JP2019095480A - 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 - Google Patents

撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】焦点検出結果の信頼性をより適切に判定可能な、像ブレ補正機能を有する撮像装置を提供する。【解決手段】撮影光学系の異なる瞳部分領域をそれぞれ通過する光束を光電変換することによって得られる複数の像信号の位相差に基づいて、焦点検出を行う焦点検出部と、像ブレ補正用の光学部材を駆動することにより被写体像の像ブレを補正する像ブレ補正部と、焦点検出部によって焦点検出が行われる期間中の、像ブレ補正部の駆動履歴の情報と、焦点検出部が焦点検出を行う焦点検出領域の情報と、撮影光学系を通過する光束に生じるケラレに関する情報とに基づいて、焦点検出部により検出された焦点検出結果の信頼性を判定する判定部とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像素子による焦点検出機能と、像ブレ補正機能とを有する撮像装置に関するものである。
現在のデジタルカメラは、位相差検出方式や、コントラスト検出方式の自動焦点調節機能を備えるものがほとんどである。これらの自動焦点調節機能のうち、撮影用の撮像素子の信号を用いて位相差検出方式の焦点検出を行う技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、撮像素子の撮像面に焦点検出を行うための焦点検出用画素が配置され、撮影光学系の射出瞳の異なる領域から得られる2つの撮像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う技術が開示されている。
また、近年のデジタルカメラでは、手振れなどによる像ブレを補正する像ブレ補正機能を備えるものが増えている。特許文献2には、撮像素子や撮影光学系の一部を駆動して像ブレ補正を行う技術が開示されている。
特許文献1のように撮影用の撮像素子を用いて焦点検出を行う際、特許文献2のように像ブレ補正がなされることで、撮影者が焦点を合わせたい被写体が撮影画面内の所望の位置、すなわち焦点検出枠内にとどまる。そのため、撮影者のフレーミングを的確にアシストすることが可能となる。
一方で、特許文献2に開示されているように、像ブレ補正のために撮像素子や撮影光学系の一部を駆動することは、実質的に撮影光学系の光軸と撮像素子中心の位置関係を変更することに相当し、焦点検出枠の像高が変更されるのと等価である。特許文献1に開示されているような、撮像素子での焦点検出においては、像高の変動は、焦点検出結果の信頼性に影響を与える。このような問題に対し、特許文献3には、像ブレ補正量に応じて、位相差情報(焦点検出結果)の信頼性を判定する技術が開示されている。
特開2016−57474号公報 特許第4567313号公報 特許第5900257号公報
しかしながら、特許文献3に開示されている技術のように、像ブレ補正量に応じて位相差情報の信頼性を判定することには、以下の課題がある。すなわち、像ブレ補正量が大きい場合であっても、焦点検出枠の位置によっては、撮影光学系を保持する保持枠等による光束のケラレが焦点検出に与える影響の程度が小さいことがある。つまり、単純に像ブレ補正量に応じて位相差情報の信頼性を判定することは、不必要に位相差情報の信頼性が低いと判定してしまう可能性を含んでいる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、焦点検出結果の信頼性をより適切に判定可能な、像ブレ補正機能を有する撮像装置を提供することである。
本発明に係わる撮像装置は、撮影光学系の異なる瞳部分領域をそれぞれ通過する光束を光電変換することによって得られる複数の像信号の位相差に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段と、像ブレ補正用の光学部材を駆動することにより被写体像の像ブレを補正する像ブレ補正手段と、前記焦点検出手段によって焦点検出が行われる期間中の、前記像ブレ補正手段の駆動履歴の情報と、前記焦点検出手段が焦点検出を行う焦点検出領域の情報と、前記撮影光学系を通過する光束に生じるケラレに関する情報とに基づいて、前記焦点検出手段により検出された焦点検出結果の信頼性を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、焦点検出結果の信頼性をより適切に判定可能な、像ブレ補正機能を有する撮像装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係わる撮像装置の構成を示すブロック図。 撮像素子の画素配列の概略図。 画素の概略平面図と概略断面図。 画素と瞳分割の概略説明図。 撮像素子と瞳分割の概略説明図。 デフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の像ずれ量との関係図。 焦点検出処理の概略的な流れを示すフローチャート。 第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングの概略説明図。 フィルタの周波数帯域例を示す図。 第1の像ブレ補正部の駆動と焦点検出の関係を説明する模式図。 第2の像ブレ補正部の駆動と焦点検出の関係を説明する模式図。 信頼性判定部および焦点検出予測部の動作を説明するフローチャート。 2つの像ブレ補正部が実施する駆動振幅中心変更駆動を説明する模式図。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる撮像装置1000の概略構成を示すブロック図である。
図1において、撮像装置1000は、レンズ交換式のデジタルカメラである。撮像装置1000は、取り付けられた交換レンズ11内に、撮影光学系101が配置され、撮影光束のための光路が形成される。この光路を透過した光束が、カメラ本体12に配置された撮像素子102へと到達し、被写体像が結像される。撮像素子102は、光軸と垂直な平面内に複数の画素が配置されており、結像された被写体像が画素内のフォトダイオードによって光電変換される。
光電変換により得られた画像信号は、画像処理部120によりガンマ処理、ノイズ処理等が行われ、画像データとして不揮発性メモリ122に書き込まれる。これにより、1枚の撮影処理が行われる。撮像装置1000は、撮影者の指示によって、焦点検出を行い、所望の被写体に合焦した画像を撮影できるようにする必要がある。この際には、撮像素子102に配置された画素が焦点検出用画素を兼ねており、この出力に基づいて、焦点検出部103が被写体の焦点状態を検出する。
焦点検出部103の検出結果を受け、信頼性判定部111が焦点検出結果の信頼性を判定する。さらに焦点検出部103は、フォーカスレンズ108が焦点合わせのために光軸方向に移動されるべき駆動量を算出し、制御部130は、フォーカスレンズ108を光軸方向にこの駆動量だけ駆動する。なお、焦点検出の詳細については後述する。
また、撮像装置1000は、撮影の際に撮影者の手振れなどの不要な振動に起因して発生する像ブレを補正する2種類の補正手段を備える。その1つは、交換レンズ11内に配置され、撮影光学系101の一部を構成する像ブレ補正レンズ109を光軸と垂直な平面内で駆動することにより像ブレを補正する第1の像ブレ補正部104である。像ブレ補正レンズ109(像ブレ補正用の光学部材)は、例えば、絞りよりも像面側に配置された1枚の凹レンズにより構成される。
なお、ここではレンズのシフトにより像ブレ補正を行っているが、本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、撮影光学系101全体を揺動させて像ブレ補正を行ってもよいし、撮影光学系101の一部に可変プリズムを配置し、プリズムの角度変化によって像ブレ補正を行ってもよい。
もう1つの像ブレ補正手段は、撮像素子102(像ブレ補正用の光学部材)を光軸と垂直な面内でシフト駆動することにより像ブレ補正を行う第2の像ブレ補正部105である。これらの第1及び第2の像ブレ補正部104,105を用いることにより、像ブレ補正可能な領域が拡大され、撮影される画像の安定化を図ることができる。
交換レンズ11における保持枠110は、撮影光学系101の最終群を保持する鏡筒の機械的構造部分である。保持枠110に限らず、撮像素子の光軸から離れた、高像高領域などでは、このような機械的な構造によって撮影光束が遮られる、所謂「ケラレ」が生じる。この「ケラレ」は、焦点検出に影響を与えることが知られている。「ケラレ」については後述する。
撮像装置1000は、ライブビュー連写機能を有している。撮影準備状態では、撮像素子102から読み出され、画像処理部120により生成された画像データ(いわゆるライブビュー画像)が不図示の背面液晶に表示される。不図示のレリーズボタンが半押し(スイッチSW1がON)されると、ライブビュー画像における、撮像装置1000によって、または撮影者によって設定された焦点検出領域について焦点検出動作が開始される。このスイッチSW1がONの期間中にも、ライブビュー画像が順次生成され、一部または全てのフレームが背面液晶に表示され、焦点検出領域について焦点検出動作が実行される。その後レリーズボタンが全押し(スイッチSW2がON)の状態になると、焦点検出動作が完了されて、不図示のシャッタが動作して撮像素子102で設定秒時の本露光が実施される。この本露光が行われている期間を本露光期間と呼び、これ以外の期間を非本露光期間と呼ぶ。スイッチSW2がONの状態が継続すると、連写撮影が開始され、本露光と非本露光がスイッチSW2がOFFされるまで繰り返し実行される。
焦点検出部103は、非本露光期間に得られる画像データ(いわゆるライブビュー画像)と、本露光期間に得られる本露光画像の両方に対して焦点検出を実施する。第1及び第2の像ブレ補正部104,105は、前述の「ケラレ」による焦点検出精度の低下を防止するために、スイッチSW1がONされている期間と非本露光期間には、本露光期間に比べて、像ブレ補正のための駆動量を制限する。
撮像装置1000は、焦点検出予測部112を有している。焦点検出予測部112は、記憶部106に記憶された、焦点検出部103が検出した焦点検出結果の履歴を学習の対象として、次フレーム以降の焦点検出結果を予測する。より具体的には焦点検出部103の検出結果の履歴から、撮影している主被写体と撮像装置1000との距離関係を線形的に補外(外挿)することにより、次回撮影時のフォーカスレンズ108が存在すべき位置を特定する。この焦点検出予測の際、前述の信頼性判定結果を加味し、信頼性の低い焦点検出結果を学習対象から除外する処理なども実施するが、この詳細については後述する。
(撮像面位相差焦点検出系)
次に、本実施形態の撮像装置1000が実施する焦点検出について説明する。図2は、撮像装置1000の撮像素子102の画素配列を4列×4行の範囲で、焦点検出画素の配列を8列×4行の範囲で示した図である。
図2に示した2列×2行の画素群200では、左上の位置にR(赤)の分光感度を有する画素200Rが、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。さらに、各画素は2列×1行に配列された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202により構成されている。
図2に示した4列×4行の画素(8列×4行の焦点検出画素)を撮像面上に複数配置し、撮像画像(焦点検出信号)の取得を可能としている。本実施形態では、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、焦点検出画素の列方向周期PAFが2μm、焦点検出画素数NAFが横11150列×縦3725行=約4150万画素の撮像素子を用いるものとして説明を行う。
図2に示した撮像素子102の画素200Gの一方について、撮像素子102の受光面側(+z側)から見た平面図を図3(a)に示し、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図3(b)に示す。なお、図3(b)に記載の「光軸」は、マイクロレンズ305の光軸を示す。
図3に示すように、画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成されている。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしてもよいし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしてもよい。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が形成される。また、必要に応じて、副画素毎にカラーフィルタの分光透過率を変えてもよいし、カラーフィルタを省略してもよい。図3に示した画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301と光電変換部302で受光される。
光電変換部301と光電変換部302では、受光量に応じて電子とホールが対生成され、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層に蓄積され、一方、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子外部へ排出される。光電変換部301と光電変換部302のn型層に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図3に示した画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図を図4に示す。図4は、図3(a)に示した画素構造のa−a断面を+y側から見た断面図と撮影光学系101の射出瞳面を示した図である。図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
図4において、第1焦点検出画素201に対応する第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201に対応する第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
図4において、第2焦点検出画素202に対応する第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202に対応する第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。射出瞳400は、撮影光学系101の絞り開口によって形成され、この領域の内側の光束が、撮像素子102上に到達することとなる。また、図4において、瞳領域500は、光電変換部301と光電変換部302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を全て合わせた際の画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
撮像素子102と瞳分割との対応関係を示した概略図を図5に示す。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子102の各画素に、それぞれ、異なる角度で入射し、2×1分割された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で受光される。本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例である。必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行ってもよい。
別の言い方をすれば、撮像素子102には、撮影光学系101の第1瞳部分領域501を通過する光束を受光する第1焦点検出画素201と、撮影光学系101の第1瞳部分領域とは異なる第2瞳部分領域502を通過する光束を受光する第2焦点検出画素202が複数配列されている。また、撮像素子102には、撮影光学系101の第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502を合わせた瞳領域を通過する光束を受光する撮像画素が複数配列されている。本実施形態の撮像素子102では、それぞれの撮像画素が第1焦点検出画素と第2焦点検出画素から構成されている。
本実施形態では、撮像素子102の各画素の第1焦点検出画素201の受光信号を集めて第1焦点信号を生成し、各画素の第2焦点検出画素202の受光信号を集めて第2焦点信号を生成して焦点検出を行う。また、撮像素子102の画素毎に、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号を生成する。
以下、デフォーカス量と、撮像素子102から取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の像ずれ量との関係について説明する。
図6は、デフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係を示す図である。撮像面800に撮像素子102が配置され、図4、図5と同様に、撮影光学系101の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面までの距離を大きさ|d|として定義する。そして、被写体の結像位置が撮像面より被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)、被写体の結像位置が撮像面より被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)として表現する。被写体の結像位置が撮像面(合焦位置)にある合焦状態はd=0である。図6で、被写体801は合焦状態(d=0)の例を示しており、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501を通過した光束は、一度、集光された後、光束の重心位置G1を中心として幅Γ1に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子102に配列された各画素を構成する第1焦点検出画素201により受光され、第1焦点検出信号が生成される。よって、第1焦点検出信号は、撮像面800上の重心位置G1に、被写体802が幅Γ1にボケた像として記録される。
同様に、被写体802からの光束のうち、第2瞳部分領域502を通過した光束は、一度、集光された後、光束の重心位置G2を中心として幅Γ2に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子102に配列された各画素を構成する第2焦点検出画素202により受光され、第2焦点検出信号が生成される。よって、第2焦点検出信号は、撮像面800上の重心位置G2に、被写体802が幅Γ2にボケた被写体像として記録される。
被写体像のボケ幅Γ1,Γ2は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね比例して増加していく。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。
したがって、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。本実施形態では、デフォーカス量と、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量との関係性を用いて、位相差方式の焦点検出を行う。
以下、位相差方式の焦点検出について説明する。位相差方式の焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量を計算し、相関が良くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する関係性から、像ずれ量を検出デフォーカス量に変換して焦点検出を行う。
図7は、本実施形態における焦点検出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7の動作は、焦点検出部103によって実行される。
ステップS110では、撮像素子102から読み出された第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に対して、それぞれ、信号データ量を抑制するために水平方向の3画素加算処理を行い、さらにRGB信号を輝度Y信号にするためにベイヤ(RGB)加算処理を行う。また、3行ごとに1行の読み出しを行う、垂直間引き処理を実施する。なお、本実施形態では、水平加算処理および垂直間引き処理を撮像素子102から読み出した信号に対して実施するが、これに限定されず、撮像素子102内で予め水平加算、垂直間引きの処理が行われてもよい。
ステップS120では、撮像素子102の有効画素領域の中から焦点調節を行う焦点検出領域を設定する。焦点検出領域の第1焦点検出画素の受光信号から第1焦点検出信号を生成し、焦点検出領域の第2焦点検出画素の受光信号から第2焦点検出信号を生成する。
ステップS130では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、シェーディング補正処理を行う。
以下、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングについて説明する。図8は、撮像素子102の周辺像高における第1焦点検出画素201に対応する第1瞳部分領域501、第2焦点検出画素202に対応する第2瞳部分領域502、および撮影光学系101の射出瞳400の関係を示す図である。
図8(a)は、撮影光学系101の射出瞳距離Dlと撮像素子102の設定瞳距離Dsが同じ場合を示す図である。この場合は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、撮影光学系101の射出瞳400が、概ね、均等に瞳分割される。
これに対して、図8(b)に示したように撮影光学系101の射出瞳距離Dlが撮像素子102の設定瞳距離Dsより短い場合、撮像素子102の周辺像高では、射出瞳400と撮像素子102の入射瞳のずれを生じ、射出瞳400が不均一に瞳分割されてしまう。同様に、図8(c)に示したように撮影光学系101の射出瞳距離Dlが撮像素子102の設定瞳距離Dsより長い場合、撮像素子102の周辺像高では、射出瞳400と撮像素子102の入射瞳のずれを生じ、射出瞳400が不均一に瞳分割されてしまう。周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度も不均一になり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなるシェーディングが生じる。
図7のステップS130では、焦点検出領域の像高、撮影光学系101のF値(絞り値)、射出瞳距離および射出瞳光束のケラレ状態に応じて、第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数を、それぞれ生成する。第1シェーディング補正係数を第1焦点検出信号に乗算し、第2シェーディング補正係数を第2焦点検出信号に乗算して、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディング補正処理を行う。
位相差方式の焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関に基づいて、検出デフォーカス量の検出を行う。瞳ずれによるシェーディングが生じると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関が低下する場合がある。よって、位相差方式の焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)を改善し、焦点検出性能を良好とするために、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行うことが望ましい。
図8中では不図示であるが、射出瞳400を構成する開口以外にも、各光学系を保持する機械的部材や、交換レンズ11の最後群から撮像素子102までのカメラ本体内の機械的部材が存在する。絞り値や像高などによっては、これらの機械的部材によって光束が遮られることがあり、一般にこれを光束の「ケラレ」と称する。第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディングは、このケラレによっても発生し、ケラレが既知である条件においては、ケラレについても加味したシェーディング補正を行うことで、焦点検出精度の低下を防ぐことができる。本実施形態では、シェーディング補正係数SHDが、焦点検出領域の情報(像高)、撮影光学系101のF値(絞り値)、射出瞳距離、ケラレ状態、に対応したテーブルとして記憶部106に格納されている。射出瞳距離は交換レンズ毎(ズームレンズであればズーム状態毎)に異なる値であるため、それぞれに応じたテーブルが設けられている。また、ケラレ状態は、像ブレ補正レンズ109の位置によって変化するため、像ブレ補正レンズ109のストローク量毎にシェーディング補正係数SHDが用意されている。このように第1の像ブレ補正部104のストローク量毎に異なるシェーディング補正係数SHDのテーブルを持つことで、ケラレ情報を保有する。
一方、第2の像ブレ補正部105が駆動する撮像素子102の位置については、単純な焦点検出領域の像高変化ととらえることができる。そのため、撮像素子102の位置毎のシェーディング補正係数テーブルは保持せず、第1の像ブレ補正部104と第2の像ブレ補正部105の駆動で取りうる相対位置関係を、像ブレ補正レンズ109のストローク量として保持すればよい。なお、焦点検出のための露光期間中であっても、像ブレ補正部を駆動するため、露光期間中の移動軌跡の重心位置が、シェーディング補正係数SHDの選定の際に利用される。
図7のステップS140では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、フィルタ処理を行う。本実施形態のフィルタ処理の通過帯域例を、図9の実線で示す。本実施形態では、位相差方式の焦点検出により、大デフォーカス状態での焦点検出を行うため、フィルタ処理の通過帯域は低周波帯域を含むように構成される。大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節を行う際に、デフォーカス状態に応じて、焦点検出時のフィルタ処理の通過帯域を、図9の1点鎖線のように、より高周波帯域に調整してもよい。
次に、図7のステップS150では、フィルタ処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせるシフト処理を行い、信号の一致度を表す相関量を算出する。
フィルタ処理後のk番目の第1焦点検出信号をA(k)、第2焦点検出信号をB(k)、焦点検出領域に対応する番号kの範囲をWとする。シフト処理によるシフト量をs1、シフト量s1のシフト範囲をΓ1として、相関量CORは、式(1)により算出される。
Figure 2019095480
シフト量s1の第1シフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(k)とk−s1番目の第2焦点検出信号B(k−s1)を対応させ減算し、シフト減算信号を生成する。生成されたシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域に対応する範囲W内で番号kの和を取り、相関量COR(s1)を算出する。必要に応じて、各行毎に算出された相関量を、シフト量毎に、複数行に渡って加算してもよい。
ステップS160では、相関量から、サブピクセル演算により、相関量が最小値となる実数値のシフト量を算出して像ずれ量p1とする。像ずれ量p1に、焦点検出領域の像高、撮影光学系101のF値、射出瞳距離、ケラレ情報に応じた換算係数Kをかけて、検出デフォーカス量(Def)を検出する。換算係数Kは、撮像装置1000が有する記憶部106に格納されたテーブルデータとして保持する。このテーブルは前述のシェーディング補正と同様に、交換レンズ毎の射出瞳距離に応じた値として設けられている。また、ケラレ状態についても同様に、換算係数Kが、像ブレ補正レンズ109のストローク量毎に記述される。撮像装置1000においては、この像ブレ補正レンズ109のストローク量毎に異なる換算係数Kのテーブルを持つことにより、ケラレ情報を保有する。検出された検出デフォーカス量に対し、フォーカス敏感度を掛けることにより、フォーカスレンズ108の駆動量が決定される。
最後にステップS170において、信頼性判定部111によって、検出された検出デフォーカス量の信頼性が判定される。この信頼性判定は、ステップS130のシェーディング補正処理で考慮した、以下の情報を改めて用いることで実施される。すなわち、第1及び第2の像ブレ補正部104,105の駆動履歴情報と、焦点検出領域の情報と、ケラレに関する情報とが用いられる。より具体的には、テーブルデータから採用されたシェーディング補正係数SHDについて、前述した第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数との間に大きな乖離があるか否かに基づいて判定を行う。乖離が大きければ、一方の焦点検出信号には極端に大きな係数が掛けられること、すなわち瞳分割によって取得された光量がきわめて少なく、誤焦点検出の可能性も否定できないことを意味するため、信頼性が低いと判定する。
なお、ここでは単純な2つのシェーディング補正係数の差を用いて判定を行っているが、これには限定されず、採用した係数の近傍で大きな係数変化が想定される場合などに安全を見越して信頼性を低く判定することも可能である。また、第1及び第2の像ブレ補正部104,105の駆動履歴情報で、きわめて駆動量が大きく、重心位置だけから適切なシェーディング補正係数SHDが選定困難である場合に信頼性が低いと判断することも可能である。また、ここではケラレの影響により信頼性を判定することのみについて記載した。しかし、従来から実施されている、被写体輝度の振幅(輝度の最大値−輝度の最小値、強度比)や、シェーディング補正後の2像の一致度や、像の鮮鋭度などを指標とした信頼性判定も併せて実施可能である。
本実施形態では、信頼性判定処理は、検出デフォーカス量に、例えば信頼性が低い「1」から、信頼性が高い「4」までの信頼性判定値を付与する。そして、この値に応じて、図7の動作の後で実施される焦点調節駆動にステップS160で得られた検出デフォーカス量を利用する方法を変更する。より具体的には、信頼性判定値が低い場合には検出デフォーカス量を小さくする係数をかけて利用する、あるいは、この焦点検出領域の検出デフォーカス量は利用しない、などの利用方法がある。ここでは4段階の信頼性判定値を採用しているが、これは一例であって、他の信頼性判定結果との総合的な信頼性判定値として、より多段階の信頼性判定値を用いてもよい。
図7の動作は、静止画撮影モードであれば、不図示のシャッターボタンの半押し動作(スイッチSW1のON)による指示から、合焦確認のための焦点検出が完了するまで、毎フレーム実施される。また、図7の動作は、動画撮影モードであれば、毎フレーム実施される。焦点検出領域の像高については、過去の複数のフレームでの、追尾(焦点検出枠の自動選択)の履歴や、2つの像ブレ補正部の駆動位置の履歴から予測して決定される。
なお、本実施形態では、シェーディング補正係数SHDおよび換算係数Kをテーブルの形で記憶部106に格納している。しかし、本発明はこれに限定されることなく、ケラレ情報を瞳面上の2次元的な枠形状として保有し、これに基づいて係数計算をカメラ内で行って求めるようにしてもよい。また、本実施形態では、記憶部106の場所について特段の記載をしていないが、カメラ本体12側に配置しても、交換レンズ11とカメラ本体12とに分割して配置しても構わない。
本実施形態では、図7の焦点検出処理が、ライブビューを行いながら連写機能を実行する際にも適用され、ライブビュー画像、本画像のそれぞれに信頼性判定が実施されるが、これについては後述する。
次に、本実施形態における第1の像ブレ補正部104および第2の像ブレ補正部105の駆動と焦点検出の関係について図10および図11を用いて説明する。
(レンズシフト補正と瞳分割)
図10(a)、10(c)、10(e)は、中央像高の、また図10(b)、10(d)、10(f)は周辺像高(+X方向)の焦点検出領域の画素群が観察する射出瞳面上での瞳分割の様子を示した模式図である。図10では、撮影光学系101の射出瞳距離Dlと撮像素子102の設定瞳距離Dsとがほぼ等価な系として表されている。
図10(a)を用いて、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が駆動範囲中央に位置する際の中央像高での瞳分割の様子について説明する。図10(a)上段の瞳面中央に示された円形形状は、撮影光学系101の絞りの開口により形成される射出瞳400を示している。中央像高では、撮像素子102の設定瞳距離とほぼ等距離にある撮影光学系101の射出瞳面の光束を略均等に左右分割することがわかる。射出瞳400と撮像素子102の表面の間に配置された太線は、撮影光学系101の最終群の保持枠110を模式的に表しており、中央像高においては、この保持枠110によるケラレは発生していない。
一方、図10(b)の周辺像高においても、撮像素子102の設定瞳距離Dsが、撮影光学系101の射出瞳距離Dlとほぼ等価であり、最終群の保持枠110がなければ、撮影光学系101の射出瞳面の光束を略均等に左右分割可能である。しかし、実際には最終群の保持枠110によって光束の片側にケラレが生じ、瞳分割は左右不均等なものとなってしまう。前述の通り、このようなケラレを生じる場合には、焦点検出信号のそれぞれに対して、ケラレ状態を類推可能なケラレ情報に基づいてシェーディング補正を施し、より正確な焦点検出演算を実施する。
図10(c)、10(d)、10(e)、10(f)は、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109がX方向に駆動された際の、射出瞳面上での瞳分割の様子を示した模式図である。前述の通り、本実施形態では、撮像素子102の第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202は、X軸方向に並んで配置されている。そのため、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109がX方向に駆動される場合、焦点検出のための瞳分割に与える影響度が大きくなる。
本実施形態では、第1の像ブレ補正部104は、絞りよりも像面側に配置された1枚の凹レンズ(像ブレ補正レンズ109)をXY平面内にシフトすることで像ブレ補正を行う。すなわち、像ブレ補正レンズ109が+X方向に駆動されれば、撮像素子102は瞳面上で−X方向にシフトした射出瞳400を観察することとなる。ここで、図10(c)および図10(d)は、像ブレ補正レンズ109が+X方向に駆動された場合を、図10(e)および図10(f)は像ブレ補正レンズ109が−X方向に駆動された場合を示している。
図10(c)および図10(d)を用いて、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が+X方向に変位した際の中央像高での瞳分割の様子について説明する。前述の通り、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が+X方向に変位すると、射出瞳400が−X方向に移動する。厳密にはコサイン四乗則に則り楕円形状になるが、ここでは説明を分かりやすくするため、円形のまま表現している。図10(c)では、射出瞳400が−X方向に移動するものの、太線で示した撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレは生じていない。しかしながら、絞り開口形状が−X方向に移動したために、瞳分割は左右不均等となり、中央像高でありながら、ケラレによるシェーディングが発生する。図10(d)でも図10(c)と同様に射出瞳400が−X方向に移動するとともに、撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレが発生する。この場合、図10(c)と異なり、ケラレ量は増大するものの、瞳分割は図10(c)よりも左右均等に近い形となる。
図10(e)および図10(f)を用いて、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が−X方向に変位した際の中央像高および周辺像高(+X方向)での瞳分割の様子について説明する。図10(c)および図10(d)とは逆に、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が−X方向に変位すると、射出瞳400が+X方向に移動する。ここでも説明を分かりやすくするため、射出瞳400は円形として示している。
図10(e)では、射出瞳400が+X方向に移動するものの、太線で示した撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレは生じていない。しかしながら、射出瞳400が+X方向に移動したために、瞳分割は左右不均等となり、中央像高でありながら、ケラレによるシェーディングが発生する。図10(f)でも図10(d)と同様に、撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレが発生し、射出瞳400が+X方向に移動する。この場合、図10(b)と異なり、ケラレ量が減少するものの、瞳分割の不均等性は増し、焦点検出信号のうち−X側の成分比率が著しく低下する。図10(c)〜図10(f)のような条件下で、図10(a)および図10(b)の条件と同様なシェーディング補正や換算係数Kを用いたデフォーカス演算を行ってしまうと、正確な焦点検出ができなくなり、合焦状態に到達できない。
たとえば、周辺像高(+X方向)の様子を示す図10(d)および図10(f)を見た場合、保持枠110によって発生するケラレ量は、図10(f)のほうが少ない。一方、図10(d)の状態では、ケラレによる瞳分割のバランスは等分割に近くなるものの、透過光量が少なく、焦点検出に用いる信号のS/Nが低下してしまう。すなわち、このような+X方向の像高に焦点検出枠が設定された場合には、図10(d)のように像ブレ補正レンズ109が−X方向に変位した方が、保持枠110によるケラレの影響を受けにくいことが分かる。前述のシェーディング補正係数SHDおよび換算係数Kのテーブルから、焦点検出枠の設定像高と、保持枠110によるケラレを生じ始める像ブレ補正レンズ109の位置とが特定され、焦点検出へのケラレの影響の度合いが明らかになる。以上のことからもわかる通り、焦点検出へのケラレの影響の度合いは、必ずしも焦点検出領域の像高だけで決定されるものではない。たとえ高像高であっても、ケラレの影響の小さい焦点検出領域も存在する。ケラレの影響の適切な判断によって、信頼性判定部111による焦点検出結果の信頼性判定がより適切に実施可能となる。
(センサシフトと瞳分割)
図11(a)、11(c)、11(e)は、中央像高の、また図11(b)、11(d)、11(f)は周辺像高(+X方向)の焦点検出領域の画素群が観察する射出瞳面上での瞳分割の様子を示した模式図である。図11では撮影光学系101の射出瞳距離Dlと撮像素子102の設定瞳距離Dsとがほぼ等価な系として表されている。
図11(a)を用いて第2の像ブレ補正部105が駆動範囲中央に位置する場合の中央像高での瞳分割の様子について説明する。図11(a)上段の射出瞳面中央に示された円形形状は、撮影光学系101の絞りの開口により形成される射出瞳400を示す。中央像高では、撮像素子102の設定瞳距離とほぼ等距離にある撮影光学系101の射出瞳面の光束が略均等に左右に分割されることがわかる。射出瞳面と撮像素子102の表面の間に配置された太線は、撮影光学系101の最終群の保持枠110を模式的に表しており、中央像高においては、この保持枠110によるケラレは発生していない。
一方、図11(b)の周辺像高においても、撮像素子102の設定瞳距離が、撮影光学系101の射出瞳距離とほぼ等価であり、最終群の保持枠110がなければ、撮影光学系101の射出瞳面の光束を略均等に左右分割可能である。しかし、実際には最終群の保持枠110によって光束の片側がケラレを生じ、瞳分割は左右不均等なものとなってしまう。前述の通り、このようなケラレを生じる場合には、焦点検出信号のそれぞれに対して、ケラレ状態を類推可能なケラレ情報に基づいてシェーディング補正を施し、より正確な焦点検出演算を実施する。
図11(c)、11(d)、11(e)、11(f)は、第2の像ブレ補正部105がX方向に駆動された際の、射出瞳面上での瞳分割の様子を示した模式図である。本実施形態における第2の像ブレ補正部105は、撮像素子102をXY平面内で駆動可能である。前述の通り、本実施形態では、撮像素子102の第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202はX軸方向に並んで配置されている。そのため、第2の像ブレ補正部105の撮像素子102がX方向に駆動される場合、焦点検出のための瞳分離に与える影響度が大きい。撮像素子102が+X方向に駆動されれば、撮像素子102は瞳面上で+X方向にシフトした射出瞳400を観察することとなる。
ここで、図11(c)および図11(d)は撮像素子102が−X方向に駆動された場合を示し、図11(e)および図11(f)は撮像素子102が+X方向に駆動された場合を示している。図11(c)および図11(d)を用いて、第2の像ブレ補正部105が−X方向に変位した際の中央像高での瞳分割の様子について説明する。
前述の通り、撮像素子102が−X方向に変位すると、瞳面上では射出瞳400も−X方向に移動する。これは、撮像素子102が−X方向に変位することで、撮像素子102の中心を通る撮像面に垂直な軸(中央画素から伸びた上下方向矢印に相当)が撮影光学系101の光軸からずれるために発生する。そのため、射出瞳面上では、図11(c)、11(d)の上段に示すように、第1部分瞳領域501および第2部分瞳領域502全体が、射出瞳面内を(図では左方に)移動した形で表現されている。射出瞳400は、厳密にはコサイン四乗則に則り楕円形状になるが、ここでは説明を分かりやすくするために、円形のまま表現している。図11(c)では、射出瞳400が−X方向に移動するものの、太線で示した撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレは生じていない。しかしながら、射出瞳400が−X方向に移動したために、瞳分割は左右不均等となり、中央像高でありながら、ケラレによるシェーディングが発生する。図11(d)でも図11(c)と同様に、射出瞳400が−X方向に移動するとともに、撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレが発生する。この場合、相対的に撮影光学系101の光軸が、図11(d)で着目する撮像素子102の周辺像高位置に近づくために、ケラレ量は図11(b)よりも小さくなり、瞳分割は図11(c)に近い形となる。
図11(e)および図11(f)を用いて第2の像ブレ補正部105が+X方向に変位した際の中央像高および周辺像高(+X方向)での瞳分割の様子について説明する。図11(c)および図11(d)とは逆に、撮像素子102が+X方向に変位すると、瞳面上では射出瞳400も+X方向に移動する。これは、撮像素子102が+X方向に変位することで、撮像素子102の中心を通る撮像面に垂直な軸(中央画素から伸びた上下方向矢印に相当)が撮影光学系101の光軸からずれるために発生する。そのため、射出瞳面上では、図11(e)、11(f)の上段に示すように、第1部分瞳領域501および第2部分瞳領域502全体が、射出瞳面内を(図では右方に)移動した形で表現されている。ここでも説明を分かりやすくするために、射出瞳400は円形としている。図11(e)では、射出瞳400が+X方向に移動するものの、太線で示した撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレは生じていない。しかしながら、射出瞳400が+X方向に移動したために、瞳分割は左右不均等となり、中央像高でありながら、ケラレによるシェーディングが発生する。図11(f)では、相対的に撮影光学系101の光軸が、図11(f)で着目する撮像素子102の周辺像高位置から遠ざかるため、撮影光学系101の最終群の保持枠110によるケラレが大きく発生するとともに、射出瞳400が+X方向に移動する。この場合、図11(b)と異なり、ケラレ量が減少するものの、瞳分割の不均等性は増し、焦点検出信号のうち−X側の成分比率がほぼゼロとなる。図11(c)〜図11(f)のような条件下で、図11(a)および図11(b)の条件と同様なシェーディング補正や換算係数Kを用いたデフォーカス演算を行ってしまうと、正確な焦点検出が不能となり、合焦状態に到達できない。
たとえば、周辺像高(+X方向)の様子を示す図11(b)および図11(d)を見た場合、保持枠110によって発生するケラレ量は、図11(d)の方が少ない。一方、図11(b)の状態では、保持枠110によるケラレ量が図11(d)よりも多くなる。すなわち、このような+X方向の像高に焦点検出枠が設定された場合には図11(d)のように、像撮像素子102が−X方向に変位した方が、保持枠110によるケラレの影響を受けにくいことが分かる。前述のシェーディング補正係数SHDおよび換算係数Kのテーブルから、焦点検出枠の設定像高と、保持枠110によるケラレを生じ始める像ブレ補正レンズ109の位置とが特定され、焦点検出へのケラレの影響の度合いが明らかになる。
以上からもわかる通り、焦点検出へのケラレの影響の度合いは、必ずしも焦点検出領域の像高だけで決定されるものではない。たとえ高像高であっても、ケラレの影響の小さい焦点検出領域も存在する。ケラレの影響の適切な判断によって、信頼性判定部111による焦点検出結果の信頼性判定がより適切に実施可能となる。
図10、図11ともに撮影光学系101の射出瞳距離Dlと、撮像素子102の設定瞳距離Dsがほぼ等価である系を例に説明を行った。撮像装置1000はレンズ交換式であるため、実際にはDl>DsまたはDl<Dsという組み合わせも発生する。この場合、図8のような状況で、第1の像ブレ補正部104や第2の像ブレ補正部105が動作するために、ケラレの状況は図10、図11とは異なるものとなってしまう。記憶部106には、この撮影光学系101の射出瞳距離Dlの情報も網羅するケラレ情報が記憶されており、信頼性判定部111が信頼性判定を行うための情報が適切に保有されている。
(LV+本露光での信頼性判定+焦点検出予測のフロー)
図12を用いて、撮像装置1000が、本画像の撮影前後の非本露光期間と本露光期間において実施する、信頼性判定や焦点検出予測の処理について説明する。図12は、撮像装置1000が、前述のライブビューを行いながら連写を実施する際の流れを示す図であり、撮影者のレリーズボタン(不図示)が半押し状態(スイッチSW1がON)となった時点からスタートする。本フローチャートがスタートすると、ステップS201において、撮像素子102がライブビュー画像のための露光を行う(この露光を以下「LV露光」と表記する)。
ステップS201のLV露光期間中は、第1及び第2の像ブレ補正部104,105によってステップS202の像ブレ補正駆動が同時に実施される。LV露光中の像ブレ補正駆動は、後述のスイッチSW2のONで開始される本露光中の像ブレ補正のために十分なストロークを確保しておく必要があるため、制御ストロークを本露光中に比べて小さく設定している。これは焦点検出中の像ブレ補正による瞳の移動が小さいことを意味しており、前述したようなケラレの焦点検出への影響は比較的限定的である。
LV露光終了と同時にステップS203の読み出し動作が撮像素子102によって実行される。続いてステップS204において、LV露光で得られたライブビュー画像に対して、焦点検出部103が焦点検出処理を実施する。この際、前述の信頼性判定も実施され、焦点検出結果が信用できるものであるか否かが、信頼性判定値を付与することによってなされる。ステップS204では、さらに焦点検出部103が焦点検出結果の履歴を記憶部106に書き込む処理を実行する。焦点検出結果の信頼性判定値が所定値を超えている場合には、焦点検出結果の書き込みを実施し、そうでない場合には書込みを行わない。より詳細には、焦点検出結果を書き込まずに、信頼性判定値が低かったことを示す値を書き込む。これらの焦点検出予測履歴情報を学習対象として、焦点検出予測部112によって、次フレームで主被写体が合焦することが期待される焦点調整位置を予測する。これは、ここまでの信頼性判定値を加味して書き込まれた焦点検出結果の履歴点を近似関数によって補外(外挿)処理して得られるものである。
補外処理について詳細は省略するが、従来から実施されている焦点検出の予測手法を用いればよい。なお、ステップS204において、信頼性判定値が低い場合には、この学習対象である焦点検出予測履歴から除外する意味で、記憶部106への書き込みを実施しないこととした。しかし、このステップS204での焦点検出予測処理結果と、次のフレームでの焦点検出結果(ステップS204の焦点検出処理)に所定値以上の差異がない場合(所定値未満である場合)には、学習対象である焦点検出予測履歴として書き込むよう見直しを行ってもよい。
ステップS205では、制御部130によって、ステップS204で予測された焦点調整位置へとフォーカスレンズ108を移動する。この移動によって、次のフレームの露光の際には、合焦画像が得られるようなフォーカスレンズ108の状態が得られる。以降これをAF予測駆動と呼ぶ。
次にステップS206では、レリーズボタンが全押し(スイッチSW2がON)の状態、すなわち撮影者が連写を含む本画像の撮影開始を指示したか否かが判定される。ここまでのステップS201からステップS206のシーケンスについては、連写が開始される前のSW1シーケンスと呼ぶ。スイッチSW2がONとなるまで続く、このSW1シーケンスの間には、本撮影のための露光は実施されず、背面液晶に表示するためのライブビュー画像の露光、読み出しが繰り返し行われる。そして、読み出された画像に基づいて、毎フレーム焦点検出処理、AF予測駆動が実施される。
本実施形態では、ステップS204において、信頼性判定部111によって信頼性判定を実施するものとしたが、本発明はこれに限定されず、LV露光のための像ブレ補正駆動の場合には、信頼性判定を実施しないものであってもよい。また、信頼性判定を行う場合であっても、その結果である信頼性判定値の利用の際に、その結果に対する重みを減じて採用するものであってもよい。また、信頼性判定の際に、従来方式の信頼性判定のみ行って、2つの像ブレ補正部の駆動履歴情報、焦点検出領域の情報、ケラレに関する情報は用いないものであってもよい。
ステップS206において、スイッチSW2がONされたと判定されると、ステップS207へ進み、AF予測駆動が実施される。AF予測駆動により、次回の露光の際に合焦が期待される位置にフォーカスレンズ108が移動される。
ステップS208において、撮像素子102によって本撮影のための露光(本露光)が実施される。この間、ステップS209において、本露光のための像ブレ補正駆動が第1及び第2の像ブレ補正部104,105によって実施される。前述のとおり、本露光のための像ブレ補正は、像ブレが記録されないよう、最大ストロークで駆動を行うため、LV露光時の制御ストロークよりも大きなストロークでの駆動がなされる。
ステップS208での本露光が完了すると同時に、ステップS210において、撮像素子102の画素信号の読み出し動作が行われる。ステップS211において、ステップS204と同様に、焦点検出処理および焦点検出予測処理が行われる。本露光における焦点検出処理は、LV露光の際よりも大きな画像データが対象である点以外は同様である。図7のステップS110で説明した水平加算処理、垂直間引き処理を読み出された画像データに施し、ライブビュー画像と同等のサイズに変更することで、ライブビュー画像に対する焦点検出と精度をそろえて焦点検出処理を行う。本露光における焦点検出予測処理は、LV露光の場合と同様である。ステップS207からステップS211までの本露光に関わるシーケンスを本露光シーケンスと呼ぶ。
ステップS212からステップS216の動作を、本実施形態では、コマ間LVシーケンスと呼ぶ。コマ間LVシーケンスは、SW1シーケンスのようにLV露光を実施し、LV露光のための像ブレ補正駆動が実施されるシーケンスである。取得される画像がライブビュー画像である点、像ブレ補正駆動がLV露光のための駆動である点以外は本露光シーケンスと同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、本露光シーケンスとコマ間LVシーケンスを1回ずつ実施することを、スイッチSW2がONされた後の1セットとしているが、これには限定されず、連写速度等に応じてコマ間LVシーケンスを増やしてもよい。また、コマ間LVシーケンスで取得されたライブビュー画像については、背面液晶に表示してもよいし、撮像装置1000内部での処理に利用するのみであってもよい。
ステップS217は、スイッチSW2がONの状態になってから複数回の本露光シーケンスとコマ間LVシーケンスが実行され、ライブビュー画像、本露光画像について、それぞれ複数の信頼性判定値が付与された後に実施する処理である。ステップS217では、本露光シーケンスで得られた信頼性判定値が低く、コマ間LVシーケンスで得られた信頼性判定値が高いという結果が連続して発生した場合(これを信頼性連続NG状態と称する)にカウント処理を実行する。より具体的には、信頼性連続NG状態が続いた回数をカウントし、記憶部106に記録する。これは信頼性判定部111によって実施されるものである。
続いて、ステップS218において、ステップS217でカウントされている信頼性連続NGの回数が3回以上であるか否かが判定される。前述のとおり、コマ間LVシーケンスでは、SW1シーケンスと同様にLV露光のためのストローク量の小さい像ブレ補正駆動を実施(ステップS214)するため、ケラレによる焦点検出への悪影響が発生しにくい。一方、本露光シーケンスではストローク量の大きい像ブレ補正駆動を行うため、ケラレによる焦点検出への悪影響が、コマ間LVシーケンスに比較して発生しやすい。ステップS217における信頼性連続NG状態のカウントおよびステップS218での判定では、現在の像ブレ補正部の位置が、焦点検出に悪影響を及ぼすケラレ状態であるか否かを判断している。なお、ここでは判定閾値を3回としたがこれには限定されず、たとえば低輝度の条件においては回数を増やしたり、被写体の画面内移動が小さい場合に回数を減らしたりしてもよい。また、ケラレ状態は信頼性判定の際にすでに想定されるので、このステップでの判定を待たずにステップS219へと進んでもよい。
ステップS218で信頼性連続NGの回数のカウントが3以上と判定されると、ステップS219において、振幅中心変更駆動が実施される。これについての詳細は後述する。また、ステップS218で信頼性連続NGの回数のカウントが3未満と判定されると、ステップS219はスキップされる。
ステップS220において、スイッチSW2のON状態が解除されたか否かが判定される。解除されていないと判定された場合には、撮影者に連写の意図があると判断されるため、本露光シーケンスへと戻る。解除が判定された場合には、ステップS221へ進む。ステップS221では、スイッチSW1のON状態が解除、すなわちレリーズボタン押し下げが完全に解除されたか否かが判定される。解除されていないと判定された場合は、また次なる連写シーケンスの開始指示があり得るため、SW1シーケンスへと戻る。解除が判定された場合には、撮影継続の意図がないと判断され、本フローは終了する。
図13を用いて、像ブレ補正制御部107が実施する、第1の像ブレ補正部104と第2の像ブレ補正部105の駆動振幅中心の設定について説明する。これは、図12のフローチャートにおけるステップS219の振幅中心変更駆動に相当する。
図13は、像ブレ補正制御部107が実施する駆動振幅中心の設定を説明するための模式図である。図中のPafは、設定されている焦点検出領域の位置を表す。また、Plは第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109の中心位置を表し、Psは第2の像ブレ補正部105の撮像素子102の中心位置を表している。
図13(a)は、最後の本露光シーケンスで設定された焦点検出領域が位置Pafに、第1の像ブレ補正部104の像ブレ補正レンズ109が振幅中心位置Pl1に、第2の像ブレ補正部105の撮像素子102が振幅中心位置Psに、それぞれ位置する状態を表している。図13(a)では、像ブレ補正レンズ109と撮像素子102がそれぞれシフトして、称呼中心線を基準とした位置からPl1,Psだけずれた位置に存在する。ここでは特に、称呼中心線から像ブレ補正レンズ109の位置Plまでを黒塗り矢印で表現している。位置Paf、Pl1およびPsの位置関係から、保持枠110によってケラレが生じ、切り取られる瞳領域400は左右のバランスを失い、適用されるシェーディング補正係数に差が生じることがわかる。このケラレ状態での焦点検出結果の信頼性が低いと判定され、これが所定回数繰り返されたために、図12のステップS218で振幅中心変更駆動が必要と判断されることになる。
図13(b)は、図12のステップS219で振幅中心変更駆動がなされた後に、焦点検出領域が本露光シーケンスで設定された位置Pafに、像ブレ補正レンズ109と撮像素子102がそれぞれの振幅中心位置Pl2,Psに位置する状態を表している。具体的には、図13(a)でPl1であった像ブレ補正レンズ109の位置がPl2へと変化している。この変化分を左向きの白抜き矢印で表している。このような位置関係で焦点検出を行えば、切り取られる瞳領域400での左右バランスは、図13(a)の状態よりも良好なものとなり(アンバランスが軽減され)、信頼性判定部111による信頼性判定でも信頼性があると判定される。
図12のステップS219における振幅中心変更駆動は、ケラレの影響が大きい図13(a)での2つの像ブレ補正部の中心位置の関係を、ケラレの影響が少ない図13(b)の位置関係へと徐々に変化させる駆動である。図13(b)の場合、像ブレ補正レンズ109の駆動振幅の中心が白抜き矢印分だけオフセットしたことに相当する。像ブレ補正レンズ109の位置を徐々に変化させることで、急激な画角の変化が発生せず、撮影者のフレーミングに悪影響を与えることを抑制できる。なお、ここでは像ブレ補正レンズ109の位置のみを変化させているが、本発明はこれに限定されず、2つの像ブレ補正部が有するストロークのバランスや、撮影光学系101の焦点距離等に応じて、適切な比率で両方の像ブレ補正部を駆動させてもよい。
以上説明したように、上記の実施形態によれば、像ブレ補正部の駆動によって発生するケラレ状態に応じて、焦点調節結果の信頼性をより適切に判定することが可能となる。
(他の実施形態)
また本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現できる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現できる。
11:交換レンズ、12:カメラ本体、102:撮像素子、103:焦点検出部、104:第1の像ブレ補正部、105:第2の像ブレ補正部、106:記憶部、107:像ブレ補正制御部、108:フォーカスレンズ、111:信頼性判定部、112:焦点検出予測部

Claims (16)

  1. 撮影光学系の異なる瞳部分領域をそれぞれ通過する光束を光電変換することによって得られる複数の像信号の位相差に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段と、
    像ブレ補正用の光学部材を駆動することにより被写体像の像ブレを補正する像ブレ補正手段と、
    前記焦点検出手段によって焦点検出が行われる期間中の、前記像ブレ補正手段の駆動履歴の情報と、前記焦点検出手段が焦点検出を行う焦点検出領域の情報と、前記撮影光学系を通過する光束に生じるケラレに関する情報とに基づいて、前記焦点検出手段により検出された焦点検出結果の信頼性を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記駆動履歴の情報は、前記像ブレ補正用の光学部材が駆動された位置の軌跡の重心位置の情報であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記ケラレに関する情報は、前記撮影光学系を通過する光束に生じるケラレの状態に応じた前記撮影光学系の射出瞳面上の光束の形状の情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記ケラレに関する情報は、前記複数の像信号の強度比の情報、または前記複数の像信号の位相差をデフォーカス量へと換算する換算係数の情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記焦点検出手段が検出する焦点検出結果を学習対象とし、次回の撮影の焦点検出結果を予測する焦点検出予測手段をさらに備え、該焦点検出予測手段は、前記判定手段により信頼性が低いと判定された焦点検出結果を、前記学習対象から除外することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記焦点検出予測手段は、前記学習対象となった前記焦点検出結果に基づいて予測した焦点検出予測の結果と、前記信頼性判定手段によって信頼性が低いと判定された焦点検出結果の差が所定値未満である場合には、前記信頼性が低いと判定された焦点検出結果を前記学習対象から除外しないことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記像ブレ補正手段は、本画像の撮影前後のライブビュー画像の取得を行う非本露光期間においては、前記像ブレ補正用の光学部材の駆動量を、前記本画像の撮影のための本露光期間における前記像ブレ補正用の光学部材の駆動量よりも小さくすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記判定手段は、前記非本露光期間においては、前記焦点検出結果の信頼性を判定しないことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記判定手段は、前記非本露光期間において行った前記焦点検出結果の信頼性の重みを減じて、信頼性の確認に利用することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  10. 前記判定手段により、前記本露光期間の信頼性が低く、前記非本露光期間の信頼性が高いと判定される履歴が所定の回数を超えた場合には、前記像ブレ補正手段は、前記像ブレ補正用の光学部材の駆動振幅中心を、前記ケラレの焦点検出への影響が軽減される位置に移動することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  11. 前記像ブレ補正手段は、方式の異なる第1の像ブレ補正手段と第2の像ブレ補正手段の2種類の像ブレ補正手段を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記第1の像ブレ補正手段は、前記像ブレ補正用の光学部材としての像ブレ補正レンズを移動させることにより像ブレを補正し、前記第2の像ブレ補正手段は、前記像ブレ補正用の光学部材としての被写体像を撮像する撮像素子を移動させることにより像ブレを補正することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記焦点検出手段は、被写体像を撮像する撮像素子の1つの画素について複数配置された光電変換部により得られた信号を用いて焦点検出を行うことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 撮影光学系の異なる瞳部分領域をそれぞれ通過する光束を光電変換することによって得られる複数の像信号の位相差に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段と、像ブレ補正用の光学部材を駆動することにより被写体像の像ブレを補正する像ブレ補正手段と、を備える撮像装置を制御する方法であって、
    前記焦点検出手段によって焦点検出が行われる期間中の、前記像ブレ補正手段の駆動履歴の情報と、前記焦点検出手段が焦点検出を行う焦点検出領域の情報と、前記撮影光学系を通過する光束に生じるケラレに関する情報とに基づいて、前記焦点検出手段により検出された焦点検出結果の信頼性を判定する判定工程を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  15. 請求項14に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  16. 請求項14に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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