JP2019089081A - 交流非消耗電極アーク溶接制御方法 - Google Patents

交流非消耗電極アーク溶接制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】交流非消耗電極アーク溶接において、溶接経過時間が長くなり母材が高温になってもビード形状を一定に保つこと。【解決手段】電極マイナス極性期間と電極プラス極性期間とを交互に繰り返して溶接する交流非消耗電極アーク溶接制御方法において、電極プラス極性電圧Vpを検出し、この電極プラス極性電圧Vpが所定電圧値になるように、母材への入熱量を制御する。入熱量の制御は、平均溶接電流、溶接速度又は電極マイナス極性時間比率の少なくとも1つをフィードバック制御することによって行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、電極マイナス極性期間と電極プラス極性期間とを交互に繰り返して溶接する交流非消耗電極アーク溶接制御方法に関するものである。
交流非消耗電極アーク溶接には、交流ティグ溶接、交流プラズマアーク溶接等がある。交流非消耗電極アーク溶接では、電極にタングステン電極等の非消耗電極を使用し、アルゴンガス等のシールドガスによって大気から遮蔽した状態中で、交流の溶接電流を通電してアークを発生させて溶接を行う。交流の溶接電流は、電極マイナス極性期間中の電極マイナス極性電流と電極プラス極性期間中の電極プラス極性電流とから形成される。交流非消耗電極アーク溶接には、定電流制御の溶接電源が使用される。したがって、電極マイナス極性電流及び電極プラス極性電流は、それぞれ所定値になるように定電流制御される。電極マイナス極性と電極プラス極性とが交互に繰り返されることになり、電極マイナス極性と電極プラス極性とで1周期となる。
交流非消耗電極アーク溶接は主にアルミニウムの溶接に使用される。母材であるアルミニウム材の表面には酸化皮膜があり、これを除去しなければ良好な溶接を行うことができない。交流非消耗電極アーク溶接では、電極プラス極性期間中は母材表面に陰極点が形成される。この陰極点が形成されるときのエネルギーによって酸化皮膜が除去される作用(クリーニング作用)が働く。すなわち、交流非消耗電極アーク溶接では、電極プラス極性期間を設けることによってクリーニング作用を働かせて酸化皮膜を除去している。このときに、電極プラス極性期間は非消耗電極の消耗が速いので、適正なクリーニング幅を確保することができる値に設定される。1周期に占める電極マイナス極性期間の時間比率である電極マイナス極性時間比率は、60〜90%程度の範囲に設定される。以下の説明では、非消耗電極のことを単に電極と記載する場合もある。
特許文献1の発明では、交流ティグ溶接において、平均電流設定値、電極マイナス極性期間比率設定値及び電極マイナス極性期間設定値を入力として電極マイナス極性電流設定値、電極プラス極性電流設定値及び電極プラス極性期間設定値を算出して、溶接電流の波形パラメータを決定するものである。
特許第3173159号公報
アークスタートからの経過時間が長くなるのに伴い、母材は次第に高温となる。この結果、アークから母材への入熱量が一定であっても、ビード幅が次第に広くなり、ビード形状が変化する。溶接中にビード形状が変化すると、溶接品質が悪くなる。
そこで、本発明では、溶接経過時間が長くなっても、ビード形状を一定に保つことができる非消耗電極アーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
電極マイナス極性期間と電極プラス極性期間とを交互に繰り返して溶接する交流非消耗電極アーク溶接制御方法において、
電極プラス極性電圧を検出し、この電極プラス極性電圧が所定電圧値になるように母材への入熱量を制御する、
ことを特徴とする交流非消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項2の発明は、前記入熱量の制御は、平均溶接電流を制御して行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項3の発明は、前記入熱量の制御は、溶接速度を制御して行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項4の発明は、前記入熱量の制御は、電極マイナス極性時間比率を制御して行う、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法である。
請求項5の発明は、前記所定電圧値を、アークスタート後の予め定めた初期期間中における前記電極プラス極性電圧にもとづいて設定する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法である。
本発明によれば、溶接経過時間が長くなっても、ビード形状を一定に保つことができる。
本発明の実施の形態1に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。 図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図において、極性切換時に数百Vの高電圧を印加する回路については、図示は省略している。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
インバータ回路INVは、3相200V等の交流商用電源(図示は省略)を入力として、整流及び平滑した直流電圧を、後述する電流誤差増幅信号Eiによるパルス幅変調制御によってインバータ制御を行い、高周波交流を出力する。
インバータトランスINTは、高周波交流電圧をアーク溶接に適した電圧値に降圧する。
2次整流器D2a〜D2dは、降圧された高周波交流を直流に整流する。
電極プラス極性トランジスタPTRは後述する電極プラス極性駆動信号Pdによってオン状態になり、溶接電源の出力は電極プラス極性EPになる。電極マイナス極性トランジスタNTRは後述する電極マイナス極性駆動信号Ndによってオン状態になり、溶接電源の出力は電極マイナス極性ENになる。
リアクトルWLは、リップルのある出力を平滑する。
溶接トーチ4の先端には電極1が装着されており、電極1と母材2との間にアーク3が発生する。アーク3中を交流の溶接電流Iwが通電し、電極1と母材2との間に交流の溶接電圧Vwが印加する。溶接電流Iwは、母材2→アーク3→電極1の方向に通電するとき(電極マイナス極性期間Tenのとき)を+側としている。電極1は、タングステンを主成分とする非消耗電極である。
溶接速度設定回路SRは、予め定めた溶接速度設定信号Srを出力する。自動台車7は、溶接トーチ4を搭載しており、上記の溶接速度設定信号Srによって定まる溶接速度で溶接トーチ4を移動させる。
溶接電源の2つの出力端子(図示は省略)と溶接トーチ4又は母材2とは溶接ケーブル5、6で接続されている。この溶接ケーブル5、6が長いときはインダクタンス値が大きくなり、溶接電流Iwの変化速度が緩やかになる。
周波数設定回路FRは、溶接電流Iwの繰り返し周波数を設定するための予め定めた周波数設定信号Fr[Hz]を出力する。周波数設定信号Frの設定範囲は、例えば50〜500Hzである。電極マイナス極性時間比率設定回路RRは、予め定めた電極マイナス極性時間比率設定信号Rr[%]を出力する。電極マイナス極性時間比率設定信号Rrの設定範囲は、例えば60〜90%である。
期間設定回路TRは、上記の周波数設定信号Fr及び上記の電極マイナス極性時間比率設定信号Rrを入力として、電極マイナス極性期間設定信号Tnr及び電極プラス極性期間設定信号Tprを出力する。ここで、Tnr[ms]=(1/Fr)×1000×(Rr/100)であり、Tpr[ms]=(1/Fr)×1000−Tnrである。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwの絶対値を検出して、電流検出信号Idを出力する。
電流比較回路CMは、上記の電流検出信号Idを入力として、電流検出信号Idの値が予め定めた極性切換電流値以下のときはHighレベルとなる電流比較信号Cmを出力する。極性切換電流値は、例えば50Aに設定される。
タイマ回路TMは、上記の電極マイナス極性期間設定信号Tnr、上記の電極プラス極性期間設定信号Tpr及び上記の電流比較信号Cmを入力として、以下の処理を行い、タイマ信号Tmを出力する。タイマ信号Tmが1又は2のときが電極マイナス極性期間Tenとなり、3又は4のときが電極プラス極性期間Tepとなる。
1)電極マイナス極性期間設定信号Tnrによって定まる期間中は、タイマ信号Tm=1を出力する。
2)続けて、電極マイナス極性期間設定信号Tnrによって定まる期間が経過してから、電流比較信号CmがHighレベルに変化するまでの遷移期間中は、タイマ信号Tm=2を出力する。
3)続けて、電流比較信号CmがHighレベルに変化してから、電極プラス極性期間設定信号Tprによって定まる期間中は、タイマ信号Tm=3を出力する。
4)続けて、電極プラス極性期間設定信号Tprによって定まる期間が経過してから、電流比較信号CmがHighレベルに変化するまでの遷移期間中は、タイマ信号Tm=4を出力する。
5)上記の1)〜4)を繰り返す。
2次側駆動回路DVは、上記のタイマ信号Tmを入力として、タイマ信号Tmが1又は2のときは上記の電極マイナス極性駆動信号Ndを出力し、タイマ信号Tmが3又は4のときは上記の電極プラス極性駆動信号Pdを出力する。これによって、タイマ信号Tmが1又は2のときは、電極マイナス極性トランジスタNTRがオン状態となり、電極マイナス極性期間Tenとなる。タイマ信号Tmが3又は4のときは、電極プラス極性トランジスタPTRがオン状態となり、電極プラス極性期間Tepとなる。
初期期間回路TSは、上記の電流検出信号Idを入力として、この値が予め定めた通電判別値以上となってから所定期間の間だけHighレベルとなる初期期間信号Tsを出力する。通電判別値は、例えば1Aに設定される。初期期間信号TsがHighレベルの期間は、アークスタートしてから所定期間中のときである。所定期間は、例えば0.1〜1秒程度に設定される。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwの絶対値を検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電極プラス極性電圧検出回路VPDは、上記の電圧検出信号Vd及び上記のタイマ信号Tmを入力として、タイマ信号Tm=3(電極プラス極性期間Tep)のときの電圧検出信号Vdの値を電極プラス極性電圧検出信号Vpdとして出力する。電極プラス極性電圧検出信号Vpdは、電極プラス極性期間Tep中の電圧検出信号Vdが過渡状態にあるときを除いた定常状態のときの値である。電極プラス極性電圧検出信号Vpdの値は、ビード幅の外側に形成される陰極点と電極1の先端(陽極点)との距離であるアーク長に比例する。このために、ビード幅が広くなるほど電極プラス極性電圧検出信号Vpdの値は大きくなる。したがって、電極プラス極性電圧検出信号Vpdを利用することによってビード幅の変化を間接的に検出することができる。
電極プラス極性電圧設定回路VPRは、上記の電極プラス極性電圧検出信号Vpd及び上記の初期期間信号Tsを入力として、初期期間信号TsがHighレベルであるときの各周期ごとの電極プラス極性電圧検出信号Vpdの平均値を算出して、電極プラス極性電圧設定信号Vprを出力する。上述したように、電極プラス極性電圧検出信号Vpdはビード幅と相関する値である。初期期間信号TsがHighレベルである期間は、アークスタート直後の所定期間であり、母材2の温度がアーク3からの入熱量によってまだ高温になっていない期間である。このために、初期期間中のビード幅は広がっておらず、所望値となっている。したがって、初期期間中の電極プラス極性電圧検出信号Vpdの値に基づいて電極プラス極性電圧設定信号Vprの値を設定することによって、所望のビード幅を目標値とすることができる。また、予備実験を行い、所望のビード幅となる電極プラス極性電圧を求めて電極プラス極性電圧設定信号Vprを設定するようにしても良い。
電極マイナス極性電流振幅設定回路INRは、予め定めた電極マイナス極性電流振幅設定信号Inrを出力する。
電圧誤差回路EVは、上記の電極プラス極性電圧設定信号Vpr及び上記の電極プラス極性電圧検出信号Vpdを入力として、両値の誤差を算出して、電圧誤差信号Ev=Vpr−Vpdを出力する。
振幅制御回路INCは、上記の電極マイナス極性電流振幅設定信号Inr、上記の電圧誤差信号Ev及び上記の初期期間信号Tsを入力として、初期期間信号TsがHighレベルからLowレベルに変化した以降の定常溶接期間中は電圧誤差信号Evを積分して、電極マイナス極性電流振幅制御信号Inc=Inr+G1・∫Ev・dtを出力する。Inc>0である。ここで、G1は正の値の増幅率であり、例えば5〜30程度に設定される。この増幅率G1は、平均溶接電流のフィードバック制御系が安定になるように調整される。
電極プラス極性電流振幅制御回路IPCは、上記の電極マイナス極性電流振幅制御信号Incを入力として、予め定めた関数によって電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcを算出して出力する。関数は、例えばIpc=Inc+50である。このときは、溶接電流Iwは非平衡波形となる。また、関数を、Ipc=Incとしても良い。このときは、両極性の振幅が同一値となり、溶接電流Iwは平衡波形となる。Ipc>0である。
上記の電圧誤差回路EV、上記の振幅制御回路INC及び上記の電極プラス極性電流振幅制御回路IPCによって、電極プラス極性電圧検出信号Vpdの値が電極プラス極性電圧設定信号Vprの値と等しくなるように、電極マイナス極性電流Ien及び電極プラス極性電流Iepの振幅が制御されて平均溶接電流値が変化する。これにより、溶接経過時間が長くなるのに伴い、母材2が高温になりビード幅が広がり始めると、平均溶接電流値が小さくなり、母材2への入熱量が小さくなる。この結果、ビード幅は一定となり、ビード形状が変化することを抑制することができる。
切換回路SWは、上記のタイマ信号Tm、上記の電極マイナス極性電流振幅制御信号Inc及び上記の電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcを入力として、以下の処理を行い、電流設定信号Irを出力する。
1)タイマ信号Tm=1のときは、電極マイナス極性電流振幅制御信号Incを電流設定信号Irとして出力する。
2)タイマ信号Tm=2のときは、電流設定信号Ir=0を出力する。
3)タイマ信号Tm=3のときは、電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcを電流設定信号Irとして出力する。
4)タイマ信号Tm=4のときは、電流設定信号Ir=0を出力する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流設定信号Irと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。これにより、溶接電源は定電流特性となり、交流の溶接電流Iwが通電する。
図2は、図1の溶接装置における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(B)は電流比較信号Cmの時間変化を示し、同図(C)は電極マイナス極性駆動信号Ndの時間変化を示し、同図(D)は電極プラス極性駆動信号Pdの時間変化を示し、同図(E)は電流設定信号Irの時間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化を示す。同図は、アークスタートから初期期間が経過した後の定常状態における波形である。同図(A)に示す溶接電流Iwは、0から上側が電極マイナス極性電流Ienであり、0から下側が電極プラス極性電流Iepである。同図は、溶接電流Iwの電極プラス極性EPの振幅が電極マイナス極性ENの振幅よりも大きい非平衡波形の場合である。以下、同図を参照して、各信号の動作について説明する。
時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接電流Iw(電極プラス極性電流Iep)の絶対値が予め定めた極性切換電流値以下となるので、同図(B)に示すように、電流比較信号Cmが短時間Highレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、電極マイナス極性駆動信号NdがHighレベルとなり、電極マイナス極性トランジスタNTRがオン状態となり、電極マイナス極性ENへと切り換わる。同時に、同図(D)に示すように、電極プラス極性駆動信号PdはLowレベルになり、電極プラス極性トランジスタPTRはオフ状態となる。時刻t1において、同図(E)に示すように、電流設定信号Irは0から電極マイナス極性電流振幅制御信号Incに切り換わる。同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、負の値の極性切換電流値から正の値の極性切換電流値へと瞬時的に変化する。
時刻t1〜t2の期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、極性切換電流値から電極マイナス極性電流振幅制御信号Incの値まで傾斜を有して増加する。同図(F)に示すように、溶接電圧Vwも傾斜を有して増加する。この傾斜は、リアクトルWL及び溶接ケーブルによるインダクタンス値によって決まる。インダクタンス値が大きいほど傾斜は緩やかになる。
時刻t2〜t3の期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは電極マイナス極性電流振幅制御信号Incの値となる。同図(F)に示すように、溶接電圧Vwはアーク長に相関した電極マイナス極性電圧値となる。
時刻t3において、時刻t1からの経過時間が電極マイナス極性期間設定信号Tnrの値に達すると、同図(E)に示すように、電流設定信号Irは0に変化する。これに応動して、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは傾斜を有して減少する。この傾斜もリアクトルWL及び溶接ケーブルによるインダクタンス値によって決まる。そして、時刻t4において、溶接電流Iwの値が極性切換電流値以下となると、同図(B)に示すように、電流比較信号Cmが短時間Highレベルとなる。また、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwも傾斜を有して減少する。
時刻t4において、同図(B)に示すように、電流比較信号Cmが短時間Highレベルになると、同図(D)に示すように、電極プラス極性駆動信号PdがHighレベルとなり、電極プラス極性トランジスタPTRがオン状態となり、電極プラス極性EPへと切り換わる。同時に、同図(C)に示すように、電極マイナス極性駆動信号NdはLowレベルになり、電極マイナス極性トランジスタNTRはオフ状態となる。時刻t4において、同図(E)に示すように、電流設定信号Irは0から正の値の電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcに切り換わる。同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、正の値の極性切換電流値から負の値の極性切換電流値へと瞬時的に変化する。
時刻t4〜t5の期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、極性切換電流値から電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcの値まで傾斜を有して増加する。この傾斜もリアクトルWL及び溶接ケーブルによるインダクタンス値によって決まる。同図(F)に示すように、溶接電圧Vwも傾斜を有して増加する。
時刻t5〜t6の期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcの値となる。同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは、アーク長と相関する値の電極プラス極性電圧Vpとなる。この期間(定常状態)における電極プラス極性電圧Vpがビード幅と相関する値となる。この電極プラス極性電圧検出信号Vpdが電極プラス極性電圧設定信号Vprと等しくなるように、電極マイナス極性電流振幅制御信号Inc及び電極プラス極性電流振幅制御信号Ipcがフィードバック制御されて、平均溶接電流が変化する。
時刻t6において、時刻t4からの経過時間が電極プラス極性期間設定信号Tprの値に達すると、同図(E)に示すように、電流設定信号Irは0に変化する。これに応動して、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは傾斜を有して減少する。この傾斜もリアクトルWL及び溶接ケーブルによるインダクタンス値によって決まる。そして、時刻t7において、溶接電流Iwの値が極性切換電流値以下となると、同図(B)に示すように、電流比較信号Cmが短時間Highレベルとなる。また、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwも傾斜を有して減少する。
以後、上記の動作を繰り返すことになる。
同図は、溶接電流波形が非平衡波形の場合であるが、平衡波形の場合も同様である。さらに、同図は、溶接電流波形が台形波の場合であるが、正弦波等の曲線状に変化する波形の場合も同様である。
上述した実施の形態1によれば、電極プラス極性電圧を検出し、この電極プラス極性電圧が所定電圧値になるように母材への入熱量を制御する。実施の形態1では、入熱量の制御は、平均溶接電流を制御して行う。これにより、実施の形態1では、溶接経過時間が長くなるのに伴い、母材の温度が高温になり、ビード幅が広くなることを抑制することができる。このために、ビード形状を一定に保つことができるので、高品質の溶接結果を得ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2の発明は、上記の入熱量の制御を溶接速度を制御して行うものである。
図3は、本発明の実施の形態2に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一ブロックには同一符号を付して、それらの説明は繰り返さない。同図は、図1に溶接速度制御回路SCを追加したものである。以下、同図を参照してこのブロックについて説明する。
溶接速度制御回路SCは、上記の溶接速度設定信号Sr、上記の電圧誤差信号Ev及び上記の初期期間信号Tsを入力として、初期期間信号TsがHighレベルからLowレベルに変化した以降の定常溶接期間中は電圧誤差信号Evを積分して、溶接速度制御信号Sc=Sr+G2・∫Ev・dtを自動台車7に出力する。自動台車7は、この溶接速度制御信号Scによって定まる溶接速度で移動する。ここで、G2は負の値の増幅率であり、例えば−1〜−5程度に設定される。この増幅率G2は、溶接速度のフィードバック制御系が安定になるように調整される。
図3の溶接装置における各信号のタイミングチャートは、上述した図2と同様である。但し、電極プラス極性電圧検出信号Vpdが電極プラス極性電圧設定信号Vprと等しくなるように、溶接速度制御信号Scがフィードバック制御されて、溶接速度が変化する点が追加されている。
上述した実施の形態2によれば、母材への入熱量の制御を、平均溶接電流及び溶接速度を制御することによって行う。溶接経過時間が長くなるのに伴い、母材の温度が高温になり、ビード幅が広がり始めると、入熱量を小さくするために平均溶接電流は小さくなり、溶接速度は速くなる。これにより、ビード幅(ビード形状)をより精密かつ迅速に一定にすることができる。母材への入熱量の制御を、溶接速度のみによって行うようにしても良い。
[実施の形態3]
実施の形態3の発明は、上記の入熱量の制御を電極マイナス極性時間比率を制御して行うものである。
図4は、本発明の実施の形態3に係る交流非消耗電極アーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図は上述した図3と対応しており、同一ブロックには同一符号を付して、それらの説明は繰り返さない。同図は、図3に電極マイナス極性時間比率制御回路RCを追加したものである。以下、同図を参照してこのブロックについて説明する。
電極マイナス極性時間比率制御回路RCは、上記の電極マイナス極性時間比率設定信号Rr、上記の電圧誤差信号Ev及び上記の初期期間信号Tsを入力として、初期期間信号TsがHighレベルからLowレベルに変化した以降の定常溶接期間中は電圧誤差信号Evを積分して、電極マイナス極性時間比率制御信号Rc=Rr+G3・∫Ev・dtを期間設定回路TRに出力する。期間設定回路TRは、この電極マイナス極性時間比率制御信号Rc及び周波数設定信号Frを入力として、電極マイナス極性期間設定信号Tnr及び電極プラス極性期間設定信号Tprを出力する。ここで、G3は正の値の増幅率であり、例えば1〜5程度に設定される。この増幅率G3は、電極マイナス極性時間比率のフィードバック制御系が安定になるように調整される。
図4の溶接装置における各信号のタイミングチャートは、上述した図2と同様である。但し、電極プラス極性電圧検出信号Vpdが電極プラス極性電圧設定信号Vprと等しくなるように、電極マイナス極性時間比率制御信号Rcがフィードバック制御されて、電極マイナス極性時間比率が変化する点が追加されている。
上述した実施の形態3によれば、母材への入熱量の制御を、平均溶接電流、溶接速度及び電極マイナス極性時間比率を制御することによって行う。溶接経過時間が長くなるのに伴い、母材の温度が高温になり、ビード幅が広がり始めると、入熱量を小さくするために平均溶接電流は小さくなり、溶接速度は速くなり、電極マイナス極性時間比率は小さくなる。これにより、ビード幅(ビード形状)をより精密かつ迅速に一定にすることができる。母材への入熱量の制御を平均溶接電流、溶接速度又は電極マイナス極性時間比率の少なくとも1つによって行うようにしても良い。
上記においては、交流非消耗電極アーク溶接が交流ティグ溶接の場合であるが、交流プラズマアーク溶接の場合も同様である。
1 (非消耗)電極
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5、6 溶接ケーブル
7 自動台車
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
D2a〜D2d 2次整流器
DV 2次側駆動回路
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
EV 電圧誤差回路
Ev 電圧誤差信号
FR 周波数設定回路
Fr 周波数設定信号
G1〜G3 増幅率
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
Ien 電極マイナス極性電流
Iep 電極プラス極性電流
INC 振幅制御回路
Inc 電極マイナス極性電流振幅制御信号
INR 電極マイナス極性電流振幅設定回路
Inr 電極マイナス極性電流振幅設定信号
INT インバータトランス
INV インバータ回路
IPC 電極プラス極性電流振幅制御回路
Ipc 電極プラス極性電流振幅制御信号
Ir 電流設定信号
Iw 溶接電流
Nd 電極マイナス極性駆動信号
NTR 電極マイナス極性トランジスタ
Pd 電極プラス極性駆動信号
PTR 電極プラス極性トランジスタ
RC 電極マイナス極性時間比率制御回路
Rc 電極マイナス極性時間比率制御信号
RR 電極マイナス極性時間比率設定回路
Rr 電極マイナス極性時間比率設定信号
SC 溶接速度制御回路
Sc 溶接速度制御信号
SR 溶接速度設定回路
Sr 溶接速度設定信号
SW 切換回路
Ten 電極マイナス極性期間
Tep 電極プラス極性期間
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tnr 電極マイナス極性期間設定信号
Tpr 電極プラス極性期間設定信号
TR 期間設定回路
TS 初期期間回路
Ts 初期期間信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VPD 電極プラス極性電圧検出回路
Vpd 電極プラス極性電圧検出信号
VPR 電極プラス極性電圧設定回路
Vpr 電極プラス極性電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル

Claims (5)

  1. 電極マイナス極性期間と電極プラス極性期間とを交互に繰り返して溶接する交流非消耗電極アーク溶接制御方法において、
    電極プラス極性電圧を検出し、この電極プラス極性電圧が所定電圧値になるように母材への入熱量を制御する、
    ことを特徴とする交流非消耗電極アーク溶接制御方法。
  2. 前記入熱量の制御は、平均溶接電流を制御して行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法。
  3. 前記入熱量の制御は、溶接速度を制御して行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法。
  4. 前記入熱量の制御は、電極マイナス極性時間比率を制御して行う、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法。
  5. 前記所定電圧値を、アークスタート後の予め定めた初期期間中における前記電極プラス極性電圧にもとづいて設定する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の交流非消耗電極アーク溶接制御方法。
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