JP2019085928A - 圧縮機 - Google Patents

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健一 佐多
Kenichi Sata
健一 佐多
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Abstract

【課題】駆動軸における、摩擦熱が集中してしまう箇所の温度を下げる。【解決手段】駆動軸(42)の主軸部(43)のうち主軸受部(16)によって囲まれる部分である上部ジャーナル部(19)における、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に、給油通路(45)を構成する第1吸熱路(57b)を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、偏心部が形成された駆動軸を備える圧縮機に関するものである。
従来より、流体を吸入して圧縮する圧縮機構と、偏心部が形成され圧縮機構を回転駆動する駆動軸と、この駆動軸を囲むように設けられて駆動軸からのラジアル荷重を受ける軸受部とを備えた圧縮機が知られている。上記のような圧縮機として、特許文献1には、スクロール型の圧縮機が開示されている。また、特許文献2には、駆動軸の偏心部を囲むように設けられたピストンを備えるロータリ式の圧縮機が開示されている。
特開2003−206873号公報 特開2014−129755号公報
ところで、上記のような圧縮機では、駆動軸に作用するラジアル荷重の向きが、駆動軸の回転に伴って変化する。そして、駆動軸のうち周方向の一部の領域には、周囲から受けるラジアル荷重が集中的に作用することがある。このような、ラジアル荷重が集中的に作用する領域は、周囲との摩擦によって温度が局所的に上昇する。すると、熱膨張によるクリアランスの減少や潤滑油の劣化に起因して、駆動軸や軸受が損傷を受けるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機の駆動軸における、ラジアル荷重が集中的に作用する領域の温度上昇を抑えることにある。
第1の発明は、固定スクロール(31)と可動スクロール(37)とを備え流体を吸入して圧縮する圧縮機構(30)と、中心軸が回転軸と一致する主軸部(43)と該主軸部(43)に対して偏心して上記可動スクロール(37)と係合した偏心部(44)とを有し上記圧縮機構(30)を駆動する駆動軸(42)と、上記主軸部(43)を囲むように設けられて上記主軸部(43)からのラジアル荷重を受ける主軸受部(16)と、上記駆動軸(42)の内部に形成され、上記主軸受部(16)へ供給される油が流通する給油通路(45)と、を備えるスクロール型の圧縮機を対象とする。そして、上記給油通路(45)は、上記主軸部(43)のうち上記主軸受部(16)によって囲まれる部分であるジャーナル部(19)における、上記偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた第1吸熱路(57b)を備えることを特徴とする。
第1の発明では、ジャーナル部(19)において、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、主軸受部(16)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域である。このため、ジャーナル部(19)の上述した範囲では、主軸受部(16)とジャーナル部(19)との摺動に伴う摩擦熱が集中的に発生する。この範囲内に第1吸熱路(57b)を設けると、第1吸熱路(57b)を流通する油が摩擦熱を吸収する。
第2の発明は、第1の発明において、上記ジャーナル部(19)は、柱状の本体部(48b)と、上記本体部(48b)を囲むように配置されて上記本体部(48b)に固定されている円筒状の筒状部材(49b)とを備え、上記第1吸熱路(57b)は、上記本体部(48b)の外側面と上記筒状部材(49b)との間に形成されていることを特徴とする。
第2の発明では、本体部(48b)の外側面と筒状部材(49b)の内側面との間に第1吸熱路(57b)となる隙間が形成されるように、あらかじめ、本体部(48b)の外側面や筒状部材(49b)の内側面を加工しておくことで、本体部(48b)に筒状部材(49b)を装着したときに第1吸熱路(57b)を形成することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記可動スクロール(37)は、上記偏心部(44)が係合するピン軸受部(40)を備え、上記給油通路(45)には、上記ピン軸受部(40)へ供給される油が流通し、上記給油通路(45)は、上記偏心部(44)における偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた第2吸熱路(57a)を備えることを特徴とする。
第3の発明では、ピン軸受部(40)に係合される偏心部(44)において、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、ピン軸受部(40)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域である。このため、偏心部(44)のうちピン軸受部(40)との摺動に伴う摩擦熱が集中的に発生する範囲内に、第2吸熱路(57a)を設けることができる。
第4の発明は、第3の発明において、上記偏心部(44)は、柱状の本体部(48a)と、上記本体部(48a)を囲むように配置されて上記本体部(48a)に固定されている円筒状の筒状部材(49a)とを備え、上記第2吸熱路(57a)は、上記本体部(48a)の外側面と上記筒状部材(49a)との間に形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、偏心部(44)の本体部(48a)の外側面と筒状部材(49a)の内側面との間に第2吸熱路(57a)となる隙間が形成されるように、あらかじめ、本体部(48a)の外側面や筒状部材(49a)の内側面を加工しておくことで、本体部(48a)に筒状部材(49a)を装着したときに第2吸熱路(57a)を形成することができる。
第5の発明は、シリンダ(82)と、上記シリンダ(82)内に配設されて流体室(86)を形成する円筒状のピストン(80)と、上記ピストン(80)に囲まれた偏心部(44)を有してピストン(80)を駆動する駆動軸(42)と、上記駆動軸(42)の内部に形成され、上記ピストン(80)へ供給される油が流通する給油通路(45)とを備えたロータリ型の圧縮機を対象とする。そして、上記給油通路(45)は、上記偏心部(44)における、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた吸熱路(57d)を備えることを特徴とする。
第5の発明では、ピストン(80)によって支持される偏心部(44)において、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、ピストン(80)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域である。このため、偏心部(44)の上述した範囲では、ピストン(80)と偏心部(44)との摺動に伴う摩擦熱が集中的に発生する。この範囲内に吸熱路(57d)を設けると、吸熱路(57d)を流通する油が摩擦熱を吸収する。
第6の発明は、第5の発明において、上記偏心部(44)は、柱状の本体部(48e)と、上記本体部(48e)を囲むように配置されて上記本体部(48e)に固定されている円筒状の筒状部材(49d)とを備え、上記吸熱路(57d)は、上記本体部(48e)の外側面と上記筒状部材(49d)との間に形成されていることを特徴とする。
第6の発明では、偏心部(44)の本体部(48e)の外側面と筒状部材(49d)の内側面との間に吸熱路(57d)となる隙間が形成されるように、あらかじめ、本体部(48e)の外側面や筒状部材(49d)の内側面を加工しておくことで、本体部(48e)に筒状部材(49d)を装着したときに吸熱路(57d)を形成することができる。
第1の発明では、スクロール型の圧縮機において、ジャーナル部(19)のうち主軸受部(16)から受ける荷重が大きい領域において生じた摩擦熱を、第1吸熱路(57b)を流れる油に吸収させることができる。このため、駆動軸(42)において、摩擦熱が集中的に発生してしまう箇所の温度上昇を低減できる。したがって、この発明によれば、ジャーナル部(19)の温度が局所的に上昇することに起因するジャーナル部(19)の損傷を抑えることができる。
上記第2の発明では、容易にジャーナル部(19)に第1吸熱路(57b)を設けることができる。
上記第3の発明では、スクロール型の圧縮機において、ピン軸受部(40)に係合される偏心部(44)の損傷を抑えることができる。
上記第4の発明では、容易に偏心部(44)に第2吸熱路(57a)を設けることができる。
上記第5の発明では、ロータリ型の圧縮機において、偏心部(44)のうちピストン(80)から受ける荷重が大きい領域において生じた摩擦熱を、吸熱路(57d)を流れる油に吸収させることができる。このため、駆動軸(42)において、摩擦熱が集中的に発生してしまう箇所の温度上昇を低減できる。したがって、この発明によれば、偏心部(44)の温度が局所的に上昇することに起因する偏心部(44)の損傷を抑えることができる。
上記第6の発明では、容易に偏心部(44)に吸熱路(57d)を設けることができる。
図1は、実施形態1のスクロール型の圧縮機の縦断面図である。 図2は、実施形態1の駆動軸の縦断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、図2のIV−IV線断面図である。 図5は、図2のV−V線断面図である。 図6は、実施形態1の変形例の図2相当図である。 図7は、実施形態1の変形例の図3相当図である。 図8は、実施形態1の変形例の図5相当図である。 図9は、実施形態2のロータリ型の圧縮機の縦断面図である。 図10は、実施形態2の図2相当図である。 図11は、図10のXI−XI線断面図である。 図12は、図9のXII-XII線断面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。
−圧縮機の全体構成−
図1に示すように、実施形態1の回転式圧縮機(10)(以下、単に圧縮機(10)ともいう)は、いわゆるスクロール圧縮機である。この圧縮機(10)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示せず)に設けられ、流体である冷媒を圧縮するものである。冷媒回路では、圧縮機(10)で圧縮された冷媒が、凝縮器で凝縮し、減圧機構で減圧され、蒸発器で蒸発し、そして圧縮機(10)に吸入される。
図1に示すように、圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、それぞれがケーシング(11)に収容されるハウジング(14)、圧縮機構(30)、駆動軸(42)及び電動機(70)とを備えている。
ケーシング(11)は、起立した状態で設けられ、上下が閉塞された筒状の部材である。ケーシング(11)は、底部に潤滑油を貯留するように構成されている。ケーシング(11)の頂部には低圧のガス冷媒を吸入するための吸入管(12)が当該ケーシング(11)を貫通して設けられている。ケーシング(11)の上下方向の略中央部の側面には、圧縮機構(30)で圧縮されて高圧になったガス冷媒を吐出するための吐出管(13)が当該ケーシング(11)を貫通して設けられている。
ケーシング(11)の内周面には、上から順に、圧縮機構(30)、ハウジング(14)、電動機(70)及び下部軸受部(24)が設けられている。そして、駆動軸(42)は、ケーシング(11)の中心軸に沿って上下方向に延びている。駆動軸(42)は、圧縮機構(30)の下部から下方に延びて、ハウジング(14)及び電動機(70)を貫通して下部軸受部(24)に回転可能に支持されている。
ハウジング(14)は、ケーシング(11)の内部に圧入により固定された環状の部材である。ケーシング(11)の内部空間は、このハウジング(14)によって、当該ハウジング(14)よりも上側の上部空間(51)と当該ハウジング(14)よりも下側の下部空間(52)とに区画されている。ハウジング(14)は、ケーシング(11)の内周壁に固定される環状部(15)と、この環状部(15)から下方に突出する主軸受部(16)と、環状部(15)の上面に形成された凹部(22)とを有する。
電動機(70)は、下部空間(52)に設けられていて、ケーシング(11)の内周壁に固定された固定子(71)と、この固定子(71)の内側に配置されて駆動軸(42)に固定された回転子(72)とを備えている。電動機(70)は、図示しない電源から電力が供給されると回転子(72)が回転するように構成されている。
圧縮機構(30)は、ハウジング(14)の上面に固定される固定スクロール(31)と、この固定スクロール(31)とハウジング(14)との間に設けられて固定スクロール(31)に噛合する可動スクロール(37)とを備えている。
固定スクロール(31)は、鏡板(32)と、この鏡板(32)の正面(図1における下面)の外縁に立設する略筒状の外周壁(33)と、鏡板(32)における外周壁(33)の内部に立設する渦巻き状(インボリュート状)のラップ(34)とを有する。鏡板(32)はラップ(34)と連続的に形成されている。ラップ(34)の先端面(下端面)と外周壁(33)の下面とは略面一に形成されている。また、固定スクロール(31)はハウジング(14)に固定されている。
固定スクロール(31)の鏡板(32)の中央には、吐出ポート(35)が形成されている。固定スクロール(31)の背面(図1における上面)には、吐出ポート(35)が開口する高圧チャンバ(53)が形成されている。高圧チャンバ(53)は、固定スクロール(31)の鏡板(32)およびハウジング(14)に形成された通路(図示せず)を介して下部空間(52)に連通している。圧縮機構(30)で圧縮された高圧冷媒は下部空間(52)に流出する。したがって、ケーシング(11)の内部では、下部空間(52)が高圧雰囲気に構成され、ケーシング(11)の底部に貯留された潤滑油には圧縮機構(30)の吐出圧力に相当する高圧圧力が作用する。
また、固定スクロール(31)には、吸入管(12)と後述する圧縮室(41)の外周部とを連通させる吸入ポート(36)が形成されている。冷媒回路の蒸発器から流出した低圧冷媒は、吸入管(12)および吸入ポート(36)を通過して圧縮室(41)に流入する。
可動スクロール(37)は、鏡板(38)と、この鏡板(38)の正面(図1における上面)に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(39)と、鏡板(38)の背面中心部に形成されたボス部とを有する。可動スクロール(37)の鏡板(38)およびラップ(39)と固定スクロール(31)の鏡板(32)およびラップ(34)との間には、冷媒を圧縮するための圧縮室(41)が形成されている。
ハウジング(14)の上部には、オルダム継手(23)が設けられている。このオルダム継手(23)は、可動スクロール(37)とハウジング(14)とに係合することによって、可動スクロール(37)の自転を阻止するように構成されている。
−駆動軸の概要−
駆動軸(42)は、中心軸が回転軸と一致している主軸部(43)と、主軸部(43)の上端に連続して形成された偏心部(44)とを有している。また、駆動軸(42)は、圧縮機(10)の運転時には上方から見て反時計回りに回転する。
主軸部(43)には、上から順に、上部ジャーナル部(19)、中間部(25)、及び下部ジャーナル部(27)が形成される。上部ジャーナル部(19)と中間部(25)と下部ジャーナル部(27)とは、それぞれが円柱状に形成され、互いに同軸上に配置される。また、上部ジャーナル部(19)は、中間部(25)、及び下部ジャーナル部(27)よりも大径である。ジャーナル部としての上部ジャーナル部(19)は、主軸部(43)の上端部に形成されている。上部ジャーナル部(19)は、ハウジング(14)を貫通していて、当該ハウジング(14)の主軸受部(16)に囲まれて回転可能に支持されている。下部ジャーナル部(27)は、主軸部(43)の下端部に形成されている。下部ジャーナル部(27)は、下部軸受部(24)によって囲まれて回転可能に支持されている。そして、上部ジャーナル部(19)と下部ジャーナル部(27)との間には中間部(25)が上下方向に延びている。
偏心部(44)は、その中心軸が主軸部(43)の中心軸と平行な円柱状に形成されている。偏心部(44)の中心軸は、主軸部(43)の中心軸から所定量だけ偏心している。偏心部(44)は、可動スクロール(37)の軸受メタル(46)に挿入されている。すなわち、偏心部(44)はピン軸受部(40)に囲まれて回転可能に支持されている。
駆動軸(42)の内部には、駆動軸(42)の下端から上端にわたって上下方向に延びる給油通路(45)が形成されている。駆動軸(42)の下端部は、ケーシング(11)の底部の潤滑油に浸漬されている。給油通路(45)は、ケーシング(11)の底部の潤滑油を下部軸受部(24)および主軸受部(16)に供給すると共に、この潤滑油をピン軸受部(40)と駆動軸(42)との摺動面に供給する。
−軸受部の構成−
軸受部は、ピン軸受部(40)と主軸受部(16)と下部軸受部(24)とからなる。
ピン軸受部(40)は、上記可動スクロール(37)の形成されたボス部に形成されている。ピン軸受部(40)の内周面には、円筒形状の金属板からなる軸受メタル(46)が設けられている。また、軸受メタル(46)には駆動軸(42)の偏心部(44)が挿入されており、偏心部(44)からのラジアル荷重を受けるようになっている。
主軸受部(16)は、上述したように、ハウジング(14)の環状部(15)から下方に突出するように設けられている。主軸受部(16)には、円筒形状の軸受メタル(18)が内嵌されている。主軸受部(16)は、駆動軸(42)の上部ジャーナル部(19)からのラジアル荷重を受けるようになっている。
下部軸受部(24)は、電動機(70)の下方に設けられている。下部軸受部(24)は、円筒形状のボス部(61)と、該ボス部(61)から径方向外側に延びてケーシング(11)の側面の下部に固定された複数の支持脚(62)と、ボス部(61)に内嵌された円筒形状の軸受メタル(26)とによって構成されている。下部軸受部(24)は、後述する駆動軸(42)の下部ジャーナル部(27)を囲むように設けられて下部ジャーナル部(27)からのラジアル荷重を受けるようになっている。
−駆動軸の詳細−
図2に示すように、駆動軸(42)は、本体部としての軸本体(48)と筒状部材(49a,49b,49c)とを備えている。軸本体(48)は、鉄を主成分とする材料からなり、ケーシング(11)の中心軸に沿って駆動軸(42)の全長を構成する柱状の部材である。軸本体(48)には、上から順に偏心軸部(48a)、大径部(48b)、中間軸部(48c)及び小径部(48d)が形成されている。偏心軸部(48a)は駆動軸(42)の偏心部(44)を、大径部(48b)は上部ジャーナル部(19)を、中間軸部(48c)は中間部(25)を、小径部(48d)は下部ジャーナル部(27)をそれぞれ本体部として構成している。また、筒状部材(49a,49b,49c)は、軸本体(48)と同じ材料からなり駆動軸(42)の外周面を部分的に構成する部材である。
〈給油通路〉
給油通路(45)は、本体通路(50)と、第1〜第3分岐通路(58a,58b,58c)と第1〜第3吸熱路(57a,57b,57c)と、第1〜第4接続路(56a,56b,56c,56d)とを有している。
本体通路(50)は、上部本体通路(50a)と下部本体通路(50b)からなる。上部本体通路(50a)は、駆動軸(42)の偏心部(44)の中心において、駆動軸(42)の上端から上部ジャーナル部(19)の上部まで上下方向に延びるように形成されている。下部本体通路(50b)は、主軸部(43)の中心において、上部ジャーナル部(19)の下部から駆動軸(42)の下端まで上下方向に延びるように形成されている。
第1分岐通路(58a)は偏心部(44)に形成されている。第2分岐通路(58b)は上部ジャーナル部(19)に形成されている。第3分岐通路(58c)は下部ジャーナル部(27)に形成されている。第1分岐通路(58a)は上部本体通路(50a)と、第2及び第3分岐通路(58b,58c)は下部本体通路(50b)と、それぞれ直交するように形成されている。
第1吸熱路(57b)は上部ジャーナル部(19)に形成されている。第2吸熱路(57a)は偏心部(44)に形成されている。第3吸熱路(57c)は下部ジャーナル部(27)に形成されている。第1〜第3吸熱路(57a,57b,57c)は本体通路(50)と平行に上下方向に延びるように形成されている。
第1接続路(56a)は偏心部(44)に形成されている。第2及び第3接続路(56b,56c)は上部ジャーナル部(19)に形成されている。第4接続路(56d)は下部ジャーナル部(27)に形成されている。第1接続路(56a)は、上部本体通路(50a)と第2吸熱路(57a)とに連通するように形成されている。第2接続路(56a)は、上部本体通路(50a)と第1吸熱路(57b)とに連通するように形成されている。第3接続路(56c)は、下部本体通路(50b)と第1吸熱路(57b)とに連通するように形成されている。第4接続路(56d)は、下部本体通路(50b)と第3吸熱路(57c)とに連通するように形成されている。
〈上部ジャーナル部〉
図3に示すように、上部ジャーナル部(19)は、大径部(48b)と筒状部材(49b)とによって構成されている。筒状部材(49b)は、大径部(48b)の外周面に設けられており、主軸受部(16)の軸受メタル(18)と対向している。また、筒状部材(49b)と大径部(48b)との間における周方向の一部の領域には、第1吸熱路(57b)が形成されている。
第2分岐通路(58b)は、下部本体通路(50b)の上端部から、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第2分岐通路(58b)は、上部ジャーナル部(19)の径方向へ延びる通路であって、大径部(48b)と筒状部材(49b)に亘って形成されている。第2分岐通路(58b)は、一端が下部本体通路(50b)に接続し、他端が筒状部材(49b)の外側面に開口する。第2分岐通路(58b)は、下部本体通路(50b)から主軸受部(16)に連通する。すなわち、第2分岐通路(58b)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
第1吸熱路(57b)は、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に設けられている。すなわち、第1吸熱路(57b)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)の反対側へ延びる半直線と筒状部材(49b)の外周面との交点(C)と、該交点(C)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(D)との間に形成されている。そして、第1吸熱路(57b)は、上部ジャーナル部(19)内を上下方向に延びている。また、大径部(48b)は、その外側面のうち、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)の反対側へ延びる半直線と筒状部材(49b)の外周面との交点(C)と、該交点(C)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(D)との間の領域(第1吸熱路(57b)が設けられる領域)に平坦面(59b)を有している。平坦面(59b)は、大径部(48b)の直径と直交する平面である。
また、平坦面(59b)は、大径部(48b)の内部において上下に延びるように形成されている。主軸部(43)の中心(O)から平坦面(59b)までの距離(L1)は、大径部(48b)の半径(d1)を2の平方根で除した値以上である(L1≧d1/√2)。そして、第1吸熱路(57b)は、平坦面(59b)と筒状部材(49b)の内側面とに囲まれた空間に設けられている。つまり、上部ジャーナル部(19)において、第1吸熱路(57b)は、中心(O)からの距離がd1/√2以上の領域に設けられている。
第3接続路(56c)は、下部本体通路(50b)の上端部から、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第3接続路(56c)は、大径部(48b)の径方向へ延びる通路である。第3接続路(56c)は、一端が下部本体通路(50b)に接続し、他端が平坦面(59b)に開口する。第3接続路(56c)は、下部本体通路(50b)と第1吸熱路(57b)とに連通する。すなわち、第3接続路(56c)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)の反対側へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
第2接続路(56b)は、図示は省略するが、偏心部(44)の中心軸(O’)と直交する方向へ延びる通路である。第2接続路(56b)は、一端が上部本体通路(50a)に接続し、他端が平坦面(59b)に開口する。
〈下部ジャーナル部〉
図4に示すように、下部ジャーナル部(27)は、小径部(48d)と筒状部材(49c)とによって構成されている。筒状部材(49c)は、小径部(48d)の外周面に設けられており、下部軸受部(24)の軸受メタル(26)と対向している。また、筒状部材(49c)と小径部(48d)との間における周方向の一部の領域には、第3吸熱路(57c)が形成されている。
第3分岐通路(58c)は、下部本体通路(50b)の下端部から、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第3分岐通路(58c)は、下部ジャーナル部(27)の径方向へ延びる通路であって、小径部(48d)と筒状部材(49c)に亘って形成されている。第3分岐通路(58c)は、一端が下部本体通路(50b)に接続し、他端が筒状部材(49c)の外側面に開口する。第3分岐通路(58c)は、下部本体通路(50b)から下部軸受部(24)に連通する。すなわち、第3分岐通路(58c)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)の反対側へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
第3吸熱路(57c)は、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に設けられている。すなわち、第3吸熱路(57c)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49c)の外周面との交点(A)と、該交点(A)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(B)との間に形成されている。そして、第3吸熱路(57c)は、下部ジャーナル部(27)内を上下方向に延びている。また、小径部(48d)は、その外側面のうち、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49c)の外周面との交点(A)と、該交点(A)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(B)との間の領域(第3吸熱路(57c)が設けられる領域)に平坦面(59c)を有している。平坦面(59c)は、小径部(48d)の直径と直交する平面である。
また、平坦面(59c)は、小径部(48d)の内部において上下に延びるように形成されている。主軸部(43)の中心(O)から平坦面(59c)までの距離(L2)は、小径部(48d)の半径(d2)を2の平方根で除した値以上である(L2≧d2/√2)。そして、第3吸熱路(57c)は、平坦面(59c)と筒状部材(49c)の内側面とに囲まれた空間に設けられている。つまり、下部ジャーナル部(27)において、第3吸熱路(57c)は、中心(O)からの距離がd1/√2以上の領域に設けられている。
第4接続路(56d)は、下部本体通路(50b)の下端部から、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第4接続路(56d)は、小径部(48d)の径方向へ延びる通路である。第4接続路(56d)は、一端が下部本体通路(50b)に接続し、他端が平坦面(59c)に開口する。第4接続路(56d)は、下部本体通路(50b)と第3吸熱路(57c)とに連通する。すなわち、第4接続路(56d)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
〈偏心部〉
図5に示すように、偏心部(44)は、偏心軸部(48a)と筒状部材(49a)とによって構成されている。筒状部材(49a)は、偏心軸部(48a)の外周面に設けられており、ピン軸受部(40)の軸受メタル(46)と対向している。また、筒状部材(49a)と偏心軸部(48a)との間における周方向の一部の領域には、第2吸熱路(57a)が形成されている。
第1分岐通路(58a)は、上部本体通路(50a)の中間部から、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第1分岐通路(58a)は、偏心部(44)の径方向へ延びる通路であって、偏心軸部(48a)と筒状部材(49a)に亘って形成されている。第1分岐通路(58a)は、一端が上部本体通路(50a)に接続し、他端が筒状部材(49a)の外側面に開口する。第1分岐通路(58a)は、上部本体通路(50a)からピン軸受部(40)に連通する。すなわち、第1分岐通路(58a)は、偏心部(44)の中心(O’)から主軸部(43)の中心(O)へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
第2吸熱路(57a)は、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に設けられている。すなわち、第2吸熱路(57a)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49a)の外周面との交点(A’)と、該交点(A’)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(B’)との間に形成されている。そして、第2吸熱路(57a)は、偏心部(44)内を上下方向に延びている。また、偏心軸部(48a)は、その外側面のうち、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49c)の外周面との交点(A’)と、該交点(A’)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(B’)との間の領域(第2吸熱路(57a)が設けられる領域)に平坦面(59a)を有している。平坦面(59a)は、偏心軸部(48a)の直径と直交する平面である。
また、平坦面(59a)は、偏心軸部(48a)の内部において上下に延びるように形成されている。偏心部(44)の中心(O’)から平坦面(59a)までの距離(L3)は、偏心軸部(48a)の半径(d3)を2の平方根で除した値以上である(L3≧d3/√2)。そして、第2吸熱路(57a)は、平坦面(59a)と筒状部材(49a)の内側面とに囲まれた空間に設けられている。つまり、偏心部(44)において、第2吸熱路(57a)は、中心(O’)からの距離がd1/√2以上の領域に設けられている。
第1接続路(56a)は、上部本体通路(50a)の中間部から、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。第1接続路(56a)は、偏心軸部(48a)の径方向へ延びる通路である。第1接続路(56a)は、一端が上部本体通路(50a)に接続し、他端が平坦面(59a)に開口する。第1接続路(56a)は、上部本体通路(50a)と第2吸熱路(57a)とに連通する。すなわち、第1接続路(56a)は、偏心部(44)の中心(O’)から主軸部(43)の中心(O)の反対側へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
−運転動作−
まず、圧縮機(10)の基本的な動作について説明する。
電動機(70)を作動させると、圧縮機構(30)の可動スクロール(37)が回転駆動される。可動スクロール(37)は、オルダム継手(23)によって自転を阻止されているので、駆動軸(42)の軸心を中心に偏心回転のみを行う。可動スクロール(37)が偏心回転を行うと、吸入管(12)および吸入ポート(36)を通って、圧縮機構(30)の内部に形成された圧縮室(41)の外周部に低圧のガス冷媒が流入する。そして、圧縮室(41)が外周側から中心側に移動していくと共に、その容積が小さくなっていくことで、圧縮室(41)内で冷媒が圧縮されていく。
最小の容積となった圧縮室(41)が吐出ポート(35)に連通すると、圧縮室(41)の高圧のガス冷媒が吐出ポート(35)を介して高圧チャンバ(53)に吐出される。高圧チャンバ(53)の高圧のガス冷媒は、固定スクロール(31)およびハウジング(14)に形成された各通路を経由して下部空間(52)に流出する。下部空間(52)の高圧のガス冷媒は、吐出管(13)を介して、ケーシング(11)の外部へ吐出される。
また、可動スクロール(37)が回転すると、駆動軸(42)にラジアル荷重が作用する。このため、偏心部(44)において、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、ピン軸受部(40)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域となる。また、上部ジャーナル部(19)において、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、主軸受部(16)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域となる。さらに、下部ジャーナル部(27)において、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、下部軸受部(24)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域となる。そして、これらの軸受部(40,16,27)から受けるラジアル荷重が大きい領域には、軸受部(40,16,27)と駆動軸(42)との間で摩擦熱が集中的に発生することになる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、上記の摩擦熱が集中する範囲内に吸熱路(57a,57b,57c)が設けられている。このため、吸熱路(57a,57b,57c)を流通する油が摩擦熱を吸収する。すなわち、駆動軸(42)のうち軸受部(40,16,27)から受ける荷重が大きい領域において生じた摩擦熱を、吸熱路(57a,57b,57c)を流通する油に吸収させることができる。このため、駆動軸(42)において、摩擦熱が集中的に発生してしまう箇所の温度上昇を低減できる。したがって、駆動軸(42)の温度が局所的に上昇することに起因する駆動軸(42)の損傷を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、軸本体(48)の外側に筒状部材(49a,49b,49c)が配設され、軸本体(48)と筒状部材(49a,49b,49c)との間に吸熱路(57a,57b,57c)が位置することになる。このため、軸本体(48)の外側面に平坦面(59a,59b,59c)を形成して、その外側から筒状部材(49a,49b,49c)を装着することで、駆動軸(42)に吸熱路(57a,57b,57c)を設けることができる。
−実施形態1の変形例−
実施形態1の変形例について説明する。本変形例では、上記実施形態1と吸熱路の形成方法及び駆動軸(42)の構成が異なる。以下では、実施形態1と異なる点について主に説明する。
図6〜図8に示すように、本変形例の駆動軸(42)には筒状部材は設けられていない。つまり、本変形例の駆動軸(42)は、上部ジャーナル部(19)が軸本体(48)の大径部(48b)によって構成され、偏心部(44)は、偏心軸部(48a)によって構成されている。また、本変形例の給油通路(45)において、本体通路(50)は上部ジャーナル部(19)の下端部から主軸部(43)の下端に亘って主軸部(43)の中心を延びるように形成されている。また、第3吸熱路は形成されておらず、給油通路(45)は、上部ジャーナル部(19)に形成された第1吸熱路(57b)と偏心部(44)に形成された第2吸熱路(57a)とを有している。また、第1吸熱路(57b)及び第2吸熱路(57a)は、軸本体(48)に形成された穴部である。そして、給油通路(45)は、第1吸熱路(57b)と第2吸熱路(57a)とに連通する第5接続路(56e)と、第1吸熱路(57b)と本体通路(50)とに連通する第6接続路(56f)とを有している。
図7に示すように、上部ジャーナル部(19)において、第1吸熱路(57b)は、大径部(48b)における、偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に例えば2つ形成されている。各第1吸熱路(57b)は、上部ジャーナル部(19)の内部に形成された円筒状の空間である。各第1吸熱路(57b)は、それぞれの直径が等しい。また、各第1吸熱路(57b)の中心は、上部ジャーナル部(19)と同心の1つの基準円上に等間隔で配置されている。また、この基準円の半径(L4)は、大径部(48b)の半径(d1)の半分以上の長さである(L4≧d1/2)。そして、上部ジャーナル部(19)の上端部には、第5接続路(56e)が、回転軸と直交する方向に延びるように形成されている。そして、各第1吸熱路(57b)と後述する各第2吸熱路(57a)とに連通している。上部ジャーナル部(19)の下端部には、第6接続路(56f)が、回転軸と直交する方向に延びるように形成されている。そして、各第1吸熱路(57b)と本体通路(50)とに連通している。
偏心部(44)において、第2吸熱路(57a)は、偏心軸部(48a)における、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に例えば2つ形成されている。また、第2吸熱路(57a)は、偏心部(44)の全長に亘って上下方向に形成されている。各第2吸熱路(57a)は、それぞれ同じ直径を有している。また、各第2吸熱路(57a)の中心は、偏心部(44)と同心の1つの基準円上に等間隔で配置されている。また、この基準円の半径(L5)は、偏心軸部(48a)の半径(d3)の半分以上の長さである(L5≧d3/2)。
本変形例によれば、別途特別な部材を用いることなく、駆動軸(42)に吸熱路(57a,57b)を設けることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。以下では、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
−圧縮機の全体構成−
図9に示すように、本実施形態の圧縮機(10)は、圧縮機構(30)と電動機(70)とがケーシング(11)に収容された全密閉型のロータリ式の圧縮機である。
ケーシング(11)の側面の下部には、吸入管(12)が取り付けられている。また、ケーシング(11)の天面には、吐出管(13)が取り付けられている。
圧縮機構(30)は、ケーシング(11)内の下部に配置されている。この圧縮機構(30)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。この圧縮機構(30)は、フロントヘッド(81)と、シリンダ(82)と、ピストン(80)と、リアヘッド(83)とを備えている。
電動機(70)は、圧縮機構(30)の上方に配置されている。
駆動軸(42)は、主軸部(43)と、偏心部(44)とを備えている。偏心部(44)は、主軸部(43)の下端寄りに配置されている。また、偏心部(44)は、主軸部(43)よりも大径の円柱状に形成され、主軸部(43)に対して偏心している。また、駆動軸(42)は、圧縮機(10)の運転時には図11における時計回りに回転する。さらに、駆動軸(42)の給油通路(45)は、ケーシング(11)の底部の潤滑油を主軸受部(81a)及び下部軸受部(83a)に供給すると共に、この潤滑油をピストン(80)と駆動軸(42)との摺動面及びピストン(80)とシリンダ(82)との摺動面に供給する。
−駆動軸の詳細−
駆動軸(42)は、軸本体(48)と筒状部材(49d)とを備えている。軸本体(48)は、鉄を主成分とする材料からなり、ケーシング(11)の中心軸に沿って駆動軸(42)の全長を構成する部材である。軸本体(48)は、偏心部(44)に対応する位置に偏心軸部(48e)を有している。偏心軸部(48e)は駆動軸(42)の偏心部(44)を構成している。また、本体通路(50)は、駆動軸(42)の全長を貫通するように、主軸部(43)の中心の位置に形成されている。
〈偏心部〉
駆動軸(42)の偏心部(44)は、圧縮機構(30)のピストン(80)に囲まれている。図10及び図11に示すように、偏心部(44)は、軸本体(48)の一部を構成する本体部としての偏心軸部(48e)及び筒状部材(49d)からなり、偏心部(44)を上下方向に貫通する吸熱路(57d)が形成されている。筒状部材(49d)は、偏心軸部(48e)に外嵌しており、ピストン(80)と対面している。
吸熱路(57d)は、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲に設けられている。すなわち、偏心部(44)の吸熱路(57d)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49d)の外周面との交点(A’)と、該交点(A’)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(D’)との間に設けられている。
偏心軸部(48e)は、その外側面のうち、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線と筒状部材(49d)の外周面との交点(A’)と、該交点(A’)から駆動軸(42)の回転方向に90°進んだ位置(D’)との間の領域(吸熱路(57d)が設けられる領域)に平坦面(59d)を有している。平坦面(59d)は、偏心軸部(48e)の直径と直交する平面である。また、平坦面(59d)は、偏心軸部(48e)の全長に亘って形成されている。偏心部(44)の中心(O’)から平坦面(59d)までの距離(L6)は、偏心軸部(48e)の半径(d3)の2分の1以上である(L6≧d3/2)。そして、平坦面(59d)と筒状部材(49d)の内側面とに囲まれた空間が吸熱路(57d)となっている。つまり、偏心部(44)において、吸熱路(57d)は、中心(O’)からの距離がd3/2以上の領域に設けられている。
また、接続路(56g)は、本体通路(50)の中間部から、偏心部(44)の偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に45°の方向に形成されている。接続路(56g)は、本体通路(50)と吸熱路(57d)とに連通するように、回転軸と直交する方向に延びている。すなわち、接続路(56g)は、主軸部(43)の中心(O)から偏心部(44)の中心(O’)へ延びる半直線から駆動軸(42)の回転方向に45°進んだ位置に設けられている。
−圧縮機構−
圧縮機構(30)のシリンダ(82)は、厚肉円板状の部材である。シリンダ(82)の中央部には、後述するピストン(80)と共に流体室(86)を形成する円形孔が形成されている。フロントヘッド(81)は、シリンダ(82)の上端面を閉塞する板状の部材である。フロントヘッド(81)の中央部には、駆動軸(42)を支持する主軸受部(81a)が突設されている。リアヘッド(83)は、シリンダ(82)の下端面を閉塞する板状の部材である。リアヘッド(83)の中央部には、駆動軸(42)を支持する下部軸受部(83a)が突設されている。
シリンダ(82)は、ケーシング(11)の側面に固定されている。フロントヘッド(81)、シリンダ(82)、及びリアヘッド(83)は、互いにボルトによって締結されており、固定側部材(85)を構成している。
図7に示すように、圧縮機構(30)は、可動側部材であるピストン(80)と、ブレード(84)とを備えている。
ピストン(80)は、やや厚肉の円筒状に形成されている。ピストン(80)には、駆動軸(42)の偏心部(44)が回転自在に嵌め込まれている。ピストン(80)の外周面(89)は、シリンダ(82)の内周面(87)と摺接する。圧縮機構(30)では、ピストン(80)の外周面(89)とシリンダ(82)の内周面(87)との間に流体室(86)が形成される。
ブレード(84)は、ピストン(80)の外周面(89)に突設された平板状の部材であって、ピストン(80)と一体に形成されている。ブレード(84)は、流体室(86)を高圧室(86a)と低圧室(86b)とに区画する。
圧縮機構(30)は、一対のブッシュ(91)を備えている。一対のブッシュ(91)は、シリンダ(82)のブッシュ溝(90)に嵌め込まれ、ブレード(84)を両側から挟み込んでいる。ピストン(80)と一体のブレード(84)は、このブッシュ(91)を介してシリンダ(82)に支持される。
シリンダ(82)には、シリンダ(82)を径方向に貫通する吸入口としての吸入ポート(36)が形成されている。吸入ポート(36)は、流体室(86)の低圧室(86b)に連通する。吸入ポート(36)の一端は、シリンダ(82)の内周面(87)に開口している。この内周面(87)における吸入ポート(36)の開口端は、ブッシュ(91)に隣接した位置(図7におけるブッシュ(91)の右隣)に設けられている。一方、吸入ポート(36)の他端には、吸入管(12)が挿入されている。
フロントヘッド(81)には、吐出口としての吐出ポート(35)が形成されている。吐出ポート(35)は、フロントヘッド(81)をその厚さ方向に貫通する貫通孔である。吐出ポート(35)は、流体室(86)の高圧室(86a)に連通する。フロントヘッド(81)の下面において、吐出ポート(35)の開口端は、ブッシュ(91)に対して吸入ポート(36)とは逆側の位置(図2におけるブッシュ(91)の左隣)に配置されている。
また、フロントヘッド(81)には、リード弁からなる吐出弁(95)が設けられている。この吐出弁(95)は、吐出ポート(35)を開閉する。
−圧縮機の運転動作−
圧縮機(10)の運転動作について説明する。
電動機(70)に通電すると、駆動軸(42)は、上方から見て時計回りに回転する。駆動軸(42)が回転すると、ブレード(84)と一体に形成されたピストン(80)は、揺動しつつ偏心回転する。
駆動軸(42)が回転してピストン(80)が移動すると、低圧室(86b)の容積が次第に拡大し、吸入ポート(36)から低圧室(86b)へ低圧ガス冷媒が吸い込まれる。また、それと同時に高圧室(86a)の容積が次第に縮小し、高圧室(86a)内のガス冷媒が圧縮される。
高圧室(86a)内のガス圧がケーシング(11)の内部空間のガス圧を上回ると、吐出弁(95)が開き、高圧室(86a)内のガス冷媒が吐出ポート(35)を通ってケーシング(11)の内部空間へ吐出される。圧縮機構(30)からケーシング(11)の内部空間へ吐出された高圧ガス冷媒は、吐出管(13)を通ってケーシング(11)の外部へ流出する。
また、ピストン(80)が回転すると、駆動軸(42)にラジアル荷重が作用する。このため、偏心部(44)において、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲が、ピストン(80)から受けるラジアル荷重が大きくなる領域となる。
−実施形態2の効果−
本実施形態によれば、ピストン(80)によって支持される偏心部(44)において摩擦熱が集中的に発生する箇所に、吸熱路(57d)を設けることができる。このため、吸熱路(57d)を流通する油が摩擦熱を吸収する。すなわち、駆動軸(42)のうちピストン(80)から受ける荷重が大きい領域において生じた摩擦熱を、吸熱路(57d)を流通する油に吸収させることができる。このため、偏心部(44)において、摩擦熱が集中的に発生してしまう箇所の温度上昇を低減できる。したがって、ロータリ型の圧縮機において、駆動軸(42)の損傷を抑えることができる。
以上説明したように、本発明は、圧縮機について有用である。
10 圧縮機
16 主軸受部
19 上部ジャーナル部(ジャーナル部)
30 圧縮機構
31 固定スクロール
35 吐出ポート(吐出口)
36 吸入ポート(吸入口)
37 可動スクロール
40 ピン軸受部
42 駆動軸
43 主軸部
44 偏心部
45 給油通路
48a 偏心軸部(本体部)
48b 大径部(本体部)
48d 偏心軸部(本体部)
49a 筒状部材
49b 筒状部材
49d 筒状部材
57a 第2吸熱路
57b 第1吸熱路
57d 吸熱路
80 ピストン
82 シリンダ
86 流体室

Claims (6)

  1. 固定スクロール(31)と可動スクロール(37)とを備え流体を吸入して圧縮する圧縮機構(30)と、中心軸が回転軸と一致する主軸部(43)と該主軸部(43)に対して偏心して上記可動スクロール(37)と係合した偏心部(44)とを有し上記圧縮機構(30)を駆動する駆動軸(42)と、上記主軸部(43)を囲むように設けられて上記主軸部(43)からのラジアル荷重を受ける主軸受部(16)と、上記駆動軸(42)の内部に形成され、上記主軸受部(16)へ供給される油が流通する給油通路(45)と、を備えるスクロール型の圧縮機であって、
    上記給油通路(45)は、上記主軸部(43)のうち上記主軸受部(16)によって囲まれる部分であるジャーナル部(19)における、上記偏心部(44)の偏心方向の反対側から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた第1吸熱路(57b)を備えることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記ジャーナル部(19)は、柱状の本体部(48b)と、上記本体部(48b)を囲むように配置されて上記本体部(48b)に固定されている円筒状の筒状部材(49b)とを備え、
    上記第1吸熱路(57b)は、上記本体部(48b)の外側面と上記筒状部材(49b)との間に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記可動スクロール(37)は、上記偏心部(44)が係合するピン軸受部(40)を備え、
    上記給油通路(45)には、上記ピン軸受部(40)へ供給される油が流通し、
    上記給油通路(45)は、上記偏心部(44)における偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた第2吸熱路(57a)を備えることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記偏心部(44)は、柱状の本体部(48a)と、上記本体部(48a)を囲むように配置されて上記本体部(48a)に固定されている円筒状の筒状部材(49a)とを備え、
    上記第2吸熱路(57a)は、上記本体部(48a)の外側面と上記筒状部材(49a)との間に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  5. シリンダ(82)と、
    上記シリンダ(82)内に配設されて流体室(86)を形成する円筒状のピストン(80)と、
    上記ピストン(80)に囲まれた偏心部(44)を有してピストン(80)を駆動する駆動軸(42)と、
    上記駆動軸(42)の内部に形成され、上記ピストン(80)へ供給される油が流通する給油通路(45)とを備えたロータリ型の圧縮機であって、
    上記給油通路(45)は、上記偏心部(44)における、偏心方向から駆動軸(42)の回転方向に90°の範囲内に設けられた吸熱路(57d)を備えることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項5において、
    上記偏心部(44)は、柱状の本体部(48e)と、上記本体部(48e)を囲むように配置されて上記本体部(48e)に固定されている円筒状の筒状部材(49d)とを備え、
    上記吸熱路(57d)は、上記本体部(48e)の外側面と上記筒状部材(49d)との間に形成されていることを特徴とする圧縮機。
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