の極性のみになるように媒体を帯電させればよいようにも思われる。しかし、この場合、媒体の表面の全体として極性が大きく偏った状態で帯電した状態になるため、様々な問題が発生するおそれがある。より具体的には、例えば、媒体の全体に対して加わる静電力が大きくなり、媒体が意図しない箇所に吸着してしまうこと等が考えられる。また、周囲の埃等を媒体が吸い寄せやすくなること等も考えられる。
これに対し、本願の発明者は、媒体の表面においてインクジェットヘッドと対向する領域のみを一方の極性のみに帯電させ、他の領域を双極性に帯電させることを考えた。このように構成すれば、例えば、媒体の表面でインクジェットヘッドと対向する領域において、微視的な分極が生じることを適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることを適切に防ぐことができる。また、この場合、媒体においてインクジェットヘッドと対向する領域以外の部分は双極性に帯電させることで、媒体の表面の全体について、電気的に中性又は中性に近い状態にすることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、静電吸着法を用いて、媒体をより適切に搬送することができる。また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。
上記の課題を解決するために、本発明は、媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インクジェット方式でインクを吐出するインクジェットヘッドと、静電吸着により前記媒体を吸着しつつ予め設定された搬送方向へ前記媒体を搬送する媒体搬送部とを備え、前記媒体搬送部は、少なくとも一部が帯電することにより前記媒体を静電吸着する吸着用部材と、前記吸着用部材の少なくとも一部を帯電させる帯電用部材とを有し、前記帯電用部材は、前記吸着用部材において前記インクジェットヘッドと対向する領域であるヘッド対向領域を帯電させる単極性帯電部と、前記吸着用部材における前記ヘッド対向領域以外の部分の少なくとも一部である非対向領域を帯電させる双極性帯電部とを有し、前記単極性帯電部は、前記媒体の表面において前記インクジェットヘッドと対向する領域が正又は負のいずれか一方の極性に帯電するように、前記ヘッド対向領域を帯電させ、前記双極性帯電部は、前記媒体の表面において前記双極性帯電部により帯電する部分が正に帯電する部分と負に帯電する部分とを含む双極性に帯電するように、前記非対向領域を帯電させることを特徴とする。
このように構成した場合、例えば、吸着用部材におけるヘッド対向領域を帯電用部材の単極性帯電部により帯電させることで、媒体の表面においてインクジェットヘッドと対向する領域において、微視的な分極が生じることを適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることを適切に防ぐことができる。また、この場合、吸着用部材における非対向領域については帯電用部材の双極性帯電部により帯電させることで、媒体の表面の全体について、電気的に中性又は中性に近い状態にすることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、静電吸着法を用いて、媒体をより適切に搬送することができる。
また、この構成において、吸着用部材としては、例えば、静電吸着により媒体を吸着した状態で移動することにより媒体を移動させる部材(例えば、静電吸着ベルト等)を好適に用いることができる。また、媒体としては、布の媒体等を好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、布の媒体を適切に搬送することができる。また、媒体としては、布以外の媒体を用いてもよい。また、この構成において、インクジェットヘッドは、例えば、複数のノズルを有する。この場合、ヘッド対向領域の幅について、ノズルが存在する範囲に合わせて設定することが好ましい。より具体的に、例えば、インクジェットヘッドにおける複数のノズルが並ぶ範囲の搬送方向における幅をノズル範囲幅と定義した場合、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅について、ノズル範囲幅の0.9倍以上、2倍以下にすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることをより適切に防ぐことができる。また、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅は、ノズル範囲幅以上にすることがより好ましい。この場合、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅について、例えば、ノズル範囲幅の1〜1.5倍程度にすることが考えられる。
また、媒体の表面において双極性に帯電する部分に関し、極性が反転する周期が大きいと、電荷が偏ることの影響が生じやすくなる場合もある。そのため、極性が反転する周期については、十分に短くすることが好ましい。より具体的に、極性が反転する周期については、例えば、搬送方向におけるヘッド対向領域部の幅よりも短くすることが好ましい。この場合、帯電用部材の双極性帯電部は、例えば、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅よりも短い間隔で極性が反転するように、媒体の表面を双極性に帯電させる。この場合、極性が反転する周期とは、例えば、同じ極性に帯電する範囲の搬送方向における幅のことである。極性が反転する周期は、好ましくは、搬送方向におけるヘッド対向領域部の幅の1/2以下、更に好ましくは、1/4以下である。このように構成すれば、例えば、媒体上で電荷が偏ることの影響をより適切に防ぐことができる。
また、この構成において、印刷装置は、除電器を更に備えてもよい。この場合、除電器は、例えば、搬送方向においてインクジェットヘッドよりも下流側で、媒体から静電気を除去する。この場合、媒体から静電気を除去するとは、例えば、媒体において偏って帯電している電荷(残留電荷)を除去することである。このように構成すれば、例えば、媒体が正又は負のいずれかの極性に偏って帯電した場合にも、帯電の影響を適切に除去することができる。また、この構成においては、例えば、上記の一方の極性と反対の極性にインクを帯電させることで、より適切にインクを飛翔させること等も考えられる。この場合、インクジェットヘッドは、上記の一方の極性と反対の極性に帯電したインクを吐出する。このように構成した場合、飛翔中のインクは、媒体へ向かう方向の静電力を受けることになる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの飛翔を助け、インクのミスト化等を適切に防ぐことができる。また、より具体的に、この場合、上記の一方の極性を正の極性とし、インクを負に帯電させることが考えられる、
また、この場合、印刷装置10は、ヘッド電位調整部を更に備えることが好ましい。ヘッド電位調整部は、インクジェットヘッドの少なくとも一部の電位を調整するための構成であり、インクジェットヘッドから媒体へ向かう方向の力が帯電したインクに加わる向きになる電界をインクジェットヘッドと媒体との間に発生させる。また、この場合において、インクジェットヘッドから媒体へ向かう平行電界が形成されるように、インクジェットヘッドの電位を調整することが好ましい。このように構成すれば、例えば、電界によりインク滴の加速することで、インク滴の飛翔を助けることができる。また、これにより、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることをより適切に防ぐことができる。
また、このように構成した場合、例えば、インクジェットヘッドと媒体との間の距離(ギャップ、ギャップ長)が大きい場合にも、インクをより適切に着弾させることができる。より具体的に、この構成において、ギャップは、10mm以上であってもよい。この場合、ギャップが10mm以上であるとは、例えば、媒体との間の隙間を10mm以上空けてインクジェットヘッドがインクを吐出することである。このように構成すれば、例えば、毛足の長い布の媒体等を用いる場合にも、より適切に印刷を行うことができる。
また、ギャップより大きくするためには、例えば、インクの飛翔を助ける気流を発生させること等も考えられる。この場合、印刷装置は、例えば、媒体を挟んでインクジェットヘッドと対向する位置において空気を吸引する吸引部を更に備える。また、媒体としては、布の媒体等の、気体を通す媒体を用いる。また、必要に応じて、吸着用部材等としても、気体を通す構成を用いることが好ましい。このように構成すれば、例えば、ギャップがより大きい場合にも、インクをより適切に着弾させることできる。また、これにより、例えば、ギャップがより大きな印刷装置を提供すること等も可能になる。この場合、ギャップについて、例えば15mm以上にすること等が考えられる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。また、この印刷方法について、例えば、印刷物の製造方法と考えることもできる。
本発明によれば、媒体をより適切に搬送することができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置10の要部の構成の一例を示す図である。 インクジェットヘッド12の構成や静電吸着ベルト102の帯電のさせ方等について更に詳しく説明をする図である。図2(a)は、インクジェットヘッド12のより詳細な構成の一例を示す。図2(b)は、帯電用部材104の構成について更に詳しく説明をする図である。図2(c)は、静電吸着ベルト102と共に帯電用部材104を示す。 印刷装置10の構成の変形例について説明をする図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の要部の構成の一例を示す。本例において、印刷装置10は、例えば布帛等の布の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタ(静電吸着布帛搬送方式テキスタイルプリンタ)であり、インクジェットヘッド12、媒体搬送部14、除電器16、ヘッド電位調整部18、後乾燥手段20、及び制御部30を備える。
尚、以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、公知の印刷装置と同一又は同様の特徴を有してよい。また、図示した構成以外に、公知の印刷装置と同一又は同様の構成を更に有してもよい。また、本例において、印刷装置10は、インクジェットヘッド12に主走査動作を行わせるシリアル型のインクジェットプリンタである。この場合、主走査動作とは、予め設定された主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作のことである。また、本例において、主走査方向は、図中に示したY軸方向と平行な方向である。また、印刷装置10は、例えば、媒体50の各位置に対して複数回の主走査動作を行うマルチパス方式で印刷を行う。
インクジェットヘッド12は、インクジェット方式でインクを吐出する吐出ヘッドである。本例において、インクジェットヘッド12は、微細な孔であるノズル202が形成されたノズルプレートを有しており、ノズルプレートが媒体50と対向する向きで配設される。また、これにより、インクジェットヘッド12は、ノズル202から媒体50へ向けてインク(インク滴)を吐出する。インクジェットヘッド12としては、例えばピエゾ型のインクジェットヘッド等を好適に用いることができる。この場合、インクジェットヘッド12は、例えば、図中にVaとして示すようなパルス状の駆動信号に応じて、ノズル202からインクを吐出する。
インクジェットヘッド12から吐出するインクとしては、布への印刷が可能な公知のインクを好適に用いることが考えられる。また、このようなインクとしては、例えば、溶媒を乾燥させることで媒体50に定着する蒸発乾燥型のインク等を好適に用いることができる。この場合、印刷装置10は、インクを乾燥させるためのヒータ等を更に備えることが好ましい。また、ヒータは、例えば、媒体50を挟んでインクジェットヘッド12と対向する位置に配設される。また、本例において、インクジェットヘッド12のノズルプレートは、導電性のプレートである。これにより、インクジェットヘッド12は、少なくともノズル面が導電性になっている。また、本例において、インクジェットヘッド12のノズルプレートの電位は、図中に示すように、ヘッド電位調整部18により、接地電位に設定される。また、後に更に詳しく説明をするように、本例において、インクとしては、負の極性への帯電(負の帯電)が可能なインクを用いる。また、これにより、インクジェットヘッド12は、負に帯電したインクを、媒体50へ向けて吐出する。
尚、図1においては、図示の簡略化のため、インクジェットヘッド12のノズル202について、1つのノズル202のみを図示している。しかし、後に更に詳しく説明をするように、本例のインクジェットヘッド12は、複数のノズル202を有する。この場合、インクジェットヘッド12は、例えば、図中に幅Wとして示すインクジェットヘッド12の幅の範囲内に、複数のノズル202を有する。また、図1においては、印刷装置10が備えるインクジェットヘッド12として、1つのインクジェットヘッド12のみを図示している。しかし、印刷装置10は、複数のインクジェットヘッド12を備えてもよい。この場合、印刷装置10は、例えば、互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する複数のインクジェットヘッド12を備える。また、より具体的に、この場合、YMCKの各色用のインクジェットヘッド12を用いること等が考えられる。また、必要に応じて、RGBの各色用のインクジェットヘッド12や、白色、クリア色、又はメタリック色等の特色用のインクジェットヘッド12等を更に用いてもよい。また、上記においても説明をしたように、本例において、導電性のノズルプレートを有するインクジェットヘッド12を用い、ノズルプレートの電位を接地電位に調整している。しかし、インクジェットヘッド12の具体的な構成については、このような構成に限らず、様々に変更することも可能である。この場合、例えば、ノズル面が金属で形成されているインクジェットヘッド12や、表面に導電性層を設けた絶縁物質でノズル面が構成されるインクジェットヘッド12等を好適に用いることができる。
媒体搬送部14は、予め設定された搬送方向へ媒体50を搬送する搬送手段である。この場合、搬送方向とは、例えば、予め設定された媒体50の搬送経路に沿った方向のことである。また、本例において、インクジェットヘッド12と対向する位置における媒体50の搬送方向は、主走査方向と直交する副走査方向(図中に示したX軸方向)と平行な方向になっている。また、媒体搬送部14は、静電吸着により媒体50を吸着しつつ媒体50の搬送を行う構成を有しており、静電吸着ベルト102、帯電用部材104、洗浄機106、吸引・ワイピング部108、払拭部110、乾燥部112、駆動ローラ114、複数の従動ローラ116、送り出しローラ122、テンション荷重ローラ124、巻き取りローラ126、及び複数の従動ローラ128を有する。
静電吸着ベルト102は、吸着用部材の一例であり、少なくとも一部が帯電することにより、媒体50を静電吸着する。また、静電吸着ベルト102は、静電吸着により媒体50を吸着した状態で移動することにより、搬送方向へ媒体50を移動させる。また、より具体的に、本例において、静電吸着ベルト102は、媒体50を静電吸着できる誘電体のベルト(静電吸着誘電体ベルト)である。静電吸着ベルト102としては、例えば、双極性静電吸着搬送用に用いられる公知の静電吸着ベルトと同一又は同様のベルト状部材等を好適に用いることができる。また、図1においては、図示の便宜上、静電吸着ベルト102について、破線により図示をしている。しかし、実際の構成において、静電吸着ベルト102としては、連続的に繋がるベルト状の部材を好適に用いることができる。
帯電用部材104は、静電吸着ベルト102の少なくとも一部を帯電させるための部材である。本例において、帯電用部材104は、図中に矢印A、Bで示す領域である静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域及び非対向領域を帯電させることにより、静電吸着ベルト102に媒体50を吸着させる。この場合、帯電用部材104のヘッド対向領域とは、図中に矢印Aで示すような、静電吸着ベルト102においてインクジェットヘッド12と対向する領域のことである。また、帯電用部材104の非対向領域とは、図中に矢印Bで示すような、搬送方向においてヘッド対向領域と隣接する領域のことである。また、非対向領域については、例えば、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域以外の部分の少なくとも一部等と考えることもできる。
また、本例において、帯電用部材104は、媒体50の表面においてヘッド対向領域に対応する部分が正の極性に帯電(正に帯電)し、非対向領域に対応する部分が双極性に帯電するように、帯電用部材104のヘッド対向領域及び非対向領域を帯電させる。この場合、媒体50の表面が双極性に帯電するとは、例えば、正に帯電する部分と負に帯電する部分とを含むように帯電することである。また、静電吸着ベルト102の帯電のさせ方については、後に更に詳しく説明をする。
洗浄機106、吸引・ワイピング部108、払拭部110、乾燥部112は、印刷の動作中に静電吸着ベルト102のメンテナンスを行うための部材である。また、これらのうち、洗浄機106は、静電吸着ベルト102の洗浄を行うための構成であり、静電吸着ベルト102においてインクジェットヘッド12と対向する位置を通過した後の部分へ洗浄液等の液体を吹き付けることにより、静電吸着ベルト102の洗浄を行う。また、吸引・ワイピング部108は、静電吸着ベルト102において洗浄機106の位置を通過後の部分に対して吸引及びワイピングを行う構成である。払拭部110は、静電吸着ベルト102において吸引・ワイピング部108の位置を通過後の部分に対して払拭を行う構成である。また、乾燥部112は、静電吸着ベルト102において払拭部110の位置を通過後の部分を乾燥させる構成である。これらの構成を用いることにより、例えば、印刷の動作中に、静電吸着ベルト102のクリーニングを行うことができる。また、これにより、例えば、インクジェットヘッド12と対向する位置の通過時に媒体50を通過したインクが静電吸着ベルト102に付着した場合等にも、付着したインクを適切に除去することができる。
また、駆動ローラ114、及び複数の従動ローラ116は、搬送方向に沿って静電吸着ベルト102を移動させるための構成である。駆動ローラ114は、静電吸着ベルト102と接触した状態で回転することにより、搬送方向に沿って静電吸着ベルト102を移動させる。また、複数の従動ローラ116は、所定の位置で静電吸着ベルト102と接触するローラであり、静電吸着ベルト102の移動に従って回転する。このように構成すれば、例えば、静電吸着ベルト102を適切に移動させることができる。また、この場合、静電吸着ベルト102に静電吸着された媒体50も、静電吸着ベルト102と共に移動することになる。そのため、本例によれば、静電吸着ベルト102を用いて媒体50を適切に搬送することができる。
また、媒体搬送部14の構成のうち、送り出しローラ122、テンション荷重ローラ124、巻き取りローラ126、及び複数の従動ローラ128は、静電吸着ベルト102と共に媒体50を搬送するための構成である。また、より具体的に、本例において、印刷装置10は、図中に示すように、ロール状に巻かれた媒体50をインクジェットヘッド12と対向する位置へ送り出し、かつ、搬送方向にいてインクジェットヘッド12よりも下流側において、媒体50の巻き取りを行う。また、この場合、媒体50は、搬送経路の一部において、静電吸着ベルト102と接触する。
また、この場合、送り出しローラ122、テンション荷重ローラ124、巻き取りローラ126、及び複数の従動ローラ128は、主に、媒体50と静電吸着ベルト102とが接触しない位置において、媒体50を搬送する。例えば、送り出しローラ122は、印刷前の媒体50がロール状に巻かれたロール状媒体を回転させるローラであり、印刷の進行に応じて媒体50を順次繰り出す。テンション荷重ローラ124は、搬送される媒体50に所定のテンションをかけるためのローラである。巻き取りローラ126は、インクジェットヘッド12よりも下流側で媒体50を巻き取るためのローラであり、媒体50において印刷が完了した部分を順次巻き取ることにより、印刷が完了した媒体50の巻き取りを行う。また、複数の従動ローラ128は、所定の位置で媒体50と接触するローラであり、媒体50の移動に従って回転する。このような構成により、本例において、媒体搬送部14は、静電吸着により媒体50を吸着しつつ、媒体50の搬送を行う。
除電器16は、媒体50から静電気を除去するための構成である。媒体50から静電気を除去するとは、例えば、媒体50において偏って帯電している電荷(残留電荷)を除去することである。また、本例において、除電器16は、媒体50の搬送経路においてインクジェットヘッド12よりも下流側に配設され、媒体50から静電気を除去する。このように構成すれば、例えば、媒体50が正又は負のいずれかの極性に偏って帯電した場合にも、残留電荷を適切に消去することができる。また、これにより、例えば、帯電の影響を適切に除去することができる。また、より具体的に、上記においても説明をしたように、本例においては、媒体50の表面においてヘッド対向領域に対応する部分を正に帯電させる。そして、この場合、インクジェットヘッド12よりも下流側において、媒体50が正の極性に偏って帯電するおそれもある。これに対し、本例によれば、このような帯電の影響を適切に除去することができる。除電器16としては、公知の除電器を好適に用いることができる。より具体的に、除電器16としては、例えば、除電の相手側になる媒体50に帯電している電荷の極性と逆の正又は負のイオンを自動的に選択して取り出せるシールド型の除電器等を好適に用いることができる。また、除電器16としては、例えば、コロナ線を発生させるコロナ放電式の除電器等を好適に用いることができる。
ヘッド電位調整部18は、インクジェットヘッド12の少なくとも一部の電位を調整するための構成である。また、より具体的に、本例において、ヘッド電位調整部18は、上記においても説明したように、インクジェットヘッド12におけるノズルプレートの電位を接地電位に調整する。ヘッド電位調整部18を用いて電位を調整する理由等については、後に更に詳しく説明をする。
後乾燥手段20は、インクジェットヘッド12よりも下流側で媒体50を加熱するヒータである。後乾燥手段20としては、例えば赤外線ヒータ等を好適に用いることができる。後乾燥手段20を用いることにより、例えばインクジェットヘッド12によるインクの吐出や除電器16による除電の工程を経た媒体50を加熱して、インクを十分に乾燥させることができる。また、これにより、媒体50に対し、より適切にインクを定着させることができる。また、この場合、インクを十分に乾燥させることにより、巻き取りローラ126での媒体50の巻き取りをより適切に行うこと等も可能になる。
制御部30は、印刷装置10の各部を制御するコントローラである。本例によれば、布の媒体50に対し、適切に印刷を行うことができる。また、静電吸着ベルト102等を用いて、静電吸着法で媒体50を適切に搬送することができる。
続いて、帯電用部材104による静電吸着ベルト102の帯電のさせ方等について、更に詳しく説明をする。図2は、本例において用いるインクジェットヘッド12の構成や静電吸着ベルト102の帯電のさせ方等について更に詳しく説明をする図である。図2(a)は、インクジェットヘッド12のより詳細な構成の一例を示す。
上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド12は、複数のノズル202を有する。また、複数のノズル202は、例えば図中に示すように、副走査方向(X軸方向)と平行なノズル列方向に並んで、ノズル列を構成している。また、以下においては、インクジェットヘッド12におけるノズルが存在する範囲の副走査方向における幅について、ノズル範囲幅Wnと定義する。ノズル範囲幅Wnについては、例えば、インクジェットヘッド12におけるノズル列の長さ等と考えることもできる。また、ノズル範囲幅Wnについて、例えば、インクジェットヘッド12における複数のノズル202が並ぶ範囲の搬送方向における幅等と考えることもできる。また、上記においても説明をしたように、本例においては、媒体50の表面においてヘッド対向領域に対応する部分について、正に帯電させる。また、この場合において、ヘッド対向領域について、ノズル範囲幅Wnに合わせて設定することが好ましい。
図2(b)、(c)は、帯電用部材104による静電吸着ベルト102の帯電のさせ方等について、更に詳しく説明をする図である。図2(b)は、帯電用部材104の構成について更に詳しく説明をする図であり、図1に示した帯電用部材104を拡大して、インクジェットヘッド12と共に示す。図2(c)は、静電吸着ベルト102と共に帯電用部材104を示す図であり、図1に示した構成の一部を抜き出して示す。本例において、帯電用部材104は、単極性帯電部302及び複数の双極性帯電部304を有する。単極性帯電部302は、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域を帯電させるための部分であり、静電吸着ベルト102を挟んでインクジェットヘッド12と対向する位置に配設され、所定の極性に帯電することにより、静電吸着ベルト102のヘッド対向領域を帯電させる。また、この場合、単極性帯電部302は、自身が正又は負のいずれか一方の極性に帯電することで、媒体50の表面においてインクジェットヘッド12と対向する領域が正又は負のいずれか一方の極性に帯電するように、ヘッド対向領域を帯電させる。また、より具体的に、本例において、単極性帯電部302は、1つの電極で構成されており、図中に示すように正に帯電することで、媒体50の表面においてインクジェットヘッド12と対向する領域が正に帯電するように、ヘッド対向領域を帯電させる。また、本例においては、上記においても説明をしたように、インクジェットヘッド12のノズル面を構成するノズルプレートの電位を、接地電位にする。この場合、正に帯電するとは、例えば、ノズル面の電位を基準にして、正に帯電することである。また、この場合、単極性帯電部302については、非双極の正極性電圧のみが印加される区間(正極性電圧印加区間)等と考えることもできる。また、この場合、単極性帯電部302の状態に応じて帯電する静電吸着ベルト102のヘッド対向領域については、例えば、正極性の帯電により静電吸着を行う区間(正極性静電吸着区間)等と考えることができる。また、正極性静電吸着区間については、例えば、インクジェットヘッド12のプリント幅の範囲において正極性の帯電により静電吸着を行う区間等と考えることもできる。また、この場合、単極性帯電部302の幅(搬送方向における幅)についても、ノズル範囲幅Wnに合わせて設定することが好ましい。このように構成すれば、例えば、ヘッド対向領域の幅を適切に設定できる。
また、図示は省略しているが、主走査方向における単極性帯電部302の幅については、主走査動作時にインクジェットヘッド12が移動する幅である主走査幅Wsに合わせて設定することが好ましい。この場合、主走査幅Wsとは、1回の主走査動作によりインクジェットヘッド12がインクを吐出可能な範囲の主走査方向における幅のことである。また、より具体的に、単極性帯電部302の主走査方向における幅については、静電吸着ベルト102のヘッド対向領域の主走査方向における幅がWs以上になるような幅にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、1回の主走査動作でインクが吐出される面積Ws×Wnより広い面積からなる正極性静電吸着区間を適切に設けることができる。また、これにより、例えば、媒体50の表面において正極性静電吸着区間の全体に対応する範囲に対し、正電圧を適切に印加することができる。
また、複数の双極性帯電部304は、静電吸着ベルト102における非対向領域を帯電させるための部分であり、搬送方向の上流側及び下流側のそれぞれにおいて単極性帯電部302と隣接する位置に配設され、自身が帯電することで、静電吸着ベルト102の非対向領域を帯電させる。また、この場合、双極性帯電部304は、媒体50の表面において双極性帯電部304により帯電する部分が双極性に帯電するように、非対向領域を帯電させる。双極性に帯電するとは、例えば、正に帯電する部分と負に帯電する部分とを含み、双極性静電吸着が可能なように、各構成が帯電することである。
また、より具体的に、本例において、それぞれの双極性帯電部304は、搬送方向に沿って並ぶ複数の電極306、308を有する。この場合、電極306は、図中に示すように、負に帯電する。また、電極308は、正に帯電する。このように構成すれば、例えば、静電吸着ベルト102の非対向領域を適切に双極性に帯電させることができる。また、このような構成において、双極性帯電部304については、例えば、搬送方向における単極性帯電部302の両側において双極性の電圧が印加される区間(双極性電圧印加区間)等と考えることもできる。また、双極性帯電部304については、例えば、負極性の電極306と正極性の電極308とが交互に並んだ区間等と考えることもできる。また、この場合、双極性帯電部304の状態に応じて帯電する静電吸着ベルト102の非対向領域については、例えば、双極性の帯電により静電吸着を行う区間(双極性静電吸着区間)等と考えることもできる。また、双極性静電吸着区間については、例えば、搬送方向における正極性静電吸着区間の両側の領域で場所を変えて交互に正及び負のそれぞれの極性により静電吸着を行う区間等と考えることもできる。
このように構成した場合、例えば、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域について、帯電用部材104の単極性帯電部302により帯電させることで、媒体50の表面においてインクジェットヘッド12と対向する領域に微視的な分極が生じることを適切に防ぐことができる。この場合、媒体50の表面においてインクジェットヘッド12と対向する領域に微視的な分極が生じるとは、例えば、媒体50の表面と平行な面内において、インクの着弾位置の精度に影響が与えるレベルで、正に帯電する部分と負に帯電する部分とが生じることである。本例によれば、このような微視的な分極の発生を防ぐことで、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることを適切に防ぐことができる。また、この場合、静電吸着ベルト102における非対向領域については、帯電用部材104の双極性帯電部304により帯電させることで、媒体50の表面の全体として、電気的に中性又は中性に近い状態にすることができる。そのため、本例によれば、例えば、インクの着弾位置の乱れを適切に防ぎつつ、静電吸着法での媒体50の搬送を適切に行うことができる。
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明や、変形例の説明等を行う。上記においても説明をしたように、本例の媒体搬送部14(図1参照)においては、静電吸着ベルト102の他に送り出しローラ122や巻き取りローラ126等(図1参照)を更に用いて、媒体50の搬送を行う。この場合、媒体50は、先ず、送り出しローラ122から巻き出されて、静電吸着ベルト102の位置へ送られる。そして、静電吸着ベルト102上に到達した媒体50は、双極性静電吸着区間及び正極性静電吸着区間となる静電吸着ベルト102のヘッド対向領域及び非対向領域において静電吸着される。そして、駆動ローラ114により静電吸着ベルト102を移動させることにより、静電吸着ベルト102と共に媒体50を移動させる。また、この場合、マルチパス方式(マルチパス走査)において行う各回の主走査動作の合間に静電吸着ベルト102及び媒体50を移動させることにより、間歇的に媒体50を搬送する。また、インクジェットヘッド12と対向する位置を通過した後の媒体50は、巻き取りローラ126により巻き取られる。本例によれば、布帛等の布の媒体を適切に搬送することができる。
また、インクの着弾位置の乱れを適切に防ぐためには、上記においても説明をしたように、静電吸着ベルト102におけるヘッド対向領域の幅について、ノズル範囲幅Wnに合わせて設定することが好ましい。この場合、ヘッド対向領域の幅とは、帯電用部材104の単極性帯電部302により帯電する領域の幅のことである。また、より具体的に、媒体50の搬送方向におけるヘッド対向領域の幅については、ノズル範囲幅Wnの0.9倍以上、2倍以下にすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、インクの着弾位置に乱れが生じることをより適切に防ぐことができる。また、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅は、ノズル範囲幅Wn以上にすることがより好ましい。例えば、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅については、ノズル範囲幅Wnの1〜1.5倍程度にすることが考えられる。また、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅については、ノズル範囲幅Wnの1.1倍以上にすることがより好ましい。
また、本例においては、インクジェットヘッド12と対向する領域の搬送方向における前後では、双極性静電吸着により、媒体50を吸着する。この場合、帯電用部材104の双極性帯電部304が双極性に帯電することに応じて、媒体50の表面も、双極性に帯電することになる。そして、この場合、媒体50の表面において双極性に帯電する部分に関し、極性が反転する周期が大きいと、電荷が偏ることの影響が生じやすくなる場合もある。極性が反転する周期とは、例えば、同じ極性に帯電する範囲の搬送方向における幅のことである。そのため、極性が反転する周期については、例えば、実質的に媒体50が電気的に中性となるように、十分に短くすることが好ましい。より具体的に、極性が反転する周期については、例えば、搬送方向におけるヘッド対向領域部の幅よりも短くすることが好ましい。この場合、帯電用部材104の双極性帯電部304は、例えば、搬送方向におけるヘッド対向領域の幅よりも短い間隔で極性が反転するように、媒体50の表面を双極性に帯電させる。極性が反転する周期は、好ましくは、搬送方向におけるヘッド対向領域部の幅の1/2以下、更に好ましくは、1/4以下である。このように構成すれば、例えば、媒体50上で電荷が偏ることの影響をより適切に防ぐことができる。
また、上記においても説明をしたように、本例においては、インクジェットヘッド12から吐出するインクを、負に帯電させる。また、ヘッド電位調整部18(図1参照)により、インクジェットヘッド12のノズルプレートの電位を接地電位に調整している。そして、この場合、インクジェットヘッド12と媒体50との間において、インクジェットヘッド12から媒体50へ向かう方向の力が帯電したインクに加わる向きの電界が発生することになる。この場合、ヘッド電位調整部18は、インクジェットヘッド12から媒体50へ向かう平行電界(静電平行電界)が形成されるように、インクジェットヘッド12等の電位を調整することが好ましい。このように構成すれば、例えば、正極性静電吸着区間において、媒体50へ向けて飛翔するインク滴を加速することができる。また、これにより、例えば、インクのミスト化等を適切に防ぐことができる。また、この場合、本例の構成について、例えば、帯電したインクを正極性静電吸着区間で加速し、かつ、双極性静電吸着区間で媒体50を静電吸着搬送する構成等と考えることもできる。
また、上記においても説明をしたように、本例によれば、例えば、インクの着弾位置の乱れを適切に防ぎつつ、静電吸着搬送を適切に行うことができる。また、この場合、静電吸着搬送を用いることにより、例えば、伸縮性のある柔らかい布地等の媒体50を用いる場合にも、蛇行やしわの発生を適切に防いで、安定な搬送や巻き取りを行うことができる。また、上記においても説明をしたように、本例においては、正極性静電吸着区間の両側が双極性静電吸着区間になるように、静電吸着ベルト102を帯電させる。このように構成すれば、例えば、正極性静電吸着区間以外の部分において、搬送される媒体50に帯電する電荷の偏りを最小化することができる。また、これにより、着弾位置の乱れをより適切に軽減することができる。
また、この場合において、例えば上記のようにインクを帯電させ、静電力を利用してインクの飛翔を助けることで、例えば、インクジェットヘッド12と媒体50との間の距離であるギャップを広くするワイドギャップ化を実現すること等も可能になる。より具体的に、従来の構成において、単にギャップを大きくしようとすると、空気抵抗の影響で媒体50に到達する前にインクの飛翔速度が低下して、ミスト化等が生じやすくなる。これに対し、本例においては、例えば、インク滴を上記のように帯電させ、インク滴の飛翔を助ける電界を発生させることで、インクのミスト化等を生じ難くすることが可能になる。また、これにより、ギャップについて、例えば10mm以上にすること等が可能になる。この場合、ギャップが10mm以上であるとは、例えば、媒体50との間の隙間を10mm以上空けてインクジェットヘッド12がインクを吐出することである。
そのため、本例によれば、例えば、毛足(繊維毛)の長い布帛等の媒体50を用いる場合にも、インクジェットヘッド12に毛足が触れて吐出不良が生じること等を防いで、より適切に印刷を行うことができる。また、これにより、例えば、毛足の長い布帛等の媒体50に対しても安定して印刷することが可能なワイドギャップの条件を適切に実現して、ワイドギャップ型の印刷装置を適切に提供することができる。また、この場合、インクのミスト化等が生じ難くなるため、インクジェットヘッド12において容量の小さなインクの液滴(小インク滴)を吐出する場合にも、媒体50へインクをより適切に到達させることが可能になる。そのため、本例によれば、例えば、従来よりも高い解像度(超解像度)での印刷をより適切に行うこと等も可能になる。
ここで、本例におけるインク滴の飛翔の仕方について、更に詳しく説明をする。説明の便宜上、先ず、従来の構成でインクを吐出した場合について、吐出後のインク滴の飛翔の様子等を説明する。インクジェット方式でインク滴を吐出した場合、近似的に考えると、吐出後のインク滴が飛翔する速度Vは、速度Vに比例する空気抵抗を受けて、減衰時定数(速度減衰寿命)τで減衰すると考えることができる。また、より具体的に、この場合、インクの初速度をV0とすると、時間tが経過した時点での速度インク滴の速度V(t)は、次式に従い急速に減速する。
V(t)=V0exp(−t/τ) 式(1)
また、インク滴の容量が5pL程度の場合、空気中において、減衰時定数τは、数ミリ秒以下程度になる。また、1200dpiの解像度での印刷を行う場合、インク滴の容量は、6pL程度以下にする必要がある。そのため、1200dpiの解像度での印刷を行う場合の減衰時定数τについても、数ミリ秒以下程度になると考えられる。そして、この場合、式(1)により、速度VがV0の1/eになるまでの到達距離を概算すると、6pL程度の容量のインク滴が安定して媒体に着弾できる距離は、3mm程度になる。
しかし、テキスタイルプリンタ等において、柔らかく、かつ、起毛を有する布帛等の媒体50への印刷を行う場合、媒体50とインクジェットヘッド12との間の距離(ギャップ)が3mm程度であると、媒体50がインクジェットヘッド12に接触しやすくなり、安定した印刷を行うことが難しくなる場合がある。そのため、様々な布の媒体50への印刷を行うことが必要なテキスタイルプリンタ等においては、10mm以上のギャップを保って、高解像度の印刷を行うことが望ましい。また、この点に関し、インク滴の容量(液滴サイズ)を大きくすれば、インク滴の到達距離について、インク滴の半径Rにほぼ比例して大きくすることもできる。しかし、この場合、印刷可能な解像度が低下することになる。そのため、従来の構成において、広いギャップと、高い解像度での印刷とを両立することは困難であった。
また、この点に関し、より具体的に考えた場合、空気中を飛翔する液滴に働く空気抵抗(抗力)Frは、次式で表されるように、速度Vが大きくなるに従って大きくなる。
Fr=kV 式(2) (レイノルド数の小さな低速条件でのストークスの法則)
又は
Fr=kV 式(3) (高速度条件でのニュートンの法則)
一方、飛翔中のインク滴の運動エネルギーは、インク滴の半径Rの3乗に比例(質量に比例)する。そのため、半径Rが小さく、運動エネルギーが小さな場合(小液滴の場合)には、運動エネギーが急速に減少して、空気抵抗の影響が優位になる。そのため、このような場合には、急速に飛翔速度が減速し、例えばインクジェットヘッド12の移動に伴って発生する気流に流されて、着弾が不正確になることが考えられる。また、この場合、ギャップが広すぎると、媒体50へ到達する前にインクがミスト化することになる。
これに対し、上記においても説明をしたように、本例においては、ノズル面が導電性を有するインクジェットヘッド12を用いて、正極性静電吸着区間において、負に帯電したインク滴を吐出する。このように構成すれば、例えば、式(2)及び式(3)で表される空気抵抗による抗力に対し、負に帯電して吐出されるインク滴にインクジェットヘッド12から媒体50へ向かう平行電界から加わる力で、減速分を補償することができる。また、これにより、例えば、インク滴の速度の低下を防ぎ、ギャップが大きい場合にも、媒体50にインクを適切に着弾させることができる。また、より具体的に、この場合、例えば、電界強度を5×10〜10volt/m程度にすることで、このような減速の補償を適切に行うことができる。また、例えばギャップが10mm程度である場合、帯電用部材104の単極性帯電部302に対して500〜10000Volt(ボルト)程度の正の電圧を印加することで、このような条件を適切に実現できる。また、この場合、インク滴が飛翔する速度を補償する電界の効果により、例えば、長い毛足を有する布帛の媒体50を用いる場合等に必要となる10mm程度以上のギャップを空けた印刷(ワイドギャッププリント)が可能になる。
また、ギャップより大きくして、更なるワイドギャップ化を可能にするためには、例えば、インク滴の飛翔を助ける気流を発生させること等も考えられる。図3は、印刷装置10の構成の変形例について説明をする図であり、インク滴の飛翔を助ける気流を発生させる場合の印刷装置10の要部の構成の一例を示す。
尚、以下において説明をする点を除き、図3において、図1及び図2と同じ符号を付した構成は、図1及び図2における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。また、図示の便宜上、図3においては、図1に示した印刷装置10の構成の一部を省略して図示している。しかし、本変形例における印刷装置10は、図3に示した構成以外にも、例えば図1に示した印刷装置10と同一又は同様の構成を更に有してもよい。また、本変形例の印刷装置10については、例えば、気流を加えた静電吸着布帛搬送方式テキスタイルプリンタ等と考えることができる。
本変形例においても、媒体50としては、例えば布の媒体50を用いる。また、この場合、媒体50について、気体を通す通気性の媒体の一例と考えることができる。また、本例においては、静電吸着ベルト102及び帯電用部材104についても、通気性の素材で形成された部材を用いる。より具体的に、静電吸着ベルト102としては、例えば、多孔性の誘電体のベルトやメッシュ状のベルト等を好適に用いることができる。また、メッシュ状のベルトとしては、例えば、フッ素の樹脂、ポリエステル、ナイロン、又はポリエチレンの糸等のプラスチック糸で編まれたベルト等を好適に用いることができる。また、帯電用部材104については、少なくとも正極性静電吸着区間に対応する部分について、通気性にする。この場合、例えば、帯電用部材104における単極性帯電部302(図2参照)に相当する部分について、通気性の多孔導電性フィルムやフッ素樹脂等のプラスチックで絶縁被覆をした絶縁電線のメッシュ等で形成すること等が考えられる。
また、本変形例において、印刷装置10は、媒体50、静電吸着ベルト102、及び帯電用部材104を挟んでインクジェットヘッド12と対向する位置に、吸引部32を更に備える。吸引部32は、インクジェットヘッド12から媒体50へ向かう気流を発生させる気流発生手段であり、真空ポンプ34により吸引がされることで、媒体50の裏面側において空気の吸引を行う。また、本変形例において、吸引部32は、フィルタ402を有しており、吸引した空気について、フィルタ402を介して、真空ポンプ34へ送る。
このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッド12と媒体50との間において、インク滴の飛翔を助ける気流を適切に発生させることができる。また、この場合、例えば、インクジェットヘッド12と媒体50との間で電界によりインク滴を加速することに加えて、気流を発生させることで、インク滴の減速をより適切に防ぐことができる。より具体的に、この場合、インク滴が気流に乗ることで空気抵抗が少なくなることが考えられる。また、この場合、気流の速度分だけインク滴の飛翔速度が高速化するため、媒体50へインクがより早く到達すること等も考えられる。そして、この場合、気流の速度に減衰時定数τを乗じた気流の速度×τに対応する距離だけ、ギャップをより大きくすることができる。そのため、本変形例によれば、例えば、このような気流を用いずに印刷を行う場合と比べて、ギャップがより大きい場合にも、インクをより適切に着弾させて、安定した印刷を適切に行うことができる。また、この場合、ギャップについて、例えば15mm以上(例えば、数cm程度)にすること等が考えられる。また、本変形例によれば、例えば、このようにギャップを拡げた場合にも、高精彩な画像をより適切に印刷することができる。
また、このような気流を用いることにより、例えば、インクのミスト化が生じた場合の影響を低減すること等も可能になる。より具体的に、ギャップを大きくして印刷を行う場合、例えば、インクジェットヘッド12の移動に伴って発生する横風等の影響により、インク滴のミスト化が生じやすくなる。そして、この場合、媒体50における意図しない位置にミストが着弾することや、インクジェットヘッド12の周辺に付着して溜まったミストが落下すること等により、媒体50が汚染される場合がある。これに対し、本変形例の場合、気流を発生することにより、ミストが意図しない箇所へ到達すること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、ミストによる媒体50の汚染等を適切に防ぐことができる。そのため、本変形例によれば、ワイドギャップの条件での安定した印刷をより適切に行うことができる。
また、印刷装置10の各部の特徴については、更に様々な変形等を行うこともできる。例えば、インクジェットヘッド12において用いるインクについては、上記において説明をしたインクに限らず、様々なインクを用いることが考えられる。この場合、媒体50の種類や印刷の用途等に応じて、使用するインクの種類を選択することが考えられる。また、より具体的に、インクとしては、各種の捺染染料インク等を用いることが考えられる。また、この場合、染料としては、例えば、昇華染料、分散染料、反応染料、酸性染料、化学染料、天然染料等を用いることが考えられる。また、インクの色材については、特定の色材に限定されず、例えば有機顔料や無機顔料等の顔料も使用可能である。また、上記においても説明をしたように、使用するインクの色についても、特定の色には限定されない。また、インクの定着のさせ方(硬化や定着の原理)についても、特に限定されず、水性インク、UVインク、ラテックスインク、ソルベントインク、SUVインク等を用いることができる。この場合、SUVインクとは、例えば、溶剤により希釈したUVインクのことである。また、インクジェットヘッド12についても、ピエゾ型に限らず、各種の方式のインクジェットヘッド12を用いることが考えられる。また、この場合、所定の極性(例えば、負の極性)にインクを帯電させることが可能な静電荷電型のインクジェットヘッド12を用いることが好ましい。
また、上記においては、媒体50について、主に、毛足の長い布帛等の布の媒体50を用いる場合について、説明をした。この場合、例えば、衣類に用いる布帛の媒体50等を用いることが考えられる。また、布の媒体50としては、例えば、毛足の長い絨毯やタオル地等を用いることも考えられる。また、衣類、内装材、カーテン、又はカバーシート等のように、加工後の布の媒体50を用いること等も考えられる。また、媒体50としては、布以外の媒体を用いてもよい。この場合、例えば、フィルム状又は板状等の各種の媒体50を用いることが考えられる。また、このような平坦な媒体50に限らず、例えば、凹凸の大きな媒体50等を用いること等も考えられる。この場合も、ギャップを大きくした構成を用いることで、様々な媒体50に対し、高い精度で適切に印刷を行うことができる。このような媒体50としては、例えば、玩具や各種の成形品等の立体物や、スマートフォンカバー等を用いることが考えられる。また、それ以外にも、例えば円筒状の物や多面体物等の種々の製品のような、ワイドギャップの条件での画像の印刷が必要な媒体50等を好適に用いることができる。
また、印刷装置10の各部を構成する材料等についても、上記において説明をした構成に限らず、様々に変更が可能である。例えば、静電吸着ベルト102については、布帛等の媒体50を静電吸着して搬送が可能な構成であれば、材質や構造の変化を制約するものではない。また、この場合、具体的な構成や印刷の目的等に合わせた構成を用いることが好ましい。より具体的には、例えば、例えば、インクジェットヘッド12から吐出されたインク滴を加速する電界を生じることが可能な構成を用いることが好ましい。また、媒体50を通過する気流を発生する場合には、空気を通す構成を用いることが好ましい。
また、正極性静電吸着区間等への電圧を印加する方法についても、様々に変更が可能である。例えば、上記においては、主に、帯電用部材104の単極性帯電部302に対し、直流電圧を常に加える場合の構成について、説明をした。しかし、単極性帯電部302への電圧の加え方については、例えば、パルス状の電圧を印加することで、インク滴の吐出タイミングに同期させて電圧を加えることや、インク滴の飛翔時間に重畳させて電圧を加えること等も考えられる。また、この場合、例えば、印刷装置10が印刷の動作を停止する非動作中(インク滴を吐出しない時間帯)には、電圧の印加を停止してもよい。また、帯電用部材104の双極性帯電部304に対しても、パルス状の電圧を印加してもよい。これらのように構成した場合も、例えば、インクの着弾位置の乱れを適切に防ぎつつ、静電吸着法での媒体50の搬送を適切に行うことができる。
また、上記においては、主に、吸着用部材として静電吸着ベルトを用いる場合の例について、説明をした。しかし、印刷に求められる品質や、媒体50の種類等に応じて、吸着用部材として、静電吸着ベルト以外の部材を用いること等も考えられる。また、この場合、媒体50を吸着しつつ移動する部材に限らず、吸着のみを行い、移動しない部材を用いること等も考えられる。より具体的に、このような吸着用部材としてしては、例えば、インクジェットヘッド12と対向する位置において媒体50を上面に支持する台状部材(例えば、プラテン等)を用いることが考えられる。この場合、プラテン等の台状部材について、媒体搬送部14の構成要素と考えることができる。また、この場合、媒体搬送部14においては、例えばローラ等を用いて、媒体50を搬送することが考えられる。このように構成した場合も、例えば、インクジェットヘッド12と対向する位置において単極性帯電部302を用いることで、インクの着弾位置に乱れが生じることを適切に防ぐことができる。また、この場合も、例えば、インクを帯電させることで、インクジェットヘッド12と媒体50との間で電界によりインク滴を加速することができる。更には、この場合も、インクジェットヘッド12と対向する位置以外の部分では双極性帯電部304を用いることにより、媒体50の表面の全体について、電気的に中性又は中性に近い状態にすることができる。
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
10・・・印刷装置、12・・・インクジェットヘッド、14・・・媒体搬送部、16・・・除電器、18・・・ヘッド電位調整部、20・・・後乾燥手段、30・・・制御部、34・・・真空ポンプ、32・・・吸引部、50・・・媒体、102・・・静電吸着ベルト、104・・・帯電用部材、106・・・洗浄機、108・・・吸引・ワイピング部、110・・・払拭部、112・・・乾燥部、114・・・駆動ローラ、116・・・従動ローラ、122・・・送り出しローラ、124・・・テンション荷重ローラ、126・・・巻き取りローラ、128・・・従動ローラ、202・・・ノズル、302・・・単極性帯電部、304・・・双極性帯電部、306・・・電極、308・・・電極、402・・・フィルタ

Claims (11)

  1. 媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
    インクジェット方式でインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    静電吸着により前記媒体を吸着しつつ予め設定された搬送方向へ前記媒体を搬送する媒体搬送部と
    を備え、
    前記媒体搬送部は、
    少なくとも一部が帯電することにより前記媒体を静電吸着する吸着用部材と、
    前記吸着用部材の少なくとも一部を帯電させる帯電用部材と
    を有し、
    前記帯電用部材は、
    前記吸着用部材において前記インクジェットヘッドと対向する領域であるヘッド対向領域を帯電させる単極性帯電部と、
    前記吸着用部材における前記ヘッド対向領域以外の部分の少なくとも一部である非対向領域を帯電させる双極性帯電部と
    を有し、
    前記単極性帯電部は、前記媒体の表面において前記インクジェットヘッドと対向する領域が正又は負のいずれか一方の極性に帯電するように、前記ヘッド対向領域を帯電させ、
    前記双極性帯電部は、前記媒体の表面において前記双極性帯電部により帯電する部分が正に帯電する部分と負に帯電する部分とを含む双極性に帯電するように、前記非対向領域を帯電させることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記吸着用部材は、静電吸着により前記媒体を吸着した状態で移動することにより前記媒体を移動させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インクジェットヘッドは、複数のノズルを有し、
    前記インクジェットヘッドにおける前記複数のノズルが並ぶ範囲の前記搬送方向における幅をノズル範囲幅と定義した場合、前記搬送方向における前記ヘッド対向領域の幅は、前記ノズル範囲幅の0.9倍以上、2倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記双極性帯電部は、前記搬送方向における前記ヘッド対向領域の幅よりも短い間隔で極性が反転するように、前記媒体の表面を双極性に帯電させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記搬送方向において前記インクジェットヘッドよりも下流側で前記媒体から静電気を除去する除電器を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記インクジェットヘッドは、前記一方の極性と反対の極性に帯電したインクを吐出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記インクジェットヘッドの少なくとも一部の電位を調整することで前記インクジェットヘッドから前記媒体へ向かう方向の力が前記帯電したインクに加わる向きになる電界を前記インクジェットヘッドと前記媒体との間に発生させるヘッド電位調整部を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記媒体は、布の媒体であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記インクジェットヘッドは、前記媒体との間の隙間を10mm以上空けて、インクを吐出することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記媒体は、気体を通す媒体であり、
    前記印刷装置は、前記媒体を挟んで前記インクジェットヘッドと対向する位置において空気を吸引する吸引部を更に備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
    インクジェットヘッドにより、インクジェット方式でインクを吐出し、
    媒体搬送部により、静電吸着により前記媒体を吸着しつつ予め設定された搬送方向へ前記媒体を搬送し、
    前記媒体搬送部は、
    少なくとも一部が帯電することにより前記媒体を静電吸着する吸着用部材と、
    前記吸着用部材の少なくとも一部を帯電させる帯電用部材と
    を有し、
    前記帯電用部材は、
    前記吸着用部材において前記インクジェットヘッドと対向する領域であるヘッド対向領域を帯電させる単極性帯電部と、
    前記吸着用部材における前記ヘッド対向領域以外の部分の少なくとも一部である非対向領域を帯電させる双極性帯電部と
    を有し、
    前記単極性帯電部は、前記媒体の表面において前記インクジェットヘッドと対向する領域が正又は負のいずれか一方の極性に帯電するように、前記ヘッド対向領域を帯電させ、
    前記双極性帯電部は、前記媒体の表面において前記双極性帯電部により帯電する部分が正に帯電する部分と負に帯電する部分とを含む双極性に帯電するように、前記非対向領域を帯電させることを特徴とする印刷方法。
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