JP2019086660A - 光導波路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏波変換効率が高い、グレーティング型の光導波路素子を提供する。【解決手段】支持基板と、光導波路コアと、クラッドとを備えて構成される。光導波路コアは、シリコンを材料として形成されていて、厚さが200nmより大きく300nmより小さい。クラッドは、支持基板上に設けられ、光導波路コアを包含する。光導波路コアは、リブ導波路部と、テラス導波路部とを備えている。リブ導波路部には、グレーティングが形成されている。また、テラス導波路部は、リブ導波路部よりも小さい厚さで、かつ、リブ導波路部の光伝播方向に沿った両側面に、それぞれリブ導波路部と一体に形成されている。この光導波路素子は、k次モード(kは0以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波のいずれか一方の偏波を、h次モード(hは0以上の整数)の他方の偏波に変換してブラッグ反射させ、かつ、p次モード(pはhとは異なる0以上の整数)の他方の偏波を透過させる。【選択図】図1

Description

この発明は、光導波路素子、例えば、偏波無依存性が要求される波長多重又は波長分離に用いられる光導波路素子に関する。
近年、加入者系光アクセスシステムとして、受動光ネットワーク(PON:Passive Optcial Network)が主流となっている。PONでは、1つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)が、光ファイバ及びスターカプラを介して接続されていて、1つのOLTを複数のONUが共有する。PONでは、OLTからONUへ向けた下り通信とONUからOLTに向けた上り通信とが相互に干渉し合わないように、下り通信に使われる光信号波長と上り通信に使われる光信号波長とを違えている。
従って、下り通信と上り通信のそれぞれに使われる互いに波長の異なる光信号を分波し、かつ合波するために合分波素子が必要である。一般に、OLTやONUは、波長の異なる光信号を送受信する機能を実現させるために、合分波素子としての光波長フィルタ、フォトダイオード(PD:Photodiode)、レーザーダイオード(LD:Laser Diode)を空間結合して構成される。
空間結合させるためには、光波長フィルタ、PD、LD間で光軸を合わせるためのアライメント作業が必要となる。これに対し、この光軸合わせのための作業を不要とするため、導波路を利用して構成される光波長フィルタが開発されている。また、この光波長フィルタを形成するに当たり、小型化と量産性に優れることから、シリコン系素材を導波路材料として用いるシリコン(Si)導波路が注目されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
Si導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si導波路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている。
ところで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)方式を利用したPONでは、ONUごとに異なる受信波長が割り当てられる。OLTは、各ONUへの下り光信号を、送り先の受信波長に対応した送信波長でそれぞれ生成し、これらを多重して送信する。各ONUは、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた受信波長の光信号を選択的に受信する。ONUでは、各々の受信波長の下り光信号を選択的に受信するために、波長フィルタが使用される。そして、波長フィルタを、上述したSi導波路によって構成する技術が実現されている。
Si導波路を用いる波長フィルタとしては、例えば、マッハツェンダー干渉器を用いたものやアレイ導波路グレーティングを用いたものがある。また、Si導波路を用いる波長フィルタとして、リング共振器(例えば特許文献6〜8参照)や、グレーティング型(例えば特許文献9参照)又は方向性結合器型(例えば特許文献10参照)の波長フィルタがある。これらの波長フィルタは、出力波長を可変にでき、素子構造が簡単であるため使いやすいという利点がある。
この中で、リング共振器は、シャープな複数の、いわゆる他峰性の波長ピークが得られるので、この種の素子の中で多く使用されている。グレーティング型や方向性結合器型の素子は、単一波長の、いわゆる単峰性の波長ピークが得られる。
米国特許第4,860,294号明細書 米国特許第5,764,826号明細書 米国特許第5,960,135号明細書 米国特許第7,072,541号明細書 特開平08−163028号公報 特開2003−215515号公報 特開2013−093627号公報 特開2006−278770号公報 特開2006−330104号公報 特開2002−353556号公報
光通信では、信号光が光ファイバ中の長距離を伝播するために、偏波状態が不特定になる。このため、光通信で使用する、波長多重又は波長分離を行う波長フィルタには偏波無依存性が要求される。
上述した波長フィルタの中で、偏波変換を行うグレーティング型の素子を用いると、偏波無依存性が実現される。
しかしながら、グレーティング型の素子における、偏波変換の効率は一般には低い。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、偏波変換効率が高い、グレーティング型の光導波路素子を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光導波路素子は、支持基板と、光導波路コアと、クラッドとを備えて構成される。光導波路コアは、シリコンを材料として形成されている。クラッドは、支持基板上に設けられ、光導波路コアを包含する。
光導波路コアは、リブ導波路部と、テラス導波路部とを備えている。リブ導波路部には、グレーティングが形成されている。また、テラス導波路部は、リブ導波路部よりも小さい厚さで、かつ、リブ導波路部の光伝播方向に沿った両側面に、それぞれリブ導波路部と一体に形成されている。ここで、リブ導波路部の厚さは200nmより大きく300nmより小さい。
この光導波路素子は、k次モード(kは0以上の整数)の、TE(Transverse Electoric)偏波及びTM(Transverse Maganetic)偏波のいずれか一方の偏波を、h次モード(hは0以上の整数)の他方の偏波に変換してブラッグ反射させ、かつ、p次モード(pはhとは異なる0以上の整数)の他方の偏波を透過させる。
上述した光導波路素子の実施にあたり、好ましくは、グレーティングが、ブラッグ波長をλ、グレーティング周期をΛ、TE偏波のk次モードの等価屈折率をNTEk、TM偏波のh次モードの等価屈折率をNTMhとして、(NTEk+NTMh)Λ=λを満足する設計、又は、TM偏波のk次モードの等価屈折率をNTMk、TE偏波のh次モードの等価屈折率をNTEhとして、(NTMk+NTEh)Λ=λを満足する設計で形成される。
また、この発明の光導波路素子の好適実施例によれば、k次モードの、TE偏波及びTM偏波のいずれか一方の偏波の、h次モードの他方の偏波への回折波長が、h次モードの他方の偏波のp次モードの他方の偏波への回折波長よりも長波長である。
この発明の光導波路素子によれば、光導波路コアがリブ導波路部並びにテラス導波路部を含むことによって、光導波路コアを伝播する光の電界分布は厚さ方向で偏心し、上下で非対称となる。この結果、光導波路コアに形成されたグレーティングにおいて、入力される一方の偏波を他方の偏波に変換してブラッグ反射し、かつ入力される他方の偏波を透過させることができる。従って、出力される光をTE偏波又はTM偏波のいずれかに揃えることができる。
また、後述するように、光導波路コアの厚さを200nmより大きく300nmより小さくすることで、TE偏波及びTM偏波間の結合係数を高くし、偏波変換効率を高めることができる。
光導波路素子を説明するための模式図である。 光導波路素子に、基本モードのTE偏波を入力した場合における、透過光及び反射光の光強度を示す図である。 結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)と、導波路厚(nm)との関係を示す図(1)である。 結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)と、導波路厚(nm)との関係を示す図(2)である。 結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)と、テラス全幅(nm)との関係を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(構成)
図1を参照して、この発明の光導波路素子の実施形態を説明する。図1は、光導波路素子を説明するための模式図である。図1(A)は、光導波路素子を示す概略平面図である。また、図1(B)は、図1(A)に示す構造体をI−I線で切り取った概略的端面図である。なお、図1(A)では、後述する支持基板及びクラッドを省略して示してある。
なお、以下の説明では、各構成要素について、光伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
光導波路素子は、支持基板10とクラッド20と光導波路コア30とを備えて構成されている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に設けられている。クラッド20は、支持基板10の上面を被覆し、かつ、光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えば酸化シリコン(SiO)を材料として形成されている。
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばシリコン(Si)を材料として形成されている。その結果、光導波路コア30は、光の伝送路として機能し、光導波路コア30に入力された光は、光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
ここで、光導波路コア30を伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、光導波路コア30は、支持基板10から少なくとも1μm以上離間して形成されているのが好ましい。
光導波路コア30は、リブ導波路部32と、テラス導波路部38とを備えている。
リブ導波路部32には、グレーティングが形成されている。リブ導波路部32は、基部34と突出部36a及び36bとを一体的に含んで構成されている。基部34は、一定の幅で、光の伝播方向に沿って延在して形成されていて、いわゆるグレーティングを構成する。突出部36a及び36bは、基部34の両側面に、同じ周期Λで、周期的に複数形成されている。
基部34の一方の側面に形成された突出部36aと、他方の側面に形成された突出部36bとが、半周期(すなわちΛ/2)ずらして配置されている。すなわち、長手方向のある位置について、一方の側面に突出部36aが配置されているとき、他方の側面に突出部36bが配置されておらず、一方の側面に突出部36aが配置されていないとき、他方の側面に突出部36bが配置されている。
この場合には、光導波路コアを伝播する光の電界分布が幅方向で偏心する。この結果、TE偏波及びTM偏波の間でモード変換及び偏波変換が可能となる。グレーティングによる位相整合条件は、ブラッグ波長をλ、グレーティング周期をΛ、TE偏波のk次モード(kは0以上の整数)の等価屈折率をNTEk、TM偏波のh次モード(hは0以上の整数)の等価屈折率をNTMh、TM偏波のk次モードの等価屈折率をNTMk、TE偏波のh次モードの等価屈折率をNTEhとして、以下の式(1)又は式(2)で表すことができる。
(NTEk+NTMh)Λ=λ (1)
(NTMk+NTEh)Λ=λ (2)
上記式(1)又は式(2)を満足する設計にすれば、k次モード(kは0以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波のいずれか一方の偏波を、h次モード(hは0以上の整数)の他方の偏波に変換してブラッグ反射させることができる。
例えば、k=0及びh=0、すなわち、基本モードのTM偏波と、基本モードのTE偏波の間で偏波変換が行われる場合、p次モード(pはhとは異なる0以上の整数)の他方の偏波、例えば、1次モードのTE偏波は、この光導波路素子を透過する。
この光導波路素子では、リブ導波路部32の、基部34と、突出部36a及び36bとは、同じ厚さで形成されている。光の伝播方向に隣り合う突出部の間のグレーティング溝40の底部には、Siの部分がある。リブ導波路部32の基部34と突出部36a及び36bは、同じ厚さのSiで形成され、グレーティング溝40の部分は、リブ導波路部32の基部34と突出部36a及び36bより小さい厚さのSiで形成されている。
この結果、光導波路コアを伝播する光の電界分布は厚さ方向で偏心し、上下で非対称となる。これにより、TE偏波及びTM偏波の間での偏波変換が効率良く達成される。
この光導波路素子では、さらに、リブ導波路部32の光伝播方向に沿った両側面に、テラス導波路部38が設けられている。テラス導波路部38は、グレーティング溝40のSiと同じ厚さで、グレーティング溝40のSiの部分を幅方向に延長して設けられている。すなわち、テラス導波路部38は、リブ導波路部32よりも小さい厚さで、かつ、リブ導波路部32の光伝播方向に沿った両側面に、それぞれリブ導波路部32と一体に形成されている。
後述するように、リブ導波路部32の基部34と突出部36a及び36bの厚さ(導波路厚)を200nmより大きく300nmより小さくし、さらにテラス導波路部38を設けることにより、TE偏波及びTM偏波間の結合係数を高くし、偏波変換効率を高めることができる。
(製造方法)
この光導波路素子は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。以下、光導波路素子の製造方法の一例を説明する。
先ず、支持基板層、SiO層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。次に、例えばドライエッチングを2段階で行い、Si層をパターニングすることによって、厚みの大きいリブ導波路部の基部及び突出部と、厚みの小さいグレーティング溝の部分及びテラス導波路部を形成する。この結果、支持基板10としての支持基板層上にSiO層が積層され、さらにSiO層上に光導波路コア30が形成された構造体を得ることができる。
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、SiO層上に、SiOを、光導波路コア30を被覆して形成する。その結果、クラッド20によって光導波路コア30が包含され、光導波路素子が得られる。
(特性評価)
図2〜図5を参照して、FDTD(Finite Differential Time Domain)を用いて行った、光導波路素子の特性を評価するシミュレーションを説明する。
図2は、光導波路素子に、基本モードのTE偏波を入力した場合における、透過光及び反射光の光強度を示す図である。図2では、横軸に波長(nm)を取って示し、縦軸に光強度(dB)を取って示している。図2中、曲線Iは、透過光を示し、曲線IIは反射光を示している。
ここで用いた光導波路素子は、リブ導波路部の基部及び突出部の厚さ(導波路厚)が300nm、リブ導波路部の基部の幅(以下、導波路幅)が550nmである。突出部の長さは125nmであり、グレーティング溝は、光導波路コアの上面から80nm彫り込んで形成している。すなわち、グレーティング溝の部分のSiの厚さは220nmである。グレーティング周期Λは300nmとし、光導波路素子の長さは100μmとしている。なお、このシミュレーションで用いた光導波路素子はテラス導波路部を備えていない。
図2中、波長1500nm付近の反射ピーク及び透過ディップが、基本モードのTE偏波と基本モードのTM偏波の間の回折に対応する。この所望の回折の他に、波長1400nm付近に、不要な、波長ピーク及び透過ディップがみられる。これは、TE偏波の、基本モードと1次モードの間の回折に対応する。実用上は、所望の回折波長と、不要な回折波長とができるだけ離れていることが必要である。互いに影響を与えないためには、回折波長が50nm以上離れていることが好ましい。
基本モードのTE偏波と、基本モードのTM偏波との回折波長λは、以下の式(3)で与えられる。
2π/Λ=2π[NTE0(λ)+NTM0(λ)]/λ (3)
一方、TE偏波の基本モードと1次モードの回折波長λは、以下の式(4)で与えられる。
2π/Λ=2π[NTE0(λ)+NTE1(λ)]/λ (4)
上記式(3)及び式(4)より、以下の式(5)が得られる。
λ−λ=[NTM0(λ)−NTE1(λ)](1−dNTE0(λ)/dλ) (5)
上記式(5)によれば、NTE0(λ)−NTE1(λ)の符号により、不要な回折波長λが所望の回折波長λの短波長側にあるか長波長側にあるかが決定される。
導波路幅が広いほど、TE偏波に対する屈折率NTE1(λ)が大きくなる。これに対し、TM偏波に対する屈折率NTM0(λ)は、導波路幅による変化は小さい。従って、導波路幅が広くなるにつれて、不要な回折波長λが長くなり、所望の回折波長λに近づく。
一方、導波路の厚さが厚いほどTM偏波に対する屈折率NTM0(λ)が大きくなる。これに対し、TE偏波に対する屈折率NTE1(λ)は、導波路の厚さによる変化は小さい。従って、導波路の厚さが大きくなるにつれて、不要な回折波長λが長くなり、所望の回折波長λから離れる。
図3及び図4は、結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)と、導波路厚(nm)との関係を示す図である。
図3及び図4では、横軸に導波路の厚さ(nm)を取って示し、縦軸に結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)を取って示している。
図3では、曲線I、II及びIIIは、それぞれ、テラス幅(図1(A)参照)が0nm、25nm及び75nmのときの結合係数を示している。また、曲線IV、V及びVIは、それぞれ、テラス幅が0nm、25nm及び75nmのときの波長差を示している。ここでは、テラス全幅(図1(A)参照)を600nmとしている。従って、テラス幅が0nm、25nm及び75nmのときの導波路幅は、それぞれ、600nm、550nm及び450nmになる。
図3の曲線I、II及びIIIに示されるように、テラス幅が広いほど結合係数が大きくなる。テラス幅75nmのときの結合係数の最大値は、導波路の厚さが250nm程度のところに存在している。
また、図3の曲線IV、V及びVIに示されるように、導波路の厚さが大きくなるにつれて、所望の回折波長と不要の回折波長との波長差が大きくなる。
図4では、曲線I及びIIは、それぞれ、テラス幅が0nm及び25nmのときの結合係数を示している。また、曲線III及びIVは、それぞれ、テラス幅が0nm及び25nmのときの波長差を示している。ここでは、テラス全幅を450nmとしている。従って、テラス幅が0nm及び25nmのときの導波路幅は、それぞれ、450nm及び400nmになる。
図4においても、曲線I及びIIに示されるように、テラス導波路部を有する方が結合係数が大きくなる。テラス幅25nmのときの結合係数の最大値は、導波路の厚さが250nm程度のところに存在している。
また、曲線III及びIVに示されるように、導波路の厚さが大きくなるにつれて、所望の回折波長と不要の回折波長との波長差が大きくなる。
図5は、結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)と、テラス全幅との関係を示す図である。図5では、横軸にテラス全幅(nm)を取って示し、縦軸に結合係数(1/μm)及び所望の回折波長と不要の回折波長との波長差(μm)を取って示している。
図5では、曲線I及びIIは、それぞれ、結合係数及び波長差を示している。ここでは、導波路の厚さを300nmとし、導波路幅を550nmとしている。
テラス幅を大きくすると、結合係数は大きくなり、波長差は小さくなる。テラス全幅900nm(テラス幅175nm)のとき、結合係数は最大となるが、このときの波長差は0である。すなわち、所望の回折波長と不要な回折波長とが重なってしまう。さらに、テラス幅を広げると、結合係数は急激に低下する。
図3〜図5に示されるように、導波路の厚さが、シングルモード条件を満たす、すなわち、200nmより大きく300nmより小さいとき、テラス導波路部を設けることで、結合係数が増大することが理解される。
導波路幅は、少なくとも450nm及び550nmで有効なことが確かめられているが、作成誤差を考慮すると550nmの方が有利である。また、導波路幅450nmの場合、導波路厚が250nmのとき結合係数が最大となる。
図3及び図4に示す条件では、主要な回折波長が、不要な回折波長よりも長波長になっている。このため、導波路厚が250nmより小さくなると、波長差が小さくなり、また、導波路厚が250nmより大きくなると、波長差が大きくなる。また、結合係数は、導波路厚が250nmより大きくなると、減少傾向になる。従って、導波路厚は250nmを含む範囲、例えば、220nm〜260nmであるのがより好適である。
この発明の光導波路素子によれば、光導波路コアがリブ導波路部並びにテラス導波路部を含むことによって、光導波路コアを伝播する光の電界分布は厚さ方向で偏心し、上下で非対称となる。この結果、光導波路コアに形成されたグレーティングにおいて、入力される一方の偏波を他方の偏波に変換してブラッグ反射し、かつ入力される他方の偏波を透過させることができる。従って、出力される光をTE偏波又はTM偏波のいずれかに揃えることができる。
また、TE偏波及びTM偏波間の結合係数を高くし、偏波変換効率を高めることができる。
10 支持基板
20 クラッド
30 光導波路コア
32 リブ導波路部
34 基部
36a、36b 突出部
38 テラス導波路部
40 グレーティング溝
光導波路コアは、リブ導波路部と、テラス導波路部とを備えている。リブ導波路部には、グレーティングが形成されている。また、テラス導波路部は、リブ導波路部よりも小さい厚さで、かつ、リブ導波路部の光伝播方向に沿った両側面に、それぞれリブ導波路部と一体に形成されている。ここで、リブ導波路の、当該リブ導波路部の下側に設けられたクラッドとの接触面から、当該リブ導波路部の上側に設けられたクラッドとの接触面までの距離である、リブ導波路部の厚さは200nmより大きく300nmより小さい。
上述した光導波路素子の実施にあたり、好ましくは、グレーティングが、k次モードのTE偏波とh次モードのTM偏波との回折波長をλ 、回折波長λ でのk次モードのTE偏波の等価屈折率をN TEk (λ )、回折波長λ でのh次モードのTM偏波の等価屈折率をN TMh (λ )、グレーティング周期をΛとしたとき、(N TEk (λ )+N TMh (λ ))Λ=λ を満足する設計で形成されて、k次モードのTE偏波を、h次モードのTM偏波に変換してブラッグ反射させ、かつ、p次モードのTM偏波を透過させる。また、リブ導波路部の厚さ及び幅は、k次モードのTE偏波の、h次モードのTM偏波への回折波長λ が、h次モードのTM偏波のp次モードのTM偏波への回折波長λ よりも長波長となる設計で形成される。
また、他の好適例によれば、グレーティングが、k次モードのTM偏波とh次モードのTE偏波との回折波長をλ 、回折波長λ でのk次モードのTM偏波の等価屈折率をN TMk (λ )、回折波長λ でのh次モードのTE偏波の等価屈折率をN TEh (λ )、グレーティング周期をΛとしたとき、(N TMk (λ )+N TEh (λ ))Λ=λ を満足する設計で形成されて、k次モードのTM偏波を、h次モードのTE偏波に変換してブラッグ反射させ、かつ、p次モードのTE偏波を透過させる。また、リブ導波路部の厚さ及び幅は、k次モードのTM偏波の、h次モードのTE偏波への回折波長λ が、h次モードのTE偏波のp次モードのTE偏波への回折波長λ よりも長波長となる設計で形成される。
λ−λ=[NTM0(λ)−NTE1(λ)](1−dNTE0(λ)/dλ) (5)
上記式(5)によれば、N(λ)−NTE1(λ)の符号により、不要な回折波長λが所望の回折波長λの短波長側にあるか長波長側にあるかが決定される。
一方、導波路の厚さが厚いほどTM偏波に対する屈折率NTM0(λ)が大きくなる。これに対し、TE偏波に対する屈折率NTE1(λ)は、導波路の厚さによる変化は小さい。従って、導波路の厚さが大きくなるにつれて、所望の回折波長λ が長くなり、不要な回折波長λ から離れる。

Claims (3)

  1. 支持基板と、
    シリコンを材料として形成された光導波路コアと、
    前記支持基板上に設けられ、前記光導波路コアを包含するクラッドと
    を備え、
    前記光導波路コアは、
    グレーティングが形成されたリブ導波路部と、
    前記リブ導波路部よりも小さい厚さで、かつ、前記リブ導波路部の光伝播方向に沿った両側面に、それぞれ前記リブ導波路部と一体に形成されたテラス導波路部と
    を備え、
    k次モード(kは0以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波のいずれか一方の偏波を、h次モード(hは0以上の整数)の他方の偏波に変換してブラッグ反射させ、かつ、p次モード(pはhとは異なる0以上の整数)の他方の偏波を透過させ、
    前記リブ導波路部の厚さは200nmより大きく300nmより小さい
    ことを特徴とする光導波路素子。
  2. 前記グレーティングは、
    ブラッグ波長をλ、グレーティング周期をΛ、TE偏波のk次モードの等価屈折率をNTEk、TM偏波のh次モードの等価屈折率をNTMhとして、(NTEk+NTMh)Λ=λを満足する設計、又は
    TM偏波のk次モードの等価屈折率をNTMk、TE偏波のh次モードの等価屈折率をNTEhとして、(NTMk+NTEh)Λ=λを満足する設計
    で形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
  3. 前記k次モードの、TE偏波及びTM偏波のいずれか一方の偏波の、前記h次モードの他方の偏波への回折波長が、前記h次モードの他方の偏波の前記p次モードの他方の偏波への回折波長よりも長波長である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。
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